(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156508
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】防災機器
(51)【国際特許分類】
G08B 17/06 20060101AFI20231017BHJP
【FI】
G08B17/06 K
G08B17/06 F
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023135473
(22)【出願日】2023-08-23
(62)【分割の表示】P 2019096914の分割
【原出願日】2019-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】鷲頭 佳祐
(72)【発明者】
【氏名】土肥 学
(57)【要約】
【課題】検出素子に対する検出対象の流入特性を向上させつつ、検出素子への接触対象の接触を防止することが可能となる防災機器を提供すること。
【解決手段】
監視領域の設置面に取付けられる感知器100であって、監視領域の空間に露出して設けられ検出対象の物理量を検出する検出素子と、監視領域側に於いて検出素子を収容して検出素子を保護すると共に監視領域から検出素子への検出対象の流通を可能とする開口部122を有する保護部12と、を備え、開口部122に防止部13を設け、防止部13は、設置面に沿う方向において感知器100の平面視略中央部を基準として当該中央部から最も遠い端部が、円形部材設置面に沿う方向に於ける外縁部よりも外側に設けられている
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視領域の設置面に取付けられる防災機器であって、
前記監視領域の空間に露出して設けられ検出対象の物理量を検出する検出素子と、
前記監視領域側に於いて前記検出素子を収容して前記検出素子を保護すると共に前記監視領域から前記検出素子への前記検出対象の流通を可能とする開口部を有する保護手段と、を備え、
前記保護手段は、
前記検出素子の前記監視領域の空間に露出する部分の先端側であって前記監視領域側に設けられた被支持部材と、当該被支持部材の前記設置面に沿う方向に於ける外縁部と前記防災機器の前記検出素子の前記監視領域の空間に露出する部分の根元側であって前記設置面側とを接続する複数の支持部材と、を有し、
前記開口部は、前記複数の支持部材と、前記被支持部材とによって仕切られており、
前記外縁部に沿って相互に隣接する前記支持部材の間の前記開口部に、防止手段を設け、
前記防止手段は、当該防止手段が設けられていない場合には前記監視領域側から前記開口部を介して前記検出素子に対する所定の接触対象の侵入が可能となり、当該防止手段が設けられている場合には前記侵入が防止され、
前記防止手段は、前記設置面に沿う方向において前記防災機器の平面視略中央部を基準として当該中央部から最も遠い端部が、前記被支持部材の前記設置面に沿う方向に於ける外縁部よりも外側に設けられている、
防災機器。
【請求項2】
前記防止手段は、前記設置面に沿う方向において前記防災機器の平面視略中央部を基準として当該中央部に最も近い端部が、前記被支持部材の前記設置面に沿う方向に於ける外縁部よりも外側に設けられている、
請求項1に記載の防災機器。
【請求項3】
前記外縁部に沿って相互に隣接する前記支持部材の間の前記開口部に、前記防災機器の前記検出素子の前記監視領域の空間に露出する部分の根元側であって前記設置面に沿う方向に於ける前記検出素子の周辺部から前記被支持部材側へ延出した突起であって前記被支持部材に接続されない突起からなる前記防止手段を設け、
前記防止手段の前記突起は、当該突起が設けられていない場合には前記監視領域側から前記開口部を介して前記検出素子に対する所定の接触対象の侵入が可能となり、当該突起が設けられている場合には前記侵入が防止される突起である、
請求項1又は2に記載の防災機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防災機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井等に設置されて火災による熱を検出する感知器が知られていた(例えば、特許文献1参照)。この感知器は、プロテクタに収容されているサーミスタで温度を計測して熱を検出していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、特許文献1の感知器を含めて、熱を検出する感知器については、一般的に、プロテクタに収容されているサーミスタへの熱気流の流入特性を向上させることが要望されていた。
