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  • 特開-プレゼンテーション評価装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156220
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】プレゼンテーション評価装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/279 20200101AFI20231017BHJP
   G10L 15/10 20060101ALI20231017BHJP
   G06Q 10/10 20230101ALI20231017BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
G06F40/279
G10L15/10 200W
G06Q10/10
G09B19/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139758
(22)【出願日】2022-09-02
(62)【分割の表示】P 2022065821の分割
【原出願日】2022-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】511113970
【氏名又は名称】株式会社インタラクティブソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】関根 潔
【テーマコード(参考)】
5B091
5L049
【Fターム(参考)】
5B091AA15
5B091CA01
5B091CB12
5B091CD11
5L049AA11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】説明文のうち話されたものの割合で,プレゼンテーションを評価するプレゼンテーション評価装置を提供する。
【解決手段】音声を解析する音声解析部3と,プレゼンテーション資料関連情報記憶部5と,センテンス記憶部19と,プレゼンテーション評価部9と,を有し,プレゼンテーション評価部9は,センテンス記憶部19から,複数の説明文毎の1又は複数のセンテンスを読み出し,音声解析部3が取得した音声用語を用いて,複数の説明文毎の1又は複数のセンテンスが含まれたか否か判断するとともに,複数の説明文が話されたか否か判断し,プレゼンテーション資料関連情報記憶部5に記憶されたプレゼンテーション資料の説明文のうち話されたものの情報に基づいて,入力されたプレゼンテーションを評価する,プレゼンテーション評価装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声を解析する音声解析部(3)と,
プレゼンテーション資料に関する情報を記憶するプレゼンテーション資料関連情報記憶部(5)であって,前記プレゼンテーション資料に関する情報は,前記プレゼンテーション資料の各ページを特定するための情報と,前記各ページと関連して記憶された複数の説明文を含むものと,
前記複数の説明文と関連した1又は複数のセンテンスを記憶するセンテンス記憶部(19)と,
プレゼンテーションを評価するためのプレゼンテーション評価部(9)と,を有し,
前記音声解析部(3)は,
入力されたプレゼンテーションに含まれる用語である音声用語を取得し,
前記プレゼンテーション評価部(9)は,
前記センテンス記憶部(19)から,前記複数の説明文のそれぞれに関する1又は複数のセンテンスを読み出し,
前記音声解析部(3)が取得した音声用語を用いて,前記複数の説明文のそれぞれに関する1又は複数のセンテンスが含まれたか否か判断するとともに,前記複数の説明文のそれぞれが話されたか否か判断し,前記プレゼンテーション資料関連情報記憶部(5)に記憶された前記プレゼンテーション資料の説明文のうち話されたものの情報に基づいて,前記入力されたプレゼンテーションを評価する,
プレゼンテーション評価装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプレゼンテーション評価装置であって,
前記プレゼンテーション評価部(9)が前記プレゼンテーション資料関連情報記憶部(5)に記憶された前記プレゼンテーション資料の説明文のうち話されていないと判断した説明文である要発話説明文を前記プレゼンテーション資料関連情報記憶部(5)から読み出して,前記要発話説明文を表示部に表示する要発話説明文表示部(11)をさらに有する,プレゼンテーション評価装置。
【請求項3】
