(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156056
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】ノイズキャンセル装置
(51)【国際特許分類】
G10K 11/178 20060101AFI20231017BHJP
【FI】
G10K11/178
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065680
(22)【出願日】2022-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】神谷 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 修
【テーマコード(参考)】
5D061
【Fターム(参考)】
5D061FF02
(57)【要約】
【課題】 ノイズキャンセル装置の一例を開示する。
【解決手段】 ノイズキャンセル装置10は、記憶部12に記憶された逆位相情報を利用して逆位相音を生成する。これにより、マイクロフォンにて騒音を集音し、その集音された騒音を利用して逆位相音を生成する必要がない。したがって、当該ノイズキャンセル装置10では、仮に、騒音発生源の同数のマイクロフォンを備えていなくても逆位相音を利用した騒音低減を実行することが可能である。なお、「予め作成された逆位相情報」とは、例えば、製品の開発時に、騒音発生源毎に予め集音された騒音に基づいて作成された情報である。このため、開発者は、マイクロフォンを騒音発生源の近くに配置して正確な騒音を集音でき得る。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
騒音を低減するための逆位相音を発することにより、当該騒音を低減するノイズキャンセル装置において、
逆位相音を生成するための逆位相情報を記憶可能な記憶部と、
予め作成された逆位相情報が入力される情報入力部と、
前記情報入力部に入力された逆位相情報を前記記憶部に記憶させる情報書込部と、
前記記憶部に記憶された逆位相情報を利用して逆位相音を生成する生成部と
を備えるノイズキャンセル装置。
【請求項2】
無線通信又は有線通信にて外部と通信可能な通信部と、
騒音を低減するために必要な逆位相情報が前記記憶部に記憶されているか否かを判断する必要情報判断部と、
前記必要情報判断部により、騒音を低減するために必要な逆位相情報が前記記憶部に記憶されていないと判断されたときに、前記通信部を介して当該必要な逆位相情報を外部に設けられた記憶部から入手し、前記情報入力部入力させる情報入手部と
を備える請求項1に記載のノイズキャンセル装置。
【請求項3】
前記生成部は、前記記憶部に記憶されている複数の逆位相情報の中から2以上の逆位相情報を利用して逆位相音を生成する混合機能を有する請求項2に記載のノイズキャンセル装置。
【請求項4】
音声再生用の機能を備える乗物用シートにおいて、
スピーカと、
騒音を低減するための逆位相音を発することにより、当該騒音を低減するノイズキャンセル装置とを具備し、
前記ノイズキャンセル装置は、
逆位相音を生成するための逆位相情報を記憶可能な記憶部、
予め作成された逆位相情報が入力される情報入力部、
前記情報入力部に入力された逆位相情報を前記記憶部に記憶させる情報書込部、及び
前記記憶部に記憶された逆位相情報を利用して逆位相音を生成する生成部を備える乗物用シート。
【請求項5】
前記ノイズキャンセル装置は、
無線通信又は有線通信にて外部と通信可能な通信部、及び
騒音の発生源となるデバイスが装着されたときに、前記通信部を介して当該デバイスから発せられる騒音を低減するために必要な逆位相情報を外部に設けられた記憶部から入手し、前記情報入力部入力させる情報入手部
を備える請求項4に記載の乗物用シート。
【請求項6】
前記生成部は、前記記憶部に記憶されている複数の逆位相情報の中から2以上の逆位相情報を利用して逆位相音を生成する混合機能を有する請求項5に記載の乗物用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ノイズキャンセル装置及び当該ノイズキャンセル装置を備える乗物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載のノイズキャンセル装置は、騒音を低減するための逆位相音を発することにより、当該騒音を低減する。そして、当該ノイズキャンセル装置は、逆位相音を生成するために、騒音を集音するためのマイクを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、マイクを使ったノイズキャンセル装置では、正確に騒音を計測するために騒音発生源の近くにマイクロフォンを設置する必要がある。したがって、例えば、乗物用シートで発生する騒音を低減するには、当該乗物用シートに搭載された多数のアクチュエータ全てに対してマイクロフォンが設置されている必要がある。
【0005】
しかし、アクチュエータと同数のマイクロフォンを設置する手法は、部品点数及び組立工数の増加を招く。このため、当該手法は、コスト等の観点において、必ずしも適切な騒音低減対策と言い難い。さらに、マイクロフォンが設置された後に、アクチュエータが追加搭載された場合には、当該アクチュエータに対応するマイクロフォンを設置することは、事実上できない。
