(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156046
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】収容状況管理装置、収容状況管理システム、収容状況管理方法
(51)【国際特許分類】
B09B 5/00 20060101AFI20231017BHJP
B09B 101/67 20220101ALN20231017BHJP
【FI】
B09B5/00 M ZAB
B09B101:67
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065662
(22)【出願日】2022-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】立木 貞史
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸一
(72)【発明者】
【氏名】大瀬良 彰恒
(72)【発明者】
【氏名】川田 景子
【テーマコード(参考)】
4D004
【Fターム(参考)】
4D004AA46
4D004AA48
4D004DA01
4D004DA04
4D004DA20
(57)【要約】
【課題】紙おむつが収容された環境も考慮しつつ、回収効率を向上させることができる。
【解決手段】端末装置と通信可能な収容状況管理装置であり、回収拠点に設けられ、紙おむつを収容する収容容器における紙おむつが収容される環境を検出する検出部から検出結果を取得する取得部と、取得された検出結果を前記端末装置から閲覧可能に供給する閲覧制御部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置と通信可能な収容状況管理装置であり、
回収拠点に設けられ、紙おむつを収容する収容容器における紙おむつが収容される環境を検出する検出部から検出結果を取得する取得部と、
取得された検出結果を前記端末装置から閲覧可能に供給する閲覧制御部と、
を有する収容状況管理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記収容容器に収容された紙おむつの収容量と、臭気とのうち少なくともいずれか一方が前記検出部によって検出された検出結果を取得し、
閲覧制御部は、前記収容量と臭気とのうち取得された検出結果を閲覧可能に供給する
請求項1に記載の収容状況管理装置。
【請求項3】
前記回収拠点は複数であり、
前記閲覧制御部は、回収拠点毎の検出結果を閲覧可能な一覧データを前記端末装置に供給する
請求項2に記載の収容状況管理装置。
【請求項4】
前記環境を検出する対象の項目に応じた基準値を記憶する記憶部と、
前記検出結果と前記基準値との大小関係を判定する判定部と、
前記判定された結果に基づいて、アラート信号を前記端末装置に送信するアラート部と
を有する請求項3に記載の収容状況管理装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記収容容器における温度または臭気を含む検出結果を取得し、
前記閲覧制御部は、前記温度または臭気に基づき、前記収容容器における臭気を表す値を前記端末装置に閲覧可能に供給する
請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の収容状況管理装置。
【請求項6】
回収拠点に設けられた収容容器に取り付けられたセンサユニットと、端末装置と通信可能な収容状況管理装置とが通信可能に接続された収容状況管理システムであり、
前記センサユニットは、
前記収容容器に収容される紙おむつの環境を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果を前記収容状況管理装置に送信する通信部と、を有し、
前記収容状況管理装置は、
前記通信部から送信される、前記検出部の検出結果を取得する取得部と、
取得された検出結果を前記端末装置から閲覧可能に供給する閲覧制御部と、
を有する収容状況管理システム。
【請求項7】
端末装置と通信可能な収容状況管理装置における収容状況管理方法であり、
取得部が、回収拠点に設けられた収容容器であり紙おむつを収容する収容容器における紙おむつが収容される環境を検出する検出部から検出結果を取得し、
閲覧制御部が、取得された検出結果を前記端末装置から閲覧可能に供給する
