(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156428
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】周囲温度充填システム及び方法
(51)【国際特許分類】
B67C 3/26 20060101AFI20231017BHJP
【FI】
B67C3/26
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023131247
(22)【出願日】2023-08-10
(62)【分割の表示】P 2019522374の分割
【原出願日】2017-11-02
(31)【優先権主張番号】15/346,286
(32)【優先日】2016-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591235706
【氏名又は名称】ペプシコ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】エンバー・ブランマズ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】泡の形成を最小限に抑えながら、周囲温度で炭酸流体を飲料容器に充填するためのシステム及び方法が提供される。
【解決手段】処理水を水タンク内に保持することと、真空ポンプを使用して前記水タンクを脱気することと、前記処理水を濃縮物と混合して流体混合物を生成することと、前記流体混合物に二酸化炭素を注入して、前記炭酸流体製品を生成することと、充填機に流体接続された炭化タンク内に前記炭酸流体製品を貯蔵することと、前記容器を前記炭酸流体製品で充填するように、前記充填機を動作させることと、を含み、前記処理水、流体混合物、及び炭酸流体製品は、周囲温度で維持される、方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭酸流体製品で充填された容器を生産する方法であって、
処理水を水タンク内に保持することと、
真空ポンプを使用して前記水タンクを脱気することと、
前記処理水を濃縮物と混合して流体混合物を生成することと、
前記流体混合物に二酸化炭素を注入して、前記炭酸流体製品を生成することと、
充填機に流体接続された炭化タンク内に前記炭酸流体製品を貯蔵することと、
前記容器を前記炭酸流体製品で充填するように、前記充填機を動作させることと、を含み、
前記処理水、流体混合物、及び炭酸流体製品は、周囲温度で維持される、方法。
【請求項2】
前記流体製品が、前記充填機に入る前に冷却されない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記真空ポンプが、少なくとも約0.8バールの負圧を生成して、前記水タンクを脱気する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記流体混合物に二酸化炭素を注入することが、約3.2バール~約4.2バールの範囲内の圧力で起こる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記炭化タンクの内部圧力が、約5.5バールである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記充填機の内部圧力が、約5バールである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記炭化タンクの内部圧力が、前記充填機の内部圧力よりも約0.5バール高い、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記処理水、流体混合物、及び炭酸流体製品が層流を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記周囲温度が約摂氏15度である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
周囲温度で流体を飲料容器に充填するための飲料容器充填デバイスであって、
前記容器内に排出される流体材料を供給するための内側流体チャンバを画定する上面及び下面を有する支持ハウジングと、
前記流体材料の前記排出を制御するために前記下面に取り付けられた弁ハウジングと、
第1の端部及び第2の端部を有する通気管であって、前記第2の端部が、前記弁ハウジングを通って少なくとも部分的に延在する、通気管と、
前記通気管を包囲し、前記通気管の前記第2の端部に隣接して配置されている、散形花序リングと、
前記通気管の前記第1の端部の周りに配置されたばねと、
