(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156368
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】自動封入装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/04 20060101AFI20231017BHJP
G01N 1/28 20060101ALI20231017BHJP
H02J 9/06 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
G01N35/04 E
G01N1/28 U
H02J9/06
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122568
(22)【出願日】2023-07-27
(62)【分割の表示】P 2019571263の分割
【原出願日】2019-02-25
(31)【優先権主張番号】102018104709.6
(32)【優先日】2018-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】500113648
【氏名又は名称】ライカ ビオズュステムス ヌスロッホ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】シール、ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】シャルペ、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィットマン、マルクス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電力系統ないし電源からの電力の供給に障害がある場合でも試料の損傷が大幅に回避される自動封入装置の提供。
【解決手段】電力系統に接続され試料がその上に存在する標本スライド(4)を標本スライドマガジン(5)から取り出し、各標本スライド(4)上に封入処理をその都度実行し、封入処理された標本スライド(4)を該標本スライドマガジン(5)又は更なる標本スライドマガジン(29)内に配置するよう構成され、電子制御装置(13)は、前記電力系統からの電気エネルギ供給における障害を検出し、障害がある場合、電気エネルギ蓄積器(12)からの電気エネルギの取り込みに切替えるよう、及び、封入媒体(7)が既に塗布されている標本スライド(4)を完全に封入処理した後に前記標本スライドマガジン(5)又は前記更なる標本スライドマガジン(29)内に配置するための安全ステップを少なくとも含む安全ルーチンを実行する自動封入装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力消費装置として電気エネルギの供給を受けるために電力系統に接続されるよう構成され、かつ、試料がその上に存在する標本スライド(4)を標本スライドマガジン(5)から取り出し、各標本スライド(4)上に封入媒体(7)を、次にカバーガラス(8)を配する封入処理をその都度実行し、封入処理された標本スライド(4)を該標本スライドマガジン(5)又は更なる標本スライドマガジン(29)内に配置するよう構成された、自動封入装置であって、
該自動封入装置(1)は、電気エネルギ蓄積器(12)と電子制御装置(13)を含むこと、
該電子制御装置(13)は、前記電力系統からの電気エネルギ供給における障害を検出し、障害がある場合、該電気エネルギ蓄積器(12)からの電気エネルギの取り込みに切り替えるよう、及び、封入媒体(7)が既に塗布されている標本スライド(4)を完全に封入処理した後に前記標本スライドマガジン(5)又は前記更なる標本スライドマガジン(29)内に配置するための安全ステップを少なくとも含む安全ルーチンを実行するよう構成されていること、
前記安全ルーチンは、更なる安全ステップとして、封入媒体(7)を塗布するために役立つ中空ニードル(6)を溶剤浴(15)内に浸漬すること、を含むこと、
を特徴とする自動封入装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動封入装置において、
前記安全ルーチンは、更なる安全ステップとして、前記標本スライドマガジン(5)から取り出されているが未だ封入媒体(7)が塗布されていない標本スライド(4)を該標本スライドマガジン(5)内に戻すよう移送すること、を含むこと、
を特徴とする自動封入装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の自動封入装置において、
前記安全ルーチンは、当該自動封入装置(1)の構成要素を、通常運転モードでの再始動が損傷を発生することなく可能である状態に移すこと、を含むこと、
を特徴とする自動封入装置。
【請求項4】
請求項1~3の何れかに記載の自動封入装置において、
前記安全ルーチンの実行後、該自動封入装置(1)は通常運転モードに切り戻し可能に構成されており、前記制御装置(13)は、前記電力系統からの電気エネルギの供給に障害が最早存在しない場合にのみ及び/又は前記電気エネルギ蓄積器(12)が予め設定された若しくは予め設定可能な最小充電状態にある場合にのみ、戻し切替を可能にするよう構成されていること、
を特徴とする自動封入装置。
【請求項5】
請求項1~3の何れかに記載の自動封入装置において、
a.前記安全ルーチンの実行後、前記制御装置(13)は、前記電力系統からの電気エネルギの供給の障害が最早存在しないことを検出すると、自動的に通常運転モードへの戻し切替を実行するよう構成されていること、
b.前記安全ルーチンの実行後、前記制御装置(13)は、該制御装置(13)が前記電力系統からの電気エネルギの供給の障害が最早存在しないことを検出しかつ前記電気エネルギ蓄積器(12)が予め設定された又は予め設定可能な最小充電状態にある場合、自動的に通常運転モードへの戻し切替を実行するよう構成されていること、
を特徴とする自動封入装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れかに記載の自動封入装置(1)と生体試料の処理又は試験・検査のための更なる自動装置(16)を含むシステムであって、
該更なる自動装置(16)は、同様に、電力消費装置として電気エネルギの供給を受けるために電力系統に接続されるよう構成されており、
該自動封入装置(1)と該更なる自動装置(16)は、電気エネルギが該自動封入装置(1)の電気エネルギ蓄積器(12)から該更なる自動装置(16)に伝送可能であるよう及び/又は電気エネルギが該更なる自動装置(16)から該自動封入装置(1)に伝送可能であるよう、電気的接続を形成しているか又は電気的接続を形成可能に構成されている、
システム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムにおいて、
前記更なる自動装置(16)は更なる電気エネルギ蓄積器(18)を含むこと、
前記自動封入装置(1)と前記更なる自動装置(16)は、電気エネルギが該更なる電気エネルギ蓄積器(18)から該自動封入装置(1)に伝送可能であるよう及び/又は電気エネルギが該自動封入装置(1)から前記更なる自動装置(16)に伝送可能であるよう、電気的接続を形成しているか又は電気的接続を形成可能に構成されていること、
を特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムにおいて、
前記更なる自動装置は、
a.試料(複数)を(1つの)マガジンから取り出し、少なくとも1つの処理ステップが実行される処理プロセスをその都度実行し、次に、処理された試料を前記マガジン又は更なるマガジンに配置するよう構成されていること、
b.更なる電気エネルギ蓄積器(18)を有すること、
