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特開2023-156096実装基板製造システム及び実装基板製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156096
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】実装基板製造システム及び実装基板製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20231017BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065755
(22)【出願日】2022-04-12
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】川添 賢
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC21
5E353EE31
5E353HH12
5E353HH23
5E353HH29
5E353HH30
5E353HH40
5E353QQ03
5E353QQ08
(57)【要約】
【課題】部品実装のための部品供給装置の不調の予兆を精度よく判定することができる実装基板製造システムなどを提供する。
【解決手段】実装基板製造システム1は、キャリアテープ14を案内するテープ搬送路Wが設けられた本体部71と、テープ搬送路Wにおけるキャリアテープ14を部品取出し位置へ搬送する第1キャリアテープ搬送部73と、テープ搬送路Wの第1キャリアテープ搬送部73よりも上流側に配置され、キャリアテープ14を搬送する第2キャリアテープ搬送部90と、第1キャリアテープ搬送部73及び第2キャリアテープ搬送部90の動作を制御するフィーダ制御部78と、を備え、フィーダ制御部78は、第2キャリアテープ搬送部90にキャリアテープ14を搬送させた後に、第1キャリアテープ搬送部73にキャリアテープ14を搬送させる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアテープを案内するテープ搬送路が設けられた本体部と、
前記テープ搬送路における前記キャリアテープを部品取出し位置へ搬送する第1キャリアテープ搬送部と、
前記テープ搬送路の前記第1キャリアテープ搬送部よりも上流側に配置され、前記キャリアテープを搬送する第2キャリアテープ搬送部と、
前記第1キャリアテープ搬送部及び前記第2キャリアテープ搬送部の動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第2キャリアテープ搬送部に前記キャリアテープを搬送させた後に、前記第1キャリアテープ搬送部に前記キャリアテープを搬送させる
実装基板製造システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記キャリアテープが有する複数の部品を前記部品取出し位置において順次吸着する部品実装装置から、異なる複数のタイミングで搬送指示を受け付け、
1回の搬送指示を受け付ける毎に、前記キャリアテープが所定ピッチだけ移動するように前記第1キャリアテープ搬送部及び前記第2キャリアテープ搬送部の動作の制御を行い、
前記制御では、前記キャリアテープが前記所定ピッチだけ移動してから次の搬送指示を受け付けるまでの間に、前記第2キャリアテープ搬送部に前記所定ピッチだけ前記キャリアテープを搬送させる
請求項1に記載の実装基板製造システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記キャリアテープがたわんだ状態を維持するように、前記制御を行う
請求項1に記載の実装基板製造システム。
【請求項4】
さらに、
前記第2キャリアテープ搬送部の搬送エラーを検出するエラー検出部を備え、
前記制御部は、前記制御において前記第2キャリアテープ搬送部による搬送の後に前記エラー検出部が搬送エラーを検出しなかった場合に、前記第1キャリアテープ搬送部による搬送を開始する
請求項1から3のいずれか1項に記載の実装基板製造システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記エラー検出部が前記搬送エラーを検出した場合に、前記搬送エラーを検出したことを部品実装装置に通知する
請求項4に記載の実装基板製造システム。
【請求項6】
前記部品実装装置は、前記搬送エラーを検出したことを受信した場合、前記搬送エラーが検出された前記第2キャリアテープ搬送部により搬送される前記キャリアテープを吸着対象から除外する
請求項5に記載の実装基板製造システム。
【請求項7】
前記第2キャリアテープ搬送部は、前記キャリアテープを搬送するスプロケットと、前記スプロケットを回転駆動するモータとを有し、
前記エラー検出部は、前記モータのトルク値が正常の範囲外の値である場合、前記搬送エラーを検出する
請求項4に記載の実装基板製造システム。
【請求項8】
さらに、
前記キャリアテープの搬送の不調の予兆を判定する予兆判定部を備え、
前記予兆判定部は、前記第1キャリアテープ搬送部が有するモータの動作に関するデータにより事前に学習された推論モデルに、前記モータの動作に関するデータを入力することで、前記キャリアテープの搬送の不調の予兆を判定する
請求項1から3のいずれか1項に記載の実装基板製造システム。
【請求項9】
前記第2キャリアテープ搬送部は、前記キャリアテープを搬送するスプロケットと、前記スプロケットを回転駆動するモータと、前記スプロケットの回転方向を順回転方向に規制するラチェット機構とを有する
請求項1から3のいずれか1項に記載の実装基板製造システム。
【請求項10】
キャリアテープを案内するテープ搬送路が設けられた本体部と、
前記テープ搬送路における前記キャリアテープを部品取出し位置へ搬送する第1キャリアテープ搬送部と、
前記テープ搬送路の前記第1キャリアテープ搬送部よりも上流側に配置され、前記キャリアテープを搬送する第2キャリアテープ搬送部と、を備える実装基板製造システムによる実装基板製造方法であって、
前記第2キャリアテープ搬送部による搬送を行い、
前記第2キャリアテープ搬送部による搬送の後に、前記第1キャリアテープ搬送部による搬送を行う
実装基板製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、実装基板製造システム及び実装基板製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、テープフィーダなどの製造設備の不調をより適切に診断できる設備診断システムが開示されている。設備診断システムでは、製造設備の稼働情報に基づいて、診断モデルを用いて、稼働情報から複数の製造設備それぞれを構成するユニットの不調レベルを推定することで、製造設備の不調を診断することが示されている。
【0003】
また、特許文献2には、XYロボットが備えるモータから出力されるトルクに応じて、XYロボットの状態が異常状態に至る前の異常予兆状態にあることを判定する管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-27329号公報
