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特開2023-156282情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156282
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20231017BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20231017BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20231017BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20231017BHJP
   A47K 17/00 20060101ALI20231017BHJP
   A47K 13/24 20060101ALI20231017BHJP
   E03D 9/00 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B25/00 510M
G08B21/02
G08B21/00 E
A47K17/00
A47K13/24
E03D9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114199
(22)【出願日】2023-07-12
(62)【分割の表示】P 2020204674の分割
【原出願日】2020-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】若林 正博
(72)【発明者】
【氏名】掛端 一弘
(72)【発明者】
【氏名】三重野 勤
(72)【発明者】
【氏名】山渕 治彦
(57)【要約】
【課題】被介護者のトイレの使用状況を介護者による介護状況に応じて介護者に通知する。
【解決手段】情報処理システム1は、認証部1d、記憶部1e、及び出力部1fを備える。認証部1dは、トイレへ入退室した人を認証するとともに、人がトイレの使用者としての被介助者及び使用者を介助する介助者のいずれであるかを判定する。出力部1fは、認証部1dでの認証結果に基づき示される検知イベントと通知条件とに基づき、通知先に通知情報を出力する。記憶部1eは、通知条件として検知イベント毎に通知の要否と通知が必要な場合の通知情報及び通知先とを記憶する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレへ入退室した人を認証するとともに、前記人が前記トイレの使用者としての被介助者及び前記使用者を介助する介助者のいずれであるかを判定する認証部と、
通知条件を記憶する記憶部と、
前記認証部での認証結果に基づき示される検知イベントと、前記通知条件とに基づき、通知先に通知情報を出力する出力部と、
を備え、
前記記憶部は、前記通知条件として、前記検知イベント毎に、通知の要否と通知が必要な場合の前記通知情報及び前記通知先とを記憶する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記トイレへの人の入退室を検知する入退室検知センサを備え、
前記検知イベントは、前記入退室検知センサで検知された入退室情報及び前記認証部での認証結果に基づき示される、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記トイレの便器に設置された便座への離着席を検知する離着席検知センサを備え、
前記検知イベントは、前記離着席検知センサで検知された離着席情報及び前記認証部での認証結果に基づき示される、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記トイレの便器における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように設置された撮像装置で撮像された撮像データに基づき、排泄の開始及び終了を少なくとも示す排泄情報を得る取得部を備え、
前記検知イベントは、前記取得部で取得された前記排泄情報及び前記認証部での認証結果に基づき示される、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
トイレへ入退室した人を認証するとともに、前記人が前記トイレの使用者としての被介助者及び前記使用者を介助する介助者のいずれであるかを判定する認証部と、
通知条件を記憶する記憶部と、
前記認証部での認証結果に基づき示される検知イベントと、前記通知条件とに基づき、通知先に通知情報を出力する出力部と、
を備え、
前記記憶部は、前記通知条件として、前記検知イベント毎に、通知の要否と通知が必要な場合の前記通知情報及び前記通知先とを記憶する、
情報処理装置。
【請求項6】
トイレへ入退室した人を認証するとともに、前記人が前記トイレの使用者としての被介助者及び前記使用者を介助する介助者のいずれであるかを判定する認証ステップと、
通知条件を記憶する記憶ステップと、
前記認証ステップでの認証結果に基づき示される検知イベントと、前記通知条件とに基づき、通知先に通知情報を出力する出力ステップと、
を備え、
前記記憶ステップは、前記通知条件として、前記検知イベント毎に、通知の要否と通知が必要な場合の前記通知情報及び前記通知先とを記憶する、
情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
トイレへ入退室した人を認証するとともに、前記人が前記トイレの使用者としての被介助者及び前記使用者を介助する介助者のいずれであるかを判定する認証ステップと、
通知条件を記憶する記憶ステップと、
前記認証ステップでの認証結果に基づき示される検知イベントと、前記通知条件とに基づき、通知先に通知情報を出力する出力ステップと、
を含む処理であって、
前記記憶ステップは、前記通知条件として、前記検知イベント毎に、通知の要否と通知が必要な場合の前記通知情報及び前記通知先とを記憶する、
処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
介護現場において排泄介助を行う介護士は、要介護者(被介護者)の尊厳を維持しつつ、要介護者の失禁を減らし、自立支援を促すことが求められている。介護現場における排泄介助は、場合によって要介護者の尊厳を傷付ける可能性が含まれているため、介護士は多くの負担を強いられることになり、業務の負荷軽減のための支援が求められている。
【0003】
介護士の業務には、要介護者の排泄介助において排泄日誌を作成する業務も含まれる。そのため、介護士は、要介護者と一緒にトイレに入室して要介護者の排泄行為を観察するか、若しくは、要介護者から聞き取りを行うかにより、排泄日誌に記載する情報を得ている。しかしながら、排泄という行為を観察されることは要介護者にとって恥辱を伴うものであるため、要介護者の尊厳を傷つける場面が生じ易いと言え、このような場面での観察は介護士にも負担を強いる作業となる。
【0004】
また、要介護者に認知症がある場合に、排泄時に、おむつや尿とりパッドをトイレットペーパーと誤認すること、或いは要介護者が羞恥心から排泄の失敗(便や尿の失禁)の証拠を故意に隠そうとすることがある。そして、このような場合、おむつや尿とりパッドをトイレに流す行為がなされることがある。介護施設は、このような場合或いは定期的に、業者に依頼して異物除去等の排水管清掃作業を行い、詰まりの解消を実施している。
【0005】
また、便座からの退座やトイレからの退出に介助が必要である場合や、トイレ内での不慮の事態を防ぐために、排泄行為の前後で、介護者の付きっきりの介助が必要となり、介護者の負担増を招いている。また、便秘や排尿障害の把握が難しく、発見が遅れる場合や、対処療法となり、不要な投薬が多くなる場合があった。
【0006】
排便の記録に関し、特許文献1には、被介護者の排便の記録が自動的に採取され、病院や老人ホームなどの施設において痴呆性の老人や児童が一人で排便を行う場合でも、トイレの利用時間や利用回数を確実に記録するトイレセンサ装置が記載されている。特許文献1に記載のトイレセンサ装置は、利用者が便座に座っていることを検出するとデータ処理手段に検出信号を出力する検出手段と、検出手段に接続されたデータ処理手段とを備えている。上記データ処理手段は、利用者のトイレの利用回数及び予め設定された利用者のトイレ使用時間の目安となる基準時間T1を記憶し、検出手段からの検出信号に基づき利用者が便座に座っているか否かを判断し、利用者が便座に座っている利用時間T2を測定する。上記データ処理手段は、測定した利用時間T2が基準時間T1を越えている場合には記憶している利用回数に1を加算して新たな利用回数として記憶し、記憶した新たな利用回数を表示する。
【0007】
異常の通知に関し、特許文献2には、被介護者に起こる異常の種類に応じた第1の通知以降についても、通知先、通知内容を切り替えるモニタリング装置が記載されている。特許文献2に記載のモニタリング装置は、ネットワークを介して複数の通信端末装置と接続可能な装置であって、撮像手段と、異常を検知する検知手段と、上記複数の通信端末装置から情報を受信する受信手段と、送信手段と、を設けている。上記送信手段は、上記検知手段によって異常が検知された場合、上記送信制御ファイルに基づき通信端末装置毎に生成した第1の送信情報を上記送信制御ファイルに記述された複数の通信端末装置に送信する。また、上記送信手段は、上記第1の送信情報を送信した上記複数の通信端末装置の1つから上記受信手段によって情報が受信された場合、上記送信制御ファイルに基づき生成した第2の送信情報を上記送信制御ファイルに記述された通信端末装置に送信する。
【0008】
トイレの使用者の動作の検知に関し、特許文献3には、トイレへの入室、退室、便座の着座、離隔等の人体の様々な動作を精度良く検出することを目的とした便座装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000-237098号公報
【特許文献2】特開2011-066632号公報
【特許文献3】国際公開第2015/087541号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のように介護者は被介護者の排泄管理や排泄介助を行っているが、作業を行う上で以下の課題がある。
【0011】
一つ目として、介護者は排泄管理や排泄介助を行うために被介護者のトイレ利用状況を監視している。介護者は一人で、複数の被介護者を担当しており、介護度により優先度は異なるが、トイレの利用状況の把握や介助を行うためにトイレ監視を行っている。そのため介護者は被介護者の状況が確認できる場所に待機し、被介護者が移動した際にはトイレ利用であるかの確認に向かう。被介護者の移動先がトイレであれば介助のために付き添うが、トイレではなかった場合は他の被介護者の状況確認に、戻らなければならないので労力がかかる。また、排泄前後で介助が必要な被介護者がトイレ利用中の場合、介護者は被介護者の排泄が終了するまでトイレ内又はトイレのそばで待機し、被介護者毎に必要な介助をする必要がある。そのため担当する他の被介護者の動向は確認できないので、介助後に他の被介護者の状況を確認し、部屋にいなければトイレ利用か確認に行く必要がある。このように介護者が被介護者のトイレ監視にかかわる時間は長く、他の作業にまで手が回らないという課題がある。
【0012】
二つ目として、自立排泄が難しい被介護者は、排泄を行う際は介護者の介助が必要になるが、介護者が近くにいない場合、単独でトイレに向かってしまうことがある。被介護者が単独でトイレに入室した場合、排泄を行うには介護者の駆けつけを待つ必要があるが、介護者が他の介護者の介助中でトイレ入室に気付いていない場合やどこのトイレに入室したかわからず探している場合は、すぐ介助に駆けつけることができない。そのため介護者が駆けつけるまで待ち続け、トイレ内で漏らしてしまう事態が生じ得るといった課題がある。また、介護者が駆けつける前に自力で排泄を行おうとして、便座への移動中に転倒して怪我をする事態や、脱衣をしようとして立ち上がった際にバランスを崩して転倒して怪我をする事態が生じ得るといった課題もある。また、排泄中の介助が行われないため排泄が終わらない状況に陥るといった課題もある。また、介護者が排泄前に介助を行い、排泄中はトイレ内には居ない場合、被介護者が排泄終了を介護者に伝えられないと介護者が排泄終了に気付かず介助が行われないため、被介護者が着座したままとなる課題がある。さらに、被介護者の排泄中に異常が発生し介護者に伝えられない場合、介護者は被介護者の状態に気付かず、すぐに対応することができないという課題がある。また、歩行困難な被介護者が便座から退座又はトイレから退室した場合、移動するには介護者の介助が必要ではあるが、介護者が近くにいないと被介護者はトイレ付近で待ち続けるという課題がある。このように被介護者が単独でトイレに入室した場合や、介護者が被介護者の状況に気付かない場合など、被介護者がトイレ内で介助を受けられないことで発生する課題がある。
