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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156105
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】防音パネル及び什器
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/16 20060101AFI20231017BHJP
【FI】
G10K11/16 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065771
(22)【出願日】2022-04-12
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】新居 貴志
(72)【発明者】
【氏名】水谷 悠紀
(72)【発明者】
【氏名】高村 恵花
【テーマコード(参考)】
5D061
【Fターム(参考)】
5D061AA03
5D061AA06
5D061AA22
5D061AA25
5D061BB24
(57)【要約】      (修正有)
【課題】防音性に優れた防音パネル及び什器を提供することを目的とする。
【解決手段】防音パネル100は、第1パネル102と、第1パネル102よりも高剛性であり、第1パネル102との間に隙間を隔てた状態で第1パネル102と重ね合わされた第2パネル106と、を備える。音は、第1パネルで吸音されつつ、第1パネルと第2パネルとの間の隙間を通り、第2パネルに達する。音は、第1パネルと第2パネルとの間の隙間で弱められる。また、音は、第2パネルで反射されるか、吸音される。このため、音伝達用空間の外側に音が伝わり難くなる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1パネルと、
前記第1パネルよりも高剛性であり、前記第1パネルとの間に隙間を隔てた状態で前記第1パネルと重ね合わされた第2パネルと、
を備える防音パネル。
【請求項2】
請求項1に記載の防音パネルであって、
前記第1パネルは、多孔質パネルである、防音パネル。
【請求項3】
請求項2に記載の防音パネルであって、
前記第1パネルは、不織シートの金型成形品である、防音パネル。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の防音パネルであって、
前記第2パネルは前記第1パネルよりも音を反射し易いパネルである、防音パネル。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の防音パネルであって、
前記第2パネルは、不織シートの金型成形品であるか、樹脂金型成形パネルであるか、木材である防音パネル。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の防音パネルであって、
前記第1パネルの縁は前記第1パネルの中間部よりも高剛性である、防音パネル。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載の防音パネルであって、
前記第2パネルは、前記第1パネルよりも外側に大きく湾曲する形状に形成されている、防音パネル。
【請求項8】
請求項1又は請求項2に記載の防音パネルであって、
前記第2パネルの外周部に、前記第1パネル側に突出して前記第1パネルを囲む囲い部が形成されている、防音パネル。
【請求項9】
請求項1又は請求項2に記載の防音パネルであって、
少なくとも一部が前記隙間内に配置されるパネル支持フレームと、
前記パネル支持フレームによって前記第1パネルの外向き面側に支持されるディスプレイ支持ブラケットと、
をさらに備える防音パネル。
【請求項10】
請求項1又は請求項2に記載の防音パネルを備える什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、防音パネル及び什器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、会議の支援を行う会議支援システムにおいて、マイクロホンと、マイクロホンで変換された電気信号を増幅するアンプと、アンプで増幅された電気信号を再生するスピーカと、スピーカで再生された音を反射する天井の一部に形成される放物面とを有する会議支援システムを開示している。
【0003】
特許文献1によると、会議参加者は、スピーカで再生され放物面天井部に反射された自らの声を聞くことで、自らの声量を客観的に判断することが可能となり、打ち合わせスペースに近接する執務者に対して聞こえるような音量の会話を、抑制していくことができるようになる旨記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-40301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、共有執務スペース等において、防音に対する要請が高まっている。例えば、近年、オンライン会議が普及しており、オンライン会議が共有執務スペースの一部を区切って行われることがある。このような場合に、遠隔地からの参加者の音声がスピーカによって大きな音で再生されることがある。共有執務スペースにおいてスピーカによって再生される音声が、周囲人の邪魔になるほど漏れてしまう可能性がある。
【0006】
そこで、本開示は、防音性に優れた防音パネル及び什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、防音パネルは、第1パネルと、前記第1パネルよりも高剛性であり、前記第1パネルとの間に隙間を隔てた状態で前記第1パネルと重ね合わされた第2パネルと、を備える防音パネルである。
【発明の効果】
【0008】
この防音パネルによると、第2パネルは、第1パネルよりも高剛性であり、第1パネルとの間に隙間を隔てた状態で第1パネルと重ね合わされている。このため、第2パネルによって剛性を確保しつつ、第1パネルによって防音性を確保し、かつ、パネル間の隙間によって防音性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る什器を示す斜視図である。
図2】同上の什器を示す斜視図である。
図3】同上の什器を示す側面図である。
図4】スピーカの特性の一例を示す説明図である。
図5】防音用パネルを示す斜視図である。
図6】防音用パネルを示す分解斜視図である。
図7図5のVII-VII線断面図である。
図8】第2実施形態に係る什器を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
{第1実施形態}
<遠隔コミュニケーションについて>
以下、第1実施形態に係る防音パネル及び什器について説明する。本実施形態では、防音パネル100を備える什器20が説明される。図1及び図2は什器20を示す斜視図である。図3は什器20を示す側面図である。図3において遠隔地における会議参加者が図示されている。
【0011】
什器20は、遠隔コミュニケーションに用いられる什器である。遠隔コミュニケーションとしては、例えば、公衆回線を通じて実施されるWeb会議であることが想定される。遠隔コミュニケーションが、Web会議であることは必須ではない。遠隔コミュニケーションは、専用回線を通じたオンライン会議、1対1の通話を前提とするプログラムを利用したコミュニケーション、電話等を通じてなされてもよい。遠隔コミュニケーションにおいて撮像及び画像表示がなされることは必須ではない。遠隔コミュニケーションは、少なくとも音声によるコミュニケーションがなされるものであればよい。
【0012】
遠隔コミュニケーションは、例えば、複数の執務者が執務を行う共有執務スペースに存在する参加者Pと、共有執務スペースから離れた遠隔地に存在する遠隔参加者Poとの間でなされることが想定される(図3参照)。
【0013】
ここで、共有執務スペースは、複数の執務者の共用執務設備が配置され、複数部署の執務者が多用途で共用執務設備及びスペースを分け合って使うスペースである。共用執務設備としては、共用机、共用椅子等が想定される。共用設備が配置される代りに、共有執務スペースには、執務者の専用設備、例えば、執務者の専用机、椅子が無いことが考えられる。共有執務スペースにおいてなされる執務としては、大小多様な人数の会議、発表会、少人数の面談、休憩等が考えられる。共有執務スペースに配置される共用机、共用椅子が移動可能であれば、集合人数、集合グループ数に応じて、共用机、共用椅子を移動させることができる。これにより、共有執務スペース内において、スペース及び設備を分け合って、複数のグループがグループ毎に執務を行うことができる。共有執務スペースは、壁によって仕切られた部屋では無く、通路又は他の執務スペースに対して開放された空間であってもよい。
【0014】
上記執務は、職業又は営業上の業務だけではなく、学校又は図書館等における学習、実技、読書等を含む広い活動全般を指す。例えば、執務は、机上での作業、座ったまま又は立ち止ったままなされ得る各種活動全般を意味する。
【0015】
上記のような共有執務スペースは、営利、非鋭利を問わず各種団体において複数人が執務を行うオフィススペース、待合ロビーに設けられることがある。また、共有執務スペースは、教育施設における教室、図書館に設けられることも考えられる。
【0016】
遠隔参加者Poが存在する遠隔地は、例えば、上記共有執務スペースとは離れた支所内スペース又は個人の部屋である(図3参照)。
【0017】
什器20は、共有執務スペースに移動可能に配置され、遠隔コミュニケーションの参加人数、周囲の状況等に応じて、遠隔コミュニケーションに適した会議用の空間を構成するのに役立つことができる。
