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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156588
(43)【公開日】2023-10-25
(54)【発明の名称】医療装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/90 20210101AFI20231018BHJP
   A61M 60/585 20210101ALI20231018BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
A61M60/90
A61M60/585
G09F9/00 351
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066038
(22)【出願日】2022-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青山 勇貴
(72)【発明者】
【氏名】雨宮 祥人
(72)【発明者】
【氏名】望月 千秋
【テーマコード(参考)】
4C077
5G435
【Fターム(参考)】
4C077AA11
4C077BB01
4C077BB02
4C077CC09
4C077DD01
4C077KK30
5G435AA06
5G435EE16
5G435EE17
5G435EE50
(57)【要約】
【課題】ディスプレイ部を首部に対して安定的に回動させつつ、ディスプレイ部および首部の筐体部の内部に液体が侵入することを抑制する。
【解決手段】医療装置1において、第1筐体部22は、中心軸部21を収容し、第1貫通孔221が形成されている。水平軸部23は、中心軸部21から第1貫通孔221を通って第1筐体部22の外部に突出するように水平方向に沿って延びている。軸受部31は、水平軸部23と係合して水平軸部23に対して回動可能である。第2筐体部32は、軸受部31を収容しつつ軸受部31と接続固定され、水平軸部23が挿通された第2貫通孔321が形成されている。筒状部50は、第2貫通孔321が内部に形成されている。鍔部60は、筒状部50から筒状部50の径方向外側に延出している。第1筐体部22は、水平軸部23の軸方向の少なくとも一方に鍔部60を収容する凹部70を有している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
首部と、
前記首部に係合しつつ、前記首部を支点として回動可能なディスプレイ部と、
前記ディスプレイ部より上方に薬液を収容した収容体を取り付け可能な取付部とを備え、
前記首部は、
中心軸部と、
前記中心軸部を収容し、第1貫通孔が形成された第1筐体部と、
前記中心軸部から前記第1貫通孔を通って前記第1筐体部の外部に突出するように水平方向に沿って延びる水平軸部とを有し、
前記ディスプレイ部は、
前記水平軸部と係合して前記水平軸部に対して回動可能な軸受部と、
前記軸受部を収容しつつ前記軸受部と接続固定され、前記水平軸部が挿通された第2貫通孔が形成された第2筐体部とを有し、
前記第2筐体部は、
前記第2貫通孔が内部に形成された筒状部と、
前記筒状部から前記筒状部の径方向外側に延出した鍔部とを有し、
前記第1筐体部は、前記水平軸部の軸方向の少なくとも一方に前記鍔部を収容する凹部を有する、医療装置。
【請求項2】
首部と、
前記首部に係合しつつ、前記首部を支点として回動可能なディスプレイ部と、
前記ディスプレイ部より上方に薬液を収容した収容体を取り付け可能な取付部とを備え、
前記首部は、
中心軸部と、
前記中心軸部を収容し、第1貫通孔が形成された第1筐体部と、
前記中心軸部から前記第1貫通孔を通って前記第1筐体部の外部に突出するように水平方向に沿って延びる水平軸部とを有し、
前記ディスプレイ部は、
前記水平軸部と係合して前記水平軸部に対して回動可能な軸受部と、
前記軸受部を収容しつつ前記軸受部と接続固定され、前記水平軸部が挿通された第2貫通孔が形成された第2筐体部とを有し、
前記第1筐体部は、
前記第1貫通孔が内部に形成された筒状部と、
前記筒状部から前記筒状部の径方向外側に延出した鍔部とを有し、
前記第2筐体部は、前記水平軸部の軸方向の一方に前記鍔部を収容する凹部を有する、医療装置。
【請求項3】
前記鍔部は、前記筒状部の端部に位置している、請求項1または請求項2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記鍔部は、
前記凹部の底面と対向する第1面部と、
前記第1面部とは反対側に位置する第2面部と、
前記第1面部に接続されて前記凹部の内側面と対向する外周面部と、
前記外周面部と前記第2面部とを接続する面取り部とを有する、請求項1または請求項2に記載の医療装置。
【請求項5】
前記第1筐体部は、前記第1貫通孔の貫通方向から見て前記第1貫通孔と交差する分割線に沿って分割可能に構成されている、請求項1または請求項2に記載の医療装置。
