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特開2023-156611電子機器、電子機器の制御方法および制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156611
(43)【公開日】2023-10-25
(54)【発明の名称】電子機器、電子機器の制御方法および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20231018BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231018BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20231018BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
H04N1/00 002B
H04N1/00 127Z
B41J29/38 301
B41J29/46 Z
G03G21/00 396
G03G21/00 386
G03G21/00 500
G03G21/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066083
(22)【出願日】2022-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168217
【弁理士】
【氏名又は名称】大村 和史
(72)【発明者】
【氏名】神成 貴紀
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061HJ07
2C061HJ08
2C061HK11
2C061HK19
2C061HN04
2C061HN15
2C061HV02
2C061HV33
2C061HV34
2H270KA54
2H270KA55
2H270KA61
2H270KA62
2H270NC07
2H270NC20
2H270NC23
2H270NE01
2H270NE12
2H270NE17
2H270PA58
2H270PA59
2H270PA60
2H270PA61
2H270PA62
2H270QB08
2H270QB09
2H270RB03
2H270RC03
2H270RC05
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC34
5C062AC55
(57)【要約】
【課題】 複数の機能を有する電子機器において、効率的かつ経済的な保守を実現する。
【解決手段】 本発明に係る電子機器の一例としての複合機20は、複数の機能を有する。この複合機20の各機能の少なくとも一部の使用が不可能となる故障が発生したときに、当該故障の性状に基づいて、当該故障についての修理の緊急度が設定される。その上で、複合機20から外部装置の一例としての管理サーバ80に対して緊急度を含む修理依頼が通知される。また、故障が発生している状態で、使用可能な機能が存在する場合には、当該使用可能な機器の当該使用可能な状態が維持される。これにより、複合機20の効率的かつ経済的な保守が実現される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能を有する電子機器であって、
前記複数の機能の少なくとも一部の使用が不可能となる故障が発生したときに、当該故障の性状に基づいて当該故障についての修理の緊急度を設定する緊急度設定手段、
前記緊急度設定手段により設定された前記緊急度を含む修理依頼を外部装置へ通知する修理依頼通知手段、および、
前記故障が発生している状態で使用可能な前記機能が存在する場合に、当該使用可能な機能の当該使用可能な状態を維持する状態維持手段を備える、電子機器。
【請求項2】
前記故障が発生している状態で前記使用可能な機能を使用するかどうかをユーザへ問い合わせる第1問合せ手段、および、
前記第1問合せ手段による問合せに対する前記ユーザによる第1操作を受け付ける第1操作受付手段をさらに備え、
前記故障の性状は、前記第1操作の内容を含む、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記故障についての修理を依頼するかどうかをユーザへ問い合わせる第2問合せ手段、および、
前記第2問合せ手段による問合せに対する前記ユーザによる第2操作を受け付ける第2操作受付手段をさらに備え、
前記故障の性状は、前記第2操作の内容を含む、請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記故障の性状は、当該故障が発生した箇所の稼働頻度を含む、請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記稼働頻度は、前記故障が発生した箇所の稼働回数に基づく、請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記稼働頻度は、前記複数の機能を実現するための各構成要素のうちの前記故障が発生した箇所の稼働比率に基づく、請求項4に記載の電子機器。
【請求項7】
前記故障の性状は、前記故障が発生した箇所の直近の稼働時からの経過期間を含む、請求項4に記載の電子機器。
【請求項8】
前記故障の性状は、前記故障が発生した箇所の現在と同じ時期の過去の稼働頻度を含む、請求項4に記載の電子機器。
【請求項9】
前記緊急度設定手段は、前記複数の機能の全部の使用が不可能となる前記故障が発生した場合に、最も高い前記緊急度を設定する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項10】
前記緊急度設定手段は、前記複数の機能のいずれかが最初に使用された時点に関連する所定時点からの経過期間が所定期間に達する前に前記故障が発生した場合に、最も高い前記緊急度を設定する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項11】
前記緊急度設定手段は、前記複数の機能のいずれかの使用回数が所定回数に達する前に前記故障が発生した場合に、最も高い前記緊急度を設定する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項12】
複合機である、請求項1に記載の電子機器。
【請求項13】
複数の機能を有する電子機器の制御方法であって、
前記複数の機能の少なくとも一部の使用が不可能となる故障が発生したときに、当該故障の性状に基づいて当該故障についての修理の緊急度を設定する緊急度設定ステップ、
前記緊急度設定ステップにより設定された前記緊急度を含む修理依頼を外部装置へ通知する修理依頼通知ステップ、および、
前記故障が発生している状態で使用可能な前記機能が存在する場合に、当該使用可能な機能の当該使用可能な状態を維持する状態維持ステップを含む、制御方法。
【請求項14】
複数の機能を有する電子機器の制御プログラムであって、
前記複数の機能の少なくとも一部の使用が不可能となる故障が発生したときに、当該故障の性状に基づいて当該故障についての修理の緊急度を設定する緊急度設定手順、
前記緊急度設定手順により設定された前記緊急度を含む修理依頼を外部装置へ通知する修理依頼通知手順、および、
前記故障が発生している状態で使用可能な前記機能が存在する場合に、当該使用可能な機能の当該使用可能な状態を維持する状態維持手順を、前記電子機器のコンピュータに実行させる、制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、電子機器の制御方法および制御プログラムに関し、特に、複数の機能を有する、電子機器、電子機器の制御方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電子機器の一例として、画像形成装置の一種である複合機(MFP)がある。すなわち、複合機は、コピー機能、プリンタ機能、イメージスキャナ機能、ファクス機能などの複数の機能を有する。この複合機のような複数の機能を有する電子機器において、何らかの故障(不具合)が発生したときに、これに適切に対処するべく、種々の技術が提案されている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、複合機などの画像形成装置において、画像形成機能の故障時に、当該画像形成機能の使用のみを禁止し、読み取り機能、ファクス(FAX)機能などの他の機能の使用を可能とする技術が、開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、複合機などの画像形成装置に故障(エラー)が発生したときに、その故障に関するエラー情報が通信回線を介して外部の管理装置へ送信される技術が、開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-265932号公報
【特許文献1】特開2004-29479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、複数の機能を有する電子機器において、たとえばユーザによりほとんど使用されることのない一部の機能のみの使用が不可能となる故障が発生し、その故障についての修理依頼が外部装置へ通知される、とする。この場合、ユーザにとって急いで修理する必要のない故障についても、即座に対応されることになり、言わば過剰な保守が行われることになる。このような過剰な保守が行われることは、非効率であり、また、不経済である。
【0007】
そこで、本発明は、効率的かつ経済的な保守を実現することができる、新規な電子機器、電子機器の制御方法および制御プログラムを提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明は、電子機器に係る第1発明、電子機器の制御方法に係る第2発明、および、電子機器の制御方法に係る第3発明を含む。
【0009】
