IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ホシザキ電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-飲料供給装置 図1
  • 特開-飲料供給装置 図2
  • 特開-飲料供給装置 図3
  • 特開-飲料供給装置 図4
  • 特開-飲料供給装置 図5
  • 特開-飲料供給装置 図6
  • 特開-飲料供給装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156125
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】飲料供給装置
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20231017BHJP
   A47J 31/40 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
A47J31/40 104
A47J31/40 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065804
(22)【出願日】2022-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155099
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100147625
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(72)【発明者】
【氏名】稲田 雅司
(72)【発明者】
【氏名】原 輝道
(72)【発明者】
【氏名】淺野 勝宏
(72)【発明者】
【氏名】上野 俊一
(72)【発明者】
【氏名】土江 秀樹
【テーマコード(参考)】
3E082
4B104
【Fターム(参考)】
3E082AA02
3E082BB04
3E082CC04
3E082CC10
3E082FF00
4B104AA23
4B104BA03
4B104BA60
4B104CA30
4B104DA03
(57)【要約】
【課題】粉末原料容器内の粉末原料が無駄に搬出されることなく、粉末原料容器内の粉末原料が固化するのを防止する。
【解決手段】飲料供給装置10は、飲料の粉末原料を貯える粉末原料容器32と、粉末原料容器32から粉末原料を搬出する粉末原料搬出部33と、粉末原料を溶解させる原料水を供給する原料水供給部40,50とを備え、粉末原料容器32から粉末原料搬出部33によって搬出される粉末原料と原料水供給部40,50から供給される原料水とにより生成される飲料を供給するものであり、粉末原料容器32内の粉末原料の固化防止のために水蒸気が透過可能な調湿中空糸膜70A~70Cを備え、この調湿中空糸膜70A~70C内に乾燥した気体を通過させることで粉末原料容器32内の粉末原料に流入するおそれのある水蒸気を取り除いて粉末原料が固化するのを防ぐようにした。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料の粉末原料を貯える粉末原料容器と、
前記粉末原料容器から粉末原料を搬出する粉末原料搬出部と、
前記粉末原料を溶解させる原料水を供給する原料水供給部とを備え、
前記粉末原料容器から前記粉末原料搬出部によって搬出される粉末原料と前記原料水供給部から供給される原料水とにより生成される飲料を供給する飲料供給装置であって、
前記粉末原料容器内の粉末原料の固化防止のために水蒸気が透過可能な調湿中空糸膜を備え、この調湿中空糸膜内に乾燥した気体を通過させることで前記粉末原料容器内の粉末原料に流入するおそれのある水蒸気を取り除いて粉末原料が固化するのを防ぐようにしたことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の飲料供給装置において、
前記粉末原料容器内に前記調湿中空糸膜を設け、この調湿中空糸膜内に乾燥した気体を通過させることで前記粉末原料容器内を除湿するようにしたことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項3】
請求項1に記載の飲料供給装置において、
前記粉末原料容器から前記粉末原料搬出部によって搬出される粉末原料と前記原料水供給部から供給される原料水を混合するための混合容器を備え、
前記混合容器内に前記調湿中空糸膜を設け、この調湿中空糸膜内に乾燥した気体を通過させることで前記混合容器内を除湿するようにしたことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項4】
請求項1に記載の飲料供給装置において、
前記粉末原料容器から前記粉末原料搬出部によって搬出される粉末原料と前記原料水供給部から供給される原料水を混合するための混合容器と、前記混合容器内の空気を排出するための排気通路とを備え、
前記排気通路に前記調湿中空糸膜を設け、この調湿中空糸膜内に乾燥した気体を通過させることで前記排気通路を除湿するようにしたことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の飲料供給装置において、
前記混合容器内にて粉末原料と原料水を混合後に前記調湿中空糸膜内に乾燥した気体を通過させるように制御したことを特徴とする飲料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料の粉末原料と原料水とを混合して生成した飲料を供給する飲料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、飲料の粉末原料と原料水とを混合して生成した飲料を供給する飲料供給装置の発明が開示されている。この飲料供給装置は、飲料の粉末原料を貯える粉末原料容器と、粉末原料容器から粉末原料を搬出する粉末原料搬出部と、粉末原料を溶解させる原料水を供給する原料水供給部と、粉末原料搬出部によって搬出された粉末原料容器内の粉末原料と原料水供給部から供給される原料水を混合するための混合容器と、混合容器内にて粉末原料と原料水とを撹拌によって混合する撹拌装置とを備えている。