収容状況管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容状況管理装置、収容状況管理システム、収容状況管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
紙おむつリサイクル事業では、回収と運搬を効率化できることが事業の成否に大きく影響する。おむつ排出者は点在している。そのため、回収拠点に収容容器を設置し、各おむつ排出者から回収拠点に持ち寄ってもらい、収容容器に入れてもらうことで回収することが効果的である。
その回収拠点にある収容容器には、排出者の利便性や傘下率の向上の観点から、いつでも投入できることが好ましい。
特許文献1には、使用済み紙おむつを回収することで、リサイクルをするシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、収容容器における紙おむつの収容量が少ないもにもかかわらず回収のために出向いてしまうと、回収や運搬の効率が低下してしまう。一方、収容容器の収容量がある程度増えてから回収しようとすると、収容容器が満量になってしまい、持ち寄った紙おむつを収容できない。
また、収容容器の環境によっては、使用済みの紙おむつから臭気が発生する可能性もあるため、このような観点も考慮して回収できることが好ましい。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、紙おむつが収容された環境も考慮しつつ、回収効率を向上させることができる収容状況管理装置、収容状況管理システム、収容状況管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、端末装置と通信可能な収容状況管理装置であり、回収拠点に設けられ、紙おむつを収容する収容容器における紙おむつが収容される環境を検出する検出部から検出結果を取得する取得部と、取得された検出結果を前記端末装置から閲覧可能に供給する閲覧制御部と、を有する収容状況管理装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、端末装置と通信可能な収容状況管理装置における収容状況管理方法であり、取得部が、回収拠点に設けられた収容容器であり紙おむつを収容する収容容器における紙おむつが収容される環境を検出する検出部から検出結果を取得し、閲覧制御部が、取得された検出結果を前記端末装置から閲覧可能に供給する収容状況管理方法である。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、この発明によれば、紙おむつが収容された環境も考慮しつつ、回収効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】この発明の一実施形態による収容状況管理システムSの構成を示す概略ブロック図である。
【
図2】収容容器10の構成を示す概略構成図である。
【
図3】収容状況管理装置20の構成を示す概略機能ブロック図である。
【
図4】記憶部23に記憶されるデータの一例を示す図である。
【
図5】端末装置30に表示される表示画面に一例を示す図である。
【
図7】閲覧制御部24が生成する一覧データの表示画面の一例を示す図である。
【
図9】アラート内容が表示された画面の一例を示す図である。
【
図10】アラート設定を行う画面の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態による収容状況管理装置を用いた収容状況管理システムについて図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施形態による収容状況管理システムSの構成を示す概略ブロック図である。
収容状況管理システムSは、収容容器10、アクセスポイントAP、基地局BS、収容状況管理装置20、端末装置30を含む。
【0011】
収容容器10は、回収する対象物を収容する。回収する対象物は、紙おむつである。収容容器10は、回収拠点Fに少なくとも1つ設置される。回収拠点Fは、収容容器10が設置される拠点であり、例えば、保育園、幼稚園、介護施設、病院、商業施設、公共施設等のうちいずれであってもよい。収容容器10は、例えば、回収拠点Fの建物のエントランスに設置される。
また、回収拠点Fは、1つだけではなく、複数であってもよい。