【請求項6】
前記第2筐体部は、前記第2貫通孔の貫通方向から見て前記第2貫通孔と交差する分割線に沿って分割可能に構成されている、請求項1または請求項2に記載の医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2019-063262号公報(特許文献1)には、IABP駆動装置等の医療機器を駆動する駆動装置等に用いられるモニタ支持構造が開示されている。特許第6847407号公報(特許文献2)には、体外血液処理装置の動作中に使用されるディスプレイを取り付けるための複数軸モニタマウントを有する体外血液処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-063262号公報
【特許文献2】特許第6847407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1および2に開示されているように、駆動可能(回動可能)なディスプレイを備える医療装置が知られている。ディスプレイが、本体部から延びる首部に係合している場合、ディスプレイを構成する一の筐体部と、首部を構成する他の筐体部とには、それぞれ、係合箇所において貫通孔が形成される場合がある。これらの貫通孔は、導電線を挿通するために形成される。導電線は、ディスプレイと本体部に収容された制御部とを互いに電気的に接続する。
【0005】
ここで、これらの筐体部同士のシール構造を、従来のものから、摺接による摩擦の発生を抑制できるような構造に変更することが考えられる。そうすれば、ディスプレイを安定的に回動させることができる。しかしながら、医療装置においては、薬液などの所定の液体を収容した収容体が取り付けられる場合がある。ディスプレイより上方に、この収容体が取り付けられる場合もある。このため、上記のように変更した筐体部の構造では、ディスプレイに垂れ落ちた液体が筐体部同士の隙間へ入り込むおそれがある。ひいては、この液体が、上記の貫通孔を通って筐体部の内部に侵入するおそれがある。
【0006】
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、ディスプレイ部を首部に対して安定的に回動させつつ、ディスプレイ部および首部の筐体部の内部に液体が侵入することを抑制できる、医療装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1局面に基づく医療装置は、首部と、ディスプレイ部と、取付部とを備えている。ディスプレイ部は、首部に係合している。ディスプレイ部は、首部を支点として回動可能である。取付部は、ディスプレイ部より上方に薬液を収容した収容体を取り付け可能である。首部は、中心軸部と、第1筐体部と、水平軸部とを有している。第1筐体部は、中心軸部を収容している。第1筐体部は、第1貫通孔が形成されている。水平軸部は、中心軸部から第1貫通孔を通って第1筐体部の外部に突出するように水平方向に沿って延びている。ディスプレイ部は、軸受部と、第2筐体部とを有している。軸受部は、水平軸部と係合している。軸受部は、水平軸部に対して回動可能である。第2筐体部は、軸受部を収容している。第2筐体部は、軸受部と接続固定されている。第2筐体部は、水平軸部が挿通された第2貫通孔が形成されている。第2筐体部は、筒状部と、鍔部とを有している。筒状部は、第2貫通孔が内部に形成されている。鍔部は、筒状部から筒状部の径方向外側に延出している。第1筐体部は、水平軸部の軸方向の少なくとも一方に鍔部を収容する凹部を有している。
【0008】
本開示の第2局面に基づく医療装置は、首部と、ディスプレイ部と、取付部とを備えている。ディスプレイ部は、首部に係合している。ディスプレイ部は、首部を支点として回動可能である。取付部は、ディスプレイ部より上方に薬液を収容した収容体を取り付け可能である。首部は、中心軸部と、第1筐体部と、水平軸部とを有している。第1筐体部は、中心軸部を収容している。第1筐体部は、第1貫通孔が形成されている。水平軸部は、中心軸部から第1貫通孔を通って第1筐体部の外部に突出するように水平方向に沿って延びている。ディスプレイ部は、軸受部と、第2筐体部とを有している。軸受部は、水平軸部と係合している。軸受部は、水平軸部に対して回動可能である。第2筐体部は、軸受部を収容している。第2筐体部は、軸受部と接続固定されている。第2筐体部は、水平軸部が挿通された第2貫通孔が形成されている。第1筐体部は、筒状部と、鍔部とを有している。筒状部は、第1貫通孔が内部に形成されている。鍔部は、筒状部から筒状部の径方向外側に延出している。第2筐体部は、水平軸部の軸方向の一方に鍔部を収容する凹部を有している。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、軸受部が水平軸部と係合しつつ水平軸部に対して回動するため、筐体部同士の摺接による摩擦の発生を抑制できる。一方、液体が筐体部の筒状部に垂れ落ちた場合、液体の流れは、鍔部によってせき止められる。そして、鍔部によってせき止められた液体は、筒状部の表面に沿って下方に流れ落ちことができる。また、鍔部は、凹部に収容されているため、鍔部に直接液体が垂れ落ちることが抑制されている。これにより、筐体部に形成された貫通孔を通って、筐体部の内部に液体が浸入することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態1に係る医療装置を示す斜視図である。