【0018】
<什器の全体構成について>
什器20の全体構成について説明する。什器20は、遠隔コミュニケーションに用いられる什器であることが想定される。
【0019】
本実施形態では、什器20は、天板32を備える机である。本実施形態では、什器20は、さらに椅子90とスピーカ50とを備える。
【0020】
スピーカ50は、遠隔参加者Poからの音を出力する。例えば、スピーカ50はコンピュータ25に接続される(図3参照)。オンライン用の会議用端末であるコンピュータ25は、例えば、プロセッサと、記憶装置等を備えるコンピュータによって構成される。プロセッサは、プログラムに従って演算処理を実行する電気回路を備える。記憶装置は、磁気記録媒体、フラッシュメモリ等の不揮発メモリである。記憶装置に、オンライン会議用端末がオンライン会議を行うための手順を定める会議用プログラムが記憶されている。プロセッサが会議用プログラムに基づいて演算処理を実行することで、オンライン会議のための処理を実行する。コンピュータ25に音の再生のための電気信号が出力される。スピーカ50は、当該電気信号を音に変換して音を再生する。これにより、遠隔参加者Poの音声等がスピーカ50によって再生される。
【0021】
什器20は、スピーカ50を支持する支持部30を備える。支持部30は、スピーカ50を支持した状態で上記共有執務スペースに配置される。支持部30は、共有執務スペースの床面上に載置されてもよい。支持部30は、参加者Pの頭頂よりも上方の位置でスピーカ50を支持する。これにより、スピーカ50から上方から参加者Pの頭部に向けて音が出力される。
【0022】
支持部30は、スピーカ50を一定位置に支持するものであればよい。支持部は、例えば、スピーカ50を床上に支持するスピーカ支持スタンドであってもよい。支持部は、天板及び脚部を含む構成(例えば、机)であってもよいし、座部及び脚部を含む構成(例えば、椅子)であってもよいし、天板、座部及び脚部が一体化された構成(例えば、椅子が一体化された机)であってもよい。支持部30の具体例については後述される。
【0023】
本実施形態では、支持部30は、天板32及び椅子90を含む。つまり、本実施形態において、什器20は、天板32を含むデスクと、椅子90とが一体化された什器である。
【0024】
天板32は、参加者Pに対して遠隔コミュニケーションのための作業面を提供する。椅子90は、参加者Pが着座する椅子である。よって、参加者Pは、椅子90に着座し、天板32を作業面として遠隔コミュニケーションに参加することができる。この状態で、スピーカ50から出力される遠隔参加者Poからの音を聞くことができる。
【0025】
防音パネル100は、防音性を有するパネルである。什器20が防音パネル100を備えることで、什器20に防音性を持たせることができる。スピーカ50との位置関係で説明すると、防音パネル100の少なくとも一部は、スピーカ50に対して重力方向に対して垂直な水平方向に離れて、スピーカ50から出力される音を参加者Pに伝達するための音伝達用空間SSを隔てた位置に配置されていてもよい。この場合、スピーカ50の音が音伝達用空間SSを介して参加者Pに伝達され、かつ、防音パネル100の外側に音が漏れ難くなる。
【0026】
以下、各部構成について説明する。
【0027】
<スピーカについて>
スピーカ50は、支持部30の配置箇所の所定範囲に位置する参加者Pの頭上から当該参加者Pに向けて音を出力するように支持部30により支持されている。なお、支持部30の配置箇所は、例えば、共有執務スペースである。共有執務スペースにおける所定範囲とは、例えば、支持部30に対して共有執務スペースの床面上で隣接する範囲である。当該所定範囲は、例えば、支持部30の周りに参加者Pが立って存在し得る範囲であってもよいし、支持部30の周りで参加者Pが座る椅子が存在し得る範囲であってもよい。つまり、所定範囲とは、遠隔コミュニケーションに参加しようとする参加者Pが支持部30周りに立つか座って当該遠隔コミュニケーションに参加し得る範囲である。例えば、所定範囲とは、平面視における支持部30の外縁から3mの範囲内であってもよいし、2mの範囲内であってもよいし、1.5mの範囲内であってもよい。
【0028】
スピーカ50は、上記所定範囲における参加者Pに向けて指向性を有することが好ましい。図4は2000Hzの音に対する音圧レベルの一例を、音源を中心とする極座標に表現した説明図である。例えば、図4に示すように、スピーカ50は、2000Hzの音に対する音圧レベルが真正面の中心軸上から6dB減少する角度が±30度から±75度の範囲内である特性を示していてもよい。好ましくは、2000Hzの音に対する音圧レベルが6dB減少する角度が±30度から±60度の範囲内、または、±30度から±45度の範囲内であってもよい。角度は、スピーカの設置位置、参加者Pの頭の位置等に応じて、上記所定範囲に存在する参加者Pの頭上に対して音を出力することができるような範囲に設定され得る。図3に、一例として2000Hzの音に対する音圧レベルが6dB減少する角度の境界Rが示される。境界Rの範囲内に天板32の周りに存在する参加者Pの頭が含まれるように設定されるとよい。
【0029】
図3に示すように、指向性を有するスピーカ50は、例えば次の構成によって実現されてもよい。例えば、スピーカ50は、スピーカ本体52と、反射部54とを含む。スピーカ本体52は、電気信号を音に変換する。反射部54は、スピーカ本体52から出力された音を参加者Pに向けて反射する。
【0030】
より具体的には、スピーカ本体52は、上方に向けて音を出力する。なお、スピーカ本体52の正面方向は、音圧が最も強くなる方向である。スピーカ本体52は、水平姿勢よりも上を向いていればよく、例えば、水平姿勢に対して45゜より上を向いていてもよいし、60゜より上を向いていてもよいし、75゜より上を向いていてもよいし、真上を向いていてもよい。
【0031】
反射部54は、スピーカ本体52の上方を覆って、スピーカ本体52から出力された音を下方に向けて反射させる。本実施形態では、反射部54は、内側反射部55と、外側反射部56とを含む。
【0032】
内側反射部55は、ドーム状に形成されている。内側反射部55の開口が下を向いている。本実施形態では、内側反射部55は、スピーカ本体52の正面である上方を覆い、さらに、スピーカ本体52の外周囲を覆っている。例えば、スピーカ本体52の正面の中央から連結部52mが突出しており、その連結部52mの先端部が内側反射部55の内周面の底部に固定されている。スピーカ50の正面が連結部52mの周りで内側反射部55の内周面の底側に間隔をあけて対向している。スピーカ本体52から出力された音は、一旦内側反射部55の内周面に向けて上方に向う。内側反射部55の内周面の湾曲面によって内側反射部55の内周面の中心軸に集約するように反射されて下方に向う。例えば、反射部54は、後述する天板32又は天板32の周囲に向けて音を反射する。
【0033】
外側反射部56は、内側反射部55の外周囲を覆っている。例えば、外側反射部56は、ドーム状に形成されており、内側反射部55の外周面の全体を覆っている。外側反射部56と内側反射部55との間に隙間が形成されてもよい。外側反射部56によって、内側反射部55を漏れた音が反射、吸収され、外側反射部56の外側に漏れることが抑制される。
【0034】
スピーカ50全体として考えると、反射部54の開口が下方を向いており、スピーカ50は、下方に向けて音を出力する。なお、スピーカ50全体としての正面方向は、音圧が最も強くなる方向であり、反射部54の開口方向である。スピーカ50は、水平姿勢よりも下を向いていればよく、例えば、水平姿勢に対して45゜より下を向いていてもよいし、60゜より下を向いていてもよいし、75゜より下を向いていてもよいし、真下を向いていてもよい。
【0035】
なお、反射部54がドーム状である必要は無く、傘状、平たい板、又は、複数の平たい板の組合せによって構成されてもよい。反射部54は、庇状の板であってもよい。スピーカ本体を下向きにして反射部54を省略してもよい。
【0036】
支持部30によるスピーカ50の支持位置の真下延長線Lが、スピーカ50を通過する位置に、スピーカ50が支持されていてもよい。支持部30によるスピーカ50の支持位置の真下延長線Lとは、例えば、支持箇所を平面視した場合に観察され得る支持領域に対する幾何中心からの真下延長線Lであり、支持領域が複数存在する場合には、当該複数の支持領域の幾何中心からの真下延長線Lである。これにより、スピーカ50から出力される音が支持部30によって邪魔されずに参加者Pの頭上に届き易い。
【0037】
指向性を有するスピーカ50が上記構成であることは必須ではない。指向性を有するスピーカは、例えば、間の耳には聞こえずかつ指向性が高い超音波を搬送波として、可聴域の音を伝送するパラメトリックスピーカであってもよい。音が届く主な範囲を天板32の周りの参加者Pに制限することができる各種指向性スピーカが利用され得る。
【0038】
スピーカ50は、防音パネル100、会議用机の天板32及び会議用の椅子90のうちの少なくとも1つと一体化されていることが好ましい。ここで、複数の部分が一体化されるとは、当該複数の部分が直接又は間接的に連結されており、複数の部分のうちの一部を動かせば当該動きに応じて他の部分も動くことができる関係となっていることをいう。本実施形態では、スピーカ50が、防音パネル100、会議用机の天板32及び会議用の椅子90の全てと一体化された例が説明される。本実施形態に限定されず、スピーカ50は、防音パネル100、会議用机の天板32及び会議用の椅子90のうちの1つ又は2つと一体化されてもよい。什器20がスピーカ50を備えることは必須ではない。
【0039】
