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特開2023-156584通信装置、通信方法、および、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156584
(43)【公開日】2023-10-25
(54)【発明の名称】通信装置、通信方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/00 20180101AFI20231018BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20231018BHJP
   H04W 16/00 20090101ALI20231018BHJP
   H04W 48/18 20090101ALI20231018BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20231018BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20231018BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
H04W76/00
H04W4/38
H04W16/00
H04W48/18
H04W84/18
H04W88/06
H04Q9/00 341B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066018
(22)【出願日】2022-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米山 清二郎
(72)【発明者】
【氏名】小林 崇裕
(72)【発明者】
【氏名】小堺 康之
【テーマコード(参考)】
5K048
5K067
【Fターム(参考)】
5K048BA35
5K048DC01
5K048EB02
5K048GC03
5K067AA44
5K067BB27
5K067DD27
5K067EE04
5K067EE10
5K067EE25
(57)【要約】
【課題】スマートメータとしての機能を実行するとともに、状況に応じて集約装置の機能も実行可能な通信装置を提供する。
【解決手段】実施形態の通信装置は、外部サーバと広域通信ネットワークを介して通信する広域通信インタフェースと、マルチホップスマートメータおよび集約装置とマルチホップ通信ネットワークを介して通信するマルチホップ通信インタフェースと、広域通信インタフェースを用いて、外部サーバと通信するためのルーティング制御を実行するルーティング制御部と、マルチホップ通信インタフェースを用いて、マルチホップスマートメータおよび集約装置と通信するためのマルチホップ通信経路制御を実行するマルチホップ通信経路制御部と、所定のトリガーによって、ルーティング制御部の有効/無効の切替、および、マルチホップ通信経路制御部の有効/無効の切替の少なくともいずれかを行う切替制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部サーバと広域通信ネットワークを介して通信する広域通信インタフェースと、
マルチホップスマートメータおよび集約装置とマルチホップ通信ネットワークを介して通信するマルチホップ通信インタフェースと、
前記広域通信インタフェースを用いて、前記外部サーバと通信するためのルーティング制御を実行するルーティング制御部と、
前記マルチホップ通信インタフェースを用いて、前記マルチホップスマートメータおよび前記集約装置と通信するためのマルチホップ通信経路制御を実行するマルチホップ通信経路制御部と、
所定のトリガーによって、前記ルーティング制御部の有効/無効の切替、および、前記マルチホップ通信経路制御部の有効/無効の切替の少なくともいずれかを行う切替制御部と、を備える通信装置。
【請求項2】
前記切替制御部は、前記所定のトリガーとして、前記外部サーバから所定のコマンドを受信した場合に、前記マルチホップ通信経路制御部を無効から有効に切り替える、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記切替制御部は、
前記所定のトリガーとして、前記広域通信インタフェースを用いた前記外部サーバとの接続確認動作の結果に基づいて、前記ルーティング制御部の有効/無効の切替を行い、
前記所定のトリガーとして、前記マルチホップ通信インタフェースを用いた前記外部サーバとの接続確認動作の結果に基づいて、前記マルチホップ通信経路制御部の有効/無効の切替を行う、請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記切替制御部は、前記所定のトリガーとして、前記外部サーバから配信された所定のファームウェアによるプログラム変更を行った場合に、前記マルチホップ通信経路制御部を無効から有効に切り替える、請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