このうちの電子機器に係る第1発明は、緊急度設定手段、修理依頼通知手段および状態維持手段を備える。ここで、電子機器は、複数の機能を有する。その上で、緊急度設定手段は、複数の機能の少なくとも一部の使用が不可能となる故障が発生したときに、当該故障の性状に基づいて、当該故障についての修理の緊急度を設定する。修理依頼通知手段は、緊急度設定手段により設定された緊急度を含む修理依頼を外部装置へ通知する。そして、状態維持手段は、故障が発生している状態で使用可能な機能が存在する場合に、当該使用可能な機能の当該使用可能な状態を維持する。
【0010】
本第1発明においては、第1問合せ手段および第1操作受付手段が、さらに備えられてもよい。第1問合せ手段は、故障が発生している状態で使用可能な機能を使用するかどうかをユーザへ問い合わせる。そして、第1操作受付手段は、第1問合せ手段による問合せに対するユーザによる第1操作を受け付ける。この場合、故障の性状には、第1操作の内容、つまりユーザにとって故障を放置(無視)した状態で使用可能な機能を使用するかどうかという観点からの当該故障についての重要度が、含まれる。
【0011】
また、本第1発明においては、第2問合せ手段および第2操作受付手段が、さらに備えられてもよい。第2問合せ手段は、故障についての修理を依頼するかどうかをユーザへ問い合わせる。そして、第2操作受付手段は、第2問合せ手段による問合せに対するユーザによる第2操作を受け付ける。この場合、故障の性状には、前記第2操作の内容、つまりユーザにとって修理を依頼するかどうかという観点からの当該故障についての重要度が、含まれる。
【0012】
さらに、本第1発明における故障の性状には、故障が発生した箇所の稼働頻度が、含まれてもよい。
【0013】
ここで言う稼働頻度は、たとえば故障が発生した箇所の稼働回数に基づく。
【0014】
あるいは、稼働頻度は、複数の機能を実現するための各構成要素のうちの故障が発生した箇所(構成要素)の稼働比率に基づく。
【0015】
本第1発明における故障の性状には、故障が発生した箇所の直近の稼働時からの経過期間が、含まれてもよい。
【0016】
また、本第1発明における故障の性状には、故障が発生した箇所の現在と同じ時期の過去の稼働頻度が、含まれてもよい。
【0017】
加えて、本第1発明における緊急度設定手段は、複数の機能の全部の使用が不可能となる故障が発生した場合に、最も高い前記緊急度を設定してもよい。
【0018】
また、緊急度設定手段は、複数の機能のいずれかが最初に使用された時点に関連する所定時点からの経過期間が所定期間に達する前に故障が発生した場合に、最も高い緊急度を設定してもよい。ここで言う所定時点とは、たとえば複数の機能のいずれかが最初に使用された時点そのもの、あるいは、電子機器が設置されてから当該電子機器の電源が最初にオンされた時点を言う。
【0019】
さらに、緊急度設定手段は、複数の機能のいずれかの使用回数が所定回数に達する前に故障が発生した場合に、最も高い緊急度を設定してもよい。
【0020】
本第1発明に係る電子機器は、たとえば複合機である。
【0021】
本発明のうちの第2発明に係る電子機器の制御方法は、緊急度設定ステップ、修理依頼通知ステップおよび状態維持ステップを含む。ここで、電子機器は、複数の機能を有する。その上で、緊急度設定ステップにおいては、複数の機能の少なくとも一部の使用が不可能となる故障が発生したときに、当該故障の性状に基づいて、当該故障についての修理の緊急度を設定する。修理依頼通知ステップにおいては、緊急度設定ステップにより設定された緊急度を含む修理依頼を外部装置へ通知する。そして、状態維持ステップにおいては、故障が発生している状態で使用可能な機能が存在する場合に、当該使用可能な機能の当該使用可能な状態を維持する。
【0022】
本発明のうちの第3発明に係る電子機器の制御プログラムは、緊急度設定手順、修理依頼通知手順および状態維持手順を、当該電子機器のコンピュータに実行させる。ここで、電子機器は、複数の機能を有する。その上で、緊急度設定手順においては、複数の機能の少なくとも一部の使用が不可能となる故障が発生したときに、当該故障の性状に基づいて、当該故障についての修理の緊急度を設定する。修理依頼通知手順においては、緊急度設定手順により設定された緊急度を含む修理依頼を外部装置へ通知する。そして、状態維持手順においては、故障が発生している状態で使用可能な機能が存在する場合に、当該使用可能な機能の当該使用可能な状態を維持する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、複数の機能を有する電子機器において、効率的かつ経済的な保守を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明の第1実施例に係る複合機管理システムの全体の構成を示す図である。
図2図2は、第1実施例における複合機の電気的な構成を示すブロック図である。
図3図3は、第1実施例における複合機の各機能と当該各機能を実現するための各構成要素との関係を示す図である。
図4図4は、第1実施例における第1注意画面の一例を示す図である。
図5図5は、第1実施例における第2注意画面の一例を示す図である。
図6図6は、第1実施例における故障対応タスクの一部分の流れを示すフロー図である。
図7図7は、第1実施例における故障対応タスクの残りの部分の流れを示すフロー図である。
図8図8は、本発明の第2実施例における稼働回数テーブルの構成を概念的に示す図である。
図9図9は、第2実施例における各構成要素が故障した場合の一例を説明するための図である。
図10図10は、第2実施例における故障対応タスクの残りの部分の流れを示すフロー図である。
図11図11は、本発明の第3実施例における稼働比率テーブルの構成を概念的に示す図である。
図12図12は、第3実施例における各構成要素が故障した場合の一例を説明するための図である。
図13図13は、第3実施例における故障対応タスクの残りの部分の流れを示すフロー図である。
図14図14は、本発明の第4実施例における稼働歴テーブルの構成を概念的に示す図である。
図15図15は、第4実施例における各構成要素が故障した場合の一例を説明するための図である。
図16図16は、第4実施例における故障対応タスクの残りの部分の流れを示すフロー図である。
図17図17は、本発明の第5実施例における繁忙期設定テーブルの構成を概念的に示す図である。
図18図18は、第5実施例における繁忙期テーブルの構成を概念的に示す図である。
図19図19は、第5実施例における繁忙期予測テーブルの構成を概念的に示す図である。
図20図20は、第5実施例における故障対応タスクの残りの部分の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1実施例]
本発明の第1実施例について、図1に示される企業用の複合機管理システム10を例に挙げて説明する。
【0026】
図1に示されるように、本第1実施例に係る複合機管理システム10は、電子機器の一例としての複合機(MFP)20を備える。併せて、複合機管理システム10は、複数台の端末装置としてのパーソナルコンピュータ(以下、「PC」と言う。)30,30,…を備える。これら複合機20および各PC30,30,…は、社内に敷設された内部回線としてのLAN回線40に接続され、つまり閉域的な通信網である社内LAN50を構成する。なお、複合機20および各PC30,30,…には、個別の識別番号としてのIPアドレスが設定される。また、各PC30,30,…には、個別の電子メールアドレスが設定される。各PC30,30,…のいずれかは、社内のIT管理者用のPC30aである。
【0027】
さらに、複合機20は、不図示の無線回線を介して、たとえばWi-Fi(登録商標)により、不図示の無線ルータに接続され、ひいては不図示のタブレットやスマートフォンなどの携帯端末あるいは無線通信機能を備えるノート型PCに接続される。また、複合機20は、不図示の公衆交換電話網に接続される。
【0028】
加えて、LAN回線40は、中継装置としてのルータ60を介して、広域的な通信網であるインターネット70に接続され、ひいては外部装置の一例としての管理サーバ80に接続される。なお、ルータ60は、社内に設置され、当該ルータ60にも、個別の識別番号としてのIPアドレスが設定される。そして、管理サーバ80は、複合機20の保守を担うサービスセンタに設置される。また、管理サーバ80には、インターネット70上における当該管理サーバ80を特定するための識別情報としてのURLが設定される。
【0029】
複合機20に注目すると、当該複合機20は、図2に示されるように、制御部202を有する。そして、制御部202には、バス204を介して、画像読取部206、自動原稿送り装置(ADF)208、画像形成部210、補助記憶部212、通信部214、操作表示部216などが接続される。なお、図2においては、本発明の本旨に直接的に関係しない要素の図示は省略してある。
【0030】
制御部202は、複合機20の全体的な制御を司る、制御手段である。このため、制御部202は、制御実行手段としてのコンピュータ、たとえばCPU202aを、有する。併せて、制御部202は、CPU202aが直接的にアクセス可能な主記憶手段としての主記憶部202bを有する。主記憶部202bは、不図示のROMおよびRAMを含む。このうちのROMには、CPU202aの動作を制御するための制御プログラム(ファームウェア)が記憶される。そして、RAMは、CPU202aの作業領域およびバッファ領域を構成する。
【0031】
画像読取部206は、不図示の原稿の画像を読み取って、当該原稿の画像に応じた2次元の読取画像データを出力する、画像読取処理を担う、画像読取手段である。このため、画像読取部206は、原稿が載置される不図示の原稿台を有する。併せて、画像読取部206は、不図示の光源、複数のミラー、結像レンズ、ラインセンサなどを含む画像読取ユニットや、当該画像読取ユニットによる画像読取位置を移動させるための不図示の駆動機構などを有する。すなわち、原稿台に原稿が載置された状態で、画像読取ユニットによる画像読取位置が駆動機構により移動されることで、当該原稿の画像が読み取られ、いわゆる固定読み方式により読み取られる。さらに、画像読取部206は、原稿台に載置された原稿を抑えるための不図示の原稿押さえカバーを有する。この原稿押さえカバーには、次に説明する自動原稿送り装置208が設けられる。言い換えれば、自動原稿送り装置208は、原稿押さえカバーを兼ねる。
