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特開2023-155993スクリーン印刷機におけるスキージ機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155993
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】スクリーン印刷機におけるスキージ機構
(51)【国際特許分類】
   B41F 15/42 20060101AFI20231017BHJP
【FI】
B41F15/42
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065551
(22)【出願日】2022-04-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】512310402
【氏名又は名称】ミナミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100073324
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100134898
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 克子
(72)【発明者】
【氏名】行森 美昭
(72)【発明者】
【氏名】荒牧 昭二
(72)【発明者】
【氏名】吉住 浩二
(72)【発明者】
【氏名】塚本 友之
【テーマコード(参考)】
2C035
【Fターム(参考)】
2C035AA06
2C035FD05
2C035FD15
2C035FD18
2C035FD29
2C035FD42
(57)【要約】      (修正有)
【課題】スキージを、スクリーンマスクに対して斜めにして前後、左右方向へ移動させることもできるようになしたスキージ機構を提供する。
【解決手段】基台上に、前後方向にスライダ1a、2aを移動するリニアモータ1とリニアガイド2を配置する。リニアモータ1とリニアガイド2のスライダ間に橋渡ししたブリッジ部材3に、スライダ4aを移動するリニアモータ4を設ける。リニアモータ4のスライダ4aに、上下方向にスライダを移動するリニアモータを設ける。リニアモータのスライダに上下移動支持板7を取り付けると共に、上下移動支持板7の下端部に水平に移動ベース8を取り付ける。移動ベース8に、印刷ヘッド部16を軸回りに回動させる印刷ヘッド部回動機構9を備える。印刷ヘッド部16には、印圧調整可能なスキージ昇降機構と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る印刷剤掬い取り機構24とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台上に、前後方向にスライダを移動する前後駆動リニアモータとリニアガイドとを平行に配置し、前記前後駆動リニアモータとリニアガイドのスライダ間に橋渡ししたブリッジ部材に、左右方向にスライダを移動する左右駆動リニアモータを設け、更に前記左右駆動リニアモータのスライダに、上下方向にスライダを移動する上下駆動リニアモータを設け、更に前記上下駆動リニアモータのスライダに上下移動支持板を取り付けると共に、該上下移動支持板の下端部に水平に移動ベースを取り付け、前記移動ベースに、スキージホルダ及びスキージ等を備えた印刷ヘッド部を軸回りに回動させる印刷ヘッド部回動機構を備えてなることを特徴とするスクリーン印刷機におけるスキージ機構。
【請求項2】
印刷ヘッド部回動機構が、移動ベースに垂直に固定した回動角度調整可能な回転駆動モータと、減速機及びカップリングを介して前記回転駆動モータの回転軸に接続した回転軸と、前記回転軸の下端部に固定された印刷ヘッド部連結板とからなる印刷ヘッド部回動機構である請求項1記載のスクリーン印刷機におけるスキージ機構。
【請求項3】
印刷ヘッド部回動機構に連結される印刷ヘッド部が、印圧調整可能なスキージ昇降機構と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る印刷剤掬い取り機構とを備えており、前記印圧調整可能なスキージ昇降機構が、電空レギュレータで圧力調整される低摩擦シリンダと、該低摩擦シリンダのピストンロッドに接続したフローティングジョイントと、該フローティングジョイントに接続したロードセルと、該ロードセルに接続したスキージバーと、該スキージバーに取り付けたスキージホルダ及びスキージとからなる印圧調整可能なスキージ昇降機構である請求項2記載のスクリーン印刷機におけるスキージ機構。
【請求項4】
印刷ヘッド部回動機構に連結される印刷ヘッド部が、印圧調整可能なスキージ昇降機構と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る印刷剤掬い取り機構とを備えており、前記印刷剤掬い取り機構が、スキージと向き合うへら状のスクレーパと、下端部に該スクレーパを保持するスクレーパ開閉アームと、該スクレーパ開閉アームを上下方向に回動させる支点となる回動支軸と、前記スクレーパ開閉アームの上端部と後記シリンダのピストンロッドとを連結する連結杆と、前記スクレーパ開閉アームを回動させるシリンダとからなる印刷剤掬い取り機構である請求項2記載のスクリーン印刷機におけるスキージ機構。
【請求項5】
印刷ヘッド部回動機構に連結される印刷ヘッド部が、印圧調整可能なスキージ昇降機構と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る印刷剤掬い取り機構とを備えており、上端部に設けた印刷ヘッド部回動機構連結板を、印刷ヘッド部回動機構における印刷ヘッド部連結板に着脱自在に連結してなる印刷ヘッド部であり、更に、前記印刷ヘッド部回動機構連結板における長さ方向の中央部に平行して下方に垂設する一対の支承板に、前記印圧調整可能なスキージ昇降機構及び印刷剤掬い取り機構を支承する揺動支承杆の中央部を枢軸をもって揺動自在に枢着連結すると共に、該揺動支承杆は、その両端が、その両側端部に設けられ、先端が前記印刷ヘッド部回動機構連結板に当接する押し下げ調整ボルトにより、スキージとスクリーンマスクとが平行となる位置に調整し、保持するようになした請求項2記載のスクリーン印刷機におけるスキージ機構。
【請求項6】
印刷ヘッド部における印刷ヘッド部回動機構連結板と、印刷ヘッド部回動機構における印刷ヘッド部連結板との連結を、印刷ヘッド部連結板における長さ方向の両端近傍に、一端側が拡径した長孔を設ける一方、印刷ヘッド部回動機構連結板における前記印刷ヘッド部連結板に設けた長孔と同位置に、膨大した頭部を有する軸体を植立し、該軸体を前記印刷ヘッド部連結板に設けた長孔の拡径部分から挿し通した後横にずらすことによって連結するようになしたものである請求項5記載のスクリーン印刷機におけるスキージ機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン印刷機におけるスキージ機構に関するものであり、更に詳細には、主にスキージを、スクリーンマスクに対して前後、左右、斜め方向に移動させることができると共に、スキージを、スクリーンマスクに対して、斜めにして前後、左右方向へ移動させることもできるようになした、スキージ機構に係わる。
【背景技術】
【0002】
従来のスクリーン印刷機におけるスキージ機構は、スクリーンマスクに対するスキージの移動方向が前後又は左右に固定されている。
【0003】
しかし、スクリーンマスクのパターンの形状によっては、スクリーンマスクに対するスキージの移動方向の角度を、従来より変えた方が良い印刷結果を得られる場合がある。
【0004】
例えば、図13に示す如く、スクリーンマスク100に形成されたパターン101が、スクリーンマスク100に対して前後方向(Y軸方向)に長いパターン開孔101Aのみからなる場合において、スキージを前後方向(Y軸方向)に移動させた場合には、図14(A)に示す如く、半田ペーストPのパターン開孔101A内における流動性が大きく、もって充分な充填量を得られるが、スキージを左右方向(X軸方向)に移動させた場合には、図14(B)に示す如く、半田ペーストPのパターン開孔101A内における流動性が小さく、もって充分な充填量を得られない。そして、この場合には印刷ムラが生じることになる。
【0005】
尚、斯かるパターン101の場合、スクリーンマスクに対して前後方向(Y軸方向)にスキージを移動させるスキージ機構の場合には、スキージの移動はそのままでよく、また、スクリーンマスクに対して左右方向(X軸方向)にスキージを移動させるスキージ機構の場合には、スクリーンマスクの向きを90度変えることによって対応することができる。
【0006】
しかし、図15に示す如く、スクリーンマスク100に形成されたパターン101が、スクリーンマスク100に対して前後方向(Y軸方向)に長いパターン開孔101Aと、スクリーンマスク100に対して左右方向(X軸方向)に長いパターン開孔101Bとの組み合わせからなる場合には、スクリーンマスク100に対して前後方向(Y軸方向)にスキージを移動させるスキージ機構と、スクリーンマスクに対して左右方向(X軸方向)にスキージを移動させるスキージ機構は、上記の通りであることから、そのいずれにおいても、パターン101のパターン開孔101A、101Bに均等に充分な半田ペーストの充填を行うことはできない。
【0007】
そこで、本発明者らは鋭意研究した結果、図15及び図16に示す如く、スクリーンマスク100に対してスキージを斜め方向に移動させることにより、上記の如き、パターン開孔の長さ方向に沿ってスキージを移動させる場合の接合用ペーストの充填作用を利用し、もってパターン101のパターン開孔101A、101Bに均等に充分な接合用ペーストの充填を行うことができることを知見した。尚、本明細書において使用する「接合用ペースト」「印刷剤」の語には、半田ペーストに限らず、フラック材、銀ペースト等本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜の材料を含むものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、スクリーンマスクに形成されたパターンの形状が、スクリーンマスクに対して前後方向又は左右方向に長いパターン開孔のみからなる場合の他、スクリーンマスクに対して前後方向に長いパターン開孔と、スクリーンマスクに対して左右方向に長いパターン開孔との組み合わせからなる場合にも、一台でもって充分に対応することができるようになし、加えてスキージの角度の変更を、迅速に且つ精度よく行うことができるようになしたスクリーン印刷機におけるスキージ機構を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