【0003】
この飲料供給装置は、飲料を供給する飲料供給プログラムを制御装置に備え、飲料供給プログラムを実行すると、粉末原料容器の粉末原料を粉末原料搬出部によって混合容器内に搬出するとともに、原料水供給部から原料水を混合容器内に供給し、混合容器内で粉末原料と原料水とを撹拌装置により撹拌して混合することで生成した飲料が載置部に載置したカップ等の飲用容器に供給される。この飲料供給装置は、粉末原料容器内の粉末原料が周囲の湿気を吸収して固化するのを防ぐために固化防止手段を備えており、固化防止手段は飲料供給プログラムを実行しない待機中に粉末原料搬出部を作動させることによって粉末原料容器内の粉末原料を搬出させながら撹拌して、粉末原料容器内の粉末原料が周囲の湿気を吸収しても固化しにくくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-159589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1の飲料供給装置は、飲料供給プログラムを実行しない待機中に固化防止手段によって粉末原料搬出部を作動させることで、粉末原料容器内の粉末原料が固化するのを防止している。飲料供給プログラムを実行しない待機中に固化防止手段によって粉末原料搬出部を作動させると、粉末原料容器内の粉末原料が無駄に搬出されることになる。本発明は、粉末原料容器内の粉末原料が無駄に搬出されることなく、粉末原料容器内の粉末原料が固化するのを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するために、飲料の粉末原料を貯える粉末原料容器と、粉末原料容器から粉末原料を搬出する粉末原料搬出部と、粉末原料を溶解させる原料水を供給する原料水供給部とを備え、粉末原料容器から粉末原料搬出部によって搬出される粉末原料と原料水供給部から供給される原料水とにより生成される飲料を供給する飲料供給装置であって、粉末原料容器内の粉末原料の固化防止のために水蒸気が透過可能な調湿中空糸膜を備え、この調湿中空糸膜内に乾燥した気体を通過させることで粉末原料容器内の粉末原料に流入するおそれのある水蒸気を取り除いて粉末原料が固化するのを防ぐようにしたことを特徴とする飲料供給装置を提供するものである。
【0007】
上記のように構成した飲料供給装置においては、粉末原料容器内の粉末原料の固化防止のために水蒸気が透過可能な調湿中空糸膜を備え、この調湿中空糸膜内に乾燥した気体を通過させることで粉末原料容器内の粉末原料に流入するおそれのある水蒸気を取り除いて粉末原料が固化するのを防ぐようにしたので、粉末原料容器内の粉末原料が湿気によって固化しにくくなる。これによって、粉末原料容器内の粉末原料が無駄に搬出されることなく、粉末原料容器内の粉末原料が固化するのを防止することができる。
【0008】
上記のように構成した飲料供給装置においては、粉末原料容器内に調湿中空糸膜を設け、この調湿中空糸膜内に乾燥した気体を通過させることで粉末原料容器内を除湿するようにしてもよい。粉末原料容器内の水蒸気は調湿中空糸膜内に透過されて取り除かれるようになり、粉末原料容器内の粉末原料が湿気によって固化するのを防止することができる。
【0009】
上記のように構成した飲料供給装置においては、粉末原料容器から粉末原料搬出部によって搬出される粉末原料と原料水供給部から供給される原料水を混合するための混合容器を備え、混合容器内に調湿中空糸膜を設け、この調湿中空糸膜内に乾燥した気体を通過させることで混合容器内を除湿するようにしてもよい。混合容器内の水蒸気は調湿中空糸膜内に透過されて取り除かれるようになり、混合容器から粉末原料容器に空気が流れても、混合容器内の空気から水蒸気が取り除かれているので、粉末原料容器内の粉末原料が固化するのを防止することができる。
【0010】
上記のように構成した飲料供給装置においては、粉末原料容器から粉末原料搬出部によって搬出される粉末原料と原料水供給部から供給される原料水を混合するための混合容器と、混合容器内の空気を排出するための排気通路を備え、排気通路に調湿中空糸膜を設け、この調湿中空糸膜内に乾燥した空気を通過させることで排気通路を除湿するようにしてもよい。混合容器内の水蒸気を含んだ空気は排気通路を通って排出されるが、排気通路に残る水蒸気は排気通路に設けた調湿中空糸膜内に透過されて取り除かれるようになり、排気通路から混合容器を通って粉末原料容器に空気が流れても、排気通路の空気から水蒸気が取り除かれているので、粉末原料容器内の粉末原料が固化するのを防止することができる。
【0011】
混合容器または排気通路に調湿中空糸膜を設けた飲料供給装置においては、混合容器内にて粉末原料と原料水を混合後に調湿中空糸膜内に乾燥した空気を通過させるように制御するのが好ましい。混合容器内にて粉末原料と原料水を混合している間は水蒸気が継続的に発生するので、調湿中空糸膜に乾燥した空気を通過させても水蒸気を効率よく取り除くことができない。混合容器内で粉末原料と原料水を混合して飲料を生成した後は水蒸気が発生しなくなるので、混合容器内にて粉末原料と原料水を混合後に調湿中空糸膜内に乾燥した空気を通過させるように制御することで、混合容器内または排気通路に残る水蒸気を調湿中空糸膜内に透過させて効率よく取り除くことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の飲料供給装置の斜視図である。
