(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156067
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 33/34 20200101AFI20231017BHJP
【FI】
D06F33/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065698
(22)【出願日】2022-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】工藤 慶之
(72)【発明者】
【氏名】田村 和浩
(72)【発明者】
【氏名】徐 丁英
(72)【発明者】
【氏名】大黒 祐揮
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA11
3B167AE01
3B167AE02
3B167AE04
3B167AE12
3B167BA10
3B167BA42
3B167BA62
3B167BA78
3B167FB01
3B167FB05
3B167JA11
3B167JA32
3B167JA62
3B167KA12
3B167KA18
3B167KA54
3B167KB16
3B167LA23
3B167LC09
3B167LC12
3B167LD20
3B167LE04
3B167LE05
3B167LF11
3B167LG08
(57)【要約】
【課題】洗濯物に対する除菌性能を向上させる洗濯機を提供する。
【解決手段】本開示に係る洗濯機は、水溶性を有する1回使い切りの固形剤を投入可能に構成された洗濯機であって、筐体内に回転可能に設けられた洗濯槽と、洗濯槽に供給される洗剤を収容する洗剤ケースと、洗濯槽に供給される固形剤を収容する固形剤ケースと、洗剤ケースに給水する第1給水弁と、固形剤ケースに給水する第2給水弁と、第1給水弁および第2給水弁を制御する制御部と、を備え、制御部は、洗い工程において、第1給水弁を開放し、第2給水弁を閉止し、洗い工程の後のすすぎ工程において、第2給水弁を開放して、固形剤に対して給水を行う本給水ステップを実行する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性を有する1回使い切りの固形剤を投入可能に構成された洗濯機であって、
筐体内に回転可能に設けられた洗濯槽と、
前記洗濯槽に供給される洗剤を収容する洗剤ケースと、
前記洗濯槽に供給される前記固形剤を収容する固形剤ケースと、
前記洗剤ケースに給水する第1給水弁と、
前記固形剤ケースに給水する第2給水弁と、
前記第1給水弁および前記第2給水弁を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
洗い工程において、前記第1給水弁を開放し、前記第2給水弁を閉止し、
前記洗い工程の後のすすぎ工程において、前記第2給水弁を開放して、前記固形剤に対して給水を行う本給水ステップを実行する、洗濯機。
【請求項2】
前記すすぎ工程は、少なくとも第1すすぎ工程と、前記第1すすぎ工程の後に実行される第2すすぎ工程とを含み、
前記制御部は、前記第1すすぎ工程において、前記第2給水弁を開放する、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2給水弁を開放する前に、前記第1給水弁を開放して前記洗濯槽に所定量以上の給水を実行する、請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記所定量は、前記洗濯槽の水位が、前記洗濯槽に収容された洗濯物が水没する水位、浴比が10L/kg以上となる水位、または、洗い工程と同水位となる量である、請求項3に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記洗濯槽に収容された洗濯物を撹拌させる撹拌機構を有し、
前記制御部は、前記撹拌機構を駆動して第1撹拌を実行している状態で、前記第2給水弁を開放する、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記洗濯槽の水を排水する排水弁をさらに有し、
前記制御部は、前記本給水ステップを含むすすぎ工程における前記洗濯槽の最高水位が、前記洗い工程における前記洗濯槽の最高水位より大きくなるように前記第1給水弁、前記第2給水弁及び前記排水弁を開放する、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記洗濯槽の水を排水する排水弁をさらに有し、
前記制御部は、前記第1すすぎ工程における前記洗濯槽の最高水位が、前記第2すすぎ工程における前記洗濯槽の最高水位より大きくなるように前記第1給水弁、前記第2給水弁及び前記排水弁を開放する、請求項2に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記洗濯槽に柔軟剤を供給する柔軟剤供給機構を有し、
前記制御部は、前記第2すすぎ工程において、前記柔軟剤供給機構を駆動して前記洗濯槽に柔軟剤を供給する、請求項2に記載の洗濯機。
【請求項9】
前記洗濯槽に供給された水の水温を検知する水温検知部を有し、
前記制御部は、前記本給水ステップを含むすすぎ工程において、前記水温検知部が検知した水温に応じて、前記撹拌機構を駆動して第2撹拌を更に実行する、請求項5に記載の洗濯機。
【請求項10】
前記洗濯槽に供給された水の水温を検知する水温検知部と、前記洗濯槽に供給された水を加熱するヒータと、を有し、
前記制御部は、前記本給水ステップを含むすすぎ工程において、前記水温検知部が検知した水温に応じて、前記ヒータによる加熱を実行する、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項11】
前記洗濯槽に供給された水の水温を検知する水温検知部を有し、
前記制御部は、前記本給水ステップを含むすすぎ工程において、前記水温検知部が検知した水温に応じて、前記第2給水弁を開放して追加で給水を実行する、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項12】
前記洗濯槽に供給される水の流量を検知する流量検知部を有し、
前記制御部は、前記本給水ステップを含むすすぎ工程において、前記流量検知部が検知した流量に応じて、前記第2給水弁を開放して追加で給水を実行する、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項13】
前記制御部は、前記第2すすぎ工程において、前記第2給水弁を間欠的に複数回開放する、請求項2に記載の洗濯機。
【請求項14】
前記本給水ステップを含むすすぎ工程は、
前記固形剤に対して前記第2給水弁によって給水を行う予備給水ステップと、
前記予備給水ステップの後、前記第2給水弁による給水を停止させる待機ステップと、
前記待機ステップの後、前記予備給水ステップを行った前記固形剤に対して給水を行う前記本給水ステップと、を含み、
前記予備給水ステップの給水量が前記本給水ステップの給水量より少ない、請求項1から13のいずれか一項に記載の洗濯機。
【請求項15】
前記予備給水ステップは、前記洗濯槽の水位が所定水位以上の状態で実行される、請求項14に記載の洗濯機。
【請求項16】
前記洗濯槽の水を排水する排水弁をさらに有し、
前記本給水ステップを含むすすぎ工程は、
前記本給水ステップの前に実行される洗剤すすぎステップと、
前記固形剤に対して前記第2給水弁によって給水を行う予備給水ステップと、
前記予備給水ステップの後、前記第2給水弁による給水を停止させる待機ステップと、
前記待機ステップの後、前記予備給水ステップを行った前記固形剤に対して給水を行う前記本給水ステップと、を含み、
前記制御部は、前記洗剤すすぎステップにおいて、前記第1給水弁を開放して給水を実行した後、前記排水弁を開放して排水を実行する、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項17】
前記洗濯槽の水を排水する排水弁をさらに有し、
前記本給水ステップを含むすすぎ工程は、
前記固形剤に対して前記第2給水弁によって給水を行う予備給水ステップと、
前記予備給水ステップの後、前記第2給水弁による給水を停止させる待機ステップと、
前記待機ステップの後、前記予備給水ステップを行った前記固形剤に対して給水を行う前記本給水ステップと、
前記本給水ステップの後に実行される錠剤すすぎステップと、を含み、
前記制御部は、前記錠剤すすぎステップの直後の排水後の水位が前記錠剤すすぎステップにおける水位より低くなるように、前記錠剤すすぎステップを実行した後、前記排水弁を開放して排水を実行する、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項18】
水溶性を有する1回使い切りの固形剤が投入された洗濯機による洗濯方法であって、
前記洗濯機は、
筐体内に回転可能に設けられた洗濯槽と、
前記洗濯槽に供給される洗剤を収容する洗剤ケースと、
前記洗濯槽に供給される前記固形剤を収容する固形剤ケースと、
前記洗剤ケースに給水する第1給水弁と、
前記固形剤ケースに給水する第2給水弁と、
を備え、
洗い工程において、前記第1給水弁を開放し、前記第2給水弁を閉止することと、
