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  • 特開-ピアスのバーベル及びピアス 図1
  • 特開-ピアスのバーベル及びピアス 図2
  • 特開-ピアスのバーベル及びピアス 図3
  • 特開-ピアスのバーベル及びピアス 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156693
(43)【公開日】2023-10-25
(54)【発明の名称】ピアスのバーベル及びピアス
(51)【国際特許分類】
   A44C 7/00 20060101AFI20231018BHJP
【FI】
A44C7/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066199
(22)【出願日】2022-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】521417071
【氏名又は名称】株式会社ハルジオン
(74)【代理人】
【識別番号】100128277
【弁理士】
【氏名又は名称】專徳院 博
(72)【発明者】
【氏名】高本 英明
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114EA01
(57)【要約】
【課題】装着し易く既存のキャッチを使用することができるピアスのバーベル及び該バーベルを備えるピアスを提供する。
【解決手段】軸部10の両端にキャッチ201、203が螺合する雄ねじが設けられたピアスのバーベル1であって、一方の雄ねじは、外径が軸部10の外径dと同一であり、他方の雄ねじ14は、前記軸部10と同じ外径Doを有するピアス針100の円筒部102に差し込むことが可能な外径dを有する。バーベル1は、一方の雄ねじの外径が、呼び14Gのバーベルの軸部の外径と同一であり、他方の雄ねじ14の外径dが、呼び16Gのバーベルの軸部の外径と同一であるのが好ましい。またバーベル1は、一方の雄ねじの外径が、呼び16Gのバーベルの軸部の外径と同一であり、他方の雄ねじ14の外径dが、呼び20Gのバーベルの軸部の外径と同一であるのが好ましい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部の両端にキャッチが螺合する雄ねじが設けられたピアスのバーベルであって、
一方の雄ねじは、外径が軸部の外径と同一であり、
他方の雄ねじは、前記軸部と同じ外径を有するピアス針の筒部に差し込むことが可能な外径を有することを特徴とするピアスのバーベル。
【請求項2】
一方の雄ねじの外径が、呼び14Gのバーベルの軸部の外径と同一であり、
他方の雄ねじの外径が、呼び16Gのバーベルの軸部の外径と同一であることを特徴とする請求項1に記載のピアスのバーベル。
【請求項3】
一方の雄ねじの外径が、呼び16Gのバーベルの軸部の外径と同一であり、
他方の雄ねじの外径が、呼び20Gのバーベルの軸部の外径と同一であることを特徴とする請求項1に記載のピアスのバーベル。
【請求項4】
一方の雄ねじの外径が、呼び18Gのバーベルの軸部の外径と同一であり、
他方の雄ねじの外径が、呼び20Gのバーベルの軸部の外径と同一であることを特徴とする請求項1に記載のピアスのバーベル。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のピアスのバーベルと、
前記バーベルの雄ねじに螺合するキャッチと、
を有することを特徴とするピアス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピアスに関する。
【背景技術】
【0002】
ピアスの一形態として、バーベルと呼ばれる金属製あるいは樹脂製の細長い棒状の本体の両端部にキャッチと呼ばれる装飾具が取付けられたピアスがある。このピアスに使用する装飾具は、通常、ボール状であり、バーベルの両端部には雄ねじが、キャッチには雌ねじが設けられ、キャッチをバーベルにねじ込むことで固定できる。バーベルは、ピアス軸、軸、シャフトとも呼ばれる。
【0003】
上記ピアスを耳たぶなどに装着するには、該当箇所にバーベルを通すための孔(以下、ピアス孔)を穿設する必要がある。このようなピアス孔を穿設する方法としては、金属製のパイプの先端部が針部となったニードル(ピアス針)を手に持ち、耳たぶなどに針部を突き刺しピアス孔を穿設する方法、ピアス針を穿孔器と呼ばれる専用の機器に取付けピアス孔を穿設する方法がある(例えば特許文献1,2参照)。
【0004】
ピアス針を用い手で耳たぶにピアス孔をあけ、ピアスを装着する要領を図4を用いて説明する。一般的には以下の手順で行われる。バーベル50の軸部51の両端にねじ込まれたキャッチ201a、201bのうち一方を取外す。針部105側からピアス針100を耳たぶ300に刺し、ピアス針100を抜き去る前にピアス針100の末端110に、キャッチ201aを外したバーベル50の先端(雄ねじ52の先端)を当て、この状態で押し込む(図4(A)参照)。ピアス針100をバーベル50に置換するかたちで耳たぶ300にバーベル50を装着する(図4(B)参照)。最後に、取外したキャッチ201aを雄ねじ52に取付ける(図4(C)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-101854号公報