外部サーバと広域通信ネットワークを介して通信する広域通信インタフェースと、マルチホップスマートメータおよび集約装置とマルチホップ通信ネットワークを介して通信するマルチホップ通信インタフェースと、を備える通信装置における通信方法であって、
ルーティング制御部が、前記広域通信インタフェースを用いて、前記外部サーバと通信するためのルーティング制御を実行するルーティング制御ステップと、
マルチホップ通信経路制御部が、前記マルチホップ通信インタフェースを用いて、前記マルチホップスマートメータおよび前記集約装置と通信するためのマルチホップ通信経路制御を実行する第2制御ステップと、
切替制御部が、所定のトリガーによって、前記ルーティング制御部の有効/無効の切替、および、前記マルチホップ通信経路制御部の有効/無効の切替の少なくともいずれかを行う切替制御ステップと、を含む通信方法。
【請求項6】
外部サーバと広域通信ネットワークを介して通信する広域通信インタフェースと、マルチホップスマートメータおよび集約装置とマルチホップ通信ネットワークを介して通信するマルチホップ通信インタフェースと、を備える通信装置であるコンピュータを、
前記広域通信インタフェースを用いて、前記外部サーバと通信するためのルーティング制御を実行するルーティング制御部と、
前記マルチホップ通信インタフェースを用いて、前記マルチホップスマートメータおよび前記集約装置と通信するためのマルチホップ通信経路制御を実行するマルチホップ通信経路制御部と、
所定のトリガーによって、前記ルーティング制御部の有効/無効の切替、および、前記マルチホップ通信経路制御部の有効/無効の切替の少なくともいずれかを行う切替制御部と、して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、通信装置、通信方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スマートメータを通信ネットワークに接続し、遠隔検針(自動検針)等のサービスを提供するAMI(Advanced Metering Infrastructure)システムがある。通信ネットワークとしては、例えば、(無線)マルチホップ通信ネットワークを用いることができる。その場合、例えば、複数のスマートメータの情報(計測情報など)をマルチホップ通信で集約装置に集め、集約装置から広域通信網(携帯電話網(LTE(Long Term Evolution)網)や光回線網など)を介して外部サーバにそれらの情報を送信する。
【0003】
従来技術のスマートメータとして、例えば、920MHz帯の特定小電力無線を使用するマルチホップ通信インタフェースと、携帯電話通信網を使用する携帯電話通信インタフェースと、の両方を具備するものがある。このスマートメータによれば、例えば、マルチホップ通信インタフェースで他のスマートメータや集約装置と通信できない場合には、携帯電話通信インタフェースを用いて外部サーバと通信することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-105010号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】” RPL: IPv6 Routing Protocol for Low-Power and Lossy Networks”, [online], Internet Engineering Task Force (IETF), [令和4年3月22日検索], インターネット<URL:https://tools.ietf.org/html/rfc6550>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
AMIシステムにおけるマルチホップ通信ネットワークでは、スマートメータの分布によっては不感地帯が生じ、いくつかのスマートメータがマルチホップ通信ネットワークから孤立する問題がある。また、すべてのスマートメータにマルチホップ通信インタフェースと携帯電話通信インタフェースの両方を備える手法では、費用対効果の観点で問題がある。
【0007】
また、不感地帯対策として集約装置を新設する方法も考えられるが、散在する不感地帯に対して集約装置を新設していく運用は設置作業の負担が大きい。また、従来の集約装置は設置場所がWAN(Wide Area Network)回線に接続しやすい電柱等に限られるため、必ずしも全ての不感地帯をカバーできる方法とはなりえない。
【0008】