【0013】
三つ目として、介護者が被介護者のトイレ利用に気付き、介助に駆けつけた際に、すでに他の介護者により介助中である場合や必要以上に介護者が駆けつける場合など、他の介護者の状況がわからず介助に駆けつけても無駄になるという課題がある。また、介護者が複数人必要な場合に他の介護者が駆けつけず、介助に時間がかかる場合など課題がある。このように介護者同士で状況が共有できていないことで発生する課題がある。
【0014】
四つ目として、介護者は被介護者の排泄状況を記録しているが、上述したように、排泄状況を記録するには被介護者がトイレを使用する際にトイレに付き添い排泄行為を直接確認するか、後から被介護者に聞き取りを行う必要があり、介護者の負担となる課題がある。また、被介護者には尿意や便意を感じない人もいるため介護者は、定期的に排泄の促しを行う必要があるが、排泄状況を被介護者から聞き取ることや排泄記録から確認するには手間がかかり、介護者の負担となる課題がある。このように介護者が被介護者の排泄状況を確認することには課題がある。
【0015】
五つ目として、上述したように、被介護者は排泄時におむつや尿とりパッドをトイレットペーパーと誤認しトイレに流すことや、被介護者が排泄の失敗を隠そうと、おむつや尿とりパッドをトイレに流すことがある。そのため、介護施設は定期的に配管業者に依頼して異物除去を実施する必要があり、その作業中に排水に関連する施設の可動ができない事態となる課題がある。
【0016】
上記の状況を改善すべく、トイレセンサを設置し、トイレセンサにより被介護者のトイレ利用状況を必要に応じて介護者へ通知する仕組みが望まれる。なお、特許文献1~3に記載の技術は、介護者が被介護者をトイレ内で介助しているか否かの情報を得ることができないため、上記のような課題を解決することはできない。
【0017】
本開示は、上述した課題を解決するためになされたもので、被介護者のトイレの使用状況を介護者による介護状況に応じて介護者に通知を行うことが可能な情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本開示の第1の態様に係る情報処理システムは、取得部、第1センサ、第2センサ、認証部、記憶部、及び出力部を備える。前記取得部は、トイレの便器における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように設置された撮像装置で撮像された撮像データに基づき、排泄の開始及び終了を少なくとも示す排泄情報を得る。前記第1センサは、前記トイレへの人の入退室を検知する。前記第2センサは、前記便器に設置された便座への離着席を検知する。前記認証部は、前記トイレへ入退室した人を認証するとともに、前記人が前記トイレの使用者としての被介助者及び前記使用者を介助する介助者のいずれであるかを判定する。前記記憶部は、通知条件を記憶する。前記出力部は、前記取得部で取得された前記排泄情報、前記第1センサで検知された入退室情報、前記第2センサで検知された離着席情報、及び前記認証部での認証結果が示す検知イベントと、前記通知条件とに基づき、通知先に通知情報を出力する。前記記憶部は、前記通知条件として、前記検知イベント毎に、通知の要否と通知が必要な場合の前記通知情報及び前記通知先とを記憶する。
【0019】
本開示の第2の態様に係る情報処理装置は、撮像装置を備え、トイレの便器における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように前記撮像装置が配置されるように、前記便器に設置される情報処理装置である。前記情報処理装置は、取得部、第1センサ、第2センサ、認証部、記憶部、及び出力部を備える。前記取得部は、前記撮像装置で撮像された撮像データに基づき、排泄の開始及び終了を少なくとも示す排泄情報を得る。前記第1センサは、前記トイレへの人の入退室を検知する。前記第2センサは、前記便器に設置された便座への離着席を検知する。前記認証部は、前記トイレへ入退室した人を認証するとともに、前記人が前記トイレの使用者としての被介助者及び前記使用者を介助する介助者のいずれであるかを判定する。前記記憶部は、通知条件を記憶する。前記出力部は、前記取得部で取得された前記排泄情報、前記第1センサで検知された入退室情報、前記第2センサで検知された離着席情報、及び前記認証部での認証結果が示す検知イベントと、前記通知条件とに基づき、通知先に通知情報を出力する。前記記憶部は、前記通知条件として、前記検知イベント毎に、通知の要否と通知が必要な場合の前記通知情報及び前記通知先とを記憶する。
【0020】
本開示の第3の態様に係る情報処理方法は、取得ステップ、第1検知ステップ、第2検知ステップ、認証ステップ、記憶ステップ、及び出力ステップを備える。前記取得ステップは、トイレの便器における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように設置された撮像装置で撮像された撮像データに基づき、排泄の開始及び終了を少なくとも示す排泄情報を得る。前記第1検知ステップは、第1センサが前記トイレへの人の入退室を検知する。前記第2検知ステップは、第2センサが前記便器に設置された便座への離着席を検知する。前記認証ステップは、前記トイレへ入退室した人を認証するとともに、前記人が前記トイレの使用者としての被介助者及び前記使用者を介助する介助者のいずれであるかを判定する。前記記憶ステップは、通知条件を記憶する。前記出力ステップは、前記取得ステップで取得された前記排泄情報、前記第1センサで検知された入退室情報、前記第2センサで検知された離着席情報、及び前記認証ステップでの認証結果が示す検知イベントと前記通知条件とに基づき通知先に通知情報を出力する。前記記憶ステップは、前記通知条件として、前記検知イベント毎に、通知の要否と通知が必要な場合の前記通知情報及び前記通知先とを記憶する。
【0021】
本開示の第4の態様に係るプログラムは、コンピュータに、取得ステップ、第1検知ステップ、第2検知ステップ、認証ステップ、記憶ステップ、及び出力ステップを含む処理を実行させるためのプログラムである。前記取得ステップは、トイレの便器における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように設置された撮像装置で撮像された撮像データに基づき、排泄の開始及び終了を少なくとも示す排泄情報を得る。前記第1検知ステップは、第1センサで前記トイレへの人の入退室を検知する。前記第2検知ステップは、第2センサで前記便器に設置された便座への離着席を検知する。前記認証ステップは、前記トイレへ入退室した人を認証するとともに、前記人が前記トイレの使用者としての被介助者及び前記使用者を介助する介助者のいずれであるかを判定する。前記記憶ステップは、通知条件を記憶する。前記出力ステップは、前記取得ステップで取得された前記排泄情報、前記第1センサで検知された入退室情報、前記第2センサで検知された離着席情報、及び前記認証ステップでの認証結果が示す検知イベントと前記通知条件とに基づき通知先に通知情報を出力する。前記記憶ステップは、前記通知条件として、前記検知イベント毎に、通知の要否と通知が必要な場合の前記通知情報及び前記通知先とを記憶する。
【発明の効果】
【0022】
本開示により、被介護者のトイレの使用状況を介護者による介護状況に応じて介護者に通知を行うことが可能な情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態1に係る情報処理システムの一構成例を示すブロック図である。
図2】実施形態2に係る情報処理システムの一構成例を示す図である。
図3図2の情報処理システムにおける情報処理装置の一構成例を示すブロック図である。
図4図2の情報処理システムにおける端末装置での通知例を説明するための図である。
図5図2の情報処理システムにおける通知の流れを説明するための概略図である。
図6図2の情報処理システムにおける通知条件の例を示す図である。
図7図6の通知条件における通知種別と設定内容の例を示す図である。
図8図7の通知種別の目的について示す図である。
図9図2の情報処理システムにおける通知処理の一例を説明するためのフロー図である。
図10図9に続くフロー図である。
図11図9に続くフロー図である。
図12図11に続くフロー図である。
図13図2の情報処理システムにおける通知処理の他の例を説明するためのフロー図である。
図14図2の情報処理システムにおける通知処理の他の例を説明するためのフロー図である。
図15】装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。なお、実施形態において、同一又は同等の要素には、同一の符号を付すことがあり、重複する説明は適宜省略される。
【0025】
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る情報処理システムの一構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1は、取得部1a、第1センサ1b、第2センサ1c、認証部1d、記憶部1e、及び出力部1fを備えることができる。
【0026】
取得部1aは、トイレの便器における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように設置された撮像装置(以下、カメラで例示)で撮像された撮像データに基づき、排泄情報を得る。そのため、情報処理システム1には、このように設置されたカメラが接続されるか、含まれることになる。このカメラは、可視光カメラに限らず、赤外光カメラ等であってもよく、また、静止画が抽出できればビデオカメラであってもよい。
【0027】
上記の排泄範囲は、便器の滞水部分を含む領域とすることができ、排泄予定範囲と称することもできる。このような排泄範囲を撮像範囲に含めるようにカメラを設置しておくことで、撮像される撮像データには被写体として排泄物等が含まれることとなる。無論、上記の排泄範囲は、トイレの使用者が映り込まないような範囲とすることが好ましく、またカメラのレンズも使用者から見えないようにカメラが設置されることが好ましい。また、使用者は、例えば情報処理システム1を病院、介護施設で使用する場合、上記の使用者とは、主に、患者等の要介護者となる。
【0028】
排泄情報とは、排泄の開始及び終了を少なくとも示す情報である。排泄情報には、排泄の内容を示す情報、より単純な例では排泄物が大便(糞)であるか小便(尿)であるかを示す情報を含むことが望ましい。また、排泄情報には、排泄物の色を示す情報、固形物であるのであればその形状など、他の情報を含むこともできる。
【0029】
取得部1aは、排泄情報を、例えば学習済みモデルを用いることで、或いは画像マッチング等による比較を行うことで、得ることができる。この学習済みモデルは、カメラで撮像された撮像データに基づき排泄情報を出力するモデルであればよく、記憶部1e又は図示しない他の記憶部に記憶させておくことができる。例えば、学習済みモデルは、上記撮像データを入力し、或いは上記撮像データに対して前処理を施したデータを入力し、排泄情報(複数種類の情報であってもよい)を出力するモデルとすることができる。なお、そのアルゴリズム(機械学習のアルゴリズム)や階層数等のハイパーパラメータなどは問わず、機械学習により学習済みモデルを生成すればよい。このように、取得部1aは、撮像データに基づき学習済みモデルを用いて排泄情報を得ることができる。
【0030】
一方で、取得部1aが画像マッチング等の比較を行う構成では、比較対象となる様々な画像データ、又はその特徴データを、排泄の内容を示す排泄情報に関連付け、図示しない記憶部に格納しておけばよい。そして、取得部1aは、カメラからの撮像データを入力し、その特徴を抽出するなどした後に、記憶部に格納されたデータとの比較を実行し、合致又は最も合致率が高い比較対象のデータが示す排泄情報を出力するとよい。
【0031】
また、この撮像データには撮像日時、撮像条件等の付属情報を含むことができ、この学習済みモデルには、撮像データだけではなく、それ以外の情報もパラメータとして入力させるモデルとすることもできる。撮像条件は、例えば、解像度が設定可能なカメラであればその解像度を含むことができ、ズーム機能付きのカメラの場合にはそのズーム倍率を含むことができる。
