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特開2023-156078情報処理システムおよび情報処理方法、並びに、情報処理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156078
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】情報処理システムおよび情報処理方法、並びに、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20231017BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065723
(22)【出願日】2022-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】友永 誠史
(72)【発明者】
【氏名】今村 洋
(72)【発明者】
【氏名】吉富 光祐
(72)【発明者】
【氏名】高松 孝至
(72)【発明者】
【氏名】久保田 寛之
(72)【発明者】
【氏名】内田 哲博
(72)【発明者】
【氏名】山本 こず恵
(72)【発明者】
【氏名】竹内 宏
(72)【発明者】
【氏名】河村 健
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC41
(57)【要約】
【課題】遠隔監視対象である車両の状態とオペレータの状態の両方に基づいて、車両に対して適切なオペレータを割り当てることができるようにする。
【解決手段】車両状態判定部は、遠隔監視対象である複数台の車両の状態を判定する。監視状態判定部は、複数名のオペレータの遠隔監視に関する状態を判定する。割り当て部は、車両状態判定部により判定された複数台の車両の状態と監視状態判定部により判定された複数名のオペレータの遠隔監視に関する状態とに基づいて、複数台の車両それぞれに対して、その車両を遠隔監視する1名以上のオペレータを割り当てる。本技術は、例えば、管理システム等に適用できる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔監視対象である複数台の車両の状態を判定する車両状態判定部と、
複数名のオペレータの遠隔監視に関する状態を判定する監視状態判定部と、
前記車両状態判定部により判定された前記複数台の車両の状態と前記監視状態判定部により判定された前記複数名のオペレータの遠隔監視に関する状態とに基づいて、前記複数台の車両それぞれに対して、その車両を遠隔監視する1名以上の前記オペレータを割り当てる割り当て部と
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記割り当て部は、前記複数台の車両のうちの1台の前記車両に対して複数名の前記オペレータを割り当てる
ように構成された
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記割り当て部は、前記1台の車両の各部位に対して、その部位を遠隔監視する1名以上の前記オペレータを割り当てる
ように構成された
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記割り当て部は、複数台の前記車両に対して1名の前記オペレータを割り当てる
ように構成された
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記車両状態判定部は、前記車両ごとに、前記車両の状態に基づいて前記車両の監視に要求されるオペレータの遠隔監視に関する状態の度合である要求状態度合を算出し、
前記監視状態判定部は、前記オペレータごとに、前記オペレータの遠隔監視に関する状態に基づいて前記オペレータの遠隔監視に関する状態の度合である状態度合を算出し、
前記割り当て部は、前記複数台の車両の前記要求状態度合と前記複数名のオペレータの前記状態度合に基づいて、前記複数台の車両それぞれに対して、その車両を遠隔監視する1名以上の前記オペレータを割り当てる
ように構成された
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記割り当て部は、1名の前記オペレータの前記状態度合が1台の前記車両の前記要求状態度合以上である場合、前記1台の車両に前記1名のオペレータを割り当てる
ように構成された
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記割り当て部は、1名の前記オペレータの前記状態度合が複数台の前記車両の前記要求状態度合の和以上である場合、その複数台の車両に前記1名のオペレータを割り当てる
ように構成された
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記割り当て部は、前記要求状態度合の和を求める際、n台目の前記車両の前記要求状態度合を、その要求状態度合の、1より小さい所定の値aとn-1を乗算して求められる値a(n-1)倍だけ増加させる
ように構成された
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記割り当て部は、複数名の前記オペレータの前記状態度合の和が1台の前記車両の前記要求状態度合以上である場合、その複数名のオペレータを前記1台の車両に割り当てる
ように構成された
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記割り当て部は、前記状態度合の和を求める際、n人目の前記オペレータの前記状態度合を、その状態度合の、1より小さい所定の値bとn-1を乗算して求められる値b(n-1)倍だけ減少させる
ように構成された
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記オペレータの遠隔監視に関する状態は、前記オペレータの遠隔監視に関する静的な状態である
ように構成された
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記オペレータの遠隔監視に関する静的な状態は、前記オペレータの遠隔監視に関する習熟状態である
ように構成された
請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記オペレータの遠隔監視に関する状態は、前記オペレータの遠隔監視に関する動的な状態である
ように構成された
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記オペレータの遠隔監視に関する動的な状態は、前記オペレータの覚醒状態、疲労状態、または集中状態である
ように構成された
請求項13に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記車両の状態は、前記車両の静的な状態および動的な状態のうちの少なくとも一方である
ように構成された
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記車両の静的な状態は、前記車両の特性である
ように構成された
請求項15に記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記車両の動的な状態は、前記車両の運転状態および周辺環境の状態のうちの少なくとも1つである
ように構成された
請求項15に記載の情報処理システム。
【請求項18】
情報処理システムが、
遠隔監視対象である複数台の車両の状態を判定する車両状態判定ステップと、
複数名のオペレータの遠隔監視に関する状態を判定する監視状態判定ステップと、
前記車両状態判定ステップの処理により判定された前記複数台の車両の状態と前記監視状態判定ステップの処理により判定された前記複数名のオペレータの遠隔監視に関する状態とに基づいて、前記複数台の車両それぞれに対して、その車両を遠隔監視する1名以上の前記オペレータを割り当てる割り当てステップと
を含む情報処理方法。
【請求項19】
遠隔監視対象である複数台の車両の状態と複数名のオペレータの遠隔監視に関する状態とに基づいて、前記複数台の車両それぞれに対して、その車両を遠隔監視する1名以上の前記オペレータを割り当てる割り当て部
を備える情報処理装置。
【請求項20】
前記複数台の車両の状態を判定する車両状態判定部と、
前記複数名のオペレータの遠隔監視に関する状態を判定する監視状態判定部と
をさらに備える
請求項19に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、情報処理システムおよび情報処理方法、並びに、情報処理装置に関し、特に、遠隔監視対象である車両の状態とオペレータの状態の両方に基づいて、車両に対して適切なオペレータを割り当てることができるようにした情報処理システムおよび情報処理方法、並びに、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転技術の発展に伴って車両に運転手が必要ない完全自動運転の実現が望まれている。一方で自動運転車両が実世界で遭遇する状況は多岐にわたり、全ての状況において自動運転車両の判断のみで走行を継続するのは困難である。従って、自動運転車両が走行を継続できない場合に遠隔地から運転を補佐する遠隔運転技術に注目が集まっている。
【0003】
遠隔運転には、遠隔監視作業、遠隔支援作業、遠隔操縦作業などが含まれる。遠隔監視作業とは、車両の運転状態や乗員の様子を遠隔地から監視する作業である。遠隔支援作業とは、車両が走行可否判断等に迷って走行に支障を来したときに遠隔地から一時的に運転を肩代わりしたり走行指示を行ったりする作業である。遠隔操縦作業とは、遠隔地から車両の全ての制御を行う作業である。車両に対して遠隔運転が行われる場合、その車両に対して遠隔地のオペレータ(作業者)が割り当てられ、そのオペレータが遠隔運転を行う。遠隔運転におけるオペレータの割り当て方法としては様々な方法が提案されている。
【0004】
例えば、遠隔運転手の待機時間、遠隔作業の累積時間、管理番号等に基づいて車両に遠隔運転手を割り当てることにより、複数の自動運転車両を少数の遠隔運転手で効率的に監視・制御する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
車両に対して遠隔運転の経路の開始地点から終了地点までを一貫して担当可能な遠隔運転者を割り当てられない場合に、経路情報に基づいて経路を複数区間に分割し、区間ごとに遠隔運転者を割り当てる方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
各車両の遠隔制御にかかる作業時間および優先度に基づく処理順序にしたがって、遠隔制御の作業をオペレータに割り当てる方法がある(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
遠隔操作者に情報が提示された時刻から遠隔操作者による運転操作が受け付けられた時刻までの時間であるタイムラグ、遠隔運転の習熟度や覚醒度等の遠隔操作者の情報に基づいて、車両に対して遠隔操作者を割り当てる方法がある(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第6697686号公報
【特許文献2】特開2021-15378号公報
【特許文献3】特開2019-185279号公報
【特許文献4】特許第6650386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、遠隔監視対象である車両の状態とオペレータの状態の両方に基づいて、車両に対して適切なオペレータを割り当てることは考えられていない。よって、かかる工夫を実現できる手法の提供が要望されているが、そのような要望に十分にこたえられていない状況である。
【0010】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、遠隔監視対象である車両の状態とオペレータの状態の両方に基づいて、車両に対して適切なオペレータを割り当てることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本技術の第1の側面の情報処理システムは、遠隔監視対象である複数台の車両の状態を判定する車両状態判定部と、複数名のオペレータの遠隔監視に関する状態を判定する監視状態判定部と、前記車両状態判定部により判定された前記複数台の車両の状態と前記監視状態判定部により判定された前記複数名のオペレータの遠隔監視に関する状態とに基づいて、前記複数台の車両それぞれに対して、その車両を遠隔監視する1名以上の前記オペレータを割り当てる割り当て部とを備える情報処理システムである。
【0012】
本技術の第1の側面の情報処理方法は、情報処理システムが、遠隔監視対象である複数台の車両の状態を判定する車両状態判定ステップと、複数名のオペレータの遠隔監視に関する状態を判定する監視状態判定ステップと、前記車両状態判定ステップの処理により判定された前記複数台の車両の状態と前記監視状態判定ステップの処理により判定された前記複数名のオペレータの遠隔監視に関する状態とに基づいて、前記複数台の車両それぞれに対して、その車両を遠隔監視する1名以上の前記オペレータを割り当てる割り当てステップとを含む情報処理方法である。
【0013】
本技術の第1の側面においては、遠隔監視対象である複数台の車両の状態が判定され、複数名のオペレータの遠隔監視に関する状態が判定され、前記複数台の車両の状態と前記複数名のオペレータの遠隔監視に関する状態とに基づいて、前記複数台の車両それぞれに対して、その車両を遠隔監視する1名以上の前記オペレータが割り当てられる。
【0014】
本技術の第2の側面の情報処理装置は、遠隔監視対象である複数台の車両の状態と複数名のオペレータの遠隔監視に関する状態とに基づいて、前記複数台の車両それぞれに対して、その車両を遠隔監視する1名以上の前記オペレータを割り当てる割り当て部を備える情報処理装置である。
【0015】
本技術の第2の側面においては、遠隔監視対象である複数台の車両の状態と複数名のオペレータの遠隔監視に関する状態とに基づいて、前記複数台の車両それぞれに対して、その車両を遠隔監視する1名以上の前記オペレータが割り当てられる。
【0016】
第1の側面の情報処理システムおよび第2の側面の情報処理装置は、独立した装置であっても良いし、他の装置に組み込まれるモジュールであっても良い。
【0017】
なお、第1の側面の情報処理システムおよび第2の側面の情報処理装置は、コンピュータにプログラムを実行させることにより実現することができる。
【0018】
また、第1の側面の情報処理システムおよび第2の側面の情報処理装置を実現するために、コンピュータに実行させるプログラムは、伝送媒体を介して伝送することにより、又は、記録媒体に記録して、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本技術を適用した管理システムの第1実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図2図1の車両、遠隔監視装置、および管理装置の詳細構成例を示すブロック図である。
図3】車種と要求習熟度合の基本スコアとの関係の例を示すテーブルである。
図4】道路の種類と要求習熟度合の補正係数との関係の例を示すテーブルである。
図5】走行の種類と要求習熟度合の補正係数との関係の例を示すテーブルである。
図6】天候と要求習熟度合の補正係数との関係の例を示すテーブルである。
図7】自動車運転年数と習熟度合の基本スコアとの関係の例を示すテーブルである。
図8】反応速度と習熟度合の補正係数との関係の例を示すテーブルである。
図9図2の管理装置による割り当ての第1の例を説明する図である。
図10】走行の速度と要求習熟度合の補正係数との関係の例を示すテーブルである。
図11図2の管理装置による割り当ての第2の例を説明する図である。
