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  • 特開-削り節塊切込み形成用縦切刃 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156050
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】削り節塊切込み形成用縦切刃
(51)【国際特許分類】
   B26D 3/28 20060101AFI20231017BHJP
【FI】
B26D3/28 630B
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065672
(22)【出願日】2022-04-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】522147425
【氏名又は名称】有限会社秋津研磨所
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】秋津 亮介
(57)【要約】
【課題】削り節塊の切削面に所定深さの切込みを安定して形成することができ、均一な幅と厚みの削り節を作ることができる削り節塊切込み形成用縦切刃を提供すること。
【解決手段】本発明の削り節塊切込み形成用縦切刃は、削り節塊切削装置に取り付けられる板状のワーク本体部10aと、ワーク本体部10aの一端にロウ付けされた超硬材部10bとからなり、超硬材部10bは、一端側面12がワーク本体部10aとロウ付け13され、他端側面14には複数の切込み刃部15を突出させ、切込み刃部15は、他端側面14から立ち上げられた基材部16と、基材部16から突出させた刃先部17とからなり、それぞれの基材部16は、平行に他端側面14から立ち上がり、刃先部17は、少なくとも1つの斜面17R、17Lによって先端部に直線状刃先18を形成することを特徴とする。
【選択図】 図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
削り節塊を切削する際に、前記削り節塊の切削面に切込みを形成し、その後に平刃によって前記切込みの間を所定厚さで平面状に切削する削り節塊切削装置に用いられ、前記切込みを形成するための削り節塊切込み形成用縦切刃であって、
前記削り節塊切削装置に取り付けられる板状のワーク本体部と、
前記ワーク本体部の一端にロウ付けされた超硬材部と
からなり、
前記超硬材部は、
一端側面が前記ワーク本体部とロウ付けされ、
他端側面には複数の切込み刃部を突出させ、
前記切込み刃部は、
前記他端側面から立ち上げられた基材部と、
前記基材部から突出させた刃先部と
からなり、
それぞれの前記基材部は、平行に前記他端側面から立ち上がり、
前記刃先部は、少なくとも1つの斜面によって先端部に直線状刃先を形成する
ことを特徴とする削り節塊切込み形成用縦切刃。
【請求項2】
前記直線状刃先を2つの前記斜面によって形成し、
前記他端側面に対して前記直線状刃先を平行とした
ことを特徴とする請求項1に記載の削り節塊切込み形成用縦切刃。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、削り節塊を切削する際に、削り節塊の切削面に切込みを形成し、その後に平刃によって切込みの間を所定厚さで平面状に切削する削り節塊切削装置に用いられ、切込みを形成するための削り節塊切込み形成用縦切刃に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、食品の切削面に切込みを形成し、その後に平刃によって切込みの間を所定厚さで平面状に切削する食品の切削装置を開示している。
また、特許文献2は、削り節塊を切削する際に、削り節塊の切削面に切込みを形成し、その後に平刃によって切込みの間を所定厚さで平面状に切削する削り節塊切削装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実願昭54-74015号(実開昭55-175096号)のマイクロフィルム
【特許文献2】特開昭59-129697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の切削装置では硬さがある削り節塊には適さず、特許文献2に記載の削り節塊切削装置では十分な切込み深さで切削することが難しいことから、均一な幅の削り節を得にくい。
