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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156230
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】光位相変調器
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/025 20060101AFI20231017BHJP
【FI】
G02F1/025
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021801
(22)【出願日】2023-02-15
(31)【優先権主張番号】P 2022065866
(32)【優先日】2022-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 拓
(72)【発明者】
【氏名】山下 達弥
(72)【発明者】
【氏名】武 直矢
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雅重
【テーマコード(参考)】
2K102
【Fターム(参考)】
2K102AA18
2K102BA02
2K102BB04
2K102BC04
2K102BC05
2K102BD01
2K102CA21
2K102DA05
2K102DD03
2K102EA08
(57)【要約】
【課題】変調損失が大きくなることを抑制しつつ、光の実効屈折率が低下することを抑制する。
【解決手段】リブ部20は、幅方向にN型の第1リブ部21とP型の第2リブ部22とが配置され、第1スラブ部31は、N型とされ、第1リブ部21と接続されて第2リブ部22と反対側に配置され、第2スラブ部32は、P型とされ、第2リブ部22と接続されて第1リブ部21と反対側に配置され、第3スラブ部33は、P型とされ、第1リブ部21と接続されて第2リブ部22と反対側に配置され、第4スラブ部34は、N型とされ、第2リブ部22と接続されて第1リブ部21と反対側に配置される。そして、延設方向を法線方向とする断面では、延設方向に沿って、リブ部20と第1スラブ部31および第2スラブ部32とで構成されるPN構造と、リブ部20と第3スラブ部33および第4スラブ部34とで構成されるPNPN構造とが交互に配置されるようにする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リブ部(20)を有する光位相変調器であって、
一方向を延設方向として延設された前記リブ部と、
前記リブ部よりも厚さが薄くされ、前記リブ部と接続される状態で配置された第1~第4スラブ部(31~34)と、を備え、
前記リブ部は、前記延設方向および厚さ方向と交差する幅方向に沿ってN型の第1リブ部(21)とP型の第2リブ部(22)とが配置され、前記延設方向に沿って前記第1リブ部と前記第2リブ部との間にPN接合が構成されており、
前記第1スラブ部は、N型とされ、前記第1リブ部と接続されると共に前記第1リブ部を挟んで前記第2リブ部と反対側に配置され、
前記第2スラブ部は、P型とされ、前記第2リブ部と接続されると共に前記第2リブ部を挟んで前記第1リブ部と反対側に配置され、
前記第3スラブ部は、P型とされ、前記第1リブ部と接続されると共に前記第1リブ部を挟んで前記第2リブ部と反対側に配置され、
前記第4スラブ部は、N型とされ、前記第2リブ部と接続されると共に前記第2リブ部を挟んで前記第1リブ部と反対側に配置され、
前記延設方向を法線方向とする断面では、前記延設方向に沿って、前記リブ部と前記第1スラブ部および前記第2スラブ部とで構成されるPN構造と、前記リブ部と前記第3スラブ部および前記第4スラブ部とで構成されるPNPN構造とが交互に配置されている光位相変調器。
【請求項2】
前記第1リブ部と前記第2リブ部との境界面を基準とし、前記第1リブ部および前記第1スラブ部と、前記第2リブ部および前記第2スラブ部とが対称に配置されている請求項1に記載の光位相変調器。
【請求項3】
前記第1リブ部と前記第2リブ部との境界面を基準とし、前記第1リブ部および前記第3スラブ部と、前記第2リブ部および前記第4スラブ部とが対称に配置されている請求項2に記載の光位相変調器。
【請求項4】
前記第3スラブ部および前記第4スラブ部は、前記第1スラブ部および前記第2スラブ部より前記延設方向に沿った長さが長くされている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の光位相変調器。
【請求項5】
前記第1スラブ部と前記第3スラブ部との間、および前記第2スラブ部と前記第4スラブ部との間には、不純物がドープされていない分離領域(81、82、91、92)が配置されている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の光位相変調器。
【請求項6】
支持基板(11)、絶縁膜(12)、活性層(13)が順に積層された半導体基板(10)を有し、
前記リブ部および前記第1~第4スラブ部は、前記活性層で構成されており、
前記分離領域は、絶縁膜で構成されている請求項5に記載の光位相変調器。
【請求項7】