図2図1のフロントパネルを取り外した状態の斜視図である。
図3】調湿中空糸膜を省略したA-A線での縦方向断面図である。
図4】ベースに形成した原料水供給口に給湯部と給水部が接続された状態を示す概略図である。
図5】給湯部と給水部の概略図である。
図6】調湿中空糸膜を図示した図3の一部拡大断面図である。
図7】制御装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の飲料供給装置の一実施形態を図面を参照して説明する。本発明の飲料供給装置10は、カップ等の容器C内に湯(熱湯)、温かい茶等の温飲料、冷水(水)または冷たい茶等の冷飲料を供給可能としており、湯及び冷水以外の茶等の飲料の原料となる粉末原料が粉末原料容器32内で固化するのを防ぐようにしたものである。図1図3に示したように、飲料供給装置10は、略直方体形状のハウジング11の前部に茶等の飲料を生成するための粉末原料と湯及び/または冷水(水)とよりなる原料水を混合する飲料生成室12と、ハウジング11の後部に機械室13とを備え、ハウジング11内は仕切板14によって飲料生成室12と機械室13とに仕切られている。機械室13には後述する混合容器34または容器Cに飲料の原料水となる湯を供給するための給湯部40と、飲料の原料水となる冷水(水)を供給するための給水部50とが配設されている。
【0014】
図2及び図3に示したように、飲料生成室12にはカップ等の容器Cを載置する載置台20と、容器C内に飲料を供給する飲料供給部30とが設けられている。この実施形態では、飲料生成室12には3種類の飲料を供給するために3つの飲料供給部30が設けられており、3つの飲料供給部30は実質的に同一の構成となっているので、以後の説明では主として1つの飲料供給部30のみを説明する。
【0015】
図1及び図2に示したように、載置台20は飲料生成室12の下部にて左右方向の中央部に配置されている。載置台20は、カップ等の容器Cを載置する受台部21と、受台部21の上側を覆うカバー部22とを備えている。受台部21は簀の子状に形成され、カップ等の容器Cから溢出した飲料を下側に流すことができるようになっている。
【0016】
図2及び図3に示したように、飲料供給部30は載置台20に載置した容器Cに飲料を供給するものであり、湯及び/または冷水(水)よりなる原料水と飲料の粉末原料とから飲料を生成する飲料生成部31と、飲料生成部31で生成した飲料を載置台20の容器Cに案内する飲料ガイド38とを備えている。飲料生成部31は、飲料の粉末原料を貯える粉末原料容器32と、粉末原料容器32内の粉末原料を搬出する粉末原料搬出部33と、飲料の粉末原料と原料水を混合する混合容器34と、混合容器34内で粉末原料と原料水とを撹拌して混合させる撹拌装置35とを備えている。
【0017】
図3に示したように、粉末原料容器32は茶等の粉末よりなる飲料の粉末原料を貯えるものであり、飲料生成室12に設けたベース15に着脱可能に取り付けられている。粉末原料容器32の上部には粉末原料を充填するための開口部32aが形成され、粉末原料容器32の上部には開口部32aを開閉自在に塞ぐ蓋部32bが設けられている。粉末原料容器32の底部には粉末原料の搬出口32cと粉末原料を搬出する粉末原料搬出部33が設けられており、粉末原料は粉末原料搬出部33を作動させることで搬出口32cから混合容器34に搬出される。
【0018】
図3に示したように、粉末原料搬出部33は、粉末原料容器32内の粉末原料を混合容器34に搬出するものであり、粉末原料容器32の下部にスクリュー33aと、スクリュー33aを回転駆動させるモータ33bと、モータ33bの回転をスクリュー33aに伝達するカップリング部材33cとを備えている。粉末原料搬出部33においては、モータ33bの回転駆動がカップリング部材33cを介してスクリュー33aに伝達され、粉末原料容器32内の粉末原料は搬出口32cから混合容器34内に搬出される。
【0019】
図3に示したように、混合容器34は粉末原料と湯及び/または冷水(水)よりなる原料水とを撹拌して混合させるものであり、飲料生成室12に設けたベース15に着脱可能に支持されている。混合容器34の上部は粉末原料容器32の下側で開口しており、粉末原料容器32の搬出口32cから搬出される粉末原料は混合容器34内に搬入される。混合容器34の底部には放出口34aが形成されており、混合容器34内で撹拌されて混合された飲料は放出口34aから下側に設けた飲料ガイド38に放出される。
【0020】
図4に示したように、ベース15には混合容器34内に湯及び/または冷水(水)よりなる原料水を供給するための原料水供給口15aが設けられている。原料水供給口15aには後述する給湯部40及び給水部50が接続されており、混合容器34には給湯部40及び/または給水部50から送られる原料水としての湯及び/または冷水が原料水供給口15aを通って供給される。
【0021】
図3に示したように、混合容器34には撹拌装置35が設けられており、撹拌装置35は、混合容器34の後側のベース15に設けた撹拌用モータ35aと、撹拌用モータ35aによって回転する回転軸35dと、回転軸35dの先端に設けられた円板部35eとを備えている。撹拌用モータ35aの出力軸にはカップリング用のマグネット35bが設けられ、回転軸35dの撹拌用モータ35a側となる基端にはカップリング用のマグネット35cが設けられている。回転軸35dはカップリング用のマグネット35b,35cによって撹拌用モータ35aに着脱可能に連結され、撹拌用モータ35aはカップリング用のマグネット35b,35cを介して回転軸35dを回転させる。回転軸35dは混合容器34の底部の放出口34aの上側に延出し、回転軸35dの先端には放出口34aの上側で円板部35eが設けられている。回転軸35dの先端の円板部35eの下面には撹拌羽根35fが設けられており、混合容器34内の粉末原料と原料水とは円板部35eの回転によって撹拌混合されて飲料となる。