c.更なる電子制御装置(19)を有すること、但し、該更なる電子制御装置(19)は、電力系統からの電気エネルギの供給における障害を検出し、障害がある場合、前記更なる電気エネルギ蓄積器(18)から電気エネルギの取り込みに切り替えるよう、及び、既に前記処理プロセスにかけられている試料を完全に処理した後に安全位置に移送するための安全ステップを少なくとも含む更なる安全ルーチンを実行するよう構成されていること、
を特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項7に記載のシステムにおいて、
前記更なる自動装置は、
a.マガジン(複数)に配置されている試料(複数)を受け取り、その都度1つのマガジンに配置されている複数の試料について、少なくとも1つの処理ステップが実行される処理プロセスを実行し、次いで、一緒に処理された複数の試料を収容するマガジンをアウトプットすること、
b.更なる電気エネルギ蓄積器(18)を有すること、
c.更なる電子制御装置(19)を有すること、但し、該更なる電子制御装置(19)は、電力系統からの電気エネルギの供給における障害を検出し、障害がある場合、前記更なる電気エネルギ蓄積器(18)からの電気エネルギの取り込みに切り替えるよう、及び、複数の試料を収容しており既に前記処理プロセスにかけられているマガジンを完全に処理した後に安全位置に移送するための安全ステップを少なくとも含む更なる安全ルーチンを実行するよう構成されていること、
を特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項6~9の何れかに記載のシステムにおいて、
a.前記制御装置(13)又は前記更なる自動装置(16)の更なる制御装置(19)は、電力系統からの電気エネルギの供給における障害を検出すると、前記電気的接続を形成するよう構成されていること、又は、
b.前記制御装置(13)は、電力系統からの電気エネルギの供給における障害を検出しかつ前記電気エネルギ蓄積器(12)の実際の充電状態が前記安全ルーチンを実行するために不十分であるとの見込みを確認すると、前記電気的接続を形成するよう構成されていること、又は、
c.前記更なる自動装置(16)の前記更なる制御装置(19)は、電力系統からの電気エネルギの供給における障害を検出しかつ前記更なる電気エネルギ蓄積器(18)の実際の充電状態が前記更なる安全ルーチンを実行するために不十分であるとの見込みを確認すると、前記電気的接続を形成するよう構成されていること、
を特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項6~10の何れかに記載のシステムにおいて、
a.前記制御装置(13)は、前記自動封入装置(1)から前記更なる自動装置(16)への電気エネルギの伝送及び/又は前記更なる自動装置(16)から前記自動封入装置(1)への電気エネルギの伝送を制御するよう構成されていること、又は
b.前記更なる自動装置の更なる制御装置(19)は、前記自動封入装置(1)から前記更なる自動装置(16)への電気エネルギの伝送及び/又は前記更なる自動装置(16)から前記自動封入装置(1)への電気エネルギの伝送を制御するよう構成されていること、
を特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項6~11の何れかに記載のシステムにおいて、
前記制御装置(13)と前記更なる自動装置(16)の更なる制御装置(19)は、前記自動封入装置(1)から前記更なる自動装置(16)への電気エネルギの伝送及び/又は前記更なる自動装置(16)から前記自動封入装置(1)への電気エネルギの伝送を一緒に制御するよう構成されていること、
を特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項8~12の何れかに記載のシステムにおいて、
a.前記制御装置(13)は、前記電気エネルギ蓄積器(12)の充電状態及び/又は前記電気エネルギ蓄積器(12)の残り稼働時間及び/又は前記自動封入装置(1)の前記安全ルーチンを実行するための見込みエネルギ需要に関するデータを前記更なる制御装置(19)へ送信するよう構成されていること、又は、
b.前記更なる制御装置(19)は、前記更なる電気エネルギ蓄積器(18)の充電状態及び/又は前記更なる電気エネルギ蓄積器(18)の残り稼働時間及び/又は前記更なる自動装置の前記安全ルーチンを実行するための見込みエネルギ需要に関するデータを前記制御装置(13)へ送信するよう構成されていること、
を特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項6~13の何れかに記載のシステムにおいて、
前記更なる自動装置(16)は、自動スキャナ(28)又は自動包埋装置(25)又は自動ミクロトーム(26)又は自動染色装置(27)又は自動プロセッサ(24)又は更なる自動封入装置であること、
を特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力消費装置(ないし負荷)として電気エネルギの供給を受けるために電力系統に接続されるよう構成され、かつ、試料がその上に存在する標本スライドを標本スライドマガジンから取り出し、各標本スライド上に封入媒体を、次にカバーガラスを配する封入処理をその都度実行し、封入処理された標本スライドを該標本スライドマガジン又は更なる標本スライドマガジン内に配置(装填)するよう構成された、自動封入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
病理検査室では、試料処理のためにいくつかの装置が用いられる。ここでは、とりわけ自動装置が使用される。
【0003】
まず、生体試料は、固定され、脱水され、パラフィンの含浸を受ける。これらは、通常、いわゆるプロセッサ(処理装置)を用いて行われる。プロセッサにおける処理の際、生体試料は、通常、流体交換用の小さな開口を有する密閉カセット内に存在する。複数のカセットが一緒に容器に配され、同時に処理されることが多い。プロセッサの一例は、例えばUS7,722,811B2に描写かつ記載されている。このプロセッサでは、試料の処理は、様々な化学物質がポンプで注入されるレトルト(Retorte)で行われる。
【0004】
パラフィンを試料に含浸した後、パラフィンブロックへの試料の包埋が行われる。これは、とりわけ、例えばUS9,671,322B2に描写かつ記載されているように、自動包埋装置で行うことができる。
【0005】
パラフィンブロックに試料を包埋した後、ミクロトームを用いた更なる処理が行われるが、ミクロトームによって、パラフィンブロックは包埋試料と一緒に切断されて、薄いスライス(複数)、所謂「薄片」(複数)が形成され、これらは個別に夫々1つの標本スライド上に載置される。ミクロトームの一例は例えばUS7,273,000B2に描写かつ記載されている。大抵は、切断されるべきパラフィンブロックはミクロトームの試料ホルダ内に締め付け固定され、この試料ホルダは上下運動を行い、その際、試料をミクロトームナイフ上に案内する。その際、試料の薄片が形成され、これらの薄片は夫々1つの標本スライド上に載置され、次いで、通常は、染色(着色)装置でさらに処理されることができる。染色装置の一例は例えばUS6,821,072B2から既知である。染色工程では、各標本スライドは試薬を含む複数の槽を通る。
【0006】
染色工程の完了後、標本スライド上に存在する染色された薄片は、カバーガラス(カバースリップ)で被覆される。これはとりわけ自動封入装置で実行されることができる。自動封入装置の一例は同様にUS6,821,072B2に描写かつ記載されている。US6,821,072B2から既知の装置の場合、2つの装置即ち染色装置と自動封入装置は移送ステーションを介して互いに結合されている。
【0007】