【特許文献2】特開2005-66005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
今日、バーベル50及びピアス針100は、外径が異なるものが市販されており、14G,16G,18Gなどの呼び名が付されている。14G,16G,18Gなどの呼び名は、ゲージとも呼ばれ、数字が大きくなるに従って外径が小さくなる。同じ呼び(呼び名)のバーベル50とピアス針100、例えば16Gのバーベル50と16Gのピアス針100とは同じ外径である。また、14G,16G,18Gなどのバーベル50に螺合するキャッチも多数市販されている。
【0007】
図4に示すようなピアス針100を用い、手で耳たぶ300にピアス孔をあけバーベル50を装着するときは、ピアス針100の外径Doとバーベル50の外径dを揃えること、つまり同じ呼びのバーベル50とピアス針100を使用することで出血を抑えることができる。
【0008】
ピアス針100は、パイプ状の部材であり内側に円筒部102を有する。従来のバーベル50は、軸部51の両端の雄ねじ52が同じ大きさであり、かつ雄ねじ52の外径が軸部51の外径dと同一であるため、同じ呼びのバーベル50とピアス針100を使用する場合、雄ねじ52は円筒部102に嵌り込むことができない。このため図4(A)に示すようにバーベル50でピアス針100を押し込むとき、ピアス針100とバーベル50とは端部が接触しているに過ぎない。これによりバーベル50を押し込むときバーベル50がずれ又は斜めになり、バーベル50をピアス孔にスムーズに装着できないという課題がある。
【0009】
特許文献2には、針部に雌ねじを設け、軸部の先端に雄ねじを設けることで針部を着脱自在としたピアス針が記載されている。このピアス針は、針部を取外すことで軸部をバーベルとして使用できるとある。しなしながらピアス針は、通常、外径が0.6~2mm程度、肉厚が0.1mm程度であるため、ここに雌ねじを設けることは簡単ではない。またピアス針には使用に先立ち軟膏が塗布され、またピアス孔を穿設する際には体液が付着するためピアス孔を穿設後に軸部から針部を取外すとき滑り易い。また針部は鋭利であるから軸部から針部を取外すには工具が必要となる。
【0010】
本発明の目的は、装着し易く既存のキャッチを使用することができるピアスのバーベル及び該バーベルを備えるピアスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、軸部の両端にキャッチが螺合する雄ねじが設けられたピアスのバーベルであって、一方の雄ねじは、外径が軸部の外径と同一であり、他方の雄ねじは、前記軸部と同じ外径を有するピアス針の筒部に差し込むことが可能な外径を有することを特徴とするピアスのバーベルである。
【0012】
本発明に係るピアスのバーベルにおいて、一方の雄ねじの外径が、呼び14Gのバーベルの軸部の外径と同一であり、他方の雄ねじの外径が、呼び16Gのバーベルの軸部の外径と同一であることを特徴とする。
【0013】
本発明に係るピアスのバーベルにおいて、一方の雄ねじの外径が、呼び16Gのバーベルの軸部の外径と同一であり、他方の雄ねじの外径が、呼び20Gのバーベルの軸部の外径と同一であることを特徴とする。
【0014】
本発明に係るピアスのバーベルにおいて、一方の雄ねじの外径が、呼び18Gのバーベルの軸部の外径と同一であり、他方の雄ねじの外径が、呼び20Gのバーベルの軸部の外径と同一であることを特徴とする。
【0015】
本発明は、前記ピアスのバーベルと、前記バーベルの雄ねじに螺合するキャッチと、を有することを特徴とするピアスである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、装着し易く既存のキャッチを使用することができるピアスのバーベル及び該バーベルを備えるピアスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態のピアスのバーベル1の斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態のピアスのバーベル1の装着要領を説明するための図である。
図3】本発明の第2実施形態のピアス2の構成図である。
図4】従来のピアスのバーベル50の装着要領を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の第1実施形態のピアスのバーベル1の斜視図、図2は、本発明の第1実施形態のピアスのバーベル1の装着要領を説明するための図である。図1に記載のピアス針100は、図4に示すピアス針100と同じである。
【0019】
本発明の第1実施形態のピアスのバーベル1は、図4に示す従来のバーベル50と同様に、軸部10の両端にキャッチが螺合する雄ねじ12、14を備えるが、雄ねじ12と雄ねじ14とが異径である点で従来のバーベル50とは異なる。バーベル1の材質、軸部10の寸法等は、特に限定されるものではなく公知のバーベルと同じであってもよい。軸部10の長さLの代表例を示せば約6~12mmである。軸部10の長さLは、内径又は内径の長さとも呼ばれる。
【0020】
雄ねじ12の外径dは、軸部10の外径dと同一であるが、雄ねじ14の外径dは、軸部10の外径dよりも小さく、雄ねじ14と軸部10との境界には段差15を有する。
【0021】
