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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156713
(43)【公開日】2023-10-25
(54)【発明の名称】自動車用ハブリング
(51)【国際特許分類】
   B60B 37/00 20060101AFI20231018BHJP
【FI】
B60B37/00 K
B60B37/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066229
(22)【出願日】2022-04-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】505033189
【氏名又は名称】株式会社ジャパン三陽
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 重雄
(72)【発明者】
【氏名】須賀川 良文
(57)【要約】
【課題】自動車用ハブリングを装着した場合でもホイールセンター孔に溜まった水をホイールセンター孔の外へ確実に排出する。
【解決手段】自動車用ハブリング1は、タイヤホイールのホイールセンター孔の内周面に接触する外周面1aと、内周面1bと、ホイール孔露出面1cと、内周面1bと、ホイール孔露出面1cと、ハブ対向面1dとを有し、外周面1aには、ホイールセンター孔の内周面に接触するセンター孔内周面接触部1a1と、センター孔内周面接触部1a1よりも凹み、ホイールセンター孔2aの内周面との間の隙間によってホイールセンター孔2aに溜まった水をホイールセンター孔2aの外へ流す外周面溝部1a2とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤホイールの中央に開口するホイールセンター孔と自動車のハブのホイール取付部から突出する突出部との間の隙間に装着する自動車用ハブリングにおいて、
前記ホイールセンター孔に溜まった水を前記ホイールセンター孔の外へ排出する水抜き部を設けたことを特徴とする自動車用ハブリング。
【請求項2】
請求項1記載の自動車用ハブリングにおいて、
前記水抜き部として、
前記ホイールセンター孔の内周面に対向する前記ホイールセンター孔の内周面に対向する当該自動車用ハブリングの外周面に設けられ、前記ホイールセンター孔の内周面に接触するセンター孔内周面接触部よりも凹み、当該自動車用ハブリングを前記ホイールセンター孔と前記突出部との間の隙間に装着した際、前記ホイールセンター孔の内側と外側とを連通して前記ホイールセンター孔に溜まった水を前記ホイールセンター孔の外へ排出する外周面溝部が設けられていることを特徴とする自動車用ハブリング。
【請求項3】
請求項2記載の自動車用ハブリングにおいて、
さらに、
当該自動車用ハブリングを前記隙間に装着した際、前記ホイールセンター孔に露出するホイール孔露出面に前記外周面溝部に連続して凹むホイール孔露出面溝部が設けられていることを特徴とする自動車用ハブリング。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか一の請求項に記載の自動車用ハブリングにおいて、
当該自動車用ハブリングにおける自動車の車幅方向中心側であるハブ対向面は、自動車の車幅方向と平行に切断した際の切断面が自動車の車幅方向中心側に向かって突出した山形状に形成されていることを特徴とする自動車用ハブリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤホイールの中央に開口するホイールセンター孔と自動車のハブのホイール取付部から突出する突出部との間の隙間に装着する自動車用ハブリングに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車に取り付けられている純正のホイールに代えて、市販のアルミホイール等の後付けのタイヤホイールを装着する場合、後付けのタイヤホイールのホイールセンター孔が純正のホイールセンター孔よりも大きく形成されている場合が多いため、車体側のハブ(車軸)と、ホイールのホイールセンター孔との間に隙間が生じる。そのため、ハブ(車軸)がホイールの中心に正確に取り付けることができるようハブ(車軸)の車軸方向に一定の幅(長さ)でその隙間を埋める自動車用ハブリングを設けることが行われている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3206534号公報