前記洗い工程の後のすすぎ工程において、前記第2給水弁を開放して前記固形剤に対して給水を行う本給水ステップを実行することと、
を含む、洗濯方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、除菌作用を有する金属イオンを用いて洗濯物の仕上げを行う洗濯機が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載された洗濯機は、金属イオンを発生させる金属イオン発生手段と、洗い、すすぎ、脱水工程を制御する制御装置とを備える。制御装置は、最終すすぎ工程において、金属イオン発生手段を作動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、洗濯物に対する除菌性能の観点において、未だ向上の余地がある。
【0006】
したがって、本開示の目的は、上記課題を解決することにあり、洗濯物に対する除菌性能を向上させる洗濯機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様の洗濯機は、水溶性を有する1回使い切りの固形剤を投入可能に構成された洗濯機であって、筐体内に回転可能に設けられた洗濯槽と、洗濯槽に供給される洗剤を収容する洗剤ケースと、洗濯槽に供給される固形剤を収容する固形剤ケースと、洗剤ケースに給水する第1給水弁と、固形剤ケースに給水する第2給水弁と、第1給水弁および第2給水弁を制御する制御部と、を備え、制御部は、洗い工程において、第1給水弁を開放し、第2給水弁を閉止し、洗い工程の後のすすぎ工程において、第2給水弁を開放して、固形剤に対して給水を行う本給水ステップを実行する。
【0008】
本開示の一態様の洗濯方法は、水溶性を有する1回使い切りの固形剤が投入された洗濯機による洗濯方法であって、洗濯機は、筐体内に回転可能に設けられた洗濯槽と、洗濯槽に供給される洗剤を収容する洗剤ケースと、洗濯槽に供給される固形剤を収容する固形剤ケースと、洗剤ケースに給水する第1給水弁と、固形剤ケースに給水する第2給水弁と、を備え、洗い工程において、第1給水弁を開放し、第2給水弁を閉止することと、洗い工程の後のすすぎ工程において、第2給水弁を開放して固形剤に対して給水を行う本給水ステップを実行することと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、洗濯物に対する除菌性能を向上させた洗濯機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図12G】第2すすぎ工程及び脱水工程のシーケンス図
【
図14】除菌コースにおける給水弁及び排水弁の動作を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、風呂清掃用の除菌剤の技術として、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを含む水溶性の固形剤が知られていた。発明者らは、風呂清掃用の除菌剤の技術をヒントにして、一回使い切りの水溶性の固形剤を投入して洗濯物に固形剤の成分を付与する洗濯機という着想を得た。そして、発明者らは、固形剤の溶解物が洗剤または柔軟剤等の他の洗濯剤と混ざると、化学反応を起こし、除菌性能が低下するという課題があることを発見した。また、固形物の溶解物が洗濯物に付着すると、洗濯物が脱色するおそれがある。これらの課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
【0012】
(実施の形態)
本開示の実施の形態に係る洗濯機1について説明する。
【0013】
[全体構成]
図1は、本開示に係る実施の形態の洗濯機1を示す斜視図である。
図1に示すように、洗濯機1は、筐体2と、水槽3と、洗濯槽4と、洗濯剤供給ユニット5と、制御部Cとを備える。
【0014】
<筐体>
筐体2は、洗濯機1の外観を形成する部材である。筐体2の上面には、開口20と、開口20を覆う開閉自在な扉21とが設けられている。
【0015】
<水槽>
水槽3は、筐体2の内部に設けられ、洗濯水を溜めるように一端が閉じた大略円筒状の部材である。水槽3を外槽と称してもよい。
【0016】
<洗濯槽>
洗濯槽4は、水槽3の内側において回転可能に設けられ、衣類等の洗濯物を収容する大略円筒状の部材である。洗濯槽4には水槽3に連通する多数の貫通孔40が形成される。貫通孔40は、水槽3と洗濯槽4との間で洗濯水及び洗濯剤の移動を可能にする。洗濯槽4は筐体2の開口20に面する位置に開口41をさらに有する。開口41を通じて洗濯物は洗濯槽4に投入される。洗濯槽4をドラムまたは内槽と称してもよい。
【0017】
<洗濯剤供給ユニット>
洗濯剤供給ユニット5は、洗濯槽4に液剤、粉末洗剤、及び固形剤等の洗濯処理剤を供給するユニットである。洗濯処理剤を供給するとは、洗濯槽4に向かって下方に排出することを意味する。液剤とは、衣類等の洗濯物を洗浄するために用いられる液剤である。液剤は、洗剤、柔軟剤、中性洗剤を含んでもよい。
【0018】
洗濯剤供給ユニット5は、手動投入ユニット6と自動投入ユニット7とを備える。
【0019】
<撹拌機構>
撹拌機構8は、洗濯槽4内の水を撹拌する部材である。撹拌機構8は、例えば、洗濯槽4の底面に接続されたパルセータである。撹拌機構8は反転動作を実行する。
【0020】
<排水弁>
排水弁9は、開閉可能に構成され、開かれると、水槽3に溜められた水を排水するための弁である。排水弁9は、筐体2の下部に設けられる。
【0021】
<センサ>
水位センサ25は、洗濯槽4に収容された水の水位を測定する。水位センサ25は、例えば、空気が収容されたチューブであって、水位の増減による圧力差に応じて水位を検知する。重量センサ26は、洗濯槽4内に投入された洗濯物の重量を検知する。水温センサ27は、洗濯槽4内の水の水温を検知する。
【0022】
<ヒータ>
ヒータ28は、洗濯槽4の下方に配置された、洗濯槽4内の水を加熱するためのヒータである。ヒータ28の最大温度は例えば65°Cである。
【0023】
<制御部>
制御部Cは、洗濯機1の運転を制御する部材である。制御部Cは、例えば、プログラムを記憶したメモリ(図示せず)と、CPUなどのプロセッサに対応する処理回路(図示せず)とを備え、プロセッサがプログラムを実行することでこれらの要素として機能してもよい。
【0024】
続いて、洗濯剤供給ユニット5の構成について、
図2及び
図3を参照しながら説明する。
図2及び
図3は、洗濯剤供給ユニット5の斜視図である。
【0025】
図2に示すように、洗濯剤供給ユニット5は、ユニットケース50と、蓋50aと、手動投入ユニット6と、自動投入ユニット7と、給水部材10と、流路部材11(
図3)とを備える。
【0026】
図3に示すように、ユニットケース50は、手動投入ユニット6と、自動投入ユニット7と、流路部材11とを収容する部材である。ユニットケース50の上部は開口しており、蓋50aで覆われる。
【0027】
手動投入ユニット6は、洗濯機1の運転の度に、使用者が1回分の液剤、粉末洗剤や固形剤等の洗濯剤を手動で投入するための機構である。手動投入ユニット6に投入される洗濯剤は、投入された量において洗濯槽4に流入する。
【0028】
手動投入ユニット6に投入される1回分の洗濯剤は、手動投入ユニット6が形成する複数のケース60、61、62、63に収容される。実施の形態では、それぞれのケース60、61、62、63は、1回分の洗剤、柔軟剤、粉末洗剤、水溶性の固形剤(例えば、錠剤)を収容する。
【0029】
自動投入ユニット7は、液剤を貯蔵するタンクから洗濯槽4に、所定量の液剤を自動で投入する機構である。自動投入ユニット7は、例えば洗濯物の量や種類に応じて、適切な種類の液剤を適切な量において洗濯槽4に投入する。自動投入ユニット7は、幅方向K(例えば、水平方向)に並び液剤を収容する2つのタンク70、71と、液剤の吸引・吐出を行うポンプ(図示せず)とを有する。実施の形態では、タンク70は洗剤を収容し、タンク71は柔軟剤を収容する。
【0030】
給水部材10は、流路部材11を介して、洗濯剤供給ユニット5に水を供給する機構である。給水部材10は複数の給水弁10a、10b、10cからなり、給水弁10a、10b、10cの開閉によって、水の供給先を変更することができる。具体的には、給水弁10aが開放されると、水はケース60、62に供給され、給水弁10bが開放されると、水はケース61、63に供給され、給水弁10cが開放されると、水は自動投入ユニット7に供給される。給水弁10a、10b、10cは、例えば、電磁弁である。
【0031】
流路部材11は、給水弁10a、10b、10cから供給される水を供給先に案内する部材である。流路部材11は、ケース60、61、62、63の上方に設けられて、給水弁10a、10b、10cに接続される。より具体的には、流路部材11は、給水弁10a、10b、10cから供給先まで連通する複数の独立した経路を形成する。
【0032】
手動投入ユニット6のケース60、61、62、63に供給された水は、収容されている洗濯剤とともに洗濯槽4に流入する。
【0033】
続いて、手動投入ユニット6の構成について、
図3-
図6を参照しながら、より詳細に説明する。
図4は、手動投入ユニット6の斜視図である。
図5は、手動投入ユニット6からケース63、及び投入口部材65、66を外した状態を示す断面図である。
図6は、手動投入ユニット6からケース63、及び投入口部材65、66を外した状態を示す斜視図である。