而して、本発明の要旨とするところは、基台上に、前後方向にスライダを移動する前後駆動リニアモータとリニアガイドとを平行に配置し、前記前後駆動リニアモータとリニアガイドのスライダ間に橋渡ししたブリッジ部材に、左右方向にスライダを移動する左右駆動リニアモータを設け、更に前記左右駆動リニアモータのスライダに、上下方向にスライダを移動する上下駆動リニアモータを設け、更に前記上下駆動リニアモータのスライダに上下移動支持板を取り付けると共に、該上下移動支持板の下端部に水平に移動ベースを取り付け、前記移動ベースに、スキージホルダ及びスキージ等を備えた印刷ヘッド部を軸回りに回動させる印刷ヘッド部回動機構を備えてなることを特徴とするスクリーン印刷機におけるスキージ機構にある。
【0010】
また、本発明は、上記構成において、印刷ヘッド部回動機構が、移動ベースに垂直に固定した回動角度調整可能な回転駆動モータと、減速機及びカップリングを介して前記回転駆動モータの回転軸に接続した回転軸と、前記回転軸の下端部に固定された印刷ヘッド部連結板とからなる印刷ヘッド部回動機構であるスクリーン印刷機におけるスキージ機構をも、その要旨とするものである。
【0011】
また、本発明は、上記構成において、印刷ヘッド部回動機構に連結される印刷ヘッド部が、印圧調整可能なスキージ昇降機構と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る印刷剤掬い取り機構とを備えており、前記印圧調整可能なスキージ昇降機構が、電空レギュレータで圧力調整される低摩擦シリンダと、該低摩擦シリンダのピストンロッドに接続したフローティングジョイントと、該フローティングジョイントに接続したロードセルと、該ロードセルに接続したスキージバーと、該スキージバーに取り付けたスキージホルダ及びスキージとからなる印圧調整可能なスキージ昇降機構であるスクリーン印刷機におけるスキージ機構をも、その要旨とするものである。
【0012】
また、本発明は、上記構成において、印刷ヘッド部回動機構に連結される印刷ヘッド部が、印圧調整可能なスキージ昇降機構と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る印刷剤掬い取り機構とを備えており、前記印刷剤掬い取り機構が、スキージと向き合うへら状のスクレーパと、下端部に該スクレーパを保持するスクレーパ開閉アームと、該スクレーパ開閉アームを上下方向に回動させる支点となる回動支軸と、前記スクレーパ開閉アームの上端部と後記シリンダのピストンロッドとを連結する連結杆と、前記スクレーパ開閉アームを回動させるシリンダとからなる印刷剤掬い取り機構であるスクリーン印刷機におけるスキージ機構をも、その要旨とするものである。
【0013】
また、本発明は、上記構成において、印刷ヘッド部回動機構に連結される印刷ヘッド部が、印圧調整可能なスキージ昇降機構と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る印刷剤掬い取り機構とを備えており、上端部に設けた印刷ヘッド部回動機構連結板を、印刷ヘッド部回動機構における印刷ヘッド部連結板に着脱自在に連結してなる印刷ヘッド部であり、更に、前記印刷ヘッド部回動機構連結板における長さ方向の中央部に平行して下方に垂設する一対の支承板に、前記スキージ昇降機構及び印刷剤掬い取り機構を支承する揺動支承杆の中央部を枢軸をもって揺動自在に枢着連結すると共に、該揺動支承杆は、その両端が、その両側端部に設けられ、先端が前記印刷ヘッド部回動機構連結板に当接する押し下げ調整ボルトにより、スキージとスクリーンマスクとが平行となる位置に調整し、保持するようになしたスクリーン印刷機におけるスキージ機構をも、その要旨とするものである。
【0014】
また、本発明は、上記構成において、印刷ヘッド部における印刷ヘッド部回動機構連結板と、印刷ヘッド部回動機構における印刷ヘッド部連結板との連結を、印刷ヘッド部連結板における長さ方向の両端近傍に、一端側が拡径した長孔を設ける一方、印刷ヘッド部回動機構連結板における前記印刷ヘッド部連結板に設けた長孔と同位置に、膨大した頭部を有する軸体を植立し、該軸体を前記印刷ヘッド部連結板に設けた長孔の拡径部分から挿し通した後横にずらすことによって連結するようになしたものであるスクリーン印刷機におけるスキージ機構をも、その要旨とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、上記の如き構成であるから、スキージを、スクリーンマスクに対して前後、左右、斜め方向に移動させることができると共に、スキージを、スクリーンマスクに対して、斜めにして前後、左右方向へ移動させることができるようになるものである。したがって、スクリーンマスクに形成されたパターンの形状が、スクリーンマスクに対して前後方向又は左右方向に長いパターン開孔のみからなる場合の他、スクリーンマスクに対して前後方向に長いパターン開孔と、スクリーンマスクに対して左右方向に長いパターン開孔との組み合わせからなる場合にも、一台でもって充分に対応することができるようになるものである。
【0016】
また、印刷ヘッド部回動機構を、移動ベースに垂直に固定した回動角度調整可能な回転駆動モータと、減速機及びカップリングを介して前記回転駆動モータの回転軸に接続した回転軸と、前記回転軸の下端部に固定された印刷ヘッド部連結板とからなる印刷ヘッド部回動機構としたスクリーン印刷機におけるスキージ機構とした場合には、印刷ヘッド部の軸回りの回動をモータによって自動的に行うことができるから、印刷ヘッド部の回動角度の変更を、機械の稼働を停止することなく、迅速に行うことができるものである。加えて、回動角度の設定も精度よく行うことができるものである。
【0017】
また、印刷ヘッド部回動機構に連結される印刷ヘッド部を、印圧調整可能なスキージ昇降機構と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る印刷剤掬い取り機構とを備え、前記印圧調整可能なスキージ昇降機構を、電空レギュレータで圧力調整される低摩擦シリンダと、該低摩擦シリンダのピストンロッドに接続したフローティングジョイントと、該フローティングジョイントに接続したロードセルと、該ロードセルに接続したスキージバーと、該スキージバーに取り付けたスキージホルダ及びスキージとからなる印圧調整可能なスキージ昇降機構としたスクリーン印刷機におけるスキージ機構とした場合には、印刷に必要なスキージ昇降機構と印刷剤掬い取り機構とを、最適な相互の位置と向きにまとめて備えることにより、印刷をスムーズに行うことができるものである。また、スキージの角度を変更するときに、印刷剤掬い取り機構がスキージと一体的に動くことから、該印刷剤掬い取り機構がスキージの角度変更の際に邪魔にならないものである。
【0018】
また、スキージの昇降を、スキージが上昇した位置から降下してそれがスクリーンマスクに接触するか、又はその寸前に至るまでの大きく素早い昇降を、第一昇降手段としての上下駆動リニアモータにより行い、スキージがスクリーンマスクに接触するか、又はその寸前の位置から以降のゆるやかな降下を、第二昇降手段としての印圧調整可能なスキージ昇降機構により行うようにしたから、スキージの第一昇降手段による大きな昇降動作を、より一層迅速に行うことが可能となるものである。
【0019】
また、第二の昇降手段としての印圧調整可能なスキージ昇降機構により、スキージのスクリーンマスクに対する押し付け力、即ち印圧を、印刷中において適切に維持することができるものである。
【0020】
また、印刷ヘッド部回動機構に連結される印刷ヘッド部が、印圧調整可能なスキージ昇降機構と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る印刷剤掬い取り機構とを備えており、前記印刷剤掬い取り機構が、スキージと向き合うへら状のスクレーパと、下端部に該スクレーパを保持するスクレーパ開閉アームと、該スクレーパ開閉アームを上下方向に回動させる支点となる回動支軸と、前記スクレーパ開閉アームの上端部と後記シリンダのピストンロッドとを連結する連結杆と、前記スクレーパ開閉アームを回動させるシリンダとからなる印刷剤掬い取り機構であるスクリーン印刷機におけるスキージ機構である場合には、スクレーパにより、印刷後の残留半田ペーストをほぼ全て掬い取ることができるものである。したがって、高価な印刷剤である半田ペーストを無駄なく使用することができるものである。
【0021】
印刷ヘッド部回動機構に連結される印刷ヘッド部が、印圧調整可能なスキージ昇降機構と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る印刷剤掬い取り機構とを備えており、上端部に設けた印刷ヘッド部回動機構連結板を、印刷ヘッド部回動機構における印刷ヘッド部連結板に着脱自在に連結してなる印刷ヘッド部であり、更に、前記印刷ヘッド部回動機構連結板における長さ方向の中央部に平行して下方に垂設する一対の支承板に、前記スキージ昇降機構及び印刷剤掬い取り機構を支承する揺動支承杆の中央部を枢軸をもって揺動自在に枢着連結すると共に、該揺動支承杆は、その両端が、その両側端部に設けられ、先端が前記印刷ヘッド部回動機構連結板に当接する押し下げ調整ボルトにより、スキージとスクリーンマスクとが平行となる位置に調整し、保持するようになしたスクリーン印刷機におけるスキージ機構である場合には、印刷ヘッド部回動機構連結板と印刷ヘッド部連結板とを重ね合わせた状態で連結し、且つ容易に離脱を行うことができることから、スキージの清掃や交換等の作業を行う際に、容易且つ迅速に行うことができるものである。
【0022】
また、印刷ヘッド部における印圧調整可能なスキージ昇降機構と印刷剤掬い取り機構は、揺動支承杆をもって揺動するようになし、押し下げ調整ボルトによりスキージとスクリーンマスクとが平行となる位置に調整することができるようになしたから、スキージのスクリーンマスクに対する印圧を長さ方向の全体に亘り均等にすることができるものである。