【特許文献2】実用新案登録第3175052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1,2の自動車用ハブリングは、ハブ(車軸)の車軸方向に一定の幅(長さ)で車体側のハブ(車軸)とホイールのホイールセンター孔との間の隙間を埋めるものの、ハブ(車軸)とホイールのホイールセンター孔との間の全ての隙間を埋めるもののではなく、自動車用ハブリングとホイールのセンターキャップとの間に空間が形成されるため、降雪や降雨時等に走行したり、水溜まり等を走行すると、自動車用ハブリングとホイールのセンターキャップ等との間であるセンターホイール孔の空間に水が溜まって、ハブ(車軸)やホイール等が錆びるおそれがある等の問題があった。
【0005】
特に、近年はゲリラ豪雨等によって急に雨量が多くなると共に道路上に水が溜まることが多いため、自動車用ハブリングを装着して豪雨時に道路を走行するとセンターホイール孔の空間に水が溜まり易い傾向にあった。
【0006】
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、自動車用ハブリングを装着した場合でもホイールセンター孔に溜まった水をホイールセンター孔の外へ確実に排出することができる自動車用ハブリングを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係る自動車用ハブリングは、タイヤホイールの中央に開口するホイールセンター孔と自動車のハブのホイール取付部から突出する突出部との間の隙間に装着する自動車用ハブリングにおいて、前記ホイールセンター孔に溜まった水を前記ホイールセンター孔の外へ排出する水抜き部を設けたことを特徴とする。
また、本発明に係る自動車用ハブリングでは、前記水抜き部として、前記ホイールセンター孔の内周面に対向する当該自動車用ハブリングの外周面に設けられ、前記ホイールセンター孔の内周面に接触するセンター孔内周面接触部よりも凹み、当該自動車用ハブリングを前記ホイールセンター孔と前記突出部との間の隙間に装着した際、前記ホイールセンター孔の内側と外側とを連通して前記ホイールセンター孔に溜まった水を前記ホイールセンター孔の外へ排出する外周面溝部が設けられていることも特徴とする。
また、本発明に係る自動車用ハブリングでは、前記水抜き部として、さらに、当該自動車用ハブリングを前記隙間に装着した際、前記ホイールセンター孔に露出するホイール孔露出面に前記外周面溝部に連続して凹むホイール孔露出面溝部が設けられていることも特徴とする。
また、本発明に係る自動車用ハブリングでは、当該自動車用ハブリングにおける自動車の車幅方向中心側であるハブ対向面は、自動車の車幅方向と平行に切断した際の切断面が自動車の車幅方向中心側に向かって突出した山形状に形成されていることも特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る自動車用ハブリングでは、自動車用ハブリングを装着した場合でもホイールセンター孔に溜まった水を水抜き部によってホイールセンター孔の外へ排出することができるため、ハブ(車軸)やホイール等が錆びる等して腐食することを極力防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a),(b)それぞれ、本発明に係る実施形態の自動車用ハブリングのホイール側からの斜視図、ハブ側からの斜視図である。
図2】(a),(b)それぞれ、本発明に係る実施形態の自動車用ハブリングの平面図、正面図である。
図3】(a),(b)それぞれ、本発明に係る実施形態の自動車用ハブリングの底面図、図2(a)におけるA-A線断面図である。
