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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156550
(43)【公開日】2023-10-25
(54)【発明の名称】用紙排出装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 29/22 20060101AFI20231018BHJP
   B65H 29/70 20060101ALI20231018BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
B65H29/22 Z
B65H29/70
G03G15/00 460
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065960
(22)【出願日】2022-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】谷口 裕章
【テーマコード(参考)】
2H072
3F049
3F053
【Fターム(参考)】
2H072FB01
2H072JA02
2H072JA04
3F049AA01
3F049DA12
3F049DA14
3F049LA01
3F049LB01
3F053HA07
3F053HB11
3F053LA01
3F053LB01
(57)【要約】
【課題】本開示は、スイッチバック時(逆回転時)において紙詰まりを防止可能な紙排出装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本開示に係る用紙排出装置は、画像が記録されたシートを搬送する搬送路と、前記搬送路を搬送された前記シートが排出される排紙トレイと、回転駆動する駆動ローラと、前記駆動ローラに当接して従動する従動ローラと、前記従動ローラの周辺に設けられた回動部材と、を備え、前記駆動ローラと前記従動ローラとの当接部で前記シートを挟持して前記排紙トレイに排出し、前記回動部材は、前記従動ローラの回転時に連動及び回動して前記従動ローラの前記搬送路側に収納され、前記従動ローラの逆回転時に連動及び回動して前記排紙トレイ側に引き出されることを特徴とする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が記録されたシートを搬送する搬送路と、
前記搬送路を搬送された前記シートが排出される排紙トレイと、
回転駆動する駆動ローラと、
前記駆動ローラに当接して従動する従動ローラと、
前記従動ローラの周辺に設けられた回動部材と、
を備え、
前記駆動ローラと前記従動ローラとの当接部で前記シートを挟持して前記排紙トレイに排出し、
前記回動部材は、前記従動ローラの回転時に連動及び回動して前記従動ローラの前記搬送路側に収納され、前記従動ローラの逆回転時に連動及び回動して前記排紙トレイ側に引き出されることを特徴とする用紙排出装置。
【請求項2】
前記回動部材の先端部は、前記従動ローラの回転時に連動及び回動して前記従動ローラの前記搬送路側に収納されたとき、前記従動ローラ又は前記従動ローラに設けられた腰付け部材の外周面よりも前記排紙トレイ側の外側に突出していないことを特徴とする請求項1に記載の用紙排出装置。
【請求項3】
前記回動部材の先端部は、前記従動ローラの逆回転時に連動及び回動して前記排紙トレイ側に引き出されたとき、前記従動ローラの外周面よりも外側に突出していることを特徴とする請求項1又は2に記載の用紙排出装置。
【請求項4】
前記回動部材を回転させる回動軸と回動ギアをさらに備え、
前記回動ギアの周辺に、前記回動軸の回動を制限するトルクリミッタが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の用紙排出装置。
【請求項5】
前記従動ローラの回転時及び逆回転時における前記回動部材の周辺には、所定位置以上に回動を規制するが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の用紙排出装置。
【請求項6】
前記回動部材の一部が円弧部を有し、
前記円弧部の円の中心は、前記従動ローラの円の中心と一致することを特徴とする請求項1又は2に記載の用紙排出装置。
【請求項7】
前記従動ローラの回動軸線方向において、前記回動部材の先端部は、前記従動ローラの回動軸の高さと同じ、又は前記従動ローラの回動軸の高さより上方となるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の用紙排出装置。