前記リブ部および前記第1~第4スラブ部を覆う層間絶縁膜(60)と、
N型の前記第1スラブ部と接続される第1電極(71)と、
P型の前記第2スラブ部と接続される第2電極(72)と、
P型の前記第3スラブ部と接続される第3電極(73)と、
N型の前記第4スラブ部と接続される第4電極(74)と、を有し、
前記層間絶縁膜は、第1層間絶縁膜(61)と第2層間絶縁膜(62)とが積層されて構成され、
前記第1電極および前記第4電極と、前記第2電極および前記第3電極とは、一方の電極が前記第1層間絶縁膜上に配置されて互いに接続され、他方の電極が前記第2層間絶縁膜上に配置されて互いに接続されている請求項1に記載の光位相変調器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リブ部を有する光位相変調器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、PN接合を有する光位相変調器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、この光位相変調器では、一方向を延設方向として延設されたリブ部と、リブ部の両側に配置され、リブ部と繋がると共に、リブ部より厚さが薄くされた第1スラブ部および第2スラブ部とを有する光導波路を有している。
【0003】
リブ部は、延設方向および厚さ方向に対して交差する方向を幅方向とすると、幅方向にN型の第1リブ部とP型の第2リブ部とが配列されている。また、第1リブ部および第2リブ部は、延設方向に沿って周期的に配置されている。そして、延設方向に沿って隣合う第1リブ部の間には、第2リブ部が入り込んだ状態となっている。同様に、延設方向に沿って隣合う第2リブ部の間には、第1リブ部が入り込んだ状態となっている。つまり、この光位相変調器におけるリブ部は、平面形状において、略L字状とされた第1リブ部と第2リブ部とが嵌め合された状態となっている。このため、この光位相変調器では、延設方向と交差する方向にPN接合を有する構成となっている。
【0004】
以下、延設方向に沿って隣合う第2リブ部の間に配置された第1リブ部を第1接続部とし、延設方向に沿って延びる第1リブ部を第1主部とする。同様に、延設方向に沿って隣合う第1リブ部の間に配置された第2リブ部を第2接続部とし、延設方向に沿って延びる第2リブ部を第2主部とする。つまり、この光位相変調器におけるリブ部では、延設方向に沿って、第1主部および第2接続部が交互に配列されていると共に、第2主部および第1接続部が交互に配置されている。
【0005】
第1スラブ部は、P型とされ、第1主部および第2接続部と接続されている。このため、第2主部は、第2接続部を介して第1スラブ部と接続されている。また、第1スラブ部が第1主部と接続されるため、第1リブ部(すなわち、第1主部)と第1スラブ部との間にPN接合が構成されている。
【0006】
第2スラブ部は、N型とされ、第2主部および第1接続部と接続されている。このため、第1主部は、第1接続部を介して第2スラブ部と接続されている。また、第2スラブ部が第2主部と接続されるため、第2リブ部(すなわち、第2主部)と第2スラブ部との間にはPN接合が構成されている。
【0007】
このような光位相変調器では、リブ部内のPN接合に加え、第1リブ部と第1スラブ部との間、および第2リブ部と第2スラブ部との間にもPN接合が構成される。このため、PN接合に逆バイアス電圧が印加された際に空乏層が広がる領域を多くでき、光の実効屈折率を高くできることが期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2017/0315387号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のような光位相変調器では、PN接合に逆バイアス電圧が印加された際、第1接続部および第2接続部のキャリアが先に完全に排出されてしまう可能性がある。この場合、上記のような光位相変調器では、第1主部および第2主部に逆バイアス電圧が印加され難くなり、第1主部および第2主部のキャリアを十分に排出できなくなる可能性がある。したがって、上記のような光位相変調器では、PN接合に逆バイアス電圧が印加された際、第1接続部および第2接続部のキャリアが先に完全に排出されない構成とされることが考えられる。しかしながら、PN接合に逆バイアス電圧が印加された際に第1接続部および第2接続部のキャリアが残るようにした場合、残存キャリアによって光が吸収されるため、変調損失が大きくなる。
【0010】
本発明は上記点に鑑み、変調損失が大きくなることを抑制しつつ、光の実効屈折率が低下することを抑制できる光位相変調器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための請求項1は、リブ部(20)を有する光位相変調器であって、一方向を延設方向として延設されたリブ部と、リブ部よりも厚さが薄くされ、リブ部と接続される状態で配置された第1~第4スラブ部(31~34)と、を備え、リブ部は、延設方向および厚さ方向と交差する幅方向に沿ってN型の第1リブ部(21)とP型の第2リブ部(22)とが配置され、延設方向に沿って第1リブ部と第2リブ部との間にPN接合が構成されており、第1スラブ部は、N型とされ、第1リブ部と接続されると共に第1リブ部を挟んで第2リブ部と反対側に配置され、第2スラブ部は、P型とされ、第2リブ部と接続されると共に第2リブ部を挟んで第1リブ部と反対側に配置され、第3スラブ部は、P型とされ、第1リブ部と接続されると共に第1リブ部を挟んで第2リブ部と反対側に配置され、第4スラブ部は、N型とされ、第2リブ部と接続されると共に第2リブ部を挟んで第1リブ部と反対側に配置され、延設方向を法線方向とする断面では、延設方向に沿って、リブ部と第1スラブ部および第2スラブ部とで構成されるPN構造と、リブ部と第3スラブ部および第4スラブ部とで構成されるPNPN構造とが交互に配置されている。