【0023】
また、印刷ヘッド部における印刷ヘッド部回動機構連結板と、印刷ヘッド部回動機構における印刷ヘッド部連結板との連結を、印刷ヘッド部連結板における長さ方向の両端近傍に、一端側が拡径した長孔を設ける一方、印刷ヘッド部回動機構連結板における前記印刷ヘッド部連結板に設けた長孔と同位置に、膨大した頭部を有する軸体を植立し、該軸体を前記印刷ヘッド部連結板に設けた長孔の拡径部分から挿し通した後横にずらすことによって連結するようになしたものであるスクリーン印刷機におけるスキージ機構とした場合には、印刷ヘッド部回動機構連結板と印刷ヘッド部連結板の連結、離脱を、より一層簡単、迅速に行うことができるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係るスクリーン印刷機におけるスキージ機構の前後方向にスキージを移動する状態の左上方から看た斜視図である。
図2】同右上方から看た斜視図である。
図3】同正面図である
図4図3中印刷ヘッド部回動機構と印刷ヘッド部の連結部分の一部切欠して示した拡大図である
図5】同右側面図である。
図6】同平面図である。
図7図6中A-A線拡大断面図である。
図8】本発明の実施形態に係るスクリーン印刷機におけるスキージ機構の左右方向にスキージを移動する状態の左上方から看た斜視図である。
図9】同右上方から看た斜視図である。
図10】同正面図である。
図11】本発明の実施形態に係るスクリーン印刷機におけるスキージ機構の斜め方向にスキージを移動する状態の右上方から看た斜視図である。
図12】本発明におけるスキージのスクリーンマスクに対する移動方向の説明図である。
図13】パターンがスクリーンマスクに対して前後方向に長いパターン開孔のみからなる場合のスクリーンマスクの平面図である。
図14図13に示したスクリーンマスクに対するスキージの移動方向の違いによる接合用ペーストの充填量の違いを示すものである。
図15】パターンがスクリーンマスクに対して前後方向に長いパターン開孔とスクリーンマスクに対して左右方向に長いパターン開孔との組み合わせからなる場合のスクリーンマスクの平面図である。
図16図15に示したスクリーンマスクに対してスキージを斜めに移動させた場合における各パターン開孔への接合用ペーストの充填状態を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
【0026】
図中、1は基台(図示せず。)上に前後方向に沿って配置した前後駆動リニアモータであり、スライダ1aが前後方向(Y軸方向)に移動するものである。
【0027】
2は前記前後駆動リニアモータ1と平行に配置したリニアガイドであり、スライダ2aが前後方向(Y軸方向)に移動するものである。
【0028】
3は前記前後駆動リニアモータ1のスライダ1aと前記リニアガイド2のスライダ2a間に橋渡ししたブリッジ部材である。
【0029】
4は前記ブリッジ部材3の前面垂直壁に設けた左右駆動リニアモータであり、スライダ4aが左右方向(X軸方向)に移動するものである。
【0030】
5は前記左右駆動リニアモータ4のスライダ4aに設けた上下駆動リニアモータであり、スライダ5aが上下方向(Z軸方向)に移動するものである。また、該上下駆動リニアモータ5は、支持板6を介して前記左右駆動リニアモータ4のスライダ4aに取り付けられている。
【0031】
7は前記上下駆動リニアモータ5のスライダ5aに取り付けた上下移動支持板である。
【0032】
8は前記上下移動支持板7の下端部に水平に取り付けた移動ベースである。
【0033】
9は前記移動ベース8に備えた、後記印刷ヘッド部を軸回りに回動させる印刷ヘッド部回動機構である。また、該印刷ヘッド部回動機構9は、前記移動ベース8に垂直に固定した回動角度調整可能な回転駆動モータ10と、減速機11及びカップリング12を介して前記回転駆動モータ10の回転軸に接続した回転軸13と、前記回転軸13の下端部に固定された印刷ヘッド部連結板14とからなるものである。また、15は前記回転軸13を支承するクロスローラ軸受けである。
【0034】
16は印刷ヘッド部であり、前記印刷ヘッド部回動機構9によってその軸回りに回動せしめられるものである。また、該印刷ヘッド部16は、印圧調整可能なスキージ昇降機構17と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る後記印刷剤掬い取り機構とを備えており、そして、これらスキージ昇降機構17と印刷剤掬い取り機構は、後記中継フレームを介して後記揺動支承杆に支承されている。また、前記印圧調整可能なスキージ昇降機構17は、電空レギュレータ(図示せず。)で圧力調整される低摩擦シリンダ18と、該低摩擦シリンダ18のピストンロッドに接続したフローティングジョイント19と、該フローティングジョイント19に接続したロードセル20と、該ロードセル20に接続したスキージバー21と、該スキージバー21に取り付けたスキージホルダ22及びスキージ23とからなるものである。21a、21aは前記スキージバー21の昇降をガイドする昇降ガイド体である。また、前記低摩擦シリンダ18は、後記中継フレームに垂直に固定されている。
【0035】
24は印刷剤掬い取り機構であり、スキージ23と向き合うへら状のスクレーパ25と、下端部に該スクレーパ25を保持するスクレーパ開閉アーム26と、該スクレーパ開閉アーム26を上下方向に回動させる支点となる回動支軸27と、前記スクレーパ開閉アーム26の上端部と後記シリンダのピストンロッドとを連結する連結杆28と、前記スクレーパ開閉アーム26を回動させるシリンダ29とからなるものである。また、該印刷剤掬い取り機構24は、後記中継フレームに垂直に固定されたシリンダ30のピストンロッドに接続したスクレーパバー31に設けられている。尚、前記シリンダ29は、本実施形態においてはエアシリンダを用いている。
【0036】
また、該印刷剤掬い取り機構24は、次の如く作用するものである。
スキージ23がスクリーンマスク38上を移動して印刷しているときには、シリンダ29のピストンロッドは伸出してスクレーパ開閉アーム26の上端部を押し出し、これに伴いスクレーパ開閉アーム26は回動支軸27を支点として回動し、スクレーパ25とスキージ23とが離れて開いた状態を維持している。そして、スキージ23がスクリーンマスク38上を移動して印刷の終端位置に達すると、シリンダ29のピストンロッドは退入してスクレーパ開閉アーム26の上端部を引きつけ、これに伴いスクレーパ開閉アーム26は回動支軸27を支点として回動し、スクレーパ25がスキージ23に接近して閉じる。そして、このときスクリーンマスク38上の印刷剤を掬い取り、これらスクレーパ25とスキージ23との間に掬い取った印刷剤を保持する。そして、この状態においてスクレーパ25とスキージ23が上昇し、元の印刷開始位置まで戻り、その後再びスクリーンマスク38上に降下したときに、スクレーパ開閉アーム26が作動してスクレーパ25がスキージ23から離れて開くものである。これにより、印刷剤は再びスクリーンマスク38上に載せられ、スキージ23による印刷が可能となるものである。尚、印刷剤が足りなくなったときには、図示しない適宜の印刷剤供給機構によって印刷剤の供給が行われるものである。
【0037】
また、前記印刷ヘッド部16は、上端部に設けた印刷ヘッド部回動機構連結板32を、印刷ヘッド部回動機構9における印刷ヘッド部連結板14に着脱自在に連結してなり、更に、前記印刷ヘッド部回動機構連結板32における長さ方向の中央部に平行して下方に垂設する一対の支承板33、33に、前記印圧調整可能なスキージ昇降機構17及び印刷剤掬い取り機構24を支承する揺動支承杆34の中央部を枢軸35をもって揺動自在に枢着連結すると共に、該揺動支承杆34は、その両端34a、34bが、その両側端部に設けられ、先端が前記印刷ヘッド部回動機構連結板32に当接する押し下げ調整ボルト36、36により、スキージとスクリーンマスクとが平行となる位置に調整し、保持するようになしている。また、37は前記スキージ昇降機構17及び印刷剤掬い取り機構24を保持し、前記揺動支承杆34に支承せしめる中継フレームである。
【0038】
また、前記印刷ヘッド部回動機構連結板32と、前記印刷ヘッド部回動機構9における印刷ヘッド部連結板14との連結を、印刷ヘッド部連結板14における長さ方向の両端近傍に、一端側が拡径14a′した長孔14aを設ける一方、印刷ヘッド部回動機構連結板32における前記印刷ヘッド部連結板14に設けた長孔14aと同位置に、膨大した頭部32a′を有する軸体32aを植立し、該軸体32aを前記印刷ヘッド部連結板14に設けた長孔14aの拡径部分から挿し通した後横にずらすことによって連結するようになしたものである。
【0039】
また、その他、図中38はスクリーンマスク、39はスクリーンマスク保持枠、40はスクリーンマスク38に形成されたパターンを示す。
【0040】
次に、上記実施形態の作用について説明する。
【0041】
先ず、スキージを、スクリーンマスクに対して前後方向(Y軸方向、図12中アの方向)に移動させる場合について説明する。
【0042】
この場合には、前後駆動リニアモータ1とリニアガイド2のスライダ1a、2aを移動方向の一端側に位置せしめると共に、左右駆動リニアモータ4のスライダ4aを移動方向の中央部に位置せしめる。そしてまた、印刷ヘッド部16を、そのスキージ23が前後駆動リニアモータ1と直交するように回動せしめると共に、上下駆動リニアモータ5のスライダ5aを移動方向の下端側に位置せしめる。そして、更に印圧調整可能なスキージ昇降機構17におけるスキージ23をスクリーンマスク38に接触させる。そして、この状態において前後駆動リニアモータ1を作動させ、スキージ23を、スクリーンマスク38に対して前後方向(Y軸方向)に移動させるものである。
【0043】
次に、スキージを、スクリーンマスクに対して左右方向(X軸方向、図12中イの方向)に移動させる場合について説明する。
【0044】