そこで、本発明の課題は、スマートメータとしての機能を実行するとともに、状況に応じて集約装置の機能も実行可能な通信装置、通信方法、および、プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の通信装置は、外部サーバと広域通信ネットワークを介して通信する広域通信インタフェースと、マルチホップスマートメータおよび集約装置とマルチホップ通信ネットワークを介して通信するマルチホップ通信インタフェースと、広域通信インタフェースを用いて、外部サーバと通信するためのルーティング制御を実行するルーティング制御部と、マルチホップ通信インタフェースを用いて、マルチホップスマートメータおよび集約装置と通信するためのマルチホップ通信経路制御を実行するマルチホップ通信経路制御部と、所定のトリガーによって、ルーティング制御部の有効/無効の切替、および、マルチホップ通信経路制御部の有効/無効の切替の少なくともいずれかを行う切替制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態の通信システムの全体構成を模式的に示す図である。
図2図2は、実施形態の通信装置の機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態の通信装置による処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の通信装置、通信方法、および、プログラムの実施形態について詳細に説明する。
【0012】
図1(a)は、実施形態の通信システムSの全体構成を模式的に示す図である。通信システムSは、外部サーバ1と、集約装置2と、マルチホップスマートメータ3と、通信装置4と、を備える。
【0013】
マルチホップスマートメータ3(3a、3b、3c、3d)は、事業者による所定のサービス(例えば電力、ガス、水の提供など)のユーザごとに設置される情報処理装置である。以下、マルチホップスマートメータ3a、3b、3c、3dを区別しないときは、「マルチホップスマートメータ3」と表記する。
【0014】
マルチホップスマートメータ3は、事業者からユーザに提供されるサービスの対象の物理量(例えば電力使用量、ガス使用量、水使用量など)を表す計測情報を取得する。マルチホップスマートメータ3は、ユーザが事業者からのサービスの提供を受ける場所(家、会社、建物(ビル等)、店舗、工場等)に設置され、ユーザと一対一で対応付けられている。
【0015】
マルチホップスマートメータ3は、(無線)マルチホップ通信を行う。マルチホップ通信では、例えば、通信規格RPL(IPv6 Routing protocol for Low Power and Lossy Networks)にしたがって通信経路が自律的に構築される。具体的には、それぞれのマルチホップスマートメータ3は、近隣のマルチホップスマートメータ3との間の無線通信品質にしたがって、近隣のマルチホップスマートメータ3の中から親ノードを選択する。また、集約装置2の近傍のマルチホップスマートメータ3は、集約装置2を親ノードとして選択できる。
【0016】
ここで、マルチホップスマートメータ3bは親ノードとしてマルチホップスマートメータ3aを選択し、また、マルチホップスマートメータ3aは親ノードとして集約装置2を選択したものとする。
【0017】
その場合、マルチホップスマートメータ3bは、計測情報をマルチホップ通信によりマルチホップスマートメータ3aに送信する。マルチホップスマートメータ3aは、自身の計測情報とマルチホップスマートメータ3bの計測情報を集約装置2に送信する。
【0018】
また、マルチホップスマートメータ3c、3dは、マルチホップスマートメータ3a、3bや集約装置2とマルチホップ通信できない通信不良状態で、孤立している。
【0019】
集約装置2(コンセントレータ)は、複数のマルチホップスマートメータ3から送信された計測情報(センサデータ)を集約する装置である。集約装置2は、マルチホップスマートメータ3aからマルチホップ通信によって計測情報を受信する。また、集約装置2は、外部サーバ1と、広域通信ネットワークN(例えば携帯電話網や光回線網などのWAN(Wide Area Network))を介して通信する。
【0020】
外部サーバ1は、コンピュータ装置であり、マルチホップスマートメータ3(集約装置2経由)や通信装置4との間で、データを送受信する。外部サーバ1は、例えば、マルチホップスマートメータ3から、集約装置2を介して計測情報を受信する。また、外部サーバ1は、例えば、集約装置2を介して、マルチホップスマートメータ3にファームウェアのプログラム配信を行う。
【0021】
また、通信装置4は、携帯電話通信型スマートメータ(以下、「LTEスマートメータ」ともいう。)として、自身の計測情報を定期的に外部サーバ1に送信する。外部サーバ1は、通信装置4と、広域通信ネットワークNを介して通信する。外部サーバ1は、例えば、通信装置4から計測情報を受信したり、通信装置4にファームウェアのプログラム配信を行ったりする。
【0022】
以下、図2も併せて参照して、通信装置4について説明する。図2は、実施形態の通信装置4の機能構成を示すブロック図である。通信装置4は、処理部41と、記憶部42と、広域通信インタフェース43と、マルチホップ通信インタフェース44と、を備える。