前記上面に隣接して配置され、前記ばねと共に動作して、前記飲料容器への流体の流れを制御する、流体封止機構と、を備える、デバイス。
【請求項11】
前記充填デバイスの動作中に前記内側流体チャンバの圧力が約5バールである、請求項10に記載の充填デバイス。
【請求項12】
前記内側流体チャンバの圧力が、前記流体を前記充填デバイスに供給する流体供給タンクの内部圧力よりも約0.5バール低い、請求項10に記載の充填デバイス。
【請求項13】
約1.5mmより大きい直径を有するスニフトパイプを更に備える、請求項10に記載の充填デバイス。
【請求項14】
前記通気管が、約4.5mmより低い高さを有する、請求項10に記載の充填デバイス。
【請求項15】
炭酸流体製品で充填された容器を生産する方法であって、
周囲温度の処理水を水タンク内に保持することと、
真空ポンプを使用して前記水タンクを脱気して、少なくとも0.8バールの負圧を生成することと、
前記処理水を濃縮物と混合して流体混合物を生成することと、
前記流体混合物に約3.2バール~約4.2バールの範囲の圧力で二酸化炭素を注入して、前記炭酸流体製品を生成することと、
充填機に流体接続された炭化タンク内に前記炭酸流体製品を貯蔵することであって、前記炭化タンクは、約5.5バールの内部圧力を有する、貯蔵することと、
前記容器に前記炭酸流体製品を充填するように前記充填機を動作させることであって、前記充填機は、約5バールの内部圧力を有し、前記炭酸流体製品が前記周囲温度にある、動作させることと、を含む、方法。
【請求項16】
前記充填機は、
前記容器内に排出される流体材料を供給するための内側流体チャンバを画定する上面及び下面を有する支持ハウジングと、
前記流体材料の前記排出を制御するために前記下面に取り付けられた弁ハウジングと、
第1の端部及び第2の端部を有する通気管であって、前記第2の端部が、前記弁ハウジングを通って少なくとも部分的に延在する、通気管と、
前記通気管を包囲し、前記通気管の前記第2の端部に隣接して配置されている、散形花序リングと、
前記通気管の前記第1の端部の周りに配置されたばねと、
前記上面に隣接して配置され、前記ばねと共に動作して、前記飲料容器への流体の流れを制御する、流体封止機構と、を含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、容器に流体を充填するための、特に飲料容器に炭酸流体を充填するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最も一般的な3種類の液体充填システムは、容量充填、時間計量充填、重量計量充填(重量充填)である。すべてが空の容器が充填位置に運ばれる半自動又は自動充填システムで一般的に実施される。容器が充填位置に到達すると、それらは停止され、充填ヘッドによって所望の程度まで充填され、次いで所望の位置に運ばれる。
【0003】
容量充填システム(すなわち、容量計量充填)は、設定された量の流体を容器に分注する。例えば、チャンバを所望の容積に設定し、チャンバを流体で満たし、そしてチャンバの内容物を容器に分注する。
【0004】
時間計量充填システム(すなわち、時間計量容積充填)は、容器を設定体積の流体で満たすのに十分な設定時間量の間、既知の体積流量を有するノズルから流体を分注する。
【0005】
重量測定システム(重量測定)は、容器が受け取る液体の量を監視する重量センサを利用している。重量センサは分注装置にフィードバックを提供し、所望の重量の流体が受け取られると分注装置は分注を停止する。
【0006】
低温充填動作は、充填中に炭酸飲料の発泡を排除するために冷蔵プロセスを利用する。冷蔵プロセス中に炭酸流体を冷却するために大量のエネルギーが必要とされる。このエネルギーは運転コストの増加をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【0007】
本発明の一態様は、充填温度の上昇、例えば周囲温度を利用する充填システムを可能にする。充填温度の上昇を達成するために、ミキサー及び送風機の動作パラメータは新しい充填システムのベンタイル設計と共に修正することができる。本発明は、周囲温度で炭酸流体を容器に充填することを可能にする。
【0008】
別の態様では、充填システムは、充填システム内の炭酸流体の乱流を排除することによって、泡形成を低減することができる。
【0009】
本発明の一態様では、炭酸流体製品を充填した容器を生産する方法は、処理水を水タンクに保持すること、真空ポンプを使用して水タンクを脱気すること、処理水を濃縮物と混合して流体混合物を生成すること、流体混合物に二酸化炭素を注入して炭酸流体製品を生成すること、充填機に流体接続されている炭化タンクに炭酸流体製品を貯蔵すること、容器に炭酸流体製品を充填するよう充填機を動作させることを含み得る。処理水、流体混合物、及び炭酸流体製品は周囲温度で維持することができる。