図4】(a),(b)それぞれ、図2(a)おけるB-B線断面図、図4(a)におけるC部分の拡大断面図である。
図5】本発明に係る実施形態の自動車用ハブリングをタイヤホイールのホイールセンター孔と自動車のハブの突出部との間の隙間に装着した状態を示す図(タイヤホイールおよびセンターキャップのみ断面図)である。
図6】本発明に係る実施形態の自動車用ハブリングをタイヤホイールのホイールセンター孔と自動車のハブの突出部との間の隙間に装着した状態およびその装着状態においてホイールセンター孔に溜まった雨水等の水の流れを示す断面図である。
図7図6におけるD部分の拡大断面図である。
図8】タイヤホイールのホイールセンター孔と自動車のハブの突出部との間の隙間に装着した本発明に係る実施形態の自動車用ハブリングの底面側におけるセンターホイール孔に溜まった水の流れを示す説明図である。
図9】(a)~(c)それぞれ、本発明に係る実施形態の自動車用ハブリングの外径は変えず、内径を変更した変形例の図2(a)における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態の自動車用ハブリング1を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、下記に説明する実施形態はその寸法等も含めあくまで本発明の一例であり、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更可能である。尚、先にハブ3およびタイヤホィール2の関連する構成について説明し、その後、本発明に係る実施形態の自動車用ハブリング1の構成について説明する。
【0011】
(ハブ3)
ハブ3は、後述する図5図6等に示すようにタイヤホィール2を固定する部分で、例えば、4~6本程度のハブボルト3a1が周方向に等間隔で設けられたホイール取付部3aが設けられており、タイヤホイール2の周方向に等間隔で設けられたボルト孔2dがハブボルト3a1に嵌め合わされて、ハブボルト3a1に螺合したハブナット(図示略)が締め付けられることで、タイヤホイール2がハブ3に取り付けられる。
【0012】
ハブ3のホイール取付部3aの中央には、タイヤホイール2の嵌め合わせ用の中央突出部3bが設けられており、中央突出部3bとタイヤホイール2のホイールセンター孔2aとが嵌め合わされることで、タイヤホイール2の位置決めが正確にできる。ここで、ハブ3の中央突出部3bの外径をR1(図6参照。)とする。
【0013】
尚、純正のタイヤホイール2の場合、自動車のハブ3のホイール取付部3a中央から突出する中央突出部3bとタイヤホイール2のホイールセンター孔2aとの間に隙間が形成されないため、自動車用ハブリングを使用しなくてもタイヤホイール2の位置決めが正確にできるが、後付けの市販のタイヤホイール2を装着する場合、ハブ3の中央突出部3bとタイヤホイール2のホイールセンター孔2aとの間に隙間が形成されるため、タイヤホイール2の位置決めが正確に行うため自動車用ハブリングを使用する。
【0014】
(タイヤホイール2)
タイヤホイール2は、外周面にタイヤ(図示せず。)が装着され、自動車のハブ3に取付けるもので、後述する図5図8等に示すように自動車のハブ3に取付けた際、自動車のハブ3の中央突出部3bに嵌るホイールセンター孔2aと、自動車のハブ3のホイール取付部3aに当接するハブ当接部2bと、ハブ当接部2bの内側、つまりホイールセンター孔2aとハブ当接部2bとの間に設けられ、ハブ当接部2bよりはセンターキャップ2c側に凹む(引っ込む)ことによりホイール取付部3aに当接せずに雨水等の水が通る隙間を形成するハブ非接触隙間形成部2cと、ハブ当接部2bおよびハブ非接触隙間形成部2cの双方に架かるように設けられ、ハブ3のホイール取付部3aから突出したハブボルト3a1を通すボルト孔2d等を有しており、ボルト孔2dにハブ3のホイール取付部3aから突出したハブボルト3a1を通してナット(図示せず。)で締結することによりハブ3に取付けるように構成されている。
【0015】
