(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155978
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20231017BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20231017BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20231017BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20231017BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20231017BHJP
【FI】
G06Q50/30
G08G1/00 D
G16Y40/60
G16Y20/20
G16Y10/40
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065519
(22)【出願日】2022-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】514235341
【氏名又は名称】株式会社スマートドライブ
(72)【発明者】
【氏名】山本 剛央
(72)【発明者】
【氏名】大野 良
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC27
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181MC24
5H181MC25
5H181MC27
5L049CC41
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数の非電気自動車のうち、電気自動車に切り替え可能な最大台数を出力する情報処理システム、情報処理方法、情報処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、電気自動車に切り替え可能なガソリン車台数算出処理は、特定の所定期間における走行情報に基づいて、複数の非電気自動車のうち、第1所定時間における航行距離が、対象距離を超えたことがある非電気自動車を特定し、特定の所定期間における走行情報に基づいて、複数の非電気自動車のうち、第2所定時間における不走行時間が第2所定時間を超えなかったことがある非電気自動車を特定し、複数の非電気自動車のうち、特定されなかった非電気自動車を特定し、特定した非電気自動車が電気自動車の種類に切り替え可能である旨を出力する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の非電気自動車のそれぞれにおける走行情報を取得する走行情報取得部と、
切り替え先対象の電気自動車の種類を特定する電気自動車種特定部と、
前記取得された走行情報のうち、所定期間における走行情報を特定する走行情報特定部と、
前記特定された電気自動車の種類の航続可能距離に基づき、対象距離を算出する対象距離算出部と、
前記特定された所定期間における走行情報に基づいて、前記複数の非電気自動車のうち、第1所定時間における航行距離が、前記対象距離を超えたことがある非電気自動車を特定する第1特定部と、
前記特定された所定期間における走行情報に基づいて、前記複数の非電気自動車のうち、第2所定時間における不走行時間が第2所定時間を超えなかったことがある非電気自動車を特定する第2特定部と、
前記複数の非電気自動車のうち、前記第1特定部及び前記第2特定部のいずれによっても特定されなかった非電気自動車を特定する切替可能車特定部と、
前記切替可能車特定部により特定された非電気自動車は前記電気自動車の種類に切り替え可能である旨を出力する出力部と、
を備える、情報処理システム。
【請求項2】
前記特定された電気自動車の種類が高速道路の走行が可能でない場合、前記特定された所定期間における走行情報に基づいて、高速道路を利用したと判断された非電気自動車を特定する第3特定部と、
を更に備え、
前記切替可能車特定部は、前記複数の非電気自動車のうち、前記第1特定部、前記第2特定部及び前記第3特定部のいずれによっても特定されなかった非電気自動車を特定する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
対象距離算出部は、前記電気自動車の種類の内外に備えられた設備によって消費される想定電力量に更に基づいて前記対象距離を算出する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
対象距離算出部は、前記電気自動車の種類のバッテリーの劣化情報に更に基づいて対象距離を算出する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
ユーザ入力に基づいて電気自動車の種類を変更する変更部と、
を更に備え、
前記対象距離算出部は、前記変更された電気自動車の種類に基づいて対象距離を再算出し、
前記対象時間算出部は、前記変更された電気自動車の種類のバッテリー性能に基づいて対象時間を再算出し、
前記第1特定部は、前記複数の非電気自動車のうち、前記第1所定時間における航行距離が、前記再算出された対象距離を超えたことがある非電気自動車を特定し、
前記第2特定部は、前記複数の非電気自動車のうち、前記第2所定時間における不走行時間が前記再算出された対象時間を超えなかったことがある非電気自動車を特定し、
前記切替可能車特定部は、前記複数の非電気自動車のうち、前記第1特定部及び前記第2特定部のいずれもよっても特定されなかった非電気自動車を特定する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記変更された電気自動車の種類が高速道路の走行が可能でない場合、前記第3特定部は、前記特定された一定期間における走行情報に基づいて、高速道路を利用したことがある非電気自動車を特定し、