この場合には、前後駆動リニアモータ1とリニアガイド2のスライダ1a、2aを移動方向の中央部に位置せしめると共に、左右駆動リニアモータ4のスライダ4aを移動方向の一端側に位置せしめる。そしてまた、印刷ヘッド部16を、そのスキージ23が左右駆動リニアモータ4と直交するように回動せしめると共に、上下駆動リニアモータ5のスライダ5aを移動方向の下端側に位置せしめる。そして、更に印圧調整可能なスキージ昇降機構17におけるスキージ23をスクリーンマスク38に接触させる。そしてこの状態において左右駆動リニアモータ4を作動させ、スキージ23を、スクリーンマスク38に対して左右方向(X軸方向)に移動させるものである。
【0045】
次に、スキージを、スクリーンマスクに対して斜め方向(図12中ウ方向)に移動させる場合について説明する。
【0046】
この場合には、前後駆動リニアモータ1とリニアガイド2のスライダ1a、2aを移動方向の一端側に位置せしめると共に、左右駆動リニアモータ4のスライダ4aを移動方向の一端側に位置せしめる。そしてまた、印刷ヘッド部16を、そのスキージ23がY軸とX軸の中間方向を向くように回動せしめると共に、上下駆動リニアモータ5のスライダ5aを移動方向の下端側に位置せしめる。そして、更に印圧調整可能なスキージ昇降機構17におけるスキージ23をスクリーンマスク38に接触させる。そして、この状態において前後駆動リニアモータ1と左右駆動リニアモータ4を同時に作動させ、スキージ23を、スクリーンマスク38に対して斜め方向に移動させるものである。
【0047】
次に、スキージを、スクリーンマスクに対して、斜めにして前後方向(図12中エ方向)に移動させる場合について説明する。
【0048】
この場合には、前後駆動リニアモータ1とリニアガイド2のスライダ1a、2aを移動方向の一端側に位置せしめると共に、左右駆動リニアモータ4のスライダ4aを移動方向の中央部に位置せしめる。そしてまた、印刷ヘッド部16を、そのスキージ23がY軸とX軸の中間方向を向くように回動せしめると共に、上下駆動リニアモータ5のスライダ5aを移動方向の下端側に位置せしめる。そして、更に印圧調整可能なスキージ昇降機構17におけるスキージ23をスクリーンマスク38に接触させる。そして、この状態において前後駆動リニアモータ1を作動させ、スキージ23を、スクリーンマスク38に対して前後方向(Y軸方向)に移動させるものである。
【0049】
次に、スキージを、スクリーンマスクに対して、斜めにして左右方向(図12中オ方向)に移動させる場合について説明する。
【0050】
この場合には、前後駆動リニアモータ1とリニアガイド2のスライダ1a、2aを移動方向の中央部に位置せしめると共に、左右駆動リニアモータ4のスライダ4aを移動方向の一端側に位置せしめる。そしてまた、印刷ヘッド部16を、そのスキージ23がY軸とX軸の中間方向を向くように回動せしめると共に、上下駆動リニアモータ5のスライダ5aを移動方向の下端側に位置せしめる。そして、更に印圧調整可能なスキージ昇降機構17におけるスキージ23をスクリーンマスク38に接触させる。そして、この状態において左右駆動リニアモータ4を作動させ、スキージ23を、スクリーンマスク38に対して左右方向(X軸方向)に移動させるものである。
【0051】
本実施形態は上記の如き構成であるから、スキージを、スクリーンマスクに対して前後、左右、斜め方向に移動させることができると共に、スキージを、スクリーンマスクに対して、斜めにして前後、左右方向へ移動させることもできるようになるものである。したがって、スクリーンマスクに形成されたパターンの形状が、スクリーンマスクに対して前後方向又は左右方向に長いパターン開孔のみからなる場合の他、スクリーンマスクに対して前後方向に長いパターン開孔と、スクリーンマスクに対して左右方向に長いパターン開孔との組み合わせからなる場合にも、一台でもって充分に対応することができるようになるものである。
【0052】
また、印刷ヘッド部回動機構9を、移動ベース8に垂直に固定した回動角度調整可能な回転駆動モータ10と、減速機11及びカップリング12を介して前記回転駆動モータ10の回転軸に接続した回転軸13と、前記回転軸13の下端部に固定された印刷ヘッド部連結板14とからなる印刷ヘッド部回動機構としたから、印刷ヘッド部16の軸回りの回動をモータによって自動的に行うことができるものである。よって、印刷ヘッド部の回動角度の変更を、機械の稼働を停止することなく、迅速に行うことができるものである。加えて、回動角度の設定も精度よく行うことができるものである。
【0053】
また、印刷ヘッド部回動機構9に連結される印刷ヘッド部16を、印圧調整可能なスキージ昇降機構17と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る印刷剤掬い取り機構24とを備え、前記印圧調整可能なスキージ昇降機構17を、電空レギュレータ(図示せず。)で圧力調整される低摩擦シリンダ18と、該低摩擦シリンダ18のピストンロッドに接続したフローティングジョイント19と、該フローティングジョイント19に接続したロードセル20と、該ロードセル20に接続したスキージバー21と、該スキージバー21に取り付けたスキージホルダ22及びスキージ23とからなる印圧調整可能なスキージ昇降機構としたから、印刷に必要なスキージ昇降機構17と印刷剤掬い取り機構24を、最適な相互の位置と向きにまとめて備えることにより、印刷をスムーズに行うことができるものである。また、スキージの角度を変更するときに、印刷剤掬い取り機構24がスキージと一体的に動くことから、該印刷剤掬い取り機構24がスキージの角度変更の際に邪魔にならないものである。
【0054】
また、スキージ23の昇降を、スキージ23が上昇した位置から降下してそれがスクリーンマスク38に接触するか、又はその寸前に至るまでの大きく素早い昇降を、第一昇降手段としての上下駆動リニアモータ5により行い、スキージ23がスクリーンマスク38に接触するか、又はその寸前の位置から以降のゆるやかな降下を、第二昇降手段としての印圧調整可能なスキージ昇降機構17により行うようにしたから、スキージの第一昇降手段による大きな昇降動作を、より一層迅速に行うことが可能となるものである。
【0055】
また、第二の昇降手段としての印圧調整可能なスキージ昇降機構17により、スキージ23のスクリーンマスク38に対する押し付け力、即ち印圧を、印刷中において適切に維持することができるものである。
【0056】
また、前記印刷剤掬い取り機構24を、スキージ23と向き合うへら状のスクレーパ25と、下端部に該スクレーパ25を保持するスクレーパ開閉アーム26と、該スクレーパ開閉アーム26を上下方向に回動させる支点となる回動支軸27と、前記スクレーパ開閉アーム26の上端部と後記シリンダのピストンロッドとを連結する連結杆28と、前記スクレーパ開閉アーム26を回動させるシリンダ29とからなる印刷剤掬い取り機構としたから、スクレーパ25により印刷後の残留半田ペーストをほぼ全て掬い取ることができるものである。したがって、高価な印刷剤である半田ペーストを無駄なく使用することができるものである。
【0057】
また、印刷ヘッド部16を、上端部に設けた印刷ヘッド部回動機構連結板32を、印刷ヘッド部回動機構9における印刷ヘッド部連結板14に着脱自在に連結してなる印刷ヘッド部とし、更に、前記印刷ヘッド部回動機構連結板32における長さ方向の中央部に平行して下方に垂設する一対の支承板33、33に、前記印圧調整可能なスキージ昇降機構17及び印刷剤掬い取り機構24を支承する揺動支承杆34の中央部を枢軸35をもって揺動自在に枢着連結すると共に、該揺動支承杆34は、その両端34a、34bが、その両側端部に設けられ、先端が前記印刷ヘッド部回動機構連結板32に当接する押し下げ調整ボルト36、36により、スキージ23とスクリーンマスク38とが平行となる位置に調整し、保持するようになしたから、印刷ヘッド部回動機構連結板32と印刷ヘッド部連結板14とを重ね合わせた状態で連結し、且つ容易に離脱を行うことができるものである。よって、スキージの清掃や交換等の作業を行う際に、容易且つ迅速に行うことができるものである。
【0058】
また、印刷ヘッド部16における印圧調整可能なスキージ昇降機構17と印刷剤掬い取り機構24は、揺動支承杆34をもって揺動するようになし、押し下げ調整ボルト36、36によりスキージ23とスクリーンマスク38とが平行となる位置に調整することができるようになしたから、スキージ23のスクリーンマスク38に対する印圧を長さ方向の全体に亘り均等にすることができるものである。
【0059】
また、印刷ヘッド部16における印刷ヘッド部回動機構連結板32と、印刷ヘッド部回動機構9における印刷ヘッド部連結板14との連結を、印刷ヘッド部連結板14における長さ方向の両端近傍に、一端側が拡径14a′した長孔14aを設ける一方、印刷ヘッド部回動機構連結板32における前記印刷ヘッド部連結板14に設けた長孔14aと同位置に、膨大した頭部32a′を有する軸体32aを植立し、該軸体32aを前記印刷ヘッド部連結板14に設けた長孔14aの拡径部分から挿し通した後横にずらすことによって連結するようになしたものであるから、印刷ヘッド部回動機構連結板32と印刷ヘッド部連結板14の連結、離脱を、より一層簡単、迅速に行うことができるようになるものである。
【符号の説明】
【0060】
1 前後駆動リニアモータ
1a 前後駆動リニアモータのスライダ
2 リニアガイド
2a リニアガイドのスライダ
3 ブリッジ部材
4 左右駆動リニアモータ
4a 左右駆動リニアモータのスライダ
5 上下駆動リニアモータ
5a 上下駆動リニアモータのスライダ
6 支持板
7 上下移動支持板
8 移動ベース
9 印刷ヘッド部回動機構
10 回転駆動モータ
13 回転軸
14 印刷ヘッド部連結板
14a 連結用長孔
16 印刷ヘッド部
17 印圧調整可能なスキージ昇降機構
18 低摩擦シリンダ
19 フローティングジョイント
20 ロードセル
21 スキージバー
22 スキージホルダ
23 スキージ
24 印刷剤掬い取り機構
25 スクレーパ
26 スクレーパ開閉アーム
27 回動支軸
28 連結杆
29 シリンダ
30 シリンダ
31 スクレーパバー
32 印刷ヘッド部回動機構連結板
32a 連結用軸体
33、33 一対の支承板
34 揺動支承杆
35 枢軸
36、36 押し下げ調整ボルト
38 スクリーンマスク
39 スクリーンマスク保持枠
