(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156031
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】電子カルテシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/60 20180101AFI20231017BHJP
【FI】
G16H10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065627
(22)【出願日】2022-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】高野 わらび
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA23
(57)【要約】
【課題】電子カルテの表示状態を迅速かつ正確に把握できる電子カルテシステムを提供する。
【解決手段】
患者と電子カルテ4とを紐付けて記憶する電子カルテデータベース3aと、電子カルテ4を含むデータを表示する表示部11と、患者リスト6を表示させるリスト表示制御部21と、いずれかの患者を指定する操作が行われることにより、指定された患者と紐付けられて記憶されている電子カルテ4を編集可能な状態で読み出すカルテ読み出し部15と、読み出された電子カルテ4を表示させるカルテ表示制御部17と、カルテ読み出し部15によって読み出された状態となっている電子カルテ4に紐付けられている患者を記憶する読出カルテ記憶部23と、患者リスト6に対し、読出カルテ記憶部23に記憶されている患者を特定できるような所定の表示態様で表示させる処理を行う第1リスト編集部25と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者と当該患者の電子カルテとを紐付けて記憶する電子カルテ記憶部と、
前記電子カルテを含むデータを表示する表示部と、
患者の一覧表を前記表示部に表示させる一覧表示制御部と、
前記一覧表に掲載されている前記患者のうち前記電子カルテを前記表示部に表示させる対象を表示対象患者として指定する指定操作が行われることにより、前記表示対象患者と紐付けられて記憶されている前記電子カルテを編集可能な状態で読み出すカルテ読み出し部と、
編集可能な状態で読み出された前記電子カルテを前記表示部に表示させるカルテ表示制御部と、
前記カルテ読み出し部によって読み出された状態となっている前記電子カルテに紐付けられている前記表示対象患者を記憶する表示対象患者記憶部と、
前記一覧表に対し、前記表示対象患者記憶部に記憶されている前記表示対象患者を特定できるような所定の表示態様で表示させる処理を行う表示対象患者特定処理部と、
を備える電子カルテシステム。
【請求項2】
患者と当該患者の電子カルテとを紐付けて記憶する電子カルテ記憶部と、
前記電子カルテを含むデータを表示する表示部と、
患者の一覧表を前記表示部に表示させる一覧表示制御部と、
前記一覧表に掲載されている前記患者のうち前記電子カルテを前記表示部に表示させる対象を表示対象患者として指定する指定操作が行われることにより、前記表示対象患者と紐付けられて記憶されている前記電子カルテを編集可能な状態で読み出すカルテ読み出し部と、
編集可能な状態で読み出された前記電子カルテを前記表示部に表示させるカルテ表示制御部と、
前記カルテ表示制御部によって前記表示部に表示されている前記電子カルテに対し、前記表示部の表示対象から解除させる解除操作が行われることにより、前記解除操作の対象となった前記電子カルテを前記カルテ読み出し部によって読み出される状態から解除させる読み出し状態解除部と、
直近に前記読み出し状態解除部の対象となった前記電子カルテに紐付けられている患者を解除対象患者として記憶する解除対象患者記憶部と、
前記一覧表に対し、前記解除対象患者を特定できるような所定の表示態様で表示させる処理を行う解除対象患者特定処理部と、
を備える電子カルテシステム。
【請求項3】
患者と当該患者の電子カルテとを紐付けて記憶する電子カルテ記憶部と、
前記電子カルテを含むデータを表示する表示部と、
患者の一覧表を前記表示部に表示させる一覧表示制御部と、
前記一覧表に掲載されている前記患者のうち前記電子カルテを前記表示部に表示させる対象を表示対象患者として指定する指定操作が行われることにより、前記表示対象患者と紐付けられて記憶されている前記電子カルテを編集可能な状態で読み出すカルテ読み出し部と、
編集可能な状態で読み出された前記電子カルテを前記表示部に表示させるカルテ表示制御部と、
前記カルテ読み出し部によって読み出された状態となっている前記電子カルテに紐付けられている前記表示対象患者を記憶する表示対象患者記憶部と、
前記一覧表に対し、前記表示対象患者記憶部に記憶されている前記表示対象患者を特定できるような第1の表示態様で表示させる処理を行う表示対象患者特定処理部と、
前記カルテ表示制御部によって前記表示部に表示されている前記電子カルテに対し、前記表示部の表示対象から解除させる解除操作が行われることにより、前記解除操作の対象となった前記電子カルテを前記カルテ読み出し部によって読み出される状態から解除させる読み出し状態解除部と、
直近に前記読み出し状態解除部の対象となった前記電子カルテに紐付けられている患者を解除対象患者として記憶する解除対象患者記憶部と、
前記一覧表に対し、前記解除対象患者を特定できるような第2の表示態様で表示させる処理を行う解除対象患者特定処理部と、
を備える電子カルテシステム。
【請求項4】
請求項1または請求項3に記載の電子カルテシステムにおいて、
前記表示対象患者特定処理部は、前記一覧表に対し、前記表示対象患者を特定する情報の近傍に第1の記号を表示させる処理を行うとともに、前記第1の記号と前記表示対象患者を特定する情報との位置関係を固定させる処理を行う電子カルテシステム。
【請求項5】
請求項2または請求項3に記載の電子カルテシステムにおいて、
前記解除対象患者特定処理部は、前記一覧表に対し、前記解除対象患者を特定する情報の近傍に第2の記号を表示させる処理を行うとともに、前記第2の記号と前記解除対象患者を特定する情報との位置関係を固定させる処理を行う電子カルテシステム。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電子カルテシステムにおいて、
前記一覧表示制御部は、当日に診療を受ける前記患者の一覧表を前記表示部に表示させる電子カルテシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子カルテシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院または診療所を例とする医療施設において、近年では電子カルテの導入が進められている。電子カルテを用いるシステムによって、医療施設における業務の処理を電子化することが可能となる。医療施設における業務処理の電子化により、従来は手作業で行われていた各種作業を大幅に簡素化できるとともに、患者に対する各種医療データを統合的に管理することが可能となる。
【0003】
従来の電子カルテシステムは一例として、診療の対象となる患者がリスト表示されている一覧表を表示装置に表示させる。そして操作者(一例として、医師または看護師)は一覧表にリスト表示されている患者のうち、電子カルテを表示装置に表示させる対象となる患者を特定する操作を行う。当該特定操作を行うことにより、特定された患者と紐付けられている電子カルテがデータベースから読み出され、編集可能な状態で表示装置に表示される。操作者は表示された当該患者の電子カルテに対して適宜編集を行った後、電子カルテを閉じる操作を行う。当該閉じる操作を行うことによって患者の電子カルテは表示部に表示されなくなり、編集可能な状態が解除される(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
【0006】
医療現場では多数の患者を同時に診療する場合がある。この場合、操作者は多数の電子カルテについて表示装置に表示されており編集可能な状態と表示装置に表示されず編集不可能な状態とを適宜切り換えることとなる。従来の電子カルテシステムでは、一見して電子カルテの表示状態を把握することが困難である。すなわち、多数の患者についてどの患者の電子カルテが表示装置において編集可能な状態で表示されているかという情報を迅速かつ正確に把握することが困難である。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、電子カルテの表示状態を迅速かつ正確に把握できる電子カルテシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち本発明の第1の態様は、患者と当該患者の電子カルテとを紐付けて記憶する電子カルテ記憶部と、前記電子カルテを含むデータを表示する表示部と、患者の一覧表を前記表示部に表示させる一覧表示制御部と、前記一覧表に掲載されている前記患者のうち前記電子カルテを前記表示部に表示させる対象を表示対象患者として指定する指定操作が行われることにより、前記表示対象患者と紐付けられて記憶されている前記電子カルテを編集可能な状態で読み出すカルテ読み出し部と、編集可能な状態で読み出された前記電子カルテを前記表示部に表示させるカルテ表示制御部と、前記カルテ読み出し部によって読み出された状態となっている前記電子カルテに紐付けられている前記表示対象患者を記憶する表示対象患者記憶部と、前記一覧表に対し、前記表示対象患者記憶部に記憶されている前記表示対象患者を特定できるような所定の表示態様で表示させる処理を行う表示対象患者特定処理部と、を備える電子カルテシステムに関する。
【0009】
また、本発明の第2の態様は、患者と当該患者の電子カルテとを紐付けて記憶する電子カルテ記憶部と、前記電子カルテを含むデータを表示する表示部と、患者の一覧表を前記表示部に表示させる一覧表示制御部と、前記一覧表に掲載されている前記患者のうち前記電子カルテを前記表示部に表示させる対象を表示対象患者として指定する指定操作が行われることにより、前記表示対象患者と紐付けられて記憶されている前記電子カルテを編集可能な状態で前記表示部に表示させる表示カルテ指定部と、前記表示カルテ指定部によって前記表示部に表示されている前記電子カルテに対し、前記表示部の表示対象から解除させる解除操作が行われることにより、前記解除操作の対象となった前記電子カルテを前記表示部の表示対象から解除させる解除カルテ指定部と、直近に前記解除カルテ指定部の対象となった前記電子カルテに紐付けられている患者を解除対象患者として記憶する解除対象患者記憶部と、前記一覧表に対し、前記解除対象患者を特定できるような所定の表示態様で表示させる処理を行う解除対象患者特定処理部と、を備える電子カルテシステムに関する。
【0010】
また、本発明の第3の態様は、患者と当該患者の電子カルテとを紐付けて記憶する電子カルテ記憶部と、前記電子カルテを含むデータを表示する表示部と、患者の一覧表を前記表示部に表示させる一覧表示制御部と、前記一覧表に掲載されている前記患者のうち前記電子カルテを前記表示部に表示させる対象を表示対象患者として指定する指定操作が行われることにより、前記表示対象患者と紐付けられて記憶されている前記電子カルテを編集可能な状態で前記表示部に表示させる表示カルテ指定部と、前記表示カルテ指定部によって前記表示部に表示された状態となっている前記電子カルテに紐付けられている前記表示対象患者を記憶する表示対象患者記憶部と、前記一覧表に対し、前記表示対象患者記憶部に記憶されている前記表示対象患者を特定できるような第1の表示態様で表示させる処理を行う表示対象患者特定処理部と、前記表示カルテ指定部によって前記表示部に表示されている前記電子カルテに対し、前記表示部の表示対象から解除させる解除操作が行われることにより、前記解除操作の対象となった前記電子カルテを前記表示部の表示対象から解除させる解除カルテ指定部と、直近に前記解除カルテ指定部の対象となった前記電子カルテに紐付けられている患者を解除対象患者として記憶する解除対象患者記憶部と、前記一覧表に対し、前記解除対象患者を特定できるような第2の表示態様で表示させる処理を行う解除対象患者特定処理部と、を備える電子カルテシステムに関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、患者の一覧表を表示部に表示させるとともに、カルテ読み出し部は指定操作に応じた表示対象患者と紐付けられている電子カルテを読み出して表示部に表示させる。カルテ読み出し部が電子カルテを編集可能な状態で読み出すと、当該読み出された電子カルテと紐付けられている表示対象患者の情報が表示対象患者記憶部に記憶される。表示対象患者特定処理部は、記憶された表示対象患者の情報を用いて、表示対象患者を特定できるような所定の表示態様で表示させる処理を患者の一覧表に対して行う。