【0005】
しかしながら、当該要望に応えるためには、プロテクタの開口部を広げる必要があったが、開口部を広げすぎると、施工時に開口部を介してユーザの指が進入してしまいサーミスタを損傷させてしまう可能性があった。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、検出素子に対する検出対象の流入特性を向上させつつ、検出素子への接触対象の接触を防止することが可能となる防災機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の防災機器は、監視領域の設置面に取付けられる防災機器であって、前記監視領域の空間に露出して設けられ検出対象の物理量を検出する検出素子と、前記監視領域側に於いて前記検出素子を収容して前記検出素子を保護すると共に前記監視領域から前記検出素子への前記検出対象の流通を可能とする開口部を有する保護手段と、を備え、前記保護手段は、前記検出素子の前記監視領域の空間に露出する部分の先端側であって前記監視領域側に設けられた被支持部材と、当該被支持部材の前記設置面に沿う方向に於ける外縁部と前記防災機器の前記検出素子の前記監視領域の空間に露出する部分の根元側であって前記設置面側とを接続する複数の支持部材と、を有し、前記開口部は、前記複数の支持部材と、前記被支持部材とによって仕切られており、前記外縁部に沿って相互に隣接する前記支持部材の間の前記開口部に、防止手段を設け、前記防止手段は、当該防止手段が設けられていない場合には前記監視領域側から前記開口部を介して前記検出素子に対する所定の接触対象の侵入が可能となり、当該防止手段が設けられている場合には前記侵入が防止され、前記防止手段は、前記設置面に沿う方向において前記防災機器の平面視略中央部を基準として当該中央部から最も遠い端部が、前記被支持部材の前記設置面に沿う方向に於ける外縁部よりも外側に設けられている。
【0008】
また、請求項2に記載の防災機器は、請求項1に記載の防災機器において、前記防止手段は、前記設置面に沿う方向において前記防災機器の平面視略中央部を基準として当該中央部に最も近い端部が、前記被支持部材の前記設置面に沿う方向に於ける外縁部よりも外側に設けられている。
【0009】
また、請求項3に記載の防災機器は、請求項1又は2に記載の防災機器において、前記外縁部に沿って相互に隣接する前記支持部材の間の前記開口部に、前記防災機器の前記検出素子の前記監視領域の空間に露出する部分の根元側であって前記設置面に沿う方向に於ける前記検出素子の周辺部から前記被支持部材側へ延出した突起であって前記被支持部材に接続されない突起からなる前記防止手段を設け、前記防止手段の前記突起は、当該突起が設けられていない場合には前記監視領域側から前記開口部を介して前記検出素子に対する所定の接触対象の侵入が可能となり、当該突起が設けられている場合には前記侵入が防止される突起である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の防災機器によれば、本願の課題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る防災機器の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
〔実施の形態の基本的概念〕
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、防災機器に関するものである。
【0014】
「防災機器」とは、防災のために用いられる機器であり、例えば、監視領域の異常を検出する機器等を含む概念であり、一例としては、熱感知器、火災感知器、ガス感知器、及び煙感知器等を含む概念である。また、「防災機器」とは、例えば、外カバー、検出素子、検出素子保護手段、及び防止手段を備える。
【0015】
「監視領域」とは、防災機器による監視の対象となっている領域であり、具体的には、一定の広がりを持った空間であり、例えば、建築物の部屋(例えば、1階の部屋A、1階の部屋B等)、廊下、階段等を含む概念である。また、「監視領域の異常」とは、監視領域の状態が通常とは異なっている状態であることであり、具体的には、火災発生、ガス漏れ等を含む概念である。
【0016】
「外カバー」とは、例えば、防災機器の構成要素の少なくとも一部を覆うものである。
【0017】