【0010】
更なる態様では、周囲温度で飲料容器に流体を充填するための飲料容器充填デバイスは、容器内に排出されるべき流体材料を供給するための内側流体チャンバを画定する上面及び下面を有する支持ハウジングと、流体材料の排出を制御するために下面に取り付けられた弁ハウジングと、第1の端部と第2の端部とを有し、第2の端部は少なくとも部分的に弁ハウジングを通って延在する通気管と、通気管を包囲しかつ通気管の第2の端部に隣接して配置されている散形花序リングと、通気管の第1の端部の周りに配置されたばねと、上面に隣接して配置され、飲料容器内への流体の流れを制御するためにばねと共に作動する流体封止機構とを含み得る。
【0011】
別の態様では、炭酸流体製品を充填した容器を生産する方法は、処理水を水タンク内に周囲温度で保持することと、真空ポンプを使用して水タンクを脱気して、少なくとも0.8バールの負圧を生成することと、処理水を濃縮物と混合して流体混合物を生成することと、約3.2バールから約4.2バールの範囲の圧力で二酸化炭素と流体混合物を注入して炭酸流体生成物を生成することと、炭化タンクは、約5.5バールの内部圧力を有しており、充填機に流体接続された炭化タンク内に炭酸流体製品を貯蔵することと、充填機は約5バールの内部圧力を有しており、容器を炭酸流体製品で充填するように充填機を動作させることと、炭酸流体製品は周囲温度であることを含み得る。この方法では、充填機は、容器内に排出されるべき流体材料を供給するための内側流体チャンバを画定する上面及び下面を有する支持ハウジングと、流体材料の放出を制御するために下面に取り付けられた弁ハウジングと、第1の端部と第2の端部とを有しており、第2の端部は少なくとも部分的に弁ハウジングを通って延在する通気管と、通気管を包囲し、通気管の第2の端部に隣接して配置された散形花序リングと、通気管の第1の端部の周りに配置されたばねと、上面に隣接して配置され、飲料容器内への流体の流れを制御するためにばねと共に作動する流体封止機構とを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付図面は、本発明の中に組み込まれ、本明細書の一部を形成し、本発明の実施形態を例示し、本説明と共に、更に本発明の諸原理を説明し、かつ当業者が本発明を作り上げ、そして使用することを可能にする役割を果たす。
【0013】
【
図1】本発明の種々の態様に基づいた流体混合システムの概略図である。
【0014】
【
図2】本発明の様々な態様による容器充填システムの上面図である。
【0015】
【
図3】本発明の様々な態様による容器充填システムの正面断面図である。
【0016】
【
図4】本発明の様々な態様による通気管及び傘リングの正面図である。
【0017】
実施形態の特徴及び利点は、図面と併せて以下に述べる詳細な説明から明らかになり、図面では、同様の参照符号は、全体を通して対応する要素を特定する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以降、添付図面に図示されるような本発明の実施形態を参照して、本発明を詳細に説明する。「一実施形態(one embodiment)」、「実施形態(an embodiment)」、「例示的実施形態(an exemplary embodiment)」等の言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、すべての実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含むわけではないことを示す。更に、このような語句は、必ずしも同一の実施形態に言及するものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態に関連して記載される場合、明確に記載されているかどうかにかかわりなく、他の実施形態に関連するこのような特徴、構造、又は特性への影響は、当業者の知見内であるものとする。
【0019】
図1を参照すると、流体混合システム10は、処理水源80に流体接続される処理水タンク100を含むことができる。処理水102は、処理水源80から処理水タンク100に流れ込むことができる。処理水102は、約摂氏17度で処理水タンク100に入ることができる。真空ポンプ110は、処理水タンク100内から空気及びガスを除去することができる。一態様では、真空ポンプ110は、処理水タンク100内に少なくとも約0.8バールの脱気圧力を作り出すことができる。別の態様では、処理水タンク100内の脱気圧力は約0.91バールであり得る。
