IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヌヴェラ・フュエル・セルズ・インコーポレーテッドの特許一覧

特開2023-156483同心管の触媒反応器アセンブリを製造する方法
<>
  • 特開-同心管の触媒反応器アセンブリを製造する方法 図1
  • 特開-同心管の触媒反応器アセンブリを製造する方法 図2
  • 特開-同心管の触媒反応器アセンブリを製造する方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156483
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】同心管の触媒反応器アセンブリを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 8/06 20060101AFI20231017BHJP
【FI】
B01J8/06 301
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023134013
(22)【出願日】2023-08-21
(62)【分割の表示】P 2021118501の分割
【原出願日】2016-07-22
(31)【優先権主張番号】62/196,737
(32)【優先日】2015-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505163578
【氏名又は名称】ヌヴェラ・フュエル・セルズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100141265
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 有紀
(72)【発明者】
【氏名】ブランシェ,スコット
(72)【発明者】
【氏名】リー,チージャン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】触媒と反応器の管壁との間の密封がより優れた、外部管及び内部管を有する触媒反応器アセンブリの製造方法を提供する。
【解決手段】外部管に円筒状の触媒を挿入すること、円筒状触媒の中心部に内部管を挿入すること、内部管の内側を加圧することにより内部管を触媒に対して放射状に拡張すること、及び外部管の一つの端部を密封すること、を含む工程を経る、外部管及び内部管を有する触媒反応器アセンブリの製造方法とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部管および内部管を有する触媒反応器アセンブリを製造する方法であって、
該外部管に円筒状の触媒を挿入すること;
該内部管を、該触媒を通して挿入すること;および
該内部管を該触媒に向かって放射状に拡張すること
を含む、上記方法。
【請求項2】
前記内部管の第1の端部を密封することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記内部管の第1の端部を密封することが、コンプレッションフィッティングの取り付けおよび溶接のうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記内部管の第2の端部に加圧流体を方向付けることによって、前記内部管が放射状に拡張される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記加圧流体が、液圧作動液である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
拡張物質を前記内部管中に押し通すことによって、前記内部管が放射状に拡張される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記触媒が、微粒子、ペレット、および支持体構造物上に配置されたコーティングのうちの1つまたは複数を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記外部管、前記触媒、および前記内部管が、同心である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記外部管の第1の端部を密封することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
外部管および内部管を有する触媒反応器アセンブリを製造する方法であって、
該外部管に円筒状の触媒を挿入すること;
該触媒および該外部管と同心の該内部管を、該触媒を通して挿入すること;
該内部管の少なくとも第1の端部を、加圧流体の供給源に接続すること;
該供給源から該内部管の少なくとも第1の端部に加圧流体を方向付けること;および
該供給源からの加圧流体を使用して、該内部管を該触媒の内側表面に向かって放射状に拡張すること
を含む、上記方法。
【請求項11】