【0032】
自動原稿送り装置208は、不図示の原稿載置トレイを有する。そして、自動原稿送り装置208は、原稿載置トレイに載置された不図示の原稿を、厳密にはシート状の原稿を、1枚単位で自動的に当該自動原稿送り装置208の内部に取り込む。自動原稿送り装置208の内部に取り込まれた原稿は、原稿台の上面へ送り込まれ、詳しくは前述の画像読取ユニットによる画像読取位置へ送り込まれる。これにより、原稿の画像が読み取られ、いわゆる流し読み方式で読み取られる。
【0033】
画像形成部210は、前述の画像読取データなどの適宜の画像データに基づく画像を不図示のシート状の画像記録媒体としての用紙に形成する、つまり印刷する、画像形成処理を担う、画像形成手段である。この画像形成処理は、たとえば公知の電子写真方式(カールソンプロセス方式)により行われる。この画像形成部210による画像形成処理後の用紙、言わば印刷物は、不図示の排紙トレイに排出される。なお、画像形成部210は、電子写真方式に限らず、インクジェット方式などの他の方式によって、画像形成処理を行うものであってもよい。
【0034】
補助記憶部212は、種々のデータの記憶を担う、補助記憶手段である。すなわち、補助記憶部212には、前述の読取画像データなどの種々の画像データを含む種々のデータが適宜に記憶される。また、補助記憶部212には、後述する故障対応プログラム212aが記憶される。このような補助記憶部212は、たとえばハードディスクドライブまたはSSDを有する。
【0035】
通信部214は、外部の装置との間での双方向の通信処理を担う、通信手段であり、LAN通信部214a、無線通信部214bおよびファクス通信部214cを有する。このうちのLAN通信部214aが、LAN回線40に接続され、つまり当該LAN回線40を介しての通信処理を担う。そして、無線通信部214bが、前述の無線回線に接続され、つまり当該無線回線を介しての通信処理を担う。そして、ファクス通信部214cが、公衆交換電話網に接続され、つまり当該公衆交換電話網を介しての通信処理を担い、詳しくはファクス通信処理を担う。
【0036】
操作表示部216は、いわゆる操作パネルであり、操作受付手段としてのタッチパネル216a、および、表示手段としてのディスプレイ216bを有し、つまりタッチパネル216a付きのディスプレイ216bを備える。なお、タッチパネル216aは、たとえば静電容量方式のパネルであるが、これに限らない。また、ディスプレイ216bは、たとえば液晶ディスプレイ(LCD)であるが、これに限らない。さらに、操作表示部216は、タッチパネル216a以外に、不図示の押しボタンスイッチなどの適宜のハードウェアスイッチ手段を有する。併せて、操作表示部216は、ディスプレイ216b以外に、不図示の発光ダイオード(LED)などの適宜の発光手段を有する。
【0037】
さて、複合機20は、コピー機能、プリンタ機能、イメージスキャナ機能、ファクス機能などの複数の機能を有する。それぞれの機能を実現するための主な構成要素を整理すると、図3に示されるようになる。
【0038】
この図3に示されるように、たとえばコピー機能は、主に画像形成部210、画像読取部206および自動原稿送り装置208により実現される。なお、コピー機能においては、自動原稿送り装置208が用いられないことがある。すなわち、コピー機能においては、自動原稿送り装置208は、言わば半必須要素である。
【0039】
そして、プリンタ機能は、主に画像形成部210、LAN通信部214aおよび無線通信部214bにより実現される。なお、プリンタ機能に供されるデータ(印刷用データ)は、LAN通信部214aまたは無線通信部214bにより外部から受信される。したがって、プリンタ機能においては、LAN通信部214aおよび無線通信部214bの一方が使用されないことがあり、ゆえに、当該LAN通信部214aおよび無線通信部214bは、半必須要素である。
【0040】
イメージスキャナ機能は、主に画像読取部206、自動原稿送り装置208、LAN通信部214aおよび無線通信部214bにより実現される。なお、イメージスキャナ機能においては、自動原稿送り装置208が用いられないことがあり、つまり当該自動原稿送り装置208は、半必須要素である。また、イメージスキャナ機能により得られたデータ(読取画像データ)は、LAN通信部214aまたは無線通信部214bにより外部へ送信されることがある。したがって、イメージスキャナ機能においては、LAN通信部214aおよび無線通信部214bは、半必須要素である。
【0041】
ファクス機能のうちのファクス送信機能は、主に画像読取部206、自動原稿送り装置208、LAN通信部214a、無線通信部214bおよびファクス通信部214cにより実現される。なお、ファクス送信機能に供されるデータ(ファクス送信用データ)は、LAN通信部214aまたは無線通信部214bにより外部から受信されることがある(PC-FAX機能)。言い換えれば、ファクス送信機能においては、画像読取部206が使用されないことがある。したがって、ファクス送信機能においては、画像読取部206は、半必須要素である。併せて、ファクス送信機能においては、LAN通信部214aおよび無線通信部214bもまた、半必須要素である。さらに、ファクス送信機能においては、自動原稿送り装置208が用いられないことがあり、つまり当該自動原稿送り装置208もまた、半必須要素である。
【0042】
そして、ファクス機能のうちのファクス受信機能は、主に画像形成部210、LAN通信部214a、無線通信部214bおよびファクス通信部214cにより実現される。なお、ファクス受信機能により受信されたデータ(ファクス受信データ)は、画像形成部210による画像形成処理(印刷)に供されずに、補助記憶部212に記憶(保存)されることがある。言い換えれば、ファクス受信機能においては、画像形成部210が使用されないことがある。したがって、ファクス受信機能においては、画像形成部210は、半必須要素である。また、ファクス受信機能においては、補助記憶部212に記憶されたデータが、LAN通信部214aおよび無線通信部214bにより外部へ送信されることがある。したがって、ファクス受信機能においては、LAN通信部214aおよび無線通信部214bもまた、半必須要素である。
【0043】
このような複合機20において、各機能を実現するための各構成要素のいずれかに故障が発生する、とする。この場合、故障が発生した構成要素により実現される機能については、換言すれば当該故障が発生した構成要素を必須要素とする機能については、使用不可能となる。その一方で、故障が発生した構成要素が関係しない機能については、換言すれば当該故障が発生した構成要素を不要要素とする機能については、使用可能である。なお、故障が発生した構成要素を半必須要素とする機能については、当該故障が発生した構成要素が用いられない場合にのみ、使用可能であり、言わば制限付きで使用可能である。
【0044】
たとえば、画像形成部210に故障が発生した場合は、当該画像形成部210を必須要素とするコピー機能およびプリンタ機能については、使用不可能となる。その一方で、画像形成部210を不要要素とするイメージスキャナ機能およびファクス送信機能については、使用可能である。なお、画像形成部210を半必須要素とするファクス受信機能については、当該ファクス受信機能により受信されたデータが、画像形成部210による画像形成処理に供されずに、補助記憶部212に記憶されるのであれば、使用可能であり、つまり制限付きで使用可能である。
【0045】
また、画像読取部206に故障が発生した場合は、当該画像読取部206を必須要素とするコピー機能およびイメージスキャナ機能については、使用不可能となる。その一方で、画像読取部206を不要要素とするプリンタ機能およびファクス受信機能については、使用可能である。なお、画像読取部206を半必須要素とするファクス送信機能については、当該ファクス送信機能に供されるデータが、LAN通信部214aまたは無線通信部214bにより外部から受信される場合には、使用可能であり、つまり制限付きで使用可能である。
【0046】
さらに、自動原稿送り装置208に故障が発生した場合は、当該自動原稿送り装置208を不要要素とするプリンタ機能およびファクス受信機能については、使用可能である。そして、自動原稿送り装置208を半必須要素とするコピー機能、イメージスキャナ機能およびファクス送信機能については、当該自動原稿送り装置208が用いられない場合には、使用可能であり、つまり制限付きで使用可能である。
【0047】
LAN通信部214aに故障が発生した場合は、当該LAN通信部214aを不要要素とするコピー機能については、使用可能である。そして、LAN通信部214aを半必須要素とするプリンタ機能、イメージスキャナ機能、ファクス送信機能およびファクス受信機能については、当該LAN通信部214aが用いられない場合には、使用可能であり、つまり制限付きで使用可能である。
【0048】
無線通信部214bに故障が発生した場合も同様に、当該無線通信部214bを不要要素とするコピー機能については、使用可能である。そして、無線通信部214bを半必須要素とするプリンタ機能、イメージスキャナ機能、ファクス送信機能およびファクス受信機能については、当該無線通信部214bが用いられない場合には、使用可能であり、つまり制限付きで使用可能である。
【0049】
そして、ファクス通信部214cに故障が発生した場合は、当該ファクス通信部214cを必須要素とするファクス送信機能およびファクス受信機能については、つまりファクス機能については、使用不可能となる。その一方で、ファクス通信部214cを不要要素とするコピー機能、プリンタ機能およびイメージスキャナ機能については、使用可能である。