【0012】
収容容器10には、センサユニットが設けられる。センサユニットは、収容容器における紙おむつが収容される環境を検出し、検出結果を無線によってアクセスポイントAPへ検出結果を送信する。
【0013】
アクセスポイントAPは、無線によって収容容器10のセンサユニットと通信可能であり、また、基地局BSと無線によって通信可能である。
基地局BSは、アクセスポイントAPと無線によって通信可能であり、通信ネットワークを介して収容状況管理装置20と通信可能である。この通信ネットワークは無線と有線との少なくともいずれか一方によって通信可能な通信網である。通信ネットワークには、例えば、インターネット、LAN(ローカルエリアネットワーク)、通信キャリアが提供する通信回線等が含まれていてもよい。
【0014】
収容状況管理装置20は、基地局BSと通信可能に接続されるとともに、端末装置30と通信可能に接続される。収容状況管理装置20は、収容容器10のセンサユニットから送信された検出結果を受信して記憶し、端末装置30に閲覧可能に供給する。
端末装置30は、収容状況管理装置20に対して無線または有線のうち少なくともいずれか一方の通信ネットワークを介して通信可能に接続される。端末装置30は、例えば、コンピュータ、スマートフォン、タブレット等のうち少なくともいずれか1つであってもよい。また、端末装置30は、複数であってもよい。
端末装置30は、例えば、回収拠点Fにいる管理者によって利用される。また、端末装置30は、各回収拠点Fにおいて収容された紙おむつを回収する回収業者または管理業者によって利用される。
【0015】
回収業者の車両Vは、回収拠点Fを巡回し、収容容器10に収容された紙おむつ15を取り出し、リサイクル拠点に搬送する。これにより、紙おむつをリサイクル拠点において再資源化することができる。
【0016】
図2は、収容容器10の構成を示す概略構成図である。
収容容器10は、回収する対象物を収容する。ここでは収容容器10が、対象物である紙おむつ15を収容した状態が示されている。収容容器10の上面には、扉10aが設けられおり、扉10aを開くことで、収容容器10の開口部から、収容容器10の収容領域に対象物を投入することができる。回収拠点Fにいる利用者は、扉10aを開き、紙おむつ15を投入し、扉10aを閉じる。これにより、紙おむつ15を収容することができる。
収容容器10の内部であって上面近傍には、センサユニット11が取り付けられている。
【0017】
センサユニット11は、紙おむつを収容する収容容器における、紙おむつが収容された環境を検出するセンサ(距離センサ11a、温度センサ11b)と、通信ユニット11cとを有する。環境を検出するセンサとしては、距離センサ11a、温度センサ11bとがある。環境を検出するセンサは、距離センサ11a、温度センサ11bの場合について説明するが、収容容器10内の臭気を検出する臭気センサ、湿度を検出する湿度センサ等であってもよい。また、距離センサを用いて距離を測定することで収容量を検出するようにしたが、収容容器10の底部に重量センサを設け、重量を測定することで収容量を検出するようにしてもよい。
距離センサ11aは、収容容器10の底面に向かう方向に存在する物体までの距離Lを測定する。距離センサ11aの測定タイミングは、一定時間毎であってもよいし、予め決められた時刻であってもよい。距離センサ11aは、収容容器10に何も収容されていない状態においては、収容容器10の底面までの距離を測定し、収容容器10に紙おむつ15が収容されている場合には、紙おむつ15が収容された上部までの距離を測定する。収容容器10に何も収容されていない状態において距離Lは、最も長い距離が検出される。収容容器10に紙おむつ15が収容される場合、紙おむつ15の収容される量が増えるにつれて、紙おむつ15が積み重なるため、紙おむつ15の上部の高さが高くなる。そのため、紙おむつ15の収容される量が増えるほど、距離センサ11aは、距離Lとして短い値が検出される。
距離センサ11aは、距離Lを測定することによって、収容容器10における紙おむつ15がどの程度の量が収容されているかを表す環境を測定する。
距離センサ11aは、例えば、超音波距離センサを用いることができる。
【0018】
温度センサ11bは、収容容器10の内部の温度を測定する。温度センサ11bは、収容容器10の内部の温度を測定することで、紙おむつ15が収容された温度環境を測定し、測定結果を温度Tとして出力する。温度センサ11bの測定タイミングは、一定時間毎であってもよいし、予め決められた時刻であってもよい。