【0032】
また、排泄情報の取得のために使用される撮像データは、例えば排泄範囲に被写体として物体が検出された或いは滞水の色が変わるなどの変化が検出された場合のデータとすることができ、変化があった時点を排泄の開始又は終了の時点と判定できる。これらの検出は、例えば、カメラで常時又は一定期間毎に撮像を行っておき、そこで得た撮像データから実施することができる。なお、別途設けた使用者検知のセンサ(便座に設けた荷重センサ、その他、人感センサなど)からの使用者検知結果に基づき撮像を開始し、そのときの撮像データを排泄情報取得のために使用することもできる。
【0033】
第1センサ1bは、トイレへの人の入退室を検知する。第1センサ1bは、例えば上述した人感センサとすることができる。
【0034】
第2センサ1cは、便器に設置された便座への離着席(着座及び退座)を検知する。第2センサ1cは、例えば、上述した荷重センサ(感圧式センサ)とすることができるが、便座以外に配設したカメラや人感センサなどとすることもできる。便座は、便器の洗浄機能を有する機器(例えばトイレを流す機能を有する、ウォシュレット(登録商標)等の温水洗浄便座など)とすることができる。情報処理システム1は、このような機器、或いは温水洗浄便座一体型の便器を含むこともできる。
【0035】
認証部1dは、トイレへ入退室した人を認証するとともに、人がトイレの使用者としての被介助者(被介護者)及びその使用者を介助する介助者のいずれであるかを判定する。なお、トイレの使用者としての被介助者は、使用者が被介護者である場合のその人を指す。つまり、トイレの使用者(ユーザ)としての被介護者はトイレ使用時に介助されることとなることから「被介助者」と称する。被介護者は「要介護者」とも称する。また、介護士や医師等の介護者は被介助者がトイレを使用中に介助を行うことから「介助者」とも称している。
【0036】
上述のような認証のために、認証部1dは、カメラ及び顔認証処理部を有する人認識センサや、人が衣服やICカード等の一部として保持するタグを認識することで人認識を行う人認識センサなどを有することができる。認証部1dは、このような人認識センサでの認識結果に基づき、トイレへ入退室した者が被介助者及び介助者のいずれであるかを判定する。この判定自体は、認識した人に予め対応付けられた被介護者(被介助者となり得る者)又は介助者を示す情報を参照して実行することができる。なお、トイレの使用者には、被介助者及び介助者のいずれにも該当しない人(例えば見舞いに来た家族など)も想定できるが、認証部1dは、その場合には被介助者及び介助者のいずれでもないと判定すればよい。この場合、後述の検知イベントのいずれにも該当しないイベントとなる。
【0037】
出力部1fは、取得部1aで取得された排泄情報、第1センサ1bで検知された入退室情報、第2センサ1cで検知された離着席情報、及び認証部1dでの認証結果が示す検知イベントと、通知条件とに基づき、通知先に通知情報を出力する。出力部1fは、例えば、有線又は無線の通信インタフェース等で構成される通信部とすることもできる。出力部1fは、例えば、通信部を介して通知先の端末装置(図示せず)に通知情報を送信することができる。出力部1fは、例えば、通信部を介して外部のサーバ(図示せず)に通知情報を送信することができ、これによりサーバでは通知情報を通知先の端末装置に転送することができる。
【0038】
記憶部1eは、出力部1fで参照される通知条件を記憶する。記憶部1eは、通知条件として、検知イベント毎に、通知の要否と通知が必要な場合の通知情報及び通知先とを記憶する。ある検知イベントに対して通知する通知先は、1つであってもよいが、複数であってもよい。
【0039】
情報処理システム1は、制御部(図示せず)を有することができ、この制御部は上述した取得部1a、認証部1d、記憶部1e、及び出力部1f(又はその一部)を備えることができる。この制御部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、作業用メモリ、及びプログラムを記憶した不揮発性の記憶装置などによって実現することができる。このプログラムは、取得部1a、認証部1d、記憶部1e、及び出力部1fの処理と第1センサ1b及び第2センサ1cでの検知処理をCPUに実行させるためのプログラムとすることができる。また、情報処理システム1に備えられる制御部は、例えば集積回路(Integrated Circuit)によって実現することもできる。
【0040】
また、本実施形態に係る情報処理システム1は、単体の情報処理装置として構成することも、機能を分散させた複数の装置として構成することもできる。後者の場合、各装置に制御部、通信部、及び必要に応じて記憶部等を備えるとともに、無線又は有線の通信によりこれらの複数の装置を必要に応じて接続して協働して情報処理システム1としての機能を実現させればよい。
【0041】
さらに、情報処理システム1は、上述の撮像装置(カメラ)を含めた構成とすることもでき、単体の情報処理装置として構成する場合にはその情報処理装置にこのカメラが含まれることになる。このように、情報処理システム1を単体の情報処理装置で構成する場合、その情報処理装置は、上述したカメラを備え、トイレの便器における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように上記カメラが配置されるように、上記便器に設置されることが好ましい。この場合、この情報処理装置は、通知装置又は排泄情報取得装置と称することもできる。
【0042】
以上に説明したように、本実施形態では、検知イベントに応じて、介護士などの介護者が被介護者をトイレ内で介助しているか否かの情報を通知情報として得ることができる。よって、本実施形態によれば、被介護者のトイレの使用状況を介護者による介護状況に応じて介護者に通知することが可能になる。
【0043】
<実施形態2>
実施形態2について、図2図14を併せて参照しながら実施形態1との相違点を中心に説明するが、実施形態1で説明した様々な例が適用できる。図2は、実施形態2に係る情報処理システムの一構成例を示す図で、図3は、図2の情報処理システムにおける情報処理装置の一構成例を示すブロック図である。
【0044】
本実施形態に係る情報処理システム(以下、本システム)は、その一部がトイレに設置され、介助者等への通知を行うシステムとすることができ、以下、具体的に説明する。
【0045】
本システムは、便器20に取り付けられた情報処理装置10と、情報処理装置10に無線接続されたサーバ40と、サーバ40に無線接続された端末装置50と、を備えることができる。なお、これらの接続は例えば1つの無線LAN(Local Area Network)内で行うことができる。また、以下では、情報処理装置10がトイレの便器20に設置されるものとして説明するが、排泄情報を得るための撮像データを撮像するためのカメラなど、少なくとも一部が便器20に設置されていればよい。便器20は、その本体21に、例えば使用者洗浄用の温水洗浄機能等を搭載した便座22と、便座22を塞ぐための便座カバー23と、を設けておくことができる。
【0046】
情報処理装置10は、トイレ設置型(この例では便器設置型)の装置とすることができ、検知イベントに対する通知を、サーバ40及び端末装置50と連携しながら行う。なお、詳細を説明しないが、情報処理装置10は排泄物の記録、排泄物情報の提示(通知等)、及び排泄予測もサーバ40及び端末装置50と連携しながら行うよう構成することもできる。情報処理装置10と便器20とは、例えば、排泄情報を出力する機能付き便器30を構成することができる。
【0047】
また、情報処理装置10の形状は、図2で示した形状に限らず、例えば便座22等にその機能の全部又は一部を埋め込むような構成とすることもできる。また、情報処理装置10の機能の一部は便座22側に設けておくこともできる。
【0048】
ここで、情報処理装置10の詳細な例について説明するに先立ち、図1の情報処理システム1の各部に対応する構成について、簡単に説明する。
【0049】
図1の取得部1aで使用する撮像装置(カメラ)の例としては、情報処理装置10に後述の第1カメラ16bを設けることができる。或いは、カメラは便座22側に設けておき、そのカメラからの撮像データを無線又は有線の通信により情報処理装置10が受信するような構成を採用することもできる。図1の第1センサ1bの例としては、情報処理装置10に後述する人感センサ15a及び/又は第2カメラ15bを設けることができる。第2カメラ15bは、図1の認証部1dの一部として用いることもでき、この場合、認証部1dは、第2カメラ15bで撮像した顔画像データを用いて顔認証処理を実行することができる。
【0050】
図1の第2センサ1cの例としては、情報処理装置10に後述の距離センサ16aを設けることができる。或いは、第2センサ1cとしては、便座22の内部に、又は便座22の下面に当接する位置における情報処理装置10に、荷重センサ(重量センサ等の感圧式センサ)を設けておくこともできる。便座22の内部に荷重センサを設ける場合、その荷重センサからの情報を無線又は有線の通信により情報処理装置10が受信するようにすればよい。
【0051】
取得部1aでのカメラによる撮像データの取得処理や認証部1dでの顔認証処理、記憶部1eでの記憶処理、出力部1fでの出力処理等、その他の処理は、情報処理装置10の制御部が必要に応じてサーバ40及び端末装置50と連携しながら実行することができる。
【0052】
サーバ40は、その全体を制御する制御部41と、通知条件と取得された様々な情報(及びそれに基づき生成された情報)とを蓄積する記憶部42と、を備えることができる。制御部41は、例えば、CPU、作業用メモリ、及びプログラムを記憶した不揮発性の記憶装置などによって実現することができる。また、制御部41は、例えば集積回路(Integrated Circuit)によって実現することもできる。この記憶装置は、記憶部42と兼用とすることができ、また、このプログラムは、サーバ40の機能をCPUに実現させるためのプログラムとすることができる。
【0053】
また、記憶部42は、通知条件として、検知イベント毎に且つ使用者としての被介助者毎に、通知の要否と通知が必要な場合の通知情報及び通知先とを記憶することが好ましい。
【0054】
端末装置50は、トイレの使用者としての被介助者を介助する(介助することになる)介助者がもつ端末装置であり、可搬型の情報処理装置とすることができるが、設置型の装置であってもよい。前者の場合、端末装置50は、携帯電話機(スマートフォンと称されるものも含む)、タブレット、モバイルPCなどとすることができる。端末装置50も、図示しないが、その全体の制御を行う制御部と、記憶部と、を備えることができ、この制御部は、制御部41と同様に、例えばCPU、作業用メモリ、記憶装置などによって実現することができる。また、この記憶装置に記憶されるプログラムは、端末装置50の機能をCPUに実現させるためのプログラムとすることができる。
【0055】
次に、情報処理装置10の詳細な例について説明する。情報処理装置10は、例えば、図2及び図3に図示するように2つの装置で構成されることができる。より具体的には、情報処理装置10は、その筐体として、例えば、第1外付けボックス13及び第2外付けボックス11といった2つのボックスを備えることができる。また、情報処理装置10は、第1外付けボックス13及び第2外付けボックス11の間を繋ぐボックス間接続部(ボックス間接続構造物)12を備えることができる。この例における情報処理装置10は、例えば、次のようにして便器20の本体21に設置することができる。即ち、情報処理装置10は、本体21の内側(排泄物の排泄範囲がある側)に第1外付けボックス13を、本体21の外側に第2外付けボックス11を、それぞれ配設するように、本体21の縁部にボックス間接続部12を載置することで、便器20に設置できる。また、情報処理装置10は、トイレに設置する各種センサを有することから「トイレセンサ」又は「トイレセンサ装置」と称することもできる。トイレセンサは、被介護者のトイレ利用の監視を通信ネットワーク経由で行う本システムにおいて、いわゆるエッジに該当する。
【0056】
第1外付けボックス13には、例えば、便座22に座ったことを検出す着座センサとして機能させる距離センサ16aと、排泄物を撮影する第1カメラ16bと、を収納しておくことができる。第2外付けボックス11には、例えば、CPU11a、コネクタ11b、USB I/F11c,11d、WiFiモジュール14a、Bluetoothモジュール14b、人感センサ15a、及び第2カメラ15bを収納しておくことができる。なお、USBはUniversal Serial Busの略であり、USB、WiFi、及びBluetoothはいずれも登録商標である(以下同様)。
