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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156513
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/00 20060101AFI20231017BHJP
   A63F 9/30 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
A63F9/00 508B
A63F9/30 501E
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023136404
(22)【出願日】2023-08-24
(62)【分割の表示】P 2019147888の分割
【原出願日】2019-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】310009993
【氏名又は名称】株式会社タイトー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 静治
(57)【要約】
【課題】ゲーム内容が容易に把握でき、景品の取得し易さをアピールすることができるゲーム装置を提供すること。
【解決手段】本実施形態におけるゲーム装置は、景品が載置される景品テーブルと、前記景品テーブルを下部から支持して軸回転する軸部材と、前記景品テーブルの外周部を押し下げる押し下げ機構と、前記押し下げ機構による押し下げに応じて、前記景品テーブル全体を傾斜させる傾斜機構とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品が載置される傾斜可能な台と、
前記台に設けられた部材に、予め決められた方向に押し部材を移動させて押し付ける押し付け機構と、
前記押し付け機構による押し付けに応じて、押し付けの方向とは異なる1方向のみに前記台を傾斜させる傾斜機構と
を有するゲーム装置。
【請求項2】
前記押し付け機構は、下方向、斜め下方向、横方向、上方向の何れか1つの方向で、前記押し部材を移動させて押し付ける、請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記台の端部に複数の受け部材を離間させて設け、
前記押し付け機構は、複数の前記受け部材の何れか1つに前記押し部材を押し付けて、前記台を傾斜させる請求項1記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記台を水平に回転させる回転駆動部をさらに有する、請求項1記載のゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品が取得できるゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
景品が取得できるゲーム装置としては、例えばクレーンゲーム装置が知られている。クレーンゲーム装置は、古くから知られているゲーム装置であり、操作方法や景品の取得方法などのゲーム内容を把握しているユーザが多い。すなわち、クレーンゲーム装置は、利用し易いゲーム装置として認識されており、多くのユーザによる利用が期待できる。
【0003】
一方、固有の形態により構成されたゲーム装置では、ボタンやレバーなどの操作部をどのように操作するか、また操作部をどのように操作すれば景品を取得しやすいかなど、容易に把握できない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-76070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように固有の形態を有するゲーム装置では、多くのユーザによって利用してもらうためには、操作部に対する操作方法や景品の取得方法などのゲーム内容を容易に把握できることが要求される。
【0006】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、ゲーム内容が容易に把握でき、景品の取得し易さをアピールすることができるゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本実施形態におけるゲーム装置は、景品が載置される傾斜可能な台と、前記台に設けられた部材に、予め決められた方向に押し部材を移動させて押し付ける押し付け機構と、前記押し付け機構による押し付けに応じて、押し付けの方向とは異なる1方向のみに前記台を傾斜させる傾斜機構とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ゲーム内容が容易に把握でき、景品の取得し易さをアピールすることができるゲーム装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態におけるゲーム装置の外観構成を示す斜視図。
図2】本実施形態におけるゲーム装置の筐体内部の平面図。
図3】本実施形態におけるプッシャー機構の構成を示す斜視図。
図4】本実施形態におけるゲーム装置の左側ユニットの構成を示す平面図。
図5】本実施形態における景品テーブルに景品が載置された状態のプッシャー機構及び景品台を示す斜視図。
図6】景品テーブルが傾斜された状態のプッシャー機構及び景品台を示す斜視図。
図7】本実施形態における景品テーブルの底部に設けられた傾斜機構の外観図。
図8】景品テーブルを下部から支持して軸回転する軸部材の外観構成を示す図。
図9】景品テーブルが傾斜された状態における軸部材の外観構成を示す図。
図10】受け部材が装着されたターゲット機構の構成を示す斜視図。
図11図10に示すターゲット機構の内部構造を示す斜視図。
図12図10に示すターゲット機構の動きを説明するための図。
図13図10に示すターゲット機構の動きを説明するための図。
図14】受け部材が装着されたターゲット機構の構成を示す斜視図。
図15】受け部材が装着されたターゲット機構の構成を示す斜視図。
図16】本実施形態におけるゲーム装置の機能構成を示すブロック図。
図17】ゲーム装置のゲーム制御プログラムに基づいて実行されるゲーム制御処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態におけるゲーム装置10の外観構成を示す斜視図、図2は、ゲーム装置10の筐体内部の平面図である。
【0012】
本実施形態におけるゲーム装置10は、筐体内に設置された景品台17(17L,17R)の景品テーブル18(18L,18R)に載置された景品を、景品テーブル18を傾斜させることで落下させて取得することができる。景品テーブル18(18L,18R)は、景品を載せた状態で水平方向に回転軸で回転されており、ユーザ操作に応じて動作するプッシャー機構19(19L,19R)(第2機構)により景品テーブル18の外周部を押し付ける(下方向に押し下げる)ことで、景品テーブル18全体を傾斜させることができる。本実施形態では、景品テーブル18は、例えば円形状に形成される。
【0013】