【請求項8】
前記回動部材の回動軸の中心は、前記従動ローラの回動軸線方向において、前記従動ローラの従動ローラ軸の中心よりも搬送路側に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の用紙排出装置。
【請求項9】
前記回動部材は、前記従動ローラの回動軸線方向に沿って、前記従動ローラの両側に隣接して設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の用紙排出装置。
【請求項10】
前記従動ローラの外側には、前記従動ローラの回動軸線方向に沿って、前記従動ローラの直径よりも大きい腰付け部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の用紙排出装置。
【請求項11】
請求項1又は2に記載の用紙排出装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、用紙排出装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、排紙装置が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、印刷済みの用紙が装置内に侵入しないようにした排紙装置が開示されている。係る装置は、印刷済みの用紙が装置内に侵入しないように、排紙ローラ17a,17bから排出される用紙の排出経路Xには干渉せず、排出済みの用紙が前記排紙ローラ側17a,17bへ戻る戻り経路Zに干渉するように固定された突出部材28を配設している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-273713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、排紙用紙のスタッキング性を良くするため従動ローラ端には蹴りだしスポンジ(腰付け部材)が設けられている。それは従動ローラよりも径が大きく、スポンジやゴムを使用している場合が多い。これにより、従動ローラ軸方向において、用紙を湾曲させ、用紙自身に腰をつけることができる。
【0006】
しかしながら、排紙された用紙が途中で折れ曲がり、用紙の端が従動ローラに触れている状態で排紙の搬送が終わり、次用紙が両面印字を行う際に従動ローラがスイッチバック(逆回転)するタイミングで、腰付け部材が先の用紙を引き戻す際に紙詰まりが発生する場合がある。また、腰付け部材が無い場合は、従動ローラに先のシートが引き戻される。
【0007】
そこで、本開示は上記問題に鑑み、スイッチバック時(逆回転時)において紙詰まりを防止可能な紙排出装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様では、画像が記録されたシートを搬送する搬送路と、前記搬送路を搬送された前記シートが排出される排紙トレイと、回転駆動する駆動ローラと、前記駆動ローラに当接して従動する従動ローラと、前記従動ローラの周辺に設けられた回動部材と、を備え、前記駆動ローラと前記従動ローラとの当接部で前記シートを挟持して前記排紙トレイに排出し、前記回動部材は、前記従動ローラの回転時に連動及び回動して前記従動ローラの前記搬送路側に収納され、前記従動ローラの逆回転時に連動及び回動して前記排紙トレイ側に引き出されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本開示によれば、スイッチバック時(逆回転時)において紙詰まりを防止可能な紙排出装置及び画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示に係る画像形成装置を正面側から見た内部構造を示す概略図である。
図2図2は、画像形成部の上方に備える排紙トレイの斜視図である。
図3図3は、画像形成部の上方に備える排紙トレイの断面図である。
図4図4は、回動部材を備えない場合の用紙排出装置を示す断面図であり、用紙が排出する様子である。
図5図5は、回動部材を備えない場合の用紙排出装置を示す断面図であり、用紙がスイッチバックする様子である。
図6図6は、従動ローラの周辺に設けられた回動部材の拡大図であり、排出時の様子である。
図7図7は、図6の側面図である。
図8図8は、図6の正面図である。
図9図9は、従動ローラの周辺に設けられた回動部材の拡大図であり、スイッチバック時の様子である。