【0012】
このような構成では、所定の表示態様を手掛かりとして患者の一覧表を視認することにより、当該一覧表に一覧表示される多数の患者の中から表示対象患者を迅速に特定できる。すなわち所定の表示態様で表示されている患者を確認することにより表示対象患者を特定できるので、一覧表示される多数の患者を逐一確認する必要がない。従って、表示対象患者の特定に要する時間を大幅に短縮できるとともにユーザの疲労を低減することができる。言い換えると、いずれの患者の電子カルテが編集可能な状態で表示部に表示されているか、という情報を迅速かつ容易に把握できる。そのため、電子カルテの入力作業を円滑に実行できる。
【0013】
本発明の第2の態様によれば、患者の一覧表を表示部に表示させるとともに、カルテ読み出し部は指定操作に応じた表示対象患者と紐付けられている電子カルテを読み出して表示部に表示させる。そして電子カルテに対し、表示部の表示対象から解除させる解除操作が行われることにより、読み出し状態解除部はカルテ読み出し部が当該電子カルテを読み出している状態を解除させる。解除対象患者記憶部は、直近に読み出し状態解除部の対象となった電子カルテに紐付けられている患者を解除対象患者として記憶する。解除対象患者特定処理部は、記憶された解除対象患者の情報を用いて、解除対象患者を特定できるような所定の表示態様で表示させる処理を一覧表に対して行う。
【0014】
このような構成では、所定の表示態様を手掛かりとして患者の一覧表を視認することにより、当該一覧表に一覧表示される多数の患者の中から解除対象患者を迅速に特定できる。すなわち所定の表示態様で表示されている患者を確認することにより解除対象患者を特定できるので、一覧表示される多数の患者を逐一確認する必要がない。従って、解除対象患者の特定に要する時間を大幅に短縮できるとともにユーザの疲労を低減することができる。言い換えると、いずれの患者の電子カルテが直近に読み出し状態が解除されたか、という情報を迅速かつ容易に把握できる。そのため、一時的に読み出し状態を解除された電子カルテを再度読み出す操作を行う場合などにおいて、読み出す対象となる電子カルテを迅速かつ正確に特定できる。
【0015】
本発明の第3の態様によれば、患者の一覧表を表示部に表示させるとともに、カルテ読み出し部は指定操作に応じた表示対象患者と紐付けられている電子カルテを読み出して表示部に表示させる。カルテ読み出し部が電子カルテを編集可能な状態で読み出すと、当該読み出された電子カルテと紐付けられている表示対象患者の情報が表示対象患者記憶部に記憶される。表示対象患者特定処理部は、記憶された表示対象患者の情報を用いて、表示対象患者を特定できるような第1の表示態様で表示させる処理を患者の一覧表に対して行う。そして電子カルテに対し、表示部の表示対象から解除させる解除操作が行われることにより、読み出し状態解除部はカルテ読み出し部が当該電子カルテを読み出している状態を解除させる。解除対象患者記憶部は、直近に読み出し状態解除部の対象となった電子カルテに紐付けられている患者を解除対象患者として記憶する。解除対象患者特定処理部は、記憶された解除対象患者の情報を用いて、解除対象患者を特定できるような第2の表示態様で表示させる処理を一覧表に対して行う。
【0016】
このような構成では、第1の表示態様を手掛かりとして患者の一覧表を視認することにより、当該一覧表に一覧表示される多数の患者の中から表示対象患者を迅速に特定できる。すなわち第1の表示態様で表示されている患者を確認することにより表示対象患者を特定できるので、一覧表示される多数の患者を逐一確認する必要がない。従って、表示対象患者の特定に要する時間を大幅に短縮できるとともにユーザの疲労を低減することができる。言い換えると、いずれの患者の電子カルテが編集可能な状態で表示部に表示されているか、という情報を迅速かつ容易に把握できる。そのため、電子カルテの入力作業を円滑に実行できる。
【0017】
さらに、第2の表示態様を手掛かりとして患者の一覧表を視認することにより、当該一覧表に一覧表示される多数の患者の中から解除対象患者を迅速に特定できる。すなわち第2の表示態様で表示されている患者を確認することにより解除対象患者を特定できるので、一覧表示される多数の患者を逐一確認する必要がない。従って、解除対象患者の特定に要する時間を大幅に短縮できるとともにユーザの疲労を低減することができる。言い換えると、いずれの患者の電子カルテが直近に読み出し状態が解除されたか、という情報を迅速かつ容易に把握できる。そのため、一時的に読み出し状態を解除された電子カルテを再度読み出す操作を行う場合などにおいて、読み出す対象となる電子カルテを迅速かつ正確に特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施例に係る電子カルテシステムの構成を説明する機能ブロック図である。
【
図2】実施例に係る電子カルテシステムの構成および使用される形態を説明する図である。
【
図4】実施例に係る電子カルテシステムの動作を説明するフローチャートである。
【
図5】ステップT1で実行されるステップS1における、表示部の表示画面を示す図である。
【
図6】ステップT1で実行されるステップS4における、表示部の表示画面を示す図である。
【
図7】実施例において読出カルテ記憶部が記憶する情報および終了カルテ記憶部が記憶する情報の変化を示す図である。(a)はステップT1における情報の変化を示す図であり、(b)はステップT5における情報の変化を示す図であり、(c)はステップT8における情報の変化を示す図であり、(d)はステップT10における情報の変化を示す図であり、(e)はステップT16における情報の変化を示す図である。
【
図8】ステップT1で実行されるステップS5において編集された、患者リストを示す図である。
【
図9】ステップT2における診察室および検査室の状態を示す図である。
【
図10】ステップT4における診察室および検査室の状態を示す図である。
【
図11】ステップT5で実行されるステップS4における、表示部の表示画面を示す図である。
【
図12】ステップT5で実行されるステップS8において編集された、患者リストを示す図である。
【
図13】ステップT9における診察室および検査室の状態を示す図である。
【
図14】ステップT8で実行されるステップS5において編集された、患者リストを示す図である。
【
図15】ステップT16で実行されるステップS8において編集された、患者リストを示す図である。
【
図16】実施例において実行される各患者の診療行為の流れを説明するフローチャートである。
【
図17】実施例に係る患者リストについて、診療情報表示欄をスクロールさせた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
【0020】
<全体構成の説明>
実施例に係る電子カルテシステム1は
図1および
図2に示すように、データベースサーバ3と、情報処理装置5と、1または2以上の端末7とを備えている。データベースサーバ3は情報処理装置5および端末7の各々とネットワークを介して接続されており、診療によって得られた診療データはデータベースサーバ3へと送信されて格納される。
【0021】
データベースサーバ3は一例としてコンピュータで構成され、大規模な記憶媒体を備えている。データベースサーバ3は、電子カルテデータベース3aおよび患者リストデータベース3bを含む複数のデータベース(DB)を備えている。データベースサーバ3は、電子カルテシステム1が配設される医療機関の内部に配設されてもよいし、当該医療機関の外部に配設されてもよい。
【0022】
電子カルテデータベース3aは、患者ごとに作成された電子カルテ4を記憶する。本実施例では、患者ごとに作成されている電子カルテ4a~4dが、当該患者を特定するIDと紐付けられた状態で電子カルテデータベース3aに記憶されている。電子カルテデータベース3aは本実施例における電子カルテ記憶部に相当する。
【0023】
患者リストデータベース3bは、医療機関で診療を受ける患者の情報が一覧表示されている患者リスト6を記憶する。本実施例では、診療日時ごとに作成されている患者リスト6aおよび6bが、患者リストデータベース3bに記憶されている。患者リスト6aは2021年9月25日に診療を受ける患者が一覧表示されているリストであり、患者リスト6bは2021年9月26日に診療を受ける患者が一覧表示されているリストである。患者リスト6は本実施例における一覧表に相当する。
【0024】
情報処理装置5は、一例として中央処理演算装置(CPU:Central Processing Unit)などの情報処理手段を備えており、各種の演算処理を実行するプロセッサである。情報処理装置5には、電子カルテシステム1の動作に必要なアプリケーションがインストールされている。情報処理装置5は、端末7を例とする電子カルテシステム1の各種構成を統括制御する。
【0025】
端末7は、医師、看護師、放射線技師、および医療事務員を例とする医療従事者が操作することにより、各種プログラムを実行して情報処理装置5およびデータベースサーバ3にアクセスさせるものである。端末7の各々は、入力部9と表示部11と制御部13とを備えている。入力部9は医療従事者を例とするユーザ(操作者)による操作指示を入力するものである。入力部9の例として、キーボード入力式のデバイス、タッチ入力式のデバイス、マウス入力式のデバイス、またはスイッチ入力式のデバイスなどが挙げられる。
【0026】
表示部11は、画像情報または文書情報を例とする各種データを表示するものであり、一例として液晶ディスプレイが挙げられる。表示部11は、電子カルテ4および患者リスト6を表示可能に構成される。制御部13は一例としてCPUなどの情報処理手段を備えるプロセッサであり、端末7の各種構成を統括制御する。
【0027】
本実施例において、電子カルテシステム1は端末7を2つ備えているものとする。また2つの端末7のうち一方を端末7aとし、他方を端末7bとすることで両者を区別する。また入力部9と表示部11と制御部13との各々について、端末7aに設けられるものについては
図2などに示すように符号aを付し、端末7bに設けられるものについては符号bを付すことで両者を区別する。一例として、端末7aに設けられている入力部9を入力部9aとする。
【0028】
情報処理装置5は、カルテ読み出し部15と、カルテ表示制御部17と、リスト読み出し部19と、リスト表示制御部21と、読出カルテ記憶部23と、第1リスト編集部25と、読み出し状態解除部26と、終了カルテ記憶部27と、第2リスト編集部29とを備えている。
【0029】
カルテ読み出し部15は、ユーザによって指定された電子カルテ4のデータを電子カルテデータベース3aから読み出して取得する。カルテ表示制御部17は、カルテ読み出し部15によって読み出された電子カルテ4を所定の表示部11へ表示させる制御を行う。リスト読み出し部19は、ユーザによって指定された患者リスト6を患者リストデータベース3bから読み出して取得する。リスト表示制御部21は、リスト読み出し部19によって読み出された患者リスト6を所定の表示部11へ表示させる制御を行う。リスト表示制御部21は本実施例における一覧表示制御部に相当する。
【0030】
読出カルテ記憶部23はカルテ読み出し部15の後段に設けられている。読出カルテ記憶部23は、カルテ読み出し部15によって読み出された状態となっている電子カルテ4を特定する情報を記憶する。一例として、読出カルテ記憶部23は読み出し状態となっている電子カルテ4に紐付けられている患者(表示対象患者)の情報を記憶する。本実施例において読み出し状態とは、電子カルテ4がカルテ読み出し部15に読み出されて表示部11に表示されている状態を意味する。言い換えると、読み出し状態とは電子カルテ4が端末7を用いて編集可能となっている状態を意味する。読出カルテ記憶部23は本実施例における表示対象患者記憶部に相当する。
【0031】
第1リスト編集部25は読出カルテ記憶部23の後段に設けられており、読出カルテ記憶部23が記憶している情報を受信する。第1リスト編集部25は、読出カルテ記憶部23に記憶されている患者の情報と、リスト読み出し部19によって読み出されている患者リスト6とを参照する。そして読み出されている患者リスト6に対し、読出カルテ記憶部23に記憶されている患者を特定する編集を行う。第1リスト編集部25は本実施例における表示対象患者特定処理部に相当する。
【0032】