【0034】
図3に示すように、手動投入ユニット6は、本体部64を備える。本体部64は、ユニットケース50において、前後方向Lに引き出し可能に保持される部材である。
【0035】
図4に示すように、本体部64には、投入口部材65、66と、ケース63(以降、錠剤ケース63)とが収容される。投入口部材65、66と錠剤ケース63とは、本体部64に取り外し可能に収容される。
【0036】
図4及び
図5に示すように、本体部64には、洗濯剤が収容されるケース60、61、62が幅方向Kに並んで設けられている。上述のように、ケース60(以降、洗剤ケース60)は洗剤を収容し、ケース61(以降、柔軟剤ケース61)は柔軟剤を収容し、ケース62(以降、粉末洗剤ケース62)は粉末洗剤を収容する。本体部64において、洗剤ケース60と粉末洗剤ケース62とは互いに隣接している。一方で、洗剤ケース60と柔軟剤ケース61との間には空間67が設けられており、空間67には錠剤ケース63が配置される。
【0037】
図5に示すように、柔軟剤ケース61は、柔軟剤を収容する収容スペース78と、液剤吐出流路74とを有する。液剤吐出流路74は、吸込み口74aから上方に延びて、柔軟剤ケース61の上部で折り返して収容スペース78の底面78aに接続されたU字形状を有する。液剤吐出流路74は、収容スペース78に所定量の水が溜まると、柔軟剤を吸込み口74aから吸い上げ、収容スペース78の底面78aに形成された開口61aから吐出する。洗剤ケース60は、洗剤を収容する収容スペース77と、液剤吐出流路74と同様な液剤吐出流路73とを有する。
【0038】
投入口部材65は収容スペース77に配置され、洗剤の投入のために設けられた投入口65aを形成する。投入口部材66は収容スペース78に配置され、柔軟剤の投入のために設けられた投入口66aを形成する。
【0039】
錠剤ケース63は、1回の除菌洗濯コースで使用する水溶性の固形剤を収容する部材である。固形剤に水がかかると固形剤は溶解して、固形剤の溶解物が洗濯槽4に供給される。固形剤は、中実または中空の固体である。例えば、固形剤は、圧縮されてまとまった粉末から形成される固形物である。固形剤を固形処理剤と称してもよい。実施の形態では、固形剤の一例として錠剤Jについて説明する。
【0040】
ここで、錠剤Jは、除菌性能を発揮する成分を含むものである。錠剤Jは水溶性を有する成分を含み、給水前において一定の形状を有するが、水がかかると小さい破片に分解して水に溶ける。
【0041】
錠剤Jの構成材料について、錠剤Jは次亜塩素酸を発生させる成分を含んでもよい。実施の形態では、錠剤Jは除菌成分としてジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを含む。錠剤Jは水と反応して発泡する成分をさらに含んでもよい。
【0042】
錠剤Jの形状について、錠剤Jは、錠剤ケース63における所定位置まで移動可能であるような形状を有してもよく、例えば、転がって移動できるような外周形状または輪郭を有する。実施の形態では、錠剤Jは、直径D0が厚みT0より大きい円盤形状(
図8A、
図8B)を有する。
【0043】
錠剤ケース63に投入される錠剤Jは、洗濯機1の製造者によって使用が想定される特定の錠剤Jであってもよい。例えば、錠剤Jは、指定された1つまたは複数の種類の錠剤Jであってもよい。また、例えば、錠剤Jの種類は、制御部Cに記憶されたカタログまたはリストから選択された種類である。
【0044】
錠剤ケース63は、前側L1に錠剤Jを投入するための投入口63aを形成する。
図4に示すように、錠剤ケース63が本体部64に配置されると、投入口63aは、幅方向Kに並ぶ投入口65aと投入口66aとの間に配置されている。一方で、
図3に示すように、ユニットケース50から本体部64を引き出すと、投入口63aは全面にわたって露出する。投入口63aは縦長形状を有してもよい。
【0045】
図6に示すように、本体部64の底面64aには、それぞれのケース60、61、62と空間67に対応する位置において、開口60a、61a、62a、67aが設けられている。給水部材10からそれぞれのケース60、61、62、63に水が供給されると、収容された液剤は水とともにそれぞれの開口60a、61a、62a、67aから洗濯槽4に向かって流出する。
【0046】
【0047】
実施の形態において、錠剤ケース63は、一方の側壁80を備え、反対側の側面が開放されている片側開放構造を有する。実施の形態においては、柔軟剤ケース61の外側壁が錠剤ケース63の他方の側壁として機能する。
【0048】
図7に示すように、側壁80は、側壁80の厚み方向(幅方向K)に貫通したメッシュ82を有する。溶けた錠剤Jは、水とともにメッシュ82から流出して洗濯槽4に供給される。
【0049】
側壁80の一方の面には、周壁81が幅方向K(短手方向)に突出するように設けられている。周壁81は側壁80の外周部から突出し、錠剤ケース63の前面、底面及び背面を形成する。周壁81は側壁80と合わせて投入口63aに投入された錠剤Jを後側L2の収容空間K10に案内し、収容する。収容空間K10は、給水時において錠剤Jを収容する空間である。
【0050】
また、側壁80は、幅方向Kに突出する突出部88をさらに有する。突出部88は、錠剤Jを収容空間K10に安定的に保持する。そうすると、収容空間K10は周壁81と突出部88とによって規定される。
【0051】
収容空間K10の上部には、流路部材11の給水ノズル12、13が形成される。収容空間K10は給水ノズル12、13の真下に設けられている。錠剤Jが収容空間K10に配置されると、給水ノズル12、13から供給される水によって錠剤Jは溶解される。
【0052】
図8A及び
図8Bに示すように、錠剤Jは、円盤形状を有し、直径D0と、厚みT0とを有する。
図8Aは、投入方向A2に対して厚み方向を直交させて、錠剤Jを縦置きした姿勢を示す。
図8Bは、投入方向A2に対して厚み方向を平行にして、錠剤Jを横置きした姿勢を示す。縦置きした姿勢とは、鉛直方向の寸法が、水平断面における錠剤Jの短手方向(例えば、厚み方向)の寸法より大きい姿勢である。実施の形態においては、錠剤Jは縦置きした姿勢で錠剤ケース63に投入される。
【0053】
ここで、錠剤Jへの給水について説明する。
【0054】
図9は、蓋50aを取り外した状態における洗濯剤供給ユニット5の上面図である。
図9に示すように、給水部材10の3つの給水弁10a、10b、10c(
図3)は、それぞれ、流路部材11の経路F1、F2、F3に接続される。経路F1、F2、F3は互いから独立して形成される。給水弁10aに接続される経路F1は、洗剤ケース60と粉末洗剤ケース62とに水を供給するための流路を形成する。給水弁10bに接続される経路F2は、柔軟剤ケース61と錠剤ケース63とに水を供給するための流路を形成する。給水弁10cに接続される経路F3は、自動投入ユニット7に水を供給するための流路を形成する。1つの経路で複数のケースに給水することで、給水部材10における給水弁の数を減らして、構成を単純化することができる。
【0055】
経路F2は、錠剤ケース63に面した開口14、15と、柔軟剤ケース61に面した複数の開口16とを形成する。給水弁10bが開放されて経路F2と連通すると、水は開口14、15を通じて錠剤ケース63に流入する(矢印B参照)。一方で、開口14、15を超えた水は、その後、開口16を通じて柔軟剤ケース61に流入する。
【0056】
図10は洗濯剤供給ユニット5の断面図である。
図10に示すように、錠剤ケース63の上部には、開口14から下方に延びる給水ノズル12と、開口15から下方に延びる給水ノズル13とが設けられている。給水ノズル12、13は、前後方向Lに並んで収容空間K10の上方に設けられている。給水ノズル12、13は円筒状の部材であって、開口14、15に流入した水は、給水ノズル12、13を通じて錠剤ケース63の内部に吐出される。
【0057】
図11は、前後方向Lから見た錠剤ケース63の模式断面図である。
図11に示すように、水は給水ノズル12から斜め下方に、錠剤ケース63の側壁80に向かって吐出される(矢印W1)。また、水は給水ノズル13から逆向きの斜め下方に、反対側の柔軟剤ケース61の外側壁に向かって吐出される(矢印W2)。
【0058】
水は、側壁80における点P1及び柔軟剤ケース61の外側壁89における点P2に当たって、壁面に沿って下方に流れる。点P1、P2は錠剤Jの頂点の上方であって、収容空間K10の上方におけるメッシュ82上に位置する。衝突後、水が壁面に沿って下方に流れると、錠剤Jの側面に当たり、錠剤Jに吸収される。水が一度側壁80に衝突してから間接的に錠剤Jの側面に当たるため、給水ノズル12、13から直接錠剤Jに当たる場合と比較して、水の勢い及び流速を小さくできる。
【0059】
[動作]
続いて、
図12Aから
図15を参照して、除菌コースを実行する際の洗濯機1の動作について説明する。
図12Aから
図12Gは、除菌コースまたはその一部のシーケンス図である。
図13は、除菌コースにおける水位変化を示す図である。
図14は、除菌コースにおける給水弁10a、10b及び排水弁9の動作を示す図である。
図15は、洗濯槽4の水位を示す図である。
【0060】