「検出素子」とは、例えば、検出対象の物理量を検出するための構成要素であり、一例としては、サーミスタの如き温度センサ、発光ダイオード及びフォトダイオード等にて構成される煙センサ、及びガスセンサ等を含む概念である。「検出対象の物理量」とは、例えば、監視領域の異常に起因して発生又は変化し得る量であり、一例としては、熱による温度、煙濃度、一酸化炭素ガス等の濃度等を含む概念である。ここで、「検出対象」とは例えば検出する物理量が熱(温度)である場合には熱気流、検出する物理量が煙濃度である場合には煙粒子を含む気流、検出する物理量がガス濃度、例えば一酸化炭素ガス濃度である場合には一酸化炭素ガスを含む気流、等を含む概念である。
【0018】
「検出素子保護手段」とは、検出素子を収容するものであり、具体的には、外カバーに設けられているものであり、また、開口部を介して検出対象を検出素子に向けて流入又は流出させる開口部を有するもの等を含む概念である。具体的には例えば、熱感知器に設けた検出素子としてのサーミスタに向けて外部から熱気流を流入させると共にサーミスタ側から外部へ流出させつつサーミスタを保護するサーミスタガード、また例えば、開口である煙流入流出口を介して煙感知器に設けた煙センサとしての検煙部へ外部から煙粒子を含む気流を流入させると共に検煙部から外部へ流出させつつ検煙部を保護する煙センサガード部或いは煙センサ収容カバー部等を含む概念である。
【0019】
「防止手段」とは、検出素子に対して接触対象が接触することを防止する手段であって、検出素子保護手段の開口部に設けられているものであり、具体的には、突起である。また、「防止手段」とは、例えば、外カバー側から突出しているもの等を含む概念であり、また、開口部の縁部における中央寄りの位置に設けられているもの等を含む概念であり、また、当該防止手段における外面は湾曲しているもの等を含む概念であり、また、複数の開口部に対して少なくとも1個設けられているもの等を含む概念である。
【0020】
なお、「接触対象」とは、検出素子に対して接触することが防止手段によって防止される対象であり、例えば、ユーザの指等を含む概念である。
【0021】
そして、以下に示す実施の形態では、「防災機器」が熱感知器である場合について説明する。
【0022】
[実施の形態の具体的内容]
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0023】
(構成-感知器)
まず、本実施の形態に係る感知器の構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態における感知器の斜視図であり、
図2は、感知器の平面図であり、
図3は、感知器の側面図であり、
図4は、
図2のA‐A断面図である。なお、各図では、Z軸が垂直方向を示しており、Z軸と直交するX軸及びY軸が水平方向を示していることとして説明する。各図の感知器1は、防災機器であり、具体的には、熱を検出する熱感知器であり、例えば、天井等の取付対象900に対して
図3の感知器100の取付部101(詳細構造の図示は省略)を介して取り付けられるものであり、一例としては、
図1の外カバー11、保護部12、防止部13、
図4のサーミスタ14、発光部15を備える。
【0024】
(構成-感知器-外カバー)
図1の外カバー11は、感知器100の構成要素の少なくとも一部を覆うものである。この外カバー11の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、
図3に示すように、取付部101から離れても同径の円筒状の部分と、取付部101から離れるにつれて小径となるテーパー形状の部分とを備えるものであり、また、特記する部分を除いて遮光性を有するものであり、また、
図2の導光部111を備えるものである。なお、「遮光性」とは、光を遮る性能であり、例えば、外カバー11における内側から外側に対して光を通さない性能等を示す概念である。
【0025】
導光部111とは、光を導いて発光する導光手段である。この導光部111の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、外カバー11の一部に形成されているものであり、また、光を導いて発光するライトガイドとして機能するために任意の材料にて形成されるものであり、また、外カバー11における遮光性を有する部分とは別体として形成されているものであり、また、外カバー11における内側から外側に対して光を通すものである。また、導光部111は、例えば、外カバー11の正面部側(-Z方向)から外カバー11の側面部側(+X方向又は-X方向)にわたっているものであり、また、2個設けられているものであり、また、
図2に示すように、直線形状のものである。
【0026】
(構成-感知器-保護部)
