IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アー・ゲー・オー ゲー・エム・ベー・ハー エナギー プルス アンラーゲンの特許一覧

特開2023-156262吸収式ヒートポンプおよび吸収式循環プロセス
<>
  • 特開-吸収式ヒートポンプおよび吸収式循環プロセス 図1a
  • 特開-吸収式ヒートポンプおよび吸収式循環プロセス 図1b
  • 特開-吸収式ヒートポンプおよび吸収式循環プロセス 図2
  • 特開-吸収式ヒートポンプおよび吸収式循環プロセス 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156262
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】吸収式ヒートポンプおよび吸収式循環プロセス
(51)【国際特許分類】
   F25B 15/00 20060101AFI20231017BHJP
【FI】
F25B15/00 301B
F25B15/00 301L
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023064427
(22)【出願日】2023-04-11
(31)【優先権主張番号】22167876
(32)【優先日】2022-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】523136514
【氏名又は名称】アー・ゲー・オー ゲー・エム・ベー・ハー エナギー プルス アンラーゲン
【氏名又は名称原語表記】AGO GmbH Energie + Anlagen
【住所又は居所原語表記】Am Goldenen Feld 23, 95326 Kulmbach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クラウス ラミング
【テーマコード(参考)】
3L093
【Fターム(参考)】
3L093AA03
3L093BB03
3L093BB36
3L093LL05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ガス状の冷媒と、貧溶液および富溶液の液状の溶媒であって、貧溶液および富溶液は、溶媒と冷媒との単相混合物である液状の溶媒と、内部で貧溶液が圧力損失下で冷媒の第1の部分流を吸収する第1の吸収器と、すぐに引き続いて内部で貧溶液が冷媒の第2の部分流を吸収し、その際にその都度熱を放出する第2の吸収器と、内部で富溶液が外部から供給された熱を吸収し、その際に冷媒を放出する放出器とを備えた吸収式ヒートポンプを提供する。
【解決手段】吸収式ヒートポンプを簡単にするために、第1の吸収器13からの貧溶液用の出口14と、第2の吸収器17内への貧溶液用の入口16との間に立下がり管15を設け、立下がり管15内の貧溶液の液柱の静水圧は、第2の吸収器17内への入口16における貧溶液の液柱が第1の吸収器13内への入口12における貧溶液の圧力レベルを有しているように、圧力損失を補償する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収式ヒートポンプ(1,19,30)であって、ガス状の冷媒と、貧溶液および富溶液の液状の溶媒であって、前記貧溶液および前記富溶液は、前記溶媒と前記冷媒との単相混合物である、液状の溶媒と、内部で前記貧溶液が圧力損失下で前記冷媒の第1の部分流を吸収する第1の吸収器(13)と、すぐに引き続いて内部で前記貧溶液が前記冷媒の第2の部分流を吸収し、その際にその都度熱を放出する第2の吸収器(17)と、内部で前記富溶液が外部から供給された熱を吸収し、その際に冷媒を放出する放出器(4,22,33)とを備えた、吸収式ヒートポンプにおいて、