自動封入装置では、まず、染色された薄片に液状封入媒体が中空ニードルによって塗布され、カバーガラスがその上に配置される。大抵は、接着剤として機能するため実験室専門用語で「接着剤」とも称される接着性封入媒体が使用される。次に、封入媒体は、標本スライド上でカバーガラスがずれることを防ぐために、乾燥されなければならない。標本スライド上で染色されかつ封入された試料は、その後、顕微鏡又は診断用顕微鏡スキャニング装置を用いて観察される。スキャニング装置の一例はUS7,133,543B2に描写かつ記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】US 7,722,811 B2
【特許文献2】US 9,671,322 B2
【特許文献3】US 7,273,000 B2
【特許文献4】US 6,821,072 B2
【特許文献5】US 7,133,543 B2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のプロセス中、大抵は、複数の標本スライドが上下に重ねられて又は並置されて、「ラック(Rack)」とも称される移送可能標本スライドマガジンに一緒に収容される。次いで、これらは種々の装置においてそれぞれのプロセスを受ける。
【0010】
特に自動封入装置においては、電源異常(停電)時、試料に又は自動封入装置にも損傷が生じ得る。
【0011】
したがって、本発明の課題は、系統電力供給(電力系統ないし電源からの電力ないし電気エネルギの供給)に障害が発生した場合、少なくとも試料の損傷が大幅に排除される自動封入装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、冒頭に記載したタイプの自動封入装置によって解決される。即ち、本発明の第1の視点により、電力消費装置として電気エネルギの供給を受けるために電力系統に接続されるよう構成され、かつ、試料がその上に存在する標本スライドを標本スライドマガジンから取り出し、各標本スライド上に封入媒体を、次にカバーガラスを配する封入処理をその都度実行し、封入処理された標本スライドを該標本スライドマガジン又は更なる標本スライドマガジン内に配置するよう構成された、自動封入装置が提供される。該自動封入装置は、電気エネルギ蓄積器と電子制御装置を含むこと、該電子制御装置は、前記電力系統(電源)からの電気エネルギ供給における障害を検出し、障害がある場合、該電気エネルギ蓄積器からの電気エネルギの取り込みに切り替えるよう、及び、封入媒体が既に塗布されている標本スライドを完全に封入処理した後に前記標本スライドマガジン又は前記更なる標本スライドマガジン内に配置(装填)するための安全ステップを少なくとも含む安全ルーチンを実行するよう構成されていること、前記安全ルーチンは、更なる安全ステップとして、封入媒体を塗布するために役立つ中空ニードルを溶剤浴内に浸漬すること、を含むことを特徴とする(形態1)。
更に、本発明の第2の視点により、本発明の自動封入装置と生体試料の処理又は試験・検査のための更なる自動装置を含むシステムが提供される。該システムにおいて、該更なる自動装置は、同様に、電力消費装置として電気エネルギの供給を受けるために電力系統に接続されるよう構成されており、該自動封入装置と該更なる自動装置は、電気エネルギが該自動封入装置の電気エネルギ蓄積器から該更なる自動装置に伝送可能であるよう及び/又は電気エネルギが該更なる自動装置から該自動封入装置に伝送可能であるよう、電気的接続を形成しているか又は電気的接続を形成可能に構成されていることを特徴とする(形態6)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここに、本発明の好ましい形態を示す。
(形態1)上記本発明の第1の視点参照。
(形態2)形態1の自動封入装置において、前記安全ルーチンは、更なる安全ステップとして、前記標本スライドマガジンから取り出されているが未だ封入媒体が塗布されていない標本スライドを該標本スライドマガジン内に戻すよう移送すること、を含むことが好ましい。
(形態3)形態1又は2の自動封入装置において、前記安全ルーチンは、当該自動封入装置の構成要素を、通常運転モードでの再始動が損傷を発生することなく可能である状態に移すこと、を含むことが好ましい。
(形態4)形態1~3の何れかの自動封入装置において、前記安全ルーチンの実行後、該自動封入装置は通常運転モードに切り戻し可能に構成されており、前記制御装置は、前記電力系統からの電気エネルギの供給に障害が最早存在しない場合にのみ及び/又は前記電気エネルギ蓄積器が予め設定された若しくは予め設定可能な最小充電状態にある場合にのみ、戻し切替を可能にするよう構成されていることが好ましい。
(形態5)形態1~3の何れかの自動封入装置において、
a.前記安全ルーチンの実行後、前記制御装置は、前記電力系統からの電気エネルギの供給の障害が最早存在しないことを検出すると、自動的に通常運転モードへの戻し切替を実行するよう構成されていること、
b.前記安全ルーチンの実行後、前記制御装置は、該制御装置が前記電力系統からの電気エネルギの供給の障害が最早存在しないことを検出しかつ前記電気エネルギ蓄積器が予め設定された又は予め設定可能な最小充電状態にある場合、自動的に通常運転モードへの戻し切替を実行するよう構成されていること、
が好ましい。
(形態6)上記本発明の第2の視点参照。
(形態7)形態6のシステムにおいて、
前記更なる自動装置は更なる電気エネルギ蓄積器を含むこと、
前記自動封入装置と前記更なる自動装置は、電気エネルギが該更なる電気エネルギ蓄積器から該自動封入装置に伝送可能であるよう及び/又は電気エネルギが該自動封入装置から前記更なる自動装置に伝送可能であるよう、電気的接続を形成しているか又は電気的接続を形成可能に構成されていることが好ましい。
(形態8)形態7のシステムにおいて、
前記更なる自動装置は、
a.試料(複数)を(1つの)マガジンから取り出し、少なくとも1つの処理ステップが実行される処理プロセスをその都度実行し、次に、処理された試料を前記マガジン又は更なるマガジンに配置するよう構成されていること、
b.更なる電気エネルギ蓄積器を有すること、
c.更なる電子制御装置を有すること、但し、該更なる電子制御装置は、電力系統からの電気エネルギの供給における障害を検出し、障害がある場合、前記更なる電気エネルギ蓄積器から電気エネルギの取り込みに切り替えるよう、及び、既に前記処理プロセスにかけられている試料を完全に処理した後に安全位置に移送するための安全ステップを少なくとも含む更なる安全ルーチンを実行するよう構成されていること、
が好ましい。
(形態9)形態7のシステムにおいて、
前記更なる自動装置は、
a.マガジン(複数)に配置されている試料(複数)を受け取り、その都度1つのマガジンに配置されている複数の試料について、少なくとも1つの処理ステップが実行される処理プロセスを実行し、次いで、一緒に処理された複数の試料を収容するマガジンをアウトプットすること、
b.更なる電気エネルギ蓄積器を有すること、
c.更なる電子制御装置を有すること、但し、該更なる電子制御装置は、電力系統からの電気エネルギの供給における障害を検出し、障害がある場合、前記更なる電気エネルギ蓄積器からの電気エネルギの取り込みに切り替えるよう、及び、複数の試料を収容しており既に前記処理プロセスにかけられているマガジンを完全に処理した後に安全位置に移送するための安全ステップを少なくとも含む更なる安全ルーチンを実行するよう構成されていること、
が好ましい。
(形態10)形態6~9の何れかのシステムにおいて、
a.前記制御装置又は前記更なる自動装置の更なる制御装置は、電力系統からの電気エネルギの供給における障害を検出すると、前記電気的接続を形成するよう構成されていること、又は、
b.前記制御装置は、電力系統からの電気エネルギの供給における障害を検出しかつ前記電気エネルギ蓄積器の実際の充電状態が前記安全ルーチンを実行するために不十分であるとの見込みを確認すると、前記電気的接続を形成するよう構成されていること、又は、