図1の保護部12は、前述の検出素子保護手段である。この保護部12の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、外カバー11の一部に形成されているものであり、また、光を導いて発光するライトガイドとして機能するために任意の材料にて形成されるものであり、また、外カバー11における遮光性を有する部分とは別体として形成されているものであり、また、外カバー11における内側から外側に対して光を通すものである。また、保護部12は、例えば、
図4のサーミスタ14を保護する、所謂サーミスタガードであり、また、当該サーミスタ14を収容するための中空部を有するものであり、外カバー11から取付部101の反対側(-Z方向)に向かって突出しているものであり、また、外カバー11が広がっている方向(XY平面に平行な方向)において当該外カバー11の中央に設けられているものであり、また、導光部111と一体的に形成されているものである。また、保護部12は、例えば、
図1のフレーム部121、開口部122、及び
図4の分光部123を備えるものである。
【0027】
図5は、
図3の一部の拡大図である。
図5に示すフレーム部121は、例えば、保護部12の少なくとも一部の外形を形成す部分であり、また、感知器100における先端部分(-Z方向)を形成する1個の円形部材121Aと、当該円形部材121Aと外カバー11との間において当該円形部材121Aを支持している6個の支持部材121Bとを備える部分である。
【0028】
開口部122は、例えば、保護部12の中空部に設けられている
図4のサーミスタ14に対して熱気流を流入又は流出させる部分であり、また、前述のフレーム部121の6個の
図5の支持部材121Bで区切られて6個設けられている部分である。
【0029】
図4の分光部123は、例えば、発光部15から出力される光を屈折、分散、又は反射させる部分であり、また、発光部15と対向している部分である。
【0030】
(構成-感知器-防止部)
図1の防止部13は、保護部12に収容されているサーミスタ14に対して接触対象であるユーザの指が接触することを防止する防止手段である。この防止部13の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、開口部122に設けられている突起であり、また、
図5に示すように、外カバー11側から突出しているものであり、また、開口部122の縁部における中央寄りの位置に設けられているものであり、また、
図2に示すように、各開口部122に対して1個ずつ合計6個設けられているものである。また、
図5の防止部13の外面131は、湾曲しており、詳細には、外カバー11が広がっている方向(XY平面に平行な方向)において感知器1の外側から内側に向かうにつれて、高さ方向(Z軸方向)において円形部材121A側(-Z方向)に近付く(つまり、外カバー11からの距離が離れる)ように、湾曲している。
【0031】
なお、ここでの防止部13及び開口部122の大きさは任意であるが、例えば、保護部12の中空部のサーミスタ14側に対する熱気流の流入及び流出を考慮しつつ、ユーザの指が開口部122を介して当該中空部に入り込んでサーミスタ14に接触することが防止されるように決定することとする。なお、この場合、ユーザの指の大きさについては、予め定められた大きさを想定してもよいし、あるいは、所定のテストフィンガー(試験指)の大きさを想定してもよい。
【0032】
(構成-感知器-サーミスタ)
図4のサーミスタ14は、前述の検出素子である。このサーミスタ14の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、熱又は熱気流による温度を検出するものであり、また、外カバー11が広がっている方向に対して直交する方向(Z軸方向)において突出しているものであり、保護部12に収容されているものである。
【0033】
(構成-感知器-発光部)
図4の発光部15は、前述の発光手段である。この発光部15の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、導光部111、及び保護部12を発光させるものであり、また、分光部123に向かって光を出力するものであり、また、発光ダイオード等を用いて構成することができるものである。
【0034】
(接触の防止)
次に、このように構成される感知器100のサーミスタ14に対するユーザの指の接触の防止について説明する。感知器100の施工時等の任意のタイミングでユーザが感知器100を手で持って作業を行うことが想定されるが、この場合、ユーザの指が