また、タイヤホイール2には、タイヤホイール2の重量を軽くするためハブ非接触隙間形成部2cよりも深く凹むことによりハブ3のホイール取付部3aに接触しない肉削ぎ部2eが設けられている共に、肉削ぎ部2eよりも浅く凹むもののハブ非接触隙間形成部2cよりは深く凹むことにより肉削ぎ部2eに繋がって肉削ぎ部2eに溜まった水を排出するホイール側水抜き溝部2fが設けられている。
【0016】
ここで、タイヤホイール2のホイールセンター孔2aは、後述する図6に示すように内径R1(図6参照。)が一定の筒状内周面2a1と、筒状内周面2a1におけるハブ3のホイール取付部3a側(自動車の車幅方向中心側)で内径R2(図6参照。)から徐々に径が大きくなり最終的には内径R2’(>R2)になる傾斜筒状内周面2a2とを有する。
【0017】
尚、図5図6に示すようにホイールセンター孔2aには、通常、外側からハブ3の中央突出部3bが見えないよう中央突出部3bに対向するようにセンターキャップ2cが装着される。
【0018】
(本発明に係る実施形態の自動車用ハブリング1)
本発明に係る実施形態の自動車用ハブリング1は、上述したように純正のタイヤホイール2の代わりに後付けのタイヤホイール2を自動車のハブ3に装着する際に、自動車のハブ3のホイール取付部3a中央から突出する中央突出部3b外周面と後付けのタイヤホイール2のホイールセンター孔2a内周面との間の隙間に装着するもので、アルミ等の金属や硬質樹脂等の素材によって、図1から図4に示すように所定の幅および高さを有するリング状ないしは円筒状に形成されている。
【0019】
つまり、本発明に係る実施形態の自動車用ハブリング1は、図1図4に示すようにタイヤホイール2のホイールセンター孔2aの筒状内周面2a1(図5図6等参照。)に接触するホイールセンター孔2aの筒状内周面2a1の内径R2(図6参照。)にほぼ等しい外径r2(図3(b)参照。)を有する外周面1aと、ハブ3のホイール取付部3a(中央から突出する中央突出部3b図5図6等参照。)の外径R1(図6参照。)にほぼ等しい内径r1(図3(b)参照。)を有し、中央突出部3bの外周面に接触する内周面1bと、自動車の車幅方向において外側を向きセンターキャップ2cに対向するホイール孔露出面1cと、自動車の車幅方向において中心側を向きハブ3のホイール取付部3aに対向して当接ないしは近接するハブ対向面1dとを有して構成される。
【0020】
外周面1aには、タイヤホイール2のホイールセンター孔2aの内径R2(図6参照。)に等しい外径r2(図3(b)参照。)を有し、タイヤホイール2のホイールセンター孔2aの筒状内周面2a1に接触するセンター孔内周面接触部1a1と、自動車用ハブリング1の中心に対し90度間隔でそのセンター孔内周面接触部1a1に4箇所、例えば、10mmの幅で設けられ、センター孔内周面接触部1a1よりも例えば0.75mm~2.0mm程度凹み、自動車用ハブリング1をホイールセンター孔2aと中央突出部3bとの間の隙間に装着した際、ホイールセンター孔2aの内側と外側とを連通してホイールセンター孔2aに溜まった水をホイールセンター孔2aの外へ排出する外周面溝部1a2とが設けられている。尚、センター孔内周面接触部1a1に対する外周面溝部1a2の深さの0.75mm~2.0mmは、一例である、この範囲以外でも勿論良く、ホイールセンター孔2aに溜まった水をホイールセンター孔2aの外へ排出可能な深さであれば良い。
【0021】
尚、上述したようにタイヤホイール2のホイールセンター孔2aは、内径R2が変わらない筒状内周面2a1と、筒状内周面2a1におけるハブ3側(自動車の車幅方向中心側)には、内径R2から徐々に径が大きくって最終的には内径R2’(>R2)になる傾斜筒状内周面2a2とを有するため、筒状内周面2a1に接触する自動車用ハブリング1の外周面1aのセンター孔内周面接触部1a1も外径R1から徐々に大きくなって傾斜筒状内周面2a2に接触するセンター孔傾斜内周面接触部1a1’を有し、外周面溝部1a2もセンター孔傾斜内周面接触部1a1’より凹んだ状態で徐々に拡がる外周面傾斜溝部1a2’を有する。
【0022】
内周面1bは、上述したようにハブ3のホイール取付部3a中央から突出する中央突出部3bの外周面に接触するため、その中央突出部3bの外径R1に等しい内径r1(図3(b)参照。)を有して構成される。
【0023】
