(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156247
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】プラスチック組成物、可塑剤及びプラスチック製品
(51)【国際特許分類】
C08L 67/04 20060101AFI20231017BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20231017BHJP
C08K 5/20 20060101ALI20231017BHJP
C07C 233/20 20060101ALI20231017BHJP
C08L 101/16 20060101ALN20231017BHJP
A61L 17/06 20060101ALN20231017BHJP
A61L 27/26 20060101ALN20231017BHJP
A61L 31/14 20060101ALN20231017BHJP
A61L 17/10 20060101ALN20231017BHJP
A61L 27/58 20060101ALN20231017BHJP
【FI】
C08L67/04 ZBP
C08L101/00
C08K5/20
C07C233/20 CSP
C08L101/16
A61L17/06
A61L27/26
A61L31/14 500
A61L17/10
A61L27/58
【審査請求】有
【請求項の数】30
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023062992
(22)【出願日】2023-04-07
(31)【優先権主張番号】111113899
(32)【優先日】2022-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】516134855
【氏名又は名称】星歐光學股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 偉源
(72)【発明者】
【氏名】陳 柏村
(72)【発明者】
【氏名】盧 子蓉
(72)【発明者】
【氏名】陳 日賢
(72)【発明者】
【氏名】洪 于傑
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ 鈞鴻
【テーマコード(参考)】
4C081
4H006
4J002
4J200
【Fターム(参考)】
4C081AB01
4C081AC02
4C081AC03
4C081BA16
4C081BB06
4C081CA171
4C081CA232
4C081DA01
4C081DA02
4C081DA04
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB50
4H006BT12
4H006BV34
4J002AA002
4J002AB042
4J002BB033
4J002BC033
4J002BD043
4J002BE022
4J002BG063
4J002BK003
4J002BN152
4J002CC182
4J002CF012
4J002CF032
4J002CF062
4J002CF072
4J002CF181
4J002CF182
4J002CF192
4J002CG012
4J002EP016
4J002FD026
4J200AA04
4J200AA05
4J200BA07
4J200BA12
4J200BA13
4J200BA14
4J200BA15
4J200BA18
4J200BA19
4J200BA20
4J200BA25
4J200BA37
4J200DA01
4J200DA02
4J200DA03
4J200DA05
4J200DA17
4J200DA18
4J200DA21
4J200DA22
4J200EA11
(57)【要約】
【課題】少なくとも1つのプラスチックと、少なくとも1つの可塑剤と、を備えるプラスチック組成物を提供する。
【解決手段】プラスチックはポリ乳酸を含み、可塑剤は生分解性を有するアミドエステル化合物を含む。プラスチックのプラスチック組成物における重量百分率は85%~99.99%であり、可塑剤のプラスチック組成物における重量百分率は0.01%~15%である。これにより、本発明のプラスチック組成物は、生分解性ポリ乳酸と可塑剤の特性により、環境や生態への破壊を低減することができ、さらに、特定の混合比により、優れた生分解性を持たせ、良好な可塑化効果をもたらす。なお、エストロゲンと類似しない可塑剤構造を設計することで、可塑剤が正常な生理的機能に影響を及ぼすことを防ぐことができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ乳酸を含む少なくとも1つのプラスチックと、
生分解性を有するアミドエステル化合物を含む少なくとも1つの可塑剤と、
を備えるプラスチック組成物であって、