前記切替可能車特定部は、前記複数の非電気自動車のうち、前記第1特定部、前記第2特定部及び前記第3特定部のいずれによっても特定されなかった非電気自動車を特定する、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1特定部によって特定された非電気自動車のうち、第1所定時間における航行距離が、前記対象距離を超えた回数が第1所定回数以下である非電気自動車を特定する第4特定部と、
前記第2特定部によって特定された非電気自動車のうち、前記第2所定時間における不走行時間が前記対象時間を超えなかった回数が第2所定回数以下である非電気自動車を特定する第5特定部と、
を更に備え、
前記出力部は、前記第4特定部と前記第5特定部との両方によって特定された非電気自動車は、運用方法の変更により切り替え可能である旨を出力する、
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
複数の非電気自動車それぞれにおける走行情報を取得する走行情報取得部と、
切り替え先対象の電気自動車の種類を特定する電気自動車種特定部と、
前記取得された走行情報のうち、一定期間における走行情報を特定する走行情報特定部と、
前記特定された電気自動車の種類の航続可能距離に基づき、対象距離を算出する対象距離算出部と、
前記特定された電気自動車の種類における充電必要時間に基づき、対象時間を算出する対象時間算出部と、
前記特定された一定期間における走行情報に基づいて、前記複数の非電気自動車のうち、第1所定時間における航行距離が、前記対象距離を超えたことがある非電気自動車を特定する第1特定部と、
前記特定された一定期間における走行情報に基づいて、前記複数の非電気自動車のうち、第2所定時間における不走行時間が前記対象時間を超えなかったことがある電気自動車を特定する第2特定部と、
前記複数の非電気自動車のうち、前記第1特定部及び前記第2特定部のいずれによっても特定されなかった非電気自動車を特定する切替可能車特定部と、
前記切替可能車特定部により特定された非電気自動車は電気自動車に切り替え可能である旨を出力する出力部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項9】
複数の非電気自動車それぞれにおける走行情報を取得することと、
切り替え先対象の電気自動車の種類を特定することと、
前記取得された走行情報のうち、一定期間における走行情報を特定することと、
前記特定された電気自動車の種類の航続可能距離に基づき、対象距離を算出することと、
前記特定された電気自動車の種類における充電必要時間に基づき、対象時間を算出することと、
前記特定された一定期間における走行情報に基づいて、前記複数の非電気自動車のうち、第1所定時間における航行距離が、前記対象距離を超えたことがある非電気自動車を特定することと、
前記特定された一定期間における走行情報に基づいて、前記複数の非電気自動車のうち、第2所定時間における不走行時間が前記対象時間を超えなかったことがある電気自動車を特定することと、
前記複数の非電気自動車のうち、前記対象距離を超えたことがあった非電気自動車、及び前記対象時間を超えないことがあった非電気自動車のいずれにも該当しない非電気自動車を特定することと、
前記該当しないとして特定された非電気自動車は前記電気自動車の種類に切り替え可能である旨を出力することと、
を含む、情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
複数の非電気自動車それぞれにおける走行情報を取得することと、
切り替え先対象の電気自動車の種類を特定することと、
前記取得された走行情報のうち、一定期間における走行情報を特定することと、
前記特定された電気自動車の種類の航続可能距離に基づき、対象距離を算出することと、
前記特定された電気自動車の種類における充電必要時間に基づき、対象時間を算出することと、
前記特定された一定期間における走行情報に基づいて、前記複数の非電気自動車のうち、第1所定時間における航行距離が、前記対象距離を超えたことがある非電気自動車を特定することと、
前記特定された一定期間における走行情報に基づいて、前記複数の非電気自動車のうち、第2所定時間における不走行時間が前記対象時間を超えなかったことがある電気自動車を特定することと、
前記複数の非電気自動車のうち、前記対象距離を超えたことがあった非電気自動車、及び前記対象時間を超えないことがあった非電気自動車のいずれにも該当しない非電気自動車を特定することと、
前記該当しないとして特定された非電気自動車は前記電気自動車の種類に切り替え可能である旨を出力することと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行情報に基づいてガソリン車等の非電気自動車から電気自動車への乗り換えを提案する情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車の普及が進んでいる。電気自動車に切り替えての運用が進むことによって、環境的に優しい形態への転換が図ることができる。また、個人単位又は複数の自動車をビジネスにて用いる企業等においても、運用状況に応じて管理対象の複数の自動車のうちの少なくとも一部を電気自動車に切り替えることにより、コスト面等においてもメリットがある運用を図ることができるという利点がある。
【0003】
電気自動車の運用に関する従来技術として、例えば、特許文献1には、EVカーシェアリングへ移行することにメリットを持たせ、ユーザのEVカーシェアリングの利用を促すべく、ユーザの以前の所有者の情報に基づいて、電気自動車のシェアリングの利用料金を設定する技術が開示されている。
さらに、例えば、特許文献2には、電気自動車においては蓄電池への充電時間が長くかかり、航続距離が制限されることに鑑み、運転者による走行プランであって交通情報に基づいて変更される走行プランに基づいた車載用蓄電池の交換及び充電の予約を行う技術が開示されている。
さらに、例えば、特許文献3には、EV車ではガソリン車と比較して、一度の充電で走行できる距離が短く、また充電時間も長いことに鑑み、管理するEV車から収集した車両の走行履歴から、時間帯毎の車両の利用距離に対する利用台数の分布と、利用台数の時間毎の推移を予測した利用予測パターンを地域メッシュ毎に求め、各地域メッシュに配置する車両について、時間帯毎の配置台数と充電残量分布を求め、各車両に対して充電又は待機を指示して各メッシュについて配置台数と充電残量分布を満たすように配車を行い、利用者から乗車位置と目的地の要求を受付けると、車両の現在位置から乗車位置と目的地をそれぞれ経由して目的地に最寄りの充電ステーションに到達可能な充電残量の車両を抽出し、この内、乗車位置に最も近い車両に対して、配車指示を通知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-87151号公報