ホイール孔露出面1cは、自動車の車幅方向において外側を向き、センターキャップ2cと対向する面で、この自動車用ハブリング1が自動車のハブ2に装着された場合、このホイール孔露出面1cと、ホイールセンター孔2aの内周面と、センターキャップ2cと、ハブ2の突出部2bの外周面とで囲まれたホイールセンター孔2aに水が溜まる空間を形成することになる。
【0024】
そのため、ホイール孔露出面1cには、その空間に溜まった水をタイヤホイール2の外へ排出できるようホイール孔露出面1cよりも0.75mm~2.0mm程度凹んだ状態で放射状に延び自動車用ハブリング1の外周面1aに設けた外周面溝部1a2に連続して、ホイールセンター孔2aの空間に溜まった水を外周面溝部1a2へ流すホイール孔露出面溝部1c1を設けている。つまり、ホイール孔露出面溝部1c1は、ホイールセンター孔2aに露出するホイール孔露出面1cにおいて自動車用ハブリング1の中心に対し90度間隔で外周面溝部1a2に連続するよう放射状に4箇所設けている。
【0025】
ハブ対向面1dは、自動車用ハブリング1における自動車の車幅方向の中心側の側面であってハブ3のホイール取付部3aに接触する側面であり、ハブ3のホイール取付部3aとの接触面積を減らすため、傾斜した内側傾斜ハブ対向面1d1および外側傾斜ハブ対向面1d2で形成され、自動車の車幅(車軸)方向と平行に切断した際の切断面が自動車の車幅方向中心側(中心側)に向かって山形状に形成し、内側傾斜ハブ対向面1d1と外側傾斜ハブ対向面1d2との境界部1d3がハブ3のホイール取付部3aに接触するように構成している。
【0026】
これにより、ハブ3のホイール取付部3aに対する自動車用ハブリング1の接触面積が小さくなるので、この接触部分に水が溜まり難くなり、水の速乾性を促し、ハブ3のホイール取付部3a等が錆び難くする効果を期待することができる。また、実施形態の自動車用ハブリング1をハブ3から取り外す際は、山形状のハブ対向面1dによってハブ3のホイール取付部3aとの接触面積が減少しており、吸着力も弱いため、この点でも実施形態の自動車用ハブリング1をハブ3から容易に取り外すことができる。
【0027】
<本発明に係る実施形態の自動車用ハブリング1による排水等の機能についての説明>
次に、本本発明に係る実施形態の自動車用ハブリング1による排水等の機能について説明する。
【0028】
上述したように純正のタイヤホイール2に代えて、市販のタイヤホイール2を装着する場合、自動車のハブ3のホイール取付部3aから突出する中央突出部3bの外周面とタイヤホイール2のホイールセンター孔2aの内周面との間に隙間が生じることがあり、この場合には、タイヤホイール2の位置決めが正確にできなくなり、振動発生の原因となることがあるため、その隙間に以上のように構成された本発明に係る実施形態の自動車用ハブリング1を装着する。
【0029】
すると、実施形態の自動車用ハブリング1を装着することで、中央突出部3bの外周面とタイヤホイール2のホイールセンター孔2aの内周面との間に隙間が埋まり、ハブ3の中央突出部3bに対する自動車用ハブリング1の位置決めおよび自動車用ハブリング1に対するタイヤホイール2のホイールセンター孔2aの位置決めが正確なものとなるので、自動車走行時の振動等を防止することができる。尚、この効果は、従来の自動車用ハブリングでも得ることができる効果である。
【0030】
また、図5図8に示すようにタイヤホイール2のハブ3側におけるホイールセンター孔2aの周囲には、ハブ当接部2bよりもセンターキャップ2c側に凹む(引っ込む)ことによりホイール取付部3aに当接せずに雨水等の水が通る隙間を形成するハブ非接触隙間形成部2cが設けられている一方、本発明に係る実施形態の自動車用ハブリング1の外周面1aには、タイヤホイール2のホイールセンター孔2aの筒状内周面2a1と傾斜筒状内周面2a2にそれぞれ接触するセンター孔内周面接触部1a1とセンター孔傾斜内周面接触部1a1’よりも例えば、0.75mm~2.0mm」程度凹む(引っ込む)ことによりホイールセンター孔2aの筒状内周面2a1と傾斜筒状内周面2a2に接触しない外周面溝部1a2と外周面傾斜溝部1a2’を設けている。
【0031】
