(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023015669
(43)【公開日】2023-02-01
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/338 20060101AFI20230125BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20230125BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20230125BHJP
H01L 29/47 20060101ALI20230125BHJP
H01L 29/417 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
H01L29/80 F
H01L21/88 Z
H01L21/90 A
H01L29/48 E
H01L29/52
H01L29/50 J
H01L21/90 W
H01L29/80 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021119587
(22)【出願日】2021-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000106276
【氏名又は名称】サンケン電気株式会社
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 裕規
【テーマコード(参考)】
4M104
5F033
5F102
【Fターム(参考)】
4M104AA01
4M104AA03
4M104AA04
4M104AA07
4M104FF11
4M104GG12
4M104HH18
5F033JJ01
5F033UU03
5F033XX03
5F102GB01
5F102GC01
5F102GD01
5F102GL04
5F102GM04
5F102GQ01
5F102GR12
5F102GS07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電界集中を抑制しつつチップサイズを小型にした半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、ソース電極の主部11aを挟むように互いに隣り合う制御電極(ゲート電極)の主部13aを接続する第1の接続部13bの外側において、主部11a上・ドレイン電極の主部12a上並びに主部13aを覆う絶縁膜下で主部12a同志を接続する接続部を有さず、絶縁膜上に設けられた接続配線を介して隣り合う主部12a同士を電気的に接続する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に設けられ、第1の方向に延伸する第1の主電極と、
前記半導体基板上に設けられ、第1の方向と異なる第2の方向に延伸し、隣り合う第1の主電極の互いの一方の端を接続する第1の主電極の接続部と、
前記半導体基板上に設けられ、前記第1の主電極から離間して第1の方向に延伸する第2の主電極と、
前記半導体基板上に設けられ、前記第1の主電極と前記第2の主電極との間に形成された制御電極と、
前記半導体基板上に設けられ、第1の主電極の他方の端よりも外側であって、隣り合う制御電極の互いの一方の端を接続する制御電極の第1の接続部と、
半導体基板上に設けられ、前記第1の主電極の接続部と前記第2の主電極との間において、隣り合う制御電極の互いの他端を接続する制御電極の第2の接続部と、
前記第1の主電極上、前記第2の主電極上、並びに前記制御電極上に設けられた絶縁膜と、
前記第1の接続部の外側に隣り合う第2の主電極同志を接続する接続部を前記絶縁膜下に有さず、前記絶縁膜上に設けられた接続配線を介して隣り合う前記第2の主電極を電気的に接続することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第2の主電極の第1の方向の長さは、前記第1の主電極の第1の方向の長さよりも短いことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、半導体基板上に複数の主電極と複数の主電極間に制御電極を有する​半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ソース電極とドレイン電極が半導体基板上に互いに入り組んだ櫛型構造が、トランジスタの電極構造に採用されている。このトランジスタの電極構造では、櫛型形状のソース電極と、櫛型形状のドレイン電極と、それらの間を流れる電流を制御する制御電極とが配置されている。このような交差指状に配置された電極構造を有する横型半導体装置の耐圧を向上するために、種々の構造が提案されている。例えば、櫛型電極の直線部分の電極間の距離よりも先端部分の電極間の距離を広くすることで、電極の先端部分での電界集中を緩和する構造が提示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また櫛型形状のソース電極と、ソース電極と交差指状に配置された櫛型形状のドレイン電極と、ソース電極とドレイン電極20との間に配置されたゲート電極とを備え、ソース電極の先端部分に沿って延伸するゲート電極の湾曲部分の曲率半径が、ソース電極の他の先端部分においてよりも、ソース電極の最外部の 先端部分において大きい構造が提示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-98222号公報
【特許文献2】特開2017-147264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ゲート電極の曲率半径を大きくすることで、半導体装置が大きくなってしまう。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電界集中を抑制しつつチップサイズを小型にした半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、1または複数の実施形態に係る半導体装置は、半導体基板と、半導体基板上に設けられ、第1の方向に延伸する第1の主電極と、半導体基板上に設けられ、第1の方向と異なる第2の方向に延伸し、隣り合う第1の主電極の互いの一方の端を接続する第1の主電極の接続部と、半導体基板上に設けられ、前記第1の主電極から離間して第1の方向に延伸する第2の主電極と、半導体基板上に設けられ、前記第1の主電極と第2の主電極との間に形成された制御電極と、半導体基板上に設けられ、第1の主電極の他方の端よりも外側であって隣り合う制御電極の互いの一方の端を接続する制御電極の第1の接続部と、半導体基板上に設けられ、第1の主電極の接続部と第2の主電極との間において隣り合う制御電極の互いの他端を接続する制御電極の第2の接続部と、第1の主電極上、第2の主電極上、並びに制御電極上に設けられた絶縁膜と、第1の接続部の外側に隣り合う第2の主電極同志を接続する接続部を絶縁膜下に有さず、絶縁膜上に設けられた接続配線を介して隣り合う第2の主電極を電気的に接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記構成によれば、電界集中を抑制しつつチップサイズを小型にした半導体装置を提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、1または複数の実施形態に係る半導体装置の平面図である。
