(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156373
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】消費媒体補充ステーション
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20231017BHJP
G01N 1/42 20060101ALI20231017BHJP
F25D 3/10 20060101ALI20231017BHJP
B65B 3/04 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
G01N35/00 B
G01N1/42
F25D3/10 C
B65B3/04
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023123503
(22)【出願日】2023-07-28
(62)【分割の表示】P 2021196522の分割
【原出願日】2015-01-20
(31)【優先権主張番号】14/600,751
(32)【優先日】2015-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/929,306
(32)【優先日】2014-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】505047094
【氏名又は名称】アゼンタ・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】AZENTA, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アフレック、レット エル
(72)【発明者】
【氏名】ボノラ、アンソニー シー
(72)【発明者】
【氏名】クロケット、エチエンヌ ピー
(72)【発明者】
【氏名】ニーパー、ロバート ケイ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】試料保管システムに入る水分および気体が制御でき、熱負荷が最小限にされ得るように、低温保管が可能である一方で、アクセスを容易にできる低温ワークステーションを提供する。
【解決手段】持ち運び可能な低温ワークステーションは、1つまたは複数の試料を保持するように構成される内部キャビティを有するハウジングと、持ち運び可能な低温ワークステーションが、略室温の環境と略超低温の環境との間で試料を搬送するように構成されるように、内部キャビティを密封するための蓋と、ハウジングおよび蓋の1つまたは複数の上に配置され、自動化操作装置と係合するように構成される少なくとも1つの自動化インターフェースと、ハウジングに連結され、持ち運び可能な低温ワークステーション内の存在と同期して、試料の少なくとも1つの所定の処理特性に対応する処理または一過性データを取得するように構成される処理データ取得ユニットとを含む。
【選択図】
図6C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
持ち運び可能な低温ワークステーションの、消費媒体を補充するための消費媒体補充ステーションであって、前記消費媒体が、前記持ち運び可能な低温ワークステーション内で生物学的試料および低温試料のうちの1つを所定の温度に維持する、前記消費媒体補充ステーションが、
前記持ち運び可能な低温ワークステーションの内部に前記消費媒体を通すように構成される充填ポートと、
前記充填ポートに対して前記持ち運び可能な低温ワークステーションを確定的に配置するために前記持ち運び可能な低温ワークステーションと接続するように構成される運動学的配置特徴部と
を備える、消費媒体補充ステーション。
【請求項2】
前記消費媒体補充ステーションが、自動化低温試料操作ステーションのロードポートに配置される、請求項1記載の消費媒体補充ステーション。
【請求項3】
前記消費媒体補充ステーションが、自立型の補充ステーションである、請求項1記載の消費媒体補充ステーション。
【請求項4】
前記充填ポートが、2つ以上の持ち運び可能な低温ワークステーションと接続するように構成されるマニホールドを備える、請求項1記載の消費媒体補充ステーション。
【請求項5】
前記消費媒体補充ステーションが、自動化低温試料操作ステーションのバッファモジュールに配置される、請求項1記載の消費媒体補充ステーション。
【請求項6】
前記消費媒体補充ステーションがさらに、前記持ち運び可能な低温ワークステーションの1つまたは複数のセンサと通信する制御装置を備え、前記1つまたは複数のセンサが、前記持ち運び可能な低温ワークステーションの内部の前記消費媒体の量を測定し、前記制御装置に通信し、前記持ち運び可能な低温ワークステーションの内部に前記充填ポートを介して通される前記消費媒体の量は、前記持ち運び可能な低温ワークステーションの内部の前記消費媒体の量に基づく、請求項1記載の消費媒体補充ステーション。
【請求項7】
前記消費媒体補充ステーションがさらに、前記持ち運び可能な低温ワークステーションの内部の前記消費媒体の量を感知するように構成された1つまたは複数のセンサを備え、前記持ち運び可能な低温ワークステーションの内部に前記充填ポートを介して通される前記消費媒体の量は、前記持ち運び可能な低温ワークステーションの内部の前記消費媒体の量に基づく、請求項1記載の消費媒体補充ステーション。
【請求項8】
前記1つまたは複数のセンサが、前記持ち運び可能な低温ワークステーションの重量に基づいて前記消費媒体の量を決定するスケールを備える、請求項7記載の消費媒体補充ステーション。
【請求項9】
前記1つまたは複数のセンサが、前記持ち運び可能な低温ワークステーションの前記消費媒体の量を決定するために、前記持ち運び可能な低温ワークステーションに挿入されるプローブを備える、請求項7記載の消費媒体補充ステーション。
【請求項10】
消費媒体補充ステーションに位置付けられた持ち運び可能な低温ワークステーションの消費媒体を補充するための方法であって、前記補充媒体が、前記持ち運び可能なワークステーション内で生物学的試料および低温試料のうちの1つを所定の温度に維持する、前記方法が、
前記消費媒体補充ステーションの充填ポートを介して前記持ち運び可能な低温ワークステーションの内部に前記消費媒体を通すことと、
前記充填ポートに対して前記持ち運び可能な低温ワークステーションを確定的に配置する運動学的配置特徴部により、前記持ち運び可能な低温ワークステーションを前記消費媒体補充ステーションに接続することと
を含む、方法。
【請求項11】
前記消費媒体補充ステーションが、自動化低温試料操作ステーションのロードポートに配置される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記消費媒体補充ステーションが、自立型の補充ステーションである、請求項10記載の方法。
【請求項13】
前記充填ポートが、マニホールドを備え、2つ以上の持ち運び可能な低温ワークステーションが前記マニホールドと接続される、請求項10記載の方法。
【請求項14】
前記消費媒体補充ステーションが、自動化低温試料操作ステーションのバッファモジュールに配置される、請求項10記載の方法。
【請求項15】
前記方法がさらに、前記持ち運び可能な低温ワークステーションの1つまたは複数のセンサにより、前記持ち運び可能な低温ワークステーションの内部の前記消費媒体の量を測定し、前記消費媒体補充ステーションの制御装置に通信することを含み、前記持ち運び可能な低温ワークステーションの内部に前記充填ポートを介して通される前記消費媒体の量は、前記持ち運び可能な低温ワークステーションの内部の前記消費媒体の量に基づく、請求項10記載の方法。
【請求項16】
前記方法がさらに、前記消費媒体補充ステーションの1つまたは複数のセンサにより、前記持ち運び可能な低温ワークステーションの内部の前記消費媒体の量を感知することを含み、前記持ち運び可能な低温ワークステーションの内部に前記充填ポートを介して通される前記消費媒体の量は、前記持ち運び可能な低温ワークステーションの内部の前記消費媒体の量に基づく、請求項10記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2014年1月20日に出願された米国仮特許出願第61/929,306号の利益を主張する通常出願であって、その開示内容の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
例示的な実施形態は、概して試料搬送容器に関し、より詳細には検査室の試料搬送容器に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、生物学的試料または低温試料などの試料は、瓶を用いて配送あるいは搬送される(たとえば、検査室、設備または建物内で搬送されるか、検査室、設備または建物間で搬送される)。配送容器の一例は、デュワー型の瓶である。これらの従来の配送容器から試料を挿入または取り出すためには、容器の上面が取り外され、試料が容器から挿入または取り出される。しかしながら、配送容器から、たとえば試料保管位置までの、配送容器からの試料の挿入および取り出しは、開放雰囲気で行われる。
【0004】
多くの低温試料は、生物学的または低温での生存能力を保持するために、低温の保管温度を要する場合がある。たとえば、水のガラス転移温度よりも低い温度、たとえば約-135℃が、生物学的劣化を最大限に止め、細胞生存能力を保持する温度として既知である。このように、多くの試料が液体窒素の温度付近で保管される。しかしながら、試料は室温で従来の試料保管システム(たとえば、液体窒素(LN2)デュワーおよび-150℃の冷凍庫など)内へ投入および取り出しされるので、試料を、その保管温度を約200℃上回る温度に晒す。一般に、検査室を越えて試料を移動させるために、大量のドライアイス(たとえば、約-78℃の温度)が用いられるが、試料は保管システムへの投入および取り出しの間は、依然として室温に晒される。
【0005】
また、従来の保管システムにおいて、保管中の試料は、温度の変動を受ける。たとえば、従来の-150℃の大型冷凍庫は、蓋の開閉時に保管されるほとんどの試料に温度の変化を受けさせる。手動のLN2デュワーに関しては、試料のスタックが、単一の試料を追加または取り出すために室温環境内へと取り出される。
【発明の概要】
【0006】
たとえば試料保管システムに入る水分および気体が制御でき、および/または、試料保管システム内に導入される熱負荷が無視できるレベルにまで最小限にされ得るように、低温保管が可能である一方で、制御環境において熱負荷による妥協なくアクセスを容易にできる配送容器から試料を挿入および取り出すことが有利である。また、試料保管システムへの試料の投入および取り出しの間の温度の変動から、配送容器内の試料を保護することが有利である。
【0007】
開示される実施形態の前述の態様および他の特徴が、添付の図面に関連して、以下の記載において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションおよびその一部の概略図である。
【
図1B】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションおよびその一部の概略図である。
【
図1C】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションおよびその一部の概略図である。
【
図1D】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションおよびその一部の概略図である。
【
図1E】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションおよびその一部の概略図である。
【
図1F】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションおよびその一部の概略図である。
【
図1G】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションおよびその一部の概略図である。
【
図1H】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションおよびその一部の概略図である。
【
図1I】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションおよびその一部の概略図である。
【
図1J】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションおよびその一部の概略図である。
【
図1K】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションおよびその一部の概略図である。
【
図1L】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションおよびその一部の概略図である。
【
図1M】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションおよびその一部の概略図である。
【
図1N】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションの部分概略図である。
【
図1O】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションの部分概略図である。
【
図1P】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションの部分概略図である。
【
図1Q】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションの概略図である。
【
図1R】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションの概略図である。
【
図1S】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションの部分概略図である。
【
図1T】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションの部分概略図である。
【
図1U】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションの一部の概略図である。
【
図2】開示される実施形態の態様による代表的な自動化試料保管システムの概略図である。
【
図2A】開示される実施形態の態様による試料保管システムの部分概略図である。
【
図2B】開示される実施形態の態様による試料保管システムの部分概略図である。
【
図2C】開示される実施形態の態様による試料保管システムの部分概略図である。
【
図2D】開示される実施形態の態様による試料保管システムの部分概略図である。
【
図2E】開示される実施形態の態様による試料保管システムの部分概略図である。
【
図2F】開示される実施形態の態様による試料保管システムの部分概略図である。
【
図3A】開示される実施形態の態様による試料保管システムと接続される持ち運び可能な低温ワークステーションの概略図である。
【
図3B】開示される実施形態の態様による、試料保管システムと接続される持ち運び可能な低温ワークステーションの概略図である。
【
図4A】開示される実施形態の態様による、持ち運び可能な低温ワークステーションと試料保管システムとの間の接続工程の概略図である。
【
図4B】開示される実施形態の態様による、持ち運び可能な低温ワークステーションと試料保管システムとの間の接続工程の概略図である。
【
図4C】開示される実施形態の態様による、持ち運び可能な低温ワークステーションと試料保管システムとの間の接続工程の概略図である。
【
図4D】開示される実施形態の態様による、持ち運び可能な低温ワークステーションと試料保管システムとの間の接続工程の概略図である。
【
図4E】開示される実施形態の態様による、持ち運び可能な低温ワークステーションと試料保管システムとの間の接続工程の概略図である。
【
図4F】開示される実施形態の態様による、持ち運び可能な低温ワークステーションと試料保管システムとの間の接続工程の概略図である。
【
図5A】開示される実施形態の態様による試料保管システムの部分概略図である。
【
図5B】開示される実施形態の態様による試料保管システムの部分概略図である。
【
図6A】開示される実施形態の態様による、持ち運び可能な低温ワークステーションと試料保管システムとの間の接続工程の概略図である。
【
図6B】開示される実施形態の態様による、持ち運び可能な低温ワークステーションと試料保管システムとの間の接続工程の概略図である。
【
図6C】開示される実施形態の態様による、持ち運び可能な低温ワークステーションと試料保管システムとの間の接続工程の概略図である。
【
図7】開示される実施形態の態様によるフロー図である。
【
図8】開示される実施形態の態様によるフロー図である。
【
図9】試料保管システムから分離した持ち運び可能な低温ワークステーション内の試料へのアクセス、および保管システムへの持ち運び可能な低温ワークステーションの搬送を示す概略図である。
【
図9A】開示される実施形態の態様による試料保管および搬送システムの部分概略図である。
【
図9B】開示される実施形態の態様による試料保管および搬送システムの部分概略図である。
【
図9C】開示される実施形態の態様による試料保管および搬送システムの部分概略図である。
【
図9D】開示される実施形態の態様による試料保管および搬送システムの部分概略図である。
【
図9E】開示される実施形態の態様による試料保管および搬送システムの部分概略図である。
【
図9F】開示される実施形態の態様による試料保管および搬送システムの部分概略図である。
【
図9G】開示される実施形態の態様を組み込む設備の概略図である。
【
図9H】開示される実施形態の態様によるフロー図である。
【
図9I】開示される実施形態の態様による試料保管および搬送システムの部分概略図である。
【
図9J】開示される実施形態の態様による試料保管および搬送システムの部分概略図である。
【
図9K】開示される実施形態の態様による試料保管および搬送システムの部分概略図である。
【
図10A】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションの概略図である。
【
図10B】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションの概略図である。
【
図10C】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションの概略図である。
【
図10D】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションの概略図である。
【
図11】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションを組み立てるための例示的なフロー図である。
【
図12A】開示される実施形態の態様による試料保管システムの概略図である。
【
図12B】開示される実施形態の態様による冷媒補充ステーションの概略図である。
【
図12C】開示される実施形態の態様による試料保管システムの冷媒補充システムまたは冷媒補充ステーションの部分概略図である。
【
図12D】開示される実施形態の態様による試料保管システムの冷媒補充システムまたは冷媒補充ステーションの部分概略図である。
【
図13】開示される実施形態の態様による試料保管システムの冷媒補充システムまたは冷媒補充ステーションの一部の概略図である。
【
図14A】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションの概略図である。
【
図14B】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションの概略図である。
【
図14C】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションの概略図である。
【
図14D】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションの概略図である。
【
図14E】開示される実施形態の態様による試料保管および搬送システムの部分概略図である。
【
図14F】開示される実施形態の態様による試料保管システムの冷媒補充システムまたは冷媒補充ステーションの一部の概略図である。
【
図15】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションの一部の概略図である。
【
図16】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションの一部の概略図である。
【
図17A】開示される実施形態の態様による試料操作ステーションの概略図である。
【
図17B】開示される実施形態の態様による試料操作ステーションの概略図である。
【
図17C】開示される実施形態の態様による試料操作ステーションの概略図である。
【
図17D】開示される実施形態の態様による試料操作ステーションの概略図である。
【
図17E】開示される実施形態の態様による試料操作ステーションの概略図である。
【
図17F】開示される実施形態の態様による試料操作ステーションの概略図である。
【
図17G】開示される実施形態の態様による試料操作ステーションの概略図である。
【
図18】開示される実施形態の態様によるフロー図である。
【
図19】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションの通信の概略図である。
【
図20】開示される実施形態の態様による持ち運び可能な低温ワークステーションの通信の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1A~1Iは、開示される実施形態の態様による試料配送容器/キャリアまたは持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''(本明細書においては概して持ち運び可能な低温ワークステーションという)およびその一部を示す。開示される実施形態の態様は、図面を参照して記載されるが、開示される実施形態の態様は様々な形態で実施されてもよいことが理解されるべきである。また、任意の適切なサイズ、形状もしくは種類のエレメントまたは材料を用いることができる。また、本明細書に記載されるフローチャート中に示されるブロックは、任意の適切な順番で実行されてもよいことに留意する。また、本明細書に記載されるフローチャート中に示されるブロックの1つまたは複数は、省略されてもよいし、任意のものと考えられてもよいことにも留意する。
【0010】
持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、生物学的試料および/または低温試料などの任意の適切な試料を搬送するために用いられてもよく、本明細書に記載される持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''の自動化された搬送および/または手動の搬送を可能にするために、任意の適切な形状およびサイズを有していてもよい。
図9を参照すると、理解され得るように、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、検査室の作業台などの任意の適切な場所での、オペレータによる試料150への手動のアクセスの間の試料150の冷却を可能にする、自立型のワークステーションであってもよい。持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、本明細書に記載されるような持ち運び可能な低温ワークステーションへ、および持ち運び可能な低温ワークステーションから試料を移送するために、および/または、本明細書に記載されるような持ち運び可能な低温ワークステーション内の冷媒(相変化冷媒であってもよいし、たとえば低温液体などの冷却剤であってもよい)の補充のために、試料保管システム200、200’、200''に搬送されてもよい。別の態様において、