図1及び図2に示すゲーム装置10は、上部筐体12と下部筐体13とから構成されている。上部筐体12は、前面と側面がアクリル板などの透明板15により覆われており、透明板15を通じて筐体内部が視認できるようになっている。透明板15は、例えば正面側が開閉可能に構成されており、景品テーブル18に載置する景品の入れ替えや補充、各機構部のメンテナンスなどの場合に開放することができる。
【0014】
本実施形態におけるゲーム装置10は、同時に2人のプレーヤがゲームを実施することができるように、2つのゲームユニット(左側ユニット10L、右側ユニット10R)が搭載されている。左側ユニット10Lと右側ユニット10Rとは、基本的に、中央の境界線において左右対称に構成されているものとする。
【0015】
上部筐体12の筐体内下部に敷設されたフィールド板16の上には、左右対称となるように、左側ユニット10Lの側に景品台17Lとプッシャー機構19Lが配置され、右側ユニット10Rの側に景品台17Rとプッシャー機構19Rが配置されている。プッシャー機構19Lは、フィールド板16の左奥隅近傍に配置され、プッシャー機構19Rは、フィールド板16の右奥隅近傍に配置されている。プッシャー機構19Lの右側には、景品台17Lが配置され、プッシャー機構19Rの左側には景品台17Rが配置されている。また、フィールド板16の左手前隅に景品落とし口20Lが形成され、右手前隅に景品落とし口20Rが形成されている。
【0016】
また、上部筐体12の筐体内上部には、補充用の景品や装飾用の景品などを載置するための景品ストック棚25L,25Rが左右に設けられている。
【0017】
景品落とし口20L,20Rの下方部のそれぞれには、景品テーブル18L,18Rから落下した景品を、下部筐体13の前面側に設けられた景品取出口21L,21Rに誘導するための景品誘導空間が設けられている。また、景品誘導空間には、奥側を高く、手前側を低くした傾斜面を設けている。傾斜面を設けることにより、景品落とし口から落下した景品が傾斜面に衝突し、景品取出口21L,21Rが設けられた下部筐体13の前面側に落下し易くなる。これにより、景品取出口21L,21Rから景品を取りやすくなる。景品落とし口20L,20Rには、景品が景品落とし口20L,20Rに落下したこと(プレーヤに景品が払い出されること)を検出する景品検知センサが設けられる。
【0018】
景品台17Lは、景品が載置される景品テーブル18Lを下部から支持し、景品を載置させた状態で回転させる。また、景品台17Lは、ユーザ操作に応じて動作するプッシャー機構19Lにより景品テーブル18の外周部が押し下げられることで、景品テーブル18Lを予め決められた方向に傾斜させる傾斜機構が設けられている。同様に、景品台17Rは、景品が載置される景品テーブル18Rを下部から支持し、景品を載置させた状態で回転させる。また、景品台17Rは、ユーザ操作に応じて動作するプッシャー機構19Rにより景品テーブル18の外周部が押し下げられることで、景品テーブル18Rを予め決められた方向に傾斜させる傾斜機構が設けられている。
【0019】
下部筐体13の正面側には、景品取出口21L,21R、フロントメンテドア22、プレーヤによって操作が行われるコントロールパネル23L,23R、及びメインコントロールパネル24が設けられている。
【0020】
景品取出口21L,21Rは、上部筐体12の内部から景品を外部に取り出すためのもので、フィールド板16の下方部に設けられた景品誘導空間と連通している。景品テーブル18L,18Rを傾斜させることで景品落とし口20L,20Rに落下させることにより、景品取出口21L,21Rから景品を取り出すことができる。
【0021】
フロントメンテドア22は、下部筐体13の内部に収容された制御ユニット(制御ユニット)やその他の機構部に対して作業をするような場合に、管理者によって開放させることができる(鍵付き)。また、フロントメンテドア22の内部には、例えば、ゲーム装置10の動作を制御するための主電源スイッチ、スピーカからの音量を調整するためのボリューム、各種設定等を管理者が行うための設定機器(図16に示す設定機器74)、補充用の景品などを収容する収納スペースなどが設けられる。設定機器は、例えば景品テーブル18L,18Rの回転速度、回転方向、プッシャー機構19L,19Rによる初期動作状態や押し下げ動作速度などを設定することができる。設定機器では、左側ユニット10Lと右側ユニット10Rのそれぞれに対する各種設定を個別にすることができるものとする。なお、設定機器74に代えて、後述するタッチパネル27において表示される設定画面に対して管理者が操作する、あるいは透明板15の内側の上部筐体12に設けられた、透明板15を開放することで操作可能な設定操作ボタンに対して管理者が操作することによって各種設定をすることができる。
【0022】
コントロールパネル23L,23Rには、プッシャー機構19L,19Rを動作させるためにプレーヤにより操作されるスタートボタン26L,26Rがそれぞれ設けられる。左側ユニット10Lにおいてゲームをするプレーヤは、コントロールパネル23Lに設けられた1つのスタートボタン26Lに対する操作のみによりプッシャー機構19Lの動作を制御する。同じく、右側ユニット10Rにおいてゲームをするプレーヤは、コントロールパネル23Rに設けられた1つのスタートボタン26Rに対する操作のみによりプッシャー機構19Rの動作を制御する。すなわち、本実施形態におけるゲーム装置10では、操作方法を簡単にすることで、初めて利用するプレーヤであってもゲーム内容を容易に把握できるようにしている。
【0023】
メインコントロールパネル24には、タッチパネル27、電子マネーユニット28L,28R、コイン投入口29L,29Rが設けられる。タッチパネル27には、ゲーム料金、入金された金額、残りプレイ回数(クレジット数)、機能設定用メニュー(ボタン)、プレーヤに対するメッセージなどが表示される。電子マネーユニット28L,28Rは、電子マネーによってゲームのプレイ料金を支払うためのユニットであり、例えば電子マネーカードとの間で非接触通信をするリーダ/ライタを有する。コイン投入口29L,29Rは、ゲームのプレイ料金をコインにより支払うためのものである。電子マネーユニット28Lとコイン投入口29Lは、左側ユニット10Lにおいてゲームをするプレーヤにより使用され、電子マネーユニット28Rとコイン投入口29Rは、右側ユニット10Rにおいてゲームをするプレーヤにより使用される。
【0024】
なお、ゲーム装置10の筐体外部には、LED(Light Emitting Diode)やランプなどの照明や光によるゲーム演出に用いられる照明デバイス(LED群93)が設けられる。また、ゲーム装置10の筐体内部には、ゲーム実行中の効果音や音楽、メッセージ音声などを出力するためのスピーカが設けられる。
【0025】
図3は、本実施形態におけるプッシャー機構19(19L,19R)の構成を示す斜視図である。図3では、内部構造が視認できるように外部を覆う筐体板を取り外した状態により示している。
【0026】