前記触媒が、予じめ製造された触媒である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記予じめ製造された触媒が、前記外部管の内側表面と接触するように設計されている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記予じめ製造された触媒が、ペレット、微粒子、および支持体構造物上に配置されたコーティングのうちの1つまたは複数を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記内部管の第2の端部を密封することをさらに含み、前記内部管の第2の端部を密封することは、コンプレッションフィッティングの取り付けおよび溶接のうちの1つを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記供給源から前記内部管の第2の端部に加圧流体を方向付けることをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記内部管から加圧流体を排出すること;および
前記内部管の長さを望ましい長さに切断すること
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記外部管の端部上にふたを取り付け、前記外部管の端部を密封することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
外部管および内部管を有する触媒反応器アセンブリを製造する方法であって、
該外部管に円筒状の触媒を挿入すること;
該触媒および該外部管と同心の該内部管を、該触媒を通して挿入すること;
該内部管の第1の端部を、加圧流体の供給源に接続すること;
該内部管の第2の端部を密封すること;
該供給源から該内部管の第1の端部に加圧流体を方向付けること;
該供給源からの加圧流体を使用して、該内部管を該触媒の内側表面に向かって放射状に拡張すること;
該内部管から加圧流体を排出すること;および
該外部管の端部上にふたを取り付け、該外部管の端部を密封すること
を含む、上記方法。
【請求項19】
前記内部管を始めに前記触媒を通して挿入して部分組み立て品を製造し、次に該部分組み立て品を前記外部管に挿入することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記内部管の両方の端部にアクセスできるように、前記内部管は最初は前記外部管よりも長く、さらに、前記内部管を放射状に拡張した後に、前記内部管の少なくとも端部を切断して、前記内部管を前記外部管内に入れることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記内部管を始めに前記触媒を通して挿入して部分組み立て品を製造し、次に該部分組
み立て品を前記外部管に挿入することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項22】
前記内部管の両方の端部にアクセスできるように、前記内部管は最初は前記外部管よりも長く、さらに、前記内部管を放射状に拡張した後に、前記内部管の少なくとも端部を切断して、前記内部管を前記外部管内に入れることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項23】
前記内部管を始めに前記触媒を通して挿入して部分組み立て品を製造し、次に該部分組み立て品を前記外部管に挿入することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記内部管の両方の端部にアクセスできるように、前記内部管は最初は前記外部管よりも長く、さらに、前記内部管を放射状に拡張した後に、前記内部管の少なくとも端部を切断して、前記内部管を前記外部管内に入れることを含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001]本出願は、参照によりその全体が開示に組み入れられる2015年7月24日付
けで出願された米国仮出願第62/196,737号の利益を主張する。
[002]本発明の開示は、触媒反応器アセンブリを製造する方法、より特定には、同心管
の触媒反応器アセンブリ(a concentric-tube catalytic reactor assembly)を製造する方法に向けられる。
【背景技術】
【0002】
[003]触媒反応器は、触媒改質(catalytic reforming)プロセスを介した商業的なガスの生産に使用されるデバイスである。触媒反応器は、供給材料(例えば、炭素質燃料および水蒸気)を受け取り、供給材料を生成物であるガス(例えば、水素、一酸化炭素、二酸化炭素など)に変換する触媒を含有する加熱された通路にそれらを導く。触媒反応器は、時には、他のプロセスを駆動させるのに生成物ガスを消費する他のデバイスと共に使用される。例えば、触媒反応器は、時には、水素を生成し、水素の化学エネルギーを電気に変換する燃料電池へと水素を供給するのに使用される。
【0003】
[004]一部の触媒反応器は、反応器の外径寸法を低減するため、または具体的な物理的
設計およびプロセスの接続ポイントを簡易化するために、管内管(tube-in-tube)または同心管設計を利用する。同心管型反応器は、第1の管を介して供給材料または反応物を導入するが、第1の管は、反応器の触媒材料を含有する第2の管と同心であり(中心を共有し)、第2の管と流体連結(fluidly connected)されているため、比較的少ないスペー
