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特開2023-156086無人搬送車の充放電制御装置、無人搬送車および無人搬送システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156086
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】無人搬送車の充放電制御装置、無人搬送車および無人搬送システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20231017BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20231017BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20231017BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H02J7/00 302C
H02J7/00 P
H02J7/00 Y
H02J7/00 301C
H02J50/10
H01M10/44 P
H01M10/48 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065736
(22)【出願日】2022-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【弁理士】
【氏名又は名称】荒 則彦
(74)【代理人】
【識別番号】100169694
【弁理士】
【氏名又は名称】荻野 彰広
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】福光 由章
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503CA08
5G503EA08
5G503FA02
5G503FA06
5G503GB08
5H030AS08
5H030BB01
5H030BB23
5H030DD18
5H030FF41
5H030FF52
(57)【要約】
【課題】バッテリーの充放電の効率が良い態様でバッテリーの充放電を制御する。
【解決手段】駆動部または作業部の少なくとも一方を含む電力供給対象に電力を供給する複数のバッテリーと、ワイヤレスで電力を受電し、受電した電力をバッテリーに供給する受電部と、バッテリーと受電部との間に設けられた第1スイッチ部と、電力供給対象とバッテリーとの間に設けられた第2スイッチ部と、個々のバッテリーのバッテリー残量を検出する検出部と、検出部によって検出されたバッテリー残量に基づいて第1スイッチ部および第2スイッチ部を制御する制御部と、を備え、制御部は、複数のバッテリーのうち、バッテリー残量が最も少ないバッテリーに対して充電が行われるように第1スイッチ部を制御するとともに、バッテリー残量が最も多いバッテリーから電力供給対象に放電が行われるように第2スイッチ部を制御する、無人搬送車の充放電制御装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部または作業部の少なくとも一方を含む電力供給対象に電力を供給する複数のバッテリーと、
ワイヤレスで電力を受電し、受電した前記電力を前記バッテリーに供給する受電部と、
前記バッテリーと前記受電部との間に設けられた第1スイッチ部と、
前記電力供給対象と前記バッテリーとの間に設けられた第2スイッチ部と、
個々の前記バッテリーのバッテリー残量を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された前記バッテリー残量に基づいて前記第1スイッチ部および前記第2スイッチ部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記複数の前記バッテリーのうち、前記バッテリー残量が最も少ない前記バッテリーに対して充電が行われるように前記第1スイッチ部を制御するとともに、前記バッテリー残量が最も多い前記バッテリーから前記電力供給対象に放電が行われるように前記第2スイッチ部を制御する、
無人搬送車の充放電制御装置。
【請求項2】
前記複数の前記バッテリーは、第1バッテリーと、第2バッテリーと、を含み、
前記第1スイッチ部は、前記第1バッテリーと前記受電部との間に設けられた第1Aスイッチと、前記第2バッテリーと前記受電部との間に設けられた第1Bスイッチと、を含み、
前記第2スイッチ部は、前記第1バッテリーと前記電力供給対象との間に設けられた第2Aスイッチと、前記第2バッテリーと前記電力供給対象との間に設けられた第2Bスイッチと、を含み、
前記制御部は、前記第1Aスイッチの切り替えと前記第2Bスイッチの切り替えとが同期し、前記第1Bスイッチの切り替えと前記第2Aスイッチの切り替えとが同期するように制御を行う、
請求項1に記載の無人搬送車の充放電制御装置。
【請求項3】
前記受電部と前記複数の前記バッテリーとが受電電力供給において切り離されている場合、前記制御部は、前記検出部によって検出された前記バッテリー残量が最も多い前記バッテリーから前記駆動部に放電が行われるように、前記第2スイッチ部を制御する、
請求項1または請求項2に記載の無人搬送車の充放電制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記複数の前記バッテリーのうちの一部の前記バッテリーに関する異常を判定した場合、前記異常が発生していない前記バッテリーのうち、前記検出部によって検出された前記バッテリー残量が多い前記バッテリーから前記駆動部に放電が行われるように、前記第2スイッチ部を制御する、
請求項1または請求項2に記載の無人搬送車の充放電制御装置。
【請求項5】
前記複数の前記バッテリーと前記電力供給対象との間に整流部を備える、
請求項1または請求項2に記載の無人搬送車の充放電制御装置。
【請求項6】
前記受電部と前記複数の前記バッテリーとの間に整流部を備える、
請求項1または請求項2に記載の無人搬送車の充放電制御装置。
【請求項7】
前記複数の前記バッテリーのうちの少なくとも1個の前記バッテリーの体積は、5L以下である、
請求項1または請求項2に記載の無人搬送車の充放電制御装置。
【請求項8】
前記複数の前記バッテリーのうちの少なくとも1個の前記バッテリーの重量は、5kg以下である、
請求項1または請求項2に記載の無人搬送車の充放電制御装置。
【請求項9】
請求項1または請求項2に記載の充放電制御装置と、
前記電力供給対象と、
を備える、
無人搬送車。
【請求項10】
請求項1または請求項2に記載の充放電制御装置と、前記電力供給対象と、を備える無人搬送車と、
複数の異なる箇所に設置されて、ワイヤレスで電力を送電する複数の送電部と、
を備える、