図5の開口部122を介して保護部12の中空部に入り込もうとした場合、開口部122に設けられている防止部13に当接することになるので、当該ユーザの指が防止部13によって止められて、サーミスタ14に対して当該ユーザの指が接触することが防止される。従って、サーミスタ14について接触による損傷を防止することが可能となる。また、当該ユーザの指がサーミスタに近接することによる静電気破壊を防止することが可能となる。
【0035】
(発光)
次に、このように構成される感知器100による発光について説明する。なお、感知器100が発光するタイミングは任意であり、例えば、感知器100の状態を報知する場合、あるいは、感知器100がサーミスタ14で検出した熱の温度に基づいて火災を判定した場合等の任意のタイミングが想定される。なお、感知器100が火災を判定する処理は、従来と同様の処理を適用することができるので、その説明は省略する。
図6は、
図4において光路を例示した図である。
【0036】
図6の感知器100の不図示の制御部が発光部15から光を出力する。この場合、当該発光部15からの光は、分光部123にて屈折、分散、又は反射されて、
図6に示すように、導光部111及び保護部12全体に導光される。なお、
図5では、説明の便宜上、図面左側の発光部15からの光の光路のみが図示されているが、実際には、図面右側の発光部15からも光が出力されて、導光部111及び保護部12全体に導光されることになる。そして、
図1の導光部111及び保護部12全体が発光することになる。このように発光させることにより、感知器100が設置されている部屋のあらゆる位置から、感知器100の発光を視認することが可能となる。
【0037】
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、開口部122に設けられている防止部13を備えており、当該防止部13は突起であることにより、例えば、開口部122のサイズを比較的大きくした場合であっても、当該開口部122を介して進入しようとする指に対して突起が当接することになるので、サーミスタ14に対する検出対象である熱気流の流入特性を向上させつつ、サーミスタ14への接触対象であるユーザの指の接触を防止することが可能となる。また、当該ユーザの指がサーミスタ14に近接することによる静電気破壊を防止することが可能となる。
【0038】
また、防止部13は外カバー11側から突出していることにより、例えば、防止部13の周辺の強度を向上させることができるので、防止部13に対して接触対象が当接した場合に防止部13の周辺が破損することを防止することが可能となる。
【0039】
また、防止部13は開口部122の縁部における中央寄りの位置に設けられていることにより、例えば、接触対象のサーミスタ14側への進入を確実に防止することができるので、サーミスタ14への接触対象の接触を確実に防止することが可能となる。また、例えばユーザの指がサーミスタ14に近接することによる静電気破壊を防止することが可能になる。
【0040】
また、防止部13における外面131は湾曲していることにより、例えば、接触対象が防止部13に当接した場合に当該接触対象である指のユーザ側に痛覚を与えることを防止することが可能となる。また、例えば、防止部13の外面に沿って検出対象を流入させることができるので、検出対象の流入特性を向上させることが可能となる。また、例えば、感知器100全体において統一した印象を与えることができるので、感知器100の意匠性を向上させることが可能となる。
【0041】
また、防止部13は、複数の開口部122に対して少なくとも1個設けられていることにより、例えば、接触対象のサーミスタ14側への進入を確実に防止することができるので、サーミスタ14への接触対象の接触を確実に防止することが可能となる。また、例えばユーザの指がサーミスタ14に近接することによる静電気破壊を防止することが可能になる。
【0042】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0043】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の詳細に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
【0044】
(分散や統合について)
また、上述した構成は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。
【0045】
(防止部について)
また、