図10図10は、図9の側面図である。
図11図11は、図9の正面図である。
図12図12は、腰付け部材が設けられていない従動ローラを示す正面図である。
図13図13は、回動ギアにトルクリミッタが設けられていることを示す斜視図である。
図14図14は、トルクリミッタの説明図である。
図15図15は、トルクリミッタの説明図である。
図16図16は、トルクリミッタの説明図である。
図17図17は、回動部材の周辺に回動規制部が設けられていることを示す斜視図であり、図2を左からみた図である。
図18図18は、回動部材の周辺に回動規制部が設けられていることを示す斜視図であり、図2を右からみた図である。
図19図19は、回動部材の周辺に回動規制部が設けられていることを示す斜視図であり、回動部材周辺のみを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本開示の解決手段として必須であるとは限らない。
【0012】
(画像形成装置)
本開示に係る画像形成装置100について図1を参照して説明する。図1は、本開示に係る画像形成装置を正面側から見た内部構造を示す概略図である。なお、画像形成装置100において、正面側から見たときの水平方向のうち、左側を左方向、右側を右方向とそれぞれ規定する。また、正面側から見たときの奥行方向のうち、画像形成装置100の正面側(手前)を前方向、背面側(奥)を後方向とする。また、画像形成装置100において、底部側を下方向、反対側を上方向とそれぞれ規定する。
【0013】
図1に示すように、画像形成装置100は、画像形成装置本体部110、画像読取装置200、用紙排出装置300、給紙装置400、及び手差しユニット510を備える。
【0014】
画像形成装置本体部110の上部には、画像読取装置200が設けられている。画像読取装置200は、原稿Gの画像を読み取る装置である。画像読取装置200は、透明材によって形成された、原稿Gを載置する原稿載置台221を備える。原稿載置台221の上方には、ヒンジ等を介して開閉自在に取り付けられた原稿押えカバー218が設けられている。原稿押えカバー218の上面には原稿供給トレイ220が設けられており、その内部には、図示しない、自動送り装置(ADF:Auto Document Feeder)が備えられている。ADFは、原稿供給トレイ220に載置された原稿Gを画像読取位置222に1枚ずつ自動で供給する。
【0015】
画像読取装置200は、原稿Gから画像を読み取る画像読取部226を内蔵している。画像読取部226は、図示しない、光源、複数のミラー、結像レンズ、およびラインセンサを備えている。そして、画像読取装置200は、原稿Gを、光源から発した光によって露光し、原稿Gから反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度又は色度が検出され、原稿Gに基づく画像データが生成される。ラインセンサとしては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)又はCIS(Contact Image Sensor)等を用いることができる。
【0016】
画像読取装置200の下部には、用紙排出装置300、給紙カセット410及びシート供給部420を備える給紙装置400が設けられている。用紙排出装置300について、後ほど詳述する。
【0017】
給紙カセット410は、画像形成装置本体部110に供給するシートP(用紙)を収容する。画像形成装置100は、給紙カセット410内に500枚のシートPが収容できるように構成されている。給紙カセット410に収容されたシートPは、シート供給部420によって画像形成装置本体部110へ供給される。
【0018】
シート供給部420は、呼込ローラ421、供給ローラ422、及び分離ローラ423を有する。呼込ローラ421は、回転駆動して給紙カセット410に収容されたシートPを上から引き出して供給ローラ422および分離ローラ423に向けて送出する。分離ローラ423は、供給ローラ422と対向する位置に配置されている。画像形成装置本体部110へシートPを供給する場合、分離ローラ423は供給ローラ422を押圧した状態に維持される。そして、分離ローラ423が回転駆動することで、供給ローラ422と分離ローラとの間でシートPを1枚ずつ分離させ搬送する。なお、呼込ローラ421を設けることなく、供給ローラ422が呼込ローラ421を兼ねる構成であってもよい。このような構成の場合、供給ローラ422が、回転駆動してシートPを給紙カセット410から引き出す。