c.前記更なる自動装置の前記更なる制御装置は、電力系統からの電気エネルギの供給における障害を検出しかつ前記更なる電気エネルギ蓄積器の実際の充電状態が前記更なる安全ルーチンを実行するために不十分であるとの見込みを確認すると、前記電気的接続を形成するよう構成されていること、
が好ましい。
(形態11)形態6~10の何れかのシステムにおいて、
a.前記制御装置は、前記自動封入装置から前記更なる自動装置への電気エネルギの伝送及び/又は前記更なる自動装置から前記自動封入装置への電気エネルギの伝送を制御するよう構成されていること、又は
b.前記更なる自動装置の更なる制御装置は、前記自動封入装置から前記更なる自動装置への電気エネルギの伝送及び/又は前記更なる自動装置から前記自動封入装置への電気エネルギの伝送を制御するよう構成されていること、
が好ましい。
(形態12)形態6~11の何れかのシステムにおいて、前記制御装置と前記更なる自動装置の更なる制御装置は、前記自動封入装置から前記更なる自動装置への電気エネルギの伝送及び/又は前記更なる自動装置から前記自動封入装置への電気エネルギの伝送を一緒に制御するよう構成されていることが好ましい。
(形態13)形態8~12の何れかのシステムにおいて、
a.前記制御装置は、前記電気エネルギ蓄積器の充電状態及び/又は前記電気エネルギ蓄積器の残り稼働時間及び/又は前記自動封入装置の前記安全ルーチンを実行するための見込みエネルギ需要に関するデータを前記更なる制御装置へ送信するよう構成されていること、又は、
b.前記更なる制御装置は、前記更なる電気エネルギ蓄積器の充電状態及び/又は前記更なる電気エネルギ蓄積器の残り稼働時間及び/又は前記更なる自動装置の前記安全ルーチンを実行するための見込みエネルギ需要に関するデータを前記制御装置へ送信するよう構成されていること、
が好ましい。
(形態14)形態6~13の何れかのシステムにおいて、前記更なる自動装置は、自動スキャナ又は自動包埋装置又は自動ミクロトーム又は自動染色装置又は自動プロセッサ又は更なる自動封入装置であることが好ましい。
【0014】
実行中の運転が電源異常によって突然中断(停止)されると、試料及び/又は自動封入装置に極めて深刻な損傷が生じ得ることが、本発明によって認識された。損傷は、とりわけ、自動封入装置の構成要素の表面又は内部において又はカバーガラスがまだ配置されていない試料上で、封入媒体が完全に乾燥するという理由で生じ得ることが、とりわけ認識された。
【0015】
更に、自動封入装置が任意(ランダム)かつ未定義の運転状態において停止すると、損傷が生じ得ることが認識された。これは、とりわけ、この状態からの再始動が、例えば制御又は個々の試料の識別(同定)のために必要なパラメータ値がとりわけ制御ソフトウェアの内部において喪失するために、可能でない場合、又は、再始動が機械的理由から妨げられる場合である。ユーザが、未定義の運転状態で停止している自動封入装置の部分を取り外すことによって、処理中の試料に、これを除去するために、アクセスしようとすると、損傷が生じるか又は自動封入装置が再始動できない状態になることが、不都合なことに起こり得る。
【0016】
本発明は、電力系統(電源)からのエネルギ供給に障害が発生した場合、自動封入装置の突然の停止を回避する。この場合、本発明により、封入媒体が既に塗布されている標本スライドを完全に封入処理した後標本スライドマガジン又は更なる標本スライドマガジンに配置(装填)する安全ステップを少なくとも含み、及び、例えば不可欠ではない構成要素の一時的にスイッチオフや自動封入装置の構成要素の保護措置の実行のような更なる安全ステップをとりわけ含むことが可能な、インテリジェント安全ルーチンが実行される。これらについては以下に詳述する。
【0017】
例えば、安全ルーチンは、更なる安全ステップとして、標本スライドマガジンから取り出されているが未だ封入媒体が塗布されていない標本スライドを標本スライドマガジン内に戻すことを含ことができる。特に、標本スライドマガジンが、次いで、ユーザが該マガジンを取り出すことができるアウトプット部に、例えばアウトプットドロワ(引出し)に移送可能であることが好ましい。これにより、ユーザは、例えば、薄片が配されている標本スライドを手作業で封入処理することができる。
【0018】
自動封入装置は、有利には、封入媒体を含む貯蔵容器に取り付けられておりかつ予め設定された量の封入媒体をその都度標本スライド上に塗布する(配する)ことが可能な中空ニードルを有することが可能であり、中空ニードルは、塗布の際、標本スライドに対し相対的に、好ましくは標本スライドの長手延伸軸に沿って移動される。封入媒体が中空ニードル内で乾燥して中空ニードルが詰まることを防ぐために、安全ルーチンは、更なる安全ステップとして、封入媒体の塗布に役立つ中空ニードルを溶剤(溶媒)浴(槽)内に浸漬させること、を有利に含むことができる。溶剤は例えばキシレンであり得る。既に述べたように、封入媒体を標本スライド上に塗布するために、中空ニードルが電動的に(モータ駆動により)可動であるよう構成されていると有利であるので、有利なことに、中空ニードルの電動制御運動機構を、付加的に溶剤浴(槽)内への浸漬も可能となるよう、構成することは容易に実現可能である。
【0019】
既に述べたように、本発明により、封入媒体が既に塗布されている標本スライドは完全に封入処理された後、標本スライドマガジン又は更なる標本スライドマガジンに配置(装填)される。これにより、既に塗布されている封入媒体が、カバーガラスが載置される前に、乾燥することが有利に回避される。安全ルーチンは、更なる安全ステップとして、更なる標本スライドマガジンを、次に、ユーザによる取り出しのために、アウトプット部へ、例えばアウトプットドロワへ移送すること、を有利に含むことができる。このことは、ユーザが、電力供給に障害があるにも拘らず、完全に封入処理された標本スライドを自動封入装置から取り出すことができるという格別な利点を有する。
【0020】
特に自動封入装置のエネルギ蓄積器を保護する(損傷させない)ために、安全ルーチンは、安全ステップ(複数)の実行中に、少なくとも1つの安全ステップの実行のために必須ではない自動封入装置の少なくとも1つのエネルギ消費装置をスイッチオフすることを含むことができる。例えば、安全ルーチンの実行中、ディスプレイ、加熱装置、ポンプ又は移送装置を、これらエネルギ消費装置が安全ルーチンの安全ステップを実行するために又は試料の保存(保護)のために重要な周囲(環境)パラメータを保持(順守)するために必ずしも必要とされない場合、安全ルーチンが終了するまで又は安全ルーチンの実行中のより短い期間(時間セクション)のあいだ、スイッチオフすることができる。これにより、有利な態様で、より長いエネルギ蓄積器稼働時間が達成(実現)されると同時に、電力供給に障害が発生した場合にも、安全ルーチンを確実に最後まで実行することができるよう、十分なエネルギが利用可能であることを確保(保証)するために、エネルギ蓄積器を過度に大容量に設計する必要性が回避される。
【0021】
制御装置は、好ましくは、系統からの電気エネルギの供給に障害がある場合、中断(運転停止)することなく、電気エネルギ蓄積器から電気エネルギの取り込みに切り替えるよう構成されている。そのような実施形態は、自動封入装置の運転の非常に短い停止をも効果的に回避されるという非常に格別な利点を有する。なぜなら、そのような停止も、例えば自動封入装置のそのような短時間の停止後の再始動が更なる介入なしには可能ではない場合、損傷を引き起こし得るからである。
【0022】