図12図2の管理装置による割り当て処理を説明するフローチャートである。
図13】本技術を適用した管理システムの第2実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図14図13の管理装置による割り当ての例を説明する図である。
図15図13の管理装置による割り当て処理を説明するフローチャートである。
図16】本技術を適用した管理システムの第3実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図17図16の管理装置による割り当ての第1の例を説明する図である。
図18図16の管理装置による割り当ての第2の例を説明する図である。
図19図16の管理装置による割り当て処理を説明するフローチャートである。
図20】本技術を適用した管理システムの第4実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図21図20の管理装置による割り当ての例を説明する図である。
図22図20の管理装置による割り当て処理を説明するフローチャートである。
図23】本技術を適用した管理システムの第5実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図24】コンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1実施の形態(習熟度合に基づいて1以上の車両に1名のオペレータを割り当てる管理システム)
2.第2実施の形態(習熟度合に基づいて1以上の車両の1以上の各部位に1名のオペレータを割り当てる管理システム)
3.第3実施の形態(習熟度合に基づいて1以上の車両の1以上の各部位に1名以上のオペレータを割り当てる管理システム)
4.第4実施の形態(覚醒度合に基づいて割り当てを行う管理システム)
5.第5実施の形態(状態度合に基づいて割り当てを行う管理システム)
6.コンピュータ
【0021】
<第1実施の形態>
<管理システムの構成例>
図1は、本技術を適用した情報処理システムとしての管理システムの第1実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0022】
図1の管理システム10は、L個(Lは1以上の整数)の車両11―1乃至11-Lと、M個の遠隔監視装置12-1乃至12―M(Mは1以上の整数)に接続する管理装置13とが、無線のネットワーク14を介して接続されることにより構成される。
【0023】
なお、以下では、車両11―1乃至11-Lのそれぞれを特に区別する必要がない場合、それらをまとめて車両11と称する。同様に遠隔監視装置12-1乃至12-Mをまとめて遠隔監視装置12と称する。管理システム10は、車両11に対して、その車両11を遠隔監視する遠隔監視装置12を割り当てる。
【0024】
具体的には、管理システム10の車両11は、遠隔監視作業の対象となる、自家用車、バス、トラック、トレーラなどである。車両11は、車両11の運転状態を表す運転状態情報と車両11の周辺環境の状態を表す周辺環境情報とを生成する。車両11は、車両11の特性を表す車両特性情報を保持している。車両11は、運転状態情報、周辺環境情報、および車両特性情報に基づいて自分の車両11の状態を判定する。車両11は、自分の車両11の状態に基づいて自分の車両11の遠隔監視作業に要求されるオペレータ(遠隔監視者)の遠隔監視作業に関する習熟状態の度合である要求習熟度合Rp(要求状態度合)を算出する。車両11は、その要求習熟度合Rpを無線のネットワーク14を介して管理装置13に送信する。この送信は、例えば車両11の遠隔監視作業が必要になったとき車両11により自発的に開始されてもよいし、管理装置13が遠隔監視作業が必要になった車両11を検索し、その車両11に要求することにより開始されてもよい。
【0025】
遠隔監視装置12は、オペレータが車両11に対して遠隔監視作業を行うために使用される。遠隔監視装置12は、自分を使用するオペレータの特性を表すオペレータ特性情報を保持している。遠隔監視装置12は、オペレータ特性情報に基づいてオペレータの遠隔監視作業に関する状態を判定する。遠隔監視装置12は、オペレータの遠隔監視作業に関する状態に基づいて、オペレータの遠隔監視作業に関する習熟状態の度合である習熟度合P(状態度合)を算出し、管理装置13に送信する。
【0026】
なお、管理システム10では、1つの遠隔監視装置12を同時に使用するオペレータの人数は1人であるものとするが、遠隔監視装置12を用いて複数のオペレータが同時に独立して遠隔監視作業を行うことが可能である場合、1つの遠隔監視装置12を同時に使用するオペレータの人数は複数であってもよい。この場合、遠隔監視装置12は、各オペレータのオペレータ特性情報を保持し、オペレータごとに、そのオペレータ特性情報に基づいて習熟度合Pを算出し、その習熟度合Pを管理装置13に送信する。
【0027】
遠隔監視装置12はまた、自分を使用するオペレータに割り当てられた車両11を特定する担当車両特定情報を管理装置13から受信する。遠隔監視装置12は、その担当車両特定情報により特定される車両11の遠隔監視作業を、自分を使用するオペレータに要求する。
【0028】
管理装置13は、ネットワーク14を介して各車両11から要求習熟度合Rpを受信する。管理装置13は、各遠隔監視装置12からオペレータの習熟度合Pを受信する。管理装置13は、各車両11の要求習熟度合Rpと各オペレータの習熟度合Pに基づいて、各車両11に対して、その車両11を遠隔監視する1名のオペレータを割り当てる。遠隔監視装置12は、各オペレータに割り当てられた車両11を特定する担当車両特定情報を、そのオペレータが使用する遠隔監視装置12に送信する。
【0029】
なお、遠隔監視装置12と管理装置13は、有線または無線のネットワークを介して接続されるようにしてもよい。
【0030】
<車両、遠隔監視装置、および管理装置の詳細構成例>
図2は、図1の車両11、遠隔監視装置12、および管理装置13の詳細構成例を示すブロック図である。
【0031】
図2に示すように、車両11は、センサ群31、運転状態検出部32、センサ群33、周囲環境検出部34、車両管理部35、および車両状態判定部36を備える。
【0032】
センサ群31は、イメージセンサ51、生体センサ52、加速度センサ53、車両センサ54、およびGPS(Global Positioning System)センサ55により構成される。
【0033】
イメージセンサ51は、車両11の内部を撮影し、その結果得られる撮影画像を運転状態検出部32に供給する。生体センサ52は、車両11の乗員の生体情報を検出し、その生体情報を運転状態検出部32に供給する。加速度センサ53は、車両11の加速度を検出し、その加速度を運転状態検出部32に供給する。車両センサ54は、ステアリング、アクセル、ブレーキなどに設けられたセンサである。車両センサ54は、ステアリング、アクセル、ブレーキなどの状態を検出し、その状態を運転状態検出部32に供給する。GPSセンサ55は、GPSに基づいて位置情報を取得し、その位置情報を運転状態検出部32に供給する。
【0034】
運転状態検出部32は、乗員状態検出部41、走行状態認識部42、および位置検出部43により構成される。
【0035】
乗員状態検出部41は、イメージセンサ51から供給される撮影画像、生体センサ52から供給される生体情報などに基づいて、乗員の状態を検出する。走行状態認識部42は、加速度センサ53から供給される加速度、車両センサ54から供給されるステアリング、アクセル、ブレーキなどの状態などに基づいて、車両11の走行の種類や速度などの走行状態を認識する。位置検出部43は、GPSセンサ55から供給される位置情報に基づいて、車両11の現在の位置、車両11が走行している道路の種類や道幅などを、車両11の走行位置に関する走行位置情報として検出する。道路の種類としては、高速道路、一般道、交差点、合流点等がある。
【0036】
乗員状態検出部41により検出された乗員の状態、走行状態認識部42により認識された走行状態、および位置検出部43により検出された走行位置情報は、運転状態情報として、車両状態判定部36に供給される。
【0037】
センサ群33は、イメージセンサ61、距離センサ62、超音波センサ63、および温湿度センサ64により構成される。
【0038】
イメージセンサ61は、車両11の周囲を撮影し、その結果得られる撮影画像を周囲環境検出部34に供給する。距離センサ62は、ミリ波やレーザ光などを用いて、自分の車両11と、周囲に存在する他の車両、歩行者、自転車、バイク、建物等の周辺物体との距離を検出し、その距離を周囲環境検出部34に供給する。超音波センサ63は、超音波を用いて、自分の車両11と周辺物体との距離を検出し、その距離を周囲環境検出部34に供給する。温湿度センサ64は、周囲の温度および気温を検出し、周囲環境検出部34に供給する。
【0039】
周囲環境検出部34は、外界認識部71、路面状態検出部72、および障害物検出部73により構成される。
【0040】
外界認識部71は、イメージセンサ61から供給される撮影画像、距離センサ62や超音波センサ63から供給される距離等に基づいて、車両11が走行している道路の状況(例えば混雑状況)、周辺物体の車両11からの距離やサイズ等を、外界情報として認識する。路面状態検出部72は、温湿度センサ64から供給される気温や湿度、イメージセンサ61からの撮影画像等に基づいて、車両11が走行している路面の状態(例えば降雨や降雪などにより視界不良な状態、滑りやすい状態など)や天候を検出する。障害物検出部73は、外界認識部71により認識された周辺物体の車両11からの距離やサイズ等に基づいて、周辺物体のうちの車両11の走行の障害となり得る障害物や危険物の車両11からの距離やサイズ等を障害物情報として検出する。
【0041】
外界認識部71により認識された外界情報、路面状態検出部72により検出された路面の状態や天候、および障害物検出部73により検出された障害物情報は、周辺環境情報として車両状態判定部36に供給される。
【0042】
車両管理部35は、車両DB81を備える。車両DB81は、車両11の車種やサイズ、最高速度、駆動能力、制動能力、最小回転半径等の運動性能等を特性として表す車両特性情報を保持する。車両管理部35は、車両DB81に保持されている車両特性情報を読み出し、その車両特性情報を車両状態判定部36に供給する。なお、車両DB81には、運転状態検出部32からの運転状態情報や周囲環境検出部34からの周辺環境情報が記憶されるようにしてもよい。この場合、車両DB81から車両特性情報とともに運転状態情報や周辺環境情報が読み出され、車両状態判定部36に供給される。
【0043】
車両状態判定部36は、運転状態検出部32から供給される運転状態情報と周囲環境検出部34から供給される周辺環境情報に基づいて、車両11の動的な状態を判定する。具体的には、車両状態判定部36は、運転状態情報と周辺環境情報に基づいて、車両11の乗員の状態、走行状態、現在の位置、走行中の道路の種類、および周辺環境の状態の少なくとも1つを、車両11の時間的に変化する動的な状態として判定する。
【0044】
車両状態判定部36はまた、車両管理部35から供給される車両特性情報に基づいて、車両の特性を車両11の時間的に変化しない静的な状態として判定する。車両状態判定部36は、車両11の動的な状態および静的な状態のうちの少なくとも一方に基づいて、要求習熟度合Rpを算出する。
【0045】
具体的には、車両状態判定部36は、例えば、車両11の静的な状態に対応する要求習熟度合Rpの基本スコアに、車両11の動的な状態に対応する補正係数を乗算することにより要求習熟度合Rpを算出する。なお、基本スコアと補正係数は、遠隔監視の難易度が高いほど要求習熟度合Rpが高くなるように設定される。
【0046】
遠隔監視装置12は、オペレータ管理部91、監視状態判定部92、および通知部93を備える。
【0047】
オペレータ管理部91は、オペレータDB101を備える。オペレータDB101は、遠隔監視装置12を使用するオペレータの自動車運転年数や遠隔監視経験年数等の属性、車両異常に対する発見能力、反応速度等の危険回避能力、危険予知能力、体力、視力等の運転に対する適性等を特性として表すオペレータ特性情報として保持している。オペレータ管理部91は、オペレータDB101に保持されているオペレータ特性情報を読み出し、そのオペレータ特性情報を監視状態判定部92に供給する。
【0048】
監視状態判定部92は、オペレータ管理部91から供給されるオペレータ特性情報に基づいて、オペレータの遠隔監視作業に関する習熟状態を、オペレータの遠隔監視作業に関する時間的に変化しない静的な状態として判定する。監視状態判定部92は、オペレータの習熟状態に基づいて、遠隔監視能力を表す習熟度合Pを算出する。具体的には、監視状態判定部92は、例えば、オペレータの自動車運転年数に対応する習熟度合Pの基本スコアに、オペレータの反応速度に対応する補正係数を乗算することにより習熟度合Pを算出する。監視状態判定部92は、習熟度合Pを管理装置13に供給する。
【0049】
通知部93は、担当車両特定情報を管理装置13から受信する。通知部93は、担当車両特定情報に基づいて、その担当車両特定情報により特定される車両11をオペレータに通知することにより、その車両11の遠隔監視作業をオペレータに要求する。
【0050】
管理装置13(情報処理装置)は、習熟度合管理部110、判定部111、割り当て部112、および監視状態管理部113を備える。
【0051】
習熟度合管理部110は、習熟度合DB121を有する。習熟度合管理部110は、判定部111から供給される各オペレータの習熟度合Pを習熟度合DB121に保持させる。習熟度合管理部110は、判定部111から供給される判定結果に基づいて、習熟度合DB121に保持されている習熟度合Pを更新する。習熟度合管理部110は、判定部111からの要求に応じて、習熟度合DB121に保持されている習熟度合Pを読み出し、判定部111に供給する。
【0052】
判定部111は、各遠隔監視装置12の監視状態判定部92からオペレータの習熟度合Pを受信し、その習熟度合Pを習熟度合管理部110に供給する。判定部111は、各車両11の車両状態判定部36から要求習熟度合Rpを受信する。判定部111は、車両11に対してオペレータを割り当てる場合、各オペレータの習熟度合Pを習熟度合管理部110に要求する。判定部111は、その要求に応じて習熟度合管理部110から供給される習熟度合Pと割り当て対象の車両11の要求習熟度合Rpとに基づいて、その車両11に対して各オペレータが遠隔監視作業を行うことができるかどうかを判定する。判定部111は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部112に供給する。
【0053】
割り当て部112は、判定部111から供給される判定結果に基づいて、各車両11に対して、その車両11を遠隔監視する1名のオペレータを割り当てる。割り当て部112は、割り当て結果を監視状態管理部113に供給する。割り当て部112は、監視状態管理部113に、各車両11と、その車両11に割り当てられたオペレータとの対応関係を示す割り当てテーブルを要求する。割り当て部112は、その要求に応じて供給された割り当てテーブルに基づいて、各遠隔監視装置12に、その遠隔監視装置12を使用するオペレータの担当車両特定情報を送信する。
【0054】
監視状態管理部113は、割り当てテーブルを保持する監視DB131を有する。監視状態管理部113は、割り当て部112から供給される割り当て結果に基づいて、監視DB131に保持されている割り当てテーブルを更新する。監視状態管理部113は、割り当て部112からの要求に応じて、監視DB131から割り当てテーブルを読み出し、割り当て部112に供給する。
【0055】
<要求習熟度合の算出例>
図3乃至図6を参照して、要求習熟度合Rpの算出例を説明する。