除菌コースとは、衣類やタオルに付着した菌を除去するために行われる洗濯コースを意味する。1回の除菌コースにおいて、1つの錠剤Jが使用される。除菌コースの終了後には、錠剤Jは、投入前と同じ形状において、錠剤ケース63に残っていないことが想定される。そのため、ユーザは次の除菌コースの前に新たな錠剤Jを錠剤ケース63に投入する。
【0061】
図12Aに示すように、除菌コースでは、制御部Cは、順に洗い工程と、第1すすぎ工程と、第2すすぎ工程と、脱水工程とを実行する。洗い工程では洗剤が洗濯槽4に供給され、すすぎ工程では他の液剤や錠剤等が洗濯槽4に供給される。実施の形態において、錠剤Jは第1すすぎ工程、即ち最終すすぎ工程の1つ前の工程で洗濯槽4に供給される。柔軟剤も供給する場合には、柔軟剤は第2すすぎ工程、即ち最終すすぎ工程で洗濯槽4に供給される。
【0062】
まず、事前準備として、ユーザは、手動投入ユニット6に1回の除菌コースのための洗剤及び1つの錠剤Jを投入する。洗剤は投入口65aを通じて洗剤ケース60に投入される。錠剤Jは縦置きの姿勢で投入口63aに投入される。柔軟剤を使用する場合、ユーザは、自動投入ユニット7のタンク71に柔軟剤が収容されていることを確認し、残量が少ない場合にはタンク71に柔軟剤を補充する。
【0063】
洗剤も自動投入ユニット7によって自動投入されてもよい。洗剤を自動投入する場合、ユーザは、自動投入ユニット7のタンク70に洗剤が収容されていることを確認し、残量が少ない場合にはタンク70に洗剤を補充する。
【0064】
<洗い工程>
まず、
図12B、
図13及び
図14に示すように、制御部Cは、洗い工程の給水量Q1を決定する(S10)。具体的には、制御部Cは、重量センサ26で検知された洗濯槽4内の洗濯物の重量を取得し、重量に応じて、給水量Q1を決定する。
【0065】
続いて、制御部Cは、給水弁10aを開放して経路F1に所定量の水を給水する(S11)。水は経路F1を通じて、洗剤ケース60に流入し、洗剤ケース60に収容されている洗剤とともに洗濯槽4に供給される。
【0066】
続いて、制御部Cは、洗濯槽4の水位が給水量Q1に応じた洗い水位Y1より大きいか否かを判定する(S12)。具体的には、制御部Cは、水位センサ25で検知された水位を取得し、水位と洗い水位Y1とを比較して判定する。
【0067】
洗濯槽4の水位が洗い水位Y1より小さい場合(S12でNo)、ステップS11に戻る。
【0068】
洗濯槽4の水位が洗い水位Y1より大きい場合(S12でYes)、制御部Cは給水弁10aを閉止する(S13)。
【0069】
制御部Cは、ステップS12を実行する代わりに、給水量Q1に応じた給水時間T1を決定し、給水弁10aを開放して給水時間T1が経過するまで給水を継続してもよい。
【0070】
続いて、制御部Cは、洗濯槽4の撹拌機構8を作動させて洗濯物の洗い撹拌を実行する(S14)。具体的には、制御部Cは、撹拌機構8に反転動作を実行させて洗い撹拌を実行する。洗い撹拌は、所定時間にわたって継続される。洗い撹拌は、所定の反転回数を達成するまで継続されてもよい。したがって、洗い工程において、給水及び撹拌を行うことで洗剤を洗濯槽4に供給して洗濯物を洗浄できる。
【0071】
洗い撹拌において、給水弁10aを開放して追加の給水を行ってもよい。
【0072】
<第1すすぎ工程:準備>
続いて、
図12C、
図13及び
図14に示すように、制御部Cは、第1すすぎ工程の準備(S15~S17)を実行する。
【0073】
まず、制御部Cは、排水弁9を開放して所定量の水及び洗剤を排水する(S15)。
【0074】
続いて、制御部Cは、洗濯槽4の水位が最低水位Y0より小さいか否かを判定する(S16)。具体的には、制御部Cは、水位センサ25で検知された水位を取得し、水位と最低水位Y0とを比較して判定する。
図15に示すように、最低水位Y0とは、洗濯槽4の最高水位の10%以下の水位である。また、洗濯槽4に水が収容されていない状態における水位を最低水位Y0としてもよい。
【0075】
洗濯槽4の水位が最低水位Y0より大きい場合(S16でNo)、ステップS15に戻る。
【0076】
洗濯槽4の水位が最低水位Y0より小さい場合(S16でYes)、制御部Cは排水弁9を閉止する(S17)。ここで、制御部Cは中間脱水も実行してもよい。
【0077】
<第1すすぎ工程:洗剤すすぎステップ>
続いて、
図12D、
図13及び
図14に示すように、制御部Cは、第1すすぎ工程の洗剤すすぎステップ(S20~S27)を実行する。洗剤すすぎステップは、洗い工程において洗濯槽4に投入された洗剤を洗濯物からすすぐために実行される。
【0078】
まず、制御部Cは給水弁10aを開放して経路F1に所定量の水を給水する(S20)。水は経路F1を通じて、洗剤ケース60を経由して洗濯槽4に供給される。事前準備で洗剤ケース60に投入された洗剤は洗い工程で使用されるため、ステップS20において、水は空の洗剤ケース60を経由して洗濯槽4に供給される。
【0079】
続いて、制御部Cは、洗濯槽4の洗剤すすぎ水位Y2より大きいか否かを判定する(S21)。具体的には、制御部Cは、水位センサ25で検知された水位を取得し、水位と洗剤すすぎ水位Y2とを比較して判定する。
図15に示すように、洗剤すすぎ水位Y2は、洗濯物が水に浸るために必要であると想定される水位である。制御部Cは、重量センサ26で検知された洗濯槽4内の洗濯物の重量を取得し、重量に応じて、洗剤すすぎ水位Y2を決定してもよい。例えば、洗剤すすぎ水位Y2は、制御部Cが取得した洗濯物の重量に応じて、浴比が10L/kgとなる水位である。
【0080】
洗濯槽4の水位が洗剤すすぎ水位Y2より小さい場合(S21でNo)、ステップS20に戻る。
【0081】
洗濯槽4の水位が洗剤すすぎ水位Y2より大きい場合(S21でYes)、制御部Cは給水弁10aを閉止する(S22)。したがって、洗濯槽4には洗剤すすぎ水位Y2以上の水が収容されている。
【0082】
続いて、制御部Cは、給水弁10bを開放して経路F2に少量の給水量を給水する(以降、予備給水ステップS23)。このような動作によって錠剤Jが湿潤されて溶けやすくなる。水は経路F2を通じて錠剤ケース63に流入し、
図11に示すように錠剤Jに間接的に当たる。少量の給水量とは、錠剤Jの表面を湿潤させる一方、錠剤Jを溶かして錠剤ケース63から流出させるには足りない給水量を意味する。
【0083】
ここで、予備給水ステップS23における給水量は、後続の本給水ステップの給水量より少ない。予備給水ステップS23において、給水弁10bから供給される少量の給水量は、400mL以上2500mL以下の給水であってもよく、望ましくは、400mL以上1250mL以下の給水である。給水弁10bによって供給される水の流量は5L/分以上15L/分以下であってもよい。給水弁10bから給水される水の内の約15%が錠剤ケース63に配分され、例えば、50mL以上200mL以下の水が錠剤ケース63に流入する。例えば、12L/分で、5秒間給水して、給水弁10bから1000mLの水が給水されると、140mLの水が錠剤ケース63に流入する。給水時間は10秒未満であってもよく、望ましくは、略5秒であってもよい。
【0084】
洗濯槽4の水位が洗剤すすぎ水位Y2より大きい状態で予備給水ステップS23を行うことによって、錠剤Jが溶解して洗濯槽4に流入した場合においても、錠剤Jが洗濯物に付着することを抑制できる。そのため、洗濯物の色落ちを抑制できる。
【0085】
続いて、制御部Cは、給水弁10bを閉止して待機時間を開始する(S24)。待機時間は、給水弁10bから経路F2への給水は停止している時間である。例えば、待機時間は、20秒以上である。一方で、待機時間において、給水弁10aからの給水、排水、撹拌等の他の操作を実行する。
【0086】
待機時間を設けることで、予備給水ステップS23において湿潤された錠剤Jが発泡する時間を確保できる。また、予備給水された水が、錠剤Jの表面からさらに内部に浸透する時間を確保できる。発泡した錠剤Jまたは水が内部に浸透した錠剤Jは、水に溶けやすくなっている。溶けやすい錠剤Jに対して本給水ステップを行うことで、予備給水ステップS23を行わずに本給水ステップを行う場合と比較して、錠剤Jを容易に溶かし切ることができる。
【0087】
続いて、制御部Cは、排水弁9を開放して所定量の水及び洗剤を排水する(S25)。
【0088】
続いて、制御部Cは、洗濯槽4の水位が最低水位Y0より小さいか否かを判定する(S26)。具体的には、制御部Cは、水位センサ25で検知された水位を取得し、水位と最低水位Y0とを比較して判定する。
【0089】
洗濯槽4の水位が最低水位Y0より大きい場合(S26でNo)、ステップS25に戻る。
【0090】
洗濯槽4の水位が最低水位Y0より小さい場合(S26でYes)、制御部Cは排水弁9を閉止して(S27)、洗剤すすぎステップを終了する。したがって、洗剤すすぎステップにおいて、洗剤を洗濯物からより確実にすすぎ落とすとともに、錠剤Jを湿潤させて溶けやすくすることができる。
【0091】
<第1すすぎ工程:除菌ステップ>
続いて、
図12E、
図13及び
図14に示すように、制御部Cは、第1すすぎ工程の除菌ステップ(S30~S42)を実行する。除菌ステップは、錠剤ケース63に投入された錠剤Jを洗濯槽4に供給し、洗濯物を除菌するために実行される。
【0092】
まず、制御部Cは給水弁10aを開放して経路F1に所定量の水を給水する(S30)。水は経路F1を通じて、空の洗剤ケース60を経由して洗濯槽4に供給される。
【0093】