【特許文献2】特開2016-178134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、部品実装のための部品供給装置の不調の予兆を精度よく判定することができる実装基板製造システムなどを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る実装基板製造システムは、キャリアテープを案内するテープ搬送路が設けられた本体部と、前記テープ搬送路における前記キャリアテープを部品取出し位置へ搬送する第1キャリアテープ搬送部と、前記テープ搬送路の前記第1キャリアテープ搬送部よりも上流側に配置され、前記キャリアテープを搬送する第2キャリアテープ搬送部と、前記第1キャリアテープ搬送部及び前記第2キャリアテープ搬送部の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第2キャリアテープ搬送部に前記キャリアテープを搬送させた後に、前記第1キャリアテープ搬送部に前記キャリアテープを搬送させる。
【0007】
また、本開示の一態様に係る実装基板製造方法は、キャリアテープを案内するテープ搬送路が設けられた本体部と、前記テープ搬送路における前記キャリアテープを部品取出し位置へ搬送する第1キャリアテープ搬送部と、前記テープ搬送路の前記第1キャリアテープ搬送部よりも上流側に配置され、前記キャリアテープを搬送する第2キャリアテープ搬送部と、を備える実装基板製造システムによる実装基板製造方法であって、前記第2キャリアテープ搬送部による搬送を行い、前記第2キャリアテープ搬送部による搬送の後に、前記第1キャリアテープ搬送部による搬送を行う。
【0008】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。また、記録媒体は、非一時的な記録媒体であってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示の実装基板製造システムなどは、部品実装のための部品供給装置の不調の予兆を精度よく判定することができる。
【0010】
なお、本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施の形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施の形態における部品実装ラインを含む実装基板製造システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施の形態における部品実装装置の外観斜視図である。
図3図3は、実施の形態における部品実装装置の内部構成の一例を示す図である。
図4図4は、図3におけるA-A断面の一例を部分的に示す図である。
図5図5は、実施の形態における実装ヘッドとフィーダとの位置関係を示す模式図である。
図6図6は、実施の形態における装着の対象となる部品の外観を示す外観図である。
図7図7は、実施の形態におけるキャリアテープの一例を示す上面図である。
図8図8は、実施の形態におけるフィーダの構成を示す側面図である。
図9図9は、実施の形態における部品実装装置の機能構成の一例を示す図である。
図10図10は、実施の形態におけるフィーダの搬送動作の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、第1キャリアテープ搬送部と第2キャリアテープ搬送部との搬送動作が繰り返されることを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本開示の基礎となった知見)
本発明者は、上記の従来技術では、テープフィーダを構成するモータのトルクを監視して、テープフィーダが異常状態に至る前の異常予兆状態にあることを判定する場合、以下の課題が生じることを見出した。
【0013】
テープフィーダのモータのトルクは、キャリアテープの搬送動作の異常の要因の影響を受けると共に、搬送動作の異常の要因以外のノイズ要因の影響も受ける。このため、単純にモータのトルクを監視するだけでは、搬送動作に異常が生じていなくても、搬送動作に異常が生じたと誤判定する恐れがある。例えば、モータのトルクは、ノイズ要因として、部品リールの使用量による重さの差、部品リールを終端まで使い切って部品リールを引っ張り上げること、キャリアテープの搬送路における引っ掛かり、部品リールの種類の差、部品リールのメーカによる差、テープ幅の違いによる差などに影響を受ける。つまり、本発明者は、上記のノイズ要因を低減することで、部品実装のための部品供給装置の不調の予兆を精度よく判定することができる実装基板製造システム及び実装基板製造方法を見出すに至った。
【0014】
上述の課題を解決するために、本開示の一態様に係る実装基板製造システムは、キャリアテープを案内するテープ搬送路が設けられた本体部と、前記テープ搬送路における前記キャリアテープを部品取出し位置へ搬送する第1キャリアテープ搬送部と、前記テープ搬送路の前記第1キャリアテープ搬送部よりも上流側に配置され、前記キャリアテープを搬送する第2キャリアテープ搬送部と、前記第1キャリアテープ搬送部及び前記第2キャリアテープ搬送部の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第2キャリアテープ搬送部に前記キャリアテープを搬送させた後に、前記第1キャリアテープ搬送部に前記キャリアテープを搬送させる。
【0015】
これによれば、上流側に配置される第2キャリアテープ搬送部による搬送を行った後に、下流側の第1キャリアテープ搬送部による搬送を行うため、部品リールを要因とする影響などの第1キャリアテープ搬送部の不調以外の要因による影響が極力ない状態で第1キャリアテープ搬送部による搬送を行うことができる。つまり、第1キャリアテープ搬送部による搬送に影響を与えるノイズ要因を低減した状態で、第1キャリアテープ搬送部による搬送を行うことができる。これにより、第1キャリアテープ搬送部が備えるモータのトルク値をノイズが少ない状態で取得することができ、部品供給装置の不調の予兆を精度よく判定することができる。
【0016】
また、部品リールを要因とする不調がある場合、第2キャリアテープ搬送部にエラーが発生しやすいため、第1キャリアテープ搬送部を動作させる前に部品リールを要因とする不調を検出することができる。
【0017】
また、前記制御部は、前記キャリアテープが有する複数の部品を前記部品取出し位置において順次吸着する部品実装装置から、異なる複数のタイミングで搬送指示を受け付け、1回の搬送指示を受け付ける毎に、前記キャリアテープが所定ピッチだけ移動するように前記第1キャリアテープ搬送部及び前記第2キャリアテープ搬送部の動作の制御を行い、前記制御では、前記キャリアテープが前記所定ピッチだけ移動してから次の搬送指示を受け付けるまでの間に、前記第2キャリアテープ搬送部に前記所定ピッチだけ前記キャリアテープを搬送させてもよい。
【0018】
これによれば、次の搬送指示を受け付けると、第1キャリアテープ搬送部による搬送を実行するため、第2キャリアテープ搬送部による搬送を行った後に、第1キャリアテープ搬送部による搬送を実行することができる。
【0019】
また、前記制御部は、前記キャリアテープがたわんだ状態を維持するように、前記制御を行ってもよい。
【0020】
これによれば、第1キャリアテープ搬送部による搬送を行うときにキャリアテープがたわんだ状態が維持されているため、第1キャリアテープ搬送部による搬送に影響を与えるノイズ要因を低減した状態で、第1キャリアテープ搬送部による搬送を行うことができる。
【0021】
また、さらに、前記第2キャリアテープ搬送部の搬送エラーを検出するエラー検出部を備え、前記制御部は、前記制御において前記第2キャリアテープ搬送部による搬送の後に前記エラー検出部が搬送エラーを検出しなかった場合に、前記第1キャリアテープ搬送部による搬送を開始してもよい。
【0022】