【0056】
図3は、車両11の静的な状態としての車種と要求習熟度合Rpの基本スコアとの関係の例を示すテーブルである。
【0057】
図3の例では、車両11の車種が乗用車(セダン)である場合、要求習熟度合Rpの基本スコアが100であり、大型バスやトラックである場合、基本スコアは200であり、トレーラである場合、基本スコアは450である。
【0058】
図4は、車両11の動的な状態としての走行中の道路の種類と要求習熟度合Rpの補正係数との関係の例を示すテーブルである。
【0059】
図4の例では、車両11の走行中の道路の種類が一般道である場合、補正係数は1.0であり、高速道路である場合、補正係数は0.8である。
【0060】
図5は、車両11の動的な状態としての走行状態のうちの走行の種類と要求習熟度合Rpの補正係数との関係の例を示すテーブルである。
【0061】
図5の例では、車両11の走行の種類が周囲に他の車両が存在しない単独走行である場合、補正係数は1.0であり、他の車両と縦に並んで走行する隊列走行である場合、補正係数は0.8である。車両11の走行の種類が他の車両と横に並んで走行する並列走行である場合、補正係数は1.1であり、多くの車両が自由に行き交う交錯走行(自由走行)である場合、補正係数は1.4である。
【0062】
図6は、車両11の動的な状態としての周辺環境の状態のうちの天候と要求習熟度合Rpの補正係数との関係の例を示すテーブルである。
【0063】
図6の例では、天候が晴天である場合、補正係数は1.0であり、曇天である場合、補正係数は1.1である。天候が降雨である場合、補正係数は1.3であり、降雪である場合、補正係数は1.8である。
【0064】
図3に示したように基本スコアが設定され、図4乃至図6に示したように補正係数が設定される場合、車種が乗用車である車両11が降雪時に一般道を並列走行しているとき、車両状態判定部36は、要求習熟度合Rpとして198(=100×1.0×1.1×1.8)を算出する。車種が大型バスである車両11が晴天時に高速道路を単独走行しているとき、車両状態判定部36は、要求習熟度合Rpとして160(=200×0.8×1.0×1.0)を算出する。従って、この場合、乗用車である車両11の要求習熟度合Rpの方が、大型バスである車両11の要求習熟度合Rpに比べて高い。即ち、乗用車である車両11の方が、大型バスである車両11に比べて遠隔監視の難易度が高いと判定され、遠隔監視作業を担当するオペレータに高い習熟度が要求される。
【0065】
以上のように、車両状態判定部36は、車両11の状態に基づいて要求習熟度合Rpを算出するので、車両11の状態に適した要求習熟度合Rpを算出することができる。
【0066】
なお、要求習熟度合Rpの算出方法は、図3乃至図6で説明した方法に限定されない。要求習熟度合Rpの算出には、例えば、遠隔監視予定の経路全てにおける周辺環境情報を加算して用いられるようにしてもよい。この場合、必要に応じて、他の車両11の周辺環境情報も参照される。
【0067】
<習熟度合の算出例>
図7および図8を参照して、習熟度合Pの算出例を説明する。
【0068】
図7は、オペレータの自動車運転年数と習熟度合Pの基本スコアとの関係の例を示すテーブルである。
【0069】
図7の例では、オペレータの自動車運転年数が5年以下である場合、基本スコアは50であり、6年以上9年以下である場合、基本スコアは100である。オペレータの自動車運転年数が10年以上19年以下である場合、基本スコアは150であり、20年以上である場合、基本スコアは200である。
【0070】
図8は、オペレータの反応速度と習熟度合Pの補正係数との関係の例を示すテーブルである。
【0071】
図8の例では、オペレータの反応速度が、前方に障害物や危険物を発見してからオペレータが制動操作を行うまでの時間で表されている。オペレータの反応速度が0.8秒以下である場合、補正係数は1.4であり、0.9秒以上1.2秒以下である場合、補正係数は1.0であり、1.3秒以上である場合、補正係数は0.8である。
【0072】
図7に示したように基本スコアが設定され、図8に示したように補正係数が設定される場合、オペレータの自動車運転年数が8年で反応速度が1.0秒であるとき、監視状態判定部92は、習熟度合Pとして100(=100×1.0)を算出する。自動車運転年数が15年で反応速度が1.4秒であるとき、監視状態判定部92は、習熟度合Pとして120(=150×0.8)を算出する。従って、この場合、自動車運転年数が15年で反応速度が1.4秒であるオペレータの習熟度合Pの方が、自動車運転年数が8年で反応速度が1.0秒であるオペレータの習熟度合Pに比べて高い。
【0073】
以上のように、監視状態判定部92は、オペレータの状態に基づいて習熟度合Pを算出するので、オペレータの状態に適した習熟度合Pを算出することができる。
【0074】
<割り当ての第1の例>
図9は、管理装置13による割り当ての第1の例を説明する図である。
【0075】
図9の例では、管理装置13は、2台の遠隔監視装置12-1および12-2をそれぞれ使用する2名のオペレータ151-1および151-2に、遠隔監視作業が必要である3台の車両11-1乃至11-3を割り当てる。なお、以下では、遠隔監視装置12-1乃至12-Mをそれぞれ使用するオペレータ151-1乃至151-Mのそれぞれを特に区別する必要がない場合、それらをまとめてオペレータ151と称する。オペレータ151-i(iは1以上M以下の整数)の習熟度合PをPと称し、j番目(jは1以上L以下の整数)の車両の要求習熟度合RpをRpと称する。
【0076】
図9の例では、オペレータ151―1の習熟度合Pは110であり、オペレータ151-2の習熟度合Pは250である。3台の車両11-1乃至11-3の要求習熟度合Rp乃至Rpは全て100である。
【0077】
最初に、管理装置13の判定部111は、例えば車両11-1を割り当て対象とし、習熟度合管理部110に要求することにより、習熟度合DB121に保持されている習熟度合Pを取得する。判定部111は、この習熟度合Pと車両11-1の要求習熟度合Rpとを比較する。
【0078】
図9の例では、習熟度合Pは要求習熟度合Rp以上であるので、判定部111は、車両11-1に対してオペレータ151-1が遠隔監視作業を行うことができると判定する。判定部111は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部112に供給する。割り当て部112は、この判定結果に基づいて車両11-1に対してオペレータ151-1を割り当てる。習熟度合管理部110は、この判定結果に基づいて、習熟度合DB121に保持されている習熟度合Pを、その習熟度合Pから要求習熟度合Rpを減算した値に更新する。これにより、更新後の習熟度合Pは、10(=110-100)となる。
【0079】
次に、判定部111は、例えば車両11-2を割り当て対象とし、習熟度合管理部110に要求することにより、習熟度合DB121に保持されている更新後の習熟度合Pを取得する。判定部111は、この習熟度合Pと車両11-2の要求習熟度合Rpとを比較する。
【0080】
図9の例では、習熟度合Pは要求習熟度合Rp以上ではないので、判定部111は、車両11-2に対してオペレータ151-1が遠隔監視作業を行うことができないと判定する。判定部111は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部112に供給する。割り当て部112は、車両11-2に対してオペレータ151-1を割り当てず、習熟度合管理部110は、習熟度合Pを更新しない。
【0081】
まだ車両11-2に対してオペレータ151を割り当てることができていないので、判定部111は、オペレータ151-2の習熟度合Pを習熟度合管理部110に要求する。習熟度合管理部110は、この要求に応じて、習熟度合DB121に保持されている習熟度合Pを読み出し、判定部111に供給する。判定部111は、この習熟度合Pと車両11-2の要求習熟度合Rpとを比較する。
【0082】
図9の例では、習熟度合Pは要求習熟度合Rp以上であるので、判定部111は、車両11-2に対してオペレータ151-2が遠隔監視作業を行うことができると判定する。判定部111は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部112に供給する。割り当て部112は、この判定結果に基づいて車両11-2に対してオペレータ151-2を割り当てる。習熟度合管理部110は、この判定結果に基づいて、習熟度合DB121に保持されている習熟度合Pを、習熟度合Pから要求習熟度合Rpを減算した値に更新する。これにより、更新後の習熟度合Pは、150(=250-100)となる。
【0083】
次に、判定部111は、例えば車両11-3を割り当て対象とし、車両11-2を割り当て対象としたときと同様に、習熟度合Pと車両11-3の要求習熟度合Rpとを比較する。図9の例では、習熟度合Pは要求習熟度合Rp以上ではないので、判定部111は、車両11-3に対してオペレータ151-1が遠隔監視作業を行うことができないと判定する。判定部111は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部112に供給し、割り当て部112は、車両11-3に対してオペレータ151-1を割り当てず、習熟度合管理部110は、習熟度合Pを更新しない。
【0084】
まだ車両11-3に対してオペレータ151を割り当てることができていないので、判定部111は、車両11-2を割り当て対象としたときと同様に、更新後の習熟度合Pと要求習熟度合Rpとを比較する。図9の例では、更新後の習熟度合Pは要求習熟度合Rp以上であるので、判定部111は、車両11-3に対してオペレータ151-2が遠隔監視作業を行うことができると判定する。判定部111は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部112に供給する。割り当て部112は、この判定結果に基づいて車両11-3に対してオペレータ151-2を割り当てる。習熟度合管理部110は、この判定結果に基づいて、習熟度合DB121に保持されている習熟度合Pを、習熟度合Pから要求習熟度合Rpを減算した値に更新する。これにより、習熟度合DB121に保持される習熟度合Pは、50(=150-100)となる。
【0085】
以上のように、割り当て部112は、1名のオペレータ151-2の習熟度合Pが要求習熟度合RpとRpの和以上である場合、2台の車両11-2および11-3に1名のオペレータ151-2を割り当てる。
【0086】
<割り当ての第2の例>
図10および図11を参照して、管理装置13による割り当ての第2の例を説明する。
【0087】
図10は、車両11の動的な状態としての走行状態のうちの走行の速度と要求習熟度合Rpの補正係数との関係の例を示すテーブルである。
【0088】
図10の例では、車両11の走行の速度が低速である場合、補正係数は0.4であり、中速である場合補正係数は1.0であり、高速である場合補正係数は1.6である。
【0089】
図11は、図10の補正係数を用いて図3の基本スコアが補正されることにより求められた要求習熟度合Rpを用いて管理装置13により行われる割り当ての例を説明する図である。
【0090】
図11の例では、管理装置13は、1名のオペレータ151-1に、遠隔監視作業が必要である3台の車両11-1乃至11-3を割り当てる。オペレータ151―1の習熟度合Pは200である。車両11-1および車両11-2の車種は乗用車であり、走行の速度は低速である。従って、車両11-1の要求習熟度合Rpおよび車両11-2の要求習熟度合Rpは両方とも40(=100×0.4)である。車両11-3の車種は乗用車であり、走行の速度は中速である。従って、要求習熟度合Rpは100(=100×1.0)である。
【0091】
最初に、管理装置13の判定部111は、例えば車両11-1を割り当て対象とし、習熟度合管理部110に要求することにより、習熟度合DB121に保持されている習熟度合Pを取得する。判定部111は、この習熟度合Pと車両11-1の要求習熟度合Rpとを比較する。
【0092】
図11の例では、習熟度合Pは要求習熟度合Rp以上であるので、判定部111は、車両11-1に対してオペレータ151-1が遠隔監視作業を行うことができると判定する。判定部111は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部112に供給する。割り当て部112は、この判定結果に基づいて車両11-1に対してオペレータ151-1に割り当てる。習熟度合管理部110は、この判定結果に基づいて、習熟度合DB121に保持されている習熟度合Pを、その習熟度合Pから要求習熟度合Rpを減算した値に更新する。これにより、習熟度合DB121に保持される習熟度合Pは、160(=200-40)となる。
【0093】
次に、判定部111は、例えば車両11-2を割り当て対象とし、習熟度合管理部110に要求することにより、習熟度合DB121に保持されている更新後の習熟度合Pを取得する。判定部111は、この習熟度合Pと車両11-2の要求習熟度合Rpとを比較する。
【0094】
図11の例では、習熟度合Pは要求習熟度合Rp以上であるので、判定部111は、車両11-2に対してオペレータ151-1が遠隔監視作業を行うことができると判定する。判定部111は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部112に供給する。割り当て部112は、この判定結果に基づいて車両11-2に対してオペレータ151-1を割り当てる。習熟度合管理部110は、この判定結果に基づいて、習熟度合DB121に保持されている習熟度合Pを、習熟度合Pから要求習熟度合Rpを減算した値に更新する。これにより、習熟度合DB121に保持される習熟度合Pは、120(=160-40)となる。
【0095】
次に、判定部111は、例えば車両11-3を割り当て対象とし、習熟度合管理部110に要求することにより、習熟度合DB121に保持されている更新後の習熟度合Pを取得する。判定部111は、この習熟度合Pと車両11-3の要求習熟度合Rpとを比較する。
【0096】
図11の例では、習熟度合Pは要求習熟度合Rp以上であるので、判定部111は、車両11-3に対してオペレータ151-1が遠隔監視作業を行うことができると判定する。判定部111は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部112に供給し、割り当て部112は、この判定結果に基づいて車両11-3に対してオペレータ151-1を割り当てる。習熟度合管理部110は、習熟度合DB121に保持されている習熟度合Pを、習熟度合Pから要求習熟度合Rpを減算した値に更新する。これにより、習熟度合DB121に保持される習熟度合Pは、20(=120-100)となる。
【0097】
以上のように、割り当て部112は、1名のオペレータ151-1の習熟度合Pが要求習熟度合Rp乃至Rpの和以上である場合、3台の車両11-1乃至11-3に1名のオペレータ151-1を割り当てる。
【0098】
<割り当て処理の説明>
図12は、管理装置13による割り当て処理を説明するフローチャートである。この割り当て処理は、例えば、遠隔監視作業が必要である各車両11を割り当て対象として行われる。
【0099】
図12のステップS11において、判定部111は、iを1に設定する。ステップS12において、判定部111は、習熟度合管理部110に対してi番目のオペレータ151-iの習熟度合Pを要求し、その習熟度合Pを取得する。
【0100】
ステップS13において、判定部111は、習熟度合Pが割り当て対象の車両11の要求習熟度合Rp以上であるかどうかを判定する。ステップS13で習熟度合Pが要求習熟度合Rp以上であると判定された場合、判定部111は、割り当て対象の車両11に対してオペレータ151-iが遠隔監視作業を行うことができると判定する。判定部111は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部112に供給する。