プッシャー機構19は、縦長の筐体が形成され、底部近くにプッシャーモータ19Mが設けられる。プッシャー機構19の縦長筐体の下部には下部プーリ19D1が設けられ、上部には上部プーリ19D2が設けられる。下部プーリ19D1と上部プーリ19D2には、ベルト19D3が掛けられる。プッシャーモータ19Mの回転動力は、例えばギア(図示せず)を介して下部プーリ19D1に伝達される。これにより、ベルト19D3は、下部プーリ19D1と上部プーリ19D2との間で回転(移動)する。
【0027】
プッシャー機構19には、景品テーブル18の外周部を押し下げるための押し部材(プッシャー)19Pが設けられる。プッシャー機構19は、ターゲット機構18C(受け部材50)を押し付けるために、押し部材19Pを予め決められた方向に移動させる構成を有する。押し部材19Pは、例えば細長状に形成され、下部先端部が先細形状の例えば弾性部材により形成される。押し部材19Pは、第1支持部材19P1と第2支持部材19P2を介してベルト19D3に連結される。第1支持部材19P1は、プッシャー機構19の筐体本体から所定距離を離間させて、細長状の押し部材19Pを縦長方向(本実施形態では垂直方向)の姿勢状態で支持する。第2支持部材19P2は、第1支持部材19P1を支持すると共に、例えば、プッシャー機構19の筐体本体に対して上下方向に移動(摺動)可能となるように装着される。また、第2支持部材19P2は、ベルト19D3と固定されており、ベルト19D3が上下方向に移動されるのに伴って上下方向に移動する。従って、プッシャーモータ19Mの駆動によりベルト19D3が上下方向に移動されることにより、押し部材19Pが上下方向に移動される。
【0028】
プッシャー機構19の筐体本体には、第2支持部材19P2の移動方向(上下方向)に沿って、3つの位置センサ19S(19S1,19S2,19S3)が離間して配置されている。位置センサ19Sは、例えば透過型フォト位置センサが用いられる。第2支持部材19P2には検知部材19P3が設けられ、第2支持部材19P2の上下方向の移動により検知部材19P3が位置センサ19Sにより検知される。位置センサ19S1は、押し部材19P(検知部材19P3)が移動可能な上限位置、位置センサ19S2は、押し部材19Pの初期位置、位置センサ19S3は、押し部材19P(検知部材19P3)が移動可能な下限位置をそれぞれ検出するためのセンサである。
【0029】
押し部材19Pは、例えばゲーム実行時には、位置センサ19S1により検出される上限位置まで移動させた後、位置センサ19S2により検出されるまで下方に移動させることで初期位置に位置決めされ、プレーヤによる操作に応じて初期位置から下方に移動させる。押し部材19Pは、初期位置から下方への移動によって後述するターゲット機構18C(受け部材50)を押し付けて、景品テーブル18を傾斜させる。
【0030】
なお、図3に示す構成では、3つの位置センサ19S1,19S2,19S3を設けているが、位置センサ19S2を省略しても良い。例えば、押し部材19Pを位置センサ19S1により検出される上限位置まで上方に移動させた後、プッシャーモータ19Mを予め決められた運動量分(駆動パルス数分)だけ、押し部材19Pを下方向に移動させるように動作させた後に停止させることで、押し部材19Pを初期位置に位置決めすることができる。これにより、初期位置検出用の位置センサ19S2を省略することができる。
【0031】
図4は、本実施形態におけるゲーム装置10の左側ユニット10Lの構成を示す平面図である。なお、以下の説明では、左側ユニット10Lを対象とするが、右側ユニット10Rについては、左側ユニット10Lと左右対称に構成されているだけで、実質、左側ユニット10Lと同様の構成を有するので説明を省略する。
【0032】
図4に示すように、景品台17Lに設けられた景品テーブル18Lは、図中矢印のように、ゲーム中には時計回り(右回り)に回転される。景品テーブル18Lの外周近傍裏面には、複数のターゲット機構18C(18C1,18C2,18C3,18C4)(第1機構)を離間させて等間隔に設けている。図4では、4つのターゲット機構18C1,18C2,18C3,18C4を設けた例を示しているが、少なくとも1つが設けられていれば良い。また、複数のターゲット機構18Cは、等間隔に設けなくても良い。
【0033】
ターゲット機構18Cは、プッシャー機構19Lによる押し下げを受けるための機構である。ターゲット機構18Cとプッシャー機構19Lにより景品テーブル18Lを傾斜させるための押し下げ機構を構成する。
【0034】
ターゲット機構18Cは、プッシャー機構19Lの押し部材19Pが圧接される受け部材(キャッチカバー)50(50a,50b,50c)が設けられている。受け部材50は、景品テーブル18Lの外周より突出しており、景品テーブル18Lの回転に伴って、プッシャー機構19Lの押し部材19Pの下方を通過する。ターゲット機構18Cが景品テーブル18Lの外周近傍に設けられているため、受け部材50が押し部材19Pにより押し下げられることで、景品テーブル18Lの外周部が押し下げられる。
【0035】
図4に示す例では、ターゲット機構18C2,18C4には受け部材50aが設けられ、ターゲット機構18C1には受け部材50bが設けられ、ターゲット機構18C3には、受け部材50cが設けられている。受け部材50a,50b,50cは、それぞれ押し部材19Pとの接触面(上面)の形状が異なっている。例えば、受け部材50bは、接触面が平面状となっており最も面積が広い。受け部材50aは、接触面が平面状となっており、受け部材50aよりも面積が狭い。受け部材50cは、接触面が曲面状となっている。すなわち、受け部材50b、受け部材50a、受け部材50cの順番で、押し部材19Pを下方向に移動させて押し付けやすい構造となっている。なお、受け部材50a,50b,50cは、着脱可能となっており、任意に交換することができる。すなわち、ターゲット機構18Cに装着する受け部材50a,50b,50cを任意に選択できるようにすることで、ゲームの難易度を調整できるようにしている。ターゲット機構18C及び受け部材50の詳細な構成については、図10図15を用いて説明する。
【0036】
景品テーブル18Lは、プッシャー機構19Lの押し部材19Pにより、複数の受け部材50の何れかが押し下げられることで傾斜する。景品台17Lに設けられた傾斜機構は、図4に破線で示す軸P1において景品テーブル18Lを傾斜させる。すなわち、景品テーブル18Lの外周部が押し下げられる位置が押し部材19Pの下方位置であるが、景品テーブル18Lは、押し下げられた位置とは異なる方向に傾斜されるように構成されている。景品テーブル18Lは、景品落とし口20Lが配置された方向に傾斜されることで、載置された景品を景品落とし口20Lに落下させることができる。
【0037】
このように、押し下げられた位置とは異なる方向に景品テーブル18Lを傾斜させることで、景品が落下する方向に押し部材19Pが存在せず、景品が落下する際の障害とならない。従って、大型の景品を景品テーブル18Lに載置した場合であっても、景品テーブル18Lの傾斜により確実に景品落とし口20Lに落下させることができる。
【0038】
なお、本実施形態におけるゲーム装置10では、景品テーブル18Lとは別に構成されたターゲット機構18Cを景品テーブル18Lの外周部に設け、ターゲット機構18Cの受け部材50を押し部材19Pにより押し下げる構成としているが、景品テーブル18Lと一体化された部材、あるいは直接、景品テーブル18Lに対して、押し部材19Pによって押し下げる構成とすることも可能である。