前記プラスチックの前記プラスチック組成物における重量百分率は85%~99.99%であり、前記可塑剤の前記プラスチック組成物における重量百分率は0.01%~15%であるプラスチック組成物。
【請求項2】
14日目の分解率はDr14であり、且つ前記プラスチック組成物の14日目での分解率は1%≦Dr14という条件を満たす請求項1に記載のプラスチック組成物。
【請求項3】
21日目の分解率はDr21であり、且つ前記プラスチック組成物の21日目での分解率は6%≦Dr21という条件を満たす請求項2に記載のプラスチック組成物。
【請求項4】
28日目の分解率はDr28であり、且つ前記プラスチック組成物の28日目での分解率は15%≦Dr28という条件を満たす請求項3に記載のプラスチック組成物。
【請求項5】
42日目の分解率はDr42であり、且つ前記プラスチック組成物の42日目での分解率は20%≦Dr42という条件を満たす請求項4に記載のプラスチック組成物。
【請求項6】
重量百分率は、前記ポリ乳酸より小さい少なくとも1つの非生分解性プラスチックを更に含む請求項1に記載のプラスチック組成物。
【請求項7】
前記可塑剤は、式(I)に示す構造を有し、
【化1】
ただし、Xは中心構造であり、Yは第1の長鎖構造であり、Zは第2の長鎖構造であり、且つXの炭素原子数はXCであり、Yの炭素原子数はYCであり、Zの炭素原子数はZCであり、
1≦XC≦6、
14≦YC≦25、及び
14≦ZC≦25という条件を満たす請求項1に記載のプラスチック組成物。
【請求項8】
前記可塑剤の分子量はMwであり、500g/mole≦Mwという条件を満たす請求項7に記載のプラスチック組成物。
【請求項9】
X、Y及びZの何れも直鎖構造である請求項7に記載のプラスチック組成物。
【請求項10】
Y及びZは、少なくとも1つの二重結合を有する請求項9に記載のプラスチック組成物。
【請求項11】
前記可塑剤のクラッキング温度はPtであり、100℃≦Pt≦300℃という条件を満たす請求項9に記載のプラスチック組成物。
【請求項12】
請求項1に記載のプラスチック組成物を備えるプラスチック製品。
【請求項13】
少なくとも1つのプラスチックと、
生分解性を有し、且つ式(I)に示す構造を有する少なくとも1つの可塑剤と、
を備えるプラスチック組成物であって、
【化2】
ただし、Xは中心構造であり、Yは第1の長鎖構造であり、Zは第2の長鎖構造であり、且つXの炭素原子数はXCであり、Yの炭素原子数はYCであり、Zの炭素原子数はZCであり、
1≦XC≦6、
14≦YC≦25、及び
14≦ZC≦25という条件を満たすプラスチック組成物。
【請求項14】
前記可塑剤の分子量はMwであり、500g/mole≦Mwという条件を満たす請求項13に記載のプラスチック組成物。
【請求項15】
前記プラスチックの前記プラスチック組成物における重量百分率は85%~99.99%であり、前記可塑剤の前記プラスチック組成物における重量百分率は0.01%~15%である請求項14に記載のプラスチック組成物。
【請求項16】
X、Y及びZの何れも直鎖構造である請求項14に記載のプラスチック組成物。
【請求項17】
Y及びZは、少なくとも1つの二重結合を有する請求項14に記載のプラスチック組成物。
【請求項18】
前記可塑剤のクラッキング温度はPtであり、100℃≦Pt≦300℃という条件を満たす請求項14に記載のプラスチック組成物。
【請求項19】
14日目の分解率はDr14であり、且つ前記プラスチック組成物の14日目での分解率は1%≦Dr14という条件を満たす請求項14に記載のプラスチック組成物。
【請求項20】
21日目の分解率はDr21であり、且つ前記プラスチック組成物の21日目での分解率は6%≦Dr21という条件を満たす請求項14に記載のプラスチック組成物。
【請求項21】
28日目の分解率はDr28であり、且つ前記プラスチック組成物の28日目での分解率は15%≦Dr28という条件を満たす請求項14に記載のプラスチック組成物。
【請求項22】
42日目の分解率はDr42であり、且つ前記プラスチック組成物の42日目での分解率は20%≦Dr42という条件を満たす請求項14に記載のプラスチック組成物。。
【請求項23】
請求項13に記載のプラスチック組成物を備えるプラスチック製品。
【請求項24】
生分解性を有し、且つ式(I)に示す構造を有する可塑剤であって、
【化3】
ただし、Xは中心構造であり、Yは第1の長鎖構造であり、Zは第2の長鎖構造であり、且つXの炭素原子数はXCであり、Yの炭素原子数はYCであり、Zの炭素原子数はZCであり、
1≦XC≦6、
14≦YC≦25、及び
14≦ZC≦25という条件を満たし、
また、7日目の分解率はDr7であり、且つ前記可塑剤の7日目での分解率は20%≦Dr7という条件を満たす可塑剤。
【請求項25】
前記可塑剤の分子量はMwであり、500g/mole≦Mwという条件を満たす請求項24に記載の可塑剤。
【請求項26】
21日目の分解率はDr21であり、且つ前記可塑剤の21日目での分解率は65%≦Dr21という条件を満たす請求項25に記載の可塑剤。
【請求項27】