【0057】
なお、第2外付けボックス11において、各種I/Fやコネクタを備えず、直接、CPU11aに接続することもできる。また、情報処理装置10は、CPU11aを具備せず、単に、各種データを得るセンサやカメラ類と、サーバ40側に各種データを送信する機能のみ具備することもできる。
【0058】
図3に示すように、第1外付けボックス13と第2外付けボックス11とは、コネクタ11b及びUSB I/F11cで例示するインタフェースによって接続され、その接続線をボックス間接続部12の内部に備えることで、一つの情報処理装置10を構成する。
【0059】
第1外付けボックス13について説明する。
距離センサ16aは、対象物(便器20の使用者の臀部)との距離を計測し、便座22に使用者が座ったことを検知するセンサであり、閾値の値を超えて一定時間経過した場合に対象物が便座22に着座したことを検知する。また、距離センサ16aは、着座後に、対象物の距離が変動した場合、使用者が便座22から退座したことを検知する。
【0060】
距離センサ16aは、例えば、赤外線センサ、超音波センサ、光学センサなどを採用することができる。距離センサ16aは、光学センサを採用する場合、第1外付けボックス13に設けられた穴から光(可視光に限らない)の送受信が行えるように、送受信素子を配置しておけばよい。ここでの送受信素子は、送信素子と受信素子とが別個に構成されていてもよいし、一体化されていてもよい。距離センサ16aは、コネクタ11bを介してCPU11aに接続されており、検知結果をCPU11a側に送信することができるようになっている。この検知結果に基づき、CPU11aは、人の離着席情報を示す離着席データを得ることができ、サーバ40側にWiFiモジュール14aを介して送信することができる。
【0061】
第1カメラ16bは、図1の取得部1aで排泄情報の取得の元となる撮像データを撮像するカメラの一例であり、第1外付けボックス13に設けられた穴にレンズ部分を配置させた光学カメラとすることができる。第1カメラ16bは、実施形態1で説明したように、トイレの便器20における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように設置されている。第1カメラ16bは、USB I/F11cを介してCPU11aに接続されており、撮像データをCPU11a側に送信する。
【0062】
第2外付けボックス11について説明する。
CPU11aは、情報処理装置10の主制御部の例であり、情報処理装置10の全体を制御する。コネクタ11bは、人感センサ15a及び距離センサ16aと、CPU11aと、を接続する。USB I/F11cは、第1カメラ16bとCPU11aとを接続し、USB I/F11dは、第2カメラ15bとCPU11aとを接続する。
【0063】
人感センサ15aは、トイレの部屋の一部となる特定領域(人感センサ15aの測定領域範囲)に人が存在すること(人の入退室)を検知するセンサであり、入退室センサと称することができる。人感センサ15aは、その検知方式を問わず、例えば、赤外線センサ、超音波センサ、光学センサなどを採用することができる。人感センサ15aは、コネクタ11bを介してCPU11aに接続されており、特定領域に人を検知した場合、検知結果をCPU11aに送信する。この検知結果は、CPU11aによりWiFiモジュール14aを介してサーバ40に送信されることができる。
【0064】
第2カメラ15bは、第2外付けボックス11に設けられた穴にレンズ部分を配置させた光学カメラとすることができ、トイレの使用者を識別するために使用者の顔画像を撮影して顔画像データを得るカメラの例である。第2カメラ15bは、使用者の顔を撮像範囲に含めるように、便器20に設置されることができるが、便器20が設置されるトイレの部屋に設置されることもできる。上述したように、第2カメラ15bは図1の認証部1dの一部として用いることもでき、第2カメラ15bで撮像した顔画像データを用いて顔認証処理が実施されることで人の認証が可能となる。なお、本システムでは、人感センサ15aが人を検出した場合に、第2カメラ15bがトイレに入場した対象者を撮影するように処理することもできる。これにより、人を検出した場合にのみ、顔認証を実施することができる。
【0065】
Bluetoothモジュール14bは、使用者を識別するための識別データを、使用者が保持するBluetoothタグから受信する受信機の一例であり、他の近距離通信規格に基づくモジュールに置き換えることもできる。使用者が保持するBluetoothタグは、使用者毎に異なるIDとしておき、例えばリストバンド等に埋め込むなどして、使用者に保持させておくことができる。このように、Bluetoothモジュール14bは、図1の認証部1dの一部として用いることができ、受信した識別データに基づき人の認証が可能となる。このように、図3の構成例は、人認証のための情報を取得する機能として第2カメラ15b及びBluetoothモジュール14bの2つが設けられている。
【0066】
WiFiモジュール14aは、取得した各種データをサーバ40へ送信する通信機器の一例であり、他の通信規格を採用するモジュールに置き換えることもできる。第2カメラ15bで取得された顔画像データやBluetoothモジュール14bで得られた識別データは、CPU11aによりWiFiモジュール14aを介してサーバ40に送信されることができる。
【0067】
CPU11a、USB I/F11c、WiFiモジュール14a、及びサーバ40は、図1の取得部1aの一例とすることができ、第1カメラ16bで撮像された撮像データに基づき排泄情報を得る。この場合、撮像データから排泄情報を得る主な処理は、サーバ40が担うことができる。図2の例におけるサーバ40は、例えば学習済みモデルに撮像データを入力し、排泄情報を取得する。そして、主にサーバ40は、撮像データに、便器及びその洗浄用液体を除く被写体として糞尿以外の物体である異物が含まれるか否かを示す情報を、排泄情報の一部として得ることが好ましい。異物は、他物体と称することもでき、糞尿以外のものであれば、液体でも固体でもよく、例えば嘔吐物、下血、血液の嘔吐(吐血)、おむつ、尿とりパッド、トイレットペーパーの芯などのいずれか1又は複数を含むことができる。また、サーバ40は、異物ではなく排泄物であった場合には、排泄情報として、排泄物の形状、色、量を得るように構成することもできる。
【0068】
CPU11a、WiFiモジュール14a、サーバ40、及び端末装置50は図1の出力部1fの一例とすることができる。この場合、排泄情報、入退室情報、離着席情報、及び認証結果からそれらが示す検知イベントを検知する主な処理は、サーバ40が担うことができる。また、この場合、通知情報を出力する主な処理は、端末装置50が担うことができ、端末装置50がサーバ40から送信された通知情報を受信して表示及び/又は音声出力により通知する。
【0069】
また、排泄情報、入退室情報、離着席情報、及び認証結果等の情報は、サーバ40が記憶部42等に記憶しておき、例えば端末装置50からのアクセスに応じてサーバ40が出力するようにしておくこともできる。特に、サーバ40が排泄日誌の生成機能を備えることが望ましく、その場合、生成した排泄日誌を記憶部42に格納しておけば、端末装置50から、端末装置50の使用者となる介護者が望むときに排泄日誌を閲覧できるようになる。なお、排泄日誌には排泄行為の日時を含むことになるが、この日時は、撮像データの撮像日時、被写体の識別日時、入退室日時、着座日時、退座日時、着座から退座の中間の日時などのいずれかにより得ることができる。
【0070】
サーバ40は、第2カメラ15bで取得された顔画像データを、WiFiモジュール14aを介して受信し、予め記憶された認証用データと、例えばその特徴点などを比較して顔認証処理を行い、合致した認証用データに関連付けられた識別データを得る。このように、サーバ40は、識別データ(使用者を識別する識別データ)を得ること、つまり使用者を特定することができる。
【0071】
そして、サーバ40は、情報処理装置10から撮像データとともに撮像データ取得時の便器20の使用者(被介助者)又は介助者の顔画像データを得ることができる。そのため、サーバ40の制御部41は、その顔画像データに基づき入室した人を識別でき、その人の識別情報をキーとして、記憶部42に記憶された通知条件に合致するか否かを判定することができる。なお、第2カメラ15bで撮像した顔画像データは、プライバシーを考慮して保存しないようにしておくことが好ましい。
【0072】
さらに、サーバ40は、Bluetoothモジュール14bで得られた識別データ(個人認証用データ)を、WiFiモジュール14aを介して受信し、予め記憶された認証用の識別データと比較して使用者認証を行う。なお、例えば、自身のBluetoothタグを保持する介護士と、自身のBluetoothタグを保持する要介護者と、が一緒にトイレに入室した場合などにも、両者を区別して認識することができる。このように、サーバ40は、トイレに入力した人の識別データを得ることができる。そして、サーバ40の制御部41は、この識別データをキーとして、記憶部42に記憶された通知条件に合致するか否かを判定することができる。
【0073】
なお、この例では、顔画像データ及び識別データの2種類のデータから被介助者や介助者を特定しており、2つの特定機能を有すると言えるが、無論、いずれか一方でも被介助者や介助者の特定は可能である。例えば、本システムにおいて双方の特定機能を備えておき、運用時にいずれか一方を選択することができる。或いは、本システムにおいていずれか一方の特定機能のみを備えておくこともできる。
【0074】
上述したように、人感センサ15aでの検知結果は、サーバ40に送信されることができる。この検知結果は、トイレへの入退室の判定のために利用することができ、よって、検知がなくなった場合についてもその情報をサーバ40が得ることができるようにしておく。サーバ40は、情報処理装置10から検知結果を受信した場合、上述したように特定した使用者の識別データと関連付けて、その便器20の設置場所であるトイレの入退室を示すデータ(入退室データ)を記憶部42等に記憶する。なお、入退室データに識別データが含まれることもできる。
【0075】
そして、サーバ40の制御部41は、受信した識別データが示す人の認証結果、入退室データが示す入退室情報、離着席データが示す離着席情報、及び、排泄の開始及び終了を示す排泄情報を、記憶部42に記憶された通知条件と比較する。制御部41は、この比較の結果、合致する通知条件が存在した場合、その通知条件が示す通知先に、その通知条件が示す通知情報を出力する。
【0076】
通知先は、介助者のいずれか1又は複数が保持する端末装置50とすることができ、どの介助者を通知先とするかは通知条件に含めておく。なお、通知先は、端末装置50の他に又はそれに代えて、例えばナースコールシステムの通知装置、介護者が端末装置50以外にもつ他の端末装置(例えばPHS:Personal Handy-phone System)、インターカム等であってもよい。
【0077】
また、通知条件は通知の重要度を示す重要度情報を含むことが好ましい。この場合、サーバ40の制御部41は、通知情報を、重要度情報を含む状態で通知先に送信すること、或いは重要度情報を示した状態で通知先に送信することができる。これにより、被介護者のトイレ利用に対してトイレ入室、便座22への着座、排泄開始、排泄終了、便座22からの退座、トイレ退室を検知し、検知イベントに対して被介護者毎に設定された通知有無及び重要度に応じて、介助者となる介護者に通知できる。また、通知条件に重要度情報を含める場合、重要度に応じて通知の要否を決定することもできる。また、通知条件は、通知の要否(有無)及び重要度の他に通知内容を示す通知情報も含まれ、検知イベントに対してそのような通知条件に基づき通知がなされることになる。
【0078】
また、検知イベントは、一定時間(例えば10分などの長時間)以上、使用者としての被介助者が便座22に着座しているイベントである第1イベントを含むことが好ましい。第1イベントは被介護者が介助を要するような異常イベントに相当する。よって、第1イベントに対する通知条件として、通知先は使用者としての被介助者を介助する介助者の連絡先を含み、通知情報は介助を要請するアラートを含む。被介助者に対する介助者は1又は複数の介護者を予め定めておけばよい。また、このアラートには、トイレの場所を特定する情報も含めておく。
