(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156348
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】格納ビン及び在庫再割り当てを用いるマルチエンティティ在庫管理
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20231017BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
G06Q10/087
B65G1/137 A
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023121398
(22)【出願日】2023-07-26
(62)【分割の表示】P 2021555342の分割
【原出願日】2020-03-13
(31)【優先権主張番号】62/818,506
(32)【優先日】2019-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/836,863
(32)【優先日】2019-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520440490
【氏名又は名称】アタボティックス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ATTABOTICS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】スコット グラヴェル
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス ランゲン
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー ディーン シンプソン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ロボティックハンドラーによるサービスを受ける1以上の格納構造を含む1以上の施設にてベンダ等の異なるエンティティの製品在庫を管理するための、再割り当て可能な格納ビンを含む複数エンティティ在庫管理システム及び方法を提供する。
【解決手段】製品の個別品を1つ以上格納する各格納ビンを有人ワークステーションに届けるコンピュータ化在庫管理システム(CIMS)400であって、エンティティ識別子、各エンティティによって顧客に提供される製品の製品識別子を含む製品カタログ及び格納ビンに割り当てられる一意的ビン識別子を含むデジタル記録を記憶し、在庫有りエンティティから入用エンティティへの在庫の所有のデジタル移転を、在庫不足、入用エンティティにおける在庫の完全欠如、製品在庫について受信されている注文等に基づいて執行し、格納ビンを介しての在庫交換と共に、エンティティ間の商いを執行し、また、在庫予約を実装する。
【選択図】
図4C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なるエンティティの製品在庫を、ロボティックハンドラーによるサービスを受
ける1つ以上の格納構造を備える複数の施設の1つ以上にて、管理するためのコンピュー
タ化システムであって、該コンピュータ化システムは:
通信ネットワークに結合されたネットワークインタフェースと;
製品所有情報を含むデータベースを記憶する1つ以上の記憶装置であって該製品所有情
報は前記複数の異なるエンティティについての識別を含む、1つ以上の記憶装置と;
前記ネットワークインタフェースと前記1つ以上の記憶装置とに結合された1つ以上の
プロセッサとを備え
該1つ以上のプロセッサは前記1つ以上の記憶装置から読み込まれた複数のコンピュー
タプログラム命令を実行するように構成されており、前記複数のコンピュータプログラム
命令は前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに:
前記施設の1つにある前記ロボティックハンドラーについての第1のサブセットをアク
ティブ化して、特定の製品タイプの第1の製品を第1の格納構造内の格納場所内へと物理
的に格納するステップと;
前記ロボティックハンドラーについての前記第1のサブセットをアクティブ化する前又
は後に、前記データベースを更新して、前記第1の製品は前記データベース内にて識別さ
れた複数の異なるエンティティのうちに含まれる第1のエンティティに所有されているこ
とを記録するステップと;
前記データベース内にて識別された複数の異なるエンティティのうちに含まれる第2の
エンティティからの前記特定の製品タイプについての注文を、前記通信ネットワークを介
して受信するステップであって、前記第2のエンティティは前記第1のエンティティとは
異なる、ステップと;
前記データベースを更新して、前記第1の格納構造内の前記格納場所にて格納されてい
る前記第1の製品について前記第1のエンティティから前記第2のエンティティへの所有
の移転を記録するステップと;
前記ロボティックハンドラーについての第2のサブセットをアクティブ化して、前記特
定の製品タイプについての前記注文を前記第2のエンティティのために充足するに際して
用いるために前記第1の格納構造内の前記格納場所から前記第1の製品を回収するステッ
プとを行わせる、コンピュータ化システム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンピュータ化システムにおいて、前記1つ以上のプロセッサは、前
記データベースを更新して、前記第1の格納構造内の前記格納場所にある前記第1の製品
について前記第1のエンティティから前記第2のエンティティへの前記所有の前記移転を
記録するステップであって、前記記録するステップは前記第2のエンティティが前記特定
の製品タイプについて在庫不足になっており且つ前記特定の製品タイプの前記注文を充足
できないとの決定に応答してなされる、ステップをなすように構成されている、コンピュ
ータ化システム。
【請求項3】
請求項1に記載のコンピュータ化システムにおいて、前記1つ以上のプロセッサは、前
記データベースを更新して前記第1の格納構造内の前記格納場所にある前記第1の製品に
ついて前記第1のエンティティから前記第2のエンティティへの前記所有の前記移転を記
録するステップをなすようにさらに構成されており、前記記録するステップは前記第2の
エンティティが前記第1の製品を前記第1のエンティティから購入することを確認し並び
に前記データベースを更新して前記第2のエンティティが前記第1の製品を前記第1のエ
ンティティから購入することを記録することによってなされる、コンピュータ化システム
。
【請求項4】
請求項1に記載のコンピュータ化システムにおいて、前記1つ以上のプロセッサは:
前記ロボティックハンドラーについての第1のサブセット及び前記ロボティックハンド
ラーについての第2のサブセットとは異なる前記ロボティックハンドラーについての第3
のサブセットをアクティブ化して、前記特定の製品タイプの第2の製品を第2の格納構造
内の格納場所内へと物理的に格納するステップであって、前記第2の格納構造は前記第1
の格納構造の施設とは異なる施設にある、ステップと;
前記ロボティックハンドラーについての前記第3のサブセットをアクティブ化する前又
は後に、前記1つ以上の記憶装置内の前記データベースを更新して、前記第2の格納構造
内の前記格納場所にて格納されている前記第2の製品は前記第2のエンティティに所有さ
れていることを記録するステップと;
前記注文の受信後に、前記データベースを更新して、前記第2の格納構造内の前記格納
場所にある前記第2の製品について前記第2のエンティティから前記第1のエンティティ
への所有の移転を記録するステップであって、前記第1の製品及び前記第2の製品の前記
所有が前記第1のエンティティと前記第2のエンティティとの間で交換される、ステップ
とをなすようにさらに構成されている、コンピュータ化システム。
【請求項5】
請求項4に記載のコンピュータ化システムにおいて、前記1つ以上のプロセッサは:
前記ロボティックハンドラーについての前記第1のサブセットをアクティブ化して前記
第1の製品を前記第1の格納構造内の前記格納場所内に格納するに際して、前記ロボティ
ックハンドラーについての前記第1のサブセットをアクティブ化して前記第1の製品を前
記第1の格納構造内にて第1の格納ビンの中に物理的に格納するステップと;
前記ロボティックハンドラーについての前記第3のサブセットをアクティブ化して前記
第2の製品を前記第2の格納構造内の前記格納場所内に格納するに際して、前記ロボティ
ックハンドラーについての前記第3のサブセットをアクティブ化して前記第2の製品を前
記第2の格納構造内にて第2の格納ビンの中に物理的に格納するステップと;
前記注文の受信後に、前記データベースを更新して、前記第1の格納ビンの内容物につ
いて前記第1のエンティティから前記第2のエンティティへの所有の移転並びに前記第2
の格納ビンの内容物について前記第2のエンティティから前記第1のエンティティへの所
有の移転を記録するステップであって、前記第1の格納ビンの内容物及び前記第2の格納
ビンの内容物の前記所有が前記第1のエンティティと前記第2のエンティティとの間で交
換される、ステップと;
前記ロボティックハンドラーについての第4のサブセットをアクティブ化して、前記第
1の格納ビンを前記第1の格納構造からを回収して、それによって前記特定の製品タイプ
についての前記注文を前記第2のエンティティのために充足するステップとをなすように
さらに構成されている、コンピュータ化システム。
【請求項6】
請求項5に記載のコンピュータ化システムにおいて、前記1つ以上のプロセッサは、前
記第1の格納ビンの内容物について前記第1のエンティティから前記第2のエンティティ
への所有の移転並びに前記第2の格納ビンの内容物について前記第2のエンティティから
前記第1のエンティティへの所有の移転を、前記ロボティックハンドラーのアクティブ化
及び前記特定の製品タイプの前記注文についての前記第2のエンティティのための充足に
対応するいずれかの時に、執行するように構成されている、コンピュータ化システム。
【請求項7】
請求項5に記載のコンピュータ化システムにおいて、前記1つ以上のプロセッサは:
前記注文を受信する前、また、前記ロボティックハンドラーについての前記第1のサブ
セットをアクティブ化する前又は後に、前記1つ以上の記憶装置内のデータベースを更新
して、前記第1の格納ビンの前記内容物は前記第1のエンティティに所有されていること
を記録するステップと;
前記注文を受信する前、また、前記ロボティックハンドラーについての前記第3のサブ
セットをアクティブ化する前又は後に、前記1つ以上の記憶装置内のデータベースを更新
して、前記第2の格納ビンの前記内容物は前記第2のエンティティに所有されていること
を記録するステップとをなすようにさらに構成されている、コンピュータ化システム。
【請求項8】
請求項5に記載のコンピュータ化システムにおいて、前記1つ以上のプロセッサは:
前記データベースに対してクエリを発して、前記第1の格納ビンの内容物と前記第2の
格納ビンの内容物とが等しいかを決定するステップと;
前記注文の受信後に、前記データベースを更新して、前記第1の格納ビン及び前記第2
の格納ビンの内容物の前記所有が交換されていると記録するステップであって、前記記録
するステップは前記第1の格納ビンの内容物と前記第2の格納ビンの内容物とが等しいと
の決定に少なくとも部分的に応答してなされる、ステップとをなすようにさらに構成され
ている、コンピュータ化システム。
【請求項9】
請求項5に記載のコンピュータ化システムにおいて、前記1つ以上のプロセッサは、前
記第1の格納ビンの内容物と前記第2の格納ビンの内容物とが等しくないとの決定に応答
して:
(a)前記施設の1つにてロボティックワーカをアクティブ化して、前記第2の格納ビ
ンの前記内容物との関係で前記第1の格納ビンの前記内容物を均等化するステップと;
(b)前記施設の1つにて、(i)前記ロボティックハンドラーについての第5のサブ
セットをアクティブ化して、前記第1の格納ビンを有人ワークステーションに届け、並び
に、(ii)人間-マシンインタフェースをアクティブ化して、前記有人ワークステーシ
ョンの人間ワーカに指示して前記第2の格納ビンの前記内容物との関係で前記第1の格納
ビンの前記内容物を均等化するステップと;
(c)前記施設の1つとは異なる施設にてロボティックワーカをアクティブ化して、前
記第1の格納ビンの前記内容物との関係で前記第2の格納ビンの前記内容物を均等化する
ステップと;
(d)前記施設の1つとは異なる施設にて、(i)前記ロボティックハンドラーについ
ての第6のサブセットをアクティブ化して、前記第2の格納ビンを有人ワークステーショ
ンに届け、並びに、(ii)前記有人ワークステーションの人間-マシンインタフェース
をアクティブ化して、前記有人ワークステーションの人間ワーカに指示して前記第2の格
納ビンの前記内容物との関係で前記第1の格納ビンの前記内容物を均等化するステップ、
の少なくとも1つをなすようにさらに構成されている、コンピュータ化システム。
【請求項10】
請求項4に記載のコンピュータ化システムにおいて、前記1つ以上のプロセッサは、前
記ロボティックハンドラーについての別のサブセットをアクティブ化して、前記第2の製
品を前記施設の1つへと再配置するために前記第2の製品を前記第2の格納構造から回収
するステップであって、前記回収するステップは前記データベースを更新して前記第2の
格納構造内の前記格納場所にある前記第2の製品について前記第2のエンティティから前
記第1のエンティティへの所有の移転を記録した後になされる、ステップをなすようにさ
らに構成されている、コンピュータ化システム。
【請求項11】
請求項4に記載のコンピュータ化システムにおいて、前記第1の格納構造及び前記第2
の格納構造は異なる市にある、コンピュータ化システム。
【請求項12】
請求項1に記載のコンピュータ化システムにおいて、前記1つ以上のプロセッサは:
前記特定の製品タイプについての前記注文を前記第2のエンティティから受信する前に
、前記特定の製品タイプを予約することを要求する予約メッセージを前記第2のエンティ
ティから受信するステップと;
データベースに対してクエリを発して、前記第1の製品が予約に関して利用可能である
ことを確認するステップと;
前記第1の製品が利用可能であることを確認した後に前記第1の製品が前記第2のエン
ティティのために予約されていることの標示を前記データベース内に記録することによっ
て前記第1の製品を前記第2のエンティティのために予約するステップと;
前記第1の製品が前記第2のエンティティのために独占的に取り置かれて前記異なるエ
ンティティのうちの他のものによる予約に関して前記第1の製品が利用不能となる予約期
間を開始するステップとをなすようにさらに構成されている、コンピュータ化システム。
【請求項13】
請求項12に記載のコンピュータ化システムにおいて、前記1つ以上のプロセッサは、
前記第1の製品を予約することに関して前記第2のエンティティに対して予約料を課金す
るようにさらに構成されている、コンピュータ化システム。
【請求項14】
請求項12に記載のコンピュータ化システムにおいて、前記1つ以上のプロセッサは、
前記第1の製品に対応する注文が前記予約期間中に前記第2のエンティティから受信され
なかった場合、前記第1の製品が予約されていることの前記標示を覆して前記異なるエン
ティティのうちの他のものによる予約に関して前記第1の製品を利用可能とすることによ
って前記データベースを更新するようにさらに構成されている、コンピュータ化システム
。
【請求項15】
請求項1に記載のコンピュータ化システムにおいて、前記1つ以上のプロセッサは:
前記第2のエンティティから、前記特定の製品タイプについての製品利用可能性要求を
受信するステップと;
前記製品利用可能性要求と関連付けられている1つ以上の要件に関して前記製品利用可
能性要求を構文解析するステップと;
前記製品利用可能性要求と関連付けられている前記1つ以上の要件と一致する1つ以上
の製品に関して前記データベースを検索するステップであって、前記検索からの結果は前
記第1のエンティティに所有された前記第1の製品の利用可能性を少なくとも示す、ステ
ップと;
受信された前記製品利用可能性要求の要求主体へと、前記第1の製品についての情報を
送信するステップとをなすようにさらに構成されている、コンピュータ化システム。
【請求項16】
請求項15に記載のコンピュータ化システムにおいて、前記1つ以上のプロセッサは、
前記1つ以上の製品についての前記検索を限定して前記第2のエンティティと関連付けら
れているホワイトリストにて識別された1つ以上のエンティティによって所有された利用
可能製品のみを含むものとするようにさらに構成されている、コンピュータ化システム。
【請求項17】
請求項15に記載のコンピュータ化システムにおいて、前記1つ以上のプロセッサは、
前記1つ以上の製品についての前記検索を限定して前記第2のエンティティと関連付けら
れているブラックリストにて識別された1つ以上のエンティティによって所有された在庫
製品を含まないものとするようにさらに構成されている、コンピュータ化システム。
【請求項18】
請求項15に記載のコンピュータ化システムにおいて、前記1つ以上のプロセッサは、
前記1つ以上の製品についての前記検索を限定して前記第2のエンティティによって前記
製品利用可能性要求にて定義された選好最高購入価格以下の販売価格を有する利用可能製
品のみを含むものとするようにさらに構成されている、コンピュータ化システム。
【請求項19】
請求項15に記載のコンピュータ化システムにおいて、前記1つ以上のプロセッサは、
前記1つ以上の製品についての前記検索を限定して前記製品利用可能性要求にて定義され
た選好宛先から所定の半径内にある利用可能製品のみを含むようにさらに構成されている
、コンピュータ化システム。
【請求項20】
請求項15に記載のコンピュータ化システムにおいて、前記1つ以上のプロセッサは、
前記1つ以上の製品についての前記検索を限定して前記製品利用可能性要求にて指定され
た選好配達タイムライン内に配達可能な利用可能製品のみを含むものとするようにさらに
構成されている、コンピュータ化システム。
【請求項21】
複数の異なるエンティティの製品在庫を、ロボティックハンドラーによるサービスを受
ける1つ以上の格納構造を備える複数の施設の1つ以上にて、管理するためのコンピュー
タ実装方法であって、該コンピュータ実装方法は、1つ以上の記憶装置と、前記1つ以上
の記憶装置と動作可能に結合された1つ以上のプロセッサとを備える在庫管理システムを
用い、前記1つ以上のプロセッサは:
製品所有情報を含むデータベースを前記1つ以上の記憶装置によって記憶するステップ
であって該製品所有情報は前記複数の異なるエンティティについての識別を含む、ステッ
プと;
前記施設の1つにある前記ロボティックハンドラーについての第1のサブセットを前記
在庫管理システムによってアクティブ化して、特定の製品タイプの第1の製品を第1の格
納構造内の格納場所内へと物理的に格納するステップと;
前記ロボティックハンドラーについての前記第1のサブセットをアクティブ化する前又
は後に、前記在庫管理システムによって前記データベースを更新して、前記第1の製品は
前記データベース内にて識別された前記複数の異なるエンティティのうちに含まれる第1
のエンティティに所有されていることを記録するステップと;
前記データベース内にて識別された複数の異なるエンティティのうちに含まれる第2の
エンティティからの前記特定の製品タイプについての注文を、前記在庫管理システムによ
って通信ネットワークを介して受信するステップであって、前記第2のエンティティは前
記第1のエンティティとは異なる、ステップと;
前記在庫管理システムによって前記データベースを更新して、前記第1の格納構造内の
前記格納場所にて格納されている前記第1の製品について前記第1のエンティティから前
記第2のエンティティへの所有の移転を記録するステップと;
前記ロボティックハンドラーについての第2のサブセットを前記在庫管理システムによ
ってアクティブ化して、前記特定の製品タイプについての前記注文を前記第2のエンティ
ティのために充足するに際して用いるために前記第1の格納構造内の前記格納場所から前
記第1の製品を回収するステップ、とを含む方法をなすために定義されたコンピュータプ
ログラム命令を実行するように構成されている、コンピュータ実装方法。
【請求項22】
請求項21に記載のコンピュータ実装方法において、前記在庫管理システムは、前記デ
ータベースを更新して、前記第1の格納構造内の前記格納場所にある前記第1の製品につ
いて前記第1のエンティティから前記第2のエンティティへの前記所有の前記移転を記録
するステップであって、前記記録するステップは前記第2のエンティティが前記特定の製
品タイプについて在庫不足になっており且つ前記特定の製品タイプについての前記注文を
充足できないとの決定に応答してなされる、ステップをなす、コンピュータ実装方法。
【請求項23】
請求項21に記載のコンピュータ実装方法において、前記在庫管理システムは、前記第
1の格納構造内の前記格納場所にある前記第1の製品について前記第1のエンティティか
ら前記第2のエンティティへの前記所有の前記移転を記録するステップをなし、前記記録
するステップは前記第2のエンティティが前記第1の製品を前記第1のエンティティから
購入することを確認し並びに前記データベースを更新して前記第2のエンティティが前記
第1の製品を前記第1のエンティティから購入することを記録することによってなされる
、コンピュータ実装方法。
【請求項24】
請求項21に記載のコンピュータ実装方法において:
前記在庫管理システムによって前記ロボティックハンドラーについての第1のサブセッ
ト及び前記ロボティックハンドラーについての第2のサブセットとは異なる前記ロボティ
ックハンドラーについての第3のサブセットをアクティブ化して、前記特定の製品タイプ
の第2の製品を第2の格納構造内の格納場所内へと物理的に格納するステップであって、
前記第2の格納構造は前記第1の格納構造の施設とは異なる施設にある、ステップと;
前記ロボティックハンドラーについての前記第3のサブセットをアクティブ化する前又
は後に、前記在庫管理システムによって前記1つ以上の記憶装置内の前記データベースを
更新して、前記第2の格納構造内の前記格納場所にて格納されている前記第2の製品は第
2のエンティティに所有されていることを記録するステップと;
前記注文の受信後に、前記在庫管理システムによって前記データベースを更新して、前
記第2の格納構造内の前記格納場所にある前記第2の製品について前記第2のエンティテ
ィから前記第1のエンティティへの所有の移転を記録するステップであって、前記第1の
製品及び前記第2の製品の前記所有が前記第1のエンティティと前記第2のエンティティ
との間で交換される、ステップとをさらに含む、コンピュータ実装方法。
【請求項25】
請求項24に記載のコンピュータ実装方法において:
前記ロボティックハンドラーについての第1のサブセットをアクティブ化して前記第1
の製品を前記第1の格納構造内の前記格納場所内に格納するに際して、前記在庫管理シス
テムによって前記ロボティックハンドラーについての前記第1のサブセットをアクティブ
化して前記第1の製品を前記第1の格納構造内にて第1の格納ビンの中に物理的に格納す
るステップと;
前記ロボティックハンドラーについての前記第3のサブセットをアクティブ化して前記
第2の製品を前記第2の格納構造内の前記格納場所内に格納するに際して、前記在庫管理
システムによって前記ロボティックハンドラーについての前記第3のサブセットをアクテ
ィブ化して前記第2の製品を前記第2の格納構造内にて第2の格納ビンの中に物理的に格
納するステップと;
前記注文の受信後に、前記在庫管理システムによって前記データベースを更新して、前
記第1の格納ビンの内容物について前記第1のエンティティから前記第2のエンティティ
への所有の移転並びに前記第2の格納ビンの内容物について前記第2のエンティティから
前記第1のエンティティへの所有の移転を記録するステップであって、前記第1の格納ビ
ンの内容物及び前記第2の格納ビンの内容物の前記所有が前記第1のエンティティと前記
第2のエンティティとの間で交換される、ステップと;
前記在庫管理システムによって前記ロボティックハンドラーについての第4のサブセッ
トをアクティブ化して、前記第1の格納ビンを前記第1の格納構造からを回収して、それ
によって前記特定の製品タイプについての前記注文を前記第2のエンティティのために充
足するステップとをさらに含む、コンピュータ実装方法。
【請求項26】
請求項25に記載のコンピュータ実装方法において、前記第1の格納ビンの内容物につ
いて前記第1のエンティティから前記第2のエンティティへの所有の移転並びに前記第2
の格納ビンの内容物について前記第2のエンティティから前記第1のエンティティへの所
有の移転は、前記ロボティックハンドラーのアクティブ化及び前記特定の製品タイプの前
記注文についての前記第2のエンティティのための充足に対応するいずれかの時に、前記
在庫管理システムによって執行される、コンピュータ実装方法。
【請求項27】
請求項25に記載のコンピュータ実装方法において:
前記注文を受信する前、また、前記ロボティックハンドラーについての前記第1のサブ
セットをアクティブ化する前又は後に、前記在庫管理システムによって前記1つ以上の記
憶装置内のデータベースを更新して、前記第1の格納ビンの前記内容物は前記第1のエン
ティティに所有されていることを記録するステップと;
前記注文を受信する前、また、前記ロボティックハンドラーについての前記第3のサブ
セットをアクティブ化する前又は後に、前記在庫管理システムによって前記1つ以上の記
憶装置内のデータベースを更新して、前記第2の格納ビンの前記内容物は前記第2のエン
ティティに所有されていることを記録するステップとをさらに含む、コンピュータ実装方
法。
【請求項28】
請求項25に記載のコンピュータ実装方法において:
前記在庫管理システムによって前記データベースに対してクエリを発して、前記第1の
格納ビンの内容物と前記第2の格納ビンの内容物とが等しいかを決定するステップと;
前記注文の受信後に、前記在庫管理システムによって前記データベースを更新して、前
記第1の格納ビン及び前記第2の格納ビンの内容物の前記所有が交換されていると記録す
るステップであって、前記記録するステップは前記第1の格納ビンの内容物と前記第2の
格納ビンの内容物とが等しいとの決定に少なくとも部分的に応答してなされる、ステップ
とをさらに含む、コンピュータ実装方法。
【請求項29】
請求項25に記載のコンピュータ実装方法において、前記第1の格納ビンの内容物と前
記第2の格納ビンの内容物とが等しくないとの決定に応答して:
(a)前記在庫管理システムによって前記施設の1つにてロボティックワーカをアクテ
ィブ化して、前記第2の格納ビンの前記内容物との関係で前記第1の格納ビンの前記内容
物を均等化するステップと;
(b)前記在庫管理システムによって前記施設の1つにて、(i)前記ロボティックハ
ンドラーについての第5のサブセットをアクティブ化して、前記第1の格納ビンを有人ワ
ークステーションに届け、並びに、(ii)人間-マシンインタフェースをアクティブ化
して、前記有人ワークステーションの人間ワーカに指示して前記第2の格納ビンの前記内
容物との関係で前記第1の格納ビンの前記内容物を均等化するステップと;
(c)前記在庫管理システムによって前記施設の1つとは異なる施設にてロボティック
ワーカをアクティブ化して、前記第1の格納ビンの前記内容物との関係で前記第2の格納
ビンの前記内容物を均等化するステップと;
(d)前記在庫管理システムによって前記施設の1つとは異なる施設にて、(i)前記
ロボティックハンドラーについての第6のサブセットをアクティブ化して、前記第2の格
納ビンを有人ワークステーションに届け、並びに、(ii)前記有人ワークステーション
の人間-マシンインタフェースをアクティブ化して、前記有人ワークステーションの人間
ワーカに指示して前記第2の格納ビンの前記内容物との関係で前記第1の格納ビンの前記
内容物を均等化するステップ、の少なくとも1つをなすことをさらに含む、コンピュータ
実装方法。
【請求項30】
請求項24に記載のコンピュータ実装方法において、前記在庫管理システムによって前
記ロボティックハンドラーについての別のサブセットをアクティブ化して、前記第2の製
品を前記施設の1つへと再配置するために前記第2の製品を前記第2の格納構造から回収
するステップであって、前記回収するステップは前記データベースを更新して前記第2の
格納構造内の前記格納場所にある前記第2の製品について前記第2のエンティティから前
記第1のエンティティへの所有の移転を記録した後になされる、ステップをさらに含む、
コンピュータ実装方法。
【請求項31】
請求項24に記載のコンピュータ実装方法において、前記第1の格納構造及び前記第2
の格納構造は異なる市にある、コンピュータ実装方法。
【請求項32】
請求項21に記載のコンピュータ実装方法において:
前記特定の製品タイプについての前記注文を前記第2のエンティティから受信する前に
、前記在庫管理システムによって前記特定の製品タイプを予約することを要求する予約メ
ッセージを前記第2のエンティティから受信するステップと;
前記在庫管理システムによって前記データベースに対してクエリを発して、前記第1の
製品が予約に関して利用可能であることを確認するステップと;
前記第1の製品が利用可能であることを確認した後に前記在庫管理システムによって前
記第1の製品が前記第2のエンティティのために予約されていることの標示を前記データ
ベース内に記録することによって前記第1の製品を前記第2のエンティティのために予約
するステップと;
前記第1の製品が前記第2のエンティティのために独占的に取り置かれて前記異なるエ
ンティティのうちの他のものによる予約に関して前記第1の製品が利用不能となる予約期
間を前記在庫管理システムによって開始するステップとをさらに含む、コンピュータ実装
方法。
【請求項33】
請求項32に記載のコンピュータ実装方法において、前記第1の製品を予約することに
関して前記第2のエンティティに対して予約料を前記在庫管理システムによって課金する
ステップをさらに含む、コンピュータ実装方法。
【請求項34】
請求項32に記載のコンピュータ実装方法において、前記第1の製品に対応する注文が
前記予約期間中に前記第2のエンティティから受信されなかった場合、前記在庫管理シス
テムによって前記第1の製品が予約されていることの前記標示を覆して前記異なるエンテ
ィティのうちの他のものによる予約に関して前記第1の製品を利用可能とすることによっ
て前記データベースを更新するステップをさらに含む、コンピュータ実装方法。
【請求項35】
請求項21に記載のコンピュータ実装方法において:
前記第2のエンティティから、前記特定の製品タイプについての製品利用可能性要求を
前記在庫管理システムによって受信するステップと;
前記製品利用可能性要求と関連付けられている1つ以上の要件に関して前記製品利用可
能性要求を前記在庫管理システムによって構文解析するステップと;
前記製品利用可能性要求と関連付けられている前記1つ以上の要件と一致する1つ以上
の製品に関して前記在庫管理システムによって前記データベースを検索するステップであ
って、前記検索からの結果は前記第1のエンティティに所有された前記第1の製品の利用
可能性を少なくとも示す、ステップと;
受信された前記製品利用可能性要求の要求主体へと、前記在庫管理システムによって前
記第1の製品についての情報を送信するステップとをさらに含む、コンピュータ実装方法
。
【請求項36】
請求項35に記載のコンピュータ実装方法において、前記在庫管理システムによる前記
1つ以上の製品についての前記検索を限定して、前記第2のエンティティと関連付けられ
ているホワイトリストにて識別された1つ以上のエンティティによって所有された利用可
能製品のみを含むものとするステップをさらに含む、コンピュータ実装方法。
【請求項37】
請求項35に記載のコンピュータ実装方法において、前記在庫管理システムによる前記
1つ以上の製品についての前記検索を限定して前記第2のエンティティと関連付けられて
いるブラックリストにて識別された1つ以上のエンティティによって所有された在庫製品
を含まないものとするステップをさらに含む、コンピュータ実装方法。
【請求項38】
請求項35に記載のコンピュータ実装方法において、前記在庫管理システムによる前記
1つ以上の製品についての前記検索を限定して前記第2のエンティティによって前記製品
利用可能性要求にて定義された選好最高購入価格以下の販売価格を有する利用可能製品の
みを含むものとするステップをさらに含む、コンピュータ実装方法。
【請求項39】
請求項35に記載のコンピュータ実装方法において、前記在庫管理システムによる前記
1つ以上の製品についての前記検索を限定して前記製品利用可能性要求にて定義された選
好宛先から所定の半径内にある利用可能製品のみを含むものとするステップをさらに含む
、コンピュータ実装方法。
【請求項40】
請求項35に記載のコンピュータ実装方法において、前記在庫管理システムによる前記
1つ以上の製品についての前記検索を限定して前記製品利用可能性要求にて指定された選
好配達タイムライン内に配達可能な利用可能製品のみを含むものとするステップをさらに
含む、コンピュータ実装方法。
【請求項41】
複数の異なるエンティティの製品在庫をロボティックハンドラーによるサービスを受け
る1つ以上の格納構造を備える複数の施設の1つ以上にて管理するための1つ以上のプロ
セッサによって実行可能なコンピュータプログラム命令が化体された非一時的コンピュー
タ可読記憶媒体であって、該コンピュータプログラム命令が前記少なくとも1つのプロセ
ッサによって実行されると前記少なくとも1つのプロセッサに:
製品所有情報を含むデータベースを1つ以上の記憶装置に記憶するステップであって該
製品所有情報は前記複数の異なるエンティティについての識別を含む、ステップと;
前記施設の1つにある前記ロボティックハンドラーについての第1のサブセットをアク
ティブ化して、特定の製品タイプの第1の製品を第1の格納構造内の格納場所内へと物理
的に格納するステップと;
前記ロボティックハンドラーについての前記第1のサブセットをアクティブ化する前又
は後に、前記データベースを更新して、前記第1の製品は前記データベース内にて識別さ
れた前記複数の異なるエンティティのうちに含まれる第1のエンティティに所有されてい
ることを記録するステップと;
前記データベース内にて識別された複数の異なるエンティティのうちに含まれる第2の
エンティティからの前記特定の製品タイプについての注文を、前記通信ネットワークを介
して受信するステップであって、前記第2のエンティティは前記第1のエンティティとは
異なる、ステップと;
前記データベースを更新して、前記第1の格納構造内の前記格納場所にて格納されてい
る前記第1の製品について前記第1のエンティティから前記第2のエンティティへの所有
の移転を記録するステップと;
前記ロボティックハンドラーについての第2のサブセットをアクティブ化して、前記特
定の製品タイプについての前記注文を前記第2のエンティティのために充足するに際して
用いるために前記第1の格納構造内の前記格納場所から前記第1の製品を回収するステッ
プとを行わせる、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項42】
請求項41に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体において、前記1つ以上のプロ
セッサは、前記データベースを更新して、前記第1の格納構造内の前記格納場所にある前
記第1の製品について前記第1のエンティティから前記第2のエンティティへの前記所有
の前記移転を記録するステップであって、前記記録するステップは前記第2のエンティテ
ィが前記特定の製品タイプについて在庫不足になっており且つ前記特定の製品タイプにつ
いての前記注文を充足できないとの決定に応答してなされる、ステップをなすように構成
されている、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書における実施形態は、一般的に、サプライチェーン、流通経路、注文充足、及
び在庫管理に関する。より具体的には、本明細書における実施形態は、複数の異なるエン
ティティの製品在庫を、ロボティックハンドラーによるサービスを受ける1つ以上の格納
構造を備える複数の施設の1つ以上にて、管理するためのマルチエンティティ在庫管理シ
ステム及び方法に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本願は次の出願の優先権及び利益を主張する:「サプライチェーン、流通又は注文充足
エコシステムにおける格納ビン割り当て及び再割り当てを用いたマルチベンダ在庫管理」
と題する仮特許出願第62/818,506号(米国特許商標庁に対して2019年3月
14日に出願);及び「サプライチェーン、流通又は注文充足エコシステムにおける格納
ビン及び製品再割り当てを用いたマルチベンダ在庫管理」と題する仮特許出願第62/8
36,863号(米国特許商標庁に対して2019年4月22日に出願)。上記にて参照
される特許出願は参照によってそれらの全体が取り込まれる。
【背景技術】
【0003】
従来的なサプライチェーンは、例えば製造者、生産者、サプライヤ、ベンダ、倉庫、運
送会社、流通センタ、注文充足センタ、小売業者等の一連の別個の取引エンティティを備
える。サプライチェーン管理によれば、製造者及び生産者から末端の顧客及びエンドユー
ザへとソーシング及び配達をなし得る。サプライチェーン管理は典型的には、在庫の源泉
から、顧客注文の充足並びに末端顧客及び末端消費者へのラストマイル配達及び消費迄へ
と辿る在庫流通の管理に関する。ロジスティクスはサプライチェーンの一部を構成し、在
庫の源泉ポイントから最終宛先迄への移動及び格納の制御を伴う。サプライチェーンエコ
システム内において在庫管理の従来手法を変えるような幾つかの技術が出現した。個別化
された製品及びより強化された注文の粒度制御に関しての顧客要請が増大している。サプ
ライチェーンのデジタイゼーションによって企業は増大する顧客の期待に対応し得る。
【0004】
電子商取引(eコマース)は顧客のアイテム購入態様を変えた。eコマースが相当な進
度で成長し且つ従来的な実店舗型の小売慣行を飲み込み続けるにつれて、多くの企業はオ
ンラインマーケットプレイスにおける意義を維持又は増大させ並びに当該領域における強
大勢力と競争するに際して相当の課題に直面している。このため、ベンダが従来的なサプ
ライチェーン並びに流通及び在庫管理に関する慣行から離脱するかこれらを補完するため
のソリューションが要請されており、直接顧客注文充足の観点に関して再集中することの
ためにこれが要請される。製品を作る事業体は、典型的には、在庫管理システムであって
、製品を販売店舗や顧客に製品を流通させ、製品を追跡し、また、顧客注文との関係で在
庫を関連付けるための在庫管理システムを用いる。在庫管理(inventory management)に
おいては、通常在庫及び販売の総合的状態即ち需給状況について示すことになる。もっと
も、在庫制御(inventory control)は大企業及び小企業にとって相当な課題となる。不
十分な製品在庫、即ち在庫不足は販売損失及び機会損失を結果としてもたらす。他方で、
需要を上回る在庫は相当な保管費用、間接費用、金融負債等の増大を招く。在庫不足及び
在庫は、一般的に企業及び経済に対して数百万から数十億ドルの損失をもたらす。
【0005】
在庫不足は、顧客注文を充足するに際して相当な問題を来す。ベンダが他所にある余剰
供給源について知っており且つ必要とされる製品在庫を取得するための正しい連絡先及び
手順について把握していない限り、在庫を別途注文及び購入することを要し、顧客注文充
足に要する費用及び時間を増大させてしまう。さらに、ラストマイル配達費用を低減させ
るために、在庫はマイクロ充足施設にて末端顧客に可能な限り近接して配置されているこ
とを要する。小売店舗裏や末端顧客の近くのダーク型ウェアハウスの空間の不動産費用は
、多くの流通センタの郊外立地に比して格段に高価である。マイクロ充足を実現可能とす
るためには、各施設にて多様な商品を利用可能とすることを要するが、格納要件を激増さ
せる程の過剰な品揃えは要さない。結果として、サプライチェーン内にて販売される全部
の製品を「個別品」レベルで扱うことが要請され、従来的なサプライチェーン手法でなさ
れる「ケース」レベルでの補充ではなく「ぎりぎり十分」の在庫補充が要請される。任意
の大手企業では、あるローカル箇所にある過剰在庫は、それが位置特定可能であり且つ在
庫バランシングのための手順が定められていれば、多くの場合、同企業内の別の場所にあ
る在庫不足に充てるために移転することができる。
【0006】
従来的なサプライチェーンシステムは、典型的には、複数のエンドポイントからの顧客
注文を充足するのであり、故に費用が増大し、また、雑然とした在庫管理を伴う。宛先の
住所に最も近いエンドポイントから顧客注文を充足することが必要とされる。さらに、こ
れらのサプライチェーンシステムは、施設間での配送及び受領を雑然とした態様でなすの
であり予測可能性は限定的となる。自律的且つ整然とした手法が必要とされるのであり、
エンドポイントを含む各施設にて格納ユニットを1対1の対応で交換して予測可能性を強
化し且つ在庫管理を最適化することが必要とされる。
【0007】
在庫管理における総合的な改善のためには、サプライチェーン内の複数のベンダについ
てより良い協働が必要とされる。多くの従来的なサプライチェーンは、複数のベンダから
の注文に関して、マルチテナント性を考慮していない。製品在庫の物理的所在及びその所
有を追跡しつつ、マルチベンダ在庫を単一格納ユニット内で組み合わせることが必要とさ
れる。さらに、ネットワークノード間でマルチベンダ在庫を移動すること及びサプライチ
ェーン内でマルチベンダ在庫を追跡することが必要とされる。また、在庫を注文充足のた
めに遠方の場所へと物理的に輸送するのに対して、在庫不足について決定及びそれを解消
するために疑似即時的且つ相当に迅速化された態様で処することが望まれる。また、複数
のパラメータ、在庫移転、在庫スワップ、在庫販売、及び在庫予約に基づいたデジタルベ
ンダ間在庫再割り当てを通じてリアルタイムで在庫不足及び過剰在庫を管理するための自
律充足テクノロジを伴う包括的な電子的在庫管理システムが要されており、また、これは
ベンダ間商取引を執行することに加えて要されており、在庫スワップ又は在庫販売と関連
付けられているデジタル再割り当ては、顧客注文の受信、在庫不足の検知、デジタルトラ
ンザクションによっての在庫調整解決、及び顧客注文充足目的でのロボット展開によって
発動される。
【0008】
幾つかの従来的解決法では、各ベンダがベンダ間在庫移転のために特定の在庫管理単位
(SKU、stock keeping unit)について在庫を有していることが典型的に要請される。
入用ベンダがサプライチェーンエコシステム内にて在庫(inventory)を有しておらずと
も製品在庫(product inventory)の所有を入用ベンダへとデジタル的に移転することが
必要とされる。さらに、在庫再割り当ての遂行前に在庫の利用可能性を担保する予約方法
が必要とされている。
【0009】
よって、関連技術に見出される上記課題を解決するような、複数の異なるエンティティ
の製品在庫をロボティックハンドラーによるサービスを受ける1つ以上の格納構造を備え
る複数の施設の1つ以上にて管理するためのマルチエンティティ在庫管理システム及び方
法について、長年渇望されている。
【発明の概要】
【0010】
本概要は選ばれた概念について紹介するために提供されるのであり、詳細な説明にて詳
述される。本概要は特許請求の範囲の範囲を画定することを意図しているわけではない。
【0011】
本願にて開示するシステム及び方法は、複数の異なるエンティティの製品在庫を、ロボ
ティックハンドラーによるサービスを受ける1つ以上の格納構造を備える複数の施設の1
つ以上にて、管理することについての上述の必要性に応える。本願にて開示するシステム
及び方法は、スマート格納ビンやロボティックハンドラー等の在庫ハンドラーを用いての
、複数の異なるエンティティ間での製品在庫の再割り当て及び交換を管理する。
【0012】
複数の異なるエンティティの製品在庫を、ロボティックハンドラーによるサービスを受
ける1つ以上の格納構造を備える複数の施設の1つ以上にて、管理するためのコンピュー
タ化システム及び方法を提供する。コンピュータ化システムは、通信ネットワークに結合
されたネットワークインタフェースと、1つ以上の記憶装置と、ネットワークインタフェ
ース及び記憶装置に結合された1つ以上のプロセッサとを備える。記憶装置は製品所有情
報を含むデータベースを記憶する。製品所有情報は、例えば複数の異なるエンティティに
ついての識別を含む。プロセッサは、記憶装置から読み込まれた複数のコンピュータプロ
グラム命令を実行するように構成されており、異なるエンティティの製品在庫を、ロボテ
ィックハンドラーによるサービスを受ける1つ以上の格納構造を備える複数の施設の1つ
以上にて、管理することについての方法を行うためのものである。
【0013】
実施形態では、コンピュータ化システムはコンピュータ化在庫管理システム(CIMS
、computerized inventory management system)であり、該CIMSは、1つ以上の管理
サブシステムを備えており、これらは施設及び施設間で移動しているノード間輸送車両団
にわたって分布しており、通信ネットワークを介して動作可能に中央コンピューティング
システムに結合されている。実施形態では、CIMSは、施設のうちの1つ(以下、「第
1の施設」という。)のロボティックハンドラーについての第1のサブセットをアクティ
ブ化して、特定の製品タイプの第1の製品を第1の格納構造内の格納場所内へと物理的に
格納する。ロボティックハンドラーについての第1のサブセットをアクティブ化する前後
(前又は後)に、CIMSは、データベースを更新して、第1の製品はデータベース内に
て識別された複数の異なるエンティティのうちに含まれる第1のエンティティに所有され
ていることを記録する。CIMSは、データベース内にて識別された複数の異なるエンテ
ィティのうちに含まれる第2のエンティティからの特定の製品タイプについての注文を、
通信ネットワークを介して受信するのであって、第2のエンティティは第1のエンティテ
ィとは異なる。実施形態では、第2のエンティティは製品在庫を必要としている入用エン
ティティであり、また、第1のエンティティは入用エンティティへと移転できる追加の製
品在庫を有する在庫有りエンティティである。CIMSは、データベースを更新して、第
1の格納構造内の格納場所にて格納されている第1の製品について第1のエンティティか
ら第2のエンティティへの所有の移転を記録する。CIMSは、ロボティックハンドラー