本実施例において、第1リスト編集部25は患者リスト6に配置されるセルのうち、読出カルテ記憶部23に記憶されている患者を示すセルの近傍に記号L1を表示させるという編集を行う。記号L1は、患者と紐付けられている電子カルテ4が読み出し状態となっていることを示唆する記号である。患者リスト6に記号L1を表示させる態様は、本実施例における第1の表示態様に相当する。
【0033】
読み出し状態解除部26は、カルテ読み出し部15の前段にもうけられている。読み出し状態解除部26は、ユーザによって入力された、電子カルテ4の読み出し状態を解除する指示を受け付け、解除する指示の対象となる電子カルテ4を読み出し状態から解除する。すなわち電子カルテ4の読み出し状態を解除する指示を受け付けると、読み出し状態解除部26はカルテ読み出し部15を制御し、カルテ読み出し部15が当該電子カルテ4を読み出している状態を解除させる。
【0034】
終了カルテ記憶部27は読み出し状態解除部26の後段に設けられている。終了カルテ記憶部27は、読み出し状態解除部26によって直近に読み出し状態が解除された電子カルテ4を特定し、特定された電子カルテ4に紐付けられている患者(解除対象患者)の情報を記憶する。読出カルテ記憶部23および終了カルテ記憶部27の一例として、不揮発性メモリが挙げられる。終了カルテ記憶部27は本実施例における解除対象患者記憶部に相当する。本実施例において、終了カルテ記憶部27は情報を上書き保存するように構成されている。すなわち新たに解除対象患者の情報が終了カルテ記憶部27に記憶されると、既に記憶されていた患者の情報は消去されるように構成されている。
【0035】
第2リスト編集部29は終了カルテ記憶部27の後段に設けられており、終了カルテ記憶部27が記憶している情報を受信する。第2リスト編集部29は、終了カルテ記憶部27に記憶されている患者の情報と、リスト読み出し部19によって読み出されている患者リスト6とを参照する。そして読み出されている患者リスト6に対し、終了カルテ記憶部27に記憶されている患者を特定する編集を行う。第2リスト編集部29は本実施例における解除対象患者特定処理部に相当する。
【0036】
本実施例において、第2リスト編集部29は患者リスト6に配置されるセルのうち、終了カルテ記憶部27に記憶されている患者を示すセルの近傍に記号L2を表示させるという編集を行う。記号L2は、患者と紐付けられている電子カルテ4が、直近に読み出し状態が解除された電子カルテ4であることを示唆する記号である。患者リスト6に記号L2を表示させる態様は、本実施例における第2の表示態様に相当する。
【0037】
また、リスト表示制御部21は第1リスト編集部25および第2リスト編集部29の各々の後段に設けられており、第1リスト編集部25または第2リスト編集部29よって編集を受けた患者リスト6のデータを受信する。そして第1リスト編集部25または第2リスト編集部29よって編集を受けた患者リスト6は、リスト表示制御部21によって表示部11に表示される。すなわち第1リスト編集部25または第2リスト編集部29よって患者リスト6が編集されると、表示部11に表示される患者リスト6は編集を受けた内容に応じて逐次アップデートされる。
【0038】
本実施例において、電子カルテシステム1は
図2に示すように診察室SDおよび検査室KRにわたって用いられる。すなわち2つの端末7のうち、一方の端末7aを診察室SDに配置させ、他方の端末7bを検査室KRに配置させる。
【0039】
診察室SDは、医師Dcが患者に対して診察またはリハビリ治療(Physical therapy)を行う部屋である。すなわち診察室SDにおいて、医師Dcがユーザとして端末7aを操作することにより、電子カルテシステム1を利用する。また診察室SDには、リハビリ治療を行うために用いられる寝台31が配設されている。
【0040】
検査室KRは、診療装置などを用いて患者に対する各種検査を行う部屋である。本実施例において、診療装置はX線撮影装置33であるものとする。X線撮影装置33はX線管35と、X線検出器37と、患者を載置させる天板39とを備えている。検査室KRにおいて、放射線技師Gaがユーザとして端末7bを操作することにより、電子カルテシステム1を利用する。
【0041】
検査室KRは撮影室R1と操作室R2とを有している。X線撮影装置33は撮影室R1に配設されており、端末7bは操作室R2に配設されている。放射線技師Gaは操作室R2から窓Wdを通して患者などを確認しつつ、端末7bを適宜操作することによってX線撮影装置33に対する各種指示を行う。
【0042】
<患者リストの構成>
次に、表示部11に表示される患者リスト6の構成について説明する。
図3は患者リスト6のうち、2021年9月26日に診療を受ける患者についての患者リスト6bを示している。
【0043】
患者リスト6は、診療対象となる患者をリスト形式で一覧表示するものであり、各患者に対する診療行為の進捗状況を例とする各種情報を一覧表示する。患者リスト6には情報が記入されるセルが二次元マトリクス状に配置されている。
【0044】
患者リスト6は、患者情報表示欄41と、診療情報表示欄43と、編集状況表示欄45と、編集記号説明欄47と、進捗記号説明欄49と、最小化ボタン51と、終了ボタン53とを備えている。
【0045】
患者情報表示欄41は本実施例において、患者リストの左側に配置されている。患者情報表示欄41には、患者を特定する情報である患者情報が患者ごとにy方向(縦方向)へ配列されている。本実施例において、患者情報表示欄に記入される患者情報の項目として、患者IDの情報と患者氏名の情報との2つが用いられており項目の各々はx方向(横方向)へ配列されている。患者情報の項目は当該2つに限ることはなく、性別、生年月日、または年齢を例とする他の情報を用いてもよい。また本実施例において患者情報表示欄41には
図3に示すように6名の患者がy方向に配列されているが、実際にはさらに多くの患者が患者リスト6に一覧表示されることが一般的である。患者リスト6において一覧表示される患者の数が、表示部11の表示画面に収まりきらない程度に多くなる場合、y方向に延びるスクロールバーを患者情報表示欄41の近傍に設ける。そしてユーザはスクロールバーを用いて患者情報表示欄41をy方向にスクロールさせることで、各患者の氏名およびIDなどを確認する。
【0046】
診療情報表示欄43は本実施例において、患者情報表示欄41の右隣に配置されている。診療情報表示欄43には、各々の患者に対する診療の進捗状況および診療の概要などに関する情報が項目ごとに配列されている。診療情報表示欄43に記入される診療の概要に関する情報の項目として、予約時間、受付時間、診療科の種別、病名の概要などが例として挙げられる。また診療の進捗状況を示す情報の項目として、受付、検査、診察、リハビリ治療などの進捗を示す項目が挙げられる。
【0047】
診療情報表示欄43は、ユーザが入力部9を操作することで、表示される情報の項目を適宜追加できるように構成されている。項目が追加されることによって診療情報表示欄43は横方向(右方向)に広くなる。診療情報表示欄43の下方には横方向に延びるスクロールバー55が配設されている。スクロールバー55は、スクロールバー55の内部を移動可能なスライダー56と、スライダー56の両端に配設された一対のアローボタン57とを備えている。
【0048】
診療情報表示欄43の項目が多くなりすぎて表示部11の表示画面に収まりきらなくなる場合、診療情報表示欄43の項目の一部が表示されて残りの項目は非表示の状態となる(符号Vを参照)。この場合、マウス式のデバイスなどを用いてスライダー56またはアローボタン57を操作することにより、診療情報表示欄43の内容が左右方向に移動するので、非表示となっている項目が表示可能となる。
【0049】
一例として、スライダー56がスクロールバー55の左端に位置する状態における患者リスト6は
図14などに示されている。この場合、診療情報表示欄43において、予約時間などの項目が表示状態となっている一方で、診療情報表示欄43のうち右側に位置する一部の項目(診療目的の項目など)が非表示状態となっている。そしてスライダー56がスクロールバー55の右端に位置する状態における患者リスト6は
図17などに示されている。この場合、診療情報表示欄43において診療目的の項目などが表示状態となっている一方で、予約時間などの項目が非表示状態となっている。
【0050】
なお、スクロールバー55を操作することにより診療情報表示欄43は左右にスクロールする一方で、患者情報表示欄41および編集状況表示欄45はスクロールすることなく位置が固定されている。そのため、ユーザはスクロールバー55を操作することによって、患者情報表示欄41に固定表示される患者の情報と、診療情報表示欄43における全ての項目とを対比させながら確認を行うことができる。
【0051】
編集状況表示欄45は、電子カルテ4が読み出し状態であることを示唆する情報が各々の患者ごとに表示可能となっている。また編集状況表示欄45は、直近に電子カルテ4の読み出し状態が解除されたことを示唆する情報が各々の患者ごとに表示可能となっている。編集状況表示欄45は患者情報表示欄41の左隣に配置されており、編集状況表示欄45に表示される情報と患者情報表示欄41に表示される患者情報とを同時に視認することが容易となるように構成されている。
【0052】
本実施例では、電子カルテ4が読み出し状態であることを示唆する情報として記号L1を用いる。
図3では患者リスト6に表示されている6名の患者のうち、ID番号「0084」が付与されている患者(氏名が「島津花子」である患者)に対応する編集状況表示欄45に記号L1が表示されている。この場合、ID番号「0084」が付与されている患者に紐付けられている電子カルテ4が、現時点において読み出し状態となっていることを意味している。
【0053】
また本実施例では、直近に電子カルテ4の読み出し状態が解除されたことを示唆する情報として、記号L2を用いる。
図3では、ID番号「0099」が付与されている患者(氏名が「島津亮」である患者)に対応する編集状況表示欄45に記号L2が表示されている。この場合、ID番号「0099」が付与されている患者に紐付けられている電子カルテ4が、直近に読み出し状態が解除された電子カルテ4であることを意味している。編集状況表示欄45において記号L1または記号L2を表示するよう制御する構成については後述する。
【0054】
編集記号説明欄47は、編集記号に相当する記号L1および記号L2の外観と、記号L1および記号L2の意味を説明する情報が配置される。本実施例では、記号L1は電子カルテ4が読み出し状態であることを示唆する旨の情報と、記号L1の外観は白い星印(☆)である旨の情報とが編集記号説明欄47の左部分に配置されている。また、記号L2は電子カルテ4が直近に読み出し状態が解除されたこと(最後に読み出し状態が解除されたこと)を示唆する旨の情報と、記号L2の外観は黒い矩形(■)である旨の情報とが編集記号説明欄47の右部分に配置されている。
【0055】
進捗記号説明欄49は、進捗記号の外観と意味とを説明する情報が配置される。進捗記号は患者に対する診療の進捗状況を示唆する記号であり、診療情報表示欄43の項目のうち、「受付」または「検査」を例とする、診療行為の各段階における進捗状況を示す情報の項目に表示される記号である。
【0056】
本実施例では、予約をしている段階である場合、外観が黒い三角(▲)である記号K1を表示する。受付手続が完了しており診療行為が未実施である場合、外観がアスタリスク(*)である記号K2を表示する。診療行為を実施中である場合、外観が白い菱形(◇)である記号K3を表示する。診療行為が全て完了した場合、外観がアルファベットの「F」である記号K4を表示する。また当初から予約されておらず、診療行為を実行しないことが確定している場合、記号は記入されない。
【0057】
一例として
図3において、ID番号「0089」が付与されている患者(島津三郎)について、診療情報表示欄43のうち「受付」の項目および「診察」の項目には外観が「F」である記号K4が表示され、「リハビリ」の項目には外観が「◇」である符号K3が表示されている。この場合、ユーザは診療情報表示欄43に表示されている各記号を視認することにより、当該患者についての進捗状況は「受付の過程と診察の過程は完了しており、リハビリ治療の過程を実行中である」という情報を迅速に把握できる。
【0058】
最小化ボタン51は一例として患者リスト6を表示するウィンドウの右上隅に配置されている。ユーザがマウス入力などによって最小化ボタン51を操作することにより、患者リスト6のウィンドウは最小化する。すなわち最小化ボタン51が操作されると、患者リスト6は読み出し状態を維持しつつ、表示部11の表示画面から一時的に隠れた状態となる。