請求項1に記載のプレゼンテーション評価装置であって,
前記各ページに関する情報と,前記複数の説明文に関する情報と,前記複数の説明文のうち前記入力されたプレゼンテーションにより話されたものに関する情報を,表示部に表示するための説明状況表示部(13)をさらに有する,プレゼンテーション評価装置。
【請求項4】
請求項1に記載のプレゼンテーション評価装置であって,
前記複数の説明文と関連した1又は複数のキーワードを記憶するキーワード記憶部(7)をさらに有し,
前記プレゼンテーション資料に関連して記憶されたキーワードのうち,前記音声用語に含まれるものに関する情報を用いて,前記入力されたプレゼンテーションをさらに評価するためのキーワード採用率評価部(15)をさらに有する,プレゼンテーション評価装置。
【請求項5】
請求項1に記載のプレゼンテーション評価装置であって,
前記複数の説明文と関連した1又は複数のキーワードを記憶するキーワード記憶部(7)と,
前記音声解析部(3)が取得した音声用語を用いて,前記音声用語に含まれ,プレゼンテーションの内容を把握する契機となる用語であるトピックス語を抽出するトピックス語抽出部(17)をさらに有し,
前記プレゼンテーション評価部(9)は,
前記トピックス語のうち,前記キーワード記憶部(7)に記憶され,前記プレゼンテーションに関連して記憶された前記1又は複数のキーワードに相当するものに関する情報を用いて,前記入力されたプレゼンテーションをさらに評価する
プレゼンテーション評価装置。
【請求項6】
請求項5に記載のプレゼンテーション評価装置であって,
前記前記プレゼンテーション評価部(9)が評価した前記入力されたプレゼンテーションのうち評価の高いものに共通する前記トピックス語であって,前記キーワード記憶部(7)に前記1又は複数のキーワードとして登録されていないものを新たなキーワードとして,前記キーワード記憶部(7)に記憶する,
プレゼンテーション評価装置。
【請求項7】
請求項1に記載のプレゼンテーション評価装置であって,
前記複数の説明文と関連した1又は複数のキーワードを記憶するキーワード記憶部(7)をさらに有し,
前記プレゼンテーション評価部(9)は,
前記キーワード記憶部(7)から,前記複数の説明文のそれぞれに関する1又は複数のキーワードを読み出し,
前記音声解析部(3)が取得した音声用語を用いて,前記複数の説明文のそれぞれに関するキーワードが含まれたか否か判断するとともに,前記複数の説明文のそれぞれが話されたか否か判断し,前記プレゼンテーション資料関連情報記憶部(5)に記憶された前記プレゼンテーション資料の説明文のうち話されたものの情報に基づいて,キーワードに基づくプレゼンテーションの評価値とセンテンスに基づくプレゼンテーションの評価値を得て,
前記センテンス記憶部(19)から,前記複数の説明文のそれぞれに関する1又は複数のセンテンスを読み出し,
前記音声解析部(3)が取得した音声用語を用いて,前記複数の説明文のそれぞれに関する1又は複数のセンテンスが含まれたか否か判断するとともに,前記複数の説明文のそれぞれが話されたか否か判断し,前記プレゼンテーション資料関連情報記憶部(5)に記憶された前記プレゼンテーション資料の説明文のうち話されたものの情報に基づいて,センテンスに基づくプレゼンテーションの評価値を得て,
前記キーワードに基づくプレゼンテーションの評価値と前記センテンスに基づくプレゼンテーションの評価値とを用いて,最終的な評価値を得て,
前記最終的な評価値を用いて,前記入力されたプレゼンテーションを評価する,
プレゼンテーション評価装置。
【請求項8】
コンピュータを,
音声を解析する音声解析部(3)と,
プレゼンテーション資料に関する情報を記憶するプレゼンテーション資料関連情報記憶部(5)であって,前記プレゼンテーション資料に関する情報は,前記プレゼンテーション資料の各ページを特定するための情報と,前記各ページと関連して記憶された複数の説明文を含むものと,
前記複数の説明文と関連した1又は複数のセンテンスを記憶するセンテンス記憶部(19)と,
プレゼンテーションを評価するためのプレゼンテーション評価部(9)と,を有し,
前記音声解析部(3)は,
入力されたプレゼンテーションに含まれる用語である音声用語を取得し,
前記プレゼンテーション評価部(9)は,
前記センテンス記憶部(19)から,前記複数の説明文のそれぞれに関する1又は複数のセンテンスを読み出し,
前記音声解析部(3)が取得した音声用語を用いて,前記複数の説明文のそれぞれに関する1又は複数のセンテンスが含まれたか否か判断するとともに,前記複数の説明文のそれぞれが話されたか否か判断し,前記プレゼンテーション資料関連情報記憶部(5)に記憶された前記プレゼンテーション資料の説明文のうち話されたものの情報に基づいて,前記入力されたプレゼンテーションを評価する,