図9、9A、9B、9C、9D、9Eおよび9Fも参照すると、持ち運び可能な低温ワークステーションは、生物学的試料または低温試料が、検査室、設備もしくは建物内で配送あるいは搬送されること、または、検査室、設備もしくは建物間で搬送されることを可能にする。たとえば、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、2つの種類(たとえば、外部および内部)の搬送システムの1つまたは複数を用いて、2つのステーション(
図9Aおよび9Bには例示のみを目的としてステーション200が示されており、これは本明細書に記載される他の保管部および/または冷媒補充ステーションの代表的なものである)の間で搬送されてもよい。たとえば、外部の搬送システムは、2つのステーションのハウジングの外部から2つのステーション間で持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''を搬送する(たとえばこの場合、ハウジングはたとえば、試料保管システム200、200’、200''、冷媒補充ステーション163、分類装置950、および/または試料選択装置991の外部ハウジングである)。内部の搬送システムは、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''および/またはその中で搬送される試料のための複数の保持ステーションを含んでもよいハウジングの内部の2つのステーションの間で、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''を搬送する(たとえばこの場合、ハウジングはたとえば、試料保管システム200、200’、200''、冷媒補充ステーション163、分類装置950、および/または試料選択装置991のハウジングである)。2種類の搬送システムはそれぞれ、自動化操作装置(たとえば、頭上ガントリー1499A、シャトル1499’、200S、無人搬送車1499Bなど)などの装置を含む。
【0011】
図9Fおよび9Jを参照すると、一例として、本明細書に記載される持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、搬送シャトル200Sまたは他の任意の適切な搬送ユニット(ガントリー1499A、シャトル1499A’(搬送シャトル200Sと略同様である)および/または無人搬送車1499Bなど)が、試料保管システム200''内の、入力/出力ポート973、待機ステーション974(一態様においては冷媒補充を含む)、保管位置291、または他の任意の適切な持ち運び可能な低温ワークステーションの保持位置(低温保管ユニットまたは貯蔵部(vault)291)の1つまたは複数などの1つの場所から、試料保管システム200''の、1つまたは複数の低温保管ユニットもしくは貯蔵部291に隣接する保管システム内の領域まで、1つまたは複数の持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''を移動させるように、試料保管システム200''内で搬送されてもよい(たとえば、搬送シャトル200Sは、試料を収集または配置するために、試料保管システム200''の1つの領域から試料保管システム200''の別の領域へ、持ち運び可能な低温ワークステーションを搬送してもよい)。一態様において、
図9Eおよび9Fを参照すると、試料保管システム200''は、搬送シャトル200Sおよび/または搬送シャトル200Sが動作する領域954が、1つまたは複数の低温保管ユニット291の温度よりも高い温度に維持でき、かつ、搬送シャトル200Sの領域を冷却する必要なく試料の温度を維持しながら、1つまたは複数の低温保管ユニット291と持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''との間で試料が迅速に移送され得るような、(その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる)2012年8月28日に発行された米国特許第8,252,232号明細書、および公開番号が2012/0163945の、2011年12月22日に出願された米国特許出願第13/334,619号明細書に記載のものと略同様であってもよい。
【0012】
一態様において、搬送シャトルは、2012年8月28日に発行された米国特許第8,252,232号明細書、および公開番号が2012/0163945の、2011年12月22日に出願された米国特許出願第13/334,619号明細書に記載のものと略同様であってもよい。たとえば、
図9Iおよび9Kを参照すると、シャトル200Sは、フレーム1980と、1つまたは複数のトラック1981A、1981Bとを含み、フレーム1980は、トラック1981A、1981Bに沿って矢印1988の方向に移動する。コンベヤユニット1983は、矢印1987の方向にフレームに沿って移動するために、フレーム1980に取り付けられる。コンベヤユニット1983は、本明細書に記載されるような所定の保持位置で持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''を取り出し、および配置するために、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''を係合するように構成されるエフェクタ1982を含む。一態様において、エフェクタ1982は、コンベヤユニット1983の所定の位置などの所定の保持位置で、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''を確定的に配置するために、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''の運動学的特徴部と係合するように構成される。ワークピースホルダコンベヤ1983Xは、トレイSTRなどのワークピースホルダを、低温保管位置または貯蔵部291へ、および低温保管位置または貯蔵部291から移送するために、コンベヤユニット1983上に位置する。エフェクタ1984を有するガントリーピッカーGPKR(矢印1988、1989の方向に可動である)は、ワークピースホルダと、コンベヤユニット1983上に保持される持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''との間で試料を移送するために、コンベヤユニット1983上に配置される。理解され得るように、ガントリーピッカーGPKR、エフェクタ1982およびワークピースホルダコンベヤ1983Xは、コンベヤユニット1983と一体として矢印1987の方向に可動である。一態様において、シャトル200Sの複数自由度により、待機ステーション974は、二次元または三次元アレイで持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''を保持でき、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、隣り合って、および/または、上下に位置する。
【0013】
理解され得るように、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、室温環境、低温環境(たとえば、-80℃)、超低温環境(たとえば、-150℃以下)または任意の適切な温度を有する他の任意の適切な環境での試料の移送を可能にしてもよい。
図9Cおよび9Dも参照すると、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''はまた、任意の適切な自動化移送装置(移送ロボットアーム933など)を用いて、2つ以上の持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''および/または1つもしくは複数の低温保管ユニット291の間での、試料150の移送を可能にしてもよい。低温バッファー領域934(たとえば、別の持ち運び可能な低温ワークステーション、低温プレート、冷媒のデュワー、冷蔵区画などであってもよい)は、試料150を温めることのない試料容器上のキャップの交換や、試料150の取り出しおよび配置動作の間に実施されてもよい他の任意の動作を可能にするために設けられてもよい。
【0014】
図9Gを参照すると、例示的な設備は、頭上搬送部またはシャトルシステム(ガントリー/シャトル1499A、1499A’など)、無人搬送車1499B、および、自動化動作ステーション(自動化された試料保管システム200、200’、冷媒補充ステーション163、分類装置950、試料選択装置991などであり、ロボットアーム933などの自動化部により本明細書に記載される1つのワークステーションから別のワークステーションへと試料を移送する)と、以下に記載されるような試料操作ステーション1700を含んでいてもよい手動動作ステーション951(検査室の作業台など)との間で、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''を搬送するためのコンベヤ961、962の、1つまたは複数を有して示されている。一態様において、試料選択装置991は、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、「SAMPLE SELECTOR」と題され、2014年3月28日に出願された米国特許出願第14/229,077号明細書に記載されるものと実質的に同様であってもよい。一態様において、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、所定の自動化または手動の動作ステーションに搬送されてもよい(
図9H、ブロック980)。持ち運び可能な低温ワークステーションの搬送は、自動化物品操作システム1499A(たとえば、頭上搬送部)、1499B(たとえば、無人搬送車)、961(コンベヤ)、962(コンベヤ)、シャトル1499A’を通してもよいし、手動であってもよい。理解され得るように、自動化物品操作システムは、持ち運び可能な低温ワークステーションを互いに対して移送または受け渡しするように構成されてもよい。たとえば、頭上搬送部1499A、シャトル1499A’およびコンベヤ961、962は、頭上搬送部1499Aおよびシャトル1499A’の1つまたは複数がコンベヤ961、962から、持ち運び可能な低温ワークステーションを取り出し、およびコンベヤ961、962へ、持ち運び可能な低温ワークステーションを配置するように構成されてもよい。別の態様において、頭上搬送部1499A、シャトル1499A’および無人搬送車1499Bは、頭上搬送部1499Aおよびシャトル1499A’の1つまたは複数が無人搬送車1499Bから、持ち運び可能な低温ワークステーションを取り出し、および無人搬送車1499Bへ、持ち運び可能な低温ワークステーションを配置するように構成されてもよい。さらに別の態様において、無人搬送車1499Bおよびコンベヤ961、962は、無人搬送車がコンベヤ961、962から持ち運び可能な低温ワークステーションを取り出し、およびコンベヤ961、962へ持ち運び可能な低温ワークステーションを配置するように構成されてもよい。さらに別の態様において、頭上搬送部1499Aおよびシャトル1499A’は、持ち運び可能な低温ワークステーションが頭上搬送部1499Aとシャトル1499A’との間で移送されるように構成される。理解され得るように、試料保管システム200、201’、200''の入力/出力ポート973(および、補充ステーションなどの、他の低温ワークステーション保持位置の入力/出力ポート)は、本明細書に記載される搬送システムと、試料保管システム200、201’、200''(および他の低温ワークステーション保持位置)との間での、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''の移送を可能にするように構成される。たとえば、
図9Kおよび9Jを参照すると、シャトル1499A’(シャトル200Sと略同様である)は、コンベヤユニットを方向1987、1988、1989の1つまたは複数に移動させるなどして、入力/出力ポート974の任意の適切な支持部974S上に持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''を配置する。支持部974Sは、(たとえばキュー974で)シャトル200Sが支持部974Sから、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''を取り出すように、それぞれの保管システム内に、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''を搬送するように構成されるので、試料は、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''と低温保管部または貯蔵部291との間で移送できる。
【0015】
試料は、持ち運び可能な低温ワークステーションから本明細書に記載される方法で1つまたは複数の試料を取り出す(
図9H、ブロック981)ことによって、任意の適切な方法で操作(保管部内への配置、分析、別の持ち運び可能な低温ワークステーションへの移送など)されてもよい。一態様において、保管部またはオペレータOPERに試料を提供するために、任意の適切な自動化部が、持ち運び可能な低温ワークステーションから試料トレイ150Tを本明細書に記載される方法で取り外してもよい。一態様において、オペレータは、トレイ150Tから試料を取り出し、およびトレイ150Tに試料を配置してもよいが、別の態様においては、本明細書に記載されるように、任意の適切な自動化部がトレイ150Tから試料を取り出し、およびトレイ150Tに試料を配置してもよい。試料は、持ち運び可能な低温ワークステーションに戻されてもよく(
図9H、ブロック982)、ワークステーションは、搬送システム1499A、1499B、961、962、933、933Aの1つまたは複数を通して、または手動で、別の動作ステーションまたは同一の動作システムの別の部分へと搬送されてもよい。持ち運び可能な低温ワークステーションが同一の動作システム963の別の部分へと搬送される場合、ロボットアームや他の適切なステーション内部の搬送部、コンベヤ、ガントリーなどの任意の適切な自動化部933Aは、持ち運び可能な低温ワークステーションを搬送するために、少なくとも部分的に動作システム963内に配置されてもよい。
【0016】
再び
図1A~1Iを参照すると、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、液体窒素(LN2)温度(たとえば、約-150℃以下)近くで、(たとえば、試料容器内またはスライド上に位置する)試料150を維持するように構成されてもよく、たとえば持ち運び可能な低温ワークステーションの蓋を外して試料への容易な手動のアクセスを提供する一方で、試料(および持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''の内部110C)を以下に記載されるように約-150℃以下に維持してもよい。いくつかの実施形態において、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、約-196℃~約-30℃、約-196℃~約-120℃、約-196℃~ほぼ水のガラス転移温度、または約-196℃~約-150℃の温度で試料を維持する。
【0017】
理解され得るように、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''内、上またはその周りで構築される凝縮物を含む水分および/または氷の影響を軽減するように構成されてもよい。たとえば、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''の内部キャビティまたは外部を完全に乾かすために、持ち運び可能な低温ワークステーションが加熱あるいは温められることを可能にする、任意の適切な材料で構成されてもよい。一態様において、加熱エレメントは、加熱エレメントが持ち運び可能な低温ワークステーションを加熱あるいは温めるために任意の適切な方法で電源に接続できるように、持ち運び可能な低温ワークステーションのハウジングおよび/または蓋の壁の内部に設けられてもよい。いくつかの例において、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''内および/またはその周りの環境における水分をパージするために、乾燥ガスが用いられる。たとえば、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''が、たとえば自動化保管システム、冷媒補充ステーション、または他の部分的もしくは完全に囲まれた領域にある場合、持ち運び可能な低温ワークステーション内および/またはその周りの環境における水分をパージするために、乾燥ガスを用いることができる。いくつかの実施形態において、持ち運び可能な低温ワークステーションに含まれる冷媒(たとえば、液体窒素などの低温液体)の一部は、乾燥パージガス(たとえば、乾燥窒素ガス)を提供するために蒸発する。持ち運び可能な低温ワークステーションからの冷媒の蒸発が、ワークステーション内および/またはその周りでの所望の露点を達成するのに不充分である場合、たとえば、低温液体の蒸発を促進して乾燥パージガスを形成するために、加熱器および/または低温液体を用いることにより、付加的な乾燥ガスが提供されてもよい。
【0018】
持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、ワークステーション100、100’、100''、100'''は冷媒が充填されるときに、とりわけ(典型的には氷を形成する)水分を引き込む傾向があり得る。それゆえ、いくつかの態様において、冷媒(たとえば、低温液体)は1つのワークステーションに加えられ、1つまたは複数のワークステーションは、以下により詳細に記載するように、少なくとも部分的または完全に筐体内にある。筐体内では、筐体内で所望の露点を達成し、それにより望ましくない水分をワークステーションに引き込むことを防ぐために、上述のような乾燥パージガスが用いられてもよい。
【0019】
持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、以下に記載するような自動化低温保管システムと接続するか、または自動化低温保管システムに接続するように構成されてもよい。持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、本明細書においては略長方形または正方形または円筒状のキャビティを有する上部投入型の持ち運び可能な低温ワークステーションとして例示されているが、別の態様において持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、任意の適切な形状を有する上部、側部または底部投入型の持ち運び可能な低温ワークステーションとして構成されてもよく、保管システムは、本明細書に記載の物と略同様の適切な側部投入および/または底部投入インターフェースを含んでいてもよいことに留意する。一態様において、持ち運び可能な低温ワークステーションは、フラスコ100''が本明細書に記載されるものと略同様の方法で自動化保管システムと嵌合するように、本明細書に記載される特徴を含むデュワー型の瓶100''の構成(
図1I、
図1Qおよび1Rも参照)を有していてもよい。デュワー型の瓶が瓶を閉鎖するためのねじ込みキャップ(図示せず)を含む別の態様において、本明細書に記載されるロードポートドアは、瓶からキャップを回して外すための回転可能なグリッパを備えて構成されてもよいが、瓶がロードポートと嵌合され、試料が本明細書に記載されるものと略同様の方法で瓶から取り出されてもよい。別の態様において、
図1Qおよび1Rに見られるように、持ち運び可能な低温ワークステーション100'''は、(たとえば、デュワー容器を形成する)略円筒状のハウジング110CHを有していてもよい。持ち運び可能な低温ワークステーション100'''は、ワークステーション100に関して上述したものと略同様の方法で持ち運び可能な低温ワークステーション100'''が自動化保管システムと嵌合するように、ワークステーション100に関して本明細書に記載される特徴を含んでいてもよく、デュワー容器の蓋113は、運動学的配置特徴部113Aと、ラッチキー係合部、または本明細書に記載される試料保管システムおよび/もしくは冷媒充填/補充ステーションと接続する他の適切な連結特徴部とを含む。このように、持ち運び可能な低温ワークステーション100'''は、持ち運び可能な低温ワークステーション100'''の確定的な配置および自動化された開放/閉鎖をもたらすために、ハウジング110CHおよび蓋113の1つまたは複数の上に確定的な配置特徴部を含む。理解され得るように、内部110Cを-150℃以下などの適切な温度に維持し、また持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''を自動化保管システムと接続する能力を維持することにより、自動化保管システムおよび試料を、温度の変動および水/霜の侵入から保護できる。一態様において、
図1Sおよび1Tに見られるように、持ち運び可能な低温ワークステーション(ワークステーション100は例示のみを目的として示されている)は、1つまたは複数の試料トレイ(トレイ150Tは例示のみを目的として示されている)を保持するように構成されてもよい。たとえば、持ち運び可能な低温ワークステーションは、単一のトレイ150Tを保持してもよいし、N×N列のトレイ150T(例示のみを目的として、1×4列のトレイが
図1Sに示される一方で、
図1Tには2×2列のトレイが示されている)を保持してもよい。トレイ150Tは単一の平面に(たとえば隣り合って)配置されているものとして示されているが、別の態様においてトレイは、隣り合って位置しているのに加えて、またはそれに替えて、異なる平面に(たとえば上下に)位置してもよい。
【0020】
持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、保管部内に投入および取り出しされている試料150に対する保護を提供し、また、オペレータが通常の検査室環境にいる状態で試料を低温温度または低温温度近くで維持しながら、作業台上面で試料を手動で操作する能力を提供してもよい。一態様において、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、試料150、試料150が保持される任意のトレイまたはラック150T、および/または、1つまたは複数のトレイ150T、150T’、150T''/試料150が保持される任意の適切なホルダTHへの、手動の(または自動化された)アクセスを提供する。一態様において、トレイまたはラック150Tは、試料を保持するための任意の適切なウェルプレートであってもよい。一態様において、トレイまたはラック150T’は、本明細書においては、トレイまたはラック150T’が、補充可能または交換可能な冷媒/冷却剤(本明細書においては消費媒体ともいう)を用いる冷媒または消費媒体アキュムレーターと呼ばれてもよい冷却源(以下に記載する吸収パッド170、冷媒ユニット170’など)と実質的に接触して配置されているときに、試料を所定の温度に維持するように構成される熱伝導性材料から構成されてもよい。一態様において、
図1Nも参照すると、トレイ150T’は、試料の周りの空気温度よりもむしろ伝導性材料を通して動作する低温バッテリCBを含んでいてもよい。低温バッテリCB(例示目的のために試料150の側面上に示されている)は、消費媒体源への熱を逃がし、試料150を冷却するための低温熱シンクとして作用してもよい。理解され得るように、試料保持領域は、