【0059】
終了ボタン53は、一例として最小化ボタン51に隣接するように配置されている。ユーザがマウス入力などによって終了ボタン53を操作することにより、患者リスト6のウィンドウは閉じられる。すなわち、終了ボタン53が操作されると、患者リスト6は読み出し状態が解除される。なお後述するように、電子カルテ4を表示するウィンドウにも最小化ボタン61と終了ボタン63とが配置されており、各々の機能は最小化ボタン51および終了ボタン53の機能と共通する。
【0060】
<電子カルテシステムの動作>
ここで、実施例に係る電子カルテシステム1の動作を説明する。
図5は、電子カルテシステム1によって患者リスト6および電子カルテ4を利用する一連の動作を説明するフローチャートである。
【0061】
本実施例では、ID番号「0089」が付与されており「島津三郎」という氏名の患者(以下、「患者M1」とする)と、ID番号「0096」が付与されており「島津京子」という氏名の患者(以下、「患者M2」とする)が診療対象である場合を例示して説明する。患者M1は医療機関において診察およびリハビリ治療を目的としているものとする。また、患者M2は診察および検査(X線撮影検査)を目的としているものとする。なお、診療を行う当日は2021年9月26日であるものとする。
【0062】
また、患者M1および患者M2に対しては
図16で示すフローチャートに沿って順に診療行為を行うものとする。すなわち、まず、医師Dcは端末7aを用いて当日の患者リスト6bを読み出すとともに患者M1の電子カルテ4bを読み出す(ステップT1)。当該ステップT1と前後して、患者M1の診察およびリハビリを行うべく、患者M1を診察室SDへ入室させる(ステップT2)。そして患者M1の診察とリハビリ治療を行いつつ(ステップT3)、患者M1のリハビリ治療を実行している間に患者M2を診察室へ入室させる(ステップT4)。患者M2を入室させると医師Dcは患者M2の電子カルテ4dを端末7aで読み出し(ステップT5)、患者M2を診察する(ステップT6)。
【0063】
患者M2は診察が終了すると診察室SDから退室し、X線検査を行うべく検査室KRへ移動する(ステップT7)。患者M2の診察が終了すると、医師Dcは端末7aを操作して電子カルテ4dの読み出し状態を解除する(ステップT8)。患者M2が検査室KRに入室すると(ステップT9)、放射線技師Gaは端末7bを用いて患者リスト6bを読み出すとともに患者M2の電子カルテ4dを読み出す(ステップT10)。電子カルテ4dが読み出されて編集可能になると、患者M2に対してX線検査を行う(ステップT11)。X線検査が完了することによって患者M2の診療は終了し(ステップT12)、放射線技師Gaは端末7bを操作して電子カルテ4dの読み出し状態を解除する(ステップT13)。
【0064】
その一方で診察室SDにおいて患者M1はリハビリ治療が完了すると再度診察を行う(ステップT14)。再診察が完了すると患者M1の診療は終了し(ステップT15)、医師Dcは端末7aを操作して電子カルテ4bの読み出し状態を解除する(ステップT16)。患者M1および患者M2の診療が終了することにより、端末7aおよび端末7bにおいて患者リスト6bを閉じる操作を行って電子カルテシステム1を終了させる(ステップT17)。
【0065】
なお
図16に示すステップT1において、医師Dcは端末7aを用いて、患者リスト6を読み出して表示部11aに表示させる工程と(ステップS1)、患者M1の電子カルテ4bを読み出して表示部11aに表示させる操作を行う(ステップS2~S4)。このとき電子カルテ4bを読み出す操作を行うことで、患者リスト6が編集される(ステップS5)。
【0066】
またステップT4において、さらに医師Dcは患者M2の電子カルテ4dを読み出すべく(ステップS6)、電子カルテ4dを表示部11に表示させる操作を行う(ステップS2~S4)。このとき電子カルテ4dを読み出す操作によって患者リスト6が再び編集される(ステップS5)。
【0067】
ステップT8において、医師Dcは患者M2の電子カルテ4dを閉じて読み出し状態を解除する操作を行う(ステップS7)。電子カルテ4dの読み出し状態を解除する操作を行うことで、患者リスト6が編集される(ステップS8)。
【0068】
ステップT10において、放射線技師Gaは端末7bを用いて、患者リスト6を読み出して表示部11bに表示させる工程と(ステップS1)、患者M2の電子カルテ4dを読み出して表示部11bに表示させる操作を行う(ステップS2~S4)。このとき電子カルテ4dを読み出す操作を行うことで、患者リスト6が編集される(ステップS5)。
【0069】
ステップT13において、放射線技師Gaは端末7bを用いて、患者M2の電子カルテ4dを閉じて読み出し状態を解除する操作を行う(ステップS7)。電子カルテ4dの読み出し状態を解除する操作を行うことで、患者リスト6が編集される(ステップS8)。
【0070】
以下、ステップT1~T17の流れを示しつつ、ステップT1またはT5などの各ステップにおいて実行されるステップS1~S10の動作について具体的に説明する。
【0071】
まずはステップT1において行われる、ステップS1ないしステップS5の工程について説明する。電子カルテシステム1を作動させると、まずユーザは患者リスト6を表示部11に表示させる(ステップS1)。ステップS1における診察室SDおよび検査室KRの状態は
図2に示す通りである。なおステップS1の時点では電子カルテ4はいずれも読み出し状態となっておらず、またいずれも読み出し状態が解除される操作を受けていないものとする。この場合、
図2に示すように、読出カルテ記憶部23および終了カルテ記憶部27には電子カルテ4を特定する情報が記憶されていない状態となっている。
【0072】
医師Dcは診察室DSにおいて、患者を診察する準備を行うべく患者リスト6を確認する。すなわち医師Dcは診察室SDに配置されている端末7aを操作することにより、当日に診察を受ける患者を一覧表示する患者リスト6bを指定する指示を入力するとともに、指定された患者リスト6bを読み出して表示部11aへ表示させる指示を入力する。
【0073】
医師Dcによる操作は情報処理装置5に受け付けられ、情報処理装置5に設けられているリスト読み出し部19は患者リスト6bを患者リストデータベース3bから読み出して取得する。読み出された患者リスト6bは、リスト表示制御部21へと送信される。リスト表示制御部21は、読み出された患者リスト6bを表示させるように表示部11aを制御する。
【0074】
リスト読み出し部19およびリスト表示制御部21の動作により、患者リスト6のうち医師Dcの指定を受けた患者リスト6bが表示部11aに表示される。
図5は、ステップS1において表示部11aに表示された患者リスト6bを示している。なお、ステップTにおいて行われるステップS1では電子カルテ4が読み出されておらず、読み出し状態を解消する指示も行われていない。そのため、
図5に示される患者リスト6bにおいて、編集状況表示欄45には記号L1および記号L2はいずれも表示されていない。
【0075】
なお電子カルテシステム1において、同一の患者リスト6を複数の端末7から同時に読み出すことができるように構成される。すなわち診察室SDにおいて医師Dcが患者リスト6bを端末7aに読み出すとともに、検査室KRにおいて放射線技師Gaが患者リスト6bを端末7bに読み出すことができる。この場合、放射線技師Gaは入力部9bを操作し、患者リスト6bを指定して端末7bへ読み出す指示を入力する。当該指示が入力されることにより、患者リスト6bはリスト読み出し部19によって患者リストデータベース3bから読み出されて表示部11bに表示される。ユーザによる指定を受けた患者リスト6が表示部11に表示されることにより、ステップS1の過程は終了する。
【0076】
患者リスト6が表示部11に表示された後、ユーザは表示部11に表示させる対象となる電子カルテ4を選択する(ステップS2)。
図3などに示すように、「受付時間」の項目に表示されている情報から、患者M1および患者M2のうち患者M1が先に診察室SDで診察を受ける予定であることが分かる。そのため医師Dcはまず患者M1の電子カルテ4を表示部11aに表示させる指示を端末7aに入力する。
【0077】
一例として患者M1のID番号が表示されているセルD1にカーソルCSを合わせてクリック操作を行うことにより、電子カルテデータベース3aに記憶されている電子カルテ4のうち、患者M1と紐付けられている電子カルテ4bが選択される。なお患者M1の電子カルテ4bを選択する操作はセルD1にカーソルCSを合わせる操作に限ることはなく、
図3に示すように患者M1に対応する情報が表示されているセル(セルD1と同じ行に含まれるセル)にカーソルCSを合わせてクリック操作を行うことで患者M1の電子カルテ4bが選択される。電子カルテ4bが選択された旨の信号は、ユーザによる操作が行われた端末7を特定する情報とともに、端末7aの制御部13aから情報処理装置5のカルテ読み出し部15へと送信される。電子カルテ4を選択する操作が実行されることにより、ステップS2の過程は終了する。
【0078】
電子カルテシステム1では、一つの電子カルテ4が異なる端末7から同時に編集操作を受けることを防止するため、一つの電子カルテ4は同時に一つの端末7にのみ読み出されるように構成されている。そのため電子カルテ4を選択する操作が実行されると、選択された電子カルテ4が他の端末7において既に読み出されているか否かによって工程が分岐する(ステップS3)。
【0079】
ステップS3において、カルテ読み出し部15は読出カルテ記憶部23に記憶されている情報を参照し、選択された電子カルテ4が既に読み出し状態となっているか否かを判断する。後述するように、読出カルテ記憶部23は読み出し状態となっている電子カルテ4を特定する情報を記憶するように構成されている。
【0080】
そのため、選択された電子カルテ4の情報が読出カルテ記憶部23に記憶されていない場合、カルテ読み出し部15は選択された電子カルテ4が未だ読み出し状態となっていないと判断する。言い換えると、選択された電子カルテ4が既にいずれかの端末7へ読み出された状態とはなっていない、とカルテ読み出し部15は判断する。そのため、選択された電子カルテ4の情報が読出カルテ記憶部23に記憶されていない場合、ステップS4へと進行し、電子カルテ4を読み出す工程を実行する。
【0081】
一方、選択された電子カルテ4の情報が読出カルテ記憶部23に記憶されている場合、電子カルテ4は既にいずれかの端末7へ読み出された状態となっている。この場合、カルテ読み出し部15は電子カルテ4が選択された旨の信号を破棄する。そして電子カルテ4を読み出す操作は実行されることなく、ステップS2へと戻る。ここでは電子カルテ4bを初めて読み出す操作が行われるので、ステップS3からステップS4へと進行する。
【0082】
ステップS4が開始されると、選択された電子カルテ4を読み出す過程が実行される。すなわちカルテ読み出し部15は、電子カルテデータベース3aに記憶されている電子カルテ4のうち、ステップS2においてユーザが選択した電子カルテ4bを電子カルテデータベース3aから読み出して取得する。読み出された電子カルテ4bの情報は、ユーザによる操作が行われた端末7を特定する情報とともに、カルテ表示制御部17へと送信される。
【0083】
カルテ表示制御部17は表示部11を制御することによって、カルテ読み出し部15から送信された電子カルテ4bを表示部11(ここでは表示部11a)に表示させる。
図6は、電子カルテ4bのウィンドウが開いて電子カルテ4bが表示部11aに表示された状態を示している。電子カルテ4bが電子カルテデータベース3aから読み出されて表示部11aに表示されることにより、ユーザは電子カルテ4bの内容を編集できるようになる。すなわち、電子カルテ4bは読み出し状態となる。
【0084】
電子カルテ4bのウィンドウには最小化ボタン61と終了ボタン63とが配置されている。電子カルテ4bの読み出し状態を維持しつつ(編集可能な状態を維持しつつ)、電子カルテ4bのウィンドウを一時的に表示部11aの表示画面から隠す場合、ユーザはカーソルCSなどを用いて最小化ボタン61を操作する。電子カルテ4bの読み出し状態を解除する場合、ユーザはカーソルCSなどを用いて終了ボタン63を操作する。
【0085】
図6では患者リスト6bを表示するウィンドウと電子カルテ4bを表示するウィンドウとが同じディスプレイに表示されており、2つのウィンドウの一部が重複している状態を示しているがこれに限ることはない。すなわち表示部11aは複数のディスプレイを有しており、患者リスト6bと電子カルテ4bとをそれぞれ別のディスプレイに表示させてもよい。