スピーカ50と防音パネル100とが一体化されていれば、スピーカ50の指向性との関係で防音パネル100を好ましい位置に配置することができる。例えば、参加者Pの存在範囲を、スピーカ50と防音パネル100との間に設定すると共に、スピーカ50の指向性を参加者Pの存在範囲に向けることができる。
【0040】
また、スピーカ50と天板32とが一体化されていれば、スピーカ50の指向性との関係で天板32を好ましい位置に配置することができる。例えば、参加者Pは天板32周りに集うと考えられるところ、スピーカ50を当該天板32に向けることができる。
【0041】
また、スピーカ50と椅子90とが一体化されていれば、スピーカ50の指向性との関係で椅子90を好ましい位置に配置することができる。例えば、参加者Pは椅子90に着座する考えられるところ、スピーカ50を当該椅子90に向けることができる。
【0042】
上記説明に拘らず、スピーカ50は、防音パネル100、会議用机の天板32及び会議用の椅子90の全てに対して別体とされていてもよい。
【0043】
<支持部について>
上記したように支持部30は、スピーカ50を支持する。支持部30は、防音パネル100も支持している。支持部30は、スピーカ50を支持しないで防音パネル100を支持していてもよい。本実施形態では、支持部30は、天板32と、脚部38とを含む。天板32は、参加者Pの作業エリアとして利用可能な作業面33Fを含む。作業面33Fが支持部30の載置面から上方に離れて水平姿勢で位置するように、天板32が支持されている。脚部38は、上記天板32を水平姿勢で支持する。
【0044】
本実施形態では、天板32は天板本体32Aを含む。天板本体32Aの形状は任意である。天板本体32Aは、例えば、円板状、楕円板状、正方形、長方形、多角形、L字型等であってもよい。天板本体32Aの作業面33Fが、スピーカ50からの音が届く範囲に広がることが好ましい。
【0045】
本実施形態では、天板本体32Aは一方向に長い長尺板状であり、天板32も一方向に長い長尺形状に形成される。より具体的には、天板本体32Aは、一方向に長い長方形状、さらに具体的には,一方向に長い長方形の角を丸めた形状に形成されている。長尺板状の天板本体は、楕円板状等に形成されていることも想定される。天板本体32Aが一方向に細長いため、複数の参加者Pは、天板本体32Aの長手方向に並ぶように位置して、遠隔コミュニケーションに参加できる(図3参照)。
【0046】
天板本体32Aには、孔32h1、32h2、32h3が形成されている。孔32h1、32h2、32h3の形状は任意である。例えば、孔32h1、32h2、32h3は、円孔、四角穴、多角形孔であってもよい。天板本体32Aの上方から孔32h1、32h2、32h3を通じて天板本体32Aの下方空間に容易にアクセスできる。上記孔32h1、32h2、32h3は、後述する収容空間Sから天板32上にケーブルを引出すための開口として利用されてもよい。上記孔32h1、32h2、32h3に、遠隔コミュニケーション用機器が組込まれてもよい。つまり、孔32h1、32h2、32h3は、遠隔コミュニケーション用機器を什器20に組付けるために用いられ得る。
【0047】
孔32h1、32h2、32h3は、蓋部32cによって閉じられていてもよい。蓋部32cは、例えば、孔32h1、32h2、32h3に応じた形状の板である。例えば、孔32h1、32h2、32h3の内周部に形成された段部が蓋部32cの周縁部を受止める。または、蓋部32cの周縁部に形成された鍔部が孔32h1、32h2、32h3の周縁部に引っ掛る。これにより、蓋部32cが孔32h1、32h2、32h3を塞ぐようにして当該孔32h1、32h2、32h3に装着される。蓋部32cは、内部が詰った中実な板であってもよいし、音が通過しように多数の孔が形成された板又はメッシュ状の板であってもよい。蓋部32cをとれば、天板本体32Aの上方から孔32h1、32h2、32h3を通じて天板本体32Aの下方空間に容易にアクセスしたり、孔32h1、32h2、32h3を利用して機器を容易に組込んだりできる。孔32h1、32h2、32h3を蓋部32cで閉じれば、天板本体32A及び蓋部32cの上面を作業用の面として利用し易い。
【0048】
蓋部32cの外周縁の一部が、孔32h1、32h2、32h3の内周縁よりも凹んでいてもよい。または、孔32h1、32h2、32h3の内周縁の一部が蓋部32cの外周縁よりも凹んでいてもよい。蓋部32cの外周縁又は孔32h1、32h2、32h3の内周縁に凹みが形成されていれば、孔32h1、32h2、32h3を蓋部32cで塞いだ状態で、ケーブルを、凹部を通って天板本体32Aの上下に通し易い。
【0049】
天板32は、天板本体32Aの下側に位置する収容部33を含む。収容部33は、上方が開口する容器状に形成されている。収容部33は、少なくとも上方が開口する容器状に形成されている。本実施形態では、収容部33は、上方が開口する直方体箱状に形成されている。収容部33の長手方向を天板本体32Aの長手方向に一致させた姿勢で、天板本体32Aの下面の短手方向中央に収容部33が固定されている。これにより、天板本体32Aの下方に、収容部33と天板本体32Aとで囲まれる細長い収容空間Sが形成される。天板32上の空間及び収容空間Sは、コンピュータ25及びマイク26等の遠隔コミュニケーション用機器を収容する空間として利用され得る。収容部33の一側部が天板32の下側で外方に開口していてもよい。
【0050】
なお、マイク26は、什器20周りの参加者による音を集めるマイクである。マイク26は、例えば、範囲制限マイクである。範囲制限マイクとは、集音範囲を制限できるマイクである。範囲制限マイクは、マイクを集音中心として、当該集音中心から所定の距離内を集音範囲とし得るマイクであってもよい。集音範囲は、什器20周りに複数の椅子を配置した場合に、各椅子に着座する参加者の顔が含まれる範囲又は什器20の周りに立つ複数の参加者Pの頭が含まれる範囲(例えば、天板32の周縁から3mの範囲、または、2mの範囲、又は1.5mの範囲)に設定されるとよい。かかる範囲制限マイクとしては、例えば、複数のマイクと当該複数のマイクからの音声信号に基づいて音源の距離を推定するコンピュータとを含み、推定された音源の距離に基づいて所定の集音範囲の音を集めるマイクユニットを利用することができる。マイクが範囲制限マイクであることは必須ではない。
【0051】
なお、コンピュータ25及びマイク26の少なくとも1つは、スピーカ支柱36又は防音パネル100に取付けられてもよい。マイクは、参加者Pのそれぞれが持つマイクであってもよい。コンピュータは、参加者Pが所持するノートパソコンであってもよい。
【0052】
コンピュータ25と、スピーカ50、マイク26、及び、後述するディスプレイ60及びカメラ70との間の接続は、有線形式の接続によって実現されてもよいし、無線形式の接続によって実現されてもよい。
【0053】
天板32は、スピーカ50から出力される音の反射を抑制する防音性部材を含んでいてもよい。防音部材は、例えば、音のエネルギーを吸収することよって、音の反射を抑制する部材である。防音部材は、例えば、不織布、グラスウール、スポンジ材などの多孔質材料であってもよい。防音部材は、凹凸表面を有する部材であってもよい。多孔質材料又は凹凸表面を有する部材であれば、表面が平滑な場合と比較して、音がそのまま反射されずに、防音部材内に伝わり易くなり、音のエネルギーが吸収され易くなる。
【0054】
天板32が、防音性部材を含む態様としては、天板本体32A自体が防音部材によって構成されていてもよい。図1から図3に示すように、天板32は、天板本体32A上に重ねられる防音シート32Sを含んでいてもよい。この場合、防音シート32Sは、天板本体32Aの上面に貼付け等されて一体化されていてよいし、天板本体32Aの上面に取外し可能な状態で載置されていてもよい。防音シート32Sは、天板本体32Aの全体に広がっていてもよいし、天板本体32Aの一部に広がっていてもよい。
【0055】
脚部38は、天板32を水平姿勢で支える部分である。本実施形態では、脚部38は、第1脚部38aと、第2脚部38bと、連結部38cとを含む。本実施形態では、2つの第1脚部38aが天板本体32Aの一方の短辺側縁から下方に向けて延びている。また、2つの連結部38cが、上記2つの第1脚部38aの上端から収容部33の両側外側部分で天板本体32Aの下面に沿って、天板本体32Aの他方の短辺側縁に向って延びている。2つの第2脚部38bが2つの連結部38cのうち天板本体32Aの他方の短辺寄りの部分から下方にむけて延びている。天板本体32Aは、連結部38c上にネジ止等によって固定されている。そして、複数の第1脚部38a及び第2脚部38bによって水平姿勢で支持される連結部38c上に天板32が床面の上方位置で支持される。
【0056】
なお、脚部の数は任意であり、例えば、脚部は3本以上であってもよい。脚部の下部が載置面上で水平方向に広がる場合、脚部は1つでもよいし、2つでもよい。脚部38の下端部に転動体を有するキャスタが設けられてもよい。これにより、支持部30を容易に移動させることができ、会議用空間を自由な位置に構築し易い。
【0057】
また、支持部30は、上方向に向って延びて天板32よりも上側の位置においてスピーカ50を支持するスピーカ支柱36を含む。スピーカ支柱36は、天板32から上方に延びていてもよいし、天板32の隣の位置から上方に延びていてもよい。
【0058】
本実施形態では、スピーカ支柱36は、脚部38aに対して連続して上方に延びている。つまり、スピーカ支柱36は、天板32を支持する脚部38と一体に構成されている。このため、スピーカ50と天板32とを一体として移動させることができる。
【0059】