【0006】
本開示は、上記点に鑑みたノイズキャンセル装置の一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
騒音を低減するための逆位相音を発することにより、当該騒音を低減するノイズキャンセル装置は、例えば、以下の構成要件のうち少なくとも1つを備えることが望ましい。
すなわち、当該構成要件は、逆位相音を生成するための逆位相情報を記憶可能な記憶部(12)と、予め作成された逆位相情報が入力される情報入力部(13)と、情報入力部(13)に入力された逆位相情報を記憶部(12)に記憶させる情報書込部(14)と、記憶部(12)に記憶された逆位相情報を利用して逆位相音を生成する生成部(15)とである。
【0008】
これにより、当該ノイズキャンセル装置では、記憶部(12)に記憶された逆位相情報を利用して逆位相音を生成するので、マイクロフォンにて騒音を集音し、その集音された騒音を利用して逆位相音を生成する必要がない。したがって、当該ノイズキャンセル装置では、仮に、騒音発生源の同数のマイクロフォンを備えていなくても逆位相音を利用した騒音低減を実行することが可能である。
【0009】
なお、「予め作成された逆位相情報」とは、例えば、製品の開発時に、騒音発生源毎に予め集音された騒音に基づいて作成された情報である。そして、逆位相情報は、製品の開発時等に予め作成される情報であるので、当該情報の作成者、つまり開発者は、マイクロフォンを騒音発生源の近くに配置して正確な騒音を集音でき得る。
【0010】
なお、当該ノイズキャンセル装置は、例えば、以下の構成を備えていてもよい。
すなわち、無線通信又は有線通信にて外部と通信可能な通信部(16)と、騒音を低減するために必要な逆位相情報が記憶部(12)に記憶されているか否かを判断する必要情報判断部(17)と、必要情報判断部(17)により、騒音を低減するために必要な逆位相情報が記憶部(12)に記憶されていないと判断されたときに、通信部(16)を介して当該必要な逆位相情報を外部に設けられた記憶部から入手し、情報入力部(13)入力させる情報入手部(18)とを備えることが望ましい。
【0011】
これにより、当該ノイズキャンセル装置では、騒音を低減するために必要な逆位相情報が自動的に入手され得るので、確実に騒音が低減され得るとともに、当該ノイズキャンセル装置を利用する者の利便性が向上する。
【0012】
さらに、当該ノイズキャンセル装置では、生成部(15)は、記憶部(12)に記憶されている複数の逆位相情報の中から2以上の逆位相情報を利用して逆位相音を生成する混合機能を有することが望ましい。
【0013】
これにより、当該ノイズキャンセル装置では、複数の騒音発生源が存在する場合であっても、確実に騒音を低減することが可能となり得る。
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態に係る乗物用シートを示す図である。
【
図2】第1実施形態に係るノイズキャンセル装置を示す図である。
【
図3】ノイズキャンセル作動を示すフローチャートの一例である。
【
図4】逆位相情報の読込制御を示すフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0016】
本実施形態は、車両等の乗物に搭載されるシート(以下、乗物用シートという。)に本開示に係るノイズキャンセル装置が適用された例である。なお、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。
【0017】
つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示に示されたノイズキャンセル装置は、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素、並びに図示された構造部位を備える。
【0018】
(第1実施形態)
<1.ノイズキャンセル機能付き乗物用シートの概要>
図1に示される乗物用シート1は、音声再生機能を備える乗物用シートである。具体的には、当該乗物用シート1のヘッドレスト2には、音声及び逆位相音が再生可能なスピーカ20(
図2参照)が内蔵されている。
【0019】
ヘッドレスト2は、シートバックの上端に配置され、着席者の頭部を支持するための部位である。シートバックは、着席者の背部を支持するための部位である。そして、着席者は、携帯型端末機等を当該乗物用シート1に接続することにより、音楽等の音声コンテンツをスピーカ20から再生することができる。
【0020】
本実施形態に係る乗物用シート1では、ヘッドレスト2、シートバック、シートクッション長変更部、オットマン、及びスライド装置等を電動式のアクチュエータ(例えば、電動モータ)を用いて稼働させることが可能である。
【0021】
このため、当該乗物用シート1は、騒音発生源となり得るアクチュエータを複数備える。なお、各アクチュエータは、着席者が操作する操作部(図示せず。)から発せられるアクチュエータ作動指示信号に基づいて作動する。
【0022】
<2.ノイズキャンセル装置>
<2.1 ノイズキャンセル装置の構成>
乗物用シート1は、ノイズキャンセル装置を備えている。当該ノイズキャンセル装置10は、