【0039】
図5には、本実施形態における景品テーブル18Lに景品(例えば、ぬいぐるみ)が載置された状態のプッシャー機構19L及び景品台17Lを示す斜視図である。なお、景品テーブル18Lに載置される景品は、1個に限らず、複数個であっても良いし、異なる種類の景品が混在していても良い。また、複数個の景品を載置する場合に、景品テーブル18Lの上面を区分する仕切り板を設けて、それぞれの区分に分散して景品を載置することで、景品テーブル18Lが傾斜された場合に一部の景品のみが落下するようにしても良い。
【0040】
ゲーム装置10は、ゲーム実行中には、図5中の矢印の方向に景品テーブル18Lを回転させる。すなわち、景品テーブル18Lの外周に設けられたターゲット機構18Cの受け部材50が、プッシャー機構19Lの押し部材19Pの下方部に向かって移動する。プレーヤは、ゲーム装置10の前面あるいは側面の透明板15を通じて、受け部材50が押し部材19Pの下方部に向かって移動する様子を確認することができる。プレーヤは、受け部材50が移動する様子を確認しながら適切なタイミングを見計らって、スタートボタン26Lに対する押下する操作をすることで、押し部材19Pの下方向の移動を開始させることができる。
【0041】
図6は、景品テーブル18Lが傾斜された状態のプッシャー機構19L及び景品台17Lを示す斜視図である。
【0042】
スタートボタン26Lに対する操作に応じて押し部材19Pが下方向に移動され、タイミング良く移動してきた受け部材50の上面に圧接して、受け部材50を押し下げることができた場合に、景品テーブル18Lを傾斜させることができる。図6に示すように、押し部材19Pが例えば受け部材50bの上面に圧接された場合、景品テーブル18Lは、回転駆動系から切り離されて回転を停止し、押し部材19Pの下方向の移動に合わせて傾斜(勾配)が大きくなっていく。この結果、景品テーブル18Lに載置された景品は、傾斜した方向に移動し、さらには景品テーブル18Lから落下する。景品テーブル18Lが回転駆動系から切り離される傾斜機構の詳細については、図7図9を用いて説明する。
【0043】
押し部材19Pが受け部材50に圧接され、押し部材19Pと受け部材50とが圧接された状態のままで押し部材19Pが移動され続けた場合には、景品テーブル18Lは、載置された景品が必ず落下される程度に設定された最大角度まで傾斜されるようにしている。例えば、景品テーブル18Lが最大角度まで傾斜したことを検出するための傾斜検出センサ(図示せず)を設けて、傾斜検出センサによる検出があるまで押し部材19Pによる下方向への移動が継続されるものとする。
【0044】
また、押し部材19Pが受け部材50に圧接されたものの、最大角度まで傾斜する前に、押し部材19Pが移動することで受け部材50と外れてしまった場合には、景品テーブル18Lは、その時点で元の水平状態に戻る。この場合、最大角度まで傾斜する前に景品が落下することもあるし、あるいは落下せずに例えば景品の載置位置や載置の姿勢が変更されることもある。景品を落下させることができなくても、景品の載置位置や載置の姿勢を変更させることで、次回のゲームの実行時に、景品をより落としやすくすることができる。
【0045】
なお、押し部材19Pの移動のタイミングが合わず受け部材50と接触できなかった場合には、押し部材19Pは、そのまま位置センサ19S3によって検出される下限位置まで移動され、その後、上方に移動されて例えば初期位置に戻される。この場合、受け部材50が景品テーブル18Lの回転に伴って、押し部材19Pの側部に衝突することがある。この場合、景品テーブル18Lは、受け部材50が衝突することで回転が制限され、回転駆動系から切り離されて回転を停止する。
【0046】
次に、本実施形態の景品台17における景品テーブル18を傾斜させるための傾斜機構について説明する。
【0047】
図7は、本実施形態における景品テーブル18(景品テーブル18L,18R)の底部に設けられた傾斜機構の外観を示す図である。図8は、景品テーブル18を下部から支持して軸回転する軸部材の外観構成を示す図である。図9は、景品テーブル18が傾斜された状態における軸部材の外観構成を示す図である。
【0048】
図8に示すように、景品テーブル18は、下部中央から支持して軸回転する軸部材が取り付けられている。軸部材は、景品テーブル18の下部に一端が固定された第1部材35と、軸部材を軸回転させるためのテーブルモータ30の回転軸に一端が固定された第2部材31とが、第1部材35の他端に設けられた第1磁石39と第2部材31の他端に設けられた第2磁石32とが磁力により連結(カップリング)されることにより形成される。第1部材35は、回転可能な状態で支持部材36により支持されており、景品テーブル18が傾斜された場合に、支持部材36によって斜め状態のままで保持される。
【0049】
本実施形態では、第1磁石39と第2磁石32との間に、例えばゴムなどの弾性部材40を設け、弾性部材40を介して第1磁石39と第2磁石32とが連結される。弾性部材40は、例えば第2磁石32の上面には接着されて固着されており、第1磁石39の下面には脱着可能にされている。すなわち、景品テーブル18が傾斜されていない状態では、第1磁石39の下面と弾性部材40とが圧着されると共に、第1磁石39と第2磁石32との磁力による結合により、第1磁石39と第2磁石32とが連結(カップリング)される。これにより、景品テーブル18に対してテーブルモータ30の回転動力が伝達される。
【0050】
一方、景品テーブル18が傾斜される状態では、図9に示すように、第1部材35の軸方向と第2部材31の軸方向とが不一致となり、第1磁石39と第2磁石32との間の磁力に反して、第1磁石39が弾性部材40(第2磁石32)から離れる。これにより、景品テーブル18が回転駆動系(テーブルモータ30の回転軸)から切り離されて、景品テーブル18の回転が停止される。
【0051】
第1部材35(第1磁石39)と第2部材31(第2磁石32)とは固定された状態にないため、テーブルモータ30の回転と完全に一致して景品テーブル18は回転しない。例えば、停止状態にある景品テーブル18を回転させる場合、テーブルモータ30の駆動を開始させても、景品テーブル18の質量が比較的大きい場合には慣性により景品テーブル18がテーブルモータ30の駆動開始と同期して回転せず、テーブルモータ30の回転が第2磁石32から弾性部材40に伝達され、さらに弾性部材40から第1磁石39に伝達されることで景品テーブル18が回転する。すなわち、テーブルモータ30の回転動力が弾性部材40を介して景品テーブル18に伝達されるため、テーブルモータ30の回転に追従するように景品テーブル18に伝達されることになる。景品テーブル18の回転が安定した後は、テーブルモータ30の回転に合わせて景品テーブル18が安定して回転される。
【0052】