【0050】
これらの点に着目して、本第1実施例においては、複合機20が有する複数の機能の少なくとも一部の使用が不可能となる故障が発生したときに、使用可能な機能の有無が確認される。そして、使用可能な機能が存在する場合には、図4に示されるような第1注意画面300が、ディスプレイ216bに表示される。なお、図4は、ファクス通信部214cに故障が発生した場合の、つまりファクス機能(ファクス送信機能およびファクス受信機能)の使用が不可能となった場合の、第1注意画面300を示す。
【0051】
この図4に示される第1注意画面300においては、たとえばその上部の左寄りの位置に、ユーザに対して注意を促す、適当な文字列302が配される。そして、文字列302の下方に、ファクス機能を使用することができない旨を表す、適当な文字列304が配される。さらに、文字列304の下方に、ファクス機能以外の機能については使用することが可能である旨を表す、適当な文字列306が配される。また、文字列306の下方に、このまま、つまりファクス機能を使用することができない状態のまま、複合機20を使用するかどうかを、換言すればファクス機能以外の機能を使用するかどうかを、ユーザへ問い合わせる内容を含む、適当な文字列308が配される。
【0052】
加えて、文字列308の下方に、換言すれば第1注意画面300における下部に、「使用する」キー310および「使用しない」キー312という2つの操作子が横並びに配される。このうちの「使用する」キー310は、ユーザが複合機20を使用することを指示するための操作子である。そして、「使用しない」キー312は、ユーザが複合機20を使用しないことを指示するための操作子である。
【0053】
この第1注意画面300において、たとえば「使用しない」キー312が操作(押下)される、つまりユーザにより複合機20を使用しないことが選択される、とする。すると、複合機20から管理サーバ80に対して修理を依頼することが通知される。その際、修理の緊急度(換言すれば優先度または重要度)が『高』に設定され、この『高』という緊急度が修理依頼に含まれた状態で通知される。なお、「使用しない」キー312が操作された後、第1注意画面300に代えて、基本的な操作画面である不図示のホーム画面が、ディスプレイ216bに表示される。このときに表示されるホーム画面においては、使用不可能なファクス機能を選択することができないものの、ファクス機能以外の機能については選択することができ、つまりはそうなるようにホーム画面が構成される。また、『高』という緊急度を含む修理依頼を受け付けた管理サーバ80側では、つまりサービスセンタ側では、比較的に早めに修理を行うよう対策が講ぜられ、たとえばIT管理者へ連絡した上で修理を行うよう対策が講ぜられる。
【0054】
これに対して、第1注意画面300における「使用する」キー310が操作される、つまりユーザにより複合機20を使用することが選択される、とする。すると、第1注意画面300に代えて、図5に示されるような第2注意画面320が、ディスプレイ216bに表示される。
【0055】
この図5に示される第2注意画面320においては、たとえばその上部の左寄りの位置に、ユーザに対して注意を促す、適当な文字列322が配される。そして、文字列322の下方に、修理を希望するかどうかをユーザへ問い合わせる内容を含む、適当な文字列324が配される。さらに、文字列324の下方に、修理を希望するかどうかに関係なく、このまま複合機20を使用することが可能である旨を表す、適当な文字列326が配される。
【0056】
加えて、文字列326の下方に、換言すれば第2注意画面320における下部に、「修理を希望する」キー328および「修理を希望しない」キー330という2つの操作子が横並びに配される。このうちの「修理を希望する」キー328は、ユーザが複合機20の修理を希望することを指示するための操作子である。そして、「修理を希望しない」キー330は、ユーザが複合機20の修理を希望しないことを指示するための操作子である。
【0057】
この第2注意画面320において、たとえば「修理を希望する」キー328が操作される、つまりユーザにより複合機20の修理を希望することが選択される、とする。すると、複合機20から管理サーバ80に対して修理依頼が通知される。その際、修理の緊急度が『低』に設定され、この『低』という緊急度が修理依頼に含まれた状態で通知される。なお、「修理を希望する」キー328が操作された後、第2注意画面320に代えて、前述のホーム画面が、ディスプレイ216bに表示される。このときに表示されるホーム画面においても、使用不可能な機能を選択することはできないものの、使用不可能な機能以外の機能については選択することができ、つまりはそうなるようにホーム画面が構成される。また、『低』という緊急度を含む修理依頼を受け付けた管理サーバ80側においては、つまりサービスセンタ側においては、適当な時期に修理を行うよう対策が講ぜられ、たとえば複合機20の定期点検の際に、言わばついでに、修理を行うよう対策が講ぜられる。
【0058】
これに対して、第2注意画面320における「修理を希望しない」キー330が操作される、つまりユーザにより複合機20の修理を希望しないことが選択される、とする。すると、この場合は、複合機20から管理サーバ80に対して修理依頼は通知されない。そして、第2注意画面320に代えて、前述のホーム画面が、ディスプレイ216bに表示される。このときに表示されるホーム画面においても、使用不可能な機能を選択することはできないものの、使用不可能な機能以外の機能については選択することができ、つまりはそうなるようにホーム画面が構成される。
【0059】
なお、第1注意画面300の内容は、とりわけ文字列304および306の内容は、故障が発生した構成要素に応じて適宜に変わる。図示は省略するが、たとえば画像形成部210に故障が発生した場合、文字列304の内容は、コピー機能およびプリンタ機能を使用することができない旨を表す内容に変わる。そして、文字列306の内容は、コピー機能およびプリンタ機能以外の機能については使用することが可能である旨の内容に変わる。さらに、ファクス受信機能については制限付きで使用可能である旨を表す、別の文字列が適宜に配される。これ以外の構成要素に故障が発生した場合も同様に、第1注意画面300の内容が適宜に変わる。
【0060】
また、使用可能な機能が存在しない場合は、その旨がIT管理者へ通知され、たとえば適当な内容の電子メールがIT管理者用のPC30aへ送信される。併せて、修理の緊急度が『最高』に設定された上で、複合機20から管理サーバ80に対して当該『最高』という緊急度を含む修理依頼が通知され、詳しくは修理依頼データが送信される。そして、複合機20全体の使用が、つまり当該複合機20が有する全ての機能の使用が、不可能であることを表す不図示の適当なメッセージ画面が一定期間(たとえば数秒間~数十秒間)にわたってディスプレイ216bに表示された後、複合機20の電源が自動的にオフされる。なお、『最高』という緊急度を含む修理依頼を受け付けた管理サーバ80側においては、つまりサービスセンタ側においては、出来る限り早急に修理を行うよう対策が講ぜられる。
【0061】
さらに、複合機20が有する各機能のいずれかが最初に使用された時点からの経過期間が所定期間に達する前に、あるいは、複合機20の設置後に当該複合機20の電源が最初にオンされた時点からの経過期間が所定期間に達する前に、故障が発生した場合は、初期故障(初期不良)とみなされる。また、複合機20の各機能のいずれかの使用回数(ジョブ実行回数)が所定回数に達する前に、故障が発生した場合も、初期故障とみなされる。この初期故障とみなされる場合も、前述の使用可能な機能が存在しない場合と同様、当該初期故障とみなされる旨がIT管理者へ通知される。併せて、修理の緊急度が『最高』に設定された上で、複合機20から管理サーバ80に対して当該『最高』という緊急度を含む修理依頼が通知される。そして、複合機20全体の使用が、つまり全ての機能の使用が、不可能であることを表す不図示の適当なメッセージ画面が一定期間にわたってディスプレイ216bに表示された後、複合機20の電源が自動的にオフされる。
【0062】
このように、本第1実施例によれば、複合機20に故障が発生したときに、そのときの状況に応じて、言わばユーザにとっての当該故障の性状(属性)に基づいて、修理の緊急度が設定されることを含め、適宜の対応が図られる。そのために、複合機20のCPU202aは、前述の故障対応プログラム212aに従って、故障対応タスクを実行する。この故障対応タスクの流れを、図6および図7に示す。なお、故障対応タスクは、何らかの新たな故障が発生したときに、これに応答して実行される。
【0063】
この故障対応タスクによれば、CPU202aは、まず、ステップS1(図6)において、このたび発生した故障が前述の初期故障とみなされるかどうかを判定する。ここでたとえば、初期故障とみなされる場合、CPU202aは、処理をステップS3へ進める。一方、初期故障とみなされない場合は、CPU202aは、処理を後述するステップS11へ進める。
【0064】
ステップS3において、CPU202aは、初期故障とみなされる旨をIT管理者へ通知し、詳しくは当該初期故障とみなされる旨の内容を含む適当な電子メールをIT管理者用のPC30aへ送信する。そして、CPU202aは、処理をステップS5へ進める。
【0065】
ステップS5において、CPU202aは、修理緊急度を『最高』に設定する。そして、CPU202aは、処理をステップS7へ進める。
【0066】
ステップS7において、CPU202aは、ステップS5または後述するステップS17で設定された修理緊急度を含む修理依頼を管理サーバ80へ通知する。このとき、CPU202aは、故障の内容を管理サーバ80へ通知してもよい。このステップS7の実行後、CPU202aは、処理をステップS9へ進める。
【0067】