【0012】
これによれば、光位相変調器は、PN接合が構成される部分と、PNPN接合が構成される部分とが延設方向に交互に繰り返し配置された構成とされている。そして、逆バイアス電圧が印加されると、第1リブ部と第2リブ部との間、第1リブ部と第3スラブ部との間、第2リブ部と第4スラブ部との間のPN接合で空乏層が広がる。このため、光の実効屈折率が低くなることを抑制できる。
【0013】
また、第1リブ部は、第1リブ部を挟んで第2リブ部と反対側に配置された第1スラブ部と電気的に接続されている。第2リブ部は、第2リブ部を挟んで第1リブ部と反対側に配置された第2スラブ部と電気的に接続されている。そして、この光位相変調器では、リブ部内に、延設方向と交差するPN接合が配置されていない。このため、残存キャリアによる変調損失が大きくなることを抑制できる。
【0014】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態における光位相変調器の平面図である。
図2図1中のII-II線に沿った断面図である。
図3図1中のIII-III線に沿った断面図である。
図4】第2実施形態における光位相変調器の平面図である。
図5図4中のV-V線に沿った断面図である。
図6】第3実施形態における光位相変調器の断面図である。
図7】第4実施形態における光位相変調器の平面図である。
図8図7中のVIII-VIII線に沿った断面図である。
図9図7中のIX-IX線に沿った断面図である。
図10】第5実施形態における光位相変調器の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0017】
(第1実施形態)
第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態の光位相変調器は、光ファイバ用の通信デバイス等に利用されると好適である。
【0018】
本実施形態の光位相変調器は、図1図3に示されるように、支持基板11、絶縁膜12、活性層13が積層されたSOI(Silicon On Insulatorの略)基板で構成される半導体基板10を用いて構成されている。本実施形態では、支持基板11がシリコン等で構成され、絶縁膜12が酸化膜等で構成され、活性層13がシリコン等で構成されている。以下、半導体基板10の面方向に対する法線方向に沿った方向を厚さ方向ともいい、厚さ方向と交差する方向(すなわち、直交する方向)であって、半導体基板10の面方向に沿った方向を幅方向ともいう。なお、半導体基板10の面方向に対する法線方向とは、言い換えると、支持基板11、絶縁膜12、活性層13の積層方向に沿った方向である。また、図1では、後述する層間絶縁膜60を省略して示している。
【0019】
活性層13は、不純物がドープされたリブ部20、第1スラブ部31、第2スラブ部32、第3スラブ部33、第4スラブ部34を有している。また、活性層13は、第1接続部41、第2接続部42、第3接続部43、第4接続部44、第1コンタクト部51、第2コンタクト部52、第3コンタクト部53、および第4コンタクト部54を有している。
【0020】
具体的には、リブ部20は、半導体基板10の面方向における一方向を延設方向(以下では、単に延設方向ともいう)として延設されている。例えば、図1中では、紙面上下方向が延設方向となる。そして、リブ部20は、幅方向に、N型の第1リブ部21と、P型の第2リブ部22とが配列され、第1リブ部21と第2リブ部22との間にPN接合が構成されている。なお、第1リブ部21および第2リブ部22は、延設方向にて分断されることなく延設されている。また、本実施形態では、第1リブ部21および第2リブ部22は、不純物濃度が同程度とされている。
【0021】
第1スラブ部31は、N型とされており、第1リブ部21と接続されるように、第2リブ部22と反対側に配置されている。また、第1スラブ部31は、第1リブ部21と同じ不純物濃度とされている。第2スラブ部32は、P型とされており、第2リブ部22と接続されるように、第1リブ部21と反対側に配置されている。また、第2スラブ部32は、第2リブ部22と同じ不純物濃度とされている。そして、第1スラブ部31および第2スラブ部32は、延設方向に沿って周期的に配置されている。つまり、第1スラブ部31および第2スラブ部32は、それぞれ延設方向に離間した状態で複数配置されている。
【0022】
また、本実施形態では、第1リブ部21および第1スラブ部31と、第2リブ部22および第2スラブ部32とは、第1リブ部21と第2リブ部22との境界面(すなわち、リブ部20のPN接合面)を基準として対称に形成されている。
【0023】