図2】本開示の実施形態1に係る医療装置を背面側から示す部分的な斜視図である。
図3図2の医療装置をIII-III線矢印方向から示す部分的な断面図である。
図4】本開示の実施形態2に係る医療装置の部分的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の各実施形態に係る医療装置の構成について図面を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0012】
(実施形態1)
図1は、本開示の実施形態1に係る医療装置を示す斜視図である。図1に示すように、医療装置1は、具体的には血液浄化装置であり、より具体的には、持続緩徐式血液浄化療法(Continuous Renal Replacement Therapy:CRRT)に用いられる血液浄化装置である。ただし、医療装置1は、持続的血液濾過透析法(continuous hemodiafiltration:CHDF)、持続的血液ろ過法(continuous hemofiltration:CHF)、持続的血液透析法(continuous hemodialysis:CHD)、および、持続緩徐式限外濾過(Slow Continuous UltraFiltration:SCUF)のいずれかに用いられる血液浄化装置であってもよい。
【0013】
医療装置1は、本体部10と、首部20と、ディスプレイ部30と、取付部40とを備えている。取付部40は、ディスプレイ部30より上方に薬液を収容した収容体(たとえば、薬液バッグ)を取り付け可能である。このため、医療装置1は、IPX1(JIS C 0920:2003)以上の防水性能を有していることが好ましい。
【0014】
本体部10には、患者の血液などの体液、または、血液浄化器からの排液などが流れる回路を取り付けることができる。また、本体部10は、制御部(不図示)を収容している。制御部は、これらの回路に取り付けられたポンプやバルブを駆動および停止させるとともに、ディスプレイ部30のスクリーンに医療装置1に関する情報を出力する。
【0015】
図2は、本開示の実施形態1に係る医療装置を背面側から示す部分的な斜視図である。図3は、図2の医療装置をIII-III線矢印方向から示す部分的な断面図である。図2および図3に示すように、首部20は、中心軸部21と、第1筐体部22と、水平軸部23とを有している。
【0016】
第1筐体部22は、中心軸部21を収容している。第1筐体部22は、その内部で中心軸部21と接続固定されている。また、中心軸部21は、鉛直方向を軸方向として回動可能に本体部10に接続されている。このため、首部20全体が、鉛直方向を軸方向として回動可能に本体部10に接続されている。
【0017】
第1筐体部22には、一対の第1貫通孔221が形成されている。一対の第1貫通孔221は水平方向に対向するように位置している。一対の第1貫通孔221は、一対の第1貫通孔221の対向方向において、線対称に構成されている。
【0018】
水平軸部23は、中心軸部21から第1貫通孔221を通って第1筐体部22の外部に突出するように水平方向に沿って延びている。水平軸部23も、上記対向方向において略線対称に構成されている。第1貫通孔221には、水平軸部23の他、複数の導電線(不図示)がさらに挿通されている。これらの導電線は、ディスプレイ部30のスクリーンと、本体部10に収容されている制御部とを互いに接続するための導電線と、ディスプレイ部30のスクリーンに電源を供給するための導電線とを含む。
【0019】
第1筐体部22は、第1貫通孔221の貫通方向から見て第1貫通孔221と交差する分割線222に沿って分割可能に構成されている(図2参照)。これにより、第1筐体部22の分解および組み立てが容易となり、第1筐体部22のメンテナンス性が向上する。
【0020】
ディスプレイ部30は、首部20に係合している。ディスプレイ部30は、首部20を支点として、回動可能である。図中において、この回動の中心軸は、中心軸Cで示されている。医療装置1の操作者の目線に応じてディスプレイ部30を回動させることにより、ディスプレイ部30のスクリーンの視認性の低下を抑制できる。
【0021】