安全ルーチンは、好ましくは、自動封入装置の構成要素を、通常運転モードでの再始動が損傷を生じることなく可能である状態にすること、を含む。この場合、とりわけ、試料の処理のために重要な処理パラメータ及び/又は個々の標本スライドの識別(同定)のためのデータが、再始動の際にこれらのデータにアクセス可能であるよう、とりわけ不揮発性の、データ記憶装置に記憶(格納)されるよう構成可能であると有利である。この場合、標本スライドを識別するためのデータは、通常運転モードでの再始動後、封入処理されていない標本スライドのみが確実に自動封入装置において封入処理されるよう、とりわけ既に封入処理されている標本スライドに関するものとすることができる。
【0023】
通常運転モードでは、封入処理のために必要なステップを実行するために必要なエネルギは、この場合、自動封入装置が接続されている電力系統から、再び、取り込まれる。
【0024】
特別な一実施形態では、自動封入装置は、安全ルーチンの実行後、通常運転モードに戻し切替可能に構成されているが、この場合、制御装置は、電力系統からの電気エネルギの供給に障害がもはや存在しない場合及び/又は電気エネルギ蓄積器が予め設定された若しくは予め設定可能な最小充電状態にある場合にのみ、戻し切替を可能にする(許す)よう構成されている。とりわけ、制御装置は、安全ルーチンの実行後、電力系統からの電気エネルギの供給に障害がもはや存在しないことを検出すると、自動的に通常運転モードに戻し切替されるよう、有利に構成可能である。
【0025】
電気エネルギ蓄積器が予め設定された又は予め設定可能な最小充電状態にある場合にのみ、通常運転モードでの再始動が可能であるよう構成されている本発明による自動封入装置の一実施形態は、とりわけ安全かつ信頼性が高い。この実施形態は、系統電力供給に更なる障害が生じる場合にも、安全ルーチンを新たに実行できることが保証されているという格別な利点を有する。
【0026】
制御装置が、安全ルーチンの実行後、当該制御装置が電力系統からの電気エネルギの供給に障害がもはや存在しないことを検出しかつ電気エネルギ蓄積器が予め設定された又は予め設定可能な最小充電状態にある[ことを確認した]場合、自動的に通常運転モードに戻し切替されるよう構成されている自動封入装置の一実施形態は、非常に格別に有利である。この場合、最小充電状態は、系統電力供給の新たな障害が生じた場合、安全ルーチンが確実に実行可能であるように容量設定されていることが好ましい。
【0027】
病理検査室では、大抵は、冒頭に記載したように、生体試料の処理及び分析のための複数の装置が使用される。この背景から、本発明による自動封入装置と生体試料の処理又は検査のための更なる自動装置を含むシステムは、非常に格別に有利である。この更なる自動装置は、同様に、電力消費装置として電気エネルギの供給を受けるために電力系統に接続されるよう構成されており、自動封入装置と更なる自動装置は、電気エネルギが自動封入装置のエネルギ蓄積器から更なる自動装置に伝送可能であるよう及び/又は電気エネルギが更なる自動装置から自動封入装置に伝送可能であるよう、電気的接続を形成しているか又は電気的接続を形成可能に構成されている。
【0028】
そのようなシステムは、例えば更なる自動装置において安全ルーチンが実行可能であるように、必要な場合に電気エネルギを更なる自動装置に伝送できるという非常に格別な利点を有する。
【0029】
下記構成を有する自動装置は、極めて全般的に及び独自の発明コンセプトに応じ、格別に有利である。即ち、この自動装置は、電力消費装置として電気エネルギの供給を受けるために電力系統に接続されるよう構成されており、試料(複数)を(1つの)マガジンから取り出し、少なくとも1つの処理ステップが実行される処理プロセスをその都度実行し、次に、処理された試料を該マガジン又は更なるマガジンに配置(装填)するよう構成された、生体試料の処理又は検査のための自動装置であって、電気エネルギ蓄積器と電子制御装置を有し、該電子制御装置は電力系統からの電気エネルギの供給に障害を検出し、障害がある場合、電気エネルギ蓄積器からの電気エネルギの取り込みに切り替えるよう、及び、既に処理プロセスにかけられている試料を完全に処理して安全位置に移送するための安全ステップを少なくとも含む安全ルーチンを実行するよう構成されている。
【0030】
安全位置への移送は、例えば、試料を標本スライドマガジンに配置(装填)することを含むことが可能であり、この場合、更に、安全ルーチンの実行の枠内において、標本スライドマガジンが、次いで、ユーザによる取り出しのためにアウトプット部へ、例えばアウトプットドロワへ移送されるよう構成可能であるととりわけ有利である。
【0031】
生体試料の処理又は検査のための自動装置は例えば自動染色(着色)装置として構成可能である。特に自動染色装置の場合、安全ルーチンは、移送システムを安全状態に移行すること、を含むよう、有利に構成可能である。代替的に又は追加的に、自動染色装置における安全ルーチンは、特に、現在実行中の染色プログラムのパラメータを、とりわけ不揮発性の、データ記憶装置に記憶(格納)すること、を含むことができる。かくして、データ記憶装置の読み出しによってパラメータにアクセスできるので、再始動は容易になる。更に、安全ルーチンは、標本スライドの及び/又はその上に存在する試料の損傷を回避するために及び/又はこれらが間違った染色溶液と接触することを防ぐために、移送過程にある標本スライドマガジンを安全に(確実に)停止させる(abstellen)こと、を含むことが有利に可能である。
【0032】
例えば、生体試料の処理又は検査のための自動装置は、自動プロセッサ(処理装置)として又は自動包埋装置として又は自動スキャナとして又は自動ミクロトームとしても構成可能である。このように構成される場合も、とりわけ自動封入装置として又は自動染色装置として構成される場合と同様に、本書において自動封入装置又は自動染色装置について例示的に記載された安全ステップの少なくとも1つを同様の方法で実行する安全ルーチンを夫々実行することが有利に可能である。
【0033】
上述の自動装置(複数)は夫々複数のプロセスステップを実行するが、そのうちのいくつかは、予定された処理時間が下回られるか又は上回られると、それぞれの試料の喪失又は損傷が生じ得るため、時間的に厳しい(zeitkritisch)。例えば、プロセッサ又は自動染色装置における試料の乾燥又は自動封入装置における未だカバーガラスが配されていない試料上の封入媒体の既述の乾燥は、それぞれの試料の損傷につながり得る。更に、予め定められた周囲(環境)パラメータ、特に温度及び/又は圧力が維持されなければならないプロセスステップも存在する。特に、試料が所定の圧力下で、とりわけ1バール未満の圧力で、及び/又は最小温度で、とりわけ20℃超の温度で処理されなければならない種々のプロセスステップも存在する。予め定められた周囲(環境)パラメータが保持(順守)されない場合、それぞれの試料の損傷が生じ得る。
【0034】
これらの観点を考慮して試料及び自動装置の損傷を回避するために、自動装置のそれぞれの安全ルーチンが相応の安全ステップを実行することが、本発明にしたがって、有利に可能である。これには、有利には、圧力及び温度のような重要なパラメータが少なくとも安全ルーチンの終了まで、試料の損傷が排除される及び/又は、特に通常運転モードでの再始動に関する、重要なプロセス(処理)データが一時的に記憶される程度(大きさ)に、保持されることが含まれる。
【0035】
例えば自動封入装置又は自動スキャナでは、標本スライドマガジンに配置(装填)された標本スライドは自動的に個別に取り出されて、処理ステーションへ移送される。この場合、標本スライドと標本スライドマガジンのそれぞれのカセット区画(コンパートメント)との割当関係(関連付け)が失われないこと、ないしは移送プロセスが完了されることが重要である。特にこれに関連して、関連データの一時的(中間)記憶は安全ルーチンの実行の枠内において格別に有利である。
【0036】