【0020】
処理水ポンプ104は、処理水タンク100内から混合システム10の次のステージへ処理水102を送り出すことができる。一態様では、処理水ポンプ102は、処理水102の温度を下げるために冷却システム160を通して処理水102を送り出すことができる。一態様では、冷却システム160は、処理水102が冷却システム160に入る前の約摂氏17度から処理水102が冷却システム160を出た後の約摂氏7.6度まで、処理水102の温度を下げることができる。別の態様において、処理水102は混合システム10内において周囲温度で維持することができる。
【0021】
混合システム10は、濃縮物タンク130内に濃縮物132を含むことができる。濃縮物132は飲料風味シロップであり得る。処理水102は濃縮物132と混合して流体混合物を形成することができる。
【0022】
炭化ポンプ140は、二酸化炭素投与装置142内の流体混合物に二酸化炭素を注入して、炭化流体混合物、すなわち製品流体152を生成することができる。一態様では、二酸化炭素投与装置142への二酸化炭素の注入は、約3.2バールから約4.2バールの範囲の圧力で起こり得る。
【0023】
流体152は、容器400(
図3)に分注するために充填機300に移動する前に炭化タンク150に貯蔵することができる。一態様では、炭化タンク150は約5.5バールで加圧することができる。別の態様では、炭化タンク150は充填機300よりも約0.5バール高く加圧することができる。
【0024】
流体152は、製品供給導管200を通って炭化タンク150を出ることが可能であり、冷却システム160に流体152を通すことによって流体152を冷却するために製品冷却導管202に入ることが可能である。一態様では、流体152は、約摂氏11.8度で冷却システム160に入ることができ、約摂氏6.8度で冷却システム160を出ることができる。別の態様では、炭化タンク150は、炭化タンク150内及び充填機300内で流体152を周囲温度に維持することができるように充填機300に流体接続することができる。
【0025】
本発明の一態様では、処理水、流体混合物、及び製品流体152は、それらが混合システム10を通って移動するときに層流を有することができる。この層流は、流体152内の泡形成を減少させることができる。
【0026】
図2に示されるように、カルーセル206は、容器400を製品流体152で充填するための充填システムの一部である。カルーセル206は、容器移動207の方向に軸208を中心に回転する。カルーセル206は、炭化タンク150から対応する充填機300(
図3)まで延びる流体タンク及び製品供給パイプ(図示せず)を含む。充填機300については、以下で更に詳細に説明する。
【0027】
インフィードステーション204は、空の容器400をカルーセル206内に供給するためにカルーセル206に隣接して配置されている。一態様では、空の容器400は、送風機(図示せず)から所望の容器400を生産する供給ステーション204に移動することができる。容器400は、本発明の範囲から逸脱することなく、炭酸飲料などの任意の種類の流体材料で充填された、缶、ジャー、又はボトルなどの任意の適切な種類の容器とすることができる。
【0028】
インフィードステーション204は、供給源又はプラスチック送風システム(図示せず)からカルーセル206内に容器400をガイドすることができる。一態様では、容器400は、カルーセル206に入る前に事前洗浄ステーションに入り、イオン化空気、オゾン(O3)、過酸化水素(H2O2)、及び/又は水で容器400を洗浄、すすぎ、滅菌することができる。
【0029】
カルーセル206は、その間に容器400の充填が行われる位置210、220、230、240、及び250を有することができる。位置210で、ガス供給源を開いて容器400を不活性ガス、例えば、二酸化炭素で満たすことができる。容器400に不活性ガスを充填することにより、充填機300の圧力をボトルの圧力と等しくすることができる。一態様では、充填機300内の圧力は約5バールとすることができる。別の態様では、充填機300内の圧力は、炭化タンク150内の圧力よりも約0.5バール低くてもよい。
【0030】
容器400は、方向207で位置220に移動することができる。位置220において、充填機300(
図3)は容器400への流体152の充填を開始することができる。位置230において、充填機は容器400への流体152の充填を停止することができる。また位置230では、ガス供給源を閉じることができる。位置240において、ガスは、一般に「スニフティング」として知られているプロセスによって容器400のヘッドスペースから大気中に放出されることができる。位置250で、容器400の充填を終了することができる。