【0079】
また、検知イベントは、撮像データにおいて異物が検知されたイベントである第2イベントを含むことが好ましい。第2イベントはトイレの清掃が必要となるような異常イベントに相当する。よって、第2イベントに対する通知条件として、通知先は使用者としての被介助者を介助する介助者の連絡先を含み、通知情報は異物の除去を要請するアラートを含む。このアラートには、トイレの場所を特定する情報も含めておく。この場合の通知先は、清掃者の連絡先を含んでもよいが、上述のように介助者の連絡先を含むことで、被介助者のおむつ等の便器22への投入などの行為を把握することができる。
【0080】
また、検知イベントは、第1カメラ16b、第1センサ(人感センサ15a及び/又は第2カメラ15b)、及び距離センサ16aの少なくとも1つに汚れが検知されたイベントである第3イベントを含むことが好ましい。第3イベントは、本システムのメンテナンスとしての清掃が必要な異常イベントである。よって、第3イベントに対する通知条件として、通知先は介助者となり得る者の連絡先を含み、通知情報は上記汚れの除去を要請するアラートを含む。このアラートには、トイレの場所を特定する情報も含めておく。この場合の通知先は、メンテナンス業者の連絡先や清掃者の連絡先を含んでもよいが、上述のように介助者の連絡先を含むことで、被介助者による汚した行為を把握することができる。
【0081】
また、検知イベントは、使用者としての被介助者がトイレに入室中に介助者が入室したことが検知されたイベントである第4イベントを含むことが好ましい。第4イベントは、被介助者が介助者によって介助されていることを示す通知イベントである。よって、第4イベントに対する通知条件として、通知先は第4イベントに係る介助者以外の介助者となり得る者の連絡先を含み、通知情報は使用者としての被介助者を介助中であることを知らせる情報を含む。そして、第4イベントが生じた場合、少なくとも第4イベントが示す状態でなくなるまでは、通知しない他の検知イベントを有することができる。このような第4イベント時に非通知にするイベント(他の特定の検知イベント)は介助者を必要とするイベントとすることができる。一方で、例えば清掃者やメンテナンス者で対応できる通知イベントであれば、上記他の特定の検知イベントに含めず、通知を行うようにしておくとよい。
【0082】
また、サーバ40は、介助者となり得る者から、他の介助者となり得る者に対して被介助者を介助するために駆けつけることを通知する駆けつけ情報を受信する受信部(図示せず)を備えることが好ましい。この場合、検知イベントは、上記受信部で駆けつけ情報を受信したことを示す第5イベントを含むことが好ましい。第5イベントは、駆けつけ最中であることを示す通知イベントである。よって、第5イベントに対する通知条件として、通知先は他の介助者となり得る者の連絡先を含み、通知情報は被介助者の介助のために駆けつけることを知らせる情報を含む。このアラートには、トイレの場所を特定する情報も含めておく。このような駆けつけ通知により、介護者が同じ被介護者のトイレに駆けつける無駄を防ぐことができる。
【0083】
また、上記受信部は、駆けつけ情報の送信先から駆けつけができなくなったことを通知する駆けつけ中止情報を受信するように構成することもできる。この場合、検知イベントは、上記受信部で駆けつけ中止情報を受信したことを示す第6イベントを含むことが好ましい。第6イベントは、駆けつける予定であったが中止したことを示す通知イベントである。よって、第6イベントに対する通知条件として、通知先は第5イベントについての通知先と同じであり、通知情報は被介助者の介助のための駆けつけを中止したことを知らせる情報を含む。このアラートには、トイレの場所を特定する情報も含めておく。このような駆けつけ中止通知により、駆けつけ通知後に介護者が被介護者のトイレに駆けつけられなくなった場合に被介護者が放置されることを防ぐことができる。
【0084】
また、サーバ40は、端末装置50等から通知条件を設定する設定部(図示せず)を備えることができる。この設定部は、制御部41の一部の機能として搭載することができ、端末装置50等から通知条件の追加、修正、消去などの変更操作を受け付け、その変更操作に従い、記憶部42に記憶された通知条件を変更する。
【0085】
次に、図4を併せて参照しながら、端末装置50への通知情報の表示例について説明する。図4は、図2の情報処理システムにおける端末装置での通知例を説明するための図である。
【0086】
図4に示すように、端末装置50は、その表示画面51において、通知情報52~54を適時通知することができる。通知情報52は、人感センサ15aで人を検知した場合に、使用者を識別して、その使用者(この例では被介護者PAさん)のトイレへの入室を通知する情報の例である。使用者の識別は、人感センサ15aで人を検知した場合に、第2カメラ15bで得た顔画像データに基づく顔認証処理、若しくはBluetoothモジュール14bで受信した識別処理を行った結果、得ることができる。顔認証者リスト又は識別者リストには、複数人での介護が必要な要介護者を記録しておくことで、その該当者だった場合には、通知情報52に、氏名(この例ではPAさん)の横に複数人介護の対象者であることを知らせる情報を含むことができる。また、通知情報52には、重要度を示すマーク(ここでは星マーク)を含む情報52aを付加しておくことが望ましく、また、要介護者に対応することを通知することを選択するボタン52bを含むこともできる。
【0087】
本システムは、介護者CAが端末装置50においてボタン52bを選択し、サーバ40がそれを受信部で受信した場合、例えば、他の介護者の端末装置50(及び介護者CAの端末装置50)に、通知情報53を表示するように構成することができる。通知情報53は、CA氏がPAさんに対応する旨の情報を含むことができ、第5イベントに対応する通知情報である。特に、本システムは、PAさんの例のように複数人介護の対象者である場合において、ボタン52bが選択された場合、他の介助者となり得る者が使用する端末装置50へも要介護者への対応要請を通知するように構成することもできる。また、通知情報54は、PAさんについて検知状態から不検知状態に変化した場合に、トイレからの退出を通知する情報の例である。
【0088】
次に、図5図8を併せて参照しながら、通知条件及びその通知条件に基づく通知処理のより具体的な例について説明する。図5は、図2の情報処理システムにおける通知の流れを説明するための概略図である。図6は、図2の情報処理システムにおける通知条件の例を示す図で、図7は、図6の通知条件における通知種別と設定内容の例を示す図で、図8は、図7の通知種別の目的について示す図である。
【0089】
図5に示すように、情報処理装置(トイレセンサ)10付きの便器30は、入退室センサとして機能させる人感センサ15a及び/又は第2カメラ15bによりトイレに人が入室したことを検出すると、サーバ40に入室通知及び入退室センサで得た情報を送信する。サーバ40はその入室通知及び情報を受けて人認証処理を実行し、入室した人を特定し、トイレから離れた場所にいる介護者Cのスマートフォン等の端末装置50に入室通知を送信する。
【0090】
また、トイレセンサ10は、着座センサとして機能させる距離センサ16aにより使用者がトイレの便座22に着座したことを検出すると、着座通知をサーバ40に送信するとともに、第1カメラ16bによる撮像を開始してサーバ40に撮像データを送信する。サーバ40は、この着座通知を受けて、入退室センサで得られた情報からその使用者が被介護者であると判定するとともに、受信した撮像データを画像解析し、排泄開始を検知すると、介護者Cの端末装置50に排泄開始通知を送信する。
【0091】
また、サーバ40は、撮像データから排泄完了を検知した場合、介護者Cの端末装置50に排泄終了通知を送信する。トイレセンサ10は、着座センサ及び入退室センサでの検知結果に基づき、退座時には退座通知を、退室時には退室通知をサーバ40に送信する。サーバ40は、退座通知、退室通知を受けた場合、それらを介護者Cの端末装置50に送信する。これにより介護者Cは被介護者の排泄の際に付きっきりの状況から解放され、必要に応じて(例えば長時間退座通知がない場合など)緊急時の駆けつけ等も可能となる。介護者Cは、端末装置50で通知を確認し、介助を行う場合は端末装置50から駆けつけ通知をサーバ40に送信し、駆けつけを行う。介護者Cは、駆けつけができなくなった場合、端末装置50を操作して駆けつけ中止通知をサーバ40に送信する。サーバ40は、受信した駆けつけ中止通知を他の介護者に転送する。
【0092】
図5で例示したような通知処理は、図6で例示する通知条件を参照して実行されることができる。図6に示すように、トイレ利用に関する通知には、被介護者の介助状態により通知有無(通知の要否)が異なる通知があり、通知有無は介助中通知フィルタで判定することができる。この介助中通知フィルタは、上述した第4イベントの検知時における上記他の特定の検知イベントであるか否かを判定するフィルタに相当する。本システムは、被介護者が利用中のトイレに介護者が在室している場合、被介護者の介助状態を介助中であると判定し、介護者が不在の場合、介助状態は未介助と判定する。通知を行う際、介助中通知フィルタは被介護者の介助状態を確認し、介助中の場合は介護者への通知を止め、未介助の場合は介護者へ通知を続けることになる。
【0093】
図6のNo.1~7とNo.11~14の通知は介助中通知フィルタの対象であるので、介護者の在否により通知有無が異なることになる。No.8~10の通知はトイレセンサ10の状態(異物検知状態、汚れ状態、サービス復旧状態)を介護者等に通知するために行われるので、介助中通知フィルタの対象にはならない。そのため被介護者の介助状態にかかわらず通知を行う。
【0094】
トイレ利用に関する通知の通知種別と設定内容について、図7及び図8を参照して説明する。被介護者毎に介助の要不要が異なることから、通知条件は、各通知の重要度も被介護者毎に異ならせて設定しておくとよい。そこで通知種別として図8に示す「アラート通知」、「通常通知」、「通知しない」の分類を定義し、被介護者の状態に合わせて個別に設定可能とする。
【0095】
No.1~6の通知は被介護者毎に通知種別を設定し、介護者の介助が必要な場合には通知種別にアラート通知を設定し、介護者の介助が不要な場合には通知種別に通常通知を設定する。このように、通知条件は使用者としての被介助者毎に設定しておくことができる。No.7の通知に関しては、被介護者に異常が発生している可能性が高いため、通知種別にアラート通知を設定する。またNo.8,9の通知についてはトイレセンサに異常が発生していることから、通知種別にアラート通知を設定する。No.7~9についての設定は固定としておく。No.10~14の通知については、通常通知に固定しておく。
【0096】
次に、本システムにおける通知処理の例について説明する。トイレセンサ10での処理は主にCPU11aが主体となって実行され、サーバ40の処理は主に制御部41が主体となって実行される。
【0097】
まず、図9図12を併せて参照しながら、通知条件に基づく通知処理のより具体的な例として、被介護者のトイレへの入室をトリガとする通知処理の例について説明する。なお、ここではトイレの使用者が被介助者となる場合(つまり要介助者である場合)について説明する。図9図12は、図2の情報処理システムにおける通知処理の一例を説明するための一連のフロー図である。なお、以下でなされる様々な通知は、例えば被介護者の担当となっている介護者の連絡先など、通知条件に記述されている連絡先の端末装置50に対してなされる。
【0098】
まず、トイレセンサ10は、入退室センサの反応の有無をチェックする(ステップS1)。使用者がトイレに入室すると入退室センサが反応し、ステップS1でYESとなる。反応がない場合には反応ありとなるまで(YESとなるまで)待機する。
【0099】
ステップS1でYESとなった場合、トイレセンサ10は人認証機能設定がONであるか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2でYESの場合、トイレセンサ10は、サーバ40と協働し、人認証処理を実施し(ステップS3)、登録者であるか否かを判定し(ステップS4)、登録者である場合には被介護者であるか否かを判定する(ステップS6)。ステップS2でNOの場合(人認証機能設定がOFFの場合)にはステップS5へ進む。ステップS4でNOの場合(人認証結果が非登録者であった場合)にもステップS5に進む。
【0100】