ディスプレイ部30は、一対の軸受部31と、これらにそれぞれ対応する一対の第2筐体部32とを有している。一対の軸受部31および一対の第2筐体部32は、いずれも、第1貫通孔221の対向方向において線対称に構成されている。このため、以下の説明においては、一方の軸受部31およびこれに対応する第2筐体部32について説明する。また、ディスプレイ部30は、上部に表示灯33をさらに有していてもよい。表示灯33は、点灯することにより、医療装置1の操作者に医療装置1の異常を知らせることができる。
【0022】
軸受部31は、水平軸部23と係合している。また、軸受部31は、中心軸Cを中心に、水平軸部23に対して回動可能である。このように、軸受部31が水平軸部23と係合しつつ水平軸部23に対して回動するため、第1筐体部22および第2筐体部32同士の摺接による摩擦の発生を抑制できる。また、第2筐体部32は、第1筐体部22と離隔して位置している。第1筐体部22および第2筐体部32の隙間は、摩擦の発生をより抑制する観点から、シールされていなくてもよい。
【0023】
第2筐体部32は、軸受部31を収容している。第2筐体部32は、その内部において軸受部31と接続固定されている。
【0024】
第2筐体部32は、水平軸部23が挿通された第2貫通孔321が形成されている。第2貫通孔321には、水平軸部23の他、複数の上記導電線(不図示)がさらに挿通されている。
【0025】
第2筐体部32は、第2貫通孔321の貫通方向から見て第2貫通孔321と交差する分割線322に沿って分割可能に構成されている(図2参照)。これにより、第2筐体部32の分解および組み立てが容易となり、第2筐体部32のメンテナンス性が向上する。
【0026】
本開示の実施形態1に係る医療装置1において、第2筐体部32は、筒状部50と、鍔部60とを有している。筒状部50は、第2貫通孔321が内部に形成されている。鍔部60は、筒状部50から筒状部50の径方向外側に延出している。第1筐体部22は、水平軸部23の軸方向の少なくとも一方に鍔部60を収容する凹部70を有している。
【0027】
上記の構成により、液体が第2筐体部32の筒状部50に垂れ落ちた場合、液体の流れは、鍔部60によってせき止められる。そして、鍔部60によってせき止められた液体は、筒状部50の表面に沿って下方に流れ落ちことができる。また、鍔部60は、凹部70に収容されているため、鍔部60に直接液体が垂れ落ちることが抑制されている。これにより、第2筐体部32に形成された第2貫通孔321を通って、第2筐体部32の内部に液体が浸入することを抑制できる。なお、本実施形態においては、水平軸部23の軸方向の両側において、一対の鍔部60をそれぞれ収容する一対の凹部70を有している。
【0028】
また、鍔部60は、筒状部50の端部51に位置している。これにより、筒状部50の軸方向において、凹部70の長さを小さくできる。端部51は、具体的には、筒状部50のうち凹部70の底面71に対向している部分である。
【0029】
鍔部60は、具体的には、第1面部61と、第2面部62と、外周面部63と、面取り部64とを有している。第1面部61は、凹部70の底面71と対向している。第2面部62は、第1面部61とは反対側に位置している。外周面部63は、第1面部61に接続されて凹部70の内側面72と対向している。面取り部64は、外周面部63と第2面部62とを接続している。この面取り部64により、鍔部60の外周面部63と凹部70の内側面72との間における、表面張力による液体の入り込みが抑制できる。面取り部64の、平面(いわゆるC面取り)であってもよく、曲面(いわゆるR面取り)であってもよい。
【0030】
そして、凹部70の底面71に、第1貫通孔221が位置している。これにより、第1貫通孔221に直接液体が垂れ落ちることが抑制されている。ひいては、第1筐体部22の内部に液体が侵入することを抑制できる。
【0031】
(実施形態2)
以下、本開示の実施形態2に係る医療装置について説明する。本開示の実施形態2に係る医療装置においては、第1筐体部と第2筐体部の構造が、実施形態1に係る医療装置1と相違する。このため、実施形態1に係る医療装置1と同様の構成については説明を繰り返さない。
【0032】
図4は、本開示の実施形態2に係る医療装置の部分的な断面図である。図4に示すように、本開示の実施形態2においても、軸受部31は、水平軸部23と係合しつつ、水平軸部23に対して回動可能である。これにより、軸受部31が水平軸部23と係合しつつ水平軸部23に対して回動するため、第1筐体部22aおよび第2筐体部32a同士の摺接による摩擦の発生を抑制できる。
【0033】
ここで、本開示の実施形態2においては、第1筐体部22aが、筒状部50と、鍔部60とを有している。このため、筒状部50は、第1貫通孔221aが内部に形成されている。そして、第2筐体部32aが、水平軸部23の軸方向の一方に鍔部60を収容する凹部70を有している。
【0034】