プレゼンテーション評価装置として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムを記録した情報記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,プレゼンテーション評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2020-119112号公報には,キーワード,関連語,及びNGワードについて,評価点記憶手段が記憶した評価点を用いて,会話を評価する装置が記載されている(請求項3)。プレゼンテーションには,各頁と関連して,説明すべきと考えられる説明文が幾つかある。この文献に記載された装置は,会話を評価することはできるものの,そのような説明文のいずれが話されたか否か評価できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-119112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
キーワードなどに基づいて評価した場合,例えばキーセンテンスの説明が抜けてしまった場合であっても,キーセンテンス以外の説明文に関するキーワードを発話できた場合に,会話の評価が高い場合があるといった問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題は,例えば,プレゼンテーションと関連して記憶されている1又は複数の説明文について,それぞれの説明文に含まれるセンテンスが所定割合以上話された場合に,その説明文が話されたと考え,説明文のうち話されたものの割合で,プレゼンテーションを評価することで解決できる。
【0006】
最初の発明は,プレゼンテーション評価装置1に関する。
プレゼンテーション評価装置は,音声解析部3と,プレゼンテーション資料関連情報記憶部5と,センテンス記憶部19と,プレゼンテーション評価部9と,を有する。
音声解析部3は,音声を解析するための要素である。
プレゼンテーション資料関連情報記憶部5は,プレゼンテーション資料に関する情報を記憶するための要素である。そして,プレゼンテーション資料に関する情報は,プレゼンテーション資料の各ページを特定するための情報と,各ページと関連して記憶された1又は複数の説明文を含む。
センテンス記憶部19は,1又は複数の説明文と関連した1又は複数のセンテンスを記憶するための要素である。あるページの説明文が複数の場合は,それぞれの説明文と関連してセンテンスが記憶される。
プレゼンテーション評価部9は,プレゼンテーションを評価するための要素である。プレゼンテーション評価部9は,センテンス記憶部19から,1又は複数の説明文毎の1又は複数のセンテンスを読み出す。
そして,プレゼンテーション評価部9は, 音声解析部3が取得した音声用語を用いて,1又は複数の説明文毎の1又は複数のセンテンスが話されたか否か判断するとともに,1又は複数の説明文が話されたか否か判断し,プレゼンテーション資料関連情報記憶部5に記憶されたプレゼンテーション資料の説明文のうち説明されたものの情報に基づいて,入力されたプレゼンテーションを評価する。
【0007】
プレゼンテーション評価装置1の好ましい例は,要発話説明文表示部11をさらに有する。要発話説明文表示部11は,要発話説明文を表示部に表示するための要素である。要発話説明文は,プレゼンテーション評価部9がプレゼンテーション資料関連情報記憶部5に記憶されたプレゼンテーション資料の説明文のうち説明されていないと判断した説明文である。要発話説明文表示部11は,要発話説明文をプレゼンテーション資料関連情報記憶部5から読み出して,表示部に表示する。
【0008】
プレゼンテーション評価装置1の好ましい例は,説明状況表示部13をさらに有する。
説明状況表示部13は,各ページに関する情報と,1又は複数の説明文に関する情報と,1又は複数の説明文のうち入力されたプレゼンテーションにより説明されたものに関する情報を,表示部に表示するための要素である。
【0009】
プレゼンテーション評価装置1の好ましい例は,キーワード記憶部7と,キーワード採用率評価部15をさらに有する。キーワード記憶部7は,1又は複数の説明文と関連した1又は複数のキーワードを記憶するための要素である。 キーワード採用率評価部15は,プレゼンテーション資料に関連して記憶されたキーワードのうち,音声用語に含まれるものに関する情報を用いて,入力されたプレゼンテーションをさらに評価するための要素である。
【0010】