【0022】
混合容器34の後側には湿気(水蒸気)を含んだ空気を排出するためのスチームダクト36が設けられており、混合容器34の後端上部に形成された排出口34bはスチームダクト36内に接続されている。スチームダクト36内には混合容器34内の湿気(水蒸気)を含んだ空気を排出するための排気通路36aが形成されている。排気通路36aは機械室13に設けた排気ファン37によって負圧吸引されるようになっており、混合容器34内の空気はスチームダクト36内の排気通路36aを通って外側に排出される。
【0023】
図2に示したように、飲料ガイド38は飲料生成部31で生成した飲料を載置台20に載置した容器Cに案内するものである。飲料ガイド38は浅い箱形をし、載置台20のカバー部22の上側に支持されている。飲料ガイド38には載置台20の前部で左右方向の中央部の上側で下方に延びる円筒形をした飲料注出部38aが設けられており、混合容器34から飲料ガイド38に放出された飲料は飲料注出部38aから載置台20の容器Cに注出される。
【0024】
図5に示したように、給湯部40は、載置台20のカップ等の容器Cで受ける飲料の原料水となる湯を供給するものである。給湯部40は、飲料の原料水となる湯を貯える貯湯タンク41を備えており、貯湯タンク41には水道等の給水源から導出された第1給水管42が接続されている。第1給水管42には第1及び第2給水弁42a,42bが介装されており、給水源の水は第1及び第2給水弁42a,42bを開放することによって貯湯タンク41に供給される。
【0025】
貯湯タンク41にはヒータ43と温度センサ44とが設けられている。ヒータ43は貯湯タンク41内の水(湯)を加熱して湯を生成するものである。温度センサ44は貯湯タンク41内の水(湯)の温度を検出するものである。ヒータ43は温度センサ44の検出温度に基づいて作動するように制御され、貯湯タンク41内の湯は主に飲むのに適した温度となるように保温される。また、貯湯タンク41内には水位センサ45が設けられており、水位センサ45は貯湯タンク41内の水位を検出する。第1及び第2給水弁42a,42bは水位センサ45の検出水位によって開閉されるように制御され、貯湯タンク41内の水(湯)は所定の水位の範囲となるように維持される。
【0026】
貯湯タンク41の下部には送湯管46が接続されており、送湯管46には送湯ポンプ47が介装されている。貯湯タンク41内の湯は送湯ポンプ47によって送湯管46に送られる。また、送湯管46には三方弁よりなる第1~第4湯送出弁48a~48dが介装されており、第1~第4湯送出弁48a~48dには第1~第4湯送出管49a~49dが接続されている。第1湯送出管49aの導出端部は左側の飲料供給部30の原料水供給口15aに接続されており、第2湯供給管49bの導出端部は中央部の飲料供給部30の原料水供給口15aに接続されており、第3湯供給管49cの導出端部は右側の飲料供給部30の原料水供給口15aに接続されている。第4湯供給管49dの導出端部は載置台20のカバー部22に配設されている。
【0027】
送湯ポンプ47を作動させ、第1~第3湯送出弁48a~48cの何れか1つを開放させることで、貯湯タンク41内の湯は、送湯管46と、開放させた第1~3湯送出弁48a~48cに対応する第1~第3湯送出管49a~49cとを通って混合容器34内に供給される。また、送湯ポンプ47を作動させ、第4湯送出弁48dを開放させることで、貯湯タンク41内の湯は送湯管46と第4湯送出管49dとを通って載置台20に載置したカップ等の容器Cに供給される。
【0028】
図5に示したように、給水部50は、載置台20のカップ等の容器Cで受ける飲料の原料水となる冷水(水)を供給するものである。給水部50は、飲料の原料水となる冷水を生成するための冷却タンク51を備えており、冷却タンク51には冷却水が貯えられている。また、冷却タンク51内には冷凍装置の蒸発管52が設けられており、冷却タンク51内の冷却水は冷凍装置の蒸発管52を循環する冷媒が気化する気化熱によって冷却されている。冷却タンク51内には原料水となる水を冷却するための水冷却管53が設けられている。
【0029】
水冷却管53の水の導入端部には第1給水管42の第1給水弁42aの直ぐ下流側(第1給水弁42aと第2給水弁42bの間)から導出した第2給水管54が接続されており、水道等の給水源の水は第1給水管42の一部と第2給水管54を通って冷却タンク51内の水冷却管53に送出される。水冷却管53の水の導出端部には送水管55が接続されており、水冷却管53により冷却された冷水は送水管55に送出される。送水管55には3つの分岐部55a~55cが設けられており、分岐部55a~55cから導出された管部と送水管55の先端部55dには第1~第4冷水送出弁56a~56dが介装されている。第1~第4冷水送出弁56a~56dには第1~第4冷水送出管57a~57dが接続されており、第1~第4冷水送出管57a~57dの導出端部は第1~第4湯送出管49a~49dの中間部に接続されている。
【0030】
第1給水弁42aと第1~第3冷水送出弁56a~56cの何れか1つとを開放させることで、給水源の水は第1給水管42の一部と第2給水管54を通って冷却タンク51の水冷却管53に送られて冷却されて冷水となる。冷却タンク51内の水冷却管53で冷却された冷水は、送水管55と、開放させた第1~第3冷水送出弁56a~56cに対応する第1~第3冷水送出管57a~57cと、第1~第3冷水送出管57a~57cに対応して接続された第1~第3湯送出管49a~49cとを通って混合容器34内に供給される。また、第1給水弁42aと第4冷水送出弁56dとを開放させることで、給水源の水は、第1給水管42の一部と第2給水管54を通って冷却タンク51の水冷却管53に送られて冷却されて冷水となり、冷却タンク51内の水冷却管53で冷却された冷水は、送水管55と第4冷水送出管57dと第4湯送出管49dとを通って載置台20に載置したカップ等の容器Cに供給される。