【0086】
またステップS4では、カルテ読み出し部15が読み出した電子カルテ4を特定する情報がカルテ読み出し部15から読出カルテ記憶部23へと送信される。読出カルテ記憶部23は、カルテ読み出し部15から送信された情報を記憶する。すなわち、読み出し状態となった電子カルテ4が電子カルテ4bである旨の情報が読出カルテ記憶部23によって記憶される。
【0087】
本実施例では電子カルテ4を特定する情報として、電子カルテ4に紐付けられている患者のID番号を用いるものとする。すなわち
図7(a)に示すように、ステップS2において指定された電子カルテ4bに紐付けられているID番号「0089」の情報H1が読出カルテ記憶部23に記憶される。すなわち読出カルテ記憶部23が記憶する情報は、読み出し状態となっている電子カルテ4を特定する情報であると同時に、読み出し状態となっている電子カルテ4と紐付けられている患者を特定する情報でもある。
【0088】
電子カルテ4bおよび患者M1を特定する情報H1が読出カルテ記憶部23に記憶されていることにより、カルテ読み出し部15は電子カルテ4bが既に読み出し状態となっていることを判断できる。そのため、情報H1が読出カルテ記憶部23に記憶されている状態で、放射線技師Gaが端末7bを操作して電子カルテ4bを読み出す操作を行うと、カルテ読み出し部15は放射線技師Gaによる当該操作を拒否する。そして情報処理装置5は端末7bに対して、「電子カルテ4bは既に読み出し状態となっているので新たに読み出すことができない」という内容の情報を報知する。当該構成により、一つの電子カルテ4が複数の端末7に読み出される状態となることを防止できる。電子カルテ4が表示部11に表示されて編集可能な状態になることにより、ステップS4の過程は終了する。
【0089】
電子カルテ4が読み出し状態になると、読み出し状態となった電子カルテ4を特定できるように患者リスト6を編集する操作が開始される(ステップS5)。読出カルテ記憶部23は、自身が記憶している情報を逐次第1リスト編集部25へ送信するように構成されている。すなわち、読出カルテ記憶部23に記憶されている情報H1は第1リスト編集部25へと送信される。
【0090】
第1リスト編集部25は、読み出し状態となっている電子カルテ4の情報を読出カルテ記憶部23から受信すると、読み出し状態となっている電子カルテ4とともに表示されている患者リスト6を取得する。ここでは電子カルテ4bが読み出し状態となっており患者リスト6bとともに表示部11aへ表示されている。そのため、第1リスト編集部25は患者リスト6bの情報を取得して患者リスト6bの編集を行う。第1リスト編集部25は患者リストデータベース3bから患者リスト6の情報を取得してもよいし、リスト読み出し部19から患者リスト6の情報を受信して取得してもよい。
【0091】
第1リスト編集部25は、取得した患者リスト6bの情報と、読み出し状態となっている電子カルテ4が電子カルテ4bである旨の情報H1とを用いて、患者リスト6bの編集を行う。すなわち、第1リスト編集部25は患者リスト6bに一覧表示される患者の中から、情報H1に対応する患者M1を特定する。そして特定された患者M1に対応する編集状況表示欄45に対して記号L1を表示させる編集を行う。
【0092】
第1リスト編集部25によって編集された患者リスト6bのデータはリスト表示制御部21へと送信される。リスト表示制御部21は、編集によって新たに記号L1が表示された患者リスト6bを表示部11aに表示させる。
図8は、第1リスト編集部25によって編集された(アップデートされた)患者リスト6bが表示されている状態を示している。本実施例では、患者M1のID番号が表示されるセルD1の左隣に記号L1が表示されている。
【0093】
このように電子カルテシステム1では、電子カルテ4を指定して読み出し状態にすることで、読み出し状態となった電子カルテ4に紐付けられている患者を特定できるように、患者リスト6に対して記号L1が付与される編集が自動的に行われる。医師Dcは患者リスト6bに表示されている記号L1を確認することにより、記号L1が表示されている患者M1に紐付けられている電子カルテ4bが、現時点において読み出し状態であることを把握できる。読み出されている患者リスト6に記号L1が表示される編集が行われることにより、ステップS5の過程は終了する。
【0094】
本実施例に係る電子カルテシステム1を用いる場合、ユーザは患者リスト6のうち編集状況表示欄45に視線を向け、記号L1が付与されている位置を手掛かりとすることで、読み出し状態となっている電子カルテ4と紐付けられている患者を特定する。患者の氏名等を手掛かりとする場合、患者情報表示欄41に一覧表示される多数の患者の情報を逐一確認する必要がある。一方、本実施例に係る電子カルテシステム1では編集状況表示欄45に表示される記号L1を見つけ、記号L1と隣接表示されている患者情報表示欄41を確認するという単純な動作で、どの患者の電子カルテ4が読み出し状態となっているかという情報を迅速に知ることができる。
【0095】
なお、スクロールバー55を操作することにより診療情報表示欄43は左右にスクロールする一方で、患者情報表示欄41および編集状況表示欄45はスクロールすることなく位置が固定されている。すなわち、第1リスト編集部25は記号L1と患者M1の情報との位置関係が固定されるように患者リスト6bの編集処理を行っている。そのため、ユーザはスクロールバー55を操作することによって、記号L1が付されている患者が患者M1であることを確認しつつ、患者情報表示欄41に記載されている患者M1の情報(氏名など)と、診療情報表示欄43における全ての項目とを対比させながら確認を行うことができる。
【0096】
患者M1の電子カルテ4bを表示部11aにさせた後、
図9に示すように医師Dcは患者M1を診察室SDへと入室させる(ステップT2)。そして医師Dcは患者M1を診察しつつ、診察によって得られた情報を電子カルテ4bに入力して電子カルテ4bの編集作業を行う。
【0097】
ステップS5が終了すると、さらに電子カルテ4を読み出す操作を行うか否かによって工程が分岐する(ステップS6)。さらに電子カルテ4を読み出す必要がない場合、ステップS7へと進む。さらに電子カルテ4を読み出す操作を行う場合、ステップS2に戻って電子カルテ4を選択する操作を行う。
【0098】
ここでは、2つ目の電子カルテ4を読み出す操作を行う場合について説明する。医師Dcは患者M1の診察が終了した後、
図10に示すように患者M1を寝台31に載置させて治療装置などを用いて患者M1のリハビリ治療を行わせる(ステップT3)。患者M1がリハビリ治療を行っている時間を利用し、医師Dcは次の患者M2を診察室SDへ入室させて患者M2の診察を行う(ステップT4)。患者M2に対して診察などの診療行為を行うために、医師Dcは患者M2に対応する電子カルテ4を読み出して表示部11aに表示させる必要がある(ステップT5)。なお、患者M1はリハビリ治療が終了した後に再度診察を行うため、医師Dcは電子カルテ4bの読み出し状態を維持させておく。
【0099】
患者M2に対応する電子カルテ4を読み出す場合、ステップS2に戻って医師Dcは入力部9aを操作して電子カルテの選択操作を行う。すなわち患者M2のID番号が表示されているセルD2などにカーソルCSを合わせてクリック操作を行う。当該操作により、電子カルテデータベース3aに記憶されている電子カルテ4のうち、患者M2と紐付けられている電子カルテ4dが選択される。電子カルテ4dが選択された旨の信号は、ユーザによる操作が行われた端末7aを特定する情報とともに、カルテ読み出し部15へと送信される。
【0100】
図10などに示すように、電子カルテ4dを選択した時点において、電子カルテ4dを特定する情報は読出カルテ記憶部23に記憶されていない。すなわち電子カルテ4dを選択した時点において、電子カルテ4dは読み出し状態となっていない。そのためステップS2が完了した後、ステップS3を経由してステップS4へと進み、電子カルテ4dを読み出す過程が実行される。すなわちカルテ読み出し部15は電子カルテデータベース3aから電子カルテ4dのデータを読み出し、カルテ表示制御部17は電子カルテ4dを表示部11aに表示させる。
【0101】
図11は、読み出し状態となった電子カルテ4dが表示部11aに表示されている状態を示している。電子カルテ4dが読み出し状態となることにより、医師Dcは患者M2の診察結果を電子カルテ4dに入力して電子カルテ4dを編集することが可能となる。なお
図11では電子カルテ4dと電子カルテ4bとがいずれも表示部11aの表示画面に表示されている。
【0102】
患者M2の電子カルテ4dを編集する際に患者M1の電子カルテ4bのウィンドウが邪魔である場合、医師Dcは電子カルテ4bに配設されている最小化ボタン61を操作することにより、電子カルテ4bが表示されているウィンドウを最小化させる。電子カルテ4bが最小化することにより、電子カルテ4bの読み出し状態を維持しつつ一時的に電子カルテ4bを表示部11aの表示画面から隠すことができる。
【0103】
電子カルテ4dが読み出されると、読み出し状態となった電子カルテ4dを特定する情報H2が読出カルテ記憶部23へと送信される。本実施例において、電子カルテ4dに紐付けられている患者M2のID番号「0096」が情報H2に相当する。そして
図7(b)に示すように、情報H1が記憶されている状態となっている読出カルテ記憶部23は(左図)、さらに情報H2を記憶する(右図)。読出カルテ記憶部23が情報H1および情報H2を記憶することにより、電子カルテ4bおよび4dは別の端末7によって読み出すことができなくなる。
【0104】
新たに電子カルテ4dが読み出し状態になるとステップS5へと進み、再び患者リスト6に対して記号L1を付与する編集が行われる。すなわち、読出カルテ記憶部23に記憶されている情報H1および情報H2が第1リスト編集部25へと送信される。第1リスト編集部25は、電子カルテ4bおよび電子カルテ4dとともに表示部11aに表示されている患者リスト6bのデータをさらに取得する。その後、第1リスト編集部25は患者リスト6bに一覧表示される患者の中から、情報H1に対応する患者M1と情報H2に対応刷る患者M2とを特定する。そして第1リスト編集部25は、特定された患者M1および患者M2に対応する編集状況表示欄45に対して、記号L1を表示させる編集を行う。
【0105】
第1リスト編集部25によって編集された患者リスト6bのデータはリスト表示制御部21へと送信される。リスト表示制御部21は、編集によって新たに記号L1が表示された患者リスト6bを表示部11aに表示させる。
図12は、電子カルテ4bおよび4dが読み出し状態となっている場合において、第1リスト編集部25によって編集された(アップデートされた)患者リスト6bが表示されている状態を示している。本実施例では、患者M1のID番号が表示されるセルD1の左隣と、患者M2のID番号が表示されているセルD2の左隣とに記号L1が表示されている。
【0106】
医師Dcは患者リスト6bに表示されている記号L1の位置および数を確認することにより、現時点において読み出し状態である電子カルテ4を確認できる。すなわち、記号L1が付されている患者M1およびM2の各々に紐付けられている電子カルテ4bおよび4dが、現時点において読み出し状態であることを把握できる。このように、ステップS6において電子カルテ4を読み出す操作をさらに行う場合、ステップS2ないしステップS5の工程を適宜繰り返す。
【0107】
ステップS7に進んだ場合、編集状態(読み出し状態)となっている電子カルテ4を閉じて読み出し状態を解除させるか否かによって工程を分岐する。電子カルテ4を閉じない場合はステップS6に戻る。
【0108】
電子カルテ4を閉じる場合、電子カルテ4の読み出し状態を解除する過程が開始される(ステップS8)。電子カルテ4を閉じる場合の一例として、次のようなものが挙げられる。患者M2の診察が終了すると(ステップT6)、
図13に示すように、患者M2は次にX線撮影装置33を用いた検査を行うべく診察室SDから検査室KRへと移動する(ステップT7)。
【0109】
検査室KRにおいて患者M2の検査を行う場合、放射線技師GaはX線撮影装置33を用いて患者M2のX線画像を撮影するとともに、検査室KRにおいて端末7bを用いて患者M2の電子カルテ4dを編集する必要がある。しかしながら電子カルテシステム1では同時に複数の端末7から一つの電子カルテ4を読み出すことができない。そのため、端末7bから電子カルテ4dを読み出して表示部11bに表示させるためには、表示部11aに表示されている電子カルテ4dを閉じる操作を行うことによって電子カルテ4dの読み出し状態を解除させる必要がある(ステップT8)。