このため、搬送エラーが検出されない場合に、第1キャリアテープ搬送部による搬送を実行することができる。つまり、第1キャリアテープ搬送部による搬送に影響を与えるノイズ要因を低減した状態で、第1キャリアテープ搬送部による搬送を行うことができる。
【0023】
また、前記制御部は、前記エラー検出部が前記搬送エラーを検出した場合に、前記搬送エラーを検出したことを前記部品実装装置に通知してもよい。
【0024】
このため、エラー検出部が搬送エラーを検出した場合に、例えば、部品実装装置に吸着対象から除外するように制御させることができる。
【0025】
また、前記部品実装装置は、前記搬送エラーを検出したことを受信した場合、前記搬送エラーが検出された前記第2キャリアテープ搬送部により搬送される前記キャリアテープを吸着対象から除外してもよい。
【0026】
このため、エラーが発生したキャリアテープの部品を吸着しようとする動作を省略できるため、稼働ロスを低減することができる。
【0027】
また、前記第2キャリアテープ搬送部は、前記キャリアテープを搬送するスプロケットと、前記スプロケットを回転駆動するモータとを有し、前記エラー検出部は、前記モータのトルク値が正常の範囲外の値である場合、前記搬送エラーを検出してもよい。
【0028】
このため、第2キャリアテープ搬送部による搬送エラーを、第1キャリアテープ搬送部による搬送の前に検出することができる。
【0029】
また、さらに、前記キャリアテープの搬送の不調の予兆を判定する予兆判定部を備え、前記予兆判定部は、前記第1キャリアテープ搬送部が有するモータの動作に関するデータにより事前に学習された推論モデルに、前記モータの動作に関するデータを入力することで、前記キャリアテープの搬送の不調の予兆を判定してもよい。
【0030】
このため、ノイズの少ない第1キャリアテープ搬送部が備えるモータのトルク値に基づいてキャリアテープの搬送の不調の予兆を判定することができる。よって、部品供給装置の不調の予兆を精度よく判定することができる。
【0031】
また、前記第2キャリアテープ搬送部は、前記キャリアテープを搬送するスプロケットと、前記スプロケットを回転駆動するモータと、前記スプロケットの回転方向を順回転方向に規制するラチェット機構とを有してもよい。
【0032】
このため、第2キャリアテープ搬送部による搬送と、第1キャリアテープ搬送部による搬送とを交互に行わなくても、第1キャリアテープ搬送部による搬送に影響を与えるノイズ要因を低減した状態で、第1キャリアテープ搬送部による搬送を行うことができる。
【0033】
また、本開示の一態様に係る実装基板製造方法は、キャリアテープを案内するテープ搬送路が設けられた本体部と、前記テープ搬送路における前記キャリアテープを部品取出し位置へ搬送する第1キャリアテープ搬送部と、前記テープ搬送路の前記第1キャリアテープ搬送部よりも上流側に配置され、前記キャリアテープを搬送する第2キャリアテープ搬送部と、を備える実装基板製造システムによる実装基板製造方法であって、前記第2キャリアテープ搬送部による搬送を行い、前記第2キャリアテープ搬送部による搬送の後に、前記第1キャリアテープ搬送部による搬送を行う。
【0034】
これによれば、上流側に配置される第2キャリアテープ搬送部による搬送を行った後に、下流側の第1キャリアテープ搬送部による搬送を行うため、部品リールを要因とする影響などの第1キャリアテープ搬送部の不調以外の要因による影響が極力ない状態で第1キャリアテープ搬送部による搬送を行うことができる。つまり、第1キャリアテープ搬送部による搬送に影響を与えるノイズ要因を低減した状態で、第1キャリアテープ搬送部による搬送を行うことができる。これにより、第1キャリアテープ搬送部が備えるモータのトルク値をノイズが少ない状態で取得することができ、部品供給装置の不調の予兆を精度よく判定することができる。
【0035】
また、部品リールを要因とする不調がある場合、第2キャリアテープ搬送部にエラーが発生しやすいため、第1キャリアテープ搬送部を動作させる前に部品リールを要因とする不調を検出することができる。
【0036】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0037】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0038】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0039】
(実施の形態)
[実装基板製造システム]
図1は、部品実装ラインを含む実装基板製造システムの構成の一例を示す図である。
【0040】
この実装基板製造システム1は、部品実装ラインL1と情報処理端末200とを備える。
【0041】
部品実装ラインL1は、実装基板の生産設備の一例であって、上流側から搬入された基板Bに少なくとも1つの部品Pを実装することによって実装基板を生産し、その生産された実装基板を下流側に搬出する。なお、本実施の形態では、基板の搬送方向をX軸方向と称し、そのX軸方向と垂直な方向をY軸方向と称する。なお、X軸方向およびY軸方向は水平面に沿う方向である。さらに、X軸方向およびY軸方向に垂直な方向を、Z軸方向と称する。X軸方向プラス側およびマイナス側は、それぞれ基板Bの搬送方向における下流側および上流側であって、Y軸方向プラス側およびマイナス側は、それぞれ前後方向における後側(または奥側)および前側(または手前側)である。Z軸方向プラス側およびマイナス側は、それぞれ鉛直方向における上側および下側である。図1では、部品実装ラインL1の上面が示されている。
【0042】
部品実装ラインL1は、はんだ印刷装置M1と、印刷検査装置M2と、部品実装装置M3~M6と、実装検査装置M7と、リフロー装置M8とを備える。なお、これらの装置は、搬送方向上流側から下流側に向けて、はんだ印刷装置M1、印刷検査装置M2、部品実装装置M3~M6、実装検査装置M7、リフロー装置M8の順に配列され、直列に連結されている。
【0043】
はんだ印刷装置M1、印刷検査装置M2、部品実装装置M3~M6、実装検査装置M7、およびリフロー装置M8は、通信ネットワーク2を介して情報処理端末200に接続されている。はんだ印刷装置M1は、上流側から搬入された基板Bにはんだを印刷する。印刷検査装置M2は、はんだ検査カメラによって基板Bに印刷されたはんだの状態を検査する。
【0044】
部品実装装置M3~M6は、基板Bに部品Pを実装する部品実装作業を実行する。なお、部品実装ラインL1は、4台の部品実装装置M3~M6を備えるが、その台数は4台に限定されることなく、1~3台であってもよく、5台以上であってもよい。
【0045】
実装検査装置M7は、部品検査カメラによって基板Bに搭載された部品Pの状態を検査する。リフロー装置M8は、この装置内に搬入された基板Bを加熱して、基板B上のはんだを硬化させ、基板Bの電極部と部品Pとを接合する。
【0046】
情報処理端末200は、例えば部品実装ラインL1と同じ建屋に配置され、部品実装ラインL1に含まれるはんだ印刷装置M1、印刷検査装置M2、部品実装装置M3~M6、実装検査装置M7、およびリフロー装置M8と通信する。なお、情報処理端末200は、無線または有線を介してそれらの装置と通信してもよい。無線は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、または特定小電力無線であってもよい。また、情報処理端末200は、部品実装ラインL1に含まれる各装置から、その装置の稼働率などを示す情報を取得し、それらの情報に基づいてその各装置を管理してもよい。また、このような情報処理端末200は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、またはスマートフォンなどとして構成されていてもよい。