この背景から、生体試料の処理又は検査のための2つの自動装置が、電気エネルギが一方の自動装置のエネルギ蓄積器から他方の自動装置に必要に応じて伝送可能であるよう接続されているシステムは、極めて全般的に及び独自の発明コンセプトに応じ、格別に有利である。この場合、上記で示したように、これらの自動装置の少なくとも一方が自動封入装置として構成されることは、可能でありかつ特に有利である。尤も、これは、この独自の発明アイディアの具現化のために必ずしも不可欠ではない。寧ろ、上記のシステムは、自動封入装置の代わりに他の更なる自動装置を有することも可能である。1つのシステムにおいて2つの同じ又は異なる自動装置を上記のように接続(結合)することは、極めて全般的に、有利である。この場合、自動装置の各々が、自動スキャナとして又は試料をパラフィンブロック内に包埋する自動装置として又は自動染色装置として又は自動プロセッサとして又は自動封入装置として構成されることが可能である。その限りにおいて、(1つの)自動封入装置を含むシステムに関連する特別な実施形態についての以下の説明は、自動封入装置を含まないが生体試料の処理又は検査のための複数の自動装置を有するシステムについても同様に本発明に応じて適用可能である。
【0037】
本発明による自動封入装置と生体試料の処理又は検査のための少なくとも1つの更なる自動装置を含むシステムに関して、更なる自動装置は更なる電気エネルギ蓄積器を含むこと、及び、自動封入装置と更なる自動装置が、電気エネルギが更なるエネルギ蓄積器から自動封入装置へ伝送可能であるよう及び/又は電気エネルギが自動封入装置から更なる自動装置へ、特に更なるエネルギ蓄積器へ伝送可能であるよう、電気的接続が形成されているか又は電気的接続が形成可能に構成されていることが、有利に可能である。かくして、更なる自動装置も必要に応じ安全ルーチンを実行することができ、この場合、更なる自動装置は、それ自身の更なるエネルギ蓄積器からのエネルギを利用することができ、又はとりわけ、このエネルギが十分でない場合、自動封入装置のエネルギ蓄積器からの電気エネルギの供給を受けることができることが、有利に達成(実現)される。反対に、そのような構成の場合、自動封入装置のエネルギ蓄積器の電気エネルギが自動封入装置の安全ルーチンを実行するには不十分であれば、必要に応じて、更なる自動装置の更なるエネルギ蓄積器からの電気エネルギの自動封入装置への供給も可能である。
【0038】
とりわけ、更なる自動装置に関して、更なる自動装置がマガジンから試料を取り出し、少なくとも1つの処理ステップが実行される処理プロセスをその都度実行し、次いで、処理された試料を該マガジンに又は更なるマガジンに配置する(装填する)ことが、極めて全般的に有利に可能である。特に、(更なる)自動装置が更なる電気エネルギ蓄積器と更なる電子制御装置を含み、該更なる電子制御装置が、電力系統からの電気エネルギの供給の障害を検出し、障害がある場合、更なる電気エネルギ蓄積器からの電気エネルギの取り込みに切り替えるよう、及び、既に処理プロセスにかけられている試料を完全に処理して安全位置に移送するための安全ステップを少なくとも含む更なる安全ルーチンを実行するよう構成されていると、格別に有利である。
【0039】
自動封入装置について既に述べたように、更なる自動装置についても同様に、試料の処理のために重要な処理パラメータ及び/又は個別の試料を識別するためのデータは、再始動の際にこれらのデータにアクセス可能であるよう、とりわけ不揮発性の、データ記憶装置に記憶(格納)されることが有利に可能である。この場合、試料の識別のためのデータは、通常運転モードでの再始動後、処理されていない試料のみが確実に処理されるよう、とりわけ既に処理されている試料に関するものとすることができる。
【0040】
代替的に、更なる自動装置に関し、更なる自動装置が、マガジンに配置(収容)されている試料を受け取り、マガジンにそれぞれ配置(収容)された試料について、少なくとも1つの処理ステップが実行される処理工程を実行し、次いで、一緒に処理された複数の試料を収容するマガジンをアウトプット(排出)することも、極めて全般的に有利に可能である。この場合、処理プロセスの際に、マガジンに配置(収容)されているすべての試料は同じかつ同時に処理されることが好ましい。更なる自動装置は、この実施形態の場合も、更なる電気エネルギ蓄積器と更なる電子制御装置を有し、該更なる電子制御装置が、電力系統からの電気エネルギの供給の障害を検出し、障害がある場合、更なる電気エネルギ蓄積器からの電気エネルギの取り込みに切り替えるよう、及び、複数の試料を収容しており既に処理工程にかけられているマガジンを完全に処理して安全位置に移送するための安全ステップを少なくとも含む更なる安全ルーチンを実行するよう構成されていると有利である。
【0041】
そのような更なる自動装置についても、マガジン及び/又は該マガジンに収容されている試料の処理のために重要な処理パラメータ及び/又は個別のマガジン及び/又は個別の試料の識別のためのデータが、特に不揮発性の、データ記憶装置に記憶(格納)され、再始動時にこれらのデータにアクセス可能であることは、とりわけ有利である。この場合、識別用のデータは、通常運転モードでの再始動後、処理されていないマガジンのみが確実に処理されるよう、とりわけ既に処理されているマガジンに関するものとすることができる。
【0042】
例えば、そのような更なる自動装置は、マガジン(複数)がその中に収容されている試料(複数)と一緒に連続的に(順次的に)種々の浴槽、特に染料試薬(化学物質)を含む浴槽に浸漬される自動染色装置であることが有利に可能である。この場合、全てのマガジンが同じ処理フロー(Abfolge)の浴槽(複数)を通ることが可能である。尤も、あるマガジンに配されている(収容されている)試料が別のマガジンに配されている試料とは異なる染色プロセスを受けるために、異なるマガジン(複数)が異なる組み合わせ(複数)の槽(複数)を通過する(で処理される)ことも有利に可能である。とりわけこの場合、マガジン及び/又はその中に収容されている試料の処理のために重要な処理パラメータ及び/又は個別のマガジン及び/又は個別の試料の識別のためのデータが、系統電力供給に障害がある場合、特に不揮発性の、データ記憶装置に記憶(格納)されることは、特に再始動の際の諸問題を回避するために、重要である。
【0043】
自動封入装置と、自動染色装置として構成された更なる自動装置とを有する本発明によるシステムの可能な一実施形態は格別に有利である。この場合、自動封入装置と自動染色装置は、自動封入装置が封入処理が完了している試料を収容している標本スライドマガジンを自動的に自動染色装置に移送することができ、自動染色装置が、次いで、標本スライドマガジンに配されている(収容されている)試料に対して染色プロセスを実行するよう、連結されることが、とりわけ有利に可能である。
【0044】
この場合、自動封入装置の制御装置又は更なる自動装置の更なる制御装置は、電力系統からの電気エネルギの供給における障害を検出すると、電気的接続を、特に自動的に、形成することが、とりわけ有利に可能である。
【0045】
制御装置が、電力系統からの電気エネルギの供給の障害を検出し、かつ、エネルギ蓄積器の実際の充電状態が安全ルーチンを実行するのに不十分であるとの見込みを確認すると、電気的接続を、特に自動的に、形成する一実施形態は非常に格別に有利である。代替的に又は追加的に、更なる自動装置の更なる制御装置は、電力系統からの電気エネルギの供給における障害を検出しかつ更なるエネルギ蓄積器の実際の充電状態が更なる安全ルーチンを実行するために不十分であるとの見込みを確認すると、電気的接続を、特に自動的に、形成することも可能である。
【0046】
有利な一実施形態では、制御装置は、自動封入装置から更なる自動装置への電気エネルギの伝送及び/又は更なる自動装置から自動封入装置への電気エネルギの伝送を、特に需要適合的に(需要に適合するよう)、制御する。代替的に、更なる自動装置の更なる制御装置は、自動封入装置から更なる自動装置への電気エネルギの伝送及び/又は更なる自動装置から自動封入装置への電気エネルギの伝送を、特に需要適合的に、制御することも可能である。
【0047】