ステップS6でYESの場合、即ち人認証結果から被介護者であると判定された場合は、サーバ40は、被介護者がトイレに入室したことを示すトイレ入室通知を端末装置50に対して行う(ステップS7)。通知先は、通知条件として記憶されている介護者の連絡先とすることができる。一方で、ステップS6でNOの場合、即ち人認証結果から被介護者でないと判定された場合は、サーバ40は、トイレセンサ10に着座センサをOFFにさせ(ステップS8)、入室した人が退室するまで待つ(後述するステップS24に進む)。ステップS2及びその後の処理として説明したように、本システムは人認証処理の実行/不実行を設定可能に構成することができる。
【0101】
ステップS5では、サーバ40はunknownの排泄検出設定がONであるか否かを判定する。この設定は未知の使用者について排泄情報を取得するか否かを示す設定である。ステップS5でNOの場合、即ちunknownの排泄検出設定がOFFの場合には、サーバ40はステップS8へ進んでトイレセンサ10に着座センサをOFFにさせ、入室した人が退室するまで待つ(後述するステップS24に進む)。このように、本システムは、未知の使用者について排泄情報を取得するか否かを設定可能に構成することができる。
【0102】
ステップS5でYESの場合、サーバ40は、人認証結果がunknownの場合に特定の被介護者として登録する設定がONであるか否かを判定する(ステップS9)。この設定は、登録済みの特定の被介護者がunknownと判定されてしまうような場面でも、結果的に上記特定の被介護者と取り扱って通知処理を行うか、unknownと取り扱って通知処理を行うかを示す設定である。ステップS9でYESの場合、サーバ40は、入室者をunknownから特定の被介護者に変更し(ステップS10)、ステップS7へ進みトイレ入室通知を行う。一方、ステップS9でNOの場合、即ち人認証結果がunknownの場合に特定の被介護者として登録する設定がOFFである場合には、サーバ40は、入室者をunknownとしたままステップS7へ進みトイレ入室通知を行う。
【0103】
ステップS7でトイレ入室通知を行った後、トイレセンサ10は着座センサの反応があるか否かを判定し(ステップS11)、反応があるまで待つ。ステップS11でYESとなった場合(着座センサの反応があった場合)、トイレセンサ10がサーバ40に着座通知を送信し、それを受けたサーバ40が端末装置50に着座通知を行う(ステップS12)。
【0104】
次いで、トイレセンサ10は、光学カメラによる便器内撮影を行って撮像データをサーバ40に送信し(ステップS13)、サーバ40は、その撮像データが正常に識別可能(画像検出可能)な物が存在するか否かを判定する(ステップS13)。サーバ40は、ステップS13でNOの場合(何も被写体が映ってなかった場合など、異常を検出した場合)、トイレ内で被介護者に何らかの異常が発生した可能性があるため、端末装置50に異常通知を行う(ステップS14)。サーバ40は、ステップS13でYESの場合(識別が正常に行える状態である場合)、撮像データの画像解析を実施して、検出対象物が排泄物、異物、カメラ等の汚れのいずれかに該当するかの判定(識別又は分類)を行う(ステップS15)。
【0105】
ステップS15でカメラ等の汚れを検出した場合、サーバ40は排泄識別センサ汚れ通知を端末装置50に行う(ステップS16)。ステップS15で異物を検出した場合、サーバ40は便器内異物検知通知を端末装置50に行う(ステップS17)。ステップS15で排泄物を検出した場合、サーバ40は被介護者が排泄を開始したことを示す排泄開始通知を端末装置50に行う(ステップS18)。
【0106】
ステップS18に続き、サーバ40は、トイレセンサ10から送信される撮像データに基づき一定時間、識別物(排泄物又は異物)の検知が行われなかったか否かを判定する(ステップS19)。サーバ40は、反応がなかった場合(ステップS19でYESの場合)、端末装置50に被介護者が排泄を完了したことを示す排泄完了通知を行う(ステップS20)。ステップS19でNOの場合(反応が続いている場合)、サーバ40はステップS19でYESとなるまで待つ。
【0107】
ステップS20に続き、サーバ40は、トイレセンサ10から送信される着座センサの反応が一定期間あるか否かを判定する(ステップS21)。反応がある状態が一定時間経過した場合(ステップS21でYESの場合)、長時間トイレに着座しているため、被介護者に何らかの異常が発生した可能性がある。そのため、この場合、サーバ40は長時間着座通知を端末装置50に行う(ステップS22)。着座センサの反応が一定期間なかった場合(ステップS21でNOの場合)、サーバ40は退座(つまり起立)の通知を端末装置50に行う(ステップS23)。
【0108】
ステップS23に次いで、サーバ40は入退室センサの反応がないか否かを判定し(ステップS24)、YESとなるまで(反応がなくなるまで)待つ。サーバ40は、入退室センサの反応がなくなった場合、被介護者が退室したことを示すトイレ退室通知を端末装置50に行い(ステップS25)、処理を終了する。
【0109】
図13は、図2の情報処理システムにおける通知処理の他の例を説明するためのフロー図で、介護者が被介護者に付き添ってトイレへ入室したことをトリガとする通知処理の一例を説明するためのフロー図である。
【0110】
まず、トイレセンサ10は、入退室センサの反応の有無をチェックする(ステップS31)。人がトイレに入室すると入退室センサが反応し、ステップS31でYESとなる。反応がない場合には反応ありとなるまで(YESとなるまで)待機する。ステップS31でYESとなった場合、トイレセンサ10はサーバ40と協働し介護者であるか(つまり先に介護者を検出したか)否かを判定する(ステップS32)。但し、ここでは、介護者のみBluetoothモジュール14bで検知可能な例を挙げている。
【0111】
ステップS32でYESとなった場合、介護者入室通知は行わず、トイレセンサ10は、サーバ40と協働し、人認証処理を実施し(ステップS33)、被介護者を検出する(ステップS34)。次いで、トイレセンサ10はサーバ40に被介護者入室通知と介護者入室通知を送信する(ステップS35)。但し、ここではサーバ40がそれらの通知を介護者に行わない(端末装置50に通知しない)。
【0112】
ステップS32でNOの場合(被介護者を先に検出した場合)、サーバ40は、被介護者が入室したことを示す被介護者入室通知を端末装置50に行う(ステップS36)。次いで、トイレセンサ10はサーバ40と協働して介護者を検出し(ステップS37)、その後、介護者が入室したことを示す介護者入室通知を端末装置50(他の介護者が使用する端末装置50)に行う(ステップS38)。
【0113】
ステップS35の処理後、並びにステップS38の処理後は、介護者が入室しているため、サーバ40は介助状態を介助中に変更する(ステップS39)。次いで、介護者がトイレにて被介護者を介助後、サーバ40が入退室センサの検知結果に基づき介護者の退室を検出することになる(ステップS40)。その後、サーバ40は入退室センサの検知結果に基づき他の介護者がまだ在室中であるか否かを判定し(ステップS41)、在席中であった場合、介助状態は介助中のままなので通知は行わず、ステップS40の処理に戻る。ステップS41でNOとなった場合(全ての介護者が退室した場合)、介助状態が介助中以外となるため、サーバ40は介護者が退室したことを示す介護者退室通知を端末装置50に行い(ステップS42)、処理を終了する。
【0114】
図14は、図2の情報処理システムにおける通知処理の他の例を説明するためのフロー図で、介護者の端末操作をトリガとする通知処理の一例を説明するためのフロー図である。なお、ここでは介護者の判断及び操作と合わせて処理例を説明する。
【0115】
介護者が使用する端末装置50は、被介護者入室通知を受信する(ステップS51)。この通知に対し、介護者は、介助が必要な被介護者であるか否かを確認する(ステップS52)。介助が必要ない被介護者の場合、通知を確認するだけとし、処理が終了する。
【0116】
一方で介助が必要な被介護者の場合(ステップS52でYESの場合)、介護者は介助可能であれば、介護者駆けつけ通知をサーバ40に送信するように端末装置50を操作し、介助に向かう。この操作により、介護者駆けつけ通知が端末装置50からサーバ40に送信される(ステップS54)。介護者駆けつけ通知の送信後、その介護者が駆けつけできなくなった場合(ステップS55でYESとなった場合)、その介護者は介護者駆けつけ中止通知をサーバ40に送信するように端末装置50を操作する。この操作により、介護者駆けつけ中止通知が端末装置50からサーバ40に送信される。この通知を受けたサーバ40は、他の介護者の端末装置50に介護者駆けつけ中止通知を送信し(ステップS54)、処理を終了する。
【0117】
以上のように、本実施形態では、トイレに人が入室したことをトイレセンサ10が検出することにより処理が開始される。トイレセンサ10又はサーバ40はトイレへの人の入室を検出すると入室した人に対して人認証処理を実行し、人を特定する。トイレセンサ10又はサーバ40には人認証処理に使用する情報として、予め「被介護者」と「介護者」の情報を登録しており、もしトイレセンサ10に未登録の人が入室した場合や人認証に失敗した場合は、入室した人を「unknown」とする。このように、トイレセンサ10又はサーバ40はトイレに入室した人に対して予め登録されている人物情報(介護者情報及び被介護者情報)を参照して人認証処理を実行し、入室した人を特定する。
【0118】
人認証処理により特定された人が被介護者の場合、トイレセンサ10は入退室センサ、着座センサ、排泄識別センサにより、被介護者のトイレ入退室、便座への着座・退座、排泄開始・終了を検出する。トイレセンサ10は被介護者のトイレ内でのイベントを検出すると、介護者に通知を行う。具体的には、人認証処理により被介護者の入室を検出した場合、トイレセンサ10はトイレ入室通知を行う。トイレ入室通知後、トイレセンサ10は被介護者の便座への着座を検出するとトイレ着座通知を行う。トイレ着座通知後、トイレセンサ10は被介護者の排泄開始を検出するとトイレ排泄開始通知を行い、排泄終了を検出するとトイレ排泄終了通知を行う。排泄終了通知後、トイレセンサ10は被介護者の便座からの退座を検出するとトイレ退座通知を行う。トイレ退座通知後、トイレセンサ10は退室監視を行い、被介護者の退室を検出するとトイレ退室通知を行う。また、被介護者が便座に長時間着座したままである場合には、トイレセンサ10は介護者に異常発生を通知する。上記以外に、排泄物以外の異物を便器内で検出した場合には、トイレセンサ10は異物の検出を介護者に通知し、異物が排泄物と共に流されることを防ぐ。
【0119】
これらの通知はトイレセンサ10からネットワークを通じてサーバ40になされ、最終的に介護者に通知される。また、これらの通知については、通知条件として被介護者毎に通知有無や重要度(「アラート通知」「通常通知」)を設定でき、被介護者の状態に合わせて重要度を設定して介護者に通知を行う場合や介護者への通知を停止する場合がある。介護者は通知により、被介護者がトイレ利用中であることを把握し、通知の重要度により介助に駆けつけるか判断することができる。
【0120】
上述のように被介護者のトイレ内の動作を検出して通知を上げることで、介護者は被介護者のそばで待機しなくてもトイレの入退室、便座への着座・退座、排泄開始・終了を確認することができる。また、各通知は被介護者の介助状態により通知有無が異なり、通知有無は介助中通知フィルタで判断することができる。トイレセンサ10は被介護者が利用中のトイレの介護者在否を確認して、被介護者の介助状態を介助中又は未介助等と判断する。トイレセンサ10が通知を行う際に、介助中通知フィルタは介助状態を確認し、介助中である場合は通知を止める。トイレセンサ10は介助中通知フィルタにより、介護者への不要な通知を減らすことができ、介護者が対応不要なトイレ介助に駆けつけることを防止できる。加えて各通知には被介護者毎にアラート通知、通常通知、通知しない等の通知種別を設定でき、介助が必要な被介護者の場合はアラート通知に、見守りが目的の被介護者の場合は通常通知にするなど、被介護者の状況に応じた設定が可能である。
【0121】