についての第2のサブセットをアクティブ化して、特定の製品タイプについての注文を第
2のエンティティのために充足するに際して用いるために第1の格納構造内の格納場所か
ら第1の製品を回収するステップとを行わせる。CIMSは、第1の格納構造内の格納場
所からの第1の製品の回収及び/又は第2のエンティティについて特定の製品タイプにつ
いての注文充足に対応する任意の時に、第1の製品の所有についての第1のエンティティ
から第2のエンティティへの移転を執行する。例えば、実施形態では、CIMSは、ロボ
ティックハンドラーについての第2のセットをアクティブ化して第1の格納構造内の格納
場所から第1の製品を回収する前に、第1の格納構造内の格納場所にて格納された第1の
製品の所有についての第1のエンティティから第2のエンティティへの移転を、執行する
。別の実施形態では、CIMSは、ロボティックハンドラーについての第2のセットをア
クティブ化して第1の格納構造内の格納場所から第1の製品を回収した後に、第1の格納
構造内の格納場所にて格納された第1の製品の所有についての第1のエンティティから第
2のエンティティへの移転を、執行する。別の実施形態では、CIMSは、注文充足後に
、第1の製品の所有についての第1のエンティティから第2のエンティティへの移転を執
行する。
【0014】
実施形態でCIMSは、データベースを更新して、第1の格納構造内の格納場所にある
第1の製品について第1のエンティティから第2のエンティティへの所有の移転を記録す
るのであってこれは第2のエンティティが特定の製品タイプについて在庫不足になってお
り且つ特定の製品タイプについての注文を充足できないとの決定に応答してなされる。別
の実施形態でCIMSは、データベースを更新して第1の格納構造内の格納場所にある第
1の製品について第1のエンティティから第2のエンティティへの所有の移転を記録する
ステップをなすようにさらに構成されており、これは第2のエンティティが第1の製品を
第1のエンティティから購入することを確認し並びに前記データベースを更新して第2の
エンティティが第1の製品を第1のエンティティから購入することを記録することによっ
てなされる。
【0015】
実施形態でCIMSは、ロボティックハンドラーについての第1のサブセット及びロボ
ティックハンドラーについての第2のサブセットとは異なるロボティックハンドラーにつ
いての第3のサブセットをアクティブ化して、特定の製品タイプの第2の製品を第2の格
納構造内の格納場所内へと物理的に格納する。第2の格納構造は第1の格納構造の施設と
は異なる施設に所在するのであり本明細書にて「第2の施設」という。実施形態では、第
1の格納構造及び第2の格納構造は異なる市に所在する。ロボティックハンドラーについ
ての第3のサブセットをアクティブ化する前後に、CIMSは、記憶装置内のデータベー
スを更新して、第2の格納構造内の格納場所にて格納されている第2の製品は第2のエン
ティティに所有されていることを記録する。注文を受信後に、CIMSは、データベース
を更新して、第2の格納構造内の格納場所にある第2の製品について第2のエンティティ
から第1のエンティティへの所有の移転を記録するのであり、第1の製品及び第2の製品
の所有が第1のエンティティと第2のエンティティとの間で交換される。
【0016】
実施形態では、ロボティックハンドラーについての第1のサブセットをアクティブ化し
て第1の製品を第1の格納構造内の格納場所内に格納するに際して、CIMSは、ロボテ
ィックハンドラーについての第1のサブセットをアクティブ化して第1の製品を第1の格
納構造内にて第1の格納ビンの中に物理的に格納する。ロボティックハンドラーについて
の第3のサブセットをアクティブ化して第2の製品を第2の格納構造内の格納場所内に格
納するに際して、CIMSは、ロボティックハンドラーについての第3のサブセットをア
クティブ化して第2の製品を第2の格納構造内にて第2の格納ビンの中に物理的に格納す
る。注文を受信後に、CIMSは、データベースを更新して、第1の格納ビンの内容物に
ついて第1のエンティティから第2のエンティティへの所有の移転並びに第2の格納ビン
の内容物について第2のエンティティから第1のエンティティへの所有の移転を記録する
のであり、第1の格納ビンの内容物及び第2の格納ビンの内容物の所有が第1のエンティ
ティと第2のエンティティとの間で交換される。CIMSは、第1の格納ビンの内容物に
ついて第1のエンティティから第2のエンティティへの所有の移転並びに第2の格納ビン
の内容物について第2のエンティティから第1のエンティティへの所有の移転を、ロボテ
ィックハンドラーのアクティブ化及び/又は特定の製品タイプについての注文についての
第2のエンティティのための充足に対応するいずれかの時に、執行するのであり、例えば
、ロボティックハンドラーが出動し且つ製品がピック{される/された}前後の場合や注
文充足後の場合でさえ考え得る。CIMSは、ロボティックハンドラーについての第4の
サブセットをアクティブ化して、第1の格納ビンを第1の格納構造からを回収して、それ
によって特定の製品タイプについての注文を前記第2のエンティティのために充足する。
【0017】
実施形態では、注文を受信する前、また、ロボティックハンドラーについての第1のサ
ブセットをアクティブ化する前後に、CIMSは記憶装置内のデータベースを更新して、
第1の格納ビンの内容物は第1のエンティティに所有されていることを記録する。注文を
受信する前、また、ロボティックハンドラーについての第3のサブセットをアクティブ化
する前後に、CIMSは記憶装置内のデータベースを更新して、第2の格納ビンの内容物
は第2のエンティティに所有されていることを記録する。実施形態では、CIMSは、デ
ータベースに対してクエリを発して、第1の格納ビンの内容物と第2の格納ビンの内容物
とが等しいかを決定する。注文を受信後に、CIMSはデータベースを更新して、第1の
格納ビン及び第2の格納ビンの内容物の所有が交換されていると記録するのであって、こ
れは第1の格納ビンの内容物と第2の格納ビンの内容物とが等しいとの決定に少なくとも
部分的に応答してなされる。第1の格納ビンの内容物と第2の格納ビンの内容物とが等し
くないとの決定に応答して、CIMSは次の少なくとも1つをなす:(a)第1の施設に
てロボティックワーカをアクティブ化して、第2の格納ビンの内容物との関係で第1の格
納ビンの内容物を均等化するステップと;(b)第1の施設にて、(i)ロボティックハ
ンドラーについての第5のサブセットをアクティブ化して、第1の格納ビンを有人ワーク
ステーションに届け、並びに、(ii)人間-マシンインタフェース(HMI)をアクテ
ィブ化して、有人ワークステーションの人間ワーカに指示して第2の格納ビンの内容物と
の関係で第1の格納ビンの内容物を均等化するステップと;(c)第2の施設にてロボテ
ィックワーカをアクティブ化して、第1の格納ビンの内容物との関係で第2の格納ビンの
内容物を均等化するステップと;(d)第2の施設にて、(i)ロボティックハンドラー
についての第6のサブセットをアクティブ化して、第2の格納ビンを有人ワークステーシ
ョンに届け、並びに、(ii)有人ワークステーションのHMIをアクティブ化して、有
人ワークステーションの人間ワーカに指示して第2の格納ビンの内容物との関係で第1の
格納ビンの内容物を均等化するステップ。実施形態では、CIMSは、ロボティックハン
ドラーについての別のサブセットをアクティブ化して、第2の製品を第1の施設へと再配
置するために第2の製品を第2の格納構造から回収するのであって、これはデータベース
を更新して第2の格納構造内の格納場所にある第2の製品について第2のエンティティか
ら第1のエンティティへの所有の移転を記録した後になされる。
【0018】
実施形態では、CIMSは、特定の製品タイプについての注文を第2のエンティティか
ら受信する前に、特定の製品タイプを予約することを要求する予約メッセージを第2のエ
ンティティから受信する。CIMSは、データベースに対してクエリを発して、第1の製
品が予約に関して利用可能であることを確認する。CIMSは、第1の製品が利用可能で
あることを確認した後に第1の製品が第2のエンティティのために予約されていることの
標示をデータベース内に記録することによって第1の製品を第2のエンティティのために
予約する。CIMSは、第1の製品が第2のエンティティのために独占的に取り置かれて
異なるエンティティのうちの他のものによる予約に関して第1の製品が利用不能となる予
約期間を開始する。実施形態では、CIMSは、第1の製品を予約することに関して第2
のエンティティに対して予約料を課金する。実施形態では、CIMSは、第1の製品に対
応する注文が予約期間中に第2のエンティティから受信されなかった場合、第1の製品が
予約されていることの標示を覆して異なるエンティティのうちの他のものによる予約に関
して第1の製品を利用可能とすることによってデータベースを更新する。
【0019】
実施形態では、CIMSは、第2のエンティティから、特定の製品タイプについての製
品利用可能性要求を受信する。CIMSは、製品利用可能性要求と関連付けられている1
つ以上の要件に関して製品利用可能性要求を構文解析する。CIMSは、製品利用可能性
要求と関連付けられている要件と一致する1つ以上の製品に関してデータベースを検索す
る。検索からの結果は、第1のエンティティに所有された第1の製品の利用可能性を少な
くとも示す。CIMSは、第1の製品についての情報を、受信された製品利用可能性要求
の要求主体へと、送る。実施形態では、CIMSは、製品についての検索を限定して第2
のエンティティと関連付けられているホワイトリストにて識別された1つ以上のエンティ
ティによって所有された利用可能製品のみを含むものとする。別の実施形態では、CIM
Sは、製品についての検索を限定して第2のエンティティと関連付けられているブラック
リストにて識別された1つ以上のエンティティによって所有された在庫製品を含まないも
のとする。別の実施形態では、CIMSは、製品についての検索を限定して第2のエンテ
ィティによって製品利用可能性要求にて定義された選好最高購入価格以下の販売価格を有
する利用可能製品のみを含むものとする。別の実施形態では、CIMSは、製品について
の検索を限定して製品利用可能性要求にて定義された選好宛先から所定の半径内にある利
用可能製品のみを含むものとする。別の実施形態では、CIMSは、製品についての検索
を限定して製品利用可能性要求にて指定された選好配達タイムライン内に配達可能な利用
可能製品のみを含むものとする。
【0020】
1つ以上の実施形態では、関連するシステムには、開示される方法を実行するための回
路及び/又はプログラムが含まれる。回路及び/又はプログラムは、開示の方法を実行す
るように構成されたハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアについての
任意の組合せであり、システム設計者の設計上の選択に依存する。実施形態では、システ
ム設計者の設計上の選択に応じて様々な構造的要素が採用される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
上記の概要及び後述の詳細な説明は、添付の図面を参考にするとより良く理解できよう
。本願の実施形態について例示するため、図面にて実施形態についての例示的な構造を示
す。もっとも、開示の実施形態は、開示される具体的な構造、コンポーネント、及び方法
に限定はされない。図中において参照符合が付された構造・コンポーネント・方法のステ
ップについての説明は、後続の図中にて同じ参照符合が付された構造・コンポーネント・
方法のステップの説明にも該当する。
【0022】
【
図1】実施形態による、複数の異なるエンティティの製品在庫を管理するためのコンピュータ実装方法についてのフローチャートである。
【
図2】実施形態による、複数の異なるエンティティの製品在庫を、ロボティックハンドラーによるサービスを受ける1つ以上の格納構造を備える複数の施設の1つ以上にて、管理するためのコンピュータ実装方法についてのフローチャートである。
【
図3A】実施形態による、マルチエンティティ在庫管理システムのメガ及びマクロ施設の国家的規模での分布を表す図である。
【
図3B】実施形態による、マルチエンティティ在庫管理システムのメガ及びマクロ施設の地域的規模での分布を表す図である。
【
図3C】実施形態による、マルチエンティティ在庫管理システムのマクロ及びマイクロ施設の市町村的規模での分布を表す図である。
【
図3D】実施形態による、マルチエンティティ在庫管理システムのマクロ及びマイクロ施設の区レベルでの分布を表す図である。
【
図4A】実施形態による、在庫ハンドラーを用いて在庫管理ワークフローを執行するためのマルチエンティティ在庫管理システムについての機能的ブロック図である。
【
図4B】実施形態による、マルチエンティティ在庫管理システム内にて在庫及び顧客注文を収容・格納・交換・輸送するための格納ビンの構成・用法について示す機能的ブロック図である。
【
図4C】実施形態による、複数の異なるエンティティの製品在庫を、ロボティックハンドラーによるサービスを受ける1つ以上の格納構造を備える複数の施設の1つ以上にて、管理するためのマルチエンティティ在庫管理システムについて示す機能的ブロック図である。
【
図5A】実施形態による、マルチエンティティ在庫管理システムの中央データベースについて示す図である。
【
図5B】実施形態による、マルチエンティティ在庫管理システムの中央データベースについて示す図である。
【
図5C】実施形態による、マルチエンティティ在庫管理システムのローカル施設データベース及びローカル車両データベースについて示す図である。
【
図5D】実施形態による、マルチエンティティ在庫管理システムのローカル施設データベース及びローカル車両データベースについて示す図である。
【
図5E】実施形態による、異なるカテゴリの格納ビンに記憶されたローカルデータについて示す図である。
【
図5F】実施形態による、異なるカテゴリの格納ビンに記憶されたローカルデータについて示す図である。
【
図6A】実施形態による、マルチエンティティ在庫管理システムを順方向又は下流方向に向かうサプライ、在庫及び注文が入った格納ビンについてのワークフローについて示す図である。
【
図6B】実施形態による、マルチエンティティ在庫管理システムを逆方向又は上流方向に向かう空及び顧客返品格納ビンについてのワークフローについて示す図である。
【
図7】実施形態による、マルチエンティティ在庫管理システムのメガ・マクロ・マイクロ施設の各々内のインデクスド(インデクスされた)格納場所についての3次元アレイを完全に又は部分的に定義するように構成された3次元グリッド格納構造についての斜視図である。
【
図8A】実施形態による、第1の地理的領域と第2の地理的領域との間での、コンピュータで実装されたベンダ間在庫スワップの効果について示す概略図であって、第2の地理的領域の入用ベンダのストック済みビンの所有が、第1の地理的領域の別のベンダのストック済みビンにデジタル的に移転されて、第1の地理的領域の入用ベンダの在庫不足を克服する際の、概略図である。
【
図8B】実施形態による、コンピュータで実装されたベンダ間在庫スワップの効果について示す概略図であって、複数区画格納(MCS、multi-compartment storage)ビンの1つ以上の区画の所有がデジタル的に再割り当てされて、地理的領域内の入用ベンダの在庫不足を克服する際の、概略図である。
【
図9A】実施形態による、コンピュータで実装されたベンダ間在庫販売の効果について示す概略図であって、入用製品を含む別のベンダの格納ビンの購入によって入用ベンダの在庫不足を克服する際の、概略図である。
【
図9B】実施形態による、コンピュータで実装されたベンダ間在庫販売の効果について示す概略図であって、入用製品を含む別のベンダのMCSビンの区画の購入によって入用ベンダの在庫不足を克服する際の、概略図である。
【
図10】実施形態による、ベンダ間在庫スワップ又はベンダ間在庫販売を促進するためのコンピュータ実装方法についてのフローチャートである。
【
図11】実施形態による、サプライチェーンエコシステムの施設のネットワーク内での配達枠ヒエラルキーについて示す概略図である。
【
図12】実施形態による、
図10に示される在庫検索クエリ処理の結果に基づいて対象製品についての購入選択肢が表示されている、ベンダの電子商取引(eコマース)プラットフォームによってレンダリングされたGUIのスクリーンショットである。
【
図13】実施形態による、承認されており且つ在庫を有しているベンダの在庫を入用ベンダの代理で予約するためのコンピュータ実装方法についてのフローチャートである。
【
図14】実施形態による、在庫予約の結果が表示されている、異なるベンダのeコマースプラットフォームによってレンダリングされたGUIのスクリーンショットである。
【
図15】実施形態による、ベンダの代理での在庫予約に応答してなされる複数のベンダのeコマースプラットフォームを更新するためのコンピュータ実装方法についての概略図である。
【
図16】実施形態による、対象ベンダと承認ベンダ関係を有している他のベンダとの間でベンダ間在庫スワップ又はベンダ間在庫販売を促進している間に、対象ベンダからの顧客注文の注文充足を開始するためのコンピュータ実装方法についてのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本願開示の様々な態様は、コンポーネント及び/若しくは構造のシステムとして、方法
として、又は1つ以上のコンピュータ可読プログラムコードが格納された非一時的コンピ
ュータ可読記憶媒体として実施され得る。したがって、本願開示の様々な実施形態は、ハ
ードウェア及びソフトウェアの実施形態を組み合わせた態様とし得るのであり、例えばこ
れには機械的構造に加えて電子的コンポーネントやコンピューティングコンポーネントや
回路やマイクロコードやファームウェアやソフトウェア等が含まれる。
【0024】
図1は、実施形態による、複数の異なるエンティティの製品在庫を管理するためのコン
ピュータ実装方法についてのフローチャートである。本開示で使用されるように、「エン
ティティ」は、例えばベンダ、製造者、サプライヤ等の在庫キャリアであってサプライチ
ェーン、流通、及び/又は注文充足に関するエコシステム内にて異なる製品タイプの複数
の在庫アイテム及び製品を提供及び管理する在庫キャリアを指す。エンティティは、製品
を売りつけるべき顧客を有する。別段の開示なき限り、「在庫アイテム」及び「製品」と
の用語は可換なものとして用いられる。開示のコンピュータ実装方法では、複数の在庫ハ
ンドラーがマルチエンティティ在庫管理システム内にて通信可能に接続されている(S1
01)。本開示で使用されるように、「在庫ハンドラー」は、マルチエンティティ在庫管
理システムの異なるコンポーネント及び構造を指すのであり、例えば次のものが含まれる
:施設のネットワーク;グリッド格納構造;格納ビン;ロボティック格納及び回収車両の
フリート(「ロボティックハンドラー」という。);例えばサプライチェーンや流通や注
文充足に関するエコシステム内のベンダ等の複数の異なるエンティティによって提供され
る製品在庫を取り扱うノード間輸送車両のフリート等。また、本開示で使用されるように
、「格納ビン」は、スマートな標準化された格納ユニットであってサプライチェーン、流
通、及び/又は注文充足のエコシステム内にて異なるエンティティによって提供される異
なる製品タイプの製品及び顧客注文を含有・格納・輸送するように構成された格納ユニッ
トを指す。実施形態では、下流方向に向かう及び上流方向に向かう単一区画格納(SCS
、single-compartment storage)ビン、マルチ区画格納(MCS、multi-compartment st
orage)ビン、ピック済み注文(PO、picked-order)ビンや完成注文(FO、finished-
order)ビン等は、いずれも後述のようにスマートな格納ビンである。
【0025】
マルチエンティティ在庫管理システムでは、
図3A~3Dに示すように、施設のネット
ワークは地理的領域にわたって分布する。実施形態では、施設のネットワークは、少なく
とも1つのメガ(巨大)施設と、少なくとも1つのマクロ(大規模)施設と、
図6A~6
Bに示す少なくとも1つのマイクロ(小規模)施設とを備える階層化ネットワークである
。注文は、マクロ施設及び/又はマイクロ施設にて充足される。
図7に示すように、施設
の各々はインデクスド格納場所の施設ベースドアレイを備える。ロボティックハンドラー
は施設の各々にて動作可能である。ロボティックハンドラーの各々は、格納ビンのいずれ
か1つを各施設にて設けられているインデクスド格納場所の施設ベースドアレイにてナビ
ゲートし、また、そこへと格納ビンを選択的に置き、また、そこから格納ビンを回収する
ように構成されている。ノード間輸送車両団は、格納ビン内に含まれる複数の製品を施設
間で輸送する。ノード間輸送車両の各々はインデクスド格納場所の車両ベースドアレイを
備える。実施形態では、ノード間輸送車両団は専用サービス輸送車両を備えるのであって
、各々は、施設の特定ペアを担当するもの、及び/又は施設の限定されたサブセットを担
当するもの、及び/又は2つ以上の施設を含む限定されたサービスエリアを担当するもの
に割り当てられている。ノード間輸送車両団は、格納ビンを自律的に積み込み及び積み降
ろす。例を挙げるに、少なくとも1つの格納ビン内の少なくとも1つの製品は、中間の第
2の施設を介して第1の施設から第3の施設へと移転されるのであり、これは、少なくと
も1つの格納ビンを、第1及び第2の施設を少なくとも担当するように割り当てられた第
1の専用サービス輸送車両内で第1の施設から中間の第2の施設へと輸送して、また、少
なくとも1つの格納ビンを、第2及び第3の施設を少なくとも担当するように割り当てら
れた第2の専用サービス輸送車両内で中間の第2の施設から第3の施設へと輸送すること
によってなされる。実施形態では、第1の専用サービス輸送車両は第3の施設を担当する
ようには割り当てられておらず、また、第2の専用サービス輸送車両は第1の施設を担当
するようには割り当てられていない。
【0026】
格納ビンは、施設のネットワーク内に格納可能であり、異なるエンティティ間で再割り
当て可能であり、また、ノード間輸送車両によって施設間で輸送可能である。実施形態で
は、格納ビンは、一致する製品タイプの非混合製品を含む第1カテゴリ格納ビンと、非一
致の製品タイプの混合製品を含む第2カテゴリ格納ビンと、注文を充足するための注文ビ
ンとして構成された第3カテゴリ格納ビンとに分類される。格納ビンの各々は、標準化さ
れたサイズであり且つ製品の複数の個別品の1つ以上を受領するように構成されている。
施設にて初期取り込みがなされた後、実施形態では、在庫管理ワークフローの執行におけ
る全トランザクションは、個別品(eaches)との関係でなされる。格納ビンが個別品を受
け取ってまた取り扱うことができるということによって、サプライチェーンエコシステム
内にて販売される在庫を「個別品」レベルで扱うことが可能となり、「ケース」レベルで
の補充ではなく「ぎりぎり十分」の補充ができる。例えば、マイクロ施設が特定の製品に
関して7個のみを必要としている場合、開示の方法では、丸ごと1つのケースを移転する
代わりに、輸送可能な格納ビンを用いてその製品を7単位だけマイクロ施設へと移転する
ことができ、それによってマイクロ施設における格納要件を相当に減じることができる。
さらに、格納ビンの各々は、施設のいずれか1つにあるかノード間輸送車両のいずれか1
つ内にあるか施設のいずれか1つとノード間輸送車両のいずれか1つとの間にある、格納
ビンのいずれか1つについての選択的格納及び連続的追跡をなすために、インデクスド格
納場所の施設ベースドアレイ及びインデクスド格納場所の車両ベースドアレイについて互
換性がある構成とされる。
【0027】
格納ビンは、それらがマルチエンティティ在庫管理システムの施設のネットワーク及び
ノード間輸送車両団を順方向及び逆方向に移動する間に、自己の状態及びマルチノーダル
サプライチェーンシステムにおける自己の場所をコンピュータ化在庫管理システム(CI
MS、computerized inventory management system)に伝達する。実施形態では、CIM
Sは、1つ以上の管理サブシステムを備えるのであり、これらは施設ネットワーク及び施
設間で移動しているノード間輸送車両団にわたって分布されており、通信ネットワークを
介して動作可能に中央コンピューティングシステムに結合されている。実施形態では、格
納ビンの各々は、施設のいずれか1つにあるかノード間輸送車両のいずれか1つ内にある
か施設のいずれか1つとノード間輸送車両のいずれか1つとの間において、リアルタイム
又は準リアルタイムで連続的に追跡可能である。実施形態では、格納ビンは、複数のベン
ダの1つ以上に所有される複数の製品の1つ以上を含むようにさらに構成されている。実
施形態では、CIMSは、ロボティックハンドラーをアクティブ化して1つ以上の異なる
エンティティによって提供される津以上の製品タイプの1つ以上の製品を少なくとも1つ
の格納ビン内に入れるように構成されている。
【0028】
本明細書にて開示されるコンピュータ実装方法では、CIMSは、CIMSの1つ以上
のデータベース内にデジタル記録を記憶する(S102)。実施形態では、デジタル記録
には次の事項が含まれる:異なるエンティティのエンティティ識別子;異なるエンティテ
ィの各々によって顧客に提供される複数の製品タイプの製品の製品識別子を含む1つ以上
の製品カタログ;及び格納ビンに割り当てられた一意的ビン識別子。製品カタログからの
1つ以上の製品を含む任意の1つの格納ビンに関して、デジタル記録は任意の1つの格納
ビンの一意的ビン識別子と次の事項の関連付けを含む:異なるエンティティの少なくとも
1つのエンティティ識別子;1つ以上の製品の各々の製品識別子;及び各製品の製品数量
。
【0029】
また、本明細書にて開示されるコンピュータ実装方法では、CIMSは、特定の製品タ
イプについての1つ以上の製品について第1のエンティティから第2のエンティティへの
所有の移転を所定の条件に基づいて執行する(S103)。実施形態では、第1のエンテ
ィティは在庫有りエンティティであり、第2のエンティティは入用エンティティである。
所定の条件には例えば次の少なくとも1つが含まれる:特定の製品タイプの製品について
の第2のエンティティでの在庫不足;特定の製品タイプの製品についての第2のエンティ
ティの在庫での完全な欠如;及び受領される製品についての注文。実施形態では、在庫不
足は施設の1つでのローカルな不足であり、第2のエンティティが、特定の製品タイプの
追加的な製品を、別の1つの施設に所在する別の1つの格納ビン内に保持している。実施
形態では、所有移転を執行するためにCIMSは特定の製品タイプの製品を1つ以上含ん
でいる少なくとも1つの格納ビンを識別するのであり、また、デジタル記録を更新して識
別された格納ビンと関連付けられるエンティティ識別子を第1のエンティティのエンティ
ティ識別子から第2のエンティティのエンティティ識別子に変更するのであり、それによ
って特定の製品タイプの製品を第1のエンティティから第2のエンティティへと再割り当
てする。実施形態では、CIMSは、第1のエンティティ若しくは第2のエンティティの
エンティティ識別子、製品の製品識別子、及び製品の製品数量を、識別された格納ビンと
動作可能に結合されたモバイルデータ記憶装置内に記憶する。別の実施形態では、CIM
Sは、識別された格納ビンの一意的ビン識別子と識別された格納ビンが所在する施設の1
つの一意的施設識別子との関連付けをもってデジタル記録を更新する。実施形態では、C
IMSが識別された格納ビンの1つの施設から別の1つの施設への移転を発動させると、
CIMSは、識別された格納ビンの一意的ビン識別子と識別された格納ビンが移転された
他の施設の一意的施設識別子との関連付けをもってデジタル記録を更新する。
【0030】
実施形態では、格納ビンのいずれか1つ以上は、異なるエンティティの製品を受け入れ
るように構成された複数の区画を備える。区画の各々は、区画識別子で識別されるのであ
り、また、異なるエンティティの対応する1つによって提供される製品の1つ以上を受け
入れるように構成されている。CIMSは、区画の各1つの区画識別子と、格納ビンの各
々の区画内に受け入れられている製品の製品識別子及び格納ビン内に製品が受け入れられ
ている異なるエンティティのうちの対応する1つのエンティティ識別子との関連付けをも
って、デジタル記録を更新する。
【0031】
実施形態では、CIMSは、特定の製品タイプの製品1つ以上を第1のエンティティか
ら第2のエンティティへとデジタル的に移転するのであり、その間、製品は、任意の施設
の1つに所在するか又は2つの施設間を移動するノード間輸送車両に所在する。特定の製
品タイプの1つ以上の製品についての第1のエンティティから第2のエンティティへの所
有移転の執行についての他の実施形態は、
図2,8A~8B,9A~9B,10~12,
16の詳細な説明にて開示されている。別の実施形態では、CIMSは、
図9A~9B,
10~12,16の詳細な説明にて開示されているようなベンダ間商取引を執行する。
【0032】
図2は、実施形態による、複数の異なるエンティティの製品在庫を、ロボティックハン
ドラーによるサービスを受ける1つ以上の格納構造を備える複数の施設の1つ以上にて、
管理するためのコンピュータ実装方法についてのフローチャートである。CIMSは、例
えばインターネットなどの通信ネットワークに結合されたネットワークインタフェースと
、1つ以上の記憶装置と、ネットワークインタフェース及び記憶装置に結合された1つ以
上のプロセッサとを備える。記憶装置は製品所有情報を含むデータベースを記憶する(S
201)。製品所有情報は、例えば例えばベンダ等の複数の異なるエンティティについて
の識別を含む。プロセッサは、記憶装置から読み込まれた複数のコンピュータプログラム
命令を実行するように構成されており、異なるエンティティの製品在庫を、ロボティック
ハンドラーによるサービスを受ける1つ以上の格納構造を備える複数の施設の1つ以上に
て、管理することについての方法を行うためのものである。
【0033】
この実施形態では、CIMSは、施設のうちの1つ(以下、「第1の施設」という。)
のロボティックハンドラーについての第1のサブセットをアクティブ化して、特定の製品
タイプの第1の製品を第1の格納構造内の格納場所内へと物理的に格納する(S202)
。ロボティックハンドラーについての第1のサブセットをアクティブ化する前後に、CI
MSは、データベースを更新して、第1の製品はデータベース内にて識別された複数の異
なるエンティティのうちに含まれる第1のエンティティに所有されていることを記録する
(S203)。CIMSは、データベース内にて識別された複数の異なるエンティティの
うちに含まれる第2のエンティティからの特定の製品タイプについての注文を、通信ネッ
トワークを介して受信するのであって、第2のエンティティは第1のエンティティとは異
なる(S204)。実施形態では、第2のエンティティは製品在庫を必要としている入用
エンティティであり、また、第1のエンティティは入用エンティティへと移転できる追加
の製品在庫を有する在庫有りエンティティである。CIMSは、データベースを更新して
、第1の格納構造内の格納場所にて格納されている第1の製品について第1のエンティテ
ィから第2のエンティティへの所有の移転を記録する(S205)。CIMSは、ロボテ
ィックハンドラーについての第2のサブセットをアクティブ化して、特定の製品タイプに
ついての注文を第2のエンティティのために充足するに際して用いるために第1の格納構
造内の格納場所から第1の製品を回収するステップとを行わせる(S206)。CIMS
は、第1の格納構造内の格納場所からの第1の製品の回収及び/又は第2のエンティティ
について特定の製品タイプについての注文充足に対応する任意の時に、第1の製品の所有
についての第1のエンティティから第2のエンティティへの移転を執行する。例えば、実
施形態では、CIMSは、ロボティックハンドラーについての第2のセットをアクティブ
化して第1の格納構造内の格納場所から第1の製品を回収する前に、第1の格納構造内の
格納場所にて格納された第1の製品の所有についての第1のエンティティから第2のエン
ティティへの移転を、執行する。別の実施形態では、CIMSは、ロボティックハンドラ
ーについての第2のセットをアクティブ化して第1の格納構造内の格納場所から第1の製
品を回収した後に、第1の格納構造内の格納場所にて格納された第1の製品の所有につい
ての第1のエンティティから第2のエンティティへの移転を、執行する。したがって、所
有の移転は、ロボティックハンドラーの第2のサブセットが出動し及び製品がピック{さ
れる/された}前後に発生し得る。別の実施形態では、CIMSは、注文充足後に、第1
の製品の所有についての第1のエンティティから第2のエンティティへ移転を執行する。
【0034】
実施形態でCIMSは、データベースを更新して、第1の格納構造内の格納場所にある
第1の製品について第1のエンティティから第2のエンティティへの所有の移転を記録す
るのであってこれは第2のエンティティが特定の製品タイプについて在庫不足になってお
り且つ特定の製品タイプについての注文を充足できないとの決定に応答してなされる。別
の実施形態でCIMSは、データベースを更新して第1の格納構造内の格納場所にある第
1の製品について第1のエンティティから第2のエンティティへの所有の移転を記録する
ステップをなすようにさらに構成されており、これは第2のエンティティが第1の製品を
第1のエンティティから購入することを確認し並びに前記データベースを更新して第2の
エンティティが第1の製品を第1のエンティティから購入することを記録することによっ
てなされる。
【0035】
実施形態でCIMSは、ロボティックハンドラーについての第1のサブセット及びロボ
ティックハンドラーについての第2のサブセットとは異なるロボティックハンドラーにつ
いての第3のサブセットをアクティブ化して、特定の製品タイプの第2の製品を第2の格
納構造内の格納場所内へと物理的に格納する。第2の格納構造は第1の格納構造の施設と
は異なる施設に所在するのであり本明細書にて「第2の施設」という。実施形態では、第
1の格納構造及び第2の格納構造は異なる市に所在する。ロボティックハンドラーについ
ての第3のサブセットをアクティブ化する前後に、CIMSは、記憶装置内のデータベー
スを更新して、第2の格納構造内の格納場所にて格納されている第2の製品は第2のエン
ティティに所有されていることを記録する。注文を受信後に、CIMSは、データベース
を更新して、第2の格納構造内の格納場所にある第2の製品について第2のエンティティ
から第1のエンティティへの所有の移転を記録するのであり、第1の製品及び第2の製品
の所有が第1のエンティティと第2のエンティティとの間で交換される。
【0036】
実施形態では、ロボティックハンドラーについての第1のサブセットをアクティブ化し
て第1の製品を第1の格納構造内の格納場所内に格納するに際して、CIMSは、ロボテ
ィックハンドラーについての第1のサブセットをアクティブ化して第1の製品を第1の格
納構造内にて第1の格納ビンの中に物理的に格納する。ロボティックハンドラーについて
の第3のサブセットをアクティブ化して第2の製品を第2の格納構造内の格納場所内に格
納するに際して、CIMSは、ロボティックハンドラーについての第3のサブセットをア
クティブ化して第2の製品を第2の格納構造内にて第2の格納ビンの中に物理的に格納す
る。注文を受信後に、CIMSは、データベースを更新して、第1の格納ビンの内容物に
ついて第1のエンティティから第2のエンティティへの所有の移転並びに第2の格納ビン
の内容物について第2のエンティティから第1のエンティティへの所有の移転を記録する
のであり、第1の格納ビンの内容物及び第2の格納ビンの内容物の所有が第1のエンティ
ティと第2のエンティティとの間で交換される。CIMSは、ロボティックハンドラーに
ついての第4のサブセットをアクティブ化して、第1の格納ビンを第1の格納構造からを
回収して、それによって特定の製品タイプについての注文を前記第2のエンティティのた
めに充足する。CIMSは、第1の格納ビンの内容物について第1のエンティティから第
2のエンティティへの所有の移転並びに第2の格納ビンの内容物について第2のエンティ
ティから第1のエンティティへの所有の移転を、ロボティックハンドラーのアクティブ化
及び/又は特定の製品タイプについての注文についての第2のエンティティのための充足
に対応するいずれかの時に、執行するのであり、例えば、ロボティックハンドラーが出動
し且つ製品がピック{される/された}前後の場合や注文充足後の場合でさえ考え得る。
【0037】
実施形態では、注文を受信する前、また、ロボティックハンドラーについての第1のサ
ブセットをアクティブ化する前後に、CIMSは記憶装置内のデータベースを更新して、
第1の格納ビンの内容物は第1のエンティティに所有されていることを記録する。注文を
受信する前、また、ロボティックハンドラーについての第3のサブセットをアクティブ化
する前後に、CIMSは記憶装置内のデータベースを更新して、第2の格納ビンの内容物
は第2のエンティティに所有されていることを記録する。実施形態では、CIMSは、デ
ータベースに対してクエリを発して、第1の格納ビンの内容物と第2の格納ビンの内容物
とが等しいかを決定する。注文を受信後に、CIMSはデータベースを更新して、第1の
格納ビン及び第2の格納ビンの内容物の所有が交換されていると記録するのであって、こ
れは第1の格納ビンの内容物と第2の格納ビンの内容物とが等しいとの決定に少なくとも
部分的に応答してなされる。第1の格納ビンの内容物と第2の格納ビンの内容物とが等し
くないとの決定に応答して、CIMSは次の少なくとも1つをなす:(a)第1の施設に
てロボティックワーカをアクティブ化して、第2の格納ビンの内容物との関係で第1の格
納ビンの内容物を均等化するステップと;(b)第1の施設にて、(i)ロボティックハ
ンドラーについての第5のサブセットをアクティブ化して、第1の格納ビンを有人ワーク
ステーションに届け、並びに、(ii)人間-マシンインタフェース(HMI)をアクテ
ィブ化して、有人ワークステーションの人間ワーカに指示して第2の格納ビンの内容物と
の関係で第1の格納ビンの内容物を均等化するステップと;(c)第2の施設にてロボテ
ィックワーカをアクティブ化して、第1の格納ビンの内容物との関係で第2の格納ビンの
内容物を均等化するステップと;(d)第2の施設にて、(i)ロボティックハンドラー
についての第6のサブセットをアクティブ化して、第2の格納ビンを有人ワークステーシ
ョンに届け、並びに、(ii)有人ワークステーションのHMIをアクティブ化して、有
人ワークステーションの人間ワーカに指示して第2の格納ビンの内容物との関係で第1の
格納ビンの内容物を均等化するステップ。実施形態では、CIMSは、ロボティックハン
ドラーについての別のサブセットをアクティブ化して、第2の製品を第1の施設へと再配
置するために第2の製品を第2の格納構造から回収するのであって、これはデータベース
を更新して第2の格納構造内の格納場所にある第2の製品について第2のエンティティか
ら第1のエンティティへの所有の移転を記録した後になされる。
【0038】
実施形態では、CIMSは、
図13~16の詳細な説明に開示されているように、在庫
再割り当てがなされる前に在庫の利用可能性を担保するための在庫予約方法を実行する。
この実施形態では、CIMSは、特定の製品タイプについての注文を第2のエンティティ
から受信する前に、特定の製品タイプを予約することを要求する予約メッセージを第2の
エンティティから受信する。CIMSは、データベースに対してクエリを発して、第1の
製品が予約に関して利用可能であることを確認する。CIMSは、第1の製品が利用可能
であることを確認した後に第1の製品が第2のエンティティのために予約されていること
の標示をデータベース内に記録することによって第1の製品を第2のエンティティのため
に予約する。CIMSは、第1の製品が第2のエンティティのために独占的に取り置かれ
て異なるエンティティのうちの他のものによる予約に関して第1の製品が利用不能となる
予約期間を開始する。実施形態では、CIMSは、第1の製品を予約することに関して第
2のエンティティに対して予約料を課金する。実施形態では、CIMSは、第1の製品に
対応する注文が予約期間中に第2のエンティティから受信されなかった場合、第1の製品
が予約されていることの標示を覆して異なるエンティティのうちの他のものによる予約に
関して第1の製品を利用可能とすることによってデータベースを更新する。
【0039】
実施形態では、CIMSは、第2のエンティティから、特定の製品タイプについての製
品利用可能性要求を受信する。CIMSは、製品利用可能性要求と関連付けられている1
つ以上の要件に関して製品利用可能性要求を構文解析する。CIMSは、製品利用可能性
要求と関連付けられている要件と一致する1つ以上の製品に関してデータベースを検索す
る。検索からの結果は、第1のエンティティに所有された第1の製品の利用可能性を少な
くとも示す。CIMSは、第1の製品についての情報を、受信された製品利用可能性要求
の要求主体へと、送る。実施形態では、CIMSは、製品についての検索を限定して第2
のエンティティと関連付けられているホワイトリストにて識別された1つ以上のエンティ
ティによって所有された利用可能製品のみを含むものとする。別の実施形態では、CIM
Sは、製品についての検索を限定して第2のエンティティと関連付けられているブラック
リストにて識別された1つ以上のエンティティによって所有された在庫製品を含まないも
のとする。別の実施形態では、CIMSは、製品についての検索を限定して第2のエンテ
ィティによって製品利用可能性要求にて定義された選好最高購入価格以下の販売価格を有
する利用可能製品のみを含むものとする。別の実施形態では、CIMSは、製品について
の検索を限定して製品利用可能性要求にて定義された選好宛先から所定の半径内にある利
用可能製品のみを含むものとする。別の実施形態では、CIMSは、製品についての検索
を限定して製品利用可能性要求にて指定された選好配達タイムライン内に配達可能な利用
可能製品のみを含むものとする。
【0040】
図3A~3Dは、実施形態による、異なるタイプ又はカテゴリの4階層の階層化ネット
ワークを備える国家レベルサプライチェーンエコシステムを示す。国家レベルサプライチ
ェーンエコシステムは、サプライチェーン及び在庫管理ワークフローを実行するように構
成された複数の相互接続された在庫ハンドラーを備えるマルチエンティティ在庫管理シス
テムを、実装する。実施形態では、マルチエンティティ在庫管理システムは、連続的且つ
隣接的なFaaS(fulfilment as a service、役務としての充足)ネットワークとして
実装される。開示のマルチエンティティ在庫管理システムは、予測的且つ規範的な協調的
ネットワークであり、クラスベースドであり近接性ベースドな充足を実装するのであり、
製品は宛先住所に最も近いエンドポイントから充足される。
図4A~4Cについての詳細
な説明にて開示するように、相互接続された在庫ハンドラーには、施設のネットワークと
、グリッド格納構造と、ロボティックハンドラーと、ノード間輸送車両と、施設のネット
ワーク内に格納可能であり施設間で輸送可能であり異なるエンティティ間で再割り当て可
能でありサプライチェーンエコシステムにてリアルタイムで連続的に追跡可能である複数
の格納ビンとが含まれる。開示のマルチエンティティ在庫管理システムは、単一の連続的
な有機体として実装されており、個々のトランザクショナルコンポーネントというよりは
様々な異なる接続された目的を有する機関若しくはコンポーネントを伴っている。
【0041】
マルチエンティティ在庫管理システムは、格納ビンについての互換性・格納性・再割り
当て可能性・交換可能性・輸送性・移動性確保のために構成されている。開示の格納ビン
は、例えば施設やノード間輸送車両団やロボティックハンドラー等のマルチエンティティ
在庫管理システムの他の相互接続された在庫ハンドラーにとってのマスターとして機能す
る。格納ビンは自己のそれぞれのビン識別子を、例えば宛先の場所等のロジスティクス命
令及び例えば環境要件等の処理レベル命令に関連付ける。実施形態では、開示の格納ビン
は、単一のフォームファクター及び構造を有しており、これはサプライチェーンエコシス
テムにて標準化されたコンプライアントロボティクス及びノード間輸送車両とインタフェ
ースするためのものである。格納ビンは、サプライチェーンエコシステムにおける自らの
アクション・経路・行程に関して自律的に決する乃至は御するのであり、施設、ロボティ
ックハンドラー、及びノード間輸送車両は格納ビンのコマンドを実現する主体として作用
する。即ち、マルチエンティティ在庫管理システム内の全ての相互接続された在庫ハンド
ラーは、格納ビンを管理するように具体的に構成されたマテリアル捌き機材を統合してい
る。
【0042】
図3A~3Dに示すように、施設のネットワークは、メガ施設10と、マクロ施設12
と、マイクロ施設14と、ナノ施設16とを備える。
図3Aは、実施形態による、マルチ
エンティティ在庫管理システムのメガ及びマクロ施設10,12の国家的規模での分布を
表す図である。実施形態では、マルチエンティティ在庫管理システムは、国家レベルサプ
ライチェーンネットワークとして構成されている。
図3Bは、実施形態による、マルチエ
ンティティ在庫管理システムのメガ及びマクロ施設10,12の地域的規模での分布を表
す図である。
図3Cは、実施形態による、マルチエンティティ在庫管理システムのマクロ
及びマイクロ施設12,14の市町村的規模での分布を表す図である。
図3Dは、実施形
態による、マルチエンティティ在庫管理システムのマクロ及びマイクロ施設14,16の
区レベルでの分布を表す図である。この秩序立ったマルチエンティティ在庫管理システム
では、各カテゴリの施設数は次カテゴリへと移るにつれて増大する一方で、各施設の個別
的大きさは次カテゴリへ移るにつれて削減される。即ち、マクロ施設12よりも少数のメ
ガ施設10があり、マイクロ施設14より少数のマクロ施設12があり、また、ナノ施設
16より少数のマイクロ施設14がある。マクロ施設12はメガ施設10より小さく、マ
イクロ施設14はマクロ施設12より小さく、また、ナノ施設16はマイクロ施設14よ
り小さい。実施形態では、メガ施設10は、製造者又はサプライヤからの在庫アイテム又
は製品が施設のネットワークに先ず入るエントリ地点となり、ナノ施設16は在庫アイテ
ム又は製品が施設のネットワークを出ていくエグジット地点となる。他の実施形態では、
製品は施設のネットワークを様々な地点で入出できる。
【0043】
施設のネットワークは、施設間で製品を輸送するために用いられるノード間輸送車両と
共に、サプライチェーンエコシステムを集合的に形成するのであり、これは単一の運営エ