X、Y及びZの何れも直鎖構造である請求項25に記載の可塑剤。
【請求項28】
Y及びZは、少なくとも1つの二重結合を有する請求項25に記載の可塑剤。
【請求項29】
前記可塑剤のクラッキング温度はPtであり、100℃≦Pt≦300℃という条件を満たす請求項25に記載の可塑剤。
【請求項30】
請求項24に記載の可塑剤を備えるプラスチック製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック組成物、可塑剤及びプラスチック製品に関し、特に、生分解性を有するプラスチック組成物、可塑剤及びプラスチック製品に関する。
【背景技術】
【0002】
可塑剤は、製品の可塑性を高めるための材料であり、プラスチック袋等のプラスチック製品の可塑化によく使用される。現在、一般的に使用されている従来の可塑剤は、殆どDEHP、DBP、DINP、BBP及びDIDP等のフタル酸エステル類の化合物であり、その構造がエステロゲンと類似し、思春期の子供の発育異常を引き起こしやすく、ひいては乳癌及び卵巣癌の発症率を増加することがある。上述した従来の可塑剤は、分子量が殆ど500g/mole未満であるが、分子量の小さいものが人体に比較的容易に吸収される。可塑剤は、プラスチック製品の中で非化学結合的に他の物質と結合し、プラスチック製品から放出されやすいため、プラスチック製品と食物又は皮膚との接触により人体に吸収される。
【0003】
近年、環境保護意識が高まり、従来のプラスチック製品が適切に処理されなければ環境や生態を破壊し、更にますます多くの生分解製品が大量に普及されているが、分解率は往々にして高くない。可塑剤やプラスチックの大部分が分解できず、一方、使用者は、このような製品が生分解性を有するため、勝手に処分しても環境や生態に影響を及ぼさないと勘違いして、このようなプラスチック製品が適切に処理されないため、環境や生態への破壊が深刻化してしまい、現在、プラスチック製品が人間の生活に不可欠なものとなるため、プラスチック製品から放出されにくく、又は、人体に吸収されにくい可塑剤を探し、生分解性プラスチック製品を開発することは、非常に重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、その目的は、プラスチック組成物、可塑剤及びプラスチック製品を提供することにある。
本発明は、ポリ乳酸と可塑剤を備えるプラスチック組成物を提供する。このような可塑剤が従来の可塑剤の有するフタル酸構造を含まず、エストロゲンと類似しない可塑剤構造を設計することで、可塑剤が正常な生理的機能に影響を及ぼすことを防ぐことができる。ベンゼン環構造を有さない可塑剤を設計することで、可塑剤が正常な生理的機能に影響を及ぼさないように、より高い安全性を持つことができる。特定の分子量の可塑剤を設計することで、可塑剤が人体に吸収されにくく、優れた安全性を有することができる。ポリ乳酸と可塑剤が生物分解可能であるため、環境や生態への破壊を低減することができ、また特定の混合比により、優れた生分解性を持たせ、良好な可塑化効果をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のプラスチック組成物は、ポリ乳酸を含む少なくとも1つのプラスチックと、生分解性を有するアミドエステル化合物を含む少なくとも1つの可塑剤と、を備えるプラスチック組成物であって、プラスチックのプラスチック組成物における重量百分率は85%~99.99%であり、可塑剤のプラスチック組成物における重量百分率は0.01%~15%である。
【0006】
本発明のプラスチック製品は、上述したプラスチック組成物を備える。
【0007】
これにより、本発明のプラスチック組成物及びプラスチック製品は、生分解性ポリ乳酸と可塑剤の特性により、環境や生態への破壊を低減することができ、しかも、特定の混合比により、優れた生分解性を持たせ、良好な可塑化効果をもたらす。なお、エストロゲンと類似しない可塑剤構造を設計することで、可塑剤が正常な生理的機能に影響を及ぼすことを防ぐことができる。
【0008】
本発明のプラスチック組成物は、少なくとも1つのプラスチックと、生分解性を有し、且つ式(I)に示す構造を有する少なくとも1つの可塑剤と、を備えるプラスチック組成物であって、
【0009】
【0010】
ただし、Xは中心構造であり、Yは第1の長鎖構造であり、Zは第2の長鎖構造であり、且つXの炭素原子数はXCであり、Yの炭素原子数はYCであり、Zの炭素原子数はZCであり、1≦XC≦6、14≦YC≦25、及び14≦ZC≦25という条件を満たす。
【0011】
本発明のプラスチック製品は、上述したプラスチック組成物を備える。
【0012】
本発明のプラスチック組成物及びプラスチック製品は、ベンゼン環構造を有さない可塑剤を設計することで、可塑剤が正常な生理的機能に影響を及ぼさないように、より高い安全性を持つことができる。
【0013】
本発明の可塑剤によれば、生分解性を有し、且つ式(I)に示す構造を有する可塑剤であって、
【0014】
【0015】