より具体的には、スピーカ支柱36は、逆U字状をなすU字状部36aを含む。U字状部36aは、例えば、金属パイプ等の棒状部材を折返すように曲げることによって形成される。U字状部36aの両端の延長部が上記2つの第1脚部38aである。換言すれば,棒状部材をU字状に曲げた加工部品のうち棒状部材の両端部が天板32よりも下方に延びて第1脚部38aとして用いられ、当該加工部品のうち折返し曲げられた側の部分が天板32よりも上方に延びてスピーカ50を支持するスピーカ支柱36として用いられる。なお、上記第2脚部38bは、上記第1脚部38aの上端部に溶接等によって固定されている。
【0060】
本実施形態では、スピーカ支柱36は、U字状部36aで囲まれる空間に配置される板状部36bを含む。当該板状部36bは必須ではない。
【0061】
上記スピーカ支柱36は、天板32から上方に向うに連れて天板32から離れる方向に向っている。このため、柱部が天板から真上に向う場合と比較して、スピーカ50の支持位置を天板32の外周側にずらすことができる。スピーカ支柱36の上端部が天板32の中央に向うように曲げられている。本実施形態では、スピーカ支柱36の上端部が90度曲げられている。このため、スピーカ支柱36の上端部は、天板32の外周から中心に向うにつれて上方を向くように傾斜している。
【0062】
スピーカ支柱36の上端部の下面にスピーカ50の上端部が固定されている。スピーカ50は、スピーカ支柱36の上端部の傾斜姿勢に応じて、鉛直方向に対して下方を向きつつ傾斜している。これにより、スピーカ50は、鉛直方向に対して交差する方向を向く。スピーカ支柱36の上端部に対するスピーカ50の固定構造は、任意である。例えば、スピーカ50は、スピーカ支柱36に対してネジ止、嵌込構造、溶接等によって固定されてもよい。スピーカ支柱36のうちスピーカ50を支持する端部は、椅子に座っている参加者Pの身長よりも上に位置していることが好ましく、例えば、1.5m以上の高さに位置していてもよいし、2m以上の高さに位置していてもよい。
【0063】
柱部が傾斜しているか否かに拘らず、スピーカ50が柱部に対して傾斜姿勢で固定されていてもよい。柱部は1本の脚部から連続して上方に延びていてもよい。脚部の上端部が天板32の中間部に位置している場合、柱部は、脚部の上端から天板32を貫通して上方に連続して延びていてもよい。
【0064】
上記スピーカ支柱36は、重力方向に一致する鉛直方向に対して斜めを向く姿勢でスピーカ50を支持している。ここで、ある方向に対して斜めを向くとは、当該方向に対して平行でも垂直でも無い方向を向くことをいう。このため、スピーカ50の真正面の向きは、真下、真上及び真横を向かないで、斜め下又は斜め上を向いている。本実施形態では、スピーカ50は、参加者Pの頭上から斜め下を向いている。つまり、スピーカ50は、下向きに対して鋭角をなす方向を向いている。スピーカ50は、例えば、鉛直方向に対して10度以上、好ましくは、15度以上、より好ましくは、20度以上の角度をなしていてもよい。スピーカ50は、例えば、鉛直方向に対して60度以下、好ましくは、45度以下、より好ましくは、60度以下の角度をなしていてもよい。
【0065】
スピーカ50が、鉛直方向に対してなす角度は任意である。例えば、スピーカ50から出力される音が届き易い範囲、什器20周りに集うことが想定される参加者Pの存在範囲等を想定して、スピーカ50の角度が設定される。
【0066】
また、本実施形態に係る什器20は、天板32と一体化された椅子90を含む。つまり、スピーカ50に対して天板32と椅子90とが一体化された構成とされている。遠隔コミュニケーションの参加者Pの位置及び姿勢、特に、頭の位置及び姿勢は、天板32及び椅子90の位置及び姿勢に依存すると考えられる。スピーカ50に対して天板32と椅子90とが一体化されていれば、スピーカ50から出力される音を聞くのに適した範囲を、参加者P(特に頭)の位置及び姿勢に対して一定位置に配置し易い。
【0067】
本実施形態では、椅子90は、2つの座部92と、座部脚部94とを含む。
【0068】
座部92は、天板本体32Aの長手方向に沿って延びる細長い板形状、ここでは、長方形板状に形成されている。座部92の角は丸められていてもよい。2つの座部92は、天板本体32Aの2つの長辺縁に沿って当該長辺縁から外側にはみ出る位置に配置される。各座部92に、複数の参加者Pが並んで着座することができる。
【0069】
座部脚部94は、座部92を床面の上方位置に支持すると共に、天板32に連結する部分である。座部脚部94は、2つの座部92のそれぞれに対応する2つの個別座部用脚部95を含む。
【0070】
個別座部用脚部95は、2つのJ字状脚部95aと連結部95bとを含む。個別座部用脚部95は、例えば,金属パイプを曲げることにより形成される。
【0071】
J字状脚部95aは、床面上に載置される直線状部分から短い方の端部と長い方の端部とが上方に向って延びるJ字状に形成されている。
【0072】
連結部95bは、2つのJ字状脚部95aのうち曲った部分から延びる短い方の端部を連結している。当該連結部95bが座部92の下面に当該座部92の長手方向に沿って配置され、当該座部92にネジ止等によって固定されている。
【0073】
2つのJ字状脚部95aの中間部の直線状部分が床面上に配置されているため、座部92が個別座部用脚部95によって床面の上方位置で支持される。
【0074】
2つのJ字状脚部95aのうち曲った部分から延びる長い方の端部が天板32の下面にネジ止等によって固定されている。これにより、座部92が天板32に対して一体化される。つまり、天板32を移動させようとすると、椅子90も移動する。なお、補強のため、2つの座部92に対応するJ字状脚部95a同士が連結部材によって連結されてもよい。
【0075】
<防音パネルについて>
防音パネル100は、防音性を有する板状部材である。防音性とは、パネルの両面の間で音を伝わり難くする性質をいい、特に、スピーカ50が設置された面側からスピーカ50から遠い面側に向けて音を伝わり難くする性質をいう。防音は、音のエネルギーを熱エネルギーに変換すること等によって音を吸収することによって実現されてもよいし、音を反射させることと等によって遮音することによって実現されてもよい。
【0076】
防音パネル100は、水平方向において什器20の周りの参加者Pの存在空間と、そのさらに外周りとを仕切る板状部分である。防音パネル100は、平たい板状であってもよいし、湾曲した板状であってもよいし、角をなして曲る板状であってもよい。防音パネル100は、水平方向において、スピーカ50から離れて位置する。防音パネル100は、好ましくは、重力方向に沿って配置される。防音パネル100は、重力方向に対して斜め姿勢であってもよい。水平方向において、スピーカ50の少なくとも一部と防音パネル100との間に音伝達用空間SSが位置することが好ましい。音伝達用空間SSは、スピーカ50からの音を遠隔コミュニケーションの参加者Pに伝達するための空間である。つまり、音伝達用空間SSは、スピーカ50を用いた遠隔コミュニケーションにおいて、参加者P、特に、参加者Pの頭が配置されることが想定される空間である。音伝達用空間は、スピーカ50の周りの任意の空間に形成され得る。音伝達用空間は、例えば、会議を行うための机の上又は周り、会議を行うための椅子の上等に形成されることが想定される。よって、本実施形態では、防音パネル100の少なくとも一部は、スピーカ50に対して重力方向に対して垂直な水平方向に離れて、スピーカ50から出力される音を参加者Pに伝達するための音伝達用空間SSを隔てた位置に配置されている。本実施形態では、防音パネル100は、スピーカ50と防音パネル100との間に参加者Pを配置可能な間隔を隔てて、かつ、スピーカ50からの音が届く範囲に配置されていると把握されてもよい。
【0077】
防音パネル100は、会議机の天板32及び会議用の椅子90のうちの少なくとも1つと一体化されていることが好ましい。本実施形態では、防音パネル100は、会議机の天板32及び会議用の椅子90の両方と一体化されている例が説明される。
【0078】
防音パネル100が会議机の天板32と一体化されていれば、参加者Pが集う中心となる場所を基準として、防音パネル100によって音が伝わり難くする場所を調整し易い。
【0079】
防音パネル100が会議用の椅子90と一体化されていれば、参加者Pが着座する椅子90を基準として、防音パネル100によって音が伝わり難くする場所を調整し易い。
【0080】
本実施形態では、防音パネル100は、会議机の天板32及び会議用の椅子90の両方と一体化されている例が説明される。本例における説明に拘らず、防音パネル100は、天板32及び椅子90と別体とされていてもよい。
【0081】
本実施形態では、防音パネル100は次の構成によって上記位置に支持されている。すなわち、防音パネル100は、天板本体32Aのうち他方の短辺側に支持される。より具体的には、上記2つの連結部38cが天板本体32Aの短辺から突出しており、その端部に防音パネル100が支持される。防音パネル100は、天板本体32Aの長手方向に対して垂直な姿勢で支持されている。防音パネル100は、天板本体32Aの上方に突出している。防音パネル100は、天板本体32Aに対して天板本体32Aの短手方向に突出している。好ましくは、防音パネル100は、座部92の外側縁よりも外側にはみ出ている。
【0082】
防音パネル100は、水平方向において、スピーカ50に対して間隔をあけて対向する位置に配置されていることが好ましい。上記したように、スピーカ50は、鉛直方向に対して下方を向きつつ傾斜している。より具体的には、スピーカ50は、天板本体32Aの一方の短辺よりも高い位置において、天板本体32Aの中央側に斜め下方を向いている。このため、水平方向において、スピーカ50は、天板本体32Aの長手方向に沿って天板本体32Aの一方の短辺から当該天板本体32Aの他方の短辺を向いている。防音パネル100は、水平方向において、スピーカ50に対して天板本体32Aの上方空間を隔てて対向している。
【0083】