【特許文献2】特開2019-174474号公報
【特許文献3】特開2012-73979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術においても一部開示されているように、電気自動車にはガソリン車等に比べて、例えば以下に挙げるデメリットがある。従って、単にガソリン車等を電気自動車に切り替えることが、その使用者に総合的な視点で見てのメリットをもたらすとは限らない。
・電気自動車の種類によっては、航続可能距離が非電気自動車より短い場合がある
・充電に時間が掛かる
・電気自動車の種類によっては、高速道路を利用できない場合がある
そして、従来においては、これらのデメリット等に応じて、運用する車両の全部または一部を電気自動車に切り替えることを提案することは開示されていなかった。
【0006】
本発明の目的は、電気自動車、およびガソリン車等の非電気自動車それぞれのメリット及びデメリットに鑑み、より効率化された電気自動車と非電気自動車の運用の提案を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、情報処理システムは、複数の非電気自動車それぞれにおける走行情報を取得する走行情報取得部と、切り替え先対象の電気自動車の種類を特定する電気自動車種特定部と、前記取得された走行情報のうち、一定期間における走行情報を特定する走行情報特定部と、前記特定された電気自動車の種類の航続可能距離に基づき、対象距離を算出する対象距離算出部と、前記特定された電気自動車の種類における充電必要時間に基づき、対象時間を算出する対象時間算出部と、前記特定された一定期間における走行情報に基づいて、前記複数の非電気自動車のうち、任意の起点から開始する第1所定時間における航行距離が、前記対象距離を超えたことがあった非電気自動車を特定する第1特定部と、前記特定された一定期間における走行情報に基づいて、前記複数の非電気自動車のうち、任意の起点から開始する第2所定時間における不走行時間が前記対象時間を超えないことがあった電気自動車を特定する第2特定部と、前記複数の非電気自動車のうち、前記第1特定部及び前記第2特定部のいずれによっても特定されなかった非電気自動車の台数を算出する台数算出部と、前記算出された台数を電気自動車に切り替え可能な台数として出力する出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る情報処理システム等によれば、より効率化された電気自動車と非電気自動車の運用の提案を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係るガソリン車の少なくとも一部の電気自動車への切り替えを提案するシステムのシステム構成図である。
【
図2】本実施形態に係るデータ処理装置とサーバとの間の通信の説明図である。
【
図3】
図1のサーバー30の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る電気自動車に切り替え可能なガソリン車台数算出処理のフローチャートである。
【
図5】端末10の表示部に出力される電気自動車に切り替え可能な台数を示すユーザインターフェースの例である。
【
図6】出力された切り替え可能台数のうちの何台かを切り替えたと想定した時に、どれだけの効果がありうるかを出力した場合に表示されるユーザインターフェースの例である。
【
図7】切り替え対象となる電気自動車の種類を変更可能に実現されたユーザインターフェースの例である。
【
図8】
図7に示すユーザインターフェースにおいて、別の電気自動車の種類を選択した場合の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態の例について図面を参照して説明する。
なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。
また、これらの実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。
【0011】
[実施形態]
以下、本発明の情報処理技術を実現するための一例である実施形態について説明する。
なお、本実施形態に記載の内容は、他の各実施形態や各実施例、他の各変形例のいずれにも適用可能である。
【0012】
図1は、本実施形態の一態様に係る、ガソリン車の少なくとも一部の電気自動車への切り替えを提案するシステムのシステム構成図である。本システムは、複数台のガソリン車があり、それぞれの車両についての走行情報を収集して、サーバ30に記憶し、端末10によって、サーバ30に記憶された情報(取得した情報を分析し出力された情報を含む)を適宜抽出するものである。
【0013】
ガソリン車1(1a、1b、1c、1d)は、本実施形態では、ガソリンを燃焼させることにより得られるエネルギーを変換して動力とする車両である。
いずれの車両とも、本実施形態においては、ビジネス上利用される車両とするが、特にそのような車両には限定されない。
【0014】
端末10においては、ネットワークNWを通じてサーバ30に接続され、要求に応じたデータをサーバ30から受信したり、要求に応じた処理をサーバ30に実行させてその処理結果を受信したり、といったことが行われる。本実施形態における端末10は、限定ではなく例として、タブレットやラップトップPCなどの電子機器であればよい。
【0015】
各ガソリン車1a、1b、1c、1dにおいては走行情報が取得され、無線通信等を通じてネットワークNWに接続されて、サーバ30に送信される。この取得及び送信は、各車両に備えられたデータ処理装置20を通じて行われる。このデータ処理装置20を通じての走行情報の取得及び送信に係る具体的なシステム構成については以下説明する。
【0016】
本実施形態におけるデータ処理装置20とサーバ30との間の通信について説明する。