ただし、Xは中心構造であり、Yは第1の長鎖構造であり、Zは第2の長鎖構造であり、且つXの炭素原子数はXCであり、Yの炭素原子数はYCであり、Zの炭素原子数はZCであり、1≦XC≦6、14≦YC≦25、及び14≦ZC≦25という条件を満たし、7日目の分解率はDr7であり、且つ可塑剤の7日目での分解率は20%≦Dr7という条件を満たす。
【0016】
本発明のプラスチック製品は、上述した可塑剤を備える。
【発明の効果】
【0017】
これにより、本発明の可塑剤及びプラスチック製品は、エストロゲンと類似しない可塑剤構造を設計することで、可塑剤が正常な生理的機能に影響を及ぼすことを防ぐことができ、また、可塑剤の7日目での分解率を満たすことで、その短期的な分解率の向上に役に立つ。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1比較例のプラスチック組成物の分解率と日数との関係を示す図である。
【
図2】第2比較例のプラスチック組成物の分解率と日数との関係を示す図である。
【
図3】第3比較例のプラスチック組成物の分解率と日数との関係を示す図である。
【
図4】第1実施例のプラスチック組成物の分解率と日数との関係を示す図である。
【
図5】第2実施例のプラスチック組成物の分解率と日数との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態によるプラスチック組成物、可塑剤及びプラスチック製品を図面に基づいて説明する。図面についての説明は、本発明の上記及び他の目的、特徴、メリット、及び実施例をより分かりやすくするためのものである。
本発明の一実施形態のプラスチック組成物は、少なくとも1つのプラスチックと、少なくとも1つの可塑剤と、を備える。プラスチックは、ポリ乳酸を含むが、可塑剤は、生分解性を有するアミドエステル化合物を含む。これにより、生分解性ポリ乳酸と可塑剤の特性により、環境や生態への破壊を低減することができる。なお、エストロゲンと類似しない可塑剤構造を設計することで、可塑剤が正常な生理的機能に影響を及ぼすことを防ぐことができる。
【0020】
本発明の別の実施形態のプラスチック組成物は、少なくとも1つのプラスチックと、少なくとも1つの可塑剤と、を備える。可塑剤は、生分解性を有し、且つ式(I)に示す構造を有し、
【0021】
【0022】
ただし、Xは中心構造であり、Yは第1の長鎖構造であり、Zは第2の長鎖構造である。これにより、ベンゼン環構造を有さない可塑剤を設計することで、可塑剤が正常な生理的機能に影響を及ぼさないように、より高い安全性を持つことができる。なお、エストロゲンと類似しない可塑剤構造を設計することで、可塑剤が正常な生理的機能に影響を及ぼすことを防ぐことができる。
【0023】
本発明の可塑剤によれば、式(I)において、Xの炭素原子数はXCであり、Yの炭素原子数はYCであり、Zの炭素原子数はZCであり、1≦XC≦6、14≦YC≦25、及び14≦ZC≦25という条件を満たす。これにより、エストロゲンと類似しなく且つベンゼン環構造を有さない可塑剤を設計することで、可塑剤が正常な生理的機能に影響を及ぼすことを防ぐことができる。又は、2≦XC≦5、14≦YC≦24、及び14≦ZC≦24という条件を満たしてもよい。又は、2≦XC≦4、14≦YC≦23、及び14≦ZC≦23という条件を満たしてもよい。又は、2≦XC≦3、14≦YC≦22、及び14≦ZC≦22という条件を満たしてもよい。又は、15≦YC≦21、及び15≦ZC≦21という条件を満たしてもよい。又は、16≦YC≦20、及び16≦ZC≦20という条件を満たしてもよい。又は、17≦YC≦19、及び17≦ZC≦19という条件を満たしてもよい。
【0024】
本発明の可塑剤によれば、7日目の分解率はDr7であり、且つ可塑剤の7日目での分解率は20%≦Dr7という条件を満たす。これにより、可塑剤の7日目での分解率を満たすことで、その短期的な分解率の向上に役に立つ。又は、30%≦Dr7という条件を満たしてもよい。又は、40%≦Dr7という条件を満たしてもよい。又は、50%≦Dr7という条件を満たしてもよい。又は、60%≦Dr7という条件を満たしてもよい。又は、65%≦Dr7≦100%という条件を満たしてもよい。
【0025】
本発明のプラスチック組成物によれば、プラスチックのプラスチック組成物における重量百分率は85%~99.99%であり、可塑剤のプラスチック組成物における重量百分率は0.01%~15%である。これにより、特定の混合比により、プラスチック組成物に優れた生分解性を持たせるとともに、良好な可塑化効果をもたらす。又は、プラスチックのプラスチック組成物における重量百分率は87.5%~99.99%であってよく、可塑剤のプラスチック組成物における重量百分率は0.01%~12.5%であってもよい。又は、プラスチックのプラスチック組成物における重量百分率は90%~99.99%であってよく、可塑剤のプラスチック組成物における重量百分率は0.01%~10%であってもよい。又は、プラスチックのプラスチック組成物における重量百分率は92.5%~99.99%であってよく、可塑剤のプラスチック組成物における重量百分率は0.01%~7.5%であってもよい。又は、プラスチックのプラスチック組成物における重量百分率は95%~99.99%であってよく、可塑剤のプラスチック組成物における重量百分率は0.01%~5%であってもよい。