図2に示されるように、騒音を低減するための逆位相音をスピーカ20から出力させる装置である。
【0023】
当該ノイズキャンセル装置10は制御装置11にて構成されている。当該制御装置11は、CPU、ROM及びRAM等を有するコンピュータを少なくとも有して構成されている。そして、制御装置11は、記憶部12、情報入力部13、情報書込部14、生成部15、通信部16、必要情報判断部17及び情報入手部18等を有して構成されている。
【0024】
本実施形態では、情報書込部14、生成部15、必要情報判断部17及び情報入手部18は、ソフトウェアがCPUにて実行されることにより実現される。なお、当該ソフトウェアは、ROM等不揮発性記憶部に予め記憶されている。
【0025】
<記憶部>
記憶部12は、逆位相音を生成するための逆位相情報を記憶する。当該記憶部は、フラッシュメモリや磁気記憶装置等の電力供給が停止した場合であっても、記憶された情報を保持可能な不揮発性記憶器である。
【0026】
<情報入力部>
情報入力部13は、予め作成された逆位相情報が入力されるインターフェース等である。本実施形態に係る当該情報入力部13は、着席者又は乗物用シートの整備を実施する者(以下、これらを総称して利用者という。)が直接的に逆位相情報を入力する場合、及び通信部16を介して逆位相情報が入力される場合のいずれも対応可能である。
【0027】
<情報書込部>
情報書込部14は、情報入力部13に入力された逆位相情報を記憶部12に記憶させる。つまり、情報書込部14は、情報入力部13に入力された逆位相情報を、生成部15が読み込み可能な形式として記憶部12の記憶領域に記憶させる。
【0028】
<生成部>
生成部15は、記憶部12に記憶されている逆位相情報を利用して逆位相音を生成し、当該逆位相音をスピーカ20から出力させる。なお、生成部15は、混合機能も実行可能である。
【0029】
混合機能は、騒音発生源が2以上の場合に実行される機能であって、記憶部12に記憶されている複数の逆位相情報の中から当該騒音発生源に対応する2以上の逆位相情報を利用して逆位相音を生成する機能である。
【0030】
なお、生成部15は、アクチュエータ作動指示信号を利用して、騒音発生源となるアクチュエータを特定する。そして、2以上のアクチュエータが作動する場合に、生成部15は混合機能を用いて逆位相音を生成する。
【0031】
<通信部>
通信部16は、無線通信又は有線通信にて外部と通信するインターフェースである。具体的には、通信部16は、多数の逆位相情報が記憶されているクラウド型のデータサーバと通信可能である。
【0032】
<必要情報判断部>
必要情報判断部17は、騒音を低減するために必要な逆位相情報が記憶部12に記憶されているか否かを判断する。具体的には、必要情報判断部17は、操作部に組み込まれたソフトウェア等を利用して、騒音発生源となり得るアクチュエータが現在の乗物用シート1に存在するか否かを判断する。
【0033】
次に、必要情報判断部17は、騒音発生源となり得るアクチュエータに対応する逆位相情報が記憶部12に記憶されているか否かを判断する。そして、騒音発生源となり得るアクチュエータに対応する逆位相情報が記憶部12に記憶されていないと判断した場合には、当該アクチュエータを識別するための識別情報を情報入手部18に送信する。
【0034】
<情報入手部>
情報入手部18は、必要情報判断部17により、騒音を低減するために必要な逆位相情報が記憶部12に記憶されていないと判断されたとき、つまり必要情報判断部17から送信された識別情報を受信したときに、通信部16を介して当該必要な逆位相情報をデータサーバから入手するとともに、その入手した逆位相情報を情報入力部13に入力させる。
【0035】
<2.2 ノイズキャンセル装置の作動>
<ノイズキャンセル作動(
図3参照)>
図3は、ノイズキャンセル作動制御の一例である。当該作動制御は、着座センサ(図示せず。)により乗物用シート1に着席者が着座したと判断されたときに起動し、非着座状態となったときに終了する。
【0036】
当該作動制御が起動すると、制御装置11は、いずれかアクチュエータが稼働したか否かを判断する(S1)。いずれかのアクチュエータが起動したと判断された場合(S1:YES)、制御装置11は、稼働しているアクチュエータの逆位相情報を記憶部12から読み込む(S3)。
【0037】
なお、複数のアクチュエータが起動している場合には、S3においては、起動しているそれら複数のアクチュエータに対応する逆位相情報が読み込まれる。次に、制御装置11は、読み込んだ逆位相情報に基づいて逆位相音を生成する(S5)。
【0038】
なお、複数のアクチュエータが同時に起動した場合には、混合機能が実行される。そして、制御装置11は、生成された逆位相音をスピーカ20から出力させる(S7)。次に、制御装置11は、全てのアクチュエータが停止したか否かを判断する(S9)。
【0039】
そして、全てのアクチュエータが停止した場合には(S9:YES)、制御装置11は、S1を再び実行する。全てのアクチュエータが停止していない場合には(S9:NO)、S3を再び実行する。
【0040】
なお、全てのアクチュエータが停止していない場合に実行されるS3において、例えば、稼働中のアクチュエータの数が減少した場合には、現実に稼働しているアクチュエータの逆位相情報が読み込まれて逆位相音が生成される。