続いて、制御部Cは、洗濯槽4の除菌前水位Y3より大きいか否かを判定する(S31)。具体的には、制御部Cは、水位センサ25で検知された水位を取得し、水位と除菌前水位Y3とを比較して判定する。除菌前水位Y3は、洗濯物が水に浸るために必要であると想定される水位以上である。除菌前水位Y3は、制御部Cが取得した洗濯物の重量に応じて、浴比が10L/kg以上となる水位である。実施の形態において、除菌前水位Y3は、洗い水位Y1及び洗剤すすぎ水位Y2より高い。なお、除菌前水位Y3は、洗い水位Y1または洗剤すすぎ水位Y2と等しくてもよい。
【0094】
洗濯槽4の水位が除菌前水位Y3より小さい場合(S31でNo)、ステップS30に戻る。
【0095】
洗濯槽4の水位が除菌前水位Y3より大きい場合(S31でYes)、制御部Cは給水弁10aを閉止する(S32)。
【0096】
続いて、制御部Cは、待機時間が経過したか否かを判定する(S33)。
【0097】
待機時間が経過していない場合(S33でNo)、所定時間、例えば5秒経過後に再度ステップS33を実行する。
【0098】
待機時間が経過した場合(S33でYes)、制御部Cは本給水ステップS34を実行する。本給水ステップS34では、制御部Cは、給水弁10aを閉じた状態で、給水弁10bを開放して経路F2に給水する。水は経路F2を通じて錠剤ケース63に流入し、
図11に示すように錠剤Jに間接的に当たる。予備給水ステップS23より給水量が多いため、錠剤Jは溶解される。溶けた錠剤Jは、水とともにメッシュ82を通じて洗濯槽4に供給される。
【0099】
本給水ステップS34における給水量は、30Lの給水であってもよく、120秒以上の給水であってもよく、例えば、予備給水ステップS23における給水量の30倍である。実施の形態では、給水弁10bの開放によって供給される水の流量は、給水弁10aの開放によって供給される水の流量よりも小さい。このような構成によって、予め決められた給水量に対しての給水時間を長くすることができる。そのため、錠剤Jに水が当たる時間を長くして、錠剤Jを容易に溶かすことができる。なお、給水弁10bの開放によって供給される水の流量は、給水弁10aの開放によって供給される水の流量より大きくてもよい。
【0100】
本給水ステップS34において、制御部Cは、洗濯槽4の撹拌機構8を作動させて洗濯物の本給水撹拌をさらに実行する。具体的には、制御部Cは、撹拌機構8に反転動作を実行させて本給水撹拌を実行する。制御部Cは、本給水ステップS34の終了後においても、所定時間にわたって本給水撹拌を継続する。このような動作によって、錠剤Jが洗濯物に均一に作用し、広範囲にわたって除菌効果を及ぼすことができる。
【0101】
続いて、制御部Cは、洗濯槽4の除菌中水位Y4より大きいか否かを判定する(S35)。具体的には、制御部Cは、水位センサ25で検知された水位を取得し、水位と除菌中水位Y4とを比較して判定する。
図15に示すように、除菌中水位Y4は、洗い水位Y1、洗剤すすぎ水位Y2、及び除菌前水位Y3より高い。このような動作によって、錠剤Jの溶解物は洗濯槽4に供給される水中に浮遊し、錠剤Jの溶解物が洗濯物に付着することを抑制できる。錠剤Jの溶解物が洗濯物に長時間付着することを抑制することで、洗濯物の傷みや色落ちを抑制することができる。また、洗濯槽4において、錠剤Jの溶解物に対する水の量を増加させることで、錠剤Jが溶けやすくなる。
【0102】
洗濯槽4の水位が除菌中水位Y4より小さい場合(S35でNo)、制御部Cは、給水弁10bを通じて少量の追加給水を行って、再度ステップS35を実行する。少量の追加給水とは、例えば、0.3Lの給水である。
【0103】
洗濯槽4の水位が除菌中水位Y4より大きい場合(S35でYes)、制御部Cは給水弁10bを閉止する(S36)。
【0104】
続いて、制御部Cは、給水条件が、錠剤Jが溶けにくい条件であるか否かを判定し、錠剤Jが溶けにくい条件である場合に、本給水ステップS34後に追加の工程(S37~S42)を実行する。錠剤Jが溶けにくい条件として、給水流量が大きい場合、給水水温が低い場合が挙げられる。
【0105】
そこで、まず、制御部Cは、給水弁10bを通じて供給される水の流量を決定する(S37)。具体的には、制御部Cは、水位センサ25が検知する水位の増加を、水位の増加にかかった時間で除算して給水流量を算出する。
【0106】
続いて、制御部Cは、算出された給水流量が所定流量より大きいか否かを判定する(S38)。
【0107】
給水流量が所定流量より大きい場合(S38でYes)、制御部Cは、錠剤ケース63への追加給水を実行する(S39)。具体的には、制御部Cは、排水弁9を開放して少量の水を排水した後、排水弁9を閉じて、給水弁10bを開放して少量の水を錠剤ケース63に給水する。少量の追加給水とは、例えば、5Lの給水である。このような動作によって、洗濯槽4の水位が過剰に上昇することを抑制しつつ、錠剤ケース63における錠剤Jの溶け残りを抑制できる。
【0108】
給水流量が所定流量より小さい場合(S38でNo)、ステップS40に進む。
【0109】
続いて、制御部Cは、洗濯機1に供給される水の水温を決定する(S40)。具体的には、制御部Cは、水温センサ27が検知する給水水温を取得する。
【0110】
続いて、制御部Cは、給水水温が所定水温より低いか否かを判定する(S41)。所定水温は例えば10°Cである。
【0111】
給水水温が10°Cより低い場合(S41でYes)、制御部Cは、ヒータ28を作動させた状態で、洗濯槽4の撹拌機構8を作動させて洗濯物の追加撹拌を実行する(S42)。具体的には、ヒータ28が加熱を実行している状態で、制御部Cは、撹拌機構8に反転動作を実行させて追加撹拌を実行する。
【0112】
また、給水水温が10°Cより低い場合(S41でYes)かつ給水流量が所定流量より小さい場合(S38でNo)、制御部Cは、錠剤ケース63への追加給水(S39)を実行してもよい。
【0113】
給水水温が10°Cより高い場合(S41でNo)、制御部Cは、除菌ステップを終了する。したがって、除菌ステップにおいて、給水を行うことで錠剤Jを溶かして洗濯槽4に供給し、洗濯槽4内で溶け切っていない錠剤Jが洗濯物に付着することを抑制しつつ、洗濯物を除菌することができる。
【0114】
<第1すすぎ工程:錠剤すすぎステップ>
続いて、
図12F、
図13及び
図14に示すように、制御部Cは、第1すすぎ工程の錠剤すすぎステップ(S50~S53)を実行する。錠剤すすぎステップは、除菌ステップにおいて洗濯槽4に投入された錠剤Jをすすぐために実行される。
【0115】
制御部Cは、排水弁9を開放して所定量の水及び錠剤Jの溶解物を排水する(S50)。
【0116】
続いて、制御部Cは、洗濯槽4の水位が錠剤すすぎ水位Y5より小さいか否かを判定する(S51)。錠剤すすぎ水位Y5は最低水位Y0より高い。
【0117】
洗濯槽4の水位が錠剤すすぎ水位Y5より大きい場合(S51でNo)、ステップS50に戻る。
【0118】
洗濯槽4の水位が錠剤すすぎ水位Y5より小さい場合(S51でYes)、制御部Cは排水弁9を閉止する(S52)。この状態において、洗濯槽4には最低水位Y0以上の一定の水が保持されていることが想定される。
【0119】
続いて、制御部Cは、給水弁10bを開放して経路F2に所定量の水を給水して、給水弁10bを閉止する(S53)。水が洗濯槽4に供給されるため、衣類等の洗濯物に残っている錠剤Jの成分をすすぐことができる。また、水が経路F2を通じて供給されるため、水は錠剤ケース63に流入し、溶け残っている錠剤Jをさらに洗い出すことができる。
【0120】
<第2すすぎ工程>
続いて、
図12G、
図13及び
図14に示すように、第2すすぎ工程において、制御部Cは、排水弁9を開放して所定量の水を排水する(S54)。ここで、制御部Cは中間脱水も実行してもよい。
【0121】
続いて、制御部Cは、洗濯槽4の水位が最低水位Y0より小さいか否かを判定する(S55)。
【0122】
洗濯槽4の水位が最低水位Y0より大きい場合(S55でNo)、ステップS54に戻る。
【0123】
洗濯槽4の水位が最低水位Y0より小さい場合(S55でYes)、制御部Cは排水弁9を閉止して(S56)、錠剤すすぎステップを終了する。したがって、錠剤すすぎステップにおいて、錠剤Jを洗濯物からより確実にすすぎ落として、錠剤Jを含む水を洗濯槽4から排出できる。
【0124】
続いて、制御部Cは、間欠的に給水弁10bを複数回開放して経路F2に給水する(S60)。具体的には、制御部Cは、一定期間にわたって、一定の間隔で給水弁10bの開閉を繰り返して経路F2に給水する。このような動作によって、水は断続的に経路F2を通じて錠剤ケース63に流入し、流入する水の流量の変動によって錠剤ケース63の洗浄を促進することができる。
【0125】
並行して、制御部Cは柔軟剤の供給を実行する。柔軟剤の供給は、手動投入ユニット6ではなく、自動投入ユニット7によって行われる。手動投入の柔軟剤ケース61は錠剤ケース63と経路F2を共用するため、手動投入ユニット6によって柔軟剤を供給しようとすると、柔軟剤と錠剤とを分けて供給することが難しく、柔軟剤と錠剤Jとが混ざる恐れがある。柔軟剤と錠剤Jとが混ざると、錠剤が理想の効果を発揮しにくくなる。一方で、柔軟剤と錠剤Jとの出し分けができると、錠剤Jを第1すすぎ工程で洗濯槽4に供給し、柔軟剤を最終すすぎ工程(即ち、第2すすぎ工程)で洗濯槽4に供給できる。第1すすぎ工程で錠剤Jを供給した後に第2すすぎ工程で洗濯物をすすぐことができるため、洗濯物に対する錠剤Jの付着をより一層抑制できる。柔軟剤を洗濯槽4に供給した直後に脱水工程に進むことができるため、供給後にすすぎ工程を設けた場合と比較して、洗濯物に付着した成分や香りが維持される。そのため、制御部Cは、自動投入ユニット7を作動させることによって柔軟剤の供給を行う。