【0023】
広域通信インタフェース43は、外部サーバ1などと広域通信ネットワークNを介して通信する通信インタフェース(例えば、携帯電話通信インタフェース)であり、例えば、無線チップによって実現される。
【0024】
マルチホップ通信インタフェース44は、マルチホップスマートメータ3や集約装置2とマルチホップ通信ネットワークを介して通信する通信インタフェースであり、例えば、無線チップによって実現される。
【0025】
処理部41は、各種演算処理を実行し、例えば、CPU(Central Processing Unit)によって実現される。処理部41は、機能構成として、例えば、ルーティング制御部411と、マルチホップ通信経路制御部412と、切替制御部413と、を備える。
【0026】
ルーティング制御部411は、広域通信インタフェース43を用いて、外部サーバ1などと通信するためのルーティング制御(例えばIP(Internet Protocol)ルーティング制御)を実行する。
【0027】
マルチホップ通信経路制御部412は、マルチホップ通信インタフェース44を用いて、マルチホップスマートメータ3や集約装置2と通信するためのマルチホップ通信経路制御を実行する。
【0028】
切替制御部413は、所定のトリガーによって、ルーティング制御部411の有効/無効の切替、および、マルチホップ通信経路制御部412の有効/無効の切替の少なくともいずれかを行う。
【0029】
切替制御部413は、例えば、所定のトリガーとして、外部サーバ1から所定のコマンドを受信した場合に、マルチホップ通信経路制御部412を無効から有効に切り替える。
【0030】
また、切替制御部413は、例えば、所定のトリガーとして、広域通信インタフェース43を用いた外部サーバ1との接続確認動作の結果(例えばPINGコマンド実行時の外部サーバ1からの応答結果)に基づいて、ルーティング制御部411の有効/無効の切替を行う。例えば、接続確認できれば有効に設定し、接続確認できなければ無効に設定する。
【0031】
また、切替制御部413は、例えば、所定のトリガーとして、マルチホップ通信インタフェース44を用いた外部サーバ1との接続確認動作の結果に基づいて、マルチホップ通信経路制御部412の有効/無効の切替を行う。例えば、接続確認できれば有効に設定し、接続確認できなければ無効に設定する。
【0032】
また、切替制御部413は、例えば、所定のトリガーとして、外部サーバ1から配信された所定のファームウェアによるプログラム変更を行った場合に、マルチホップ通信経路制御部412を無効から有効に切り替える。
【0033】
以下では、主に、切替制御部413が外部サーバ1から所定のコマンドを受信する場合を例にとる。そして、そのときに、マルチホップ通信経路制御部412を無効から有効に切り替えるのにともなって、通信装置4を、集約装置(RPL root node機能を有する装置)としての役割も兼ね備えるようにする。
【0034】
記憶部42は、各種情報(各種プログラム、各種データ)を記憶し、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等によって実現される。記憶部42は、例えば、近隣のマルチホップスマートメータ3の通信アドレスなどを記憶する。
【0035】
なお、近年の技術革新により、従来と同等の物理サイズの記憶部42であっても大容量化を実現可能であり、それによって、通信装置4を集約装置として機能させるためのデータを記憶部42に記憶させることができる。
【0036】
次に、図3を参照して、実施形態の通信装置4による処理について説明する。図3は、実施形態の通信装置4による処理を示すフローチャートである。なお、以下の事項を前提とする。
【0037】
まず、図1(a)に示すように、マルチホップスマートメータ3a、3bはマルチホップ通信により集約装置2を介して外部サーバ1と通信できているが、マルチホップスマートメータ3c、3dは孤立していて外部サーバ1と通信できていない。また、通信装置4は、LTEスマートメータとして自身の計測情報を定期的に外部サーバ1に送信しているが、集約装置としての機能は実行していない。
【0038】
ステップS1において、通信装置4の処理部41は、単独のLTEスマートメータとしての処理(計測情報の外部サーバ1への定期送信など)を実行する。
【0039】
次に、ステップS2において、切替制御部413は、所定のトリガーがあったか否かを判定し、Yesの場合はステップS3に進み、Noの場合はステップS1に戻る。ここで、マルチホップスマートメータ3c、3dの孤立状態を解消するために、外部サーバ1から通信装置4に所定のコマンドを送信する。そうすると、ステップS2でYesとなり、ステップS3に進む。
【0040】
ステップS3において、切替制御部413は、マルチホップ通信経路制御部412を無効から有効に切り替えることで、集約機能(集約装置としての機能)を有効化する。