人認証処理により特定された人が介護者の場合、トイレセンサ10は介護者の入退室を検出し、他の介護者へ通知を行う。介護者の入室通知は、介護者が被介護者のトイレ介助に駆けつけたことを他の介護者に通知するために行うので、被介護者が入室中のトイレに介護者が入室した場合、他の介護者に通知を行う。被介護者が入室していない場合、介護者の入室情報を保持し通知は行わない。この通知により、被介護者の介助に介護者が駆けつけたことが、他の介護者に周知される。また、被介護者のトイレ入室通知に対して介護者は、介助に駆けつけることを他の介護者に通知でき、他の介護者に駆けつけ通知を行った後、駆けつけできなくなった場合は、駆けつけ中止を通知できる。駆けつけ通知により、介護者が同じ被介護者のトイレに駆けつける無駄を防ぐことができ、駆けつけ中止通知により、駆けつけ通知後に介護者が被介護者のトイレに駆けつけられなくなった場合に被介護者が放置されることを防ぐことができる。
【0122】
これらの通知もトイレセンサ10からネットワークを通じてサーバ40になされ、最終的に介護者に通知される。また、これらの通知についても、通知条件として被介護者毎に通知有無や重要度(「アラート通知」「通常通知」)を設定できる。詳細は説明していないが、介護者の熟練度等に応じて介護者毎に通知条件を設定することもできる。例えば、熟練した介護者であれば1人で対応できるが、熟練していない介護者であれば2人で対応する必要がある場合などに、このような設定は有益となる。
【0123】
以上では、本システムについて1つのみ便器20(1つのみのトイレの部屋)が存在することを前提として説明した。しかし、本システムでは、複数のトイレについて、検知イベントの検知のための排泄情報、入退室情報、離着席情報、及び認証結果を得ることが好ましい。これにより、或る被介助者が2つ以上のトイレを使用する可能性がある場合にも、本システムを適用できるようになる。
【0124】
また、サーバ40は、病院等の施設の場合にはその施設内に設置することができ、個人利用である場合には個人宅に設置することや集合住宅に設置することもできる。いずれの場合にも、サーバ40は、クラウドサーバとすることもできる。
【0125】
また、端末装置50のプログラムは、通知情報の通知機能を含む介護ソフトウェアとして、端末装置50に実行可能に組み込まれていることができる。また、端末装置50にも、通知情報の他に、トイレセンサ10等のトイレ側で得られた情報を直接(又は直接且つ自動的に)受信して記憶しておくこともでき、同様にサーバ40で記録される各種情報も受信して記憶しておくこともできる。
【0126】
無論、本実施形態においても、サーバ40を用いず、サーバ40の機能として説明した機能をトイレセンサ10側に備えることで、トイレセンサ10単体で端末装置50への通知を行うように構成することもできる。
【0127】
以上のように、本実施形態では、便座に入退室センサ、着座センサ、排泄識別センサ、通信機器を取り付け、被介護者のトイレ内部での状態を把握し、通信機器を通して介護者に送る。本システムが人認証処理により、個人を特定して、入室通知、退出通知、着座通知、退座通知、排泄開始通知、排泄完了通知を介護者に通知する。通知には被介護者毎に通知有無と重要度を設定でき、被介護者の状態に合わせて通知の重要度を変えることで、介護者がトイレ介助に駆けつける際の判断に利用できる。介護者が被介護者のトイレ介助に駆けつける際には、介護者駆けつけ通知を他の介護者に行い、介護者駆けつけ通知後にトイレ介助に駆けつけられなくなった場合は、介護者駆けつけ中止通知を他の介護者に対して行う。また介護者が被介護者のトイレ介助に駆けつけると、本システムは介護者入室通知を行い介助中状態とする。介助中状態の場合、本システムの各センサが検出したイベントは他の介護者に通知しないようにしておくことができる。介護者は被介護者の排泄状況を通知から確認し、被介護者への排泄促しに活用することができる。また、本システムでは排泄物以外を検出した際に、介護者にアラームを通知する機能を提供することができる。
【0128】
本実施形態では、これらの機能により、介護者のトイレ監視にかかる負担を軽減し、被介護者への手厚いサポートが可能となる。具体的には、排泄管理や排泄介助に関する一つ目から五つ目の課題は、次のようにして解決することができる。
【0129】
まず、一つ目の課題は次のように解決できる。介護者は、担当する被介護者がトイレに入室したことを、トイレ入室通知の受信により確認できるので、被介護者が移動した際にトイレに行くのか毎回確認しなくても良くなる。介護者が見ていない状態で被介護者がトイレに向かった場合でも、通知があることでトイレへの入室を把握し介助に駆けつけることができる。また、便座への着座・退座、排泄開始・終了の通知が上がることで、介護者は被介護者のトイレ内の状況を把握できる。これにより排泄前後で介助が必要な被介護者の排泄中にトイレのそばから離れて、他の被介護者の様子を確認に行くこともできる。このようにトイレセンサ10からの通知を受信することで、介護者のトイレ監視にかかる時間や労力を削減できる。
【0130】
二つ目の課題は次のように解決できる。座位保持や立位保持ができない被介護者が単独でトイレに入室した場合、トイレセンサ10は介護者に通知を行う。トイレ入室通知、トイレ着座通知、トイレ排泄開始通知には、通知を行ったトイレセンサ10やトイレ利用中の被介護者を識別する情報、日時等の情報が含まれている。よって、介護者はトイレ入室通知、トイレ着座通知やトイレ排泄開始通知を確認することで、被介護者と入室したトイレの情報を把握し、介助に駆けつけることができる。これにより、介護者が被介護者のもとに短時間で駆けつけることができるので、被介護者がトイレで漏らすことを防ぐことができ、自力での無理な移動や立ち上がることがなくなるので転倒による怪我等を防止できる。また、排泄中の介助に介護者が駆けつけないことも防止することができる。また、自身で清拭できない、脱衣又は着衣できない等の被介護者についてはトイレ排泄終了通知により、介護者がトイレの外にいる場合でも排泄終了を把握できるので、被介護者が介護者に排泄終了を伝えられない場合でも、着座したままとなることを防止できる。さらに、被介護者が着座した際には、被介護者毎に長時間着座タイマを設定しており、被介護者が長時間着座したままとなっている場合は、介護者に長時間着座通知を行う。これにより被介護者に異常が発生し着座したままになっている場合、介護者がすぐに駆けつけることができる。歩行困難、立位保持できない被介護者が便座から退座又はトイレから退室した場合、トイレ退座通知又はトイレ退室通知により、介護者がすぐに駆けつけることができるようになるため、被介護者はトイレ付近で待ち続けることを防ぐことができる。このように、通知により介護者に被介護者の状況が通知されるため、介助を受けられない状況が発生することはないので課題を解決できる。
【0131】
三つ目の課題は次のように解決できる。トイレセンサ10は被介護者入室中に介護者がトイレに入室すると介護者トイレ入室通知を行い、被介護者入室中に介護者がトイレから退室すると介護者トイレ退室通知を行う。この通知により、他の介護者に被介護者のトイレ介助中であることを周知できるため、介護者の無駄な駆けつけを無くすことができる。また、介護者は被介護者のトイレ介助に駆けつけることを介護者トイレ駆けつけ通知により他の介護者に対して周知できる。これにより介助中の被介護者のもとに必要以上の介護者が駆けつけることを防ぐことができる。介護者トイレ駆けつけ通知後に駆けつけができなくなった場合には、介護者は介護者トイレ駆けつけ中止通知により他の介護者へ周知できる。これにより介護者が駆けつけられなくなった場合に、他の介護者が被介護者のトイレに駆けつけない事態を防ぐことができる。介護者はトイレ介助中の介護者や介助に駆けつけている介護者の人数を確認できるので、複数人での介助が必要な被介護者のもとに介助の手助けに駆けつけることができる。このように、通知により介護者同士で介助状況を共有できるようになるので課題が解決できる。
【0132】
四つ目の課題は次のように解決できる。トイレセンサ10が行うトイレ入室通知やトイレ退室通知には被介護者のトイレ入退室時刻、トイレ着座通知やトイレ退座通知には被介護者の便器の着座・退座時刻などの情報が含まれる。また、トイレセンサ10が行うトイレ排泄開始通知には、排泄開始時刻と排泄の種類、トイレ排泄終了通知には排泄終了時刻と排泄物識別の結果などの情報が含まれている。これらの情報は被介護者の排泄記録に必要な情報を含んでいるため、トイレセンサ10の通知があれば、介護者は排泄記録のために被介護者の排泄を直接確認することや被介護者へ聞き取る必要がなくなる。これにより介護者の排泄記録にかかる負担を軽減できる。また、介護者はトイレ入室通知やトイレ排泄開始通知により、被介護者のトイレ利用状況を把握できるようになる。そのため介護者はトイレを利用していない被介護者を容易に特定できるので、排泄状況の確認にかかる手間を軽減でき、排泄促しを負担なく行える。このようにトイレセンサ10からの通知により排泄状況を確認する際の課題を解決できる。
【0133】
五つ目の課題は次のように解決できる。トイレセンサ10は被介護者の排泄中に、便器内に排泄物以外の異物を検出した場合、異物検知通知を行い介護者に対して便器内に異物があることを通知する。この通知により、介護者は被介護者がおむつや尿とりパッドを便器内に落としたことを把握できるため、異物が流される前に対処することができる。これにより介護施設は配管業者に依頼していた異物除去を実施する必要がなくなるため、排水に関連する施設の可動ができない事態を防ぐことができる。
【0134】
そして、本実施形態では、これらの課題を解決する機能に加えて、トイレセンサ10に排泄物の飛沫やほこりなどが付着してセンサが汚れ、排泄開始・終了の検出ができなくなった状態で、被介護者がトイレを利用することを防ぐために、センサの汚れを検出した場合は介護者にセンサ汚れ通知を行う。また、トイレセンサ10の異常が解決した際には、介護者に復旧を通知するためサービス復旧通知を行う。サービス復旧通知により、介護者はトイレセンサ10の異常が解決したことをすぐに把握できるので、異常が解決したか確認する手間を省くことができ、トイレセンサ10の利用停止時間を短くできる。
【0135】
以上に説明したように、本システムは、実施形態1で説明した効果を奏することができる。特に、本システムは以下のような効果を奏する。
【0136】
第一の効果は、トイレセンサ10が被介護者のトイレ入室からトイレ退室までのイベント(入室、着座、排泄開始、排泄終了、退座、退室)を検出し、介護者に通知することで、介護者のトイレ監視にかかる負担の軽減ができる点である。
【0137】
第二の効果は、トイレセンサ10が通知を行うトイレ利用通知には、被介護者毎に通知有無や重要度を設定でき、介護者は通知の重要度で介助の要不要を確認できるため、トイレ介助作業を効率的に行える点である。
【0138】
第三の効果は、介助が必要な被介護者が単独でトイレに入室した場合に、介助が必要な動作の際に、トイレセンサ10から介護者へ通知が届くことで、被介護者が介護者を待ち続けることや無理な移動による怪我などを防ぐことができる点である。
【0139】
第四の効果は、被介護者が排泄中にトイレ内で危険な状態になった場合に、介護者は通知により被介護者が長時間着座したままであることやトイレから退室していないことを把握できるため、トイレ内で異常の発生した被介護者への迅速な対応が行える点である。
【0140】
第五の効果は、被介護者が入室中のトイレに介護者が入室すると、トイレセンサ10は介護者入室通知を行い、被介護者は介助中状態とする。介助中状態の場合、他の介護者には通知を行わないことで、介護者の無駄な駆けつけを防ぐことができ、トイレ介助業務の効率化が行える点である。
【0141】
第六の効果は、介護者は通知により、介助が必要な被介護者のトイレ利用を確認すると、他の介護者へ向けて介助に駆けつけることを介護者駆けつけ通知により知らせることができる。この通知により、被介護者のトイレ介助に必要以上の介護者が駆けつけること防ぐことができるので、トイレ介助作業の効率化が行える点である。
【0142】
第七の効果は、被介護者から排泄有無を聞き取りすることなく、被介護者の排泄状況を把握することができるので、介護者の聞き取りにかかる負担を削減することができる。また、排泄状況を把握できることから、排泄していない被介護者に対して排泄促しを容易に行える点である。
【0143】
第八の効果は、便器内に排泄物以外を検出した際に、介護者にアラームを通知することで、おむつや尿とりパッド等の固形物をトイレの排水管に流す事故を防ぎ、これまで行われてきた業者による排水管工事を不要にして、維持費の削減を実現できる点である。
【0144】
<他の実施形態>
[a]
各実施形態において、情報処理システム及びそのシステムに含まれる各装置の機能について説明したが、各装置は、図示した構成例に限ったものではなく、各装置としてこれらの機能が実現できればよい。
【0145】
[b]