ステップS9において、CPU202aは、複合機20を使用不可能な状態へ遷移させ、詳しくは前述のメッセージ画面を一定期間にわたってディスプレイ216bに表示させた後、複合機20の電源をオフする。このステップS9の実行をもって、CPU202aは、故障対応タスクを終了する。
【0068】
これに対して、CPU202aは、前述のステップS1からステップS11へ処理を進めた場合、当該ステップS11において、複合機20の各機能のうちの使用可能な機能の有無を確認する。そして、CPU202aは、処理をステップS13へ進める。
【0069】
ステップS13において、CPU202aは、ステップS11における確認の結果、使用可能な機能があるかどうかを判定する。ここでたとえば、使用可能な機能が存在する場合、CPU202aは、処理を後述するステップS19(図7)へ進める。一方、使用可能な機能が存在しない場合は、CPU202aは、処理をステップS15へ進める。
【0070】
ステップS15において、CPU202aは、使用可能な機能が存在しない旨をIT管理者へ通知し、詳しくは当該使用可能な機能が存在しない旨の内容を含む適当な電子メールをIT管理者用のPC30aへ送信する。そして、CPU202aは、処理をステップS17へ進める。
【0071】
ステップS17において、CPU202aは、修理緊急度を『最高』に設定する。そして、CPU202aは、処理をステップS7へ進める。
【0072】
さらに、CPU202aは、前述のステップS13からステップS19へ処理を進めた場合、当該ステップS19において、前述の第1注意画面300をディスプレイ216bに表示する。そして、CPU202aは、処理をステップS21へ進める。
【0073】
ステップS21において、CPU202aは、ユーザにより複合機20を使用することが選択されたかどうかを、つまり第1注意画面300の「使用する」キー310が操作されたかどうかを、判定する。ここでたとえば、ユーザにより複合機20を使用することが選択された場合、CPU202aは、処理をステップS23へ進める。一方、ユーザにより複合機20を使用しないことが選択された場合、つまり第1注意画面300の「使用しない」キー312が操作された場合、CPU202aは、処理を後述するステップS33へ進める。
【0074】
ステップS23において、CPU202aは、第1注意画面300に代えて、第2注意画面320を、ディスプレイ216bに表示する。そして、CPU202aは、処理をステップS25へ進める。
【0075】
ステップS25において、CPU202aは、ユーザにより複合機20の修理を希望することが選択されたかどうかを、つまり第2注意画面320の「修理を希望する」キー328が操作されたかどうかを、判定する。ここでたとえば、ユーザにより複合機20の修理を希望することが選択された場合、CPU202aは、処理をステップS27へ進める。一方、ユーザにより複合機20の修理を希望しないことが選択された場合、つまり第2注意画面320の「修理を希望しない」キー330が操作された場合、CPU202aは、処理を後述するステップS31へ進める。
【0076】
ステップS27において、CPU202aは、修理緊急度を『低』に設定する。そして、CPU202aは、処理をステップS29へ進める。
【0077】
ステップS29において、CPU202aは、ステップS27または後述するステップS33で設定された修理緊急度を含む修理依頼を管理サーバ80へ通知する。このとき、CPU202aは、故障の内容を管理サーバ80へ通知してもよい。このステップS29の実行後、CPU202aは、処理をステップS31へ進める。
【0078】
ステップS31において、CPU202aは、複合機20を基本状態へ遷移させ、詳しくは前述のホーム画面をディスプレイ216bに表示する。このときに表示されるホーム画面においては、使用不可能な機能を選択することはできないものの、使用不可能な機能以外の機能については選択することができる。
【0079】
また、CPU202aは、前述のステップS21からステップS33へ処理を進めた場合、当該ステップS33において、修理緊急度を『高』に設定する。そして、CPU202aは、処理をステップS29へ進める。
【0080】
以上のように、本第1実施例によれば、複合機20に故障が発生したときに、そのときの状況に応じて、言わばユーザにとっての当該故障の性状に基づいて、修理の緊急度が設定され、換言すれば当該緊急度に対して一種の重み付けが成される。その上で、緊急度を含む修理依頼が管理サーバ80へ通知される。そして、管理サーバ80側においては、修理依頼に含まれる緊急度に応じた対応策が講ぜられる。これにより、複合機20の効率的かつ経済的な保守が実現される。
【0081】
また前述したように、故障対応タスクは、何らかの新たな故障が発生したときに実行される。したがって、同じ構成要素(故障個所)について、第1注意画面300および第2注意画面320が再度表示されることはない。そのために、一度故障が発生した構成要素を記憶しておくための不図示の記憶領域が、たとえば補助記憶部212に設けられる。なお、管理サーバ80に対して修理依頼が通知されていない故障については、所定の操作が行われることで、当該修理依頼が通知される。その際、修理緊急度が『最高』または『高』に設定された上で、当該修理緊急度を含む修理依頼が通知されてもよい。
【0082】
なお、故障対応タスクを実行するCPU202aは、とりわけステップS5,ステップS17,ステップS27およびステップS33を実行するCPU202aは、本発明に係る緊急度設定手段の一例である。そして、ステップS7およびステップS29を実行するCPU202aは、本発明に係る修理依頼通知手段の一例である。また前述したように、CPU202aがステップS31を実行することにより、複合機20が基準状態へ遷移し、つまり使用不可能な機能以外の機能については使用可能な状態が維持される。このステップS31を実行するCPU202aは、状態維持手段の一例である。
【0083】
さらに、ステップS19を実行することにより、第1注意画面300をディスプレイ216bに表示させるCPU202aは、当該ディスプレイ216bと協働して、本発明に係る第1問合せ手段の一例を構成する。そして、第1注意画面300は、詳しくは「使用する」キー310および「使用しない」キー312は、本発明に係る第1操作受付手段の一例である。すなわち、「使用する」キー310および「使用しない」キー312を含む第1注意画面300に対するユーザの操作は、本発明に係る第1操作の一例である。
【0084】
加えて、ステップS23を実行することにより、第2注意画面320をディスプレイ216bに表示させるCPU202aは、当該ディスプレイ216bと協働して、本発明に係る第2問合せ手段の一例を構成する。そして、第2注意画面320は、詳しくは「修理を希望する」キー328および「修理を希望しない」キー330は、本発明に係る第2操作受付手段の一例である。すなわち、「修理を希望する」キー328および「修理を希望しない」キー330を含む第2注意画面320に対するユーザの操作は、本発明に係る第2操作の一例である。
【0085】
また、第1注意画面300の構成(デザイン)は、図4に示される構成に限らない。これと同様に、第2注意画面320の構成についても、図5に示される構成に限らない。
【0086】
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例について、図8図10を参照して説明する。
【0087】
本第2実施例においても、第1実施例と同様に、複合機20の各機能の少なくとも一部の使用が不可能となる故障が発生したときに、使用可能な機能の有無が確認される。その上で、使用可能な機能が存在する場合は、故障が発生した構成要素の稼働頻度に基づいて、詳しくは当該構成要素の稼働回数に基づいて、より詳しくは複合機20の使用が開始されてからの当該構成要素の累積稼働回数に基づいて、修理の緊急度が設定される。併せて、故障が発生した構成要素の稼働回数によっては、詳しくは後述する如く修理の緊急度が『最高』または『高』の場合には、その旨の内容を含む不図示の注意画面がディスプレイ216bに表示される。これ以外は、第1実施例と同様であるので、その詳しい説明は省略する。
【0088】
本第2実施例においては、図8に示されるような稼働回数テーブル400が設けられる。この稼働回数テーブル400は、故障が発生した構成要素の稼働回数に基づいて、注意画面を表示させるかどうかを規定するとともに、どのような修理緊急度を設定するのかを規定するためのテーブルである。なお、稼働回数テーブル400は、故障対応プログラム212aにより構成され、補助記憶部212に記憶される。
【0089】
すなわち、図8に示される稼働回数テーブル400によれば、たとえば故障が発生した構成要素の稼働回数が200回以上である場合に、注意画面が表示されるとともに、修理緊急度が『最高』に設定される。そして、故障が発生した構成要素の稼働回数が1回以上かつ200回未満である場合には、注意画面が表示されるとともに、修理緊急度が『高』に設定される。さらに、故障が発生した構成要素の稼働回数が0回である場合には、注意画面は表示されず、修理緊急度が『低』に設定される。
【0090】
具体的には、たとえば図9に示されるように、画像形成部210の稼働回数が1500回である状態において、当該画像形成部210に故障が発生した場合は、注意画面が表示されるとともに、修理緊急度が『最高』に設定される。そして、画像読取部206の稼働回数が250回である状態において、当該画像読取部206に故障が発生した場合も、注意画面が表示されるとともに、修理緊急度が『最高』に設定される。さらに、自動原稿送り装置208の稼働回数が180回である状態において、当該自動原稿送り装置208に故障が発生した場合は、注意画面が表示されるとともに、修理緊急度が『高』に設定される。また、LAN通信部214aの稼働回数が100回である状態において、当該LAN通信部214aに故障が発生した場合も、注意画面が表示されるとともに、修理緊急度が『高』に設定される。さらにまた、無線通信部214bの稼働回数が0回である状態において、当該無線通信部214bに故障が発生した場合は、注意画面は表示されず、修理緊急度が『低』に設定される。そして、ファクス通信部214cの稼働回数が0回である状態において、当該ファクス通信部214cに故障が発生した場合も、注意画面は表示されず、修理緊急度が『低』に設定される。