【0041】
次に、ステップS4において、処理部41は、集約装置としての処理を実行する。つまり、図1(b)に示すように、通信装置4が集約装置として動作することで、通信装置4とマルチホップスマートメータ3cがマルチホップ通信可能となる。また、マルチホップスマートメータ3dは、マルチホップスマートメータ3cを親ノードとして選択する。これにより、通信装置4は、集約装置として、マルチホップスマートメータ3c、3dの計測情報を受信して外部サーバ1に送信することができるようになる。なお、通信装置4は、LTEスマートメータとしての処理も並行して行う。
【0042】
このように、本実施形態の通信装置4によれば、スマートメータとしての機能を実行するとともに、状況に応じて、所定のトリガーによって集約装置としての機能を有効化することで、集約装置の機能も実行することができる。
【0043】
これにより、例えば、設置場所が電柱に限定されている現状の集約装置に加えて、ユーザごとに設置するLTEスマートメータも集約装置として活用することができる。したがって、マルチホップ通信ネットワークの通信圏を柔軟かつ効率的に拡大できるようになる。また、この手法は、電柱地中化エリア向けのソリューションとしても期待できる。
【0044】
また、設置済みでかつ既に外部サーバ1との接続性が得られているLTEスマートメータを集約装置として活用できるため、現地での事前のサイトサーベイ業務やエリアネットワーク設計業務の負担を節減できる利点も得られる。
【0045】
また、集約装置として活用できるLTEスマートメータの候補が複数存在する場合には、例えば、複数のLTEスマートメータのそれぞれを順番に集約装置化しながら、該当エリアのスマートメータの全体の接続状況を外部サーバ1で確認することができる。このような試行錯誤によって、最も接続率の高くなる適切な候補を導出することができる。
【0046】
また、それぞれのマルチホップスマートメータ3は、検定期間満了や故障などによって、一時的にでも使用できない状態となりえる。その場合に、マルチホップ通信ネットワークの不感地帯が発生、拡大することが考えられるが、必要に応じてその近傍のLTEスマートメータを集約装置化することで、接続率の低下を回避できる。
【0047】
また、LTEスマートメータを集約装置化するための所定のトリガーとして、LTEスマートメータが外部サーバ1から所定のコマンドを受信したこととすることで、容易に集約装置化を実現できる。また、集約装置化したLTEスマートメータは、例えば、外部サーバ1から別のコマンドを送ることで、集約装置化を無効として、再びLTEスマートメータとしてだけの役割に戻すことも可能である。
【0048】
また、LTEスマートメータを集約装置化するための所定のトリガーは、そのほかに、外部サーバ1との接続確認動作の結果や、外部サーバ1から配信された所定のファームウェアによるプログラム変更を行ったこととしてもよい。
【0049】
なお、上述した実施形態における、上記処理を実行するためのプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、当該プログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、当該プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0050】
また、当該プログラムは、各機能部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしては、例えば、CPU(プロセッサ回路)がROMから上記プログラムを読み出して実行することにより、上述した各機能部がRAM(主記憶)上にロードされ、上述した各機能部がRAM(主記憶)上に生成されるようになっている。なお、上述した各機能部の一部または全部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用のハードウェアを用いて実現することも可能である。
【0051】
なお、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0052】
例えば、通信装置4は、周囲に孤立化したマルチホップスマートメータ3が存在することを外部サーバ1からの通知などによって認識し、自発的に集約装置化してもよい。
【0053】
また、通信装置4を、単独のマルチホップスマートメータ(集約機能無効)として使用するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1…外部サーバ、2…集約装置、3…マルチホップスマートメータ、4…通信装置、41…処理部、42…記憶部、43…広域通信インタフェース、44…マルチホップ通信インタフェース、411…ルーティング制御部、412…マルチホップ通信経路制御部、413…切替制御部、S…通信システム
図1
図2
図3