前記第1の吸収器(13)からの前記貧溶液用の出口(14)と、前記第2の吸収器(17)内への前記貧溶液用の入口(16)との間に立下がり管(15)が設けられており、該立下がり管(15)内の前記貧溶液の液柱の静水圧は、前記第2の吸収器(17)内への前記入口(16)における前記液柱が前記第1の吸収器内への入口(12)における前記貧溶液の圧力レベルを有しているように、圧力損失を補償することを特徴とする、吸収式ヒートポンプ(1,19,30)。
【請求項2】
前記第1の吸収器(13)および前記第2の吸収器(17)は、プレート式熱交換器である、請求項1記載の吸収式ヒートポンプ(1,19,30)。
【請求項3】
前記第1の吸収器(13)および前記第2の吸収器(17)は、気泡吸収器として接続されている、請求項2記載の吸収式ヒートポンプ(1,19,30)。
【請求項4】
前記第2の吸収器(17)から流出した後の前記富溶液を前記放出器(4,22,33)内へ流入させるために減圧する絞り弁(3,21)と、前記放出器(4,22,33)から流出した後の前記貧溶液を前記第1の吸収器(13)内へ圧送するポンプ(7)とを有している、請求項1から3までのいずれか1項記載の吸収式ヒートポンプ(1,19,30)。
【請求項5】
前記放出器(4)から流出した後の前記冷媒を圧縮する圧縮機(6)を有している、請求項4記載の吸収式ヒートポンプ(1)。
【請求項6】
前記放出器(22)から流出した後の前記冷媒を液化する液化器(24)と、外部から供給された熱を吸収して前記液状の冷媒を蒸発させる蒸発器(26)と、前記液化器(24)から前記液状の冷媒を前記蒸発器(26)へ圧送する冷媒ポンプ(25)とを有している、請求項4記載の吸収式ヒートポンプ(19)。
【請求項7】
前記第2の吸収器(17)から流出した後の前記富溶液を前記放出器(33)内へ圧送する溶液ポンプ(32)と、前記放出器(33)から流出した後の前記貧溶液を前記第1の吸収器(13)に流入させるために減圧する減圧弁(34)と、前記放出器(33)から流入した前記冷媒が熱を放出して凝縮する凝縮器(35)と、前記第1の吸収器(13)および前記第2の吸収器(17)に流入する前の前記冷媒が熱を吸収する蒸発器(37)と、前記凝縮器(35)から流出した後の前記液状の冷媒を前記蒸発器(37)内へ流入させるために膨張させる膨張弁(36)とを有している、請求項1から3までのいずれか1項記載の吸収式ヒートポンプ(30)。
【請求項8】
前記溶媒は水であり、前記冷媒はアンモニアである、請求項1から7までのいずれか1項記載の吸収式ヒートポンプ(1,19,30)。
【請求項9】
ガス状の冷媒と、貧溶液および富溶液の液状の溶媒とを備えた吸収式循環プロセスであって、前記貧溶液および前記富溶液は、前記溶媒と前記冷媒との単相混合物であり、前記貧溶液は、圧力損失下で前記冷媒の第1の部分流を吸収し、すぐに引き続いて前記冷媒の第2の部分流を吸収し、その際にその都度熱を放出する、吸収式循環プロセスにおいて、
前記貧溶液の液柱の静水圧が、前記圧力損失を補償し、前記貧溶液は、再び所定の圧力レベルになった前記第2の部分流を吸収することを特徴とする、吸収式循環プロセス。
【請求項10】
各前記部分流は、同じ圧力を有している、請求項9記載の吸収式循環プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はまず、吸収式ヒートポンプであって、ガス状の冷媒と、貧溶液および富溶液の液状の溶媒であって、貧溶液および富溶液は、溶媒と冷媒との単相混合物である、液状の溶媒と、内部で貧溶液が圧力損失下で冷媒の第1の部分流を吸収する第1の吸収器と、すぐに引き続いて内部で貧溶液が冷媒の第2の部分流を吸収し、その際にその都度熱を放出する第2の吸収器と、内部で富溶液が外部から供給された熱を吸収し、その際に冷媒を放出する放出器とを備えた、吸収式ヒートポンプに関する。本発明はさらに、ガス状の冷媒と、貧溶液および富溶液の液状の溶媒とを備えた吸収式循環プロセスであって、貧溶液および富溶液は、溶媒と冷媒との単相混合物であり、貧溶液は、圧力損失下で冷媒の第1の部分流を吸収し、すぐに引き続いて冷媒の第2の部分流を吸収し、その際にその都度熱を放出する、吸収式循環プロセスに関する。