【0031】
図1に示したように、ハウジング11の前面には操作パネル60が設けられており、操作パネル60には温飲料を供給するための温飲料供給ボタン61(61a~61c)と、湯を供給するための湯供給ボタン62と、冷飲料を供給するための冷飲料供給ボタン63(63a~63c)と、冷水(水)を供給するための冷水供給ボタン64とが配設されている。
【0032】
温飲料供給ボタン61(61a~61c)は、温かい麦茶、温かい緑茶または温かいほうじ茶を供給するためのものであり、これらの温飲料供給ボタン61a~61cを1回押下操作すると、温かい麦茶、温かい緑茶または温かいほうじ茶がカップ等の容器Cの容量に応じた量で供給される。湯供給ボタン62は、貯湯タンク41内の湯を供給するものであり、湯供給ボタン62を押下操作している時間で湯がカップ等の容器Cに供給される。
【0033】
冷飲料供給ボタン63(63a~63c)は、冷たい麦茶、冷たい緑茶または冷たいほうじ茶を供給するためのものであり、これらの冷飲料供給ボタン63a~63cを1回押下操作すると、冷たい麦茶、冷たい緑茶または冷たいほうじ茶がカップ等の容器Cの容量に応じた量で供給される。冷水供給ボタン64は、冷却タンク51内で冷却された冷水を供給するものであり、冷水供給ボタン64を押下操作している時間で冷水がカップ等の容器Cに供給される。
【0034】
図6に示したように、飲料供給装置10は、粉末原料容器32内の粉末原料の固化防止のために水蒸気が透過可能な水蒸気透過性能を有する調湿中空糸膜70(70A~70C)を備えている。この実施形態の調湿中空糸膜70は、中空形状のフッ素系イオン交換樹脂膜を径方向に複数配置して管状または筒状にモジュール化した膜式の除湿器であり、中空形状のフッ素系イオン交換樹脂膜の内外の湿度差を等しくする性質(内外の湿度を平衡にする性質)を利用して、空気中の水蒸気を取り除くものである。調湿中空糸膜70内に乾燥した空気を通過させたときには、調湿中空糸膜70の外側の水蒸気が内側に透過され、調湿中空糸膜70の外側の空気に含まれる水蒸気が取り除かれるようになり、調湿中空糸膜70の外側に乾燥した空気が生成される。なお、調湿中空糸膜70は、中空形状のフッ素系イオン交換樹脂膜を用いたものに限られるものでなく、水蒸気を透過可能な多孔質の中空糸膜を用いたものであってもよい。
【0035】
飲料供給装置10の各飲料生成部31は、粉末原料容器32内の粉末原料の固化防止のために、3つの調湿中空糸膜70(70A~70C)を備えており、調湿中空糸膜70Aは粉末原料容器32内に設けられ、調湿中空糸膜70Bは混合容器34内に設けられ、調湿中空糸膜70Cはスチームダクト36内の排気通路36aに設けられている。調湿中空糸膜70Aは粉末原料容器32内にて蓋部32bの下面に取り付けられており、粉末原料容器32内の空気に含まれる水蒸気は調湿中空糸膜70A内に透過されて除去可能である。蓋部32bの下面近傍は粉末原料容器32内の粉末原料から最も離れているので、粉末原料容器32内の粉末原料が調湿中空糸膜70Aに付着しにくい。調湿中空糸膜70Aの長手方向の一方の端部には乾燥空気を圧入した給気ボンベ(乾燥気体供給手段であり、ポンプによって乾燥した気体を供給するものでもよい。以下同じである)から乾燥空気(乾燥空気に限られるものでなく乾燥した気体であればよい。以下同じである)を供給するための給気管71Aが接続され、調湿中空糸膜70Aの長手方向の他方の端部には排気管72Aが接続されている。
【0036】
給気管71Aには給気弁71Aaが介装されており、給気ボンベの乾燥空気は給気弁71Aaを開放することによって調湿中空糸膜70Aを通って排気管72Aから排出される。調湿中空糸膜70A内に乾燥空気を供給したときには、粉末原料容器32内にて調湿中空糸膜70Aの内外で湿度差を生じさせないように、粉末原料容器32内の空気に含まれる水蒸気は調湿中空糸膜70Aを透過して内部を通過する空気に含まれるようになり、粉末原料容器32内には調湿中空糸膜70Aの周囲に乾燥した空気が生成され、粉末原料容器32内は調湿中空糸膜70Aの周囲で除湿される。飲料生成部31にて飲料を生成するときに、粉末原料容器32内の粉末原料が搬出口32cから搬出されると、粉末原料容器32内が粉末原料を搬出させることで負圧化され、飲料生成室12内の空気が蓋部32bと開口部32aとの間の僅かな隙間から粉末原料容器32内に流入するが、調湿中空糸膜70Aは粉末原料容器32の開口部32aに近い蓋部32bの下面に配置されているので、蓋部32bと開口部32aとの間の僅かな隙間から粉末原料容器32内に流入する空気に含まれる水蒸気は調湿中空糸膜70Aの内側に透過され、粉末原料容器32内は除湿されるようになる。
【0037】
混合容器34は粉末原料容器32の粉末原料の搬出口32cの真下に配置されており、混合容器34内にて粉末原料と原料水とを混合したときに生じる空気に含まれる水蒸気が搬出口32cから粉末原料容器32内の粉末原料に流入するおそれがある。特に、原料水に湯を用いたときには、混合容器34内で湯から生じる湯気等の水蒸気が搬出口32cから粉末原料容器32の粉末原料に流入するおそれがある。調湿中空糸膜70Bは、混合容器34内の前部に取り付けられており、混合容器34内にて粉末原料と原料水とを混合したときに生じる空気に含まれる水蒸気は調湿中空糸膜70B内に透過されて除去可能である。
【0038】