無人搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無人搬送車の充放電制御装置、無人搬送車および無人搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、バッテリーの電力によって駆動される無人搬送車(AGV:Automatic Guided Vehicle)が知られている。
このような無人搬送車では、バッテリーの充放電の効率が良い態様でバッテリーの充放電を制御することが求められている。
【0003】
特許文献1に記載された車両の送受電装置では、当該車両を駆動する駆動系と、外部に対して電力を非接触で授受する非接触送受電部と、バッテリーごとに当該バッテリーを当該駆動系と接続して放電を行うか当該バッテリーを当該非接触送受電部と接続して充電を行うかを切替可能とするスイッチ機能付きインバータを備える。そして、当該送受電装置では、制御部が、当該車両の走行中に検出されたバッテリー残量が所定の閾値を下回ったバッテリーを当該非接触送受電部と接続して充電を行い、他のバッテリーを当該駆動系と接続して放電を行うように、当該インバータを制御することで、バッテリーの寿命を長くすることが図られている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-128354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1に記載された技術では、電気自動車(EV)を対象としており、主に電気自動車の走行中にバッテリーの充放電を制御することに関する。
【0006】
しかしながら、従来の技術では、無人搬送車におけるバッテリーの充放電の制御に関しては、不十分な点があった。
例えば、無人搬送車の場合、無人搬送車が移動していないときにもバッテリーの充放電を制御することが求められるが、従来の技術では、不十分な点があった。
【0007】
本開示は、このような事情を考慮してなされたもので、バッテリーの充放電の効率が良い態様で、バッテリーの充電時間を極力短くするように制御することが可能な無人搬送車の充放電制御装置、無人搬送車および無人搬送システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様は、駆動部または作業部の少なくとも一方を含む電力供給対象に電力を供給する複数のバッテリーと、ワイヤレスで電力を受電し、受電した前記電力を前記バッテリーに供給する受電部と、前記バッテリーと前記受電部との間に設けられた第1スイッチ部と、前記電力供給対象と前記バッテリーとの間に設けられた第2スイッチ部と、個々の前記バッテリーのバッテリー残量を検出する検出部と、前記検出部によって検出された前記バッテリー残量に基づいて前記第1スイッチ部および前記第2スイッチ部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数の前記バッテリーのうち、前記バッテリー残量が最も少ない前記バッテリーに対して充電が行われるように前記第1スイッチ部を制御するとともに、前記バッテリー残量が最も多い前記バッテリーから前記電力供給対象に放電が行われるように前記第2スイッチ部を制御する、無人搬送車の充放電制御装置である。
【0009】
本開示の一態様は、前記充放電制御装置と、前記電力供給対象と、を備える、無人搬送車である。
【0010】
本開示の一態様は、前記充放電制御装置と、前記電力供給対象と、を備える無人搬送車と、複数の異なる箇所に設置されて、ワイヤレスで電力を送電する複数の送電部と、を備える、無人搬送システムである。
【発明の効果】
【0011】
本開示に係る無人搬送車の充放電制御装置、無人搬送車および無人搬送システムによれば、バッテリーの充放電の効率が良い態様で、バッテリーの充電時間を極力短くするように充放電を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る無人搬送システムの概略的な構成の一例を示す図である。
図2】実施形態に係る無人搬送車の充放電制御装置が有する回路の概略的な構成の一例および制御の一例を示す図である。
図3】実施形態に係る無人搬送車の充放電制御装置が有する回路の概略的な構成の一例および制御の他の例を示す図である。
図4】実施形態に係る無人搬送車の充放電制御装置が有する回路の概略的な構成の一例および制御の他の例を示す図である。
図5】実施形態に係る無人搬送車の充放電制御装置が有する回路の概略的な構成の一例および制御の他の例を示す図である。
図6】実施形態の変形例に係る無人搬送車の充放電制御装置が有する回路の概略的な構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本開示の実施形態について説明する。
【0014】
[無人搬送システム]
図1は、実施形態に係る無人搬送システム1の概略的な構成の一例を示す図である。
図1には、説明の便宜上、三次元直交座標系であるXYZ直交座標系を示してある。
本実施形態では、説明の便宜上、X軸の正の方向が右の方向であり、X軸の負の方向が左の方向であり、Y軸の正の方向が奥の方向であり、Y軸の負の方向が手前の方向であり、Z軸の正の方向が上の方向であり、Z軸の負の方向が下の方向である、として説明する。
【0015】
図1には、作業領域11と、原点領域12と、領域A1~A3と、領域B1~B5と、領域C1~C5と、を示してある。
これらの領域は、例えば、工場の内部などのように、作業が行われる場所に設けられている。
なお、図1の例では、説明の便宜上、それぞれの領域を枠で示してあるが、実際には枠で示されなくてもよい。
また、これらの領域は、一例であり、図1の例に限られない。
【0016】
無人搬送システム1は、複数の無人搬送車21~23と、複数の送電部51~53と、を備える。
図1の例では、3個の無人搬送車21~23を示してあるが、無人搬送車の数は任意の数であってもよい。なお、無人搬送車の数が1個である構成が用いられてもよい。
図1の例では、3個の送電部51~53を示してあるが、送電部の数は任意の数であってもよい。なお、送電部の数が1個である構成が用いられてもよい。
【0017】
それぞれの送電部51~53は、電力源と、送電コイルと、を有している。そして、それぞれの送電部51~53は、電力源から供給される電力を用いて、送電コイルによってワイヤレスで電力を送電する。
ここで、電力源は、例えば、公用の電力源であってもよく、あるいは、他の電力源であってもよい。
【0018】
それぞれの無人搬送車21~23は、作業領域11を移動して所定の作業を行う。
また、それぞれの無人搬送車21~23は、原点領域12に来る場合もある。
また、それぞれの無人搬送車21~23は、例えば、原点領域12を出発して、作業領域11に移動してもよい。
【0019】
ここで、原点領域12は、人によって無人搬送車21~23を扱うことが自由にできる領域である。