【0019】
図1では、説明の便宜上、1つの給紙カセット410、及び1つのシート供給部420のみを図示しているが、画像形成装置100は、3つの給紙カセット410が上下方向に多段に配置され、各給紙カセット410にシート供給部420が設けられた構成となってもよい。
【0020】
また、画像形成装置本体部110の右側部の下方側には、シート収容部を有する手差しユニット510が設けられている。手差しユニット510は、給紙装置400の給紙カセット410にセットできないシートPを画像形成装置100に供給する。
【0021】
給紙装置400が有する給紙カセット410に収容されたシートPおよび手差しユニット510が有するシート収容部に収容されたシートPは、搬送ローラ12aを通じて画像形成装置本体部110のシート搬送路W1(搬送路)に送出される。
【0022】
画像形成装置100は、画像形成部102及びシート搬送系103を備える。
【0023】
画像形成部102は、露光ユニット1、現像ユニット2、静電潜像担持体として作用する感光体ドラム3、クリーニング部4、帯電装置5、1次転写装置6、定着ユニット7、及び2次転写装置10を備える。画像形成部102は、給紙カセット410等から搬送されたシートP上に画像を記録、形成して、排紙トレイ14に用紙を排出する。シートP上に画像を形成するための画像データとしては、画像読取部226で原稿Gから読み取った画像データ又は外部のコンピュータ等から送信された画像データが挙げられる。
【0024】
一方、シート搬送系103は、シート搬送路W1を備えている。シート搬送路W1では、搬送ローラ12aから排紙トレイ14に向かって、レジストローラ13、2次転写装置10が備える転写ローラ10a、定着ユニット7が有する定着ローラ71および加圧ローラ72、ならびに従動ローラ31が配設されている。
【0025】
画像形成装置100において画像形成を行う場合、画像形成部102では、帯電装置5が感光体ドラム3の表面を一様に帯電する。また、露光ユニット1が、画像データに基づき、帯電された感光体ドラム3の表面をレーザー露光する。これによって、感光体ドラム3の上に静電潜像を形成する。なお、露光ユニット1は、不図示のレーザー出射部および反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニットとして構成することができる。
【0026】
感光体ドラム3の上に形成された静電潜像は、現像ユニット2にて現像されてトナー像にそれぞれ顕像化される。つまり、現像ユニット2は、図示しない、トナーを収容する現像槽および現像剤担持体として機能する現像ローラを備える。そして、現像ユニット2は、感光体ドラム3の表面にトナーを供給し、感光体ドラム3の表面に形成された静電潜像をトナーによって顕像化する。なお、現像槽の内部には、トナー濃度を検知する、図示しないトナー濃度検知センサが設けられている。このトナー濃度検知センサによって検知されたトナー濃度が所定値よりも低くなると、図示しないトナー補給装置から現像槽にトナーが補給される。
【0027】
感光体ドラム3の上のトナー像は、1次転写装置6において、1次転写装置第1ローラ6aと1次転写装置第2ローラ6bとの間に張架され周回方向Eに沿って周回する中間転写ベルト6cの上に転写される。そして、中間転写ベルト6cの上のトナー像は、2次転写装置10まで搬送される。
【0028】
一方、給紙装置400又は手差しユニット510から供給されたシートPは、シート搬送路W1を通じて、搬送ローラ12aを経てレジストローラ13まで搬送される。次に、シートPは、シートPと感光体ドラム3の上のトナー像とが整合するタイミングでレジストローラ13によって転写ローラ10aに搬送される。そして、感光体ドラム3の上のトナーは、転写ローラ10aによってシートPの上に転写される。その後、シートPは定着ユニット7における定着ローラ71および加圧ローラ72を通過し、駆動ローラ31、従動ローラ32を経て排紙トレイ14に排出される。
【0029】
なお、定着ユニット7は、定着ローラ71および加圧ローラ72を備え、画像形成部102の上側に配置されている。定着ローラ71は、所定の定着温度(たとえば160℃)となるように設定されており、定着ローラ71と加圧ローラ72との間のニップ域(定着ニップ部)をシートPが通過することによって、シートPに転写されたトナー像が溶融、混合および圧接される。このようにして、シートPに対してトナー像が熱定着される。
【0030】