図2の防止部13の構成を任意に変更してもよい。例えば、防止部13を各開口部122に対して2個以上ずつ設けてもよいし、また、6個の開口部122のうちの一部のみの開口部122に対して防止部13を設けてもよい。また、例えば、開口部122における防止部を設ける位置を任意に変更してもよく、一例としては、
図5における円形部材121A又は支持部材121Bに対して防止部13を設けてもよい。
【0046】
(特徴について)
また、上記実施の形態の構成、及び変形例の特徴を、任意に組み合わせてもよい。
【0047】
(付記)
付記1の防災機器は、外カバーと、検出対象の物理量を検出するための検出素子と、前記検出素子を収容する検出素子保護手段であり、前記外カバーに設けられている前記検出素子保護手段であって、前記検出対象を前記検出素子に対して流入又は流出させる開口部を有する前記検出素子保護手段と、前記検出素子に対して接触対象が接触することを防止する防止手段であって、前記開口部に設けられている前記防止手段と、を備え、前記防止手段は、突起である。
【0048】
付記2の防災機器は、付記1に記載の防災機器において、前記防止手段は、前記外カバー側から突出している。
【0049】
付記3の防災機器は、付記1又は2に記載の防災機器において、前記防止手段は、前記開口部の縁部における中央寄りの位置に設けられている。
【0050】
付記4の防災機器は、付記1から3の何れか一項に記載の防災機器において、前記防止手段における外面は湾曲している。
【0051】
付記5の防災機器は、付記1から4の何れか一項に記載に防災機器において、前記防止手段は、複数の前記開口部に対して少なくとも1個設けられている。
【0052】
付記6の防災機器は、付記1から5の何れか一項に記載の防災機器において、前記防災機器は、少なくとも、熱感知器である。
【0053】
(付記の効果)
付記1に記載の防災機器によれば、開口部に設けられている防止手段を備えており、当該防止手段は突起であることにより、例えば、開口部のサイズを比較的大きくした場合であっても、当該開口部を介して進入しようとする指に対して突起が当接することになるので、検出素子に対する検出対象の流入特性を向上させつつ、検出素子への接触対象の接触を防止することが可能となる。また、接触対象が検出素子等の内部構成部品に近接することによる静電気破壊を防止することが可能になる。
【0054】
付記2に記載の防災機器によれば、防止手段は外カバー側から突出していることにより、例えば、防止手段の周辺の強度を向上させることができるので、防止手段に対して接触対象が当接した場合に防止手段の周辺が破損することを防止することが可能となる。
【0055】
付記3に記載の防災機器によれば、防止手段は開口部の縁部における中央寄りの位置に設けられていることにより、例えば、接触対象の検出素子側への進入を確実に防止することができるので、検出素子への接触対象の接触を確実に防止することが可能となる。また、接触対象が検出素子等の内部構成部品に近接することによる静電気破壊を防止することが可能になる。
【0056】
付記4に記載の防災機器によれば、防止手段における外面は湾曲していることにより、例えば、接触対象が防止手段に当接した場合に当該接触対象側に痛覚を与えることを防止することが可能となる。また、例えば、防止手段の外面に沿って検出対象を流入させることができるので、検出対象の流入特性を向上させることが可能となる。また、例えば、防災機器全体において統一した印象を与えることができるので、防災機器の意匠性を向上させることが可能となる。
【0057】
付記5に記載の防災機器によれば、防止手段は、複数の開口部に対して少なくとも1個設けられていることにより、例えば、接触対象の検出対象側への進入を確実に防止することができるので、検出素子への接触対象の接触を確実に防止することが可能となる。また、接触対象が検出素子等の内部構成部品に近接することによる静電気破壊を防止することが可能になる。
【0058】
付記6に記載の防災機器によれば、防災機器は少なくとも熱感知器であることにより、例えば、検出素子に対する検出対象の流入特性を向上させつつ、検出素子への接触対象の接触を防止することができると共に、接触対象が検出素子を含む内部構成部品に近接することによる静電気破壊を防止することができる熱感知器を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0059】
11 外カバー
12 保護部
13 防止部
14 サーミスタ
15 発光部
100 感知器
101 取付部
111 導光部
121 フレーム部
121A 円形部材
121B 支持部材
122 開口部
123 分光部
131 外面
900 取付対象