また、作業領域11は、基本的には、人の自由な立ち入りが禁止されている領域である。ただし、所定の覆い等を身に付けた人は作業領域11に立ち入ることが許可されてもよい。
【0020】
それぞれの無人搬送車21~23は、受電コイルを有する受電部を備える。
そして、それぞれの無人搬送車21~23は、それぞれの送電部51~53の位置において、それぞれの送電部51~53からワイヤレスで送電される電力を受電コイルによって受電することが可能である。
図1の例では、それぞれの送電部51~53の送電コイルは、地面または地上に設けられている。そして、それぞれの無人搬送車21~23は、それぞれの送電部51~53の送電コイルの上方に受電コイルが位置する状態で、当該受電コイルによってワイヤレスで電力を受電することができる。
【0021】
それぞれの領域A1~A3には、仕分け対象となる対象物(仕分け対象物)が運ばれてくる。当該対象物は、例えば、商品、書類、あるいは、商品または書類が格納された箱などであってもよい。
それぞれの領域B1~B5、C1~C5は、互いに異なる仕分け先に対応する。
この場合、それぞれの無人搬送車21~23は、それぞれの領域A1~A3に運ばれてきた仕分け対象物を持ち上げて保持して移動することで、当該仕分け対象物を所望の仕分け先の領域(領域B1~B5、C1~C5のいずれか)に移動させる。
【0022】
具体例として、仕分け対象物が、その供給元から各地域に配送される場合、それぞれの無人搬送車21~23は、それぞれの仕分け対象物をそれぞれに対応した地域に割り当てられた領域(領域B1~B5、C1~C5のいずれか)に仕分けすることができる。これにより、仕分け対象物を各地域に配送する配送ユニットが構成される。
【0023】
ここで、それぞれの無人搬送車21~23は、例えば、所望の領域(領域A1~A3のいずれか)の付近に停止して、所望の作業を行うとともに、近くに存在する送電部(送電部51~53のいずれか)からのワイヤレス電力伝送を受けることができる。
当該所望の作業としては、例えば、仕分け対象物をピックアップする作業、仕分け対象物を上方に持ち上げる作業、仕分け対象物を下方へ下げる作業などが用いられてもよい。
【0024】
無人搬送システム1では、所定の管理装置(図示を省略)が、複数の無人搬送車21~23の移動および作業を制御して、全体として所望の作業を実現する。
それぞれの無人搬送車21~23は、例えば、あらかじめ定められた搬送経路または管理装置により指示される搬送経路にしたがって移動(走行)し、所定の地点で所定の作業を行う。
【0025】
ここで、送電部(図1の例では、送電部51~53)が配置される場所としては、図1の例に限られず、任意の場所に配置されてもよい。
また、送電部51~53の送電コイルと、無人搬送車21~23の受電コイルとは、これらの間でワイヤレスの電力伝送(電力供給)を行うことが可能であれば、それぞれ任意の配置で備えられてもよい。
【0026】
一例として、図1の例のように、送電部51~53の送電コイルが地面または地上に設けられ、受電コイルが無人搬送車21~23の下面の外側または内側に備えられ、送電部51~53の送電コイルの面と無人搬送車21~23の受電コイルの面とが互いに対向した状態でワイヤレスの電力伝送(電力供給)が行われてもよい。
他の例として、送電部51~53の送電コイルが壁面(例えば、上下方向に延びる壁の面)に設けられ、受電コイルが無人搬送車21~23の背面(または、側面あるいは前面)に備えられ、送電部51~53の送電コイルの面と無人搬送車21~23の受電コイルの面とが互いに対向した状態でワイヤレスの電力伝送(電力供給)が行われてもよい。
【0027】
<無人搬送車>
本実施形態では、説明の便宜上、3個の無人搬送車21~23の構成および動作が同様であるとする。このため、1個の無人搬送車21を代表させて説明する。
なお、複数の無人搬送車が備えられる場合に、例えば、構成および動作が異なる無人搬送車が含まれていてもよい。
また、本実施形態では、説明の便宜上、3個の送電部51~53の構成および動作が同様であるとする。
なお、複数の送電部が備えられる場合に、例えば、構成および動作が異なる送電部が含まれていてもよい。
【0028】
図2は、実施形態に係る無人搬送車21の充放電制御装置111が有する回路の概略的な構成の一例および制御の一例を示す図である。
図2には、1個の送電部51を例示してある。
送電部51は、電力源311と、送電コイル312と、を備える。
無人搬送車21は、充放電制御装置111と、作業部131と、駆動部132と、を備える。
【0029】
作業部131は、所定の作業を行う機構を有する。当該所定の作業としては、任意の作業であってもよく、例えば、物体をピックアップする作業、物体を上方へ持ち上げる作業、物体を下方へ下げる作業などのうちの1以上であってもよい。
駆動部132は、例えば、モーターを用いて構成されている。そして、駆動部132は、無人搬送車21が有する車輪(図示を省略)を回転させること、および、当該車輪の向きを変化させることなどにより、無人搬送車21を移動させる。
【0030】
充放電制御装置111は、受電コイル211と、第1スイッチ部212と、第1バッテリー213と、第2バッテリー214と、第2スイッチ部215と、ノード216と、第3スイッチ部217と、第1検出部261と、第2検出部262と、制御部271と、を備える。
ここで、ノード216は、説明の便宜上で示されており、必ずしもノード216として機器等が備えられなくてもよい。
【0031】
第1スイッチ部212は、第1Aスイッチ231と、第1Bスイッチ232と、を備える。
第2スイッチ部215は、第2Aスイッチ241と、第2Bスイッチ242と、を備える。
第3スイッチ部217は、第3Aスイッチ251と、第3Bスイッチ252と、を備える。
【0032】
ここで、本実施形態では、充放電制御装置111に備えられる受電部のうちの受電コイル211を図示して説明するが、充放電制御装置111には、受電部を構成する回路として、受電コイル211以外の回路も備えられている。当該回路は、例えば、インバータやコンバータ等の電力変換回路や、共振のための回路を含んでもよい。
【0033】
また、本実施形態では、第1バッテリー213および第2バッテリー214をそれぞれ1個のバッテリーとみなして説明するが、それぞれのバッテリー(第1バッテリー213および第2バッテリー214)は、例えば、複数個のバッテリーを組み合わせて構成されてもよい。
また、本実施形態では、複数のバッテリー(第1バッテリー213、第2バッテリー214)として、同じ型のバッテリー(製造誤差を除いて、容量などの物理的構成が同じバッテリー)が用いられる場合を示すが、他の構成例として、複数のバッテリーに異なる型のバッテリーが含まれてもよい。
【0034】
また、本実施形態では、バッテリーは、繰り返して充放電(充電および放電)することが可能な任意の電池を含む。当該電池は、二次電池(蓄電池)と呼ばれてもよい。