【0047】
[部品実装装置]
図2は、部品実装装置M3の外観斜視図である。部品実装装置M4~M6も、部品実装装置M3と同様の外観を有していてもよい。
【0048】
部品実装装置M3は、例えば、2つの部品供給部6と、提示部17と、2つの開閉カバー16とを備える。なお、図2では、2つの部品供給部6のうちの1つが図示され、残り1つは奥側(すなわちY軸方向プラス側)に隠れている。
【0049】
部品供給部6には、複数のフィーダ7がX軸方向に沿って並列に配置されている。フィーダ7は、部品Pを収納したキャリアテープをテープ送り方向にピッチ送りすることによってその部品Pを供給する。
【0050】
提示部17は、部品実装装置M3の操作者への提示を行う。例えば、提示部17は、提示内容を表示することによって提示を行う。具体的な例として、提示部17は、液晶ディスプレイまたは有機EL(electro-luminescence)ディスプレイなどとして構成されている。
【0051】
2つの開閉カバー16のそれぞれは、開閉自在に設けられ、閉止時には後述の実装ヘッドを覆う。つまり、2つの開閉カバー16のそれぞれは、閉止時には、部品実装装置M3の内部を覆い隠す。したがって、2つの開閉カバー16のそれぞれが閉止されているときには、操作者は、部品実装装置M3の内部に手を入れることができず、実装ヘッドに触れることはできない。
【0052】
図3は、部品実装装置M3の内部構成の一例を示す図である。なお、部品実装装置M4~M6も、部品実装装置M3と同様の内部構成を有していてもよい。また、図3に示す部品実装装置M3の構成は、部品実装装置M3の内部をZ軸方向プラス側から見た構成であって、2つの開閉カバー16は図示されていない。
【0053】
部品実装装置M3は、上述の2つの部品供給部6の他にも、基台4と、基板搬送機構5と、2つのX軸ビーム9と、Y軸ビーム8と、2つの実装ヘッド10と、2つのカメラ12と、ステージ11とを備える。
【0054】
2つの部品供給部6は、基板搬送機構5をY軸方向に挟むように配置されている。
【0055】
基板搬送機構5は、X軸方向に沿う2つのレールを備え、基台4の中央に配設される。基板搬送機構5は、上流側から搬入された基板Bを搬送し、部品実装作業を実行するための位置にその基板Bを位置決めして保持する。
【0056】
Y軸ビーム8は、基台4上面におけるX軸方向の一方側(図3に示す例では右側)の端に、Y軸方向に沿うように配設されている。
【0057】
2つのX軸ビーム9は、X軸方向に沿った状態で、Y軸方向に移動自在にY軸ビーム8に結合されている。
【0058】
実装ヘッド10は、2つのX軸ビーム9のそれぞれに、X軸方向に移動自在に装着されている。実装ヘッド10は、部品Pを吸着して保持し昇降可能な複数の吸着ユニット10aを備える。吸着ユニット10aのそれぞれの先端には、ノズル10bが着脱自在に装着されている(図4参照)。
【0059】
2つの実装ヘッド10のそれぞれは、Y軸ビーム8およびX軸ビーム9を含む駆動機構によって、X軸方向およびY軸方向に移動する。これにより、2つの実装ヘッド10のそれぞれは、その実装ヘッド10に対応する部品供給部6に配置されたフィーダ7の部品取出し位置から部品Pをノズル10bによって吸着して取り出し、基板搬送機構5に位置決めされた基板Bの実装点に実装する。
【0060】
2つのカメラ12のそれぞれは、そのカメラ12に対応する実装ヘッド10に取り付けられている。このカメラ12は、基板搬送機構5に位置決めされている基板Bの位置および種別などを認識するために、その基板Bを撮像する。また、カメラ12は、実装ヘッド10のノズル10bに吸着されている部品Pの種別を認識するために、その部品Pを撮像する。また、カメラ12は、実装ヘッド10が部品Pを吸着するときの部品Pの吸着位置を認識するために、吸着時において、その部品Pを撮像する。さらに、カメラ12は、ノズル10bから情報を読み取るために、そのノズル10bを撮像する。
【0061】
ステージ11は、ノズルチェンジャとも呼ばれ、そのステージ11には少なくとも1つのノズル10bが載置されている。このステージ11に載置されている少なくとも1つのノズル10bは、実装ヘッド10の吸着ユニット10aに装着されているノズル10bとの交換に用いられる。例えば、ステージ11に載置されている少なくとも1つのノズル10bのそれぞれは、実装ヘッド10の吸着ユニット10aに装着されているノズル10bとは異なる属性を有する。また、ステージ11に載置されている少なくとも1つのノズル10bのそれぞれも、互いに異なる属性を有する。したがって、実装基板の生産には、基板Bに実装される部品Pに適した属性を有するノズル10bが選択されて実装ヘッド10の吸着ユニット10aに装着される。
【0062】
図4は、図3におけるA-A断面の一例を部分的に示す図である。
【0063】
部品供給部6は、図4に示すように、フィーダベース13aと、そのフィーダベース13aに装着された複数のフィーダ7と、フィーダベース13aを支持する台車13とを備える。
【0064】
台車13は、基台4に対して着脱自在に構成され、さらに、カセットホルダ15を備えている。カセットホルダ15は、部品リールCを複数個保持可能に構成されている。部品リールCは、キャリアテープ14を巻回状態で収納する。複数の部品リールCのそれぞれは、カセットホルダ15の上方保持位置Huまたは下方保持位置Hdに保持される。カセットホルダ15が保持する部品リールCから引き出されたキャリアテープ14は、フィーダ7に装着される。
【0065】
カメラ12は、ノズル10bの側面を含む範囲が視野に含まれるように斜めから撮像する。これにより、カメラ12は、そのカメラ12に対応する実装ヘッド10に装着されているノズル10bだけでなく、例えば、そのノズル10bに吸着される部品Pと、基板搬送機構5によって位置決めされている基板Bの基板マークとを撮像することができる。部品実装装置M3は、このカメラ12による撮像によって、ノズル10bが部品Pを吸着した時のノズル10bに対する部品Pの相対位置を検出する。検出された相対位置は、後述する異常判定装置110へ出力(送信)される。ここで、ノズル10bは、吸着部の一例である。
【0066】
カメラ18は、ノズル10bの下端を含む範囲が視野に含まれるように下方から撮像する。カメラ18は、部品実装装置M3の基台4または部品実装装置M3の下方に固定されている。つまり、カメラ18と基台4との位置関係は固定されている。これにより、部品実装装置M3は、このカメラ18による撮像によって、基台4の基準位置に対するノズル10bの位置を検出する。このため、部品実装装置M3は、部品Pが吸着されたときにノズル10bが停止した吸着位置を検出できる。検出された吸着位置は、異常判定装置110へ出力(送信)される。部品実装装置M3は、例えば、検出した吸着位置を、次に供給された部品Pの供給位置の予測に用いている。
【0067】
図5は、実装ヘッド10とフィーダ7との位置関係を示す模式図である。また、図6は、装着の対象となる部品Pの外観を示す外観図である。また、図7は、キャリアテープ14の一例を示す上面図である。また、図8は、フィーダ7の構成を示す側面図である。
【0068】
実装ヘッド10には、例えば図5に示すように、最大10個のノズル10bを取り付けることが可能である。10個のノズル10bが取り付けられた実装ヘッド10は、最大10個のフィーダ7のそれぞれから部品Pを同時に(1回の上下動作で)吸着することができる。
【0069】