本システムの非常に格別に有利な一実施形態では、制御装置と更なる自動装置の更なる制御装置は、自動封入装置から更なる自動装置への電気エネルギの伝送及び/又は更なる自動装置から自動封入装置への電気エネルギの伝送を、特に需要適合的に、一緒に(協調的ないし協働的に)制御する。特にこの場合、制御装置がエネルギ蓄積器の充電状態及び/又は見込み残り稼働時間(寿命)に関するデータを更なる制御装置に送信すること、及び/又は、更なる制御装置が、更なるエネルギ蓄積器の充電状態及び/又は更なるエネルギ蓄積器の見込み残り稼働時間に関するデータを制御装置に送信することが、有利に可能である。
【0048】
更なる自動装置は、例えば、自動スキャナ又はパラフィンブロックに試料を包埋する自動装置又は自動染色装置又は自動プロセッサ(処理装置)又は更なる自動封入装置であり得る。
【0049】
本発明の対象は図面に例示的かつ模式的に記載されており、図を参照して以下に記載される。なお、同一の又は同一の機能を有する構成要素は、異なる実施例においても、概ね、同一の図面参照番号が付記されている。
なお、特許請求の範囲に付記した得面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものであり、本発明を図示の態様に限定することは意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】本発明による一自動封入装置の一実施例の模式図。
【
図2】自動封入装置と更なる自動装置を含むシステムの一実施例の模式図。
【
図3】自動封入装置と複数の更なる自動装置を含むシステムの別の一実施例の模式図。
【実施例0051】
図1は、本発明による自動封入装置1の一実施例を非常に模式的に示す。自動封入装置1は、電力プラグ2と、(不図示の)電力系統(ないし電源)に接続可能にするためのコネクタケーブル3を有する。自動封入装置1は、試料が載置されている標本スライド4を標本スライドマガジン5から取り出し、各標本スライド4上に封入媒体7が中空ニードル6によって塗布され(配され)、次いでカバーガラス8が適用(載置)される封入プロセスにかけるよう構成されている。
【0052】
中空ニードル6は、自動封入装置1のハウジング10の内部においてマニピュレータ9によって電動制御で(モータ駆動式制御によって)移動されることができる。特に、中空ニードル6は、封入媒体7を塗布する際、封入媒体7を標本スライド4に分注するよう、夫々丁度封入処理されるべき標本スライド4に対して相対的に移動するよう構成されている。
【0053】
適用(載置)されるべきカバーガラス8は、更なるマニピュレータ11によって、(不図示の)収容容器から個別に取り出され、現在処理中である標本スライド4へ移送される。カバーガラスの適用(載置)後、夫々丁度封入処理された標本スライド4は更なる標本スライドマガジン29内に配置(装填)される。
【0054】
通常運転モードでは、封入処理に必要なステップを実行するために必要なエネルギは、自動封入装置1が電力プラグ2及びコネクタケーブル3を介して接続されている電力系統(電源)から取り込まれる(供給される)。
【0055】
自動封入装置1は、電気エネルギ蓄積器12と電子制御装置13を有する。電子制御装置13は、自動封入装置1が接続されている電力系統からの電気エネルギの供給の障害をセンサ14によって検出するよう、構成されている。障害がある場合、制御装置13は、電気エネルギ蓄積器12からの電気エネルギの取り込み(給電)に切り替え、既に封入媒体7が塗布されている標本スライド4を完全に封入処理し、即ちカバーガラス8を載置し、次いで、更なる標本スライドマガジン29内に適正(位置)に配置(装填)する安全ステップを少なくとも含む安全ルーチンを実行する。
【0056】
安全ルーチンは、更なる安全ステップとして、更に、中空ニードル6内における封入媒体7の乾燥を阻止するために、溶剤を含む溶剤浴(槽)15内に中空ニードル6を浸漬すること、を含む。
【0057】
図2は、本発明による一自動封入装置1の一実施例を含むシステムの一例を示す。自動封入装置1は、不完全かつ模式的にのみに記載されており、より良好な視認性のために、電力プラグ2、コネクタケーブル3、エネルギ蓄積器12及びセンサ14を備える制御装置13のみが図示されている一方で、自動封入装置1の残りの構成要素は図示されていない。
【0058】
システムは、さらに、例えばプロセッサ24、自動包埋装置25、自動ミクロトーム26、自動染色装置27又は自動スキャナ28として構成可能な更なる自動装置16を含む。更なる自動装置16は、更なるエネルギ蓄積器18と、更なるセンサ17を有する更なる制御装置19を含む。更なる自動装置16は、自動封入装置1と同様に、エネルギ消費装置(負荷)として電気エネルギの供給を受けるために電力系統(電源)に接続されるように構成され、そのために、更なる電力プラグ20と更なるコネクタケーブル21を備える。
【0059】
更なる自動装置16は、特に、(不図示の)試料を(不図示の)マガジンから取り出すよう、及び、少なくとも1つの処理ステップが実行される処理プロセスを夫々(その都度)実行するよう、次いで、処理された試料をマガジンに又は(不図示の)更なるマガジンに配置(装填)するよう、構成可能である。更なる自動装置16も、電力系統からの電気エネルギの供給における障害を検出し、障害がある場合、更なるエネルギ蓄積器18からの電気エネルギの取り込みに切り替え、安全ルーチンを実行するよう構成されている。安全ルーチンは、有利には、とりわけ、既に処理工程にかけられている試料を完全に処理し、次いで、安全位置へ移送することを含むことができる。
【0060】
自動封入装置1と更なる自動装置16は、電気エネルギが自動封入装置1のエネルギ蓄積器12から更なる自動装置16へ伝送可能であるよう、及び/又は、電気エネルギが更なる自動装置16から、すなわちそのエネルギ蓄積器18から自動封入装置1のエネルギ蓄積器12へ伝送可能であるよう、供給ライン22を介して電気的接続を形成している。
【0061】
更に、制御装置13と更なる制御装置19が実際の充電状態に関する及び/又は予め計算された残り稼働時間に関するデータを交換するために使用されるデータ接続部23もある。これらのデータは、系統電力供給に障害がある場合、自動封入装置1と更なる自動装置16が、試料又は装置の損傷を防ぐために、それらの安全ルーチンを夫々実行することができるよう、エネルギ蓄積器12と更なるエネルギ蓄積器18の現在利用可能なエネルギを需要適合的に分配するために用いられる。
【0062】
図3は、自動封入装置1と更なる自動装置を含むシステムの別の一実施例を示す。更なる自動装置は、プロセッサ24、自動包埋装置25、自動ミクロトーム26、自動染色装置27、及び自動スキャナ28として構成されている。これらの自動装置は、それぞれ更なるエネルギ蓄積器18と更なる制御装置19を備え、エネルギ蓄積器12と更なるエネルギ蓄積器(複数)18は、系統電力供給の障害時に利用可能な電気エネルギを需要適合的に自動装置1、24、25、26、27、28の間で需要適合的に分配できるよう、制御装置13ないし更なる制御装置19及び供給ライン22を介して相互に接続されている。各自動装置1、24、25、26、27、28が夫々の安全ルーチンを完全に実行できるよう、エネルギ蓄積器12及び更なるエネルギ蓄積器18の利用可能な電気エネルギを需要適合的に分配するために、夫々の安全ルーチンを実行するための充電状態及び見込みエネルギ需要(量)に関するデータが自動装置1、24、25、26、27、28の間で交換されると有利である。
【0063】
ここに、本発明の可能な態様を付記する。
[付記1]電力消費装置として電気エネルギの供給を受けるために電力系統に接続されるよう構成され、かつ、試料がその上に存在する標本スライドを標本スライドマガジンから取り出し、各標本スライド上に封入媒体を、次にカバーガラスを配する封入処理をその都度実行し、封入処理された標本スライドを該標本スライドマガジン又は更なる標本スライドマガジン内に配置するよう構成された、自動封入装置。