【0126】
続いて、制御部Cは、洗濯槽4の水位が最終すすぎ水位Y6より大きいか否かを判定する(S61)。最終すすぎ水位Y6は除菌中水位Y4より低い。
【0127】
洗濯槽4の水位が最終すすぎ水位Y6より小さい場合(S61でNo)、制御部Cは給水弁10bを通じて少量の追加給水を行って、再度ステップS61を実行する。
【0128】
洗濯槽4の水位が錠剤すすぎ水位Y5より大きい場合(S61でYes)、制御部Cは給水弁10bを閉止する(S62)。
【0129】
続いて、制御部Cは、洗濯槽4の撹拌機構8を作動させて洗濯物の撹拌を実行する(S63)。
【0130】
<脱水工程>
続いて、脱水工程において、洗濯槽4の水を排水して、洗濯物の脱水を行う(S70)。その後、制御部Cは除菌コースを終了する。
【0131】
[まとめ]
上記の説明をまとめて、本開示の特徴を述べる。
【0132】
実施の形態に係る洗濯機1は、除菌用錠剤Jを手動投入するための錠剤ケース63と、液剤を手動投入するための洗剤ケース60及び柔軟剤ケース61を有する。
【0133】
錠剤Jは除菌用の固形処理剤であるため、洗濯槽4において他の洗濯剤と混ざると、相互の化学的作用によって錠剤Jの除菌性能が低下するおそれがある。したがって、錠剤Jと他の洗濯剤との供給のタイミングを異ならせることが好ましい。本開示において、洗剤を洗い工程で、錠剤Jを第1すすぎ工程で、柔軟剤を第2すすぎ工程で洗濯槽4に供給することで、それぞれの洗濯剤が混ざって互いに悪影響を及ぼすことを抑制できる。
【0134】
さらに、第1すすぎ工程で錠剤Jを供給した後に、錠剤すすぎ工程及び第2すすぎ工程を実行することで、錠剤Jが洗濯物に長時間付着することを抑制できる。そのため、錠剤Jの化学的作用によって、洗濯物が傷む、または洗濯物の色落ちが生じることを抑制できる。
【0135】
[効果]
実施の形態に係る洗濯機1によれば、以下の効果を奏することができる。
【0136】
上述したように、本実施の形態の洗濯機1は、水溶性を有する1回使い切りの錠剤J(固形剤)を投入可能に構成される。洗濯機1は、洗濯槽4と、洗剤ケース60と、錠剤ケース63(固形剤ケース)と、給水弁10a(第1給水弁)と、給水弁10b(第2給水弁)と、制御部Cとを備える。洗濯槽4は筐体2内に回転可能に設けられている。洗剤ケース60は、洗濯槽4に供給される洗剤を収容する。錠剤ケース63は、洗濯槽4に供給される錠剤Jを収容する。給水弁10aは、洗剤ケース60に給水する。給水弁10bは、錠剤ケース63に給水する。制御部Cは、給水弁10aと給水弁10bとを制御する。制御部Cは、洗い工程において、給水弁10aを開放し、給水弁10bを閉止し、洗い工程の後のすすぎ工程において、給水弁10bを開放して錠剤Jに対して給水を行う本給水ステップS34を実行する。
【0137】
このような構成によって、洗剤ケース60への給水と、錠剤ケース63への給水を異なる工程において実行できる。そのため、洗剤と錠剤Jの溶解物とは、異なるタイミングにおいて洗濯槽4に供給される。したがって、洗剤と錠剤Jとが混ざることを抑制して錠剤Jの効果を高めることができる。
【0138】
また、本実施の形態の洗濯機1において、すすぎ工程は、少なくとも第1すすぎ工程と、第1すすぎ工程の後に実行される第2すすぎ工程とを含み、制御部Cは、第1すすぎ工程において、給水弁10bを開放する。
【0139】
このような構成によって、錠剤Jは、第1すすぎ工程において洗濯槽4に供給される。その後に第2すすぎ工程を実行することで、第2すすぎ工程で洗濯物に残留する錠剤成分をすすぐことができる。錠剤成分をより確実にすすぐことで、洗濯物の脱色を抑制できる。
【0140】
また、本実施の形態の洗濯機1において、制御部Cは、給水弁10bを開放する前に、給水弁10aを開放して洗濯槽4に除菌前水位Y3(所定量)以上の給水を実行する。
【0141】
このような構成によって、洗濯槽4に除菌前水位Y3の水を溜めた状態で錠剤Jを供給することができる。そのため、洗濯槽4における錠剤Jの濃度を適切な範囲内に抑えることができて、錠剤成分が洗濯物に直接接触して洗濯物の脱色が生じることを抑制できる。
【0142】
また、本実施の形態の洗濯機1において、所定量は、洗濯槽4の水位が、洗濯槽4に収容された洗濯物が水没する水位、浴比が10L/kg以上となる水位、または、洗い工程と同水位(洗い水位Y1)となる量である。
【0143】
このような構成によって、錠剤成分が洗濯物に直接接触して洗濯物の脱色が生じることを抑制できる。
【0144】
また、本実施の形態の洗濯機1は、洗濯槽4に収容された洗濯物を撹拌させる撹拌機構8を有し、制御部Cは、撹拌機構8を駆動して本給水撹拌(第1撹拌)を実行している状態で、給水弁10bを開放する。
【0145】
このような構成によって、破片を含む錠剤Jの溶解物が洗濯物上に長時間留まらせることなく、洗濯槽4の全体に拡散し、希釈させることができるので、洗濯物の脱色が生じることを抑制できる。
【0146】
また、本実施の形態の洗濯機1は、洗濯槽4の水を排水する排水弁9をさらに有する。制御部Cは、第1すすぎ工程(本給水ステップを含むすすぎ工程)における洗濯槽4の除菌中水位Y4(最高水位)が、洗い工程における洗濯槽4の洗い水位Y1(最高水位)より大きくなるように給水弁10a、10b及び排水弁9を開放する。
【0147】
このような構成によって、全体の給水量を抑えつつ、錠剤Jが供給される第1すすぎ工程において、洗濯槽4により多くの水を供給できる。そのため、水中での洗濯物同士の間の空間を大きく確保し、錠剤Jの付着を抑制できる。また、錠剤Jの成分の濃度を希釈することができるので、退色を抑制できる。
【0148】
また、本実施の形態の洗濯機1は、洗濯槽4の水を排水する排水弁9をさらに有する。制御部Cは、第1すすぎ工程における洗濯槽の除菌中水位Y4が、第2すすぎ工程における洗濯槽4の最終すすぎ水位Y6(最高水位)より大きくなるように給水弁10a、10b及び排水弁9を開放する。
【0149】
このような構成によって、全体の給水量を抑えつつ、錠剤Jが供給される第1すすぎ工程において、洗濯槽4により多くの水が供給できる。そのため、水中での洗濯物同士の間の空間を大きく確保し、錠剤Jの付着を抑制できる。また、錠剤Jの成分の濃度を希釈することができるので、退色を抑制できる。
【0150】
また、本実施の形態の洗濯機1は、洗濯槽4に柔軟剤を供給する自動投入ユニット7(柔軟剤供給機構)を有する。制御部Cは、第2すすぎ工程において、自動投入ユニット7を駆動して洗濯槽4に柔軟剤を供給する。
【0151】
このような構成によって、錠剤Jと柔軟剤とを分けて洗濯槽4に投入することができる。そのため、錠剤Jと柔軟剤とが混ざることを抑制して、洗濯物に対する柔軟剤の効果を高めることができる。
【0152】
また、本実施の形態の洗濯機1において、洗濯槽4に供給された水の水温を検知する水温センサ27(水温検知部)を有する。制御部Cは、第1すすぎ工程(本給水ステップを含むすすぎ工程)において、水温センサ27が検知した水温に応じて、撹拌機構8を駆動して追加撹拌(第2撹拌)を更に実行する。
【0153】
このような構成によって、水温が低く錠剤Jが溶けにくい条件であっても、追加撹拌を行うことで、洗濯槽4に供給される錠剤Jの微粒子を溶解することができる。
【0154】
また、本実施の形態の洗濯機1において、洗濯槽4に供給された水の水温を検知する水温センサ27と、洗濯槽4に供給された水を加熱するヒータ28とを有する。制御部Cは、第1すすぎ工程(本給水ステップを含むすすぎ工程)において、水温センサ27が検知した水温に応じて、ヒータ28による加熱を実行する。
【0155】
このような構成によって、水温が低く錠剤Jが溶けにくい条件であっても、加熱を行うことで、洗濯槽4に供給される錠剤Jの微粒子を溶解することができる。
【0156】
また、本実施の形態の洗濯機1は、洗濯槽に供給された水の水温を検知する水温センサ27を有する。制御部Cは、第1すすぎ工程(本給水ステップを含むすすぎ工程)において、水温センサ27が検知した水温に応じて、給水弁10bを開放して追加で給水を実行する(S39)。
【0157】
このような構成によって、水温が低く錠剤Jが溶けにくい条件であっても、追加給水を実行して錠剤ケース63への給水量を増やすことで、錠剤Jを溶かし切って錠剤ケース63における錠剤Jの溶け残りを抑制できる。したがって、洗濯運転終了後に、錠剤Jの破片が錠剤ケース63に残存することを抑制できる。
【0158】
また、本実施の形態の洗濯機1は、洗濯槽4に供給される水の流量を検知する水位センサ25(流量検知部)を有する。制御部Cは、第1すすぎ工程(本給水ステップを含むすすぎ工程)において、水位センサ25が検知した水位に基づいて算出された流量に応じて、給水弁10bを開放して追加で給水を実行する(S39)。
【0159】
このような構成によって、流量が高く錠剤Jが溶けにくい条件であっても、追加給水を実行して錠剤ケース63への給水量を増やすことで、錠剤Jを溶かし切って錠剤ケース63における錠剤Jの溶け残りを抑制できる。したがって、洗濯運転終了後に、錠剤Jの破片が錠剤ケース63に残存することを抑制できる。