第3スラブ部33は、P型とされており、第1リブ部21と接続されるように、第2リブ部22と反対側に配置されている。詳しくは、第3スラブ部33は、延設方向に沿って隣合う第1スラブ部31の間に配置されている。また、第3スラブ部33は、第2リブ部22と同じ不純物濃度とされている。
【0024】
第4スラブ部34は、N型とされており、第2リブ部22と接続されるように、第1リブ部21と反対側に配置されている。詳しくは、第4スラブ部34は、延設方向に沿って隣合う第2スラブ部32の間に配置されている。また、第4スラブ部34は、第1リブ部21と同じ不純物濃度とされている。
【0025】
そして、本実施形態では、第3スラブ部33および第4スラブ部34は、第1リブ部21と第2リブ部22との境界面を基準として対称に形成されている。また、本実施形態では、第3スラブ部33および第4スラブ部34は、第1スラブ部31および第2スラブ部32よりも延設方向に沿った長さが長くされている。
【0026】
さらに、第1~第4スラブ部31~34は、厚さがリブ部20よりも薄くされている。
【0027】
そして、本実施形態では、リブ部20および第1~第4スラブ部31~34を光導波路OWとすると、光導波路OWは、次のように構成されている。すなわち、光導波路OWは、延設方向を法線方向とする断面において、PN接合が構成される部分と、PNPN接合が構成される部分とが延設方向に交互に繰り返し配置された構成とされている。つまり、リブ部20は、第1リブ部21内に第1リブ部21を横断して第2リブ部22と接続される接続部分が配置されておらず、第2リブ部22内に第2リブ部22を横断して第1リブ部21と接続される接続部分が配置されていない。言い換えると、リブ部20では、延設方向と交差するPN接合が形成されていない。
【0028】
第1接続部41は、不純物濃度が第1スラブ部31よりも高くされたN型とされ、第1スラブ部31を挟んで第1リブ部21と反対側に配置されて第1スラブ部31と接続されている。第2接続部42は、不純物濃度が第2スラブ部32よりも高くされたP型とされ、第2スラブ部32を挟んで第2リブ部22と反対側に配置されて第2スラブ部32と接続されている。そして、本実施形態の第1、第2接続部41、42は、第1、第2スラブ部31、32と延設方向の長さおよび厚さが同じとされている。
【0029】
第3接続部43は、不純物濃度が第3スラブ部33よりも高くされたP型とされ、第3スラブ部33を挟んで第1リブ部21と反対側に配置されて第3スラブ部33と接続されている。第4接続部44は、不純物濃度が第4スラブ部34よりも高くされたN型とされ、第4スラブ部34を挟んで第2リブ部22と反対側に配置されて第4スラブ部34と接続されている。そして、本実施形態の第3、第4接続部43、44は、第3、第4スラブ部33、34と延設方向の長さおよび厚さが同じとされている。
【0030】
第1コンタクト部51は、不純物濃度が第1接続部41よりも高くされたN++型とされ、第1接続部41を挟んで第1リブ部21と反対側に配置されて第1接続部41と接続されている。第2コンタクト部52は、不純物濃度が第2接続部42よりも高くされたP++型とされ、第2接続部42を挟んで第2リブ部22と反対側に配置されて第2接続部42と接続されている。そして、本実施形態の第1、第2コンタクト部51、52は、第1、第2スラブ部31、32と延設方向の長さが同じとされている。また、本実施形態の第1、第2コンタクト部51、52は、リブ部20と厚さが同じとされている。
【0031】
第3コンタクト部53は、不純物濃度が第3接続部43よりも高くされたP++型とされ、第3接続部43を挟んで第1リブ部21と反対側に配置されて第3接続部43と接続されている。第4コンタクト部54は、不純物濃度が第4接続部44よりも高くされたN++型とされ、第4接続部44を挟んで第2リブ部22と反対側に配置されて第4接続部44と接続されている。そして、本実施形態の第3、第4コンタクト部53、54は、第3、第4スラブ部33、34と延設方向の長さが同じとされている。また、本実施形態の第3、第4コンタクト部53、54は、リブ部20と厚さが同じとされている。
【0032】
活性層13上には、層間絶縁膜60が配置されている。層間絶縁膜60には、第1コンタクト部51を露出させる第1コンタクトホール61が形成されていると共に、第2コンタクト部52を露出させる第2コンタクトホール62が形成されている。層間絶縁膜60には、第3コンタクト部53を露出させる第3コンタクトホール63が形成されていると共に、第4コンタクト部54を露出させる第4コンタクトホール64が形成されている。
【0033】
層間絶縁膜60上には、第1コンタクトホール61を通じて第1コンタクト部51と接続される第1電極71が形成されていると共に、第2コンタクトホール62を通じて第2コンタクト部52と接続される第2電極72が形成されている。層間絶縁膜60上には、第3コンタクトホール63を通じて第3コンタクト部53と接続される第3電極73が形成されていると共に、第4コンタクトホール64を通じて第4コンタクト部54と接続される第4電極74が形成されている。
【0034】
以上が本実施形態における光位相変調器の構成である。次に、光位相変調器の作動について説明する。
【0035】