ンティティによって所有及び運営され得るのであり、その制御及び責任下において製品が
外部サプライヤから初めて受領されてから顧客又は外部のラストマイル若しくは最終行程
配達サービスに最終的に引き渡されるまで留まっていることができる。実施形態では、運
営エンティティは、例えば消費者又は他の業者に販売するベンダ等の外部エンティテの代
理として在庫及び注文充足の管理をなす契約を結んでいる。実施形態では、運営エンティ
ティのサプライチェーンエコシステムは、運営エンティティと協業している又は契約して
いる1つ以上のより大きなベンダの同様の機材を有するサプライチェーン若しくは流通チ
ャンネル施設並びに/又は輸送車両によって、補完されて、それらの間で協調的に形成さ
れた大きな集約的サプライチェーンエコシステムが活用される。
【0044】
例示目的で述べるに、開示のマルチエンティティ在庫管理システムは、
図3A~3Dに
て示す国家レベルサプライチェーンエコシステム内にて実装されるが;マルチエンティテ
ィ在庫管理システムの施設ネットワークが分布する特定の地理的エリア(geographic are
a)は、国家的規模のエリアには限定されず、また、国家的境界を越えて広がり得るので
あり、また、より小さな広がりのサブ領域(sub-region)に限定され得るのであり、これ
はサブ領域が1つ以上の国際的境界を跨ぐかを問わない。実施形態では、少なくとも幾つ
かのメガ施設10は、主要海港付近の沿岸部に所在するのであり、それによって海上荷物
で到着する製造者積荷又はサプライ積荷を受け付けることができる。実施形態では、マク
ロ施設12は、例えば都市部及び/又は主要海港等の大規模人口拠点の中又は付近に所在
するのであり、施設数としてはそのような人口拠点又は海運ハブ1つ当たりに1つのマク
ロ施設12があてがわれ得る。実施形態では、少なくとも1つのマイクロ施設14が、そ
して、別の実施形態では、複数のマイクロ施設14が、これらの大規模人口拠点に含まれ
る。より小さな都市はマクロ(macro)施設12を有するのであり、典型的には、比率と
してはそのような都市に対して1つのマクロ施設12があてがわれるか顕著に近接した幾
つかの都市間で1つのマクロ施設12が共有される。各都市は、該都市の中又は付近に所
在するマクロ施設12の施設数を超える数の複数のマイクロ施設14を有するのであり、
また、マイクロ施設14の施設数をさらに超える数の複数のナノ施設16を有する。
【0045】
メガ施設10、マクロ施設12、及びマイクロ施設14はそれぞれ少なくとも1つの積
み込みドックを備えるのであり、また、ある実施形態では特にメガ施設10及びマクロ施
設12に関しては複数の積み込みドックを備えており、これは複数の輸送車両について同
時的に積み込み及び積み降ろしをなすため及び/又は到着及び出発積み込みドックにある
輸送車両間でクロスドッキング操作をなすことを可能ならしめる機能を担い得る。開示の
マルチエンティティ在庫管理システムでは、メガ施設10からナノ施設16に至る施設の
ネットワーク内の各施設は、各々インデクスド格納場所のアレイを備えるのであり、以下
「インデクスド格納アレイ」と称する。実施形態では、メガ施設10、マクロ施設12、
及びマイクロ施設14の各々では、インデクスド格納アレイは、
図7に示すタイプの1つ
以上の3次元グリッド格納構造によって少なくとも部分的には定義されており、これはロ
ボティックハンドラーのフリートによるサービスを受けるのであり、これらはグリッド格
納構造を3次元的に移動して3次元グリッド格納構造に関して格納ビンの預け入れ及び取
り出しをなすように動作可能である。このような3次元グリッド格納構造、ロボティック
ハンドラー、即ちロボティック格納及び回収車両及び互換性を有する格納ビンは、出願人
の米国特許第15/568,646号、第16/374,123号、第16/374,1
43号、及び第16/354,539号にて開示されており、それら各々の全体が参照に
よって取り込まれる。また、メガ施設10、マクロ施設12、及びマイクロ施設14につ
いての例示的レイアウトは、出願人の米国特許出願第16/805,810号に開示され
ており、当該出願の開示全体を参照して取り込む。
【0046】
図4Aは、実施形態による、在庫ハンドラーを用いて在庫管理ワークフローを執行する
ためのマルチエンティティ在庫管理システム400についての機能的ブロック図である。
マルチエンティティ在庫管理システム400は、マルチエンティティ在庫管理システム4
00にての格納ビン及び注文ビンの動きを監視及び制御するための在庫管理システム(C
IMS、computerized inventory management system)401,404,416を備える
。CIMSは、マルチエンティティ在庫管理システム400において、格納ビン内に含ま
れる在庫の取り込み・格納・輸送・追跡並びにそこからの顧客注文の充足に関して、制御
及び監視する。CIMSは、高レベルプログラミング言語を用いてプログラム可能な複数
のコンピュータシステム及びサブシステムを備える。
図4Aに示す実施形態では、CIM
Sは、中央コンピューティングシステム401、各メガ施設10にて構成されているコン
ピュータ化施設管理サブシステム404、マクロ施設12、マイクロ施設14、及びナノ
施設16、並びにノード間輸送車両415a,415b,415cの各々内にて構成され
ているコンピュータ化車両管理サブシステム416の組み合わせとされる。CIMSは、
プログラム済み且つ合目的なハードウェアを用いて実装される。
【0047】
中央コンピューティングシステム401は、1つ以上のコンピュータを備え、これは、
例えばインターネットや他の広域ネットワークなどの通信ネットワークに結合されたネッ
トワークインタフェースに接続された例えばCPU402等の1つ以上のプロセッサと、
非一時的コンピュータ可読記憶媒体又はメモリを備えた1つ以上のデータ記憶装置であっ
てそれにはプロセッサによって実行されて開示の複数の処理を実行するための実行可能ソ
フトウェアが記憶されているデータ記憶装置とを備える。通信ネットワークは、施設管理
サブシステム404が互いに通信すること及び中央コンピューティングシステム401と
通信することを可能とする。本開示で使用されるように、「非一時的コンピュータ可読記
憶媒体」はあらゆるコンピュータ可読媒体を指すのであり、例えば不揮発性媒体、揮発性
媒体、及び伝送媒体が一時的な伝播する信号を除いて含まれる。不揮発性媒体には、例え
ばSSD、光学ディスク若しくは磁気ディスク、フラッシュメモリカード、ROM等が含
まれ得る。揮発性媒体には、例えばレジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、RAM等が
含まれ得る。伝送媒体には、例えば同軸ケーブル、銅線、光ファイバケーブル、モデム等
が含まれ得るのであり、プロセッサに結合されたシステムバスを構成する配線類も含まれ
得る。データ記憶装置は例えば中央データベース403等の1つ以上のデータベースであ
って、該データベースは後述の他のデータに加えて、
図5E~5F及び
図6A~6Bに示
されるマルチエンティティ在庫管理システム400内の格納ビン及び注文ビン424a~
424dの全ての一意的ビン識別子(Bin_IDs)と、マルチエンティティ在庫管理
システム400内での在庫格納及び注文充足の目的で運営エンティティのサービスについ
て契約又は加盟した複数のベンダの一意的識別子(Vendor_IDs)とを記憶する
、データベースと;ベンダが自己の顧客に提供する製品であってマルチエンティティ在庫
管理システム400内にて格納されているかそこで格納可能な製品についての各々の製品
カタログとを含む。本開示で使用されるように、中央コンピューティングシステム401
及びそれによってホスティングされている中央データベース403との関係での「中央」
との用語は、マルチエンティティ在庫管理システム400の各施設10,12,14,1
6及び各ノード間輸送車両415a,415b,415cと動作可能に結合された共有リ
ソースとしての地位を意味するにすぎず、そのコンポーネント全てが共通の場所に所在す
るべきとのことは意味しない。
【0048】
実施形態では、CIMS401,404,416はクラウドコンピューティング環境で
実装される。本開示で使用されるように、「クラウドコンピューティング環境」とは、構
成可能なコンピューティング用の物理的及び論理的資源、例えばネットワーク、サーバ、
記憶媒体、仮想マシン、アプリケーション、サービス等と、通信ネットワーク上に分散さ
れたデータとを備える処理環境を指す。クラウドコンピューティング環境は、構成可能な
コンピューティング用の物理的及び論理的資源の共有プールへのオンデマンドネットワー
クアクセスを提供する。CIMS401,404,416は、輸送可能格納ビンを用いた
2方向ロジスティクスを伴う在庫管理ワークフローを執行するためのサービスとして実装
されたクラウドコンピューティングベースドプラットフォームである。この実施形態では
、中央コンピューティングシステム401及び中央データベース403は、それぞれクラ
ウドベースドコンピュータプラットフォーム及びクラウドデータベースと称される。実施
形態では、施設管理サブシステム404は、各施設10,12,14,16の域内にある
コンピュータ上にインストールされて実行されているオンプレミス型ソフトウェアとして
実装されている。実施形態では、車両管理サブシステム416は、各ノード間輸送車両4
15a,415b,415cの域内にあるコンピュータ上にインストールされて実行され
ているオンプレミス型ソフトウェアとして実装されている。
【0049】
コンピュータ化施設管理サブシステム404は、マルチエンティティ在庫管理システム
400内の各施設10,12,14,16にてそれぞれインストールされている。各施設
管理サブシステム404は、1つ以上のローカルコンピュータを備え、これは、例えばイ
ンターネットや他の広域ネットワークなどの通信ネットワークに結合されたネットワーク
インタフェースに接続された例えばCPU405等の1つ以上のプロセッサと、非一時的
コンピュータ可読記憶媒体を備えた1つ以上のデータ記憶装置であってそれには1つ以上
のプロセッサによって実行されて開示の複数の処理を実行するための実行可能ソフトウェ
アが記憶されているデータ記憶装置とを備える。データ記憶装置は、例えば各施設に関し
て関連性を有するデータを記憶するための各ローカル施設データベース407等の1つ以
上のデータベースを、備える。施設管理サブシステム404のローカルコンピュータは、
WANへの接続に加えて、施設の例えばローカル無線ネットワーク等の1つ以上のLAN
406内に設けられており、それによってローカルコンピュータの1つ以上が施設の自動
化ビン捌き機材と通信可能とされている。自動化ビン捌き機材には、例えば、メガ施設1
0、マクロ施設12、及びマイクロ施設14のロボティックハンドラー408、並びに様
々なコンベヤ410及びいくつかの実施形態で後述される他の取り扱い機材が含まれる。
LAN406を介して施設管理サブシステム404のローカルコンピュータの少なくとも
1つが、ワークステーション並びに他の機材及び装置と通信するのであり、これには例え
ば人間の作業員による様々なタスクの履行について誘導するための静止型及び/若しくは
モバイル型の人間-マシンインタフェース(HMI、human-machine interface)409
、コンベヤ410、並びにマルチエンティティ在庫管理システム400の格納ビンが含ま
れる。実施形態では、マルチエンティティ在庫管理システム400は、各施設10,12
,14,16の施設管理サブシステム404と動作可能に通信する屋内位置決めシステム
411をさらに備えるのであり、これは
図4Bにて開示するように各格納ビンのリアルタ
イム追跡のためのものである。実施形態では、施設管理サブシステム404はビン捌き機
材と動作可能且つ通信可能に結合されており、これには例えばビンカルーセル422cや
ドア413が含まれ、例えば各ナノ施設16における開放可能配達ドア及び開放可能ピッ
クアップドアとし得るのであり、出願人の米国特許出願第16/805,810号にこれ
が開示されており、当該出願の開示全体を参照して取り込む。また、ナノ施設16の施設
管理サブシステム204は、ユーザが注文に関して、ナノ施設16の外部にマウントされ
ているかその近くにマウントされている例えば数字型又はアルファニューメリック型のキ
ーパッドやスキャナ等の電子アクセス装置412内に正しいピックアップアクセスコード
を入力した場合にのみ、ユーザに対して、ナノ施設16内に格納された注文へのアクセス
を付与する。
【0050】
コンピュータ化車両管理サブシステム416は、マルチエンティティ在庫管理システム
400の各ノード間輸送車両415a,415b,415cにそれぞれインストールされ
ている。各車両管理サブシステム416は、1つ以上のデータ記憶装置であってそれには
プロセッサによって実行されて開示の複数の処理を実行するための実行可能ソフトウェア
が記憶されているデータ記憶装置に接続された1つ以上のプロセッサであって例えばCP
U417等の1つ以上のプロセッサを備える1つ以上のローカルコンピュータを、備える
。データ記憶装置は、特定の輸送車両及びその被輸送内容物とについて関連性を有するデ
ータを記憶するそれぞれのローカル車両データベース420を備える。実施形態では、無
線通信ユニットがノード間輸送車両415a,415b,415cのそれぞれに動作可能
に結合されている。例えば広域通信装置418等の無線通信ユニットは、ノード間輸送車
両415a,415b,415cのそれぞれの場所及び格納ビンいずれか1つの場所を、
格納ビンが施設10,12,14,16間で輸送されるに際してCIMSに伝達するよう
に構成されている。例えば、車両管理サブシステム416のプロセッサは例えばセルラ通
信装置等の無線広域通信装置418に接続されており、これは例えばセルラネットワーク
等の無線広域通信を介して中央コンピューティングシステム401とモバイル通信するた
めのものである。実施形態では、例えばGPS装置419等の位置決めユニットがノード
間輸送車両415a,415b,415c各々と動作可能に結合されている。位置決めユ
ニットは、ノード間輸送車両415a,415b,415c各々の場所を決定し、そして
ノード間輸送車両415a,415b,415c各々内にて輸送されている格納ビンいず
れか1つの場所を決定するように構成されている。GPS装置419は、輸送車両415
a,415b,415c各々の、少なくとも1つのローカルコンピュータの、少なくとも
1つのプロセッサとも結合されており、これはGPSを介して輸送車両415a,415
b,415c各々の動きを追跡するため及び輸送車両415a,415b,415c各々
の算出済みGPS座標を各ローカルコンピュータに共有して中央コンピューティングシス
テム201へと伝達するためになされる。実施形態では、輸送車両415a,415b,
415c各々のGPS装置419は、中央コンピューティングシステム401と直接的に
通信してそこへとGPS座標を報告するのであり、これは車両管理サブシステム416の
ローカルコンピュータとは独立になされる。
【0051】
実施形態では、車両管理サブシステム416のローカルコンピュータは例えばローカル
無線ネットワーク等のLAN421内に設けられており、これによってローカルコンピュ
ータの少なくとも1つが
図4Bに示されるマルチエンティティ在庫管理システム400の
格納ビン424と通信できる。格納ビン424の無線通信ユニット425は各車両管理サ
ブシステム416のLAN421に接続する。したがって、輸送車両415a,415b
の車両管理システム416は、輸送車両415a,415bに積み込まれる格納ビン42
4の無線通信ユニット425と通信可能になっており、モバイルデータ記憶装置426か
らこれらの格納ビン424の一意的ビン識別子を受信するため、及び、格納ビン424の
施設10,12,14から輸送車両415a,415bへの移転の中央データベース40
3内での記録を開始するためにこれがなされるのであって、例えば、輸送車両415a,
415bの車両識別子及び積み込まれている格納ビン424から受信された一意的ビン識
別子を中央コンピューティングシステム401へと送信することによってこれをなす。実
施形態では、車両管理サブシステム416は、例えば輸送車両415a,415b,41
5c内に設けられているビンカルーセル422a,422b等のビン捌き機材と動作可能
且つ通信可能に結合されている。実施形態では、車両管理サブシステム416は、注文ビ
ン424c、424dをナノ施設16へと輸送する小規模輸送車両415c内に設けられ
ている1つ以上の自動化ビンハンドラー423と、動作可能且つ通信可能に結合されてい
る。
【0052】
上述されたプロセッサは、マイクロプロセッサ、CPU装置、有限状態マシン、コンピ
ュータ、マイクロコントローラ、DSP、ロジック、論理装置、ASIC、FPGA、チ
ップ等、又はそれらの任意の組み合わせの1つ以上であってコンピュータプログラム又は
一連のコマンド・命令・状態遷移を実行可能なものを指し得る。実施形態では、各プロセ
ッサはプロセッサセットとして実装されており、これは例えばプログラム済みマイクロプ
ロセッサ及び数値演算若しくはグラフィクス用コプロセッサとされ得る。CIMSは、プ
ロセッサを活用することに限られるわけではない。別の実施形態では、CIMSは、コン
トローラ又はマイクロコントローラを活用する。上述されるネットワークインタフェース
については、例えば、赤外線インタフェース、Wi-Fi Alliance Corporation社のWi-Fi(
登録商標)を実装したインタフェース、USBインタフェース、Apple Inc.社のFireWire
(登録商標)インタフェース、イーサネット(登録商標)インタフェース、フレームリレ
ーインタフェース、ケーブルインタフェース、デジタル加入者線(DSL)インタフェー
ス、トークンリングインタフェース、ペリフェラルコントローラインタコネクト(PCI
)インタフェース、LANインタフェース、WANインタフェース、シリアルプロトコル
を用いるインタフェース、パラレルプロトコルを用いるインタフェース、イーサネット通
信インタフェース、非同期転送モード(ATM)インタフェース、高速シリアルインタフ
ェース、ファイバー分散データインタフェース、TCP/IPを用いるインタフェース、
衛星技術や高周波(RF)技術や近距離無線通信(NFC)等の無線通信技術を用いるイ
ンタフェース等のうちからの1つ以上とすることができる。
【0053】
マルチエンティティ在庫管理システム400のデータベース、例えば中央データベース
403、ローカル施設データベース407、及びローカル車両データベース420は、デ
ータ及びファイルを記憶するために用いられ得る任意の記憶域又は媒体を指す。データベ
ース403,407,420は、構造化クエリ言語(SQL)データストア又はNoSQ
L(not only SQL)データストアのいずれかとすることができ、例えば、Microsoft(登
録商標)のSQL Server(登録商標)、Oracle(登録商標)サーバ、MySQL AB Limited Com
panyのMySQL(登録商標)データベース、MongoDB, Inc.のmongoDB(登録商標)、Neo Tec
hnology CorporationのNeo4jグラフデータベース、Apache Software FoundationのCassan
draデータベース、Apache Software FoundationのHBase(登録商標)データベース等とし
得る。実施形態では、データベース403,407,420はファイルシステム上の場所
とすることもできる。別の実施形態では、CIMS401,404,416が通信ネット
ワークを介してデータベース403,407,420にリモートでアクセスできる。別の
実施形態では、データベース403,407,420は、クラウドコンピューティング環
境にて実装されたクラウドベースドデータベースとして構成されており、この場合には通
信ネットワークを介してサービスとしてコンピューティング資源が提供される。
【0054】
図4Bは、実施形態による、マルチエンティティ在庫管理システム400内にて在庫及
び顧客注文を収容・格納・交換・輸送するための格納ビン424の構成・用法について示
す機能的ブロック図である。格納ビン424は、在庫管理ワークフローを執行するための
施設10,12,14,16及び輸送車両415a,415b,415cと動作可能に通
信する。実施形態では、格納ビン424は、メガ施設10、マクロ施設12、及びマイク
ロ施設14におけるインデクスド格納場所のアレイと互換性をもたらす所定のサイズ及び
構成とされている。格納ビン424の一部は、ビン捌き機材との互換性をもたらすような
注文ビンとして構成されており、例えば施設10,12,14,16間で移動する輸送車
両415a,415b,415cのビンカルーセル422a,422b等とされ得る。実
施形態では、格納ビン424は、次のカテゴリに分けられる:
図5E~5Fに示されてい
るように、複数のベンダの製品を保持するための格納ビン(storage bin)424a,4
24b、ピック済み注文製品を保持するためのピック済み注文ビン(POビン、picked-o
rder bin)424c、及び完成注文を保持するための完成注文ビン(FOビン、finished
-order bin)424d。
【0055】
実施形態では、格納ビン424は次の格納ビンサブカテゴリにさらに分けられる:単一
区画格納ビン(SCSビン、single-compartment storage bin)及びマルチ区画格納ビン
(MCSビン、multi-compartment storage bin)。各SCSビンは単一の未分割内部的
格納空間を備えるのであり、よって単一のアイテム若しくはその中の製品在庫の「個別品
」(an "each")、又は製品在庫の複数のアイテム或いは幾つかの「個別品」("eaches"
)であって互いに製品タイプが一致するもののどれかを保持するように構成されている。
各MCSビンの内部的(internal)格納空間は複数の区画に細分化されており、よって異
なる製品タイプの混合製品を保持するように構成されており、随意的には区画毎に整理さ
れている。MCSビンは、異なる製品タイプの製品を異なるそれぞれの区画内に個別的に
保持するため、又は、例えば異なるベンダ等の異なるエンティティに所有されている製品
を異なるそれぞれの区画内に個別的に保持するために、用いられる。実施形態では、PO
ビンは、MCSビンと類似の細分化された内側(interior)空間を伴うマルチ区画ビン(
multi-compartment bin)であり、各POビンは複数の顧客注文の内容物をその中にて受
け入れるように構成されており、各顧客注文のそれぞれの内容物はPOビンの異なるサブ
セット内に置かれて顧客注文相互の物理的隔離を維持する。例えば、小規模な顧客注文に
ついては、各個別の顧客注文がPOの各区画の1つを占有する一方で、大規模な顧客注文
については、個別の顧客注文がPOビンの複数の又は全ての区画を占有する。実施形態で
は、POビンの各区画は典型的には、単一のベンダに所有される単一の製品タイプの複数
の個別品を受領するのではなく、必要な製品を受領して各顧客注文を充足するように専業
化している。
【0056】
注文ビンの第2のカテゴリについて述べるに、FOビンは、他のタイプの格納ビンとは
異なるサイズとされており、随意的には異なる構成とされている。FOビンは、他の格納
ビンとは異なるより小さな標準化サイズ及びフットプリントを有する。例えば、これらの
FOビンは他の格納ビンの約半分のサイズ及びフットプリントとされるのである。注文ビ
ンについての当該第2のカテゴリは、各ナノ施設16のインデクスド格納アレイ及び特に
マイクロ施設14とナノ施設16との間で移動する輸送車両415cのインデクスド格納
アレイに関しての互換性のために特別にサイズ及び構成が定められている。実施形態では
、FOビンは、その中に単一の個別の完成注文の内容物のみを受け入れるように構成され
た単一区画ビンであり、それは顧客又は配送員によるピックアップ(pickup)のために又
は末端顧客へのラストマイル配達のために完成状態となるようにパッケージされ且つ詰め
られた(packaged and packed)されている。
【0057】
上述した異なるカテゴリの格納ビン424は、電子的なスマートビンであり施設管理サ
ブシステム404及び車両管理サブシステム416とデータ交換をすることができ、マル
チエンティティ在庫管理システム400でのインテリジェントなビン駆動ナビゲーション
を実行できる。実施形態では、
図4Bに示すように、マルチエンティティ在庫管理システ
ム400内の各格納ビン424は、各格納ビン424と動作可能に結合されたモバイルデ
ータ記憶装置426を備える。モバイルデータ記憶装置426は、各格納ビン424の一
意的ビン識別子と各格納ビン424に含まれる製品と関連付けられているビンデータとを
記憶するように構成されている非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備える。例えば、モ
バイルデータ記憶装置426は、格納ビン424の静的なビン_IDを、任意の時点で格
納ビン424によって搬送される内容物に関する他の可変データと共に、格納するように
構成されたコンピュータ可読メモリを備える。ビンデータは例えば次の少なくとも1つを
含む:製品カタログと;格納ビン424の各々に含まれる製品の各々の製品識別子と数量
と属性とを含む製品データと;含まれる製品の宛先と関連付けられている宛先データと;
格納ビン424の各々に含まれる製品がマルチエンティティ在庫管理システム400を通
じて宛先へ向かって搬送されるべきことに関してのタイムライン及び/又は緊急性に関連
付けられているタイミングデータと;格納ビン424の各々に含まれる製品に対してなさ
れるべき付加価値サービスアクションと関連付けられている在庫カスタマイゼーションデ
ータと;格納ビン424の各々に含まれる製品についてのルーティング、取り扱い、及び
/又は詰め込み要件と関連付けられている在庫取り扱いデータと;格納ビン424の各々
に含まれる製品についての環境要件と関連付けられている環境データ。実施形態では、各
格納ビン424上のモバイルデータ記憶装置426は、無線通信ユニット425の一部で
ある。実施形態では、無線通信ユニット425は、無線送受信機427とモバイルデータ
記憶装置426及び無線送受信機427に接続されたローカルコンピュータプロセッサ4
28とをさらに備えるのであり、データを、任意の施設10,12,14,16又は任意
の輸送車両415a,415b,415cにての、施設管理サブシステム404又は車両
管理サブシステム416による格納ビン424のモバイルデータ記憶装置426からの読
み出し及びそこへの書き込みは、無線的に(例えば施設管理サブシステム404のLAN
406又は車両管理サブシステム416のLAN421を用いて)なされる。
【0058】
施設10,12,14,16がロボティックハンドラー408を用いて自己の各々のイ
ンデクスド格納場所のアレイを担当させる実施形態では、施設管理サブシステム404の
1つ以上のコンピュータが同じ無線ネットワーク(例えばLAN406)を用いてロボテ
ィックハンドラー408を無線的に制御する。実施形態では、各格納ビン424は、
図2
Aに示される施設10,12,14の各々の屋内位置決めシステム411と協調的に無線
通信する屋内位置決め装置429をさらに備えるのであり、これは、格納ビン424がそ
このインデクスド格納場所のアレイの外にて所在している又は動いている場合であっても
施設10,12,14内での格納ビン424の動き及び所在を追跡するためである。屋内
位置決め装置429は、各格納ビン424及び各施設10,12,14に設けられている
屋内位置決めシステム411と動作可能に結合されている。各格納ビン424内の屋内位
置決め装置429は、屋内位置決めシステム411と動作可能に通信して各格納ビン42
4のリアルタイム追跡のために各施設10,12,14における各格納ビン424の位置
を決定及び報告するように構成されている。実施形態では、各格納ビン424の屋内位置
決め装置429は、無線通信ユニット425に統合又は接続されており、例えば無線通信
及びデータ交換のために用いられるコンピュータ可読メモリ、無線トランシーバ427、
及びローカルコンピュータプロセッサ428とが共有され得る。メガ施設・マクロ施設・
マイクロ施設10,12,14にある屋内位置決めシステム411は各々格納ビン424
にある屋内位置決め装置229と無線的に協調するためのコンポーネントを備えており、
その施設10,12,14内に現に所在する任意の格納ビン424の現在の座標による位
置を決定できる。実施形態では、各施設10,12,14内での格納ビン424の屋内ナ
ビゲーションのために音響ビーコンが用いられる。実施形態では、これらの施設ベースド
位置決めコンポーネントは参照装置又はイニシエータ装置及び参照装置である。これらの
装置は高速な無線周波数(RF)信号及びより遅い音響信号を最適な位置決め精度のため
に用いるも、実施形態では、他の屋内位置決め技術を用いてマルチエンティティ在庫管理
システム400の施設10,12,14,16内における格納ビンの場所の決定を可能と
する。
【0059】
無線通信ユニット425及び屋内位置決め装置429の組み合わせによって、各格納ビ
ンは自らを格納ビン424が到着した施設の施設管理サブシステム404に対して識別す
るのみならず、その施設内における自らの現在の場所についても識別するのであり、それ
によって格納ビン424内に含まれる在庫について最適な高分解能追跡を可能とする。実
施形態では、格納ビン424の屋内位置決め装置429及び無線通信ユニット425は、
格納ビン424の位置を連続的に又は定期的に決定し、計算された位置を施設管理サブシ
ステム404へと伝達するようにプログラムされており、それによって(例えば、クラウ
ドベースドコンピューティングプラットフォームとして構成された)中央コンピューティ
ングシステム401の中央データベース403内に記憶された位置が更新されるのであり
、或いは、実施形態では、中央コンピューティングシステム401から一意的なビン識別
子がクエリされるまでは更新された情報を施設でローカルにのみ記憶する。
【0060】
実施形態では、屋内位置決め装置429及び無線通信ユニット425は機能削減スリー
プモードにデフォルト遷移するように構成されており、定期的にだけ復帰して格納ビン4
24の位置を再決定して位置を施設管理サブシステム404又は中央コンピューティング
システム401に報告するのであり、例えば時的な間隔毎に又は施設のLAN406によ
って発せられた状態クエリ信号に応答してこれをなし得る。実施形態では、屋内位置決め
装置429は、例えば加速度計及び/又はジャイロスコープ等の1つ以上の運動センサを
さらに備えるのであり、これは、3次元空間において格納ビン424の動きを検出し、ま
た、先述のスリープモードから格納ビン424の電子部品の復帰を発動するように動作可
能である。これによって、例えば施設のインデクスド格納アレイ内の格納場所にて静的に
位置が留まっている場合の格納ビン424の電子部品による電力消費が削減され、格納ビ
ン424のデータ記憶、通信及び屋内位置決めコンポーネントのオンボード電池ベースド
電源の寿命を最大化でき、また、人間の作業員、ロボティックハンドラー408、又はコ
ンベヤによって施設内を格納ビン424が動かされているものと知られている場合に格納
ビン424の位置について連続的又は定期的な報告を担保することができる。
【0061】
実施形態では、少なくとも1つのセンサ430が格納ビン424の動きを検出するため
に各格納ビン424に動作可能に結合されており、検出された動きに応答して格納ビン4
24の各々に関してマルチエンティティ在庫管理システム400での位置追跡を開始する
。格納ビン424と動作可能に結合されているセンサ430は格納ビン424の内容物や
格納ビン424の施設間移転を追跡し、また、格納ビン424及びその内容物について要
される処理の決定を可能とする。実施形態では、センサ430は、マルチエンティティ在
庫管理システム400における自らのアクション・経路・行程に関して自律的に決するア
クティブ型のIoTセンサであり、ノード施設10,12,14,16、ロボティックハ
ンドラー408、及びノード間輸送車両415a,415b,415cは格納ビン424
のコマンドを実現する主体として作用する。
【0062】
図4Cは、実施形態による、複数の異なるエンティティの製品在庫を、ロボティックハ
ンドラー408によるサービスを受ける1つ以上の格納構造を備える複数の施設10,1
2,14,16の1つ以上にて、管理するためのマルチエンティティ在庫管理システム4
00について示す機能的ブロック図である。開示のマルチエンティティ在庫管理システム
400は、
図3A~3Dに示すような地理的領域にわたって分布する施設のネットワーク
と、施設10,12,14,16のネットワーク内に格納可能であり、異なるエンティテ
ィ間で再割り当て可能であり、また、施設10,12,14,16間で輸送可能である複
数の格納ビン424と、コンピュータ化在庫管理システム(CIMS、computerized inv
entory management system)とを備える。CIMSは、中央コンピューティングシステム
401と、各々の施設10,12,14,16における施設管理サブシステム404と、
各々の輸送車両415a,415b,415cの車両管理サブシステム416とを備える
のであり、全ては通信ネットワークと動作可能に結合されている。本開示で使用されるよ
うに、「通信ネットワーク」とは、例えば、インターネット、無線ネットワーク、Blueto
oth Sig, Inc.社のBluetooth(登録商標)を実装する通信ネットワーク、Wi-Fi Alliance
Corporation社のWi-Fi(登録商標)を実装する通信ネットワーク、ウルトラワイドバン
ド(UWB)通信ネットワーク、無線USB通信ネットワーク、ZigBee Alliance Corporati
on社のZigBee(登録商標)を実装する通信ネットワーク、GPRS(General Packet Rad
io Service)通信ネットワーク、GSM(Global System for Mobile)通信ネットワーク
等の移動体通信網、CDMA(Code Division Multiple Access)ネットワーク、3Gモ
バイル通信ネットワーク、4Gモバイル通信ネットワーク、5Gモバイル通信ネットワー
ク、LTE(Long-term Evolution)モバイル通信ネットワーク、公衆電話ネットワーク
等、LAN、WAN、インターネット接続ネットワーク、赤外線通信ネットワーク等、又
はこれらのネットワークの任意の組合せで作られたネットワークの1つを指す。中央コン
ピューティングシステム401は、通信ネットワークを介して、CIMSの施設管理サブ
システム404及び車両管理サブシステム416と通信する。実施形態では、異なるエン
ティティの電子商取引(eコマース)プラットフォーム436にも動作可能に(例えば、
通信ネットワークを介して異なるベンダと)結合されている。eコマースプラットフォー
ム436は、例えばインターネットへのアクセスを有するPCやインターネット使用可能
セルラ電話やタブレットコンピューティング装置等の広範にわたるテクノロジ及び装置を
通じて、ユーザによってアクセス可能である。eコマースプラットフォーム436によっ
て、例えば顧客等のユーザは、通信ネットワークを介して1つ以上の製品タイプの1つ以
上の製品について注文を発注できる。実施形態では、eコマースプラットフォーム436
によって、
図9A~16に示されるように、例えば他のベンダ等のユーザは、在庫を購入
及び/又は在庫を予約することが可能となる。
【0063】
実施形態では、中央コンピューティング(computing)システム401は、高レベルコ
ンピュータプログラミング言語を用いてプログラム可能なコンピュータ(computer)シス
テムである。中央コンピューティングシステム401は、プログラム済み且つ合目的なハ
ードウェアを用いて実装される。開示のマルチエンティティ在庫管理システム400では
、中央コンピューティングシステム401は、
図4Bに示される施設管理サブシステム4
04、車両管理サブシステム416、及び各格納ビン424のローカルコンピュータプロ
セッサ428とインタフェースするのであり、故に、1つ以上の特別にプログラムされた
コンピューティングシステムを、1つ以上の施設10,12,14,16での複数の異な
るエンティティの製品在庫を管理するため並びにそれらについての異なるエンティティ間
での再割り当て及び交換を管理するために、用いる。
【0064】
図4Cに示されるように、中央コンピューティングシステム401は,例えばモジュー
ル(例えば中央コンピューティングシステム401のモジュール431a~431f等)
によって定義されたコンピュータプログラム命令を記憶するためのメモリユニット431
等の非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備える。中央コンピューティングシステム40
1は、メモリユニット431と動作可能且つ通信可能に結合されており且つ例えば中央コ
ンピューティングシステム401の431a~431f等のモジュールによって定義され
たコンピュータプログラム命令を実行するための少なくとも1つのプロセッサ402を備
えており、これは1つ以上の施設10,12,14,16での複数の異なるエンティティ
の製品在庫を管理するため並びにそれらについての異なるエンティティ間での再割り当て
及び交換を管理するためのものである。メモリユニット431は、プログラム命令、アプ
リケーション、及びデータを記憶するために用いられる。メモリユニット431は、例え
ばRAMや他のタイプの動的記憶装置であってプロセッサ402による実行のために情報
及び命令を記憶するものとすることができる。メモリユニット431は、一時変数や他の
中間的情報であってプロセッサ402によって命令実行がなされる際に用いられる情報も
記憶される。実施形態では、中央コンピューティングシステム401は、ROMや他のタ
イプの静的記憶装置であってプロセッサ402による実行のために静的な情報及び命令を
記憶するものをさらに含み得る。実施形態では、例えば中央コンピューティングシステム
401の431a~431f等のモジュールは、メモリユニット431内に記憶されてい
る。
【0065】
図4Cに示されるように、中央コンピューティングシステム401は,データバス43
5、ディスプレイユニット432、ネットワークインタフェース433、及び共通モジュ
ール434をさらに備える。データバス435は、モジュール間(例えば、中央コンピュ
ーティングシステム401のモジュール402,431,432,433,434)での
通信を可能とする。ディスプレイユニット432はGUI432aを介して情報や表示イ
ンタフェースやインタフェース要素(チェックボックスや入力テキストフィールド等)等
を表示するのであり、これは例えばシステム管理者等のユーザが、デジタル記録の更新を
発動したり、在庫情報を入力したり、データベーステーブルを更新等することを可能とす
るのであって、これは1つ以上の施設10,12,14,16での複数の異なるエンティ
ティの製品在庫管理及びそれらの異なるエンティティ間での再割り当て及び交換を促進す
るためになされる。中央コンピューティングシステム401はGUI432aをディスプ
レイユニット432上に表示するのであり、これはシステム管理者から入力を受信するた
めである。GUI432aは例えば、オンラインウェブインタフェース、ウェブベースド
ダウンロード可能アプリケーションインタフェース、モバイルベースドダウンロード可能
アプリケーションインタフェース等を含む。ディスプレイユニット432は、GUI43
2aを表示する。ネットワークインタフェース433は、中央コンピューティングシステ
ム401が通信ネットワークに接続されることを可能とする。実施形態では、ネットワー
クインタフェース433は、インタフェースカードとして提供されており、ラインカード
とも称される。中央コンピューティングシステム401の共通モジュール434は例えば
、入出力(I/O)コントローラ、入力装置、出力装置、ハードドライブ等の固定媒体ド
ライブ、取り外し可能媒体を受けるための取り外し可能媒体ドライブ等を含む。中央コン
ピューティングシステム401を動作させるために、コンピュータアプリケーション及び
プログラムを用いる。プログラムは固定媒体ドライブ上にロードされたり取り外し可能媒
体ドライブを介してメモリユニット431内へとロードされる。実施形態では、コンピュ
ータアプリケーション及びプログラムは、通信ネットワークを介して直接的にメモリユニ
ット431内へとロードされる。
【0066】
図4Cに示される例示的実装例では、中央コンピューティングシステム401は、クエ
リ構築器431a、在庫再割り当てモジュール431b、データベース更新モジュール4
31c、ロボット命令トリガモジュール431d、在庫販売モジュール431e、在庫予
約モジュール431f、及び中央データベース403を備える。
図10の詳細な説明にて
開示されるように、クエリ構築器431aは、データベースクエリ構築及び在庫検索クエ
リ処理実行の促進のためのコンピュータプログラム命令を定義する。
図2,8A~8B,
9A~9B,10~12,16の詳細な説明にて開示されるように、在庫再割り当てモジ
ュール431bは、デジタル再割り当ての遂行及び特定の製品タイプの1つ以上の製品に
ついての第1のエンティティから第2のエンティティへの所有移転の実行のためのコンピ
ュータプログラム命令を定義する。データベース更新モジュール431cは、施設10,
12,14,16間での在庫移動及び施設10,12,14,16と輸送車両415a,
415b,415cとの間での在庫移動、並びに、マルチエンティティ在庫管理システム
400内にて起きるデジタル再割り当て、在庫スワップ、在庫販売、及び在庫予約の際に
、中央データベース403内にてデジタル記録及び製品所有情報を、更新する。
【0067】
ロボット命令トリガモジュール431dは施設10,12,14の施設管理サブシステ
ム404へと命令を伝達して、各々の施設にてロボティックハンドラー408に対して命
令を発して、次の行為を行わせる:格納、回収、詰め込み、ナビゲーション、及び各々の
施設10,12,14にある格納ビン424と関連付けられている他の操作。実施形態で
は、ロボット命令トリガモジュール431dは命令を第1の施設の施設管理サブシステム
404に伝えて、第1の施設にあるロボティックハンドラー408についての第1のサブ
セットをアクティブ化して、特定の製品タイプの第1の製品を第1の格納構造内の格納場
所内へと物理的に格納する。ロボティックハンドラー408についての第1のサブセット
をアクティブ化する前後に、データベース更新モジュール431cは、中央データベース
403を更新して、第1の製品は中央データベース403内にて識別された複数の異なる
エンティティのうちに含まれる第1のエンティティに所有されていることを記録する。在
庫販売モジュール431eは、中央データベース403内にて識別された複数の異なるエ
ンティティのうちに含まれる第2のエンティティからの特定の製品タイプについての注文
を、通信ネットワークを介して受信するのであって、第2のエンティティは第1のエンテ
ィティとは異なる。実施形態では、第2のエンティティは製品在庫を必要としている入用
エンティティであり、また、第1のエンティティは入用エンティティへと移転できる追加
の製品在庫を有する在庫有りエンティティである。データベース更新モジュール431c
は、中央データベース403を更新して、第1の格納構造内の格納場所にて格納されてい
る第1の製品について第1のエンティティから第2のエンティティへの所有の移転を記録
する。ロボット命令トリガモジュール431dは、第1の施設の施設管理サブシステム4
04に命令を伝えて、ロボティックハンドラー408についての第2のサブセットをアク
ティブ化して、特定の製品タイプについての注文を第2のエンティティのために充足する
に際して用いるために第1の格納構造内の格納場所から第1の製品を回収するステップと
を行わせる。在庫再割り当てモジュール431bは、第1の格納構造内の格納場所からの
第1の製品の回収及び/又は第2のエンティティについて特定の製品タイプについての注
文充足に対応する任意の時に、第1の製品の所有についての第1のエンティティから第2
のエンティティへの移転を実行するためのコンピュータプログラム命令を定義するのであ
り、例えば、第1の格納構造内の格納場所から第1の製品を回収するためにロボティック
ハンドラー408の第2のサブセットをアクティブ化する前後であったり、注文充足後に
さえこれが生じ得る。
【0068】
実施形態でデータベース更新モジュール431cは、中央データベース403を更新し
て、第1の格納構造内の格納場所にある第1の製品について第1のエンティティから第2
のエンティティへの所有の移転を記録するのであってこれは第2のエンティティが特定の
製品タイプについて在庫不足になっており且つ特定の製品タイプについての注文を充足で
きないとの決定に応答してなされる。別の実施形態でデータベース更新モジュール431
cは、中央データベース403を更新して第1の格納構造内の格納場所にある第1の製品
について第1のエンティティから第2のエンティティへの所有の移転を記録するステップ
をなすようにさらに構成されており、これは第2のエンティティが第1の製品を第1のエ
ンティティから購入することを確認し並びに中央データベース403を更新して第2のエ
ンティティが第1の製品を第1のエンティティから購入することを記録することによって
なされる。
【0069】
実施形態では、ロボット命令トリガモジュール431dは異なる施設(「第2の施設」
という。)の施設管理サブシステム404に命令を伝えて、ロボティックハンドラーにつ
いての第1のサブセット及びロボティックハンドラー408についての第2のサブセット
とは異なるロボティックハンドラー408についての第3のサブセットをアクティブ化し
て、特定の製品タイプの第2の製品を第2の格納構造内の格納場所内へと物理的に格納す
る。第2の格納構造は第2の施設に所在する。ロボティックハンドラー408についての
第3のサブセットをアクティブ化する前後に、データベース更新モジュール431cは、
中央データベース403を更新して、第2の格納構造内の格納場所にて格納されている第
2の製品は第2のエンティティに所有されていることを記録する。注文を受信後に、デー
タベース更新モジュール431cは、中央データベース403を更新して、第2の格納構
造内の格納場所にある第2の製品について第2のエンティティから第1のエンティティへ
の所有の移転を記録するのであり、第1の製品及び第2の製品の所有が第1のエンティテ
ィと第2のエンティティとの間で交換される。
【0070】
実施形態では、ロボティックハンドラー408についての第1のサブセットをアクティ