【
図2】
図2は、1または複数の実施形態に係る半導体装置の平面図の変形例である。
【
図3】
図3は、1または複数の実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照しながら、1または複数の実施形態について詳細に説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付す場合がある。図面の記載は模式的なものであり、厚みと寸法の関係、各層の厚みの比率等は一例であり、発明の技術思想を限定するものではない。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる場合がある。以下の実施形態では、第1導電型がn型、第2導電型がp型の場合について例示的に説明するが、導電型を逆の関係に選択して、第1導電型がp型、第2導電型がn型の場合としてもよい場合がある。以下の説明で、部材の位置関係を説明する際に、「上部」、「下部」、「右側」、「左側」等は参照する図面の向きに基づいて必要に応じて使用されるが、発明の技術思想を限定するものではない。また、「上部」、「下部」、「右側」、「左側」等の説明は部材が接していなくて用いられる場合がある。
【0010】
図1は半導体装置1の平面図である。半導体装置1は半導体基板10上に、第1の主電極として例えばソース電極11,第2の主電極として例えばドレイン電極12が形成されている。更に、ソース電極11とドレイン電極12との間を流れる電流を制御する制御電極13が半導体基板10上に形成されている。
【0011】
半導体基板10は例えば窒化物系半導体からなり、半導体基板10内に周知の2次元電子ガス層が生じている。ソース電極11並びにドレイン電極12は2次元電子ガス層と低抵抗接続し、2次元電子ガス層を制御電極13で制御することで、半導体装置をオン/オフさせている。
【0012】
ソース電極11は主部11aと接続部11bを備える。ソース電極11の主部11aは一方の方向に延伸し、隣り合うソース電極11の主部11aの一方の端は一方の方向と交差する方向である他方の方向に延伸する接続部11bを介して互いに接続している。ソース電極11の主部11aの他方の端は接続部が設けられておらず、ソース電極11の端となっている。
【0013】
ドレイン電極12は一方の方向に延伸する主部12aを備える。ドレイン電極12の主部12aの幅(
図1の幅y)はソース電極11の主部11aの幅(
図1の幅x)よりも広い。ドレイン電極12の主部12aの両端には、隣り合うドレイン電極12の主部12aを接続する接続部が半導体基板上に形成されておらず、ドレイン電極12の上方に形成された絶縁膜内の貫通孔内並びに絶縁膜上に形成された配線を通じて、隣り合うドレイン電極12を接続している。
【0014】
制御電極(ゲート電極)13の主部13aは一方の方向に延伸している。ソース電極11の主部11aを挟むように隣り合う制御電極(ゲート電極)13の主部13aは、ソース電極11の主部11aの他方の端よりも外側から、第1の接続部13bで接続する。第1の接続部13bは半導体基板1上に備える。また、ドレイン電極12の主部12aを挟むように隣り合う制御電極(ゲート電極)13の主部13aは、ソース電極11の接続部11bとドレイン電極12との間を第2の接続部13cで接続する。第2の接続部13cは半導体基板1上に備える。
【0015】
半導体装置1によれば、半導体基板2上にドレイン電極12の接続部を設けていないので、半導体基板2のチップサイズが大きくなることを抑制することができる。また、制御電極(ゲート電極)13の第1の接続部13bの曲率は大きくなってしまうが、接続部13bと対向するようにドレイン電極12の接続部を設けていないので、制御電極(ゲート電極)13とドレイン電極12の距離を確保しやすくなり、電界集中を抑制することができる。
【0016】
また、ソース電極11の主部11aから制御電極(ゲート電極)13の主部13aまでの距離は、制御電極(ゲート電極)13の主部13aからドレイン電極12の主部12aまでの距離よりも短くなっている。第1の接続部13bの曲率は第2の接続部13cの曲率よりも大きくなっていることが望ましい。これにより、第1の接続部13bで電界集中することを和らげることができる。もし第1の接続部13bの外側にドレイン電極12の接続部が設けられていると、その曲率に応じてドレイン電極12の接続部は外側へと移設又はパターン変更をしなければならなくなり、チップサイズがより大きくなってしまう。しかし、半導体装置1は半導体基板2上にドレイン電極12の接続部を設けていないので、電界集中を抑制しつつ、半導体基板2のチップサイズが大きくなることを抑制することができる。
【0017】
また、ドレイン電極12の主部12aの一方の方向の寸法よりもソース電極11の主部11aの一方の方向の寸法は長く、ソース電極11の主部11aの他端はドレイン電極12の主部12aの端より突出(
図2のzの寸法だけ突出)していることが望ましい。半導体基板2上にドレイン電極12の接続部を設けていないので、突出させることで、制御電極(ゲート電極)13の第1の接続部13bは外側へと移設され、制御電極(ゲート電極)13の第1の接続部13bとドレイン電極12の主部12aの端との距離をより確保することができる。
【0018】
上述の1または複数の実施例は窒化物半導体に限らず、シリコンやシリコンカーバイドなど他の半導体材料の半導体基板を含む半導体装置に適用可能である。
【0019】
上記のように実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものではなく、当業者は様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。このように、本発明はここでは記載されていない様々な実施形態等を含む。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によって定められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は、特にパワー半導体装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0021】
1 半導体装置
10 半導体基板
11 ソース電極
12 ドレイン電極
13 制御電極