【0026】
本発明のプラスチック組成物によれば、14日目の分解率はDr14であり、且つプラスチック組成物の14日目での分解率は1%≦Dr14という条件を満たす。これにより、プラスチック組成物の14日目での分解率を満たすことで、その初期分解率の向上に役に立つ。又は、2.5%≦Dr14という条件を満たしてもよい。又は、5%≦Dr14という条件を満たしてもよい。又は、7.5%≦Dr14という条件を満たしてもよい。又は、8%≦Dr14という条件を満たしてもよい。又は、9%≦Dr14≦100%という条件を満たしてもよい。
【0027】
本発明のプラスチック組成物によれば、21日目の分解率はDr21であり、且つプラスチック組成物の21日目での分解率は6%≦Dr21という条件を満たす。これにより、プラスチック組成物の21日目での分解率を満たすことで、その極短期的な分解率の向上に役に立つ。又は、10%≦Dr21という条件を満たしてもよい。又は、12.5%≦Dr21という条件を満たしてもよい。又は、15%≦Dr21という条件を満たしてもよい。又は、17.5%≦Dr21という条件を満たしてもよい。又は、20%≦Dr21という条件を満たしてもよい。又は、24%≦Dr21≦100%という条件を満たしてもよい。
【0028】
本発明のプラスチック組成物によれば、28日目の分解率はDr28であり、且つプラスチック組成物の28日目での分解率は15%≦Dr28という条件を満たす。これにより、プラスチック組成物の28日目での分解率を満たすことで、その短期的な分解率の向上に役に立つ。又は、20%≦Dr28という条件を満たしてもよい。又は、25%≦Dr28という条件を満たしてもよい。又は、30%≦Dr28という条件を満たしてもよい。又は、35%≦Dr28≦100%という条件を満たしてもよい。
【0029】
本発明のプラスチック組成物によれば、42日目の分解率はDr42であり、且つプラスチック組成物の42日目での分解率は20%≦Dr42という条件を満たす。これにより、プラスチック組成物の42日目での分解率を満たすことで、その中期的な分解率の向上に役に立つ。又は、25%≦Dr42という条件を満たしてもよい。又は、30%≦Dr42という条件を満たしてもよい。又は、35%≦Dr42という条件を満たしてもよい。又は、40%≦Dr42という条件を満たしてもよい。又は、45%≦Dr42という条件を満たしてもよい。
【0030】
本発明のプラスチック組成物によれば、重量百分率がポリ乳酸より小さい少なくとも1つの非生分解性プラスチックを更に含む。これにより、プラスチック組成物に非生分解性プラスチックを持たせることで、プラスチック組成物の成形及び構造の安定性の向上に役に立つ。なお、非生分解性プラスチックの重量百分率をポリ乳酸より小さくすることで、プラスチック組成物が良好な分解率を有することを確保することができる。
【0031】
本発明の可塑剤によれば、可塑剤の分子量はMwであり、500g/mole≦Mwという条件を満たす。これにより、特定の分子量の可塑剤を設計することで、可塑剤が人体に吸収されにくく、優れた安全性を有することができる。又は、510g/mole≦Mw≦1000g/moleという条件を満たしてもよい。又は、520g/mole≦Mw≦900g/moleという条件を満たしてもよい。又は、530g/mole≦Mw≦800g/moleという条件を満たしてもよい。又は、540g/mole≦Mw≦700g/moleという条件を満たしてもよい。又は、550g/mole≦Mw≦600g/moleという条件を満たしてもよい。又は、580g/mole≦Mw≦590g/moleという条件を満たしてもよい。
【0032】
本発明の可塑剤によれば、式(I)におけるX、Y及びZの何れも直鎖構造である。これにより、直鎖分子が分岐鎖分子よりも高い沸点を有することで、可塑剤が高温で気化して人体に吸収されるのを防ぐことができる。
【0033】
本発明の可塑剤によれば、式(I)におけるY及びZは、少なくとも1つの二重結合を有する。これにより、Y及びZの構造には少なくとも1つの二重結合があることで、可塑剤の分解効率の向上に役に立つ。
【0034】
本発明の可塑剤によれば、可塑剤のクラッキング温度はPtであり、100℃≦Pt≦300℃という条件を満たす。これにより、可塑剤の高いクラッキング温度により、可塑剤の高温時での構造の安定化に役に立つ。又は、125℃≦Pt≦300℃という条件を満たしてもよい。又は、150℃≦Pt≦300℃という条件を満たしてもよい。又は、150℃≦Pt≦280℃という条件を満たしてもよい。又は、180℃≦Pt≦280℃という条件を満たしてもよい。又は、200℃≦Pt≦280℃という条件を満たしてもよい。又は、200℃≦Pt≦260℃という条件を満たしてもよい。