上記の構成により、液体が第1筐体部22aの筒状部50に垂れ落ちた場合、液体の流れは、鍔部60によってせき止められる。そして、鍔部60によってせき止められた液体は、筒状部50の表面に沿って下方に流れ落ちことができる。また、鍔部60は、凹部70に収容されているため、鍔部60に直接液体が垂れ落ちることが抑制されている。これにより、第1筐体部22aに形成された第1貫通孔221aを通って、第1筐体部22aの内部に液体が浸入することを抑制できる。
【0035】
そして、凹部70の底面71に、第2貫通孔321aが位置している。これにより、第2貫通孔321aに直接液体が垂れ落ちることが抑制されている。ひいては、第2筐体部32aの内部に液体が浸入することを抑制できる。
【0036】
[付記]
以上のように、本開示の実施形態は以下のような開示を含む。
【0037】
(構成1)
首部(20)と、
前記首部(20)に係合しつつ、前記首部(20)を支点として回動可能なディスプレイ部(30)と、
前記ディスプレイ部(30)より上方に薬液を収容した収容体を取り付け可能な取付部(40)とを備え、
前記首部(20)は、
中心軸部(21)と、
前記中心軸部(21)を収容し、第1貫通孔(221)が形成された第1筐体部(22)と、
前記中心軸部(21)から前記第1貫通孔(221)を通って前記第1筐体部(22)の外部に突出するように水平方向に沿って延びる水平軸部(23)とを有し、
前記ディスプレイ部(30)は、
前記水平軸部(23)と係合して前記水平軸部(23)に対して回動可能な軸受部(31)と、
前記軸受部(31)を収容しつつ前記軸受部(31)と接続固定され、前記水平軸部(23)が挿通された第2貫通孔(321)が形成された第2筐体部(32)とを有し、
前記第2筐体部(32)は、
前記第2貫通孔(321)が内部に形成された筒状部(50)と、
前記筒状部(50)から前記筒状部(50)の径方向外側に延出した鍔部(60)とを有し、
前記第1筐体部(22)は、前記水平軸部(23)の軸方向の少なくとも一方に前記鍔部(60)を収容する凹部(70)を有する、医療装置(1)。
【0038】
(構成2)
首部(20)と、
前記首部(20)に係合しつつ、前記首部(20)を支点として回動可能なディスプレイ部(30)と、
前記ディスプレイ部(30)より上方に薬液を収容した収容体を取り付け可能な取付部(40)とを備え、
前記首部(20)は、
中心軸部(21)と、
前記中心軸部(21)を収容し、第1貫通孔(221a)が形成された第1筐体部(22a)と、
前記中心軸部(21)から前記第1貫通孔(221a)を通って前記第1筐体部(22a)の外部に突出するように水平方向に沿って延びる水平軸部(23)とを有し、
前記ディスプレイ部(30)は、
前記水平軸部(23)と係合して前記水平軸部(23)に対して回動可能な軸受部(31)と、
前記軸受部(31)を収容しつつ前記軸受部(31)と接続固定され、前記水平軸部(23が挿通された第2貫通孔(321a)が形成された第2筐体部(32a)とを有し、
前記第1筐体部(22a)は、
前記第1貫通孔(221a)が内部に形成された筒状部(50)と、
前記筒状部(50)から前記筒状部(50)の径方向外側に延出した鍔部(60)とを有し、
前記第2筐体部(32a)は、前記水平軸部(23)の軸方向の一方に前記鍔部(60)を収容する凹部(70)を有する、医療装置(1)。
【0039】
(構成3)
前記鍔部(60)は、前記筒状部(50)の端部(51)に位置している、構成1または構成2に記載の医療装置(1)。
【0040】
(構成4)
前記鍔部(60)は、
前記凹部(70)の底面(71)と対向する第1面部(61)と、
前記第1面部(61)とは反対側に位置する第2面部(62)と、
前記第1面部(61)に接続されて前記凹部(70)の内側面(72)と対向する外周面部(63)と、
前記外周面部(63)と前記第2面部(62)とを接続する面取り部(64)とを有する、構成1から構成3のいずれか1つに記載の医療装置(1)。
【0041】
(構成5)
前記第1筐体部(22)は、前記第1貫通孔(221)の貫通方向から見て前記第1貫通孔(221)と交差する分割線(222)に沿って分割可能に構成されている、構成1から構成4のいずれか1つに記載の医療装置(1)。
【0042】
(構成6)
前記第2筐体部(32)は、前記第2貫通孔(321)の貫通方向から見て前記第2貫通孔(321)と交差する分割線(322)に沿って分割可能に構成されている、構成1から構成5のいずれか1つに記載の医療装置(1)。
【0043】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0044】
1 医療装置、10 本体部、20 首部、21 中心軸部、22,22a 第1筐体部、222 分割線、221,221a 第1貫通孔、23 水平軸部、30 ディスプレイ部、31 軸受部、32,32a 第2筐体部、321,321a 第2貫通孔、322 分割線、33 表示灯、40 取付部、50 筒状部、51 端部、60 鍔部、61 第1面部、62 第2面部、63 外周面部、64 面取り部、70 凹部、71 底面、72 内側面。
図1
図2
図3
図4