【0101】
そして、ステップS14において、割り当て部112は、判定部111からの判定結果に基づいて割り当て対象の車両11をi番目のオペレータ151-iに割り当てる。割り当て部112は、割り当て結果を監視状態管理部113に供給する。これにより、監視DB131に保持されている割り当てテーブルが更新される。その結果、オペレータ151-iが使用する遠隔監視装置12-iに、割り当て対象の車両11を特定する担当車両特定情報が送信される。従って、オペレータ151-iは、この車両11に対して遠隔監視作業を行う。
【0102】
ステップS15において、習熟度合管理部110は、習熟度合DB121に保持されている習熟度合Pを、習熟度合Pから割り当て対象の車両11の要求習熟度合Rpを減算した値に更新する。そして、処理は終了する。
【0103】
一方、ステップS13で習熟度合Pが要求習熟度合Rp以上ではないと判定された場合、判定部111は、割り当て対象の車両11に対してオペレータ151-iが遠隔監視作業を行うことができないと判定する。判定部111は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部112に供給する。
【0104】
そして、ステップS16において、判定部111は、iがオペレータ151の総数M以上であるかどうかを判定する。ステップS16でiがオペレータ151の総数M以上ではないと判定された場合、処理はステップS17に進む。ステップS17において、判定部111は、iを1だけインクリメントして、処理をステップS12に戻し、以降の処理を繰り返す。
【0105】
一方、ステップS16でiがオペレータ151の総数M以上であると判定された場合、即ち全てのオペレータ151の習熟度合Pに対してステップS12およびS13の処理が行われた場合、処理は終了する。この場合、割り当て対象の車両11にはいずれのオペレータ151も割り当てられない。
【0106】
なお、図12の割り当て処理は、遠隔監視作業が必要である車両11や要求習熟度合Rpが変化したときにやり直される。これにより、遠隔監視作業が必要である車両11や要求習熟度合Rpが変化した場合に割り当て状況が劣化し、遠隔監視に支障を来すことを防止することができる。
【0107】
図12の割り当て処理において、オペレータ151の割り当ての順番は、全ての割り当て対象に対して同一であってもよいし、割り当て対象ごとに異なっていてもよい。オペレータ151の割り当ての順番は、例えば、習熟度合Pの高い順や低い順に設定することができる。
【0108】
以上のように、管理システム10は、遠隔監視対象である複数の車両11の状態と複数のオペレータ151の遠隔監視作業に関する静的な状態を判定し、これらの状態に基づいて、複数の車両11それぞれに対して、その車両11を遠隔監視する1名のオペレータ151を割り当てる。従って、車両11の状態とオペレータ151の状態の両方に基づいて、車両11に対して適切なオペレータ151を割り当てることができる。その結果、車両11に対して、その車両11の遠隔監視作業に必要な遠隔監視能力を持たないオペレータ151が割り当てられず、十分な遠隔監視作業が行われる。
【0109】
これに対して、車両11の状態およびオペレータ151の状態に基づいて割り当てが行われない場合、車両11に対して、車両11の遠隔監視作業に必要な遠隔監視能力を有さないオペレータ151が割り当てられてしまう場合がある。具体的には、車両11の状態によって車両11の遠隔監視の難易度は異なり、オペレータ151の状態によってオペレータ151の遠隔監視能力は異なる。従って、車両11の状態とオペレータ151の状態が考慮されずに車両11に対してオペレータ151が割り当てられる場合、車両11に対して適切なオペレータ151が割り当てられない場合がある。
【0110】
また、管理システム10は、1名のオペレータ151の習熟度合Pが複数の車両11の要求習熟度合Rpの和以上である場合、その複数の車両11に対して1名のオペレータ151を割り当てる。従って、1名のオペレータ151に1台の車両11のみが割り当てられる場合に比べて、少ないオペレータ151で多くの車両11を遠隔監視することができる。その結果、オペレータ151の不足を抑制し、遠隔監視作業を安定して遂行することができる。
【0111】
これに対して、1名のオペレータ151に1台の車両11のみが割り当てられる場合、車両11の遠隔監視作業には、車両11を普通に運転した場合の運転手の人数と同数のオペレータ151が必要になる。
【0112】
<第2実施の形態>
<管理システムの構成例>
図13は、本技術を適用した情報処理システムとしての管理システムの第2実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0113】
図13の管理システム200において、図2の管理システム10と対応する部分については同一の符号を付してある。従って、その部分の説明は適宜省略し、管理システム10と異なる部分に着目して説明する。管理システム200は、1以上の車両の1以上の各部位に1名のオペレータを割り当てる点が、管理システム10と異なっており、その他は管理システム10と同様に構成されている。
【0114】
具体的には、管理システム200は、車両201と、遠隔監視装置202に接続する管理装置203とがネットワーク14を介して接続されることにより構成される。車両201は、車両管理部35、車両状態判定部36の代わりに、車両管理部215、車両状態判定部216を備える点が、図2の車両11と異なっており、その他は車両11と同様に構成されている。
【0115】
車両管理部215は、車両DB221を備える。車両DB221は、車両11と同様に車両特性情報を保持する。車両DB221はまた、車両201全体の遠隔監視作業に対する各部位(例えば、前方、側方、後方、運転手、荷室など)の遠隔監視作業の割合を表す部位割合情報を保持する。車両管理部215は、車両DB221に保持されている車両特性情報と部位割合情報を読み出し、その車両特性情報と部位割合情報を車両状態判定部216に供給する。なお、車両DB221には、車両11と同様に、運転状態情報や周辺環境情報が記憶されるようにしてもよい。
【0116】
車両状態判定部216は、車両状態判定部36と同様に、運転状態情報と周辺環境情報に基づいて車両201の動的な状態を判定し、車両特性情報に基づいて車両201の静的な状態を判定する。車両状態判定部216は、車両状態判定部36と同様に、車両201の動的な状態および静的な状態のうちの少なくとも一方に基づいて要求習熟度合Rpを算出する。
【0117】
車両状態判定部216は、車両管理部215から供給される部位割合情報に基づいて、要求習熟度合Rpを車両11の各部位の要求習熟度合である部位要求習熟度合Rppに分割する。なお、以下では、各部位の部位要求習熟度合Rppを個々に区別する必要がある場合、t番目(tは1以上の整数)の部位の部位要求習熟度合Rppと称する。車両状態判定部216は、各部位要求習熟度合Rppを、ネットワーク14を介して管理装置203に送信する。
【0118】
遠隔監視装置202は、通知部93の代わりに通知部253が備えられる点が、図2の遠隔監視装置12と異なっており、その他は遠隔監視装置12と同様に構成されている。
【0119】
通知部253は、その遠隔監視装置202を使用するオペレータ151に割り当てられた車両201の部位を特定する担当部位特定情報を管理装置203から受信する。通知部253は、担当部位特定情報に基づいて、その担当部位特定情報により特定される車両201の部位をオペレータ151に通知することにより、その車両201の部位の遠隔監視作業をオペレータ151に要求する。
【0120】
管理装置203(情報処理装置)は、判定部111、割り当て部112、監視状態管理部113の代わりに、判定部231、割り当て部232、および監視状態管理部233を備える点が、図2の管理装置13と異なっており、その他は管理装置13と同様に構成されている。
【0121】
判定部231は、判定部111と同様に、各オペレータ151の習熟度合Pを受信し、その習熟度合Pを習熟度合管理部110に供給する。判定部231は、各車両201の車両状態判定部216から車両201の各部位の部位要求習熟度合Rppを受信する。判定部231は、車両201の各部位に対してオペレータ151を割り当てる場合、各オペレータの習熟度合Pを習熟度合管理部110に要求する。判定部231は、その要求に応じて習熟度合管理部110から供給される習熟度合Pと割り当て対象の車両201の部位の部位要求習熟度合Rppとに基づいて、その部位に対して各オペレータ151が遠隔監視作業を行うことができるかどうかを判定する。判定部231は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部232に供給する。
【0122】
割り当て部232は、判定部231から供給される判定結果に基づいて、各車両201の各部位に対して、その部位を遠隔監視する1名のオペレータ151を割り当てる。割り当て部232は、割り当て結果を監視状態管理部233に供給する。割り当て部232は、監視状態管理部233に、各車両11の各部位と、その部位に割り当てられたオペレータ151との対応関係を示す部位割り当てテーブルを要求する。割り当て部232は、その要求に応じて供給された部位割り当てテーブルに基づいて、各遠隔監視装置202に、その遠隔監視装置202を使用するオペレータの担当部位特定情報を送信する。
【0123】
監視状態管理部233は、部位割り当てテーブルを保持する監視DB241を有する。監視状態管理部233は、割り当て部232から供給される割り当て結果に基づいて、監視DB241に保持されている部位割り当てテーブルを更新する。監視状態管理部233は、割り当て部232からの要求に応じて、監視DB241から部位割り当てテーブルを読み出し、割り当て部232に供給する。
【0124】
<割り当ての例>
図14は、管理装置203による割り当ての例を説明する図である。
【0125】
図14の例では、管理装置203は、4台の遠隔監視装置202-1乃至202-4をそれぞれ使用する4名のオペレータ151-1および151-4に、遠隔監視作業が必要である1台の車両201-1の前方、後方、運転手、荷室をそれぞれ割り当てている。このように、管理装置203は、車両201を各部位に分割して割り当てるため、1台の車両201に対して複数名のオペレータ151を割り当てることができる。
【0126】
<割り当て処理の説明>
図15は、管理装置203による割り当て処理を説明するフローチャートである。この割り当て処理は、例えば、遠隔監視作業が必要である各車両201の各部位を割り当て対象として行われる。
【0127】
図15のステップS31およびS32の処理は、図12のステップS11およびS12の処理と同様であるので、説明は省略する。
【0128】
ステップS33において、判定部231は、習熟度合Pが割り当て対象の部位の部位要求習熟度合Rpp以上であるかどうかを判定する。ステップS33で習熟度合Pが部位要求習熟度合Rpp以上であると判定された場合、判定部231は、割り当て対象の車両201の部位に対してオペレータ151-iが遠隔監視作業を行うことができると判定する。判定部231は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部232に供給する。
【0129】
そして、ステップS34において、割り当て部232は、判定部231からの判定結果に基づいて割り当て対象の車両201の部位をi番目のオペレータ151-iに割り当てる。割り当て部232は、割り当て結果を監視状態管理部233に供給する。これにより、監視DB241に保持されている部位割り当てテーブルが更新される。その結果、オペレータ151-iが使用する遠隔監視装置202-iに、割り当て対象の車両201の部位を特定する担当部位特定情報が送信される。従って、オペレータ151-iは、この車両201の部位に対して遠隔監視作業を行う。
【0130】
ステップS35において、習熟度合管理部110は、習熟度合DB121に保持されている習熟度合Pを、習熟度合Pから割り当て対象の部位の部位要求習熟度合Rppを減算した値に更新する。そして、処理は終了する。
【0131】
一方、ステップS33で習熟度合Pが部位要求習熟度合Rpp以上ではないと判定された場合、判定部231は、割り当て対象の部位に対してオペレータ151-iが遠隔監視作業を行うことができないと判定する。判定部231は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部232に供給する。
【0132】
そして、ステップS36において、判定部231は、iがオペレータ151の総数M以上であるかどうかを判定する。ステップS36でiがオペレータ151の総数M以上ではないと判定された場合、ステップS37において、判定部231は、iを1だけインクリメントして、処理をステップS32に戻し、以降の処理を繰り返す。
【0133】
一方、ステップS36でiがオペレータ151の総数M以上であると判定された場合、即ち全てのオペレータ151の習熟度合Pに対してステップS32およびS33の処理が行われた場合、処理は終了する。この場合、割り当て対象の部位にはいずれのオペレータ151も割り当てられない。
【0134】
以上のような割り当て処理が車両201の全ての部位に対して行われることで、車両201全体を遠隔監視するオペレータ151の割り当てが完了する。なお、図15の割り当て処理は、遠隔監視作業が必要である車両201や部位要求習熟度合Rppが変化したときにやり直される。これにより、遠隔監視作業が必要である車両201や部位要求習熟度合Rppが変化した場合に割り当て状況が劣化し、遠隔監視に支障を来すことを防止することができる。
【0135】
図15の割り当て処理において、オペレータ151の割り当ての順番は、全ての割り当て対象に対して同一であってもよいし、割り当て対象ごとに異なっていてもよい。オペレータ151の割り当ての順番は、例えば、習熟度合Pの高い順や低い順に設定することができる。
【0136】
以上のように、管理システム200は、遠隔監視対象である複数の車両201の状態と複数のオペレータ151の遠隔監視作業に関する静的な状態を判定し、これらの状態に基づいて、複数の車両201の各部位に対して、その部位を遠隔監視する1名のオペレータ151を割り当てる。従って、車両201の状態とオペレータ151の状態の両方に基づいて、車両201の各部位に対して1名の適切なオペレータを割り当てることができる。その結果、車両201の各部位に対して、その部位の遠隔監視作業に必要な遠隔監視能力を持たないオペレータ151が割り当てられず、十分な遠隔監視作業が行われる。
【0137】
また、1台の車両201に対する遠隔監視作業を部位ごとに複数のオペレータ151で分担して行うことができる。従って、遠隔監視対象の車両201の要求習熟度合Rpが大きく、その要求習熟度合Rp以上の習熟度合Pに対応するオペレータ151が存在しない場合であっても、その車両201にオペレータ151を割り当てることができる。また、習熟度合Pが低いオペレータ151に対しても車両201を割り当てることができる。以上により、柔軟な遠隔監視を行うことができる。
【0138】
管理システム200はまた、1名のオペレータ151の習熟度合Pが複数の部位の部位要求習熟度合Rppの和以上である場合、その複数の部位に対して1名のオペレータ151を割り当てる。従って、1名のオペレータ151に1つの部位のみが割り当てられる場合に比べて、少ないオペレータ151で多くの部位を遠隔監視することができる。その結果、オペレータ151の不足を抑制し、遠隔監視作業を安定して遂行することができる。
【0139】
<第3実施の形態>
<管理システムの構成例>