【0031】
カルーセル206から充填された容器400を出すために、出口ステーション205をカルーセル206に隣接して配置することができる。出口ステーション205は、充填された容器400を所望の場所に移送することができる。
【0032】
ここで
図3を参照すると、充填機300がより詳細に示されている。例示の目的で、1つの充填機アセンブリ300のみが示されており、容器400が方向207に沿って移動するときに複数の充填機300をカルーセル206の周りに配置して、複数の容器400を充填が可能であることが理解されよう。カルーセル206上の充填機300の数は、製造業者によって望まれるような特定の用途に依存し得る。一般的なカルーセル206は、その上に配置された120個もの充填機300を有することができる。更に、カルーセル206を方位する追加の事前洗浄ステーション及び更に事後洗浄ステーションがあってもよい。
【0033】
充填機300は、対応する容器400内に排出されるべき流体152を供給するための内側流体チャンバ310を画定する上面304及び下面306を有する支持ハウジング302を含むことができる。好ましくは液体飲料である流体152は、二酸化炭素又は窒素のような加圧不活性ガスのために流体152の上にヘッドスペース320を残しながら、流体チャンバ310の一部を満たすことができる。これらの図面には、流体152及びガス用の供給及び戻りパイプも示されていない。
【0034】
弁ハウジング330は、容器400内への流体152の排出を制御するために支持ハウジング302の下面306に取り付けることができる。弁ハウジング330は、図面に概略的に示されており、任意の適切な設計又は構成のものであり得る。環状の容器封止部332は、容器400と封止係合するために弁ハウジング330内に設けることができる。
図3に示す実施形態では、容器封止部332は、ボトル型容器400に対して封止するように設計することができる。別の態様では、容器封止部332は、缶を受容するように構成され得る。制御デバイス340は、支持ハウジング302の上面304に隣接して配置することができる。制御デバイス340については以下で更に詳細に説明する。
【0035】
通気管312は、第1の端部313a及び第2の端部313bを有することができ、第2の端部313bは少なくとも部分的に弁ハウジング330を通って延在する。通気管312は、約4.5mm未満の高さを有することができる。通気管312は、第2の端部313bに隣接して配置された散形花序リング316(
図4)を有することができる。散形花序リング316は直径317を有することができる。
【0036】
通気管312は、充填位置と不使用位置との間で所定のストロークに沿って移動することができる。通気管312の第2の端部313b及び散形花序リング316は、充填位置にある間に容器400内に配置され得、通気管312の第2の端部313bは、不使用位置にある間は容器400の上に上げられ得る。通気管312が充填位置にあるとき、散形花序リング316は、容器400に対してX方向及びY方向に中心合わせされ得る。
【0037】
通気管312はまた、異なるサイズの容器400内の所望の充填レベルに従って移動することができる。通気管312のストロークの全体的な範囲は調整することができ、充填される容器400の種類及びサイズに依存する。容器400の充填中にガスを容器400から流体チャンバ310内に通気するために、通気管312は内側流体チャンバ310のヘッドスペース320と流体連通することができる。
【0038】
支持管314は、支持ハウジング302の上面304と下面306との間に取り付けることができ、通気管312を実質的に囲むことができる。一態様では、支持ハウジング302は通気管312の中央部分を封入することができ、第1の端部313a及び第2の端部313bの端部は支持管314によって囲まれていない。支持ハウジング302内に通気管312を支持するために、通気管312と支持管314との間に複数の封止部(図示せず)を含めることができる。
【0039】
ばね318を含む流体封止機構322は、内側流体チャンバ310から容器400への流体152の排出を制御するために支持管314に対して移動可能に取り付けることができる。ばね318の長さは、弁の動きを遅くするために短くすることができる。一態様では、ばね強度は、充填機300から容器400内への流体152の層流に対して最適化することができる。バルブ固定面の角度調整も可能である。