【0035】
本発明の可塑剤によれば、21日目の分解率はDr21であり、且つ可塑剤の21日目での分解率は65%≦Dr21という条件を満たす。これにより、可塑剤の21日目での分解率を満たすことで、その中期的な分解率の向上に役に立つ。又は、70%≦Dr21という条件を満たしてもよい。又は、75%≦Dr21という条件を満たしてもよい。又は、80%≦Dr21という条件を満たしてもよい。又は、85%≦Dr21≦100%という条件を満たしてもよい。
【0036】
本発明のプラスチック組成物は、生分解性可塑剤及び生分解性プラスチックを含み、機能と生分解効果とのバランスを取るために、必要に応じて非生分解性可塑剤及び非生分解性プラスチックを添加してもよい。
【0037】
本発明のプラスチック組成物には、安定剤、潤滑剤、凝集剤、難燃剤、着色剤、充填剤、帯電防止剤、光安定剤、発泡剤、カップリング剤及び強靭化剤等の少なくとも1つの添加剤が混合されてもよい。安定剤はステアリン酸カルシウムであってよく、潤滑剤は脂肪酸であってよく、難燃剤は三酸化アンチモンであってよく、着色剤は二酸化アンチモンであってよく、充填剤は炭酸カルシウム、ガラスファイバー、アスベストファイバー、炭素繊維、ホウ素繊維、二硫化銅、マイカ、アスベスト、ケイ石、ケイ酸塩、炭酸カルシウム、金属酸化物、カーボンブラック、ガラスビーズ又は木粉であってよく、帯電防止剤はステアラミドプロピルジメチル-β-ヒドロキシエチルアミン硝酸塩であってよく、光安定剤はサリチル酸エステル類、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、置換プロピレン類、第三類又は有機錯体類であってよく、発泡剤はアゾジカルボンアミドであってもよい。これにより、プラスチック特性の改質によりプラスチックの耐衝突性、耐候性、耐熱性、流動性、弾性、耐食性、耐変形性、光透過性、クリープ性、帯電防止性、光分解耐性、比重又は靭性を変えることができる。
【0038】
本発明のプラスチック組成物におけるプラスチックについて、生分解性プラスチックは、ポリ乳酸(Polylactic Acid;PLA)であってもよいし、デンプン(Starch)、ポリブチレンアジペート-ブチレンテレフタレート共重合体(Poly(butyleneadipate-co-terephthalate);PBAT)、ポリブチレンサクシネート(Polybutylene succinate;PBS)、ポリプロピレンカルボナート(Poly propylene carbonate;PPC)、ポリヒドロキシアルカノエート(Polyhydroxyalkanoates;PHA)、ポリカプロラクトン(Polycaprolactone;PCL)、ポリビニルアルコール(Polyvinyl alcohol;PVA)、ポリグリコール酸(Polyglycolide;PGA)、ポリグリセリンセバシン酸塩(Polyglycerol sebacate;PGS)、ポリヒドロキシ酪酸(Polyhydroxybutyrate;PHB)、又は上記ポリマー単量体からなる共重合体であってもよい。
【0039】
本発明のプラスチック組成物におけるプラスチックについて、非生分解性プラスチックは、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate;PET)、高密度ポリエチレン(High-density polyethylene;HDPE)、ポリ塩化ビニル(Polyvinyl Chloride;PVC)、低密度ポリエチレン(Low-density polyethylene;LDPE)、ポリプロピレン(Polypropene;PP)、ポリスチレン(Polystyrene;PS)、ポリカーボネート(Polycarbonate;PC)、ポリメタクリル酸メチル(Polymethylmethacrylate;PMMA)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(Acrylonitrile Butadiene Styrene;ABS)、環状オレフィンコポリマー(Cyclic Olefin Cpolymer;COC)、又はメラミン樹脂(Melamine resin)、又は上記プラスチックにより混合されたものであってもよい。
【0040】
本発明の可塑剤について、分子量の大きいものとは、可塑剤の分子量が500g/moleより大きく、プラスチック材料に制限されず、異なる生分解性プラスチックを可塑化でき、より広い適用性及び利便性を有するものを指す。
【0041】
本発明の可塑剤は、アミドエステル化合物であってよく、アミドエステル化合物とはエステル基を有するアミド類化合物を指す。
【0042】