【0005】
そこで本発明は、削り節塊の切削面に所定深さの切込みを安定して形成することができ、均一な幅と厚みの削り節を作ることができる削り節塊切込み形成用縦切刃を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の削り節塊切込み形成用縦切刃10は、削り節塊3を切削する際に、前記削り節塊3の切削面に切込みzを形成し、その後に平刃5によって前記切込みzの間を所定厚さで平面状に切削する削り節塊切削装置に用いられ、前記切込みzを形成するための削り節塊切込み形成用縦切刃10であって、前記削り節塊切削装置に取り付けられる板状のワーク本体部10aと、前記ワーク本体部10aの一端にロウ付けされた超硬材部10bとからなり、前記超硬材部10bは、一端側面12が前記ワーク本体部10aとロウ付け13され、他端側面14には複数の切込み刃部15を突出させ、前記切込み刃部15は、前記他端側面14から立ち上げられた基材部16と、前記基材部16から突出させた刃先部17とからなり、それぞれの前記基材部16は、平行に前記他端側面14から立ち上がり、前記刃先部17は、少なくとも1つの斜面17R、17Lによって先端部に直線状刃先18を形成することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の削り節塊切込み形成用縦切刃10において、前記直線状刃先18を2つの前記斜面17R、17Lによって形成し、前記他端側面14に対して前記直線状刃先18を平行としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、削り節塊の切削面に所定深さの切込みを安定して形成することができ、均一な幅と厚みの削り節を作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例による削り節塊切込み形成用縦切刃を用いる削り節塊切削装置の構成を示す図
図2】同削り節塊切込み形成用縦切刃を示す構成図
図3】同削り節塊切削装置の要部を示す構成図
図4】本実施例による削り節塊切込み形成用縦切刃を用いて切削した削り節を示す写真
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による削り節塊切込み形成用縦切刃は、削り節塊切削装置に取り付けられる板状のワーク本体部と、ワーク本体部の一端にロウ付けされた超硬材部とからなり、超硬材部は、一端側面がワーク本体部とロウ付けされ、他端側面には複数の切込み刃部を突出させ、切込み刃部は、他端側面から立ち上げられた基材部と、基材部から突出させた刃先部とからなり、それぞれの基材部は、平行に他端側面から立ち上がり、刃先部は、少なくとも1つの斜面によって先端部に直線状刃先を形成するものである。本実施の形態によれば、削り節塊の切削面に所定深さの切込みを安定して形成することができ、均一な幅と厚みの削り節を作ることができる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による削り節塊切込み形成用縦切刃において、直線状刃先を2つの斜面によって形成し、他端側面に対して直線状刃先を平行としたものである。本実施の形態によれば、削り節塊切込み形成用縦切刃の表裏面を入れ換えて削り節塊切削装置に装着することができるため、削り節塊切込み形成用縦切刃の使用可能期間を延ばすことができる。
【実施例0011】
以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説明する。
図1は本実施例による削り節塊切込み形成用縦切刃を用いる削り節塊切削装置の構成を示す図であり、図1(a)は同削り節塊切削装置の側面構成図、図1(b)は同削り節塊切削装置における削り節塊切込み形成用縦切刃を取り付ける切刃取付体の平面構成図、図1(c)は同削り節塊切削装置の要部を示す写真である。
【0012】
本実施例による削り節塊切込み形成用縦切刃10を用いる削り節塊切削装置は、切刃取付体1と、切刃取付体1を動作させる駆動体2と、削り節塊3を切刃取付体1に押し付ける押圧体4とを備えている。