【0035】
受電コイル211は、第1Aスイッチ231の一端、および、第1Bスイッチ232の一端と、接続されている。
第1Aスイッチ231の他端と、第1バッテリー213の一端とが、接続されている。
第1Bスイッチ232の他端と、第2バッテリー214の一端とが、接続されている。
第1バッテリー213の他端と、第2Aスイッチ241の一端とが、接続されている。
第2バッテリー214の他端と、第2Bスイッチ242の一端とが、接続されている。
第2Aスイッチ241の他端と、ノード216と、が接続されている。
第2Bスイッチ242の他端と、ノード216と、が接続されている。
【0036】
ノード216と、第3Aスイッチ251の一端と、が接続されている。
ノード216と、第3Bスイッチ252の一端と、が接続されている。
第3Aスイッチ251の他端と、作業部131と、が接続されている。
第3Bスイッチ252の他端と、駆動部132と、が接続されている。
【0037】
ここで、本実施形態では、スイッチ(第1Aスイッチ231、第1Bスイッチ232、第2Aスイッチ241、第2Bスイッチ242、第3Aスイッチ251、第3Bスイッチ252)として、開状態(オンの状態)と閉状態(オフの状態)とを切り替えることが可能なリレースイッチを示して説明するが、スイッチとしては、リレースイッチに限られず、例えば、トランジスタなどの半導体スイッチが用いられてもよい。
半導体スイッチでは、例えば、当該半導体スイッチを電流が流れる状態(導通状態)が閉状態に相当し、当該半導体スイッチを電流が流れない状態(非導通状態)が開状態に相当する。
【0038】
第1検出部261は、第1バッテリー213に関する情報を検出し、検出した情報を制御部271に送信する。当該情報は、例えば、第1バッテリー213のバッテリー残量の情報を含む。
第2検出部262は、第2バッテリー214に関する情報を検出し、検出した情報を制御部271に送信する。当該情報は、例えば、第2バッテリー214のバッテリー残量の情報を含む。
【0039】
制御部271は、第1検出部261から入力された情報および第2検出部262から入力された情報に基づいて、第1スイッチ部212(第1Aスイッチ231、第1Bスイッチ232)、第2スイッチ部215(第2Aスイッチ241、第2Bスイッチ242)、および第3スイッチ部217(第3Aスイッチ251、第3Bスイッチ252)を制御する。
制御部271は、例えば、あらかじめ定められた態様で、2個以上のスイッチの開閉状態の切り替えが同期するように制御を行う。
【0040】
ここで、本実施形態では、第1検出部261と第2検出部262とを別の検出部として示して説明するが、例えば、第1検出部261の機能と第2検出部262の機能とが共通の検出部の機能として構成されてもよい。
また、本実施形態では、検出部(第1検出部261、第2検出部262)と制御部271とを別の処理部として示して説明するが、例えば、検出部(第1検出部261、第2検出部262)の機能と制御部271の機能とが共通の処理部(例えば、制御部)の機能として構成されてもよい。
例えば、検出部(第1検出部261、第2検出部262)および制御部271は、バッテリー(第1バッテリー213、第2バッテリー214)に関するバッテリーマネジメントシステム(BMS)として構成されてもよい。
【0041】
<スイッチの制御の一例>
図2の例では、無人搬送車21は、所定の地点(例えば、領域A1の付近の地点)に停止しており、送電部51からワイヤレスで送電される電力を受電コイル211によって受電しつつ、作業部131によって所定の作業を行わせる。
図2の例では、制御部271は、第1バッテリー213のバッテリー残量よりも、第2バッテリー214のバッテリー残量が少ないと判定した場合を示してある。
この場合、制御部271は、第1Aスイッチ231を開状態(電流が流れない状態)に制御し、第1Bスイッチ232を閉状態(電流が流れる状態)に制御し、第2Aスイッチ241を閉状態に制御し、第2Bスイッチ242を開状態に制御する。また、制御部271は、第3Aスイッチ251を閉状態に制御し、第3Bスイッチ252を開状態に制御する。
【0042】
このような制御により、受電コイル211によって受電された電力による電流P1が第2バッテリー214に供給され、第2バッテリー214が充電される。
また、第1バッテリー213から放電される電力による電流P2が作業部131に供給され、作業部131によって所定の作業が行われる。
【0043】
図3は、実施形態に係る無人搬送車21の充放電制御装置111が有する回路の概略的な構成の一例および制御の他の例を示す図である。
ここで、図3の例では、図2に示される送電部51の代わりに、送電部52を示してある。
送電部52は、電力源311aと、送電コイル312aと、を備える。
【0044】
<制御の他の例>
図3の例では、無人搬送車21は、所定の地点(例えば、領域A2の付近の地点)に停止しており、送電部52からワイヤレスで送電される電力を受電コイル211によって受電しつつ、作業部131によって所定の作業を行わせる。
【0045】
図3の例では、制御部271は、第2バッテリー214のバッテリー残量よりも、第1バッテリー213のバッテリー残量が少ないと判定した場合を示してある。
この場合、制御部271は、第1Aスイッチ231を閉状態に制御し、第1Bスイッチ232を開状態に制御し、第2Aスイッチ241を開状態に制御し、第2Bスイッチ242を閉状態に制御する。また、制御部271は、第3Aスイッチ251を閉状態に制御し、第3Bスイッチ252を開状態に制御する。
【0046】
このような制御により、受電コイル211によって受電された電力による電流P11が第1バッテリー213に供給され、第1バッテリー213が充電される。
また、第2バッテリー214から放電される電力による電流P12が作業部131に供給され、作業部131によって所定の作業が行われる。
【0047】
このように、本実施形態に係る充放電制御装置111では、作業部131および駆動部132を含む電力供給対象に電力を供給する複数のバッテリー(第1バッテリー213、第2バッテリー214)と、ワイヤレスで電力を受電し、受電した電力をバッテリーに供給する受電部(受電コイル211を含む受電部)と、バッテリーと受電部との間に設けられた第1スイッチ部212と、電力供給対象とバッテリーとの間に設けられた第2スイッチ部215と、個々のバッテリーのバッテリー残量を検出する検出部(第1検出部261、第2検出部262)と、検出部によって検出されたバッテリー残量に基づいて第1スイッチ部212および第2スイッチ部215を制御する制御部271と、を備える。
そして、制御部271は、複数のバッテリーのうち、バッテリー残量が最も少ないバッテリーに対して充電が行われるように第1スイッチ部212を制御するとともに、バッテリー残量が最も多いバッテリーから電力供給対象に放電が行われるように第2スイッチ部215を制御する。