水平方向において、スピーカ50に対して間隔を隔てた位置に防音パネル100が配置されていれば、スピーカ50を参加者Pに向けつつ、スピーカ50と防音パネル100との間に参加者Pを位置させることができる。換言すれば、スピーカ50を音伝達用空間SSに向けつつ、スピーカ50と防音パネル100との間に音伝達用空間SSを設定することができる。これにより、スピーカ50の音が音伝達用空間SSを介して参加者Pに伝達され易く、かつ、その音伝達用空間SSの外側に音が漏れ難くなる。
【0084】
また、スピーカ50と防音パネル100とが水平方向において天板32を介して対向していれば、当該天板32を作業面33Fとして会議を行う参加者Pに対してスピーカ50からの音を容易に提供し、かつ、外部に音が漏れ難いように設定できる。
【0085】
防音パネル100が防音性を実現するための構成について説明する。図5は防音パネル100を示す斜視図であり、図6は防音パネル100を示す分解斜視図であり、図7図5のVII-VII線断面図である。
【0086】
防音パネル100は、第1パネル102と、第2パネル106とを備える。第2パネル106は、第1パネルよりも高剛性である。剛性とは、外力による変形のし難さに関する性質である。例えば、第2パネル106は、第1パネル102よりも、厚み方向に変形し難い。例えば、剛性は、JIS K 7171:2016の曲げ弾性率によって評価されてもよい。
【0087】
高剛性な第2パネル106によって、防音パネル100として形状を維持するのに好ましい剛性を確保することができる。第2パネル106によって剛性を確保できることから、第1パネル102については剛性をそれ程考慮せずに防音性を確保し易い構成とすることができる。例えば、第1パネル102として、多孔質パネルを利用できる。多孔質パネルは、微細な孔構造を持つ板状の部材である。この場合、音が微細な孔を通過する際に、孔周壁に対する摩擦、粘性抵抗、孔を形成する構造体の振動等によって、音のエネルギーが熱エネルギーに変化され、吸音されることが期待される。
【0088】
第1パネル102を構成する多孔質パネルは、例えば、不織シートの金型成形品であってもよい。不織シートは、複数の繊維が絡み合った部材である。不織シートを金型成形品とは、当該不織シートを金型間で挟込んで加熱し、繊維同士を部分的に接合して一定形状に固めた成形品である。繊維同士の接合は、例えば、繊維が部分的に溶けて固化すること、又は、不織シートに含まれるバインダが溶けて固化すること等によって実現され得る。不織シートの金型成形品においても、繊維間の隙間が残存している。このため、不織シートの金型成形品における繊維間の隙間によって、音が吸収されて、防音効果が得られる。
【0089】
第1パネル102を構成する多孔質パネルは、例えば、発泡パネルであってもよい。発泡パネルは、複数の泡状の空間が形成された板状部材であり、当該泡状の空間が音を吸収する微細な孔を構成する。
【0090】
なお、第1パネル102が多孔質パネルであることは必須ではない。第2パネル106よりも剛性が低い樹脂の成形品であってもよい。
【0091】
第2パネル106は、第1パネル102よりも音を反射し易いパネルであってもよい。一般的に、硬いパネルは、柔らかいパネルと比較して、音によって変形及び振動し難く、音を反射させ易い。第1パネル102よりも高剛性な第2パネル106は、音を反射させ易いパネルとするのに適する。
【0092】
第2パネル106は、多孔質パネルであってもよい。この場合、第1パネル102よりも第2パネル106を高剛性とし、かつ、音を反射し易いパネルとするために、第2パネル106の空隙率を、第1パネル102の空隙率よりも小さくするとよい。なお、空隙率は、総体積に対する空間の割合である。
【0093】
例えば、第2パネル106は、不織シートの金型成形品であってもよい。例えば、第1パネル102と第2パネル106とを同じ不織シートの金型成形品とする場合、金型内における圧縮率、加熱温度及び加熱時間等を調整することによって、第1パネル102と第2パネル106との剛性、硬さ、残存する繊維間の隙間(空隙率)等を調整できる。例えば、第1パネル102の圧縮率よりも第2パネル106の圧縮率を高くするとよい。これにより、第2パネル106よりも第2パネル106の方が、複数の繊維が密に集合した状態で相互に接合された状態となり、第1パネル102よりも第2パネル106が高剛性となる。また、第1パネル102よりも第2パネル106の方が、空隙が少なく、かつ、硬くなるため、音による変形、振動が抑制され、音を反射させ易くなる。
【0094】
第2パネル106が不織シートの金型成形品であれば、第2パネル106においても、繊維間の隙間によって、音が吸収されて、防音効果が得られる。
【0095】
第2パネル106は、樹脂金型成形パネルであってもよい。樹脂金型成形パネルとは、溶融した樹脂を金型内に流し込んで所定形状に成形したパネルであり、中身が埋った中実(solid)な構成を有していることが考えられる。第2パネル106が樹脂金型成形パネルであれば、防音パネル100として望ましい剛性を持たせ易い。第2パネル106は、木材で形成されたパネルであってもよい。木材は、成形合板であってもよいし、原木を板状にカットしたものであってもよい。第2パネル106が木材パネルであれば、防音パネル100として望ましい剛性を持たせ易い。また、木材パネルが有する多数の穴によって、防音効果が期待される。
【0096】
第1パネル102と第2パネル106との間に隙間を隔てた状態で、第1パネル102と第2パネル106とが重ね合わされている。第1パネル102と第2パネル106との間には、気体が存在していてもよいし、他の固体が存在していてもよいし、大気圧よりも低い真空状態に保たれていてもよい。第1パネル102と第2パネル106との間に他の個体が存在する場合、当該個体は、吸音材であってもよい。吸音材は、例えば、繊維が絡み合った不織材、ウール材若しくは発泡部材等であってもよい。第1パネル102と第2パネル106との間の隙間によって、防音性を高めることができる。
【0097】
第1パネル102の全体と第2パネル106の全体とが重なっている必要は無い。第1パネル102の少なくとも一部と第2パネル106の少なくとも一部が重なり、その重なり部分で、第1パネル102と第2パネル106との間に隙間が設けられていればよい。本実施形態では、第1パネル102の全体が、第2パネル106のうち縁によって囲まれる部分に重ねられている。
【0098】
第1パネル102は、第2パネル106よりもスピーカ50に近い側に配置される。つまり、第1パネル102は、第2パネル106よりも参加者P及び音伝達用空間SSに近い側に配置される。この場合、スピーカ50及び参加者Pからの音は、第1パネル102で吸音されつつ、第1パネル102と第2パネル106との間の隙間を通り、第2パネル106に達する。音は、第1パネル102と第2パネル106との間の隙間で弱められる。また、音は、第2パネル106で反射されるか、吸音される。このため、音伝達用空間SSの外側に音が伝わり難くなる。
【0099】
上記とは逆に、第2パネル106がスピーカ50、参加者P及び音伝達用空間SSに近い側に配置され、第1パネル102がスピーカ50、参加者P及び音伝達用空間SSよりも遠い側に配置されてもよい。
【0100】
第1パネル102は、例えば、長方形状、より具体的には、角を丸めた長方形状に形成される。第1パネル102の縁102eは、第1パネル102の中間部102mよりも高剛性であってもよい。
【0101】
例えば、第1パネル102は不織シートの金型成形品であり、縁102eが中間部102mよりも高圧縮に加工されている。よって、縁102eは、中間部102mよりも薄い。中間部102mでは、繊維の間に多くの空隙が残存しており、縁102eでは繊維が密に集合して接合され空隙が少なくなっている。つまり、中間部102mの空隙率は、縁102eの空隙率よりも大きい。この場合、高剛性な縁102eによって、第1パネル102を一定形状に保ち易い。また、縁102eよりも剛性が低い中間部102mを、防音に望ましい構造にし易い。例えば、中間部102mの空隙率を、縁102eの空隙率よりも大きくし易い。
【0102】
本実施形態では、第1パネル102は、平坦な板状に形成されている。第1パネル102は、湾曲する形状又は曲る形状であってもよい。
【0103】
第2パネル106は、第1パネル102よりも外側に大きく湾曲する形状に形成されている。第1パネル102の湾曲度合は、例えば、第1パネル102と第2パネル106との相互重複領域の縁を基準に、防音パネル100の厚み方向の外側に最も膨出する部分の突出量で評価されてもよい。同様に、第2パネル106の湾曲度合は、例えば、第1パネル102と第2パネル106との相互重複領域の縁を基準に、防音パネル100の厚み方向の外側に最も膨出する部分の突出量で評価されてもよい。
【0104】
本実施形態では、第2パネル106は、パネル本体107を備える。パネル本体107は、第1パネル102と同じ大きさに広がる板状に形成されている。パネル本体107は、防音パネル100の厚み方向外向きに凸となるように湾曲する形状に形成されている。より具体的には、パネル本体107の中央部は平坦部107aであり、パネル本体107の周囲部107bは、外周側に向うに連れて徐々に第1パネル102に近づくように湾曲する形状に形成されている。
【0105】
上記したように、第1パネル102は平坦な板状である。このため、湾曲するパネル本体107を含む第2パネル106は、明らかに第1パネル102よりも外側に大きく湾曲する。第1パネル102は湾曲する形状であってもよい。
【0106】
パネル本体107が第1パネル102よりも防音パネル100の厚み方向に沿って外側に大きく湾曲する形状に形成されていれば、第1パネル102と第2パネル106との間に隙間を確保し易い。また、隙間を確保するため、第1パネル102を大きく音伝達用空間SS側に湾曲させなくてもよい。このため、音伝達用空間SS側のスペースを圧迫し難い。