【0002】
直列の2つの吸収器を備えた吸収ユニットは、単一の吸収器に比べて、溶液と加熱媒体-通常は水-との間の温度差が大幅に小さいと同時に、溶液の流入温度と流出温度との間の開きが大きな吸収式ヒートポンプの使用を可能にする。流下薄膜型吸収器として接続された2つのプレート式熱交換器を備えたこのような吸収式ヒートポンプおよびこのような吸収式循環プロセスは、欧州特許出願公開第3964770号明細書から公知である。第1の吸収器を通流する際の貧溶液の圧力損失を補償するために、冷媒の第2の部分流が、第2の吸収器内へ流入する前に、減じられた圧力レベルに絞られる。
【0003】
本発明の背景において、Kahn R., Ein Ammoniak-Wasser Absorptionsskreislauf fuer hohen Temperaturhubは、気泡吸収器としてプレート式熱交換器を使用する吸収式循環プロセスを開示している。流下薄膜型吸収器または気泡吸収器としてのプレート式熱交換器は、Niebergall W., Sorptionskaeltemaschinenに記載されている。
【0004】
課題
本発明の根底を成す課題は、吸収式ヒートポンプを簡単にすることである。
【0005】
解決手段
公知の吸収式ヒートポンプを起点として本発明により、第1の吸収器からの貧溶液用の出口と、第2の吸収器内への貧溶液用の入口との間に立下がり管を設けることを提案し、この場合、立下がり管内の貧溶液の液柱の静水圧は、第2の吸収器内への入口における貧溶液の液柱が第1の吸収器内への入口における貧溶液の圧力レベルを有しているように、圧力損失を補償する。液柱の静水圧は、追加的な絞りまたは別の追加的なユニット無しで圧力損失を補償する。
【0006】
好適には、本発明による吸収式ヒートポンプにおいて、第1の吸収器および第2の吸収器は、プレート式熱交換器である。このような熱交換器は、技術的に簡単で、メンテナンスが少なく、多くの構成で廉価に市販されている。
【0007】
好適には、このような本発明による吸収式ヒートポンプにおいて、第1の吸収器および第2の吸収器は、気泡吸収器として接続されている。プレート式熱交換器の気泡吸収器としての使用は、一般に周知である。この場合、貧溶液と冷媒蒸気とが同一方向に向けられた流れにおいて下流側で吸収器内に導入され、両者は冷媒蒸気の気泡の浮力により上方に向かって上昇させられる一方で、冷媒蒸気の気泡は貧溶液により吸収される。上端部において、冷媒蒸気により富化された貧溶液が、吸収器から流出する。
【0008】
このような本発明による吸収式ヒートポンプにおいて、下方から吸収器に流入し、上方で吸収器から流出する溶液の圧力損失は、2点間の貧溶液の液柱の静水圧にほぼ相当する。つまり、第2の吸収器は、第1の吸収器の隣または第1の吸収器の高さの下側に配置され得、これにより、入口における先行圧力レベルを保証する。
【0009】
択一的に、本発明による吸収式ヒートポンプでは、前掲の欧州特許出願公開第3964770号明細書から公知の吸収式ヒートポンプに設けられているような吸収器が、流下薄膜型吸収器として接続されてもよく、この場合は貧溶液が上方から導入されると共に冷媒蒸気は下方から導入され、相接して流過し、富化された貧溶液は下端部において吸収器から流出する。
【0010】
好適には、本発明による吸収式ヒートポンプは、第2の吸収器から流出した後の富溶液を放出器内へ流入させるために減圧する絞り弁と、放出器から流出した後の貧溶液を第1の吸収器内へ圧送するポンプとを有している。本発明によるこのような吸収式ヒートポンプは、低い温度レベルの熱を吸収し、この熱を、より高いレベルで再び供給する。富溶液は、絞り弁において冷却され、これにより、低温熱を吸収することができる。ガス状の冷媒と液状の溶媒とは、別個に吸収器に供給される。ポンプは、冷凍技術において一般に周知の装置であり、多くの構成で廉価に提供されている。