図1Bに示すように低温バッテリCB内に配置されてもよい。別の態様において、トレイまたはラック150T''は、トレイまたはラック150TPと、インターフェース150TIに連結されるトレイまたはラック150TP中の試料150に均一な温度分布を提供するように構成される冷媒または消費媒体との間に、インターフェース150TIを含んでもよい。一態様において、
図1Oも参照すると、トレイ150、150’、150''(トレイ150T’は例示目的のために
図1Oに示されている)は、薄い絶縁層(たとえば、以下に記載されるようなハウジング110の内側シェル1005など、たとえば
図10Aを参照)によって消費媒体源から分離されてもよい。トレイ150、150’、150''は、試料150を冷却するため、試料150から消費媒体源への熱伝達を可能にするように薄い絶縁層に当接してもよい。さらに別の態様においては、
図1Pに見られるように、トレイ150、150’、150''は、試料150が中に配置される略中実のインサートであってもよいし、あるいはそれを含んでいてもよい。
図1Pは、たとえばトレイ150T’を、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''(例示目的のためにワークステーション100が示されている)内にトレイが挿入される、略中実の構成を有するものとして示す。一態様において、ホルダTH’は、キャビティ内に試料150を保持するためのキャビティを備えるハウジングTHHと、キャビティを閉じるための蓋THLとを有する箱であってもよい。一態様において、トレイTHは、ホルダTH’を保持するように構成されてもよい。ホルダTH’のキャビティは、キャビティおよびその中の試料150を、所定の期間、所定の温度に維持するように構成される、冷媒ユニット170’などの任意の適切な消費媒体アキュムレーターを含んでもよい。ハウジングTHH内の試料150は、任意の適切なトレイまたはラック150’で保持されてもよい。一態様において、トレイまたはラック150’は、トレイまたはラック150T、150T’、150T''と略同様であってもよい。手動の(または自動化された)アクセスは、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''への、および持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''からの、トレイ150T、150T’、150T''および/もしくはホルダTHの追加および取り出しのため、ならびに/または、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''への、および持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''からの、個別の試料150の追加および取り出しのために提供されてもよい。この手動のアクセスは、容易に手動で取り外すことができる蓋113によって提供できる。一態様において、ハウジング110は、蝶番113Hを含んでいてもよく、蓋113は、閉鎖位置(
図1Kに示す)と開放位置(
図1Jに示す)との間で蝶番113H周りを枢動し、蓋は閉鎖位置にあるときにはキャビティ110Cを密封し、開放位置にあるときには蓋113は、実質的にハウジング110の側面に対して係止する。いくつかの実施形態において、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、蓋113の安全性を維持するために機械制御または電子制御される特徴部を含む。たとえば、ワークステーションの蓋は、機械的なロックおよび鍵によって保護されてもよい。別の態様において、ワークステーションの蓋は、インターフェースを介してユーザによりワークステーションに入力されたり、(たとえば無線で)ワークステーションに伝達されたりする電子キーコードを受信したときにのみ解放される。いくつかの実施形態において、権限のないワークステーションの蓋の開放は、アラームの生成、通知の送信、および/または、データロギング事象の発生を引き起こす。
【0021】
持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、オペレータが、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''を容易に持ち上げ、また搬送できるような大きさ、形状、任意の適切な重量にされてもよい。たとえば、一態様において、持ち運び可能な低温ワークステーション(試料および低温冷媒/消費媒体を含む)は、10ポンド以下の重量であってもよい。別の態様において持ち運び可能な低温ワークステーションは、任意の適切な重量を有してもよい。ハウジング110、110’、110''、110CHは、任意の適切な操作特徴部111、190、または、ヒトまたは自動化グリッパがハウジング110、110’、110''、110CHを保持および搬送することを可能にする他の任意の適切な特徴部を含んでもよい。一態様において、折り畳み可能なハンドル190は、持ち運び可能な低温ワークステーション100の手動(片手)の搬送を提供できる。折り畳み可能なハンドル190は、展開位置と折り畳み位置との間で略90°回転する(たとえばその結果、ハンドルは持ち運び可能な低温ワークステーションの側面に対して係止する)、飲料冷却装置上のものと同様であってもよい。別の態様において、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''の両側に位置する複数のハンドル111は、持ち運び可能な低温ワークステーション100の手動(両手)の搬送を提供できる。どちらの場合でも、ハンドル190、111は、オペレータが片方の手でワークステーションを保持し、もう片方の手でワークステーション100、100’、100''、100'''の蓋113を取り外すことができるように配置できる。また持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、任意の適切な高さの試料容器またはスライドを収容するために、任意の適切な高さHを有していてもよい。
【0022】
開示される実施形態の態様によれば、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、検査室の作業台上面から保管部へ、および再び検査室の作業台上面へ移動する試料に対して、略一定の低温環境を提供してもよい。また、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、温度のロギング、検査室を通る試料の追跡、検査室外部での搬送中の試料の追跡、試料に対する物理的なアクセスを制限することによる試料の保護、ならびに、試料の寿命にわたっての試料処理コンプライアンスを補助できる、保管前動作およびヒストリ(たとえば、動作時間、動作温度、動作性質など)の、保管および/または保管後動作およびヒストリへのリンク付けを提供してもよい。
【0023】
開示される実施形態の態様によれば、持ち運び可能な低温ワークステーションは、ハウジング110、110’、110''、110CHを形成するフレームを含んでもよい。ハウジング110、110’、110''、110CHは、絶縁されてもよく、カートリッジ120(
図1Hを参照、たとえば、離間された棚または保持領域121で試料トレイ150T内の試料150のスタックを保持する)を挿入できるキャビティまたは内部110Cを含んでもよい。別の態様において、ハウジング110、110’、110''、110CHは、単一の試料トレイ150Tを保持するように構成される単一の保持領域121を含んでもよい。さらに別の態様において、トレイ150Tは、キャビティ110Cへの、およびキャビティ110Cからのトレイ150Tの自動化搬送を可能にするように構成される、任意の適切な取り外し可能なホルダTHに配置されてもよい。キャビティは、キャビティ内に位置する試料への、手袋をつけた手などによるオペレータのアクセスを可能にするような形状および大きさにされてもよい。ハウジング110、110’、110''、110CHは、キャビティ110Cの周縁の周りに配置される密封表面110S1を含んでもよい。密封表面110S1は、自動化保管システム(以下に記載)の対応する密封表面(たとえば、
図2Aの201Sを参照)と接続あるいは係合して、たとえば、保管システム内への水分の侵入および熱負荷の伝達を最小限にするために、ハウジング110、110’、110''、110CHと自動化保管システムの開口またはロードポート207との間にシール部を作り出すかあるいはもたらすように構成されてもよい。
【0024】
キャビティ110Cは、蓋113、113’によって密封されてもよい。ハウジング110、110’、110''、110CHおよび/または蓋113、113’は、たとえば、1つまたは複数の試料150の搬送中、キャビティ内に配置される1つまたは複数の試料150を、約2時間(または約2時間よりも長い、もしくは約2時間よりも短い任意の期間)など所定の期間、たとえば-150℃以下など所定の温度に維持するために、任意の適切な方法で(たとえば、真空絶縁パネルとして構成される真空絶縁材、または他の任意の適切な絶縁構成を用いて)絶縁されてもよい。一態様において、絶縁材は、内側の金属層(たとえば、キャビティ110Cを形成するハウジング110、110’、110''、110CHおよび蓋113、113’の部分に沿って配置される)と、ハウジング110、110’、110''、110CHおよび蓋113、113’の外側表面を形成する外側のプラスチック層との間に挟持されてもよい。別の態様において、持ち運び可能な低温ワークステーションの絶縁は、任意の適切な方法でもたらされてもよい。
【0025】
蓋は、たとえば、キャビティ110Cを実質的に密封するような、任意の適切な形状および大きさを有してもよい。蓋113、113’と、ハウジング110、110’、110''、110CHとの間のインターフェースは、ハウジングに対する蓋の単軸動作を通した、ハウジングからの蓋の容易な取り外しを可能にするように構成されてもよい。一態様において、蓋は、単軸動作のみで取り外されてもよい。蓋113、113’とハウジング110、110’、110''、110CHとの間のインターフェースは、キャビティ110C内の制御環境を維持した状態で、キャビティ110Cをパージすること(以下に記載)を実質的に可能にするテーパー状のインターフェースであってもよい。たとえば、蓋113、113’は、(たとえば、後述のインターフェースIF4を形成するために)キャビティ110Cの周縁の周りに配置される対応するテーパー表面110S2と接続するテーパー状の側面113Sを有してもよい。理解され得るように、2つの表面113S、110S2は、ハウジング110、110’、110''、110CHの外側の環境からキャビティ110Cの内部を実質的に密封するために、シール部を形成してもよい。別の態様において、表面113S、110S2は、ハウジング110、110’、110''、110CHの外部の環境からキャビティ110Cの内部を実質的に密封するために、任意の適切な形状および/または構成を有してもよい。また、理解され得るように、たとえば低温冷媒/消費媒体(たとえば、LN2など)のボイルオフから生じたあらゆる気体がキャビティから排出することを可能にするために、蓋113、113’および/またはハウジング110、110’、110''、110CHには、任意の適切なベントまたは他の開口部、チャネル、および/または通路が設けられてもよい。別の態様において、表面113S、110S2は、低温冷媒から生じた気体が蓋113、113’を越えて通気することを可能にしてもよい。蓋113、113’は、蓋113、113’をハウジング110、110’、110''、110CHに嵌合させる蓋113、113’の(たとえば、矢印198の方向への)単軸動作によってもたらされてもよい、解放可能な受動的もしくは作動可能な機械的および/または磁性連結によるなど、任意の適切な方法でハウジング110、110’、110''、110CHに保持あるいは連結されてもよいことに留意する。別の態様において、蓋をハウジング110、110’、110''、110CH上にロックするために、折り畳み可能なハンドル190が展開位置にあるときにロック特徴部が蓋113、113’の対応するロック特徴部と嵌合するように、折り畳み可能なハンドル190は任意の適切な機械的、磁性および/または電気的ロック特徴部/アクチュエータを有してもよい。また、蓋113、113’が、オペレータの、および/または、自動の蓋の取り外しを可能にする任意の適切なハンドルまたは掴持特徴部114を含んでもよい。一態様において、蓋およびハンドルは、オペレータが手袋を装着することなく蓋を取り外せるように構成されてもよい。蓋は、自動化保管システムの自動化された蓋取り外しエレメント/特徴部に蓋を接続するために、位置合わせ特徴部および配置特徴部を含んでもよい。たとえば、蓋113、113’は、蓋113、113’をロードポートドア220(
図2Cを参照)に位置合わせさせるために、ロードポートドア220の対応する位置合わせ特徴部220Aと嵌合する任意の適切な数の配置/位置合わせ特徴部113A(たとえば、ピン、凹部、磁石など)を含んでいてもよい。また蓋は、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''へ、および持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''からの試料の移送中に、自動化保管システム内に蓋を一時的に置くか、あるいは保管するために、自動化保管システムの対応する位置合わせ特徴部と嵌合する任意の適切な配置/位置合わせ特徴部113AP(
図1Gおよび1Lを参照)を含んでいてもよい。別の態様において、蓋113、113’は、ハウジング110、110’、110''、110CHを自動化保管システムに接続する前に、ハウジング110、110’、110''、110CHから取り外されてもよい。さらに別の態様において、蓋113、113’は、ハウジング110、110’、110''、110CHが自動化保管システムと接続された後であって、かつ、ハウジング110、110’、110''、110CHが自動化保管システムに(以下に記載するものと同様の方法で)密封される前に、ハウジング110、110’、110''、110CHから取り外されてもよい。
【0026】
上述のように、カートリッジ120またはホルダTHは、キャビティ110C内に配置されてもよい。カートリッジ120またはホルダTHは、たとえば任意の適切な空間配置で試料150を保持するように構成される、1つまたは複数の離間された棚または保持領域121を含んでもよい。一態様において、試料150は、トレイ150T内で保持されてもよく、棚121のそれぞれが、任意の適切な方法で1つまたは複数のトレイ150Tを確実に保持するように構成される。
図1Hに示すように、棚121はそれぞれ1つのトレイ150Tを保持してもよいが、別の態様において各棚は、隣り合う配置および/または前後の配置で1つまたは複数のトレイを保持してもよい。カートリッジ120(および/または上述のホルダTH)は、ハウジング110、110’、110''、110CHのキャビティ内の対応するガイド特徴部と接続する任意の適切なガイド特徴部を含んでもよい。ガイド特徴部122はたとえば、対応する突出部および凹部、ガイドレールおよびスロット、ピンおよび凹部、または他の任意の適切な配置特徴部であってもよい。ガイド特徴部122は、たとえば、ハウジング110、110’、110''、110CHに対して所定の向きで、カートリッジ120がキャビティに配置できるように構成されてもよい。蓋113、113’がハウジング110、110’、110''、110CHから取り外されると、試料の自動または手動の操作のためにカートリッジ120が蓋113、113’と一緒に取り外されるように、カートリッジ120(および/またはホルダTH)は、任意の適切な方法で蓋113、113’に連結されてもよいし、あるいは蓋113、113’と一体部材として形成されてもよい。別の態様においては、カートリッジ120が自動の操作のために蓋113、113’に取り付けられるか、または試料150の手動の操作のために蓋113、113’から取り外され得るように、カートリッジ120は、たとえば、蓋113、113’の外側上の任意の適切な特徴部(たとえば、キーおよびキーホールを有するラッチキー、スライド可能なピン、磁性ラッチなど)によって蓋113、113’から取り外し可能であってもよい。さらに別の態様において、カートリッジ120(および/またはホルダTH)は、試料保管システムの自動の把持部がキャビティ110Cからカートリッジまたはホルダを取り外すことを可能にする掴持特徴部を含んでもよい。
【0027】
またキャビティは、キャビティの内部およびその中の試料を冷却するために冷媒(たとえば、消費媒体)がキャビティ110C内で保持される低温冷媒スペースを含んでもよい。低温冷媒スペースは、試料150に対する適切な位置で、キャビティ110C内に配置されてもよい。一態様において、低温冷媒スペース170Sは、試料の下に位置してもよいが、別の態様においては任意の適切な場所に位置してもよい。一態様において、吸収パッドまたは部材170(
図1Dおよび1E)などの消費媒体アキュムレーターは、低温冷媒スペース内に配置されてもよい。吸収パッド170は、LN2がキャビティ内の周りをスロッシングすることを防ぎ、「乾燥した液体窒素」の冷却ユニットを形成するために、LN2(または他の任意の適切な低温冷媒/消費媒体)を保持あるいは吸収するように構成されてもよい。いくつかの例において、吸収パッド170などの消費媒体アキュムレーターは、たとえば、ワークステーションの蓋が取り外されるとき、または消費媒体アキュムレーターがキャビティに配置される前に、水分を引き付けてもよい。このような水分は、消費媒体アキュムレーターの外側および/または内側表面(たとえば、細孔内)に付着するおそれがある。消費媒体アキュムレーターに引き付けられる水分は、続いて冷媒が充填されると凍り、氷が形成されるにつれて拡大する場合がある。それゆえ、いくつかの実施形態において、消費媒体アキュムレーターは、氷が形成されて消費媒体アキュムレーター上および/または消費媒体アキュムレーター内で溶けるときに、砕けることなく変形できる弾性材料で形成される。いくつかの態様において、消費媒体アキュムレーターは、弾性ポリマー発砲体など、多孔質の弾性ポリマー材料から作製される吸収パッドである。別の態様において、低温冷媒スペースおよび/または消費媒体アキュムレーターは、冷媒(たとえば、LN2)がキャビティ内の周りをスロッシングすることを防ぐために、任意の適切なバッフルおよび/または保持部材を含んでもよい。さらに別の態様において、低温冷媒スペースおよび/または消費媒体アキュムレーターは、冷媒(たとえば、LN2)のボイルオフから生じた気体がキャビティ110C内に逃げられるように、ベントを備える実質的に密封されたチャンバであってもよい。密封チャンバは、キャビティの内部およびその中の試料を冷却するために、密封チャンバとキャビティ110Cとの間の熱伝達を可能にする任意の適切な材料から形成されてもよい。さらに別の態様において、低温冷媒スペースは、消費媒体アキュムレーターを形成してもよい。理解され得るように、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、冷媒(たとえば、LN2)の手動または自動の補充を可能にするように構成されてもよい。たとえば、低温冷媒スペースおよびパッド170は、オペレータまたは(本明細書に記載される自動化保管システムまたは冷媒補充ステーションの)自動の補給ステーションがパッド170に冷媒を注入または移送する(以下により詳細に記載する
図10Bのチャネル1010を参照)ことができるように、キャビティ内に配置されてもよい。一態様において、低温冷媒スペース170Sは、分離壁またはバスケット1015(
図10A)により内部キャビティ110Cから分離されてもよい。分離壁1015は、冷媒が孔を通って吸収部材170内に入るように冷媒を内部キャビティ内に注入することによって冷媒を補充できるように、冷媒が内部キャビティ110Cと低温冷媒スペース170Sとの間を通ることを可能にする孔または他の開口部を壁に有してもよい。別の態様においては、以下にさらに詳細に記載するように蓋113、113’がハウジング110、110’、110''、110CH上に残った状態で冷媒を補充するために、持ち運び可能な低温ワークステーションへの任意の適切な冷媒源の接続を可能にする密封可能な連結部またはポート170P(
図1E)が、ワークステーション100、100’、100''、100'''の任意の適切な場所(たとえば、ハウジング110、110’、110''、110CHおよび/または蓋113、113’上)に設けられてもよい。理解され得るように、密封可能な連結部170Pは、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''の側部、上部または底部に位置してもよく、たとえば、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''が試料保管システムとドッキングあるいは接続されるか、または以下に記載するような他の任意の適切な冷媒充填/補充ステーション163(本明細書に記載する自動化試料保管システム200、200’と略同様であってもよい)にあるときに、冷媒の自動の補充を可能にしてもよい。別の態様において、密封可能な連結部170Pは、持ち運び可能な低温ワークステーションが、制御された速度の冷凍庫(たとえば、所定の温度の窒素ガスまたは霧状のLN2をキャビティ110C内に供給することによって制御され、たとえば、温度センサ169が、一態様においては持ち運び可能な低温ワークステーションと一体であってもよく、別の態様においてはステーション163および/または自動化試料保管システム200、200’上に位置してもよい制御装置164に温度フィードバックを提供し、制御装置164は、温度センサ169からの信号に基づきキャビティ110Cに入る窒素ガスの速度を制御するように構成される)および/または霜取り装置(たとえば、キャビティ110C内に乾燥窒素の高温および低温のサイクルを供給する)として機能することを可能にしてもよい。別の態様において、制御装置164(持ち運び可能な低温ワークステーションと一体)は、任意の適切な中央制御装置(以下に記載)と通信していてもよく、中央制御装置は、キャビティ110Cに入る冷媒の速度を制御するために、ステーション163および/または自動化試料保管システム200、200’に接続される。さらに別の態様において、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、センサからのフィードバックや追加のガス供給がない受動型速度制御冷凍庫として機能できる。この態様において、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、たとえば、試料と、たとえば異なるトレイにより異なる受動的な冷却速度プロフィルが得られるように試料が位置するトレイを含む、試料の容器との熱容量に応じて、繰り返し可能な方法で試料を冷却してもよい。さらに別の態様において、密封可能な連結部またはポート170Pは、低温冷媒スペース内への冷媒の注入を可能にするように構成されてもよい。
【0028】
理解され得るように、再び
図1Bおよび1Cを参照すると、キャビティ110C内の冷媒は、たとえば試料保管システムに入る、たとえば水分および気体を制御できるように、および/または、試料保管システム内に導入される熱負荷を、試料を所定の温度に維持した状態で最小限にできるように試料が配置される、「あらかじめ冷却された」環境を提供してもよい。また、蒸発した冷媒(たとえば、蒸発したLN2)をキャビティ110C内に通気することにより、キャビティ110C内の環境は、略一定に低温の乾燥ガスが補充されることに留意する。低温の乾燥ガスは、密度が高く、試料が沈む「プール」を形成し、これは、低温の乾燥ガスが試料の周りに溜まるので、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''から離れた蓋による試料の操作を可能にできる。キャビティ内の環境は、試料の操作によって撹拌および乱されるおそれがあるが、「プール」は安定し(