【0107】
また、本実施形態では、第2パネル106は、パネル本体107の外周縁から第1パネル102側に突出して第1パネル102を囲む囲い部108を含む。囲い部108は、パネル本体107に対して曲面をなして連なり、防音パネル100の厚み方向に沿って延びている。囲い部108は、第1パネル102の周縁に沿って延びる枠形状に形成されている。第1パネル102は、囲い部108内に隠れるように配置されていてもよい。つまり、囲い部108は、第1パネル102の外向き面側に突出していてもよい。パネル本体107の縁からの囲い部108の突出長は、例えば、10mm以上であってもよい。
【0108】
第1パネル102と第2パネル106との重ね合せ固定は例えば次の構成によってなされる。
【0109】
パネル本体107の縁の内側に、複数のネジ止用台座部107Pが形成されている。ネジ止用台座部107Pは、パネル本体107の内面から第1パネル102側に突出する形状に形成されている。ネジ止用台座部107Pにネジ挿通孔107Phが形成されている。第1パネル102のうち各ネジ挿通孔107Phに対応する位置にネジ挿通孔102hが形成されている。第1パネル102の周縁部が複数のネジ止用台座部107Pのそれぞれに接した状態で、囲い部108の内側に配置される。この状態で、ネジS1がネジ挿通孔107Ph、102hに挿通されると共に、各ネジ挿通孔107Ph、102hから突出するネジS1がナットNに螺合する。これにより、第1パネル102が第2パネル106に重ね合せ状態で固定される。この状態で、第1パネル102は、上記ネジ止用台座部107Pの突出寸法分、第2パネル106の内面よりも離れた位置で支えられるため、第1パネル102と第2パネル106との間に隙間が形成される。
【0110】
第1パネル102と第2パネル106とを重ね合せ固定する構成は上記例に限られない。例えば、第1パネル102と第2パネル106とが接着剤、両面テープ、熱溶着、鋲止等によって重ね合せ固定されてもよい。
【0111】
上記防音パネル100を立設状態に支持する構成は、任意であるが、例えば、次の構成によって実現されてもよい。
【0112】
例えば、第1パネル102に少なくとも1つ(ここでは2つ)の取付孔103hが形成される。少なくとも1つ(ここでは2つ)の連結部38cの端部が当該取付孔103hに挿入される。連結部38cの端部から第1パネル102と第2パネル106との隙間に沿って延びる取付部38dが延びる。取付部38dは、例えば、2つの連結部38cの端部から上方に延びる2つの縦棒部38d1と、当該2つの縦棒部38d1の上端部を連結する連結棒部38d2とを含む。連結部38cが第1パネル102の取付孔103hに挿入されることで、防音パネル100が一定の高さ位置に支持される。取付部38dが第1パネル102と第2パネル106との隙間に沿って延在することで、防音パネル100がその表裏方向に倒れないように、鉛直姿勢で支持される。第1パネル102及び第2パネル106の少なくとも一方が、取付部38dに対してブラケット、ネジ止、接着剤、粘着テープ等によって固定されていてもよい。
【0113】
上記連結部38c及び取付部38dは、少なくとも一部が第1パネル102と第2パネル106との間の隙間内に配置され、防音パネル100を支持するパネル支持フレームの一例である。
【0114】
なお、防音パネル100は、天板32に直接固定されていてもよい。防音パネル100は、天板32とは別の支持部によって支持されていてもよい。防音パネル100は、ねじ止、フック構造等によって天板32等に対して着脱可能であってもよい。
【0115】
防音パネル100に画像表示媒体としてのディスプレイ60及びカメラ70が取付けられてもよい。
【0116】
ディスプレイ60は、遠隔参加者Poに関する画像を表示する。ディスプレイ60は、液晶表示装置、有機EL(electro-luminescence)表示装置、ブラウン管表示装置、プロジェクタ表示装置等である。本実施形態では、ディスプレイ60は、液晶表示装置又は有機EL(electro-luminescence)表示装置であるフラット表示装置である。
【0117】
防音パネル100は、上記ディスプレイ60を支持するためのディスプレイ支持ブラケット66を備えていてもよい。ディスプレイ支持ブラケット66は、取付部38dによって第1パネル102の外向き面に支持される。例えば、ディスプレイ支持ブラケット66は、VESA(Video Electronics Standards Association)規格に準じたマウントであってもよい。ディスプレイ支持ブラケット66は、第1パネル102に形成された取付孔103h1を通じて取付部38dにネジ止等によって固定されていてもよい。
【0118】
ディスプレイ60を、ディスプレイ支持ブラケット66に取付けることによって、ディスプレイ60が防音パネル100のうちスピーカ50側を向く面に支持される。
【0119】
カメラ70は、参加者Pを撮影するカメラである。カメラ70は、什器20の周囲に存在する複数の参加者Pを撮影可能な程度の広角カメラであってもよい。
【0120】
防音パネル100は、カメラ70を支持するためのカメラ支持部76を備えていてもよい。例えば、カメラ支持部76が取付部38dによって第1パネル102の外向き面に支持される。カメラ支持部76は、第1パネル102に形成された取付孔103h2を通じて取付部38dにネジ止等によって固定されていてもよい。カメラ支持部76は、カメラ70を載置可能な板であってもよいし、カメラ70をネジ止したり、挟持固定できる部材であってもよい。カメラ70がカメラ支持部76によって支持されることによって、当該カメラ70が、防音パネル100のうちスピーカ50側を向く面に支持される。カメラは、ディスプレイ60と一体化されてもよい。
【0121】
防音パネル100が、上記ディスプレイ60及びカメラ70を備えることは必須ではない。ディスプレイ60及びカメラ70の少なくとも1つは、スピーカ支柱36又は天板32によって支持されていてもよい。什器20において、ディスプレイ60及びカメラ70の少なくとも1つが省略されてもよい。会議用のカメラ及び画像表示媒体の少なくとも1つとして、参加者Pのそれぞれのカメラ又は画像表示媒体が利用されてもよい。例えば、参加者Pのそれぞれが所持するノートパソコンに組込まれたカメラ及び画像表示媒体が利用されてもよい。
【0122】
<什器の利用例>
本什器を利用して遠隔コミュニケーションを行う場合、1人又は複数の参加者Pが什器20の周り、例えば、天板32の周りの椅子90に座る。参加者Pは、什器20の周りに立つ場合も想定される。
【0123】
参加者Pは、マイク26及びスピーカ50を通じて遠隔コミュニケーションを実施する。
【0124】
会議用端末としてのコンピュータ25は、ネットワーク98を介して遠隔参加者Po側の会議用端末99に通信可能に接続される(図3参照)。ネットワーク98は、中継装置及びインターネット等が含まれる。ネットワーク98には、公衆回線が含まれてもよいし、専用回線が含まれてもよい。ネットワーク98には、Wi-Fi(商標)等の無線LAN(Local Area Network)が含まれてもよい。
【0125】
遠隔参加者Poの音声は、ネットワーク98を通じてコンピュータ25に伝達される。コンピュータ25は、スピーカ50を通じて遠隔参加者Poの音声を再生する。スピーカ50の周りに参加者Pが存在するため、当該参加者Pの周りに音伝達用空間SSが存在する。このため、スピーカ50から出力される音は、参加者Pの頭に届き、当該会議の参加者Pは遠隔参加者Poの音を良好に聞くことができる。
【0126】
特に、スピーカ50は、天板32の一方の短辺から天板32の他方の短辺側を向いており、スピーカ50から出力される音が聞え易い範囲内に、参加者P、特に参加者Pの頭が配置される。このため、参加者Pは、スピーカ50からの音をより良好に聞くことができる。
【0127】
什器20が共有執務スペースに設置されている場合、当該共有執務スペースには遠隔コミュニケーションに参加しない執務者が存在する可能性がある。防音パネル100は、スピーカ50に対して水平方向に離れて、スピーカ50に対して音伝達用空間SSを隔てた位置に配置されている。このため、スピーカ50からの音が、音伝達用空間SSを通って防音パネル100に達した後、さらに外側の領域には伝わり難い。これにより、共有執務スペースにおいてオンライン会議空間を手軽に構築できる。
【0128】
特に、スピーカ50は、天板32の一方の短辺から天板32の他方の短辺側を向いているため、天板32の一方の短辺から外方に離れた空間にも音が伝わり難い。
【0129】
例えば、図3に示すように、スピーカ50から出力される音は、当該スピーカ50の中心軸延長線に対して所定の角度θの範囲で聞え易いとする。会議の参加者Pの頭が、上記角度θの範囲内に位置することで、スピーカ50からの音を聞取り易い。
【0130】
図3の2点鎖線に示すように、スピーカ50が真下に向けられている場合、当該スピーカ50からの音を聞取り易い範囲は角度θによって限定された範囲となる。このため、天板32の周りの参加者Pの一部(例えばPe)は、音を聞取り易い範囲から出てしまう可能性がある。スピーカ50を高い位置に設置すれば、参加者Pの頭の高さ位置で、当該スピーカ50からの音を聞取り易い範囲を広げることができる。しかしながら、スピーカ50が建物内で可動な什器に組込まれる要素であることを考慮すると、スピーカ50を高い位置に設定することには制約がある。
【0131】
そこで、スピーカ50を、鉛直方向に対して斜めを向く姿勢で支持すると、参加者Pの頭の高さ位置で、当該スピーカ50からの音を聞取り易い範囲を広げることができる。結果、天板32の周りの複数の参加者P(特に参加者Pe)を、なるべく音を聞取り易い範囲内に位置させることができる。