【0011】
好適には、本発明によるこのような吸収式ヒートポンプは、放出器から流出した後の冷媒を圧縮する圧縮機を有している。この場合、本発明による吸収式ヒートポンプは、特に建物に暖房熱を供給する。
【0012】
択一的に、好適には、本発明による吸収式熱機械は、放出器から流出した後の冷媒を液化する液化器と、外部から供給された熱を吸収して液状の冷媒を蒸発させる蒸発器と、液化器から液状の冷媒を蒸発器へ圧送する冷媒ポンプとを有している。この場合、本発明による吸収式ヒートポンプは、ヒートトランスフォーマとして、高い温度レベルのプロセス熱を供給する。
【0013】
択一的に、好適には、本発明による吸収式熱機械は、第2の吸収器から流出した後の富溶液を放出器内へ圧送する溶液ポンプと、放出器から流出した後の貧溶液を第1の吸収器に流入させるために減圧する減圧弁と、放出器から流入した冷媒が熱を放出して凝縮する凝縮器と、第1の吸収器および第2の吸収器に流入する前の冷媒が熱を吸収する蒸発器と、凝縮器から流出した後の液状の冷媒を蒸発器内へ流入させるために膨張させる膨張弁とを有している。この場合、本発明による吸収式ヒートポンプは、冷熱を供給する。
【0014】
好適には、本発明による吸収式ヒートポンプにおいて溶媒は水であり、冷媒はアンモニアである。水およびアンモニアは天然物質であり、冷凍技術において有利であることが判っている。
【0015】
周知の吸収式循環プロセスを起点として本発明により、貧溶液の液柱の静水圧が、圧力損失を補償し、貧溶液は、再び所定の圧力レベルになった第2の部分流を吸収することを提案する。このようなプロセスは、本発明による吸収式ヒートポンプにより実施され、同様に、吸収式ヒートポンプの利点に基づき優れている。
【0016】
好適には、本発明による吸収式循環プロセスにおいて、各部分流は、同じ圧力を有している。本発明によるこのような吸収式循環プロセスにおいて、部分流は、絞りまたは追加的なユニットなしで分割され得る。
【0017】
実施例
以下に、本発明を各実施例に基づき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1a】本発明による第1の吸収式ヒートポンプを示す図である。
図1b】第1の吸収式ヒートポンプの詳細図である。
図2】本発明による第2の吸収式ヒートポンプを示す図である。
図3】本発明による第3の吸収式ヒートポンプを示す図である。
【0019】
図1aに示す本発明による第1の吸収式ヒートポンプ1は、吸収ユニット2と、絞り弁3と、放出器4と、分離器5と、圧縮機6と、ポンプ7と、これらをこの順序で接続して1つの円形に閉じられた系を形成する複数の導管8とを有しており、この場合、圧縮機6は冷媒分岐通路9内に配置されており、ポンプ7は、分離器5から吸収ユニット2まで冷媒分岐通路9に対して平行に延びる溶媒分岐通路10内に配置されている。
【0020】
溶媒としての水の中に冷媒としてのアンモニア(NH)を含む本発明による吸収式循環プロセスのサイクルでは、吸収ユニット2において、貧溶液の流れが冷媒の流れを吸収し、加熱媒体に出熱を供給する。95℃で32.9barの圧力下で吸収ユニット2から流出する富溶液は、絞り弁3により8barの低圧に減圧されると共に45℃の温度に冷却され、放出器4内で熱源により88℃に加熱される。この場合、熱源は90℃から50℃に冷却される。後続の分離器5から、貧溶液がポンプ7により吸収ユニット2内へ圧送され、かつガス状の冷媒が圧縮機6により33.1barの高圧に圧縮されて吸収ユニット2内へ圧送される。
【0021】