スしか占有しない。同心管設計のコンパクトさは、反応器内の熱伝達効率を改善して、反応器がより低い温度および圧力で作動できるようにする。より低い温度および圧力では、反応器の設計と構築をより簡単にすることができ、より安価な材料の組み込みが可能になり、それによって反応器の構築と作動にかかる全体コストを低減することができる。また同心管型反応器は、全てのプロセス接続を管の一方の端部で行うことも可能にし、それにより構築を簡易化し、熱サイクルの作動条件下で負荷の低い設計を可能にする。
【0004】
[005]反応器効率をさらに改善し、稼働コストを低減するために、製造元は、反応器に
供給された全ての反応物を反応器に含有される触媒によって生成物ガスに確実に変換することを望むであろう。しかしながら、反応器アセンブリに組み込まれる多くの触媒は、それらを反応器アセンブリの間で傷つけることなく反応器の管間をより容易にスライドさせることを可能にするために、外径を低減するかおよび/または内径を増加させるように予め製造されている。そのため触媒と反応器の管との嵌合が緩くなり、作動中に、反応物が生成物ガスに変換されることなく触媒と反応器の管との間を通過する可能性があり、それによって反応器の変換効率が低減する。代替の製造方法は、複雑な取り付け部品と組立手順の使用を含んでおり、時間を浪費し費用がかかる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[006]それゆえに、触媒と反応器の管との間により優れた密封(seal)をもたらす同心
管の触媒反応器を製造する改善された方法への必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[007]本発明の開示の一形態は、外部管および内部管を有する触媒反応器アセンブリを
製造する方法に向けられる。本方法は、外部管に触媒を挿入すること、および内部管を、触媒を通して挿入することを含んでいてもよい。本方法は、内部管を触媒に対して放射状
に拡張することをさらに含んでいてもよい。
【0007】
本発明の開示の他の形態は、外部管および内部管を有する触媒反応器アセンブリを製造する方法に向けられる。本方法は、外部管に触媒を挿入すること、ならびに触媒および外部管と同心の内部管を、触媒を通して挿入することを含んでいてもよい。本方法は、内部管の少なくとも第1の端部を、加圧流体の供給源に接続すること、前記供給源から内部管の少なくとも第1の端部に加圧流体を方向付けること、および供給源からの加圧流体を使用して、内部管を触媒の内部表面に対して放射状に拡張することをさらに含んでいてもよい。
【0008】
[008]本発明の開示の他の形態は、外部管および内部管を有する触媒反応器アセンブリ
を製造する方法に向けられる。本方法は、外部管に触媒を挿入すること、ならびに触媒および外部管と同心の内部管を、触媒を通して挿入することを含んでいてもよい。本方法は、前記内部管の第1の端部を、加圧流体の供給源に接続すること、前記内部管の第2の端部を密封すること、前記供給源から前記内部管の第1の端部に加圧流体を方向付けること、および供給源からの加圧流体を使用して、内部管を触媒の内部表面に対して放射状に拡張することをさらに含んでいてもよい。本方法は、前記内部管から加圧流体を排出することをさらに含んでいてもよい。本方法は、前記外部管の端部上にふたを取り付け、前記外部管の端部を密封することをさらに含んでいてもよい。
【0009】
[009]前述の一般的な説明と以下の詳細な説明はいずれも単に典型的で説明的なものに
すぎず、特許請求された開示を限定しないことが理解されるべきである。
[010]添付の図面は、本明細書に取り入れられ本明細書の一部を構成しており、本発明
の開示の実施態様を例示し、その記載と共に本開示の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】[011]図1は、例示的な開示された触媒反応器アセンブリの長手方向断面の図解である。
図2】[012]図2は、図1の触媒反応器アセンブリの横方向(latitude)断面の図解である。
図3】[013]図3は、例示的な開示された図1の触媒反応器を製造する方法を描写するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[014]以下、本発明の開示の例示的な実施態様について詳細に述べ、その実施例は、添
付の図面に例示される。可能な限り、同じまたは類似の部品を指すために図面全体にわたり同じ参照番号が使用される。本開示は、触媒反応器アセンブリに関して記載されているが、本発明の開示の方法は、これらに限定されないが、触媒反応器、排気浄化触媒、微粒子フィルター、マフラーおよび消音デバイス、ならびに熱交換器などの様々な種類のデバイスに採用できることが理解される。
【0012】
[015]図1は、例示的な実施態様に係る触媒反応器アセンブリ(「アセンブリ」)10