40 スクリーンマスクに形成されたパターン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2022-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、スクリーン印刷機におけるスキージ機構に関するものであり、更に詳細には、主にスキージを、スクリーンマスクに対して前後、左右、斜め方向に移動させることができると共に、スキージを、スクリーンマスクに対して、斜めにして前後、左右方向へ移動させることもできるようになしたスキージ機構に係わる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係るスクリーン印刷機におけるスキージ機構の前後方向にスキージを移動する状態の左上方から看た斜視図である。
図2】同右上方から看た斜視図である。
図3】同正面図である
図4図3中印刷ヘッド部回動機構と印刷ヘッド部の連結部分の一部切欠して示した拡大図である
図5】同右側面図である。
図6】同平面図である。
図7図6中A-A線拡大断面図である。
図8】本発明の実施形態に係るスクリーン印刷機におけるスキージ機構の左右方向にスキージを移動する状態の左上方から看た斜視図である。
図9】同右上方から看た斜視図である。
図10】同正面図である。
図11】本発明の実施形態に係るスクリーン印刷機におけるスキージ機構の斜め方向にスキージを移動する状態の上方から看た斜視図である。
図12】本発明におけるスキージのスクリーンマスクに対する移動方向の説明図である。
図13】パターンがスクリーンマスクに対して前後方向に長いパターン開孔のみからなる場合のスクリーンマスクの平面図である。
図14図13に示したスクリーンマスクに対するスキージの移動方向の違いによる接合用ペーストの充填量の違いを示すものである。
図15】パターンがスクリーンマスクに対して前後方向に長いパターン開孔とスクリーンマスクに対して左右方向に長いパターン開孔との組み合わせからなる場合のスクリーンマスクの平面図である。
図16図15に示したスクリーンマスクに対してスキージを斜めに移動させた場合における各パターン開孔への接合用ペーストの充填状態を示すものである。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
また、印刷ヘッド部回動機構に連結される印刷ヘッド部が、印圧調整可能なスキージ昇降機構と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る印刷剤掬い取り機構とを備えており、前記印刷剤掬い取り機構が、スキージと向き合うへら状のスクレーパと、下端部に該スクレーパを保持するスクレーパ開閉アームと、該スクレーパ開閉アームを上下方向に回動させる支点となる回動支軸と、前記スクレーパ開閉アームの上端部と後記シリンダのピストンロッドとを連結する連結杆と、前記スクレーパ開閉アームを回動させるシリンダとからなる印刷剤掬い取り機構であるスクリーン印刷機におけるスキージ機構である場合には、スクレーパにより、印刷後残留する半田ペースト等の接合用ペーストをほぼ全て掬い取ることができるものである。したがって、高価な印刷剤である接合用ペーストを無駄なく使用することができるものである。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン印刷機におけるスキージ機構に関するものであり、更に詳細には、主にスキージを、スクリーンマスクに対して前後、左右、斜め方向に移動させることができると共に、スキージを、スクリーンマスクに対して、斜めにして前後、左右方向へ移動させることもできるようになした、スキージ機構に係わる。
【背景技術】
【0002】
従来のスクリーン印刷機におけるスキージ機構は、スクリーンマスクに対するスキージの移動方向が前後又は左右に固定されている。
【0003】
しかし、スクリーンマスクのパターンの形状によっては、スクリーンマスクに対するスキージの移動方向の角度を、従来より変えた方が良い印刷結果を得られる場合がある。
【0004】
例えば、図13に示す如く、スクリーンマスク100に形成されたパターン101が、スクリーンマスク100に対して前後方向(Y軸方向)に長いパターン開孔101Aのみからなる場合において、スキージを前後方向(Y軸方向)に移動させた場合には、図14(A)に示す如く、半田ペーストPのパターン開孔101A内における流動性が大きく、もって充分な充填量を得られるが、スキージを左右方向(X軸方向)に移動させた場合には、図14(B)に示す如く、半田ペーストPのパターン開孔101A内における流動性が小さく、もって充分な充填量を得られない。そして、この場合には印刷ムラが生じることになる。
【0005】
尚、斯かるパターン101の場合、スクリーンマスクに対して前後方向(Y軸方向)にスキージを移動させるスキージ機構の場合には、スキージの移動はそのままでよく、また、スクリーンマスクに対して左右方向(X軸方向)にスキージを移動させるスキージ機構の場合には、スクリーンマスクの向きを90度変えることによって対応することができる。
【0006】
しかし、図15に示す如く、スクリーンマスク100に形成されたパターン101が、スクリーンマスク100に対して前後方向(Y軸方向)に長いパターン開孔101Aと、スクリーンマスク100に対して左右方向(X軸方向)に長いパターン開孔101Bとの組み合わせからなる場合には、スクリーンマスク100に対して前後方向(Y軸方向)にスキージを移動させるスキージ機構と、スクリーンマスクに対して左右方向(X軸方向)にスキージを移動させるスキージ機構は、上記の通りであることから、そのいずれにおいても、パターン101のパターン開孔101A、101Bに均等に充分な半田ペーストの充填を行うことはできない。
【0007】
そこで、本発明者らは鋭意研究した結果、図15及び図16に示す如く、スクリーンマスク100に対してスキージを斜め方向に移動させることにより、上記の如き、パターン開孔の長さ方向に沿ってスキージを移動させる場合の接合用ペーストの充填作用を利用し、もってパターン101のパターン開孔101A、101Bに均等に充分な接合用ペーストの充填を行うことができることを知見した。尚、本明細書において使用する「接合用ペースト」「印刷剤」の語には、半田ペーストに限らず、フラック材、銀ペースト等本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜の材料を含むものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、スクリーンマスクに形成されたパターンの形状が、スクリーンマスクに対して前後方向又は左右方向に長いパターン開孔のみからなる場合の他、スクリーンマスクに対して前後方向に長いパターン開孔と、スクリーンマスクに対して左右方向に長いパターン開孔との組み合わせからなる場合にも、一台でもって充分に対応することができるようになし、加えてスキージの角度の変更を、迅速に且つ精度よく行うことができるようになしたスクリーン印刷機におけるスキージ機構を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
而して、本発明の要旨とするところは、基台上に、前後方向にスライダを移動する前後駆動リニアモータとリニアガイドとを平行に配置し、前記前後駆動リニアモータとリニアガイドのスライダ間に橋渡ししたブリッジ部材に、左右方向にスライダを移動する左右駆動リニアモータを設け、更に前記左右駆動リニアモータのスライダに、上下方向にスライダを移動する上下駆動リニアモータを設け、更に前記上下駆動リニアモータのスライダに上下移動支持板を取り付けると共に、該上下移動支持板の下端部に水平に移動ベースを取り付け、前記移動ベースに、スキージホルダ及びスキージ等を備えた印刷ヘッド部を軸回りに回動させる印刷ヘッド部回動機構を備えてなるスクリーン印刷機におけるスキージ機構であって、前記印刷ヘッド部回動機構が、移動ベースに垂直に固定した回動角度調整可能な回転駆動モータと、減速機及びカップリングを介して前記回転駆動モータの回転軸に接続した回転軸と、前記回転軸の下端部に固定された印刷ヘッド部連結板とからなる印刷ヘッド部回動機構であるスクリーン印刷機におけるスキージ機構にある。
【0010】
また、本発明は、上記構成において、印刷ヘッド部回動機構に連結される印刷ヘッド部が、印圧調整可能なスキージ昇降機構と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る印刷剤掬い取り機構とを備えており、前記印圧調整可能なスキージ昇降機構が、電空レギュレータで圧力調整される低摩擦シリンダと、該低摩擦シリンダのピストンロッドに接続したフローティングジョイントと、該フローティングジョイントに接続したロードセルと、該ロードセルに接続したスキージバーと、該スキージバーに取り付けたスキージホルダ及びスキージとからなる印圧調整可能なスキージ昇降機構であるスクリーン印刷機におけるスキージ機構をも、その要旨とするものである。
【0011】
また、本発明は、上記構成において、印刷ヘッド部回動機構に連結される印刷ヘッド部が、印圧調整可能なスキージ昇降機構と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る印刷剤掬い取り機構とを備えており、前記印刷剤掬い取り機構が、スキージと向き合うへら状のスクレーパと、下端部に該スクレーパを保持するスクレーパ開閉アームと、該スクレーパ開閉アームを上下方向に回動させる支点となる回動支軸と、前記スクレーパ開閉アームの上端部と後記シリンダのピストンロッドとを連結する連結杆と、前記スクレーパ開閉アームを回動させるシリンダとからなる印刷剤掬い取り機構であるスクリーン印刷機におけるスキージ機構をも、その要旨とするものである。
【0012】
また、本発明は、上記構成において、印刷ヘッド部回動機構に連結される印刷ヘッド部が、印圧調整可能なスキージ昇降機構と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る印刷剤掬い取り機構とを備えており、上端部に設けた印刷ヘッド部回動機構連結板を、印刷ヘッド部回動機構における印刷ヘッド部連結板に着脱自在に連結してなる印刷ヘッド部であり、更に、前記印刷ヘッド部回動機構連結板における長さ方向の中央部に平行して下方に垂設する一対の支承板に、前記印圧調整可能なスキージ昇降機構及び印刷剤掬い取り機構を支承する揺動支承杆の中央部を枢軸をもって揺動自在に枢着連結すると共に、該揺動支承杆は、その両端が、その両側端部に設けられ、先端が前記印刷ヘッド部回動機構連結板に当接する押し下げ調整ボルトにより、スキージとスクリーンマスクとが平行となる位置に調整し、保持するようになしたスクリーン印刷機におけるスキージ機構をも、その要旨とするものである。