プレゼンテーション評価装置1の好ましい例は,トピックス語抽出部17をさらに有する。トピックス語抽出部17は,音声解析部3が取得した音声用語を用いて,音声用語に含まれ,プレゼンテーションの内容を把握する契機となる用語であるトピックス語を抽出するための要素である。この場合,プレゼンテーション評価部9は,トピックス語のうち,キーワード記憶部7に記憶され,プレゼンテーションに関連して記憶された1又は複数のキーワードに相当するものに関する情報を用いて,入力されたプレゼンテーションをさらに評価するものが好ましい。
【0011】
プレゼンテーション評価装置1の好ましい例は,プレゼンテーション評価部9が評価した入力されたプレゼンテーションのうち評価の高いものに共通するトピックス語であって,キーワード記憶部7に1又は複数のキーワードとして登録されていないものを新たなキーワードとして,キーワード記憶部7に記憶する。
【0012】
次の発明は,コンピュータを上記したいずれかのプレゼンテーション評価装置として機能させるためのプログラムに関する。
【0013】
さらに次の発明は,上記のプログラムを記録した情報記録媒体に関する。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば,プレゼンテーションに関連した説明文をすべて説明したか否かチェックすることができ,それによりプレゼンテーションを評価できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は,プレゼンテーション評価装置の概念図である。
図2図2は,説明状況表示部による表示例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
【0017】
図1は,プレゼンテーション評価装置の概念図である。図1に示されるように,この装置1は,音声解析部3と,プレゼンテーション資料関連情報記憶部5と,センテンス記憶部19と,プレゼンテーション評価部9と,を有する。この装置1は,要発話説明文表示部11,説明状況表示部13,キーワード採用率評価部15及びトピックス語抽出部17のいずれかの要素をさらに含んでもよい。また,この装置1は,キーワード記憶部7をさらに含んでもよいし,センテンス記憶部19に替えて,キーワード記憶部7を含んでもよい。このシステムは,コンピュータやプロセッサにより実装される装置である。
【0018】
コンピュータは,入力部,出力部,制御部,演算部及び記憶部を有しており,各要素は,バスなどによって接続され,情報の授受を行うことができるようにされている。例えば,記憶部には,制御プログラムが記憶されていてもよいし,各種情報が記憶されていてもよい。入力部から所定の情報が入力された場合,制御部は,記憶部に記憶される制御プログラムを読み出す。そして,制御部は,適宜記憶部に記憶された情報を読み出し,演算部へ伝える。また,制御部は,適宜入力された情報を演算部へ伝える。演算部は,受け取った各種情報を用いて演算処理を行い,記憶部に記憶する。制御部は,記憶部に記憶された演算結果を読み出して,出力部から出力する。このようにして,各種処理や各工程が実行される。この各種処理を実行するものが,各部や各手段である。コンピュータは,プロセッサを有し,プロセッサが各種機能や各種工程を実現するものであってもよい。
【0019】
プレゼンテーション評価装置1
プレゼンテーション評価装置1は,プレゼンテーションを評価するための装置である。プレゼンテーションは,講演,講義,説明,電話対応,テレビ電話,及び会話といった資料に基いて発話が行われるあらゆるものを含む。プレゼンテーションは名詞のほかに動詞的に用いられることもある。
【0020】
音声解析部3
音声解析部3は,音声を解析するための要素である。コンピュータに入力された音声(プレゼンテーション)は,例えば,デジタル信号に変換された後,記憶部に記憶される。そして,コンピュータの制御部が,記憶部に記憶されたプログラムを読み出して,音声を解析し,解析した音声を音声用語として記憶部に記憶する。
【0021】
プレゼンテーション資料関連情報記憶部5
プレゼンテーション資料関連情報記憶部5は,プレゼンテーション資料に関する情報を記憶するための要素である。コンピュータの記憶部が,プレゼンテーション資料関連情報記憶部5として機能する。そして,プレゼンテーション資料に関する情報は,プレゼンテーション資料の各ページを特定するための情報と,各ページと関連して記憶された1又は複数の説明文を含む。説明文は,例えば,プレゼンテーションにおいて話すことが期待される文章や,プレゼンテーションの内容の解説である。例えば,説明文は,パワーポイント(登録商標)では,ノート欄に記載されることがある。それぞれの説明文は,キーワードでもよいし,1つのセンテンス(文)でもよいし,複数のセンテンスを含んでもよい。