本発明の可塑剤について、式(I)におけるX、Y及びZの構造は炭素原子を有し、硫黄原子、酸素原子、及び窒素原子の少なくとも1つを有してもよく、X、Y及びZの構造は、炭素と炭素の単結合を有し、炭素と炭素の二重結合、炭素と炭素の三重結合、炭素と酸素の結合、炭素と窒素の結合、硫黄の二重結合、硫黄と酸素の結合、硫黄と炭素の結合、硫黄と窒素の結合、窒素の二重結合、窒素と酸素の結合、及び酸素の二重結合の少なくとも1つを有してもよく、X、Y及びZの構造は、アルキル基を有し、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシル基、カルボニル基、アルデヒド基、カーボネート基、カルボキシル基、エーテル基、エステル基、アミド基、第1級アミン基、第2級アミン基、第3級アミノ基、ケチミン基、及びアルジミン基の少なくとも1つを有してもよい。XC、YC及びZCはそれぞれ2、17、17であってよく、その場合、可塑剤は2-[(9Z)-9-オクタデセノイルアミノ]エチル(9Z)-9-オクタデセン酸エステルである。XC、YC及びZCはそれぞれ1、14、14であってよく、その場合、可塑剤は2-[(9Z)-9-ペンタデセノイルアミノ]メチル(9Z)-9-ペンタデセニル酸エステルである。XC、YC及びZCはそれぞれ6、25、25であってよく、その場合、可塑剤は2-[(9Z)-9-ヘキサコサノイルアミノ]ヘキシル(9Z)-9-ヘキサコサン酸エステルである。二重結合位置は、YとZの10番目の炭素に同時にあってもよく、その場合、可塑剤は2-[(10Z)-10-ヘキサコサノイルアミノ]ヘキシル(10Z)-10-ヘキサコサン酸エステルである。
【0043】
本発明の分解率について、その分解条件は、ASTM-D5338を基準測定法とし、分解の百分比率を重量単位で算出し、分解物と活性汚泥(肥料)を1:6の重量比率で互いに混合し、パーライトで分解槽における含水率を約50%に保ち、分解槽を58±2℃で静置して180日間観測し続ける。堆肥の主成分は、家畜糞便、きな粉、バガス、木くず、ふすま、キノコの廃床を含み、パーライト成分は以下の表1に示す。
【0044】
【0045】
試験のモニタリング中に新鮮な0.1MのKOH水溶液を調製し、50mLのPP缶に分注して分解槽に入れ、更に分解槽をインキュベータ(58±2℃)に入れて培養し、KOH水溶液は分解物がクラッキングする際に放出されるCO2を吸収し、KOHの交換頻度は、測定の分解初期(1~30日)に6回/週であり、満1ヶ月後に180日に達するまで2回/週に変更し、また総試験期間も180日より大きくすることができる。収集したKOHをpH計(pH meter)でその数値を測定し、コントロール群(分解反応を行わないインキュベータに0.1MのKOH水溶液を入れたもの)と比較して水素イオン濃度を換算し、更に水素イオン濃度でCO2の重量を換算して分解率を推定した。上記で言及した換算式は、水酸化物濃度変化=コントロール群の水酸化物濃度-実験群の水酸化物濃度=水素イオン濃度、二酸化炭素重量(単位:mg)=水素イオン濃度×44/2×50mL(44は二酸化炭素の分子量、2は二酸化炭素の反応平衡係数、50mLは水溶液の体積)、無機化(分解)百分率=二酸化炭素の重量変化/組成物が完全に分解する場合の理論的二酸化炭素含有量×100%になる。
【0046】
本発明のn日目の分解率の定義については、nは7日目、8日目、9日目、10日目、14日目、24日目、25日目、26日目、28日目、29日目、30日目、31日目、42日目、52日目、56日目、59日目、63日目、66日目、70日目、73日目、77日目、80日目、84日目、87日目、91日目、94日目、98日目、101日目、150日目、154日目、157日目、175日目、178日目、182日目又は185日目であってもよいし、又は1日目から185日目までの何れか1日の分解率であってもよい。
【0047】
上述した本発明のプラスチック組成物と可塑剤における各技術的特徴は何れも組み合わせて構成して、対応する効果を達成することができる。
【0048】
本発明のまた別の実施形態のプラスチック製品は、前述したプラスチック組成物又は前述した可塑化剤を含む。なお、本発明のプラスチック製品は、包装用フィルム、複合材質用紙、使い捨て容器又は収納具、使い捨て食器、食品包装、結束帯、ロープ、被覆フィルム、農業用育苗カップ、キノコ類フレコンバッグ、肥料袋、農業用テープ又はバンド、農業用タイル材又は被覆材、農業用穴埋め皿、青果物用袋、農業用畝面被覆フィルム、手術針、手術用フィルム、骨板、薬物担体、無機混合物、補綴物、生体縫合アンカー、生体組織支持体、骨釘、生体組織充填材、生体縫合糸、生物学的実験用シャーレ、生物学的実験用容器、生物学的実験用マイクロピペット、生物学的実験用遠心チューブ又は実験用手袋等であってもよい。
【0049】
上記実施形態に基いて、以下、具体的な比較例と実施例を示して図面を参照しながら詳細に説明する。
【0050】
<第1比較例>
【0051】
第1比較例のプラスチック組成物はプラスチックのみを含み、含まれるプラスチックがポリ乳酸(Polylactic Acid;PLA)である。第1比較例のプラスチック組成物の成分と含有量については、表2を参照されたい。
【0052】
【0053】
図1と表3を併せて参照し、
図1は第1比較例のプラスチック組成物の分解率と日数との関係を示す図であり、表3では第1比較例のプラスチック組成物の異なる日数での分解率の数値である。