図1bに詳細図で示す吸収ユニット2において、圧縮機6から圧送された冷媒流はまず、分流器11内で分流される。冷媒の第1の部分流は、貧溶液と共に、入口12を介して第1の吸収器13内へ案内される。冷媒の第1の部分流が吸収された後、第1の吸収器13の出口14に32.9barの圧力が生じる。冷媒により富化された溶液は、立下がり管15と入口16とを介して第2の吸収器17内へ案内される。富化された溶液は、下流側の立下がり管15および入口16において、再び33.1barの当初の圧力を有している。
【0022】
第1の吸収器13および第2の吸収器17はプレート式熱交換器であり、貧溶液もしくは富化された溶液と冷媒蒸気とが下方からプレートに向かってプレート間で分散させられて上向きに流れ、このとき冷媒蒸気は溶液により吸収される。プレートは図示されていない。
【0023】
液状の加熱媒体が、90℃の温度でもって上流側の第2の吸収器17内へ流入し、140℃の温度でもって下流側の第1の吸収器13から流出する。
【0024】
図2に示す、本発明による第2の吸収式ヒートポンプ19は、溶媒としての水の中に冷媒としてのアンモニア(NH)を含むヒートトランスフォーマとして、低い温度レベルの廃熱を吸収すると共に、より高いレベルのプロセス熱を供給する。本発明による第2の吸収式ヒートポンプ19は、吸収ユニット20と、絞り弁21と、放出器22と、溶媒ポンプ23と、液化器24と、冷媒ポンプ25と、蒸発器26と、これらをこの順序で接続して1つの円形に閉じられた系を形成する複数の導管27とを有しており、この場合、溶媒は放出器22から溶媒ポンプ23により吸収器内へ案内され、冷媒は並行して液化器24と冷媒ポンプ25と蒸発器26とを介して並行して吸収器内へ案内される。
【0025】
吸収器から流出した後、富溶液は、まず溶液熱交換器28において、吸収ユニット20内に流入する溶媒に熱を供給し、次いで別の放出器29において、放出器から流出する富溶液の部分流に熱を供給する。第2の吸収式ヒートポンプ19の吸収ユニット20は、第1の吸収式ヒートポンプ1の吸収ユニット2に相当する。
【0026】
図3に示す、本発明による第3の吸収式ヒートポンプ30は、溶媒としての水の中に冷媒としてのアンモニア(NH)を含む冷凍機として、低い温度レベルの熱を吸収し、この熱を廃熱として周囲に放出する。本発明による第3の吸収式ヒートポンプ30は、吸収ユニット31と、溶液ポンプ32と、放出器33と、減圧弁34と、凝縮器35と、膨張弁36と、蒸発器37と、これらをこの順序で接続して1つの円形に閉じられた系を形成する複数の導管38とを有しており、この場合、貧溶液が、放出器33から減圧弁34を介して吸収器内へ案内され、かつ並行して冷媒が凝縮器35と膨張弁36と蒸発器37とを介して吸収器内へ案内される。
【0027】
放出器33から流出した後、貧溶液は、まず別の放出器39において、放出器33の傍らを通過して案内される富溶液の部分流に熱を供給し、次いで溶液熱交換器40において、溶液ポンプ32から流出する富溶液に熱を供給する。蒸発器37から流出する冷媒蒸気は、冷媒熱交換器41において、凝縮器35と膨張弁36との間の液状の冷媒から熱を吸収する。第3の吸収式ヒートポンプ30の吸収ユニット31は、第1の吸収式ヒートポンプ1の吸収ユニット2に相当する。
【符号の説明】
【0028】
1 吸収式ヒートポンプ
2 吸収ユニット
3 絞り弁
4 放出器
5 分離器
6 圧縮機
7 ポンプ
8 導管
9 冷媒分岐通路
10 溶媒分岐通路
11 分流器
12 入口
13 第1の吸収器
14 出口
15 立下がり管
16 入口
17 第2の吸収器
19 吸収式ヒートポンプ
20 吸収ユニット
21 絞り弁
22 放出器
23 溶媒ポンプ
24 液化器
25 冷媒ポンプ
26 蒸発器
27 導管
28 溶液熱交換器
29 放出器
30 吸収式ヒートポンプ
31 吸収ユニット
32 溶液ポンプ
33 放出器
34 減圧弁
35 凝縮器
36 膨張弁
37 蒸発器
38 導管
39 放出器
40 溶液熱交換器
41 冷媒熱交換器
図1a
図1b
図2
図3
【外国語明細書】