ブ化して第1の製品を第1の格納構造内の格納場所内に格納するに際して、ロボット命令
トリガモジュール431dは、命令を第1の施設の施設管理サブシステム404へと伝え
て、ロボティックハンドラー408についての第1のサブセットをアクティブ化して第1
の製品を第1の格納構造内にて第1の格納ビンの中に物理的に格納する。ロボティックハ
ンドラー408についての第3のサブセットをアクティブ化して第2の製品を第2の格納
構造内の格納場所内に格納するに際して、ロボット命令トリガモジュール431dは、命
令を第2の施設の施設管理サブシステム404へと伝えて、ロボティックハンドラー40
8についての第3のサブセットをアクティブ化して第2の製品を第2の格納構造内にて第
2の格納ビンの中に物理的に格納する。注文を受信後に、データベース更新モジュール4
31cは、中央データベース403を更新して、第1の格納ビンの内容物について第1の
エンティティから第2のエンティティへの所有の移転並びに第2の格納ビンの内容物につ
いて第2のエンティティから第1のエンティティへの所有の移転を記録するのであり、第
1の格納ビンの内容物及び第2の格納ビンの内容物の所有が第1のエンティティと第2の
エンティティとの間で交換される。ロボット命令トリガモジュール431dは、第1の施
設の施設管理サブシステム404に命令を伝えて、ロボティックハンドラー408につい
ての第4のサブセットをアクティブ化して、第1のビンを第1の格納構造から回収して、
それによって特定の製品タイプについての注文を第2のエンティティのために充足する。
在庫再割り当てモジュール431bは、次のステップの実行のためのコンピュータプログ
ラム命令を定義する:第1の格納ビンの内容物について第1のエンティティから第2のエ
ンティティへの所有の移転並びに第2の格納ビンの内容物について第2のエンティティか
ら第1のエンティティへの所有の移転を、ロボティックハンドラー408のアクティブ化
及び/又は特定の製品タイプについての注文についての第2のエンティティのための充足
に対応するいずれかの時に、執行するステップであって、例えば、ロボティックハンドラ
ー408が出動し且つ製品がピック{される/された}前後の場合や注文充足後の場合も
含まれるステップ。
【0071】
実施形態では、注文を受信する前、また、ロボティックハンドラー408についての第
1のサブセットをアクティブ化する前後に、データベース更新モジュール431cは中央
データベース403を更新して、第1の格納ビンの内容物は第1のエンティティに所有さ
れていることを記録する。注文を受信する前、また、ロボティックハンドラー408につ
いての第3のサブセットをアクティブ化する前後に、データベース更新モジュール431
cは中央データベース403を更新して、第2の格納ビンの内容物は第2のエンティティ
に所有されていることを記録する。
【0072】
実施形態では、クエリ構築器431aは、中央データベース403に対してクエリを発
して、第1の格納ビンの内容物と第2の格納ビンの内容物とが等しいかを決定する。注文
を受信後に、データベース更新モジュール431cは中央データベース403を更新して
、第1の格納ビン及び第2の格納ビンの内容物の所有が交換されていると記録するのであ
って、これは第1の格納ビンの内容物と第2の格納ビンの内容物とが等しいとの決定に少
なくとも部分的に応答してなされる。第1の格納ビンの内容物と第2の格納ビンの内容物
とが等しくないとの決定に応答して、ロボット命令トリガモジュール431dは命令を第
1の施設の施設管理サブシステム404へと伝えて次の少なくとも1つをなす:(a)第
1の施設にてロボティックワーカをアクティブ化して、第2の格納ビンの内容物との関係
で第1の格納ビンの内容物を均等化するステップと;(b)第1の施設にて、(i)ロボ
ティックハンドラー408についての第5のサブセットをアクティブ化して、第1の格納
ビンを有人ワークステーションに届け、並びに、(ii)人間-マシンインタフェース(
HMI)をアクティブ化して、有人ワークステーションの人間ワーカに指示して第2の格
納ビンの内容物との関係で第1の格納ビンの内容物を均等化するステップと;また、ロボ
ット命令トリガモジュール431dは命令を第2の施設の施設管理サブシステム404へ
と伝えて次の少なくとも1つをなす:(a)第2の施設にてロボティックワーカをアクテ
ィブ化して、第1の格納ビンの内容物との関係で第2の格納ビンの内容物を均等化するス
テップと;(b)第2の施設にて、(i)ロボティックハンドラー408についての第6
のサブセットをアクティブ化して、第2の格納ビンを有人ワークステーションに届け、並
びに、(ii)有人ワークステーションのHMIをアクティブ化して、有人ワークステー
ションの人間ワーカに指示して第2の格納ビンの内容物との関係で第1の格納ビンの内容
物を均等化するステップ。実施形態では、ロボット命令トリガモジュール431dは、第
2の施設の施設管理サブシステム404に命令を伝えて、ロボティックハンドラー408
についての別のサブセットをアクティブ化して、第2の製品を第1の施設へと再配置する
ために第2の製品を第2の格納構造から回収するのであって、これは中央データベース4
03を更新して第2の格納構造内の格納場所にある第2の製品について第2のエンティテ
ィから第1のエンティティへの所有の移転を記録した後になされる。
【0073】
実施形態では、
図9A~9B,10~12,16の詳細な説明に開示されているように
、在庫販売モジュール431eはベンダ間商取引を執行する。実施形態では、在庫予約モ
ジュール431fは、
図13~16の詳細な説明に開示されているように、在庫再割り当
てがなされる前に在庫の利用可能性を担保するための在庫予約方法を実行する。この実施
形態では、在庫予約モジュール431fは、特定の製品タイプについての注文を第2のエ
ンティティから受信する前に、特定の製品タイプを予約することを要求する予約メッセー
ジを第2のエンティティから受信する。クエリ構築器431aは、中央データベース40
3に対してクエリを発して、第1の製品が予約に関して利用可能であることを確認する。
在庫予約モジュール431fは、第1の製品が利用可能であることを確認した後に第1の
製品が第2のエンティティのために予約されていることの標示を中央データベース403
内に記録することによって第1の製品を第2のエンティティのために予約する。在庫予約
モジュール431fは、第1の製品が第2のエンティティのために独占的に取り置かれて
異なるエンティティのうちの他のものによる予約に関して第1の製品が利用不能となる予
約期間を開始する。実施形態では、在庫予約モジュール431fは、第1の製品を予約す
ることに関して第2のエンティティに対して予約料を課金する。実施形態では、データベ
ース更新モジュール431cは、第1の製品に対応する注文が予約期間中に第2のエンテ
ィティから受信されなかった場合、第1の製品が予約されていることの標示を覆して異な
るエンティティのうちの他のものによる予約に関して第1の製品を利用可能とすることに
よって中央データベース403を更新する。
【0074】
中央コンピューティングシステム401のプロセッサ402は、上述の各機能を行うた
めの命令であってクエリ構築器431a、在庫再割り当てモジュール431b、データベ
ース更新モジュール431c、ロボット命令トリガモジュール431d、在庫販売モジュ
ール431e、及び在庫予約モジュール431fによって定義された命令を検索する。プ
ロセッサ402は例えば431a~431f等のモジュールを実行するための命令をメモ
リユニット431から検索する。プログラムカウンタが、メモリユニット431内におけ
る命令の場所(location)を決定する。プログラムカウンタは、例えば431a~431
f等のモジュールの各々のプログラム内の現在の位置(position)を識別する数値を記憶
している。プロセッサ402によってメモリユニット431からフェッチされた命令が処
理後にデコードされる。命令は、プロセッサ402内の命令レジスタ内に記憶される。処
理及びデコードの後、プロセッサ402はそれらの各々の命令を実行するのであり、それ
によってそれらの命令によって定義される1つ以上の処理を行う。
【0075】
実行時において、命令レジスタ内に記憶された命令は分析されてなされるべきオペレー
ションを決定する。そして、プロセッサ402は指定されたオペレーションを行う。オペ
レーションには、算術オペレーション及び論理オペレーションが含まれる。中央コンピュ
ーティングシステム401のオペレーティングシステム(OS)が、例えば431a~4
31f等のモジュールの実行のために、入力装置、出力装置、及びメモリユニット431
について割り当てをなすために要される幾つかのタスクを行うための複数のルーチンを、
行う。OSによって行われるタスクには例えば次のものが含まれる:例えば431a~4
31f等のモジュールに及び中央コンピューティングシステム401によって用いられる
データにメモリを割り当てること;メモリユニット431とディスクユニットとの間でデ
ータを移動させること;並びに入出力オペレーションを取り扱うこと。OSは、オペレー
ションによる要求に応じてタスクを行うのであり、タスクが行われた後、OSは実行制御
をプロセッサ402へと戻す。プロセッサ402は実行を続行して1つ以上の出力を得る
。
【0076】
例示目的において、詳細な説明はモジュール(例えば、431a~431f)について
言及するのであり、これらは単一のコンピュータシステムにてローカルで実行されている
も;マルチエンティティ在庫管理システム400及び本明細書にて開示される方法の範疇
は、モジュール(例えば、431a~431f)がOS及びプロセッサ402を用いて単
一のコンピュータシステムにてローカルで実行されている場合に限定されはしないのであ
り、ウェブブラウザとリモートサーバや携帯電話や他の電子装置を用いて通信ネットワー
ク上でリモートな態様で実行できるように敷衍され得る。実施形態では、本明細書にて開
示されるマルチエンティティ在庫管理システム400の1つ以上の部分が通信ネットワー
クと結合された1つ以上のコンピュータシステム(不図示)にわたって分散されている。
【0077】
開示の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサ402によって実行可能なコ
ンピュータプログラム命令を記憶しており、これは1つ以上の施設での異なるエンティテ
ィの製品在庫を管理するため並びにそれらについての異なるエンティティ間での再割り当
て及び交換を管理するためのものである。コンピュータプログラム命令は上述された様々
な実施形態の処理を実装するのであり、必要とされ得る及び想定される追加のステップを
なすのであり、これは1つ以上の施設での異なるエンティティの製品在庫を管理するため
並びにそれらについての異なるエンティティ間での再割り当て及び交換を管理するための
ものである。プロセッサ402によってコンピュータプログラム命令が実行されると、コ
ンピュータプログラム命令はプロセッサ402に、上述のように1つ以上の施設で異なる
エンティティの製品在庫を管理する方法並びに異なるエンティティ間でのそれらの再割り
当て及び交換をなす方法についてのステップを、行わせる。実施形態では、コンピュータ
プログラム命令を含むコンピュータプログラムコードの単一の塊は、上述の方法の1つ以
上のステップを行う。プロセッサ402は、これらのコンピュータプログラム命令を検索
及び実行する。
【0078】
本開示で使用されるように、モジュール又はエンジン又はユニットは、ハードウェア、
ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせを指す。例を挙げるに、モ
ジュール又はエンジン又はユニットは、マイクロコントローラによる実行に適合させてあ
るコンピュータプログラムコードを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体と関連付
けられているマイクロコントローラ等のハードウェアを、含み得る。よって、実施形態で
は、モジュール又はエンジン又はユニットへの言及は、非一時的コンピュータ可読記憶媒
体上に保持されるべきコンピュータプログラムコードを認識及び/又は実行するように特
別に構成されたハードウェアを指す。コンピュータ可読且つ実行可能な命令を含むコンピ
ュータプログラムコードは、任意のプログラミング言語を用いて実装され得るのであり、
例えば次のものがあり得る:C、C++、C#、Java(登録商標)、Fortran
、Ruby、Perl(登録商標)、Pyhton(登録商標)、Visual Bas
ic(登録商標)、ハイパーテキストプロセッサ(PHP)、Microsoft(登録
商標).NET、Objective-C(登録商標)等。オブジェクト指向、機能的、
スクリプティング、及び/又は論理的な他のプログラミング言語をも用い得る。実施形態
では、コンピュータプログラムコード又はソフトウェアプログラムは、オブジェクトコー
ドとして、1つ以上の媒体{上に/内に}記憶される。別の実施形態では、「モジュール
」又は「エンジン」又は「ユニット」との用語は、マイクロコントローラ及び非一時的コ
ンピュータ可読記憶媒体の組み合わせを指す。多くの場合、別個のものとして示されるモ
ジュール又はエンジン又はユニットの境界は、一般的には、変わり得るのでありまた潜在
的には重複し得る。例えば、モジュール又はエンジン又はユニットは、ハードウェアやソ
フトウェアやファームウェアやその組み合わせを共有しつつ、幾ばくかの独立のハードウ
ェアやソフトウェアやファームウェアを有していることができる。様々な実施形態では、
モジュール又はエンジン又はユニットは、任意の適した論理を含み得る。
【0079】
図5A~5Bは、実施形態による、
図4A,4Cに示すマルチエンティティ在庫管理シ
ステム400の中央データベース403について示す。中央データベース403の編成ス
キームについての実施形態では、中央データベース403は次の事項を含む:ベンダテー
ブル501、ベンダの製品テーブル503、ベンダのストック済み在庫テーブル504、
ベンダホワイトリスト/ブラックリスト506、施設テーブル507、輸送車両テーブル
508、格納ビンテーブル509、格納ビン内容物テーブル510、格納場所テーブル5
11、ピック済み注文(PO、picked-order)ビンテーブル512、POビン内容物テー
ブル513、完成注文(FO)ビンテーブル514、顧客テーブル515、顧客注文テー
ブル516、注文ラインアイテムテーブル517、供給品積荷テーブル518、積荷詳細
テーブル519、及び製品予約テーブル520。ベンダテーブル501は、ベンダ識別子
(ベンダ_ID)及び加盟するベンダ502の他の詳細事項を含むのであり、例えばベン
ダの正式法人名称、住所、請求先情報等がこれに含まれる。ベンダテーブル501にて識
別された各ベンダについて、ベンダの製品テーブル503及びベンダのストック済み在庫
テーブル504それそれが、中央データベース403にてその特定のベンダについてのベ
ンダ製品カタログ505を協調的に定義する。ベンダが取り扱う各製品タイプについて、
ベンダの製品テーブル503内のそれぞれの記録が、その特定の製品タイプについての少
なくとも1つの一意的製品識別子を含む。一意的製品識別子は少なくとも1つのグローバ
ル製品識別子(グローバル製品_識別子)を含み、例えばユニバーサル製品コード(UP
C、universal product code)とし得るのであり、それによって特定の実施形態について
後述する際に明らかとなろう目的に関して全ての加盟ベンダ502に対して製品タイプを
認識可能とすることができる。実施形態では、例えば在庫管理単位(SKU、stock keep
ing unit)コード等のベンダ特有の製品識別子(ベンダ製品_ID)が、ベンダの製品テ
ーブル503の各記録内に記憶されている。異なる加盟ベンダ502間での製品について
の共有された識別可能性を要さない実施形態では、標準化されたフォーマットであり他の
加盟ベンダ502によって可読なグローバル製品_IDを伴わずにしてSKUコード又は
別のベンダ製品_IDが単独で用いられる。
【0080】
実施形態では、ベンダの製品テーブル503内の各製品記録は:例えばサイズや色等の
該当製品の製品属性を1つ以上や;製品がマルチエンティティ在庫管理システム400内
を移動するに際して充足されなければならない特定のアクション又は条件を定義するベン
ダ特有の製品取り扱いデータや;ベンダ特有のカスタマイゼーションデータ付加価値サー
ビス(VAS、value-added service)に基づいた運営エンティティによる1つ以上の製
品改変(例えばそれによって提供される再パッケージング、ラベリング、価格タグ付け、
セキュリティタグ付け等)の履行を定義するベンダ特有のカスタマイゼーションデータや
;特定の製品についての制御環境要件又はその欠如についての環境データ(例えば製品自
体の性質からして、その損傷・漏洩・劣化を防止するために又はそれによって発現する危
険を回避・防止・最小化するため等に必要な事柄)等を含む。
【0081】
製品取り扱いデータの例には次の事項に関するフラグ、コード又は命令が含まれる:重
い又は容易に漏洩するアイテムをマルチアイテム注文(multi-item order)の底部に配置
することや、軽い又は易損品をマルチ注文アイテム(multi-order item)の上層に配置す
ることや、製品カテゴリに基づいてアイテムのグルーピング又は分離をなすこと等の製品
詰め込み(packing)要件や;ティッシュ・気泡シート包装・贈答包装・他の包装材料で
製品を包装すること、袋・箱・他の容器内に製品を配置すること、及び異なるブランド付
け・様式化・サイズ決め・ゲージ決めがなされた包装材料・袋・箱・容器等についての選
定をすること等の特定の製品についての特定のパッケージング(packaging)タイプの選
定及び用途についてのパッケージング要件等。製品取り扱いデータの他の例としては:特
別に整備された施設・施設ゾーン・施設ワークステーション・輸送車両{への送付/での
処理/での取り扱い}を特に要する、揮発性・可燃性・他の事由由来の危険性を有するア
イテムの格納及び/又は取り扱いに関する、フラグ、コード又は命令と;交差汚染回避目
的のアレルギー的に安全な食品アイテム取り扱いのためのフラグ、コード又は命令とが含
まれる環境データの例としては:冷凍食品アイテムについての冷凍格納要件についての指
示や、チルドされているが非冷凍の食品アイテムについての冷蔵格納要件についての指示
や、制御環境条件を特に要さない一般的アイテムについての常温格納許容性についての指
示等が含まれる。実施形態では、CIMSは、環境データを用いて、マルチエンティティ
在庫管理システム400のノード施設及び輸送車両内の様々な環境的に異なる若しくは環
境的に制御された格納ゾーン若しくは領域への製品の配置を決定及び制御する。
【0082】
製品取り扱いデータ、カスタマイゼーションデータ、及び環境データのいずれか1つ以
上は、フラグ付けされた注意及び規定された命令が了知若しくは遵守されるべきマルチエ
ンティティ在庫管理システム400における異なる段階に応じて分類されるのであり、例
えば、製品が合致する製品とグループ化され且つベンダの在庫の合致する製品に対して同
じカスタマイゼーションタスク又はVASアクションが注文充足のためにそれをピッキン
グする前に単一区画格納(SCS、single-compartment storage)ビン内にて搬送される
間になされるべきアクションと、完成された顧客注文の最終パッケージング及び詰め込み
に適用されるパッケージング・詰め込み用のフラグ・コード・命令等のさらに下流にてな
されるべき他のアクションとの区別を考え得る。VASアクション/命令の例としては次
の事柄が含まれる:プラスチック袋等の元のパッケージングからの製品の取り出し;セキ
ュリティタグ、値札、有効期限ラベル、例えば冷蔵を要する場合等の警告ラベル、並びに
/又は所有者ベンダの名称及び/若しくはロゴ等のブランディングラベルの追加;並びに
/又は製品についての例えば所有者ベンダのブランドが付されたパッケージング等の当初
のではないパッケージングでの再パッケージング。
【0083】
実施形態では、ベンダの製品テーブル503内の各製品記録は、ベンダの顧客に製品を
販売することが意図されている顧客販売価格と、最高購入価格と、他のベンダに製品を例
えばその在庫不足を充足するために販売することを申し出し得るベンダ販売価格とをさら
に含む。実施形態では、ベンダの製品テーブル503内の各製品記録は、在庫の任意のタ
イミング制約についてのタイミングデータを含む。各ベンダのそれぞれの製品カタログ5
05についてのベンダのストック済み在庫テーブル504には、直接的又は中央データベ
ース403の他のテーブルとの関連で特定の製品の数量及びベンダのためにサプライチェ
ーンエコシステム内にて現在在庫が持たれている在庫有り製品の所在を特定するために十
分なデータが、収められている。ベンダのストック済み在庫テーブル504内の各在庫記
録は次の事項の全部又は一部を含み得る:ベンダの在庫有り製品の1つ以上が現在格納さ
れている格納ビンの特定の区画の区画識別子(区画_ID);区画が属する格納ビンの各
ビン_ID;格納ビンが現在所在する特定の施設の一意的施設識別子(施設_ID)若し
くは格納ビンが現在所在する特定の輸送車両の一意的車両識別子(車両_ID);格納ビ
ンの区画内の在庫有り製品1つ以上のベンダ及び/若しくはグローバル製品_ID;格納
ビンの区画内の在庫有り製品1つ以上の数量;及びインデクスド格納場所のアレイ内に収
容されている場合には、格納ビンが施設又は輸送車両のインデクスド格納場所のアレイ内
にて所在する特定の格納場所の一意的場所識別子(場所_ID)。細分化されたマルチ区
画格納(MCS、multi-compartment storage)ビンを用いる実施形態では、ベンダのス
トック済み在庫(stocked inventory)テーブル504内の各ストック記録(stock recor
d)は最低限で製品_ID及び区画_IDを含み、これから上述の他の随意的記録内容は
図5A~5Bに示す他のテーブルとの関係で導出できる。細分化されたMCSビンが用い
られない実施形態では、区画_IDフィールドを省いて代わりに製品_IDにビン_ID
を伴わせて含めることによって、機能的に等価な目的を充足できる。
【0084】
顧客注文テーブル516が
図5Bに含まれていることから例示されるように、各ベンダ
の顧客注文は中央コンピューティングシステム401によって受信されるのであり、ベン
ダのeコマース販売プラットフォームが中央コンピューティングシステム401に統合さ
れていて顧客注文が顧客から直接に来ようと、又は、ベンダの販売プラットフォームが中
央コンピューティングシステム401に統合されておらず顧客注文がベンダから来ようと
変わらない。マルチエンティティ在庫管理システム400内にて環境的に敏感な製品の環
境的に適切な格納及び輸送を促進するために、中央データベース403内の顧客注文テー
ブル516及び注文ラインアイテムテーブル517についての当初のデータ追加は、顧客
注文ラインアイテムを複数の個別の顧客注文に自動的に分割することを伴うのであり、各
々には自己の注文番号が割り当てられるのであり、異なる注文済みラインアイテムがベン
ダの製品テーブル503内の非合致環境データの製品タイプを指定する場合に特にそうで
ある。各顧客注文の作成に応答して、中央コンピューティングシステム401は、中央デ
ータベース403内の各ベンダのストック済み在庫テーブル504に対して顧客注文のラ
インアイテム内にて指定された製品_IDについてクエリを発するのであり、また、顧客
注文を充足する元とすべき適切なマイクロ施設を識別するのであり、これは例えば、顧客
注文内にて指定された顧客住所又は別の配達宛先又はピックアップ地点に基づいていたり
、又は、それに最も近いナノ施設の識別に基づいているのであってそれに関して特定のマ
イクロ施設が充足された顧客注文をナノ施設に供給する役割を担うことになる。そして、
注文ラインアイテムテーブル516からの顧客注文詳細事項は、識別されたマイクロ施設
の施設管理サブシステム404へと転送される。
【0085】
ストック済み在庫クエリが、顧客注文を識別されたマイクロ施設で充足するのに十分な
手持ちの在庫を既にベンダが有していることを、判明させた場合、そのマイクロ施設の施
設管理サブシステム404へと注文詳細事項を転送することで、後述の処理を介して顧客
注文を充足することが十分に可能なものとなる。注文された製品のいずれかが単一のマイ
クロ施設にて手持ちとなっていないが、近くのマクロ施設で1つ以上のSCSビン内にて
手持ちとなっている場合、実施形態では、注文詳細事項は、依然としてマイクロ施設の施
設管理サブシステム404へと転送されるのであり、ローカル施設データベース407内
にて記録されるのであり、顧客注文が充足準備の整った「詰め込み可能注文」になる前に
、マクロ施設で1つ以上の製品の到着を依然として待っている「オープン注文」としてフ
ラグ付けされる。その間、中央コンピューティングシステム401は、製品要求メッセー
ジをそのマクロ施設の施設管理サブシステム404へと送って、そのマクロ施設にて顧客
注文で必要とされる数量の必要とされる製品を1つ以上のMCSビンに入れることを発動
する。その製品要求メッセージにおいてMCSビンについて指定された入用ベンダ施設_
IDは識別されたマイクロ施設の施設_IDであり、そのマクロ施設からの要求製品はM
CSビン内にて必要とされる数量でマイクロ施設へと輸送される。
【0086】
図5Aでは、施設_ID/車両_ID、場所_ID、及びビン_IDがベンダのストッ
ク済み在庫テーブル504に含められており、特定の製品_IDについてのクエリに応答
して中央データベース403からプルできる様々なデータを示すためにそれらは示されて
いる。実施形態では、そのようなデータをベンダのストック済み在庫テーブル504に冗
長的に含めることを要さずして、他のテーブルとの関係で該データをプルする。同様に、
開示の他のテーブルにて示される冗長データは類似の説明的目的のものであり、実務的に
はより正規化されたDB構造を実装してそのようなデータ冗長性を減じ得ることに留意さ
れたい。ベンダの製品カタログ505内に各製品タイプについてベンダ販売価格を含める
ことに加えて、特に在庫再割り当てトランザクション(例えば、他のベンダとの在庫スワ
ップトランザクションや在庫販売トランザクション等)との関係で各ベンダについて追加
データが、ベンダのホワイトリスト/ブラックリスト506内に記憶される。ベンダのホ
ワイトリスト/ブラックリスト506には、対象のベンダがそのような在庫再割り当てト
ランザクションを許可すると選択した具体的に承認されたベンダについてのベンダ_ID
のホワイトリストか、対象のベンダがそのような在庫再割り当てトランザクションを禁じ
る又は禁止すると選択した具体的に禁じられたベンダについてのベンダ_IDのブラック
リストが記憶されている。禁止ベンダを除いて全てのベンダは、潜在的に承認されたベン
ダと推定される。実施形態では、各ベンダについて再割り当て参加フラグがベンダテーブ
ル501内に記憶されるのであり、該フラグは、ベンダ間のそのような在庫再割り当てト
ランザクションへの参加に関して許可又は禁止することを対象ベンダが選んだことについ
ての該当性の有無を表す。
【0087】
図5Aに示すように、中央データベース403の施設テーブル507は記録を含み、そ
れぞれは、各施設の施設_IDを有する静的フィールドと、例えば所在地住所及び/又は
そのGPS座標やある実施形態では施設が環境的に制御された格納機能を有するかを識別
するための環境データ等の施設に関する追加的関連情報とを含む。実施形態では、マルチ
エンティティ在庫管理システム400の全ての施設が環境的に異なる格納ゾーンに関して
等価な種別を有している場合、施設テーブル507から該環境データは省かれる。中央デ
ータベース403の輸送車両テーブル508は記録を備えるのであって、それぞれは少な
くとも、マルチエンティティ在庫管理システム400の各輸送車両の車両_IDを伴う静
的フィールドと、輸送車両が後に向かうことが定められている施設の施設_IDのための
可変宛先フィールドとを含む。実施形態では、輸送車両の環境的に制御された格納性能に
関する環境データについてのフィールドもある。実施形態では、マルチエンティティ在庫
管理システム400の全ての輸送車両が環境的に異なる格納ゾーンに関して等価な種別を
有している場合、輸送車両テーブル508から該環境データは省かれる。実施形態では、
輸送車両テーブル508は、輸送車両のタイプ、輸送車両の現在若しくは最後のGPS座
標、並びに/又は宛先施設における推定到着時刻(ETA、estimated time of arrival
)が含まれる。
【0088】
中央データベース403の格納ビンテーブル509はマルチエンティティ在庫管理シス
テム400の格納ビン全てのビン_IDを格納するのであり、それぞれは各々の記録内に
あり、それは次の事項も含む:各々の格納ビンが所在する施設の施設_ID若しくは各々
の格納ビンが所在する輸送車両の車両_ID;並びに格納ビンが現在インデクスド格納ア
レイ(indexed storage array)の1つに収容(stow)されている場合は施設又は輸送車
両のインデクスド格納アレイ内に所在する格納ビンの特定の格納場所又は格納ビンが置か
れているか施設の内外にて動かされているロボティックハンドラー若しくはコンベヤ上で
の動的格納場所についての場所_ID。格納ビンがMCSビンとして構成されている実施
形態では、各格納ビン記録は、MCSビンの各区画の各々の区画識別子(区画_ID)を
記憶するための区画フィールドも含む。SCSビンのみが用いられる実施形態では、格納
ビン記録は区画フィールドを含まない。実施形態では、格納ビンテーブル509は環境フ
ラグを記憶し、これは環境条件又は格納ビンの内容物についての要件を示す。
【0089】
実施形態では、中央データベース403の格納ビン内容物テーブル510は、各格納ビ
ンの各区画の内容物を含みその追跡を可能とする。格納ビン内容物テーブル510の各記
録は、次の事項を含む:特定の格納ビン区画の区画_ID;該特定の区画が属する格納ビ
ンのビン_ID;格納ビンの区画内にある1つ以上の製品の製品_ID;格納ビンの区画
内の製品の数量;及び製品を所有するベンダのベンダ_ID。MCSビンが用いられずに
SCSビンのみが用いられる実施形態では、区画_IDフィールドの使用が省かれる。こ
れらの実施形態では、
図5Aに示す格納ビン内容物テーブル510の他のデータフィール
ドは格納ビンテーブル509内に直接的に記憶される。なぜならば、ベンダの在庫有り在
庫の場所を追跡するために各ビンのビン_IDを用い得るからである。
【0090】
図5Bに示されるように、中央データベース403のグローバル格納場所テーブル51
1は、全ての施設及び輸送車両のインデクスド格納アレイの全インデクスド格納場所を列
挙する。したがって、このグローバル格納場所テーブル511内の各記録には、マルチエ
ンティティ在庫管理システム400内での各格納場所の場所_IDと、格納場所が所在す
る施設の施設_ID若しくは格納場所が所在する輸送車両の車両_IDと、その格納場所
が属する環境制御カテゴリを反映する環境状態インジケータと、あるならばその格納場所
に現在格納されている格納ビン若しくは注文ビンのビン_IDとが含まれる。環境状態イ
ンジケータは、格納場所が所与の施設又は輸送車両の常温格納ゾーン・冷蔵格納ゾーン・
冷凍格納ゾーンのどれに所在するかを示す。
【0091】
したがって、全施設及び全輸送車両のインデクスド格納アレイ(indexed storage arra
y)は、マルチエンティティ在庫管理システム400の格納されたビン(stored bin)の
場所のグローバルマッピングのために完全にインデクス付けされており、マルチノーダル
サプライチェーンシステム400の個別の各インデクスド格納場所(indexed storage lo
cation)は、その中の単一の格納ビン(storage bin)各々の配置及び格納に対応するよ
うに具体的にサイズ及び形状が定められているフットプリントを有しており、また、中央
データベース403の記録内には各々の場所識別子又はアドレス(場所_ID)を有する
のであってこれによって任意のインデクスド格納アレイ内に収容(stowed)された任意の
格納ビン(storage bin)の正確な所在をいつでも識別することができるのであり、この
ようなインデクスド格納アレイが輸送車両内に含まれる故に施設間での移送中であっても
これをなし得る。このようにして、ベンダのストック済み在庫テーブル504と施設テー
ブル507と輸送車両テーブル508と格納ビンテーブル509と格納ビン内容物テーブ
ル510とグローバル格納場所テーブル511とを組み合わせることによって、格納ビン
に配置した在庫及び格納ビンに対応した任意のインデクスド格納アレイ内へと取り込まれ
た在庫の全ての場所について記録及び追跡される。マルチエンティティ在庫管理システム
400が常温格納のみを用いており環境的に制御された格納環境(例えば、冷蔵格納ゾー
ン及び/又は冷凍格納ゾーンを含む)を有さない場合、環境データはベンダの製品テーブ
ル503及び施設テーブル507から省かれ、また、環境状態がグローバル格納場所テー
ブル511から省かれる。
【0092】
ベンダ在庫を保持するための格納ビンに加えて、マルチエンティティ在庫管理システム
400は、格納ビンと同じ標準化されたサイズ及び構成のPOビンをも用いるのであり、
これによってこれらPOビン内に配置されたピック済み注文が、メガ施設・マクロ施設・
マイクロ施設及びそれらの間で移動する輸送車両にあるインデクスド格納場所に1:1の
ビン対場所の対応で同様にして格納可能とされる。したがって、中央データベース403
のPOビンテーブル512は格納ビンテーブル509と類似の構造となっている。したが
って、POビンテーブル512の各記録は静的フィールド即ち次の事項を有する:各PO
ビンのビン_ID;POビンが現在所在する施設の可変施設_ID又は各POビンが現在
所在する輸送車両の車両_ID;POビンが現在インデクスド格納アレイの1つに収容さ
れている場合は施設又は輸送車両のインデクスド格納アレイ内に所在するPOビンの特定
の格納場所又はPOビンが置かれているか施設の内外にて動かされているロボティックハ
ンドラー若しくはコンベヤ上での動的格納場所についての場所_ID。
【0093】
実施形態では、POビンはその中に複数の顧客注文を保持し得るMCSビンである。し
たがって、POビンテーブル512の各POビン記録は、各POビンの区画_IDを含む
静的フィールドを含む。この実施形態では、中央データベース403の個別のPOビン内
容物テーブル513は、各POビンの各区画の内容物を追跡する。したがって、POビン
内容物テーブル513内の各記録は次の事項を含む:各POビン区画の区画_ID;該区
画が属するPOビンのビン_ID;該区画内に所在する1つ以上の製品についての特定の
顧客注文の注文番号(order number);該区画内の1つ以上の注文済み製品によって完全
に又は部分的に充足される特定の顧客注文のラインアイテム番号;並びに該区画内の注文
済み製品の数量(quantity)。ラインアイテム及び数量をPOビン内容物テーブル513
に含めることによって、大きめな注文の内容物を複数の区画に散らしたりさらには複数の
POビンに散らしたりすることができる。POビンが複数の区画に細分化されていない実
施形態では、POビンについての区画_IDの使用は省かれる。なぜならば、各注文ビン
たった一つ区画を有するのであり、その場合ピック済み注文(picked order)の所在を識
別するためにはビン_IDが用いられるこれらの実施形態では、POビン内容物テーブル
513は完全に省かれ、代わりに、POビンテーブル512内に直接的に注文番号、ライ
ンアイテム番号、及び数量が記録される。
【0094】
POビン内容物テーブル513内に記録された注文番号は別個の顧客注文テーブル51
6から検索され且つ割り当てられるのであり、各記録は次の事項を含む:それぞれの顧客
注文の注文番号、その顧客注文の充足対象たる顧客の一意的識別子(顧客_ID)、顧客
注文を充足するベンダの一意的識別子(ベンダ_ID)、及び顧客注文に対してその作成
時に適用された任意の配送選好。関連する注文ラインアイテムテーブル517では、各記
録は次の事項を含む:ラインアイテム番号、該ラインアイテムが属する顧客注文の注文番
号、顧客注文のラインアイテムを充足するのに要する製品タイプの製品_ID、及び該ラ
インアイテムについて充足するべき製品タイプの数量。各顧客の顧客_IDも別個の顧客
テーブル515内に記憶されており、それと共に他の顧客アカウント情報も記憶されてお
り、これには各顧客の氏名、住所、及び請求先情報が含まれる。
【0095】
ピック済み(picked)注文が置かれるマルチ区画POビンに加えて、実施形態では、マ
ルチエンティティ在庫管理システム400は単一区画FOビンも用いるのであり、顧客に
よるピックアップ又は顧客への配達のために個別の顧客注文が完成状態にパッケージング
されたらば(packaged)これに詰められる(packed)。実施形態では、FOビンは、格納
ビン及びPOビンとは異なるより小さな標準化サイズであり、例えばそれら他の格納ビン
の約半分のサイズとされる。より小さなFOビンは、メガ施設・マクロ施設・マイクロ施
設・それらの間を移動する輸送車両のインデクスド格納アレイとは互換性がなく、代わり
に、ナノ施設にて用いられる異なるタイプのインデクスド格納アレイ向けにサイズ及び構
成が定められている。
【0096】
中央データベース403のFOビンテーブル514は次の事項を含む静的フィールドを
備える:FOビンのそれぞれ1つについてのビン_ID、FOビン内に所在する1つ以上
の製品についての特定の顧客注文の注文番号;FOビンが現在所在する施設の施設_ID
又は各FOビンが現在所在する輸送車両の車両_ID;FOビンが現在インデクスド格納
アレイの1つに収容されている場合は施設又は輸送車両のインデクスド格納アレイ内に所
在するFOビンの特定の格納場所又は格納ビンが置かれているか施設の内外にて動かされ
ているロボティックハンドラー若しくはコンベヤ上での動的格納場所についての場所_I
D。複数のFOビン間で大きな注文の分散を許容するために、実施形態では、FOビンテ
ーブル514内の各記録は、FOビン内の1つ以上の注文済み製品によって完全に又は部
分的に充足される特定の顧客注文のラインアイテム番号と、該FOビン内の注文済み製品
の数量とをさらに含む。実施形態では、FOビンテーブル514は次の事項をさらに記憶
する:顧客の一意的識別子と、顧客注文の充足及び/又は返品についての状態。
【0097】
中央データベース403の供給品積荷テーブル518には、新たな在庫をマルチエンテ
ィティ在庫管理システム400(典型的にはメガ施設)に配達するように予定された期待
在庫供給品積荷についての事項が入っている。供給品積荷テーブル518の各記録には次
の事項が含まれる:期待供給品積荷の一意的識別子(積荷_ID)、供給品積荷の源泉と
なるサプライヤの一意的識別子(サプライヤ_ID);運営主体によって代理受領されて
いる積荷の受領者たるベンダ(即ち新たに到着する在庫を所有するベンダ)のベンダ_I
D;及び供給品積荷の配達が予定されている施設の施設_ID。供給品積荷の内容物は別
個の積荷詳細テーブル519において列挙されており、各記録は次の事項を含む:期待供
給品積荷内の製品の各ケースについての一意的識別子(ケース_ID)、ケースが属する
積荷の積荷_ID、ケース内に含まれる製品タイプの製品_ID、及びケース内にある製
品タイプの数量。中央データベース403内の製品予約テーブル520は次の事項を記憶
する:入用ベンダのベンダ_ID、在庫有りベンダのベンダ_ID、対象製品のグローバ
ル製品_ID、及び予約量。
【0098】
図5C~5Dは、実施形態による、
図4A~4Cに示すマルチエンティティ在庫管理シ
ステム400のローカル施設データベース407及びローカル車両データベース420に
ついて示す図である。マルチエンティティ在庫管理システム400のローカル施設データ
ベース407の組織スキームについての実施形態では、ローカル施設データベース407
は施設格納テーブル522を含むのであり、これにおいては該特定の施設の格納アレイの
それぞれの格納場所のみがインデクス付けされるのであり、
図5Bに示す中央データベー
ス403のグローバル格納場所テーブル511(こちらはマルチエンティティ在庫管理シ
ステム400の全ての格納場所についてのグローバルインデクスを代わりに提供する)と
は異なる。グローバル格納場所テーブル511と類似しており、施設格納テーブル522
の各記録は次の事項を含む:各格納場所についての場所_IDのための静的フィールド、
該格納場所が属する環境制御カテゴリ(例えば、常温格納ゾーン・冷蔵格納ゾーン・冷凍
格納ゾーン)を表す環境状態インジケータ、及び存在するならばその場所に現在格納され
ている格納ビンのビン_ID。
【0099】
ローカル施設データベース407は自動化機材情報テーブル523をさらに備えるので
あり、これは、例えば特定の施設にて動作可能なロボティックハンドラーやコンベヤ等の
自動化機材の各個の一意的識別子(機材_ID)のための静的フィールドを含む。ロボテ
ィックハンドラーは、インデクス付けされており、また、格納ビンを施設内外にて動かす
際に格納ビンを配置及び位置決めするための動的格納場所を、定義する。実施形態では、
コンベヤは、格納ビンの施設内での移転又は{施設/輸送車両}から{輸送車両/施設}
への移転がなされる際の格納ビンの格納場所をも定義する。格納ビンがロボティックハン
ドラー又はコンベヤによって施設の内外にてナビゲートされる際に、機材_IDは格納ビ
ンの場所_IDとして用いられて、格納ビンの連続的追跡を可能とする。自動化機材情報
テーブル523は、施設の内外にて現在ロボティックハンドラー又はコンベヤによって保
持・移動されている格納ビンのビン_IDのための可変フィールドをさらに含む。自動化
機材情報テーブル523は、例えば機材タイプ(例えば、ロボティックハンドラー又はコ
ンベヤ)や自動化機材のリアルタイムでの場所等他の情報も記憶している。別の実施形態
では、例えばフォークリフト等の手動オペレーションズ機材も機材_IDへとマッピング
されており、動的格納場所を定義する。この実施形態では、格納ビンが施設内にて手動オ
ペレーションズ機材によって手動的に操作される際に、手動オペレーションズ機材の機材
_IDは格納ビンの場所_IDとして用いられて、格納ビンの連続的追跡を可能とする。
【0100】
ローカル施設データベース407は1つ以上のオンサイトビンテーブル525を含み、
これは当該特定の施設の現地に現在ある全ての格納ビン及び/又は注文ビンのビン_ID
を列挙する。実施形態では、ローカル施設データベース407のオンサイトビンテーブル
525は次の事項を記憶するためのフィールドを有する:各格納ビンの空/占有中状態、
環境フラグ、各格納場所の場所_ID、宛先施設_ID、及びタイミングデータ。複数の
ビンタイプを有する施設に関しては、実施形態では、各ビンタイプはそれぞれ自己のオン
サイトビンテーブル525をローカル施設データベース407内にて有している。ローカ
ル施設データベース407はワークステーション情報テーブル524をさらに含み、これ
には次の事項が含まれる:当該特定の施設に所在する異なるワークステーションの一意的
識別子(ワークステーション_ID);各そのようなワークステーションについて、ワー
クステーションにて行われる作業オペレーションズのタイプを表すワークステーションタ
イプ(例えば、取り込みワークステーション、付加価値サービス(VAS、value-added
service)ワークステーション、キット化ワークステーション、ピッキングワークステー
ション、詰め込みワークステーション等);施設内のワークステーションの場所(例えば
これは、ロボティックハンドラーを動かすように命令するアドレス形式並びに/又はコン
ベヤ若しくは他の自動化ビン捌き機材による格納ビンの移動若しくは搬送を命令するアド
レス形式とされている);そのワークステーションにて備蓄されている作業用品(例えば
、パッケージング、ラベリング、及びタグ付け用品)の識別事項;ある実施形態では、1
つ以上のワークステーションカテゴリフィールドが含まれ、該フィールドは、他の同じタ
イプのワークステーションから該ワークステーションを区別する該ワークステーションに
て提供される特化した何らかのオペレーティング特性又は機能を指定するカテゴリフィー
ルドとされ得る(例えば、特定の製品クラスとの互換性又は非互換性を示すカテゴリフィ
ールド(例えば、露出した食品の取り扱いのためのより厳格な衛生基準に準拠した食品級
ワークステーションや;アレルギー誘発性製品が禁じられるアレルゲン禁制ワークステー
ションであって随意的にはサブカテゴリによって編成されたワークステーション(例えば
、ピーナッツ禁制、木の実禁制、グルテン禁制、貝類禁制、乳製品禁制等)や;他のワー
クステーションカテゴリでは禁止される危険物のために特に設けられた危険物ワークステ
ーション。実施形態では、カテゴリ化はフラグ基準でなされ、特化したワークステーショ
ンのみが特別なカテゴリでフラグ付けされるのであり、任意のそのようなフラグの欠如は
一般物品ワークステーションを示すのであってそこでは制限製品クラス(例えば、危険物
や露出型食品等)以外のあらゆるものがその潜在的アレルゲン含有性を問わずに許容され
得る。ローカル施設データベース407は施設情報テーブル521をさらに含み、これは
図5Aに示す中央データベース403の施設テーブル507内のと同じ又は似た内容を記
憶するためのものである。実施形態では、施設情報テーブル521は、随意的には、その
施設に現在所在する空の及び占有中の格納ビンの数量を識別するビン数量データを記憶す
る。
【0101】
図5Dに示すように、各ローカル車両データベース420は車両格納テーブル527を
備え、これにおいては当該特定の輸送車両の格納アレイの各格納場所のみがインデクスさ
れている。各ローカル施設データベース407の施設格納テーブル522と類似しており
、車両格納テーブル527の各記録は次の事項についての静的フィールドを有する:輸送
車両のインデクスド格納アレイ内の各格納場所についての場所_ID、該格納場所が属す
る環境制御カテゴリ(例えば、常温格納ゾーン・冷蔵格納ゾーン・冷凍格納ゾーン)を表
す環境状態インジケータ、及び存在するならばその場所に現在格納されている格納ビンの
ビン_ID。実施形態では、ローカル車両データベース420は自動化機材情報テーブル
528をさらに備えるのであり、これは
図5Cに示す自動化機材情報テーブル523に類
似しており輸送車両内に搭載されている自動化機材を記憶するためのものである。ローカ
ル車両データベース420は1つ以上のオンボードビンテーブル529をさらに備えるの
であり、これは現在輸送車両に搭載されている全ての格納ビン及び/又は注文ビンのビン
_IDを列挙する。ローカル車両データベース420は車両情報テーブル526をさらに