弾性部材40が第1磁石39と第2磁石32との間に設けられていない構成とした場合、例えば、停止状態にある景品テーブル18を回転させる場合、テーブルモータ30の駆動を開始させることで第2部材31(第2磁石32)が回転を始めるが、慣性により景品テーブル18及び第1部材35(第1磁石39)が回転しないため、第1磁石39と第2磁石32の結合が僅かにずれた後に、第1磁石39と第2磁石32が結合されて景品テーブル18が回転される。さらに、テーブルモータ30が回転されることにより、第1磁石39と第2磁石32のずれと結合が繰り返されて、景品テーブル18が一定ではない、例えば加速と減速を繰り返すぎこちない動きをしてしまう。
【0053】
本実施形態では、第1部材35と第2部材31とを結合(カップリング)させるために、第1磁石39と第2磁石32との間に弾性部材40を設けることで、テーブルモータ30の回転動力を景品テーブル18に対して安定して伝達して、景品テーブル18を一定に回転させることができる。
【0054】
図7に示すように、支持部材36は、テーブル支持部材37の上面部に固定される。テーブル支持部材37は、左右対象に設けられた回動軸部42a,42bにより回動可能となるように支持される。従って、テーブル支持部材37が支持部材36を介して景品テーブル18を保持しているため、テーブル支持部材37が回動軸部42a,42bにより回動されることで、景品テーブル18を傾斜させることができる。
【0055】
テーブルモータ30の本体筐体上面に傾斜機構底部材43が固定され、傾斜機構底部材43の上面に離間させて垂直状に軸支持部材41a,41bが配置される。軸支持部材41aは、回動軸部42aを回動可能に支持し、軸支持部材41bは、回動軸部42bを回動可能に支持する。
【0056】
テーブル支持部材37には、テーブルモータ30の設置面に固定された部材47との間に、引張コイルばね46が配設されている。景品テーブル18が、図9に示すように傾斜された場合、テーブル支持部材37が回動軸部42a,42bにより回動して、引張コイルばね46の取り付け部が上方に移動する。このため、引張コイルばね46がテーブル支持部材37と部材47との間で伸長し、景品テーブル18を元の水平状態に戻すように付勢する。景品テーブル18は、プッシャー機構19(押し部材19P)による押し付けが無くなると、引張コイルばね46による付勢により元の水平状態に戻される。なお、本実施形態では、引張コイルばね46を用いているが、景品テーブル18を元の状態に戻すように付勢することができれば他の部材を用いることも可能である。
【0057】
次に、本実施形態におけるターゲット機構18C及び受け部材50の詳細な構成について、図10図15を用いて説明する。図10は、受け部材50aが装着されたターゲット機構18Cの構成を示す斜視図である。図11は、図10に示すターゲット機構18Cの内部構造を示す斜視図である。
【0058】
ターゲット機構18Cは、軸部材51を回動可能となるように支持する固定部材55と、固定部材55を覆う外周部材54とが設けられ、固定部材55と外周部材54とが景品テーブル18の裏面に固定される。従って、軸部材51は、景品テーブル18に対して固定された位置において、回動可能となるように保持される。軸部材51には、受け部材50aが例えばネジ62によって固定される。また、軸部材51には、図11に示すように、固定部材55の内部において捻りコイルばね61が巻回され、捻りコイルばね61の両端部61a,61bが固定部材59に圧接されている。固定部材59は、景品テーブル18に取り付けられた固定部材55に固定される。従って、軸部材51は、回動軸(図11に破線で示す軸P2)において回動が可能な範囲と制動強度が捻りコイルばね61によって規定される。なお、捻りコイルばね61に代わる他の弾性部材を設けて、軸部材51の回動が可能な範囲と制動強度を規定するようにしても良い。
【0059】
軸部材51には、両端部近傍において連結部材57a,57bによって所定の間隔を設けて棒状部材58が設けられる。連結部材57a,57bは、軸部材51と棒状部材58のそれぞれに固定されているため、軸部材51の回動に伴って、棒状部材58が軸P2を軸にして、コイルばね61によって規定される範囲で円弧状に移動する。
【0060】
固定部材55と外周部材54の受け部材50aが取り付けられる側には、固定部材55と外周部材54を覆う平面状の前面部材53が設けられる。前面部材53から軸部材51と棒状部材58の一端部が突出され、この突出された部分において連結部材57bが取り付けられる。また、前面部材53には、棒状部材58が通過可能な幅をもった、軸P2を中心とした円弧状のスリット53aが形成されている。従って、軸部材51の回動に伴って、棒状部材58が円弧状に移動してスリット53aを通過する。
【0061】
受け部材50aには、プッシャー機構19の押し部材19Pが圧接される接触面50aWが形成されている。受け部材50aでは、例えば、接触面50aWの外形をほぼ矩形状にした平面状に形成されている。接触面50aWは、図11に示すように、軸P2と外れた位置、すなわち軸P2よりも高さ50H分だけ下方に位置するように形成されている。
【0062】
例えば、押し部材19Pが下方向に移動されて接触面50aWに接触した時、接触面50aWの軸P2と垂直方向で一致する位置において接触した場合には、押し部材19Pが接触面50aWに対してほぼ垂直に圧接されているため、受け部材50がそのまま下方向に押し下げられる。
【0063】
また、押し部材19Pが接触面50aWに接触した時、接触面50aWの軸P2と垂直方向で一致しない位置において接触した場合には、押し部材19Pに対して接触面50aWが垂直となる方向に、軸P2によって軸部材51が回動する。この際、捻りコイルばね61によって、押し部材19Pが接触面50aWへの接触する時の衝撃を緩衝すると共に回動を制動することができる。これにより、押し部材19Pの接触面50aWへの接触状態を維持して、押し部材19Pの下方向の移動に応じて受け部材50(ターゲット機構18C)の押し下げを継続することができる。なお、捻りコイルばね61の強度を強くする、あるいは弱くすることで、押し部材19Pの接触面50aWへの圧接状態の維持し易さを調整することができる。
【0064】
また、押し部材19Pにより押し下げが継続されると景品テーブル18が傾斜する。この時、景品テーブル18の傾斜に合わせて、押し部材19Pに対して接触面50aWが垂直となる方向に、軸P2によって軸部材51が回動する。これにより、押し部材19Pが接触面50aWに対して、ほぼ垂直方向から押し下げる状態を維持することができる。
【0065】
例えば、図12に示すように、押し部材19Pが下方向へ移動されることにより受け部材50aの接触面50aWに接触し、その状態のままで押し下げたものとする。この場合、図13に示すように、景品テーブル18が傾斜するが、軸部材51が回動することで、受け部材50aの接触面50aWが押し部材19Pに対してほぼ垂直の状態となる。従って、押し部材19Pによる押し下げに応じて景品テーブル18の傾斜角度が変化しても、押し下げを安定して継続することができる。
【0066】