図2は、本実施形態にかかるデータ処理装置20とサーバ30との間の通信の説明図である。
【0017】
データ処理装置20は、たとえば自動車のソケット(一例として、シガーソケット、電気供給用ソケット、又は、接続用ソケット)に挿入して、自動車の車両内に固定することができる。電気供給用ソケット又は接続用ソケットは、たとえばUSB(Universal Serial Bus)をサポートするソケットである。無論、データ処理装置20はかかるものに限定されず、例えば、ドライブレコーダーや、その他任意のIoT機器などであってよく、それらが単体で、または複数の機器を組み合わせることで、後述するデータ処理装置20の各構成要素を備えていれば、どのような態様で車両に備えられてもよい。データ処理装置20は、携帯端末220を介して、または直接にサーバ30と接続され、サーバ30に対して取得した走行情報の送信を行う。なお、データ処理装置20自体が車両に乗車するユーザ(例えば、運転者)により保持されるスマートフォン等の機器であってもよい。
【0018】
携帯端末220は、車両に乗車するユーザ(例えば、運転者)により保持される等により、車両の内部または近傍に存在する機器である。携帯端末220は、データ処理装置20とサーバ30との間の通信を制御するように構成される。携帯端末220は、たとえばスマートフォン又はタブレットである。前述したように、データ処理装置20は、携帯端末220を介さずに、サーバ30と通信を行うこととしてもよい。
【0019】
サーバ30は、少なくとも1つのデータ処理装置20によって収集されたデータを記憶し処理する。さらに、記憶したデータに基づくデータ処理の結果を外部の装置、例えば車両管理者が利用する装置に提供するように構成される。
【0020】
本実施形態のデータ処理装置20の構成を説明する。
【0021】
図2に示すように、データ処理装置20は、例えば、加速度情報取得部21と、位置情報取得部22と、時間情報取得部23と、制御部24と、通信部25を備え、データ処理装置20が備えられた車両の走行情報を取得するよう構成される。
加速度情報取得部21は、車両の加速度を取得するものであり、例えば、圧電型加速度センサによって加速度を取得するように構成される。なお、後述する位置情報取得部22によって取得される位置情報や、不図示の速度情報取得部によって取得される速度情報に基づいて、車両の加速度を算出することとしてもよく、かかる場合には、加速度情報取得部21は備えなくともよい。
位置情報取得部22は、例えば、GNSS衛星(例えばGPS衛星)から到来する電波に基づいてデータ処理装置20の位置情報(例えば、緯度経度情報)を所定間隔で取得する。すなわち、データ処理装置20が設置された車両の位置情報を取得することができる。
時間情報取得部23は、内蔵された時計または外部の時刻情報提供サーバから得られる時刻に関する情報に基づき、加速度センサ22及び位置情報取得部22から得られた情報に対応する収集期間Pcを示す情報に基づいて生成された時間情報(例えば、タイムスタンプ)を取得するように構成される。
制御部24は、加速度情報取得部21による取得値、位置情報取得部22による取得値、及び時間情報取得部による取得値に対し、所定のデータ処理を施すことにより、車両に関する情報である移動体情報を生成するように構成される。制御部24は、たとえばマイコンである。制御部24は、所定のプログラム(たとえば、マイコン内のメモリに記憶されたプログラム)を実行することによって、データ処理装置21の機能を実現する。
通信部25は、例えば、LTE(Long Term Evolution)や3G、4G、5G等の移動体通信、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等の狭帯域通信を用いて、インターネット等の公共のネットワークに接続し、同ネットワークに接続されたサーバー30等の各機器とのデータ通信が可能なモジュールである。通信部25は、制御部24の処理結果である移動体情報を外部へ送信するように構成される。
【0022】
本実施形態のサーバ30の構成を説明する。
【0023】
図3に示すように、サーバ30は、例えば、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、を備える。
通信部31は、サーバ30と、サーバ30と直接または間接的に(例えばインターネット等のネットワークを通じて)接続された装置(たとえば携帯端末220、またはデータ処理装置20)との間の通信を制御するように構成される。通信部31は、たとえば通信インタフェースである。
記憶部32は、種々のデータを記憶するように構成され、例えば、通信部31により受信したデータと、サーバ30の機能(たとえば、後述のサーバ230の各処理を実行する機能)を実現するためのプログラムと、それらプログラムにより処理された結果とを記憶する。
制御部33は、記憶部32に記憶されたデータを処理するように構成される。制御部33は、たとえばプロセッサ(一例として、CPU(Central Processing Unit)である。制御部33は、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することによって、サーバ30の機能を実現する。
【0024】
例えば、制御部33は、複数のガソリン車について取得され記憶された走行情報について分析を行い、電気自動車に切り替え可能なガソリン車の台数を算出する。この、電気自動車に切り替え可能なガソリン車の台数の算出に関する処理の詳細について以下説明する。
【0025】
[電気自動車に切り替え可能なガソリン車台数算出処理]
本処理は、複数の車両を運用するビジネスを行う人物、法人等を対象として、運用されている複数のガソリン車のうち、どれだけの台数を電気自動車に切り替え可能かを出力するものである。
図4は、本実施形態に係る電気自動車に切り替え可能なガソリン車台数算出処理のフローチャートである。なお、本処理の前提として、サーバ30には、データ処理装置20を通じて、分析を行うための各ガソリン車の走行情報が十分に蓄積されているものとする。
【0026】