図16は、本技術を適用した情報処理システムとしての管理システムの第3実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0140】
図16の管理システム300において、図13の管理システム200と対応する部分については同一の符号を付してある。従って、その部分の説明は適宜省略し、管理システム200と異なる部分に着目して説明する。管理システム300は、1以上の車両の1以上の各部位に1名以上のオペレータを割り当てる点が、管理システム200と異なっており、その他は管理システム200と同様に構成されている。
【0141】
具体的には、管理システム300は、車両201と、遠隔監視装置202に接続する管理装置303とがネットワーク14を介して接続されることにより構成される。
【0142】
管理装置303(情報処理装置)は、判定部231、割り当て部232の代わりに、判定部331、割り当て部332を備える点が、図13の管理装置203と異なっており、その他は管理装置203と同様に構成されている。
【0143】
判定部331は、判定部231と同様に、各オペレータの習熟度合Pを受信し、その習熟度合Pを習熟度合管理部110に供給する。判定部331は、判定部231と同様に、各車両201の部位要求習熟度合Rppを受信する。判定部331は、車両201の各部位に対してオペレータ151を割り当てる場合、各オペレータの習熟度合Pを習熟度合管理部110に要求する。判定部331は、その要求に応じて習熟度合管理部110から供給される習熟度合Pと割り当て対象の車両201の部位の部位要求習熟度合Rppとに基づいて、その部位に対してどの1名以上のオペレータ151が遠隔監視作業を行うことができるかを判定する。判定部331は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部332に供給する。
【0144】
割り当て部332は、判定部331から供給される判定結果に基づいて、各車両201の各部位に対して、その部位を遠隔監視する1名以上のオペレータを割り当てる。割り当て部332は、割り当て結果を監視状態管理部233に供給する。割り当て部332は、割り当て部232と同様に、監視状態管理部233から部位割り当てテーブルを取得し、その部位割り当てテーブルに基づいて各遠隔監視装置202に担当部位特定情報を送信する。
【0145】
<割り当ての第1の例>
図17は、管理装置303による割り当ての第1の例を説明する図である。
【0146】
図17の例では、管理装置303は、6台の遠隔監視装置202-1乃至202-6を使用する6名のオペレータ151-1乃至151-6に、遠隔監視作業が必要である1台の車両201-1を割り当てる。
【0147】
図17の例では、オペレータ151-1乃至151-6の習熟度合P乃至Pは、それぞれ、120,60,60,100,120,70である。車両201-1の後方、荷室、運転手、および前方の部位要求習熟度合Rpp乃至Rppは、それぞれ、120,110,60,180である。
【0148】
最初に、管理装置303の判定部331は、例えば車両201-1の後方を割り当て対象とし、習熟度合管理部110に要求することにより、習熟度合DB121に保持されているオペレータ151-1の習熟度合Pを取得する。判定部331は、この習熟度合Pが0ではないため、車両201-1の後方に対してオペレータ151-1が遠隔監視作業を行うことができると判定する。判定部331は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部332に供給する。
【0149】
割り当て部332は、この判定結果に基づいて車両201-1の後方に対してオペレータ151-1を割り当てる。習熟度合管理部110は、この判定結果に基づいて、習熟度合DB121に保持されている習熟度合Pを、その習熟度合Pから割り当て対象の後方の部位要求習熟度合Rppを減算した値と0のうちの大きい方に更新する。習熟度合Pから部位要求習熟度合Rppを減算した値は0(=120-120)であるため、更新後の習熟度合Pは0になる。
【0150】
判定部331は、割り当て対象の後方の部位要求習熟度合Rppを、その部位要求習熟度合Rppから更新前の習熟度合Pを減算した値に更新する。これにより、更新後の部位要求習熟度合Rppは0(=120-120)となる。更新後の部位要求習熟度合Rppは0以下であるため、判定部331は、割り当て対象の後方に対して十分なオペレータ151を割り当てたと判定し、後方に対する割り当てを終了する。
【0151】
次に、判定部331は、例えば車両201-1の荷室を割り当て対象とし、習熟度合管理部110に要求することにより、習熟度合DB121に保持されているオペレータ151-1の習熟度合Pを取得する。この習熟度合Pが0であるため、判定部331は、車両201-1の荷室に対してオペレータ151-1が遠隔監視作業を行うことができないと判定する。判定部331は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部332に供給する。割り当て部332は、車両201-1の荷室に対してオペレータ151-1を割り当てず、習熟度合管理部110は、習熟度合Pを更新しない。
【0152】
まだ車両201-2の荷室に対してオペレータ151を割り当てることができていないので、判定部331は、習熟度合管理部110に要求することにより、習熟度合DB121に保持されているオペレータ151-2の習熟度合Pを取得する。この習熟度合Pが0ではないため、判定部331は、車両201-1の荷室に対してオペレータ151-2が遠隔監視作業を行うことができると判定する。判定部331は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部332に供給する。
【0153】
割り当て部332は、この判定結果に基づいて車両201-1の荷室に対してオペレータ151-2を割り当てる。習熟度合管理部110は、この判定結果に基づいて、習熟度合DB121に保持されている習熟度合Pを、その習熟度合Pから荷室の部位要求習熟度合Rppを減算した値と0のうちの大きい方に更新する。習熟度合Pから部位要求習熟度合Rppを減算した値は-50(=60-110)であるため、更新後の習熟度合Pは0となる。
【0154】
判定部331は、割り当て対象の荷室の部位要求習熟度合Rppを、その部位要求習熟度合Rppから更新前の習熟度合Pを減算した値に更新する。これにより、更新後の部位要求習熟度合Rppは50(=110-60)となる。更新後の部位要求習熟度合Rppは0より大きいため、判定部331は、割り当て対象の荷室に対してまだ十分なオペレータ151を割り当てていないと判定し、車両201-1の荷室に対して更なるオペレータ151の割り当てを行う。
【0155】
具体的には、判定部331は、習熟度合管理部110に要求することにより、オペレータ151-3の習熟度合Pを習熟度合管理部110から取得する。判定部331は、この習熟度合Pが0ではないため、車両201-1の荷室に対してオペレータ151-3が遠隔監視作業を行うことができると判定する。判定部331は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部332に供給する。
【0156】
割り当て部332は、この判定結果に基づいて車両201-1の荷室に対してオペレータ151-3を割り当てる。習熟度合管理部110は、この判定結果に基づいて、習熟度合DB121に保持されている習熟度合Pを、その習熟度合Pから更新後の部位要求習熟度合Rppを減算した値と0のうちの大きい方に更新する。習熟度合Pから更新後の部位要求習熟度合Rppを減算した値は10(=60-50)であるため、更新後の習熟度合Pは10となる。
【0157】
判定部331は、割り当て対象の荷室の部位要求習熟度合Rppを、その部位要求習熟度合Rppから更新前の習熟度合Pを減算した値に更新する。これにより、更新後の部位要求習熟度合Rppは-10(=50-60)となる。部位要求習熟度合Rppは0以下であるため、判定部331は、割り当て対象の荷室に対して十分なオペレータ151を割り当てたと判定し、荷室に対する割り当てを終了する。
【0158】
以上のように、オペレータ151-2の習熟度合Pとオペレータ151-3の習熟度合Pの和が、車両201-1の荷室の部位要求習熟度合Rpp以上である場合、その荷室に対して2名のオペレータ151-2とオペレータ151-3が割り当てられる。
【0159】
次に、判定部331は、例えば車両201-1の運転手を割り当て対象とし、習熟度合管理部110に要求することにより、習熟度合DB121に保持されているオペレータ151-4の習熟度合Pを取得する。判定部331は、この習熟度合Pが0ではないため、車両201-1の運転手に対してオペレータ151-4が遠隔監視作業を行うことができると判定する。判定部331は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部332に供給する。
【0160】
割り当て部332は、この判定結果に基づいて車両201-1の運転手に対してオペレータ151-4を割り当てる。習熟度合管理部110は、この判定結果に基づいて、習熟度合DB121に保持されている習熟度合Pを、その習熟度合Pから割り当て対象の運転手の部位要求習熟度合Rppを減算した値と0のうちの大きい方に更新する。習熟度合Pから部位要求習熟度合Rppを減算した値は40(=100-60)であるため、更新後の習熟度合Pは40になる。
【0161】
判定部331は、割り当て対象の運転手の部位要求習熟度合Rppを、その部位要求習熟度合Rppから更新前の習熟度合Pを減算した値に更新する。これにより、更新後の部位要求習熟度合Rppは-40(=60-100)となる。更新後の部位要求習熟度合Rppは0以下であるため、判定部331は、割り当て対象の運転手に対して十分なオペレータ151を割り当てたと判定し、運転手に対する割り当てを終了する。
【0162】
次に、判定部331は、例えば車両201-1の前方を割り当て対象とし、習熟度合管理部110に要求することにより、習熟度合DB121に保持されているオペレータ151-5の習熟度合Pを取得する。判定部331は、この習熟度合Pが0ではないため、車両201-1の前方に対してオペレータ151-5が遠隔監視作業を行うことができると判定する。判定部331は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部332に供給する。
【0163】
割り当て部332は、この判定結果に基づいて車両201-1の前方に対してオペレータ151-5を割り当てる。習熟度合管理部110は、この判定結果に基づいて、習熟度合DB121に保持されている習熟度合Pを、その習熟度合Pから割り当て対象の前方の部位要求習熟度合Rppを減算した値と0のうちの大きい方に更新する。習熟度合Pから部位要求習熟度合Rppを減算した値は-60(=120-180)であるため、更新後の習熟度合Pは0となる。
【0164】
判定部331は、割り当て対象の前方の部位要求習熟度合Rppを、その部位要求習熟度合Rppから更新前の習熟度合Pを減算した値に更新する。これにより、更新後の部位要求習熟度合Rppは60(=180-120)となる。更新後の部位要求習熟度合Rppは0より大きいため、判定部331は、割り当て対象の前方に対してまだ十分なオペレータ151を割り当てていないと判定し、車両201-1の前方に対して更なるオペレータ151の割り当てを行う。
【0165】
具体的には、判定部331は、習熟度合管理部110に要求することにより、オペレータ151-6の習熟度合Pを習熟度合管理部110から取得する。判定部331は、この習熟度合Pが0ではないため、車両201-1の前方に対してオペレータ151-6が遠隔監視作業を行うことができると判定する。判定部331は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部332に供給する。
【0166】
割り当て部332は、この判定結果に基づいて車両201-1の前方に対してオペレータ151-6を割り当てる。習熟度合管理部110は、この判定結果に基づいて、習熟度合DB121に保持されている習熟度合Pを、その習熟度合Pから更新後の部位要求習熟度合Rppを減算した値と0のうちの大きい方に更新する。習熟度合Pから更新後の部位要求習熟度合Rppを減算した値は10(=70-60)であるため、更新後の習熟度合Pは10となる。
【0167】
判定部331は、割り当て対象の前方の部位要求習熟度合Rppを、その部位要求習熟度合Rppから更新前のオペレータ151-6の習熟度合Pを減算した値に更新する。これにより、更新後の部位要求習熟度合Rppは-10(=60-70)となる。部位要求習熟度合Rppは0以下であるため、判定部331は、割り当て対象である車両201-1の前方に対して十分なオペレータ151を割り当てたと判定し、前方に対する割り当てを終了する。
【0168】
以上のように、オペレータ151-5の習熟度合Pとオペレータ151-6の習熟度合Pの和が、車両201-1の前方の部位要求習熟度合Rpp以上である場合、その荷室に対して2名のオペレータ151-5と151-6が割り当てられる。
【0169】
<割り当ての第2の例>
図18は、管理装置303による割り当ての第2の例を説明する図である。
【0170】
図18の例では、管理装置303は、5台の遠隔監視装置202-1乃至202-5を使用する5名のオペレータ151-1乃至151-5に、遠隔監視作業が必要である3台の車両201-1乃至201-3を割り当てる。
【0171】
図18の例では、オペレータ151-1乃至151-5の習熟度合P乃至Pは、それぞれ、120,60,60,100,100である。車両201-1の後方、荷室、運転手、および前方の部位要求習熟度合Rpp乃至Rppは、それぞれ、40,110,60,180である。車両201-2の後方の部位要求習熟度合Rppは30である。車両201-3の後方の部位要求習熟度合Rppは40であり、運転手の部位要求習熟度合Rppは40である。
【0172】
図18の場合も、図17の場合と同様に、3台の車両201-1乃至201-3の各部位に対して5名のオペレータ151-1乃至151-5を含むオペレータ151が割り当てられる。但し、図18の例では、所定の部位が優先的に所定のオペレータ151に割り当てられるように、割り当て処理におけるオペレータ151の割り当ての順番が設定されている。具体的には、オペレータ151-1には車両201の後方が、オペレータ151-2および151-3には荷室が、オペレータ151-4には運転手が、オペレータ151-5には前方が、それぞれ優先的に割り当てられるように、割り当て処理におけるオペレータ151の割り当ての順番が設定されている。
【0173】
これにより、オペレータ151-1には、車両201-1乃至201-3の後方が優先的に割り当てられる。具体的には、車両201-1乃至201-3の後方の部位要求習熟度合Rppの和は110(=40+30+40)であるため、車両201-1乃至201-3の後方に対して習熟度合Pが120であるオペレータ151-1が割り当てられる。
【0174】
オペレータ151-2および151-3には、車両201-1乃至201-3の荷室が優先的に割り当てられる。車両201-1の荷室の部位要求習熟度合Rppは110であるため、車両201-1の荷室に対して習熟度合Pが60であるオペレータ151-2とオペレータ151-3が割り当てられる。
【0175】
オペレータ151-4には、車両201-1乃至201-3の運転手が優先的に割り当てられる。車両201-1および201-3の運転手の部位要求習熟度合Rppの和は100(=60+40)であるため、車両201-1および201-3の運転手に対して習熟度合Pが100であるオペレータ151-4が割り当てられる。
【0176】