0の断面の図解を示す。アセンブリ100は、外部管110、内部管120、および外部管110と内部管120との間に配置された触媒130を含んでいてもよい。触媒130は、例えば、トロイド状または「ドーナツ型」の触媒、円柱形の触媒、または環状の触媒であり得る。触媒は、個々のペレットの形態であってもよいし、または金属箔構造上にコーティングされていてもよい。触媒は、単一の大きい要素であってもよいし(図1に示した通り)、またはより短い個々のトロイド型の要素が共に並べられた形態であってもよい。短い個々のトロイド型の要素は、互いに隙間なく(tightly)並べられていてもよいし
、または間隔を置いて並べられていてもよい。図1の実施態様において、外部管110、
内部管120、および触媒130は、共通の軸140について同心である。例えば、アセンブリ100は、同心管型反応器または管内管型反応器であり得る。他の実施態様において、外部管110、内部管120、および触媒130は、互いに少しずれていてもよい(offset from one another)。
【0013】
[016]反応物は、アセンブリ100の外部管110および内部管120のうちの一方の
第1の端部150に流れ込み、触媒130を通り、アセンブリ100の外部管110および内部管120のうちの他方の閉鎖した第2の端部160にに流れ込んでもよい。第2の端部160は、ふた170(例えば、外部管110に溶接されている)、コンプレッションフィッティング(compressing fitting)、または他の密封メカニズムによって密封さ
れていてもよい。図1に示されるように、反応物は、外部管110の第1の端部150に流れ込み、触媒130を通り、第2の端部160で内部管120に流れてもよい。触媒130を通過した後、反応物は生成物(例えば、生成物ガス)に変換され、第1の端部150における内部管120を介してアセンブリ100を出ることができる。別の実施態様において、反応物は、内部管120の第1の端部150を介してアセンブリ100に流れ込み、触媒130を通って、第2の端部160において外部管110に流れ込んでもよい。触媒130を通過した後、反応物は生成物に変換され、外部管110を介して第1の端部150においてアセンブリ100を出ることができる。外部管110、内部管120、および触媒130の他の立体配置も可能である。
【0014】
[017]外部管110および内部管120は、アセンブリ100内での反応が実行される
温度および圧力に耐えるように設計された金属または他の材料で形成されていてもよい。例えば、外部管110および内部管120は、ステンレス鋼および/もしくは他の鋼、またはニッケルベースの合金、例えば鉄、クロム、ニッケル、ニオブ、および/もしくは他の材料の1つまたはそれより多くを含有する合金などで形成されていてもよい。外部管110および内部管120はそれぞれ、アセンブリ100の望ましい作動パラメーターおよび条件に基づいて望ましい直径および厚さを有していてもよい。例えば、外部管110および内部管120の直径は、より高い処理量(すなわち、より多くの生産量および/またはより高い生産速度)に適応するように増加させることができ、管110、120の厚さは、より高い作動圧力および/または温度に適応するように増加させることができる。
【0015】
[018]触媒130は、外部管110内に嵌まるように設計された、予め製造された(pre-fabricated)触媒であり得る。触媒130は、微粒子、ペレット、および支持構造上に
配置されたコーティングの1つまたはそれより多くを含んでいてもよい。例えば、触媒130は、構造化された支持体(例えば、ハニカム、壁面流(wall flow)、フロースルー
、繊維、メッシュ、スクリーン、波形のホイル、型押しされたホイル、金属またはセラミックフォーム、穿孔されたホイルなど)の上に配置された触媒コーティングを含んでいてもよい。構造化された支持体は、アセンブリ100の望ましい作動パラメーターに耐えるように設計された1つまたはそれより多くの材料(例えば、シリカ、アルミナ、コーディエライト、ゼオライト、セラミック、金属、金属合金、ワイヤーメッシュなど)で形成されていてもよい。微粒子およびペレットを触媒性材料で形成するかまたは触媒性材料でコーティングして、触媒床を形成してもよい。
【0016】
[019]触媒130は、例えば、ニッケル、コバルト、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、白金、および/または他の貴金属ならびにそれらの混合物などの1つまたはそれより多くの触媒性材料を組み込んでいてもよい。触媒130はさらに、またはその代替として、例えば金、銀、スズ、銅、コバルト、モリブデン、鉄、ガドリニウム、ホウ素などを含む触媒性材料の混合物を含んでいてもよい。例えば金属酸化物(例えば、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウム)および混合金属酸化物などの他の材料も、追加で使用してもよいし、または代替として使用してもよい。
【0017】
[020]図2に示されるように、触媒130は、外部管110と内部管120との間の環