本実施形態の光位相変調器では、主にリブ部20の延設方向に沿って光が伝搬する。そして、第1、第4電極71、74に第2、第3電極72、73より高い電圧(すなわち、逆バイアス電圧)が印加されることにより、PN接合で空乏層が広がり、キャリア密度が減少する。この際、本実施形態では、第1リブ部21と第2リブ部22との間、第1リブ部21と第3スラブ部33との間、第2リブ部22と第4スラブ部34との間のPN接合で空乏層が広がる。このため、光の実効屈折率の変化を大きくできる。なお、図1図3は、逆バイアス電圧が印加された際の状態を示しており、第1、第4電極71、74に第2、第3電極72、73より高い電圧が印加される状態として、電圧Vと電圧Vを示している。そして、後述の対応する各図においても、同様の電圧Vと電圧Vを示している。
【0036】
また、本実施形態では、リブ部20では、第1リブ部21内に第1リブ部21を横断して第2リブ部22と接続される接続部分が配置されておらず、第2リブ部22内に第2リブ部22を横断して第1リブ部21と接続される接続部分が配置されていない。このため、変調損失が大きくなることを抑制できる。ここで、第1リブ部21内に第1リブ部21を横断して第2リブ部22と接続される接続部分が配置され、第2リブ部22内に第2リブ部22を横断して第1リブ部21と接続される接続部分が配置されている光位相変調器を比較例の位相変調器とする。つまり、リブ部20内に、延設方向と交差する方向に沿ったPN接合を有する位相変調器を比較例の位相変調器とする。
【0037】
この場合、比較例の位相変調器では、上記のように、PN接合に逆バイアス電圧が印加された際に各接続部分のキャリアが残るように構成されるため、残存キャリアによる光の吸収によって変調損失が大きくなる。このため、リブ部20の延設方向と交差する界面(すなわち、PN接合)の数が多くなるほど変調損失が大きくなる。これに対し、本実施形態の光位相変調器では、リブ部20内に延設方向と交差する界面が配置されていないため、残存キャリアによる変調損失が大きくなることを抑制できる。
【0038】
以上説明した本実施形態によれば、光導波路OWは、延設方向を法線方向とする断面において、PN接合が構成される部分と、PNPN接合が構成される部分とが延設方向に交互に繰り返し配置された構成とされている。そして、逆バイアス電圧が印加されると、第1リブ部21と第2リブ部22との間、第1リブ部21と第3スラブ部33との間、第2リブ部22と第4スラブ部34との間のPN接合で空乏層が広がる。このため、光の実効屈折率が低くなることを抑制でき、位相変化量が低くなることを抑制できる。
【0039】
また、本実施形態によれば、第1リブ部21は、第1リブ部21を挟んで第2リブ部22と反対側に配置された第1スラブ部31と電気的に接続されている。第2リブ部22は、第2リブ部22を挟んで第1リブ部21と反対側に配置された第2スラブ部32と電気的に接続されている。このため、本実施形態の光位相変調器では、リブ部20内に、延設方向と交差する界面が配置されていない。このため、残存キャリアによる変調損失が大きくなることを抑制できる。
【0040】
(1)本実施形態では、第1リブ部21および第1スラブ部31と、第2リブ部22および第2スラブ部32とは、第1リブ部21と第2リブ部22との境界面を基準として対称に形成されている。このため、PN接合に逆バイアス電圧が印加された際に第1リブ部21と第2リブ部22との間で空乏層の広がりが偏ることを抑制でき、変調損失が増加することを抑制できる。
【0041】
(2)本実施形態では、第3スラブ部33および第4スラブ部34は、第1リブ部21と第2リブ部22との境界面を基準として対称に形成されている。このため、PN接合に逆バイアス電圧が印加された際、第1リブ部21と第3スラブ部33との間、および第2リブ部22と第4スラブ部34との間で空乏層の広がりが偏ることを抑制でき、変調損失が増加することを抑制できる。
【0042】
(3)本実施形態では、第3スラブ部33および第4スラブ部34は、第1スラブ部31および第2スラブ部32よりも延設方向に沿った長さが長くされている。このため、第3スラブ部33および第4スラブ部34が第1スラブ部31および第2スラブ部32より延設方向に沿った長さが短くされている場合と比較して、リブ部20との間に構成されるPN接合の領域を大きくできる。このため、光の実効屈折率を大きくでき、位相変化量を大きくできる。
【0043】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、分離領域を配置したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0044】
本実施形態の光位相変調器では、図4および図5に示されるように、第1スラブ部31と第3スラブ部33との間に、活性層13で構成され、不純物がドープされていない第1アンドープ層81が配置されている。本実施形態では、第1アンドープ層81は、第1スラブ部31と第3スラブ部33との間に加え、第1接続部41と第3接続部43との間、および第1コンタクト部51と第3コンタクト部53との間にも配置されている。
【0045】
また、第2スラブ部32と第4スラブ部34との間には、活性層13で構成され、不純物がドープされていない第2アンドープ層82が配置されている。本実施形態では、第2アンドープ層82は、第2スラブ部32と第4スラブ部34との間に加え、第2接続部42と第4接続部44との間、および第2コンタクト部52と第4コンタクト部54との間にも配置されている。なお、本実施形態では、第1アンドープ層81および第2アンドープ層82が分離領域に相当している。