調湿中空糸膜70Bの長手方向の一方の端部には乾燥空気を圧入した給気ボンベから乾燥空気(乾燥気体)を供給するための給気管71Bが接続され、調湿中空糸膜70Bの長手方向の他方の端部には排気管72Bが接続されている。給気管71Bには給気弁71Baが介装されており、給気ボンベの乾燥空気は給気弁71Baを開放することによって調湿中空糸膜70Bを通って排気管72Bから排出される。このとき、混合容器34内にて調湿中空糸膜70Bの内外で湿度差を生じさせないように、混合容器34内の空気に含まれる水蒸気は調湿中空糸膜70Bを透過して内部を通過する空気に含まれるようになり、混合容器34内には調湿中空糸膜70Bの周囲に乾燥した空気が生成され、混合容器34内は調湿中空糸膜70Bの周囲で除湿される。これにより、混合容器34から粉末原料容器32内に水蒸気が流入しにくくすることができる。
【0039】
混合容器34内にて粉末原料と原料水とを撹拌混合している間は、混合容器34内で水蒸気が継続的に発生するので、調湿中空糸膜70Bに乾燥空気を通過させても効果的に水蒸気を取り除くことができない。このため、この実施形態では、混合容器34内にて粉末原料と原料水を混合して飲料を生成した後に給気弁71Baを開放するように制御することで、混合容器34内で水蒸気が発生しなくなってから、混合容器34内で調湿中空糸膜70B内に乾燥した空気を通過させるように制御している。混合容器34内で水蒸気が発生しなくなってから、混合容器34内で粉末原料と原料水とを撹拌混合したときに発生して残る水蒸気を取り除くようにしているので、混合容器34内に残る水蒸気を調湿中空糸膜70B内に透過させて効率よく取り除くことができるようになる。
【0040】
飲料生成部31にて飲料を生成するときに、スチームダクト36には排気ファン37の作動によって混合容器34内の空気が負圧吸引されており、混合容器34内にて粉末原料と原料水とを混合して飲料を生成しているときにはスチームダクト36に水蒸気を含む空気が流れることになる。調湿中空糸膜70Cは、スチームダクト36内の後部に取り付けられており、混合容器34内にて粉末原料と原料水とを混合して飲料を生成しているときに発生する水蒸気はスチームダクト36内の排気通路36aに負圧吸引されたときに調湿中空糸膜70C内に透過されて除去可能である。
【0041】
調湿中空糸膜70Cの長手方向の一方の端部には給気管71Bの給気弁71Baより下流側から分岐した給気管71Cが接続され、調湿中空糸膜70Cの長手方向の他方の端部には排気管72Cが接続されている。給気ボンベの乾燥空気は給気弁71Baを開放することによって調湿中空糸膜70Bだけでなく調湿中空糸膜70Cを通って排気管72Cから排出される。このとき、スチームダクト36内の排気通路36aにて調湿中空糸膜70Cの内外で湿度差を生じさせないように、混合容器34からスチームダクト36内の排気通路36aに負圧吸引された空気に含まれる水蒸気は調湿中空糸膜70Cを透過して内部を通過する空気に含まれるようになり、スチームダクト36内の排気通路36aには調湿中空糸膜70Cの周囲に乾燥した空気が生成され、スチームダクト36内の排気通路36aは調湿中空糸膜70Cの周囲で除湿される。
【0042】
混合容器34内にて粉末原料と原料水とを混合して飲料を生成しているときには、混合容器34内で継続的に発生する水蒸気が排気通路36aに排出されるので、粉末原料と原料水とを混合して飲料を生成しているときに調湿中空糸膜70Cに乾燥空気を通過させてもスチームダクト36内の排気通路36aに負圧吸引した空気から効果的に水蒸気を取り除くことができない。このため、この実施形態では、混合容器34内にて粉末原料と原料水を混合して飲料を生成した後に給気弁71Baを開放するように制御することで、混合容器34内で水蒸気が発生しなくなってから、排気通路36aの調湿中空糸膜70C内に乾燥した空気を通過させるように制御している。混合容器34内で水蒸気が発生しなくなってから、排気通路36aに残る水蒸気を取り除くようにしているので、排気通路36aに残る水蒸気を調湿中空糸膜70C内に透過させて効率よく取り除くことができるようになる。
【0043】
図7に示したように、飲料供給装置10は制御装置80を備えており、制御装置80は、飲料原料搬出用モータ33b、撹拌用モータ35a、排気ファン37、第1及び第2給水弁42a,42b、ヒータ43、温度センサ44、水位センサ45、送湯ポンプ47、第1~第4湯送出弁48a~48d、第1~第4冷水送出弁56a~56d、操作パネル60及び給気弁71Aa,71Baに接続されている。
【0044】
制御装置80は、貯湯タンク41内の湯を用いた温飲料をカップ等の容器Cの容量に応じた量で供給する温飲料供給手段を備えている。温飲料供給ボタン61a~61cの何れか1つを押下操作をすると、制御装置80は、温飲料供給手段の実行により、温飲料供給ボタン61a~61cに対応する飲料供給部30の飲料原料搬出用モータ33bを作動させ、送湯ポンプ47を作動させ、温飲料供給ボタン61a~61cに対応する第1~3湯送出弁48a~48cを開放させる。粉末原料容器32内の粉末原料は混合容器34内に搬出され、貯湯タンク41内の湯は混合容器34内に供給される。また、撹拌装置35の撹拌用モータ35aを作動させることで、混合容器34内に供給された飲料の粉末原料と湯は撹拌混合されて温飲料となり、生成された温飲料は飲料ガイド38を通って載置台20のカップ等の容器Cに注出され、ユーザに温飲料が供給される。
【0045】
制御装置80は、貯湯タンク41内の湯をカップ等の容器Cに供給する湯供給手段を備えている。湯供給ボタン62を押下操作すると、制御装置80は、湯供給手段の実行により、湯供給ボタン62を押下操作した時間に応じて送湯ポンプ47を作動させるとともに第4湯送出弁48dを開放させる。貯湯タンク41内の湯は載置台20のカップ等の容器Cに注出され、ユーザに湯(温飲料)が供給される。
【0046】