【0160】
また、本実施の形態の洗濯機1において、制御部Cは、第2すすぎ工程において、給水弁10bを間欠的に複数回開放する(S60)。
【0161】
このような構成によって、錠剤ケース63へ繰り返し給水を行うことで、錠剤ケース63への給水量を抑えつつ錠剤Jを溶かし切り、錠剤ケース63における錠剤Jの溶け残りを抑制できる。したがって、洗濯運転終了後に、錠剤Jの破片が錠剤ケース63に残存することを抑制できる。
【0162】
また、本実施の形態の洗濯機1において、第1すすぎ工程(本給水ステップを含むすすぎ工程)は、予備給水ステップS23と、待機ステップS24と、本給水ステップS34とを含む。予備給水ステップS23では、錠剤Jに対して給水弁10bによって給水を行う。待機ステップS24では、予備給水ステップS23の後、給水弁10bによる給水を停止させる。本給水ステップS34では、待機ステップS24の後、予備給水ステップS23を行った錠剤Jに対して給水を行う。予備給水ステップS23の給水量が本給水ステップS34の給水量より少ない。
【0163】
このような構成によって、錠剤Jを溶かすための本給水ステップS34の前において、錠剤Jは予備給水ステップS23において湿潤され、待機時間において発泡し、溶けやすくなっている。そのため、本給水ステップS34によって、錠剤Jを溶かし切ることが容易になる。したがって、本給水ステップS34後の錠剤ケース63において、溶け切っていない錠剤Jが残留することを抑制できる。
【0164】
本実施の形態の洗濯機1において、予備給水ステップS23は、洗濯槽4の水位が洗剤すすぎ水位Y2(所定水位)以上の状態で実行される。
【0165】
このような構成によって、予備給水ステップS23において、錠剤Jが溶解して洗濯槽4に流入した場合においても、錠剤Jの破片は水中に浮遊し、破片が洗濯物に付着することを抑制できる。そのため、洗濯物の色落ちを抑制できる。
【0166】
また、本実施の形態の洗濯機1は、洗濯槽4の水を排水する排水弁9をさらに有する。
第1すすぎ工程(本給水ステップを含むすすぎ工程)は、洗剤すすぎステップ(S20~S27)と、予備給水ステップS23と、待機ステップS24と、本給水ステップS34とを含む。洗剤すすぎステップ(S20~S27)では、本給水ステップS34の前に実行される。予備給水ステップS23では、錠剤Jに対して給水弁10bによって給水を行う。待機ステップS24では、予備給水ステップS23の後、給水弁10bによる給水を停止させる。本給水ステップS34では、待機ステップS24の後、予備給水ステップS23を行った錠剤Jに対して給水を行う。制御部Cは、洗剤すすぎステップにおいて、給水弁10aを開放して給水(S20)を実行した後、排水弁9を開放して排水(S25)を実行する。
【0167】
このような構成によって、洗い工程後、錠剤Jを洗濯槽4に供給する前、即ち本給水ステップS30の前に、洗剤を洗濯槽4内から排出することができる。したがって、洗剤と錠剤Jとが混ざることを抑制して錠剤Jの効果を高めることができる。
【0168】
また、本実施の形態の洗濯機1は、洗濯槽4の水を排水する排水弁9をさらに有する。第1すすぎ工程(本給水ステップを含むすすぎ工程)は、予備給水ステップS23と、待機ステップS24と、本給水ステップS34と、錠剤すすぎステップ(S50~S53)とを含む。予備給水ステップS23では、錠剤Jに対して給水弁10bによって給水を行う。待機ステップS24では、予備給水ステップS23の後、給水弁10bによる給水を停止させる。本給水ステップS34では、待機ステップS24の後、予備給水ステップS23を行った錠剤Jに対して給水を行う。錠剤すすぎステップ(S50~S53)は、本給水ステップS34の後に実行される。制御部Cは、錠剤すすぎステップの直後の排水後の最低水位Y0(水位)が錠剤すすぎステップにおける錠剤すすぎ水位Y5(水位)より低くなるように、錠剤すすぎステップを実行した後、排水弁9を開放して排水(S54)を実行する。
【0169】
このような構成によって、本給水ステップS34後、錠剤Jを洗濯槽4内から排出することができる。また、本給水ステップS34の給水量を完全に排水し切る前に給水を開始して、錠剤すすぎステップ後に洗濯槽4内の水を出し切ることができる。そのため、給水量を抑えつつ、錠剤Jをより確実に洗濯槽4内から排出することができる。
【0170】
また、本実施の形態の洗濯方法は、水溶性を有する1回使い切りの錠剤J(固形剤)が投入された洗濯機1による洗濯方法である。洗濯機1は、洗濯槽4と、洗剤ケース60と、錠剤ケース63(固形剤ケース)と、給水弁10a(第1給水弁)と、給水弁10b(第2給水弁)とを備える。洗濯槽4は筐体2内に回転可能に設けられている。洗剤ケース60は、洗濯槽4に供給される洗剤を収容する。錠剤ケース63は、洗濯槽4に供給される錠剤Jを収容する。給水弁10aは、洗剤ケース60に給水する。給水弁10bは、錠剤ケース63に給水する。洗濯方法は、洗い工程において、給水弁10aを開放し、給水弁10bを閉止することを含む。また、洗濯方法は、洗い工程の後のすすぎ工程において、給水弁10bを開放して錠剤Jに対して給水を行う本給水ステップS34を実行することを含む。
【0171】
このような方法によって、洗剤ケース60への給水と、錠剤ケース63への給水を異なる工程において実行できる。そのため、洗剤と錠剤Jの溶解物とは、異なるタイミングにおいて洗濯槽4に供給される。
【0172】
なお、本開示は前記実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。
【0173】
なお、洗濯機1は縦型洗濯機である例について説明したが、これに限定されない。例えば、洗濯機1はドラム型洗濯機であってもよい。
【0174】
なお、洗濯機1は乾燥機能付きの洗濯機であってもよい。この場合、洗濯機1は、洗濯槽4に乾燥用の空気を循環させる乾燥装置をさらに有する。乾燥装置の配置に応じて、手動投入ユニット56の構造を変更してもよい。
【0175】
なお、固形剤として錠剤Jを用いる例について説明したが、これに限定されない。
【0176】
なお、錠剤Jがジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを含む例について説明したが、これに限定されない。錠剤Jはジクロロイソシアヌル酸カリウム等、他のジクロロイソシアヌル酸塩を含んでもよい。また、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと異なるジクロロイソシアヌル酸塩の錠剤を投入する場合は、錠剤を柔軟剤と同タイミングで洗濯槽4に投入してもよい。
【0177】
なお、自動投入ユニット7を有する例について説明したが、これに限定されず、洗濯剤供給ユニット5は手動投入ユニット6のみを有してもよい。
【0178】
なお、洗剤ケース60には洗剤が収容される例について説明したが、これに限定されない。例えば、洗剤ケース60には漂白剤が収容されてもよい。
【0179】
なお、錠剤Jが円盤形状を有し、縦置きの姿勢において錠剤ケース63に投入される例について説明したが、これに限定されない。例えば、錠剤Jは他の形状を有してもよく、投入口63aは錠剤Jの形状に合わせて設計される。また、錠剤Jを横置きの姿勢において錠剤ケース63に投入できるように投入口63aの形状を変更してもよい。
【0180】
なお、実施の形態では、メッシュ82について説明したが、これに限定されない。メッシュ82に代わって、複数の通水孔を有する排水部または通水領域を形成するものを有してもよい。
【0181】
なお、錠剤ケース63が片側開放構造である例について説明したが、これに限定されない。例えば、錠剤ケース63は側壁80と対向する蓋を有し、蓋は錠剤ケース63に対して取り外し可能であってもよい。一方で、実施の形態の片側開放構造によれば、錠剤ケース63をより容易に製造できる。
【0182】
なお、給水ノズル12、13がストレート部を有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、給水ノズル12、13は開口14、15から傾斜して延びてもよい。
【0183】
なお、柔軟剤ケース61と錠剤ケース63との経路F2が共通である例について説明したが、これに限定されない。柔軟剤ケース61の給水経路と錠剤ケース63の給水経路とは独立で設けられてもよい。
【0184】
なお、水溶性の固形剤を溶かして洗濯槽4に供給するコースの一例として、除菌コースについて説明したが、コースはこれに限定されない。コースは、除菌のためのコースに限定されず、芳香などの各種機能性を洗濯物に付与するコースであってもよい。
【0185】
なお、除菌コースが2つのすすぎ工程を含む例について説明したが、これに限定されない。除菌コースは3つ以上のすすぎ工程を含んでもよい。第1すすぎ工程より前に1つまたは複数のすすぎ工程が設けられてもよい。代わってまたは加えて、第1すすぎ工程と第2すすぎ工程の間に1つまたは複数のすすぎ工程が設けられてもよい。さらに、第2すすぎ工程より後に1つまたは複数のすすぎ工程が設けられてもよい。この場合、本給水ステップS34は、最終すすぎ工程の直前のすすぎ工程以前のすすぎ工程において実行され、柔軟剤の供給は最終すすぎ工程において実行される。このような構成によって、最終のすすぎ工程において、洗濯物に付着した錠剤Jの破片をより確実に洗い落とし、柔軟剤成分の付着を維持することができる。
【0186】