【0046】
以上説明した本実施形態によれば、光導波路OWは、延設方向を法線方向とする断面において、PN接合が構成される部分と、PNPN接合が構成される部分とが延設方向に交互に繰り返し配置された構成とされている。このため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
(1)本実施形態のような光位相変調器では、光は、主にリブ部20を伝搬するが、第1~第4スラブ部31~34にも漏れ出る。そして、本実施形態では、第1スラブ部31と第3スラブ部33との間に第1アンドープ層81が配置され、第2スラブ部32と第4スラブ部34との間に第2アンドープ層82が配置されている。このため、各スラブ部31~34同士の間にPN接合が構成されなくなる。つまり、第1~第4スラブ部31~34においても、延設方向と交差する方向にPN接合が構成されなくなる。したがって、さらに変調損失を低減できる。また、各スラブ部31~34同士の間でPN接合が構成されなくなるため、PN接合の界面で発生し得る容量を低減でき、応答性の向上を図ることもできる。
【0048】
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態は、第2実施形態に対し、分離領域の構成を変更したものである。その他に関しては、第2実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0049】
本実施形態の光位相変調器では、図6に示されるように、第2実施形態と比較すると、第1アンドープ層81が配置されていた部分に第1絶縁膜91が配置され、第2アンドープ層82が配置されていた部分に第2絶縁膜92が配置されている。なお、図6は、図4中のV-V線に相当する断面図である。また、本実施形態では、第1絶縁膜91および第2絶縁膜92が分離領域に相当する。さらに、本実施形態の第1絶縁膜91および第2絶縁膜92は、層間絶縁膜60と同じ材料で構成されている。
【0050】
以上が本実施形態における光位相変調器の構成である。次に、本実施形態の光位相変調器における活性層13の各部21、22、31~34、41~44、51~54の製造方法について説明する。
【0051】
まず、支持基板11、絶縁膜12、活性層13が順に積層された半導体基板10を用意する。次に、マスクを用い、第1リブ部21、第1スラブ部31、第4スラブ部34、第1接続部41、第4接続部44、第1コンタクト部51、第4コンタクト部54を構成する部分にN型不純物をイオン注入する。また、別のマスクを用い、第2リブ部22、第2スラブ部32、第3スラブ部33、第2接続部42、第3接続部43、第2コンタクト部52、第3コンタクト部53を構成する部分にP型不純物をイオン注入する。
【0052】
続いて、部分的にエッチングを行い、第1~第4スラブ部31~34および第1~第4接続部41~44となる部分の厚さを薄くする。次に、エッチングを行い、第1絶縁膜91および第2絶縁膜92を配置する部分の活性層13を除去する。その後、活性層13を除去した部分に第1絶縁膜91および第2絶縁膜92を配置する。なお、本実施形態では、活性層13上に層間絶縁膜60を配置する際に第1絶縁膜91および第2絶縁膜92を同じ工程で配置する。
【0053】
以上説明した本実施形態によれば、光導波路OWは、延設方向を法線方向とする断面において、PN接合が構成される部分と、PNPN接合が構成される部分とが延設方向に交互に繰り返し配置された構成とされている。このため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0054】
(1)本実施形態では、分離領域を第1絶縁膜91および第2絶縁膜92で構成している。そして、第1絶縁膜91および第2絶縁膜92を配置する際には、活性層13をエッチングして除去してから配置する。このため、活性層13で分離領域を構成する場合と比較して、分離領域の延設方向における長さがばらつくことを抑制できる。すなわち、上記第2実施形態のように分離領域を第1アンドープ層81で構成する場合、分離領域の延設方向における長さは、第1スラブ部31および第3スラブ部33を構成する際の精度に依存する。同様に、分離領域を第2アンドープ層82で構成する場合、分離領域の延設方向における長さは、第2スラブ部32および第4スラブ部34を構成する際の精度に依存する。つまり、上記第2実施形態の構成では、分離領域の延設方向における長さに2つの要因が影響する。これに対し、本実施形態の構成では、分離領域の延設方向における長さは、第1、第2絶縁膜91、92を配置するためのエッチングの精度に依存する。つまり、本実施形態の構成では、分離領域の延設方向における長さに1つの要因が影響する。このため、本実施形態によれば、分離領域の延設方向における長さに影響する要因を少なくできる。したがって、分離領域の延設方向における長さがばらつくことを抑制でき、第1~第4スラブ部31~34の延設方向における長さがばらつくことを抑制できる。これにより、位相変化量が変化することを抑制できる。
【0055】