【0040】
作動レバー341は、支持ハウジング302内に取り付けることができ、機構322を操作するために、弁ハウジング330を通して流体152を放出する開放位置と、弁ハウジング330から支持ハウジング302の流体チャンバ310を封止する閉鎖位置との間で流体封止機構322と係合することができる。流体封止機構322及び作動レバー341は、それらの操作を達成するためにいくつかの追加の構成要素を利用することができる。
【0041】
充填機300は、容器400がカルーセル206上の位置240にあるときに容器400のヘッドスペースから大気にガスを放出するためのスニフトパイプ352及びスニフトバルブ353を含むことができる。一態様では、スニフトパイプ352の直径は、従来のスニフトパイプから約1.5mm小さくすることができる。スニフトパイプ352は、約1.5mmより大きい直径を有することができる。一態様では、容器400内の流体152の発泡に応じて、容器400のスニフトは2段階で起こり得る。充填機300はまた、圧力放出パイプ356及び圧力放出弁357を含むことができる。
【0042】
充填機300の一般的な充填動作について説明する。流体152は、充填機300を通る層流を有することができる。別の態様では、流体152は、周囲温度、例えば、約摂氏15度で充填機300から容器400に充填することができる。周囲充填は、必要な冷却が少なくて済み、運転コストを大幅に節約することができる。
【0043】
流体封止機構322を最初に閉じて通気管312を上げることができる。大気圧が通気管312の内部に広がる。空の容器400は、カルーセル206の弁ハウジング330のうちの1つ下方の位置に移動する。次いで、容器400を移動して弁ハウジング330上の容器封止部332と封止係合させることができ、通気管312を充填位置まで下げることができる。容器400は、空気及び他の不純物を容器400から洗い流すために、内側流体チャンバ310からの通気管312を通る不活性ガスでパージすることができる。作動レバー341を作動させて流体封止機構322を開放位置に持ち上げることができる。容器400内の不活性ガスが通気管312を通って内側流体チャンバ310のヘッドスペース320内に通気する間に、流体152を内側流体チャンバ310から容器400内に流入させることができる。容器400及び内側流体チャンバ310内のガス圧力は、充填プロセス中に同じにすることができ、それにより、流体152がもっぱら重力の影響下で容器400内に流れることが可能になる。容器400は、液体が通気管312の第2の端部313bの高さまで上昇するまで充填し続けることができる。容器400内の充填レベルは、通気管312の第2端部313bの下方位置によって決定することができる。流体152が通気管312に到達すると、ガスは通気管312を通って逃げることができなくなるので、流体は容器400内に流れ込むことができなくなる。容器400が所望のレベルまで充填された後、作動レバー341を作動させて、流体封止機構322を、流体封止機構322が弁ハウジング330と封止係合する閉鎖位置へと移動させることができる。次いで、通気管312は容器400から不使用位置まで上昇することができる。最後に、ガスを容器400の頂部から大気中に放出することができる。
【0044】
低温フィルシステムは、約摂氏8度の流体を容器に分注することができる。本発明の一態様では、流体152は、約摂氏15度で容器400内に分注することができ、その結果著しいエネルギーの節約がもたらされる。容器400を約摂氏15度の流体で充填する本発明による充填システムは、約摂氏8度で充填する低温フィルシステムと比較して、流体を冷却するのに必要なシステムエネルギーを約60%減少させることができる。
【0045】
「発明の概要」及び「要約」のセクションではなく、「発明を実施するための形態」のセクションは、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されていることを理解されたい。「発明の概要」及び「要約」のセクションは、本発明者(ら)によって想到されるような、本発明の1つ以上であるがすべてではない例示的な実施形態を示し得るが、本発明及び添付の「特許請求の範囲」をいかようにも限定することを意図するものではない。
【0046】
これまでに、特定機能の実施、及びこれらの関係を例示する機能的構成要素を使って、本発明(複数)について説明してきた。こうした機能的ビルディングブロックの境界は、説明の便宜上、本明細書において任意に定義されている。特定の機能及びこれらの関係が適切に行われるかぎり、代替の境界を定義することができる。
【0047】