【0110】
そこで患者M2が診察室SDを退室する際に、医師Dcは電子カルテ4dに配置されている終了ボタン63を操作することによって、電子カルテ4dを閉じる指示を入力する。電子カルテ4dを閉じる旨の情報は読み出し状態解除部26へと送信される。読み出し状態解除部26は当該情報を受信することによってカルテ読み出し部15を制御し、電子カルテデータベース3aから電子カルテ4dのデータが読み出されている状態を解除する。
【0111】
カルテ読み出し部15による電子カルテ4dの読み出し状態が読み出し状態解除部26によって解除されることにより、カルテ表示制御部17による表示部11aの制御が解除されて電子カルテ4dは表示部11aに表示されなくなる。そのため、電子カルテ4dの読み出し状態が解除されることにより、電子カルテ4dは編集可能な状態(編集状態)が解除される。
【0112】
カルテ読み出し部15は、電子カルテ4dの読み出し状態が解除された旨の情報を読出カルテ記憶部23へ送信する。電子カルテ4dの読み出し状態が解除されることにより、
図7(c)に示すように、読出カルテ記憶部23は電子カルテ4dを特定する情報H2を消去する。また、読み出し状態解除部26は、電子カルテ4dの読み出し状態を解除した旨の情報を終了カルテ記憶部27に送信する。
【0113】
本実施例に係る電子カルテシステム1では、いずれかの電子カルテ4の読み出し状態が解除される操作が行われると、直近に読み出し状態が解除された電子カルテ4を特定する情報が終了カルテ記憶部27に記憶されるように構成されている。すなわち電子カルテ4dの読み出し状態が解除されると
図7(c)に示すように、終了カルテ記憶部27は直近に読み出し状態が解除された電子カルテ4として、電子カルテ4dを特定する情報H2を記憶する。
【0114】
このように、電子カルテ4の読み出し状態が解除されると、当該電子カルテ4を特定する情報は読出カルテ記憶部23のメモリから消去される一方で終了カルテ記憶部27に記憶されることとなる。読出カルテ記憶部23に記憶されている情報の内容は第1リスト編集部25に逐次送信されており、終了カルテ記憶部27に記憶されている情報の内容は第2リスト編集部29に逐次送信されている。そのため、第1リスト編集部25および第2リスト編集部29は電子カルテ4dの読み出し状態が直近に解除された旨の情報を迅速に受信する。
【0115】
第1リスト編集部25および第2リスト編集部29の各々は、情報を受信することによって患者リスト6の編集を行う。まず、第1リスト編集部25は読出カルテ記憶部23から送信される情報から、電子カルテ4bおよび電子カルテ4dが読み出し状態であった状況から、電子カルテ4bのみが読み出し状態である状況へと変化したと判断する。そこで、第1リスト編集部25は現時点において表示部11に読み出されている患者リスト6bに対して、記号L1を表示させる対象を変更させる編集を行う。
【0116】
患者M2に紐付けられている電子カルテ4dの読み出し状態を解除することにより、患者M1に紐付けられている電子カルテ4bのみが読み出し状態となっている。すなわち第1リスト編集部25は、患者M1および患者M2に対して記号L1を表示させる状態から、患者M1のみに対して記号L1を表示させる状態へと変更させる。すなわち第1リスト編集部25が患者リスト6bを編集することにより、編集状況表示欄45のうちセルD1に対応する位置に表示されている記号L1は表示され続ける一方、セルD2に対応する位置に表示されていた記号L1は消去される。
【0117】
第1リスト編集部25による患者リスト6bの編集と並行して、第2リスト編集部29による患者リスト6bの編集が行われる。終了カルテ記憶部27が何ら情報を記憶していない状態から情報H2を記憶している状態へと変更したことに従って、第2リスト編集部29は患者リスト6bに対して、情報H2に対応する患者M2に記号L2を新たに表示させる編集を行う。すなわち第2リスト編集部29が患者リスト6bを編集することにより、編集状況表示欄45のうちセルD2に対応する位置に記号L2が付与される。
【0118】
電子カルテ4dの読み出し状態が解除された後に患者リスト6bが編集されることにより、表示部11aに表示される患者リスト6bは
図14に示されるように変化する。医師Dcは患者リスト6bに表示される記号L1および記号L2を視認することにより、患者M1に対応する電子カルテ4bが現時点において読み出し状態であり、患者M2に対応する電子カルテ4dが現時点において直近に読み出し状態が解除された電子カルテ4であることを把握できる。
【0119】
なお、表示部11に表示されている患者リスト6bにおいて、患者情報表示欄41および編集状況表示欄45は位置が固定されている。すなわち、第2リスト編集部29は記号L2と患者M2の情報との位置関係が固定されるように患者リスト6bの編集処理を行っている。そのため、ユーザはスクロールバー55を操作することによって、記号L2が付されている患者が患者M2であることを確認しつつ、患者情報表示欄41に記載されている患者M2の情報と、診療情報表示欄43における全ての項目とを対比させながら確認を行うことができる。
【0120】
また、電子カルテ4dの読み出し状態が解除されることにより、電子カルテ4dを新たに読み出すことが可能となる。そこで患者M2が診察室SDから検査室KRに移動すると、検査室KRにおいて放射線技師Gaは端末7bに備えられている入力部9bを操作して電子カルテ4dを表示部11bに表示させる操作を行う。まずはステップS1と同様に、入力部9bを操作して患者リスト6bを表示部11bに表示させる指示を入力する。当該指示は情報処理装置5に受け付けられ、リスト読み出し部19によって患者リスト6bが患者リストデータベース3bから読み出される。
【0121】
リスト表示制御部21は表示部11bを制御して患者リスト6bを表示部11bに表示させる。患者リスト6は、逐次第1リスト編集部25および第2リスト編集部29によって編集を受けた状態で表示部11に表示される。そのため、患者リスト6bは
図14に示される状態で表示部11bに表示される。すなわち記号L1が患者M1に相当する編集状況表示欄45に表示されており、記号L2が患者M2に相当する編集状況表示欄45に表示されている。
【0122】
放射線技師Gaは患者リスト6bに表示される記号L2を視認することにより、現時点において直近に読み出し状態が解除された電子カルテ4は、患者M2に対応する電子カルテ4dであることを把握できる。すなわち患者情報表示欄41に一覧表示される情報を逐一確認することなく、記号L2が表示されている位置を確認することによって、直近に読み出し状態が解除された電子カルテ4に対応する患者を迅速かつ正確に特定できる。
【0123】
電子カルテシステム1の性能上、患者が診察室SDから検査室KRへ移動する際に当該患者に対応する電子カルテ4の読み出し状態が直近に解除されることを放射線技師Gaは予め把握している。そのため、放射線技師Gaは表示部11bに表示される患者リスト6bを確認し、記号L2が表示されている患者の電子カルテ4、すなわち患者M2の電子カルテ4dを読み出し対象として選択すべきであることを迅速に把握する。
【0124】
本実施例に係る電子カルテシステム1を用いる場合、ユーザは患者リスト6のうち編集状況表示欄45に視線を向け、記号L2が付与されている位置を手掛かりとすることで、読み出し対象として選択すべき電子カルテ4と紐付けられている患者を特定する。患者の氏名等を手掛かりとする場合、患者情報表示欄41に一覧表示される多数の患者の情報を逐一確認する必要がある。一方、本実施例に係る電子カルテシステム1では編集状況表示欄45に表示される記号L2を見つけ、記号L2と隣接表示されている患者情報表示欄41を確認するという単純な動作で、読み出し対象として選択すべき電子カルテ4と紐付けられている患者を迅速に特定できる。
【0125】
読み出し状態とすべき電子カルテ4を特定した後、放射線技師Gaは特定された電子カルテ4dを端末7bへ読み出す操作を行う(ステップT10)。すなわち放射線技師Gaは一例として患者M2のID番号が付されているセルD2にカーソルCSを合わせてクリック操作を行うことにより、患者M2と紐付けられている電子カルテ4dを選択する(ステップS2)。電子カルテ4dが選択された旨の信号は、ユーザによる操作が行われた端末7bを特定する情報とともに、制御部13bからカルテ読み出し部15へと送信される。
【0126】
カルテ読み出し部15は読出カルテ記憶部23に記憶されている情報を参照し、選択された電子カルテ4dが既に読み出し状態となっているか否かを判定する(ステップS3)。
図7(c)に示すように、放射線技師Gaが端末7bを操作する時点において電子カルテ4dを特定する情報H2は読出カルテ記憶部23に記憶されていない。そのためカルテ読み出し部15は電位カルテ4dを新たに読み出すことが可能と判断し、電子カルテデータベース3aから電子カルテ4dの情報を読み出す。カルテ表示制御部17は表示部11bを制御し、読み出された電子カルテ4dを表示部11bに表示させる(ステップS4)。その結果、電子カルテ4dは再び読み出し状態となって端末7bの上で編集可能となる。
【0127】
電子カルテ4dが再び読み出し状態になると、第1リスト編集部25および第2リスト編集部29によって患者リスト6bが編集される(ステップS5)。まず、電子カルテ4dが読み出し状態になった旨の情報が読出カルテ記憶部23および終了カルテ記憶部27へ送信される。その結果、
図7(d)に示すように、読出カルテ記憶部23は電子カルテ4bを特定する情報H2を新たに記憶する一方、終了カルテ記憶部27は情報H2をメモリから消去する。その後、読出カルテ記憶部23が記憶している情報H1および情報H2が第1リスト編集部25へ送信される。また、終了カルテ記憶部27は記憶している情報が無い旨の信号を第2リスト編集部29へ送信する。
【0128】
第1リスト編集部25は、情報H1および情報H2を受信することにより、現時点において患者M1の電子カルテ4bと患者M2の電子カルテ4dとが読み出し状態となっていると判断する。そして第1リスト編集部25は、患者リスト6bに一覧表示される患者のうち患者M1および患者M2に対して記号L1を付与する制御を行う。すなわち編集状況表示欄45のうちセルD1およびD2に対応する位置に記号L1が付与される。
【0129】
一方で第2リスト編集部29は、終了カルテ記憶部27が情報を記憶していない状態である旨の信号を受信することにより、現時点において記号L2を付与する対象は存在しないと判断する。そして第2リスト編集部29は、患者リスト6bに一覧表示される患者に対して、記号L2が付与されない状態にする制御を行う。その結果、編集状況表示欄45のうちセルD2に対応する位置に付与されていた記号L2は消去される。つまり、第1リスト編集部25および第2リスト編集部29による編集の結果、表示部11bに表示されている患者リスト6bの内容は、
図14に示されている状態から
図12に示されている状態へと変更される。
【0130】
放射線技師Gaが端末7bを用いてステップS1~S5の操作を行うことにより、表示部11bには患者リスト6bと電子カルテ4dが表示される。患者M2の電子カルテ4dを表示部11bに表示させた後、X線撮影装置33を用いて患者M2に対するX線検査を行う(ステップT11)。放射線技師Gaは患者M2を天板35に載置させた後、操作室R2へ移動して窓Wdを通して患者M2を観察しつつ、X線管37からX線を照射させる。放射線技師Gaは、取得されたX線画像のデータなどを用いて、患者M2の電子カルテ4dをさらに編集する。
【0131】
患者M2のX線検査および電子カルテ4dの編集が完了すると、患者M2に対する診療行為は終了する(ステップT12)。そのため、放射線技師Gaは端末7bを用いて電子カルテ4dの終了ボタン63を操作し、電子カルテ4dを閉じる指示を入力する(ステップS7)。電子カルテ4dを閉じる指示は情報処理装置5によって受け付けられ、読み出し状態解除部26はカルテ読み出し部15による電子カルテ4dの読み出し状態を解除する。その結果、表示部11bにおいて電子カルテ4dのウィンドウが閉じられ、電子カルテ4dは表示されなくなる。そして電子カルテ4dの読み出し状態が解除されることにより、
図7(c)に示すように、読出カルテ記憶部23では情報H2の情報が消去されて情報H1のみが残り、終了カルテ記憶部27では情報H2が新たに記憶される。
【0132】