図1Bに見られるように、たとえば、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''の温度は、階層線STRで示されるように自然に階層化される)、試料は低温の乾燥した雰囲気に維持された状態(たとえば、試料が位置する持ち運び可能な低温ワークステーションの部分は、-150℃未満の温度のままである)で補給される。
【0029】
一態様において、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、持ち運び可能な低温ワークステーション内の試料を監視するために、任意の適切な識別表示部および/または任意の適切なセンサを含んでもよい。たとえば、試料に近接する位置で、任意の適切な温度センサ169(
図1C)がキャビティ110C内に配置されてもよい。温度センサ169は、キャビティ内の温度を感知することにより、試料150の温度の推定値を提供できる。別の態様において、温度センサ169は、1つまたは複数の試料それぞれの略直接的な温度読み取り値、および/または、センサが略直接的に接触する試料の平均温度を提供するために、キャビティ110C内の(たとえば、試料150を保持する)1つまたは複数の試料容器と実質的に直接接触してもよい。一態様において、センサ169(および/または、本明細書に記載する他のセンサ)は、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''での処理データを監視するために、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''の外側表面に配置されるディスプレイユニット/ユーザインターフェース169Dなどの、任意の適切な受信装置に温度データ(または本明細書に記載され、概して一過性または処理データと称される他の任意の適切なデータ)を無線で(または接触なしに)送信するように構成されてもよい。ディスプレイユニット169Dは、持ち運び可能な低温ワークステーション内の試料の存在と同期して、少なくとも1つの試料の所定の処理特性に対応する一過性または処理データを取得するように構成される処理データ取得ユニットを含んでもよい。処理データ取得ユニットDCUは、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''の状態(たとえば、温度、蓋の有無、ハンドル位置、消費媒体のレベル)、ならびに/または、日付および時間に関するデータを取得するように構成されてもよい。別の態様において、処理データ取得ユニットDCUは、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''内の試料(または他の項目)に関するデータを取得するように構成されてもよい。たとえば、一態様において、持ち運び可能な低温ワークステーションは、臓器移植(たとえば、臓器の搬送)、血液試料の搬送、注射器の搬送のために用いられてもよいし、および/または、低温搬送を要する他の任意の適切な生物学的試料もしくは他の試料のための配送容器として用いられてもよい。持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''内の各項目(試料150、臓器、血液試料、注射器など)は、任意の適切な方法(たとえば、バーコードまたは本明細書に記載する他の識別子)で識別されてもよい。項目(および、たとえば、項目がトレイ150T内または他の保持装置内に位置するときの、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''内でのそれらの位置)の識別は、項目の搬送および/または分析中の項目の追跡を可能にするために、データ取得ユニットDCUに移送されてもよい。
【0030】
一態様において、処理データ取得ユニットDCUは、様々なセンサから受信した処理データおよび他の一過性データ(本明細書に記載)を、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''から遠隔に配置されるユーザインターフェース、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''から遠隔位置の任意の適切な自動化操作装置、および/または、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''が接続されるか中に接続される自動化操作装置に送るように構成される、任意の適切なデータ送信ユニット164Tと通信してもよい。一過性または処理データは、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''で、または持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''から遠隔で、(たとえば処理ヒストリを定める)ヒストリカルデータとしての、および/または、(たとえば、データが約250ミリ秒毎または他の任意の適切な時間間隔で送信される)リアルタイムでのデータの見直し/分析を可能にできる。ディスプレイユニット/ユーザインターフェース169Dは、以下に記載するように、送信装置164T、制御装置164、温度センサ169(または加速度計、位置および/または場所センサ(たとえば、空間配向またはGPSセンサ)、重量センサ、冷媒レベルセンサ、圧力センサ、冷媒のガス放出を検出および/または測定するためのセンサなどの任意の適切なセンサ)から受信したデータの処理および分析を可能にするように構成されるプロセッサ164Pおよびメモリユニット169M、ならびに/または識別表示部168(たとえば、RFIDタグ、バーコードなど)を含んでもよいし、あるいはこれらに通信可能に接続されてもよい。一態様において、処理データ取得ユニットおよび送信ユニット164Tは、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''から遠隔に配置されるユーザインターフェース、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''から遠隔位置の任意の適切な自動化操作装置、および/または持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''が接続されるか中に接続される自動化操作装置から情報を受信するように構成されてもよい。たとえば、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''内に投入される試料の識別(たとえば、バーコードまたは他の識別子)、および/または、試料の投入日および時間は、メモリ169Mに伝えられてもよいし、メモリ169Mに記憶されてもよい。
【0031】
図19を参照すると、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''が中に配置される機械(自動化試料保管システム200、200’、冷媒充填/補充ステーション163など)に無線通信してもよい。たとえば、持ち運び可能な低温ワークステーションは、試料150の温度、キャビティ110C内の温度、持ち運び可能な低温ワークステーション内の消費媒体のレベル、蓋の圧力、ハンドル位置、日付、時間などの任意の適切な一過性データ、処理データまたは状態データを、たとえば機械の制御装置1900に提供してもよい。持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''はまた、試料150Tの識別、試料が作製され、または持ち運び可能な低温ワークステーションに配置された日付および時間などの情報を、機械から無線受信するように構成されてもよい。別の態様において、持ち運び可能な低温ワークステーションは、USBポート、シリアルポート、イーサネットポートなどのデータ転送ポートDTP(
図1C)、または持ち運び可能な低温ワークステーションへ、および持ち運び可能な低温ワークステーションからのデータ転送を可能にする他の接続部を含んでいてもよい。一態様において、ユーザは、本明細書に記載されるデータを伝えるために、遠隔配置されたコンピュータを、データ転送ポートDTPを通して、持ち運び可能な低温ワークステーションに接続してもよい。別の態様において、持ち運び可能な低温ワークステーションが挿入される機械は、データ転送ポートDTPを通して、持ち運び可能な低温ワークステーションと通信してもよい。たとえば、持ち運び可能な低温ワークステーションが機械の中に挿入されると、データ転送ポートDTPに対応するコネクタが、機械と持ち運び可能な低温ワークステーションとの間の通信接続を配線するためにデータ転送ポートと係合してもよい。
【0032】
一態様において、
図20を参照すると、データは、たとえば内科医/医師が試料150、臓器、注射器などの位置および/または状態(持ち運び可能な低温ワークステーションに関して本明細書に記載するデータを含んでもよい)を取得することを可能にする、(無線またはデータ転送ポートDTPなどを通した有線接続を通して、あるいはその両方で)遠隔配置されたコンピュータRPCUまたは他の装置に転送されてもよい。一例として、血液試料は、分析のために持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''内に提供され、検査室に送られてもよい。内科医または他の権限を与えられた人間は、遠隔配置されたコンピュータおよび処理データ取得ユニットDCUとの通信を通して、提供された試料のヒストリ、状態および/または場所に関する任意の適切な情報を取得するために、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''のメモリ169Mに記憶されるデータにアクセスしてもよい。たとえば、一態様において、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、内科医が試料150Tの物理的な位置を取得できるように、クロックおよびグローバルポジショニング(または他の位置追跡機能)が設けられてもよい。別の態様において、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''から各試料が取り外され分析されると、たとえば、内科医が遠隔でどの試料150Tが分析されているのかを決定できるように、処理データ取得ユニットDCUが(たとえば、どの試料が取り出され、分析され、またワークステーションに戻されたかに関して)更新されてもよい。また、ハンドル位置のインジケータは、内科医に対して、試料の場所と共に、試料に対する不正な干渉を示すために設けられてもよい。データの更新は、たとえば、RFID、Bluetooth、ZigBee、誘導または赤外線無線通信、超広帯域通信、セルラー方式、人工衛星、イーサネット、USBなど、任意の適切な長距離もしくは短距離無線通信または有線通信を通して生じてもよい。一態様において、持ち運び可能な低温ワークステーションのデータへの遠隔アクセスは、インターネット、ワールドワイドウェブまたは遠隔配置されたコンピュータまたは他の装置からアクセス可能な他の適切なユーザインターフェースを通して提供されてもよい。
【0033】
たとえば、本明細書に記載するように、センサ169は、温度センサ169からの信号に基づいて、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''内の温度を調整するために流体(たとえば、気体、蒸気、液体など)をキャビティ内に導入できるように、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''に連結される流体供給源(制御装置164の制御下にあってもよい)と通信してもよい。別の例において、流体は、外気温度(たとえば、検査室温度)センサ、重量センサ、流体レベルセンサ、気体圧力センサ、および/または、(たとえば、蒸発する冷媒からの)ワークステーションからのガス放出またはワークステーションからのガス放出の有無を検出および/または測定するためのセンサからの信号に基づき、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''内の温度を調整するために、キャビティ内に導入されてもよい。無線または非接触の通信は、誘導的に行われてもよいし、RFID、Bluetooth、ZigBee、誘導または赤外線無線通信、超広帯域通信、セルラー式などの任意の適切な通信プロトコルを通して行われてもよい。
【0034】
上述のように、識別表示部168が設けられてもよい。識別表示部は、任意の適切なバーコード、RFIDタグ、再プログラム可能なメモリ装置、またはキャビティ内の試料150および/またはラック150Tをオペレータ、制御装置164および/または自動化操作装置に対して識別する他の表示部/装置の形態であってもよい。別の態様において、識別表示部168は、キャビティ110C内の試料150および/またはラック150Tに関する情報を記憶し、記憶された情報を、オペレータおよび/または試料保管システムなどの自動化操作装置に対して表示または通信するように構成される再プログラム可能なメモリ装置であってもよい。理解され得るように、再プログラム可能なメモリ装置は、試料が、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''へ追加されるか、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''から取り出されると、試料保管システムおよび/またはオペレータが任意の適切な方法でメモリ装置を再プログラムできるように構成されてもよい。
【0035】
一態様において、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、たとえば、蓋のオンまたはオフに関する情報(
図1Cのセンサ169Lを参照)、ハンドルの位置(
図1Eのセンサ169Hを参照)、試料容器の種類に関する情報(たとえば、バイアル型、スライドなど)、試料記述子、および/またはトレイホルダTHの高さもしくは種類(またはカートリッジ120の種類)など、他の任意の適切なデータを感知および/またはログするために、メモリ169Mに接続される他の任意の適切なセンサを含んでいてもよい。
【0036】
センサによって集められる、試料150および/または持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''に関する処理追跡データ(たとえば、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''の温度、時間、状態、試料の位置、試料の識別など)は、記憶されている処理追跡データが試料の識別子に(たとえば、RFIDタグ、別の表示部または適切なユーザ入力を用いる制御装置による試料の識別を通して)関連付けられるように、再プログラム可能な方法でメモリ169Mに一時的に記憶されてもよい。一態様において、処理追跡データは、ユーザが制御装置164、プロセッサ164Pおよびメモリ169Mとインターフェースをとるために、ディスプレイ169D(タッチ可能なディスプレイでもよいし、キーボード169DPのような他の任意の適切なユーザ入力装置を有してもよい、
図1J参照)を用いて、持ち運び可能な低温ワークステーションからの処理追跡データを分析できるように、ディスプレイ169Dを介してユーザにアクセス可能であってもよい。別の態様においては、たとえば、ユニバーサルシリアルバス、ファイヤーワイヤー、イーサネットなどの有線、またはメモリ169Mを備える無線コンピュータリンク169MLを通して持ち運び可能な低温ワークステーションに遠隔接続されるコンピュータなどの他の通信装置、ならびに本明細書に記載されるものなどの任意の適切な通信プロトコルが、処理追跡データを分析するために用いられてもよい。さらに別の態様において、処理追跡データは、処理追跡データの自動分析のために、本明細書に記載される試料保管システムなどの自動化装置にアクセス可能であってもよい。理解され得るように、この情報は、任意の適切な方法で、任意の適切な検査室ソフトウェアまたは他の処理管理および/またはインベントリソフトウェアおよび/またはデータベースに転送されてもよい。
【0037】
理解され得るように、処理追跡データは、センサによって取得でき、任意の適切な方法で任意の適切な期間メモリ169Mに記憶される。たとえば、一態様において、たとえば上述のデータを含む処理追跡データは、試料150に関する処理ヒストリを提供するために、処理追跡データが略継続的に集められ、任意の適切な期間メモリ169Mに記憶される「ランニング」データログであってもよい。データログは、持ち運び可能な低温ワークステーションから試料が取り出され、持ち運び可能な低温ワークステーション内に異なる試料が挿入されたときなど、任意の適切なときに任意の適切な方法で周期的にリセットされてもよい。別の態様においては、トリガーイベントにより、たとえば、制御装置164がヒストリカルデータログを作成するために処理追跡データを記録し始める。たとえば、温度センサ169が所定の閾値よりも高い温度を感知すると、および/または、蓋センサ169Lが、蓋が取り外されたことを感知すると(もしくは他の任意の適切なトリガーイベントに応じて)、様々なセンサからの処理追跡データを記録し始めるために、制御装置164に信号が送られてもよい。理解され得るように、制御装置164は、メモリ169M、プロセッサ164P、ディスプレイ169Dおよび持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''の他の適切な動力付きの構成要素の1つまたは複数が、トリガーイベントの発生を示す信号が制御装置164によって受け取られるまでオフになったままであるように、動力管理のために適切に構成されてもよい。所定の期間の後、ならびに/または、たとえば、温度が閾値を下回る値に戻るか、および/もしくは、蓋が交換されると、制御装置164は、次のトリガーイベントが発生するまで、メモリ169M、プロセッサ164P、ディスプレイ169Dおよび他の適切な動力付きの構成要素の1つまたは複数をオフにしてもよい。
【0038】
図1Uを参照すると、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''から取り出されるべき1つまたは複数の所定の試料へとオペレータをガイドするために、1つまたは複数の試料位置センサ172A、172Bを含んでもよい。一態様において、試料位置センサ172A、172Bは、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''内の試料150に対する移送ツールTW(ピンセット、手袋の指先、またはオペレータが個別の試料150を取り出すことを可能にするように構成される他のツール)の場所を検出するように構成される任意の適切な(光学、超音波、赤外線、容量などの)センサであってもよい。たとえば、本明細書に記載されるように、トレイ150Tは、各試料の場所が、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''の座標系(Z-X)に対して既知となるように、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''内の所定の場所に位置する。移送ツールTWの先端は、たとえば、ユーザインターフェース/ディスプレイ164D(またはパーソナルコンピュータなどの他の適切なユーザインターフェースまたはセンサ172A、172Bと通信する眼鏡に組み込まれるユーザインターフェース)が座標系Z-Xにおける移送ツールTWの先端の位置を決定するように、センサ172A、172Bによって検出されてもよい。ユーザインターフェースは、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''から取り出されるべき1つまたは複数の所定の試料150をオペレータが取り出していることを確認するために、オペレータに位置フィードバックを提供してもよい。
【0039】
次に
図10A~10Dを参照すると、持ち運び可能な低温ワークステーション100の例示的な構造が示されている。理解され得るように、持ち運び可能な低温ワークステーション100’、100''も同様の構造を有していてもよい。一態様において、ハウジング100は、外側シェル1000、内側シェル1005および底部層1002を含んでもよい。内側シェル1005は、外側シェル1000内に入れ子状にされてもよく(たとえば、持ち運び可能な低温ワークステーションは、入れ子状の壁を封じ込めるハウジングを含む)、任意の適切な方法で、一体の構成要素(たとえば、一片)として成型により形成されてもよいし、任意の適切な方法で一緒に組み付けられる複数の構成要素として形成されてもよい(
図11、ブロック1100)。内側および外側シェル1005、1000は、たとえば、任意の適切なプラスチック、複合体または金属など、任意の適切な材料で構成されてもよい。外側シェル1000は外周表面1000P1を含んでもよく、内側シェルは、(キャビティ110Cの側壁および底部を形成する)内周表面1000P2を含んでもよい。外側シェル1000および内側シェル1005の少なくとも1つは、外側シェル1000および内側シェル1005を接合する上部周表面を含んでもよい。上部周表面1000P3は、蓋113と接続し、たとえばハンドル190など、持ち運び可能な低温ワークステーション100の任意の適切な構成要素のための取り付け面を提供するように構成されてもよい。内側および外側シェル1000、1005の間には、任意の適切な絶縁材料1003が配置されてもよい。一態様において、絶縁材料1003は絶縁フォームであってもよいが、別の態様において、絶縁材料1003は、接合された底面および側面パネルBP、SPを有する一片の平らなパネル(たとえば、入れ子状の壁の内部またはその間に配置される、折り畳まれた真空絶縁パネル層)を形成するために、真空密封バッグ内に配置される1つまたは複数の絶縁パネル1020であってもよい。底面および側面パネルBP、SPは、開放ボックス1003Bが外側および内側シェル1000、1005の間に配置でき、内側シェル1005がキャビティ1003C内に配置されるように、キャビティ1003Cを有する開放ボックス1003B(または他の任意の適切な形状)を形成するために折り畳まれてもよい(
図11、ブロック1101)。たとえばポリウレタンフォームなどの任意の適切なクッション/絶縁媒体1002は、内側および外側シェル1000、1005の間および少なくとも部分的に絶縁材料1003の周りに注入あるいは挿入されてもよい(
図11、ブロック1102)。クッション媒体1002および絶縁材料1003を完全に包むために、底部層1001(一態様においては、本明細書に記載される運動学的配置特徴部および押さえつけ特徴部を含む)は、(接着剤、超音波溶接などによる)任意の適切な方法で外側シェル1000に固定されてもよい(
図11、ブロック1103)。
【0040】
一態様において、吸収剤/容器パッド170(たとえば、連通気泡構造、バッフル構造、スポンジ、フォーム、冷却ブロック、または消費媒体を保持するための他の任意の適切な構造を有する)などの消費媒体アキュムレーターは、以下に記載するように、持ち運び可能な低温ワークステーションと統合分散冷却インターフェースを形成するために、内側シェル1005に配置されてもよい。吸収剤パッド170は、ハウジング100の運動学的配置特徴部112、112’、112''、112'''に対する所定の位置に分離壁1015を配置するように形成されてもよい。別の態様において、分離壁1015は、分離壁1015を内側シェル1005に固定するなど、任意の適切な方法でハウジングの運動学的配置特徴部に対して配置されてもよい。分離壁は、分散した冷却表面(たとえば、キャビティ110C内に配置される消費媒体アキュムレーターおよび容器150との接触によりもたらされる略均一な伝導性の熱伝達)を提供するために構成される、たとえばアルミニウムなど任意の適切な材料で構成されてもよい伝導性の壁を用いて、冷却インターフェースまたは遮蔽体を形成してもよい。一態様において、分離壁は、本明細書に記載するようにハウジング内にトレイ150Fおよび/またはトレイホルダTH(またはカートリッジ120)を配置するための配置特徴部119(