切刃取付体1には、削り節塊切込み形成用縦切刃10と平刃5とを取り付ける。本実施例では、切刃取付体1は円盤状の回転体で構成され、回転体には放射状に複数の開口1aを設けている。開口1aは、12個、14個、16個、又は18個が適している。削り節塊切込み形成用縦切刃10と平刃5とは、交互に開口1aに配置する。
切刃取付体1は削り節塊3に対して相対的に移動するものであればよく、回転動作や往復動作による相対的移動であってもよい。
本実施例では、駆動体2は切刃取付体1を回転させるシャフトとモータとから構成される。
削り節塊切削装置は、削り節塊3を切削する際には、削り節塊切込み形成用縦切刃10によって削り節塊3の切削面に切込みZ(図3参照)を形成し、その後に平刃5によって切込みZの間を所定厚さで平面状に切削する。
なお、図1(a)に実線と破線で示すように、削り節塊3は切刃取付体1の面に対して削り節塊3の長手方向を垂直又は平行にして押し付けられる。
【0013】
図2は削り節塊切込み形成用縦切刃を示す構成図であり、図2(a)は同削り節塊切込み形成用縦切刃の全体を示す写真、図2(b)は同削り節塊切込み形成用縦切刃の要部を示す写真、図2(c)は同削り節塊切込み形成用縦切刃の要部拡大図である。
【0014】
本実施例による削り節塊切込み形成用縦切刃10は、削り節塊切削装置に取り付けられる板状のワーク本体部10aと、ワーク本体部10aの一端にロウ付けされた超硬材部10bとからなる。ワーク本体部10aには、切刃取付体1に固定するための長孔11を形成している。削り節塊切込み形成用縦切刃10の表裏の板面10x、10yが切刃取付体1への取り付け面となる。
超硬材部10bは、一端側面12がワーク本体部10aとロウ付け13され、他端側面14には複数の切込み刃部15を突出させている。
切込み刃部15は、他端側面14から立ち上げられた基材部16と、基材部16から突出させた刃先部17とからなる。他端側面14は、切刃取付体1への取り付け面となる表裏の板面10x、10yに対して垂直な面で形成する。
それぞれの基材部16は、所定幅16wで平行に他端側面14から立ち上がり、刃先部17は、2つの斜面17R、17Lによって先端部に直線状刃先18を形成している。なお、直線状刃先18は、いずれか一方だけの斜面17R、17Lによって形成してもよい。例えば、一方の斜面17Rだけで直線状刃先18を形成する場合には、図示の斜面17Lは基材部16の側面と平行な面とする。
直線状刃先18は、超硬材部10bの板厚tの方向に形成し、板厚tと同じ長さで、他端側面14に対して平行としている。
隣り合う直線状刃先18の間の刃先間長さ18wを、他端側面14から直線状刃先18までの刃先立上長さ15wよりも大きくすることで、厚みのある幅広の削り節を作ることができる。
本実施例による削り節塊切込み形成用縦切刃10によれば、削り節塊3の切削面に所定深さの切込みZを安定して形成することができ、均一な幅と厚みの削り節を作ることができる。
また、削り節塊切込み形成用縦切刃10の表裏面を入れ換えて削り節塊切削装置に装着することができるため、削り節塊切込み形成用縦切刃10の使用可能期間を延ばすことができる。
また、削り節塊切込み形成用縦切刃10によれば、スリット縦切刃では切り離せないような厚みのある削り節を安定して作ることができ、厚みのある削り節を安定して作ることができるため、その後に粉体加工する場合にも加工性が高まる。
【0015】
図3は同削り節塊切削装置の要部を示す構成図であり、図3(a)は同削り節塊切削装置の一つの開口を示す写真、図3(b)は削り節切込み形成用縦切刃の取り付け状態を示す端面図、図3(c)は平刃の取り付け状態を示す端面図である。
【0016】
図3に示すように、削り節塊切込み形成用縦切刃10及び平刃5は、切刃取付体1の塊当接面1hに対して角度αを持って取り付けられる。図3において、矢印Xは切刃取付体1の移動方向を示しており、矢印Yは切刃取付体1の移動による削り節塊3の移動方向を示している。
図3(b)に示すように、削り節塊3には、削り節塊切込み形成用縦切刃10によって切込みZが形成され、その後に図3(c)に示すように、平刃5によって切込みZの間を所定厚さで平面状に切削される。
【0017】
図4は、本実施例による削り節塊切込み形成用縦切刃を用いて切削した削り節を示す写真である。
図4に示すように、本実施例による削り節塊切込み形成用縦切刃10を用いることで、均一な幅と厚みの削り節を作ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は、鰹節のような魚を素材とした削り節の他に、ささみなどの肉を素材とした削り節塊の切削に適している。
