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  • 特開-和ろうそく用燭台 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156639
(43)【公開日】2023-10-25
(54)【発明の名称】和ろうそく用燭台
(51)【国際特許分類】
   F21V 35/00 20060101AFI20231018BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20231018BHJP
【FI】
F21V35/00
F21Y101:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066124
(22)【出願日】2022-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】513239092
【氏名又は名称】田中 研治
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】田中 研治
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014SA03
3K014UA01
(57)【要約】
【課題】多くの製造コストがかからず、様々な形状や大きさの和ろうそくに使うことが可能な和ろうそく用燭台を提供する。
【解決手段】蝋を受ける皿1と、和ろうそくの芯の内部の空洞に挿入される針状のろうそく立て2とを備え、ろうそく立て2は、皿1との接触部からの距離が大きくなるほど細くなるように形成された柱体から成り、当該柱体に対し、和ろうそくの底部から芯の内部の空洞に空気を通じさせる空気路21を形成することにより、シンプルな構成として製造コストを低減化することができるようにするとともに、空洞の大きさが異なる和ろうそくであっても、ろうそく立てのどこかの位置の大きさが空洞の大きさと合致して和ろうそくが固定されるようにして、空洞の大きさが様々な和ろうそくに使うことができるようにする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蝋を受ける皿と、
上記皿の上に立設され、和ろうそくの芯の内部の空洞に挿入される針状のろうそく立てとを備え、
上記ろうそく立ては、上記皿との接触部からの距離が大きくなるほど細くなるように形成された柱体から成り、
上記柱体に対し、上記和ろうそくの底部から上記芯の内部の空洞に空気を通じさせる空気路を形成した
ことを特徴とする和ろうそく用燭台。
【請求項2】
上記空気路は、上記柱体の側面において、上記柱体の底部から頭部に向かう方向に沿って、上記底部と上記頭部との間の少なくとも一部に形成された溝により構成されることを特徴とする請求項1に記載の和ろうそく用燭台。
【請求項3】
上記溝は、上記底部と、上記底部から上記頭部までの中間位置との間に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の和ろうそく用燭台。
【請求項4】
上記溝は、上記底部と上記頭部との間に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の和ろうそく用燭台。
【請求項5】
上記溝は、上記柱体の底部側から頭部側に向かうにつれて深さが浅くなるように形成されていることを特徴とする請求項2~4の何れか1項に記載の和ろうそく用燭台。
【請求項6】
上記空気路は、上記柱体の底部から頭部までを貫通するように上記柱体の内部に形成された第1貫通孔により構成され、
上記皿は、上記第1貫通孔に対応する位置に第2貫通孔を有し、
上記第1貫通孔と上記第2貫通孔とを連通させて空気の通り道を形成している
ことを特徴とする請求項1に記載の和ろうそく用燭台。
【請求項7】
上記空気路は、上記柱体の底部と頭部との間の少なくとも一部において、上記柱体の側面の一部を切削した部位の空間により構成されることを特徴とする請求項1に記載の和ろうそく用燭台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、和ろうそく用燭台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、イグサ科の植物からとる灯芯と和紙を芯にして、ハゼノキからとる植物性油脂を塗り重ねて作られる「和ろうそく」が知られている。これは、重油から精製されたパラフィンワックスを使った糸芯の「洋ろうそく」と区別される。和ろうそくは、芯の内部が空洞となっており、そこに空気が絶えず供給されることにより、炎が大きくて消えにくく、また風がなくても炎が揺らめいて荘厳な雰囲気をかもし出すという特徴がある。
【0003】