図1B)を含んでもよい。一態様において、分離壁1015は、冷媒が通ることができるチャネルまたは通路1010を提供するような形状にされてもよい。チャネル1010は、蓋113、113’、113''の開口部RAと位置合わせされてもよく、冷媒を補充できるように、吸収剤パッド170への通路のための開口部RAを通ってチャネル1010に冷媒が挿入されてもよい(または、たとえば蓋がない状態で、チャネル内に直接挿入されてもよい)。
【0041】
蓋113、113’、113''、113'''は、任意の適切な方法で構成されてもよい。一態様において、蓋は、表層113Sとコア113Cとを有してもよい。一態様において、表層113Sは、コア113C上にオーバーモールドされてもよいが、別の態様において蓋は、ハウジング110に関して上述したものと略同様の方法で組み付けられた任意の適切な数のパネルから形成されてもよい。本明細書に記載する任意の適切な電子部品、連結部、接続部などが、組み立てられた蓋113、113’、113''、113'''およびハウジング110に任意の適切な方法で固定されてもよい。
【0042】
上述のように、
図2、3A、3Bおよび6Aも参照すると、ハウジング110、110’は、たとえば自動化試料保管システム200、200’と接続するように構成されてもよい。また、ハウジング110''、110CHは、ハウジング100、110’について上述したものと略同様の方法で、たとえば、自動化試料保管システム200、200’と接続するように構成されてもよいことも理解されるべきである。一態様において、自動化試料保管システム200、200’(
図2Aおよび2Bにはその一部のみが示されている)は、ロードポートまたは投入ユニット201、201’、任意の適切な自動化試料移送ユニット290および自動化試料移送ユニット290に連通可能に接続される1つまたは複数の低温保管ユニットまたは貯蔵部291を含んでもよい。投入ユニット201、201’は、以下に記載するように、投入ユニットの開口207Aを密封するように構成される任意の適切なロードポートドア220を含んでもよい。開口207Aは開放されると、キャビティ110Cと移送ユニット290との間で試料150および/またはトレイ150Tを移送するために、キャビティ110Cを移送ユニット290の内部に連通可能に接続してもよいことに留意する。ロードポートドア220は、ドア220とロードポートフレームLPF(たとえば、
図2A参照)との間での霜の形成を実質的に防ぐために、フィンなどの任意の適切な特徴部または部材208を含んでもよい。
【0043】
1つまたは複数の低温保管ユニット291は、たとえば、任意の適切な形状を有するデュワー型保管ユニットなど、任意の適切な保管ユニットであってもよい。1つまたは複数の低温保管ユニット291は、試料の長期保管のために高真空の絶縁体を用いて構成され、高密度の保管棚およびトレイを含んでもよい。トレイは、自動化アクセスドアなどの任意の適切な開口部を通して、1つまたは複数の低温保管ユニット291の中および外へ移動してもよく、自動化部(たとえば、ドアおよび搬送部)のための発熱モータは全て、1つまたは複数の低温保管ユニット291の外部に位置し、熱伝導性の低い接続部を通して内部のロボットに接続される。別の態様において、モータは、保管ユニット291内に位置してもよいが、保管ユニット291の内部雰囲気からは熱遮蔽される。1つまたは複数の低温保管ユニット291に対する冷却は、閉鎖した蒸発コイルを通る液体窒素(LN2)によって提供されてもよいし、他の任意の適切な方法で提供されてもよい。使用済みのLN2は、任意の適切な方法で保管ユニット291から排出されてもよい。別の態様において、1つまたは複数の低温保管ユニットは、機械的な冷却によって冷却されてもよい。上述のように、1つまたは複数の低温保管ユニットは、保管ユニット内の温度を約-150℃以下に維持するように構成される「超低温」保管ユニットであってもよいが、別の態様においては、1つまたは複数の低温保管ユニット内で任意の適切な温度が維持されてもよい。一態様において、1つまたは複数の低温保管ユニット291および移送ユニット290は、任意の適切な方法で互いに対して接続されてもよいし、共通のハウジング内に一体化されてもよい。理解され得るように、自動化試料移送ユニット290は、投入ユニット201、201’に接続される持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''と1つまたは複数の保管ユニット291との間で、1つまたは複数の試料150および/または試料150のトレイ150Tを移送するように構成される任意の適切な搬送ユニット290Tを含む試料操作領域を含んでもよい。別の態様において、試料150は、1つまたは複数の持ち運び可能な低温ワークステーションの間で移送されてもよい。一態様において、搬送ユニット290Tは、試料操作領域および超低温保管ユニット291の両方に共通する共通の移送ユニットであってもよい。理解され得るように、試料操作領域は、低温温度または超低温温度など、任意の適切な温度で維持されてもよい。一態様において、投入ユニット201、201’は、絶縁されてもよいが、別の態様においては、筐体は絶縁されていなくてもよい。一態様において、搬送ユニット290Tは、(たとえば、
図6A~6Cに示すように)1つまたは複数の試料150、トレイ150TまたはトレイホルダTHを把持して取り出すために、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''のハウジング110、110’、110''、110CH内に、上から下に到達するように構成されてもよい。別の態様においては、(たとえば、
図3A~4Fに関して後述するように)蓋が移送ユニット内に取り外されると、トレイ150Tおよびその中の試料150が横向きの移送動作によって取り出されるよう、トレイ150Tが蓋と一緒に移動して、トレイホルダTHの側面を露出するように、トレイホルダTHは任意の適切な方法で蓋113、113’、113''に接続されてもよい。一態様において、トレイホルダTHは、たとえば、回転ラッチ作動のロックロッド、ラックアンドピニオンラッチ、運動学的ピンとの接触により作動される押し出しロッドなどの、任意の適切なラッチ機構により蓋113、113’、113''に取り外し可能に接続されてもよい。
【0044】
一態様において、移送ユニット290は、密封絶縁された自動ドアまたは他の任意の適切な方法で1つまたは複数の保管ユニット291からは分けられる、分離し独立して冷却される超低温(たとえば、-150℃)領域(たとえば、試料操作領域)を含んでもよい。一態様において、独立して冷却される領域は、任意の適切な温度を有していてもよい。試料を保管システムに入力または保管システムから出力できるように、移送ユニット290は、本明細書に記載されるように、持ち運び可能な低温ワークステーションと接続するように構成されてもよい。搬送ユニット290Tは、上述のように、標準の検査室ラック/トレイ150T(SBSラックおよび/または低温バイアルボックスなど)と任意の適切な高密度のラック/トレイとの間で、個別のバイアル、管またはカセット(たとえば、試料容器)を移送するように構成されてもよい。一態様において、SBSラックは、例示のみを目的として、48、96の試料/試料容器、または他の任意の適切な数の試料/試料容器を保持するように構成されてもよい。別の態様において、低温バイアルボックスは、例示のみを目的として、81、100の試料/試料容器、または他の任意の適切な数の試料/試料容器を保持するように構成されてもよい。搬送ユニット290Tは、キャビティ110Cから試料/トレイを取り出し、および/または、保管ユニット291内に試料/トレイを挿入するように構成されてもよい。移送ユニット290は、試料のバーコードおよび位置を読み取るように構成される任意の適切なセンサおよび/またはカメラを含んでいてもよく、また、試料の入力または供給動作の間に侵入する少量の水が捉えられ、管理されるステージング領域として作用してもよく、保管ユニット291を実質的に霜のない状態のまま維持する。試料150の入力のとき、持ち運び可能な低温ワークステーションのインターフェース(たとえば、IF3)は、ハウジング110、110’、110''、110CHに対して密封するように構成され、搬送ユニット290T(またはその構成要素)は、蓋113、113’、113''を自動的に取り出し、試料150のトレイ150Tを抜き出し、任意には空のトレイ150Tを、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''に戻し、後述のように蓋113、113’、113''を元に戻すように構成されてもよい。反対に試料150の出力のとき、搬送ユニット290Tは、任意にはキャビティ110Cから空の試料トレイ150Tを抜き出し、試料150のトレイ150Tをキャビティ110Cへと運び、蓋113、113’、113''を元に戻すように構成されてもよい。理解され得るように、これらの入力および出力処理の間、試料操作領域は、キャビティ110Cの内部のみと連通するように外部雰囲気(たとえば、検査室環境)から密封される。本明細書に記載されるように、キャビティ110Cの内部は、温度の変動が実質的にない(たとえば、試料操作領域も低温温度であり、試料操作領域に入る試料は、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''によって前もって冷却されている)ように、また試料操作領域に対する水の侵入が実質的にないように、低温温度(たとえば、およそLN2温度)である。搬送ユニット290Tのモータは、試料操作領域の外部に位置してもよいし、試料操作領域から熱隔離され、保管ユニット291に関して上述したような熱伝導性の低い接続部を通して内部のロボットに接続されてもよい。
【0045】
投入ユニット201、201’は、ハウジング201Hと、外部雰囲気から低温保管ユニット291(および移送ユニット290)を密封して持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''との密封連結を提供するように構成される閉鎖可能な入力/出力ポート密封インターフェースまたはロードポート207とを有してもよい。
図2A、2Bおよび2Cも参照すると、密封インターフェース207は、冷却ユニット291、移送ユニット290およびキャビティ110Cの1つまたは複数の保管雰囲気および保管温度を、保管雰囲気および保管温度の外部の雰囲気および温度から密封するように構成される任意の適切な数のインターフェースを含んでもよい。一態様において、密封インターフェースは、ロードポートドア220/(たとえば、開口207Aの外周の周りの)ロードポートフレームLPFのインターフェースIF1、ロードポートドア220/持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''のドアインターフェースIF2、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''のハウジング110、110’、110''、110CH/(たとえば、開口207Aの外周の周りの)ロードポートフレームLPFのインターフェースIF3、および持ち運び可能な低温ワークステーションのドアまたは蓋113、113’、113''/ハウジング110、110’、110''、110CHのインターフェースIF4(上述)を含む。インターフェースIF1~IF4は、
図2A、2Bおよび2Cに、ドアまたは蓋113およびハウジング110に関して示されているが、ドア113’、113''、113'''およびハウジング110’、110''、110CH用のインターフェースIF1~IF4は略同様であってもよいことが理解されるべきである。
【0046】
投入ユニット201、201’は、入力/出力またはロードポートドア220によって密封あるいは閉鎖できる閉鎖可能な開口207Aを含む。ロードポートドア220は、ロードポートフレームLPFの1つまたは複数の適切なシール部286A、286Bと接続する(たとえば、インターフェースIF1を形成する)密封表面220Sを含んでもよい。一態様において、1つまたは複数のシール部286A、286Bは、ロードポートフレームLPFに連結されるインサート287に取り付けられてもよいが、別の態様において、1つまたは複数のシール部は、開口207Aの外周の周りでロードポートフレームLPFに略直接的に取り付けられてもよい。一態様において、1つまたは複数のシール部は、任意の適切な材料で構成されてもよい放射状のシール部材286Bおよびシール部材286Aを含んでもよいが、別の態様においてシール部は、任意の適切な構成および配置を有してもよい。一態様において、シール部材286Aは、表面220Sがシール部材286B上に圧縮力を印加するように、表面220Sを保持するように構成される磁性シール部であってもよい。別の態様において、圧縮力は、シール部材とドア220との間にシール部を形成するために、任意の適切な方法で提供されてもよい。
【0047】
たとえば、
図1A、1H、1I、1J、1K、1L、1Mおよび2E(ならびに
図1Qおよび1R)を参照すると、持ち運び可能な低温ワークステーションおよび投入ユニット201、201’は、任意の適切な方法で互いに接続するように構成されてもよい。一態様において、ハウジング110、110’、110''、110CHの外側は、運動学的凹部、運動学的グローブ、運動学的スロット開口部、運動学的ピン、および/または、投入ユニット201、201’の対応/嵌合する運動学的インターフェース/配置特徴部212、212’、212''と接続する他の任意の適切な配置特徴部の1つまたは複数などの、インターフェース/配置特徴部112、112’、112''、112'''を含んでもよい(
図1Hおよび5Bも参照)。理解され得るように、1つのエフェクタ/グリッパがインターフェース/配置特徴部のセットの1つ目を係合し、第2のエフェクタ/グリッパがインターフェース/配置特徴部のセットの2つ目を係合する自動化装置の間での、持ち運び可能な低温ワークステーションの受け渡しを可能にするために、ハウジング110、110’、110''、110CH上に複数のインターフェース/配置特徴部のセットが設けられてもよい。配置特徴部112、112’、112''、112'''は、たとえば、ハウジング内にトレイ150Fおよび/またはトレイホルダTH(またはカートリッジ120)を配置するための配置特徴部119(
図1B)ならびに蓋113、113’、113''の把持/配置特徴部114、114’、113Aなどの、ハウジング内の配置特徴部に対して空間的に関連付けられてもよい(たとえば、既知の関係を有する)。ハウジング外部の配置特徴部112、112’、112''、112'''と、特徴部119、114、114’、113Aとの間の既知の空間的関係は、ハウジング110、110’、110''、110CHから蓋113、113’、113''および試料を取り出すために、本明細書に記載するような自動化を可能にしてもよい。理解され得るように、特徴部112、112’、112''、112'''、114、114’、113A、119を互いに対して調整あるいは配置するために、任意の適切な冶具または固定具が設けられてもよい。一態様において、ハウジング110、110’、110''、110CHおよび/または蓋113、113’、113''は、ハウジング110、110’、110''、110CHを投入ユニット201、201’に固定し、蓋113、113’、113''を投入ユニット201、201’のグリッパまたは搬送部に固定する保持特徴部(運動学的スロットおよび溝が、たとえば
図1H、3Aおよび3Bに示すように用いられる場合に、運動学的配置特徴部と一体であってもよい)を含んでもよい。別の態様において、保持特徴部は、運動学的溝およびスロットに加えて含まれてもよい。たとえば、ハウジング110、110’、110''、110CHは、投入ユニットプラットフォーム201TP(
図5B)のラッチキーLK(
図1A)と嵌合するラッチキーホールLKHを含んでもよい。ハウジング110、110’、110''、110CHをプラットフォーム201TPにクランプおよび保持するために、ラッチキーLKは、ラッチキーホールLKH内に挿入され、任意の適切な角度を通して回転されてもよい。蓋113、113’、113''も、上述のものと略同様の方法でロードポートドア220のラッチキーLK’と嵌合するラッチキーホールLKH’を含んでもよい。
【0048】
ロードポートフレームLPFは、ハウジング110、110’、110''、110CHの密封表面110S1と(たとえば、インターフェースIF3を形成するために)接続する1つまたは複数の密封部材201Sを含んでもよい。別の態様において、ハウジング110、110’、110''、110CHは、ロードポートフレームLPFと接続するための任意の適切な密封部材を含んでもよい。さらに別の態様においては、ロードポートフレームLPFおよびハウジング110、110’、110''、110CHの両方が、ロードポートフレームおよびハウジングの他方と接続するためのシール部を含んでもよい。1つまたは複数の密封部材201Sは、任意の適切な構成を有する任意の適切な密封部材であってもよい。一態様において、密封部材201Sは、(以下に記載するように)ハウジング110、110’、110''、110CHがロードポートフレームに対して押圧されるとインターフェースIF1、IF2およびIF3の間にある空間または隙間SPを密封するためにシール部が圧縮されるように、圧縮可能な密封部材である。
【0049】
図1F、1Hおよび2Cを参照すると、ロードポートドア220および蓋113、113’、113''(
図2Cにおいては斜めに示す)は、(たとえば、インターフェースIF2を形成するために)任意の適切な方法で互いに接続するように構成されてもよい。一態様において、ロードポートドア220は、蓋113、113’、113''の1つまたは複数の対応する把持/配置特徴部114、114’と嵌合あるいは接続する1つまたは複数の適切な把持特徴部266A、266Bを含んでもよい。蓋の把持特徴部114、114’も、オペレータがハウジング110、110’、110''、110CHからの蓋113、113’、113''の手動の取り外しのために把持特徴部を掴持することを可能にするように構成されてもよいことに留意する。一態様において、一例として、把持特徴部266A、266B、114、114’は、機械的把持特徴部、空気圧把持特徴部、磁性把持特徴部、および/または、ドア220が蓋113、113’、113''に離脱可能に連結することを可能にする他の任意の適切な把持/クランプ特徴部など、可動および/または固定状態(たとえば、移動部分が実質的にない)の把持特徴部を含んでもよい。理解され得るように、蓋113、113’、113''へのドア220のクランプは、ハウジング110、110’、110''、110CHからの蓋113、113’、113''の受動的または能動的な離脱を任意の適切な方法で引き起こしてもよい。別の態様においては、蓋113、113’、113''がハウジング110、110’、110''、110CHから取り外されることを可能にするために、蓋113、113’、113''は任意の適切な方法でハウジング110、110’、110''、110CHから離脱されてもよい。一態様においては、
図2Cに見られるように、1つまたは複数の把持特徴部266A、266Bは、永久磁石であってもよい。1つまたは複数の把持特徴部266A、266Bは、任意の適切な、(たとえば、磁石の表面を蓋の対応する表面に対して実質的に着座するように自動的に配向できるように)固定されるかまたは適合するブラケット265を用いるなど、任意の適切な方法でドア220に取り付けられてもよい。ブラケット265は、任意の適切な方法でドア220に連結されてもよい。蓋113、113’、113''をドア220に取り付けるために、把持特徴部114、114’は、1つまたは複数の把持特徴部266A、166Bと反応するように構成される任意の適切な鉄系材料で構成されてもよい。別の態様において、把持特徴部114、114’は磁性を有していてもよい一方で、把持特徴部266A、266Bは、任意の適切な鉄系材料で構成される。さらに別の態様において、1つまたは複数の把持特徴部266A、26Bは、ドア220を蓋113、113’、113''に取り付け、蓋113、113’、113''から取り外すためにインターフェース特徴部114、114’と選択的に連結するように構成される電磁石であってもよい。
【0050】
理解され得るように、上述のインターフェースIF1~IF4は、インターフェースIF1~IF4により形成されるシール部の完全性が維持されるように、低温または超低温環境で動作するように構成される。たとえば、1つまたは複数の低温保管ユニット291、移送ユニット290および/または持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''の外部の大気空気は、シール部を通過し、(たとえば、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''が開口207Aを通して閉鎖可能な入力/出力ポート密封インターフェース207と嵌合している場合)開口207Aを通って低温/超低温環境に入り、および/または、ハウジング110、110’、110''、110CHのキャビティ110C内に入る。また理解され得るように、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''が、試料を1つまたは複数の低温保管ユニット291へ、および低温保管ユニット291から搬送するために密封インターフェース207と嵌合している場合、低温保管ユニット291および移送ユニット290の1つまたは複数は、試料150を移送するために、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''がロードロック(たとえば、ハウジング110、110’、110''、110CHが、低温保管ユニット291および/または移送ユニット290内への水分および温度の経路を実質的に遮断する、低温保管ユニット291および移送ユニット290の1つまたは複数と略同一の温度および雰囲気を有する環境)を形成するようにキャビティ110C内へ延びる。上述のように、一態様において、蓋113、113’、113''は、ハウジング110、110’、110''、110CHを自動化保管システムに接続する前にハウジング110、110’、110''、110CHから取り外されてもよいが、別の態様において、蓋113、113’、113''は、ハウジング110、110’、110''、110CHが自動化保管システムと接続された後、かつ、ハウジング110、110’、110''、110CHが(後述の方法と略同様の方法で)自動化保管システムに密封される前に、ハウジング110、110’、110''、110CHから取り外されてもよい。これらの例において、蓋113、113’、113''はドア220と接続しなくてもよい。
【0051】
一態様において、密封インターフェース207は、キャビティ110Cの内部およびインターフェースIF1~IF4の間の空間または隙間SPの1つまたは複数をパージするように構成されてもよい。たとえば、一態様において、蓋113、113’、113''とドア220との間の連結は、ドア220が蓋113、113’、113''に連結されると入口および出口のガスライン276A、276Cをキャビティ110Cの内部に自動的に連通可能に接続するために、パージポート連結部276Pを含んでもよい。理解され得るように、蓋113、113’、113''は、連結部276Pを通して流体ライン276A、276Cのそれぞれ1つと連結する流体通路276B、276D(それぞれ適切な一方向バルブを含む)を含んでもよい。一方の流体ライン276Aは、流体/冷媒源(