図4に示すように、まず、サーバ30は、分析対象となる複数のガソリン車1の走行情報の中で、一定期間(例えば、過去一ヶ月)分の走行情報を特定する(S1001)。ここでいう走行情報とは、車両の走行に関する任意の情報であり、限定ではなく例として、位置情報、速度情報及び加速度情報の少なくとも一部や、車内の温度情報、残燃料情報、タイヤの空気圧情報、エンジンのON/OFF情報、積載量情報などを含んでもよく、取得した時刻と紐づけられて記憶されている。
【0027】
そして、一定期間中の所定期間(例えば、1日)において、連続不走行時間が対象期間を超えなかったことがある車両を特定する(S1003)。ここでいう対象期間は、電気自動車を0からフル充電するまでに掛かる時間、すなわちフル充電必要時間に該当するものである。最大航行可能距離と同様に、フル充電必要時間は電気自動車の種類によって変動するものであり、つまりはどのような電気自動車の種類に切り替えるかによってこの対象期間は変化しうる。
ここで、所定期間として1日としているが、特に1日には限定されず、任意の長さの所定期間を設定可能である。所定期間とは、所定の充電(例えば、フル充電)がなされるための期間と、かかる所定の充電による充電量に基づいて車両が使用される期間との組から構成されていればよく、例えば、2日周期で充電を1回行うような態様で使用される想定であれば、所定期間を2日と設定してもよい。
なお、所定期間は、想定される連続不走行時間が十分にカバーすることができるタイミングを起点とした期間であることが好ましい。例えば、夜から朝にかけては運用がなく、不走行時間が発生する運用であれば、終業時間(例えば、18時)を起点とすることが好ましい。このようにすることで、連続不走行時間の途中を起点とした所定期間の設定がされて、実際は対象期間分の連続不走行時間が確保できているにもかかわらず、連続不走行時間が対象期間を超えなかったことがあると判断されることを回避することができる。
【0028】
なお、所定の充電はフル充電に限られない。例えば、任意の割合(例えば、70%)以上の充電ができていればよいとし、その充電必要時間を対象期間としてもよい。この場合、航続可能距離が変化することになるため、対応して後述する対象距離も変更される。
【0029】
次に、特定された一定期間の走行情報に基づき、所定期間の航行距離が対象距離(例えば、150km)を超えたことがある車両を特定する(S1005)。ここでいう対象距離は、電気自動車において所定の充電(例えば、フル充電)をしたときの航行可能距離に該当するものである。なお、上述したように、ステップS1003において、フル充電ではない所定の充電量を基準として対象期間が設定されている場合には、かかる充電量における航行可能距離が対象距離となる。更に、航行可能距離は電気自動車の種類等によっても変動するものであり、つまりはどのような電気自動車に切り替えるかによってもこの対象距離は変化しうる。
また、ここでいう所定期間とは、任意の所定期間、すなわち、任意の時刻を起点とする所定期間であることが好ましい。このようにすることで、航行中の時刻を起点とした場合において、実際は対象距離分の航行距離が発生していたにもかかわらず、航行距離が対象距離を超えなかったと判断されることを回避することができる。
【0030】
次に、一定期間において、高速道路を利用したことがある車両を特定する(S1007)。一部の電気自動車においては、高速道路を利用することが許可されていないため、高速道路の利用が必要となる車両は電気自動車への切り替えを推奨しないことを反映させるためである。これも同様に、高速道路が利用可能かどうかは電気自動車の種類によって異なるものであり、つまりはどのような電気自動車に切り替えるかによってこのステップが必要になるか否かは異なる。
【0031】
高速道路を利用したかどうかの判断方法は、特に限定されないが、例えば、所定距離(例えば、5km)において、平均速度が所定速度(例えば、時速90km)以上であった場合は、高速道路を利用したと判断する方法が挙げられる。
その他にも、ETC2.0に基づいた走行情報の収集を行なっていた場合において、高速道路に配置されたITSスポットによって収集が行われていたと判別できた場合は、高速道路を利用したと判断してもよい。その他、任意の方法を適用可能である。
【0032】
そしてサーバ30は、ステップS1003、S1005及びS1007のいずれにも該当しなかった車両の台数を算出する(S1009)。そして、算出された台数が電気自動車に切り替え可能である旨を出力する(S1011)。
図5は、端末10の表示部に出力される電気自動車に切り替え可能な台数を示すユーザインターフェースの例である。
【0033】
図5に示すように、ユーザインターフェースにおいては、上部に分析対象を特定する情報(企業ID)がまず示され、分析に必要な情報である、分析対象の期間、切替対象の電気自動車の航続可能距離(=対象距離)、切替対象の電気自動車がフル充電するための必要充電時間(対象期間)、ガソリン車1が高速道路を走行しているかどうかを判別するための速度である高速道路走行判定時速、ガソリン車1が高速道路を走行しているかどうかを判別するための距離である高速道路走行判定距離、及び、切替対象の電気自動車の種類を特定する切替対象EV車種が表示されている。これら情報は、ユーザによって指定されるか、又はユーザによって指定された切替対象EV車種の情報に応じて決定される。
ここで、ガソリン車1が高速道路を走行しているかどうかの判別は、例えば、走行中の任意の高速道路走行判定距離(3km)において、高速道路走行判定時速(100km)以上の平均速度で走行していたかどうかによって行われる。なお、高速道路走行判定時速以上の速度で走行していた距離が高速道路走行判定距離以上であったかどうかによって判別を行うこととしてもよい。
【0034】
そして、分析に必要な情報が表示された領域の下には、電気自動車への切り替えを行った際にどれだけの効果があるかを示すための情報である、ガソリン燃費、ガソリン価格、電気価格、及び電費の情報が示されている。これら情報は、ユーザによって指定されるか、接続されたネットワークNWを通じてインターネットから取得された情報に応じて決定されるか、又はユーザによって指定された切替対象EV車種の情報に応じて決定される。
【0035】
そして、電気自動車への切り替えを行った際にどれだけの効果があるかを示すための情報の下には、分析対象となる期間の情報と、分析対象となる車両の台数、そのうち1回以上の走行があった台数、及び、車両稼働率が表示される。