【0022】
キーワード記憶部7
キーワード記憶部7は,1又は複数の説明文と関連した1又は複数のキーワードを記憶するための要素である。コンピュータの記憶部がキーワード記憶部7として機能する。あるページの説明文が複数ある場合は,それぞれの説明文と関連して1又は複数のキーワードが記憶される。
【0023】
センテンス記憶部19
センテンス記憶部19は,1又は複数の説明文と関連した1又は複数のセンテンスを記憶するための要素である。コンピュータの記憶部がセンテンス記憶部19として機能する。あるページの説明文が複数ある場合は,それぞれの説明文と関連して1又は複数のセンテンスが記憶されてもよい。
【0024】
プレゼンテーション評価部9
プレゼンテーション評価部9は,プレゼンテーションを評価するための要素である。例えば,コンピュータの入力部,制御部,演算部及び記憶部が,プレゼンテーション評価部9として機能する。この明細書に記載されるプレゼンテーション評価部9のある態様は,キーワードを用いてプレゼンテーションを評価するか,評価点を加算するものである。プレゼンテーション評価部9は,キーワード記憶部7から,1又は複数の説明文毎の1又は複数のキーワードを読み出す。
プレゼンテーション評価部9は,音声解析部3が取得した音声用語を用いて,1又は複数の説明文毎の1又は複数のキーワードが含まれたか否か判断する。そして,プレゼンテーション評価部9は,1又は複数の説明文が話されたか否か判断し,プレゼンテーション資料関連情報記憶部5に記憶されたプレゼンテーション資料の説明文のうち説明されたものの情報に基づいて,入力されたプレゼンテーションを評価する。
【0025】
プレゼンテーション評価部9の評価方法は,任意である。このため,プレゼンテーション評価部9は,プレゼンテーション資料関連情報記憶部5に記憶されたプレゼンテーション資料の説明文のうち説明されたものの情報に基づいて,適宜記憶部に記憶されたプログラムの指令に基づいた演算処理を行い,入力されたプレゼンテーションを評価すればよい。
例えば,あるページについてのみ評価を行う場合について説明する。このページには4つの説明文A,B,C及びDがあり,Aがキーセンテンスである。それぞれの説明文について,A1,A2,A3及びA4のように複数のキーワードが,それぞれの説明文と関連して記憶されている。コンピュータが,音声用語とキーワードを比較する。音声用語にA1,A2,A3及びA4が全て含まれている場合,コンピュータは,説明文Aが説明されたと判断する。もっとも,4つのキーワードのうち3つ以上含まれている場合といったように,所定の割合以上のキーワードが音声用語に含まれている場合に,説明文Aが説明されたと判断してもよい。さらに,コンピュータの記憶部は,各キーワードの関連語を記憶しておき,関連語が音声用語に含まれている場合に,関連語に関連したキーワードが音声用語に含まれていると判断してもよい。説明文A,B,C及びDと関連して,得点が記憶部に記憶され,コンピュータは,説明された説明文に関する得点を読み出して,読み出した得点を合算してもよい。このようにして,コンピュータは,プレゼンテーションを評価してもよい。また,プレゼンテーション資料が複数の頁を含む場合,それぞれのページの評価点を合算することでプレゼンテーション資料全体のプレゼンテーションについて評価を行ってもよい。また,重要なページとそうでないページとで,係数を異ならせてもよい。上記は一例であり,説明文が多く説明された方が,評価が高くなるように,様々な演算方法を採用して,プレゼンテーションを評価してもよい。得られた評価や評価点は,適宜出力されてもよい。例えば,得られた評価や評価点は,コンピュータの表示部に表示されてもよい。
【0026】
センテンスが説明されたか否かの評価を行うプレゼンテーション評価部9
プレゼンテーション評価部9は,センテンス記憶部19から,1又は複数の説明文毎の1又は複数のセンテンス(文)を読み出す。