図13に関して後述する冷媒供給部(たとえば、補充システム)1300または任意の適切なパージガス源)に連結されてもよい一方で、他方の流体ライン276Cは、真空源に連結されてもよい。ここで、任意の適切な流体および/または冷媒は、1つのライン/通路のペア276A、276Bを通って流体源からキャビティ110C内へと導入されてもよい一方で、流体および/または冷媒は、他方のライン/通路のペア276C、276Dを用いて真空源によりキャビティから取り出される。別の態様においては、ガスおよび/または冷媒がライン276A’によってガス/冷媒源からインターフェースIF1~IF4の間の空間SP内へと導入できる一方で、流体および/または冷媒は、ライン276C’を通して空間SPから真空源によって取り出されるように、パージライン276A’、276C’は、ロードポートフレームLPFを通過してもよいし、ロードポートフレームLPF内に組み込まれてもよい。理解され得るように、
図2Dも参照すると、パージライン276A’、276C’は、キャビティ110Cを空にするためにも用いることができる。たとえば、蓋113、113’、113''に連結されるドア220は、蓋113、113’、113''とハウジング110、110’、110''、110CHとの間の密封が破壊され、パージガス(たとえば、流体)が蓋113、113’、113''とハウジング110、110’、110''、110CHとの間に形成される通路を通って流れることができるように、矢印262の方向に移動してもよい。ここで空間SPはパージできるので、キャビティ110Cは、ハウジング110、110’、110''、110CHからの蓋113、113’、113''の取り外しまたは部分的な取り外しを通してパージできる。別の態様において、ドア220は、インターフェースIF1でのシール部を維持しながらキャビティ110Cの内部をパージするために、矢印262の方向に蓋113、113’、113''を移動させるように構成されてもよい。たとえば、ドア220に対して把持特徴部266A、266Bおよび蓋113、113’、113''を移動させるために、ドアは把持特徴部266A、266Bに連結される駆動ユニットを含んでもよい。別の態様において、蓋113、113’、113''は、インターフェースIF1での密封を維持しながらキャビティ110Cを空にするために、任意の適切な方法でドアに対して移動されてもよい。
【0052】
次に
図3A、3Bおよび4A~4Dを参照して、持ち運び可能な低温ワークステーション100’の投入ユニット201への例示的な投入、および持ち運び可能な低温ワークステーション100’から保管ユニット291への試料の移送を説明する。持ち運び可能な低温ワークステーション100’は、持ち運び可能な低温ワークステーション100’を、この例においては投入ユニット201と一体である移送ユニット291に接続するために、投入ユニット201のインターフェース領域300に配置される。一態様において、上述のように、ハウジング110’は、投入ユニット201の対応するレールおよびスロット212’と嵌合するように構成されるレールおよび/またはスロットの形態を有することができるインターフェース/配置特徴部112’を含む。この態様においては、持ち運び可能な低温ワークステーション100’を投入ユニット201の閉鎖可能/密封可能な開口207Aに対して配置および/または保持するために特徴部112’、212’が互いに係合するように、インターフェース/配置特徴部112’、212’は、ハウジング110’を矢印Xの方向に移動させることによって持ち運び可能な低温ワークステーション100’が投入ユニット201上に投入あるいは配置されるように構成される(
図7、ブロック700)。別の態様においては、持ち運び可能な低温ワークステーション100’を開口207に対して保持および配置するために、ハウジング110’および/または投入ユニット201上に任意の適切な配置および/または保持特徴部が含まれてもよい。上述のように、持ち運び可能な低温ワークステーションのメモリ169MLおよび/またはセンサに保持される任意の適切な情報は、投入ユニットに伝達され、投入ユニットによってログされてもよい(逆の場合も同様)(
図7、ブロック700A)。
【0053】
ハウジング110’は、上述のように投入ユニット201とハウジング110’との間のインターフェースIF3でシール部が形成されるように、任意の適切な方法で投入ユニット201にクランプされてもよい(
図7、ブロック701)。ハウジング110’の投入ユニット201へのクランプは、たとえば、一態様においては上述のラッチキーと同様であってもよい任意の適切なクランプ特徴部216などによって、任意の適切な方法で実施されてもよい。クランプ特徴部は、機械的クランプ特徴部、空気圧クランプ特徴部、磁性クランプ特徴部および/または他の任意の適切なクランプ特徴部であってもよい。理解され得るように、投入ユニット201とハウジング110’との間にシール部が形成され、蓋113’がハウジング110’(たとえば、ハウジング内のキャビティ)から取り外されると、投入ユニット201の一部を形成できる。
【0054】
上述のように、投入ユニット201の開口207Aは、ドア220によって密封されてもよい。一態様において、ドア220と投入ユニットフレームLPFとの間のインターフェースIF1は、蓋113’とハウジング110’との間のインターフェースIF4と略同様のテーパー状のインターフェースであってもよい。別の態様において、インターフェースIF1は、上述のような任意の適切な構成を有してもよい。ドア220は、ハウジング110’が投入ユニット201にクランプされると、(本明細書に記載するような)任意の適切な方法で蓋113’と接続し、蓋113’にクランプ(あるいは連結)してもよい(
図7、ブロック702)。持ち運び可能な低温ワークステーション100’の空間SP(
図2A)および/またはキャビティ110Cは、たとえば、水分および他のあらゆる混入物質が空間SPおよび/またはキャビティ110Cから取り除かれ得るように、たとえば、窒素または他の任意の不活性ガスなどの任意の適切なガスを用いて上述のようにパージされてもよい(
図7、ブロック703)。たとえば、上述のように、ドア220および蓋113’は、ドア220と開口207Aとの間のシール部を実質的に維持しながらハウジングのキャビティを空にするために、ドア220がハウジング110’から蓋113’を取り外せるように構成されてもよい。別の態様においては、上述のように、蓋113’がドア220に連結されると、蓋113’をハウジング110’から取り外さずにキャビティを空にすることを可能にするために空気圧連結部が接続されるように、蓋113’およびドア220は空気圧連結部276Pを含んでもよい。さらに別の態様において、空にされていない、持ち運び可能な低温ワークステーション100’と投入ユニット201との間のインターフェースの任意の領域が、低温保管ユニット291および/または移送ユニット290の試料操作領域の内部環境から密封されるように、シール部は蓋113’とドア220との間に形成されてもよい。
【0055】
(蓋113’にクランプされる)ドア220は、ハウジング110’から蓋113’を取り外すために、任意の適切なドア駆動部230(上述の搬送ユニット290Tの構成要素またはモジュールであってもよい)によって、たとえば矢印Yの方向に駆動されてもよい(
図7、ブロック704)。上述のように、蓋113’がハウジング110’から取り外されると、カートリッジ120またはホルダTH(ならびにこれらにより保持される試料)がハウジング110’のキャビティ110Cから取り外されるように、試料150を保持するカートリッジ120またはホルダTHは、蓋113’に連結されてもよい(
図7、ブロック705、蓋113''に連結されるホルダTHの少なくとも2つのトレイ150Tを示す
図2Fも参照)。この態様において、ドア220、蓋113’およびカートリッジ120またはホルダTHは、単一の軸に沿う1つの動作で、開口207A、ハウジング110’およびキャビティ110Cのそれぞれから取り外される。一態様において、ドア駆動部230は、試料150の1つまたは複数のトレイ150Tを、カートリッジ120またはホルダTHから1つまたは複数のトレイ150Tを取り外すように構成されるトレイ取り外し装置330(搬送ユニット290Tの構成要素またはモジュールであってもよい)と位置合わせさせるために、増分式に移動してもよい(たとえば、ドア駆動部は、カートリッジ120またはホルダTHを位置決めするために棚121の場所を感知するように構成される適切なエンコーダおよび/またはセンサを含んでもよい)。任意には、各トレイが筐体内の所定の位置で位置合わせされると、トレイ取り外し装置330は、矢印X1の横向きの方向でカートリッジ120またはホルダTHから1つまたは複数のトレイ150Tを取り外してもよい(
図7、ブロック706)。カートリッジ120またはホルダTHは、保管システムにわたってカートリッジ120またはホルダTHを操作するために、適切なエフェクタまたはグリッパ自動化インターフェースを提供してもよいことに留意する。試料150が識別子(dmx)読取りなどの任意の適切な分析または識別のためにスキャンでき、取得された任意の情報が保管システムのメモリ内にログでき、試料150の自動の取り出しを可能にするように試料150を配置するために、トレイ150Tはトレイ取り外し装置330によって移動されてもよい(
図7、ブロック707)。たとえば、カメラ310が試料150を見ることができるように、カメラ310または他の光学スキャナは、移送ユニット291の試料操作領域内または試料操作領域に隣接して配置されてもよい。一態様において、試料150は、高密度のトレイ(図示せず)に移送され、移送ユニット290Tによって低温保管ユニット291内に移送されてもよい一方で、別の態様において、トレイ150Tは、搬送ユニット290Tによって低温保管ユニット291内に移動させられてもよい(
図7、ブロック708)。低温保管ユニットから、持ち運び可能な低温ワークステーション100’への試料の移送は、上述のものと略反対の方法で生じてもよい。理解され得るように、すでに取り外されているトレイ150Tが保管部に移動させられる前後に、ドア駆動部230は、上述のものと略同様の方法で、試料150を運ぶ残りのトレイ150Tの取り外し(
図7、ブロック706)のために、カートリッジ120をさらにインデックス付けしてもよい(
図7、ブロック704)。
図4Eおよび4Fも参照すると、
図3A、2Bおよび4A~4Dに関して上述したような試料150の移送が、例示のみを目的として
図1L、1M、2Eおよび2Fに関して上述したような運動学的ピンを用いて自動化試料保管システムと接続する、蓋113''およびハウジング110を有する持ち運び可能な低温ワークステーションに関して示される。
【0056】
次に
図5A、5Bおよび6A~6Cを参照して、持ち運び可能な低温ワークステーション100の投入ユニット201への例示的な投入、および持ち運び可能な低温ワークステーション100から保管ユニット291への試料の移送を説明する。この態様において、投入ユニット201’(
図5Aおよび5Bにおいてはハウジング201Hを伴わずに示される)は、容器シャトル201Tを含む。容器シャトル201Tは、矢印500の方向に可動なプラットフォーム201TPを含む。上述のように、プラットフォーム201TPは、持ち運び可能な低温ワークステーション100の対応する位置合わせ特徴部112、112''、112'''と嵌合する任意の適切な位置合わせ特徴部212、212''を含んでもよい。この態様において、位置合わせ特徴部112、112''、112'''、212、212''は、ハウジング110の底部および/または側部に、または底部および/または側部に隣接して位置してもよいが、別の態様においてプラットフォーム201TPは、位置合わせ特徴部112、112''、112'''、212、212''がハウジング110および/またはプラットフォーム201TP上の任意の適切な位置で配置できるように、任意の適切な方法でハウジング110を保持あるいは支持するように構成されてもよい。この態様において、投入ユニットのハウジング201Hは、開放されると、プラットフォームが投入位置にある場合にオペレータがシャトルプラットフォーム201TPにアクセスすることを可能にする可動ドア600を含んでもよい。持ち運び可能な低温ワークステーションを投入ユニット201’に投入するために、位置合わせ特徴部112、112''、112'''、212、212''が互いに相互に係合するように、オペレータはドア600を開放でき、持ち運び可能な低温ワークステーション100をシャトルプラットフォーム201TP上に配置できる(
図8、ブロック800)。上述のように、持ち運び可能な低温ワークステーションのメモリ169MLおよび/またはセンサにおいて保持される任意の適切な情報は、投入ユニットに伝達され、投入ユニットによってログされてもよい(逆の場合も同様)(
図8、ブロック800A)。たとえば、持ち運び可能な低温ワークステーション100は、投入ユニット201’と通信してもよい、上述のような任意の適切なセンサを有してもよい。センサ169Hなどのセンサは、ハンドル190が降下位置にあることを投入ユニット201’に伝えてもよい。投入ユニット201’は、ドア600が閉鎖されたこと、および/または、持ち運び可能な低温ワークステーション100が位置合わせされてシャトルプラットフォーム201TP上に着座したことを示すことができる任意の適切なセンサ610も含んでもよい。所定の基準が満たされる(たとえば、ドア600が閉鎖されており、持ち運び可能な低温ワークステーションがシャトルプラットフォーム上に適切に着座している)と、装着ユニット201’が動作の準備ができていることを示すために、任意の適切なインジケータ650(たとえば、LEDが発光されてもよいし、音が鳴らされてもよい)がオペレータに提示されてもよい(投入ユニット201は、持ち運び可能な低温ワークステーション100’の適切な位置合わせを示す任意の適切なセンサを備えて同様に構成されてもよいことに留意する)。投入ユニットは、所定の基準が満たされるまで投入位置から、および投入位置への容器シャトル201Tの移動を防ぐことができる適切なロックアウトを含んでもよい。
【0057】
(任意の適切な駆動機構によって駆動される)容器シャトル201Tは、閉鎖可能な入力/出力ポート密封インターフェース207まで、矢印500の方向に持ち運び可能な低温ワークステーション100を移動させてもよい(
図8、ブロック801)。容器シャトル201Tは、インターフェースIF3でシール部を形成するために、ハウジング110にクランプ力を印加するように構成されてもよい(
図8、ブロック802)。(たとえば、インターフェースIF3でのシール部が形成される前、またはインターフェースIF3でのシール部が上述のように形成された後の)蓋113の取り外し、および低温保管ユニット290内への試料の搬送は、
図7および持ち運び可能な低温ワークステーション100’に関して上述されるものと略同様であってもよい。
【0058】
理解され得るように、持ち運び可能な低温ワークステーション100''と投入ユニット201との間の係合、および持ち運び可能な低温ワークステーション100''から保管ユニット291への試料の移送は、持ち運び可能な低温ワークステーション100’に関して上述したものと略同様の方法で実施されてもよい。しかしながら、蓋113は、把持特徴部114を用いて、持ち運び可能な低温ワークステーション100に関して上述したものと略同様の方法で取り外されてもよい。別の態様において、持ち運び可能な低温ワークステーション100''用の蓋は、持ち運び可能な低温ワークステーション100’に関して上述した方法で取り外されるように、把持特徴部114’が設けられてもよい。
【0059】
本明細書に記載するように、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''内の冷媒は、(たとえば、持ち運び可能な低温ワークステーション内に冷媒を注入あるいは挿入することによって)手動で補給されてもよいし、自動化試料保管システム200、200’または冷媒充填/補充ステーション163を通して自動で補給されてもよい。次に
図12Aを参照すると、自動化試料保管システム200は、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''上の開口部と係合し、持ち運び可能な低温ワークステーション内の消費媒体アキュムレーターと連通するように構成されてもよいノズルまたは他の流体通路などの、冷媒充填ポートまたは補充部材1200を含んでもよい。たとえば、冷媒補充部材1200は、上述のように、たとえば、持ち運び可能な低温ワークステーション内の冷媒源に冷媒を提供するために、(たとえば、投入ユニットプラットフォーム201TPがロードポートフレームLPFとの係合のために、持ち運び可能な低温ワークステーションを搬送すると)蓋113の開口部RAと接続してもよい。別の態様において、ドア113は、(上述の流体ライン276A、276Cと同様であってもよい)冷媒補充部材と連結する流体通路276B、276Dと略同様の流体連結システムを含んでもよい。理解され得るように、開口部RAが蓋113上にある場合、冷媒補充部材1200は、蓋がハウジング110から取り外されるときに蓋113と係合したままであるように、ロードポートドア220上に配置されてもよい。持ち運び可能な低温ワークステーション内への冷媒の移送は、ハウジング110に取り付けられる蓋113を用いて(たとえば、蓋113またはハウジング110に配置される真空源またはベントがキャビティ110Cからのガスの放出を提供する)、および/または、ハウジング110から分離された蓋113を用いて生じてもよいことに留意する。理解され得るように、冷媒補充部材1200は、冷媒補充部材1200を出る冷媒を、たとえば、(運動学的配置特徴部212’によって投入ユニットプラットフォーム201TP上に配置される)ハウジング110のチャネル1010(
図10B)またはハウジング110内の他の任意の適切な位置と実質的に位置合わせさせるために、投入ユニットプラットフォーム201TPの運動学的配置特徴部212’に対して配置されてもよい。
【0060】
また、
図12Bを参照すると、冷媒充填/補充ステーション163が示され、これは自動化試料保管システム200、200’と略同様であってもよい。たとえば、冷媒充填/補充ステーション163は、投入ユニットプラットフォーム201TPが位置するチャンバを形成するフレーム163Fを含んでもよい。チャンバは、開放されるとチャンバ内への1つまたは複数の持ち運び可能な低温ワークステーション100の(手動または自動化搬送部のいずれかを通した)移送を可能にするドア600によって密封される投入開口部を含んでもよい。1つまたは複数の持ち運び可能な低温ワークステーション100のそれぞれと、1つまたは複数の冷媒補充部材1200との間の相対的な移動(たとえば、持ち運び可能な低温ワークステーションがそれぞれの冷媒補充部材1200と係合するために個別またはユニットとして矢印500の方向に移送されてもよいし(逆の場合も同様)、冷媒補充部材1200および持ち運び可能な低温ワークステーションの両方が互いに向かって移動させられてもよい)は、冷媒補充部材1200のそれぞれの持ち運び可能な低温ワークステーション100との係合を引き起こす。持ち運び可能な低温ワークステーション100および冷媒補充部材1200は、オペレータまたは自動化部による装置の1つまたは複数の移動を介して1つに合わせられてもよい。たとえば、いくつかの実施形態において、ユーザによる冷媒充填/補充ステーション163内へのワークステーションの挿入は、同時に、ワークステーションを冷媒補充部材に接続する。別の態様において、
図12Cを参照すると、持ち運び可能な低温ワークステーション100は、冷媒補充部材1200がハウジング110の側部に位置する密封可能な連結部またはポート170Pと(任意の適切な方法で)係合するように、自動化試料保管システム200、200’および/またはステーション163内で(矢印500の方向への移動に加えて、またはそれに替えて)矢印Xの方向に移動させられてもよい。いくつかの実施形態において、
図9Fを参照すると、冷媒充填/補充ステーションは、試料保管システム200''の構成要素であってもよい。たとえば、冷媒充填/補充ステーションは、搬送シャトル200Sまたは他の任意の適切な搬送ユニットによって運ばれるワークステーションを充填するために、試料保管システム200''内に位置してもよい。いくつかの実施形態において、充填/補充ステーションは、試料保管システム200''用の入力/出力モジュールまたはバッファモジュールの一部を形成してもよいので、持ち運び可能な低温ワークステーションは、試料保管システム200''内に投入され、試料保管システム200''から取り出され、試料保管システム200''内で待機される。
【0061】
図12Dも参照すると、一態様においいて、自動化試料保管システム200、200’および/またはステーション163は、冷媒補充部材1200のマニホールドを含んでもよい。ここで冷媒充填/補充ステーション163は、N×N例(例示目的のために3×3の列が示されている)の持ち運び可能な低温ワークステーション100を保持するチャンバを有するものとして示されている。理解され得るように、各N×N列は、持ち運び可能な低温ワークステーション100の三次元の列を形成するために異なる平面(たとえば、上下)に位置してもよい。各持ち運び可能な低温ワークステーション100は、冷媒を持ち運び可能な低温ワークステーション100内に補充および/または維持(たとえば、制御された速度で凍結)するために、上述のものと略同様の方法でマニホールド1250のそれぞれの冷媒補充部材1200に連結されてもよい。一態様において、略同量の冷媒が持ち運び可能な低温ワークステーションのそれぞれに略同時に移送されてもよいが、別の態様においては、後述するものと略同様の方法で、それぞれの持ち運び可能な低温ワークステーション100に移送される冷媒の量/速度を制御するために、1つまたは複数の制御バルブ1303がマニホールド1250に設けられてもよい。
【0062】
上述のように、制御装置164は、1つまたは複数の持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''(ワークステーション100が例示のみを目的として示されている)内への冷媒REFの流れを制御するために、冷媒供給部1300に連通可能に連結されてもよい。一態様において、制御装置164は、1つまたは複数の持ち運び可能な低温ワークステーション内への冷媒REFの流れを制御するために、中央制御装置164Cと通信していてもよい。一態様において、冷媒供給部1300は、流体貯蔵部1300R、制御バルブ1303、冷媒レベル検出器/センサおよび冷媒源バルブ1302を含んでもよい。熱電対1301または他の適切なセンサは、冷媒補充部材1200に接続されてもよく、たとえば、任意の冷媒ガスが冷媒補充部材1200から排出された後に、冷媒補充部材1200の排出口での液体冷媒の存在を監視するように構成されてもよい(冷媒ガスは、たとえば、冷媒補充部材1200が液体冷媒の温度まで冷却する前の、冷媒補充部材1200内の冷媒の沸騰によって生じる)。
【0063】
上述のように、低温ワークステーション100、100’、100''、100'''が個別で補充されるか、マニホールドなどを通して一緒に補充されるかにかかわらず、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、凝縮物および霜を引き込む傾向がある。上述のような、単一の低温ワークステーション補充ステーションまたは複数の低温ワークステーション補充ステーション内では、一態様においては、凝縮物および霜の形成を実質的に防ぐために、低温ワークステーション100、100’、100''、100'''からの窒素N2などの排気ガスEG(