【0048】
したがって、本実施形態に係る充放電制御装置111では、無人搬送車21において、バッテリー(第1バッテリー213、第2バッテリー214)の充放電を効率良く行うことができる。特に作業部131および駆動部132を含む電力供給対象に一方のバッテリーから電力を供給している間に、他方のバッテリーに受電部から電力を充電することができるので、効率良く充放電することが可能となる。
【0049】
また、本実施形態に係る充放電制御装置111では、複数のバッテリーは、第1バッテリー213と、第2バッテリー214と、を含む。
第1スイッチ部212は、第1バッテリー213と受電部との間に設けられた第1Aスイッチ231と、第2バッテリー214と受電部との間に設けられた第1Bスイッチ232と、を含む。
第2スイッチ部215は、第1バッテリー213と電力供給対象との間に設けられた第2Aスイッチ241と、第2バッテリー214と電力供給対象との間に設けられた第2Bスイッチ242と、を含む。
制御部271は、例えば、第1Aスイッチ231の切り替えと第2Bスイッチ242の切り替えとが同期し、第1Bスイッチ232の切り替えと第2Aスイッチ241の切り替えとが同期するように制御を行う。
【0050】
したがって、本実施形態に係る充放電制御装置111では、無人搬送車21において、バッテリー(第1バッテリー213、第2バッテリー214)の充放電を効率良く行うことができる。
【0051】
図4は、実施形態に係る無人搬送車21の充放電制御装置111が有する回路の概略的な構成の一例および制御の他の例を示す図である。
【0052】
<制御の他の例:移動中の制御>
図4の例では、無人搬送車21は、移動中であり、いずれの送電部51~53からも電力を受電していない。
【0053】
図4の例では、制御部271は、第2バッテリー214のバッテリー残量よりも、第1バッテリー213のバッテリー残量が少ないと判定した場合を示してある。
この場合、制御部271は、第1Aスイッチ231を開状態に制御しており、第1Bスイッチ232を開状態に制御している。そして、制御部271は、第2Aスイッチ241を開状態に制御し、第2Bスイッチ242を閉状態に制御する。また、制御部271は、第3Aスイッチ251を開状態に制御し、第3Bスイッチ252を閉状態に制御する。
【0054】
このような制御により、第2バッテリー214から放電される電力による電流P31が駆動部132に供給され、駆動部132によってモーターの駆動が行われる。これにより、無人搬送車21が移動する。
【0055】
ここで、制御部271が、第1バッテリー213のバッテリー残量よりも、第2バッテリー214のバッテリー残量が少ないと判定した場合には、制御部271は、第2Aスイッチ241を閉状態に制御し、第2Bスイッチ242を開状態に制御する。
このような制御により、第1バッテリー213から放電される電力による電流が駆動部132に供給され、駆動部132によってモーターの駆動が行われる。
【0056】
なお、無人搬送車21が走行しているときに制御部271がスイッチ(第1Aスイッチ231、第1Bスイッチ232、第2Aスイッチ241、第2Bスイッチ242、第3Aスイッチ251、第3Bスイッチ252)の開閉状態を切り替えることが可能な構成が用いられてもよい。
【0057】
この場合、例えば、無人搬送車21の走行中に、制御部271は、第1バッテリー213のバッテリー残量と第2バッテリー214のバッテリー残量を監視して、所定の条件が満たされたときに、スイッチ(第1Aスイッチ231、第1Bスイッチ232、第2Aスイッチ241、第2Bスイッチ242、第3Aスイッチ251、第3Bスイッチ252)の開閉状態を切り替えてもよい。
【0058】
このように、本実施形態に係る充放電制御装置111では、受電部と複数のバッテリー(第1バッテリー213、第2バッテリー214)とが受電電力供給において切り離されている場合、制御部271は、検出部(第1検出部261、第2検出部262)によって検出されたバッテリー残量が最も多いバッテリーから駆動部132に放電が行われるように、第2スイッチ部215を制御する。
【0059】
したがって、本実施形態に係る充放電制御装置111では、無人搬送車21が移動中であるときに、バッテリー(第1バッテリー213、第2バッテリー214)の充放電を効率良く行うことができる。
【0060】
なお、他の例として、無人搬送車21が走行しているときに制御部271がスイッチ(第1Aスイッチ231、第1Bスイッチ232、第2Aスイッチ241、第2Bスイッチ242、第3Aスイッチ251、第3Bスイッチ252)の開閉状態を切り替えない構成が用いられてもよい。
【0061】
<バッテリーの故障時の制御>
図5は、実施形態に係る無人搬送車21の充放電制御装置111が有する回路の概略的な構成の一例および制御の他の例を示す図である。
【0062】
制御部271は、第1検出部261から入力された情報に基づいて、第1バッテリー213が故障しているか否かを判定する機能を有する。
この場合、第1検出部261は、例えば、第1バッテリー213に関し、バッテリー残量以外の情報を検出して制御部271に出力してもよい。
【0063】
制御部271は、第2検出部262から入力された情報に基づいて、第2バッテリー214が故障しているか否かを判定する機能を有する。
この場合、第2検出部262は、例えば、第2バッテリー214に関し、バッテリー残量以外の情報を検出して制御部271に出力してもよい。
【0064】
図5の例では、制御部271は、第1バッテリー213が故障していることを検出(判定)し、第2バッテリー214が正常である(故障していない)ことを検出(判定)した場合を示してある。
この場合、制御部271は、第2Aスイッチ241を開状態に制御し、第2Bスイッチ242を閉状態に制御する。つまり、制御部271は、故障している第1バッテリー213を電気的に切り離し、故障していない第2バッテリー214を放電させるように制御する。
【0065】
ここで、図5の例では、無人搬送車21が移動中である場合を示してある。この場合、制御部271は、第1Aスイッチ231を開状態に制御しており、第1Bスイッチ232を開状態に制御している。また、制御部271は、第3Aスイッチ251を開状態に制御しており、第3Bスイッチ252を閉状態に制御している。
【0066】
このような制御により、故障していない第2バッテリー214から放電される電力による電流P41が駆動部132に供給され、駆動部132によってモーターの駆動が行われる。これにより、無人搬送車21が移動する。
【0067】
なお、制御部271が、第1バッテリー213が正常である(故障していない)ことを検出(判定)し、第2バッテリー214が故障していることを検出(判定)した場合には、制御部271は、第2Aスイッチ241を閉状態に制御し、第2Bスイッチ242を開状態に制御する。