このようにして、押し部材19Pにより押し下げられる受け部材50の接触面を、受け部材50を回動可能とする軸部材51と外れた位置に設けることで、押し下げに応じて傾きが変化する景品テーブル18に追従して押し下げを継続することができる。また、受け部材50の回動が可能な範囲と制動強度を捻りコイルばね61によって規定することで、押し部材19Pによる受け部材50に対する押し下げやすさを調整することができる。従って、例えば押し部材19Pが接触面50aWの端部近くに圧接された際に、その状態のまま押し下げて景品を落下させるまで景品テーブル18を傾斜させる、あるいは押し下げの途中で押し部材19Pが接触面50aWから外れて押し下げが途中で中断されて景品テーブル18を振動させるだけにする、といった調整が可能となる。
【0067】
図14は、受け部材50bが装着されたターゲット機構18Cの構成を示す斜視図である。図14に示すターゲット機構18Cは、図10に示す受け部材50aとは異なる受け部材50bが装着されている。
【0068】
受け部材50bは、図14に示すように、受け部材50aと同様に、プッシャー機構19の押し部材19Pが圧接される、ほぼ矩形状の平面状に形成された接触面50bWが設けられている。ただし、接触面50bWの軸部材51の軸と垂直な方向の幅W2は、接触面50aWの軸部材51の軸と垂直な方向の幅W1より大きくなっている。すなわち、押し部材19Pによる押し下げ(圧接)が、受け部材50aより容易にした形状となっている。その他の構成については前述と同様なので説明を省略する。
【0069】
図15は、受け部材50cが装着されたターゲット機構18Cの構成を示す斜視図である。図15に示すターゲット機構18Cは、図10及び図14に示す受け部材50a,50bとは異なる受け部材50cが装着されている。
【0070】
受け部材50cは、図15に示すように、受け部材50a,50bとは異なり、プッシャー機構19の押し部材19Pが圧接される接触面が曲面状に形成され、さらに受け部材50a,50bよりも幅が狭くなっている。すなわち、押し部材19Pによる押し下げ(圧接)が、受け部材50a,50bより困難にした形状となっている。
【0071】
このようにして、複数種類の受け部材50を設けて、ターゲット機構18Cに対して任意に交換して装着可能とすることで、ゲームの難易度を調整することができる。
【0072】
なお、前述した説明では、3種類の受け部材50a,50b,50cを示しているが、他の形状の受け部材50を設けることも可能である。
【0073】
例えば、受け部材50a,50bでは、接触面50aW,50bWの外形をほぼ矩形状としているが、他の形状(円形、多角形など)とすることも可能であり、接触面の面積によって難易度を変えるだけでなく、接触面の形状によって難易度を変更出来るようにしても良い。
【0074】
また、受け部材50a,50bでは、接触面50aW,50bWを平面状にしているが、その他の形状とすることができる。例えば、凹凸状としたり、一部に突起物を形成したりすることもできる。さらに、接触面の材質が異なる複数の受け部材50を設けるようにしても良い。例えば、押し部材19P(先端部の材質)との摩擦係数が異なる複数種の材質を用いる。これにより、摩擦係数が高い材質を用いた受け部材50をターゲット機構18Cに装着することで、押し部材19Pによる押し付けを容易にすることができる。
【0075】
さらに、受け部材50cに示すように、押し部材19Pとの接触面を凸状の曲面にするだけでなく、凹状の曲面にするようにしても良い。凹状の曲面にすることで、押し部材19Pを受け部材50に対して係止し易くなり、押し部材19Pによる押し下げを容易にすることができる。
【0076】
また、前述した説明では、複数種類の受け部材50を設けるとしているが、押し部材19Pの受け部材50との接触部分、あるいは押し部材19Pの全体を交換出来るようにしても良い。前述した説明では、押し部材19Pの下部先端部が先細形状の例えば弾性部材により形成されるとしているが、弾性部材より受け部材50に圧着し易い(摩擦係数が大きい)部材、あるいはその逆の性質をもつ部材により構成することもできる。さらに、押し部材19Pの下部先端部を先細形状としているが、さらに先鋭化させて受け部材50の圧接を難しくしたり、逆に押し部材19Pの下部先端部の面積を大きくして、受け部材50の圧接を容易にしたりするなど、押し部材19Pの先端部の形状を変更することができる。
【0077】
本実施形態におけるゲーム装置10では、押し部材19Pと受け部材50の組合せによって、押し部材19Pによる受け部材50に対する押し下げの難易度を調整することができる。
【0078】
次に、本実施形態におけるゲーム装置10の機能構成について説明する。
【0079】
図16は、本実施形態におけるゲーム装置10の機能構成を示すブロック図である。図16では、左側ユニット10Lと右側ユニット10Rに共通して使用される制御ユニット70、メインコントロールパネル24、及び左側ユニット10Lに設けられるコントロールパネル23Lと機構部72Lを示している。右側ユニット10Rには、コントロールパネル23Lと機構部72Lと同様の構成が設けられるものとして説明を省略する。
【0080】
図16に示すように、ゲーム装置10の筐体内部には、各部を制御するための各種ユニットが実装された制御ユニット70、左側ユニット10Lと右側ユニット10Rに共通して使用されるメインコントロールパネル24、左側ユニット10Lに対応するコントロールパネル23L、及び機構部72Lが設けられている。
【0081】
制御ユニット70には、CPU80、RAM81、記憶装置82、入出力処理ユニット83の他、左側ユニット10Lに設けられる機構部72Lを制御するためのテーブルモータ駆動部84、プッシャーモータ駆動部85を含む。また、図示を省略しているが、外部機器とLAN(Local Area Network)などのネットワークを通じて通信をするための通信機器などが設けられる。なお、図16には、左側ユニット10Lに設けられる機構部72Lのみを示しているが、機構部72Lと同様の構成を有する機構部が右側ユニット10Rに設けられている。制御ユニット70は、機構部72Lと同様にして、右側ユニット10Rの機構部を制御するものとして詳細な説明を省略する。
【0082】
CPU80は、RAM81あるいは記憶装置82に記憶された制御プログラムやゲーム制御プログラムを実行することにより、ゲーム装置10全体を制御する。CPU80は、入出力処理ユニット83を介して入力される、電子マネーユニット28L,28Rからの入金通知、あるいはコイン投入センサ99L,99Rからのコイン投入の検知信号に応じて、左側ユニット10Lと右側ユニット10Rのそれぞれに対応するプレイ可能回数を示すクレジットデータをRAM81に記録する。また、CPU80は、入出力処理ユニット83を介して入力される、コントロールパネル23Lのスタートボタン26Lに対するユーザ操作に応じた指示、及び位置センサ19S(19S1,19S2,19S3)からの検知信号に応じて、プッシャーモータ駆動部85を制御してプッシャーモータ19Mを動作させる。また、CPU80は、入出力処理ユニット83を介して、スピーカ73からの音声出力、タッチパネル27における表示を制御、LED群93に対する点灯/点滅の制御などを行う。
【0083】