含み、これは
図4A,4Cに示す中央データベース403の輸送車両テーブル508内の
と同じ又は似た内容を記憶するためのものである。実施形態では、車両情報テーブル52
6は、随意的には、その輸送車両に現在搭載されている空の及び占有中の格納ビン並びに
/又は注文ビンの数量を識別するビン数量データを記憶する。
【0102】
図5E~Fは、実施形態による、異なるカテゴリの格納ビン424a,424b,42
4c,424dに記憶されたローカルデータについて示す図である。データは格納ビン4
24a,424b,424c,424dのモバイルデータ記憶装置426上に記憶されて
おり、例えば
図4A,4Cに示される中央コンピューティングシステム401の中央デー
タベース403や施設管理サブシステム404のローカル施設データベース407や車両
管理サブシステム416のローカル車両データベース420にて用いられているものに類
似した表形式データベースフォーマットとされ得る。ベンダ在庫を保持する格納ビン42
4a,424bのモバイルデータ記憶装置426上において、ビン情報テーブル530は
次の事項を記憶する:格納ビンの静的ビン_ID;格納ビンの区画_ID;並びに少なく
とも環境的に特有な格納ビンが用いられる実施形態(例えば、冷温格納と常温格納とで及
び/又は冷温格納の異なるクラス(例えば、冷蔵や冷凍)間で異なる材質又は異なる構成
の格納ビンを用いる場合)では、施設及び輸送車両の異なる環境的に制御された格納ゾー
ンとの格納ビンの適合性の有無を指定する環境フラグ。実施形態では、ビン情報テーブル
530は次の事項をさらに含む:ビン取り扱いデータであって、これは例えば、ビン取り
扱いデータを、
図5Aに示されたベンダの製品テーブル503からの製品取り扱いデータ
と、比較することによって所定の製品タイプについて特定の格納ビンを選択して、格納ビ
ンが製品取り扱い要件に対応しているか否かをチェックすることに際して有用たり得るビ
ン取り扱いデータ;
図4A~4Cに示されるマルチエンティティ在庫管理システム400
を通して格納ビンを輸送すべき特定の施設、地理的領域又は他の宛先を識別する宛先デー
タ;及び格納ビンの意図された宛先への配達に関しての任意のタイミング制約に関するタ
イミングデータ。ビン情報テーブル530内のビン取り扱いデータについての1つの例と
しては、特定の格納ビンがアレルゲン禁制格納ビンであるとの指定を挙げ得るのであり、
この場合、1つ以上の特定のアレルギー誘発性製品カテゴリのもの(例えば、ピーナッツ
、木の実、グルテン、貝類、乳製品等)が置かれてはならないものとされる。
【0103】
さらに、ベンダ在庫を保持する格納ビン424a,424bのモバイルデータ記憶装置
426上では、内容物テーブル531が任意の時点における格納ビンの可変内容物につい
て記録する。この内容物テーブル531の各記録は次の事項を含む:格納ビンの各区画の
区画_ID、格納ビンの区画内に格納された製品タイプの製品_ID;格納ビンの区画内
に格納された製品タイプの数量、及び各製品タイプの該数量が属する特定のベンダのベン
ダ_ID。SCSビン424aが用いられる実施形態では、区画_IDをビン情報テーブ
ル530及び内容物テーブル531に含めることは随意的であり、省略可能である。また
、ベンダ在庫を保持する格納ビン424a,424bのモバイルデータ記憶装置426上
の製品情報テーブル532には、該格納ビンの1つ以上の区画内に含まれる製品の1つ以
上のベンダのベンダ製品テーブル503のフィールドからの事項が入力される。格納ビン
424a,424bの製品情報テーブル532内の各記録は、したがって内容物テーブル
531からのそれぞれのベンダ及び/又はグローバル製品_ID、並びにそのベンダのベ
ンダ製品テーブル503内の対応する製品記録からの全部又は一部のフィールドのコピー
を含むのであり、例えば、1つ以上の施設内での取り扱い及びカスタマイゼーション並び
に施設及び輸送車両両方内での環境的配置を定めるのに用いられる取り扱いデータ・カス
タマイゼーションデータ・環境データが含まれる。
【0104】
さらに、マルチ区画POビン424cのモバイルデータ記憶装置426の内容はMCS
ビン424bのそれと似ており、例えば、ビン情報テーブル530及び製品情報テーブル
532の内容という側面で随意的には完全に又は実質的に同一とされ得るも、カスタマイ
ゼーションデータが随意的に省略されたり内容物テーブル531の側面で異なったりし得
るのであり、POビン424cはピック済み顧客注文を保持するためのものであり未だピ
ックされていないベンダ在庫とされていない故にビン内容物は顧客注文によって識別され
る。POビン424cについては、内容物テーブル531内の各記録は次の事項を含む:
POビン424cの各区画の区画_ID、区画内にピック済み製品タイプを有する特定の
顧客注文の注文番号、該顧客注文の充足対象たる特定の顧客の顧客_ID、区画内のピッ
ク済み製品タイプによって充足された顧客注文内の各ラインアイテムを識別するラインア
イテム番号、ピック済み製品タイプの製品_ID、区画内のピック済み製品タイプの数量
、及びピック済み製品タイプのピック元となった特定のベンダのベンダ_ID。実施形態
では、POビン424cのモバイルデータ記憶装置426内に記憶された内容物テーブル
531内の各記録には、宛先データ及び注文タイミングデータが含まれる。
【0105】
また、単一区画FOビン424dのモバイルデータ記憶装置426の内容はマルチ区画
POビン424cのそれと似ており、例えば、ビン情報テーブル530・ビン内容物テー
ブル531・製品情報テーブル532の内容という側面で随意的には完全に又は実質的に
同一とされ得るも、FOビン424dの単一の区画_IDは随意的に省略され得る。MC
Sビン424bがその異なる区画内において複数の異なる製品を含むことになってしまう
このようなマルチSKUな文脈では、モバイルデータ記憶装置426の格納ビン内容物テ
ーブル531及び製品情報テーブル532に複数の記録が書き込まれることになってしま
うのであり、各々はそこに含まれる製品の各々の異なる1つに関するものである。1つ以
上の他の施設における特定のベンダの在庫ニーズに基づいて、MCSビン424bに、単
一のベンダの製品カタログ305からの複数の製品が詰め込まれるも、MCSビン424
bのマルチ区画性故にMCSビン424bに関してマルチベンダ詰め込みをなすことが可
能となるのであり、MCSビン424bの各区画_IDには、カタログ済み製品アイテム
がその区画に置かれる異なるベンダのベンダ_IDが割り当てられる。よって、実施形態
では、部区数のベンダがいずれも現在の所与の施設から別の施設への在庫移転を要する場
合、各々の内容物がそれらの異なるベンダに属する異なるSCSビン424aはキット化
ワークステーションに届けられるのであり、製品をこれらのベンダ特有のSCSビン42
4aからベンダ共有されたMCSビン424bの異なる区画へと移転するためにこれがな
される。そのようなビン共有を可能とするため、MCSビン424bのモバイルデータ記
憶装置426上のビン内容物テーブル531内の各記録は、その区画内の製品の所有者た
る各々のベンダのベンダ_IDを含む。異なるベンダのSCSビン424aからMCSビ
ン424bへの製品移転の際、施設管理サブシステム404はしたがってSCSビン42
4aのモバイルデータ記憶装置426からベンダ_IDを読み取るのであり、このベンダ
_IDをMCSビン424bのモバイルデータ記憶装置426上にそのSCSビン424
aからの製品が置かれる区画の各々の区画_IDとの関連で記録する。そのようなベンダ
共有MCSビン424bの場合、中央コンピューティングシステム401によってそのベ
ンダ共有MCSビン424bについてマクロ施設へと送信されたビン構成データセットは
複数のベンダ_IDを含み、各々は1つ以上の製品_IDと関連付けられており、各々は
MCSビン424bの区画の各1つの区画に置かれるべきものとされる。
【0106】
図5A~5Dに示される中央データベース403、ローカル施設データベース407、
及びローカル車両データベース420並びに
図5E~5Fに示される様々な格納ビン42
4a~424dのモバイルデータ記憶装置426内での特に例示されたデータの編成及び
組織化並びにそれらの様々な記録内に含まれる特定のフィールドの特定の選択は、単に例
示目的で供されているにすぎず、本明細書にて開示される実施形態の範囲を限定すること
は意図されていないことに留意されたい。識別された特定のフィールドは一般的には本明
細書にて詳述された様々な実施形態の運用上の詳細事項に特に関するものであるも、追加
の又は無関係の機能性のために追加のデータを他の実施形態が用いたり、特に詳述された
実施形態内にて示されたフィーチャや機能のサブセットによって特徴付けられる他の実施
形態に不要な随意的データを省いたりできる。
【0107】
図6Aは、実施形態による、マルチエンティティ在庫管理システム400を順方向又は
下流方向に向かうサプライ、在庫及び注文が入った格納ビンについてのワークフローにつ
いて示す図である。
図6Aでは、一連のメガ施設・マクロ施設・マイクロ施設10,12
,14における到着方向及び出発方向の輸送行為が例示されており、製造者、サプライヤ
、及び/又は外部の・パートナーの・契約関係有りのエンティティ等のエンティティによ
って運営される流通センタ(以下、「サプライヤ」という。)からの到着供給品積荷60
1a,601bがメガ施設10にて受領されることによってことが始まる。マルチエンテ
ィティ在庫管理システム400は、個別のノード施設10,12,14,16、並びに、
供給品積荷と製品在庫と顧客注文とマルチエンティティ在庫管理システム400にてこれ
らを格納・輸送するために用いられる格納ビン・注文ビンとの関係でのそこにおける及び
それらの間でのワークフローを、管理する。メガ施設10に到着する到着供給品積荷の少
なくとも1つの幾つかは典型的にはフルケース積荷601aであり、各ケース(例えば、
段ボール箱、再利用可能トート、又は他の容器)は製品タイプを1つのみ(即ち、合致す
る製品_IDの製品のみ)を含む。本開示で使用されるように、「在庫管理単位(SKU
、stock keeping unit)」との用語は、一意的製品識別子を指すために用いられるのであ
り、即ちグローバル製品識別子又はベンダ特有製品識別子が含まれる。よって、単一SK
Uケース又は単一SKUビンとは、同じタイプの製品を含むケース又はビンを指すのであ
り、これら製品の等価性がそれらの製品によって共有される合致するSKU、合致するユ
ニバーサル製品コード(UPC、universal product code)、又は合致する別のグローバ
ル若しくはベンダ特有製品識別子のいずれによってもよい。フルケース積荷601aは多
くの場合パレット化された形式(即ち、パレット402として)でサプライヤからメガ施
設10に到着する。したがって、各メガ施設10は、フルケース積荷601aを脱パレッ
ト化するための脱パレット化ステーションを少なくとも1つ備える。他の到着するフルケ
ース積荷601aはパレット化積荷ではなくばらケース型積荷たり得るのであり、その場
合脱パレット化は要されず、また、メガ施設10内の脱パレット化ステーションは省かれ
るかバイパスされることができる。
【0108】
パレット化されているもの又はばら状態のものであれ、従来型の製品パッケージング(
例えば、段ボール箱や輸送用トート等)で受領されたフルケース積荷601aとの関係で
追加的に又は代替的には、到着供給品積荷は随意的には予めビンされた積荷601b,6
01cを含むことができ、製品はメガ施設・マクロ施設・マイクロ施設10,12,14
のそれぞれとの互換性を有する格納ビン424a,424bを用いてサプライヤから配達
される。このような場合、サプライヤからメガ施設10に予めロードされた状態で来る到
着格納ビン424aは、SCSビン424aとされ得るのであり、各々は、製品を到着し
たSCSビン424aから他のSCSビン424aへと移転する単一化(singulation)
ステップを行うことを要せずにメガ施設10のインデクスド格納アレイ内へと直接的に取
り込まれ得る合致する製品タイプの製品のみを、含む。
【0109】
メガ施設10にて詰められた又は予めビン入れされた積荷601bを介して受領された
SCSビン424a(以下、「単一SKUビン」ともいう。)は、下流に向かってマクロ
施設12の1つへ輸送するためにメガ施設10から例えばセミトレーラトラック等の大型
輸送車両415aに積み込まれる。所定の任意のマクロ施設12にて、施設管理サブシス
テム404は、
図4A~4Cに示される中央コンピューティングシステム401と通信す
るのであり、これが進行形でマルチエンティティ在庫管理システム400の様々な施設に
おける様々なベンダの予測される在庫ニーズ又は現在の在庫ニーズを特定するのであり、
それによって、マクロ施設12にて手持ちとなっている製品によって充足可能な、所与の
マクロ施設12の下流に所在するマイクロ施設14での或いは随意的には他のマクロ施設
12での在庫ニーズを、識別する。
【0110】
マクロ施設12では、SCSビン424aはキットが入れられた下流に向かうマルチ区
画格納ビン(DMCS、downstream-headed multi-compartment storage)424bを詰
めるためにマクロ施設12にて用いられる。DMCSビン424b(「複数SKUビン」
ともいう。)は、下流に向かってマイクロ施設14の1つへと輸送するために、マクロ施
設12から例えばセミトレーラトラック等の大型輸送車両415bに積み込まれる。実施
形態では、マイクロ施設14は、例えばベンダ及び/又は外部サプライヤの1つ以上によ
って所有及び運営されている、又は契約している外部流通センタからの予めビンされた供
給品積荷401c等のマルチエンティティ在庫管理システム400の内外の他の施設から
DMCSビン424bを受領する。マイクロ施設14にある格納ビンは、他の格納ビン4
24a,424bとは異なるより小さな標準化サイズ及びフットプリントを有する完成注
文(FO、finished-order)ビン424dとされる。実施形態では、これらのFOビン4
24dは他の格納ビン424a,424b,424cの約半分のサイズ及びフットプリン
トとされるのであり、各々は顧客注文を1つのみ内包するように意図されており、したが
ってDMCSビン424bのようにその内部が細分化されていることを要さない。この実
施形態では、これらのより小さなFOビン424dは、
図4A~4Cに示されるメガ施設
10、マクロ施設12、及びマイクロ施設14のインデクスド格納アレイ及びロボティッ
クハンドラー408並びに
図4A~4Cに示される輸送車両415a,415bのビンカ
ルーセル422aとは互換性を有しておらず、代わりに、ナノ施設16及び輸送車両41
5cにて用いられる異なるタイプのインデクスド格納アレイ向けに特化されたサイズ及び
構成とされている。輸送車両415cは、輸送車両415aを小規模にした変種である。
【0111】
詳細な説明では、格納ビン424a,424bについての2つのカテゴリは次の観点か
ら互いに区別されている:区画化の度合い、即ち非区画化SCSビンと区画化MCSビン
との違い;及びそこに置かれる製品の混合又は非混合性に関する特徴、即ち単一SKUS
CSビン内に置かれる合致する製品_IDの単一製品タイプの非混合製品と複数SKUM
CSビン内に置かれる合致しない製品_IDの複数製品タイプの混合製品との違い。もっ
とも、他の実施形態では、2つのカテゴリはいずれも区画化ビンを伴うのであり、その場
合次の事項の任意の1つ以上に基づいて2つのカテゴリ間の区別がもたらされる:各カテ
ゴリの格納ビンが有する区画の数量;各カテゴリの格納ビン内にて受領された内容物の混
合/非混合性;及び
図4A~4C及び
図6A~6Bに示されるマルチエンティティ在庫管
理システム400を通じての製品ワークフローにおいて各カテゴリのこれら格納ビンにも
のが入れられる順序、即ち、ベンダ在庫ニーズを充足するために供給品積荷としてマルチ
エンティティ在庫管理システム400に入ってくる「サプライヤ製品」が第1のカテゴリ
の格納ビン424aに入れられており、第1のカテゴリの格納ビン424a内でマルチエ
ンティティ在庫管理システム400内へと以前取り込まれており且つ注文充足の際にピッ
キングの準備ができている既に在庫化された「ベンダ製品」が第2のカテゴリの格納ビン
424bに入れられている。実施形態では、第1のカテゴリの格納ビン424aは、複数
の区画を有する細分化された内部を伴う区画化ビンでもあるが、第2のカテゴリの格納ビ
ン424bに比して有する区画の数量がより少ないのであり、それによって詳細な説明と
同様の関係性が維持されるのであって、第2のカテゴリのMCSビン424bは第1のカ
テゴリのSCSビン424aよりも多い区画数を有する。
【0112】
マクロ施設12及びマイクロ施設14の間での輸送を主たる目的又は専らの目的として
いる輸送車両415bは、格納ビンをメガ施設10及びマクロ施設12の間で輸送するた
めに用いられるのと同じ大型車両415aたり得る。「メガ-マクロ輸送車両」415a
及び「マクロ-マイクロ輸送車両」415bとの用語は、メガ及びマクロ施設10,12
間を移動する輸送車両を、マクロ及びマイクロ施設12,14間を移動する輸送車両から
区別するために本明細書にて用いられる。実施形態では、これらの輸送車両は構成に関し
て相互に同一又は類似であり、主たる差異点又は専らの差異点はどの施設を担当するかと
いう点に関する。
【0113】
図6Bは、実施形態による、マルチエンティティ在庫管理システム400を逆方向又は
上流方向に向かう空及び顧客返品格納ビン424a,424b,424dについてのワー
クフローについて示す図である。格納ビンが下流方向(downstream direction)に移転さ
れて施設から出発輸送車両へと向かう在庫管理ワークフローの各点においては、1つ以上
の格納ビンが逆の上流方向(reverse upstream direction)に移転される。例えば、メガ
施設10からの製品入りSCSビン424aが、マクロ施設12の到着積み込みドックに
て到着したメガ-マクロ輸送車両415aからオフロードされている場合、マクロ施設1
2からの空のSCSビン424aは、到着する製品入りSCSビン424aの元となって
いるメガ施設10と同じ所へと送還するために、同じメガ-マクロ輸送車両415aに積
み込まれる。して、メガ施設10に帰着したならば、輸送車両415aは、マクロ施設1
2からの空のSCSビン424aのセットを降ろして、マクロ施設12又は輸送車両41
5aが次に向かうべきものとして予定されている別の宛先へとまた輸送すべきSCSビン
424aの次なるセットを拾う。この実施形態では、同じメガ施設10への空のSCSビ
ン424aの上流送還が参照されるのであり、輸送車両415aが以前行ったマクロ施設
12からのことであり、その空のSCSビン424aが回収されるのであり、別の実施形
態では、輸送車両415aは、このマクロ施設12を出発して、輸送車両415aの出発
元とは異なる上流のメガ施設10へと向かう。即ち、輸送車両415aは空のSCSビン
424aを、マクロ施設12から、同じ輸送車両415aがそのマクロ施設にものが入っ
たSCSビン424aを届けたばかりのとは異なるメガ施設10へと持って行く。したが
って、SCSビン424aに関しての施設と輸送車両との間での任意の移転は、SCSビ
ン424aについてのスワップ又は交換を伴うのであり、例えば空のSCSビン等の上流
方向に向かう格納ビン及び例えばものが入ったSCSビン等の下流方向に向かう格納ビン
が相互に交換される。
【0114】
本明細書にて開示されるマルチエンティティ在庫管理システム400は在庫管理ワーク
フローの自律的で整然とした管理を実施するのであり、格納ビン424a,424b,4
24dはエンドポイントを含む各ノード施設10,12,14,16にて1対1の対応(
即ち1:1)で交換されて、マルチエンティティ在庫管理システム400を通じての順方
向及び逆方向の格納ビン424a,424b,424dの流量が等価且つ連続的とされる
ことが可能となる。マルチエンティティ在庫管理システム400は、したがって、施設1
0,12,14,16及び対応する輸送車両415a,415b,415cにおける1:
1でのトランザクションを可能とするのであり、それによって
図6Bに示される格納ビン
424a,424b、424dの逆行流量が
図6Aに示される順行流量と同じになること
が可能となり、それによってマルチエンティティ在庫管理システム400が整然としたも
のとなる。
【0115】
図4Aの詳細な説明にて開示したように、
図6A~6Bに示される各輸送車両415a
,415b,415cには、輸送車両415a,415b,415cの動き及び場所を追
跡するGPS装置419と、輸送車両415a,415b,415cの現在の場所を中央
コンピューティングシステム401へと伝達する広域通信装置418とが装備されている
。中央データベース403内のストック済み在庫テーブル504に対して、輸送車両41
5a,415bで現在輸送中の任意の格納ビン424a,424b内に格納された製品に
ついてのクエリを発すると、その格納ビン424a,424bの現在のGPSによる場所
が格納ビン424a,424bの乗っている輸送車両415a,415bのGPS座標に
基づいて報告される。同様に、中央データベース403に対して、輸送車両415c上で
現在輸送されているFOビン424dについてFOビンテーブル514に注文番号が記録
されている任意の顧客注文についてのクエリを発すると、そのFOビン424dの現在の
GPSによる場所が、FOビン424dの乗っている輸送車両415cのGPS座標に基
づいて報告される。その結果、
図4Bに示される格納ビン及び注文ビン424に関しての
マルチエンティティ在庫管理システム400における包括的な監視及び追跡が達成される
。
【0116】
様々な施設での積み込み/積み降ろし手順について先述された例は空の格納ビンの上流
へのフローに関するものであるが、同様の態様で他の格納ビンを上流方向に輸送すること
もできる。例えば、ナノ施設16にてドロップされた顧客返品を含む注文ビンを備える格
納ビンは、マルチエンティティ在庫管理システム400内の上流施設付近に所在するベン
ダ・サプライヤ・製造者に返品するために上流へと輸送されるか、又は、運営エンティテ
ィがベンダ・サプライヤ・製造者の代理で顧客返品を取り扱う契約を結んでいる場合には
運営エンティティへと輸送される。例えば、顧客注文にて1つ以上の欠陥品・不適切にサ
イジングされた製品・不十分な製品を受け取った場合に製品返品をなす顧客は、ベンダ又
は(例えばベンダの販売/返品プラットフォーム等のeコマースプラットフォームが運営
エンティティのプラットフォームに統合されている場合には)運営エンティティへと製品
返品リクエストを送るのであり、それに応答して、製品返品エントリが
図4Aに示されて
いる中央データベース403にて生成されるのであり、これには顧客に最も近いナノ施設
16の施設_IDが含まれており、これは例えば元の注文からの
図5Bに示される中央デ
ータベース403の顧客注文テーブル516内に記憶されている顧客住所に基づいており
、或いは後に生成された返品エントリにて識別されるか、或いは自らの返品リクエストに
て顧客によって指定された任意の他のナノ施設ともされ得る。
【0117】
図4Aに示される中央コンピューティングシステム401は選択されたナノ施設16に
空の注文ビンがあるかについてチェックするのであり、空の注文ビンを検出したらば、中
央データベース403においてのその注文ビンの記録された状態を指定された「返品」ビ
ンに更新するのであり、例えば
図5Bに示されるFOビンテーブル514内の充足/返品
状態フィールドによってこれがなされる。中央コンピューティングシステム401はこの
状態変化について施設管理サブシステム404にもシグナリングをするのであり、次に、
図5Fに示される指定返品ビンのモバイルデータ記憶装置426上の内容物テーブル53
1内の同じ充足/返品状態フィールドを無線的に更新するのであり、そのような状態がロ
ーカル施設データベース407に記憶されている場合には該データベースについても同様
とされる。中央コンピューティングシステム401は、注文ピックアップアクセスコード
に似た注文返品ドロップオフコードをもユーザに送る。注文返品ドロップオフコードは、
指定された返品ビンのインデクスド格納場所へのアクセスをユーザに与えるのであり、ユ
ーザはそこにベンダ・サプライヤ・製造者へと返品されるべき製品を置く。ものが入った
FOビン424dを有するマイクロ-ナノ輸送車両415cがナノ施設16に今度到着し
、且つ、それがそこから返品製品がマイクロ施設14へと向かってまた上流に向けてルー
ティングされて目的とされたマイクロ施設14の返品ワークステーションへと或いはそこ
を介して輸送されることが予定されている場合、指定された返品ビンはそのマイクロ-ナ
ノ輸送車両415c上に(随意的には空のFOビン及び/又は他の指定返品ビンと共に)
積み込まれる。
【0118】
したがって、ナノ施設16であろうと任意の他の施設であろうと、実施形態では、施設
と輸送車両との間での任意の格納ビン移転は、少なくとも1つの部分的又は完全的に自動
的な態様で行われるビンスワップ又はビン交換を伴うのであり、例えば次のいずれかが想
定される:専らものが入った格納ビンを専ら空の格納ビンとスワップすること(例えば、
ものが入ったDFOビンを専ら空のUFOビンに代えること等);専らものが入った格納
ビンを専らものが入った格納ビンとスワップすること(例えば、ものが入ったDFOビン
を専ら返品UFOビンに代えること等);又は専らものが入った格納ビンをものが入った
格納ビン及び空の格納ビンの組み合わせとスワップすること(例えば、ものが入ったDF
Oビンを空の及び返品のUFOビンに代えること等)。したがって、第1の施設にてドロ
ップオフされる1つ以上の格納ビンの各グループ(例えば、空の格納ビン、ものが入った
格納ビン又はこれらの組み合わせ)は、第2の施設へ出発する1つ以上の格納ビンのグル
ープ(例えば、空の格納ビン、ものが入った格納ビン又はこれらの組み合わせ)と交換さ
れるのであり、これは、そのような出発する格納ビンは第1の施設にて現在必要とされて
はいないということに基づいているか、又は第2の施設における格納ビンに関しての不足
若しくは需要に基づいている。
【0119】
輸送車両は、例えばメガ-マクロ、マクロ-マイクロ、及びマイクロ-ナノ等のあるク
ラスの施設から別のへとなされる上流方向/下流方向のクラス間輸送に専従する必要はな
く、また、実施形態では、同一クラス内の異なる施設間での水平的クラス内輸送に関与で
きる。したがって、上述の実施形態にて開示されたように、各々の輸送車両/施設につい
ての移転段階における格納ビンの交換又はスワップは、下流方向に向かう格納ビンを上流
方向に向かう格納ビンと交換することには限定されないのであり、「下流方向に向かう」
ビン及び「上流方向に向かう」ビンとの語は、積み込みドックにおけるビンスワップ又は
交換に関与する格納ビン2セット間での区別及びある施設の出発積み込みドックから別の
施設の到着積み込みドックへの格納ビンの輸送する際の区別を確保する便宜のために用い
られる。このようにして、「下流方向に向かう」格納ビンは、ある施設の出発積み込みド
ックを出発したときから別の施設の到着積み込みドックに着くまで一貫してそのように呼
称されることができるのであり、「到着ビン」及び「出発ビン」と呼称する方式とは異な
るのであり、後者ではビンについての同じセットが輸送中に呼称を変えることになる。し
たがって、輸送車両の積み込み及び積み降ろし中の格納ビンの似たようなスワップ若しく
は交換並びに施設・輸送車両・格納ビン間でのデータ交換は、そのような交換がなされて
いる具体的な施設及び輸送車両が向かう次の具体的な施設とは無関係になされる。
【0120】
図7は、実施形態による、
図4A~4C,6A~6Bに示されるマルチエンティティ在
庫管理システム400のメガ・マクロ・マイクロ施設10,12,14の各々内のインデ
クスド格納場所についての3次元アレイを完全に又は部分的に定義するように構成された
3次元グリッド格納構造700についての斜視図である。
図7に示されるように、3次元
グリッド格納構造700は、高位水平面内に配置されたグリッド上部トラック(track)
レイアウト701を備えるのであり、これは地表面に近い下部水平面内に配置されており
合致及び整列されたグリッド下部トラック(track)レイアウト702の上にある。これ
らの整列されたグリッド{上部/下部}トラックレイアウト701,702の間には、棚
状格納場所の3次元アレイがあり、各々は格納ビン424をそれぞれその中に保持できる
。格納場所は垂直カラム703として配列されており、そこでは等しいスクエアフットプ
リントの格納場所が互いの上に整列されている。そのような各垂直カラム703は棚及び
格納ビン424を何ら有さない垂直方向に直立なシャフト704と隣接しており、それに
よってロボティックハンドラー408がそれ通って垂直移動を可能ならしめるのであり、
隣り合う格納カラムの格納場所はこのオープンな垂直方向に直立なシャフト704からロ
ボティックハンドラー408によってアクセス可能である。ロボティックハンドラー40
8のフリートは各トラックレイアウト701,702を2次元的に水平的に横切り、また
、オープンな垂直方向に直立なシャフト704を介して2つのトラックレイアウト701
,702の間を垂直的に横切るように構成されている。
【0121】
トラックレイアウト701,702のそれぞれは、各々の水平平面のx方向に沿うx方
向レールのセットと、x方向レールに直交して同じ水平平面のy方向に沿うy方向レール
のセットとを備える。交差するレールは格納システムの水平基準グリッドを定義するので
あり、交差するレールは格納システムの水平基準グリッドを定義するのであり、各水平グ
リッド行は隣接するx方向レールのペアの間で画定され、また、各水平グリッドカラムは
隣接するy方向レールのペアの間で画定される。水平グリッドカラムの1つと水平グリッ
ド行の1つとの間の各交点は、各垂直カラム703又は各直立シャフト704の位置を規
定する。即ち、各垂直カラム703及び各直立シャフト704は、基準グリッドの各デカ
ルト座標点に所在するのであり、それはx方向レール2つとy方向レール2つとの間で境
界確定された各エリアにある。どちらかのトラックレイアウトでの4つのレールの間で画
されたそのような各エリアは、トラックレイアウトの各々の「スポット」ともいう。グリ
ッド格納構造700内の各格納場所の3次元アドレス付けは、与えられた垂直レベルによ
って完成されるのであり、そこにて各格納カラム内の所与の格納場所が所在する。即ち、
各格納場所の3次元アドレスは、3次元グリッド格納構造700内の格納場所の水平グリ
ッド行、水平グリッドカラム、及び垂直カラムレベルによって決せられる。したがって、
グリッド格納構造700は、格納場所についての3次元アレイを定義するのであり、各々
はグリッド格納構造700内のそれぞれのデカルトアドレスによって識別可能である。実
施形態では、拡張トラック及び他のグリッド構造は、グリッド格納構造700に結合され
ており、他のエリア(例えば、施設のワークステーションや積み込みドック等)に誘導及
びサービスをもたらすのであり、それによってグリッド格納構造700とそのような他の
エリアとの間及びそのような他のエリア同士の間で格納ビン424を搬送することが可能
となる。
【0122】
様々な実施形態では、
図4A~4C,6A~6Bに示されるメガ施設・マクロ施設・マ
イクロ施設10,12,14にて用いられるこのようなタイプのグリッド格納構造700
及びロボティックハンドラー408に代わって、各施設にて所定サイズ及び構成の標準化
格納ビン424を同様に受領・格納・取り出しできる他のタイプのインデクスド格納アレ
イ及び協調型ロボティックハンドラーが用いられる。本開示で使用されるように、グリッ
ド格納構造700及び対応するロボティックハンドラー408については、標準化格納ビ
ン424の所定サイズは、ロボティックハンドラー408の上部プラットフォーム上並び
にグリッド格納構造700内の角棚状格納場所のフットプリント及び領域内に収まるよう
に構成されたサイズ及びフットプリントを指す。格納ビン424の構成はロボティックハ
ンドラー408の伸縮可能なアームによるかみ合いをそこにてもたらすための適切な特徴
を指すのであり、それによって格納ビン424を格納場所からロボティックハンドラー4
08上へと引き出すこと及び格納ビン424をロボティックハンドラー408から格納場
所内へと押し込むことを可能とするように動作可能である。他のタイプの格納アレイ及び
ロボティックハンドラーが用いられる場合、他のタイプの格納アレイ及びロボティックハ
ンドラーが用いられる場合、標準化格納ビン424の所定のサイズ及び構成は、格納アレ
イ構造/環境の具体的詳細事項、及び構造/環境内にて運用されている協調型ロボティッ
クハンドラーによって、定義される。
【0123】
実施形態では、各施設は、常温/室温となっている常温格納エリア及び環境的に不安定
な在庫のための1つ以上の環境的に制御された格納エリア(該エリアは、例えば常温未満
の温度の冷蔵エリアやさらに低温の冷凍エリア等の1つ以上の寒冷格納エリアを備える。
)の両方を備える。実施形態では、そのような各環境的に異なる格納エリアは、施設の全
体のインデクスド格納アレイのそれぞれの部分を含むのであり、例えばこれらの各環境的
に異なる格納エリア内の別個のグリッド格納構造を伴ってアレイ全体の格納場所のそれぞ
れのサブセットを定義できる。別の実施形態では、環境的に異なる格納エリアは、本明細
書にて例示される実施形態について後述される共有単一格納構造の環境的に隔離されたゾ
ーンである。他の実施形態では、施設のサブセットのみが、相違する環境的条件の環境的
に異なる格納エリアを複数有する。例えば、
図6A~6Bに示されるマルチエンティティ
在庫管理システム400の大きめな上層施設の全て(例えば、メガ施設10及びマクロ施
設12等)は、各々が複数の環境的に異なる格納エリアを備えるのであり、一方、下層施
設たるマイクロ施設14及びナノ施設16の部分的なサブセットのみが環境的に制御され
た格納エリアを備えるのであり、これら下層に属する他の施設は随意的には常温格納のみ
に割り当てられている。実施形態では、環境的に異なる格納エリアの個数及びそれらの相
対的比率及びグリッド格納構造700における配置は、可変とされ得る。グリッド格納構
造700を環境的に異なる格納エリアに細分化することによって、環境的に異なる格納エ
リアは、グリッド格納構造700上にて運用されるロボティックハンドラー408の同じ
共通フリートによって担当される。別の実施形態では、施設10,12,14のより異な
る環境的に制御されたサブセクション内の小さな別個の格納構造が、環境的に隔離されて
異なる格納エリアに細分化された単一グリッド格納構造700の代替として、採用されて
いる。
【0124】
「施設ベースドアレイ」及び「車両ベースドアレイ」との用語は、静的な施設10,1
2,14,16における
図4A~4C,6A~6Bに示される格納アレイと輸送車両41
5a,415bにおける格納アレイとを区別するために本明細書にて用いられる。輸送車
両415a,415bのビンカルーセル422a,422bは格納場所の動的アレイを形
成するのであり、「動的格納アレイ」と称するのであり、各カルーセルプラットフォーム
は一意的な場所_IDを有する各々の格納場所を表し、これはローカル車両データベース
420の車両格納テーブル527内及び中央データベース403のグローバル格納場所テ
ーブル511内に格納される(
図5D,5Bにそれぞれ図示)。もっとも、車両ベースド
アレイ内の各格納場所(storage location)は、各々のビンカルーセル422a,422
bの操作によって各輸送車両415a,415bのトレーラ1003内にて異なる位置(
position)に動かすことが可能である。この点は、グリッド格納構造700内の各格納場
所が固定された静的な位置(fixed static position)にあり動的に可動な位置(dynamic
ally movable position)とされないマルチエンティティ在庫管理システム400の施設
10,12,14の静的インデクスド格納アレイとは異なる。輸送車両415aにて動的
格納アレイを用いることによって、トレーラの後部扉より格納ビン424a,424bを
利便性良く積むことができる。他の実施形態では、輸送車両415a,415b内にて異
なるタイプのインデクスド格納アレイを用いることができ、例えばメガ施設・マクロ施設
・マイクロ施設10,12,14にて用いられるロボットによるサービスがなされるグリ
ッド格納構造のミニチュア版や、人間又はロボットによるサービスがなされる格納ビン4
24a,424bの標準的サイズ及び形状に特別にフィットするように適切にサイズが定
められた個別格納場所(例えば、棚や小さな収納スペース等)付きの別の格納アレイが想
定されるのであり、各格納場所は各々の場所_IDによってローカル車両データベース4
20及び中央データベース403にてインデクス付けされる。例えばカルーセルプラット
フォーム等の動的格納場所がトレーラの後端から直接的に積み込まれる実施形態では、メ
ガ施設・マクロ施設・マイクロ施設10,12,14のいずれか内のグリッド格納構造7
00からの拡張トラック(track)は積み込みドックに延びるのであり、これはグリッド
格納構造700にサービスをもたらすロボティックハンドラー408のフリートと同じフ
リートを用いて自動化した態様で輸送車両415a,415bについて直接的な積み込み
及び積み降ろしをなすためになされるのであり、それによって格納ビンを他の自動化取り
扱い機材又は人員に中継的に移転することを回避できるのであってそれらの拡張トラック
が複数の積み込みドックを担当する共有積み込みグリッド構造の一部であろうと又は所定
の施設の異なる積み込みドックに向かう明確に別個のトラックシステムであろうと変わら
ない。
【0125】
本明細書にて開示されるマルチエンティティ在庫管理システム400は、複数のベンダ
が注文充足及び在庫管理のための国家規模又は他の大規模でのインフラを共有することを
可能とする。施設のネットワーク及びそれらの間を移動する輸送車両の双方を備えるマル
チエンティティ在庫管理システム400全体は、在庫が正確に追跡及び再分配される単一
的格納環境を形成する。上述はメガ施設10からナノ施設16への典型的な下流方向フロ
ー経路について説明するものであるが、標準化格納ビンとメガ・マクロ・マイクロ施設1
0,12,14及びそれらの間を移動する各輸送車両にて用いられる標準化格納アレイタ
イプとの互換性によって、任意のメガ・マクロ・マイクロ施設10,12,14からの格
納ビンが任意の他のそのような施設へと輸送されることが可能となる。したがって、任意
のベンダの在庫は戦略的に分配されることができ、マルチエンティティ在庫管理システム
400の国家的規模の又は他の地理的規模の領域の任意の所への速達配送を可能とする。
実施形態では、供給品積荷の単一化及びメガからマクロへのビン移転は通常24時間以内
に達成され、複数SKUキット化及びマクロからマイクロへのビン移転は通常4~6時間
以内に達成され、並びに注文キット化及びマイクロからナノへの移転は通常2時間以内に
達成される。
【0126】
図8Aは、実施形態による、第1の地理的領域と第2の地理的領域との間での、コンピ
ュータで実装されたベンダ間在庫スワップの効果について示す概略図であって、第2の地
理的領域の入用ベンダのストック済みビンの所有が、第1の地理的領域の別のベンダのス
トック済みビンにデジタル的に移転されて、第1の地理的領域の入用ベンダの在庫不足を
克服する際の、概略図である。上述のように、格納ビン424a又は、格納ビン424b
の区画は、格納ビン424a,424bの詰め込みの際に特定のベンダに割り当てられる
のであり、これは各々のビン又は区画内に各ベンダの製品のどれが置かれるかに基づいて
なされるのであり、次のようになされる:ベンダのベンダ_IDは、その製品が置かれる
格納ビンのビン_ID又は区画の区画_IDに対して、
図5Aに示される中央データベー
ス403の格納ビン内容物テーブル510内にて、書き込まれるのであり;そのビン_I
D又は区画_IDについてベンダのストック済み在庫テーブル504内にて記録であって
格納ビン又は区画内に置かれた製品の製品_ID及び数量も含まれる記録が作成されるの
であり;また、 実施形態では、適切なビンデータが、
図4B,5E~5Fに示される格
納ビンのモバイルデータ記憶装置426に、そのベンダ_ID及び製品_IDが投入され
る内容物テーブル531内の記録に加えて、書き込まれて、製品が置かれた格納ビン又は
区画のビン_ID又は区画_IDに対してこれが記録及びリンクされる。実施形態では、
格納ビン424a及び、格納ビン424bの区画の、この割り当て可能な性質は、随意的
には、サプライチェーンエコシステム内において一方のベンダから別のベンダへと在庫を
再割り当てする際にも用いられる。実施形態では、
図4A~4Cに示されるマルチエンテ
ィティ在庫管理システム400は、コンピュータ実装されたベンダ間在庫スワップを実装
するのであり、次の場合にこれがなされる:一方のベンダ(以下、「入用ベンダ」という
。)が1つ以上の入用製品に関しての需要(例えば、 1つ以上の実際の顧客注文に基づ
いた実際の需要(actual demand)又は歴史的トレンドに基づいた予測需要(predicted d
emand)又は現在の若しくは最近の事象に基づいた予想取り込み(anticipated uptake)
)を、特定の施設で又は施設のネットワークの地理的広がりの特定のサブ領域内にて、充
足するのに不十分な手持ちの在庫しか有していないが(即ち、在庫不足の場合)、別のベ
ンダ(以下、「在庫有りベンダ」という。)が入用ベンダの在庫不足先の施設又はサブ領
域にて入用製品に関しての利用可能在庫を有している場合。この実施形態では、ベンダ間
在庫スワップは、第2の地理的領域にある入用ベンダのストック済みビンと第1の地理的
領域にある別のベンダのストック済みビンとに関して所有のデジタルスワップをなすこと
を含み、これによって入用ベンダの第1の地理的領域内での在庫不足を克服する。
【0127】
製品再割り当ての例を検討するに、Y市の顧客がベンダAに関して特定の製品タイプに
ついての製品について発注したが、ベンダAがY市内に又はY市付近の任意のマクロ・マ
イクロ・メガ施設にてその製品タイプのその製品の在庫を有していない場合を検討する。
この例では、ベンダAが入用ベンダであり、Y市の施設に関して特定の製品タイプの顧客
注文製品についての在庫不足に陥っている。この例では、ベンダBが、入用製品をY市内
の又はY市付近の自己のメガ・マクロ・マイクロ施設にて在庫として有している。
図4A
,4Cに示される中央コンピューティングシステム401は、顧客注文を受信し、また、
注文された製品についてベンダAの製品カタログ505に対してクエリを発するのであり
、その製品についてY市内又はY市付近の任意の施設ではベンダAの在庫が足りないこと
を見出すも、この例では、Z市の格納ビン424a内にその製品の在庫があるとされてお
り、これでは(例えば
図5Bに示される顧客注文テーブル516内に記憶された配送選好
によって定義されたタイミング制約に基づいた)顧客注文の適時的充足をなすには遠すぎ
る所に所在している。ベンダAにおける当該在庫不足を識別した後、中央コンピューティ
ングシステム401は、顧客注文製品タイプのグローバル製品_IDについて他のベンダ
の製品カタログ505のストック済み在庫テーブル504に対してクエリを発して、 ベ
ンダBがY市内又はY市付近のメガ・マクロ・マイクロ施設にて入用製品を有しているこ
とを識別する。
【0128】
図8Aに例示的に示されているようにベンダA及びベンダBの在庫有り製品が両方共に
SCSビン424a内にあり、且つ、ベンダAのZ市におけるSCSビン424a及びベ
ンダBのY市におけるSCSビン424aの数量が等しい場合、実施形態では、中央コン
ピューティングシステム401はベンダBのY市のSCSビン424aをベンダAに再割
り当てして、また、ベンダAのZ市のSCSビン424aをベンダBに再割り当てするの
であり、これをなすためには、ビン_ID及び/又はそれらの区画_ID(マルチエンテ
ィティ在庫管理システム400においても用いられているマルチ区画格納ビンを含めた故
にストック済み在庫テーブル504内にて区画_IDが必要となる実施形態の場合)をデ
ジタル的にスワップするのであって、これらは所与の製品についてそれぞれのストック済
み在庫テーブル504内にて両ベンダの製品カタログエントリに現に記録されており、ま
た、それら2つの格納ビン424aについて中央データベース403の格納ビン内容物テ
ーブル510内に記憶されているベンダ_IDをデジタル的にスワップする。
【0129】
図8Bは、実施形態による、コンピュータで実装されたベンダ間在庫スワップの効果に
ついて示す概略図であって、複数区画格納(MCS、multi-compartment storage)ビン
424bの1つ以上の区画の所有がデジタル的に再割り当てされて、地理的領域内の入用
ベンダの在庫不足を克服する際の、概略図である。
図8Bに例示的に示されているように
ベンダA及びベンダBの在庫有り製品が両方MCSビン424b内にあり、且つ、Z市の
MCSビン424bのベンダAの区画の製品数量とY市のMCSビン424bのベンダB
の区画の製品数量とが等しい場合、実施形態では、
図4A,4Cに示される中央コンピュ
ーティングシステム401は、ベンダAによって必要とされている製品を含むY市の施設
にあるMCSビン424bのベンダBの区画を、ベンダAに再割り当てするのであり、ま
た、ベンダBの製品とスワップされるべき製品を含むZ市の施設にあるMCSビン424
bの対応するベンダAの区画を、ベンダBに再割り当てするのであり、これをなすために
は、それら2つの区画の区画_IDを2つのベンダのストック済み在庫テーブル504に
てスワップし、また、それら2つの区画に関して格納ビン内容物テーブル510内に記憶
されたベンダ_IDをスワップする。SCSビン又はMCSビンの区画がこの態様でスワ
ップされているか否かにかかわらず、2つの施設にある
図4A~4Cに示される施設管理
サブシステム404は、中央コンピューティングシステム401によって、2つの格納ビ
ン424a,424bの無線通信ユニット425と各々通信して
図5E~5Fに示される
そのモバイルデータ記憶装置426上のビンデータを更新することをなすように命令され
るのであって、特に、スワップされたベンダ_IDをそれら2つの格納ビン424a,4
24bのビン内容物テーブル531内にて記録し、また、各格納ビン424a,424b
に書き込まれているベンダ_IDのベンダについてのベンダ特有製品情報に基づいて製品
情報テーブル532を更新し、また、宛先及びタイミングデータをY市の施設にある格納
ビン424a,424bからZ市の施設にある格納ビン424a,424bへと移す。
【0130】