雄ねじ14の外径dは、具体的には、軸部10の外径dと同じ外径Doを有するピアス針100の円筒部102の径Di(以下、内径Di)と同一か僅かに小さく、ピアス針100の円筒部102に差し込むことができる大きさである。ここで雄ねじ14の外径dがピアス針100の内径Diと同一とは、実質的に同一とみなされる大きさであり、雄ねじ14をピアス針100の円筒部102に差し込むことができる大きさである。
【0022】
上記構成からなるバーベル1の好ましい寸法を示せば、軸部10の外径d及び雄ねじ12の外径dが、呼び14Gのバーベルの外径dと同一であり、雄ねじ14の外径dが、呼び16Gのバーベルの外径dと同一である。また好ましい他の寸法を示せば、軸部10の外径d及び雄ねじ12の外径dが、呼び16Gのバーベルの外径dと同一であり、雄ねじ14の外径dが、呼び20Gのバーベルの外径dと同一である。また好ましい他の寸法を示せば、軸部10の外径d及び雄ねじ12の外径dが、呼び18Gのバーベルの外径dと同一であり、雄ねじ14の外径dが、呼び20Gのバーベルの外径dと同一である。雄ねじ14の外形dが、呼び20Gのバーベルの外径dと同一の場合、雄ねじ14を呼び18Gのピアス針100の円筒部102に差し込むことができる。バーベルの外径dは、軸部10の外径dと同一である。
【0023】
ここで呼びは、バーベル1の大きさを表すための呼び名であり、表1に示すように〇〇Gで表記され、〇〇の数字が大きくなるに従って外径dが小さくなる。この呼びは、表2に示すようにピアス針100においても同様に使用され、呼びが同じバーベルの外径dとピアス針100の外径Doは同一である。この呼び及び〇〇Gの表記は、ピアスのバーベル及びピアス針の大きさを表すものとして従来から使用されている。表1に呼びとバーベルの外径dとの関係、表2に呼びとピアス針の外径Do,内径Diとの関係を示す。バーベルの外径d、ピアス針の外径Do、軸部10の外径dは、d=Do=dである。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
上記構成からなる第1実施形態のバーベル1の装着要領は、図4に示す従来のバーベル50の装着要領と基本的に同じであるが、雄ねじ14が縮径されているので以下のようにバーベル1をピアス孔にスムーズに装着することができる。
【0027】
第1実施形態のバーベル1は、同じ呼びのピアス針100の円筒部102に雄ねじ14を差し込むことができる(図2(A)参照)。またバーベル1の雄ねじ14をピアス針100の末端110に差し込むと段差15がピアス針100の末端110に当たるので、バーベル1を押し込むときバーベル1がピアス針100からずれることがない(図2(A)参照)。このためバーベル1をピアス孔にスムーズに装着することができる。
【0028】
第1実施形態のバーベル1は、同じ呼びのピアス針100を使用してピアス孔を穿設しバーベル1を装着するため、従来のバーベル50と同様に、バーベル50を装着する際の出血を抑えることができる。またバーベル1を好ましい寸法とすれば、既存のキャッチをそのまま使用することができるので好ましい。
【0029】
図3は、本発明の第2実施形態のピアス2の構成図である。図1及び図2に示す第1実施形態のバーベル1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0030】
本発明の第2実施形態のピアス2は、バーベル1とバーベル1の両端部に設けられた雄ねじ12、14にそれぞれ螺合する雌ねじ211を有するキャッチ201、203とで構成される。第1実施形態で説明のとおり、雄ねじ12と雄ねじ14とは外径が異なるためキャッチ201、203に設けられた雌ねじ211も径が異なる。
【0031】
第2実施形態のピアス2において、バーベル1を好ましい寸法とすれば、既存のキャッチをそのまま使用することができる。
【0032】
以上、本発明の第1実施形態のバーベル1及び第2実施形態のピアス2を用いて本発明に係るバーベル及びピアスを説明したが、本発明に係るバーベル及びピアスは上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で変更して使用することができる。
【0033】
第1実施形態のバーベル1及び第2実施形態のピアス2において、バーベルは、直線状であるが、本発明に係るバーベル及びピアスにおいて、バーベルは軸部が湾曲したものであってもよい。
【0034】
第2実施形態のピアス2において、キャッチ201、203としてボール状のキャッチを示すが、キャッチ201、203の形状はこれに限定されるものではない。本発明に係るバーベル及びピアスにおいて、キャッチは、バーベル1の雄ねじ12、14にねじ込み固定することができるキャッチを幅広く使用することができる。
【0035】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更及び修正を容易に想定するであろう。従って、そのような変更及び修正は、請求の範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈される。
【符号の説明】
【0036】
1 ピアスのバーベル
2 ピアス
10 軸部
12、14 雄ねじ
15 段差
100 ピアス針
102 円筒部
105 針部
110 末端
202、203 キャッチ
300 耳たぶ
Do ピアス針100の外径
Di ピアス針100の内径
軸部10の外径
雄ねじ12の外径
雄ねじ14の外径
図1
図2
図3
図4