RAM81は、制御プログラムやゲーム制御プログラム等の各種プログラムの他、CPU80により実行される処理に伴うゲームを制御するための各種データを一時的に記憶する。RAM81に記録されるデータには、例えばプレイ可能回数を示すクレジットデータが含まれる。記憶装置82は、ROMやハードディスク等の不揮発性の記憶媒体にプログラムやデータを記憶する。入出力処理ユニット83は、制御ユニット70の外部に設けられた各種入出力デバイスとのインタフェースである。
【0084】
テーブルモータ駆動部84は、機構部72Lに設けられたテーブルモータ30の駆動を制御する。プッシャーモータ駆動部85は、機構部72Lに設けられたプッシャーモータ19Mの駆動を制御する。
【0085】
機構部72Lは、図16に示すように、テーブルモータ30、プッシャーモータ19M、位置センサ19S(19S1,19S2,19S3)、LED群93、景品検知センサ94などが含まれる。
【0086】
テーブルモータ30は、テーブルモータ駆動部84により駆動されるもので、景品テーブル18Lを回転させるために使用される。プッシャーモータ19Mは、プッシャーモータ駆動部85により駆動されるもので、プッシャー機構19Lの押し部材19Pを上下方向に移動させるために使用される。
【0087】
景品検知センサ94は、プッシャー機構19L(押し部材19P)の動作により景品落とし口20Lに落下された景品を検知してCPU80に通知する。
【0088】
なお、図示していないが、ゲーム装置10には、テーブルモータ30によって回転される景品テーブル18Lの回転量(回転速度)、景品テーブル18Lが予め設定された傾斜(勾配)状態にあることを検出するための各センサが設けられ、入出力処理ユニット83を通じてCPU80に検出信号が通知されるものとする。CPU80は、各センサからの通知に応じて各部の駆動を制御する。
【0089】
コントロールパネル23Lには、1つのスタートボタン26Lのみが設けられる。従って、プレーヤは、スタートボタン26Lのみを操作するゲームであることを容易に把握することができる。
【0090】
メインコントロールパネル24には、タッチパネル27、電子マネーユニット28L,28R、コイン投入口29L,29R、コイン投入センサ99L,99Rが含まれる。電子マネーユニット28L、コイン投入口29L、コイン投入センサ99Lは、左側ユニット10Lにおけるゲームプレー用のゲーム料金を入力するためのものであり、電子マネーユニット28R、コイン投入口29R、コイン投入センサ99Rは、右側ユニット10Rにおけるゲームプレー用のゲーム料金を入力するためのものである。
【0091】
電子マネーユニット28L,28Rは、電子マネーカードが近接されることにより、ゲーム料金とする金額を入金するためのユニットである。電子マネーユニット28L,28Rは、例えばゲーム装置10とネットワーク(LANなど)を介して接続されたサーバ装置、あるいは制御ユニット70(CPU80)の制御により、入金するゲーム料金を設定することができる。
【0092】
コイン投入センサ99Lは、コイン投入口29Lから投入されたコインを検知して、入出力処理ユニット83に、コイン投入を示す検知信号を出力する。コイン投入センサ99Rは、コイン投入口29Rから投入されたコインを検知して、入出力処理ユニット83に、コイン投入を示す検知信号を出力する。CPU80は、入出力処理ユニット83を通じて受信されるコイン投入センサ99L,99Rからの検知信号に応じて、左側ユニット10Lあるいは右側ユニット10Rに対応するプレイ可能回数を示すクレジットデータを記録する。
【0093】
タッチパネル27は、CPU80の制御のもとで各種の情報を表示する。タッチパネル27には、例えばクレジット数(プレイ可能回数)や動作モードの表示などが表示される。また、タッチパネル27は、ゲーム料金、入金された金額、残りプレイ回数(クレジット数)、機能設定用メニュー(ボタン)、プレーヤに対するメッセージなどが表示される。なお、機能設定用メニュー(設定画面)は、プレーヤが操作できないように、通常は表示されておらず、所定の操作をすることで表示される。例えば、透明板15の内側の上部筐体12に設定ボタンを設ける。この設定ボタンが操作された場合に、CPU80は、タッチパネル27の表示をゲーム用から各種設定用(機能設定用メニュー)に変更する。CPU80は、機能設定用メニューに対する操作に応じて各種設定を実行し(設定データの記憶)、設定終了後に、タッチパネル27の表示をゲーム用に変更する。こうして、メインコントロールパネル24に設けられたタッチパネル27を使用して各種設定できるようにすることで、楽な姿勢で設定作業を行うことができる。
【0094】
設定機器74は、管理者がゲーム装置10に対して各種設定をするために使用されるもので、例えば各種の設定操作を入力するための複数のボタン(選択ボタン、決定ボタン、上下左右ボタン等)、各種設定画面等を表示するためのディスプレイ等が実装されている。CPU80は、設定機器74において設定された設定データを、例えば記憶装置82に記憶させ、この設定データに応じてゲームを制御する。設定データには、例えばゲーム実行時の景品テーブル18Lの回転速度、回転方向(右回転、左回転)、押し部材19Pの初期位置(高さ)、スタートボタン26Lの操作に応じて押し部材19Pを下方向に移動させる速度などがある。ゲーム装置10の管理者は、設定データの内容を変更することでゲームの難易度、すなわち押し部材19Pによる景品テーブル18Lの押し下げの難易度を調整することができる。
【0095】
なお、ゲーム装置10は、設定機器74に代えて、タッチパネル27に対する操作により各種設定をできるようにしても良い。例えば、タッチパネル27に設定された所定のボタン操作によって設定モード(テストモード)への移行を指示する。CPU80は、設定モード(テストモード)への移行指示を検出すると、設定用画面をタッチパネル27に表示させる。CPU80は、設定用画面を通じて指示された設定内容に応じて、設定データを例えば記憶装置82に記憶させる。
【0096】
次に、本実施形態におけるゲーム装置10の動作について説明する。
【0097】
図17は、ゲーム装置10のゲーム制御プログラムに基づいて実行されるゲーム制御処理を示すフローチャートである。
【0098】
ゲーム装置10のCPU80は、プレーヤによりゲームが実施されていない間、例えばデモンストレーション動作を実行させることができる。例えば、CPU80は、テーブルモータ駆動部84を通じて、テーブルモータ30を駆動させることでも景品テーブル18を回転させる。これにより、景品テーブル18に載置された景品を回転させて、プレーヤに対して商品をアピールしてゲームの実施を促すと共に、景品テーブル18の回転速度(受け部材50が押し部材19Pの下方に到達する速度)などをプレーヤに把握させることができる。
【0099】
また、CPU80は、プッシャーモータ駆動部85を通じて、プッシャーモータ19Mを駆動させることで、プッシャー機構19の押し部材19Pを、例えば受け部材50に到達しない範囲で上下動させる。これにより、スタートボタン26L,26Rを操作した場合の動作と押し部材19Pの移動速度などを、ゲーム開始前にプレーヤに対して把握させることができる。
【0100】