【0132】
例えば、スピーカ50が天板32の中心(例えば、幾何中心)を向くように、スピーカ50が鉛直方向に対して斜めを向いていると、当該天板32を中心として周りに位置する複数の参加者Pがスピーカ50からの音を聞取り易い。
【0133】
支持部30が天板32の周りに位置している場合、当該支持部30を避けた位置に参加者Pが位置する可能性が高いため、スピーカ50は、天板32の中心に対して支持部30から離れる位置を向いていてもよい。
【0134】
また、スピーカ50が仮に真横を向いていると、スピーカ50から出力された音は、当該スピーカ50が向く方向において、遠くに届いてしまう可能性がある。このため、スピーカ50は、水平方向に対しても傾いている。これにより、スピーカ50からの音が届く範囲を、当該水平方向に対する傾き角度に応じて限定することができる。もっとも、スピーカ50は、真横を向いていてもよい。
【0135】
このように、スピーカ50が鉛直方向に対して斜めを向く姿勢とされていることで、スピーカ50が鉛直方向を向かず、かつ、水平方向を向かない姿勢とされる。これにより、水平方向において、スピーカ50からの音が届く範囲を限定しつつ広げることができる。これにより、周囲への音漏れを抑制しつつ、複数の参加者Pに向けて音を出力することができる。
【0136】
スピーカ50からの音を聞取り易い範囲を、天板本体32Aに対して設定する範囲は、実験的、論理的、推論的考察を経て任意に設定され得る。例えば、天板本体32Aの高さ位置において、スピーカ50からの音を聞取り易い範囲に、当該天板本体32Aが含まれるように設定されてもよい。
【0137】
以上のように、スピーカ50を傾けることで、水平方向において、スピーカ50と防音パネル100との間に音を伝わり易くでき、スピーカ50と防音パネル100との間以外の空間に音が伝わり難くなる。そして、当該什器20から離れた執務者は、当該執務者とは関係の無い会議の音声が聞え難い。このようにして限定された範囲に、参加者Pが遠隔コミュニケーションに参加するのに適した空間を形成できる。
【0138】
参加者Pの音声はマイク26によって集音され、遠隔参加者Po側の会議用端末99に向けて伝送される。
【0139】
<効果等>
このように構成された防音パネル100及び防音パネル100を備える什器20によると、第2パネル106は、第1パネル102よりも高剛性であり、第1パネル102との間に隙間を隔てた状態で第1パネル102と重ね合わされている。このため、第2パネル106によって剛性を確保しつつ、第1パネル102によって防音性を確保し、かつ、パネル102、106間の隙間によって防音性を高めることができる。
【0140】
また、第1パネル102が多孔質パネルであると、第2パネル106ほどの剛性が必要とされない第1パネル102によって吸音性を優れたものとし易い。
【0141】
また、第1パネル102が不織シートの金型成形品であれば、第1パネル102自体を保形性を有するため、当該第1パネル102の保形性によって、第1パネル102と第2パネル106との間で隙間を確保しつつ、第1パネル102で吸音性を得易い。
【0142】
また、第2パネル106が第1パネル102よりも音を反射しやすいパネルであれば、第1パネル102側からの音は、第1パネル102を通って、第2パネル106で反射されて再度第1パネル102を通る。このため、音が第1パネル102と第2パネル106との隙間及び第1パネル102で吸音され易い。
【0143】
また、第2パネル106が不織シートの金型成形品であるか、樹脂金型成形パネルであるか、木材であれば、所望の剛性を得易い。
【0144】
また、第1パネル102の縁102eがその中間部102mよりも高剛性であれば、縁102eによって第1パネル102の形状を保ちつつ、柔軟な中間部102mで防音性を高め易い。
【0145】
また、第2パネル106が、第1パネル102よりも外側に大きく湾曲する形状に形成されていれば、音が発生する側のスペースを圧迫し難く、かつ、第1パネル102と第2パネル106との間に隙間を確保し易い。
【0146】
また、第2パネル106の外周部に囲い部108が形成されていると、当該囲い部108によって第1パネル102が変形し難くなる。また、囲い部108の内向き面に達した音が囲い部108内の第1パネル102側に反射され易くなる。このため、音が、音伝達用空間SSに対して防音パネル100よりも外側に漏れ難くなる。
【0147】
また、防音パネル100が、パネル支持フレームである取付部38dによって第1パネル102の外向き面側に支持されるディスプレイ支持ブラケット66を備えるため、ディスプレイ60をしっかりと音伝達用空間SSに向くように支持することができる。
【0148】
{第2実施形態}
第2実施形態に係る什器200について説明する。本第2実施形態では、防音パネル202を備える什器200は、防音パネル什器200である。図8は第2実施形態に係る防音パネル什器200を備える什器セット120を示す斜視図である。
【0149】
什器セット120は、遠隔コミュニケーションに用いられる什器セットであり、防音パネル什器200を備える。
【0150】
防音パネル什器200は、上記第1実施形態と同様に、防音性を有する防音パネル202を備える。本実施形態では、防音パネル什器200は、防音パネル202と脚部204とを備える。
【0151】
防音パネル202は、上記防音パネル202と同様に、第1パネル102に対応する第1パネル202aと、第2パネル106に対応する第2パネル202bとを有する。第2パネル202bは、第1パネル202aよりも高剛性であり、第1パネル202aとの間に隙間を隔てた状態で第1パネル202aと重ね合わされている。
【0152】
防音パネル202が防音パネル100と異なる構成を説明すると、本実施形態では、防音パネル202は、平面視において、湾曲した形状に形成されている。より具体的には、防音パネル202は、平面視において、第1パネル202a側が凹み、第2パネル202b側が凸となるように湾曲した形状に形成されている。スピーカ150との関係では、防音用パネル202は、平面視において、スピーカ150から遠ざかる向きに凸となるように湾曲する形状に形成されている。第1パネル202a及び第2パネル202bも、防音パネル202の形状に応じて平面視において湾曲した形状に形成されている。そして、間に隙間を形成するように、第1パネル202a及び第2パネル202bが重ね合わされている。第1パネル202a及び第2パネル202bとは、第1実施形態で説明した構成と同様構成によって重ね合せ状態に固定されていてもよい。
【0153】
第1パネル202a及び第2パネル202bの隙間に、脚部204によって立設状態に支持される支持フレームが配置されていてもよい。
【0154】
本実施形態では、防音パネル202に、ディスプレイ支持ブラケット及びカメラ支持部が支持されていない。第1実施形態と同様に、防音パネル202の支持フレームに、ディスプレイ支持ブラケット及びカメラ支持部が支持されていてもよい。
【0155】
脚部204は、載置面上に載置された状態で防音パネル202を立設状態に支持する部分である。本実施形態では、防音パネル202の下部から複数(ここでは4つ)の脚部204が斜め下方に向けて延びており、当該4つの脚部204が載置面上に載置されることで、防音パネル202が立設状態に支持される。脚部204の下部に転動体を有するキャスタ204aが設けられていてもよい。これにより、防音パネル什器200が載置面上を円滑に移動することができる。
【0156】
上記防音パネル什器200は、スピーカ150と共に、什器セット120を構成してもよい。
【0157】
スピーカ150は、遠隔参加者Po側からの音を出力するスピーカである。スピーカ150は、上記スピーカ50と同様の指向性を有するスピーカであることが好ましい。スピーカ150は、スピーカ50と同様にスピーカ本体からの音を反射部によって反射することによって指向性を持たせたスピーカであってもよいし、その他の方式によって指向性を持たせたスピーカであってもよい。
【0158】
スピーカ150は、支持部130によって支持されている。支持部130は、スピーカ150を支持した状態で共有執務スペースに配置される。第1実施形態と同様に、スピーカ150は、支持部130の配置箇所の所定範囲に位置する参加者の頭上から参加者に向けて音を出力するように支持部130により支持されている。
【0159】
本実施形態では、支持部130は、ベース132と、柱部136とを有する。ベース132は載置面上に広がる部分であり、本実施形態では、円板状に形成されている。ベースは、複数のフレームが載置面上を放射状に広がったり、環状に延びたりする部分であってもよい。ベース132は、載置面上に載置され、重力によって当該載置面上で安定した位置に支持される。載置面上を滑らせたり、載置面上から持上げたりすることで、支持部130を自由に移動させることができる。
【0160】
支持部130は、直線部136aと曲げ部136bとを含む。直線部136aは、ベース132から重力方向に沿って上方に延びている。曲げ部136bは、直線部136aの上端から下側に折返すように曲るU字状に形成されている。曲げ部136bのうち直線部136aとは反対側の支持端部に、スピーカ150が支持されている。支持端部は、椅子に着座する参加者Pの身長よりも上に位置していることが好ましく、例えば、1.5m以上の高さに位置していてもよいし、2m以上の高さに位置していてもよい。
【0161】
曲げ部136bの支持端部に上記スピーカ150が支持されている。この状態で、スピーカ150が下方を向くように支持される。
【0162】
スピーカ150は、真下を向いていてもよいし、斜め下方を向いていてもよい。例えば、スピーカ150は、ベース132から離れる斜め下方を向いていてもよい。
【0163】