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、第1電極71~第4電極74の接続方法を規定したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0056】
本実施形態の光位相変調器では、図7に示されるように、第1、第4電極71、74が共通の第1配線層101に接続され、第2、第3電極72、73が共通の第2配線層102に接続されている。
【0057】
具体的には、層間絶縁膜60は、図8および図9に示されるように、半導体基板10側から第1層間絶縁膜60a、第2層間絶縁膜60bの順に積層されて構成されている。なお、第1層間絶縁膜60aおよび第2層間絶縁膜60bは、同じ材料で構成されている。そして、図8に示されるように、第1層間絶縁膜60aおよび第2層間絶縁膜60bには、第1コンタクト部51を露出させる第1コンタクトホール61が形成されている。第1層間絶縁膜60aには、第2コンタクト部52を露出させる第2コンタクトホール62が形成されている。
【0058】
また、図9に示されるように、第1層間絶縁膜60aおよび第2層間絶縁膜60bには、第4コンタクト部54を露出させる第4コンタクトホール64が形成されている。第1層間絶縁膜60aには、第3コンタクト部53を露出させる第3コンタクトホール63が形成されている。
【0059】
そして、第1層間絶縁膜60a上には、第2コンタクトホール62を通じて第2コンタクト部52と接続される第2電極72が配置されている。第1層間絶縁膜60a上には、第3コンタクトホール63を通じて第3コンタクト部53と接続される第3電極73が配置されている。つまり、PN接合に逆バイアス電圧を印加する際、負極側となる電極が第1層間絶縁膜60a上に配置されている。
【0060】
第2層間絶縁膜60b上には、第1コンタクトホール61を通じて第1コンタクト部51と接続される第1電極71が配置されている。第2層間絶縁膜60b上には、第4コンタクトホール64を通じて第4コンタクト部54と接続される第4電極74が配置されている。つまり、PN接合に逆バイアス電圧を印加する際、正極側となる電極が第2層間絶縁膜60b上に配置されている。
【0061】
そして、第2電極72および第3電極73は、第1層間絶縁膜60a上で適宜引き回されて共通の第1配線層101と電気的に接続されている。同様に、第1電極71および第4電極74は、第2層間絶縁膜60b上で適宜引き回されて共通の第2配線層102と電気的に接続されている。
【0062】
以上説明した本実施形態によれば、光導波路OWは、延設方向を法線方向とする断面において、PN接合が構成される部分と、PNPN接合が構成される部分とが延設方向に交互に繰り返し配置された構成とされている。このため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0063】
(1)本実施形態では、第2電極72および第3電極73が第1層間絶縁膜60a上で電気的に接続され、第1電極71および第4電極74が第2層間絶縁膜60b上で電気的に接続されている。このため、第1、第4電極71、74と第2、第3電極72、73とが相互に干渉することを抑制でき、配線の引き回しを容易にできる。
【0064】
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。本実施形態は、第2実施形態に対し、第1~第4スラブ部31~34の不純物濃度を変更したものである。その他に関しては、第2実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0065】
本実施形態では、図10に示されるように、第1スラブ部31および第4スラブ部34は、第1リブ部21よりも不純物濃度が高くされたN型とされている。同様に、第2スラブ部32および第3スラブ部33は、第2リブ部22よりも不純物濃度が高くされたP型とされている。
【0066】
以上説明した本実施形態によれば、光導波路OWは、延設方向を法線方向とする断面において、PN接合が構成される部分と、PNPN接合が構成される部分とが延設方向に交互に繰り返し配置された構成とされている。このため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0067】
(1)本実施形態では、第1~第4スラブ部31~34が第1、第2リブ部21、22よりも不純物濃度が高くされている。このため、逆バイアス電圧が印加された際、リブ部20のキャリアを引き抜き易くでき、位相変化量の向上を図ることができる。
【0068】
(他の実施形態)
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【0069】
例えば、上記各実施形態において、第1リブ部21および第1スラブ部31と、第2リブ部22および第2スラブ部32とは、第1リブ部21と第2リブ部22との境界面を基準として対称に形成されていなくてもよい。同様に、第3スラブ部33および第4スラブ部34は、第1リブ部21と第2リブ部22との境界面を基準として対称に形成されていなくてもよい。さらに、第3スラブ部33および第4スラブ部34は、第1スラブ部31および第2スラブ部32よりも延設方向に沿った長さが長くされていなくてもよい。このような光位相変調器としても、光導波路OWは、延設方向を法線方向とする断面において、PN接合が構成される部分と、PNPN接合が構成される部分とが延設方向に交互に繰り返し配置された構成とされる。このため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0070】