該自動封入装置は、電気エネルギ蓄積器と電子制御装置を含む。
該電子制御装置は、前記電力系統からの電気エネルギ供給における障害を検出し、障害がある場合、該電気エネルギ蓄積器からの電気エネルギの取り込みに切り替えるよう、及び、封入媒体が既に塗布されている標本スライドを完全に封入処理した後に前記標本スライドマガジン又は前記更なる標本スライドマガジン内に配置するための安全ステップを少なくとも含む安全ルーチンを実行するよう構成されている。
[付記2]上記の自動封入装置において、前記安全ルーチンは、更なる安全ステップとして、前記標本スライドマガジンから取り出されているが未だ封入媒体が塗布されていない標本スライドを該標本スライドマガジン内に戻すよう移送すること、を含む。
[付記3]上記の自動封入装置において、前記安全ルーチンは、更なる安全ステップとして、封入媒体を塗布するために役立つ中空ニードルを溶剤浴内に浸漬すること、を含む。
[付記4]上記の自動封入装置において、前記安全ルーチンは、更なる安全ステップとして、前記標本スライドマガジン及び/又は前記更なる標本スライドマガジンを、ユーザによる取り出しのために、アウトプット部(Ausgabe)へ搬送すること、を含む。
[付記5]上記の自動封入装置において、前記安全ルーチンは、少なくとも1つの安全ステップを実行するために必要ではない当該自動封入装置の少なくとも1つのエネルギ消費装置を前記安全ステップの実行中にスイッチオフすること、を含む。
[付記6]上記の自動封入装置において、前記安全ルーチンは、当該自動封入装置の構成要素を、通常運転モードでの再始動が損傷を発生することなく可能である状態に移すこと、を含む。
[付記7]上記の自動封入装置において、前記安全ルーチンの実行後、該自動封入装置は通常運転モードに切り戻し可能に構成されており、前記制御装置は、前記電力系統からの電気エネルギの供給に障害が最早存在しない場合にのみ及び/又は前記電気エネルギ蓄積器が予め設定された若しくは予め設定可能な最小充電状態にある場合にのみ、戻し切替を可能にするよう構成されている。
[付記8]上記の自動封入装置において、
a.前記安全ルーチンの実行後、前記制御装置は、前記電力系統からの電気エネルギの供給の障害が最早存在しないことを検出すると、自動的に通常運転モードへの戻し切替を実行するよう構成されている。
b.前記安全ルーチンの実行後、前記制御装置は、該制御装置が前記電力系統からの電気エネルギの供給の障害が最早存在しないことを検出しかつ前記電気エネルギ蓄積器が予め設定された又は予め設定可能な最小充電状態にある場合、自動的に通常運転モードへの戻し切替を実行するよう構成されている。
[付記9]上記の自動封入装置と生体試料の処理又は試験・検査のための更なる自動装置を含むシステム。
該更なる自動装置は、同様に、電力消費装置として電気エネルギの供給を受けるために電力系統に接続されるよう構成されている。
該自動封入装置と該更なる自動装置は、電気エネルギが該自動封入装置の電気エネルギ蓄積器から該更なる自動装置に伝送可能であるよう及び/又は電気エネルギが該更なる自動装置から該自動封入装置に伝送可能であるよう、電気的接続を形成しているか又は電気的接続を形成可能に構成されている。
[付記10]上記のシステムにおいて、
前記更なる自動装置は更なる電気エネルギ蓄積器を含む。
前記自動封入装置と前記更なる自動装置は、電気エネルギが該更なる電気エネルギ蓄積器から該自動封入装置に伝送可能であるよう及び/又は電気エネルギが該自動封入装置から前記更なる自動装置に伝送可能であるよう、電気的接続を形成しているか又は電気的接続を形成可能に構成されている。
[付記11]上記のシステムにおいて、前記更なる自動装置は、
a.試料(複数)を(1つの)マガジンから取り出し、少なくとも1つの処理ステップが実行される処理プロセスをその都度実行し、次に、処理された試料を前記マガジン又は更なるマガジンに配置するよう構成されている;
b.更なる電気エネルギ蓄積器を有する;
c.更なる電子制御装置を有する、但し、該更なる電子制御装置は、電力系統からの電気エネルギの供給における障害を検出し、障害がある場合、前記更なる電気エネルギ蓄積器から電気エネルギの取り込みに切り替えるよう、及び、既に前記処理プロセスにかけられている試料を完全に処理した後に安全位置に移送するための安全ステップを少なくとも含む更なる安全ルーチンを実行するよう構成されている。
[付記12]上記のシステムにおいて、前記更なる自動装置は、
a.マガジン(複数)に配置されている試料(複数)を受け取り、その都度1つのマガジンに配置されている複数の試料について、少なくとも1つの処理ステップが実行される処理プロセスを実行し、次いで、一緒に処理された複数の試料を収容するマガジンをアウトプットする;
b.更なる電気エネルギ蓄積器を有する;
c.更なる電子制御装置を有する、但し、該更なる電子制御装置は、電力系統からの電気エネルギの供給における障害を検出し、障害がある場合、前記更なる電気エネルギ蓄積器からの電気エネルギの取り込みに切り替えるよう、及び、複数の試料を収容しており既に前記処理プロセスにかけられているマガジンを完全に処理した後に安全位置に移送するための安全ステップを少なくとも含む更なる安全ルーチンを実行するよう構成されている。
[付記13]上記のシステムにおいて、
a.前記制御装置又は前記更なる自動装置の更なる制御装置は、電力系統からの電気エネルギの供給における障害を検出すると、前記電気的接続を、とりわけ自動的に、形成するよう構成されている、又は、
b.前記制御装置は、電力系統からの電気エネルギの供給における障害を検出しかつ前記電気エネルギ蓄積器の実際の充電状態が前記安全ルーチンを実行するために不十分であるとの見込みを確認すると、前記電気的接続を、とりわけ自動的に、形成するよう構成されている、又は、
c.前記更なる自動装置の前記更なる制御装置は、電力系統からの電気エネルギの供給における障害を検出しかつ前記更なる電気エネルギ蓄積器の実際の充電状態が前記更なる安全ルーチンを実行するために不十分であるとの見込みを確認すると、前記電気的接続を、とりわけ自動的に、形成するよう構成されている。
[付記14]上記のシステムにおいて、
a.前記制御装置は、前記自動封入装置から前記更なる自動装置への電気エネルギの伝送及び/又は前記更なる自動装置から前記自動封入装置への電気エネルギの伝送を、とりわけ需要適合的に、制御するよう構成されている、又は
b.前記更なる自動装置の更なる制御装置は、前記自動封入装置から前記更なる自動装置への電気エネルギの伝送及び/又は前記更なる自動装置から前記自動封入装置への電気エネルギの伝送を、とりわけ需要適合的に、制御するよう構成されている。
[付記15]上記のシステムにおいて、前記制御装置と前記更なる自動装置の更なる制御装置は、前記自動封入装置から前記更なる自動装置への電気エネルギの伝送及び/又は前記更なる自動装置から前記自動封入装置への電気エネルギの伝送を、とりわけ需要適合的に、一緒に制御するよう構成されている。
[付記16]上記のシステムにおいて、
a.前記制御装置は、前記電気エネルギ蓄積器の充電状態及び/又は前記電気エネルギ蓄積器の残り稼働時間及び/又は前記自動封入装置の前記安全ルーチンを実行するための見込みエネルギ需要に関するデータを前記更なる制御装置へ送信するよう構成されている、又は、
b.前記更なる制御装置は、前記更なる電気エネルギ蓄積器の充電状態及び/又は前記更なる電気エネルギ蓄積器の残り稼働時間及び/又は前記更なる自動装置の前記安全ルーチンを実行するための見込みエネルギ需要に関するデータを前記制御装置へ送信するよう構成されている。
[付記17]上記のシステムにおいて、前記更なる自動装置は、自動スキャナ又は自動包埋装置又は自動ミクロトーム又は自動染色装置又は自動プロセッサ又は更なる自動封入装置である。