【0068】
ここで、図5の例では、バッテリー(第1バッテリー213、第2バッテリー214)が故障しているか否かを判定する場合を例として説明したが、バッテリーが故障しているか否かの判定の代わりに、バッテリーに異常が発生しているか否かを判定する構成が用いられてもよい。当該異常は、故障を含んでもよい。
つまり、必ずしもバッテリーが故障しているか否かが特定されなくてもよく、バッテリーが故障しているか否かは特定されないが、所定の異常が発生している場合に、図5の例と同様な制御が行われてもよい。
当該所定の異常としては、特に限定はなく、例えば、バッテリーの放熱量が所定値以上であること、バッテリーから電力が取り出せないこと、バッテリーが過放電していること、あるいは、バッテリーの周辺に存在するリレーが正常動作しないこと、などのうちの1以上が用いられてもよい。
【0069】
このように、本実施形態に係る充放電制御装置111では、制御部271は、複数のバッテリー(第1バッテリー213、第2バッテリー214)のうちの一部のバッテリーに関する異常を判定した場合、異常が発生していないバッテリーのうち、検出部(第1検出部261、第2検出部262)によって検出されたバッテリー残量が多いバッテリーから電力供給対象に放電が行われるように、第2スイッチ部215を制御する。
【0070】
したがって、本実施形態に係る充放電制御装置111では、無人搬送車21において、複数のバッテリー(第1バッテリー213、第2バッテリー214)のうちの一部のバッテリーに異常が発生した場合においても、バッテリーの充放電を効率良く行うことができる。
【0071】
例えば、本実施形態に係る充放電制御装置111では、複数のバッテリーのうちの一部のバッテリーに異常(例えば、故障)が発生した場合、制御部271は、異常が発生していないバッテリーからの放電によって駆動部132に電力を供給して、無人搬送車21を原点領域12の内部へ移動させる制御(原点復帰の制御)を行ってもよい。
このような制御により、異常が発生した無人搬送車21を原点領域12において人が回収することが可能となり、例えば、無人搬送車21が作業領域11の内部で移動不可能な状態になって、人が作業領域11に入ることが必要になる事態を回避することができる。
ここで、原点復帰の制御は、例えば、所定数個のバッテリーに異常が発生した場合に行われてもよい。当該所定数個としては、任意の数が用いられてもよく、例えば、複数のバッテリーの総数よりも1個少ない数が用いられてもよく、つまり、正常である(異常が発生していない)バッテリーの数が1個になった場合に原点復帰の制御が行われてもよい。
【0072】
具体例として、図5の例では、2個のバッテリー(第1バッテリー213、第2バッテリー214)を有する無人搬送車21において、いずれか一方のバッテリーが故障した場合においても、他方のバッテリーの電力を用いて、原点復帰することが可能である。
【0073】
<バッテリーの性能の例>
本実施形態に係る充放電制御装置111では、例えば、複数のバッテリー(第1バッテリー213、第2バッテリー214)のうちの少なくとも1個のバッテリーの体積は、5リットル(L)以下である。
なお、複数のバッテリーのすべてについて、体積が5L以下のバッテリーが用いられてもよい。
【0074】
本実施形態に係る充放電制御装置111では、例えば、複数のバッテリー(第1バッテリー213、第2バッテリー214)のうちの少なくとも1個のバッテリーの重量は、5kg以下である。
なお、複数のバッテリーのすべてについて、重量が5kg以下のバッテリーが用いられてもよい。
【0075】
このように、本実施形態に係る充放電制御装置111では、体積(容量)および重量が小さいバッテリーを使用することが可能であり、小型軽量化かつ安価とすることができる。
例えば、無人搬送車21が搬送経路にある充電地点(図1の例では、送電部51~53がある地点)で充放電を行う(例えば、少しずつ充放電を行う)ことで、効率の良い無人搬送車の提供を可能とすることができる。
【0076】
[変形例]
図6は、実施形態の変形例に係る無人搬送車21aの充放電制御装置111aが有する回路の概略的な構成の一例を示す図である。
図6の例では、説明の便宜上、図1に示される構成部と同様な構成部については、同じ符号を付して示してある。
【0077】
変形例に係る充放電制御装置111aの構成は、概略的には、図1に示される充放電制御装置111の構成と比べて、さらに第1ダイオード部511および第2ダイオード部512が備えられている点で相違しており、他の点で同様である。
ここでは、変形例に係る充放電制御装置111aについて、図1に示される充放電制御装置111とは相違する点について詳しく説明し、同様な点については詳しい説明を省略する。
【0078】
第1ダイオード部511は、第1Aダイオード531と、第1Bダイオード532と、を備える。
第1Aダイオード531は、受電コイル211から第1Aスイッチ231および第1Bスイッチ232の2つに分岐した点と第1Aスイッチ231との間に、備えられている。第1Aダイオード531のアノードは受電コイル211の側に配置されており、第1Aダイオード531のカソードは第1Aスイッチ231の側に備えられている。
第1Bダイオード532は、受電コイル211から第1Aスイッチ231および第1Bスイッチ232の2つに分岐した点と第1Bスイッチ232との間に、備えられている。第1Bダイオード532のアノードは受電コイル211の側に配置されており、第1Bダイオード532のカソードは第1Bスイッチ232の側に備えられている。
【0079】
第2ダイオード部512は、第2Aダイオード551と、第2Bダイオード552と、を備える。
第2Aダイオード551は、第2Aスイッチ241とノード216との間であって、第2Aスイッチ241の側の経路と第2Bスイッチ242の側の経路とが合流する前の位置に、備えられている。第2Aダイオード551のアノードは第2Aスイッチ241の側に配置されており、第2Aダイオード551のカソードはノード216の側に配置されている。
第2Bダイオード552は、第2Bスイッチ242とノード216との間であって、第2Aスイッチ241の側の経路と第2Bスイッチ242の側の経路とが合流する前の位置に、備えられている。第2Bダイオード552のアノードは第2Bスイッチ242の側に配置されており、第2Bダイオード552のカソードはノード216の側に配置されている。
【0080】
なお、図6の例では、第1ダイオード部511と第2ダイオード部512との両方が備えられる場合を示したが、他の構成例として、これらのうちの任意の一方が備えられて他方が備えられない構成が用いられてもよい。
例えば、バッテリー(第1バッテリー213、第2バッテリー214)の両端のうちの受電コイル211の側に第1ダイオード部511が備えられることで、バッテリー(第1バッテリー213、第2バッテリー214)に関して受電コイル211の側の横流を防止することができる。