Y市の施設にある格納ビン424a,424bは、Z市の施設にある格納ビンから宛先
及びタイミングデータの再割り当てを受けるよりは、代わりに、ベンダAの在庫不足の具
体的なニーズに従っての新たな宛先及びタイミングデータが割り当てられる。即ち、Y市
の施設にある再割り当てされた格納ビン424a,424bに関して、その宛先施設フィ
ールドを、ベンダAの在庫不足に関しての充足を要している施設の施設_IDで再書き込
みするのであり、また、そのような施設への再配置がなされることが必要とされる緊急度
に従ってそのタイミングデータを再書き込みする。例えば、在庫不足がベンダAの顧客か
らのオープン注文に応答するものであり且つY市の再割り当て格納ビンはY市のメガ施設
に現在所在しているSCSビン424aである場合、実施形態では、SCSビン424a
には、その顧客注文が充足後に届けられるべき特定のナノ施設を担当するマイクロ施設の
施設_IDが、割り当てられるのであり、また、そのオープン顧客注文についての配送選
好によって定義される優先度状態又は目標配達日に従ったタイミングデータが割り当てら
れる。
【0131】
したがって、オープン顧客注文について、再割り当てされた格納ビン424aはDSC
Sビンとして識別可能(identifiable)であり、メガ施設10を出発して特定のマクロ施
設12へと向かう特定のマイクロ施設14(これ自体は
図6Aに示される特定のナノ施設
16を担当する)を担当する次の輸送車両415aに積み込まれるものである。メガ施設
10にてそのような輸送車両415aのために積み込み/積み降ろし手順(procedure)
が次になされるのであり、その際はメガ施設管理サブシステム404は、次のことについ
て命令する:
図4A~4Cに示されるロボティックハンドラー408によってY市のメガ
施設にある再割り当てSCSビン424aの回収と、再割り当てSCSビン424aを輸
送車両415a上への移転。マクロ施設12に到着したらば、再割り当てSCSビン42
4aは(該当するならば)マクロ施設12でなされる積み込み/積み降ろし処理(proces
s)での即時のVAS処理を要するものとして認識(recognize)される。再割り当てSC
Sビン424aがマクロ施設12に到着したことが通知されたらば、中央コンピューティ
ングシステム401は、再割り当てSCSビン424a内に含まれる製品についての不足
数量t、製品についての不足数量を輸送すべき輸送先の特定のマイクロ施設14の施設_
IDとを統合して、米国特許出願第16/805,810号(当該出願の開示全体が参照
して取り込まれる)に開示されたキット化処理のために受けられた製品要求のビン構成デ
ータセットとする。ビン構成データについての各セットは次の事項を含む:入用施設にて
1つ以上の製品タイプを要する入用ベンダのベンダ_ID;それらの製品タイプの各々に
ついての製品_ID;入用施設にて要される各製品タイプの数量;マクロ施設12にて製
品タイプを必要量含んでいるSCSビン424aのビン_ID;入用施設の施設_ID;
及び配達タイムライン制約又は製品ニーズの充足に関する緊急性に関するタイミング情報
。
【0132】
中央コンピューティングシステム401はロボティックハンドラー408に対してトリ
ガを発して、再割り当てSCSビン424aをマクロ施設12のキット化ワークステーシ
ョンへと持ってこさせるのであり、これは、製品についての不足数量をMCSビン424
bであってその(製品についての不足数量が置かれている区画についての)宛先施設フィ
ールドが特定のマイクロ施設14の施設_IDをもって更新される、MCSビン424b
へと移転するためになされる。MCSビン424bは即時輸送として識別されるのであり
、したがって、ロボティックハンドラー408によって(出発積み込みドック(outbound
loading dock)に既にある場合)そのマイクロ施設14へと向かう次の輸送車両415
bに積み込まれるのであり、或いは、実施形態では、ロボティックハンドラー408によ
ってマクロ施設12のインデクスド格納アレイ内に一時的にバッファされ、そして後に、
同じ又は別のロボティックハンドラー408によってそこから候補たるDMCSビンとし
てプルされるのであって、これはマクロ施設12の出発ドック(outbound dock)への輸
送車両415bの到着の際になされる次の積み込み/積み降ろし処理中になされる。マイ
クロ施設14に到着したらば、MCSビン424b内の製品についての不足数量(shortf
all quantity)は、オープン顧客注文(open customer order)の未決製品需要を充足す
るものとして認識されるのであり、したがって、マイクロ施設14の注文ピッキングワー
クステーションへとルーティングされて、出願人の米国特許出願第16/805,810
号(当該出願の開示全体が参照して取り込まれる)に開示される注文充足処理の遂行のた
めにこれがなされるのであり、結果として、充足済み注文の特定のナノ施設16への輸送
がなされる。不足製品数量(shortfall product quantity)は、再割り当て製品数量以下
とし得ることに留意されたいのであり、よって、MCSビン424bは、再割り当て製品
数量の全部又はサブセットのみを含み得ることに留意されたい。
【0133】
在庫不足がベンダAの顧客からのオープン注文(open order)に応答するものであり且
つ再割り当て製品在庫がメガ施設10ではなくマクロ施設12にあるSCSビン424a
内に所在する別の例の場合、マクロ施設12の施設管理サブシステム404は、充足後に
そのオープン顧客注文(open customer order)が届けられるべき特定のナノ施設16を
担当するマイクロ施設14の施設_IDをSCSビン424aのモバイルデータ記憶装置
426に書き込みするのであり、そのオープン顧客注文についての配送選好によって定義
される優先度状態又は目標配達日に従ったタイミングデータを割り当てるのであり、また
、実施形態では、出願人の米国特許出願第16/805,810号(当該出願の開示全体
が参照して取り込まれる)に開示される処理に準拠した、再割り当てSCSビン424a
についてのVAS処理を随意的に要請するのであるも、SCSビン424aの製品情報テ
ーブル532内のベンダAの新たに書き込まれた製品記録で定義されている場合に限られ
るのであり、先述の段落で開示されるようにキット化処理のコマンド及び後続のステップ
が続く。再割り当て製品在庫がマクロ施設12にてSCSビン424aではなくMCSビ
ン424b内に所在する別の例の場合、マクロ施設12の施設管理サブシステム404は
MCSビン424bの内容物テーブル531内の適切な区画特有記録の宛先施設フィール
ド及びタイミングデータフィールドを再書き込みして、オープン顧客注文に割り当てられ
た特定のナノ施設16を担当するマイクロ施設14の施設_IDを示すのであって、それ
によって、再割り当て製品在庫を含むMCSビン424bが、マクロ施設12の出発積み
込みドックに到着し且つその得意のマイクロ施設14へと仕向けられている次の輸送車両
415bのために実行される積み込み/積み降ろし処理においての候補DMCSビンと看
做される。
【0134】
在庫不足がベンダAの顧客からのオープン注文に応答するものであるが、Y市の施設に
ある再割り当て格納ビンは既にマイクロ施設14に所在しておりその顧客注文に関して特
定のナノ施設16を担当するMCSビン424bである更なる別の例の場合、MCSビン
424bが既に意図された宛先にある故にそのMCSビン424b上の宛先施設_ID及
びタイミングデータは変更されることを要さない。この例では、中央コンピューティング
システム401は、マイクロ施設14の施設管理サブシステム404に対して、従前はオ
ープンな顧客注文であったものが今となっては充足可能な注文であることを通知するので
あり、このMCSビン424bの再割り当て区画内の製品がベンダAの在庫に追加された
故のことであり、これに応答してマイクロ施設14の施設管理サブシステム404は出願
人の米国特許出願第16/805,810号に開示される注文充足処理を実行するのであ
り、施設管理サブシステム404はロボティックハンドラー408による再割り当てMC
Sビン424bのグリッド格納構造からの自動回収を命令して、MCSビン424bをマ
イクロ施設14の注文ピッキングワークステーションへと持ってくる。
【0135】
先述の例では、入用ベンダAに再割り当てされる格納ビン424a,424bは在庫流
通ワークフロー経路を辿るのであり、SCSビン424aからの在庫製品は、MCSビン
424bから顧客注文がピックされるマイクロ施設14へと向かうように輸送される前に
、マクロ施設12にてMCSビン424bへと移転される。実施形態では、入用ベンダA
に再割り当てされた注文済み製品は代替的な方法に従って取り扱われるのであり、1つ以
上の在庫流通ワークフローステップが省かれる。例えば、注文製品を伴う再割り当てSC
Sビン424aは、マクロ施設12の施設_IDをもってSCSビン424aの新たな宛
先施設として更新される代わりに、注文の充足がなされるべき特定のマイクロ施設14(
即ち、注文に割り当てられているナノ施設16を担当するマイクロ施設14)の施設_I
Dが割り当てられるのであり、注文製品を含む再割り当てSCSビン424aはマクロ施
設12のマクロ施設キット化処理をバイパスするのであり、注文製品は、上流でマクロ施
設12にて注文製品が移転された先たるMCSビン424bではなく、マイクロ施設14
にて再割り当てSCSビン424aから直接的にピッキングされる。
【0136】
また、上述の例は、デジタルスワップがなされる内容物の格納ビン424a,424b
が再割り当て時に施設内に所在しているというシナリオを含むも、同じ処理は、内容物の
デジタルスワップがなされる格納ビン424a,424bの一方又は両方がメガ・マクロ
・マイクロ施設10,12,14間を移動する輸送車両415a,415b上に所在する
シナリオにおいても行われ得るのであり、その場合、SCSビン424a又はMCSビン
424b上のモバイルデータ記憶装置426に対してなされるデータ更新は、
図4A~4
Cに示される施設管理サブシステム404によってではなく、輸送車両415a,415
bの車両管理サブシステム416によってなされる。更新されたビンデータは輸送車両4
15a,415bが次に到着する施設にてなされる積み込み/積み降ろし処理にて読み取
られるのであり、これは、格納ビンを適切なワークステーションへの移転を自動的に規律
するためだったり、そこにてなされる格納ビンとのワーカ相互作用を自動的に規律するた
めだったり、又は格納ビンのクロスドッキングを自動的に規律するために用いられるので
あり、新たに改訂されたビンデータに従ってのことである。
【0137】
等しい数量でのデジタルスワップについて別の例を検討されたいのであり、当該例では
、ベンダA及びベンダBのうちの一方がSCSビン424a内にその在庫有り製品を有し
ており、ベンダA及びベンダBのうちの他方がMCSビン424b内にその在庫有り製品
を有しており、SCSビン424a及びMCSビン424b内の数量は等しい。この例で
は、中央コンピューティングシステム401は、ベンダBのY市の在庫有り製品をベンダ
Aに再割り当てして、また、ベンダAのZ市の在庫有り製品をベンダBに再割り当てする
のであり、これをなすために、それらの各々のストック済み在庫テーブル504内にそれ
らの製品に関して現在記録(recorded)されている区画_IDをスワップし、また、対応
するMCSビン424b及びSCSビン424aの区画についての格納ビン内容物テーブ
ル510内に記憶(stored)されているベンダ_IDをスワップする。中央コンピューテ
ィングシステム401は、2つの格納ビン424a,424bのモバイルデータ記憶装置
426上のビンデータを更新するように施設管理サブシステム404に対して命令するの
であり、SCSビン424aのモバイルデータ記憶装置426の更新態様は先述のSCS
からSCSへのデジタルスワップシナリオと同様であるも、MCSビン424bのモバイ
ルデータ記憶装置426の更新処理はビン内容物テーブル531内にて影響を受ける区画
の特定の記録に対してのみの更新を伴う。区画固有の製品内容物が再割り当てされたばか
りのベンダと同じ者のために同じ製品タイプを含む同じMCSビン424b内に他の区画
がある場合、MCSビン424bのモバイルデータ記憶装置426の更新処理は、その中
の他のベンダの製品記録に対しての上書きではなく、新規記録を製品情報テーブル532
に追加することを伴う。
【0138】
2つのベンダの製品の両方がSCSビン424a内に見つかったのであり且つ2つのS
CSビン424a内の数量が等しくない場合、実施形態では、中央コンピューティングシ
ステム401は、注文製品をより多い数量含むSCSビン424a(以下、「より豊かな
SCSビン(fuller SCS bin)」という。)が所在する施設の、又は、そのより豊かなS
CSビンを輸送している輸送車両が到着することとなっている施設の、施設管理サブシス
テム404に対して次のことをなさせる命令を伝える:ロボティックハンドラー408の
1つに、より豊かなSCSビンをグリッド格納構造から回収させるか、若しくは、より豊
かなSCSビンが施設に到着したらばより豊かなSCSビンを積み込みグリッド構造から
リルートさせること、及び、より豊かなSCSビンをワークステーションに届けさせるこ
と。また、中央コンピューティングシステム401は、次のことをなさせる命令を施設管
理サブシステム404に伝える:ロボティックワーカの自動制御を命じる又はワークステ
ーションのHMIを介して人間の作業員に指図することをなして、注文製品の部分的数量
をそのより豊かなSCSビンから別の好適には空のSCSビンへと移譲(divest)するこ
とであって、これは2つのベンダのSCSビン424a内の注文製品の数量を均衡させる
ためになされる。そして、施設管理サブシステム404は中央コンピューティングシステ
ム401に対してシグナリングを行って次のことをなさせる:中央データベース403の
格納ビン内容物テーブル510内のその以前はより豊かであった(formerly-fuller)S
CSビンの記録内に記憶されている数量を、そこから移譲された製品数量でデクリメント
すること、及び、2つの今となっては均衡化されたSCSビン424aのビン_ID/区
画_IDをそれらの各々のストック済み在庫テーブル504内の2つのベンダの製品カタ
ログエントリ間でスワップすること。また、中央コンピューティングシステム401は、
余剰製品の移譲先の異なるSCSビンのビン_IDについての記録をその余剰製品の移譲
元となったSCSビン424aのベンダ(以下、「より在庫を有するベンダ」という。
)のストック済み在庫テーブル504内に作成することと、この異なるSCSビンに移転
(transfer)された製品の数量をこの記録に書き込むことと、このより在庫を有するベン
ダのベンダ_IDをこの異なるSCSビンについて格納ビン内容物テーブル510内に記
録することとをなす。よって、製品の所有は、2つのベンダのうち在庫がより少ないもの
によって又は少なくとも2つの格納ビンが均衡化されることとの具体的関係で「在庫がよ
り少ない」ものによって定義されている数量について、スワップされるのであり、在庫が
より多いベンダは余剰製品数量を保持するのであってその当初のビン内容物が更新された
データベース記録に反映されているように他のベンダのそれを超過している分についてこ
れが該当する。2つの均衡化されたビンのモバイルデータ記憶装置426は、等量のSC
SからSCSへとなされる例について開示されたのと同様の態様で更新される。余剰製品
の移転先の異なるSCSビンのモバイルデータ記憶装置426には、余剰製品の移転元と
なった当初はより豊かであった(originally fuller)SCSビンからビンデータの複製
が書き込まれるのであるも、この異なるSCSビンの内容物テーブル531に書き込まれ
る数量は、この異なるSCSビンへと当初はより豊かであったSCSビンから移転された
余剰製品数量に応じて調整される。
【0139】
同様の均衡化及び再割り当てはMCSビン424bに対しても行われ得るのであり、2
つのベンダの製品は2つのMCSビン424bの2つの各々の区画内にあり、また、MC
Sビン424bの2つの区画内の当該製品の数量は等しくない。この例では、中央コンピ
ューティングシステム401は、注文製品をより多い数量含む区画を伴うMCSビン42
4b(以下、「より豊かなMCSビン/区画(fuller MCS bin/compartment)」という。
)が所在する施設の、又は、そのより豊かなMCSビンを輸送している輸送車両が到着す
ることとなっている施設の、施設管理サブシステム404に対して次のことをなさせる命
令を伝える:ロボティックハンドラー408の1つに、そのより豊かなMCSビンをグリ
ッド格納構造から回収させるか、若しくは、より豊かなMCSビンを積み込みグリッド構
造からリルートさせること、及び、より豊かなMCSビンをワークステーションに届けさ
せること。また、中央コンピューティングシステム401は、次のことをなさせる命令を
施設管理サブシステム404に伝える:そのロボティックワーカ人間の作業員に対して命
令又は指図して、注文製品の部分的数量をそのより豊かなSCSビンから、利用可能なら
ば同じMCSビン内の空の区画又は回収/リルートされたMCSビンが空の区画を有して
いないならば別のMCSビン内の空の区画へと、移譲(divest)することであって、これ
は2つのベンダのMCSビン424bの2つの区画内の製品数量を均衡させるためになさ
れる。そして、施設管理サブシステム404は中央コンピューティングシステム401に
対してシグナリングを行って次のことをなさせる:中央データベース403の格納ビン内
容物テーブル510内の以前はより豊かであった(formerly fuller)MCSビンの記録
内に記憶されている数量を、そこから移譲された製品数量でデクリメントすること、及び
、MCSビン424bのそれら2つの今となっては均衡化された区画の区画_IDをそれ
らの各々のストック済み在庫テーブル504内の2つのベンダの製品カタログエントリ間
でスワップすること。また、中央コンピューティングシステム401は、余剰製品の移譲
先の異なるMCSビンの区画の区画_IDについての記録をより在庫を有するベンダのス
トック済み在庫テーブル504に作成することと、この区画に移転(transfer)された余
剰製品の数量をこの記録に書き込むことと、このより在庫を有するベンダのベンダ_ID
を余剰製品の移転先たるこの異なる区画について格納ビン内容物テーブル510内に記録
することとをなす。よって、製品の所有は、2つのベンダのうち在庫がより少ないものに
よって又は少なくとも2つの区画が均衡化されることとの具体的関係で「在庫がより少な
い」ものによって定義されている数量について、スワップされるのであり、在庫がより多
いベンダは余剰製品数量を保持するのであってその当初の区画内容物が他のベンダのそれ
を超過している分についてこれが該当する。区画が均衡化された2つのMCSビン424
bのモバイルデータ記憶装置426は、等量のMCS区画からMCS区画へとなされる例
について開示されたのと同様の態様で更新されるのであり、余剰製品の移転先の同一又は
異なるMCSビンのモバイルデータ記憶装置426には、当初はより豊かであった(orig
inally fuller)区画から区画特有のビンデータの複製が書き込まれるのであるも、数量
は、この異なる区画へと当初はより豊かであった区画から移転された余剰製品数量に応じ
て調整される。
【0140】
1つのベンダの製品がSCSビン内にあり、SCSビン内の製品とは等しくない数量の
、もう一方のベンダの製品がMCSビンの区画内にある場合、余剰製品の移譲は、余剰が
SCSビンから生じているのか又はMCSビンの区画から生じているのかによって、格納
ビンベースでなされるか又は区画ベースでなされるかについての適切な態様でなされるの
であり、その余剰製品についての対応するような適切なデータ更新は、上述のと同様の態
様でなされるのであり、SCSビン内容物及びMCSビン区画内容物が当初等しかった上
述のシナリオに準拠して、結果として生じる等しい数量のビン/区画内容物をデジタル的
にスワップするための処理がその後に続く。
【0141】
実施形態では、ビン又は区画内容物に対して均衡化をなして等しい製品数量についてビ
ン規模又は区画規模でのスワップベースド再割り当てを可能化する代わりに、製品再割り
当て処理は、格納ビン又は区画内に所在する総合的数量製品の部分的サブセットのみにつ
いての再割り当てを伴う。部分的な、ビン又は区画内容物のこのような再割り当ては、M
CSビンの部分的内容物の再割り当ての場合に有用であり、この場合、在庫有りベンダB
に以前割り当てられた単一区画内にある製品の部分的な数量は、利用可能ならば同じMC
Sビンの空の区画に移転されるか、又は、同じMCSビンにて空の区画が利用可能ではな
いならば、異なるMCSビンの空の区画へと移転される。そして、同じ又は異なるMCS
ビンの新たに詰め込まれた区画は、入用ベンダAに割り当てられるのであり、これは次の
ことによってなされる:ベンダAのストック済み在庫テーブル504に新たな記録を書き
込むことであってこれは新たにものが入れられたMCSビン区画の区画_ID、製品_I
D、及びそこへと移転された製品の数量を含む、書き込むことと;ベンダAのベンダ_I
D、製品_ID、及び移転数量を格納ビン内容物テーブル510内の各々の記録に書き込
むことと;同じ又は異なるMCSビンのモバイルデータ記憶装置426にて内容物テーブ
ル531内に新たな記録を書き込むことであってこれは移転製品の製品_ID、入用ベン
ダAのベンダ_ID、及び製品についての移転数量を含む、書き込むことと;この同じ製
品が同じ又は異なるMCSビンの別の区画にベンダAのために既に格納されていなかった
場合は、同じ又は異なるMCSビンの製品情報テーブル532へ各々の製品記録の複製を
ベンダAの製品テーブル503から複製すること。
【0142】
格納ビン内容物テーブル510の特定の記録(particular record)にある再割り当て
製品の移転元となった区画についての記録された数量(quantity recorded)、及び、M
CSビンのモバイルデータ記憶装置426の内容物テーブル531内のその区画について
の対応する記録については、それらの記録数量(recorded quantity)が、それぞれ中央
コンピューティングシステム401及び施設管理サブシステム404によって、移転数量
(transferred quantity)だけ、デクリメントされる。したがって、元の区画に残る製品
はベンダBの在庫として記録されたままとなるのであって、これは、元の区画の区画_I
D及びベンダBのベンダ_IDが以前相互に格納ビン内容物テーブル510にて以前記録
されたこと、及び、区画_IDが製品カタログエントリに対してベンダBのストック済み
在庫テーブル504にて以前記録されたこと故のことである。他の実施形態では、中央デ
ータベース403は、複数のベンダ_IDをMCSビンにMCSビンの区画数との関係で
1:1の比で割り当てることを可能とするのみならず、非区画化SCSビンへの複数のベ
ンダ_IDの割り当て、及び/又はMCSビンの個々の区画への複数のベンダ_IDの割
り当てをも可能とする。したがって、製品再割り当てはビン規模又は区画規模での再割り
当てには限られず、再割り当てされた製品を別のビン又は区画に隔離することを要さない
形での格納ビン又は区画の一部の内容物の再割り当てを含むのであり、それによって、ビ
ン規模又は区画規模ではなく製品毎でのデジタル再割り当てが表される。
【0143】
在庫有りベンダBの格納ビンが、入用ベンダAの在庫不足を充足するのに必要な量を超
える、又は、入用ベンダがZ市の施設にて交換のために利用可能なものとして有している
入用製品の量を超える入用製品の数量を有している場合、実施形態では、中央コンピュー
ティングシステム401は、Y市の施設にある在庫有りベンダBの格納ビン/区画のビン
_ID/区画_ID並びにそこから再割り当てされる製品の部分的数量を入用ベンダAの
ストック済み在庫テーブル504に追加するのであり;Y市の施設にあるベンダBの格納
ビン/区画について格納ビン内容物テーブル510及びベンダBのストック済み在庫テー
ブル504(そこに複製されている場合)に現在記録されている製品数量に関して、ベン
ダBからベンダAへと再割り当てされる製品の数量をデクリメントするのであり;Z市の
施設にある入用ベンダAの格納ビン/区画についてのビン_ID/区画_IDを、在庫有
りベンダBのストック済み在庫テーブル504に追加するのであり;入用ベンダAのベン
ダ_ID及びY市の施設にある今となっては共有されている格納ビン/区画のビン_ID
/区画_IDの一意的な組み合わせと共に入用ベンダAに再割り当てされる製品数量(pr
oduct quantity)が含まれる格納ビン内容物テーブル510内に新規記録を追加するので
あり;また、Z市の施設にある入用ベンダAの格納ビン/区画のビン_ID/区画_ID
を入用ベンダAのストック済み在庫テーブル504から除く(remove)。また、中央コン
ピューティングシステム401は、Y市及びZ市にある各々の施設の施設管理サブシステ
ム404に対して次のことをなすように命令(command)する:Y市の施設にある格納ビ
ン及びZ市の施設にある格納ビンの両方について適宜ビンデータを更新して、それによっ
て、Y市の施設にある格納ビンの内容物テーブル531内のベンダBの既存の区画記録に
ついて記録された数量をデクリメントするのであり;Y市の施設にある格納ビンの内容物
テーブル531にベンダAのベンダ_IDと再割り当てされた製品数量とを伴う新たな区
画記録を追加するのであり;Y市の施設にある格納ビンの製品情報テーブル532内にて
新たな製品記録について、ベンダAがY市の施設にある格納ビンにそのような製品記録を
既に有していない限り、ベンダAの製品テーブル503又はベンダAのZ市の施設にある
格納ビンから複製された対応する製品記録をもってデータ追加をなすのであり;Z市の施
設にある格納ビンの内容物テーブル531の適切な区画記録内のベンダ_IDを入用ベン
ダAから在庫有りベンダBへと変更するのであり;該当する製品タイプについてのZ市の
施設にある格納ビンの製品情報テーブル532内の既存記録を削除(erase)(ベンダA
がその別の区画内にて同じ製品タイプの残存製品を有していない限り)するのであり;ま
た、適宜この削除された記録を置換するか、或いは、ベンダBの製品テーブル503内の
対応する製品記録から若しくはベンダBのY市の施設にある格納ビンの製品情報テーブル
532から複製された新規記録を追加する。
【0144】
ベンダAのZ市の施設にある格納ビン/区画の全体が、ベンダBのY市の施設にある在
庫と交換されることとなっていない場合、Z市の施設にある格納ビンのビン_ID/区画
_IDを入用ベンダAのストック済み在庫テーブル504から除く代わりに、入用ベンダ
Aのストック済み在庫テーブル504内のそのビン_ID/区画_IDについて記録され
た数量(quantity recorded)が、交換されるアイテム数量(item quantity)でデクリメ
ントされるのであり、また、在庫有りベンダBのZ市の施設にある格納ビンについてのス
トック済み在庫テーブル504に追加される数量は、Z市の施設にある格納ビン内の総数
量又は製品(total quantity or product)によってではなく、交換されるこの数量(以
下、「交換数量(exchange quantity)」という。)によって定義される。同様に、Z市
の施設にある格納ビンのモバイルデータ記憶装置426を更新するに際して、内容物テー
ブル531の既存の区画記録内のベンダ_IDを変更し且つ製品情報テーブル532内の
既存の製品記録を置換することの代わりに、施設管理サブシステム404は、既存の区画
記録内の記録された数量を交換数量でデクリメントするのであり;該当する区画_IDと
在庫有りベンダBのベンダ_IDとの組み合わせを含む新たな追加的な区画記録を交換数
量と共に追加するのであり;また、在庫有りベンダBの製品テーブル503内の対応する
製品記録又はベンダBのY市の施設にある格納ビンから複製された新規記録を製品情報テ
ーブル532に追加する(そのような記録が既に存在しない限り)。
【0145】
先述の例で開示しているように、モバイルデータ記憶装置426を有するスマートビン
とされる格納ビンに関する実施形態では、中央データベース403を更新して入用ベンダ
と在庫有りベンダとの間での製品についてのスワップ又は交換をデジタル的に記録するこ
とに加えて、中央コンピューティングシステム401は、格納ビンを有する施設及び輸送
車両の施設管理サブシステム404及び車両管理サブシステム416に対して次のことを
なすように指示する:各ベンダの格納ビンのモバイルデータ記憶装置426上の既存のベ
ンダ_ID及びベンダ特有の製品記録を、他のベンダの格納ビン上で見つかったそれをも
って置換又は補充するのであり、書き込まれる置換又は補充用データが、他のベンダの格
納ビンから、又は、中央データベース403から、又は、ローカル施設データベース40
7若しくはローカル車両データベース420内の重複記録から複製されるかは問われない
(各輸送車両及び施設が事故のオンサイト/オンボード在庫についてローカル集計をする
場合)。丸ごと未満の格納ビン又は区画の内容物の再割り当てがなされる場合、実施形態
では、中央コンピューティングシステム401は、格納ビンが所在する又は(現に輸送中
の場合は)到着する所の施設管理サブシステム404に対して、次のことをなすように指
示する:再割り当てされた製品を今となっては共有されている格納ビン若しくは区画から
取り出すこと並びに再割り当てされた製品をベンダ特有の格納ビン若しくは区画内へと移
転することを命令又は指示すること。同様に、中央コンピューティングシステム401は
、車両管理サブシステム416に対して、再割り当てされた製品を今となっては共有され
ている格納ビン若しくは区画から取り出すこと並びに再割り当てされた製品をベンダ特有
の格納ビン若しくは区画内へと移転することを命令又は指示すること(そのようなビンか
らビンへの製品移転をなすために適した装備を輸送車両が有している場合)を指示するの
であり、例えば、輸送車両上で自動化ロボティック手段又は機械誘導型の人的相互作用を
用いる。
【0146】
Z市の施設にある格納ビンが丸ごと再割り当てされる場合、実施形態では、中央コンピ
ューティングシステム401は、中央データベース403を更新するのであり、また、Z
市の施設の施設管理サブシステム404及び/又は輸送車両の車両管理サブシステム41
6に対して、そこにて再割り当てされた格納ビンのモバイルデータ記憶装置426を更新
するように指示するのであり、更新された宛先データは、Y市の施設を、ベンダBのY市
でのローカル在庫を補充するためにZ市の施設からの再割り当てされた格納ビンを輸送す
るべき宛先として指定する。Z市の施設にある格納ビンが部分的にしか再割り当てされて
いない故にベンダ共有格納ビンとなる場合、実施形態では、施設管理サブシステム404
又は(適切な装備を有する輸送車両がある場合は)車両管理サブシステム416は、再割
り当てされた製品をZ市の施設にある格納ビンから取り出すことに関して、自動化された
ロボティック態様での取り出しを命じるか、又は人間によって履行される取り出しを指示
するのであり、また、取り出された製品をベンダ特有の格納ビン内へと移転するのであり
、そして、それが宛先再割り当ての対象とされて、再割り当てされた製品についてのZ市
の施設からY市の施設への移転が惹起されるのであり、他のベンダの製品は元の宛先デー
タを伴ったままで元の格納ビンに残される。
【0147】
製品の再割り当てが完了すると、再割り当てされた在庫を有する格納ビンがY市の施設
のインデクスド格納アレイ内に所在する事案では、その施設の施設管理サブシステム40
4は、ロボティックハンドラー408の1つによってなされる格納ビンのインデクスド格
納アレイからの回収と、格納ビンを適切な場所(例えば、施設内のワークステーションや
積み込みドック等)へと届けることと、を命令するのであり、特定の在庫不足に関するニ
ーズが充足されることによる。再割り当てされた在庫を有する格納ビンが施設間を移動す
る輸送車両415a,415b上に現在所在している事案では、輸送車両415a,41
5bが次に到着する施設の施設管理サブシステム404は、輸送車両415a,415b
の積み込み/積み降ろしにて用いられるロボティックハンドラー408に対して、再割り
当てされた在庫を有している格納ビンを適切なワークステーション、積み込みドック、又
は他の場所へとリルートするように命令するのであり、特定の在庫不足に関するニーズが
充足されることによる。
【0148】
ビン再割り当てベースでの効果が
図8Aに示されており、区画再割り当てベースでの効
果が
図8Bに示されている先述の処理では、Y市の施設にある物理的製品をベンダBの在
庫からベンダAの在庫へと再割り当てするのであり、それによって、ベンダAの遠方たる
Z市の施設にある在庫をY市の施設まで物理的に輸送することとの対比で、相当に迅速化
した態様で疑似即時的にベンダAの在庫不足を克服する。同時に、Z市の施設にある在庫
はベンダBへと再割り当てして、サプライチェーンエコシステム内の自己の全体的な在庫
を何ら失わずにして各々の在庫を「完全体」として保つ。前述の例では、格納ビン全体、
区画全体、又は格納ビンや区画の製品内容物についての部分的なサブセットに関しての在
庫スワップ又は交換が関わるも、格納ビン、区画、又は製品のサブセットについての在庫
有りベンダから入用ベンダへの同様の再割り当ては、入用ベンダの別の場所にある在庫か
ら同じ製品を同じ数量だけ交換することで在庫有りベンダが代償を得られないようなトラ
ンザクションでも採用される。実施形態では、格納ビン、区画、又は製品の再割り当ては
、例えば、ベンダ間販売等の他の在庫管理用途で実装されるのであり、入用ベンダが在庫
有りベンダと在庫をスワップする代わりに、
図9A~9Bに示されるように、入用ベンダ
が在庫有りベンダーから在庫を購入する。この実施形態では、在庫有りベンダBから入用
ベンダAへの格納ビン、区画、又はその一部の内容物の再割り当ては、スワップ又は交換
処理について上述されたように行われるが、入用ベンダAから在庫有りベンダBへの別の
格納ビン、区画、又はその一部の内容物の代償的な再割り当ては伴わない。
【0149】
図9Aは、実施形態による、コンピュータで実装されたベンダ間在庫販売の効果につい
て示す概略図であって、入用製品を含む別のベンダの格納ビン(例えばSCSビン424
a)の購入によって入用ベンダの在庫不足を克服する際の、概略図である。同様に
図9B
は、実施形態による、コンピュータで実装されたベンダ間在庫販売の効果について示す概
略図であって、入用製品を含む別のベンダのMCSビン424bの区画の購入によって入
用ベンダの在庫不足を克服する際の、概略図である。別の実施形態では、コンピュータ化
在庫管理システムは、格納ビン丸ごと及び区画丸ごとの購入に加えて、入用ベンダの在庫
不足を克服するために、入用製を有する別のベンダの個々の製品単位及び部分的な区画を
入用ベンダが購入することを可能にする。
【0150】
実施形態では、ベンダ間在庫販売又は購入を促進するために、
図5Aに示される各ベン
ダの製品カタログ505の製品テーブル503内の各製品記録は次の事項を含む:ベンダ
がサプライチェーンエコシステムの他の加入/契約ベンダに当該製品を販売することを希
望するベンダ販売価格と、ベンダがその末端顧客に製品を販売する顧客販売価格。実施形
態では、各製品記録には、その特定の製品についてベンダが任意の他のベンダに支払うこ
とができる最高購入価格が含まれる。実施形態では、ベンダ販売価格は、
図5E~5Fに
示されているように、例えば、SCSビン424a、MCSビン424b、POビン42
4c、及びFOビン424dといった、様々なビンカテゴリ及びサブカテゴリのうちの任
意の1つ以上又は全ての、各格納ビンの製品情報テーブル532にも格納されている。図
4A~4Cに示されているマルチエンティティ在庫管理システム400は、注文充足のた
めに既にピッキングされており且つPOビン424c又はFOビン424dに置かれた製
品が、他のベンダへの販売に関して利用可能とされないように構成されているにもかかわ
らず、POビン424c又はFOビン424dのモバイルデータ記憶装置426上のベン
ダ販売価格、最高購入価格、及びその他の製品情報の保持は、例えば、注文がキャンセル
された場合に有用であり、その場合、そのPOビン424cまたはFOビン424d内の
製品は、MCSビン424b又はSCSビン424aに返戻されて、元のベンダの在庫に
再割り当てされることができるのであり、その間、POビン424c又はFOビン424
d上の保持された製品情報データは、中央データベース403に頼ってそのようなデータ
を得る必要なくして、キャンセルされた注文製品が転送されるMCSビン424b又はS
CSビン424a上のビンデータを自動的に入力するために使用されることができる。
【0151】
実施形態では、ベンダの製品カタログ505に製品タイプ毎にベンダ販売価格を含めるこ
とに加えて、
図5Aに示されている中央データベース403のベンダのホワイトリスト/
ブラックリストテーブル506は各ベンダーについての追加データを記憶しており、例え
ば、対象となるベンダがそのような在庫再割り当てトランザクションを許可することを選
択した、特別に承認されたベンダのベンダ_IDのリスト又は対象となるベンダがそのよ
うな在庫再割り当てトランザクションを禁じることを選択した、特別に禁止されたベンダ
のベンダ_IDのリストが考えられるのであり、これはベンダ間在庫スワップやベンダ間
在庫販売といった他のベンダとの在庫再割り当てトランザクションに関連する。
【0152】
図10は、実施形態による、ベンダ間在庫スワップ又はベンダ間在庫販売を促進するた
めのコンピュータ実装方法についてのフローチャートである。本明細書にて開示されるコ
ンピュータ実装方法では、互いに在庫を再割り当てする権限を持つベンダ間の在庫スワッ
プやベンダ間の在庫販売の可能性を考慮しながら、利用可能な在庫についてクエリする。
本明細書にて開示されるコンピュータ実装方法は、サプライチェーンエコシステムの在庫
を検索して、
図5Aに示されている特定のベンダ(以下、「対象ベンダ」という。)の製
品カタログ505から、特定の製品タイプの特定の製品(以下、「対象製品」という。)
の利用可能性について調べる処理を実行するのであり、例えば、顧客が対象ベンダのeコ
マース販売プラットフォームを閲覧したりそこから注文しようとしたりしたことに応じて
なされることが考えられ、それによって、顧客が購入可能な対象製品の利用可能数量をリ
アルタイムで表示したり、又は、注文の試みに対して対象製品の利用可能性についてのリ
アルタイム評価に基づいて注文が充足可能か否かについて示すことについてのニーズが必
要とされる。
図10に示されるように、ステップ1001にて、
図4Cに示されている中
央コンピューティングシステム401の実行可能ソフトウェアのクエリ構築器431aは
、以下のようにしてデータベースクエリを構築する(S1002):クエリ構築器431
aは、対象ベンダのベンダ_IDと対象製品の製品_IDとを少なくとも含む製品利用可
能性要求を受信する。実施形態では、製品利用可能性要求は、例えば、
図5Aに示された
他のベンダ502の製品カタログ505内で対象製品が識別可能なユニバーサル製品コー
ド(UPC)といったグローバル製品_IDを少なくとも含んでいる。別の実施形態では
、製品の利用可能性要求は、対象ベンダのベンダ特有の製品_ID(例えば、SKU)をさ
らに含む。別の実施形態では、製品利用可能性要求は、製品利用可能性要求が生成された
顧客又は他の発信元エンティティに合わせてカスタマイズされた在庫検索を生成するため
に有用な他の情報をさらに含む。その他の情報は、例えば、リアルタイムGPS座標や顧客
指定住所等の顧客についての場所情報、或いは、顧客請求先住所とは異なる配送住所、ギ
フト注文の場合の第三者の受取住所、顧客が選択したナノ施設等の顧客が指定した代替の
宛先となる場所等の対象製品を配達すべき場所又は界隈、並びに、例えば、宛先への配達
や宛先の近くへの配達が完了するまでのタイムラインや目標配達日等のタイミング要件を
含む。
【0153】
ステップ1003にて、クエリ構築器431aは、例えば、
図4A及び
図4Cに例示さ
れた中央データベース403のベンダテーブル501に記憶されている、対象ベンダの再
割当参加フラグを確認して、対象ベンダが在庫再割り当てオプションにおける参加者たる
かを決定する。対象ベンダが在庫再割り当てオプションにおける参加者ではない場合、ス
テップ1004にて、クエリ構築器431aは、対象ベンダ自らの在庫のみに在庫検索を
限定するのであり、後述のステップ1009へと進む。実施形態では、そのような事案で
は、検索に用いられる製品_IDは、例えばSKU等のベンダ製品_IDであり、例えば
UPC等のグローバル製品_IDではない。なぜならば、他のベンダの在庫が検索されな
いからである。対象ベンダが再割り当て参加者である場合、他のベンダから肯定的な検索
結果を得ることを担保するために、検索ではグローバル製品_IDを用いらなければなら
ない。この例では、ステップ1005にて、クエリ構築器431aは、所与の実施形態で
有効とされている場合、
図5Aに示されている対象ベンダについてのホワイトリスト/ブ
ラックリストテーブル506内に、データ追加されたホワイトリスト又はブラックリスト
が含まれているかについてチェックする。対象ベンダについてベンダのホワイトリスト/
ブラックリストテーブル506内にデータ追加されたホワイトリスト又はブラックリスト
が見つかった場合、ステップ1006にてクエリ構築器431aはその内容を用いて在庫
検索を承認されたベンダのみに限定する。ステップ1007にて、クエリ構築器431a
は、例えば対象ベンダが対象製品について最高購入価格を定めているか等の価格要件があ
るかについてチェックする。対象ベンダが対象製品について最高購入価格を指定していた
場合、ステップ1008にて、対象ベンダのその最高購入価格未満となるベンダ販売価格
を有する他のベンダの合致する製品のみが返されることとなるように検索が限定される。
【0154】
ステップ1009にて、クエリ構築器431aは、製品利用可能性要求内に場所要件が
含まれているかについてチェックするのであり、含まれている場合、ステップ1010に
てそれを用いて場所要件と最も親和性を有する施設及び輸送車両に検索をさらに限定する
のであり、例えば、製品利用可能性要求から抽出された顧客の場所やその他の指定された
宛先の場所から、所定の地理的距離半径内にある施設や輸送車両に検索を限定する。ステ
ップ1011にて、クエリ構築器431aは、製品利用可能性要求内にタイミング要件が
含まれているかについてチェックするのであり、含まれている場合、ステップ1012に
てそれを用いて、配達タイムライン(timeline)又は目標配達日を充足し得る施設及びそ
れらの施設を担当する輸送車両に検索をさらに限定するのであり、それによって、対象製
品を搭載しており且つそれらの施設の1つへと現在向かう途中k或いはそれらの施設の1
つへ向けて出発することが計画されている輸送車両が含まれる。
【0155】
前述のステップ1003から1012を通じて、クエリ構築器431aは、したがって
、カスタマイズされたサプライチェーンエコシステムの記録されたインストック在庫に対
して実行する在庫検索クエリを生成するのであり、これは最低でも場所及びタイムフレー
ム(timeframe)に関して適合している対象ベンダの任意の在庫を含むのであり、また、
対象ベンダが在庫再割り当てオプションへの参加についてフラグされている場合、価格互
換な在庫を提供している任意の他の承認ベンダの場所及びタイムフレームに関して互換な
在庫も含めることができる。他の実施形態では、検索構築処理において、上述された価格
、場所、及びタイミングの例以外の要件が含まれるのであり、また、図示された例のうち
1つ以上が除外されたり、異なる順序で実行されたりすることができる。ステップ101
3において、中央コンピューティングシステム401は、対象ベンダのベンダ_ID、ス
テップ1006で決定された任意の認可ベンダのベンダ_ID、ステップ1010及び1
012でフィルタリングされなかった任意の施設及び任意の輸送車両の施設_ID及び車
両_ID、並びにステップ1008で適用された価格要件を使用して、中央データベース
403内のインストック在庫記録に対して生成された検索クエリを実行するのであって、承
認ベンダの販売価格が対象ベンダの最高購入価格を超える承認ベンダの製品を除外する。
検索クエリの実行は、ステップ1013にて、各対象ベンダの承認ベンダについてのホワ
イトリスト又はブラックリストをチェックして、ベンダAがクエリされているベンダの承
認ベンダであることを担保するのであり、そうでなければ、そのベンダが対象弁の利用可
能在庫クエリから除外される。即ち、ベンダのどちらもが、他のベンダの在庫を含むプー
ルされた在庫に対してクエリを発することができるようにするためには、2つのベンダが
双方向の承認関係を持たねばならない。
【0156】
ステップ1014にて在庫検索が肯定的な結果を返さない場合、ステップ1015にて
、「利用可能在庫なし」とのメッセージを要求者又は製品利用可能性要求の発信源に返す
のであり(例えば、対象ベンダのeコマースプラットフォーム)、eコマースプラットフ
ォームを閲覧している顧客に「現在利用不能」とのメッセージを表示するためになされる
。ステップ1014にての決定で対象製品に関して1つ以上の単位が利用可能であるとさ
れた場合、実施形態では、処理は、顧客の場所若しくは他の顧客指定宛先、又はそれに近
接した自動的に選択された場所(例えば、顧客又は他の受取人が製品単位をピックアップ
することができる最も近いナノ施設)のいずれかに、そのような製品単位を配達するため
の推定配達タイムラインを決定するステップ1016を含むのであり、また、随意的には
、そのような配達に関して関連付けられる費用の決定もなされる。したがって、検索によ
って、顧客の場所や他の配達宛先からの異なる相対的な距離の異なる施設に設置されてい
るかそこへ移動している在庫がもたらされた場合、ステップ1016では、異なるように
所在する製品単位についての異なる関連配達費用を計算及び適用する。ステップ1017
にて、中央コンピューティングシステム401は、対象製品が既に存在しているか又は輸
送車両で到着することが想定されている各施設について、その施設で利用可能な製品単位
の数量又は関連する輸送車両でそこに来ると想定されている数量並びにその施設からの配
送のための配達費用及び推定配達タイムラインを含む結果セットを、要求者へと送信する
。
【0157】
図11は、実施形態による、サプライチェーンエコシステムの施設のネットワーク内(
例えばメガ・マクロ・マイクロ・ナノ施設10,12,14,16)での配達枠ヒエラル
キー又はタイムラインヒエラルキーについて示す概略図である。