【0019】
通信ユニット11cは、距離センサ11aによって測定された結果と、温度センサによって測定された結果とのうち少なくともいずれか一方の結果を計測データとしてアクセスポイントAPに送信する。通信ユニット11cは、計測データを送信する場合に、通信ユニット11cを識別するユニットIDとともに送信する。収容状況管理装置20では、このユニットIDを特定することにより、収容容器10が複数あったとしても、いずれの収容容器10から送信された測定データであるか識別できるようになっている。
通信ユニット11cの送信タイミングは、一定時間毎であってもよいし、予め決められた時刻であってもよい。
通信ユニット11cは、LPWA(Low Power Wide Area)の無線通信規格に従って通信をするモジュールを用いるようにしてもよい。
このようにして、計測データは、アクセスポイントAP、基地局BS、を介して、収容状況管理装置20によって受信される。
【0020】
図3は、収容状況管理装置20の構成を示す概略機能ブロック図である。
収容状況管理装置20は、通信部21、取得部22、記憶部23、閲覧制御部24、判定部25、アラート部26を有する。
通信部21は、端末装置と通信する機能、アクセスポイントAPと基地局BSとを介して、センサユニット11から計測データを受信する機能を有する。
【0021】
取得部22は、センサユニット11が検出した検出結果である計測データを、通信部21を介して取得する。
取得部22は、収容容器10に収容された紙おむつの収容量と、臭気とのうち少なくともいずれか一方がセンサユニット11によって検出された検出結果を取得する。
取得部22は、収容容器10における温度または臭気を含む検出結果を取得する。
【0022】
記憶部23は、取得部22が取得した計測データを記憶する。
また、記憶部23は、環境を検出する対象の項目に応じた基準値を記憶する。環境を検出する対象の項目が収容量である場合、基準値は、収容量の上限値(距離の下限値)、収容量の下限値(距離の上限値)等を用いることができる。収容量の上限値を用いることで、紙おむつ15が収容容器10内において一定量を超えて蓄積されていることを把握することができる。収容量の下限値を用いることで、紙おむつ15が収容容器10内から無くなっている、すなわち、回収業者によって収容容器10から紙おむつ15が回収されたことを把握することができる。
【0023】
記憶部23は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
この記憶部23は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
【0024】
閲覧制御部24は、取得された検出結果を端末装置30から閲覧可能に供給する。閲覧制御部24は、端末装置30のブラウザから閲覧可能に公開してもよい。また閲覧制御部24は、収容状況管理装置20がクラウドサーバである場合には、クラウド上において、端末装置30から閲覧可能に公開してもよい。
閲覧制御部24は、収容量と臭気とのうち取得された検出結果を閲覧可能に供給する。
閲覧制御部24は、温度または臭気に基づき、収容容器10における臭気を表す値を端末装置30に閲覧可能に供給する。
閲覧制御部24は、回収拠点毎の検出結果を閲覧可能な一覧データを端末装置30に供給する。
【0025】
判定部25は、検出結果と基準値との大小関係を判定する。
【0026】
アラート部26は、判定部25の判定結果に基づいて、アラート信号を端末装置30に送信する。例えば、アラート部26は、判定部25の判定結果において、検出結果が上限値を超えた場合にアラート信号を端末装置30に送信する。また、アラート部26は、検出結果が下限値を下回った場合にアラート信号を端末装置30に送信する。
【0027】
図4は、記憶部23に記憶されるデータの一例を示す図である。
記憶部23は、回収拠点ID、収容容器ID、測定データ、基準値、アラート設定値を記憶する。
回収拠点IDは、回収拠点を個別に識別する識別情報である。
収容容器IDは、収容容器10を個別に識別する識別情報である。収容容器IDは、例えば、収容容器10に取り付けられたセンサユニットのユニットIDが用いられる。