【0036】
その下には、分析の結論が表示される。本実施例においては、稼働車両11台のうち、6台が切り替え可能であり、また別の4台は切り替え検討可能、すなわち、運用方法の変更により切り替え可能である、という結論が表示されている。
【0037】
切り替え可能であるとは、
図4に示すフローチャートにおけるステップS1003、S1005及びS1007のいずれにも該当しなかった車両であったことを意味する。
また、別の4台は、切り替え可能と判断された車両ではないが、切り替え検討可能として判断された車両であり、運用方法を多少変更すれば該当しうる車両であることを意味する。例えば、本実施形態においては、ステップS1003、S1005及びS1007において、該当する日はあったものの、その該当日数の稼働日数に対する割合がいずれも8%以下であった場合に切り替え検討可能であるとする。
【0038】
図5に示すユーザインターフェースの下部には、具体的にどの車両が切り替え可能であるか、切り替え検討可能であるか、又は切り替え不向きであるかを示す画像が表示される。
図5に示す例においては、例えば、車両名がA-001である車両は、充電時間が確保できなかった日が存在しているが、S1003、S1005及びS1007におけるそれぞれの判断において、該当日数の稼働日数に対する割合がいずれも8%以下であることから、切り替え検討可能であるとして太字で表示されている。
一方で、例えば、車両名がA-002である車両は、航続距離以上の走行があった日が存在し、また高速道路を利用したと推測される日も存在し、更には、該当日数の稼働日数に対する割合が8%を超えるものがある(航続距離以上の走行があった日;9.7
図5)ことから、切り替え不向きであるとしてイタリックで表示されている。
更に、例えば、車両名がB-01である車両は、S1003、S1005及びS1007における判断のいずれにおいても該当する日が無いことから、切り替え可能であるとして白黒反転された態様で表示されている。
【0039】
ここで、上記においては、どれだけの台数が電気自動車に切り替え可能である旨を出力することとしているが、台数を出力する態様に限られない。例えば、いずれにも該当しなかった車両を特定し、それら特定された車両の少なくとも一つが電気自動車に切り替え可能である旨を出力することとしてもよい。
【0040】
また、S1011の出力後において、出力された切り替え可能台数(N台)のうちの何台か(1台からN台)を切り替えたと想定した時に、どれだけの効果がありうるかを表示したユーザインターフェースの例が
図6である。
図6においては、どれだけの燃料費の削減及びどれだけのCO2排出量の削減ができるかが表示されている。これら情報の取得にあたっては、例えば、時価として取得されるガソリン価格及び電気代とを用いて燃料費の削減について算出し、燃費法等に基づいてCO2排出量を算出する。
【0041】
[変形例]
上述の実施形態においては、所定期間における連続不走行時間、所定期間における航行距離、及び高速道路の利用可否に基づいて、電気自動車に切り替え可能な台数の算出や、切り替え可能なガソリン車の特定をすることとしているが、算出及び特定の根拠とする要素は、これらに特に限られない。
例えば、電気自動車を寒冷地にて運転する場合は、自動車内部で暖房を多く使用することが想定される。この場合、暖房を使用することによってより多くの電力が使用されることとなり、非寒冷地よりも電力効率が悪くなることが知られている。従って、寒冷地において車両を運用することが想定される場合は、暖房使用分の電力消費を加味して対象距離を修正し、修正した対象距離を含む要素に基づいて、電気自動車に切り替え可能な台数の算出及び切り替え可能なガソリン車の特定を行うこととしてもよい。
【0042】
より具体的には、例えば、まずは車両の運転が想定される地域を特定し、その地域において暖房の使用が必要となる気温以下となるのがどの程度の期間であるかを把握する。例えば、運転が想定される地域を北海道札幌市とし、暖房の使用が必要となる気温を摂氏5度以下とする。北海道札幌市においては、平均気温が摂氏5度以下になるのは12月、1月、2月、及び3月である(気象庁による2021年及び2022年データに基づく)ため、1年のうち4ヶ月、すなわち、1/3の期間において暖房使用が必要であるとする。従って、この4ヶ月においては、通常よりも航行可能距離が所定分(例えば、10%)減少するとして、修正した対象距離を算出し、この修正した対象距離を含む要素に基づいて、電気自動車に切り替え可能な台数の算出及び切り替え可能なガソリン車の特定を行う。ここで更に、1月及び2月は平均気温が摂氏0度以下であることから、航行可能距離が更に減少する(例えば、15%)こととして修正対象距離を算出することとしてもよい。その他、暖房のみならず冷房の使用にも基づいて修正対象距離を算出することとしてもよいし、更には電気自動車の電源を他の用途に使用する(例えば、何らかの装置や機械の電源として用いる等)場合に想定される電力量に鑑みて修正対象距離を算出することとしてもよい。すなわち、暖房使用による電力使用を想定して修正対象距離を算出することに特に限られず、車内外の何らかの設備使用により電気自動車の電力を使用することによる電力使用量の増大に鑑みて、修正対象距離を算出することとしてもよい。
【0043】
更に、修正対象距離を算出するにあたっては、電気自動車のバッテリーの劣化により航行可能距離が短縮することも考慮して良い。電気自動車を所定の期間(例えば、8年)使用する、または全走行距離が所定距離(例えば、160,000km)に到達すると、バッテリーの容量性能が所定性能(例えば、初期値の70%)まで低下するとして、修正対象距離を算出することとしてもよい。
この場合、例えば、現時点から5年間、車両を用いたビジネスを行うという設定においては、バッテリーの劣化及びその他の要素に基づいて5年後における修正対象距離を算出し、ステップS1005においては、かかる修正対象距離を閾値として判断を行うこととしてもよい。
【0044】
また、上述の実施形態においては、