読出カルテ記憶部23および終了カルテ記憶部27に記憶される情報の内容が変更されると、第1リスト編集部25および第2リスト編集部29が患者リスト6bに対して編集する内容も変更される。すなわち第1リスト編集部25は記憶されている情報H1に基づいて、患者リスト6bの編集状況表示欄45のうち、患者M1に対応する位置に記号L1を付与させる。また第2リスト編集部29は記憶されている情報H2に基づいて、患者リスト6bの編集状況表示欄45のうち、患者M2に対応する位置に記号L2を付与させる。その結果、表示部11aおよび表示部11bに表示されている患者リスト6bの内容は、
図12に示される状態から
図14に示される状態へと変更される(ステップS8)。
【0133】
検査室KRにおいて患者M2の診療が終了する一方、診察SDでは患者M1のリハビリ治療が終了して再度医師Dcによる診察を行う(ステップT14)。医師Dcは表示部11aに表示されている電子カルテ4bに対してリハビリ治療の結果および再診察の結果を書き込み、電子カルテ4bの編集を行う。患者M1に対する再診察が完了することにより、患者M1に対する一連の診療行為は終了する(ステップT15)。患者M1の診療が終了すると、電子カルテ4bの読み出し状態を解除する操作を行う(ステップT16)。すなわち医師Dcは端末7aを用いて電子カルテ4bの終了ボタン63を操作し、電子カルテ4bを閉じる指示を入力する(ステップS7)。
【0134】
電子カルテ4bを閉じる指示は情報処理装置5によって受け付けられ、電子カルテ4bの読み出し状態が解除される。その結果、表示部11aにおいて電子カルテ4bのウィンドウが閉じられ、電子カルテ4bは表示されなくなる。そして電子カルテ4bの読み出し状態が解除されることにより、
図7(e)に示すように、読出カルテ記憶部23では情報H1の情報が消去される。また終了カルテ記憶部27では直近に閉じられた電子カルテ4を特定する情報として、情報H1が新たに上書き記憶される。情報H1が記憶されることによって、以前に記憶されていた情報H2は終了カルテ記憶部27から消去される。
【0135】
読出カルテ記憶部23および終了カルテ記憶部27に記憶される情報の内容が変更されると、第1リスト編集部25および第2リスト編集部29が患者リスト6bに対して編集する内容も変更される。すなわち
図7(e)に示すように、読出カルテ記憶部23には情報が記憶されていないので、第1リスト編集部25は編集状況表示欄45のうちセルD1に対応する位置に付与されていた記号L1を消去させる。また第2リスト編集部29は記憶されている情報H1に基づいて、患者リスト6bの編集状況表示欄45のうち、セルD1に対応する位置に記号L2を付与させる。その結果、表示部11aおよび表示部11bに表示されている患者リスト6bの内容は、
図14に示される状態から
図15に示される状態へと変更される(ステップS8)。
【0136】
患者M1の診療および患者M2の診療が終了することにより、診察室SDおよび検査室KRの各々において電子カルテシステム1を終了する操作を行う(ステップT17)。すなわち医師Dcおよび放射線技師Gaはそれぞれ端末7を用いて患者リスト6bの終了ボタン53を操作することにより、患者リスト6bを閉じる指示を入力する(ステップS9、S10)。患者リスト6bを閉じる旨の情報はリスト読み出し部19へと送信される。
【0137】
リスト読み出し部19は当該情報を受信することによって、患者リストデータベース3bから患者リスト6bのデータを読み出している状態を解除する。患者リスト6bの読み出し状態が解除されることにより、リスト表示制御部21による表示部11aおよび表示部11bの制御が解除され、患者リスト6bは各々の表示部11に表示されなくなる。患者リスト6を閉じた後、医師Dcおよび放射線技師Gaはそれぞれ端末7を用いて電子カルテシステム1を終了する指示を入力する。以上の操作により、電子カルテシステム1を用いた一連の工程が完了する。
【0138】
<実施形態の構成による効果>
(第1項)本実施形態に係る電子カルテシステムは、患者と当該患者の電子カルテ4とを紐付けて記憶する電子カルテ記憶部(3a)と、前記電子カルテ(4)を含むデータを表示する表示部(11)と、患者の一覧表(6)を表示部11に表示させる一覧表示制御部(21)と、前記一覧表(6)に掲載されている患者のうち電子カルテ4を表示部11に表示させる対象を表示対象患者として指定する指定操作が行われることにより、表示対象患者と紐付けられて記憶されている電子カルテ4を編集可能な状態で読み出すカルテ読み出し部(15)と、編集可能な状態で読み出された電子カルテ(4)を表示部(11)に表示させるカルテ表示制御部(17)と、前記カルテ読み出し部(15)によって読み出された状態となっている電子カルテ(4)に紐付けられている表示対象患者を記憶する表示対象患者記憶部(23)と、前記一覧表(6)に対し、表示対象患者記憶部(23)に記憶されている表示対象患者を特定できるような所定の表示態様で表示させる処理を行う表示対象患者特定処理部(25)と、を備える。
【0139】
第1項に記載の電子カルテシステムによれば、患者の一覧表である患者リスト6を表示部11に表示させるとともに、カルテ読み出し部15は指定操作に応じた表示対象患者と紐付けられている電子カルテ4を読み出して表示部11に表示させる。カルテ読み出し部15が電子カルテ4を編集可能な状態で読み出すと、当該読み出された電子カルテ4と紐付けられている表示対象患者の情報が表示対象患者記憶部に記憶される。表示対象患者特定処理部は、記憶された表示対象患者の情報を用いて、表示対象患者を特定できるような所定の表示態様で表示させる処理を患者リスト6に対して行う。所定の表示態様の一例として、表示対象患者と隣接する位置に記号L1を表示する方法が挙げられる。
【0140】
このような構成では、記号L1を例とする所定の表示態様を手掛かりとして患者リスト6を視認することにより、患者リスト6に一覧表示される多数の患者の中から表示対象患者を迅速に特定できる。すなわち所定の表示態様で表示されている患者を確認することにより表示対象患者を特定できるので、患者リスト6に一覧表示される多数の患者を逐一確認する必要がない。従って、表示対象患者の特定に要する時間を大幅に短縮できるとともにユーザの疲労を低減することができる。言い換えると、いずれの患者の電子カルテ4が編集可能な状態で表示部11に表示されているか、という情報を迅速かつ容易に取得できる。
【0141】
(第2項)本実施形態に係る電子カルテシステムは、患者と当該患者の電子カルテ4とを紐付けて記憶する電子カルテ記憶部(3a)と、前記電子カルテ(4)を含むデータを表示する表示部(11)と、患者の一覧表(6)を表示部11に表示させる一覧表示制御部(21)と、前記一覧表(6)に掲載されている患者のうち電子カルテ4を表示部11に表示させる対象を表示対象患者として指定する指定操作が行われることにより、表示対象患者と紐付けられて記憶されている電子カルテ4を編集可能な状態で読み出すカルテ読み出し部(15)と、 編集可能な状態で読み出された電子カルテ(4)を表示部(11)に表示させるカルテ表示制御部(17)と、カルテ表示制御部(17)によって表示部(11)に表示されている電子カルテ(4)に対し、表示部(11)の表示対象から解除させる解除操作が行われることにより、前記解除操作の対象となった電子カルテ(4)をカルテ読み出し部(15)によって読み出される状態から解除させる読み出し状態解除部(26)と、直近に読み出し状態解除部(26)の対象となった電子カルテ(4)に紐付けられている患者を解除対象患者として記憶する解除対象患者記憶部(27)と、前記一覧表に対し、前記解除対象患者を特定できるような所定の表示態様で表示させる処理を行う解除対象患者特定処理部(29)と、を備える。
【0142】
第2項に記載の電子カルテシステムによれば、患者の一覧表である患者リスト6を表示部11に表示させるとともに、カルテ読み出し部15は指定操作に応じた表示対象患者と紐付けられている電子カルテ4を読み出して表示部11に表示させる。そして電子カルテ4に対し、表示部11の表示対象から解除させる解除操作が行われることにより、読み出し状態解除部26はカルテ読み出し部15が当該電子カルテ4を読み出している状態を解除させる。解除対象患者記憶部は、直近に読み出し状態解除部26の対象となった電子カルテ4に紐付けられている患者を解除対象患者として記憶する。解除対象患者特定処理部は、記憶された解除対象患者の情報を用いて、解除対象患者を特定できるような所定の表示態様で表示させる処理を患者リスト6に対して行う。所定の表示態様の一例として、表示対象患者と隣接する位置に記号L2を表示する方法が挙げられる。また解除操作の一例として、電子カルテ4を表示するウィンドウに配置されている終了ボタン63をクリックする操作が挙げられる。
【0143】
このような構成では、記号L2を例とする所定の表示態様を手掛かりとして患者リスト6を視認することにより、患者リスト6に一覧表示される多数の患者の中から解除対象患者を迅速に特定できる。すなわち所定の表示態様で表示されている患者を確認することにより解除対象患者を特定できるので、患者リスト6に一覧表示される多数の患者を逐一確認する必要がない。従って、解除対象患者の特定に要する時間を大幅に短縮できるとともにユーザの疲労を低減することができる。言い換えると、いずれの患者の電子カルテ4が直近に読み出し状態が解除されたか、という情報を迅速かつ容易に取得できる。
【0144】
またこのような構成では、ユーザの誤操作に起因して発生する不利益な状態から迅速に元の状態へと復旧できる。一例としてユーザが誤って電子カルテ4の終了ボタン63を操作してしまい、本来は読み出し状態を維持すべき電子カルテ4に対して、読み出し状態を解除してしまう場合がある。
【0145】
従来の構成ではこのような誤操作が発生した場合、電子カルテ4を再び読み出し状態にするには、患者リスト6に一覧表示される患者を逐一確認し、読み出し状態を復旧すべき電子カルテ4と紐付けられている患者を特定する必要がある。このような確認操作には時間を要し、またユーザの負担が大きい。さらに誤って電子カルテ4の終了ボタン63を操作した際に当該電子カルテ4と紐付けられている患者の氏名等をユーザが忘れてしまっている場合、直近に読み出し状態が解除された電子カルテ4とは別の電子カルテ4を読み出すという、さらに誤った操作が実行される事態が発生しうる。
【0146】
一方、本実施形態に係る構成では、直近に読み出し状態が解除された電子カルテ4と紐付けられている患者である解除対象患者が記憶される。そして患者リスト6に対して、記号L2の表示処理を例とする、表示対象患者を特定できるような所定の表示態様で表示させる処理がなされる。そのため、誤って電子カルテ4の読み出し状態を解除してしまった場合、記号L2を例とする所定の表示態様を手掛かりとして患者リスト6を視認することにより、直近に読み出し状態を解除してしまった電子カルテ4と紐付けられている解除対象患者を正確かつ迅速に特定できる。そのため、所定の表示態様を手掛かりとして特定された解除対象患者の電子カルテ4を再度読み出し状態にする操作を行うことで、ユーザの誤操作に起因して発生する不利益な状態を迅速に解消することができる。
【0147】
(第3項)本実施形態に係る電子カルテシステムは、患者と当該患者の電子カルテ4とを紐付けて記憶する電子カルテ記憶部(3a)と、前記電子カルテ(4)を含むデータを表示する表示部(11)と、患者の一覧表(6)を表示部11に表示させる一覧表示制御部(21)と、前記一覧表(6)に掲載されている患者のうち電子カルテ4を表示部11に表示させる対象を表示対象患者として指定する指定操作が行われることにより、表示対象患者と紐付けられて記憶されている電子カルテ4を編集可能な状態で読み出すカルテ読み出し部(15)と、編集可能な状態で読み出された電子カルテ(4)を表示部(11)に表示させるカルテ表示制御部(17)と、前記カルテ読み出し部(15)によって読み出された状態となっている電子カルテ(4)に紐付けられている表示対象患者を記憶する表示対象患者記憶部(23)と、前記一覧表(6)に対し、表示対象患者記憶部(23)に記憶されている表示対象患者を特定できるような所定の表示態様で表示させる処理を行う表示対象患者特定処理部(25)と、カルテ表示制御部(17)によって表示部(11)に表示されている電子カルテ(4)に対し、表示部(11)の表示対象から解除させる解除操作が行われることにより、前記解除操作の対象となった電子カルテ(4)をカルテ読み出し部(15)によって読み出される状態から解除させる読み出し状態解除部(26)と、直近に読み出し状態解除部(26)の対象となった電子カルテ(4)に紐付けられている患者を解除対象患者として記憶する解除対象患者記憶部(27)と、前記一覧表に対し、前記解除対象患者を特定できるような所定の表示態様で表示させる処理を行う解除対象患者特定処理部(29)と、を備える。
【0148】