【0013】
また、本発明は、上記構成において、印刷ヘッド部における印刷ヘッド部回動機構連結板と、印刷ヘッド部回動機構における印刷ヘッド部連結板との連結を、印刷ヘッド部連結板における長さ方向の両端近傍に、一端側が拡径した長孔を設ける一方、印刷ヘッド部回動機構連結板における前記印刷ヘッド部連結板に設けた長孔と同位置に、膨大した頭部を有する軸体を植立し、該軸体を前記印刷ヘッド部連結板に設けた長孔の拡径部分から挿し通した後横にずらすことによって連結するようになしたものであるスクリーン印刷機におけるスキージ機構をも、その要旨とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、上記の如き構成であるから、スキージを、スクリーンマスクに対して前後、左右、斜め方向に移動させることができると共に、スキージを、スクリーンマスクに対して、斜めにして前後、左右方向へ移動させることができるようになるものである。したがって、スクリーンマスクに形成されたパターンの形状が、スクリーンマスクに対して前後方向又は左右方向に長いパターン開孔のみからなる場合の他、スクリーンマスクに対して前後方向に長いパターン開孔と、スクリーンマスクに対して左右方向に長いパターン開孔との組み合わせからなる場合にも、一台でもって充分に対応することができるようになるものである。
【0015】
また、印刷ヘッド部回動機構、移動ベースに垂直に固定した回動角度調整可能な回転駆動モータと、減速機及びカップリングを介して前記回転駆動モータの回転軸に接続した回転軸と、前記回転軸の下端部に固定された印刷ヘッド部連結板とからなる印刷ヘッド部回動機構であるから、印刷ヘッド部の軸回りの回動をモータによって自動的に行うことができ、印刷ヘッド部の回動角度の変更を、機械の稼働を停止することなく、迅速に行うことができるものである。加えて、回動角度の設定も精度よく行うことができるものである。
【0016】
また、印刷ヘッド部回動機構に連結される印刷ヘッド部を、印圧調整可能なスキージ昇降機構と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る印刷剤掬い取り機構とを備え、前記印圧調整可能なスキージ昇降機構を、電空レギュレータで圧力調整される低摩擦シリンダと、該低摩擦シリンダのピストンロッドに接続したフローティングジョイントと、該フローティングジョイントに接続したロードセルと、該ロードセルに接続したスキージバーと、該スキージバーに取り付けたスキージホルダ及びスキージとからなる印圧調整可能なスキージ昇降機構としたスクリーン印刷機におけるスキージ機構とした場合には、印刷に必要なスキージ昇降機構と印刷剤掬い取り機構とを、最適な相互の位置と向きにまとめて備えることにより、印刷をスムーズに行うことができるものである。また、スキージの角度を変更するときに、印刷剤掬い取り機構がスキージと一体的に動くことから、該印刷剤掬い取り機構がスキージの角度変更の際に邪魔にならないものである。
【0017】
また、スキージの昇降を、スキージが上昇した位置から降下してそれがスクリーンマスクに接触するか、又はその寸前に至るまでの大きく素早い昇降を、第一昇降手段としての上下駆動リニアモータにより行い、スキージがスクリーンマスクに接触するか、又はその寸前の位置から以降のゆるやかな降下を、第二昇降手段としての印圧調整可能なスキージ昇降機構により行うようにしたから、スキージの第一昇降手段による大きな昇降動作を、より一層迅速に行うことが可能となるものである。
【0018】
また、第二の昇降手段としての印圧調整可能なスキージ昇降機構により、スキージのスクリーンマスクに対する押し付け力、即ち印圧を、印刷中において適切に維持することができるものである。
【0019】
また、印刷ヘッド部回動機構に連結される印刷ヘッド部が、印圧調整可能なスキージ昇降機構と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る印刷剤掬い取り機構とを備えており、前記印刷剤掬い取り機構が、スキージと向き合うへら状のスクレーパと、下端部に該スクレーパを保持するスクレーパ開閉アームと、該スクレーパ開閉アームを上下方向に回動させる支点となる回動支軸と、前記スクレーパ開閉アームの上端部と後記シリンダのピストンロッドとを連結する連結杆と、前記スクレーパ開閉アームを回動させるシリンダとからなる印刷剤掬い取り機構であるスクリーン印刷機におけるスキージ機構である場合には、スクレーパにより、印刷後の残留半田ペーストをほぼ全て掬い取ることができるものである。したがって、高価な印刷剤である半田ペーストを無駄なく使用することができるものである。
【0020】
印刷ヘッド部回動機構に連結される印刷ヘッド部が、印圧調整可能なスキージ昇降機構と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る印刷剤掬い取り機構とを備えており、上端部に設けた印刷ヘッド部回動機構連結板を、印刷ヘッド部回動機構における印刷ヘッド部連結板に着脱自在に連結してなる印刷ヘッド部であり、更に、前記印刷ヘッド部回動機構連結板における長さ方向の中央部に平行して下方に垂設する一対の支承板に、前記印圧調整可能なスキージ昇降機構及び印刷剤掬い取り機構を支承する揺動支承杆の中央部を枢軸をもって揺動自在に枢着連結すると共に、該揺動支承杆は、その両端が、その両側端部に設けられ、先端が前記印刷ヘッド部回動機構連結板に当接する押し下げ調整ボルトにより、スキージとスクリーンマスクとが平行となる位置に調整し、保持するようになしたスクリーン印刷機におけるスキージ機構である場合には、印刷ヘッド部回動機構連結板と印刷ヘッド部連結板とを重ね合わせた状態で連結し、且つ容易に離脱を行うことができることから、スキージの清掃や交換等の作業を行う際に、容易且つ迅速に行うことができるものである。
【0021】
また、印刷ヘッド部における印圧調整可能なスキージ昇降機構と印刷剤掬い取り機構は、揺動支承杆をもって揺動するようになし、押し下げ調整ボルトによりスキージとスクリーンマスクとが平行となる位置に調整することができるようになしたから、スキージのスクリーンマスクに対する印圧を長さ方向の全体に亘り均等にすることができるものである。
【0022】
また、印刷ヘッド部における印刷ヘッド部回動機構連結板と、印刷ヘッド部回動機構における印刷ヘッド部連結板との連結を、印刷ヘッド部連結板における長さ方向の両端近傍に、一端側が拡径した長孔を設ける一方、印刷ヘッド部回動機構連結板における前記印刷ヘッド部連結板に設けた長孔と同位置に、膨大した頭部を有する軸体を植立し、該軸体を前記印刷ヘッド部連結板に設けた長孔の拡径部分から挿し通した後横にずらすことによって連結するようになしたものであるスクリーン印刷機におけるスキージ機構とした場合には、印刷ヘッド部回動機構連結板と印刷ヘッド部連結板の連結、離脱を、より一層簡単、迅速に行うことができるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係るスクリーン印刷機におけるスキージ機構の前後方向にスキージを移動する状態の左上方から看た斜視図である。
図2】同右上方から看た斜視図である。
図3】同正面図である
図4図3中印刷ヘッド部回動機構と印刷ヘッド部の連結部分の一部切欠して示した拡大図である
図5】同右側面図である。
図6】同平面図である。
図7図6中A-A線拡大断面図である。
図8】本発明の実施形態に係るスクリーン印刷機におけるスキージ機構の左右方向にスキージを移動する状態の左上方から看た斜視図である。
図9】同右上方から看た斜視図である。
図10】同正面図である。
図11】本発明の実施形態に係るスクリーン印刷機におけるスキージ機構の斜め方向にスキージを移動する状態の右上方から看た斜視図である。
図12】本発明におけるスキージのスクリーンマスクに対する移動方向の説明図である。
図13】パターンがスクリーンマスクに対して前後方向に長いパターン開孔のみからなる場合のスクリーンマスクの平面図である。
図14図13に示したスクリーンマスクに対するスキージの移動方向の違いによる接合用ペーストの充填量の違いを示すものである。
図15】パターンがスクリーンマスクに対して前後方向に長いパターン開孔とスクリーンマスクに対して左右方向に長いパターン開孔との組み合わせからなる場合のスクリーンマスクの平面図である。
図16図15に示したスクリーンマスクに対してスキージを斜めに移動させた場合における各パターン開孔への接合用ペーストの充填状態を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
【0025】
図中、1は基台(図示せず。)上に前後方向に沿って配置した前後駆動リニアモータであり、スライダ1aが前後方向(Y軸方向)に移動するものである。
【0026】
2は前記前後駆動リニアモータ1と平行に配置したリニアガイドであり、スライダ2aが前後方向(Y軸方向)に移動するものである。
【0027】
3は前記前後駆動リニアモータ1のスライダ1aと前記リニアガイド2のスライダ2a間に橋渡ししたブリッジ部材である。
【0028】
4は前記ブリッジ部材3の前面垂直壁に設けた左右駆動リニアモータであり、スライダ4aが左右方向(X軸方向)に移動するものである。
【0029】
5は前記左右駆動リニアモータ4のスライダ4aに設けた上下駆動リニアモータであり、スライダ5aが上下方向(Z軸方向)に移動するものである。また、該上下駆動リニアモータ5は、支持板6を介して前記左右駆動リニアモータ4のスライダ4aに取り付けられている。
【0030】
7は前記上下駆動リニアモータ5のスライダ5aに取り付けた上下移動支持板である。
【0031】
8は前記上下移動支持板7の下端部に水平に取り付けた移動ベースである。
【0032】