また、シートPの表面だけでなく、シートPの裏面に画像形成を行う場合、シートPは、従動ローラ31から反転シート搬送路W2(搬送路)を通じて逆方向に搬送される。これをスイッチバックという。シートPは、反転シート搬送路W2において、所定の間隔を隔てて2箇所に設けられた反転搬送ローラ12bそれぞれを経てシートPの表裏を反転させた状態でレジストローラ13へ再度導かれる。そして、シートPの表面と同様にして、シートPの裏面に対してもトナー像が形成され、定着される。その後、シートPは、排紙トレイ14へ排出される。
【0031】
現像および画像転写後、感光体ドラム36の表面にはトナーが残留する。そこで、画像形成装置100は、感光体ドラム36の表面に当接するクリーニングブレード等を有したクリーニング部4を備え、このクリーニング部4によって、感光体ドラム36の表面に残留したトナーを除去するように構成されている。
【0032】
また、上述した構成を有する画像形成装置100は、図示しないCPUおよびメモリ等を含む制御部を備えている。そして、制御部は、操作パネルへの入力操作などに応じて、画像形成装置100の各部位に制御信号を送信し、画像形成装置100に種々の動作を実行させるように構成されている。
【0033】
なお、画像形成装置100は、給紙装置400および手差しユニット510を備える構成であった。しかしながら、画像形成装置100は、外付けの給紙装置を備え、この外付けの給紙装置からシート搬送路W1にシートPが給紙される構成としてもよい。
【0034】
(用紙排出装置)
次に本開示に係る用紙排出装置300について説明する。なお、図に示す左を排出側(排紙トレイ側)、右をスイッチバック側(用紙搬送路側)とする。本開示に係る用紙排出装置300は、画像形成装置本体部110と、排紙トレイ14と、従動ローラ32と、回動部材35と、を備える。以下、図2以降を参照して、本開示に係る用紙排出装置300の構成について説明する。本開示に係る用紙排出装置300として、画像形成装置100の上部に内蔵された用紙排出装置を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。例えば、用紙排出装置300は、画像形成装置100とは別体に設けられていてもよい。
【0035】
図2は、画像形成部102の上方に備える排紙トレイ14の斜視図である。排紙トレイ14は、画像形成装置本体部110に設けられている。図3は、画像形成部102の上方に備える排紙トレイ14の断面図である。図2及び図3に示すように、従動ローラ32は、排紙トレイ14に設けられており、排紙トレイ14の排出側に設けられている。回動部材35は、従動ローラ32の周辺に設けられている。図3に示す矢印は、シートPが排出及びスイッチバックする様子を示し、左がシートPを排出、右がシートPをスイッチバックする様子を示す。
【0036】
回動部材35を備えない場合、図4に示すように、排出時に排紙された先のシートP1と共に次のシートP2が従動ローラ32や腰付け部材33に接触する。そして、図5に示すように、スイッチバック時に、先のシートP1が腰付け部材33に引き戻される。センサが次のシートP2と引き戻された先のシートP1を検知し続け、規定時間をオーバーし紙詰まりが発生する。また、腰付け部材が無い場合は、従動ローラに先のシートが引き戻される。
【0037】
そこで、本開示に係る用紙排出装置300は、従動ローラ32の周辺に設けられた回動部材35を備えることで、スイッチバック時において紙詰まりを防止することができる。以下に詳述する。
【0038】
図6は、駆動ローラ31に当接して従動する従動ローラ32の周辺に設けられた回動部材35の拡大図であり、排出時の様子である。図7は、図6の側面図である。図8は、図6の正面図である。図6図7及び図8に示すように、回動部材35は、回動軸36に設けられている。そして、図7に示すように、排出時には、シートPが矢印の方向へ送り出されると同時に、回動軸36が右回転となり、回動部材35の先端部35aが右に移動し、従動ローラ32又は腰付け部材33の径の内側に収納される。このとき、回動部材35は、従動ローラ32の回転時に連動及び回動する。このようにするために、後述する中間ギア38を設ければよい。なお、図6等では、従動ローラ32の外側には、従動ローラ32の回動軸線方向に沿って、従動ローラ32の直径よりも大きい腰付け部材33が設けられている。腰付け部材33は、スポンジやゴムが用いられる。また、腰付け部材33は、従動ローラ軸41方向において、用紙Pを湾曲させ、用紙P自身に腰をつけることができる。
【0039】