こうして、デモンストレーション動作を実行させることで、プレーヤに対して、現状のゲーム装置10の設定状態(景品テーブル18の回転速度、押し部材19Pの移動速度)を認識させて、ゲームを実施し易くすることができる。特に、ゲーム装置10を利用したことがないプレーヤであっても、ゲーム内容を容易に把握できる。
【0101】
なお、常時、デモンストレーション動作を実行させるのではなく、ゲーム装置10に人感センサ(図示せず)などを設けて、ゲーム装置10の近くに人が移動してきたことが検出された場合に実行させるようにしても良い。
【0102】
プレーヤは、ゲームを実施する場合、コイン投入口29Lから所定のコインを投入する、あるいは電子マネーユニット28Lに対して所定の操作をすることで、ゲームのプレイ料金の支払いをする。CPU80は、コイン投入センサ99Lからのコイン投入の検知信号(ステップA1、Yes)、あるいは電子マネーユニット28Lからの入金通知(課金処理)があると(ステップA2、Yes)、プレーヤによる操作を受け付ける前のゲーム初期動作を開始する。
【0103】
CPU80は、プッシャーモータ駆動部85を通じて、プッシャーモータ19Mを駆動させることで、押し部材19Pを初期位置に位置決めさせる(ステップA3)。すなわち、例えば、CPU80は、押し部材19P(検知部材19P3)が位置センサ19S1により検出される上限位置まで移動させた後、位置センサ19S2により検出されるまで下方に移動させる。押し部材19Pの初期位置への位置決めが完了すると、CPU80は、プレーヤによるスタートボタン26Lに対する操作有効時間を判別するためにタイムカウントを開始し(ステップA4)、スタートボタン26Lに対する操作待ち状態となる(ステップA6、No)。この間、CPU80は、操作有効時間までの残り時間を、タッチパネル27において表示させたり(例えば残り秒数)、スピーカ73からの音声、LED群93による点灯/点滅させたりすることによって、プレーヤに対して通知することができる。
【0104】
CPU80は、操作有効時間内にスタートボタン26Lに対する操作がなかった場合(タイムオーバー)(ステップS6、Yes)、例えば、タッチパネル27における表示、スピーカ73からの音声、LED群93による点灯/点滅の少なくとも何れか一つによって、タイムオーバーをプレーヤに通知する(ステップA7)。この場合、CPU80は、タイムオーバーしたタイミングで、後述するプッシャー機構19の押し部材19Pを下方向へ移動させるための制御を開始する(ステップA8)。すなわち、プレーヤによるスタートボタン26Lに対する操作がない場合でも、押し部材19Pを下方向へ移動させる動作を実行することで、プレーヤが景品を獲得できる機会を提供する。なお、操作有効時間内にスタートボタン26Lに対する操作がなかった場合には、押し部材19Pを下方向へ移動させることなくゲームを終了させても良い。
【0105】
一方、CPU80は、操作有効時間内にスタートボタン26Lに対して操作されたことを検知すると(ステップA5、Yes)、押し部材19Pを初期位置から下方向に移動させるように、プッシャーモータ駆動部85を通じて、プッシャーモータ19Mを駆動させる。これにより、プッシャー機構19の押し部材19Pが下方向へ移動を開始する。
【0106】
この結果、景品テーブル18Lの外周に設けられた何れかのターゲット機構18Cの受け部材50に押し部材19Pが圧接し、そのまま押し部材19Pが押し下げられた場合、傾斜機構により景品テーブル18Lが傾斜され初め、この傾斜に伴って第1部材35と第2部材31との連結(カップリング)が外れて、景品テーブル18Lの回転が停止される。
【0107】
押し部材19Pによる受け部材50への押し下げが継続され、景品テーブル18Lの傾斜角度が大きくなると、景品テーブル18Lから景品が落下して、景品落とし口20Lに収容される。この際、景品検知センサ94は、景品が景品落とし口20Lに落下したことが検知してCPU80に通知する。CPU80は、景品検知センサ94からの通知があると(ステップA9、Yes)、タッチパネル27における表示、スピーカ73からの音声、LED群93による点灯/点滅の少なくとも何れか一つによって、景品が獲得されたことをプレーヤ(及びゲーム装置10の管理者)に通知するための出力を実行する(ステップA10)。
【0108】
また、CPU80は、外部機器とネットワークを通じて通信をするための通信機器が設けられている場合、ゲーム装置10の管理者に対して、プレーヤによって景品が獲得されたことを通知して、景品の補充を促すようにしても良い。
【0109】
一方、CPU80は、景品テーブル18Lが最大角度まで傾斜したことが傾斜検出センサ(図示せず)により検出される、あるいは押し部材19Pが下限位置まで移動されたことが位置センサ19S3により検出された場合(ステップA11、Yes)、押し部材19Pの移動方向を上方向に変更し、所定位置(例えば初期位置)まで移動させてゲームを終了させる。
【0110】
景品テーブル18Lは、押し部材19Pによる押し下げがなくなると、前述したように、引張コイルばね46による付勢により元の水平状態に戻される。
【0111】
このようにして、本実施形態におけるゲーム装置10では、スタートボタン26Lに対する操作のみで、押し部材19Pの移動開始を指示し、押し部材19Pにより景品テーブル18Lを傾斜させることで、景品テーブル18Lに載置させた景品を落下させるというゲームを提供できる。すなわち、ゲーム内容を容易に把握でき、景品の取得し易さをアピールすることができるゲーム装置を提供することが可能となる。
【0112】
なお、本実施形態におけるゲーム装置10では、景品テーブル18Lの回転速度、押し部材19Pの上下方向の移動速度を一定とするが、ゲーム中に速度変化をさせても良いし、押し部材19Pに対して移動/停止の制御を追加するようにしても良い。これにより、ゲームの難易度の調整やゲーム内容を変化させることもできる。
【0113】
また、前述した説明では、プッシャー機構19により押し部材19Pを下方向に移動させて、ターゲット機構18Cの受け部材50を下方向に押し付ける(押し下げる)ものとして説明しているが、本実施形態における押し付け機構では、押し付けの方向を下方向(垂直方向)に限らず、斜め下方向、横方向、さらには上方向など、他の方向に押し付けるように使用することも可能である。
【0114】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0115】
10…ゲーム装置、12…上部筐体、13…下部筐体、15…透明板、16…フィールド板、17(17L,17R)…景品台、18(18L,18R)…景品テーブル、18C(18C1,18C2,18C3,18C4)…ターゲット機構、19(19L,19R)…プッシャー機、19P…押し部材、20(20L,20R)…景品落とし口、21(21L,21R)…景品取出口、22…フロントメンテドア、23(23L,23R)…コントロールパネル、24…メインコントロールパネル、25…景品ストック棚、26L,26R…スタートボタン、27…タッチパネル、28(28L,28R)…電子マネーユニット、29(29L,29R)…コイン投入口、50(50a,50b,50c)…受け部材(キャッチカバー)。
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