フィーダ7は、このようなキャリアテープ14をテープ送り方向にピッチ送りすることにより、そのキャリアテープ14に収納されている複数の部品Pを順に部品取出し位置7aに供給する。実装ヘッド10は、その部品取出し位置7aに供給された部品Pをノズル10bで吸着して移動し、基板Bの実装点にその部品Pを実装する。フィーダ7は、部品供給装置の一例である。
【0070】
部品Pは、チップ形電子部品P1~P4であり、例えば図6の(a)~(d)に示すような部品がある。このような部品Pは、図7に示すようなキャリアテープ14に一定間隔で複数個連続的に収納されている。キャリアテープ14は、それぞれに部品Pが収納されている複数のポケット14aと、フィーダ7のスプロケットがキャリアテープ14を送り出すために、キャリアテープ14に係合する複数の送り孔14bを有する。ポケット14aは、部品Pを収納する容器の一例であり、ポケット14aのサイズは、部品Pのサイズよりも大きい。フィーダ7は、スプロケットを所定の回転角度単位で回転させることで、キャリアテープ14をテープ送り方向にピッチ送りする。なお、キャリアテープ14は、部品Pが収納されているポケット14aの開口を蓋するカバーテープをさらに有するが、図7では省略されている。
【0071】
フィーダ7には、部品リールCが装着されている。部品リールCには、部品を等ピッチで収納した図7に示すキャリアテープ14が巻回されている。フィーダ7は、図8に示す本体部71の内部でキャリアテープ14の送り動作を行ってキャリアテープ14に等ピッチで収納された部品Pを供給口72に、上記の等ピッチでピッチ送りする機能を有している。フィーダ7の本体部71の内部には、キャリアテープ14を案内するテープ搬送路Wが設けられている。
【0072】
本体部71内のテープ搬送路Wの下流側には第1キャリアテープ搬送部73が配設されている。第1キャリアテープ搬送部73は、キャリアテープ14の送り方向に等ピッチで形成された送り孔14bに係合するピンが外周に形成されたスプロケット74を備える。また、第1キャリアテープ搬送部73は、スプロケット74の回転駆動手段である駆動モータ75と、駆動モータ75の回転駆動をスプロケット74に伝達する伝達機構とを備える。
【0073】
駆動モータ75が部品Pの収納ピッチに対応して間欠回転するように制御されると、スプロケット74がインデックス回転を行い、後述する第2キャリアテープ搬送部90により搬送されたキャリアテープが先端部にピッチ送りされる。これにより、キャリアテープ14に収納された部品Pが吸着予定の位置、つまり、部品取出し位置である供給口72に順次供給される。
【0074】
供給口72は、本体部71の上部に装着されてキャリアテープ14の送りを案内するテープガイド76の一部に開口されて形成されている。テープガイド76の一部は、キャリアテープ14の表面から剥離されたカバーテープ14cの折り返し部となっており、カバーテープ剥離機構77によりキャリアテープ14の表面からカバーテープ14cを剥離する。これにより、キャリアテープ14は部品Pが露出した状態で供給口72に供給され、供給口72の上方に位置合わせされたノズル10bによりピックアップされる。
【0075】
ギヤユニット80は、駆動ギヤ81と、第1伝達ギヤ82と、第2伝達ギヤ83と、第3伝達ギヤ84と、最終ギヤ85とを含むギヤ列により構成されている。駆動ギヤ81は、駆動モータ75の出力軸に取り付けられる。駆動ギヤ81には、第1伝達ギヤ82が噛合する。第1伝達ギヤ82には第2伝達ギヤ83が同軸に固定され、この第2伝達ギヤ83は第3伝達ギヤ84と噛合する。第2伝達ギヤ83と噛合した第3伝達ギヤ84は、スプロケット74の回転軸に固定された最終ギヤ85とも噛合する。なお、ギヤユニット80のような伝達機構の構成は、これに限るものではなく、ギヤユニット80が備えるギヤの数は5個に限らずに5個より少なくてもよいし、5個より多くてもよい。
【0076】

また、本体部71内のテープ搬送路Wにおける第1キャリアテープ搬送部73よりも上流側には、第2キャリアテープ搬送部90が配設されている。第2キャリアテープ搬送部90は、第1キャリアテープ搬送部73と同様に、キャリアテープ14の送り方向に等ピッチで形成された送り孔14bに係合するピンが外周に形成されたスプロケット91を備える。また、第2キャリアテープ搬送部90は、スプロケット91の回転駆動手段である駆動モータ92と、駆動モータ92の回転駆動をスプロケット91に伝達する伝達機構とを備える。
【0077】
駆動モータ92が部品Pの収納ピッチに対応して間欠回転するように制御されると、スプロケット91がインデックス回転を行い、部品リールCに巻回されたキャリアテープ14が後端部から本体部71に引き込まれて第1キャリアテープ搬送部73へ向けてピッチ送りされる。
【0078】
ギヤユニット93は、例えば、ギヤユニット80と同様の構成を備える。具体的には、ギヤユニット93は、駆動ギヤ94と、第1伝達ギヤ95と、第2伝達ギヤ96と、第3伝達ギヤ97と、最終ギヤ98とを含むギヤ列により構成されている。駆動ギヤ94は、駆動モータ92の出力軸に取り付けられる。駆動ギヤ94には、第1伝達ギヤ95が噛合する。第1伝達ギヤ95には第2伝達ギヤ96が同軸に固定され、この第2伝達ギヤ96は第3伝達ギヤ97と噛合する。第2伝達ギヤ96と噛合した第3伝達ギヤ97は、スプロケット91の回転軸に固定された最終ギヤ98とも噛合する。なお、ギヤユニット93のような伝達機構の構成は、これに限るものではなく、ギヤユニット93が備えるギヤの数は5個に限らずに5個より少なくてもよいし、5個より多くてもよい。また、ギヤユニット93は、ギヤユニット80とは異なる構成であってもよい。
【0079】
フィーダ7は、第1キャリアテープ搬送部73及び第2キャリアテープ搬送部90の動作を制御するフィーダ制御部78を備える。フィーダ制御部78は、具体的には、駆動モータ75の回転駆動、及び、駆動モータ92の回転駆動を制御する。フィーダ制御部78は、キャリアテープ14をピッチ送りする制御を行う際に、第2キャリアテープ搬送部90にキャリアテープ14を搬送させた後に、第1キャリアテープ搬送部73にキャリアテープ14を搬送させる。
【0080】
また、フィーダ7は、第1キャリアテープ搬送部73及び第2キャリアテープ搬送部90の搬送エラーを検出するエラー検出部99を備える。エラー検出部99は、第1キャリアテープ搬送部73が有する駆動モータ75のトルク値を取得し、当該トルク値が予め定められた正常の範囲外の値である場合、第1キャリアテープ搬送部73に搬送エラーが発生したことを検出する。また、エラー検出部99は、第2キャリアテープ搬送部90が有する駆動モータ92のトルク値を取得し、当該トルク値が予め定められた正常の範囲外の値である場合、第2キャリアテープ搬送部90に搬送エラーが発生したことを検出する。
【0081】
以上のように構成される部品実装装置M3における不調原因は、例えば以下のようになる。供給口72の汚れ、スプロケット74の先端部の摩耗及びガタ、駆動モータ75のへたり及び送り位置ズレ、並びに、フィーダ7のガタつき、送り位置ズレ、並びに、モータートルク劣化等々が挙げられる。
【0082】
[部品実装装置]
図9は、部品実装装置M3の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0083】
部品実装装置M3は、上述の実装ヘッド10、カメラ12、Y軸ビーム8、X軸ビーム9、基板搬送機構5、ステージ11、カメラ18、及び部品供給部6の他にも、部品実装装置制御部100を備える。
【0084】
部品実装装置制御部100は、部品実装装置M3の動作を制御する処理部である。部品実装装置制御部100は、部品実装動作処理部101と、画面表示I/F処理部102と、主記憶部103と、予兆判定部104とを備える。