測定データは、センサユニット11から得られた測定データである。測定データには、距離Lと温度Tとが記憶される。この測定データは、所定時間毎に測定された測定データを順次記憶することで、測定データをログとして蓄積する。
基準値は、収容容器10毎、または、回収拠点毎に設定される基準値である。基準値は、収容量の上限値Lu、収容量の下限値Ll、温度Tの上限値Tuが記憶される。基準値は、回収拠点F毎に異なる値を設定することができ、また、収容容器10毎に異なる値を設定することもできる。
【0028】
アラート設定値は、収容容器10毎、または、回収拠点毎に異なる値を設定することができる。アラート設定値は、アラートを送信するか否かを表す値を設定することができる。また、アラートを送信する場合には、送信する時間間隔を設定することができる。時間間隔は、例えば、5分毎、1時間毎、1日毎、のように、任意の時間間隔を設定することができる。アラート設定値として「5分毎」を設定した場合、検出結果(測定データ)が基準値である上限値を超えた場合、または、検出結果が基準値である下限値を下回った場合、正常値に戻るまで、5分間隔でアラートを送信する。
【0029】
収容容器10が回収拠点Fに設置される際に、収容容器10に取り付けられたセンサユニットのユニットIDと、設置対象の回収拠点Fの識別情報とが対応づけされて記憶部23に記憶される。これにより、ユニットIDに基づいて、収容容器10と回収拠点Fとを特定することができる。
【0030】
図5は、端末装置30に表示される表示画面に一例を示す図である。この図では、1つの収容容器10について測定された測定データに基づく測定データ表示画面を表す。
このような測定データ表示画面は、回収拠点Fにいる管理者が利用する端末装置30によって閲覧することができる。また、測定データ表示画面は、回収業者または管理業者が利用する端末装置30によって閲覧することもできる。
測定データ表示画面において、画面上段には、収容容器10に取り付けられたセンサユニットのユニットID「U001047」と、当該ユニットIDに対応する収容容器10が設置された位置「エントランス左」とが表示され(符号500)、当該ユニットIDに基づく回収拠点Fの拠点名「〇〇保育園」が表示される(符号501)。また、センサユニットのバッテリの残量も表示される(符号502)。
【0031】
測定データ表示画面において、画面中段には、測定日時「2021年12月01日 03時37分44秒」(符号510)、状態「距離異常」(符号511)、距離「422」、温度「9」が表示される。ここでは、距離については、距離そのものを表示することもできるが、収容量がどの程度あるかについて、距離に応じたレベルによってあらわす収容量レベルについても表示することができる。収容量レベルが低いほど、収容量が少なく、収容量レベルが高いほど、収容量が多いことを把握することができる。
また、温度については、温度そのものを表示することもできるが、温度がどの程度であるかについて、温度に応じたレベルによって表す温度レベルについても表示することができる。ここで、収容容器10内の温度が上がると、収容されている紙おむつ15の周囲の温度が上がっているため、紙おむつ15に付着している汚物の温度も上がり、臭気が強くなりやすい。そのため、収容容器10内の温度を把握することで、臭気が強くなっているか否かを推定することができる。
【0032】
測定データ表示画面において、画面下段には、測定データに基づく距離Lと温度Tの経過時間に応じた推移を表すグラフ(符号520)が表示される。横軸が時間を表し、縦軸が距離L及び温度Tを表す。このグラフを参照することで、距離Lに基づく収容量の変化の傾向を把握することができ、温度Tに基づく収容容器10内の温度変化の傾向を把握することができる。
【0033】
測定データ表示画面の右上には、ログ参照ボタン(符号530)があり、グラフの詳細画面に移行することができる。
図6は、グラフの詳細画面の一例を示す図である。グラフの詳細画面では、ユニットIDと設置位置とともに、グラフが表示される。グラフにおいて、横軸が時間を表し、縦軸が距離L及び温度Tを表す。例えば、日中において温度が上昇し、夜間において温度が下がる傾向等を把握することができる。ここでは、日付を選択することで、指定した日におけるグラフが表示される。
【0034】
図7は、閲覧制御部24が生成する一覧データの表示画面の一例を示す図である。