なお、洗い工程において、給水弁10bが閉止されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、洗い工程において給水弁10bが開放されて予備給水が実行されてもよい。
【0187】
なお、除菌コースにおける所定量の給水または排水は、任意の水量を意味し、それぞれ異なる水量であってもよい。所定量の給水または排水における水量は、製造時に決定されてもよく、洗濯機1の性能、設置環境によって決定されてもよく、または、重量センサ26によって検知される洗濯物の重量によって決定されてもよい。
【0188】
なお、撹拌機構8がパルセータである例について説明したが、これに限定されない。洗濯機1は、撹拌機構8として、循環ポンプ、水槽3の回転機構等、洗濯槽4内の水を撹拌できる他の機構を有してもよい。また、撹拌機構8は、反転動作に代わって、一方向の回転を実行してもよい。洗濯機1が縦型洗濯機である場合において、撹拌機構8が反転動作をすることによって、洗濯槽4内における洗濯物の偏りを抑制できる。
【0189】
なお、洗濯機1がヒータ28を有する例について説明したが、これに限定されない。洗濯機1は、ヒータ28に代わってまたは加えて、洗濯槽4内に温風を送風する温風ユニットを有してもよい。
【0190】
なお、制御部Cが水位センサ25で測定される水位に基づいて給水流量を決定する例について説明したが、これに限定されない。例えば、洗濯機1は、水位センサ25とは別に、給水部材10に接続された流量計を有してもよい。
【0191】
なお、制御部Cが、錠剤Jが溶けにくい条件のときに加熱または追加撹拌等を実行する例について説明したが、これに限定されない。例えば、制御部Cは、水温が高い場合においても、加熱または追加撹拌等を実行してもよい。
【0192】
なお、制御部Cが、本給水ステップS34後に追加の工程(S37~S42)を実行する例について説明したが、これに限定されない。追加の工程(S37~S42)は本給水ステップS34の前に実行されてもよい。
【0193】
第1の態様における洗濯機は、水溶性を有する1回使い切りの固形剤を投入可能に構成された洗濯機であって、筐体内に回転可能に設けられた洗濯槽と、洗濯槽に供給される洗剤を収容する洗剤ケースと、洗濯槽に供給される固形剤を収容する固形剤ケースと、洗剤ケースに給水する第1給水弁と、固形剤ケースに給水する第2給水弁と、第1給水弁および第2給水弁を制御する制御部と、を備え、制御部は、洗い工程において、第1給水弁を開放し、第2給水弁を閉止し、洗い工程の後のすすぎ工程において、第2給水弁を開放して、固形剤に対して給水を行う本給水ステップを実行する。
【0194】
第2の態様における洗濯機として、第1の態様における洗濯機において、すすぎ工程は、少なくとも第1すすぎ工程と、第1すすぎ工程の後に実行される第2すすぎ工程とを含み、制御部は、第1すすぎ工程において、第2給水弁を開放する。
【0195】
第3の態様における洗濯機として、第2の態様における洗濯機において、制御部は、第2給水弁を開放する前に、第1給水弁を開放して洗濯槽に所定量以上の給水を実行する。
【0196】
第4の態様における洗濯機として、第3の態様における洗濯機において、所定量は、洗濯槽の水位が、洗濯槽に収容された洗濯物が水没する水位、浴比が10L/kg以上となる水位、または、洗い工程と同水位となる量である。
【0197】
第5の態様における洗濯機として、第1から第4の態様のいずれかにおける洗濯機において、洗濯槽に収容された洗濯物を撹拌させる撹拌機構を有し、制御部は、撹拌機構を駆動して第1撹拌を実行している状態で、第2給水弁を開放する。
【0198】
第6の態様における洗濯機として、第1から第5の態様のいずれかにおける洗濯機において、洗濯槽の水を排水する排水弁をさらに有し、制御部は、本給水ステップを含むすすぎ工程における洗濯槽の最高水位が、洗い工程における洗濯槽の最高水位より大きくなるように第1給水弁、第2給水弁及び排水弁を開放する。
【0199】
第7の態様における洗濯機として、第2の態様における洗濯機において、洗濯槽の水を排水する排水弁をさらに有し、制御部は、第1すすぎ工程における洗濯槽の最高水位が、第2すすぎ工程における洗濯槽の最高水位より大きくなるように第1給水弁、第2給水弁及び排水弁を開放する。
【0200】
第8の態様における洗濯機として、第2の態様における洗濯機において、洗濯槽に柔軟剤を供給する柔軟剤供給機構を有し、制御部は、第2すすぎ工程において、柔軟剤供給機構を駆動して洗濯槽に柔軟剤を供給する。
【0201】
第9の態様における洗濯機として、第5の態様における洗濯機において、洗濯槽に供給された水の水温を検知する水温検知部を有し、制御部は、本給水ステップを含むすすぎ工程において、水温検知部が検知した水温に応じて、撹拌機構を駆動して第2撹拌を更に実行する。
【0202】
第10の態様における洗濯機として、第1から第9の態様のいずれかにおける洗濯機において、洗濯槽に供給された水の水温を検知する水温検知部と、洗濯槽に供給された水を加熱するヒータを有し、制御部は、本給水ステップを含むすすぎ工程において、水温検知部が検知した水温に応じて、ヒータによる加熱を実行する。
【0203】
第11の態様における洗濯機として、第1から第10の態様のいずれかにおける洗濯機において、洗濯槽に供給された水の水温を検知する水温検知部を有し、制御部は、本給水ステップを含むすすぎ工程において、水温検知部が検知した水温に応じて、第2給水弁を開放して追加で給水を実行する。
【0204】
第12の態様における洗濯機として、第1から第11の態様のいずれかにおける洗濯機において、洗濯槽に供給される水の流量を検知する流量検知部を有し、制御部は、本給水ステップを含むすすぎ工程において、流量検知部が検知した流量に応じて、第2給水弁を開放して追加で給水を実行する。
【0205】
第13の態様における洗濯機として、第2の態様における洗濯機において、制御部は、第2すすぎ工程において、第2給水弁を間欠的に複数回開放する。
【0206】
第14の態様における洗濯機として、第1から第13の態様のいずれかにおける洗濯機において、本給水ステップを含むすすぎ工程は、固形剤に対して第2給水弁によって給水を行う予備給水ステップと、予備給水ステップの後、第2給水弁による給水を停止させる待機ステップと、待機ステップの後、予備給水ステップを行った固形剤に対して給水を行う本給水ステップと、を含み、予備給水ステップの給水量が本給水ステップの給水量より少ない。
【0207】
第15の態様における洗濯機として、第14の態様における洗濯機において、予備給水ステップは、洗濯槽の水位が所定水位以上の状態で実行される。
【0208】
第16の態様における洗濯機として、第1から第13の態様のいずれかにおける洗濯機において、洗濯槽の水を排水する排水弁をさらに有し、本給水ステップを含むすすぎ工程は、本給水ステップの前に実行される洗剤すすぎステップと、固形剤に対して第2給水弁によって給水を行う予備給水ステップと、予備給水ステップの後、第2給水弁による給水を停止させる待機ステップと、待機ステップの後、予備給水ステップを行った固形剤に対して給水を行う本給水ステップと、を含み、制御部は、洗剤すすぎステップにおいて、第1給水弁を開放して給水を実行した後、排水弁を開放して排水を実行する。
【0209】
第17の態様における洗濯機として、第1から第13の態様のいずれかにおける洗濯機において、洗濯槽の水を排水する排水弁をさらに有し、本給水ステップを含むすすぎ工程は、固形剤に対して第2給水弁によって給水を行う予備給水ステップと、予備給水ステップの後、第2給水弁による給水を停止させる待機ステップと、待機ステップの後、予備給水ステップを行った固形剤に対して給水を行う本給水ステップと、本給水ステップの後に実行される錠剤すすぎステップと、を含み、制御部は、錠剤すすぎステップの直後の排水後の水位が錠剤すすぎステップにおける水位より低くなるように、錠剤すすぎステップを実行した後、排水弁を開放して排水を実行する。
【0210】
第18の態様における洗濯方法は、水溶性を有する1回使い切りの固形剤が投入された洗濯機による洗濯方法であって、洗濯機は、筐体内に回転可能に設けられた洗濯槽と、洗濯槽に供給される洗剤を収容する洗剤ケースと、洗濯槽に供給される固形剤を収容する固形剤ケースと、洗剤ケースに給水する第1給水弁と、固形剤ケースに給水する第2給水弁と、を備え、洗い工程において、第1給水弁を開放し、第2給水弁を閉止することと、洗い工程の後のすすぎ工程において、第2給水弁を開放して固形剤に対して給水を行う本給水ステップを実行することと、を含む。
【0211】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0212】
本開示の洗濯機は、固形剤の投入に関する構成の機能を向上させることができるため、家庭用の洗濯機、業務用の洗濯機、あるいは任意の種類の洗濯乾燥機(例えば家庭用のドラム式洗濯機)として有用である。
【符号の説明】
【0213】
1 洗濯機
2 筐体
3 水槽
4 洗濯槽
5 洗濯剤供給ユニット
6 手動投入ユニット
7 自動投入ユニット
10 給水部材
11 流路部材
12 給水ノズル
13 給水ノズル
50 ユニットケース
60 洗剤ケース
61 柔軟剤ケース
62 粉末洗剤ケース
63 錠剤ケース
63a 投入口
65 投入口部材
66 投入口部材
80 側壁
81 周壁
82 メッシュ
88 突出部