9は前記移動ベース8に備えた、後記印刷ヘッド部を軸回りに回動させる印刷ヘッド部回動機構である。また、該印刷ヘッド部回動機構9は、前記移動ベース8に垂直に固定した回動角度調整可能な回転駆動モータ10と、減速機11及びカップリング12を介して前記回転駆動モータ10の回転軸に接続した回転軸13と、前記回転軸13の下端部に固定された印刷ヘッド部連結板14とからなるものである。また、15は前記回転軸13を支承するクロスローラ軸受けである。
【0033】
16は印刷ヘッド部であり、前記印刷ヘッド部回動機構9によってその軸回りに回動せしめられるものである。また、該印刷ヘッド部16は、印圧調整可能なスキージ昇降機構17と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る後記印刷剤掬い取り機構とを備えており、そして、これらスキージ昇降機構17と印刷剤掬い取り機構は、後記中継フレームを介して後記揺動支承杆に支承されている。また、前記印圧調整可能なスキージ昇降機構17は、電空レギュレータ(図示せず。)で圧力調整される低摩擦シリンダ18と、該低摩擦シリンダ18のピストンロッドに接続したフローティングジョイント19と、該フローティングジョイント19に接続したロードセル20と、該ロードセル20に接続したスキージバー21と、該スキージバー21に取り付けたスキージホルダ22及びスキージ23とからなるものである。21a、21aは前記スキージバー21の昇降をガイドする昇降ガイド体である。また、前記低摩擦シリンダ18は、後記中継フレームに垂直に固定されている。
【0034】
24は印刷剤掬い取り機構であり、スキージ23と向き合うへら状のスクレーパ25と、下端部に該スクレーパ25を保持するスクレーパ開閉アーム26と、該スクレーパ開閉アーム26を上下方向に回動させる支点となる回動支軸27と、前記スクレーパ開閉アーム26の上端部と後記シリンダのピストンロッドとを連結する連結杆28と、前記スクレーパ開閉アーム26を回動させるシリンダ29とからなるものである。また、該印刷剤掬い取り機構24は、後記中継フレームに垂直に固定されたシリンダ30のピストンロッドに接続したスクレーパバー31に設けられている。尚、前記シリンダ29は、本実施形態においてはエアシリンダを用いている。
【0035】
また、該印刷剤掬い取り機構24は、次の如く作用するものである。
スキージ23がスクリーンマスク38上を移動して印刷しているときには、シリンダ29のピストンロッドは伸出してスクレーパ開閉アーム26の上端部を押し出し、これに伴いスクレーパ開閉アーム26は回動支軸27を支点として回動し、スクレーパ25とスキージ23とが離れて開いた状態を維持している。そして、スキージ23がスクリーンマスク38上を移動して印刷の終端位置に達すると、シリンダ29のピストンロッドは退入してスクレーパ開閉アーム26の上端部を引きつけ、これに伴いスクレーパ開閉アーム26は回動支軸27を支点として回動し、スクレーパ25がスキージ23に接近して閉じる。そして、このときスクリーンマスク38上の印刷剤を掬い取り、これらスクレーパ25とスキージ23との間に掬い取った印刷剤を保持する。そして、この状態においてスクレーパ25とスキージ23が上昇し、元の印刷開始位置まで戻り、その後再びスクリーンマスク38上に降下したときに、スクレーパ開閉アーム26が作動してスクレーパ25がスキージ23から離れて開くものである。これにより、印刷剤は再びスクリーンマスク38上に載せられ、スキージ23による印刷が可能となるものである。尚、印刷剤が足りなくなったときには、図示しない適宜の印刷剤供給機構によって印刷剤の供給が行われるものである。
【0036】
また、前記印刷ヘッド部16は、上端部に設けた印刷ヘッド部回動機構連結板32を、印刷ヘッド部回動機構9における印刷ヘッド部連結板14に着脱自在に連結してなり、更に、前記印刷ヘッド部回動機構連結板32における長さ方向の中央部に平行して下方に垂設する一対の支承板33、33に、前記印圧調整可能なスキージ昇降機構17及び印刷剤掬い取り機構24を支承する揺動支承杆34の中央部を枢軸35をもって揺動自在に枢着連結すると共に、該揺動支承杆34は、その両端34a、34bが、その両側端部に設けられ、先端が前記印刷ヘッド部回動機構連結板32に当接する押し下げ調整ボルト36、36により、スキージとスクリーンマスクとが平行となる位置に調整し、保持するようになしている。また、37は前記印圧調整可能なスキージ昇降機構17及び印刷剤掬い取り機構24を保持し、前記揺動支承杆34に支承せしめる中継フレームである。
【0037】
また、前記印刷ヘッド部回動機構連結板32と、前記印刷ヘッド部回動機構9における印刷ヘッド部連結板14との連結を、印刷ヘッド部連結板14における長さ方向の両端近傍に、一端側が拡径14a′した長孔14aを設ける一方、印刷ヘッド部回動機構連結板32における前記印刷ヘッド部連結板14に設けた長孔14aと同位置に、膨大した頭部32a′を有する軸体32aを植立し、該軸体32aを前記印刷ヘッド部連結板14に設けた長孔14aの拡径部分から挿し通した後横にずらすことによって連結するようになしたものである。
【0038】
また、その他、図中38はスクリーンマスク、39はスクリーンマスク保持枠、40はスクリーンマスク38に形成されたパターンを示す。
【0039】
次に、上記実施形態の作用について説明する。
【0040】
先ず、スキージを、スクリーンマスクに対して前後方向(Y軸方向、図12中アの方向)に移動させる場合について説明する。
【0041】
この場合には、前後駆動リニアモータ1とリニアガイド2のスライダ1a、2aを移動方向の一端側に位置せしめると共に、左右駆動リニアモータ4のスライダ4aを移動方向の中央部に位置せしめる。そしてまた、印刷ヘッド部16を、そのスキージ23が前後駆動リニアモータ1と直交するように回動せしめると共に、上下駆動リニアモータ5のスライダ5aを移動方向の下端側に位置せしめる。そして、更に印圧調整可能なスキージ昇降機構17におけるスキージ23をスクリーンマスク38に接触させる。そして、この状態において前後駆動リニアモータ1を作動させ、スキージ23を、スクリーンマスク38に対して前後方向(Y軸方向)に移動させるものである。
【0042】
次に、スキージを、スクリーンマスクに対して左右方向(X軸方向、図12中イの方向)に移動させる場合について説明する。
【0043】
この場合には、前後駆動リニアモータ1とリニアガイド2のスライダ1a、2aを移動方向の中央部に位置せしめると共に、左右駆動リニアモータ4のスライダ4aを移動方向の一端側に位置せしめる。そしてまた、印刷ヘッド部16を、そのスキージ23が左右駆動リニアモータ4と直交するように回動せしめると共に、上下駆動リニアモータ5のスライダ5aを移動方向の下端側に位置せしめる。そして、更に印圧調整可能なスキージ昇降機構17におけるスキージ23をスクリーンマスク38に接触させる。そしてこの状態において左右駆動リニアモータ4を作動させ、スキージ23を、スクリーンマスク38に対して左右方向(X軸方向)に移動させるものである。
【0044】
次に、スキージを、スクリーンマスクに対して斜め方向(図12中ウ方向)に移動させる場合について説明する。
【0045】
この場合には、前後駆動リニアモータ1とリニアガイド2のスライダ1a、2aを移動方向の一端側に位置せしめると共に、左右駆動リニアモータ4のスライダ4aを移動方向の一端側に位置せしめる。そしてまた、印刷ヘッド部16を、そのスキージ23がY軸とX軸の中間方向を向くように回動せしめると共に、上下駆動リニアモータ5のスライダ5aを移動方向の下端側に位置せしめる。そして、更に印圧調整可能なスキージ昇降機構17におけるスキージ23をスクリーンマスク38に接触させる。そして、この状態において前後駆動リニアモータ1と左右駆動リニアモータ4を同時に作動させ、スキージ23を、スクリーンマスク38に対して斜め方向に移動させるものである。
【0046】
次に、スキージを、スクリーンマスクに対して、斜めにして前後方向(図12中エ方向)に移動させる場合について説明する。
【0047】
この場合には、前後駆動リニアモータ1とリニアガイド2のスライダ1a、2aを移動方向の一端側に位置せしめると共に、左右駆動リニアモータ4のスライダ4aを移動方向の中央部に位置せしめる。そしてまた、印刷ヘッド部16を、そのスキージ23がY軸とX軸の中間方向を向くように回動せしめると共に、上下駆動リニアモータ5のスライダ5aを移動方向の下端側に位置せしめる。そして、更に印圧調整可能なスキージ昇降機構17におけるスキージ23をスクリーンマスク38に接触させる。そして、この状態において前後駆動リニアモータ1を作動させ、スキージ23を、スクリーンマスク38に対して前後方向(Y軸方向)に移動させるものである。
【0048】
次に、スキージを、スクリーンマスクに対して、斜めにして左右方向(図12中オ方向)に移動させる場合について説明する。
【0049】
この場合には、前後駆動リニアモータ1とリニアガイド2のスライダ1a、2aを移動方向の中央部に位置せしめると共に、左右駆動リニアモータ4のスライダ4aを移動方向の一端側に位置せしめる。そしてまた、印刷ヘッド部16を、そのスキージ23がY軸とX軸の中間方向を向くように回動せしめると共に、上下駆動リニアモータ5のスライダ5aを移動方向の下端側に位置せしめる。そして、更に印圧調整可能なスキージ昇降機構17におけるスキージ23をスクリーンマスク38に接触させる。そして、この状態において左右駆動リニアモータ4を作動させ、スキージ23を、スクリーンマスク38に対して左右方向(X軸方向)に移動させるものである。
【0050】
本実施形態は上記の如き構成であるから、スキージを、スクリーンマスクに対して前後、左右、斜め方向に移動させることができると共に、スキージを、スクリーンマスクに対して、斜めにして前後、左右方向へ移動させることもできるようになるものである。したがって、スクリーンマスクに形成されたパターンの形状が、スクリーンマスクに対して前後方向又は左右方向に長いパターン開孔のみからなる場合の他、スクリーンマスクに対して前後方向に長いパターン開孔と、スクリーンマスクに対して左右方向に長いパターン開孔との組み合わせからなる場合にも、一台でもって充分に対応することができるようになるものである。
【0051】