また、上記第3実施形態において、活性層13の各部21、22、31~34、41~44、51~54の製造工程は、適宜変更可能である。例えば、部分的にエッチングを行って第1~第4スラブ部31~34および第1~第4接続部41~44となる部分の厚さを薄くした後、第1、第2絶縁膜91、92を配置するためのエッチングを行う。次に、N型不純物およびP型不純物をイオン注入して各部21、22、31~34、41~44、51~55を構成し、その後に第1、第2絶縁膜91、92を配置するようにしてもよい。
【0071】
さらに、上記第4実施形態において、第1、第4電極71、74が第1層間絶縁膜60a上に配置され、第2、第3電極72、73が第2層間絶縁膜60b上に配置されるようにしてもよい。
【0072】
そして、上記各実施形態を適宜組み合わせるようにしてもよい。例えば、上記第4実施形態を上記第2、第3実施形態に組み合わせ、第1、第4電極71、74が共通の第1配線層101に接続され、第2、第3電極72、73が共通の第2配線層102に接続されるようにしてもよい。上記第5実施形態を上記第1、第3、第4実施形態に組み合わせ、第1~第4スラブ部31~34が第1、第2リブ部21、22よりも不純物濃度が高くなるようにしてもよい。
(本発明の特徴)
[請求項1]
リブ部(20)を有する光位相変調器であって、
一方向を延設方向として延設された前記リブ部と、
前記リブ部よりも厚さが薄くされ、前記リブ部と接続される状態で配置された第1~第4スラブ部(31~34)と、を備え、
前記リブ部は、前記延設方向および厚さ方向と交差する幅方向に沿ってN型の第1リブ部(21)とP型の第2リブ部(22)とが配置され、前記延設方向に沿って前記第1リブ部と前記第2リブ部との間にPN接合が構成されており、
前記第1スラブ部は、N型とされ、前記第1リブ部と接続されると共に前記第1リブ部を挟んで前記第2リブ部と反対側に配置され、
前記第2スラブ部は、P型とされ、前記第2リブ部と接続されると共に前記第2リブ部を挟んで前記第1リブ部と反対側に配置され、
前記第3スラブ部は、P型とされ、前記第1リブ部と接続されると共に前記第1リブ部を挟んで前記第2リブ部と反対側に配置され、
前記第4スラブ部は、N型とされ、前記第2リブ部と接続されると共に前記第2リブ部を挟んで前記第1リブ部と反対側に配置され、
前記延設方向を法線方向とする断面では、前記延設方向に沿って、前記リブ部と前記第1スラブ部および前記第2スラブ部とで構成されるPN構造と、前記リブ部と前記第3スラブ部および前記第4スラブ部とで構成されるPNPN構造とが交互に配置されている光位相変調器。
[請求項2]
前記第1リブ部と前記第2リブ部との境界面を基準とし、前記第1リブ部および前記第1スラブ部と、前記第2リブ部および前記第2スラブ部とが対称に配置されている請求項1に記載の光位相変調器。
[請求項3]
前記第1リブ部と前記第2リブ部との境界面を基準とし、前記第1リブ部および前記第3スラブ部と、前記第2リブ部および前記第4スラブ部とが対称に配置されている請求項1または2に記載の光位相変調器。
[請求項4]
前記第3スラブ部および前記第4スラブ部は、前記第1スラブ部および前記第2スラブ部より前記延設方向に沿った長さが長くされている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の光位相変調器。
[請求項5]
前記第1スラブ部と前記第3スラブ部との間、および前記第2スラブ部と前記第4スラブ部との間には、不純物がドープされていない分離領域(81、82、91、92)が配置されている請求項1ないし4のいずれか1つに記載の光位相変調器。
[請求項6]
支持基板(11)、絶縁膜(12)、活性層(13)が順に積層された半導体基板(10)を有し、
前記リブ部および前記第1~第4スラブ部は、前記活性層で構成されており、
前記分離領域は、絶縁膜で構成されている請求項5に記載の光位相変調器。
[請求項7]
前記リブ部および前記第1~第4スラブ部を覆う層間絶縁膜(60)と、
N型の前記第1スラブ部と接続される第1電極(71)と、
P型の前記第2スラブ部と接続される第2電極(72)と、
P型の前記第3スラブ部と接続される第3電極(73)と、
N型の前記第4スラブ部と接続される第4電極(74)と、を有し、
前記層間絶縁膜は、第1層間絶縁膜(61)と第2層間絶縁膜(62)とが積層されて構成され、
前記第1電極および前記第4電極と、前記第2電極および前記第3電極とは、一方の電極が前記第1層間絶縁膜上に配置されて互いに接続され、他方の電極が前記第2層間絶縁膜上に配置されて互いに接続されている請求項1ないし6のいずれか1つに記載の光位相変調器。
【符号の説明】
【0073】
20 リブ部
21 第1リブ部
22 第2リブ部
31 第1スラブ部
32 第2スラブ部
33 第3スラブ部
34 第4スラブ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10