【0085】
部品実装動作処理部101は、実装ヘッド10、カメラ12、Y軸ビーム8、X軸ビーム9、基板搬送機構5、ステージ11、カメラ18、及び部品供給部6の各構成要素の動作を制御する処理部である。部品実装動作処理部101は、主記憶部103に記憶されているプログラムを実行し、部品実装装置M3の各構成要素の動作状態を取得し、動作状態に応じて部品実装装置M3の各構成要素の動作を制御する。例えば、部品実装動作処理部101は、フィーダ7から実装ヘッド10が部品Pを吸着する毎に、次の部品Pを供給させるためにフィーダ7へ搬送指示を出力する。つまり、部品実装動作処理部101は、異なる複数のタイミングで搬送指示を出力する。
【0086】
画面表示I/F処理部102は、部品実装動作処理部101による制御の状態を表示する。また、画面表示I/F処理部102は、部品実装装置M3の制御の種類を変更したり、当該制御の設定(例えば、制御パラメータの設定)を変更するための入力をオペレータから受け付ける。
【0087】
主記憶部103は、部品実装装置M3の制御のためのプログラムや制御パラメータ、部品実装装置M3の稼働情報などを記憶する。
【0088】
予兆判定部104は、各フィーダ7について、当該フィーダ7によるキャリアテープ14の搬送の不調の予兆を判定する。予兆判定部104は、第1キャリアテープ搬送部73が有する駆動モータ75の動作に関するデータにより事前に学習された推論モデルに、駆動モータ75の動作に関するデータを入力することで、キャリアテープ14の搬送の不調の予兆を判定する。駆動モータ75の動作に関するデータとは、例えば、駆動モータ75のトルク値、駆動モータ75の回転速度、駆動モータ75の回転量の偏差などを含む。トルク値は、駆動モータ75のPWM値であってもよい。駆動モータ75の動作に関するデータは、時系列で取得されたデータである。推論モデルは、フィーダ制御部78による第1キャリアテープ搬送部73及び第2キャリアテープ搬送部90によるピッチ送りの制御を行った状態において、異常が発生していないとき得られた正常データと、異常が発生したときに得られた異常データとに基づいて生成された学習モデルである。
【0089】
部品実装装置制御部100が備える処理部や異常判定装置110は、例えば、DSP等のプロセッサによって実現されるが、マイクロコンピュータまたは専用回路によって実現されてもよいし、プロセッサ、マイクロコンピュータ、及び専用回路のうちの2つ以上の組み合わせによって実現されてもよい。また、主記憶部103及び記憶部115は、不揮発性のメモリ、ストレージにより実現されてもよい。
【0090】
ここで、フィーダ制御部78による、キャリアテープ14のピッチ送りの制御の具体例について説明する。
【0091】
フィーダ制御部78は、部品実装装置制御部100から異なる複数のタイミングで搬送指示を受け付ける。フィーダ制御部78は、1回の搬送指示を受け付ける毎に、キャリアテープ14が所定ピッチだけ移動するように第1キャリアテープ搬送部73及び第2キャリアテープ搬送部90の動作の制御、つまり、ピッチ送りを行う。フィーダ制御部78は、ピッチ送りにおいて、キャリアテープ14が所定ピッチだけ移動してから次の搬送指示を受け付けるまでの間に、第2キャリアテープ搬送部90に所定ピッチだけキャリアテープ14を搬送させる。フィーダ制御部78は、第1キャリアテープ搬送部73による搬送の前に、第2キャリアテープ搬送部90による搬送を行うため、キャリアテープ14がたわんだ状態を維持するように、ピッチ送りの制御を行うこととなる。
【0092】
なお、フィーダ制御部78は、ピッチ送りの制御を開始してから、第2キャリアテープ搬送部90による搬送量の累計が、第1キャリアテープ搬送部73による搬送量の累計以上であることを維持するように搬送を制御することで、キャリアテープ14がたわんだ状態を維持するように、ピッチ送りの制御を行ってもよい。つまり、フィーダ制御部78は、ピッチ送りの制御を開始してから、第2キャリアテープ搬送部90のスプロケット91の外周部の移動量の累計が、第1キャリアテープ搬送部73のスプロケット74の外周部の移動量の累計以上であることを維持するように、駆動モータ75及び駆動モータ92の回転量を制御してもよい。
【0093】
また、フィーダ制御部78は、第2キャリアテープ搬送部90による搬送の後にエラー検出部99が搬送エラーを検出しなかった場合に、第1キャリアテープ搬送部73による搬送を開始してもよい。また、フィーダ制御部78は、エラー検出部99が搬送エラーを検出した場合に、エラーを検出したことを部品実装装置制御部100に通知してもよい。この場合、部品実装装置制御部100は、搬送エラーが検出された第2キャリアテープ搬送部90により搬送されるキャリアテープ14の部品Pを吸着対象から除外する。つまり、部品実装装置制御部100は、複数のフィーダ7のうち搬送エラーが検出されたフィーダ7を吸着対象から除外する。
【0094】
[動作]
次に、フィーダ7のフィーダ制御部78によるキャリアテープ14の搬送動作について説明する。図10は、フィーダ7の搬送動作の一例を示すフローチャートである。
【0095】
フィーダ7は、事前搬送動作を実施する(S11)。具体的には、フィーダ7は、第2キャリアテープ搬送部90にキャリアテープ14を所定ピッチだけ搬送させる。
【0096】
次に、フィーダ7は、エラー検出部99により第2キャリアテープ搬送部90に搬送エラーの発生が検出されたか否かを判定する(S12)。
【0097】
フィーダ7は、エラー検出部99により第2キャリアテープ搬送部90に搬送エラーの発生が検出されたと判定すると(S12でYes)、ステップS13を実行し、エラー検出部99により第2キャリアテープ搬送部90に搬送エラーの発生が検出されていないと判定すると(S12でNo)、ステップS15を実行する。
【0098】
ステップS13では、フィーダ7は、搬送エラーが検出されたことを部品実装装置制御部100へ通知する。そして、部品実装装置制御部100は、複数のフィーダ7のうち搬送エラーが検出されたフィーダ7を吸着対象から除外する(S14)。
【0099】
ステップS15では、フィーダ7は、部品実装装置制御部100から搬送指令を受信する。
【0100】
そして、フィーダ7は、搬送動作を実施する(S16)。具体的には、フィーダ7は、第1キャリアテープ搬送部73にキャリアテープ14を所定ピッチだけ搬送させる。ステップS16が実行されると、ステップS17及びステップS20が実行される。
【0101】
ステップS17では、フィーダ7は、エラー検出部99により第1キャリアテープ搬送部73に搬送エラーの発生が検出されたか否かを判定する。
【0102】
フィーダ7は、エラー検出部99により第1キャリアテープ搬送部73に搬送エラーの発生が検出されたと判定すると(S17でYes)、ステップS18を実行し、エラー検出部99により第1キャリアテープ搬送部73に搬送エラーの発生が検出されていないと判定すると(S17でNo)、ステップS11に戻る。つまり、搬送エラーが発生していない場合、フィーダ7は、ステップS11の第2キャリアテープ搬送部90による事前搬送動作と、ステップS16の第1キャリアテープ搬送部73による搬送動作とを交互に繰り返す。
【0103】
図11は、第1キャリアテープ搬送部と第2キャリアテープ搬送部との搬送動作が繰り返されることを説明するための図である。図11では、第1キャリアテープ搬送部73のスプロケット74と、第2キャリアテープ搬送部90のスプロケット91と、キャリアテープ14との関係を簡略化して図示している。
【0104】