制御装置80は、冷却タンク51内で冷却された冷水(水)を用いた冷飲料をカップ等の容器Cの容量に応じた量で供給する冷飲料供給手段を備えている。冷飲料供給ボタン63a~63cの何れか1つを押下操作をすると、制御装置80は、冷飲料供給手段の実行により、冷飲料供給ボタン63a~63cに対応する飲料供給部30の飲料原料搬出用モータ33bを作動させ、第1給水弁42aと冷飲料供給ボタン63a~63cに対応する第1~第3冷水送出弁56a~56cを開放させる。粉末原料容器32内の粉末原料は混合容器34内に搬出され、冷却タンク51内で冷却された冷水は混合容器34内に供給される。また、撹拌装置35の撹拌用モータ35aを作動させることで、混合容器34内に供給された飲料の粉末原料と冷水は撹拌混合されて冷飲料となり、生成された冷飲料は飲料ガイド38を通って載置台20のカップ等の容器Cに注出され、ユーザに冷飲料が供給される。
【0047】
制御装置80は、冷却タンク51内で冷却された冷水をカップ等の容器Cに供給する冷水供給手段を備えている。冷水供給ボタン64を押下操作すると、制御装置80は、冷水供給手段の実行により、冷水供給ボタン64を押下操作した時間に応じて第1給水弁42aと第4冷水送出弁56dを開放させる。冷却タンク51内で冷却された冷水は載置台20のカップ等の容器Cに注出され、ユーザに冷水(冷飲料)が供給される。
【0048】
また、制御装置80は、粉末原料容器32内の粉末原料が固化するのを防止する固化防止手段を備えている。制御装置80は、上述した温飲料供給手段または冷飲料供給手段を実行後に、固化防止手段として給気弁71Aa,71Baを一定時間開放させるように制御しており、給気ボンベ内の乾燥空気が給気弁71Aa,71Baの一定時間の開放によって給気管71A~71Cを通って調湿中空糸膜70A~70Cに送られ、調湿中空糸膜70A~70Cを通過した空気が排気管72A~72Cを通ってハウジング11の外側に排出される。
【0049】
温飲料供給手段または冷飲料供給手段を実行したときには、粉末原料容器32の搬出口32cから粉末原料が搬出され、飲料生成室12内の空気が蓋部32bと開口部32aとの間の僅かな隙間から粉末原料容器32内に流入する。粉末原料容器32内に流入した空気に水蒸気が含まれていても、固化防止手段として給気弁71Aaを一定時間開放させるように制御し、乾燥空気が調湿中空糸膜70Aを通過することで、粉末原料容器32内の空気中の水蒸気は調湿中空糸膜70Aを透過して内側を通過する乾燥空気に含まれるようになり、粉末原料容器32内の水蒸気は乾燥空気とともに排気管72Aを通ってハウジング11外に排出される。これにより、粉末原料容器32内の粉末原料に流入するおそれのある水蒸気を取り除いて、粉末原料容器32内の粉末原料が固化するのを防ぐことができる。
【0050】
温飲料供給手段または冷飲料供給手段を実行して、混合容器34内で粉末原料と原料水とを撹拌して混合することで飲料を生成するときには、混合容器34内に水蒸気が発生することになり、混合容器34内の水蒸気が搬出口32cから粉末原料容器32の粉末原料に流入するおそれがある。特に、温飲料供給手段を実行したときには、混合容器34内に湯よりなる原料水が供給されるので、湯よりなる原料水から発生する湯気(水蒸気)が搬出口32cから粉末原料容器32の粉末原料に流入するおそれがある。混合容器34内で粉末原料と原料水とを撹拌して混合することで飲料を生成後に、固化防止手段として給気弁71Baを一定時間開放させるように制御し、乾燥空気が調湿中空糸膜70Bを通過することで、飲料を生成後に混合容器34内に残る水蒸気は調湿中空糸膜70Bを透過して内側を通過する乾燥空気に含まれるようになり、水蒸気は乾燥空気とともに排気管72Bを通ってハウジング11外に排出される。これにより、混合容器34内から粉末原料容器32内の粉末原料に流入するおそれのある水蒸気を取り除いて、粉末原料容器32内の粉末原料が固化するのを防ぐことができる。
【0051】
温飲料供給手段または冷飲料供給手段を実行して、混合容器34内で粉末原料と原料水とを撹拌して混合することで飲料を生成するときには、排気ファン37を一定時間作動させるように制御しており、混合容器34内の水蒸気を含んだ空気がスチームダクト36の排気通路36aに負圧吸引される。スチームダクト36内の排気通路36aに水蒸気が残ると、排気通路36aの水蒸気が混合容器34を通って搬出口32cから粉末原料容器32の粉末原料に流入するおそれがある。混合容器34内で粉末原料と原料水とを撹拌して混合することで飲料を生成後に、固化防止手段として給気弁71Baを一定時間開放させるように制御し、乾燥空気が調湿中空糸膜70Cを通過することで、排気通路36aに残る水蒸気は調湿中空糸膜70Cを透過して内側を通過する乾燥空気に含まれるようになり、水蒸気は乾燥空気とともに排気管72Cを通ってハウジング11外に排出される。これにより、スチームダクト36内の排気通路36aから混合容器34を通って粉末原料容器32内の粉末原料に流入するおそれのある水蒸気を取り除いて、粉末原料容器32内の粉末原料が固化するのを防ぐことができる。
【0052】
上記のように構成した飲料供給装置10は、飲料の粉末原料を貯える粉末原料容器32と、粉末原料容器32から粉末原料を搬出する粉末原料搬出部33と、粉末原料を溶解させる原料水を供給する原料水供給部40,50とを備え、粉末原料容器32から粉末原料搬出部33によって搬出される粉末原料と原料水供給部40,50から供給される原料水とにより生成される飲料を供給するものである。この飲料供給装置10においては、粉末原料容器32内の粉末原料の固化防止のために水蒸気が透過可能な調湿中空糸膜70(70A~70C)を備え、この調湿中空糸膜70(70A~70C)内に乾燥した空気を通過させることで粉末原料容器32内の粉末原料に流入するおそれのある水蒸気を取り除いて粉末原料が固化するのを防ぐようにしたので、粉末原料容器32内の粉末原料が湿気によって固化しにくくなる。これによって、粉末原料容器32内の粉末原料が無駄に搬出されることなく、粉末原料容器32内の粉末原料が固化するのを防止することができる。
【0053】