状のスペース中に配置されていてもよい。環状のスペースは、外部管110の内径Dおよび内部管120の外径Dによって定義することができる。触媒130は、望ましい外径Dおよび望ましい内径Dを有するように予め製造されていてもよい。例えば、触媒130の外径Dは、触媒が外部管110内に特定の嵌合を達成できるように設計されていてもよい。すなわち、Dは、触媒130が、外部管110内に、例えばぴったりと、緩く、または非常にきつく嵌合するように選択されてもよい。触媒130の内径Dはまた、内部管120の周囲で望ましい嵌合(例えば、ぴったりとした嵌合、緩い嵌合、または非常にきつい嵌合など)が生じるように選択されてもよい。
【0018】
[021]図3は、例示的な開示されたアセンブリ100を製造する方法300を描写する
フローチャートを示す。アセンブリ100の製造は、外部管110に触媒130を挿入することから始めることができる(工程310)。触媒130は、第1の端部および第2の端部150、160が開口した外部管110に挿入することができる。触媒130は、外部管110に挿入されたときに望ましい嵌合が生じるように予じめ製造することができる。例えば、一部の実施態様において、触媒130は、挿入時に、外部管110内にぴったりと、または非常にきつく嵌合するように、予じめ製造することができる。他の実施態様において、触媒130は、内部管120を取り付けるときに外部管110の内部に対して触媒130を放射状に拡張することを可能にするために、外部管110への挿入時にあまりぴったりと嵌合しないように予じめ製造することができる。
【0019】
[022]アセンブリ100の製造は、内部管120を、触媒130の中心部を通るように
挿入することによって続けることができる(工程320)。取り付け前、内部管120の外径Dは、最初のうちは触媒130の内径より小さくてもよい。この方式で、内部管120は、触媒130を傷付けることなく触媒130を通して挿入することができる。触媒130を外部管110中に取り付けた後、内部管120を、触媒130を通して挿入することによって、外部管110を長手方向または横方向の部品に分解することなくアセンブリ100の部品を取り付けることができる。取り付け前、後の製造工程において、内部管120の両方の端部にアクセスできるように、内部管120は、最初のうちは外部管110より長くてもよい。
【0020】
[023]他の実施態様において、アセンブリ100の製造は、内部管120の上またはそ
の周囲に触媒130を滑らすことから始めることができる。触媒130が内部管120上を滑る(slip)とき、内部管120の両方の端部は開口していてもよいし、または一方の端部が閉鎖していてもよい。触媒130は、取り付け時に内部管120の周囲で望ましい嵌合が生じるように予じめ製造することができる。例えば、一部の実施態様において、触媒130は、一旦取り付けられたら内部管120の周囲にぴったりと、または非常にきつく嵌合するように予じめ製造することができる。他の実施態様において、触媒130は、内部管120が触媒130の内部に対して放射状に拡張することを可能にするために、内部管120の周囲にあまりぴったりと嵌合しないように予じめ製造されていてもよい。
【0021】
[024]触媒130が最初に内部管120上を滑る実施態様において、アセンブリ100
の製造は、アセンブリとしてまたは部分組み立て品(sub-assembly)として、内部管120を触媒130と共に外部管110に挿入することによって続けることができる。取り付け前、触媒130の外径Dは、最初のうちは外部管110の内径Dより小さくてもよく、そうすることにより、触媒130を(単独で、または内部管120とのアセンブリとして)傷付けることなく外部管110に挿入することができる。この方式でも、アセンブリ100は、外部管110を長手方向または横方向の部品に分解したり、触媒130および/または内部管120の取り付け後にそれらを再度組み立てたりすることなく製造する
ことができる。
【0022】
[025]内部管120および触媒130を取り付けた後、内部管120の1つの端部を任
意に密封してもよい(工程330)。例えば、内部管120の1つの端部は、後の製造工程中に内部管120内の流体の圧力を増加させることができるように、溶接により閉じられてもよいし、コンプレッションフィッティングで端部を閉じてもよいし(capped off)、または別の方法によって密封されてもよい。内部管120の1つの端部を密封することは、プロセス300の前に実行してもよいし、またはプロセス300中の別の時点で実行してもよいことが理解される。
【0023】
[026]次いで内部管120を、例えばハイドロフォーミングプロセスを使用して加圧し
、触媒130に対して放射状に拡張してもよい(工程340)。すなわち、加圧流体を内部管120に方向付けて、内部管120の材料を触媒130に向かうように外側に(すなわち、放射状に)拡張させ、それによって内部管の外径Dを増加させることができる。例えば、内部管の1つの端部が密封されている実施態様において(すなわち、工程330が実行される場合)、内部管120の開放端は、例えば圧縮機またはポンプなどの加圧流体の供給源に流体連結されていてもよい。内部管120の両方の端部が開口したままの実施態様において(すなわち、工程330が実行されない場合)、内部管120の両方の端部は、加圧流体の供給源に接続されていてもよい。内部管120内の圧力は、内部管120が望ましいサイズ(例えば、望ましい外径D)に拡張するまで増加させてもよい。この方式において、アセンブリ100の作動中に内部管120と触媒130との間での反応物の流出を防ぐために、内部管120の外径Dを、触媒130との密封(seal)が形成されるように増加させてもよい。