図11の(a)は、搬送開始前の状態を示す。搬送開始前においては、例えば、キャリアテープ14は、スプロケット91とスプロケット74との間でたわみが少ない状態である。
【0105】
図11の(b)は、第2キャリアテープ搬送部90による事前搬送動作が実施されてスプロケット91が1ピッチ分回転した様子を示す図である。このとき、キャリアテープ14は、上流側から1ピッチ分だけ押し出されるため、搬送開始前よりもスプロケット91とスプロケット74との間のたわみが多い状態となる。
【0106】
図11の(c)は、第1キャリアテープ搬送部73による搬送動作が実施されてスプロケット74が1ピッチ分回転した様子を示す図である。このとき、キャリアテープ14は、下流側に1ピッチ分だけ異動することで引っ張られるため、事前搬送動作が実施されたときよりもスプロケット91とスプロケット74との間のたわみが少ない状態となる。
【0107】
以降、ステップS11の第2キャリアテープ搬送部90による事前搬送動作と、ステップS16の第1キャリアテープ搬送部73による搬送動作とを交互に繰り返されると、図11の(b)及び図11の(c)が繰り返されることとなる。
【0108】
図10に戻り、ステップS18では、フィーダ7は、搬送エラーが検出されたことを部品実装装置制御部100へ通知する。そして、部品実装装置制御部100は、複数のフィーダ7のうち搬送エラーが検出されたフィーダ7を吸着対象から除外する(S19)。
【0109】
ステップS20では、予兆判定部104は、第1キャリアテープ搬送部73の駆動モータ75のデータを取得する。駆動モータ75のデータは、例えば、駆動モータ75のトルク値、駆動モータ75の回転速度、駆動モータ75の回転量の偏差などを含む。また、予兆判定部104は、駆動モータ75の時系列のデータを取得する。
【0110】
次に、予兆判定部104は、駆動モータ75のデータから特徴量を抽出し、抽出した特徴量を記憶する(S21)。予兆判定部104は、例えば、スプロケット74が1周する間に検出されるデータから特徴量を抽出し、抽出した特徴量を記憶する。
【0111】
次に、予兆判定部104は、予め生成した推論モデルと、記憶した特徴量とに基づいて、キャリアテープの搬送の不調の予兆を判定する(S22)。
【0112】
次に、予兆判定部104は、不調の予兆ありと判定した場合(S23でYes)、不調の予兆があることを通知する(S24)。予兆判定部104は、例えば、画面表示I/F102に不調の予兆があることを通知し、画面表示I/F102は、提示部17に、フィーダ7の第1キャリアテープ搬送部73に不調の予兆があることを通知してもよい。なお、通知は、予め登録されている、ユーザが所有している端末に対して行われてもよい。
【0113】
次に、予兆判定部104は、不調の予兆なしと判定した場合(S23でNo)、ステップS11に戻る。
【0114】
[効果など]
本実施の形態に係る実装基板製造システム1は、本体部71と、第1キャリアテープ搬送部73と、第2キャリアテープ搬送部90と、フィーダ制御部78とを備える。本体部71は、キャリアテープ14を案内するテープ搬送路Wが設けられている。第1キャリアテープ搬送部73は、テープ搬送路Wにおけるキャリアテープ14を部品取出し位置へ搬送する。第2キャリアテープ搬送部90は、テープ搬送路Wの第1キャリアテープ搬送部73よりも上流側に配置され、キャリアテープ14を搬送する。フィーダ制御部78は、第1キャリアテープ搬送部73及び第2キャリアテープ搬送部90の動作を制御する。フィーダ制御部78は、第2キャリアテープ搬送部90にキャリアテープ14を搬送させた後に、第1キャリアテープ搬送部73にキャリアテープ14を搬送させる。
【0115】
これによれば、上流側に配置される第2キャリアテープ搬送部90による搬送を行った後に、下流側の第1キャリアテープ搬送部73による搬送を行うため、部品リールCを要因とする影響などの第1キャリアテープ搬送部73の不調以外の要因による影響が極力ない状態で第1キャリアテープ搬送部73による搬送を行うことができる。つまり、第1キャリアテープ搬送部73による搬送に影響を与えるノイズ要因を低減した状態で、第1キャリアテープ搬送部73による搬送を行うことができる。これにより、駆動モータ75のトルク値をノイズが少ない状態で取得することができ、フィーダ7の不調の予兆を精度よく判定することができる。
【0116】
また、第1キャリアテープ搬送部73による搬送に影響を与えるノイズ要因による不調がある場合、第2キャリアテープ搬送部90に搬送エラーが発生しやすいため、第1キャリアテープ搬送部73を動作させる前に、第1キャリアテープ搬送部73による搬送に影響を与えるノイズ要因による不調を検出することができる。
【0117】
また、フィーダ制御部78は、キャリアテープ14が有する複数の部品Pを部品取出し位置において順次吸着する部品実装装置M3の部品実装装置制御部100から、異なる複数のタイミングで搬送指示を受け付ける。フィーダ制御部78は、1回の搬送指示を受け付ける毎に、キャリアテープ14が所定ピッチだけ移動するように第1キャリアテープ搬送部73及び第2キャリアテープ搬送部90の動作の制御を行う。フィーダ制御部78は、上記制御において、キャリアテープ14が所定ピッチだけ移動してから次の搬送指示を受け付けるまでの間に、第2キャリアテープ搬送部90に所定ピッチだけキャリアテープ14を搬送させる。
【0118】
これによれば、フィーダ制御部78は、次の搬送指示を受け付けると、第1キャリアテープ搬送部73による搬送を実行するため、第2キャリアテープ搬送部90による搬送を行った後に、第1キャリアテープ搬送部73による搬送を実行することができる。
【0119】
また、フィーダ制御部78は、キャリアテープ14がたわんだ状態を維持するように、第1キャリアテープ搬送部73及び第2キャリアテープ搬送部90の動作の制御を行う。
【0120】
これによれば、第1キャリアテープ搬送部73による搬送を行うときにキャリアテープ14がたわんだ状態が維持されているため、第1キャリアテープ搬送部73による搬送に影響を与えるノイズ要因を低減した状態で、第1キャリアテープ搬送部73による搬送を行うことができる。
【0121】
また、実装基板製造システム1は、さらに、第2キャリアテープ搬送部90の搬送エラーを検出するエラー検出部99を備える。フィーダ制御部78は、第1キャリアテープ搬送部73及び第2キャリアテープ搬送部90の動作の制御において第2キャリアテープ搬送部90による搬送の後にエラー検出部99が搬送エラーを検出しなかった場合に、第1キャリアテープ搬送部73による搬送を開始する。
【0122】
このため、搬送エラーが検出されない場合に、第1キャリアテープ搬送部73による搬送を実行することができる。つまり、第1キャリアテープ搬送部73による搬送に影響を与えるノイズ要因を低減した状態で、第1キャリアテープ搬送部73による搬送を行うことができる。
【0123】
また、フィーダ制御部78は、エラー検出部99が第2キャリアテープ搬送部90の搬送エラーを検出した場合に、第2キャリアテープ搬送部90の搬送エラーを検出したことを部品実装装置制御部100に通知する。このため、エラー検出部99が第2キャリアテープ搬送部90の搬送エラーを検出した場合に、例えば、部品実装装置M3に吸着対象から除外するように制御させることができる。
【0124】
また、部品実装装置制御部100は、搬送エラーを検出したことを受信した場合、搬送エラーが検出された第2キャリアテープ搬送部90により搬送されるキャリアテープ14を吸着対象から除外する。このため、エラーが発生したキャリアテープ14の部品Pを吸着しようとする動作を省略できるため、稼働ロスを低減することができる。