防音パネル什器200の防音パネル202の少なくとも一部が、スピーカ150に対して水平方向に離れて、スピーカ150から出力される音を遠隔コミュニケーションへの参加者Pに伝達するための音伝達用空間SSを隔てた位置に配置されている。つまり、水平方向において、スピーカ150と防音パネル202との間に、参加者Pが存在することが可能な空間があり、当該空間が音伝達用空間SSである。
【0164】
防音パネル什器200は、画像表示媒体であるディスプレイ160と、カメラ170と共に用いられてもよい。
【0165】
ディスプレイ160は、ディスプレイ60と同様に、遠隔参加者Poに関する画像を表示する。本実施形態では、ディスプレイ160は、プロジェクタ装置162を有する構成である例が示される。プロジェクタ装置162は、投影媒体に画像を投影する装置である。図8では、表示のための装置が投影媒体として透過型スクリーン161を有している。プロジェクタ装置162による投影画像が透過型スクリーン161の裏面側から投影される。これにより、透過型スクリーン161の正面側から、投影画像を観察することができる。プロジェクタ装置162を用いることによって、大きい画像を表示することができる。もちろん、ディスプレイ160は、液晶表示装置又は有機EL表示装置等であってもよい。
【0166】
カメラ170は、上記カメラ70と同様に、参加者Pを撮影するカメラである。本例では、カメラ170は、台140上に載置されている。カメラ170は、台140の周りに位置する参加者Pを撮影することができる。
【0167】
範囲制限マイク126は、参加者Pの声を収集するマイクである。範囲制限マイク126は、台140上に載置され、台140の周囲の参加者Pの音を収集してもよい。範囲制限マイク126の代りに、範囲制限マイクでは無いマイクが用いられてもよい。
【0168】
会議用端末190が、例えば、上記台140に組込まれる。会議用端末190の設置位置は特に限定されない。会議用端末190が有線又は無線によって、上記スピーカ150、ディスプレイ160、カメラ170、範囲制限マイク126に接続される。
【0169】
共有執務スペースにおける参加者Pは、スピーカ150の下方から防音パネル202寄りの領域で、椅子に着座して、又は、立って遠隔コミュニケーションを実施する。例えば、スピーカ150の下方に台140を配置し、参加者Pは当該台140の周りに位置して遠隔コミュニケーションを実施する。必要に応じて、ディスプレイ160が参加者Pから視認可能な位置に配置される。例えば、ディスプレイ160は、台140に対して防音パネル202とは反対側に配置される、防音パネル什器200は、参加者Pを囲む位置、特に、共有執務スペースにおいて他の非参加者の存在スペースを仕切る位置に設置される。防音パネル什器200は移動可能であるため、共有執務スペースにおける周辺のレイアウト、執務者の所在状況等に応じて、防音が望まれる位置等に配置される。例えば、台140に対してディスプレイ160とは反対側に配置される。
【0170】
参加者Pは、台140の周りであってディスプレイ160を見やすい位置に位置することが考えられる。このため、参加者Pは、水平方向において、スピーカ150と防音パネル什器200との間に位置することが想定される。
【0171】
遠隔コミュニケーション中における遠隔参加者Poの音は、スピーカ150から台140の周りに向けて出力される。このため、台140の周りに位置する参加者Pは、遠隔参加者Po側からの音を良好に聞くことができる。これに対して、スピーカ150の下方から離れた会議の非参加者には、スピーカ150からの音は聞え難い。
【0172】
スピーカ150から防音パネル什器200側に離れた箇所では、防音パネル202によって音が防止される。このため、スピーカ150からの音を参加者Pは良好に聞くことができ、かつ、周りには音が漏れ難い。
【0173】
このように構成された第2実施形態に係る什器200によると、防音パネル202の少なくとも一部が、スピーカ150に対して水平方向に離れて、スピーカ150に対して音伝達用空間SSを隔てた位置に配置されているため、共有執務スペースにおいてオンライン会議空間を手軽に構築できる。また、スピーカ150から出力される音は音伝達用空間SSを経た後、防音パネル202によって防音される。このため、遠隔参加者Poからの再生音の周囲への音漏れを抑制できる。
【0174】
防音パネル202について、上記第1実施形態と同様に、第2パネル202bによって剛性を確保しつつ、第1パネル202aによって防音性を確保し、かつ、パネル202a、202b間の隙間によって防音性を高めることができる。
【0175】
{変形例}
防音パネルを備える什器は、上記各実施形態及び変形例で説明したものに限られない。什器は、遠隔コミュニケーションのための作業面を提供するテーブルであってもよい。什器は、参加者Pが着座する椅子であってもよい。椅子は、1人が着座する椅子であってもよいし、複数人が横並びに着座可能な横長の椅子(いわゆるベンチ)であってもよい。椅子は、硬い座面及び背もたれを有していてもよいし、柔らかい座面及び背もたれを有していても(例えば、ソファ)よい。椅子は、背もたれを有していてもよいし、有していなくてもよい。什器は、遠隔コミュニケーションのための空間を仕切る間仕切であってもよいし、遠隔コミュニケーションのためのブースを形成するための仕切であってもよい。什器は、遠隔コミュニケーションのためのスピーカを有する音響什器であってもよい。
【0176】
第1実施形態において、第2実施形態で説明した防音パネル什器200が参加者Pの周りに設置されてもよい。
【0177】
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【0178】
本開示は,下記の各態様を開示する。
【0179】
第1の態様は、第1パネルと、前記第1パネルよりも高剛性であり、前記第1パネルとの間に隙間を隔てた状態で前記第1パネルと重ね合わされた第2パネルと、を備える防音パネルである。
【0180】
この防音パネルによると、第2パネルは、第1パネルよりも高剛性であり、第1パネルとの間に隙間を隔てた状態で第1パネルと重ね合わされている。このため、第2パネルによって剛性を確保しつつ、第1パネルによって防音性を確保し、かつ、パネル間の隙間によって防音性を高めることができる。
【0181】
第2の態様は、第1の態様に係る防音パネルであって、前記第1パネルは、多孔質パネルとされているものである。
【0182】
この場合、第1パネルは多孔質パネルであるため、第1パネルによって吸音性を優れたものとし易い。
【0183】
第3の態様は、第2の態様に係る防音パネルであって、前記第1パネルは、不織シートの金型成形品とされているものである。
【0184】
このように、第1パネルが不織シートの金型成形品であれば、第1パネルと第2パネルとの間で隙間を確保しつつ、第1パネルで吸音性を得易い。
【0185】
第4の態様は、第1から第3のいずれか1つの態様に係る防音パネルであって、前記第2パネルは前記第1パネルよりも音を反射し易いパネルとされているものである。
【0186】
この場合、第1パネル側からの音は、第1パネルを通って、第2パネルで反射されて再度第1パネルを通る。このため、音が第1パネルで吸音され易い。
【0187】
第5の態様は、第1から第4のいずれか1つの態様に係る防音パネルであって、前記第2パネルは、不織シートの金型成形品であるか、樹脂金型成形パネルであるか、木材とされているものである。これにより、所望の剛性を得易い。
【0188】
第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様に係る防音パネルであって、前記第1パネルの縁は前記第1パネルの中間部よりも高剛性とされているものである。
【0189】
これにより、第1パネルの縁の高剛性部分で形状を一定に保ちつつ、第1パネルの中間部の柔軟な部分で防音性を高め易い。
【0190】
第7の態様は、第1から第6のいずれか1つの態様に係る防音パネルであって、前記第2パネルは、前記第1パネルよりも外側に大きく湾曲する形状に形成されているものである。
【0191】
これにより、第1パネルと第2パネルとの間に隙間を確保し易い。また、音が発生する側のスペースを圧迫し難い。
【0192】
第8の態様は、第1から第7のいずれか1つの態様に係る防音パネルであって、前記第2パネルの外周部に、前記第1パネル側に突出して前記第1パネルを囲む囲い部が形成されているものである。
【0193】
これにより、囲い部によって第1パネルが変形し難くなる。また、音が囲い部によって第1パネル側に反射され易くなり、第2パネル側に漏れ難くなる。
【0194】
第9の態様は、第1から第8のいずれか1つの態様に係る防音パネルであって、少なくとも一部が前記隙間内に配置されるパネル支持フレームと、前記パネル支持フレームによって前記第1パネルの外向き面側に支持されるディスプレイ支持ブラケットと、をさらに備える防音パネルである。
【0195】
これにより、第1パネルの外向き面側にディスプレイを支持することができる。
【0196】
第10の態様は、第1から第9のいずれか1つの態様に係る防音パネルを備える什器である。これにより、什器に防音パネルを設けることができる。
【0197】
上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0198】
20 什器
66 ディスプレイ支持ブラケット
100 防音パネル
102 第1パネル
102e 縁
102m 中間部
106 第2パネル
107 パネル本体
107a 平坦部
107b 周囲部
108 囲い部
200 什器
202 防音パネル
202a 第1パネル
202b 第2パネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8