このような一覧データは、回収業者または管理業者が利用する端末装置30から閲覧することができる。
一覧データの表示画面は、複数の回収拠点の測定データが並べられて表示される。ここでは、3つの回収拠点における測定データが表示されており、上下方向にスクロールすることで、他の回収拠点についての測定データが表示され、閲覧することができる。
【0035】
図8は、収容状況管理システムSの動作を説明する。
収容情報管理システムSの各機器の電源が投入された後、距離センサ11aは、収容容器10内の距離Lを測定し、その結果を通信ユニット11cに出力する(ステップS101)。温度センサ11bは、収容容器10内の温度Tを測定し、その結果を通信ユニット11cに出力する(ステップS102)。通信ユニット11cは、距離センサ11aから得られた距離Lと温度センサ11bから得られた温度Tとを測定データとして、収容状況管理装置20へ送信する(ステップS103)。
【0036】
収容状況管理装置20の取得部22は、通信部21によって受信した測定データを取得し、記憶部23に書き込む(ステップS104)。
【0037】
回収拠点Fにいる管理者は、収容容器10の環境を確認する場合、端末装置30に収容状況を閲覧するサービスサイトに回収拠点IDとパスワードを入力してログインした後、閲覧要求を入力する。端末装置30は、この閲覧要求の入力を受け付けると、収容状況管理装置20に閲覧要求を送信する(ステップS105)。ここでは。サービスサイトにログインされた際の回収拠点IDも送信される。
閲覧要求を受信すると、収容状況管理装置20の閲覧制御部24は、記憶部23に記憶されたデータを参照することで、閲覧要求をしてきた端末装置30の回収拠点IDに対応する収容容器IDを特定し、その収容容器IDに対応する測定データを読み出し、測定データ表示画面のデータを生成する(ステップS106)。そして閲覧制御部24は、生成された測定データ表示画面のデータを通信部21を介して端末装置30に送信する(ステップS107)。
【0038】
端末装置30は、収容状況管理装置20から測定データ表示画面のデータを受信すると、液晶表示パネル等の表示部に測定データ表示画面を表示する(ステップS108)。これにより、回収拠点Fの管理者は、収容容器10の収容量や、温度を把握することができる。また、温度を参考にして臭気がどの程度かについて推定することができる。
【0039】
なお、上述のステップS105においては、回収拠点Fの管理者の端末装置30から閲覧要求をした場合について説明したが、回収業者の端末装置30から閲覧要求をすることもできる。この場合、管理業者毎に異なるアカウント(回収業者IDを含む)が予め発行されており、回収業者は、そのアカウントを利用して端末装置30にログインをする。端末装置30は、回収業者IDに基づいて、複数の回収拠点Fについての測定データを読み出し、一覧データの表示画面データを生成し、回収業者の端末装置30に通信部21を介して送信する。
【0040】
回収業者の端末装置30は、収容状況管理装置20から一覧データの表示画面データを受信すると、液晶表示パネル等の表示部に一覧データの表示画面を表示する。これにより、回収業者は、各回収拠点Fの収容容器10の収容量を確認することができる。そして、回収業者は、各回収拠点Fの収容容器10の収容量を元に、回収する対象の回収拠点Fを選定し、その選定された回収拠点Fの位置に応じて、巡回経路を決めることができる。ここでは、収容量が多い回収拠点Fを巡回することができる。また、収容環境における温度が高い状態がある程度続いている傾向がある場合には、収容量がそれほど多くなかったとしても回収をすることもできる。これにより、紙おむつが収容された環境(収容量または臭気のうち少なくともいずれか一方)も考慮しつつ、回収効率を向上させることができる。
【0041】
また、収容状況管理装置20の判定部25は、判定タイミングが到来する毎に、基準値と測定データとの大小関係を判定する(ステップS200)。判定タイミングは、一定時間毎であってもよいし、予め決められた時刻であってもよい。例えば、判定部25は、最新の測定データの距離Lと収容量の上限値(距離の下限値)とを比較し、距離Lが収容量の上限値を超えている場合(距離の下限値未満となった場合)に、その測定データの送信元の収容容器IDに対応する回収拠点Fの端末装置30に対して、アラート部26によってアラート信号を送信する(ステップS201)。ここでは、回収業者の端末装置30にもアラート信号を送信する。これにより、端末装置30の管理者あるいは回収業者は、収容量が一定以上になったことを把握することができる。