【0125】
また、第2キャリアテープ搬送部90は、キャリアテープ14を搬送するスプロケット91と、スプロケット91を回転駆動する駆動モータ92とを有する。エラー検出部99は、駆動モータ92のトルク値が正常の範囲外の値である場合、搬送エラーを検出する。このため、第2キャリアテープ搬送部90による搬送エラーを、第1キャリアテープ搬送部73による搬送の前に検出することができる。
【0126】
また、実装基板製造システム1は、さらに、キャリアテープ14の搬送の不調の予兆を判定する予兆判定部104を備える。予兆判定部104は、第1キャリアテープ搬送部73が有する駆動モータ75の動作に関するデータにより事前に学習された推論モデルに、駆動モータ75の動作に関するデータを入力することで、キャリアテープ14の搬送の不調の予兆を判定する。このため、ノイズの少ないトルク値であって、第1キャリアテープ搬送部73が備えるモータのトルク値に基づいてキャリアテープ14の搬送の不調の予兆を判定することができる。よって、フィーダ7の不調の予兆を精度よく判定することができる。
【0127】
[変形例]
(1)
上記実施の形態において、第2キャリアテープ搬送部90は、スプロケット91の回転方向を順回転方向に規制するラチェット機構を有していてもよい。これにより、第2キャリアテープ搬送部90によるキャリアテープ14が送り方向の反対方向に移動することを抑制することができる。よって、第2キャリアテープ搬送部90の動作を、第1キャリアテープ搬送部73の動作に同期させなくても、キャリアテープ14がたわんだ状態を維持するようにキャリアテープ14を搬送することを容易にできる。
【0128】
(2)
フィーダ7は、図示しないが、キャリアテープ14と他のキャリアテープ14との接続部分に設けられるスプライシングテープがテープ搬送路Wを通過していることを検出するスプライシングテープ検出部をさらに備えていてもよい。そして、スプライシングテープ検出部による検出結果は、部品実装装置制御部100に出力されてもよい。部品実装装置制御部100の予兆判定部は、取得した駆動モータ75のデータから、検出結果に基づいて、スプライシングテープが検出されている期間に検出された駆動モータ75のデータを除外してもよい。スプライシングテープが設けられている接続部分がテープ搬送路Wを通過するときに、キャリアテープ14とテープ搬送路Wとの間の摩擦力が増加して、駆動モータ75のトルク値が上昇しやすくなる。よって、第1キャリアテープ搬送部73に不調がないのに不調があると誤判定される恐れがある。変形例2では、取得した駆動モータ75のデータから、検出結果に基づいて、スプライシングテープが検出されている期間に検出された駆動モータ75のデータが除外されるため、誤判定を低減することができる。
【0129】
(3)
上記実施の形態では、第2キャリアテープ搬送部90が1ピッチだけキャリアテープ14を搬送した後に、第1キャリアテープ搬送部73が1ピッチだけキャリアテープ14を搬送するとしたが、これに限らない。第2キャリアテープ搬送部90が2ピッチだけキャリアテープ14を搬送した後に、第1キャリアテープ搬送部73が1ピッチだけ搬送する動作を2回繰り返してもよい。つまり、ピッチ送りの制御が開始されてから、第2キャリアテープ搬送部90による搬送量の累計が、第1キャリアテープ搬送部73による搬送量の累計以上であることを維持されればどのように搬送されてもよい。
【0130】
また、第1キャリアテープ搬送部73及び第2キャリアテープ搬送部90は、キャリアテープ14をピッチ送りで搬送するとしたが、ピッチ送りで搬送しなくてもよく、連続して搬送してもよい。
【0131】
(4)
上記実施の形態では、予兆判定部104は、部品実装装置制御部100が備えるとしたが、これに限らない。予兆判定部104は、フィーダ7が備えていてもよいし、情報処理端末200が備えていてもよい。
【0132】
なお、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記実施の形態の部品実装装置M3などを実現するソフトウェアは、図に示すフローチャートに含まれる各ステップをコンピュータに実行させるプログラムである。
【0133】
なお、以下のような場合も本開示に含まれる。
【0134】
(1)上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。前記RAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0135】
(2)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0136】
(3)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。前記ICカードまたは前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカードまたは前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、前記ICカードまたは前記モジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0137】
(4)本開示は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0138】
また、本開示は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている前記デジタル信号であるとしてもよい。
【0139】
また、本開示は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0140】
また、本開示は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。
【0141】
また、前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、または前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【0142】
(5)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本開示は、部品を基板に実装する部品実装装置、およびその部品実装装置を含む生産システムなどに利用可能である。
【符号の説明】
【0144】
2 通信ネットワーク
4 基台
5 基板搬送機構
6 部品供給部
7 フィーダ
7a 部品取出し位置
8 Y軸ビーム
9 X軸ビーム
10 実装ヘッド
10a 吸着ユニット
10b ノズル
11 ステージ
12 カメラ
13 台車
13a フィーダベース
14 キャリアテープ
14a ポケット
14b 送り孔
14c カバーテープ
15 カセットホルダ
16 開閉カバー
17 提示部
18 カメラ
71 本体部
72 供給口
73 第1キャリアテープ搬送部
74、91 スプロケット
75、92 駆動モータ
76 テープガイド
77 カバーテープ剥離機構
78 フィーダ制御部
80、93 ギヤユニット
81、94 駆動ギヤ
82、95 伝達ギヤ
83、96 伝達ギヤ
84、97 伝達ギヤ
85、98 最終ギヤ
90 第2キャリアテープ搬送部
99 エラー検出部
100 部品実装装置制御部
101 部品実装動作処理部
102 画面表示I/F処理部
103 主記憶部
104 予兆判定部
図1
図2
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