図5に示す例において、一つの種類の電気自動車に関する制限要素に基づいて電気自動車に切り替え可能な台数の算出及び切り替え可能なガソリン車の特定を行うこととしているが、一つの種類の電気自動車に限られず、任意の種類の電気自動車についての切り替え検討を可能としてもよい。例えば、電気自動車の種類によっては、航行可能距離が異なり、また、高速道路走行が可能であるものがあることから、そのような電気自動車への切り替え検討を可能としてもよい。
図7は、切り替え対象となる電気自動車の種類を変更可能に実現されたユーザインターフェースの例である。
図7に示すように、ユーザインターフェースの右上部分には、切り替え対象となる電気自動車の種類を変更可能とする入力領域が備えられている。この入力領域において、ユーザ操作により適宜切り替え対象となる電気自動車の種類を切り替えることにより、切り替えた後の種類の電気自動車に関する要素や運用内容に基づいて、電気自動車に切り替え可能な台数の再度の算出、又は切り替え可能なガソリン車の再度の特定が行われる。
【0045】
図7に示す例においては、当初指定されていた電気自動車の種類である「A社BBB」から、別の電気自動車の種類である「C社DDD」または「E社FFF」がプルダウン方式により選択可能となっている。別の電気自動車の種類、例えば、「C社DDD」を選択した場合に表示される内容を示したものが
図8である。
図8に示す例においては、航続可能距離が「170km」に変更されるとともに、高速走行判定に関する要素が「n/a」と変更されている。すなわち、「C社DDD」の種類の電気自動車は、航続可能距離がA社BBBよりも長く、また高速走行が可能であることを示している。
すなわち、高速道路を利用することが可能な電気自動車の種類を選択した場合は、ステップS1007の処理を行うことが不要となる。
【0046】
また、上記の実施形態のステップS1009においては、ステップS1003、ステップS1005、及びステップS1007の全ての条件に該当しない車両の台数を抽出することとしているが、これら条件に該当する/しないことによる車両の抽出方法はこれに限られない。
例えば、全ての条件のうち、一つのみ該当する車両があった場合は、そのような車両を抽出し出力することとしてもよい。この場合において、該当する条件が車両の性能や性質によって変化しうるものであるとき(例えば、ステップS1007は、高速利用が可能な電気自動車に切り替えるのであれば、無視しうる要素となる)は、かかる条件に該当しない車両(具体的な電気自動車の種類を挙げてもよい)への切り替えが可能である旨をあわせて出力することとしてもよい。
【0047】
また、上記の実施形態においては、フローチャートにおけるステップS1003、S1005及びS1007のいずれにも該当しなかった車両ではないが、条件を緩和すれば該当しうる車両を抽出して、切り替え検討可能である車両として出力することを説明したが、条件の緩和の例として、以下も挙げられる。
例えば、その該当日数の稼働日数に対する割合は8%以外にも任意にそれぞれのクライテリアにおいて設定可能であり、例えば、10%や7%であってもよく、また特定のクライテリアにおいては緩和条件を設定せずともよい。すなわち例えば、航続距離以上の走行があった日については7%、充電時間が確保できなかった日については10%の緩和条件とし、高速道路を利用したと推測される日については緩和条件を設けず、1日でも該当日があれば、切替不向きとしてもよい。
【0048】
また、上記の実施形態においては、ガソリン車を電気自動車に入れ替える例を説明したが、入れ替え対象となる車両の種類はガソリン車に限られず、例えば、ディーゼル車等、任意の種類の非電気自動車としてよい。
【0049】
以上、本発明の実施形態および変形例について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態および変形例に限定されない。また、上記の実施形態および変形例は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態および変形例は、組み合わせ可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 ガソリン車
10 端末
20 データ処理装置
21 加速度情報取得部
22 位置情報取得部
23 時間情報取得部
24 制御部
25 通信部
30 サーバ
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
【手続補正書】
【提出日】2023-09-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非電気自動車の走行情報を取得する走行情報取得部と、
前記非電気自動車に対する切り替え候補の電気自動車に関する情報である切替候補電気自動車情報を取得する切替候補電気自動車情報取得部と、
前記切替候補電気自動車情報に含まれる航続可能距離情報に基づき、前記切り替え候補の電気自動車についての対象距離を算出する対象距離算出部と、
前記走行情報に基づいて、前記非電気自動車の第1所定時間における走行距離が、前記対象距離を超えたことがあるかどうかを判断する第1判断部と、
前記走行情報に基づいて、前記非電気自動車の第2所定時間における不走行時間が第2所定時間を超えなかったことがあるかどうかを判断する第2判断部と、
所定の条件を満たす場合には、前記非電気自動車は電気自動車に切り替え可能である旨、及び、電気自動車に切り替え可能な非電気自動車の数を1台増加した旨のうち、少なくとも1つを出力する出力部と、
を備え、
前記所定の条件は、
前記第1判断部によって超えたことがないと判断されたこと、及び、
前記第2判断部によって超えなかったことがないと判断されたこと、
を含む、
情報処理システム。
【請求項2】
前記走行情報に基づいて、前記非電気自動車が高速道路を利用したことがあるかどうかを判断する第3判断部と、
前記切替候補電気自動車情報に基づいて、前記切り替え候補の電気自動車が高速道路の走行が可能であるかどうかを判断する第4判断部と、
を更に備え、
前記所定の条件は、
前記第3判断部によって利用したことがあると判断されたこと、及び、
前記第4判断部によって可能であると判断されたこと、
を更に含む、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
対象距離算出部は、前記切り替え候補の電気自動車に搭載の設備によって消費される想定電力量に更に基づいて前記対象距離を算出する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