このように芯が中空という和ろうそくの特徴を活かすための燭台が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の燭台は、和ろうそくを立てて固定するために凹状に形成されたホルダー部の底部側に、和ろうそくの芯の内部に空気を供給するための構成(供給口、吸気孔および吐出孔)を備え、外部の空気の流れを和ろうそくの内部の空洞を通じて頂上の燃焼部まで導くことにより、和ろうそくの特徴である炎の揺らぎや大きさに多くの変化を創造することを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許6906124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の燭台は、構造が複雑なため、製造コストが多くかかるという問題があった。また、ホルダー部の形状と大きさが決まっているため、それに合った形状と大きさの和ろうそくにしか使えないという問題もあった。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、多くの製造コストがかからず、様々な形状や大きさの和ろうそくに使うことが可能な和ろうそく用燭台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するために、本発明の和ろうそく用燭台は、蝋を受ける皿と、和ろうそくの芯の内部の空洞に挿入される針状のろうそく立てとを備え、皿の上に立設されたろうそく立ては、当該皿との接触部からの距離が大きくなるほど細くなるように形成された柱体から成り、当該柱体に対し、和ろうそくの底部から芯の内部の空洞に空気を通じさせる空気路を形成している。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成した本発明の和ろうそく用燭台は、皿とろうそく立てを備えるものであって、皿との接触部からの距離が大きくなるほど細くなる柱体によってろうそく立てを構成し、この柱体に空気路を形成しただけのシンプルな構成であるから、製造コストを低減化することができる。また、和ろうそくの外縁を保持して固定する形態ではなく、芯の内部の空洞にろうそく立てを挿入して和ろうそくを固定する形態なので、どのような外形や大きさの和ろうそくであっても使用することができる。また、頭部に向かって徐々に細くなる柱体によりろうそく立てが構成されているので、空洞の大きさが異なる和ろうそくであっても、ろうそく立てのどこかの位置の大きさが空洞の大きさと合致して和ろうそくが固定されるため、空洞の大きさが様々な和ろうそくに使うこともできる。さらに、和ろうそくの底部から芯の内部の空洞に空気を通じさせる空気路が柱体に形成されているため、芯が中空という和ろうそくの特徴を活かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態による和ろうそく用燭台の構成例を示す図である。
図2】本実施形態によるろうそく立ての構成例を示す図である。
図3】和ろうそくの芯の内部の空洞にろうそく立てを差し込んだ状態を示す図である。
図4】本実施形態によるろうそく立ての他の構成例を示す図である。
図5】本実施形態によるろうそく立ての他の構成例を示す図である。
図6】本実施形態によるろうそく立ての他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による和ろうそく用燭台の構成例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は上面図である。
【0011】
図1に示すように、本実施形態の和ろうそく用燭台は、蝋を受ける皿1と、針状のろうそく立て2とを備えて構成される。ろうそく立て2は、皿1の上に立設され、和ろうそく(図示せず)の芯の内部の空洞に挿入される。皿1の形状は任意であり、図1に示した形状は一例に過ぎない。皿1の上に立設されるろうそく立て2の位置は任意である。図1では皿1の中央にろうそく立て2が立設される状態を示しているが、この位置は一例に過ぎない。
【0012】
図2は、ろうそく立て2の構成例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は背面部、(d)は左側面図である。なお、ここでは説明の便宜上、ろうそく立て2のみを図2に示しているが、実際は皿1とろうそく立て2とは一体的に形成されており、分離可能なものではない。例えば、本実施形態の和ろうそく用燭台は、鋳物として皿1とろうそく立て2とが一体成形される。なお、皿1とろうそく立て2とを分離可能な構成にしてもよい。
【0013】
図1(a)および図2に示すように、本実施形態のろうそく立て2は、皿1との接触部(ろうそく立て2の底部)からの距離が大きくなるほど細くなるように形成された柱体から成る。本実施形態では柱体の一例として、円錐体の頂部を半球状に加工した形状(円錐台=切頭円錐体の頭部を半球状に加工した形状といってもよい)を用いている。
【0014】
ここで、ろうそく立て2の形状として断面が円形の錐体(切頭錐体=錐台を含む)を用いるのは、和ろうそくの芯に設けられる空洞の断面形状が円形であることに合わせたものである。和ろうそくの空洞の断面形状が多角形である場合に合わせて、ろうそく立て2の形状として断面が多角形の錐体を用いてもよい。
【0015】
本実施形態のろうそく立て2は、柱体に対し、和ろうそくの底部から芯の内部の空洞に空気を通じさせる空気路21が形成されている。図1(a)および図2に示すように、空気路21は、柱体の側面において、柱体の底部から頭部に向かう方向に沿って、柱体の底部と、当該底部から頭部までの中間位置との間に形成された溝(以下、溝21と表記することもある)により構成されている。溝21の形状は椀状(ハーフパイプ状)である。
【0016】