実施形態1,2に係る各装置は、次のようなハードウェア構成を有していてもよい。図15は、装置のハードウェア構成の一例を示す図である。なお、上記他の実施形態[a]についても同様である。
【0146】
図15に示す装置100は、プロセッサ101、メモリ102、及び通信インタフェース(I/F)103を有することができる。プロセッサ101は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processor Unit)、又はCPUなどであってもよい。プロセッサ101は、複数のプロセッサを含んでもよい。メモリ102は、例えば、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。実施形態1,2で説明した各装置における機能は、プロセッサ101がメモリ102に記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより実現される。この際、他の装置との情報の送受は通信インタフェース103又は図示しない入出力インタフェースを介して行うことができる。
【0147】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。さらに、この例は、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/Wを含む。さらに、この例は、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0148】
[c]
さらに、上述した各実施形態において、情報処理システムにおける情報処理方法の手順を例示したように、本開示は、情報処理方法としての形態も採り得る。この情報処理方法は、次の取得ステップ、第1検知ステップ、第2検知ステップ、認証ステップ、記憶ステップ、及び出力ステップを備える。上記取得ステップは、トイレの便器における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように設置された撮像装置で撮像された撮像データに基づき、排泄の開始及び終了を少なくとも示す排泄情報を得る。上記第1検知ステップは、第1センサが上記トイレへの人の入退室を検知する。上記第2検知ステップは、第2センサが上記便器に設置された便座への離着席を検知する。上記認証ステップは、上記トイレへ入退室した人を認証するとともに、上記人が上記トイレの使用者としての被介助者及び上記使用者を介助する介助者のいずれであるかを判定する。上記記憶ステップは、通知条件を記憶する。上記出力ステップは、上記取得ステップで取得された上記排泄情報、上記第1センサで検知された入退室情報、上記第2センサで検知された離着席情報、及び上記認証ステップでの認証結果が示す検知イベントと上記通知条件とに基づき通知先に通知情報を出力する。上記記憶ステップは、上記通知条件として、上記検知イベント毎に、通知の要否と通知が必要な場合の上記通知情報及び上記通知先とを記憶する。なお、その他の例については、上述した各実施形態で説明した通りである。また、上記プログラムは、コンピュータに、上記取得ステップ、上記第1検知ステップ、上記第2検知ステップ、上記認証ステップ、上記記憶ステップ、及び上記出力ステップを含む処理を実行させるためのプログラムであると言える。
【0149】
なお、本開示は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0150】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
<付記>
(付記1)
トイレの便器における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように設置された撮像装置で撮像された撮像データに基づき、排泄の開始及び終了を少なくとも示す排泄情報を得る取得部と、
前記トイレへの人の入退室を検知する第1センサと、
前記便器に設置された便座への離着席を検知する第2センサと、
前記トイレへ入退室した人を認証するとともに、前記人が前記トイレの使用者としての被介助者及び前記使用者を介助する介助者のいずれであるかを判定する認証部と、
通知条件を記憶する記憶部と、
前記取得部で取得された前記排泄情報、前記第1センサで検知された入退室情報、前記第2センサで検知された離着席情報、及び前記認証部での認証結果が示す検知イベントと、前記通知条件とに基づき、通知先に通知情報を出力する出力部と、
を備え、
前記記憶部は、前記通知条件として、前記検知イベント毎に、通知の要否と通知が必要な場合の前記通知情報及び前記通知先とを記憶する、
情報処理システム。
(付記2)
前記通知条件は、通知の重要度を示す重要度情報を含み、
前記出力部は、前記通知情報を、前記重要度情報を含む状態又は前記重要度情報を示した状態で出力する、
付記1に記載の情報処理システム。
(付記3)
前記記憶部は、前記通知条件として、前記検知イベント毎且つ前記使用者としての被介助者毎に、通知の要否と通知が必要な場合の前記通知情報及び前記通知先とを記憶する、
付記1又は2に記載の情報処理システム。
(付記4)
前記検知イベントは、一定時間以上、前記使用者としての被介助者が前記便座に着座しているイベントである第1イベントを含み、
前記第1イベントに対する前記通知条件として、前記通知先は前記使用者を介助する介助者の連絡先を含み、前記通知情報は介助を要請するアラートを含む、
付記1~3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
(付記5)
前記取得部は、前記撮像装置で撮像された前記撮像データに、前記便器及び前記便器の洗浄用液体を除く被写体として糞尿以外の物体である異物が含まれるか否かを示す情報を、前記排泄情報の少なくとも一部として得、
前記検知イベントは、前記異物が検知されたイベントである第2イベントを含み、
前記第2イベントに対する前記通知条件として、前記通知先は前記使用者としての被介助者を介助する介助者の連絡先を含み、前記通知情報は前記異物の除去を要請するアラートを含む、
付記1~4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
(付記6)
前記検知イベントは、前記撮像装置、前記第1センサ、及び前記第2センサの少なくとも1つに汚れが検知されたイベントである第3イベントを含み、
前記第3イベントに対する前記通知条件として、前記通知先は前記介助者となり得る者の連絡先を含み、前記通知情報は前記汚れの除去を要請するアラートを含む、
付記1~5のいずれか1項に記載の情報処理システム。
(付記7)
前記検知イベントは、前記使用者としての被介助者が前記トイレに入室中に前記介助者が入室したことが検知されたイベントである第4イベントを含み、
前記第4イベントに対する前記通知条件として、前記通知先は前記第4イベントに係る前記介助者以外の前記介助者となり得る者の連絡先を含み、前記通知情報は前記使用者としての被介助者を介助中であることを知らせる情報を含み、
前記出力部は、前記第4イベントが生じた場合、少なくとも前記第4イベントが示す状態でなくなるまでは、他の特定の検知イベントが生じた場合でも前記他の特定の検知イベントにかかる通知を行わない、
付記1~6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
(付記8)
前記介助者となり得る者から、他の介助者となり得る者に対して前記使用者を介助するために駆けつけることを通知する駆けつけ情報を受信する受信部を備え、
前記検知イベントは、前記受信部で前記駆けつけ情報を受信したことを示す第5イベントを含み、
前記第5イベントに対する前記通知条件として、前記通知先は前記他の介助者となり得る者の連絡先を含み、前記通知情報は前記使用者としての被介助者の介助のために駆けつけることを知らせる情報を含む、
付記1~7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
(付記9)
前記通知条件を設定する設定部を備えた、
付記1~8のいずれか1項に記載の情報処理システム。
(付記10)
撮像装置を備え、トイレの便器における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように前記撮像装置が配置されるように、前記便器に設置される情報処理装置であって、
前記撮像装置で撮像された撮像データに基づき、排泄の開始及び終了を少なくとも示す排泄情報を得る取得部と、
前記トイレへの人の入退室を検知する第1センサと、
前記便器に設置された便座への離着席を検知する第2センサと、
前記トイレへ入退室した人を認証するとともに、前記人が前記トイレの使用者としての被介助者及び前記使用者を介助する介助者のいずれであるかを判定する認証部と、
通知条件を記憶する記憶部と、
前記取得部で取得された前記排泄情報、前記第1センサで検知された入退室情報、前記第2センサで検知された離着席情報、及び前記認証部での認証結果が示す検知イベントと、前記通知条件とに基づき、通知先に通知情報を出力する出力部と、
を備え、
前記記憶部は、前記通知条件として、前記検知イベント毎に、通知の要否と通知が必要な場合の前記通知情報及び前記通知先とを記憶する、
情報処理装置。
(付記11)
トイレの便器における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように設置された撮像装置で撮像された撮像データに基づき、排泄の開始及び終了を少なくとも示す排泄情報を得る取得ステップと、
第1センサが前記トイレへの人の入退室を検知する第1検知ステップと、
第2センサが前記便器に設置された便座への離着席を検知する第2検知ステップと、
前記トイレへ入退室した人を認証するとともに、前記人が前記トイレの使用者としての被介助者及び前記使用者を介助する介助者のいずれであるかを判定する認証ステップと、
通知条件を記憶する記憶ステップと、
前記取得ステップで取得された前記排泄情報、前記第1センサで検知された入退室情報、前記第2センサで検知された離着席情報、及び前記認証ステップでの認証結果が示す検知イベントと、前記通知条件とに基づき、通知先に通知情報を出力する出力ステップと、
を備え、
前記記憶ステップは、前記通知条件として、前記検知イベント毎に、通知の要否と通知が必要な場合の前記通知情報及び前記通知先とを記憶する、
情報処理方法。
(付記12)
コンピュータに、
トイレの便器における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように設置された撮像装置で撮像された撮像データに基づき、排泄の開始及び終了を少なくとも示す排泄情報を得る取得ステップと、
第1センサで前記トイレへの人の入退室を検知する第1検知ステップと、
第2センサで前記便器に設置された便座への離着席を検知する第2検知ステップと、
前記トイレへ入退室した人を認証するとともに、前記人が前記トイレの使用者としての被介助者及び前記使用者を介助する介助者のいずれであるかを判定する認証ステップと、
通知条件を記憶する記憶ステップと、
前記取得ステップで取得された前記排泄情報、前記第1センサで検知された入退室情報、前記第2センサで検知された離着席情報、及び前記認証ステップでの認証結果が示す検知イベントと、前記通知条件とに基づき、通知先に通知情報を出力する出力ステップと、
を含む処理であって、
前記記憶ステップは、前記通知条件として、前記検知イベント毎に、通知の要否と通知が必要な場合の前記通知情報及び前記通知先とを記憶する、
処理を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0151】
1 情報処理システム
1a 取得部
1b 第1センサ
1c 第2センサ
1d 認証部
1e 記憶部
1f 出力部
10 情報処理装置(トイレセンサ)
11 第2外付けボックス
11a CPU
11b コネクタ
11c,11d USB I/F
12 ボックス間接続部
13 第1外付けボックス
14a WiFiモジュール
14b Bluetoothモジュール
15a 人感センサ
15b 第2カメラ
16a 距離センサ
16b 第1カメラ
20 便器
21 本体
22 便座
23 便座カバー
30 情報処理装置付き便器
40 サーバ
41 制御部
42 記憶部
50 端末装置
51 表示画面
52、53、54 通知情報
52a 重要度を示す情報
52b ボタン
100 装置
101 プロセッサ
102 メモリ
103 通信インタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15