【符号の説明】
【0019】
1 切刃取付体
1a 開口
1h 塊当接面
2 駆動体
3 削り節塊
4 押圧体
5 平刃
10 削り節塊切込み形成用縦切刃
10a ワーク本体部
10b 超硬材部
10x、10y 板面
11 長孔
12 一端側面
13 ロウ付け
14 他端側面
15 切込み刃部
15w 刃先立上長さ
16 基材部
16w 所定幅
17 刃先部
17R、17L 斜面
18 直線状刃先
18w 刃先間長さ
t 板厚
z 切込み
α 角度

図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、削り節塊を切削する際に、削り節塊の切削面に切込みを形成し、その後に平刃によって切込みの間を所定厚さで平面状に切削する削り節塊切削装置に用いられ、切込みを形成するための削り節塊切込み形成用縦切刃に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、食品の切削面に切込みを形成し、その後に平刃によって切込みの間を所定厚さで平面状に切削する食品の切削装置を開示している。
また、特許文献2は、削り節塊を切削する際に、削り節塊の切削面に切込みを形成し、その後に平刃によって切込みの間を所定厚さで平面状に切削する削り節塊切削装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実願昭54-74015号(実開昭55-175096号)のマイクロフィルム
【特許文献2】特開昭59-129697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の切削装置では硬さがある削り節塊には適さず、特許文献2に記載の削り節塊切削装置では十分な切込み深さで切削することが難しいことから、均一な幅の削り節を得にくい。
【0005】
そこで本発明は、削り節塊の切削面に所定深さの切込みを安定して形成することができ、均一な幅と厚みの削り節を作ることができる削り節塊切込み形成用縦切刃を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の削り節塊切込み形成用縦切刃10は、削り節塊3を切削する際に、前記削り節塊3の切削面に切込みzを形成し、その後に平刃5によって前記切込みzの間を所定厚さで平面状に切削する削り節塊切削装置に用いられ、前記削り節塊切削装置は、円盤状の回転体で構成される切刃取付体1を備え、前記回転体には放射状に複数の開口1aが設けられ、前記開口1aに配置されて前記切込みzを形成するための削り節塊切込み形成用縦切刃10であって、前記削り節塊切削装置に取り付けられる板状のワーク本体部10aと、前記ワーク本体部10aの一端にロウ付けされた超硬材部10bとからなり、前記ワーク本体部10aには、前記切刃取付体1に固定するための長孔11を形成し、表裏の板面10x、10yが前記切刃取付体1への取り付け面となり、前記超硬材部10bは、一端側面12が前記ワーク本体部10aとロウ付け13され、他端側面14には複数の切込み刃部15を突出させ、前記切込み刃部15は、前記他端側面14から立ち上げられた基材部16と、前記基材部16から突出させた刃先部17とからなり、それぞれの前記基材部16は、平行に前記他端側面14から立ち上がり、前記刃先部17は、つの斜面17R、17Lによって先端部に直線状刃先18を形成し、前記他端側面14は、表裏の前記板面10x、10yに対して垂直な面で形成し、前記直線状刃先18は、前記超硬材部10bの板厚tの方向に形成し、前記板厚tと同じ長さで、前記他端側面14に対して平行とし、表裏の前記板面10x、10yを入れ換えて前記削り節塊切削装置に装着することができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、削り節塊の切削面に所定深さの切込みを安定して形成することができ、均一な幅と厚みの削り節を作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例による削り節塊切込み形成用縦切刃を用いる削り節塊切削装置の構成を示す図
図2】同削り節塊切込み形成用縦切刃を示す構成図
図3】同削り節塊切削装置の要部を示す構成図