このように、図6図7及び図8に示すように、回動部材35は、従動ローラ32又は腰付け部材33側に収納されているので、排出時にシートPへ影響を与えない。
【0040】
一方で、スイッチバック時には、図9図10及び図11に示すように、シートPが矢印の方向へ送り出されると同時に、回動軸36が左回転となり、特に図10に示すように回動部材35の先端部35aが左に移動し、スイッチバック側(左側)に引き出される。このとき、回動部材35は、従動ローラ32の逆回転時に連動及び回動してスイッチバック側である排紙トレイ14側に引き出される。
【0041】
このように、排出時及びスイッチバック時において回動部材35が左右に動くことにより、スイッチバック時に回動部材35が排紙トレイ14側に引き出され、次のシートに対しストッパの役割を果たし、シートPが従動ローラ32や腰付け部材33に触れないようにし、紙詰まりを防止することができる。また、コシが弱いシートや湿気を含んだシートに対しても紙詰まりを防止することができる。
【0042】
また、図10に示すように、スイッチバック時に、従動ローラ32の回動軸線方向において、回動部材35の先端部35aは、従動ローラ32の従動ローラ軸41の高さNと同じ、又は従動ローラ32の従動ローラ軸41の高さNより上方となるように形成されていることが好ましい。このようにすれば、スイッチバック時において、次の用紙が従動ローラ32等に触れることを防止し、確実に紙詰まりを防止することができる。
【0043】
また、図7に示すように、回動部材35の先端部35aは、従動ローラ32の回転時に連動及び回動して従動ローラ32の内側に収納されたとき、従動ローラ32又は従動ローラ32に設けられた腰付け部材33の外周面Mよりも排紙トレイ側の外側(左)に突出していないことが好ましい。このようにすれば、排出時にシートPを排出することができる。
【0044】
一方で、図10に示すように、回動部材35の先端部35aは、従動ローラ32のスイッチバック時に連動及び回動して排紙トレイ14側に引き出されたとき、従動ローラ32の外周面Mよりも外側に突出していることが好ましい。このようにすれば、スイッチバック時にシートPの紙詰まりを防止することができる。
【0045】
また、図10に示すように、スイッチバック時において、回動部材35の先端部35aは、従動ローラ32の従動ローラ軸41の高さNと同じ、又は従動ローラ32の従動ローラ軸41の高さNより上方となるように形成されていることが好ましい。
【0046】
また、図10に示すように、スイッチバック時において、回動部材35はその一部に円弧部35bを有し、円弧部35bの円の中心Oaは、従動ローラ32の円の中心Oaと一致することが好ましい。つまり、円弧部35bの円の中心Oaと従動ローラ32の中心Oaとが一致する。また、円弧部35bの円の中心Oaと、従動ローラ32の円の中心Oa及び/又は腰付け部材の円の中心とが一致する。なお、円弧部35bは、円弧状であり、従動ローラ軸41の周りを円弧状に存在している。また、回動部材35は、円弧部35bを有さず、直線状やL字としてもよい。
【0047】
また、図10に示すように、スイッチバック時において、回動部材35の回動軸36の中心Obは、従動ローラ32の回動軸線方向において、従動ローラ32の従動ローラ軸41の中心Oaよりも搬送路側(右側)に配置されていることが好ましい。また、スイッチバック時において、回動部材35の回動軸36の中心Obは、従動ローラ32の従動ローラ軸41の中心Oaよりも下側に配置されていることが好ましい。
【0048】
また、図11に示すように、回動部材35は、従動ローラ32の回動軸線方向に沿って、従動ローラ32の両側に隣接して設けられることが好ましい。また、従動ローラ32の両側に隣接して設けられたそれぞれの回動部材35は、回動軸36が回動したとき、それぞれが一緒に回動することが好ましい。また、従動ローラ32の両側に隣接して設けられた回動部材35は、複数設けられることが好ましい。
【0049】
図12は、腰付け部材が設けられていない従動ローラ32を示す正面図である。図12に示すように、従動ローラ32は腰付け部材が設けられていなくともよい。係る構成についても、腰付け部材と回動部材35の先端部35aとの位置関係は、上述した通りである。
【0050】
図13は、回動ギア39にトルクリミッタが設けられていることを示す斜視図である。図13に示すように、回動部材35を回転させる回動軸36と回動ギア39をさらに備え、回動ギア39の周辺に、回動軸36の回動を制限するトルクリミッタが設けられていることが好ましい。