【0024】
[027]一部の実施態様において、加圧流体を内部管120に方向付けて、内部管120
を直接拡張させることができる。例えば、比較的圧縮されにくい流体(例えば、液圧作動液(hydraulic fluid)、水など)の圧力は、内部管120が望ましいサイズに拡張するまで、内部管120内で徐々に増加させることができる。内部管120内の圧力を制御することによって、内部管120と触媒130との間の密封のきつさ(tightness)を制御す
ることができる。すなわち、内部管120内の圧力を増加させることにより、内部管120はより拡張して、触媒130とのよりきつい密封を作り出すことができる。一部の実施態様において、内部管120の拡張は、触媒130の内径Dおよび/または外径Dを拡張させることができ、それによって触媒130と外部管110の内側および/または内部管120の外側との間によりきつい密封を作り出すことができる。
【0025】
[028]他の実施態様において、例えば金属球体またはロッドなどの拡張物質(expansion
object)を内部管120中に押し入れて、それを望ましいサイズに拡張させることがで
きる。例えば、加圧流体の力のもとで、または機械的なデバイスによって、内部管120が十分に拡張するまで、拡張物質を内部管120を通して推し進めたり、または引き出したりすることができる。要求に応じて、および/または用途に応じて、様々な形状、材料、および/またはサイズを有する様々な拡張物質(例えば、ボール、バレット(bullet)など)を使用することができる。
【0026】
[029]拡張技術としてはさらに、または代替として、内部管120を拡張するのに適し
た、内部スエージング加工技術(internal swaging techniques)および/または他の管
拡張技術を挙げることができる。例えば、エラストマー製のスエージング加工器具は、ドローボルト(drawbolt)に取り付けられたエキスパンダーを内部管120に押し通すことにより内部管を触媒130に対して拡張させるのに適合するであろう。他のスエージング加工技術および/またはスエージング加工ツール(例えば、パンチ、プレス、回転式のスエージなど)も、内部管120の拡張に適合する可能性がある。
【0027】
[030]内部管120が触媒130に対して十分に拡張した後、内部管120を減圧して
もよい(工程350)。すなわち、内部管120から加圧流体および/または拡張物質を排出して、内部管を空にしてもよい。また内部管120は、加圧流体の供給源との連結を断ってもよい。内部管の1つの端部を密封した実施態様において、内部管の密封した端部はまた、それをどのように密封したかに基づいて再度開くこともできる。例えば、内部管120を溶接プロセスで密封した場合にそれを再度開くために、切断技術を使用することができる。内部管120を密封するのにコンプレッションフィッティングが使用された場合、コンプレッションフィッティングを取り除いてもよい。
【0028】
[031]次いで内部管120の少なくとも1つの端部を、望ましい長さに切断することが
できる(工程360)。例えば、内部管120の1つの端部(例えば、第2の端部160の近く)を適切な長さに切断して、内部管120を外部管110内に入れることができる。次いで外部管110を1つの端部で密封して(工程370)、外部管110内に内部管120を封入することができる。例えば、ふた170を第2の端部160で外部管110上に取り付けて、外部管110を密封して、アセンブリ100の作動中に流体を内部管120内に入れることができる。ふた170は、溶接プロセス、コンプレッションフィッティング、または別の密封方法を使用して取り付けることができる。
【0029】
[032]数々の利点が、開示された方法に付随する可能性がある。例えば、内部管120
は、触媒130を通して挿入された後に拡張することができるため、内部管120を触媒130に対して十分に密封して、アセンブリ100の作動中に反応物が触媒130を迂回することを防ぐことができる。また、内部管120は、触媒130を通して挿入された後に拡張することができるため、アセンブリ100は、簡単な設計にすることができ、強健であり、費用効率が高く、高い生産速度で製造可能である。さらに、触媒130が外部管110内に取り付けられた後に、内部管120を触媒130内で拡張させることができることから、外部管110を複数の部分に分解してしてそれらを再度接合させることなく、触媒反応器アセンブリ100の部品を形成し、組み立てることができる。
【0030】
[033]本発明の開示の他の実施態様は、明細書の考察と本明細書に記載の本発明の開示
の実施から当業者には明らかであると予想される。明細書および実施例は単なる例示とみなされ、本発明の開示の真の範囲および本質は以下の特許請求の範囲により示されることが意図される。
【符号の説明】
【0031】
100 触媒反応器アセンブリ
110 外部管
120 内部管
130 触媒
140 共通の軸
150 第1の端部
160 第2の端部
170 ふた
図1
図2
図3