【0091】
このような本第2実施例においても、CPU202aは、前述の故障対応プログラム212aに従って、故障対応タスクを実行する。なお、本第2実施例においては、第1実施例におけるステップS19~ステップS33(図7参照)に代えて、図10に示されるステップS101~ステップS117が実行される。
【0092】
すなわち、本第2実施例における故障対応タスクによれば、CPU202aは、ステップS13(図6参照)において、使用可能な機能が存在する場合、処理をステップS101へ進める。そして、CPU202aは、ステップS101において、故障が発生した構成要素の稼働回数を確認した後、処理をステップS103へ進める。
【0093】
ステップS103において、CPU202aは、ステップS101で確認した稼働回数が0回であるかどうかを判定する。ここでたとえば、稼働回数が0回である場合、CPU202aは、処理をステップS105へ進める。一方、稼働回数が0回でない場合は、CPU202aは、処理を後述するステップS111へ進める。
【0094】
ステップS105において、CPU202aは、修理緊急度を『低』に設定する。そして、CPU202aは、処理をステップS107へ進める。
【0095】
ステップS107において、CPU202aは、ステップS105または後述するステップS113あるいはステップS117で設定された修理緊急度を含む修理依頼を管理サーバ80へ通知する。このとき、CPU202aは、故障の内容を管理サーバ80へ通知してもよい。このステップS107の実行後、CPU202aは、処理をステップS109へ進める。
【0096】
ステップS109において、CPU202aは、複合機20を前述の基本状態へ遷移させる。このステップS109の実行をもって、CPU202aは、故障対応タスクを終了する。
【0097】
また、CPU202aは、前述のステップS103からステップS111へ処理を進めた場合、当該ステップS111において、ステップS101で確認した稼働回数が200回以上であるかどうかを判定する。ここでたとえば、稼働回数が200回以上である場合、CPU202aは、処理をステップS113へ進める。一方、稼働回数が200回以上でない場合、つまり当該稼働回数が1回以上かつ200回未満である場合は、CPU202aは、処理を後述するステップS117へ進める。
【0098】
ステップS113において、CPU202aは、修理緊急度を『最高』に設定する。そして、CPU202aは、処理をステップS115へ進める。
【0099】
ステップS115において、前述の注意画面をディスプレイ216bに表示する。その上で、CPU202aは、処理をステップS107へ進める。
【0100】
これに対して、CPU202aは、前述のステップS111からステップS117へ処理を進めた場合、当該ステップS117において、修理緊急度を『高』に設定する。そして、CPU202aは、処理をステップS115へ進める。
【0101】
このように、本第2実施例によれば、複合機20に故障が発生したときに、その故障が発生した構成要素の稼働回数に基づいて、修理の緊急度が設定され、言わば当該緊急度に対して一種の重み付けが成される。その上で、緊急度を含む修理依頼が管理サーバ80へ通知される。このような第2実施例によっても、複合機20の効率的かつ経済的な保守が実現される。
【0102】
なお、図8に示される稼働回数テーブル400の内容は、任意に変更可能とされてもよく、たとえばIT管理者を含む一部の限られたユーザのみが操作可能なシステム設定により任意に変更可能とされてもよい。
【0103】
[第3実施例]
次に、本発明の第3実施例について、図11図13を参照して説明する。
【0104】
本第3実施例においても、第1実施例と同様に、複合機20の各機能の少なくとも一部の使用が不可能となる故障が発生したときに、使用可能な機能の有無が確認される。その上で、使用可能な機能が存在する場合は、故障が発生した構成要素の稼働頻度に基づいて、詳しくは複合機20の各機能を実現するための各構成要素のうちの当該故障が発生した構成要素の稼働比率に基づいて、修理の緊急度が設定される。ここで、稼働比率とは、各構成要素の稼働回数の総和に対するそれぞれの構成要素の稼働回数の比率である。併せて、故障が発生した構成要素の稼働比率によっては、詳しくは後述する如く修理の緊急度が『最高』または『高』の場合には、その旨の内容を含む不図示の注意画面がディスプレイ216bに表示される。これ以外は、第1実施例と同様であるので、その詳しい説明は省略する。
【0105】
本第3実施例においては、図11に示されるような稼働比率テーブル500が設けられる。この稼働比率テーブル500は、故障が発生した構成要素の稼働比率に基づいて、注意画面を表示させるかどうかを規定するとともに、どのような修理緊急度を設定するのかを規定するためのテーブルである。なお、稼働比率テーブル500は、故障対応プログラム212aにより構成され、補助記憶部212に記憶される。
【0106】
すなわち、図11に示される稼働比率テーブル500によれば、たとえば故障が発生した構成要素の稼働比率が50%以上である場合に、注意画面が表示されるとともに、修理緊急度が『最高』に設定される。そして、故障が発生した構成要素の稼働比率が0%超かつ50%回未満である場合には、注意画面が表示されるとともに、修理緊急度が『高』に設定される。さらに、故障が発生した構成要素の稼働比率が0%である場合には、注意画面は表示されず、修理緊急度が『低』に設定される。
【0107】
具体的には、たとえば図12に示されるように、画像形成部210の稼働回数が1500回である状態、つまり当該画像形成部210の稼働比率が74%(厳密には約74%)である状態において、当該画像形成部210に故障が発生した場合は、注意画面が表示されるとともに、修理緊急度が『最高』に設定される。なお前述したように、稼働比率とは、複合機20の各機能を実現するための各構成要素の稼働回数の総和に対するそれぞれの構成要素の比率であり、ゆえに、稼働回数が1500回である画像形成部210の稼働比率は、当該画像形成部210を含む各構成要素の稼働回数の総和が2030回(=1500回+250回+180回+100回+0回+0回)であることから、74%(≒(1500/2030)×100%)となる。
【0108】
そして、画像読取部206の稼働回数が250回である状態、つまり当該画像読取部206の稼働比率が12%である状態において、当該画像読取部206に故障が発生した場合は、注意画面が表示されるとともに、修理緊急度が『高』に設定される。さらに、自動原稿送り装置208の稼働回数が180回である状態、つまり当該自動原稿送り装置208の可動比率が9%である状態において、当該自動原稿送り装置208に故障が発生した場合は、注意画面が表示されるとともに、修理緊急度が『高』に設定される。また、LAN通信部214aの稼働回数が100回である状態、つまり当該LAN通信部214aの稼働比率が5%である状態において、当該LAN通信部214aに故障が発生した場合も、注意画面が表示されるとともに、修理緊急度が『高』に設定される。さらにまた、無線通信部214bの稼働回数が0回である状態、つまり当該無線通信部214bの稼働比率が0%である状態において、当該無線通信部214bに故障が発生した場合は、注意画面は表示されず、修理緊急度が『低』に設定される。そして、ファクス通信部214cの稼働回数が0回である状態、つまり当該ファクス通信部214cの稼働比率が0%である状態において、当該ファクス通信部214cに故障が発生した場合も、注意画面は表示されず、修理緊急度が『低』に設定される。
【0109】
このような本第3実施例においても、CPU202aは、前述の故障対応プログラム212aに従って、故障対応タスクを実行する。なお、本第3実施例においては、第1実施例におけるステップS19~ステップS33(図7参照)に代えて、図13に示されるステップS201~ステップS217が実行される。
【0110】
すなわち、本第3実施例における故障対応タスクによれば、CPU202aは、ステップS13(図6参照)において、使用可能な機能が存在する場合、処理をステップS201へ進める。そして、CPU202aは、ステップS201において、故障が発生した構成要素の稼働比率を確認した後、処理をステップS203へ進める。
【0111】
ステップS203において、CPU202aは、ステップS201で確認した稼働比率が0%であるかどうかを判定する。ここでたとえば、稼働回数が0%である場合、CPU202aは、処理をステップS205へ進める。一方、稼働比率が0%でない場合は、CPU202aは、処理を後述するステップS211へ進める。
【0112】
ステップS205において、CPU202aは、修理緊急度を『低』に設定する。そして、CPU202aは、処理をステップS207へ進める。
【0113】
ステップS207において、CPU202aは、ステップS205または後述するステップS213あるいはステップS217で設定された修理緊急度を含む修理依頼を管理サーバ80へ通知する。このとき、CPU202aは、故障の内容を管理サーバ80へ通知してもよい。このステップS207の実行後、CPU202aは、処理をステップS209へ進める。
【0114】
ステップS209において、CPU202aは、複合機20を前述の基本状態へ遷移させる。このステップS209の実行をもって、CPU202aは、故障対応タスクを終了する。
【0115】