また、例えば、バッテリー(第1バッテリー213、第2バッテリー214)の両端のうちの電力供給対象(作業部131、駆動部132)の側に第2ダイオード部512が備えられることで、バッテリー(第1バッテリー213、第2バッテリー214)に関して電力供給対象の側の横流を防止することができる。
【0081】
ここで、第1ダイオード部511と第2ダイオード部512との両方が備えられる構成では、いずれか一方が備えられる構成と比べて、横流防止の効果が高い。
このような構成により、例えば、第1スイッチ部212と第2スイッチ部215が故障して同時にオン(閉状態)になった場合においても、電流がバッテリー間に流れて負荷に必要な電力が流れないようなことを防止することができる。
このように、制御部271は、整流器(本実施形態では、第1ダイオード部511)が接続された第1スイッチ部212と、整流器(本実施形態では、第2ダイオード部512)が接続された第2スイッチ部215を制御する。
【0082】
ここで、本実施形態では、整流回路(整流器)として、整流機能を有するダイオードが用いられる場合を示したが、整流回路としては、ダイオードに限られず、他の回路が用いられてもよい。
例えば、スイッチの機能と整流の機能との両方が、トランジスタなどの半導体スイッチを用いて構成されてもよい。
【0083】
このように、変形例に係る充放電制御装置111aでは、複数のバッテリー(第1バッテリー213、第2バッテリー214)と電力供給対象との間に整流部(第2ダイオード部512)を備える。
また、変形例に係る充放電制御装置111aでは、受電部と複数のバッテリー(第1バッテリー213、第2バッテリー214)との間に整流部(第1ダイオード部511)を備える。
【0084】
したがって、変形例に係る充放電制御装置111aでは、整流部(第1ダイオード部511、第2ダイオード部512)によって、複数のバッテリーに関して、横流を防止することができる。これにより、変形例に係る充放電制御装置111aでは、例えば、横流が防止されない場合と比べて、バッテリーから電力供給対象に適切な電力が供給されることを確保することができる。
【0085】
以上のように、本実施形態に係る無人搬送システム1における無人搬送車21(または、変形例に係る無人搬送車21a)では、充放電制御装置111(または、変形例に係る充放電制御装置111a)において、バッテリーの充放電の効率が良い態様でバッテリーの充放電を制御することができる。
【0086】
本実施形態に係る無人搬送システム1では、例えば、無人搬送車21(または、変形例に係る無人搬送車21a)の効率を高めることが可能である。
ここで、無人搬送車21の効率は、例えば、無人搬送車21が動作している時間と、無人搬送車21が動作していない時間との比率等によって定義される。
【0087】
ここで、図1図6の例では、無人搬送車21(または、変形例に係る無人搬送車21a)に備えられる複数のバッテリーの数が2個である場合を示したが、これら複数のバッテリーの数は3個以上であってもよい。
【0088】
また、無人搬送車としては、様々なものが用いられてもよい。
例えば、無人搬送車は、ロボットの一種とみなされてもよい。
例えば、無人搬送車として、搬送車の台の上方に人型などのロボットが搭載されたものが用いられてもよい。
例えば、無人搬送車として、車輪の代わりに、無限軌道を用いて走行するものが用いられてもよい。
【0089】
なお、以上に説明した任意の装置における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、オペレーティングシステムあるいは周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーあるいはクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。当該揮発性メモリーは、例えば、RAM(Random Access Memory)であってもよい。記録媒体は、例えば、非一時的記録媒体であってもよい。
【0090】
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイルであってもよい。差分ファイルは、差分プログラムと呼ばれてもよい。
【0091】
また、以上に説明した任意の装置における任意の構成部の機能は、プロセッサーにより実現されてもよい。例えば、実施形態における各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサーと、プログラム等の情報を記憶するコンピューター読み取り可能な記録媒体により実現されてもよい。ここで、プロセッサーは、例えば、各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよく、あるいは、各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサーはハードウェアを含み、当該ハードウェアは、デジタル信号を処理する回路およびアナログ信号を処理する回路のうちの少なくとも一方を含んでもよい。例えば、プロセッサーは、回路基板に実装された1または複数の回路装置、あるいは、1または複数の回路素子のうちの一方または両方を用いて、構成されてもよい。回路装置としてはIC(Integrated Circuit)などが用いられてもよく、回路素子としては抵抗あるいはキャパシターなどが用いられてもよい。
【0092】
ここで、プロセッサーは、例えば、CPUであってもよい。ただし、プロセッサーは、CPUに限定されるものではなく、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)等のような、各種のプロセッサーが用いられてもよい。また、プロセッサーは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によるハードウェア回路であってもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUにより構成されていてもよく、あるいは、複数のASICによるハードウェア回路により構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUと、複数のASICによるハードウェア回路と、の組み合わせにより構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、アナログ信号を処理するアンプ回路あるいはフィルター回路等のうちの1以上を含んでもよい。
【0093】
以上、この開示の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0094】
[付記]
(構成例1)~(構成例10)を示す。
(構成例1)
駆動部または作業部の少なくとも一方を含む電力供給対象に電力を供給する複数のバッテリーと、