プレゼンテーション評価部9は,音声解析部3が取得した音声用語を用いて,1又は複数の説明文毎の1又は複数のセンテンスが含まれたか否か判断する。例えば,特開2021-197015号公報には,ソースセンテンスからターゲットセンテンスを推論するためのニューラル機械翻訳モデルが記載されている。このように,あるセンテンスと別のあるセンテンスとが一致するか否かを求めるセンテンス一致解析装置は,公知である。この発明のプレゼンテーション評価部9は,センテンス一致解析装置を有し,音声解析部3が取得した音声用語を用いて,1又は複数の説明文毎の1又は複数のセンテンスが含まれたか否か判断する。そして,プレゼンテーション評価部9は,1又は複数の説明文が話されたか否か判断し,プレゼンテーション資料関連情報記憶部5に記憶されたプレゼンテーション資料の説明文のうち説明されたものの情報に基づいて,入力されたプレゼンテーションを評価する。プレゼンテーション評価部9の評価方法は,任意である。このため,プレゼンテーション評価部9は,プレゼンテーション資料関連情報記憶部5に記憶されたプレゼンテーション資料の説明文のうち説明されたものの情報に基づいて,適宜記憶部に記憶されたプログラムの指令に基づいた演算処理を行い,入力されたプレゼンテーションを評価すればよい。具体的な評価例は,上記したキーワードを用いるものと同様のものを採用すればよい。このようにして,プレゼンテーション評価部9は,センテンスに基づくプレゼンテーションの評価値を得ることができる。
【0027】
例えば,あるページについてのみ評価を行う場合について説明する。このページには4つの説明文A,B,C及びDがあり,Aがキーとなる説明文である。それぞれの説明文について,A1,A2,A3及びA4のように複数のセンテンスが,それぞれの説明文と関連して記憶されている。センテンスは,通常「。」で終わる文である。コンピュータが,音声用語とセンテンスを比較する。音声用語にセンテンスA1,A2,A3及びA4が全て含まれている場合,コンピュータは,説明文Aが説明されたと判断する。もっとも,4つのセンテンスのうち3つ以上含まれている場合といったように,所定の割合以上のセンテンスが音声用語に含まれている場合に,説明文Aが説明されたと判断してもよい。さらに,コンピュータの記憶部は,各説明文のキーワードを記憶しておき,説明されていないと判断された説明文及びセンテンスのいずれか又は両方に関するキーワードが所定以上(所定数以上や所定の割合以上)音声用語に含まれている場合に,その説明文又はセンテンスが音声用語に含まれていると判断してもよい。説明文A,B,C及びDと関連して,得点が記憶部に記憶され,コンピュータは,説明された説明文に関する得点を読み出して,読み出した得点を合算してもよい。このようにして,コンピュータは,プレゼンテーションを評価してもよい。評価点の算出方法は任意である。また,プレゼンテーション資料が複数の頁を含む場合,それぞれのページの評価点を合算することでプレゼンテーション資料全体のプレゼンテーションについて評価を行ってもよい。また,重要なページとそうでないページとで,係数を異ならせてもよい。上記は一例であり,説明文が多く説明された方が,評価が高くなるように,様々な演算方法を採用して,プレゼンテーションを評価してもよい。得られた評価や評価点は,適宜出力されてもよい。例えば,得られた評価や評価点は,コンピュータの表示部に表示されてもよい。
【0028】
上記の態様のプレゼンテーション評価装置1は,音声解析部3と,プレゼンテーション資料関連情報記憶部5と,センテンス記憶部19と,プレゼンテーション評価部9と,を有する。
センテンス記憶部19は,1又は複数の説明文と関連した1又は複数のセンテンスを記憶するための要素である。あるページの説明文が複数の場合は,それぞれの説明文と関連してセンテンスが記憶される。
プレゼンテーション評価部9は,プレゼンテーションを評価するための要素である。プレゼンテーション評価部9は,センテンス記憶部19から,1又は複数の説明文毎の1又は複数のセンテンスを読み出す。
そして,プレゼンテーション評価部9は,音声解析部3が取得した音声用語を用いて,1又は複数の説明文毎の1又は複数のセンテンスが含まれたか否か判断するとともに,1又は複数の説明文が話されたか否か判断し,プレゼンテーション資料関連情報記憶部5に記憶されたプレゼンテーション資料の説明文のうち説明されたものの情報に基づいて,入力されたプレゼンテーションを評価する。
【0029】
プレゼンテーション評価部9は,キーワードに基づくプレゼンテーションの評価値を得て,キーワードに基づくプレゼンテーションの評価値に基づいて,プレゼンテーションを評価してもよい。例えば,プレゼンテーション評価部9は,評価値を出力してもよいし,評価値に基づくグレードを出力してもよい。また,プレゼンテーション評価部9は,キーワードに基づくプレゼンテーションの評価値とセンテンスに基づくプレゼンテーションの評価値とを用いて,最終的な評価値を得てもよい。最終的な評価値を得る方法は,公知であり,公知の演算を用いて,最終的な評価値を得ればよい。プレゼンテーション評価部9は,記憶部からキーワードに基づくプレゼンテーションの評価値とセンテンスに基づくプレゼンテーションの評価値を読み出し,記憶部から読み出したプログラムに基づく演算処理を演算部に行わせ,最終的な評価値を得ればよい。演算の例は,プレゼンテーションの評価値とセンテンスに基づくプレゼンテーションの評価値とを合算するものである。演算の別の例は,適切な係数をプレゼンテーションの評価値とセンテンスに基づくプレゼンテーションの評価値とのいずれか1つまたは両方に乗算したうえで,それらを加算し,最終的な評価値を得るというものである。なお,プレゼンテーション評価部9が,センテンスに基づくプレゼンテーションの評価値に基づいて,プレゼンテーションを評価するものは,この明細書に記載された上記とは別の態様である。