また、CPU202aは、前述のステップS203からステップS211へ処理を進めた場合、当該ステップS211において、ステップS201で確認した稼働比率が50%以上であるかどうかを判定する。ここでたとえば、稼働比率が50%以上である場合、CPU202aは、処理をステップS213へ進める。一方、稼働比率が50%以上でない場合、つまり当該稼働比率が0%超かつ50%回未満である場合は、CPU202aは、処理を後述するステップS217へ進める。
【0116】
ステップS213において、CPU202aは、修理緊急度を『最高』に設定する。そして、CPU202aは、処理をステップS215へ進める。
【0117】
ステップS215において、CPU202aは、前述の注意画面をディスプレイ216bに表示する。その上で、CPU202aは、処理をステップS207へ進める。
【0118】
これに対して、CPU202aは、前述のステップS211からステップS217へ処理を進めた場合、当該ステップS217において、修理緊急度を『高』に設定する。そして、CPU202aは、処理をステップS215へ進める。
【0119】
このように、本第3実施例によれば、複合機20に故障が発生したときに、その故障が発生した構成要素の稼働比率に基づいて、修理の緊急度が設定され、言わば当該緊急度に対して重み付けが成される。その上で、緊急度を含む修理依頼が管理サーバ80へ通知される。このような第3実施例によっても、複合機20の効率的かつ経済的な保守が実現される。
【0120】
なお、図11に示される稼働比率テーブル500の内容は、任意に変更可能とされてもよく、たとえば前述のシステム設定により任意に変更可能とされてもよい。
【0121】
[第4実施例]
次に、本発明の第4実施例について、図14図16を参照して説明する。
【0122】
本第4実施例においても、第1実施例と同様に、複合機20の各機能の少なくとも一部の使用が不可能となる故障が発生したときに、使用可能な機能の有無が確認される。その上で、使用可能な機能が存在する場合は、故障が発生した構成要素の直近の稼働時からの経過期間に基づいて、修理の緊急度が設定される。併せて、故障が発生した構成要素の直近からの経過期間によっては、詳しくは後述する如く修理の緊急度が『最高』または『高』の場合には、その旨の内容を含む不図示の注意画面がディスプレイ216bに表示される。これ以外は、第1実施例と同様であるので、その詳しい説明は省略する。
【0123】
本第4実施例においては、図14に示されるような稼働歴テーブル600が設けられる。この稼働歴テーブル600は、故障が発生した構成要素の直近の稼働時からの経過期間に基づいて、注意画面を表示させるかどうかを規定するとともに、どのような修理緊急度を設定するのかを規定するためのテーブルである。なお、稼働歴テーブル600は、故障対応プログラム212aにより構成され、補助記憶部212に記憶される。
【0124】
すなわち、図14に示される稼働歴テーブル600によれば、たとえば故障が発生した構成要素の直近の稼働時からの経過期間が10日未満である場合に、注意画面が表示されるとともに、修理緊急度が『最高』に設定される。そして、故障が発生した構成要素の直近の稼働時からの経過期間が10日以上かつ1カ月未満である場合には、注意画面が表示されるとともに、修理緊急度が『高』に設定される。さらに、故障が発生した構成要素の直近の稼働時からの経過期間が1カ月以上である場合には、注意画面は表示されず、修理緊急度が『低』に設定される。また、故障が発生した構成要素の稼働歴がない場合も同様に、注意画面は表示されず、修理緊急度が『低』に設定される。なお、ここで言う1カ月は、たとえば30日である。
【0125】
具体的には、たとえば図15に示されるように、画像形成部210の直近の稼働時からの経過期間が1時間である状態において、当該画像形成部210に故障が発生した場合は、注意画面が表示されるとともに、修理緊急度が『最高』に設定される。そして、画像読取部206の直近の稼働時からの経過期間が3カ月である状態において、当該画像読取部206に故障が発生した場合は、注意画面は表示されず、修理緊急度が『低』に設定される。さらに、自動原稿送り装置208の直近の稼働時からの経過期間が50分である状態において、当該自動原稿送り装置208に故障が発生した場合は、注意画面が表示されるとともに、修理緊急度が『最高』に設定される。また、LAN通信部214aの直近の稼働時からの経過期間が5分である状態において、当該LAN通信部214aに故障が発生した場合も、注意画面が表示されるとともに、修理緊急度が『最高』に設定される。さらにまた、無線通信部214bの直近の稼働時からの経過期間が15日である状態において、当該無線通信部214bに故障が発生した場合は、注意画面が表示されるとともに、修理緊急度が『高』に設定される。そして、ファクス通信部214cの稼働歴がない状態において、当該ファクス通信部214cに故障が発生した場合は、注意画面は表示されず、修理緊急度が『低』に設定される。
【0126】
このような本第4実施例においても、CPU202aは、前述の故障対応プログラム212aに従って、故障対応タスクを実行する。なお、本第4実施例においては、第1実施例におけるステップS19~ステップS33(図7参照)に代えて、図16に示されるステップS301~ステップS321が実行される。
【0127】
すなわち、本第4実施例における故障対応タスクによれば、CPU202aは、ステップS13(図6参照)において、使用可能な機能が存在する場合、処理をステップS301へ進める。そして、CPU202aは、ステップS301において、故障が発生した構成要素の直近の稼働時からの経過期間を確認した後、処理をステップS303へ進める。
【0128】
ステップS303において、CPU202aは、ステップS301における確認結果に基づいて、故障が発生した構成要素の稼働歴がないかどうかを判定する。ここでたとえば、故障が発生した構成要素の稼働歴がない場合、CPU202aは、処理をステップS305へ進める。一方、稼働歴がある場合は、CPU202aは、処理を後述するステップS311へ進める。
【0129】
ステップS305において、CPU202aは、修理緊急度を『低』に設定する。そして、CPU202aは、処理をステップS307へ進める。
【0130】
ステップS307において、CPU202aは、ステップS305または後述するステップS313あるいはステップS317さらにはステップS321で設定された修理緊急度を含む修理依頼を管理サーバ80へ通知する。このとき、CPU202aは、故障の内容を管理サーバ80へ通知してもよい。このステップS307の実行後、CPU202aは、処理をステップS309へ進める。
【0131】
ステップS309において、CPU202aは、複合機20を前述の基本状態へ遷移させる。このステップS309の実行をもって、CPU202aは、故障対応タスクを終了する。
【0132】
また、CPU202aは、前述のステップS303からステップS311へ処理を進めた場合、当該ステップS311において、ステップS301で確認した直近の稼働時からの経過期間が1カ月以上であるかどうかを判定する。ここでたとえば、直近の稼働時からの経過期間が1カ月以上である場合、CPU202aは、処理をステップS313へ進める。一方、直近の稼働時からの経過期間が1カ月以上でない場合は、CPU202aは、処理を後述するステップS315へ進める。
【0133】
ステップS313において、CPU202aは、修理緊急度を『低』に設定する。その上で、CPU202aは、処理をステップS307へ進める。
【0134】
これに対して、CPU202aは、前述のステップS311からステップS315へ処理を進めた場合、当該ステップS315において、ステップS301で確認した直近の稼働時からの経過期間が10未満であるかどうかを判定する。ここでたとえば、直近の稼働時からの経過期間が10日未満である場合、CPU202aは、処理をステップS317へ進める。一方、直近の稼働時からの経過期間が10未満でない場合、つまり直近の稼働時からの経過期間が10日以上かつ1カ月未満である場合は、CPU202aは、処理を後述するステップS321へ進める。
【0135】
ステップS317において、CPU202aは、修理緊急度を『最高』に設定する。そして、CPU202aは、処理をステップS319へ進める。
【0136】
ステップS319において、CPU202aは、前述の注意画面をディスプレイ216bに表示する。その上で、CPU202aは、処理をステップS307へ進める。
【0137】
これに対して、CPU202aは、前述のステップS315からステップS321へ処理を進めた場合、当該ステップS321において、修理緊急度を『高』に設定する。そして、CPU202aは、処理をステップS319へ進める。
【0138】
このように、本第4実施例によれば、複合機20に故障が発生したときに、その故障が発生した構成要素の直近の稼働時からの経過期間に基づいて、修理の緊急度が設定され、言わば当該緊急度に対して重み付けが成される。その上で、緊急度を含む修理依頼が管理サーバ80へ通知される。このような第4実施例によっても、複合機20の効率的かつ経済的な保守が実現される。
【0139】
なお、図14示される稼働歴テーブル600の内容は、任意に変更可能とされてもよく、たとえば前述のシステム設定により任意に変更可能とされてもよい。
【0140】
[第5実施例]
次に、本発明の第5実施例について、図17図20を参照して説明する。
【0141】
本第5実施例においても、第1実施例と同様に、複合機20の各機能の少なくとも一部の使用が不可能となる故障が発生したときに、使用可能な機能の有無が確認される。その上で、使用可能な機能が存在する場合は、故障が発生した構成要素の現在と同じ時期の過去の稼働頻度に基づいて、詳しくは現在と同じ月の過去の稼働回数に基づいて、言わば過去の統計に基づいて、修理の緊急度が設定される。併せて、ユーザへ注意を促す内容を含む不図示の注意画面がディスプレイ216bに表示される。これ以外は、第1実施例と同様であるので、その詳しい説明は省略する。
【0142】