対象距離算出部は、前記切り替え候補の電気自動車のバッテリーの劣化情報に更に基づいて前記対象距離を算出する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記切り替え候補の電気自動車を新規の電気自動車に変更する変更部と、
を更に備え、
前記対象距離算出部は、前記新規の電気自動車の航続可能距離に基づいて前記対象距離を再算出し、
前記対象時間算出部は、前記新規の電気自動車のバッテリー性能に基づいて前記対象時間を再算出し、
前記第1特定部は、前記非電気自動車の前記第1所定時間における走行距離が、前記再算出された対象距離を超えたことがあるかどうかを判断し、
前記第2特定部は、前記非電気自動車の前記第2所定時間における不走行時間が、前記再算出された対象時間を超えなかったことがあるかどうかを判断し、
前記出力部は、前記再算出にかかる判断の後に、前記所定の条件を満たす場合には、前記非電気自動車は電気自動車に切り替え可能である旨、及び、電気自動車に切り替え可能な非電気自動車の数を1台増加した旨のうち、少なくとも1つを出力する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記走行情報に基づいて、前記非電気自動車が高速道路を利用したことがあるかどうかを判断する第3判断部と、
前記切替候補電気自動車情報に基づいて、前記切り替え候補の電気自動車が高速道路の走行が可能であるかどうかを判断する第4判断部と、
を更に備え、
前記所定の条件は、
前記第3判断部によって利用したことがあると判断されたこと、及び、
前記第4判断部によって可能であると判断されたこと、
を更に含む、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1判断部によって超えたことがあると判断された場合であって、前記第1所定時間における航行距離が、前記対象距離を超えた回数が第1所定回数以下であるかどうかを判断する第5判断部と、
前記第2判断部によって超えなかったことがあると判断された場合であって、前記第2所定時間における不走行時間が前記対象時間を超えなかった回数が第2所定回数以下であるかどうかを判断する第6判断部と、
を更に備え、
前記所定の条件は、
前記第5判断部によって前記第1所定回数以下であると判断されたこと、及び、
前記第6判断部によって前記第2所定回数以下であると判断されたこと、
を更に含み、
前記出力部は、前記所定の条件を満たす場合には、前記非電気自動車は運用方法の変更により電気自動車に切り替え可能である旨、及び、運用方法の変更により電気自動車に切り替え可能な非電気自動車の数を1台増加した旨のうち、少なくとも1つを出力する、
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
非電気自動車の走行情報を取得する走行情報取得部と、
前記非電気自動車に対する切り替え候補の電気自動車に関する情報である切替候補電気自動車情報を取得する切替候補電気自動車情報取得部と、
前記切替候補電気自動車情報に含まれる航続可能距離情報に基づき、前記切り替え候補の電気自動車についての対象距離を算出する対象距離算出部と、
前記走行情報に基づいて、前記非電気自動車の第1所定時間における走行距離が、前記対象距離を超えたことがあるかどうかを判断する第1判断部と、
前記走行情報に基づいて、前記非電気自動車の第2所定時間における不走行時間が第2所定時間を超えなかったことがあるかどうかを判断する第2判断部と、
所定の条件を満たす場合には、前記非電気自動車は電気自動車に切り替え可能である旨、及び、電気自動車に切り替え可能な非電気自動車の数を1台増加した旨のうち、少なくとも1つを出力する出力部と、
を備え、
前記所定の条件は、
前記第1判断部によって超えたことがないと判断されたこと、及び、
前記第2判断部によって超えなかったことがないと判断されたこと、
を含む、
を備える、情報処理装置。
【請求項9】
非電気自動車の走行情報を取得することと、
前記非電気自動車に対する切り替え候補の電気自動車に関する情報である切替候補電気自動車情報を取得することと、
前記切替候補電気自動車情報に含まれる航続可能距離情報に基づき、前記切り替え候補の電気自動車についての対象距離を算出することと、
前記走行情報に基づいて、前記非電気自動車の第1所定時間における走行距離が、前記対象距離を超えたことがあるかどうかを判断することと、
前記走行情報に基づいて、前記非電気自動車の第2所定時間における不走行時間が第2所定時間を超えなかったことがあるかどうかを判断することと、
所定の条件を満たす場合には、前記非電気自動車は電気自動車に切り替え可能である旨、及び、電気自動車に切り替え可能な非電気自動車の数を1台増加した旨のうち、少なくとも1つを出力することと、
を含み、
前記所定の条件は、
前記第1判断部によって超えたことがないと判断されたこと、及び、
前記第2判断部によって超えなかったことがないと判断されたこと、
を含む、情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
非電気自動車の走行情報を取得することと、
前記非電気自動車に対する切り替え候補の電気自動車に関する情報である切替候補電気自動車情報を取得することと、
前記切替候補電気自動車情報に含まれる航続可能距離情報に基づき、前記切り替え候補の電気自動車についての対象距離を算出することと、
前記走行情報に基づいて、前記非電気自動車の第1所定時間における走行距離が、前記対象距離を超えたことがあるかどうかを判断することと、
前記走行情報に基づいて、前記非電気自動車の第2所定時間における不走行時間が第2所定時間を超えなかったことがあるかどうかを判断することと、
所定の条件を満たす場合には、前記非電気自動車は電気自動車に切り替え可能である旨、及び、電気自動車に切り替え可能な非電気自動車の数を1台増加した旨のうち、少なくとも1つを出力することと、
を実行させるプログラムであって、
前記所定の条件は、
前記第1判断部によって超えたことがないと判断されたこと、及び、
前記第2判断部によって超えなかったことがないと判断されたこと、
を含む。