図11は、場所要件によ
って課される地理的制約をタイミング要件によって課されるタイミング制約で補完するこ
との有用性を示したものであり、これは
図10の詳細な説明で開示されるており、製品在
庫のメガ施設10からマクロ施設12への配達は、通常は、第1のタイムフレーム(例え
ば、24時間又は次の遅延配送枠)内で行われ、製品在庫のマクロ施設12からマイクロ
施設14への配達は、通常は、より小さな第2の時間枠(例えば、8時間の配送枠)内で行
われ、充足された顧客注文のマイクロ設備14からナノ設備16への配達は、通常は、よ
り小さな時間枠(例えば、2時間の配達枠)内で行われるのであり、そして、充足された
注文は顧客又はラストマイル配達サービスによるピックアップに関して準備完了となる。
したがって、製品利用可能性要求のタイミング要件が、第1、第2及び第3の配達枠の合
計(即ち、24+8+2=34時間)よりも短い配達タイムフレームを規定している場合
、
図4Cに例示された中央コンピューティングシステム401のクエリ構築器431aは
、メガ施設10を在庫検索から除外するのであり、また、所定の配達タイムフレームが第
2及び第3の配達枠の合計(即ち8+2=10時間)よりも小さい場合には、マクロ設備1
2を在庫検索からさらに除外する。よって、このような時間に基づいての在庫検索の限定
は、タイミング要件を充足し得ない施設を除外することになる。要求者が対象ベンダのe
コマースプラットフォームである場合、したがって、顧客は、自己の選好に従って異なる
配達タイムライン及び費用のうちから選ぶことができる。
【0158】
図12は、実施形態による、
図10に示される在庫検索クエリ処理の結果に基づいて対
象製品についての購入選択肢が表示されている、
図4Cに示されるベンダの電子商取引(
eコマース)プラットフォームによってレンダリングされたGUIのスクリーンショット
である。実施形態では、対象ベンダのeコマースプラットフォーム436は中央コンピュ
ーティングシステム401に統合された部分であり、また、
図4Cに示されている通信ネ
ットワークを介してアクセス可能である。ベンダのeコマースプラットフォーム436は
、GUI436a上の在庫検索の結果を、ディスプレイユニット(例えば、顧客のユーザ
ー装置の画面上(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、デスクトップコ
ンピュータ、スマートテレビ、又は通信ネットワーク(例えば、インターネット又は他の
WAN)と通信するように構成された他の電子装置))に表示する。実施形態では、eコ
マースプラットフォーム436は、対象製品についての1つ以上の視覚的表示を複数の選
択可能購入選択肢と共にGUI436a上に表示する。各購入オプションとしては、例え
ば、
図12に示すように、配達費用と推定される配達タイムラインを指定する配達オプシ
ョン、その配達オプションで利用可能な製品単位の数を示す利用可能数量フィールド、及
びその購入オプションで顧客が選択したい利用可能な製品単位の数を指定するためのユー
ザー制御数量フィールドが含まれる。顧客は異なる製品単位を複数の購入オプションから
随意的に選択でき、また、「カートに追加」を選択してeコマースプラットフォーム43
6での閲覧を続けるか、或いは、「チェックアウトへ進む」を選択して被選択製品単位の
購入を初期化することができる。
【0159】
チェックアウト処理で実際の金融トランザクションが遂行されるまでは、顧客注文は作
成済みとは看做されないのであり、したがって、このような金融トランザクションが完了
されるまでは、
図10の詳細な説明で開示された在庫検索クエリ処理によって返された利
用可能な製品単位のうち、他のベンダー、即ち、顧客が対象ベンダのeコマースプラット
フォーム436を通じて製品カタログを閲覧している対象ベンダ以外が現在所有している
ものが、ベンダ間在庫スワップまたはベンダ間在庫販売によって対象ベンダーに実際に移
転されることを要するかどうかは、不明である。したがって、本明細書に開示されている
コンピュータ実装方法では、対象ベンダが、現在の注文の対象顧客に代わって別のベンダ
の在庫単位を一時的に予約して、対象顧客が自らのトランザクションを完了する前に別の
閲覧顧客が同じ在庫単位を購入できないようにすることができる。
【0160】
図13は、実施形態による、承認されており且つ在庫を有しているベンダの在庫を入用
ベンダの代理で予約するためのコンピュータ実装方法についてのフローチャートである。
図4Cに示されている中央コンピューティングシステム401の実行可能ソフトウェア内
の在庫予約モジュール431fは、
図13に示されている在庫予約処理を実行する。ステ
ップ1301において、在庫予約モジュール431fは、例えば、完全に対象ベンダ自身
の在庫ではなく、対象ベンダの承認ベンダの1つから利用可能な在庫に基づいて少なくと
も部分的にデータ追加された購入オプションから、顧客が1つ以上の製品単位を選択した
ことに応答して、生成された、
図4Cに示されている対象ベンダのeコマースプラットフ
ォーム436からの予約メッセージを受信する。対象ベンダは、この例では、入用ベンダ
である。なぜならば、対象ベンダが単独で、在庫スワップ又は別のベンダ(即ち、在庫有
りベンダ)からの在庫製品単位の購入を伴わずに、顧客選択製品単位を充足できないから
である。予約メッセージには、入用ベンダに代わって予約を要求する在庫有りベンダの製
品_ID(例えば、グローバルな製品_ID又はベンダ製品_ID)と、予約する製品単
位の数量(以下、「予約数量」という。)とが含まれている。予約数量は、所与の購入オ
プションについての顧客選択製品単位の数から、入用ベンダ自身の在庫からもたらされた
その購入オプションの表示された利用可能な製品単位の数を差し引いたものとして計算さ
れる。
【0161】
在庫有りベンダから製品在庫を予約するためには、実施形態では、ステップ1302に
て示すように、入用ベンダに対して予約料が課金されるのであり、在庫予約モジュール4
31fは、例えば、
図5Aに示されている中央データベース403のベンダテーブル50
1内の入用ベンダの請求先情報で特定されるように、入用ベンダのアカウントに対して予
約料を課金する。実施形態では、在庫予約モジュール431fは、対象ベンダのために予
約されている間は、予約在庫が在庫有りベンダによって販売不能となる故に、予約の対価
として、この予約料の全部又は一部を在庫有りベンダの口座に入金する。別の実施形態で
は、在庫予約モジュール431fは、予約料の全部又は一部をサービス料として運営エン
ティティに入金する。実施形態では、予約料又はその少なくとも一部が在庫有りベンダに
入金されるのは、定額料金又は予約されるアイテムの数量に比例して増加する変動料金と
される。
【0162】
予約料が無事入用ベンダのアカウントに課金されたらば、ステップ1303において、
在庫予約モジュール431fは、在庫有りベンダの在庫からの予約を中央データベース4
03内の予約数量内に記録するのであり、例えば、格納ビン内容物テーブル510内の(
在庫有りベンダのベンダ_ID、対象製品の製品_ID、及び被予約製品単位を含む格納
ビン/区画のビン_ID/区画_IDを含む)記録内に現在記録されている数量から、予
約数量をデクリメントすることによってこれがなされる。実施形態では、在庫予約モジュ
ール431fは、
図5Bに示されている中央データベース403内の製品予約テーブル5
20に、入用ベンダのベンダ_ID、在庫有りベンダのベンダ_ID、対象製品のグロー
バル製品_ID、及び予約数量を少なくとも含む新規記録を、投入する。よって、製品予
約テーブル520内に記録された予約製品単位は、格納ビン内容物テーブル510にて最
早計上されなくなるのであり、故に、在庫検索クエリ処理の後に実行されたインスタンス
においては検索不能となるのであり、それによって、それらの状態は「利用可能」から「
予約済み」へと変わる。
【0163】
在庫予約モジュール431fは、この予約状態を所定の期間(以下、「予約期間」とい
う。)維持するように構成されている。予約状態は、次のいずれかによって解除される:
(a)ステップ1304で決定された、対象顧客による注文トランザクションの成功裏な
完了;又は(b)ステップ1305で決定された、予約期間の失効。注文トランザクショ
ンがステップ1304にて完了された場合、
図4Cに図示された在庫再割り当てモジュー
ル431bは、ステップ1306で、予約製品単位を在庫有りベンダの在庫から入用ベン
ダの在庫に再割り当てすることを実行するのであり、その後、ステップ1307において
、顧客注文の充足がなされる。予約期間が注文トランザクションの完了を迎えずに失効し
た場合、予約された製品は、ステップ1308にて、通常の検索可能在庫に放出されるの
であり、格納ビン内容物テーブル510内に記憶された以前デクリメントされた数量に対
して(例えば、製品予約テーブル520の一時的記録内に格納されている等の)予約数量
分をインクリメントすることによってこれがなされるのであり、それによって、格納ビン
内容物テーブル510内に記憶された数量が、元来の予約前の値に戻されるのであり、故
に、先に予約された単位の利用可能状態が復活して、
図10の詳細な説明に開示されてい
る在庫検索クエリ処理のその後に実行されるインスタンスによって再び検索可能となる。
【0164】
実施形態では、格納ビン内容物テーブル510で単一の数量フィールドを使用し且つ別
の製品予約テーブル520にデータ追加する代わりに、別の実施形態では2つの数量フィ
ールド(例えば、格納ビン内容物テーブル510内の「利用可能数量」フィールド及び「
予約数量」フィールド)を伴うのであり、中央コンピューティングシステム401は、予
約の記録の際及び注文トランザクションの完了なくして予約期間が失効した場合の後の予
約解除の際に、これらの数量に対して予約数量に従ってそれぞれデクリメント及びインク
リメントを行う。別個の製品予約テーブル520には、ベンダ_ID及び製品_IDでク
エリ可能な予約についての履歴記録が記憶されており例えばベンダが次のような事項を定
期的に調べることができる:他のベンダがどのような製品を定期的に予約しているのか、
ベンダ自身がどのくらいの頻度で特定の製品タイプを誰から予約しているのか、ベンダー
がどのくらいの頻度で特定の製品を予約する必要があるのか、特定の製品タイプが彼等か
らどのくらいの頻度で予約されているのか等。この検討に基づいて、ベンダは、再割り当
てに関するポリシー、例えば、参加と不参加、ホワイトリスト/ブラックリストの内容、
ベンダの販売価格、最高購入価格等について、並びに、自己の在庫供給レベル及び地理的
在庫分布について、根拠ある評価をなし得る。実施形態では、製品予約テーブル520に
は、例えば、予約が行われた時間や、製品単位が予約された施設等の追加データが記憶さ
れる。
【0165】
図14は、実施形態による、在庫予約の結果が表示されている、
図4Cに示される異な
るベンダのeコマースプラットフォーム436によってレンダリングされたGUIのスク
リーンショット1401a,1401b,1402a,1402b,1403a,140
3b,1404a,1404bである。予約プロセスの効果は、
図14に示されており、
GUI1401a,1402a,1403a,1404aでは、複数のベンダ(これらは
全て在庫再割り当てオプションの参加者であり且つ全て相互にとって承認ベンダである)
のeコマースプラットフォーム436上の特定の製品タイプの利用可能性が表示されてい
る。異なるベンダの顧客が同じ製品タイプを閲覧しており且つ同じ施設が担当する共通の
地理的場所に居る場合、いずれのeコマースプラットフォーム436も、
図10の詳細な
説明で開示されている在庫検索クエリ処理のそれぞれの実行に基づいて、その製品タイプ
について同じ利用可能数量を示す。
図14にて例示的に示されるように、ベンダAの顧客
は自己の電子的な買い物カートに追加すべき単一の製品単位を選択する。ベンダAがクエ
リ先の施設にその製品についての手持ち在庫を欠いている入用ベンダである場合、顧客の
選択動作によって他のベンダの1つから1つの製品単位を予約することが発動されるので
あり、ベンダーの全てのeコマースプラットフォーム436のGUI1401a,140
2a,1403a,1404aに後から表示される利用可能数量は、
図10の詳細な説明
にて開示される処理を通じて後続のインベントリクエリに応じてデクリメントされる。ベ
ンダAが手持ちの入用製品を有する在庫有りベンダであった場合、実施形態では、
図13
の詳細説明にて開示されている予約処理の変形例が実行されて、在庫検索クエリ処理にお
いて、顧客選択製品ユニットを検索可能な「利用可能在庫」の中から削除もされるのであ
り、これはベンダAの選択製品単位を保持する格納ビン/区画の格納ビン内容物テーブル
510の数量を同様にデクリメントすることによってなされるも、ベンダが自己の製品を
予約している故に、予約料を課金することなく且つ製品予約テーブル520内にベンダ間
事項のエントリを作成せずになされる。よって、所与の任意のベンダの状態が入用である
か在庫有りであるかに関わらず、相互に承認ベンダの関係にある全てのベンダーが予約前
に同じ利用可能性を示すという点で同じ結果が発生するのであり、そして、予約期間中の
eコマースプラットフォーム436のその後の閲覧では、すべてのベンダは、ベンダAに
代わってアイテムが予約されたが故に、同じだが今となっては低下した製品利用可能性が
示される。
【0166】
図15は、実施形態による、ベンダの代理での在庫予約に応答してなされる複数のベン
ダのeコマースプラットフォームを更新するためのコンピュータ実装方法についての概略
図である。
図15は、その後のベンダ間在庫スワップや交換の潜在的な発生やその後のベ
ンダ間在庫販売の潜在的な発生を見据える観点で、在庫有りベンダが自己の在庫を予約し
ようと、入用ベンダが別のベンダの在庫を予約しようと、予約に応じて製品利用可能性が
複数のベンダのeコマースプラットフォーム間でリアルタイムに更新される様を、さらに
示している。顧客はベンダAのeコマースプラットフォームを閲覧しまた特定の製品ペー
ジをアクセスするために、自らの電子装置上で例えばウェブブラウザや専用アプリケーシ
ョン等のユーザーインターフェースを起動するのであり(S1501)、
図4Cに示され
た中央コンピューティングシステム401のクエリ構築器431aへの、製品利用可能性
要求の送信がこれによってトリガされるのであり、
図10の詳細な説明にて開示された在
庫検索クエリ処理1502が開始される。在庫検索クエリは、1つ以上の施設での利用可
能な製品数量1503と、そのような施設からの関連する配達タイムライン及び費用とを
含む結果セットを、ベンダAのeコマースプラットフォームに返す。ベンダAのeコマー
スプラットフォームは1つ以上の購入オプションを顧客の電子装置上のUI上に表示する
(S1504)。購入オプションの各々は、それぞれの利用可能単位数量並びに関連付け
られている配達タイムライン及び費用を含むのであり、そこから顧客は製品単位の数量を
選択する。
図15に例示されているように、顧客は、在庫検索クエリによって特定され且
つベンダAのeコマースプラットフォームによって表示された、利用可能な10個の製品
単位のうちから、5個の製品単位を選択する(S1505)。
【0167】
顧客の選択数量は、顧客の電子装置からベンダAのeコマースプラットフォームへと伝
えられるのであり、該プラットフォームは
図4Cに示されている中央コンピューティング
システム401の在庫予約モジュール431fにシグナリングして、選択された5つの製
品単位を予約する(1506)。在庫予約モジュール431fは、ベンダ自身の利用可能
な製品単位のいずれかを、交換又は他のベンダーからの購入が必要となるものよりも優先
させるのであり、また、適切な予約を建てる。在庫予約モジュール431fは、当初の利
用可能数量たる10単位から予約数量たる5製品単位を差し引いた後に、デクリメントさ
れた利用可能数量たる5製品単位を示す更新された製品利用可能性メッセージを送信し(
S1507)、更新された利用可能性メッセージを、ベンダーAのeコマースプラットフ
ォームのみならずベンダAが単独では製品単位に関して充足に至れない入用ベンダである
場合に製品単位が予約された特定のベンダにも送信するのであり(S1508)、在庫再
割り当てに参加している任意の他のベンダであって予約製品単位が予約されたどれかのベ
ンダと承認ベンダ関係(authorized vendor relationship)を有しているベンダのeコマ
ースプラットフォームにも、更新された利用可能性メッセージを送信する。したがって、
特定の予約の影響を受けた複数の承認関係にあるベンダ(authorized-relationship vend
or)のプール在庫から「利用可能数量」が導出されている任意の又は全てのベンダも、在
庫予約モジュール431fからの更新された利用可能性メッセージに基づいて正確に更新
された利用可能数量をそれらの顧客に表示する。
【0168】
図15にて例示されているように、ベンダNもベンダAも両方在庫再割り当てオプショ
ンにおける参加者であり、相互に承認ベンダであり、したがって、顧客によって選択され
た5個の製品単位がベンダA自らの在庫からのもであってもベンダNの在庫からのもので
あっても良いのであり、両方のベンダに更新された利用可能性メッセージが送られて、各
自の顧客に表示される利用可能数量が更新される。ベンダC(不図示)が在庫再割り当て
の参加者であり、ベンダAとは承認ベンダ関係(authorized vendor relationship)にあ
るもベンダNとは該関係を有さない場合、ベンダCが更新された利用可能性メッセージを
受信したか否かは、顧客が選択した製品単位が誰の在庫から予約されたかに応じて変わる
。ベンダA自らの在庫が予約されていた場合、更新された利用可能性メッセージをベンダ
Cが受信することになる。選択された製品単位がベンダA自らの在庫になく、このため代
わりにベンダNから製品単位がを予約された場合、更新された利用可能性メッセージをベ
ンダCが受信しないことになるのであり、ベンダAの顧客による予約がなされる前と同じ
利用可能数量が表示され続けるのであり、ベンダA及びベンダNのeコマースプラットフ
ォームに当初表示されていたものとは異なる利用可能数量ということになる。なぜならば
、ベンダCのeコマースプラットフォームがベンダNの利用可能在庫を表示しなかったは
ずであるからである。
【0169】
図16は、実施形態による、対象ベンダと承認ベンダ関係を有している他のベンダとの
間でベンダ間在庫スワップ又はベンダ間在庫販売を促進している間に、対象ベンダからの
顧客注文の注文充足を開始するためのコンピュータ実装方法についてのフローチャートで
ある。本明細書にて開示されるコンピュータ実装方法では、ベンダーの顧客による注文ト
ランザクションの完了に応答して、ベンダ間在庫スワップ及びベンダ間在庫販売オプショ
ンを考慮して、注文充足が初期化される。ステップ1601では、
図4Aおよび
図4Cに
示されている中央コンピューティングシステム401が、ベンダのeコマースプラットフ
ォームから注文トランザクションの詳細事項を受信するのであり、また、それらの注文ト
ランザクションの詳細事項に従って
図5Bに示されている中央データベース403の顧客
注文テーブル516及び注文ラインアイテムテーブル517にデータ追加を行うのであり
、それに関する、顧客が選択した購入オプション及び顧客が指定した単位数量は、注文ラ
インアイテムテーブル517の各々のラインアイテム記録に投入される。そして、顧客注
文内の各ラインアイテムに関して処理の後続ステップが行われる。
【0170】
ステップ1602にて、中央コンピューティングシステム401は、そのラインアイテ
ムの注文された製品タイプ及び数量について対象ベンダ自身の在庫から充足可能であるか
どうか、又は、対象ベンダが注文された製品に対して在庫不足に陥っている入用ベンダで
あるかどうかをチェックする。
図13の詳細な説明にて開示されている予約処理を用いる
実施形態では、注文トランザクションが予約期間中に完了された場合、このステップ16
02は、そのラインアイテムの予約製品がベンダー自身の在庫からではなく別の承認ベン
ダから予約されたかどうかをチェックするものであってよく、この場合、対象ベンダは、
注文された製品に関連して在庫不足に陥っている入用ベンダーとして既に特定されている
ことになる。該ステップが予約期間後に行われた場合、又は、
図13の詳細な説明にて開
示されている予約処理を持ちいらない実施形態では、該ステップ1602は
図10の詳細
な説明にて開示されている在庫検索クエリ処理の繰り返しを伴い得るのであり、製品利用
可能性結果を更新して、また、これをもとに注文された製品タイプ及び数量に関してベン
ダが在庫不足に陥っているかを評価する。
【0171】
不足がない場合、処理はステップ1612へと進んで、中央コンピューティングシステ
ム401は、注文された製品数量が所在する特定の施設にある
図4A,4Cに示されてい
る施設管理サブシステム404に対して、
図4A~4Cに示されているロボティックハン
ドラー408に対して次のことをなすように命令する:回収した格納ビンから注文をピッ
キングするために、注文された製品のその数量を含む格納ビンをグリッド格納構造から回
収することであって、例えば、格納ビンが、注文の輸送先たるナノ施設を担当する適切な
マイクロ施設にあるMCSビンである場合;回収された格納ビンを後に注文のピッキング
をなす別施設へと向かって輸送(transporting)することであって、例えば、マクロ施設
にあるMCSビンの場合、格納ビンを注文ピッキングのなされる適切なマイクロ施設へと
向かって輸送すること;又は注文された製品数量を格納ビンから、先へと輸送されること
になる別の格納ビンへと移転(transferring)することであって、例えば、SCSビンか
らMCSビンへとキット化をなす最中のこと。再割り当てされた製品が含まれている格納
ビンに関しては、格納ビンのタイプ、及び、格納ビンが置かれている施設の種類、及び、
そこからの輸送又はそこからの注文ピッキングを開始するためになされ得る格納ビンに対
してなし得る適切な動作について、様々な可能性があることが開示されており、対象ベン
ダの当初から所有されている在庫に適用され得る。
【0172】
ステップ1602にて在庫不足が実在化した場合、ステップ1603にて、中央コンピ
ューティングシステム401は在庫スワップが可能であるかをチェックするのであり、即
ち、対象となる入用ベンダが、サプライチェーンエコシステム内の他の場所で注文された
製品タイプの製品を十分な量入手して、注文された製品について他の在庫有りベンダから
必要とされた不足数量を他の在庫有りベンダから補うことができるかが問われるのであり
、注文トランザクションが完了した予約期間中の予約処理によって以前に決定されたか、
又は、
図10の詳細な説明で開示されている在庫検索クエリ処理の再実行によって決定さ
れたかに関わらず、更新された製品入手可能性結果が得られる。在庫スワップが可能と決
定された場合、中央コンピューティングシステム401は、在庫スワップを完了するため
の、以前開示された異なるオプションのうちのどれを実行すべきかについて評価を下すの
であり、2つのベンダのスワップ可能な在庫が現在格納されている格納ビン及び/又は格
納ビンの区画の詳細事項を比較することによってこれがなされる。
【0173】
図16に例示的に示されているように、ステップ1604にて、中央コンピューティン
グシステム401は、2つの格納ビン又は2つの区画の内容物が両方とも一致する単一の製
品タイプであり互いに等しい数量が含まれているかについて評価する。そうである場合、
ステップ1605にて、中央コンピューティングシステム401は、2つの格納ビン又は
格納ビンの2つの区画をスワップするのであり、また、上述のようにして、2つの格納ビ
ン上に記録されているビンデータを更新する。ステップ1604での評価が否定的結果を
返した場合、処理はステップ1606へと進む。ステップ1606にて中央コンピューテ
ィングシステム401は、2つの格納ビン又は格納ビンの2つの区画が両方とも一致する
単一の製品タイプであり互いに等しくない数量が含まれているかについて評価するのであ
り、そうである場合、中央コンピューティングシステム401は、ステップ1607にて
上述のようにして、先ず2つの格納ビン又は2つの区画の内容物を均等化するのであり、
そして、所有をスワップして、また、均等化されたビンのビンデータについてステップ1
605にて更新する。ステップ1606での評価が否定的結果を返した場合、処理はステ
ップ1608へと進むのであって中央コンピューティングシステム401が、2つの格納
ビンの一方若しくは両方又は2つの区画の内容物が複数の製品を混合したものを含んでい
るのかについて評価する。ステップ1608での評価が肯定的結果を返した場合、格納ビ
ン又は区画の内容物を均等化して格納ビン又は区画の所有をスワップするよりは、ステッ
プ1609にて中央コンピューティングシステム401は、上述で開示したように、格納
ビン又は区画の部分的なサブセット(partial subset)のみを再割り当てするために製品
自体の所有をスワップすることを選ぶのであり、
図5Aに示されているビン内容物テーブ
ル510及び/又は
図5E~5Fに示されている内容物テーブル531は、各格納ビン又
は区画について複数のベンダ_IDを記憶しているのであり、それらの内容物のせいぜい
部分的なサブセットが再割り当てされる。
【0174】
ステップ1609にて格納ビン若しくは区画レベルでの、又はステップ1609にて製
品レベルでの所有スワップ後、実施形態では、ステップ1610にて、中央コンピューテ
ィングシステム401は、在庫有りベンダに今は帰属している再割り当て在庫(即ち、「
代償的製品」)の、再割り当て在庫が現に所在する施設(即ち、「発送元施設」)から、
別の施設(即ち、「受領施設」)への再配置を開始する。例えば、中央コンピューティン
グシステム401は、代償的製品を、在庫有りベンダの当初の在庫が入用ベンダに再割り
当てされた施設へ再配置すること開始するのであり、それに基づいて代償的製品が「注文
充足製品」となる。そのような、代償的製品の再配置を開始するために、ステップ161
1にて、中央コンピューティングシステム401は発送施設の施設管理サブシステム40
4に対してシグナリングしてロボティックハンドラー408に対して命令を出させるので
あって、それによって、代償的製品を含んでいる格納ビンを発送施設のグリッド格納構造
から回収させて、(例えば、格納ビンが代償的製品のみ又は代償的製品、及び、受領施設
若しくはそこへの途中に所在する中継点施設のどちらかにも差し向けられている他の在庫
の組み合わせを含んでいる場合)格納ビンをその発送施設の出発積み込みドック又は発送
施設のワークステーションへと搬送させるのであり、そこにて施設管理サブシステム40
4は、ロボティックワーカによる自動履行を命令するか又はHMIを介して人間の作業員
による誘導付き履行を指示することによって、代償的製品を、被命令ロボティックワーカ
によって後に出発積み込みドックへと搬送される別の格納ビンへ、移転させるのであり、
例えば、代償的製品が、受領施設又はそこへの途中に所在する中継点施設以外の宛先施設
を有している他の製品在庫と、格納ビンを、共有した場合が考えられる。
【0175】
ステップ1612では、在庫スワップが完了されており、従前の入用ベンダの注文充足
製品を有している施設の施設管理サブシステム404は、ロボティックハンドラー408
に対して次のことをなすように命令する:注文充足製品を含む格納ビンをその施設のグリ
ッド格納構造から回収すること、及び、格納ビンを、(例えば、注文を届けるべき特定の
ナノ施設を担当するマイクロ施設へと移動することが計画されている輸送車両上に積み込
むために)その施設の出発積み込みドックへと、又は、マイクロ施設への途中に所在する
中継点施設へと、又は、注文充足製品が既に所在している施設の注文ピッキングワークス
テーション(その施設が、注文を届けるべき特定のナノ施設を担当するマイクロ施設であ
る場合)へと搬送すること。そして、注文充足製品が到着する又は既にあったマイクロ施
設の注文ピッキングワークステーション及び注文詰め込みワークステーションにて注文は
充足されるのであり、最終ステップ1613にこれが示されている。
【0176】
ステップ1603に戻るに、そこでの結果が在庫スワップ不能と示している場合、処理
はステップ1615へと進み、中央コンピューティングシステム401はベンダ間在庫販
売が可能かについてチェックするのであり、即ち、在庫不足に陥っているベンダへの販売
のために利用可能な、十分の数量の注文製品タイプを在庫有りベンダが有しているかが問
われるのであり、注文トランザクションが予約期間内に完了された予約処理によって、又
は
図10の詳細な説明にて開示された在庫検索クエリ処理の再実行によってこれが以前決
定されて更新された製品利用可能性結果が取得されて良い。ベンダ間在庫販売(inter-ve
ndor inventory sale)が可能と看做された場合、ステップ1617及び1618で、中
央コンピューティングシステム401は、入用ベンダのアカウントに対して引き落としを
なして、また、在庫有りベンダのアカウントに対して在庫有りベンダの販売価格に応じて
入金して、また、同時に、実施形態では、運営エンティティによって賦課され得る任意の
適用可能手数料を入用ベンダのアカウントから引き落とす。ベンダ間販売トランザクショ
ン(inter-vendor sale transaction)の完了に際して、ステップ1619で、中央コン
ピューティングシステム401は、 購入された在庫製品の製品所有について更新するの
であり、格納ビン、区画、又はその部分的な製品内容物の上述されたのと同様な再割り当
てによってこれがなされるのであり、必要であれば、入用ベンダの在庫スワップシナリオ
の半分について上述したように、販売された製品を異なる格納ビンへと随意的に移転し得
る。そして、処理は、上述したように、ステップ1612及びステップ1613へと進む
。
【0177】
格納ビン/区画/製品に関する再割り当ては、ベンダ間再割り当てに限られないことに
留意されたい。一部の実施形態では、サプライチェーンエコシステム内の在庫がサプライ
ヤに割り当てられる。例えば、
図6Aに示されるサプライチェーンエコシステムに来る到
着供給品積荷601a,601bは、その積荷の発注に関する者の代理たるベンダに割り
当てられる代わりに、製造者又はサプライヤの所有下に留まる。したがって、ベンダ_I
D及び関連付けられている製品カタログ505を記憶する代わりに、中央データベース4
03は、サプライヤ、製造者、又は他のエンティティのために一意的な識別子及び製品カ
タログ505をも記憶する。したがって、「エンティティ識別子」又は「エンティティ_
ID」との語は、本開示では、格納、流通及び/又は注文充足のためにサプライチェーン
エコシステムを活用する任意のエンティティの一意的識別子を指すために用いられるので
あり、これはそのエンティティがベンダであれ、サプライヤであれ、又は製品販売先たる
顧客を有する他の在庫保有エンティティであれども変わりはない。そのような実施形態で
は、サプライヤの製品在庫を有している格納ビン又は区画は、その格納ビン又は区画内の
製品タイプを必要としているベンダに売却及び再割り当てされる。実施形態では、製品に
ついて余剰在庫を有するベンダは、他のベンダに再売却するために余剰在庫をサプライヤ
にネゲーション返品するか売り戻しをすることさえできる。
【0178】
したがって、格納ビン又は区画の全部又は部分的な再割り当てによって、関与するエン
ティティのタイプによらずに2つのエンティティ間での製品の即時的移転が可能となる。
サプライヤの顧客はベンダであって末端消費者ではない故に、サプライヤ/製造者カタロ
グに保存されている製品情報、及び
図4Bに示される格納ビン424のモバイルデータ記
憶装置426に随意的に書き込まれる製品情報は、通常、カスタマイゼーションに関する
取り扱いデータを含まないのであり、例えば、VASカスタマイゼーション及び注文パッ
ケージング(packaging)が考えられ、また、随意的には注文パッキング(packing)も考
えられ、それらは代わりに、格納ビン/区画/製品再割り当て時において格納ビン/区画
へとベンダの製品カタログ505から割り当てられる。上述のように、サプライヤからの
到着積荷は、随意的には予めロードされたビンでもたらされ得ることもでき、これらには
製品が詰められており製品データが中央データベース403及び/又は格納ビンのモバイ
ルデータ記憶装置426にサプライヤ又は製造者によってサプライチェーンエコシステム
内へと格納ビンが取り込まれる前に予め書き込まれていることができる。
【0179】
上述の詳細な実施形態はサプライチェーンエコシステム内にて実装されるマルチエンテ
ィティ在庫管理システムを指しており、該システムにおいては初期のサプライヤ/製造者
についてのソーシングから最終的な顧客ピックアップ若しくはラスト行程/ラストマイル
配達までのフルサービスが例えば運営エンティティ又はローカル配送人等の外部配送者に
よって提供されるが、先述の実施形態に見出される様々な利点は様々な文脈で活用され得
ることに留意されたいのであり、当初の製品ソーシングから最終的な顧客ピックアップ若
しくはラスト行程/ラストマイル配達までを完全に包括しない文脈も含まれる。したがっ
て、本明細書にて開示される幾つかの実施形態は、上述された様々な施設の任意のサブセ
ットに関連し得るのであり、これは完全なサプライチェーン経路の部分的セグメントのみ
に関与する製品流通チャンネルと形容することができ、他方で、他の例は本明細書にて開
示される様々な実施形態から利点を得る単一の流通施設、倉庫施設、又は注文充足施設に
関連し得る。
【0180】
一部の実施形態は完全な4階層(メガ・マクロ・マイクロ・ナノ施設)施設ヒエラルキ
ーを有さないことに留意して、本開示で使用される「ノード施設」との用語は、互いに同
じ格納ビンと互換のインデクスド格納アレイを共有する任意の施設(例えば、4階層ヒエ
ラルキーのメガ・マクロ・マイクロ・ナノ施設のいずれか)を指すのであり、他方で、「
ターミナル施設」又は「ターミナル」との用語は、より大きな格納ビンとは随意的には非
互換であり代わりに顧客への最終的引き渡し地点にあるかそれに近い下流の場所にあるよ
り小さいFOビンとの使用のために構成されている任意の施設を意味するために用いられ
る。例示された実施形態はメガからナノへと下流側に行くに従ってより小さくなる輸送車
両を開示するも、実施形態では、そして「ノード」対「ターミナル」にまつわる上述の施
設命名手法に鑑みれば、「ノード間輸送車両」とは、主に又は専ら「ノード施設」間で移
動する輸送車両を指すのであり、故にそこにて取り扱われる格納ビンと互換であり、他方
で、「ノード-ターミナル間輸送車両」とは、主に又は専らターミナル施設へ又はそこか
ら移動する輸送車両を指すのであり、故により大きな格納ビンではなく異なるサイズの注
文ビンと互換である。
【0181】
直接的消費者注文充足に加えて、開示のサプライチェーンエコシステム内にて実装され
るマルチエンティティ在庫管理システムは、 事業者間活動(例えば、b2b商取引)又
は在庫補充等の事業者内活動のために用いられる。このような実施形態では、顧客のため
又はラスト行程/ラストマイル配達サービスピックアップのためにナノ施設へと輸送する
代わりに、格納ビンは例えば、ベンダ、製造者、サプライヤ、又はそれらの法人顧客によ
って所有又は運営される小売店、倉庫、流通センタ、又は他の場所へと配達される。実施
形態では、そのような場所各々にはマルチエンティティ在庫管理システムの格納ビンと互
換な各々のインデクスド格納アレイが配備されており、FOビンに加えて又はFOビンに
代えて、
図4A~4C,6A~6Bに示されるメガ-マクロ又はマクロ-マイクロ輸送車両
415a,415bを用いてメガ・マクロ・マイクロ施設からそのような場所へ輸送され
た他の格納ビン(例えば、SCSビン、MCSビン、及び/又はPOビン)が、追加的又
は代替的に、そのような場所にて受け取られ及び格納されるのであり、随的には少なくと
も部分的に自動化された態様でこれがなされるのであり、ある実施形態では完全に自動化
された態様でなされるのであり、開示のコンポーネント、構造、機材、方法、及び処理を
用いてなされる。各々のそのような配達処理は、次のステップを含むビン交換処理を伴う
:施設又は似たように機材が設けられている事業場所へと輸送するために空の格納ビンを
ピックアップするステップ、及び/又は似たように機材が設けられている事業場所へと輸
送するためにものが入った格納ビンをピックアップするステップ。また、これは開示され
た任意の積み込み/積み降ろし処理と似た又は等価な態様でなされる。事業場所に互換の
インデクスド格納アレイが配備されていない実施形態では、ビン互換の輸送車両を用いて
格納ビンをそれらの場所に届けるのであり、そこにて製品が格納ビンから取り出される。
実施形態では、輸送車両が場所を出発する前に場所にて空にされた任意のそのような格納
ビンは、同じ輸送車両に乗ってそれらの源泉たる施設へと帰するためにそこに積み込み戻
される。別の実施形態では、これらの事業場所は格納に関してバッファとなる量を持つの
であり、輸送車両によって届けられた格納ビンを空にすることを要せずにビン交換を可能
とする。別の実施形態では、格納ビンは事後的ピックアップのためにオンサイトに留置さ
れるのであり、例えば、同じ又は異なるビン互換の輸送車両による事後的な配達の際が想
定される。
【0182】
例示された実施形態では、
図4A~4Cに示された施設管理サブシステム404及び車
両管理サブシステム416の各々内の少なくとも1つのローカルコンピュータが、格納ビ
ンのモバイルデータ記憶装置426に関してデータの読み書きをなすように命令するので
あり、これは例えば無線ネットワークなどの施設及び輸送車両の各々のLAN406,4
21を介してなされ、それをなすに際して、中央コンピューティングシステム401の中
央データベース403並びに施設管理サブシステム404のローカル施設データベース4
07若しくは車両管理サブシステム416のローカル車両データベース420についてデ
ータの転送及び検索をなす。別の実施形態では、施設管理サブシステム404及び/又は
車両管理サブシステム416は、随意的に、ローカル施設データベース407及びローカ
ル車両データベース420の内容に関して省略又は削減を実施するのであり、代わりに、
そのようなデータ交換を専ら格納ビンと中央データベース403との間で行うのであるが
、ローカルでのデータ記憶による増強される冗長性は、広域通信のトラフィック量を削減
すること及び通信障害若しくは中央システム障害の際のフェイルセーフ冗長性をもたらす
ことに関して有益であることにも留意されたい。更なる他の実施形態では、格納ビンとロ
ーカルコンピュータとの間でのデータ交換をやめて、代わりに格納ビンが中央コンピュー
ティングシステム401と直接的に通信することを許す。
【0183】
上述した実施形態の多くは、ビン内容物に変化があった場合、又は輸送車両から施設へ
と格納ビンが移転された場合若しくはその逆の移転がなされた場合、又は格納ビンの内容
物の割り当てられた在庫所有に関して変更があった場合に、その都度内容更新が行われる
モバイルデータ記憶装置426を伴うも、他の実施形態では、そのような態様で内容を書
換可能な動的に更新可能なデータ記憶装置を欠くことができるのであり、そうなったとし
ても開示のマルチエンティティ在庫管理システム及び様々な処理の全体的な他の観点から
益し得る。実施形態では、ビン_IDのみを記憶及び送信するRFIDタグが、格納便乗
の書換可能なデータ記憶装置の代わりに用いられる。この実施形態では、格納ビンに対し
て追加のデータを読み書きする代わりに、施設管理サブシステム404は、ビン_IDを
、中央データベース403内の及び(複製されている又は補足されている場合には)ロー
カル施設データベース407内の製品及び注文記録に対して次の際に記録する:在庫取り
込みの際(例えば、SCSビン内に製品を置く際);在庫ビン移転の際(例えば、SCS
ビンからMCSビンへのビン製品キット化の際);及び注文充足の際(例えば、MCSビ
ンからPOビンへの注文ピッキング及びPOビンからFOビンへの注文詰め込みの際)。
この場合、施設管理サブシステム404及び車両管理サブシステム416によってなされ
る後の処理は、ビン_IDを用いて、中央データベース403及び/又はローカルデータ
ベース407,420にて製品及び注文の詳細についてルックアップ及び/又は更新をそ
の後になすのであり、必要な際にはいつでも施設_ID又は車両_IDを更新する。別の
実施形態では、ビン_IDのみを静的に記憶するためにバーコードを用いるのであり、こ
れによって中央データベース403及び/又はローカルデータベース407,420にて
ビン_IDを定めることができ、在庫取り込み、在庫ビン移転、又は注文充足の際にその
ビン_ID及び製品_ID若しくは注文番号を相互に対して記録でき、後で、開示される
後続の処理の際に、そのビン_IDと関連付けられている製品又は注文データについてル
ックアップ又は更新をなし得る。
【0184】
例示された実施形態は格納ビン、即ち自らの内容物及び意図される宛先についてのデー
タを記憶しているスマートビンを用いるのであり、それによって関連性を有するデータに
ついてのローカルな短距離無線通信が次の際に可能とされる:輸送車両と施設との間での
格納ビンの移転;及び施設内での格納ビンのルーティングの際。これによって、中央コン
ピューティングシステム401又はサーバとなされるWANトラフィックが削減されるの
であり、サプライチェーンエコシステム内での格納ビンのルーティング、輸送、格納、及
び作業員等との相互作用に関して、格納ビン自体が自己にとっての自律的命令エージェン
トとなることによってこれがなされる。この点に関しては、他の実施形態では、格納ビン
とのビン-車両及びビン-施設通信ではなく、輸送車両と施設との間でのビン移転の任意又
は全部のポイントについては、施設管理サブシステム404と車両管理サブシステム41
6との間での直接的データ交換に頼ることがあるということに留意されたいのであり、こ
れは例えばフェイルセーフ冗長性のために、格納ビンを敢えて用いてその内容物及び意図
された宛先についてのオンボードデータ記憶を可能とする場合についても該当する。また
、様々なワークステーションにて行われるデータ交換は、様々な実施形態でそのような自
己命令原理をもって具体的には格納ビンと施設管理サブシステム404との間でなされな
いかもしれないのであるが、別の実施形態では、施設管理サブシステム404は、同じビ
ンデータを中央コンピューティングシステム401若しくはサーバ又はローカル施設デー
タベース407内にて作成及び記憶されている冗長的なローカル記録から取得できるので
あり、例えばこれは、供給品積荷からサプライチェーンエコシステム内へと新たな在庫を
取り込む処理の際又は到着する格納ビンを輸送車両から施設に積み降ろす際に作成された
ものである。
【0185】
ロボティックハンドラー408が格納ビンを1つの場所から別の場所へと(即ち、源泉
たるA地点から宛先たるB地点へと)搬送するように命令される本願開示の任意の処理又
は方法の任意のステップでは、実施形態では、そのような処理は、複数のロボティックハ
ンドラー408に対してそのようなタスクを完了せよと命令することを伴うのであり、こ
れをなすためには、例えば、1つのロボティックハンドラー208によって格納ビンを源
泉たるA地点から中継点たる地点Cへと搬送すること、及び別のロボティックハンドラー
208によって格納ビンを中継点たる地点Cから宛先たる地点Bへと搬送することを伴い
得る。また、ロボティックハンドラーが格納ビンをワークステーションから運び去るよう
に命令される本願開示の方法又は処理の任意のステップでは、運び先がインデクスド格納
アレイであろうと、別のワークステーションであろうと、積み込みドックの隣の積み込み
グリッド構造であろうと、別の宛先であろうと、ロボティックハンドラーは、格納ビンを
運び去ることがなされるべきワークステーションへと同じ格納ビンを以前届けたのと同じ
ロボティックハンドラーそのものとされることもできるしそれ以外のものとされることも
できる。例えば、ワークステーションが、格納ビンが取り出されるピックポート又はプッ
トポートが、インデクスド格納アレイのロボティックハンドラーがワークステーションを
通って行く際のトラック(track)ベースドドライブスルー移動経路によってサービスを
提供されるタイプである場合、格納ビンを持ち去るように命令されるロボティックハンド
ラーは、同じ格納ビンをそのポートに以前持ってきたのと同じロボティックハンドラーと
なる。ワークステーションのピックポート又はプットポートがそのようなドライブスルー
方式でのサービスを受けていない場合(例えば、代わりにワークステーションを通るコン
ベヤベースドビン移動経路によるサービスの提供を受けている場合)、格納ビンをワーク
ステーションにてピックアップして運び去るロボティックハンドラーは、格納ビンをワー
クステーションのコンベヤベースドビン移動経路に以前ドロップオフしていったのと同じ
ロボティックハンドラー又はそれとは違うものとされ得る。したがって、ロボット的に行
われる複数のビン移動を伴う処理を参照する場合、実施形態では、全体的なロボティック
ハンドラー団の異なる「サブセット」によるステップの履行について言及するのであり、
これは相互排他的なサブセットには限られず、重複を持っていたりさらには同一のものと
なっているサブセットであってもよい。
【0186】
実施形態では、ロボティックハンドラーについての第1のサブセットに対して格納ビン
を格納域から回収し、また、格納ビンをワークステーションに届けるように命令すること
に続いて、ロボティックハンドラーについての第2のサブセットに対して同じ格納ビンを
ワークステーションから格納域に預け戻すように命令することは次の例示的シナリオのい
ずれかを包括し得る:(i)第1のロボティックハンドラーが、格納ビンを格納域から回
収し、また、格納ビンをワークステーションに届けることと、同じロボティックハンドラ
ーが格納ビンを格納域に戻すこと(即ち、諸々のサブセットは数量的に等しくまた同一で
ある);(ii)第1のロボティックハンドラーが、格納ビンを格納域から回収し、また
、格納ビンをワークステーションに届けることと、異なる第2のロボティックハンドラー
がその後格納ビンをワークステーションから回収して、また、格納ビンを格納域に預け戻
すこと(即ち、諸々のサブセットは数量的には等しいが、同一でも重複的でもない);(
iii)第1のロボティックハンドラーが、格納ビンを格納域から回収し、また、格納ビ
ンを異なる第2のロボティックハンドラーに引き渡して、該第2のロボティックハンドラ
ーが格納ビンをワークステーションに届けることと、第3のロボティックハンドラーがそ
の後格納ビンをワークステーションからピックアップして格納ビンを格納域に戻すこと、
(即ち、諸々のサブセットは数量的には等しくなく、同一でも重複的でもない);(iv