また、印刷ヘッド部回動機構9を、移動ベース8に垂直に固定した回動角度調整可能な回転駆動モータ10と、減速機11及びカップリング12を介して前記回転駆動モータ10の回転軸に接続した回転軸13と、前記回転軸13の下端部に固定された印刷ヘッド部連結板14とからなる印刷ヘッド部回動機構としたから、印刷ヘッド部16の軸回りの回動をモータによって自動的に行うことができるものである。よって、印刷ヘッド部の回動角度の変更を、機械の稼働を停止することなく、迅速に行うことができるものである。加えて、回動角度の設定も精度よく行うことができるものである。
【0052】
また、印刷ヘッド部回動機構9に連結される印刷ヘッド部16を、印圧調整可能なスキージ昇降機構17と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る印刷剤掬い取り機構24とを備え、前記印圧調整可能なスキージ昇降機構17を、電空レギュレータ(図示せず。)で圧力調整される低摩擦シリンダ18と、該低摩擦シリンダ18のピストンロッドに接続したフローティングジョイント19と、該フローティングジョイント19に接続したロードセル20と、該ロードセル20に接続したスキージバー21と、該スキージバー21に取り付けたスキージホルダ22及びスキージ23とからなる印圧調整可能なスキージ昇降機構としたから、印刷に必要なスキージ昇降機構17と印刷剤掬い取り機構24を、最適な相互の位置と向きにまとめて備えることにより、印刷をスムーズに行うことができるものである。また、スキージの角度を変更するときに、印刷剤掬い取り機構24がスキージと一体的に動くことから、該印刷剤掬い取り機構24がスキージの角度変更の際に邪魔にならないものである。
【0053】
また、スキージ23の昇降を、スキージ23が上昇した位置から降下してそれがスクリーンマスク38に接触するか、又はその寸前に至るまでの大きく素早い昇降を、第一昇降手段としての上下駆動リニアモータ5により行い、スキージ23がスクリーンマスク38に接触するか、又はその寸前の位置から以降のゆるやかな降下を、第二昇降手段としての印圧調整可能なスキージ昇降機構17により行うようにしたから、スキージの第一昇降手段による大きな昇降動作を、より一層迅速に行うことが可能となるものである。
【0054】
また、第二の昇降手段としての印圧調整可能なスキージ昇降機構17により、スキージ23のスクリーンマスク38に対する押し付け力、即ち印圧を、印刷中において適切に維持することができるものである。
【0055】
また、前記印刷剤掬い取り機構24を、スキージ23と向き合うへら状のスクレーパ25と、下端部に該スクレーパ25を保持するスクレーパ開閉アーム26と、該スクレーパ開閉アーム26を上下方向に回動させる支点となる回動支軸27と、前記スクレーパ開閉アーム26の上端部と後記シリンダのピストンロッドとを連結する連結杆28と、前記スクレーパ開閉アーム26を回動させるシリンダ29とからなる印刷剤掬い取り機構としたから、スクレーパ25により印刷後の残留半田ペーストをほぼ全て掬い取ることができるものである。したがって、高価な印刷剤である半田ペーストを無駄なく使用することができるものである。
【0056】
また、印刷ヘッド部16を、上端部に設けた印刷ヘッド部回動機構連結板32を、印刷ヘッド部回動機構9における印刷ヘッド部連結板14に着脱自在に連結してなる印刷ヘッド部とし、更に、前記印刷ヘッド部回動機構連結板32における長さ方向の中央部に平行して下方に垂設する一対の支承板33、33に、前記印圧調整可能なスキージ昇降機構17及び印刷剤掬い取り機構24を支承する揺動支承杆34の中央部を枢軸35をもって揺動自在に枢着連結すると共に、該揺動支承杆34は、その両端34a、34bが、その両側端部に設けられ、先端が前記印刷ヘッド部回動機構連結板32に当接する押し下げ調整ボルト36、36により、スキージ23とスクリーンマスク38とが平行となる位置に調整し、保持するようになしたから、印刷ヘッド部回動機構連結板32と印刷ヘッド部連結板14とを重ね合わせた状態で連結し、且つ容易に離脱を行うことができるものである。よって、スキージの清掃や交換等の作業を行う際に、容易且つ迅速に行うことができるものである。
【0057】
また、印刷ヘッド部16における印圧調整可能なスキージ昇降機構17と印刷剤掬い取り機構24は、揺動支承杆34をもって揺動するようになし、押し下げ調整ボルト36、36によりスキージ23とスクリーンマスク38とが平行となる位置に調整することができるようになしたから、スキージ23のスクリーンマスク38に対する印圧を長さ方向の全体に亘り均等にすることができるものである。
【0058】
また、印刷ヘッド部16における印刷ヘッド部回動機構連結板32と、印刷ヘッド部回動機構9における印刷ヘッド部連結板14との連結を、印刷ヘッド部連結板14における長さ方向の両端近傍に、一端側が拡径14a′した長孔14aを設ける一方、印刷ヘッド部回動機構連結板32における前記印刷ヘッド部連結板14に設けた長孔14aと同位置に、膨大した頭部32a′を有する軸体32aを植立し、該軸体32aを前記印刷ヘッド部連結板14に設けた長孔14aの拡径部分から挿し通した後横にずらすことによって連結するようになしたものであるから、印刷ヘッド部回動機構連結板32と印刷ヘッド部連結板14の連結、離脱を、より一層簡単、迅速に行うことができるようになるものである。
【符号の説明】
【0059】
1 前後駆動リニアモータ
1a 前後駆動リニアモータのスライダ
2 リニアガイド
2a リニアガイドのスライダ
3 ブリッジ部材
4 左右駆動リニアモータ
4a 左右駆動リニアモータのスライダ
5 上下駆動リニアモータ
5a 上下駆動リニアモータのスライダ
6 支持板
7 上下移動支持板
8 移動ベース
9 印刷ヘッド部回動機構
10 回転駆動モータ
13 回転軸
14 印刷ヘッド部連結板
14a 連結用長孔
16 印刷ヘッド部
17 印圧調整可能なスキージ昇降機構
18 低摩擦シリンダ
19 フローティングジョイント
20 ロードセル
21 スキージバー
22 スキージホルダ
23 スキージ
24 印刷剤掬い取り機構
25 スクレーパ
26 スクレーパ開閉アーム
27 回動支軸
28 連結杆
29 シリンダ
30 シリンダ
31 スクレーパバー
32 印刷ヘッド部回動機構連結板
32a 連結用軸体
33、33 一対の支承板
34 揺動支承杆
35 枢軸
36、36 押し下げ調整ボルト
38 スクリーンマスク
39 スクリーンマスク保持枠
40 スクリーンマスクに形成されたパターン
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台上に、前後方向にスライダを移動する前後駆動リニアモータとリニアガイドとを平行に配置し、前記前後駆動リニアモータとリニアガイドのスライダ間に橋渡ししたブリッジ部材に、左右方向にスライダを移動する左右駆動リニアモータを設け、更に前記左右駆動リニアモータのスライダに、上下方向にスライダを移動する上下駆動リニアモータを設け、更に前記上下駆動リニアモータのスライダに上下移動支持板を取り付けると共に、該上下移動支持板の下端部に水平に移動ベースを取り付け、前記移動ベースに、スキージホルダ及びスキージ等を備えた印刷ヘッド部を軸回りに回動させる印刷ヘッド部回動機構を備えてなるスクリーン印刷機におけるスキージ機構であって、前記印刷ヘッド部回動機構が、移動ベースに垂直に固定した回動角度調整可能な回転駆動モータと、減速機及びカップリングを介して前記回転駆動モータの回転軸に接続した回転軸と、前記回転軸の下端部に固定された印刷ヘッド部連結板とからなる印刷ヘッド部回動機構であるスクリーン印刷機におけるスキージ機構。
【請求項2】
印刷ヘッド部回動機構に連結される印刷ヘッド部が、印圧調整可能なスキージ昇降機構と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る印刷剤掬い取り機構とを備えており、前記印圧調整可能なスキージ昇降機構が、電空レギュレータで圧力調整される低摩擦シリンダと、該低摩擦シリンダのピストンロッドに接続したフローティングジョイントと、該フローティングジョイントに接続したロードセルと、該ロードセルに接続したスキージバーと、該スキージバーに取り付けたスキージホルダ及びスキージとからなる印圧調整可能なスキージ昇降機構である請求項1記載のスクリーン印刷機におけるスキージ機構。
【請求項3】
印刷ヘッド部回動機構に連結される印刷ヘッド部が、印圧調整可能なスキージ昇降機構と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る印刷剤掬い取り機構とを備えており、前記印刷剤掬い取り機構が、スキージと向き合うへら状のスクレーパと、下端部に該スクレーパを保持するスクレーパ開閉アームと、該スクレーパ開閉アームを上下方向に回動させる支点となる回動支軸と、前記スクレーパ開閉アームの上端部と後記シリンダのピストンロッドとを連結する連結杆と、前記スクレーパ開閉アームを回動させるシリンダとからなる印刷剤掬い取り機構である請求項1記載のスクリーン印刷機におけるスキージ機構。
【請求項4】
印刷ヘッド部回動機構に連結される印刷ヘッド部が、印圧調整可能なスキージ昇降機構と、スクレーパによりスクリーンマスク上の印刷剤を掬い取る印刷剤掬い取り機構とを備えており、上端部に設けた印刷ヘッド部回動機構連結板を、印刷ヘッド部回動機構における印刷ヘッド部連結板に着脱自在に連結してなる印刷ヘッド部であり、更に、前記印刷ヘッド部回動機構連結板における長さ方向の中央部に平行して下方に垂設する一対の支承板に、前記印圧調整可能なスキージ昇降機構及び印刷剤掬い取り機構を支承する揺動支承杆の中央部を枢軸をもって揺動自在に枢着連結すると共に、該揺動支承杆は、その両端が、その両側端部に設けられ、先端が前記印刷ヘッド部回動機構連結板に当接する押し下げ調整ボルトにより、スキージとスクリーンマスクとが平行となる位置に調整し、保持するようになした請求項1記載のスクリーン印刷機におけるスキージ機構。
【請求項5】
印刷ヘッド部における印刷ヘッド部回動機構連結板と、印刷ヘッド部回動機構における印刷ヘッド部連結板との連結を、印刷ヘッド部連結板における長さ方向の両端近傍に、一端側が拡径した長孔を設ける一方、印刷ヘッド部回動機構連結板における前記印刷ヘッド部連結板に設けた長孔と同位置に、膨大した頭部を有する軸体を植立し、該軸体を前記印刷ヘッド部連結板に設けた長孔の拡径部分から挿し通した後横にずらすことによって連結するようになしたものである請求項4記載のスクリーン印刷機におけるスキージ機構。