アラート信号は、例えば、アラート内容が記述された電子メールとして端末装置30に送信するようにしてもよい。
【0042】
また、判定部25は、最新の測定データの距離Lと収容量の下限値(距離の上限値)との大小関係を判定し、距離Lが収容量の下限値を下回って場合(距離の上限値を超えた場合)に、その測定データの送信元の収容容器IDに対応する回収拠点Fの端末装置30にアラート信号を送信する。ここでは、回収業者の端末装置30にもアラート信号を送信する。これにより、端末装置30の管理者あるいは回収業者は、紙おむつが回収されたことを把握することができる。
【0043】
また、判定部25は、最新の測定データの温度Tと温度の基準値との大小関係を判定し、温度Tが基準値を超えている場合に、その測定データの送信元の収容容器IDに対応する回収拠点Fの端末装置30にアラート信号を送信する。ここでは、回収業者の端末装置30にもアラート信号を送信する。これにより、端末装置30の管理者あるいは回収業者は、紙おむつが収容されている周囲の温度が上がっていることを把握することができ、臭気が発生しやすい環境であることを把握することができる。
【0044】
図9は、アラート内容が表示された画面の一例を示す図である。
アラート内容には、アラートが発生した収容容器10が設置された回収拠点の名称と、回収拠点における設置位置、ユニットID等が記述される。また、アラートが生じた測定項目として、例えば、距離センサの検出結果において異常が発生したことが記述される。
【0045】
図10は、アラート設定を行う画面の一例を表す図である。
アラート設定は、回収拠点Fの管理者の端末装置30、回収業者または管理業者の端末装置30から行うことができる。
ここでは、アラートを設定する対象のセンサユニットのユニットIDが表示され(符号600)、アラートの時間間隔を設定する設定欄(符号601)、アラートする基準値を設定する設定欄(符号602)がある。端末装置30を操作する操作者は、これらの項目から任意の値を設定することができる。
【0046】
以上説明した実施形態によれば、収容容器10内において距離センサまたは重量センサを用いて、紙おむつの溜まり具合をセンシングするようにしたので、クラウド等にアクセスすることで、任意のタイミングで収容容器10の状況を閲覧することができる。
また、上述の実施形態によれば、回収業者は、回収拠点Fに直接出向くことなく、遠隔から、回収拠点Fにおける収容容器10の環境を把握することができる。また、回収業者は、端末装置30においてアラート信号を受信したことに応じて紙おむつを回収することができる。これにより、収容容器10に紙おむつがあまり蓄積されていない状況であるにもかかわらず回収のために巡回することがなくなるため、回収効率の低減を抑制し、効率化を図ることができる。
【0047】
回収拠点Fにおいては、回収拠点Fの施設内において発生した紙おむつのみを収容容器10に収容するようにしてもよいし、回収拠点Fの施設に出向く人が紙おむつを持参し、収容容器10に投入するようにしてもよい。例えば、幼児を送迎のために保育園に来園する保護者が、自宅において発生した紙おむつを持参し、投入することもできる。この場合、より広い範囲から紙おむつを回収することも可能となるため、回収量を増やすことも可能となる。
また、近年、保育園では各園児が使用したおむつについては、降園の際に保護者が持ち返るケースもあり、保育園では、持ち帰ってもらうための用意と管理に手間がかかっていた。しかしながら、上述した収容容器10を利用することで、保護者に持ち帰ってもらう必要がなく、また、保育園における持ち帰りのための用意と管理の手間を省くことができる。
【0048】
上述した実施形態における収容状況管理装置20の各機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0049】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0050】
10…収容容器,10a…扉,11…センサユニット,11a…距離センサ,11b…温度センサ,11c…通信ユニット,20…収容状況管理装置,21…通信部,22…取得部,23…記憶部,24…閲覧制御部,25…判定部,26…アラート部,30…端末装置