特定実施形態の前述の説明により、本発明の一般的な性質が完全に明らかになり、他者が、当業者の知識を適用することによって、過度の試行錯誤をすることなく、本発明の一般的な概念を逸脱することなく、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に修正及び/又は適合させることができる。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書で提示した教示や指導に基づいて、開示の実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書の表現法又は用語法は、説明を目的とするものであって、限定するものではないことを理解されたく、それ故、本明細書の用語や表現法は、教示及び指導の観点から当業者によって解釈されるべきである。
【0048】
本発明の広がり及び範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、下記「特許請求の範囲」及びこれらの均等物に従ってのみ規定されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲温度の炭酸流体が充填された炭化タンクと、
飲料容器充填デバイスと、
前記炭化タンクから前記飲料容器充填デバイスに延在する少なくとも一つの製品供給導管を有するカルーセルと、
前記カルーセルに連結されたガス供給源を備えており、
前記カルーセルは、第1の位置から第2の位置に回転するように構成されており、
前記ガス供給源は、前記カルーセルが前記第1の位置に回転されたとき、容器に不活性ガスを充填するように構成されており、
前記飲料容器充填デバイスは、前記カルーセルが前記第2の位置に回転されたとき、前記容器に前記炭酸流体を充填するように構成されており、
前記周囲温度の炭酸流体は、前記飲料容器充填デバイスの動作中、周囲温度に維持される、飲料容器充填システム。
【請求項2】
前記カルーセルはさらに、前記第2の位置から第3の位置、前記第3の位置から第4の位置、前記第4の位置から第5の位置に回転するように構成されている、請求項1に記載の飲料容器充填システム。
【請求項3】
前記カルーセルが前記第3の位置に回転されたとき、前記ガス供給源は閉じるように構成されている、請求項2に記載の飲料容器充填システム。
【請求項4】
前記カルーセルが前記第3の位置に回転されたとき、前記飲料容器充填デバイスは前記容器への前記周囲温度の炭酸流体の充填を停止するように構成されている、請求項2に記載の飲料容器充填システム。
【請求項5】
前記飲料容器充填デバイスはスニフトパイプを有し、
前記カルーセルが前記第4の位置に回転したとき、前記スニフトパイプは前記容器のヘッドスペースから前記不活性ガスを放出するように構成されている、請求項2に記載の飲料容器充填システム。
【請求項6】
前記周囲温度が約摂氏15度である、請求項1に記載の飲料容器充填システム。
【請求項7】
前記カルーセルに隣接して配置された出口ステーションを有し、
前記出口ステーションは、充填された容器を前記カルーセルから所定位置に送るように構成されている、請求項1に記載の飲料容器充填システム。
【請求項8】
周囲温度の流体が充填された炭化タンクと、
飲料容器充填デバイスであって、
容器内に排出される前記周囲温度の炭酸流体を供給するための内側流体チャンバを画定する上面及び下面を有する支持ハウジングと、
前記流体の前記排出を制御するために前記下面に設けられた弁ハウジングと、
第1の端部及び第2の端部を有する通気管であって、前記第2の端部が、前記弁ハウジングを通って少なくとも部分的に延在する、通気管と、
前記通気管を包囲し、前記通気管の前記第2の端部に隣接して配置されている、散形花序リングと、
前記通気管の前記第1の端部の周りに配置されたばねと、
前記上面に隣接して配置され、前記ばねと共に動作して、前記飲料容器への前記周囲温度の炭酸流体の流れを制御する、流体封止機構と、を備える、飲料容器充填デバイスと、
前記炭化タンクから前記飲料容器充填デバイスに延在する少なくとも一つの製品供給導管を有するカルーセルと、
前記カルーセルに連結されたガス供給源を備えており、
前記カルーセルは、第1の位置から第2の位置に回転するように構成されており、
前記ガス供給源は、前記カルーセルが前記第1の位置に回転されたとき、容器に不活性ガスを充填するように構成されており、
前記飲料容器充填デバイスは、前記カルーセルが前記第2の位置に回転されたとき、前記容器に前記周囲温度の炭酸流体を充填するように構成されており、
前記周囲温度の炭酸流体は、前記飲料容器充填デバイスの動作中、周囲温度に維持される、飲料容器充填システム。
【外国語明細書】