オペレータ151-5には、車両201-1乃至201-3の前方が優先的に割り当てられる。車両201-1の前方の部位要求習熟度合Rppは180であるため、車両201-1の前方に対して習熟度合Pが100であるオペレータ151-5が割り当てられる。車両201-1の前方の部位要求習熟度合Rppからオペレータ151-5の習熟度合Pを減算した値は0より大きいため、その前方に割り当てるオペレータ151は、オペレータ151-4だけでは十分ではない。従って、図示せぬ他のオペレータ151も割り当てられる。
【0177】
以上のように、所定の部位が優先的に所定のオペレータ151に割り当てられるように、割り当て処理におけるオペレータ151の割り当ての順番が設定される場合、各オペレータ151に専門性を持たせることができる。
【0178】
<割り当て処理の説明>
図19は、管理装置303による割り当て処理を説明するフローチャートである。この割り当て処理は、例えば、遠隔監視作業が必要である各車両201の各部位を割り当て対象として行われる。
【0179】
図19のステップS51およびS52の処理は、図12のステップS11およびS12の処理と同様であるので、説明は省略する。
【0180】
ステップS53において、判定部331は、習熟度合Pが0であるかどうかを判定する。ステップS53で習熟度合Pが0ではないと判定された場合、判定部331は、割り当て対象の部位に対してi番目のオペレータ151-iが遠隔監視作業を行うことができると判定する。判定部331は、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部332に供給する。
【0181】
そして、ステップS54において、割り当て部332は、判定部331からの判定結果に基づいて割り当て対象の車両201の部位をi番目のオペレータ151-iに割り当てる。割り当て部332は、割り当て結果を監視状態管理部233に供給する。これにより、監視DB241に保持されている部位割り当てテーブルが更新される。その結果、オペレータ151-iが使用する遠隔監視装置202-iに、割り当て対象の部位を特定する担当部位特定情報が送信される。従って、オペレータ151-iは、この部位に対して遠隔監視作業を行う。
【0182】
ステップS55において、判定部331は、割り当て対象の部位の部位要求習熟度合Rppを、部位要求習熟度合Rppから習熟度合Pを減算した値に更新する。ステップS56において、判定部451は、更新後の部位要求習熟度合Rppが0より大きいかどうかを判定する。ステップS56で部位要求習熟度合Rppが0より大きくはないと判定された場合、判定部331は、割り当て対象に十分なオペレータ151を割り当てたと判断し、処理をステップS57に進める。
【0183】
ステップS57において、習熟度合管理部110は、習熟度合DB121に保持されている習熟度合Pを、習熟度合Pから割り当て対象の部位の部位要求習熟度合Rppを減算した値に更新する。そして、処理は終了する。
【0184】
一方、ステップS56で部位要求習熟度合Rppが0より大きいと判定された場合、判定部331は、まだ割り当て対象に十分なオペレータ151を割り当てていないと判断し、処理をステップS58に進める。
【0185】
ステップS58において、習熟度合管理部110は、習熟度合Pを0に更新する。即ち、習熟度合Pから割り当て対象の部位の部位要求習熟度合Rppを減算した値が0より小さくなるため、習熟度合管理部110は、習熟度合Pを0に更新する。そして、処理はステップS59に進む。
【0186】
一方、ステップS53で習熟度合Pが0であると判定された場合、判定部331は、オペレータ151-iが遠隔監視作業を行うことはできないと判定し、その判定結果を習熟度合管理部110と割り当て部332に供給する。そして、処理はステップS59に進む。
【0187】
ステップS59において、判定部331は、iがオペレータ151の総数M以上であるかどうかを判定する。ステップS59でiがオペレータ151の総数M以上ではないと判定された場合、ステップS60において、判定部331は、iを1だけインクリメントして、処理をステップS52に戻し、以降の処理を繰り返す。
【0188】
一方、ステップS59でiがオペレータ151の総数M以上であると判定された場合、即ち全てのオペレータ151の習熟度合Pに対してステップS52およびS53の処理が行われた場合、処理は終了する。この場合、割り当て対象の部位には十分なオペレータ151は割り当てられない。
【0189】
なお、図19の割り当て処理は、遠隔監視作業が必要である車両201や部位要求習熟度合Rppが変化したときにやり直される。これにより、遠隔監視作業が必要である車両201や部位要求習熟度合Rppが変化した場合に割り当て状況が劣化し、遠隔監視に支障を来すことを防止することができる。
【0190】
図19の割り当て処理において、オペレータ151の割り当ての順番は、全ての割り当て対象に対して同一であってもよいし、割り当て対象ごとに異なっていてもよい。オペレータ151の割り当ての順番は、例えば、習熟度合Pの高い順や低い順に設定することができる。割り当ての順番が習熟度合Pの低い順に設定される場合、遠隔監視作業を行うオペレータ151の数を増加させることができる。即ち、遠隔監視作業を行うオペレータ151の裾野を広げることができる。また、習熟度合Pの低いオペレータ151の習熟度合Pを向上させることができる。
【0191】
オペレータ151の割り当ての順番はまた、同一の割り当て対象内においても異なるようにしてもよい。例えば、割り当て対象に対する1回目の割り当てでは、オペレータ151の割り当ての順番は習熟度合Pの高い順にされ、2回目の割り当てでは、習熟度合Pの低い順にされてもよい。この場合、習熟度合Pの高いオペレータ151と低いオペレータ151が同一の割り当て対象に割り当てられることになる。その結果、習熟度合Pの低いオペレータ151の習熟度合Pを向上させる可能性がある。
【0192】
以上のように、管理システム300は、遠隔監視対象である複数の車両201の状態と複数のオペレータ151の遠隔監視作業に関する静的な状態を判定し、これらの状態に基づいて、複数の車両201の各部位に対して、その部位を遠隔監視する1名以上のオペレータ151を割り当てる。従って、車両201の状態とオペレータ151の状態の両方に基づいて、車両201の各部位に対して1名以上の適切なオペレータを割り当てることができる。
【0193】
また、習熟度合Pが低いオペレータ151に対しても車両201を割り当て、遠隔監視作業を行うオペレータ151の裾野を広げることができる。例えば、習熟度合Pが高い1名のオペレータ151の代わりに、習熟度合Pが低い複数名のオペレータ151に割り当て対象を割り当てることにより、習熟度合Pが低いオペレータ151に割り当て対象を割り当て易くすることができる。以上により、柔軟な遠隔監視を行うことができる。
【0194】
なお、管理システム200(300)において、車両201の全部位における、割り当て後の残りの部位要求習熟度合Rppに対して、1名のオペレータ151を割り当てるようにしてもよい。
【0195】
<第4実施の形態>
<管理システムの構成例>
図20は、本技術を適用した情報処理システムとしての管理システムの第4実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0196】
図20の管理システム400において、図2の管理システム10と対応する部分については同一の符号を付してある。従って、その部分の説明は適宜省略し、管理システム10と異なる部分に着目して説明する。管理システム400は、習熟度合Pと要求習熟度合Rpではなく覚醒度合Aと要求覚醒度合Raに基づいて割り当てを行う点、および、1台の車両に対して1名以上のオペレータを割り当てる点が、管理システム10と異なっており、その他は管理システム10と同様に構成されている。
【0197】
具体的には、管理システム400は、車両401と、遠隔監視装置402に接続する管理装置403とがネットワーク14を介して接続されることにより構成される。車両401は、車両状態判定部36の代わりに車両状態判定部416を備える点が、図2の車両11と異なっており、その他は車両11と同様に構成されている。
【0198】
車両状態判定部416は、車両状態判定部36と同様に、運転状態情報と周辺環境情報に基づいて車両401の動的な状態を判定する。車両状態判定部416はまた、車両状態判定部36と同様に、車両特性情報に基づいて車両401の静的な状態を判定する。車両状態判定部416は、車両401の動的な状態および静的な状態のうちの少なくとも一方に基づいて、車両401の遠隔監視作業に要求されるオペレータ151の遠隔監視作業に関する覚醒状態の度合である要求覚醒度合Raを算出する。
【0199】
具体的には、車両状態判定部416は、例えば、車両401の静的な状態に対応する要求覚醒度合Raの基本スコアに、車両401の動的な状態に対応する補正係数を乗算することにより要求覚醒度合Raを算出する。なお、基本スコアと補正係数は、遠隔監視の難易度が高いほど要求覚醒度合Raが高くなるように設定される。
【0200】
遠隔監視装置402は、センサ群421とオペレータ状態検出部422を備える点、監視状態判定部92の代わりに監視状態判定部423を備える点、およびオペレータ管理部91を備えない点が、図2の遠隔監視装置12と異なっており、その他は遠隔監視装置12と同様に構成されている。
【0201】
センサ群421は、イメージセンサ431と生体センサ432を備える。イメージセンサ431は、遠隔監視装置402を使用するオペレータ151を撮影し、オペレータ151の画像を取得する。イメージセンサ431は、その画像をオペレータ状態検出部422に供給する。生体センサ432は、遠隔監視装置402を使用するオペレータ151の生体情報を接触または非接触で検出し、その生体情報をオペレータ状態検出部422に供給する。生体センサ432が非接触で生体情報を検出する場合には、オペレータ151の装着負荷を軽減することができる。生体センサ432が接触して生体情報を検出する場合には、より精度の高い生体情報を検出することができる。
【0202】
オペレータ状態検出部422は、集中度検出部441、疲労度検出部442、および覚醒度検出部443を備える。
【0203】
集中度検出部441は、イメージセンサ431から供給される画像と生体センサ432から供給される生体情報に基づいて、オペレータ151の遠隔監視作業に関する集中状態の度合である集中度合を検出する。例えば、集中度検出部441は、オペレータ151の画像に基づいて検出される目の開眼度合や瞬きの回数、眼球運動(サッカード)などにより集中度合を検出する。
【0204】
疲労度検出部442は、イメージセンサ431から供給される画像と生体センサ432から供給される生体情報に基づいて、オペレータ151の遠隔監視作業に関する疲労状態の度合である疲労度合を検出する。例えば、疲労度検出部442は、オペレータ151の画像、生体情報に含まれるオペレータ151の心拍、脈拍、心拍や脈拍の変動、呼吸数などに基づいて、疲労度合を検出する。
【0205】
覚醒度検出部443は、イメージセンサ431から供給される画像と生体センサ432から供給される生体情報に基づいて、オペレータ151の遠隔監視作業に関する覚醒状態の度合である覚醒度合Aを検出する。
【0206】
集中度検出部441、疲労度検出部442、および覚醒度検出部443による検出方法は、上述した方法以外の方法であってもよい。例えば、オペレータ151の頭部、上半身、脚部等の姿勢変化や振動により、集中度合、疲労度合、および覚醒度合が検出されてもよい。
【0207】
集中度検出部441により検出される集中度合、疲労度検出部442により検出される疲労度合、および覚醒度検出部443により検出される覚醒度合Aは、オペレータ151の時間的に変化する動的な状態の度合を表すものである。集中度合、疲労度合、および覚醒度合は、監視状態判定部423に供給される。
【0208】
監視状態判定部423は、オペレータ状態検出部422から供給される集中度合、疲労度合、および覚醒度合Aのうちの覚醒度合Aを管理装置403に供給する。
【0209】
管理装置403(情報処理装置)は、習熟度合管理部110、判定部111の代わりに覚醒度合管理部450、判定部451を備える点が、図2の管理装置13と異なっており、その他は管理装置13と同様に構成されている。
【0210】
覚醒度合管理部450は、覚醒度合DB461を有する。覚醒度合管理部450は、判定部451から供給される各オペレータの覚醒度合Aを覚醒度合DB461に保持させる。覚醒度合管理部450は、判定部451から供給される判定結果に基づいて、覚醒度合DB461に保持されている覚醒度合Aを更新する。覚醒度合管理部450は、判定部451からの要求に応じて、覚醒度合DB461に保持されている覚醒度合Aを読み出し、判定部451に供給する。
【0211】
判定部451は、各遠隔監視装置402の監視状態判定部423からオペレータ151の覚醒度合Aを受信し、その覚醒度合Aを覚醒度合管理部450に供給する。判定部451は、各車両401の車両状態判定部416から車両401の要求覚醒度合Raを受信する。判定部451は、車両401に対してオペレータ151を割り当てる場合、各オペレータ151の覚醒度合Aを覚醒度合管理部450に要求する。判定部451は、その要求に応じて覚醒度合管理部450から供給される覚醒度合Aと割り当て対象の車両401の要求覚醒度合Raとに基づいて、その車両401に対してどの1名以上のオペレータ151が遠隔監視作業を行うことができるかどうかを判定する。判定部451は、その判定結果を覚醒度合管理部450と割り当て部112に供給する。
【0212】
<割り当ての例>
図21は、管理装置403による割り当ての例を説明する図である。
【0213】
図21の例では、管理装置403は、3台の遠隔監視装置402-1乃至402-3を使用する3名のオペレータ151-1乃至151-3に、遠隔監視作業が必要である2台の車両401-1および401-2を割り当てる。なお、以下では、i番目のオペレータ151-iの覚醒度合AをAと称し、j番目の車両401-jの要求覚醒度合RaをRaと称する。
【0214】
図21の例では、オペレータ151―1の覚醒度合Aは100であり、オペレータ151-2の覚醒度合Aは80であり、オペレータ151-3の覚醒度合Aは30である。車両401-1の要求覚醒度合Raおよび車両401-2の要求覚醒度合Raは両方とも100である。
【0215】
最初に、管理装置403の判定部451は、例えば車両401-1を割り当て対象とし、覚醒度合管理部450に要求することにより、覚醒度合DB461に保持されている覚醒度合Aを取得する。判定部451は、この覚醒度合Aが0ではないため、車両401-1に対してオペレータ151-1が遠隔監視作業を行うことができると判定する。判定部451は、その判定結果を覚醒度合管理部450と割り当て部112に供給する。
【0216】
割り当て部112は、この判定結果に基づいて車両401-1に対してオペレータ151-1を割り当てる。覚醒度合管理部450は、この判定結果に基づいて、覚醒度合DB461に保持されている覚醒度合Aを、その覚醒度合Aから割り当て対象の車両401-1の要求覚醒度合Raを減算した値と0のうちの小さい方に更新する。覚醒度合Aから要求覚醒度合Raを減算した値は0(=100-100)であるため、更新後の覚醒度合Aは0になる。
【0217】
判定部451は、割り当て対象の車両401-1の要求覚醒度合Raを、その要求覚醒度合Raから更新前の覚醒度合Aを減算した値に更新する。これにより、更新後の要求覚醒度合Raは0(=100-100)となる。更新後の要求覚醒度合Raは0以下であるため、判定部451は、車両401-1に対して十分なオペレータ151を割り当てたと判定し、車両401-1に対する割り当てを終了する。
【0218】