図4】本実施例による削り節塊切込み形成用縦切刃を用いて切削した削り節を示す写真
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による削り節塊切込み形成用縦切刃は、削り節塊切削装置に取り付けられる板状のワーク本体部と、ワーク本体部の一端にロウ付けされた超硬材部とからなり、ワーク本体部には、切刃取付体に固定するための長孔を形成し、表裏の板面が切刃取付体への取り付け面となり、超硬材部は、一端側面がワーク本体部とロウ付けされ、他端側面には複数の切込み刃部を突出させ、切込み刃部は、他端側面から立ち上げられた基材部と、基材部から突出させた刃先部とからなり、それぞれの基材部は、平行に他端側面から立ち上がり、刃先部は、の斜面によって先端部に直線状刃先を形成し、他端側面は、表裏の板面に対して垂直な面で形成し、直線状刃先は、超硬材部の板厚の方向に形成し、板厚と同じ長さで、他端側面に対して平行とし、表裏の板面を入れ換えて削り節塊切削装置に装着することができるものである。本実施の形態によれば、削り節塊の切削面に所定深さの切込みを安定して形成することができ、均一な幅と厚みの削り節を作ることができる。また、削り節塊切込み形成用縦切刃の表裏面を入れ換えて削り節塊切削装置に装着することができるため、削り節塊切込み形成用縦切刃の使用可能期間を延ばすことができる。
【実施例0010】
以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説明する。
図1は本実施例による削り節塊切込み形成用縦切刃を用いる削り節塊切削装置の構成を示す図であり、図1(a)は同削り節塊切削装置の側面構成図、図1(b)は同削り節塊切削装置における削り節塊切込み形成用縦切刃を取り付ける切刃取付体の平面構成図、図1(c)は同削り節塊切削装置の要部を示す写真である。
【0011】
本実施例による削り節塊切込み形成用縦切刃10を用いる削り節塊切削装置は、切刃取付体1と、切刃取付体1を動作させる駆動体2と、削り節塊3を切刃取付体1に押し付ける押圧体4とを備えている。
切刃取付体1には、削り節塊切込み形成用縦切刃10と平刃5とを取り付ける。本実施例では、切刃取付体1は円盤状の回転体で構成され、回転体には放射状に複数の開口1aを設けている。開口1aは、12個、14個、16個、又は18個が適している。削り節塊切込み形成用縦切刃10と平刃5とは、交互に開口1aに配置する。
切刃取付体1は削り節塊3に対して相対的に移動するものであればよく、回転動作や往復動作による相対的移動であってもよい。
本実施例では、駆動体2は切刃取付体1を回転させるシャフトとモータとから構成される。
削り節塊切削装置は、削り節塊3を切削する際には、削り節塊切込み形成用縦切刃10によって削り節塊3の切削面に切込みZ(図3参照)を形成し、その後に平刃5によって切込みZの間を所定厚さで平面状に切削する。
なお、図1(a)に実線と破線で示すように、削り節塊3は切刃取付体1の面に対して削り節塊3の長手方向を垂直又は平行にして押し付けられる。
【0012】
図2は削り節塊切込み形成用縦切刃を示す構成図であり、図2(a)は同削り節塊切込み形成用縦切刃の全体を示す写真、図2(b)は同削り節塊切込み形成用縦切刃の要部を示す写真、図2(c)は同削り節塊切込み形成用縦切刃の要部拡大図である。
【0013】
本実施例による削り節塊切込み形成用縦切刃10は、削り節塊切削装置に取り付けられる板状のワーク本体部10aと、ワーク本体部10aの一端にロウ付けされた超硬材部10bとからなる。ワーク本体部10aには、切刃取付体1に固定するための長孔11を形成している。削り節塊切込み形成用縦切刃10の表裏の板面10x、10yが切刃取付体1への取り付け面となる。
超硬材部10bは、一端側面12がワーク本体部10aとロウ付け13され、他端側面14には複数の切込み刃部15を突出させている。
切込み刃部15は、他端側面14から立ち上げられた基材部16と、基材部16から突出させた刃先部17とからなる。他端側面14は、切刃取付体1への取り付け面となる表裏の板面10x、10yに対して垂直な面で形成する。
それぞれの基材部16は、所定幅16wで平行に他端側面14から立ち上がり、刃先部17は、2つの斜面17R、17Lによって先端部に直線状刃先18を形成している。なお、直線状刃先18は、いずれか一方だけの斜面17R、17Lによって形成してもよい。例えば、一方の斜面17Rだけで直線状刃先18を形成する場合には、図示の斜面17Lは基材部16の側面と平行な面とする。