【0051】
図13に示すように、回転駆動する駆動ローラ31は、駆動ローラ軸40、駆動ローラギア37、中間ギア38、回動ギア39、回動軸36を介して回動部材35を回動させている。よって、回動部材35の回動による奥側への押圧を適切にするために、回動ギア39の周辺にトルクリミッタを設けることが好ましい。
【0052】
トルクリミッタは、図14に示すように、ギア39a、トルクリミッタ39b、ギア39aとトルクリミッタ39bの回転止め39cを備える。トルクリミッタは、図15に示すギア39aを、図16に示す回転止め39cにトルクリミッタ39bを取り付けたものに取り付ける。
【0053】
このようにすれば、回動軸36の回動を制限し、回動部材35の回動を制限できるので、奥側への押圧を適切とすることができ、スイッチバック時においてより確実に紙詰まりを防止することができる。
【0054】
また、図13に示すように、従動ローラ軸41にバネ42を設け回動部材35の回動を制限してもよい。このようにすることで、容易に回動部材35の回動を制限することができる。
【0055】
なお、スイッチバックした瞬間は、回動部材35が回動中なので少しシートPが引き戻される。
【0056】
そこで、駆動ローラギア37の径を回動ギア39の径よりも大きくする。このようにすることで、回動部材35の動作を早くすることができ、引き戻し量を抑えることができ、より紙詰まりを防止することができる。
【0057】
一方で、回動ギア39を駆動源とし、駆動ローラギア37を被動とすることにより、ギアのバックラッシ分、回動部材35が早く動作をするため、引き戻し量を抑えることができ、より紙詰まりを防止することができる。
【0058】
なお、駆動ローラ31は例えばゴムローラであり、従動ローラ32は例えば樹脂ローラであり、腰付け部材33は例えばスポンジローラである。
【0059】
図17図18及び図19は、回動部材35の周辺に回動規制部35cが設けられていることを示す斜視図である。図17は、図2を左からみた図である。図18図2を右からみた図であり、回動規制部35cがみえている。図19は回動部材35の周辺のみを示した図である。図17図18及び図19に示すように、従動ローラ32の回転時及び逆回転時における回動部材35の周辺には、所定位置以上に回動を規制する回動規制部35cが設けられていることが好ましい。
【0060】
回動規制部35cは、突起やリブである。搬送ガイド50に孔51を設け、そこから回動規制部35cを出すように構成される。このようにすることで、容易に回動部材35の回動を制限することができる。
【0061】
以上より、本開示に係る用紙排出装置300によれば、スイッチバック時(逆回転時)において紙詰まりを防止することができる。
【0062】
なお、上記のように本開示の各実施形態及び各実施例について詳細に説明したが、本開示の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本開示の範囲に含まれるものとする。
【0063】
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、用紙排出装置及び画像形成装置の構成、動作も本開示の各実施形態及び各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 露光ユニット、2 現像ユニット、3 感光体ドラム、4 クリーニング部、5 帯電装置、6 1次転写装置、7 定着ユニット、
10 2次転写装置、14 排紙トレイ、
31 駆動ローラ、32 従動ローラ、33 腰付け部材、35 回動部材、35a (回動部材の)先端部、35b 円弧部、35c 回動規制部、36 回動軸、37 駆動ローラギア、38 中間ギア、39 回動ギア、39a (回動軸に設けられた)ギア、39b トルクリミッタ、39c 回転止め、
40 駆動ローラ軸、41 従動ローラ軸、42 バネ、
50 搬送ガイド、51 孔、
100 画像形成装置、102 画像形成部、103 シート搬送系、110 画像形成装置本体部、
200 画像読取装置、
300 用紙排出装置、
400 給紙装置、410 給紙カセット、420 シート供給部、
510 手差しユニット、
M 外周面、N 従動ローラの回動軸の高さ、
Oa 円弧部の円の中心(従動ローラの円の中心)、Ob 回動軸の中心、
P シート(用紙)、
W1 シート搬送路、W2 反転シート搬送路
図1
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