次に、判定部451は、例えば車両401-2を割り当て対象とし、覚醒度合管理部450に要求することにより、覚醒度合DB461に保持されている更新後の覚醒度合Aを取得する。この覚醒度合Aは0であるため、判定部331は、車両401-2に対してオペレータ151-1が遠隔監視作業を行うことができないと判定する。判定部451は、その判定結果を覚醒度合管理部450と割り当て部112に供給する。割り当て部112は、車両401-2に対してオペレータ151-1を割り当てず、覚醒度合管理部450は、覚醒度合Aを更新しない。
【0219】
まだ車両401-2に対してオペレータ151を割り当てることができてないので、判定部451は、覚醒度合管理部450に要求することにより、覚醒度合DB461に保持されている覚醒度合Aを取得する。この覚醒度合Aが0ではないため、判定部451は、車両401-2に対してオペレータ151-2が遠隔監視作業を行うことができると判定する。その判定結果を覚醒度合管理部450と割り当て部112に供給する。
【0220】
割り当て部112は、この判定結果に基づいて車両401-2に対してオペレータ151-2を割り当てる。覚醒度合管理部450は、この判定結果に基づいて、覚醒度合DB461に保持されている覚醒度合Aを、その覚醒度合Aから車両401-2の要求覚醒度合Raを減算した値と0のうちの小さい方に更新する。覚醒度合Aから要求覚醒度合Raを減算した値は-20(=80-100)であるため、更新後の覚醒度合Aは0になる。判定部451は、要求覚醒度合Raを、その要求覚醒度合Raから更新前の覚醒度合Aを減算した値に更新する。これにより、更新後の要求覚醒度合Raは20(=100-80)となる。更新後の要求覚醒度合Raは0より大きいため、判定部451は、車両401-2に対して十分なオペレータ151を割り当てていないと判定し、他のオペレータ151の割り当てを行う。
【0221】
具体的には、判定部451は、オペレータ151-3の覚醒度合Aを覚醒度合管理部450に要求する。覚醒度合管理部450は、この要求に応じて、覚醒度合DB461に保持されている覚醒度合Aを読み出し、判定部451に供給する。この覚醒度合Aが0ではないため、判定部451は、車両401-2に対してオペレータ151-3が遠隔監視作業を行うことができると判定する。判定部451は、その判定結果を覚醒度合管理部450と割り当て部112に供給する。
【0222】
割り当て部112は、この判定結果に基づいて車両401-2に対してオペレータ151-3を割り当てる。覚醒度合管理部450は、この判定結果に基づいて、覚醒度合DB461に保持されている覚醒度合Aを、その覚醒度合Aから更新後の要求覚醒度合Raを減算した値と0のうちの小さい方に更新する。覚醒度合Aから更新後の要求覚醒度合Raを減算した値は10(=30-20)であるため、更新後の覚醒度合Aは10になる。判定部451は、要求覚醒度合Raを、その要求覚醒度合Raから更新前の覚醒度合Aを減算した値に更新する。これにより、更新後の要求覚醒度合Raは-10(=20-30)となる。更新後の要求覚醒度合Raは0以下であるため、判定部451は、車両401-2に対して十分なオペレータ151を割り当てたと判定し、車両401-2に対する割り当てを終了する。
【0223】
以上のように、オペレータ151-2の覚醒度合Aとオペレータ151-3の覚醒度合Aの和が、車両401-2の要求覚醒度合Ra以上である場合、その車両401-2に対して2名のオペレータ151-2とオペレータ151-3が割り当てられる。
【0224】
<割り当て処理の説明>
図22は、管理装置403による割り当て処理を説明するフローチャートである。この割り当て処理は、例えば、遠隔監視作業が必要である各車両401を割り当て対象として行われる。
【0225】
図22のステップS71において、判定部451は、iを1に設定する。ステップS72において、判定部451は、覚醒度合管理部450に対してi番目のオペレータ151-iの覚醒度合Aを要求し、その覚醒度合Aを取得する。
【0226】
ステップS73において、判定部451は、覚醒度合Aが0であるかどうかを判定する。ステップS73で覚醒度合Aが0ではないと判定された場合、判定部451は、割り当て対象の車両401に対してオペレータ151-iが遠隔監視作業を行うことができると判定する。判定部451は、その判定結果を覚醒度合管理部450と割り当て部112に供給する。
【0227】
そして、ステップS74において、割り当て部112は、判定部451からの判定結果に基づいて割り当て対象の車両401をi番目のオペレータ151-iに割り当てる。割り当て部112は、割り当て結果を監視状態管理部233に供給する。これにより、監視DB241に保持されている割り当てテーブルが更新される。その結果、オペレータ151-iが使用する遠隔監視装置402-iに、割り当て対象の車両401を特定する担当車両特定情報が送信される。従って、オペレータ151-iは、この車両401に対して遠隔監視作業を行う。
【0228】
ステップS75において、判定部451は、割り当て対象の車両401の要求覚醒度合Raを、要求覚醒度合Raから覚醒度合Aを減算した値に更新する。ステップS76において、判定部451は、更新後の要求覚醒度合Raが0より大きいかどうかを判定する。ステップS76で要求覚醒度合Raが0より大きくはないと判定された場合、判定部451は、割り当て対象に十分なオペレータ151を割り当てたと判断し、処理をステップS77に進める。
【0229】
ステップS77において、覚醒度合管理部450は、覚醒度合DB461に保持されている覚醒度合Aを、覚醒度合Aから割り当て対象の車両401の要求覚醒度合Raを減算した値に更新する。そして、処理は終了する。
【0230】
一方、ステップS76で要求覚醒度合Raが0より大きいと判定された場合、判定部451は、まだ割り当て対象に十分なオペレータ151を割り当てていないと判断し、処理をステップS78に進める。
【0231】
ステップS78において、覚醒度合管理部450は、覚醒度合Aを0に更新する。即ち、覚醒度合Aから割り当て対象の車両401の要求覚醒度合Raを減算した値が0より小さくなるため、覚醒度合管理部450は、覚醒度合Aを0に更新する。そして、処理はステップS79に進む。
【0232】
一方、ステップS73で覚醒度合Aが0あると判定された場合、判定部451は、オペレータ151-iが遠隔監視作業を行うことができないと判定し、その判定結果を覚醒度合管理部450と割り当て部112に供給する。そして、処理はステップS79に進む。
【0233】
ステップS79において、判定部451は、iがオペレータ151の総数M以上であるかどうかを判定する。ステップS79でiがオペレータ151の総数M以上ではないと判定された場合、ステップS80において、判定部451は、iを1だけインクリメントする。そして、処理はステップS72に戻り、以降の処理が繰り返される。
【0234】
一方、ステップS79でiがオペレータ151の総数M以上であると判定された場合、即ち全てのオペレータ151の覚醒度合Aに対してステップS72およびS73の処理が行われた場合、処理は終了する。この場合、割り当て対象の車両401には十分なオペレータ151は割り当てられない。
【0235】
なお、図22の割り当て処理は、遠隔監視作業が必要である車両401、覚醒度合A、または要求覚醒度合Raが変化したときにやり直される。これにより、車両401、覚醒度合A、または要求覚醒度合Raが変化した場合に割り当て状況が劣化し、遠隔監視に支障を来すことを防止することができる。
【0236】
図22の割り当て処理において、オペレータ151の割り当ての順番は、全ての割り当て対象に対して同一であってもよいし、割り当て対象ごとに異なっていてもよい。オペレータ151の割り当ての順番は、例えば、習熟度合Pの高い順や低い順に設定することができる。
【0237】
以上のように、管理システム400は、遠隔監視対象である複数の車両401の状態と複数のオペレータ151の遠隔監視作業に関する動的な状態としての覚醒状態を判定し、これらの状態に基づいて、複数の車両401それぞれに対して、その車両401を遠隔監視する1名以上のオペレータ151を割り当てる。従って、車両401の状態とオペレータ151の状態の両方に基づいて、車両401に対して1名以上の適切なオペレータ151を割り当てることができる。
【0238】
また、1台の車両401に対する遠隔監視作業を複数のオペレータ151で分担して行うことができる。従って、遠隔監視対象の車両401の要求覚醒度合Raが大きく、その要求覚醒度合Ra以上の覚醒度合Aに対応するオペレータ151が存在しない場合であっても、その車両401にオペレータ151を割り当てることができる。また、覚醒度合Aが低いオペレータ151に対しても車両201を割り当てることができる。以上により、柔軟な遠隔監視を行うことができる。
【0239】
管理システム400は、オペレータ151の覚醒度合Aではなく、集中度合や疲労度合に基づいて割り当てを行うようにしてもよいし、覚醒度合A、集中度合、および疲労度合の少なくとも2つの組み合わせに基づいて割り当てを行うようにしてもよい。オペレータ151の動的な状態の度合としては、ストレス状態の度合が採用されるようにしてもよい。
【0240】
<第5実施の形態>
<管理システムの構成例>
図23は、本技術を適用した情報処理システムとしての管理システムの第5実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0241】
図23の管理システム500において、図2の管理システム10や図20の管理システム400と対応する部分については同一の符号を付してある。従って、その部分の説明は適宜省略し、管理システム10や400と異なる部分に着目して説明する。管理システム500は、覚醒度合Aと要求覚醒度合Raではなく、状態度合Sと要求状態度合Saに基づいて割り当てを行う点が、管理システム400と異なっており、その他は管理システム400と同様に構成されている。第5実施の形態は、第1実施の形態と第4実施の形態を組み合わせたものである。
【0242】
具体的には、管理システム500は、車両501と、遠隔監視装置502に接続する管理装置503とがネットワーク14を介して接続されることにより構成される。車両501は、車両状態判定部416の代わりに車両状態判定部516を備える点が、図20の車両401と異なっており、その他は車両401と同様に構成されている。
【0243】
車両状態判定部516は、車両状態判定部416と同様に、車両501の動的な状態と静的な状態を判定する。車両状態判定部516は、車両501の動的な状態および静的な状態のうちの少なくとも一方に基づいて、車両501の遠隔監視作業に要求されるオペレータ151の習熟状態と覚醒状態の度合を統合した度合である要求状態度合Rsを算出する。
【0244】
具体的には、車両状態判定部516は、図2の車両状態判定部36と同様に要求習熟度合Rpを算出する。車両状態判定部516は、図20の車両状態判定部416と同様に要求覚醒度合Raを算出する。車両状態判定部516は、例えば、要求習熟度合Rpに対応する要求状態度合Rsの基本スコアに、要求覚醒度合Raに対応する補正係数を乗算することにより、要求状態度合Rsを算出する。
【0245】
遠隔監視装置502は、監視状態判定部423の代わりに監視状態判定部523を備える点、およびオペレータ管理部91を備える点が、図20の遠隔監視装置402と異なっており、その他は遠隔監視装置402と同様に構成されている。
【0246】
監視状態判定部523は、監視状態判定部92と同様に習熟度合Pを算出する。監視状態判定部523は、オペレータ状態検出部422から供給される集中度合、疲労度合、および覚醒度合Aのうちの覚醒度合Aと習熟度合Pとに基づいて状態度合Sを算出する。例えば、監視状態判定部523は、習熟度合Pに対応する状態度合Sの基本スコアに、覚醒度合Aに対応する補正係数を乗算することにより、状態度合Sを算出する。監視状態判定部523は、状態度合Sを管理装置503に供給する。
【0247】
管理装置503(情報処理装置)は、覚醒度合管理部450、判定部451の代わりに状態度合管理部550、判定部551を備える点が、図20の管理装置403と異なっており、その他は管理装置403と同様に構成されている。
【0248】
状態度合管理部550は、状態度合DB561を有する。状態度合管理部550は、判定部551から供給される各オペレータの状態度合Sを状態度合DB561に保持させる。状態度合管理部550は、判定部551から供給される判定結果に基づいて、状態度合DB561に保持されている状態度合Sを更新する。状態度合管理部550は、判定部551からの要求に応じて、状態度合DB561に保持されている状態度合Sを読み出し、判定部551に供給する。
【0249】
判定部551は、各遠隔監視装置502の監視状態判定部523からオペレータ151の状態度合Sを受信し、その状態度合Sを状態度合管理部550に供給する。判定部551は、各車両501の車両状態判定部516から要求状態度合Rsを受信する。判定部551は、車両501に対してオペレータ151を割り当てる場合、各オペレータ151の状態度合Sを状態度合管理部550に要求する。判定部551は、その要求に応じて状態度合管理部550から供給される状態度合Sと割り当て対象の車両501の要求状態度合Rsとに基づいて、その車両501に対してどの1名以上のオペレータ151が遠隔監視作業を行うことができるかどうかを判定する。判定部551は、その判定結果を状態度合管理部550と割り当て部112に供給する。
【0250】
以上のように、管理システム500は、遠隔監視対象である複数の車両501の状態と複数のオペレータ151の監視に関する静的な状態および動的な状態を判定し、これらの状態に基づいて、複数の車両501それぞれに対して、その車両501を遠隔監視する1名以上のオペレータ151を割り当てる。従って、車両401の状態とオペレータ151の状態の両方に基づいて、車両501に対して1名以上の適切なオペレータ151を割り当てることができる。
【0251】
第5実施の形態では、第1実施の形態と第4実施の形態が組み合わされたが、第2実施の形態や第3実施の形態と第4実施の形態を組み合わせてもよい。具体的には、管理システム200(300)において、要求状態度合Rsを部位ごとに分割した部位要求状態度合Rspと状態度合Sとに基づいて割り当てが行われてもよい。
【0252】
<コンピュータの構成例>
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0253】
図24は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【0254】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)601,ROM(Read Only Memory)602,RAM(Random Access Memory)603は、バス604により相互に接続されている。
【0255】
バス604には、さらに、入出力インタフェース605が接続されている。入出力インタフェース605には、入力部606、出力部607、記憶部608、通信部609、及びドライブ610が接続されている。
【0256】
入力部606は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部607は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部608は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部609は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ610は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア611を駆動する。