飲料供給装置10は、粉末原料容器32内に調湿中空糸膜70Aが設けられ、この調湿中空糸膜70A内に乾燥した空気を通過させることで粉末原料容器32内を除湿するようにしている。粉末原料容器32内の水蒸気は調湿中空糸膜70A内に透過されて取り除かれるようになり、粉末原料容器32内の粉末原料が湿気によって固化するのを防止することができる。
【0054】
飲料供給装置10は、粉末原料容器32から粉末原料搬出部33によって搬出される粉末原料と原料水供給部40,50から供給される原料水を混合するための混合容器34を備えており、混合容器34内に調湿中空糸膜70Bが設けられ、この調湿中空糸膜70B内に乾燥した空気を通過させることで混合容器34内を除湿するようにしている。混合容器34内の水蒸気は調湿中空糸膜70B内に透過されて取り除かれるようになり、混合容器34から粉末原料容器32に空気が流れても、混合容器34内の空気から水蒸気が取り除かれているので、粉末原料容器32内の粉末原料が固化するのを防止することができる。なお、混合容器34内に調湿中空糸膜70Bを設けて除湿可能としたときには、混合容器内34の水蒸気を含んだ空気をスチームダクト36内に排出する頻度を低くすることができ、混合容器34の上部の開口から異物が流入する機会を減らすことができるとともに、スチームダクト36及び排気ファン37のフィルタのメンテナンスを減らすことができる。
【0055】
飲料供給装置10は、粉末原料容器32から粉末原料搬出部33によって搬出される粉末原料と原料水供給部40,50から供給される原料水を混合するための混合容器34と、混合容器34内の空気を排出するための排気通路36aを備え、排気通路36aに調湿中空糸膜70Cが設けられ、この調湿中空糸膜70C内に乾燥した空気を通過させることで排気通路36aを除湿するようにしている。混合容器34内の水蒸気を含んだ空気はスチームダクト36の排気通路36aを通って排出されるが、排気通路36aに残る水蒸気は調湿中空糸膜内70Cに透過されて取り除かれるようになり、排気通路36aから混合容器34を通って粉末原料容器32に空気が流れても、排気通路36aの空気から水蒸気が取り除かれているので、粉末原料容器32内の粉末原料が固化するのを防止することができる。
【0056】
飲料供給装置10は、混合容器34内にて粉末原料と原料水を混合して飲料を生成した後に調湿中空糸膜70A~70C内に乾燥した空気を通過させるように制御している。粉末原料容器32内の粉末原料が搬出口32cから混合容器34内に搬出されると、粉末原料容器32内が粉末原料の搬出によって負圧化され、飲料生成室12内の空気が蓋部32bと開口部32aとの間の僅かな隙間から粉末原料容器32内に流入する。混合容器34内にて粉末原料と原料水を混合して飲料を生成した後に給気弁71Aaを開放するように制御することで、粉末原料容器32内で調湿中空糸膜70A内に乾燥した空気を通過させるように制御している。これにより、混合容器34内にて粉末原料と原料水を混合して飲料を生成後に、粉末原料容器32内に流入する空気に含まれる水蒸気を調湿中空糸膜70A内に透過させることで粉末原料容器32内から取り除くことができ、粉末原料容器32内で原料粉末が固化するのを防止することができる。
【0057】
また、混合容器34内にて粉末原料と原料水を撹拌混合している間は、混合容器34内で水蒸気が継続的に発生しており、調湿中空糸膜70B内に乾燥空気を通過させても、混合容器34から水蒸気を効果的に取り除くことができない。このため、混合容器34内にて粉末原料と原料水を混合して飲料を生成した後に給気弁71Baを開放するように制御することで、混合容器34内で水蒸気が発生しなくなってから、混合容器34内で調湿中空糸膜70B内に乾燥した空気を通過させるように制御している。混合容器34内で水蒸気が発生しなくなってから、混合容器34内で粉末原料と原料水とを撹拌混合したときに発生して残る水蒸気を取り除くようにしているので、混合容器34内に残る水蒸気を調湿中空糸膜70B内に透過させて効率よく取り除くことができるようになる。
【0058】
同様に、混合容器34内にて粉末原料と原料水を撹拌混合している間は、混合容器34内で継続的に発生する水蒸気が排気通路36aに排出されるので、スチームダクト36の排気通路36aの調湿中空糸膜70C内に乾燥空気を通過させても、排気通路36aの水蒸気を効果的に取り除くことができない。このため、混合容器34内にて粉末原料と原料水を混合して飲料を生成した後に給気弁71Baを開放するように制御することで、混合容器34内で水蒸気が発生しなくなってから、排気通路36aの調湿中空糸膜70C内に乾燥した空気を通過させるように制御している。混合容器34内で水蒸気が発生しなくなってから、排気通路36aに残る水蒸気を取り除くようにしているので、排気通路36aに残る水蒸気を調湿中空糸膜70C内に透過させて効率よく取り除くことができるようになる。
【0059】
上述した実施形態の飲料供給装置10は、粉末原料容器32内、混合容器34及び排気通路36aの各々に調湿中空糸膜70A~70Cが設けられているが、本発明はこれに限られるものでなく、粉末原料容器32内、混合容器34及び排気通路36aの少なくとも1箇所に調湿中空糸膜70が設けられたものであってもよい。また、飲料供給装置10は、飲料生成室12内にて粉末原料容器32の近傍、特に、粉末原料容器32の開口部32aや搬出口32cの近傍に調湿中空糸膜70を設けるようにしてもよいし、混合容器34の上面の開口の近傍に調湿中空糸膜70を設けるようにしてもよい。
【0060】
10…飲料供給装置、32…粉末原料容器、33…粉末原料搬出部、34…混合容器、36a…排気通路、40,50…原料水供給部、70(70A~70C)…調湿中空糸膜。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7