【0030】
上記のプレゼンテーション評価装置は,コンピュータに基づく装置である。
そして,コンピュータが,プレゼンテーション資料に関する情報を記憶する。プレゼンテーション資料に関する情報は,プレゼンテーション資料の各ページを特定するための情報と,各ページと関連して記憶された1又は複数の説明文を含む。
コンピュータが,1又は複数の説明文と関連した1又は複数のキーワードを記憶する。
コンピュータにプレゼンテーションが入力されると,
コンピュータが,プレゼンテーションの音声を解析し,入力されたプレゼンテーションに含まれる用語である音声用語を取得する。
コンピュータが,1又は複数の説明文毎の1又は複数のキーワードを読み出す。
コンピュータが,音声用語を用いて,1又は複数の説明文毎の1又は複数のキーワードが含まれたか否か判断するとともに,1又は複数の説明文が話されたか否か判断し,プレゼンテーション資料の説明文のうち説明されたものの情報に基づいて,入力されたプレゼンテーションを評価する。
【0031】
なお,上記とは別の態様は,以下のものである。
コンピュータが,1又は複数の説明文毎の1又は複数のセンテンスを読み出す。
そして,コンピュータが,音声用語を用いて,1又は複数の説明文毎の1又は複数のセンテンスが含まれたか否か判断するとともに,1又は複数の説明文が話されたか否か判断し,プレゼンテーション資料の説明文のうち説明されたものの情報に基づいて,入力されたプレゼンテーションを評価する。
【0032】
要発話説明文表示部11
要発話説明文表示部11は,要発話説明文を表示部に表示するための要素である。要発話説明文は,プレゼンテーション評価部9がプレゼンテーション資料関連情報記憶部5に記憶されたプレゼンテーション資料の説明文のうち説明されていないと判断した説明文である。要発話説明文表示部11は,要発話説明文をプレゼンテーション資料関連情報記憶部5から読み出して,表示部に表示する。
【0033】
例えば,説明文Bに関して,キーワードB1,B2,B3及びB4が記憶部に記憶されていたとする。コンピュータが,音声用語とキーワードB1,B2,B3及びB4を比較する。例えば,コンピュータが,音声用語にキーワードB1,B2,B3及びB4のいずれかが含まれていないと判断した場合,コンピュータは,説明文Bが説明されていないと判断する。この際,例えば,キーワードの説明率を記憶部に記憶して置き,その説明率を下回った場合に,説明文Bが説明されていないと判断してもよい。例えば,説明率が70%であれば,音声用語にキーワードB1,B2,B3及びB4のいずれか2つ以上が含まれていない場合にコンピュータが,説明文Bが説明されていないと判断してもよい。
この場合,話者のモニターには,説明文Bが表示され,話者が説明文Bを説明することを促してもよい。また,話者が,プレゼンテーションを反省する際に,説明文Bを説明できなかったことを把握できるようにしてもよい。
【0034】
説明状況表示部13
説明状況表示部13は,各ページに関する情報と,1又は複数の説明文に関する情報と,1又は複数の説明文のうち入力されたプレゼンテーションにより説明されたものに関する情報を,表示部に表示するための要素である。各ページに関する情報の例は,プレゼンテーションの各ベージのサルネイム表示である。サルネイム表示は,プレゼンテーションをデフォルメして小さく表示したものである。
【0035】
図2は,説明状況表示部による表示例を示す概念図である。図2の例では,プレゼンテーション資料が5ページからなる。そして,それぞれのページには,それぞれ3つの説明文が存在する。ある者のプレゼンテーションで説明がなされた説明文に,レ点が振られている。この者のプレゼンテーションでは,15個の説明文のうち10個の説明文を説明したことがわかる。このように説明状況を表示することで,話者がどの説明文を説明できたかを容易に把握できることとなる。
【0036】
キーワード採用率評価部15
キーワード採用率評価部15は,プレゼンテーション資料に関連して記憶されたキーワードのうち,音声用語に含まれるものに関する情報を用いて,入力されたプレゼンテーションをさらに評価するための要素である。