【0257】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU601が、例えば、記憶部608に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース605及びバス604を介して、RAM603にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0258】
コンピュータ(CPU601)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア611に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0259】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア611をドライブ610に装着することにより、入出力インタフェース605を介して、記憶部608にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部609で受信し、記憶部608にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM602や記憶部608に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0260】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0261】
第1乃至第5実施の形態において、複数の車両11(201,401,501)に対して1名のオペレータ151が割り当てられる場合、複数の車両11(201,401,501)を遠隔監視することによりオペレータ151の遠隔監視の負荷が高まると考えられる。従って、オペレータ151にn台目(nは1以上の整数)の車両11(201,401,501)が割り当てられる場合、n台目の車両11(201,401,501)の要求習熟度合Rp(要求覚醒度合Ra,要求状態度合Rs)は、1より小さい所定の値aにn-1を乗算した値a(n-1)倍だけ増加される。
【0262】
これにより、例えば、以下の式(1)が成立する場合、N個(Nは1以上の整数)の車両11(201)が1名のオペレータ151に割り当てられる。なお、式(1)において、Rpnは、割り当てられるn台目の車両11(201)の要求習熟度合Rpを表している。
【0263】
【数1】
【0264】
即ち、1名のオペレータ151の習熟度合Pが、n台目の車両11(201)の要求習熟度合Rpnを、その要求習熟度合Rpnの値a(n-1)倍だけ増加させてN台の車両11(201)の要求習熟度合Rpを加算した和以上である場合、そのN台の車両11(201)に対して、その1名のオペレータ151が割り当てられる。
【0265】
例えば、所定の値aが0.2である場合、即ち割り当てられる車両11(201)が1台増加するごとに20%ずつ要求習熟度合Rpが増加する場合、上述した図11では、車両11-1乃至11-3の要求習熟度合Rpの和が228(=40+40×1.2+100×1.4)となる。従って、オペレータ151-1の習熟度合Pである200が、その和以上ではないため、オペレータ151-1に3台の車両11-1乃至11-3を割り当てることはできない。よって、この場合、オペレータ151-1には、例えば2台の車両11-1と車両11-3が割り当てられる。2台の車両11-1と車両11-3の要求習熟度合Rpの和は160(=40+100×1.2)であるため、オペレータ151-1の習熟度合Pである200は、その和以上である。なお、式(1)において、(1+(n-1)×a)は、n台目の車両11(201)に対して遠隔監視作業を行う際の補正係数f(n)であれば、これに限定されない。要求覚醒度合Ra(要求状態度合Rs)と覚醒度合A(状態度合S)に基づいて割り当てが行われる場合も同様である。
【0266】
なお、要求習熟度合Rp(要求覚醒度合Ra、要求状態度合Rs)が値a(n-1)倍だけ増加されるのではなく、習熟度合P(覚醒度合A、状態度合S)が、その習熟度合P(覚醒度合A、状態度合S)の1より小さい所定の値a´にn-1を乗算した値a´(n-1)倍だけ削減されるようにしてもよい。この場合、1名のオペレータ151にn台目の車両11(201,401,501)が割り当てられるとき、そのオペレータ151の習熟度合P(覚醒度合A)が値a´(n-1)倍だけ削減される。
【0267】
1台の車両201(401,501)に対して複数名のオペレータ151が割り当てられる場合、複数名のオペレータ151で遠隔監視することによりオペレータ151の遠隔監視の集中度が低下すると考えられる。従って、1台の車両201(401)に対してn人目(nは1以上の整数)のオペレータ151が割り当てられる場合、n人目のオペレータ151の習熟度合P(覚醒度合A、状態度合S)は、1より小さい所定の値bにn―1を乗算した値b(n-1)倍だけ削減される。
【0268】
これにより、例えば、以下の式(2)が成立する場合、1台の車両201がN名のオペレータ151に割り当てられる。なお、式(2)において、Anは、割り当てられるn人目のオペレータ151の覚醒度合Aを表している。
【0269】
【数2】
【0270】
即ち、n人目のオペレータ151の覚醒度合Anを、その覚醒度合Anの値b(n-1)倍だけ削減してN名のオペレータ151の覚醒度合Aを加算した和が、車両201の要求覚醒度合Ra以上である場合、その車両201に対して、そのN名のオペレータ151が割り当てられる。部位要求習熟度合Rpp(要求状態度合Rs)と習熟度合P(状態度合S)に基づいて割り当てが行われる場合も同様である。
【0271】
例えば、所定の値bが0.2である場合、即ち割り当てられるオペレータ151が1名増加するごとに20%ずつ習熟度合Pが削減される場合、上述した図17では、オペレータ151-2と151-3の習熟度合Pの和が108(=60+60×0.8)となる。従って、その和が車両201-1の荷室の部位要求習熟度合Rppである110以上ではないため、2名のオペレータ151-2および151-3に車両201-1の荷室を割り当てることはできない。
【0272】
なお、習熟度合P(覚醒度合A、状態度合S)が値b(n-1)倍だけ削減されるのではなく、要求習熟度合Rp(要求覚醒度合Ra、要求状態度合Rs)が、その要求習熟度合Rp(要求覚醒度合Ra、要求状態度合Rs)の1より小さい所定の値b´にn-1を乗算した値b´(n-1)倍だけ増加されるようにしてもよい。この場合、1台の車両201(401)にn人目のオペレータ151が割り当てられるとき、その車両201(401)の要求習熟度合Rp(要求覚醒度合Ra、要求状態度合Rs)が値b´(n-1)倍だけ増加される。式(2)において、(1-(n-1)×b)は、n人目のオペレータ151が遠隔監視作業を行う際の補正係数g(n)であれば、これに限定されない。
【0273】
車両管理部35(215)および車両状態判定部36(216,416,516)並びに、オペレータ管理部91および監視状態判定部92(423,523)は、管理装置13(203,303,403,503)に設けられるようにしてもよい。この場合、車両管理部35(215)および車両状態判定部36(216,416,516)は、全車両11に対する処理を行い、オペレータ管理部91および監視状態判定部92(423,523)は、全オペレータ151に対する処理を行う。
【0274】
第1乃至第5実施の形態では、オペレータ151が遠隔監視作業を行うものとしたが、遠隔運転に含まれる、その他の遠隔支援作業や遠隔操縦作業も行うようにしてもよい。本技術において、遠隔監視作業の対象は車両に限定されない。
【0275】
車両11(201,401,501)の遠隔監視作業には、車両11(201,401,501)の運転手だけでなく、運転手以外の乗員やペット、シートや架台に置いた荷物などの車両201上の物体の遠隔監視も含むことができる。この場合、管理システム200(300)は、このような車両201上の物体も部位として、車両201の要求習熟度合Rpを分割する。乗員やペットに対する遠隔監視作業には、カメラ映像等を利用した動作の監視、カメラ、サーモセンサ、ミリ波レーダーセンサ、心拍センサ、脈波センサなどの生体センサ等によるセンシングデータの監視、そのセンシングデータから推測される疲労、酔い、眠気等の状態の監視などがある。
【0276】
第1乃至第5実施の形態の割り当て処理において、オペレータ151の割り当ては、割り当てが十分に行えなかった割り当て対象の残りの要求習熟度合Rp(部位要求習熟度合Rpp、要求覚醒度合Ra、要求状態度合Rs)が最も小さくなるように行われてもよい。
【0277】
なお、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0278】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0279】
例えば、上述した複数の実施の形態の全てまたは一部を組み合わせた形態を採用することができる。
【0280】
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0281】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0282】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0283】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、本明細書に記載されたもの以外の効果があってもよい。
【0284】
本技術は、以下の構成を取ることができる。
(1)
遠隔監視対象である複数台の車両の状態を判定する車両状態判定部と、
複数名のオペレータの遠隔監視に関する状態を判定する監視状態判定部と、
前記車両状態判定部により判定された前記複数台の車両の状態と前記監視状態判定部により判定された前記複数名のオペレータの遠隔監視に関する状態とに基づいて、前記複数台の車両それぞれに対して、その車両を遠隔監視する1名以上の前記オペレータを割り当てる割り当て部と
を備える情報処理システム。
(2)
前記割り当て部は、前記複数台の車両のうちの1台の前記車両に対して複数名の前記オペレータを割り当てる
ように構成された
前記(1)に記載の情報処理システム。
(3)
前記割り当て部は、前記1台の車両の各部位に対して、その部位を遠隔監視する1以上の前記オペレータを割り当てる
ように構成された
前記(2)に記載の情報処理システム。
(4)
前記割り当て部は、複数台の前記車両に対して1名の前記オペレータを割り当てる
ように構成された
前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の情報処理システム。
(5)
前記車両状態判定部は、前記車両ごとに、前記車両の状態に基づいて前記車両の監視に要求されるオペレータの遠隔監視に関する状態の度合である要求状態度合を算出し、
前記監視状態判定部は、前記オペレータごとに、前記オペレータの遠隔監視に関する状態に基づいて前記オペレータの遠隔監視に関する状態の度合である状態度合を算出し、
前記割り当て部は、前記複数台の車両の前記要求状態度合と前記複数名のオペレータの前記状態度合に基づいて、前記複数台の車両それぞれに対して、その車両を遠隔監視する1名以上の前記オペレータを割り当てる
ように構成された
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の情報処理システム。
(6)
前記割り当て部は、1名の前記オペレータの前記状態度合が1台の前記車両の前記要求状態度合以上である場合、前記1台の車両に前記1名のオペレータを割り当てる
ように構成された
前記(5)に記載の情報処理システム。
(7)
前記割り当て部は、1名の前記オペレータの前記状態度合が複数台の前記車両の前記要求状態度合の和以上である場合、その複数台の車両に前記1名のオペレータを割り当てる
ように構成された
前記(5)または(6)のいずれかに記載の情報処理システム。
(8)
前記割り当て部は、前記要求状態度合の和を求める際、n台目の前記車両の前記要求状態度合を、その要求状態度合の、1より小さい所定の値aとn-1を乗算して求められる値a(n-1)倍だけ増加させる
ように構成された
前記(7)に記載の情報処理システム。
(9)
前記割り当て部は、複数名の前記オペレータの前記状態度合の和が1台の前記車両の前記要求状態度合以上である場合、その複数名のオペレータを前記1台の車両に割り当てる
ように構成された
前記(5)乃至(8)のいずれかに記載の情報処理システム。
(10)
前記割り当て部は、前記状態度合の和を求める際、n人目の前記オペレータの前記状態度合を、その状態度合の、1より小さい所定の値bとn-1を乗算して求められる値b(n-1)倍だけ減少させる
ように構成された
前記(9)に記載の情報処理システム。
(11)
前記オペレータの遠隔監視に関する状態は、前記オペレータの遠隔監視に関する静的な状態である
ように構成された
前記(1)乃至(10)のいずれかに記載の情報処理システム。
(12)
前記オペレータの遠隔監視に関する静的な状態は、前記オペレータの遠隔監視に関する習熟状態である
ように構成された
前記(11)に記載の情報処理システム。
(13)
前記オペレータの遠隔監視に関する状態は、前記オペレータの遠隔監視に関する動的な状態である
ように構成された
前記(1)乃至(12)のいずれかに記載の情報処理システム。
(14)
前記オペレータの遠隔監視に関する動的な状態は、前記オペレータの覚醒状態、疲労状態、または集中状態である
ように構成された
前記(13)に記載の情報処理システム。
(15)
前記車両の状態は、前記車両の静的な状態および動的な状態のうちの少なくとも一方である
ように構成された
前記(1)乃至(14)のいずれかに記載の情報処理システム。
(16)
前記車両の静的な状態は、前記車両の特性である
ように構成された
前記(15)に記載の情報処理システム。
(17)
前記車両の動的な状態は、前記車両の運転状態および周辺環境の状態のうちの少なくとも1つである
ように構成された
前記(15)または(16)に記載の情報処理システム。
(18)
情報処理システムが、
遠隔監視対象である複数台の車両の状態を判定する車両状態判定ステップと、
複数名のオペレータの遠隔監視に関する状態を判定する監視状態判定ステップと、
前記車両状態判定ステップの処理により判定された前記複数台の車両の状態と前記監視状態判定ステップの処理により判定された前記複数名のオペレータの遠隔監視に関する状態とに基づいて、前記複数台の車両それぞれに対して、その車両を遠隔監視する1名以上の前記オペレータを割り当てる割り当てステップと
を含む情報処理方法。
(19)
遠隔監視対象である複数台の車両の状態と複数名のオペレータの遠隔監視に関する状態とに基づいて、前記複数台の車両それぞれに対して、その車両を遠隔監視する1名以上の前記オペレータを割り当てる割り当て部
を備える情報処理装置。
(20)
前記複数台の車両の状態を判定する車両状態判定部と、
前記複数名のオペレータの遠隔監視に関する状態を判定する監視状態判定部と
をさらに備える
前記(19)に記載の情報処理装置。
【符号の説明】
【0285】
10 管理システム, 11 車両, 13 管理装置, 36 車両状態判定部, 92 監視状態判定部, 112 割り当て部, 151 オペレータ, 200 管理システム, 201 車両, 203 管理装置, 216 車両状態判定部, 232 割り当て部, 300 管理システム, 303 管理装置, 216 車両状態判定部,332 割り当て部, 400 管理システム, 401 車両, 403 管理装置, 416 車両状態判定部, 423 監視状態判定部, 500 管理システム, 501 車両, 503 管理装置, 516 車両状態判定部, 523 監視状態判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24