【0041】
また、例えば、稼働中のアクチュエータの数が増加した場合には、増加分を含めて現実に稼働しているアクチュエータの逆位相情報が読み込まれて逆位相音が生成される。
<逆位相情報の読込制御(
図4)>
図4は、逆位相情報の読込制御の一例である。当該読込制御は、車両のスタートスイッチ(図示せず。)が押下されたとき、又は利用者が手動操作にて当該読込制御を起動させたときに起動し、制御装置11への電力供給が停止したときに終了する。
【0042】
当該読込制御が起動されると、現在の乗物用シート1に騒音発生源となり得るアクチュエータが存在するか否かを判断する(S11)。当該アクチュエータが存在すると判断された場合には(S11:YES)、制御装置11は、騒音発生源となり得るアクチュエータに対応する逆位相情報が記憶部12に記憶されているか否かを判断する(S13)。
【0043】
そして、騒音発生源となり得るアクチュエータに対応する逆位相情報が記憶部12に記憶されていないと判断された場合には(S13:NO)、制御装置11は、当該アクチュエータを識別するための情報をデータサーバから入手し(S15)、入手した逆位相情報を記憶部12に記憶させる(S17)。
【0044】
<3.本実施形態に係るノイズキャンセル装置の特徴>
本実施形態に係るノイズキャンセル装置10では、記憶部12に記憶された逆位相情報を利用して逆位相音を生成する。
【0045】
これにより、マイクロフォンにて騒音を集音し、その集音された騒音を利用して逆位相音を生成する必要がない。したがって、当該ノイズキャンセル装置10では、仮に、騒音発生源の同数のマイクロフォンを備えていなくても逆位相音を利用した騒音低減を実行することが可能である。
【0046】
なお、「予め作成された逆位相情報」とは、例えば、製品の開発時に、騒音発生源毎に予め集音された騒音に基づいて作成された情報である。そして、逆位相情報は、製品の開発時等に予め作成される情報であるので、当該情報の作成者、つまり開発者は、マイクロフォンを騒音発生源の近くに配置して正確な騒音を集音でき得る。
【0047】
当該ノイズキャンセル装置10では、騒音を低減するために必要な逆位相情報が記憶部12に記憶されていないと判断されたときに、通信部16を介して当該必要な逆位相情報を外部から入手する。
【0048】
これにより、当該ノイズキャンセル装置10では、騒音を低減するために必要な逆位相情報が自動的に入手され得るので、確実に騒音が低減され得るとともに、当該ノイズキャンセル装置を利用する者の利便性が向上する。
【0049】
当該ノイズキャンセル装置10では、記憶部12に記憶されている複数の逆位相情報の中から2以上の逆位相情報を利用して逆位相音を生成する混合機能が発揮可能であるこれにより、当該ノイズキャンセル装置10では、複数の騒音発生源が存在する場合であっても、確実に騒音を低減することが可能となり得る。
【0050】
(その他の実施形態)
上述の実施形態に係る生成部15は、混合機能が発揮可能であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、例えば、アクチュエータ毎に生成部が構成され、それらの各生成部が独立して作動する構成であってもよい。
【0051】
上述の実施形態では、音声コンテンツ等を再生するためのスピーカ20を利用して逆位相音を出力する構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、逆位相音を出力する専用のスピーカを備える構成であってもよい。
【0052】
上述の実施形態に係るノイズキャンセル装置10は、自動的に逆位相情報を読み込む機能が発揮可能であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、利用者が新たなアクチュエータを乗物用シート1に追加したときに、手動操作にて逆位相情報を記憶部12に記憶させてもよい。なお、当該場合においては、新たな逆位相情報は、通信部を介して入手した逆位相情報又は予め入手した逆位相情報のいずれであってもよい。
【0053】
上述の実施形態に係るノイズキャンセル装置10は、乗物用シートに搭載され、かつ、乗物用シート1に設けられたスピーカ20から逆位相音を出力する構成であった。上述の実施形態では、しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、ノイズキャンセル装置10が乗物に搭載され、かつ、乗物に設けられたスピーカから逆位相音を出力する構成であってもよい。
【0054】
上述の実施形態では、車両に本開示に係る乗物用シートを適用した。しかし、本明細書に開示された発明の適用はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、鉄道車両、船舶及び航空機等の乗物に用いられるシート、並びに劇場や家庭用等に用いられる据え置き型シートにも適用できる。
【0055】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0056】
10…ノイズキャンセル装置
11…制御装置
12…記憶部
13…情報入力部
14…情報書込部
15…生成部
16…通信部
17…必要情報判断部
18…情報入手部
20…スピーカ