【0037】
例えば,あるページについてのみ評価を行う場合について説明する。このページには4つの説明文A,B,C及びDがあり,それぞれの説明文について,A1,A2,A3及びA4のように4のキーワードが,それぞれの説明文と関連して記憶されている。すると,このページには,合計すると16個のキーワードが記憶されていることとなる。コンピュータは,このキーワードを記憶部から読み出して,音声用語と比較する。このようにして,コンピュータは,音声用語に含まれるキーワードとそうでないキーワードとを把握する。例えば,入力されたプレゼンテーションに関する音声用語に10個のキーワードが含まれていた場合,コンピュータは含まれていたキーワードの数を,あるページと関連して記憶部に記憶されているキーワードの数で除する演算を行うことで,キーワード採用率を求めることができる。キーワード採用率は,プレゼンテーション資料全体で行ってもよい。また,キーワードが多く含まれた方が採用率が高くなるような適切な演算を採用することで,キーワード採用率を求めてもよい。
【0038】
トピックス語抽出部17
トピックス語抽出部17は,音声解析部3が取得した音声用語を用いて,音声用語に含まれ,プレゼンテーションの内容を把握する契機となる用語であるトピックス語を抽出するための要素である。この場合,プレゼンテーション評価部9は,トピックス語のうち,キーワード記憶部7に記憶され,プレゼンテーションに関連して記憶された1又は複数のキーワードに相当するものに関する情報を用いて,入力されたプレゼンテーションをさらに評価するものが好ましい。
【0039】
例えば,あるページについてのトピックス語を得る場合について説明する。このページには4つの説明文A,B,C及びDがあり,それぞれの説明文について,A1,A2,A3及びA4のように4のキーワードが,それぞれの説明文と関連して記憶されている。コンピュータは,音声用語を品詞解析し,複数の名詞を抽出し,記憶部に記憶する。そして,コンピュータは,記憶された名詞を読み出し,そのページと関連して記憶されたキーワードとを照合する演算を行う。すると,記憶部に記憶された名詞のうちいずれのキーワードにも相当しないものがある。コンピュータはその名詞を,トピックス語の候補として記憶部に記憶する。このトピックス語の候補を,トピックス語としてもよい。また,トピックス語の候補と,プレゼンテーション資料に関するキーワードとを用いて,インターネット検索を行い,同じウェブサイトに所定の閾値異常トピックス語の候補とキーワードとが用いられている場合に,このトピックス語の候補を,トピックス語としてもよい。トピックス語の候補を,トピックス語とする演算は適宜調整したものを採用すればよい。このようにして,トピックス語抽出部17が,音声用語からトピックス語を抽出する。抽出したトピックス語は,適宜記憶部に記憶される。
【0040】
キーワード更新部
プレゼンテーション評価装置1の好ましい例は,プレゼンテーション評価部9が評価した入力されたプレゼンテーションのうち評価の高いものに共通するトピックス語であって,キーワード記憶部7に1又は複数のキーワードとして登録されていないものを新たなキーワードとして,キーワード記憶部7に記憶する。
【0041】
例えば,複数の者のプレゼンテーションと関連して,評価値とトピックス語が記憶部に記憶される。コンピュータは閾値を記憶し,閾値以上の評価値を成績優秀者(評価の高いもの)とする。そして,複数の評価の高いもののプレゼンテーションと関連して所定の閾値以上の割合であるトピックス語が用いられている場合,コンピュータはそのトピックス語を新たなキーワードとして,記憶部に記憶する。
【0042】
この明細書は,コンピュータに,上記した装置として機能させるためのプログラム,上記した装置に基づく方法を実装させるためのプログラム,及びそのようなプログラムを記憶したコンピュータが読み取ることのできる情報記録媒体をも開示する。情報記録媒体は,非一時的記録媒体であることが好ましい。情報記録媒体の例は,CD,CD-ROM,DVD,USBメモリ,ハードディスク,及びサーバー上のディスクである。
【産業上の利用可能性】
【0043】
この発明は,プレゼンテーション支援装置に関するので,情報関連産業において利用されうる。
【符号の説明】
【0044】
1 プレゼンテーション評価装置
3 音声解析部
5 プレゼンテーション資料関連情報記憶部
7 キーワード記憶部
9 プレゼンテーション評価部
11 要発話説明文表示部
13 説明状況表示部
15 キーワード採用率評価部
17 トピックス語抽出部
19 センテンス記憶部
図1
図2