ワイヤレスで電力を受電し、受電した前記電力を前記バッテリーに供給する受電部と、
前記バッテリーと前記受電部との間に設けられた第1スイッチ部と、
前記電力供給対象と前記バッテリーとの間に設けられた第2スイッチ部と、
個々の前記バッテリーのバッテリー残量を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された前記バッテリー残量に基づいて前記第1スイッチ部および前記第2スイッチ部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記複数の前記バッテリーのうち、前記バッテリー残量が最も少ない前記バッテリーに対して充電が行われるように前記第1スイッチ部を制御するとともに、前記バッテリー残量が最も多い前記バッテリーから前記電力供給対象に放電が行われるように前記第2スイッチ部を制御する、
無人搬送車の充放電制御装置。
【0095】
なお、図2の例では、駆動部132が駆動部の一例であり、作業部131が作業部の一例である。
また、図2の例では、第1バッテリー213および第2バッテリー214が複数のバッテリーの一例であり、受電コイル211を含む受電部が受電部の一例である。
また、図2の例では、第1スイッチ部212が第1スイッチ部の一例であり、第2スイッチ部215が第2スイッチ部の一例である。
また、図2の例では、第1検出部261および第2検出部262が検出部の一例であり、制御部271が制御部の一例である。
また、図2の例では、無人搬送車21が無人搬送車の一例であり、充放電制御装置111が充放電制御装置の一例である。
【0096】
(構成例2)
前記複数の前記バッテリーは、第1バッテリーと、第2バッテリーと、を含み、
前記第1スイッチ部は、前記第1バッテリーと前記受電部との間に設けられた第1Aスイッチと、前記第2バッテリーと前記受電部との間に設けられた第1Bスイッチと、を含み、
前記第2スイッチ部は、前記第1バッテリーと前記電力供給対象との間に設けられた第2Aスイッチと、前記第2バッテリーと前記電力供給対象との間に設けられた第2Bスイッチと、を含み、
前記制御部は、前記第1Aスイッチの切り替えと前記第2Bスイッチの切り替えとが同期し、前記第1Bスイッチの切り替えと前記第2Aスイッチの切り替えとが同期するように制御を行う、
(構成例1)に記載の無人搬送車の充放電制御装置。
【0097】
なお、図2の例では、第1バッテリー213が第1バッテリーの一例であり、第2バッテリー214が第2バッテリーの一例である。
また、図2の例では、第1Aスイッチ231が第1Aスイッチの一例であり、第1Bスイッチ232が第1Bスイッチの一例である。
また、図2の例では、第2Aスイッチ241が第2Aスイッチの一例であり、第2Bスイッチ242が第2Bスイッチの一例である。
【0098】
(構成例3)
前記受電部と前記複数の前記バッテリーとが受電電力供給において切り離されている場合、前記制御部は、前記検出部によって検出された前記バッテリー残量が最も多い前記バッテリーから前記駆動部に放電が行われるように、前記第2スイッチ部を制御する、
(構成例1)または(構成例2)に記載の無人搬送車の充放電制御装置。
【0099】
(構成例4)
前記制御部は、前記複数の前記バッテリーのうちの一部の前記バッテリーに関する異常を判定した場合、前記異常が発生していない前記バッテリーのうち、前記検出部によって検出された前記バッテリー残量が多い前記バッテリーから前記駆動部に放電が行われるように、前記第2スイッチ部を制御する、
(構成例1)から(構成例3)のいずれか1つに記載の無人搬送車の充放電制御装置。
【0100】
(構成例5)
前記複数の前記バッテリーと前記電力供給対象との間に整流部を備える、
(構成例1)から(構成例4)のいずれか1つに記載の無人搬送車の充放電制御装置。
【0101】
なお、図6の例では、第2ダイオード部512が、複数のバッテリーと電力供給対象との間の整流部の一例である。
当該整流部では、それぞれのバッテリーごとに、それぞれの整流回路を有する。
また、図6の例では、無人搬送車21aが無人搬送車の一例であり、充放電制御装置111aが充放電制御装置の一例である。
【0102】
(構成例6)
前記受電部と前記複数の前記バッテリーとの間に整流部を備える、
(構成例1)から(構成例5)のいずれか1つに記載の無人搬送車の充放電制御装置。
【0103】
なお、図2の例では、第1ダイオード部511が、受電部と複数のバッテリーとの間の整流部の一例である。
当該整流部では、それぞれのバッテリーごとに、それぞれの整流回路を有する。
【0104】
(構成例7)
前記複数の前記バッテリーのうちの少なくとも1個の前記バッテリーの体積は、5L以下である、
(構成例1)から(構成例6)のいずれか1つに記載の無人搬送車の充放電制御装置。
【0105】
(構成例8)
前記複数の前記バッテリーのうちの少なくとも1個の前記バッテリーの重量は、5kg以下である、
(構成例1)から(構成例7)のいずれか1つに記載の無人搬送車の充放電制御装置。
【0106】
(構成例9)
(構成例1)から(構成例8)のいずれか1つに記載の充放電制御装置と、
前記電力供給対象と、
を備える、
無人搬送車。
【0107】
なお、図1の例では、それぞれの無人搬送車21~23が無人搬送車の一例である。
また、図6の例では、無人搬送車21aが無人搬送車の一例である。
【0108】
(構成例10)
(構成例1)から(構成例8)のいずれか1つに記載の充放電制御装置と、前記電力供給対象と、を備える無人搬送車と、
複数の異なる箇所に設置されて、ワイヤレスで電力を送電する複数の送電部と、
を備える、
無人搬送システム。
【0109】
なお、図1の例では、無人搬送システム1が無人搬送システムの一例である。
また、図1の例では、それぞれの送電部51~53が送電部の一例である。
【符号の説明】
【0110】
1…無人搬送システム、11…作業領域、12…原点領域、21~23、21a…無人搬送車、51~53…送電部、111、111a…充放電制御装置、131…作業部、132…駆動部、211…受電コイル、212…第1スイッチ部、213…第1バッテリー、214…第2バッテリー、215…第2スイッチ部、216…ノード、217…第3スイッチ部、231…第1Aスイッチ、232…第1Bスイッチ、241…第2Aスイッチ、242…第2Bスイッチ、251…第3Aスイッチ、252…第3Bスイッチ、261…第1検出部、262…第2検出部、271…制御部、311、311a…電力源、312、312a…送電コイル、511…第1ダイオード部、512…第2ダイオード部、531…第1Aダイオード、532…第1Bダイオード、551…第2Aダイオード、552…第2Bダイオード、A1~A3、B1~B5、C1~C5…領域、P1、P2、P11、P12、P31、P41…電流
図1
図2
図3
図4
図5
図6