本第5実施例においては、図17に示されるような繁忙月設定テーブル700が設けられる。この繁忙月設定テーブル700は、複合機20の各機能を実現するためのそれぞれの構成要素ごとに、稼働頻度が比較的に多い繁忙月として設定されるための条件、たとえば1カ月当たりの稼働回数を、規定するためのテーブルである。また、繁忙月の前の一定期間についても、当該繁忙月と同様にそれぞれの構成要素の稼働頻度が比較的に多い場合があることから、注意を要する繁忙月前注意期間として、この繁忙月設定テーブル700により規定される。
【0143】
すなわち、図17に示される繁忙月設定テーブル700によれば、稼働回数が500回以上の月が、繁忙月として設定される。そして、繁忙月前注意期間として、2カ月間という期間が設定される。なお、繁忙月設定テーブル700は、故障対応プログラム212aにより構成され、補助記憶部212に記憶される。
【0144】
併せて、本第5実施例においては、図18に示されるような繁忙月テーブル710が設けられる。この繁忙月テーブル710は、それぞれの構成要素に故障が発生した場合に、その故障が発生した時期に基づいて、注意画面を表示させるかどうかを規定するとともに、どのような修理緊急度を設定するのかを規定するためのテーブルである。なお、繁忙月テーブル710もまた、故障対応プログラム212aにより構成され、補助記憶部212に記憶される。
【0145】
すなわち、図18に示される繁忙月テーブル710によれば、たとえば故障が発生した時期が繁忙月に当たる場合には、注意画面が表示されるとともに、修理緊急度が『最高』に設定される。そして、故障が発生した時期が繁忙月前注意期間に当たる場合には、注意画面が表示されるとともに、修理緊急度が『高』に設定される。さらに、故障が発生した時期が繁忙月および繁忙月前注意期間のいずれにも当たらない場合には、注意画面が表示されるとともに、修理緊急度が『低』に設定される。
【0146】
その上で、図19に示されるような繁忙月予測テーブル720が設けられる。この繁忙月予測テーブル720には、それぞれの構成要素についての過去の月ごとの稼働回数が記憶される。この繁忙月予測テーブル720もまた、故障対応プログラム212aにより構成され、補助記憶部212に記憶される。
【0147】
すなわち、図19に示される繁忙月予測テーブル720によれば、たとえば画像形成部210については、1月~4月が繁忙月として設定されるとともに、1月の前の2カ月間である11月~12月が繁忙月前注意期間として設定される。そして、画像読取部206については、5月が繁忙月として設定されるとともに、3月~4月の2カ月間が繁忙月前注意期間として設定され、併せて、12月が繁忙月として設定されるとともに、10月~11月の2カ月間が繁忙月前注意期間として設定される。さらに、自動原稿送り装置208については、4月~7月が繁忙月として設定されるとともに、3月~4月が繁忙月前注意期間として設定され、併せて、10月~12月が繁忙月として設定されるとともに、8月~9月が繁忙月前注意期間として設定される。また、LAN通信部214aについては、12月が繁忙月として設定されるとともに、10月~11月が繁忙月前注意期間として設定される。さらにまた、無線通信部214bについては、2月、5月、8月および11月が繁忙月として設定されるとともに、それ以外の12月~1月、3月~4月、6月~7月、および、9月~10月が繁忙月前注意期間として設定される。そして、ファクス通信部214cについては、繁忙月および繁忙月前注意期間のいずれも設定されない。
【0148】
このような本第5実施例においても、CPU202aは、前述の故障対応プログラム212aに従って、故障対応タスクを実行する。なお、本第5実施例においては、第1実施例におけるステップS19~ステップS33(図7参照)に代えて、図20に示されるステップS401~ステップS417が実行される。
【0149】
すなわち、本第5実施例における故障対応タスクによれば、CPU202aは、ステップS13(図6参照)において、使用可能な機能が存在する場合、処理をステップS401へ進める。そして、CPU202aは、ステップS401において、故障が発生した構成要素についての繁忙月を確認し、厳密には繁忙月および繁忙月前注意期間を確認する。その上で、CPU202aは、処理をステップS403へ進める。
【0150】
ステップS403において、CPU202aは、ステップS401における確認結果に基づいて、現在が故障の発生した構成要素についての繁忙月に当たるかどうかを判定する。ここでたとえば現在が繁忙月に当たる場合、CPU202aは、処理をステップS405へ進める。一方、現在が繁忙月に当たらない場合は、CPU202aは、処理を後述するステップS413へ進める。
【0151】
ステップS405において、CPU202aは、修理緊急度を『最高』に設定する。そして、CPU202aは、処理をステップS407へ進める。
【0152】
ステップS407において、CPU202aは、前述の注意画面をディスプレイ216bに表示する。そして、CPU202aは、処理をステップS409へ進める。
【0153】
ステップS409において、CPU202aは、前述のステップS405または後述するステップS425あるいはステップS417で設定された修理緊急度を含む修理依頼を管理サーバ80へ通知する。このとき、CPU202aは、故障の内容を管理サーバ80へ通知してもよい。このステップS107の実行後、CPU202aは、処理をステップS411へ進める。
【0154】
ステップS411において、CPU202aは、複合機20を前述の基本状態へ遷移させる。このステップS411の実行をもって、CPU202aは、故障対応タスクを終了する。
【0155】
また、CPU202aは、前述のステップS403からステップS413へ処理を進めた場合、当該ステップS413において、ステップS401における確認結果に基づいて、現在が故障の発生した構成要素についての繁忙月前注意期間に当たるかどうかを判定する。ここでたとえば、現在が繁忙月前注意期間に当たる場合、CPU202aは、処理をステップS415へ進める。一方、現在が繁忙月前注意期間に当たらない場合は、CPU202aは、処理を後述するステップS417へ進める。
【0156】
ステップS415において、CPU202aは、修理緊急度を『高』に設定する。そして、CPU202aは、処理をステップS407へ進める。
【0157】
これに対して、CPU202aは、前述のステップS413からステップS417へ処理を進めた場合、当該ステップS417において、修理緊急度を『低』に設定する。そして、CPU202aは、処理をステップS407へ進める。
【0158】
このように、本第5実施例によれば、複合機20に故障が発生したときに、その故障が発生した構成要素の稼働回数についての過去の統計に基づいて、修理の緊急度が設定され、言わば当該緊急度に対して重み付けが成される。その上で、緊急度を含む修理依頼が管理サーバ80へ通知される。このような第5実施例によっても、複合機20の効率的かつ経済的な保守が実現される。
【0159】
なお、図17に示される繁忙月設定テーブル700の内容は、任意に変更可能とされてもよく、たとえば前述のシステム設定により任意に変更可能とされてもよい。また、図18に示される繁忙月テーブル710の内容についても同様に、任意に変更可能とされてもよく、たとえば前述のシステム設定により任意に変更可能とされてもよい。さらに、図19に示される繁忙月予測テーブル720については、過去1年間の統計に基づいて作成されてもよいし、過去数年間の統計に基づいて、たとえば当該過去数年間の平均値に基づいて、作成されてもよい。
【0160】
[その他の適用例]
以上の各実施例は、本発明の具体例であり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。これら各実施例以外の局面にも、本発明を適用することができる。
【0161】
たとえば、複合機20の各機能を実現するための各構成要素については、各実施例で説明した要素に限らない。別の要素の一例として、USBメモリなどの外部記憶媒体との間で双方向の通信処理を担う外部記憶媒体通信部がある。
【0162】
また、各実施例においては、修理緊急度として『最高』、『高』および『低』という3段階の緊急度が設けられたが、3段階以外の複数段階の緊急度が設けられてもよい。
【0163】
さらに、各実施例においては、企業用の複合機管理システム10を例に挙げて説明したが、これに限らない。たとえば、個人用の複合機20にも、本発明を適用することができる。
【0164】
加えて、複合機20以外の電子機器にも、本発明を適用することができる。
【0165】
そして、本発明は、電子機器という形態に限らず、電子機器の制御方法という形態、あるいは、電子機器の制御プログラムの形態によっても、提供することができる。
【0166】
また、本発明は、電子機器の制御プログラムが記憶された非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体という形態によっても、提供することができる。ここで言う記憶媒体としては、CDやDVDなどのディスク型媒体、あるいは、USBメモリやSDメモリカードなどの半導体型媒体がある。また、可搬型の媒体ではなく、ROMやハードディスクドライブなどのような装置組込型(内蔵型)の媒体も、ここで言う記憶媒体として適用することができる。
【符号の説明】
【0167】
10 … 複合機管理システム
20 … 複合機
50 … 社内LAN
70 … インターネット
80 … 管理サーバ
202 … 制御部
202a … CPU
202b … 主記憶部
206 … 画像読み込み
208 … 自動原稿送り装置
210 … 画像形成部
212 … 補助記憶部
212a … 故障対応プログラム
214 … 通信部
214a … LAN通信部
214b … 無線通信部
214c … ファクス通信部
216 … 操作表示部
216a … タッチパネル
216b … ディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図19
図20