)第1のロボティックハンドラーが、格納ビンを格納域から回収し、また、格納ビンを異
なる第2のロボティックハンドラーに引き渡して、該第2のロボティックハンドラーが格
納ビンをワークステーションに届けることと、第1のロボティックハンドラーがその後格
納ビンをワークステーションからピックアップして格納ビンを格納域に戻すこと、(即ち
、諸々のサブセットは数量的に等しくなくまた同一でもないが、重複的ではある);(v
)第1のロボティックハンドラーが、格納ビンを格納域から回収し、また、格納ビンを異
なる第2のロボティックハンドラーに引き渡して、該第2のロボティックハンドラーが格
納ビンをワークステーションに届けることと、第3のロボティックハンドラーがその後格
納ビンをワークステーションからピックアップして格納ビンを第1のロボティックハンド
ラーに引き渡して、該第1のロボティックハンドラーが格納ビンを格納域に戻すこと、(
即ち、諸々のサブセットは数量的に等しく互いに重複しているが、非同一である)。
【0187】
開示の方法では、標準化された注文ビンを使って、顧客注文を充足センタからラストマ
イルピックアップ地点(例えば、ナノ施設)に届けるのであり、それによって、ダンボー
ル箱を廃して製品をダンボール箱ではなく袋に入れて出荷することが可能となる。さらに
、サプライチェーンエコシステム全体で標準化された格納ビンを用いることで、マルチエ
ンティティ在庫管理システム内の全エンティティが単一の規格に特化して且つ効果的に取
り扱うように構成され得るのであり、これによってエンティティ間の完全な互換性を確保
できる。その結果、マルチエンティティ在庫管理システムの中で連続性及び隣接性が確保
されるのであり、それと共にマルチエンティティ在庫管理システムを地理的にも経時的に
もスケーラブルなものとする。換言するに、マルチエンティティ在庫管理システム内の全
機材が同じマテリアル捌き基準のセットに準拠するのならば、各格納ビンはマルチエンテ
ィティ在庫管理システム全体を、エンティティ間での直接的な物理的移転方法を用いて流
通できるのであり、マテリアルのステージングのような従来型サプライチェーンの中間ス
テップを経ずにこれをなし得るのであり、エンティティ間の移転中に格納ビンの管理権が
一時的にバッファ領域に割り当てられる。また、直接的な物理的移転により、例えばバー
コードスキャンやRFIDスキャン等によって格納ビンを識別してエンティティ間での格
納ビンの管理権の論理的移転を完成することを要することをなくせるのであり、それによ
って従来型物流のまた別の欠点を克服できる。
【0188】
さらに、マルチエンティティ在庫管理システム内の各エンティティが実施するインデク
スド格納方法によれば、各格納ビンが各エンティティに管理されている間に、各格納ビン
の場所を連続的に追跡できるようにできる。これに加えて、各格納ビンの物理的および論
理的な管理権をエンティティ間で直接移転できるということによって、マルチエンティテ
ィ在庫管理システム内のどこにおいても、格納ビンの場所を連続的に追跡できるようにで
きる。その結果、マルチノーダルサプライチェーンシステムは、到着集積領域から在庫ア
イテムを連続的にピックアップして出発集積領域に放出する別個のエンティティの集まり
としてではなく、1つの連結された有機体として作動する。本明細書で開示される格納ビ
ンは、マルチエンティティ在庫管理システムにて連続的に追跡されるのであり、施設又は
輸送車両に関して格納ビンをチェックイン及びチェックアウトするためのステージング領
域を要さない。マルチエンティティ在庫管理システム内において出荷及び受け入れプロセ
ス並びに関連するステージング領域を廃することによって、労働、不動産、及びリソース
要件を大幅に減じるのであり、その一方でロジスティクスは効率化されるのであって、そ
れによって従来型サプライチェーンのような雑然としたアプローチに比して、オペレーシ
ョンはより秩序立ったものとなり、また、リアルタイムでの監視がより容易になる。
【0189】
また、マルチエンティティ在庫管理システム全体における製品の状態をリアルタイムで
追跡できる。なぜならば、ロボティックハンドラー及び機械的手段で格納ビンが自律的に
扱われて各格納ビンが場所にインデックスされるからである。これにより、マルチエンテ
ィティ在庫管理システム内の格納ビンの場所を連続的に識別及び追跡することができる。
なぜならば、コンピュータ化在庫管理システムによって行動を追跡できるロボティックハ
ンドラーによって格納ビンが動かされるからである。故に、格納ビン自体に場所センサを
設けておくことは要さない。なぜならば、格納ビンの場所を機械的手段で追跡しているか
らである。故に、格納ビンは、施設に対してチェックイン及びチェックアウトされること
を要さないのであって、むしろ、格納ビンを施設や輸送車両に合致させる代わりに、格納
ビンは連続的ネットワーク内のインデックスド格納場所に合致される。
【0190】
マルチエンティティ在庫管理システムは、マルチエンティティ在庫管理システムを順方
向或いは下流方向及び逆方向或いは上流方向に流れる格納ビンについて、1:1で交換す
ることを実装する。順方向流量と逆方向流量が同一である故に、ステージング領域におい
てマテリアルのあふれをバッファする必要がなくなるのであって、他方でマルチエンティ
ティ在庫管理システムの秩序及び予測可能性がさらに高められる。逆方向に流れる格納ビ
ンには、施設の階層の上方へと輸送されるべき製品を積んで顧客返品を支援でき、従来型
手法に比して逆行ロジスティクスがより費用対効果的に優れることとなる。順方向と同じ
インデックスド格納方法を用いることで、返品された製品がサプライチェーン階層を上が
っていく過程を連続的に追跡できる。
【0191】
ロジスティクス及び処理データに加えて、ビンデータベース構造は、在庫管理単位(S
KU)、数量、所有者、場所等の概要を捉え、また、在庫マスタとして機能する。格納ビ
ンはマルチエンティティ在庫管理システムの機関を通過する能動的主体である故に、施設
及び輸送車両が使えるマスターが格納ビンである。この構成により、格納ビンに関連付け
られたバーコード又はRFIDタグをスキャンして、格納ビンがあたかもその単一の施設
又は輸送車両に属するように施設又は輸送車両に受け取られたものとして格納ビンを割り
当て及び登録すること、並びに、出荷時に施設又は輸送車両にてスキャン/チェックアウ
トすること要さなくなり得る。本明細書で開示されている方法では、格納ビンはマルチエ
ンティティ在庫管理システム内を移動し、自身の場所及び在庫状況を連続的に更新してい
く。
【0192】
実施形態では、マルチエンティティ在庫管理システム内の各施設には所定のタスクを伴
うクラスが割り当てられて、階層内の子ノードは指定された自己の親ノードからのみサー
ビスを受ける。ドナーの子ノードから入用側子ノードに移転されるべき在庫は、マルチエ
ンティティ在庫管理システムの逆行フローを用い先ず親ノードに返却されることを要し、
そして順方向で入用側子ノードへと輸送されることを要する。よって、マルチエンティテ
ィ在庫管理システムは、例えばマイクロ施設等の最も近いエンドポイントから宛先住所ま
で製品を充足のために提供する。換言するに、代替的マイクロ施設から注文充足はなされ
ない。代替の類似クラス施設(例えば別のマイクロ施設)から必要とされる任意の在庫ア
イテムは、階層上方へ向かってマクロ施設へと移転され、そして最も近いマイクロ施設へ
と下方へ向かって移転される。この階層化された構成によって、計画外出荷がなくなるた
め、諸プロセスがさらに効率的になり、予測可能性がさらに増大され、また、マルチエン
ティティ在庫管理システム内における輸送コストが減じられる。
【0193】
マルチエンティティ在庫管理システム内における全行動を監視できること及びその予測
可能性に富む性質故に、マルチエンティティ在庫管理システム内の全コンポーネントによ
ってなされる行動の因果がマルチエンティティ在庫管理システム全体にわたって注意深く
査定されることになる。故に、従来型サプライチェーン手法に比してシナリオ分析及びシ
ミュレーションはより容易になし得るのであり、生成される知見はより効果的なものとな
り、それによってマルチエンティティ在庫管理システムは増大した精緻性を伴って作動し
得るのであり、運営コストが減じられる。また、マルチエンティティ在庫管理システムの
マルチテナント性又はマルチベンダ性は、コストを減じると同時に、顧客サービスを昂進
させる。
【0194】
本明細書にて開示されるシステム及び方法のマルチエンティティ/マルチテナント/マ
ルチベンダ性に関する側面は、費用削減に資するのであり、同時に顧客サービスを昂進さ
せる。ベンダ間で所有をデジタル的に再割り当てする機能により、サプライチェーンエコ
システムは、在庫の物理的補充に頼らずして各ノードにてベンダ間で在庫のロードバラン
シングをなし得る。また、この機能故に、従来的手法と同じSKU多様性及びサービス水
準を提供しつつ、マイクロ充足施設を小型化できる。なぜならば、より少ないSKU的深
度で済むからである。マルチエンティティ在庫管理システムは在庫の所有を入用ベンダへ
とデジタル的に移転することを可能とするのであり、入用ベンダがサプライチェーンエコ
システム内にて在庫を有していない場合であってもこれができる。実施形態では、ビン区
画レベルに至るまでサプライチェーンエコシステム全体が混合されており、各ビン区画内
の製品数量がベンダレベルで割り当てられている。この実施形態では、ベンダh、ビン区
画内の製品に関して特定の数量を所有している。マルチエンティティ在庫管理システムは
、ベンダ間で、格納ビン内の製品在庫の所有をデジタル的に移転させることによってデジ
タル再割り当てを行う故に、製品の所有をベンダ間で移転するために製品在庫を物理的に
動かすことを要さない。製品が格納ビン内に取り込まれると、マルチエンティティ在庫管
理システムは、任意の時点で格納ビンの場所にかかわらずに、デジタル再割り当てを行う
ことができる。即ち、マルチエンティティ在庫管理システムは、製品在庫が施設にある場
合又は輸送車両上で輸送中の場合に、製品剤の所有変更を可能とする。製品ユニットのス
ワップに加えて、マルチエンティティ在庫管理システムはベンダ間のeコマースを促進す
る。マルチエンティティ在庫管理システムはモダンなeコマースワークフローを実行する
のであり、在庫スワップ又は在庫販売を介してのデジタル再割り当てが、顧客注文の受信
によって発動されるのであり、在庫不足は検出されて、デジタルトランザクションによっ
て在庫調整が解決されて、また、ロボティックハンドラーが展開されて顧客注文が充足さ
れる。
【0195】
分散型マルチエンティティ在庫管理システムは膨大な数の格納ビンに対応するのであり
、各々にはマルチエンティティ在庫管理システム内において独自の経路がもたらされ、そ
れらの間でのインフラストラクチャの動的共有が可能とされる。各施設における施設管理
サブシステム及び各輸送車両における車両管理サブシステムを備えるコンピュータ化在庫
管理システムによって実装されるマルチエージェント統制は、アダプティブ且つアジャイ
ルなレイヤがサプライチェーンインフラストラクチャを効果的に統制することを可能とし
て、ロジスティクスの条件が恒常的に変化するにもかかわらず各格納ビンがサプライチェ
ーンエコシステムを最適に流通することを可能とする。
【0196】
本明細書に開示されている様々な方法及びコンピュータ可読プログラムはコンピューテ
ィング装置用に適切にプログラミングされた非一時的コンピュータ可読記憶媒体にて実装
されていることが、異なる実施形態において明らかとなろう。非一時的コンピュータ可読
記憶媒体はデータ(例えば、コンピュータ、プロセッサ又は同様の装置によって読み取ら
れる命令等)を提供することに関して貢献する。異なる実施形態では、「非一時的コンピ
ュータ可読記憶媒体」とは、コンピュータ、プロセッサ、又は同様の装置によって読み取
られる1つ以上の命令セットを記憶する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型デー
タベース、分散型データベース、及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)をも指す。
「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」とは、コンピュータ、プロセッサ又は同様の装置
によって実行されるための命令のセットを記憶又はエンコードすることができ、また、本
明細書に開示されている方法の任意の1つ以上のステップをコンピュータ、プロセッサ又
は同様の装置に実行させることができる任意の媒体をも指す。実施形態では、本明細書に
開示された方法及びアルゴリズムを実装するコンピュータプログラムは、例えばコンピュ
ータ可読媒体等の様々な媒体を用いて様々な態様で記憶および伝送される。実施形態では
、固定配線回路又はカスタムハードウェアが、様々な実施形態のプロセスを実装するため
のソフトウェア命令の代わりに、又はそれと組み合わせて使用される。よって、実施形態
は、ハードウェア及びソフトウェアの任意の特定の組み合わせに限定されはしない。ここ
で開示されている実施形態の様々な側面は、プログラム要素、又は非プログラム要素、又
はそれらの任意の適切な組み合わせとして実装される。
【0197】
図4A~4C,5A~5Dに例示されている中央データベース403、ローカル施設デ
ータベース407、及びローカル車両データベース420等のデータベースが記載されて
いる場合、当業者ならば次のように理解できよう:(i)記載されているもの以外の代替
的なデータベース構造を採用し得ること、及び(ii)データベース以外の他のメモリ構
造も採用可能であること。本明細書にて開示されている任意のサンプルデータベースの図
解又は説明は、情報の保存された表現についての例示的配置である。実施形態では、図面
や他の場所にて示されたテーブルで示唆されたもの以外にも、幾つもの他の構成の任意の
ものを採用できる。同様に、データベースの図示されたエントリは例示的な情報のみを示
し;当業者ならば、エントリ数やエントリ内容が本明細書にて開示されているものとは異
なり得ることを理解できよう。別の実施形態では、データベースがテーブルとして表され
ているにもかかわらず、リレーショナルデータベース、オブジェクトベースドモデル、及
び/又は分散データベースを含む他の形式が、本明細書で開示されているデータタイプを
記憶及び操作するために用いられる。実施形態では、データベースのオブジェクト方法又
は挙動を用いて、本明細書に開示されているような様々なプロセスを実装する。別の実施
形態では、データベースは、既知の態様で、ローカルで又はそのようなデータベースのデ
ータにアクセスする装置からリモートで、記憶されている。複数のデータベースがある実
施形態では、データベースの1つでデータの更新があった場合にデータベース間でリンク
されたデータの同時更新を可能とするために、データベースは相互通信するように統合さ
れている。
【0198】
本明細書で開示する実施形態は、通信ネットワークを介して1つ以上の装置と通信する
1つ以上のコンピュータを備えるネットワーク環境で動作するように構成されている。実
施形態では、コンピュータは、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)
、ワイドエリアネットワーク(WAN)又はイーサネット、トークンリング等の有線媒体
又は無線媒体を介して、又は任意の適切な通信媒体又は通信媒体の組み合わせを介して、
直接的又は間接的に装置と通信する。各装置は、コンピュータと通信するために適応され
たプロセッサを備える。実施形態では、各コンピュータは、ネットワーク通信デバイス(
例えば、ネットワークインターフェースカード、モデム、又はネットワークに接続するの
に適した他のネットワーク接続装置)を備えている。コンピュータ及び装置の各々は、O
Sを実行する。コンピュータのタイプによってOSは異なり得るが、OSはネットワーク
との通信リンクを確立するための適切な通信プロトコルを提供する。コンピュータとは任
意の数やタイプのマシンが通信していることができる。
【0199】
本明細書で開示する実施形態は、特定のコンピュータシステムプラットフォーム、プロ
セッサ、OS、又は通信ネットワークに限定されるものではない。本明細書に開示されて
いる1つ以上の実施形態は、1つ以上のコンピュータシステムの間で分散されており、例
えば、1つ以上のクライアントコンピュータに1つ以上のサービスを提供するように構成
された又は分散システムで完全なタスクを実行するように構成されたサーバ等がある。例
えば、本明細書で開示される実施形態の1つ以上は、様々な実施形態に従って複数の機能
を実行する1つ以上のサーバシステムに分散されたコンポーネントを備えるクライアント
-サーバシステム上で実行される。これらのコンポーネントは、例えば、実行コード、中
間コード、インタプリタコード等からなり、通信プロトコルを用いてネットワーク上で通
信する。本明細書で開示する実施形態は、特定のシステム又はシステム群で実行可能であ
ることには限定されておらず、また、特定の分散アーキテクチャ、ネットワーク、又は通
信プロトコルに限定されない。
【0200】
先述の例及び様々な実施形態についての例示的実装例は、単に説明のために提供された
ものであり、決して本明細書に開示された実施形態を限定するものとしては解釈されては
ならない。本実施形態は、様々な例示的な実装例、図面、及び手法への参照を伴って説明
されたが、本明細書で使用される文言は、限定の文言ではなく、記述的及び例示的な文言
であるものと理解されたい。また、特定の手段、材料、手法、及び実装例を参照して実施
形態を説明したが、本明細書の実施形態は、本明細書に開示された特定のものに限定され
ることは意図されていないのであり;むしろ、実施形態は、添付の請求項の範囲内にある
ような、全ての機能的に等価な構造、方法、及び用途に及ぶ。本明細書の教示の恩恵を受
けた当業者は、本明細書に開示された実施形態の範囲および精神から逸脱することなく、
本明細書に開示された実施形態に修正を加え得るのであり、他の実施形態を実現し得るの
であり、それに変更を加え得るということを理解できよう。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なるエンティティの製品在庫を、ロボティックハンドラーによるサービスを受ける格納構造を備える複数の施設にて管理するためのマルチエンティティ在庫管理システムであって、該マルチエンティティ在庫管理システムは、
製品所有情報を含むデータベースを記憶する少なくとも1つの記憶装置であって、該製品所有情報は前記異なるエンティティの識別に必要な情報を含む、少なくとも1つの記憶装置を含み、
前記マルチエンティティ在庫管理システムは、
前記施設の各々と、格納ビンを輸送するために前記施設の各々の間を移動する対応する輸送車両と、にて、格納ビンの1対1の交換を促進することと、
前記マルチエンティティ在庫管理システムを通って順方向と逆方向とに前記格納ビンの等価且つ連続的な流れを可能にして、前記施設の各々と前記対応する輸送車両とにおける1対1対応の格納ビン交換トランザクションを可能にし、前記マルチエンティティ在庫管理システムを通る前記格納ビンの逆方向流量が、前記マルチエンティティ在庫管理システムを通る前記格納ビンの順方向流量と等しくなることを可能にすることと、
を実行するよう構成される、マルチエンティティ在庫管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載のマルチエンティティ在庫管理システムにおいて、
前記データベースは、
複数のベンダIDをマルチ区画格納ビン(MCSビン)へ割り当てることを、前記MCSビン内の複数の区画に対して1対1対応で可能にすることであって、前記データベースは、前記複数のベンダIDを非区画化格納ビンと前記MCSビンの個別区画とに対して割り当てるように構成される、ことと、
前記非区画化格納ビン又は前記MCSビンの前記個別区画の内容物の一部のみを再割り当てすることを可能にすることであって、再割り当てされる内容物を第2の非区画化格納ビン又は前記MCSビン内の第2の区画に隔離せず、ビン規模又は区画規模の代わりに製品規模での在庫再割り当てを示す、ことと、
を実行するよう構成され、
前記マルチエンティティ在庫管理システムは、
ベンダレベルで、前記マルチ区画格納ビン(MCSビン)の各区画において製品数量をデジタル的に割り当て、各ベンダは、前記MCSビンの各区画に格納された特有の製品数量を有し、
前記MCSビンが前記施設の1つにあるか前記施設間の輸送中にあるかにかかわらず、ベンダ間の前記製品数量のデジタル再割り当てを実行する、
よう構成される、マルチエンティティ在庫管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載のマルチエンティティ在庫管理システムにおいて、前記マルチエンティティ在庫管理システムはプロセッサを含み、前記プロセッサは、通信ネットワークを介して前記記憶装置と通信可能に接続され、前記プロセッサは、
前記施設の1つにある前記ロボティックハンドラーの第1のサブセットをアクティブ化して、特定の製品タイプの第1の製品を第1の格納構造内の第1の格納ビンへと物理的に格納することであって、前記第1の製品は、前記第1の格納ビンの内容物である、ことと、
前記第1の製品の所有を、前記データベースにおいて識別された前記複数の異なるエンティティに含まれる第1のエンティティへと割り当てることと、
前記データベース内にて識別された前記複数の異なるエンティティのうちに含まれる第2のエンティティから、前記特定の製品タイプの前記第1の製品についての注文を、前記通信ネットワークを介して受信することと、
前記ロボティックハンドラーの第2のサブセットをアクティブ化して、前記第1の格納構造内にある前記第1の格納ビンから前記第1の製品を回収して、前記第2のエンティティからの前記特定の製品タイプの前記第1の注文を充足することと、
前記データベースを更新して、前記第1のエンティティから前記第2のエンティティへの前記第1の製品の前記所有の移転を記録することと、
前記ロボティックハンドラーの第3のサブセットをアクティブ化して、前記特定の製品タイプの第2の製品を、第2の格納構造内の第2の格納ビンに物理的に格納し、前記第2の格納構造は、前記第1の格納構造とは異なる施設にあり、前記第2の製品の所有を前記第2のエンティティに割り当てて、前記第2の製品は、前記第2の格納ビンの内容物である、ことと、
前記データベースを更新して、前記第2のエンティティから前記第1のエンティティへの前記第2の製品の前記所有の移転を記録することであって、前記第1の製品と前記第2の製品との前記所有は、前記第1のエンティティと前記第2のエンティティとの間でスワップされる、ことと、
を実行するよう構成され、
前記マルチエンティティ在庫管理システムは、前記データベースを更新して前記第1の製品について前記第1のエンティティから前記第2のエンティティへの前記所有の前記移転を記録し、前記記録は前記第2のエンティティが前記特定の製品タイプについて在庫不足になっており且つ前記特定の製品タイプの前記注文を充足できないとの決定に応答してなされる、マルチエンティティ在庫管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載のマルチエンティティ在庫管理システムにおいて、
前記プロセッサは、前記データベースを更新して前記第1の製品について前記第1のエンティティから前記第2のエンティティへの前記所有の前記移転を記録するよう構成され、前記記録は、前記第2のエンティティが前記第1の製品を前記第1のエンティティから購入することを確認することによってなされ、前記プロセッサは、前記データベースを更新して前記第2のエンティティが前記第1の製品を前記第1のエンティティから購入するものとして記録するよう構成される、マルチエンティティ在庫管理システム。
【請求項5】
請求項3に記載のマルチエンティティ在庫管理システムにおいて、前記プロセッサは、
前記データベースを更新して、前記第2の格納構造に格納された前記第2の製品は前記第2のエンティティに所有されていることを記録することと、
前記ロボティックハンドラーの第4のサブセットをアクティブ化して、前記第1の格納ビンを前記第1の格納構造から回収して、前記第2のエンティティについて前記特定の製
品タイプの前記注文を充足させることと、
を実行する、マルチエンティティ在庫管理システム。
【請求項6】
請求項3に記載のマルチエンティティ在庫管理システムにおいて、前記プロセッサは、
前記ロボティックハンドラーの前記第1のサブセットをアクティブ化して前記第1の製品を前記第1の格納ビン内にて第1の格納構造に物理的に格納することと、
前記ロボティックハンドラーの前記第3のサブセットをアクティブ化して前記第2の製品を前記第2の格納ビン内にて前記第2の格納構造に物理的に格納することと、
前記注文の受信後に、前記データベースを更新して、前記第1の格納ビンの前記内容物について前記第1のエンティティから前記第2のエンティティへの所有の移転並びに前記第2の格納ビンの前記内容物について前記第2のエンティティから前記第1のエンティティへの所有の移転を記録することであって、前記第1の格納ビンの内容物の前記所有及び前記第2の格納ビンの内容物の前記所有が前記第1のエンティティと前記第2のエンティティとの間でスワップされる、ことと、
を実行するよう構成される、マルチエンティティ在庫管理システム。
【請求項7】
請求項3に記載のマルチエンティティ在庫管理システムにおいて、前記プロセッサは、前記第1の格納ビンの内容物について前記第1のエンティティから前記第2のエンティティへの所有の移転並びに前記第2の格納ビンの内容物について前記第2のエンティティから前記第1のエンティティへの所有の移転を、前記特定の製品タイプの前記注文についての前記第2のエンティティのための充足の後に実行するように構成されている、マルチエンティティ在庫管理システム。
【請求項8】
請求項3に記載のマルチエンティティ在庫管理システムにおいて、前記プロセッサは、
前記注文を受信する前、前記データベースを更新して、前記第1の格納ビンの前記内容物は前記第1のエンティティに所有されていることを記録することと、
前記注文を受信する前、前記データベースを更新して、前記第2の格納ビンの前記内容物は前記第2のエンティティに所有されていることを記録することと、
をなすようにさらに構成されている、マルチエンティティ在庫管理システム。
【請求項9】
請求項3に記載のマルチエンティティ在庫管理システムにおいて、前記プロセッサは、
前記データベースに対してクエリを発して、前記第1の格納ビンの内容物と前記第2の格納ビンの内容物とが等しいかを決定することと、
前記注文の受信後に、前記データベースを更新して、前記第1の格納ビンの内容物及び前記第2の格納ビンの内容物の前記所有が前記第1のエンティティと前記第2のエンティティとの間でスワップされていると記録することであって、前記記録することは前記第1の格納ビンの内容物と前記第2の格納ビンの内容物とが等しいとの決定に応答してなされる、ことと、
前記第1の格納ビンの内容物と前記第2の格納ビンの内容物とが等しくないとの決定に応答して、
(a)前記施設の1つにてロボティックワーカをアクティブ化して、前記第2の格納ビンの前記内容物との関係で前記第1の格納ビンの前記内容物を均等化することと、
(b)前記施設の1つにて、(i)前記ロボティックハンドラーの第5のサブセットをアクティブ化して、前記第1の格納ビンを有人ワークステーションに届け、並びに、(ii)人間-マシンインタフェースをアクティブ化して、前記有人ワークステーションの人間ワーカに指示して、前記第2の格納ビンの前記内容物との関係で前記第1の格納ビンの前記内容物を均等化することと、
(c)前記異なる施設にてロボティックワーカをアクティブ化して、前記第1の格納ビンの前記内容物との関係で前記第2の格納ビンの前記内容物を均等化することと、
(d)前記異なる施設にて、(i)前記ロボティックハンドラーの第6のサブセットを
アクティブ化して、前記第2の格納ビンを有人ワークステーションに届け、並びに、(ii)前記有人ワークステーションの人間-マシンインタフェースをアクティブ化して、前記有人ワークステーションの人間ワーカに指示して前記第1の格納ビンの前記内容物との関係で前記第2の格納ビンの前記内容物を均等化することと、
の少なくとも1つをなすようにさらに構成されている、マルチエンティティ在庫管理システム。
【請求項10】
請求項3に記載のマルチエンティティ在庫管理システムにおいて、前記プロセッサは、前記ロボティックハンドラーについての別のサブセットをアクティブ化して、前記第2の製品を前記施設の1つへと再配置するために前記第2の製品を前記第2の格納構造から回収することであって、前記回収することは前記データベースを更新して前記第2の製品について前記第2のエンティティから前記第1のエンティティへの所有の移転を記録した後になされる、ことをなすようにさらに構成されている、マルチエンティティ在庫管理システム。
【請求項11】
請求項2に記載のマルチエンティティ在庫管理システムにおいて、前記プロセッサは、
前記特定の製品タイプについての前記注文を前記第2のエンティティから受信する前に、前記特定の製品タイプを予約することを要求する予約メッセージを前記第2のエンティティから受信することと、
データベースに対してクエリを発して、前記第1の製品が予約に関して利用可能であることを確認することと、
前記第1の製品が利用可能であることを確認した後に前記第1の製品が前記第2のエンティティのために予約されていることの標示を前記データベース内に記録することによって前記第1の製品を前記第2のエンティティのために予約することと、
前記第1の製品が前記第2のエンティティのために独占的に取り置かれて、他のエンティティによる予約に関して前記第1の製品が利用不能となる予約期間を開始することと、
前記第1の製品に対応する注文が前記予約期間中に前記第2のエンティティから受信されなかった場合、前記第1の製品が予約されていることの前記標示を覆して前記異なるエンティティのうちの他のものによる予約に関して前記第1の製品を利用可能とすることによって前記データベースを更新することと、
を実行するようにさらに構成されている、マルチエンティティ在庫管理システム。
【請求項12】
請求項3に記載のマルチエンティティ在庫管理システムにおいて、前記プロセッサは、
前記第2のエンティティから、前記特定の製品タイプについての製品利用可能性要求を受信することと、
前記製品利用可能性要求と関連付けられている要件に関して前記製品利用可能性要求を構文解析することと、
前記製品利用可能性要求と関連付けられている前記要件と一致する製品に関して前記データベースを検索することであって、前記検索からの結果は前記第1のエンティティに所有された前記第1の製品の利用可能性を少なくとも示す、ことと、
受信された前記製品利用可能性要求の要求主体へと、前記第1の製品についての情報を送信することと、
をなすようにさらに構成されている、マルチエンティティ在庫管理システム。
【請求項13】
請求項12に記載のマルチエンティティ在庫管理システムにおいて、前記プロセッサは、前記製品についての前記検索を限定して前記第2のエンティティと関連付けられているホワイトリストにて識別されたエンティティによって所有された利用可能製品のみを含むものとすることと、
前記製品についての前記検索を限定して前記第2のエンティティと関連付けられているブラックリストにて識別された前記エンティティによって所有された在庫製品を含まない
ものとすることと、
前記製品についての前記検索を限定して前記第2のエンティティによって前記製品利用可能性要求にて定義された選好最高購入価格以下の販売価格を有する利用可能製品のみを含むものとすることと、
前記製品についての前記検索を限定して前記製品利用可能性要求にて定義された選好宛先から所定の半径内にある利用可能製品のみを含むようにすることと、
前記製品についての前記検索を限定して前記製品利用可能性要求にて指定された選好配達タイムライン内に配達可能な利用可能製品のみを含むものとすることと、
を実行するよう構成される、マルチエンティティ在庫管理システム。
【請求項14】
複数の異なるエンティティの製品在庫を、ロボティックハンドラーによるサービスを受ける格納構造を備える複数の施設にて管理するためのコンピュータ実装方法であって、該コンピュータ実装方法は、少なくとも1つの記憶装置と、前記記憶装置と動作可能に結合された少なくとも1つのプロセッサとを備える在庫管理システムを用い、前記方法は、
製品所有情報を含むデータベースを前記記憶装置に記憶することであって該製品所有情報は前記異なるエンティティの識別に必要な情報を含む、ことと、
前記在庫管理システムによって、前記複数の施設の各々と、格納ビンを輸送するために前記複数の施設の各々の間を移動する対応する輸送車両と、にて、格納ビンの1対1の交換を促進して、前記在庫管理システムを通って順方向と逆方向とに前記格納ビンの連続的且つ等価な流れを可能にして、前記施設の各々と前記対応する輸送車両とにおける1対1対応の格納ビン交換トランザクションを可能にし、前記在庫管理システムを通る前記格納ビンの逆方向流量が、前記在庫管理システムを通る前記格納ビンの順方向流量と等しくなることを可能にすることと、
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータ実装方法において、前記方法は、
前記在庫管理システムによって、前記施設の1つにある前記ロボティックハンドラーの第1のサブセットをアクティブ化して、特定の製品タイプの第1の製品を第1の格納構造内の第1の格納ビンへと物理的に格納することであって、前記第1の製品は前記第1の格納ビンの内容物である、ことと、
前記ロボティックハンドラーの前記第1のサブセットをアクティブ化することに応答して、前記在庫管理システムによって、前記データベースを更新して、前記第1の製品は前記データベース内で識別される前記複数の異なるエンティティに含まれる第1のエンティティによって所有されることを記録することと、
通信ネットワークを介して前記在庫管理システムによって、前記データベース内で識別される前記複数の異なるエンティティに含まれる第2のエンティティから、前記特定の製品タイプの注文を受信することであって、前記第2のエンティティは前記第1のエンティティとは異なる、ことと、
前記在庫管理システムによって前記データベースを更新して、前記第1のエンティティから前記第2のエンティティへの、前記第1の格納構造にある前記第1の格納ビンに格納された前記第1の製品の所有の移転を記録することと、
前記在庫管理システムによって前記ロボティックハンドラーの第2のサブセットをアクティブ化して、前記第1の格納構造内にある前記第1の格納ビンから前記第1の製品を回収して、前記第2のエンティティについて前記特定の製品タイプの前記第1の注文を充足するために用いることと、
前記在庫管理システムによって、前記ロボティックハンドラーの第3のサブセットをアクティブ化して、前記特定の製品タイプの第2の製品を、第2の格納構造内の第2の格納ビンに物理的に格納することであって、前記第2の格納構造は、前記第1の格納構造とは異なる施設にあり、前記第2の製品の所有は、前記在庫管理システムによって、前記第2のエンティティに割り当てられ、前記第2の製品は、前記第2の格納ビンの内容物である
、ことと、
前記在庫管理システムによって、前記データベースを更新して、前記第2のエンティティから前記第1のエンティティへの前記第2の製品の前記所有の移転を記録することであって、前記第1の製品と前記第2の製品との前記所有は、前記第1のエンティティと前記第2のエンティティとの間でスワップされる、ことと、
前記在庫管理システムによって、前記データベースを更新して、前記第1のエンティティから前記第2のエンティティへの前記第1の製品の前記所有の前記移転を記録し、前記記録は前記第2のエンティティが前記特定の製品タイプについて在庫不足になっており且つ前記特定の製品タイプについての前記注文を充足できないとの決定に応答してなされる、ことと、
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項16】
請求項15に記載のコンピュータ実装方法において、前記データベースを更新して前記第1のエンティティから前記第2のエンティティへの前記第1の製品の前記所有の前記移転を記録することは、前記第2のエンティティが前記第1の製品を前記第1のエンティティから購入することを確認し並びに前記データベースを更新して前記第2のエンティティを前記第1の製品を前記第1のエンティティから購入するものとして記録することによってなされる、コンピュータ実装方法。
【請求項17】
請求項14に記載のコンピュータ実装方法において、
前記在庫管理システムによって前記データベースを構成して、複数のベンダIDをマルチ区画格納ビン(MCSビン)へ割り当てることを、前記MCSビン内の個別区画に対して1対1対応で可能にし、前記データベースを構成して、前記複数のベンダIDを非区画化格納ビンに対して割り当てる、ことと、
前記データベースを構成して、前記在庫管理システムによって、前記非区画化格納ビン又は前記MCSビンの前記個別区画の内容物の一部のみを再割り当てすることを可能にすることであって、再割り当てされる内容物を第2の非区画化格納ビン又は前記MCSビン内の第2の区画に隔離せず、ビン規模又は区画規模の代わりに製品規模での在庫再割り当てを示す、ことと、
前記在庫管理システムによって、ベンダレベルで、前記マルチ区画格納ビン(MCSビン)の各区画に製品数量をデジタル的に割り当てるよう構成され、各ベンダは、前記MCSビンの各区画に格納された特有の製品数量を有する、ことと、
前記在庫管理システムによって、前記MCSビンが前記施設の1つにあるか前記施設間の輸送中にあるかにかかわらず、ベンダ間の前記製品数量のデジタル再割り当てを実行するようことと、
を含むコンピュータ実装方法。
【請求項18】
請求項15に記載のコンピュータ実装方法において、
前記在庫管理システムによって前記ロボティックハンドラーの第1のサブセットをアクティブ化して前記第1の製品を前記第1の格納ビン内にて前記第1の格納構造に物理的に格納することと、
前記在庫管理システムによって前記ロボティックハンドラーについての前記第3のサブセットをアクティブ化して、前記第2の製品を前記第2の格納ビン内にて前記第2の格納構造に物理的に格納することと、
前記注文の受信後に、前記データベースを更新して、前記第1の格納ビンの前記内容物について前記第1のエンティティから前記第2のエンティティへの所有の移転並びに前記第2の格納ビンの前記内容物について前記第2のエンティティから前記第1のエンティティへの所有の移転を記録することであって、前記第1の格納ビンの前記内容物及び前記第2の格納ビンの前記内容物の前記所有が前記第1のエンティティと前記第2のエンティティとの間でスワップされる、ことと、
前記在庫管理システムによって前記ロボティックハンドラーの第4のサブセットをアクティブ化して、前記第1の格納ビンを前記第1の格納構造から回収して、前記特定の製品タイプの前記注文を前記第2のエンティティのために充足することと、
をさらに含む、コンピュータ実装方法。
【請求項19】
請求項15に記載のコンピュータ実装方法において、
前記注文を受信する前、前記在庫管理システムによって前記記憶装置内の前記データベースを更新して、前記第1の格納ビンの前記内容物は前記第1のエンティティに所有されていることを記録することと、
前記注文を受信する前、前記在庫管理システムによって前記記憶装置内のデータベースを更新して、前記第2の格納ビンの前記内容物は前記第2のエンティティに所有されていることを記録することと、
をさらに含む、コンピュータ実装方法。
【請求項20】
請求項15に記載のコンピュータ実装方法において、
前記在庫管理システムによって前記データベースに対してクエリを発して、前記第1の格納ビンの前記内容物と前記第2の格納ビンの前記内容物とが等しいかを決定することと、
前記注文の受信後に、前記在庫管理システムによって前記データベースを更新して、前記第1の格納ビン及び前記第2の格納ビンの内容物の前記所有が、前記第1のエンティティと前記第2のエンティティとの間で交換されているものとして記録することであって、前記記録することは前記第1の格納ビンの内容物と前記第2の格納ビンの内容物とが等しいとの決定に応答してなされる、ことと、
前記第1の格納ビンの内容物と前記第2の格納ビンの内容物とが等しくないとの決定に応答して、
(a)前記在庫管理システムによって前記施設の1つにてロボティックワーカをアクティブ化して、前記第2の格納ビンの前記内容物との関係で前記第1の格納ビンの前記内容物を均等化することと、
(b)前記在庫管理システムによって前記施設の1つにて、(i)前記ロボティックハンドラーについての第5のサブセットをアクティブ化して、前記第1の格納ビンを有人ワークステーションに届け、並びに、(ii)人間-マシンインタフェースをアクティブ化して、前記有人ワークステーションの人間ワーカに指示して前記第2の格納ビンの前記内容物との関係で前記第1の格納ビンの前記内容物を均等化することと、
(c)前記在庫管理システムによって前記異なる施設にてロボティックワーカをアクティブ化して、前記第1の格納ビンの前記内容物との関係で前記第2の格納ビンの前記内容物を均等化することと、
(d)前記在庫管理システムによって前記異なる施設にて、(i)前記ロボティックハンドラーについての第6のサブセットをアクティブ化して、前記第2の格納ビンを有人ワークステーションに届け、並びに、(ii)前記有人ワークステーションの人間-マシンインタフェースをアクティブ化して、前記有人ワークステーションの人間ワーカに指示して前記第1の格納ビンの前記内容物との関係で前記第2の格納ビンの前記内容物を均等化することと、
の少なくとも1つをなすことをさらに含む、コンピュータ実装方法。
【請求項21】
請求項15に記載のコンピュータ実装方法において、前記在庫管理システムによって前記ロボティックハンドラーの別のサブセットをアクティブ化して、前記第2の製品を前記施設の1つへと再配置するために前記第2の製品を前記第2の格納構造から回収することであって、前記回収することは前記データベースを更新して前記第2のエンティティから前記第1のエンティティへの所有の移転を記録した後になされる、ことをさらに含む、コンピュータ実装方法。
【請求項22】
請求項15に記載のコンピュータ実装方法において、
前記特定の製品タイプについての前記注文を前記第2のエンティティから受信する前に、前記在庫管理システムによって前記特定の製品タイプを予約することを要求する予約メッセージを前記第2のエンティティから受信することと、
前記在庫管理システムによって前記データベースに対してクエリを発して、前記第1の製品が予約に関して利用可能であることを確認することと、
前記第1の製品が利用可能であることを確認した後に前記在庫管理システムによって前記第1の製品が前記第2のエンティティのために予約されていることの標示を前記データベース内に記録することによって前記第1の製品を前記第2のエンティティのために予約することと、
前記第1の製品が前記第2のエンティティのために独占的に取り置かれて他の異なるエンティティによる予約に関して前記第1の製品が利用不能となる予約期間を前記在庫管理システムによって開始することと、
前記第1の製品に対応する注文が前記予約期間中に前記第2のエンティティから受信されなかった場合、前記第1の製品が予約されていることの前記標示を覆して前記異なるエンティティのうちの他のものによる予約に関して前記第1の製品を利用可能とすることによって、前記在庫管理システムにより前記データベースを更新することと、
をさらに含む、コンピュータ実装方法。
【請求項23】
請求項15に記載のコンピュータ実装方法において、
前記第2のエンティティから、前記特定の製品タイプについての製品利用可能性要求を前記在庫管理システムによって受信することと、
前記製品利用可能性要求と関連付けられている要件に関して前記製品利用可能性要求を前記在庫管理システムによって構文解析することと、
前記製品利用可能性要求と関連付けられている前記要件と一致する製品に関して前記在庫管理システムによって前記データベースを検索することであって、前記検索からの結果は前記第1のエンティティに所有された前記第1の製品の利用可能性を少なくとも示す、ことと、
受信された前記製品利用可能性要求の要求主体へと、前記在庫管理システムによって前記第1の製品についての情報を送信することと、
をさらに含む、コンピュータ実装方法。
【請求項24】
請求項23に記載のコンピュータ実装方法において、
前記在庫管理システムによって前記製品についての前記検索を限定して、前記第2のエンティティと関連付けられているホワイトリストにて識別されたエンティティによって所有された利用可能製品のみを含むものとすることと、
前記在庫管理システムによって前記製品についての前記検索を限定して前記第2のエンティティと関連付けられているブラックリストにて識別された前記エンティティによって所有された在庫製品を含まないものとすることと、
前記在庫管理システムによって前記製品についての前記検索を限定して前記第2のエンティティによって前記製品利用可能性要求にて定義された選好最高購入価格以下の販売価格を有する利用可能製品のみを含むものとすることと、
前記在庫管理システムによって前記製品についての前記検索を限定して前記製品利用可能性要求にて定義された選好宛先から所定の半径内にある利用可能製品のみを含むものとすることと、
前記在庫管理システムによって前記1つ以上の製品についての前記検索を限定して前記製品利用可能性要求にて指定された選好配達タイムライン内に配達可能な利用可能製品のみを含むものとすることと、
をさらに含む、コンピュータ実装方法。
【請求項25】
ロボティックハンドラーによるサービスを受ける格納構造を備える複数の施設にて異なるエンティティの製品在庫をマルチエンティティ在庫管理システムにおいて管理するための少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なコンピュータプログラム命令が化体された非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、該コンピュータプログラム命令が前記プロセッサによって実行されると前記プロセッサに、
製品所有情報を含むデータベースを記憶装置に記憶することであって該製品所有情報は前記異なるエンティティの識別に必要な情報を含む、ことと、
前記施設の各々と、格納ビンを輸送するために前記施設の各々の間を移動する対応する輸送車両と、にて、格納ビンの1対1の交換を促進することと、
前記マルチエンティティ在庫管理システムを通って順方向と逆方向とに前記格納ビンの等価且つ連続的な流れを可能にして、前記施設の各々と前記対応する輸送車両とにおける1対1対応の格納ビン交換トランザクションを可能にし、前記マルチエンティティ在庫管理システムを通る前記格納ビンの逆方向流量が、前記マルチエンティティ在庫管理システムを通る前記格納ビンの順方向流量と等しくなることを可能にすることと、
を実行させる、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【外国語明細書】