第3項に記載の電子カルテシステムによれば、患者の一覧表である患者リスト6を表示部11に表示させるとともに、カルテ読み出し部15は指定操作に応じた表示対象患者と紐付けられている電子カルテ4を読み出して表示部11に表示させる。カルテ読み出し部15が電子カルテ4を編集可能な状態で読み出すと、当該読み出された電子カルテ4と紐付けられている表示対象患者の情報が表示対象患者記憶部に記憶される。表示対象患者特定処理部は、記憶された表示対象患者の情報を用いて、表示対象患者を特定できるような所定の表示態様で表示させる処理を患者リスト6に対して行う。所定の表示態様の一例として、表示対象患者と隣接する位置に記号L1を表示する方法が挙げられる。
【0149】
このような構成では、記号L1を例とする所定の表示態様を手掛かりとして患者リスト6を視認することにより、患者リスト6に一覧表示される多数の患者の中から表示対象患者を迅速に特定できる。すなわち所定の表示態様で表示されている患者を確認することにより表示対象患者を特定できるので、患者リスト6に一覧表示される多数の患者を逐一確認する必要がない。従って、表示対象患者の特定に要する時間を大幅に短縮できるとともにユーザの疲労を低減することができる。言い換えると、いずれの患者の電子カルテ4が編集可能な状態で表示部11に表示されているか、という情報を迅速かつ容易に取得できる。
【0150】
また本実施形態では、電子カルテ4に対し、表示部11の表示対象から解除させる解除操作が行われることにより、読み出し状態解除部26はカルテ読み出し部15が当該電子カルテ4を読み出している状態を解除させる。解除対象患者記憶部は、直近に読み出し状態解除部26の対象となった電子カルテ4に紐付けられている患者を解除対象患者として記憶する。解除対象患者特定処理部は、記憶された解除対象患者の情報を用いて、解除対象患者を特定できるような所定の表示態様で表示させる処理を患者リスト6に対して行う。所定の表示態様の一例として、表示対象患者と隣接する位置に記号L2を表示する方法が挙げられる。また解除操作の一例として、電子カルテ4を表示するウィンドウに配置されている終了ボタン63をクリックする操作が挙げられる。
【0151】
このような構成では、記号L2を例とする所定の表示態様を手掛かりとして患者リスト6を視認することにより、患者リスト6に一覧表示される多数の患者の中から解除対象患者を迅速に特定できる。すなわち所定の表示態様で表示されている患者を確認することにより解除対象患者を特定できるので、患者リスト6に一覧表示される多数の患者を逐一確認する必要がない。従って、解除対象患者の特定に要する時間を大幅に短縮できるとともにユーザの疲労を低減することができる。言い換えると、いずれの患者の電子カルテ4が直近に読み出し状態が解除されたか、という情報を迅速かつ容易に取得できる。
【0152】
またこのような構成では、ユーザの誤操作に起因して発生する不利益な状態から迅速に元の状態へと復旧できる。一例としてユーザが誤って電子カルテ4の終了ボタン63を操作してしまい、本来は読み出し状態を維持すべき電子カルテ4に対して、読み出し状態を解除してしまう場合がある。
【0153】
従来の構成ではこのような誤操作が発生した場合、電子カルテ4を再び読み出し状態にするには、患者リスト6に一覧表示される患者を逐一確認し、読み出し状態を復旧すべき電子カルテ4と紐付けられている患者を特定する必要がある。このような確認操作には時間を要し、またユーザの負担が大きい。さらに誤って電子カルテ4の終了ボタン63を操作した際に当該電子カルテ4と紐付けられている患者の氏名等をユーザが忘れてしまっている場合、直近に読み出し状態が解除された電子カルテ4とは別の電子カルテ4を読み出すという、さらに誤った操作が実行される事態が発生しうる。
【0154】
一方、本実施形態に係る構成では、直近に読み出し状態が解除された電子カルテ4と紐付けられている患者である解除対象患者が記憶される。そして患者リスト6に対して、記号L2の表示処理を例とする、表示対象患者を特定できるような所定の表示態様で表示させる処理がなされる。そのため、誤って電子カルテ4の読み出し状態を解除してしまった場合、記号L2を例とする所定の表示態様を手掛かりとして患者リスト6を視認することにより、直近に読み出し状態を解除してしまった電子カルテ4と紐付けられている解除対象患者を正確かつ迅速に特定できる。そのため、所定の表示態様を手掛かりとして特定された解除対象患者の電子カルテ4を再度読み出し状態にする操作を行うことで、ユーザの誤操作に起因して発生する不利益な状態を迅速に解消することができる。
【0155】
(第4項)また第1項または第3項に記載の電子カルテシステムにおいて、前記表示対象患者特定処理部は、前記一覧表に対し、前記表示対象患者を特定する情報の近傍に第1の記号(L1)を表示させる処理を行うとともに、前記第1の記号と前記表示対象患者を特定する情報との位置関係を固定させる処理を行う。
【0156】
第4項に記載の電子カルテシステムによれば、表示対象患者特定処理部は一覧表に対し、表示対象患者を特定する情報の近傍に第1の記号を表示させる。さらに表示対象患者特定処理部は一覧表に対し、第1の記号と表示対象患者を特定する情報との位置関係を固定させる処理を行う。この場合、一例として患者に対応する多数の診療情報をスクロールさせて各診療情報を全て確認する場合、診療情報と表示対象患者を特定する情報との位置関係は変化する一方、表示対象患者を特定する情報と第1の記号との位置関係は固定されている。そのため、ユーザは第1の記号が配置される位置に応じて多数の患者から表示対象患者を特定できるとともに、表示対象患者と診療情報の全項目とを対比させながら確認を行うことができる。
【0157】
(第5項)また第2項または第3項に記載の電子カルテシステムにおいて、前記解除対象患者特定処理部は、前記一覧表に対し、前記解除対象患者を特定する情報の近傍に第2の記号(L2)を表示させる処理を行うとともに、前記第2の記号(L2)と前記解除対象患者を特定する情報との位置関係を固定させる処理を行う。
【0158】
第5項に記載の電子カルテシステムによれば、解除対象患者特定処理部は一覧表に対し、解除対象患者を特定する情報の近傍に第2の記号を表示させる。さらに解除対象患者特定処理部は一覧表に対し、第2の記号と解除対象患者を特定する情報との位置関係を固定させる処理を行う。この場合、一例として患者に対応する多数の診療情報をスクロールさせて各診療情報を全て確認する場合、診療情報と解除対象患者を特定する情報との位置関係は変化する一方、解除対象患者を特定する情報と第2の記号との位置関係は固定されている。そのため、ユーザは第2の記号が配置される位置に応じて多数の患者から解除対象患者を特定できるとともに、表示対象患者と診療情報の全項目とを対比させながら確認を行うことができる。
【0159】
(第6項)また第1項ないし第3項のいずれかに記載の電子カルテシステムにおいて、前記一覧表示制御部は、当日に診療を受ける前記患者の一覧表を前記表示部に表示させる。第6項に記載の電子カルテシステムによれば、一覧表示制御部は当日に診療を受ける患者の一覧表を前記表示部に表示させ、当日に診療を受ける患者の一覧表に対して、表示対象患者を特定する表示処理または解除対象患者を特定する表示処理を行う。一般的に表示対象患者の情報または解除対象患者の情報は、当日に診療を受ける患者について電子カルテ4を読み出して編集する際に特定する必要がある情報である。そのため、当日以外に診療を受ける患者の一覧表に対して表示対象患者を特定する表示処理または解除対象患者を特定する表示処理が行われ、不要な情報が一覧表に表示されることを回避できる。
【0160】
<他の実施例>
なお、今回開示された実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲、並びに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。例として、本発明は下記のように変形実施することができる。
【0161】
(1)上述した実施例において、第1リスト編集部25は、現時点において読み出し状態となっている電子カルテ4と紐付けられている患者を特定するために患者リスト6を編集する態様として、当該患者に対応する編集状況表示欄45に記号L1を付与する態様を採用したがこれに限られない。読み出し状態となっている電子カルテ4と紐付けられている患者を特定できるならば、記号L1の外観は適宜変更してよいし、当該患者に対応する編集状況表示欄45を所定の色彩で表示してもよい。また、読み出し状態となっている電子カルテ4と紐付けられている患者に対応する患者情報表示欄41または診療情報表示欄43などに所定の記号または色彩などを付することによって、読み出し状態となっている電子カルテ4と紐付けられている患者と他の患者とを区別できるように患者リスト6を編集してもよい。
【0162】
同様に、第2リスト編集部29は、現時点において直近に読み出し状態が解除された電子カルテ4と紐付けられている患者を特定するために患者リスト6を編集する態様として、当該患者に対応する編集状況表示欄45に記号L2を付与する態様を採用したがこれに限られない。現時点において直近に読み出し状態が解除された電子カルテ4と紐付けられている患者を特定できるような、他の記号または色彩を用いた態様を採用してよい。
【0163】
(2)上述した実施例において、読出カルテ記憶部23が記憶する情報(電子カルテ4を特定する情報)として、電子カルテ4に紐付けられている患者のID番号を用いる構成を例示したがこれに限られない。電子カルテ4を特定する情報としては電子カルテ4のデータそのもの、または電子カルテ4に紐付けられている患者の氏名などの情報が挙げられる。
【0164】
(3)上述した実施例において、第1リスト編集部25および第2リスト編集部29を備え、患者リスト6に記号L1および記号L2の両方を表示する編集処理を行う構成を例示しているがこれに限られない。すなわち患者リスト6に対して、記号L1および記号L2のうち記号L1のみを表示する編集処理を行う構成であってもよいし、記号L2のみを表示する編集処理を行う構成であってもよい。
【0165】
現時点において読み出し状態であることを示唆する記号L1のみを患者リスト6に表示する編集を行う実施形態では、終了カルテ記憶部27および第2リスト編集部29を電子カルテシステム1から省略できる。なお、記号L1のみを患者リスト6に表示する実施形態では、
図4に示されるフローチャートにおいてステップS8の工程が省略される。
【0166】
また、現時点において直近に読み出し状態が解除されていることを示唆する記号L2のみを患者リスト6に表示する編集を行う実施形態では、読出カルテ記憶部23および第1リスト編集部25を電子カルテシステム1から省略できる。なお、記号L2のみを患者リスト6に表示する実施形態では、
図4に示されるフローチャートにおいてステップS5の工程が省略される。
【0167】
(4)上述した実施例において、第1リスト編集部25または第2リスト編集部29が編集する対象となる患者リスト6は、当日に診療を受ける患者の一覧表である患者リスト6に限定するように構成されていてもよい。すなわち、当日以外の患者の一覧表である患者リスト6aは第1リスト編集部25または第2リスト編集部29による編集対象から除外される構成であってもよい。
【0168】
一般的に読み出し状態であることを示唆する情報または直近に読み出し状態が解除されたことを示唆する情報は、当日に診療を受ける患者について電子カルテ4を読み出して編集する際に特定する必要がある情報である。そのため、当日以外に診療を受ける患者の一覧表に対して記号L1または記号L2を付与する編集処理が行われ、不要な情報が患者リスト6に表示されることを回避できる。
【符号の説明】
【0169】
1 …電子カルテシステム
3 …データベースサーバ
3a …電子カルテデータベース
3b …患者リストデータベース
4 …電子カルテ
5 …情報処理装置
6 …患者リスト
7 …端末
9 …入力部
11 …表示部
13 …制御部
15 …カルテ読み出し部
17 …カルテ表示制御部
19 …リスト読み出し部
21 …リスト表示制御部
23 …読出カルテ記憶部
25 …第1リスト編集部
26 …読み出し状態解除部
27 …終了カルテ記憶部
29 …第2リスト編集部
31 …寝台
33 …X線撮影装置
41 …患者情報表示欄
43 …診療情報表示欄
45 …編集状況表示欄
47 …編集記号説明欄
49 …進捗記号説明欄
51 …最小化ボタン
53 …終了ボタン
61 …最小化ボタン
63 …終了ボタン
SD …診察室
Dc …医師
KR …検査室
R1 …撮影室
R2 …操作室
Ga …放射線技師
M1 …患者
M2 …患者