図12D)が、低温ワークステーション100、100’、100''、100'''の周りの大気を乾燥させる。ここで排気ガスEGの排気は、補充ステーションの筐体から排気ガスを放出するための任意の適切なバルブEGVなど、任意の適切な方法で制御される。一態様において、低温ワークステーション100、100’、100''、100'''の周りの大気の乾燥度(または露点)は、加熱器によって、または大気へ補助的な冷却ガス(低温ワークステーションから排気されるものに加えて)を追加することによってなど、任意の適切な方法で制御される。
【0064】
また
図14A~14Dを参照すると、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''および/または自動化試料保管システム200、200’および/またはステーション163は、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''への冷媒の自動供給をもたらすために、たとえば制御装置164(または中央制御装置164Cなどの他の任意の適切な制御装置)と通信してもよい任意の適切な冷媒レベルセンサ/検出器1400A、1400B、1400C、1400Dを含んでもよい。一態様において、センサ1400Aは、実質的に(吸収パッド170または冷却ユニット170’などの)冷媒源内または冷媒源に隣接して配置され、冷媒源の1つまたは複数の測定高さまたは垂直に積み重ねられた測定レベルで温度を測定するように構成される1つまたは複数の熱電対または温度センサ1400A(上述の温度センサ169と略同様)であってもよい。一態様において、センサ1400Aは、スタック中の各熱電対が垂直に積み重ねられた測定レベルのそれぞれ1つに対応する、積み重ねられた一連の熱電対であってもよい。別の態様において、センサ1400Bは、冷媒源の容量に基づき冷媒の量を測定するように構成される容量センサであってもよい。さらに別の態様において、センサ1400Cは、(たとえば、冷媒源に設けられる開口部などを通して)冷媒源内の液体冷媒のレベルを読み取るように構成される超音波センサであってもよい。さらに別の態様において、センサ1400Dは、フロートが冷媒源内の液体冷媒のレベルにしたがって矢印500の方向に移動するフロート型のセンサであってもよい(フロートが移動するチャネルおよびフロートの位置を検出するための適切なセンサが設けられてもよい)。さらに別の態様において、持ち運び可能な低温ワークステーションが位置する場所は、任意の適切なスケール1440(
図14Eを参照)が設けられ、冷媒のレベルは、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''の重量に基づき決定される。理解され得るように、センサ1400A~1400Dは、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''内に配置されてもよいが、別の態様において、センサ1400A~1400Dは、冷媒レベルを感知あるいは検出するためにハウジング内に延びるような、本明細書に記載される試料保管ワークステーション200、201’および/または冷媒充填/補充ステーション163と略同様の投入ユニット1470の一部であってもよい。理解され得るように、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''がたとえば、ロードポートフレームLPF(
図2A)の密封部と係合するために自動化試料保管システム200、200’内で方向500に移送されるか、冷媒の補充のためにステーション163内で矢印500の方向に移送されると、プローブの形態であってもよいセンサ1400(センサ1400A~1400Dの1つまたは複数と同様)は、ハウジング110内の冷媒レベルを検出するために、開口部を通してハウジング110または蓋113(および少なくとも部分的に、ハウジング110の冷媒保持領域との接触を可能にする、たとえばチャネル1010または他の任意の適切なチャネルまたは通路内)に挿入されてもよい。
【0065】
一態様において、冷媒レベルセンサ1400A~1400Dは、無線または有線接続を通すなど、任意の適切な方法で制御装置164に通信可能に連結されてもよい。制御装置164は、有線または無線接続を通して中央制御装置164Cに通信可能に接続されてもよいことに留意する。制御装置164と中央制御装置164Cとの間の接続が有線接続である場合、ハウジング110は、制御装置164と中央制御装置164Cとの間に通信を提供するために、自動化試料保管システム200、200’または冷媒充填/補充ステーション163の対応する連結部またはコネクタと接続する連結部またはコネクタ1450を含んでもよい。
【0066】
理解され得るように、冷媒レベルセンサ1400A~1400Dは、各持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''の冷媒レベルの遠隔監視を提供してもよい。たとえば、センサは、低い冷媒レベルを検出あるいは感知し、適切な信号を制御装置164に提供してもよい。一態様において、制御装置164は、オペレータが持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''の適切な冷媒補充ステーション(たとえば、自動化試料保管システム200、200’またはステーション163)への搬送をもたらすことができるように、オペレータに、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''が冷媒補充の必要があることを示す視覚的または聴覚的指示を(たとえば、持ち運び可能な低温ワークステーションと一体のディスプレイ169Dまたはスピーカを通して)提供してもよい。別の態様において、制御装置164は、たとえば、中央制御装置164Cと通信し、低い冷媒レベルを示してもよい。
図14Eも参照すると、中央制御装置164Cは、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''を、自動化試料保管システム200、200’または冷媒充填/補充ステーション163の冷媒補充ステーションに搬送するために、任意の適切な自動化搬送部1499(たとえば、頭上ガントリーシステム、自動化搬送車両、自動化試料保管システム200、200’の搬送システムまたは他の任意の適切な自動化搬送部)に制御命令を提供してもよい。たとえば、持ち運び可能な低温ワークステーション100は、任意の適切なバッファーまたはストッカ1490において保管あるいは待機されてもよい。少ない冷媒の信号は、センサ1400A~1400Dによって制御装置164に送られてもよく、これは搬送部1499への制御信号の送信をもたらしてもよい。搬送部1499は、バッファー1490から持ち運び可能な低温ワークステーション100を取り外し、冷媒の補充のために、冷媒充填/補充ステーション163または自動化試料保管システム200、200’に、持ち運び可能な低温ワークステーション100を搬送してもよい。このように、所定のレベルの冷媒が持ち運び可能な低温ワークステーション100内で維持できる。
【0067】
上述のように、各持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''内の冷媒のレベルは、中央制御装置164C(自動化試料保管システムおよび/または冷媒充填/補充ステーションの制御装置であってもよい)および/または、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''の制御装置164に伝えられてもよい。制御装置164および中央制御装置164Cの1つまたは複数は、冷媒供給部1300の1つまたは複数のフロー制御バルブ1303と通信してもよく、それぞれのセンサ1400A~1400B(またはスケール1440)からの低い冷媒レベルの表示に基づき、1つまたは複数の持ち運び可能な低温ワークステーション内への冷媒の放出を制御するために、バルブの開放および閉鎖をもたらしてもよい。たとえば、低い冷媒レベルの表示は、貯蔵部1300Rから、持ち運び可能な低温ワークステーション100A内への冷媒REの通路を可能にするために、制御装置164および中央制御装置164Cの1つまたは複数が(フロー制御バルブ1303B、1303Cは閉鎖されている状態で)フロー制御バルブ1303Aの開放をもたらすように、持ち運び可能な低温ワークステーション100Aから伝えられてもよい。理解され得るように、持ち運び可能な低温ワークステーション100B、100Cの1つまたは複数が少ない冷媒の信号を制御装置164および/または中央制御装置164Cに伝えると、持ち運び可能な低温ワークステーション100B、100Cの1つまたは複数の中への冷媒のフローを可能にするために、それぞれのフロー制御バルブ1303b、1303Cも開放されてもよい。
【0068】
一態様において、各持ち運び可能な低温ワークステーション100A、100B、100Cへ移送される冷媒の量は、少ない冷媒の信号に基づいていてもよい(たとえば、移送される冷媒の量が、冷媒容量とワークステーション内の冷媒との間の所定の差であるように、ワークステーションの冷媒容量は既知であり、低い冷媒の信号のときのワークステーション内の冷媒の量は既知である)。別の態様において、センサ1400A~1400D(またはスケール1440)は、所定の流体レベルに達したときに、持ち運び可能な低温ワークステーション内への冷媒のフローを停止させるためにそれぞれのフロー制御バルブ1303が閉鎖されるように、それぞれの持ち運び可能な低温ワークステーションにおける流体量を示す信号を、制御装置164および/または中央制御装置164Cに実質的に継続して(またはいくつかの所定の時間間隔で)送ってもよい。さらに別の態様において、1つまたは複数の持ち運び可能な低温ワークステーションに移送されるべき冷媒の量は、任意の適切な方法で決定されてもよい。貯蔵部1300R内の冷媒の量も、(センサ1400A~1400Dおよびスケール1440に関して上述したような)任意の適切な方法で監視されてもよい。一態様において、例示のみを目的として、フロート1302およびバルブ1302は、貯蔵部1300R内の冷媒レベルが低下すると、フロート1302が降下してバルブ1302の開放をトリガし、貯蔵部1300R内への冷媒REFのフローを引き起こすように提供されてもよい。冷媒が貯蔵部1300R内に流れ込むにつれてフロートは上昇し、冷媒が所定のレベルに達すると、フロート1302はバルブ1302の閉鎖をもたらす。
【0069】
次に
図15および16を参照すると、一態様において、持ち運び可能な低温ワークステーションは、たとえば、約-80℃または約-80℃よりも高いもしくは低い他の任意の適切な温度など、任意の適切な所定の温度に試料150を維持するように構成されてもよい。一態様において、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''(ワークステーション100が例示のみを目的として示されている)は、所定量の冷媒REFを保持するために、絶縁された冷却タンク1500(または他の任意の適切な容器)を含んでもよい。一態様において、タンク1500は、上述のものと略同様の方法で、冷媒REFを補給あるいは補充されてもよい。
図15を参照すると、台座1501は、キャビティ110C内に少なくとも部分的に配置されてもよく、ベース部分1501Bと、冷媒REFに接触するためにタンク1500内に延びる支柱部分1501Pとを含む。支柱部分1501Pは、ベース部分およびその上に保持される試料が、たとえば、少なくとも熱伝導(たとえば、台座1501を通した熱伝達)を通して、約-80℃(または他の任意の適切な温度)などの所定の温度に維持されるような形状および大きさにされてもよい。一態様において、試料は、試料150の周りの冷媒を蒸発させることによっても冷却できる。一態様において、絶縁されたタンク1500は、たとえば、冷媒の相変化温度で、キャビティ110C内の温度が安定することを実質的に防ぐように構成されてもよい。ベース部分1501Bは、トレイホルダTHに関して上述したものと略同様の、トレイ150T配置特徴部を含んでもよい。一態様において、ベース部分1501Bは、上述の方法でトレイ150Tを保持するように構成されてもよい。別の態様において、
図16を参照すると、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、台座1501により提供される伝導性の冷却に加えて、またはそれに替えて試料150を冷却するために、蒸発した冷媒(冷媒蒸気)を循環させるためにキャビティ110C内にファン1600を含んでもよい。
【0070】
次に
図17A~17Gを参照すると、持ち運び可能な低温ワークステーションを操作するための試料操作ステーション1700が、開示される実施形態の態様によって示されている。試料操作ステーション1700は、持ち運び可能な低温ワークステーションの内部から、および/または、持ち運び可能な低温ワークステーションへおよび持ち運び可能な低温ワークステーションからの試料の移送動作から、人間のオペレータを隔離するように構成されてもよい。一態様において、試料操作ステーション1700は、自動化されてもよいし、後述のように手動で動作されてもよい。試料操作ステーション1700による、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''からの試料150の移送は、上述の試料保管システムによる試料150の移送と略同様であってもよい。一態様において、試料操作ステーション1700は、ロボットアーム933(
図9Cおよび9D)などの自動化移送ユニットが、たとえば、試料保管システムまたは持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''の1つまたは複数の低温保管ユニットまたは貯蔵部291から、試料操作ステーション1700へトレイ150Tを移送するように、試料保管システムを備えているか、または試料保管システム内に含まれてもよい。別の態様において、試料操作ステーション1700は、検査室の作業台または他の作業表面上に置かれる自立型のユニットであってもよい。
【0071】
開示される実施形態の態様によれば、試料操作ステーション1700は、中にチャンバを形成するフレームまたはハウジング1700Hを含んでもよい。ハウジングは、ドア201TPMにより密封される容器投入開口部CLAと、ドア1701により密封される試料アクセス開口部SAAとを含んでもよい。プラットフォーム201TP(上述のものと略同様)、蓋取り外しユニット220’(上述のロードポートドアと略同様)およびトレイ取り外し装置330(上述のものと略同様)は、ハウジング1700Hにより形成されるチャンバ内に少なくとも部分的に配置されてもよい。一態様において、ドア201TPMは、容器投入開口部CLAを開放するために、プラットフォームが矢印Z1の方向に移動するとドア201TPMもプラットフォーム201TPと移動するように、プラットフォーム201TPに取り付けられてもよい。別の態様において、ドア201TPMは、開口部CLAを開放および密封し、プラットフォーム201TPが、プラットフォーム201TPへおよびプラットフォーム201TPから、持ち運び可能な低温ワークステーションを装着および離脱することために開口部CLAを通って延びることを可能にするために、任意の適切な方法でハウジング1700Hにヒンジ付けまたは接続されてもよい。一態様において、1つまたは複数のモータまたは駆動部1700Mは、ドア201TPMを開放および閉鎖し、プラットフォーム201TPを本明細書に記載する方法で移動させるために含まれてもよい。別の態様において、試料操作ステーション1700Hへ、持ち運び可能なワークステーションを挿入し、試料操作ステーション1700Hから、持ち運び可能なワークステーションを取り外すために、オペレータがドア201TPMを開放および閉鎖し、プラットフォーム201TPを移動させることを可能にするよう、任意の適切なハンドル1707Hが設けられてもよい。
【0072】
プラットフォーム201TPは、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''の対応する運動学的特徴部および押さえつけ特徴部(上述、たとえば、
図1L、1M、1Q、2Eおよび2Fを参照)と接続するために、上述のような1つまたは複数の運動学的インターフェース/配置特徴部212、212’、212''およびラッチキーLK(たとえば、
図1A参照)を含んでもよい。蓋取り外しユニット220’も、蓋113の対応する運動学的配置特徴部113AおよびラッチキーホールLKH’と接続するために、1つまたは複数の運動学的インターフェース/配置特徴部およびラッチキーを含んでもよい。運動学的配置特徴部は、持ち運び可能な低温ワークステーションが試料操作ステーション1700内に確定的に配置されるように、試料操作ステーション1700の対応する運動学的特徴部と接続するため、持ち運び可能な低温ワークステーションの任意の適切な側に配置されてもよいことに留意する。蓋取り外しユニット220’およびプラットフォーム201TPの1つまたは複数は、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''から蓋113を取り外すために、蓋取り外しユニット220’とプラットフォーム201TPとの間で相対的な動作を引き起こすよう、矢印Y1、Y2の方向に可動である。トレイ取り外し装置330は、トレイ150Tを取り外し、トレイ150T(およびその中の試料150)を試料アクセス開口部SAAと位置合わせさせるために、たとえば、蓋113に接続されるトレイホルダTH内に延びるよう矢印X1、X2の方向への移動のために構成されてもよい。一態様において、トレイ取り外し装置330は、試料トレイ150Tおよびその中の試料150が、トレイ取り外し装置330によって保持されている状態で伝導により冷却されるように、冷却ブロックまたは他の冷却源に接続されてもよい。別の態様において、試料操作ステーション1700は、任意の適切な方法で冷却されてもよい。一態様において、1つまたは複数のモータ1700Mは、蓋取り外しユニット220’、プラットフォーム201TPおよびトレイ取り外し装置330の1つまたは複数の動作を提供してもよいが、別の態様においては、ドア1701、201TPが閉鎖された状態で、オペレータが蓋取り外しユニット220’、プラットフォーム201TPおよびトレイ取り外し装置330を本明細書に記載する方法で移動させることを可能にするために、任意の適切な数のハンドルが設けられてもよい。
【0073】
また、
図18を参照すると、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、試料操作ステーション1700内に投入されてもよい(
図18、ブロック1800)。たとえば、ドア201TPMおよびプラットフォーム201TPは、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''が運動学的特徴部212’を通してプラットフォーム201TP上およびプラットフォーム201TPに対して配置できる(
図17C)ように、矢印Z1の方向(
図17B)に移動させられてもよい。一態様において、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、上述のものと同様の方法で、ラッチキーLKによってプラットフォーム201TP上に押さえつけられてもよい。持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、ハウジング内に搬送されてもよく、プラットフォーム201TPおよびドア201TPMは、ドア201TPMが開口部CLAを密封し、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''が、たとえば蓋取り外しユニット220’およびトレイ取り外し装置330に対して任意の場所に位置するように、矢印Z2の方向に移動させられる。
【0074】
蓋取り外しユニット220’とプラットフォーム201TPとの間の、互いに向かう相対的な移動は、蓋113が蓋取り外しユニット220’と連結されるよう、蓋取り外しユニット220’が蓋113と(上述のものと略同様の方法で)接続するように提供されてもよい(
図18、ブロック1801)。この態様においては、蓋取り外しユニットが、蓋と接続するために矢印Y1、Y2の方向に移動するように構成されている(
図17D)が、別の態様においては、プラットフォーム201TPが、蓋113を蓋取り外しユニット220’に接続するために矢印Y1、Y2の方向に移動するように構成されてもよい。さらに別の態様では、プラットフォーム201TPおよび蓋取り外しユニット220’の両方が、矢印Y1、Y2の方向に可動であってもよい。蓋113は、蓋取り外しユニット220’とプラットフォーム201TPとの間の、互いから離れる相対的な移動を提供することによって、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''から取り外されてもよい(
図18、ブロック1802)。上述のように、蓋取り外しユニット220’およびプラットフォーム201TPの1つまたは複数は、蓋113を取り外すために矢印Y1、Y2の方向に移動するように構成されてもよい(
図17E)。また上述のように、トレイホルダTHは、蓋113がハウジング110から離れるように移動させられると、トレイホルダTHにより保持される1つまたは複数のトレイ150Tへのアクセスを提供するためにチャンバ110Cから外に移動させられるように、蓋113に連結されてもよい(
図17E)。この態様において、トレイ150Tおよびその中に保持される試料150は、トレイ取り外し装置330にとってトレイホルダTHから取り外されてもよい(
図18、ブロック1803)。ここでトレイ取り外し装置330は、トレイホルダTHからトレイ150Tを移送し、トレイ150Tおよびその中の試料150を試料アクセス開口部SAAに対して配置するためにトレイ取り外し装置330がトレイホルダTHの側面を通って挿入されるように、矢印X1、X2の方向(持ち運び可能な低温ワークステーションおよびトレイホルダに対して横向き)に移動するように構成されてもよい(
図174E)。別の態様においては、トレイ150Tおよび/または試料150をキャビティから取り外すために、トレイ取り外し装置330がキャビティ110C内に達するように構成できるように、トレイホルダTHは蓋113に連結されていなくてもよい。一態様において、蓋113は、チャンバ110C内の低温温度の保存を補助するために、ドア1701の開放前にハウジング110上へ戻されてもよい。1つまたは複数の試料150は、ドア1701(
図17G)を開放することによってトレイ150Tから取り外され得る(
図18、ブロック1804)。ドア1701の開放は、試料へのオペレータのアクセス(または任意の適切な自動化部による試料へのアクセス)を提供する。一態様において、試料操作ステーション1700は、試料の追跡(上述のものと同様)を含んでもよく、トレイ150Tから取り外される試料150およびトレイ150Tに挿入される試料150が、たとえば持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''のメモリ169Mで更新できるように、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''と通信してもよい。上述のものと同様の方法で、試料位置センサ172A、172Bは、トレイ150Tからの所定の試料150の取り出しをもたらすために試料操作ステーション1700に設けられてもよく、試料の位置情報は、ディスプレイ7169Dを通してオペレータに提供される。別の態様において、ディスプレイ7169Dは、オペレータに、本明細書に記載する方法で試料150、試料トレイ150Tおよび持ち運び可能な低温ワークステーションの1つまたは複数に関する一過性の情報/データも提供してもよい。試料トレイ150Tおよびその中の試料150は、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''に戻されてもよく、持ち運び可能な低温ワークステーション100、100’、100''、100'''は、上述のものと実質的に反対の方法で、試料操作ステーション1700から取り外されてもよい。