この溝21は、柱体の底部側から頭部側に向かうにつれて深さが浅くなるように形成されている。本実施形態では一例として、図2(d)に点線で示すように、溝21の最下部が柱体の高さ方向と平行になるように溝21を構成している。柱体が円錐形状であるから、柱体の底部側から頭部側に向かうにつれて溝の深さが浅くなることにより、図2(b)のように柱体の底部側から頭部側に向かうにつれて溝の幅が狭くなる。
【0017】
図3は、和ろうそく100の芯の内部の空洞101に対してろうそく立て2を差し込んだ状態(和ろうそく100をろうそく立て2に差して立てた状態)を示す図である。なお、図3は説明の便宜上、ろうそく立て2および空洞101を幅方向に拡大した状態を図示している。
【0018】
図3に示すように、ろうそく立て2は、その直径と空洞101の直径とが一致するところまで差し込まれ、この状態で和ろうそく100がろうそく立て2に固定される。ろうそく立て2は、頭部に向かって徐々に細くなる柱体により構成されているので、空洞101の直径が異なる和ろうそくであっても、ろうそく立て2のどこかの位置の直径が空洞101の直径と合致して和ろうそく100が固定される。
【0019】
この状態において、ろうそく立て2の溝21が形成されていない部分の側面は、空洞101の壁面と円周上の線で接触する。一方、ろうそく立て2の溝21が形成されている部分の側面は空洞101の壁面と接触せず、溝21が凹状になっている分だけ隙間ができる。この隙間は、矢印Aのように和ろうそく100の底部から空洞101の内部へ空気が通じることを可能にする通り道となる。これにより、芯が中空という和ろうそくの特徴を活かすことができる。
【0020】
以上のように構成した本実施形態の和ろうそく用燭台は、皿1とろうそく立て2を備えるものであって、皿1との接触部からの距離が大きくなるほど細くなる柱体によってろうそく立て2を構成し、この柱体に空気路(溝)21を形成しただけのシンプルな構成であるから、製造コストを低減化することができる。
【0021】
また、和ろうそく100の外縁を保持して固定する形態ではなく、芯の内部の空洞101にろうそく立て2を挿入して和ろうそく100を固定する形態なので、どのような外形や大きさの和ろうそく100であっても使用することができる。また、頭部に向かって徐々に細くなる柱体によりろうそく立て2が構成されているので、空洞101の大きさが異なる和ろうそくであっても、ろうそく立て2のどこかの位置で和ろうそく100を固定することができる。このため、本実施形態の和ろうそく用燭台を空洞101の大きさが様々な和ろうそく100に使うこともできる。
【0022】
なお、上記実施形態では、ろうそく立て2の底部と、当該底部から頭部までの中間位置との間に溝21を形成する構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図4に示すように、ろうそく立て2の底部と頭部との間に溝21を形成するようにしてもよい。また、溝21は、柱体の底部と頭部との間の少なくとも一部に形成されていればよく、柱体の底部を溝21の一端とすることを必須とするものではない。
【0023】
また、上記実施形態では、溝21の形状を椀状(ハーフパイプ状)とする例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、溝21の形状を角柱状としてもよい。
【0024】
また、上記実施形態では、ろうそく立て2の空気路21を溝により構成する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図5に示すように、柱体の底部から頭部までを高さ方向に貫通するように柱体の内部に形成された貫通孔(特許請求の範囲の第1貫通孔)により空気路21’を構成してもよい。なお、図5(a)は空気路21’を有するろうそく立て2’の正面図、図5(b)はろうそく立て2’の上面図である。
【0025】
図5のようにろうそく立て2’を構成する場合、皿1も高さ方向に貫通孔(特許請求の範囲の第2貫通孔)を有し、ろうそく立て2’の第1貫通孔に対応する位置に第2貫通孔を配置することにより、第1貫通孔と第2貫通孔とを連通させて空気の通り道を形成するようにする。この場合、皿1には、第2貫通孔から皿1の外部へと通じる空気路を更に設ける。この空気路はどのような形状やどのような大きさであってもよい。
【0026】
また、図6に示すように、錐体の側面の一部を切削した切側面錐体によりろうそく立て2”を構成し、切削した部位の空間を空気路21”とするようにしてもよい。なお、図6(a)、(c)は空気路21”を有するろうそく立て2”の正面図、図6(b)、(d)はろうそく立て2”の上面図である。
【0027】
図6(a)、(b)に示す第1パターンは、円錐体の底部と、当該底部から頭部までの中間位置との間において、切断面が円錐体の高さ方向と平行となるように円錐体の側面の一部を切削した切側面錐体によりろうそく立て2”を構成する例を示している。図6(c)、(d)に示す第2パターンは、円錐体の底部から頭部までの中間位置において、切断面が円錐体の高さ方向と平行となるように円錐体の側面の一部を切削した切側面錐体によりろうそく立て2”を構成する例を示している。なお、切断面が高さ方向と平行とならないように切削してもよい。
【0028】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 皿
2,2’,2” ろうそく立て
21 空気路(溝)
21’ 空気路(貫通孔)
21” 空気路(側面切削部位の空間)
図1
図2
図3
図4
図5
図6