直線状刃先18は、超硬材部10bの板厚tの方向に形成し、板厚tと同じ長さで、他端側面14に対して平行としている。
隣り合う直線状刃先18の間の刃先間長さ18wを、他端側面14から直線状刃先18までの刃先立上長さ15wよりも大きくすることで、厚みのある幅広の削り節を作ることができる。
本実施例による削り節塊切込み形成用縦切刃10によれば、削り節塊3の切削面に所定深さの切込みZを安定して形成することができ、均一な幅と厚みの削り節を作ることができる。
また、削り節塊切込み形成用縦切刃10の表裏面を入れ換えて削り節塊切削装置に装着することができるため、削り節塊切込み形成用縦切刃10の使用可能期間を延ばすことができる。
また、削り節塊切込み形成用縦切刃10によれば、スリット縦切刃では切り離せないような厚みのある削り節を安定して作ることができ、厚みのある削り節を安定して作ることができるため、その後に粉体加工する場合にも加工性が高まる。
【0014】
図3は同削り節塊切削装置の要部を示す構成図であり、図3(a)は同削り節塊切削装置の一つの開口を示す写真、図3(b)は削り節切込み形成用縦切刃の取り付け状態を示す端面図、図3(c)は平刃の取り付け状態を示す端面図である。
【0015】
図3に示すように、削り節塊切込み形成用縦切刃10及び平刃5は、切刃取付体1の塊当接面1hに対して角度αを持って取り付けられる。図3において、矢印Xは切刃取付体1の移動方向を示しており、矢印Yは切刃取付体1の移動による削り節塊3の移動方向を示している。
図3(b)に示すように、削り節塊3には、削り節塊切込み形成用縦切刃10によって切込みZが形成され、その後に図3(c)に示すように、平刃5によって切込みZの間を所定厚さで平面状に切削される。
【0016】
図4は、本実施例による削り節塊切込み形成用縦切刃を用いて切削した削り節を示す写真である。
図4に示すように、本実施例による削り節塊切込み形成用縦切刃10を用いることで、均一な幅と厚みの削り節を作ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は、鰹節のような魚を素材とした削り節の他に、ささみなどの肉を素材とした削り節塊の切削に適している。
【符号の説明】
【0018】
1 切刃取付体
1a 開口
1h 塊当接面
2 駆動体
3 削り節塊
4 押圧体
5 平刃
10 削り節塊切込み形成用縦切刃
10a ワーク本体部
10b 超硬材部
10x、10y 板面
11 長孔
12 一端側面
13 ロウ付け
14 他端側面
15 切込み刃部
15w 刃先立上長さ
16 基材部
16w 所定幅
17 刃先部
17R、17L 斜面
18 直線状刃先
18w 刃先間長さ
t 板厚
z 切込み
α 角度
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
削り節塊を切削する際に、前記削り節塊の切削面に切込みを形成し、その後に平刃によって前記切込みの間を所定厚さで平面状に切削する削り節塊切削装置に用いられ、
前記削り節塊切削装置は、円盤状の回転体で構成される切刃取付体を備え、前記回転体には放射状に複数の開口が設けられ、
前記開口に配置されて前記切込みを形成するための削り節塊切込み形成用縦切刃であって、
前記削り節塊切削装置に取り付けられる板状のワーク本体部と、
前記ワーク本体部の一端にロウ付けされた超硬材部と
からなり、
前記ワーク本体部には、前記切刃取付体に固定するための長孔を形成し、表裏の板面が前記切刃取付体への取り付け面となり、
前記超硬材部は、
一端側面が前記ワーク本体部とロウ付けされ、
他端側面には複数の切込み刃部を突出させ、
前記切込み刃部は、
前記他端側面から立ち上げられた基材部と、
前記基材部から突出させた刃先部と
からなり、
それぞれの前記基材部は、平行に前記他端側面から立ち上がり、
前記刃先部は、つの斜面によって先端部に直線状刃先を形成し、
前記他端側面は、表裏の前記板面に対して垂直な面で形成し、
前記直線状刃先は、前記超硬材部の板厚の方向に形成し、前記板厚と同じ長さで、前記他端側面に対して平行とし、
表裏の前記板面を入れ換えて前記削り節塊切削装置に装着することができる
ことを特徴とする削り節塊切込み形成用縦切刃。