【0075】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、持ち運び可能な低温ワークステーションは、1つまたは複数の試料を保持するように構成される内部キャビティを有するハウジングと、持ち運び可能な低温ワークステーションが、略室温の環境と略超低温の環境との間で試料を搬送するように構成されるように、内部キャビティを密封するための蓋と、ハウジングおよび蓋の1つまたは複数の上に配置され、自動化操作装置と係合するように構成される少なくとも1つの自動化インターフェースと、ハウジングに連結され、持ち運び可能な低温ワークステーション内の存在と同期して、試料の少なくとも1つの所定の処理特性に対応する処理または一過性データを取得するように構成される処理データ取得ユニットと、を含む。
【0076】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、処理データ取得ユニットは、取得された処理または一過性データが処理ヒストリを画定するように構成され、試料の少なくとも1つの所定の処理特性の分析を可能にする。
【0077】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、処理データ取得ユニットは、制御装置、および制御装置に接続される少なくとも1つのセンサに通信可能に連結され、少なくとも1つのセンサは、試料位置データ、試料識別データ、温度データ、およびハウジングに対する蓋の物理的状態の1つまたは複数を提供するように構成される。
【0078】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、持ち運び可能な低温ワークステーションは、消費媒体レベル検出器を含む。
【0079】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、持ち運び可能な低温ワークステーションは、低温試料の1つまたは複数のラックを保持するように構成される内部キャビティを形成する開口、ワークステーションインターフェース、および開口の外周の周りに配置される蓋インターフェースを有するハウジングと、開口を閉鎖し、内部キャビティを実質的に密封するように構成される蓋であって、蓋が内部キャビティの密封をもたらすように蓋インターフェースと係合し、ハウジングに対する蓋の単軸動作により、蓋インターフェースの係合を解き、内部キャビティの密封を解くように構成されるハウジングインターフェースを有する蓋とを含み、ハウジングは、ワークステーションの閉鎖可能な入力/出力ポートと係合するように構成される。
【0080】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ハウジングの入力/出力ポートとの係合は、蓋が開放されると、内部キャビティがワークステーションの内部と密封連通するように、入力/出力ポートとワークステーションインターフェースとの間にシール部をもたらす。
【0081】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、持ち運び可能な低温ワークステーションは、消費媒体レベル検出器を含む。
【0082】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ハウジングは、蓋がハウジングに係合された状態で、入力/出力ポートとワークステーションインターフェースとの間にシール部をもたらすように構成される。
【0083】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ハウジングは、蓋がハウジングから分離された状態で、入力/出力ポートとワークステーションインターフェースとの間にシール部をもたらすように構成される。
【0084】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ハウジングは、蓋がハウジングに係合され、ハウジングから分離された状態で、入力/出力ポートとワークステーションインターフェースとの間にシール部をもたらすように構成される。
【0085】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、持ち運び可能な低温ワークステーションは、試料、ハウジングおよび蓋の1つまたは複数の所定の特徴に関連する処理データを記録するように構成される。
【0086】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、持ち運び可能な低温ワークステーションは、制御装置に接続され、メモリは、制御装置に接続され、少なくとも1つのセンサは、制御装置に接続され、制御装置は、少なくとも1つのセンサからの信号に基づき、メモリへの処理追跡データの記録をもたらすように構成される。
【0087】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、制御装置は、トリガ事象に応じて処理追跡データの記録をもたらすように構成される。
【0088】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、制御装置は、処理追跡データの分析を可能にするように構成される。
【0089】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、制御装置、メモリおよび少なくとも1つのセンサは、ハウジングおよび蓋の1つまたは複数と一体である。
【0090】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ワークステーションの低温部分は、低温試料のラックを保管するように構成される超低温の保管貯蔵部を有する保管モジュールと、保管モジュールの外部に配置され、ロードポートおよび閉鎖可能な開口を含む投入モジュールであって、閉鎖可能な開口は、投入モジュールを保管モジュールに連通可能に接続し、低温試料は、閉鎖可能な開口を通して保管モジュールと投入モジュールとの間で移送され、ロードポートは、持ち運び可能な低温ワークステーションと係合するように構成される閉鎖可能な入力/出力ポートを含み、ロードポートの持ち運び可能な低温ワークステーションとの係合は、ロードポートが開放されると投入モジュールの内部が持ち運び可能な低温ワークステーションの内部と密封連通するように、ロードポートと持ち運び可能な低温ワークステーションとの間の密封部をもたらす、投入モジュールと、を含む。
【0091】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、低温試料は、ラックを通してまたはラック内で保管モジュールと投入モジュールとの間で移送される。
【0092】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ロードポートと持ち運び可能な低温ワークステーションとの間のシール部は、投入モジュールの内部を外部雰囲気から密封する。
【0093】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ロードポートと持ち運び可能な低温ワークステーションとの間のシール部は、持ち運び可能な低温ワークステーションの内部を外部雰囲気から密封する。
【0094】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ロードポートは、持ち運び可能な低温ワークステーションの蓋と係合するように構成されるロードポートドアを含む。
【0095】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、係合は、磁性係合である。
【0096】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ロードポートドアの移動は、持ち運び可能な低温ワークステーションを開放および閉鎖する。
【0097】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ロードポートは、ロードポートが開放されると、持ち運び可能な低温ワークステーションのハウジングが閉鎖可能な入力/出力ポートを閉鎖するように構成される。
【0098】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、持ち運び可能な低温ワークステーションは、ワークステーションの低温部分の中へのロードポートを通した熱負荷の侵入に対して熱ブロックをもたらす。
【0099】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、低温ワークステーションは、低温試料のラックを保管するように構成される超低温保管貯蔵部を有する保管モジュールと、保管モジュールの外部に配置され、ロードポートおよび閉鎖可能な開口を含む投入モジュールであって、閉鎖可能な開口は、投入モジュールを保管モジュールに連通可能に接続し、低温試料は、閉鎖可能な開口を通して保管モジュールと投入モジュールとの間で移送され、ロードポートは、閉鎖可能な入力/出力ポートを含む、投入モジュールと、閉鎖可能な入力/出力ポートと係合するように構成される持ち運び可能な低温ワークステーションモジュールと、を含む。
【0100】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、持ち運び可能な低温ワークステーションの閉鎖可能な入力/出力ポートとの係合は、ロードポートが開放されると、投入モジュールが持ち運び可能な低温ワークステーションの内部と密封連通するように、ロードポートと持ち運び可能な低温ワークステーションとの間のシール部をもたらす。
【0101】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、低温試料は、ラックを通してまたはラック内で保管モジュールと投入モジュールとの間で移送される。
【0102】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ロードポートと持ち運び可能な低温ワークステーションとの間のシール部は、投入モジュールの内部を外部雰囲気から密封する。
【0103】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ロードポートと持ち運び可能な低温ワークステーションとの間のシール部は、持ち運び可能な低温ワークステーションの内部を外部雰囲気から密封する。
【0104】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ロードポートは、ロードポートドアを含み、持ち運び可能な低温ワークステーションは、蓋を含み、ロードポートドアは、持ち運び可能な低温ワークステーションから蓋を取り外すために、持ち運び可能な低温ワークステーションの蓋と係合するように構成される。
【0105】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ロードポートドアの移動は、持ち運び可能な低温ワークステーションを開放および閉鎖する。
【0106】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、持ち運び可能な低温ワークステーションは、ロードポートが開放されると閉鎖可能な入力/出力ポートを閉鎖するように構成されるハウジングを含む。
【0107】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、持ち運び可能な低温ワークステーションは、低温ワークステーション内へのロードポートを通した熱負荷の侵入に対して熱ブロックをもたらすように構成される。
【0108】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、持ち運び可能な低温ワークステーションは、低温試料の1つまたは複数のラックを保持するように構成される内部キャビティを形成する開口、および開口の外周の周りに配置される蓋インターフェースを有するハウジングと、開口を閉鎖し、内部キャビティを実質的に密封するように構成される蓋であって、蓋が内部キャビティの密封をもたらすように蓋インターフェースと係合し、ハウジングに対する蓋の単軸動作により、蓋インターフェースの係合を解き、内部キャビティの密封を解くように構成されるハウジングインターフェースを有する蓋と、を含む。
【0109】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、蓋は、ハウジングに対する蓋の単軸動作のみで、蓋インターフェースの係合を解き、内部キャビティの密封を解くように構成される。
【0110】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ハウジングおよび蓋は、熱的に絶縁される。
【0111】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、内部キャビティは、低温冷媒冷却ユニットを含む。
【0112】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、低温冷媒冷却ユニットは、低温冷媒保持スペース内に低温冷媒を保持するように構成される吸収パッドを含む。
【0113】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、内部キャビティは、低温試料の1つまたは複数のトレイを保持するように構成される。
【0114】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、持ち運び可能な低温ワークステーションは、持ち運び可能な低温ワークステーションの片手での搬送を可能にするように構成される、ハウジングに接続されたハンドルを含む。
【0115】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、持ち運び可能な低温ワークステーションは、内部キャビティ内に配置される温度センサと、ハウジングの外側表面に配置される、温度センサと連通する温度ディスプレイとを含む。
【0116】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、持ち運び可能な低温ワークステーション用のインターフェース装置は、内部チャンバを形成するハウジングと、内部チャンバ内に少なくとも部分的に配置される少なくとも1つの持ち運び可能な低温ワークステーションインターフェースとを含み、少なくとも1つの持ち運び可能な低温ワークステーションインターフェースは、持ち運び可能な低温ワークステーションの内部にアクセスし、内部に試料を投入しおよび内部から試料を取り出すように構成され、持ち運び可能な低温ワークステーションは、持ち運び可能な低温ワークステーション内で低温雰囲気を維持した状態で、インターフェース装置のハウジングの中および外へポートする(porting)ように構成される。
【0117】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、インターフェース装置は、人間のオペレータを内部から隔離するように構成される。
【0118】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、インターフェース装置は、卓上配置のための自立型装置として構成される。
【0119】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、インターフェース装置は、自動化物品操作システムまたは冷媒補充ステーションと一体化されてもよい。
【0120】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの持ち運び可能な低温ワークステーションインターフェースは、手動操作のために構成される。
【0121】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの持ち運び可能な低温ワークステーションインターフェースは、自動化操作のために構成される。
【0122】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、インターフェース装置は、持ち運び可能な低温ワークステーションへ、および持ち運び可能な低温ワークステーションから、処理または一過性データを伝えるためのディスプレイおよびプロセッサを含む。
【0123】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの持ち運び可能な低温ワークステーションインターフェースは、インターフェース装置の所定の基準フレームに対して持ち運び可能な低温ワークステーションを確定的に配置するための1つまたは複数の運動学的配置特徴部を含む。
【0124】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、持ち運び可能な低温ワークステーションを搬送するための自動化物品操作システムは、第1の低温ワークステーション位置および第1の低温ワークステーションとは異なる第2の低温ワークステーション位置と、第1および第2の低温ワークステーションの間で移動するように構成され、少なくとも1つのワークステーションを搬送するためのエフェクタを有する自動化搬送部と、を含み、少なくとも1つの持ち運び可能な低温ワークステーションは、取り外し可能な閉鎖部を通してハウジングの開放可能なキャビティ内で低温環境を保持するように構成されるハウジングであって、自動化搬送部と係合するように構成される第1のインターフェースと、第1および第2の低温ワークステーションの位置の一方におけるインターフェースステーションで、少なくとも1つの持ち運び可能な低温ワークステーションを確定的に配置するように構成される第2のインターフェースと、を含むハウジングと、少なくとも1つの持ち運び可能な低温ワークステーション内で少なくとも1つのワークピースを自動的に取り出しまたは配置するように構成される自動化ワークピース搬送部と、を含む。
【0125】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、自動化ワークピース搬送部は、ワークピースを取り出すように構成されるエンドエフェクタを有するロボットアームを備える。
【0126】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、自動化搬送部は、頭上搬送システムを備える。
【0127】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、自動化搬送部は、無人搬送車を備える。
【0128】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、自動化搬送部は、コンベヤを備える。
【0129】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、自動化搬送部は、2つの異なる種類の搬送部の間で少なくとも1つの持ち運び可能な低温ワークステーションを移送するように構成される2つの異なる種類の搬送部を備える。
【0130】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、2つの異なる種類の搬送部は、保管部ハウジングに対する外部搬送部および内部搬送部の1つまたは複数を備え、頭上搬送システム、コンベヤシステムおよび無人搬送車の少なくとも2つを備える。
【0131】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、自動化物品操作システムは、持ち運び可能な低温ワークステーションと係合し、持ち運び可能な低温ワークステーションを搬送するように構成されるエフェクタを有する持ち運び可能な低温ワークステーションの搬送ユニットであって、持ち運び可能な低温ワークステーションは、内部キャビティを形成するハウジングと、内部キャビティを実質的に密封するように構成される蓋と、を含む、持ち運び可能な低温ワークステーションの搬送ユニットと、内部キャビティへおよび内部キャビティから試料を搬送するように構成される自動化試料操作システムであって、自動化試料操作システムおよび搬送ユニットの少なくとも一方は、蓋取り外しシステムに対して蓋を確定的に配置するために、蓋の運動学的連結特徴部と係合するように構成される蓋取り外しシステムを有する、自動化試料操作システムと、を含む。
【0132】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、エフェクタは、自動化試料操作システムに対してハウジングを確定的に配置するために、ハウジングの運動学的連結特徴部と係合するように構成される。
【0133】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、消費媒体補充ステーションは、持ち運び可能な低温ワークステーションの内部に消費媒体を通すように構成される充填ポートと、充填ポートに対して持ち運び可能な低温ワークステーションを確定的に配置するために持ち運び可能な低温ワークステーションと接続するように構成される運動学的配置特徴部と、を含む。
【0134】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、消費媒体補充ステーションは、自動化低温試料操作ステーションのロードポートに配置される。
【0135】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、消費媒体補充ステーションは、自立型の補充ステーションである。
【0136】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、充填ポートは、2つ以上の持ち運び可能な低温ワークステーションと接続するように構成されるマニホールドを備える。
【0137】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、低温ワークステーションは、低温試料のラックを保管するように構成される超低温保管貯蔵部を有する保管モジュールと、保管モジュールの外部に配置され、ロードポートおよび閉鎖可能な開口を含む投入モジュールであって、閉鎖可能な開口は、投入モジュールを保管モジュールに連通可能に接続し、低温試料は、閉鎖可能な開口を通して保管モジュールと投入モジュールとの間で移送され、ロードポートは、持ち運び可能な低温ワークステーションと係合するように構成される閉鎖可能な入力/出力ポートを含み、ロードポートの持ち運び可能な低温ワークステーションとの係合は、ロードポートが開放されると投入モジュールの内部が持ち運び可能な低温ワークステーションの内部と密封連通するように、ロードポートと持ち運び可能な低温ワークステーションとの間の密封部をもたらす、投入モジュールと、ロードポートに配置され、持ち運び可能な低温ワークステーションの充填チャネルと連通するように構成される消費媒体補充充填ポートと、を含む。
【0138】
上記記載は、開示される実施形態の態様の例示にすぎないことが理解されるべきである。当業者によって、様々な代替例および修正例が、開示される実施形態の態様から逸脱することなく案出され得る。従って、開示される実施形態の態様は、添付の請求項の範囲に該当する、そのような代替例、修正例、および変形例のすべてを含むことを意図している。さらに、異なる特徴が、それぞれ異なる従属または独立請求項に詳述されるという一事実は、これらの特徴の組み合わせを有利に使用することができないということを意味せず、そのような組み合わせは、本発明の態様の範囲内に留まる。
【外国語明細書】