【0054】
【0055】
<第2比較例>
【0056】
第2比較例のプラスチック組成物は、プラスチックと可塑剤を含み、含まれるプラスチックがポリエチレンテレフタレート-1,4-シクロヘキサンジメタノール(Poly(ethylene terephthalateco-1,4-cylclohexylenedimethylene terephthalate);PETG)であり、可塑剤がアミドエステル化合物であり、第2比較例の可塑剤の詳細については、表4を参照されたい。
【0057】
【0058】
また、第2比較例のプラスチック組成物の成分と含有量については、表5を参照されたい。
【0059】
【0060】
図2と表6を併せて参照し、
図2は第2比較例のプラスチック組成物の分解率と日数との関係を示す図であり、表6では第2比較例のプラスチック組成物の異なる日数での分解率の数値である。
【0061】
【0062】
<第3比較例>
【0063】
第3比較例のプラスチック組成物は、可塑剤のみを含み、含まれる可塑剤がクエン酸アセチルトリブチルである。第3比較例のプラスチック組成物の成分と含有量については、表7を参照されたい。
【0064】
【0065】
図3と表8を併せて参照し、
図3は第3比較例のプラスチック組成物の分解率と日数との関係を示す図であり、表8では第3比較例のプラスチック組成物の異なる日数での分解率の数値である。
【0066】
【0067】
<第1実施例>
【0068】
第1実施例のプラスチック組成物は、プラスチックと可塑剤を含み、含まれるプラスチックがポリ乳酸であり、可塑剤がアミドエステル化合物であり、アミドエステル化合物の詳細は表4に示すとおりであり、ここでは説明を省略する。第1実施例のプラスチック組成物の成分と含有量については、表9を参照されたい。
【0069】
【0070】
図4と表10を併せて参照し、
図4は第1実施例のプラスチック組成物の分解率と日数との関係を示す図であり、表10は第1実施例のプラスチック組成物の異なる日数での分解率の数値である。
【0071】
【0072】
<第2実施例>
【0073】
第2実施例のプラスチック組成物は、可塑剤のみを含み、含まれる可塑剤がアミドエステル化合物であり、アミドエステル化合物の詳細は表4に示すとおりであり、ここでは説明を省略する。第2実施例のプラスチック組成物の成分と含有量については、表11を参照されたい。
【0074】
【0075】
図5と表12を併せて参照し、
図5は第2実施例のプラスチック組成物の分解率と日数との関係を示す図であり、表12は第2実施例のプラスチック組成物の異なる日数での分解率の数値である。
【0076】
【0077】
<第3実施例>
【0078】
第3実施例のプラスチック組成物は、プラスチックと可塑剤を含み、含まれるプラスチックがポリ乳酸であり、可塑剤がアミドエステル化合物であり、アミドエステル化合物の詳細は表4に示すとおりであり、ここでは説明を省略する。第3実施例のプラスチック組成物の成分と含有量については、表13を参照されたい。
【0079】
【0080】
<第4実施例>
【0081】
第4実施例のプラスチック組成物は、プラスチックと可塑剤を含み、含まれるプラスチックがポリ乳酸であり、可塑剤がアミドエステル化合物であり、アミドエステル化合物の詳細は表4に示すとおりであり、ここでは説明を省略する。第4実施例のプラスチック組成物の成分と含有量については、表14を参照されたい。
【0082】
【0083】
<第5実施例>
【0084】
第5実施例のプラスチック組成物は、プラスチックと可塑剤を含み、含まれるプラスチックがポリ乳酸であり、可塑剤がアミドエステル化合物であり、アミドエステル化合物の詳細は表4に示すとおりであり、ここでは説明を省略する。第5実施例のプラスチック組成物の成分と含有量については、表15を参照されたい。
【0085】
【0086】
<第6実施例>
【0087】
第6実施例のプラスチック組成物は、プラスチックと可塑剤を含み、含まれるプラスチックがポリ乳酸であり、可塑剤がアミドエステル化合物であり、アミドエステル化合物の詳細は表4に示すとおりであり、ここでは説明を省略する。第6実施例のプラスチック組成物の成分と含有量については、表16を参照されたい。
【0088】
【0089】
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。従って、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とするものである。
【符号の説明】
【0090】
O:酸素原子
C:炭素原子
N:窒素原子
X:中心構造
XC:中心構造の炭素原子数
Y:第1の長鎖構造
YC:第1の長鎖構造の炭素原子数
Z:第2の長鎖構造
ZC:第2の長鎖構造の炭素原子数
Pt:可塑剤のクラッキング温度
Mw:可塑剤の分子量
Dr7:7日目の分解率
Dr14:14日目の分解率
Dr21:21日目の分解率
Dr28:28日目の分解率
Dr42:42日目の分解率