そのため、ホイールセンター孔2aに溜まった雨水等の水は、図6図7に示すように外周面溝部1a2とホイールセンター孔2aを形成する筒状内周面2a1との間の隙間、および外周面傾斜溝部1a2’と傾斜筒状内周面2a2との間の隙間を通ってタイヤホイール2のホイールセンター孔2a周囲のハブ非接触隙間形成部2cを通って肉削ぎ部2eに流れ、次いで図8に示すように肉削ぎ部2eからホイール側水抜き溝部2fを通ってタイヤホイール2の外へ排出される。
【0032】
その結果、発明に係る実施形態の自動車用ハブリング1をホイールセンター孔2aと中央突出部3bとの間の隙間に装着した場合でも、ホイールセンター孔2aに雨水等の水が溜まり難くなるので、ハブ(車軸)3やホイール2等が錆びる等して腐食することを極力防止することができる。
【0033】
ホイールセンター孔2aに溜まった雨水等の水がハブ非接触隙間形成部2cを通る際、ハブ3のホイール取付部3aに対する自動車用ハブリング1の接触が面接触等で接触面積が大きいと、浸透圧等によってハブ3のホイール取付部3aと自動車用ハブリング1との接触部分に水が残り易いが、実施形態の自動車用ハブリング1では、ハブ3のホイール取付部3aに自動車用ハブリング1のハブ対向面1dは、内側傾斜ハブ対向面1d1と外側傾斜ハブ対向面1d2で山形状に形成され、内側傾斜ハブ対向面1d1と外側傾斜ハブ対向面1d2との境界部1d3がハブ3のホイール取付部3aに接触する。
【0034】
これにより、ホイール取付部3aと自動車用ハブリング1との接触部分に水が溜まり難くなり、水の速乾性を促すので、この点でもハブ3のホイール取付部3a等が錆び難くすることができる。尚、この自動車用ハブリング1をハブ3から取り外す際は、ハブ対向面1dによってハブ3のホイール取付部3aとの接触面積が減少しており、吸着力も弱いため、この点でも実施形態の自動車用ハブリング1をハブ3から容易に取り外すことができる。
【0035】
また、本発明に係る実施形態の自動車用ハブリング1では、ホイールセンター孔2aに露出するホイール孔露出面1cにも、外周面溝部1a2に連続し、かつ、自動車用ハブリング1の中心に対し放射状に凹むホイール孔露出面溝部1c1を設けている。
【0036】
そのため、ホイールセンター孔2aに溜まった雨水等の水は、図8に示すように、ホイール孔露出面溝部1c1を通って外周面1aの外周面溝部1a2に効率良く流れるので、ホイールセンター孔2aに溜まった水を外周面溝部1a2に効率良く流してホイールセンター孔2aの外へ素早く排出することができるので、ハブ(車軸)3やホイール2等が錆びる等して腐食することを極力防止することができる。
【0037】
また、この自動車用ハブリング1をハブ2から取り外す場合、作業員は手先や工具等をホイール孔露出面溝部1c1に引掛けることができるため、この自動車用ハブリング1を容易に取り外すことができ、取外し作業性を向上させることができる。また、本実施形態の自動車用ハブリング1では、山形状のハブ対向面1dによってハブ3のホイール取付部3aとの接触面積が減少していて本実施形態の自動車用ハブリング1とホイール取付部3aとの固着する場合が減少するので、この点でも実施形態の自動車用ハブリング1をハブ3から容易に取り外すことができる。
【0038】
<本発明に係る実施形態の自動車用ハブリング1のまとめ>
以上説明したように、本発明に係る実施形態の自動車用ハブリング1では、ホイールセンター孔2aに溜まった水をホイールセンター孔2aの外へ排出する水抜き部としてタイヤホイール2のホイールセンター孔2aの筒状内周面2a1に接触する外周面1aに外周面溝部1a2や外周面傾斜溝部1a2’を設けている。
【0039】
そのため、本発明に係る実施形態の自動車用ハブリング1をホイールセンター孔2aと中央突出部3bとの間の隙間に装着した場合でもホイールセンター孔2aに溜まった水をホイールセンター孔2aの外へ確実に排出することができるので、ハブ(車軸)3やホイール2等が錆びる等して腐食することを極力防止することができる。
【0040】
また、本発明に係る実施形態の自動車用ハブリング1では、さらに、自動車用ハブリング1をホイールセンター孔2aと中央突出部3bとの間の隙間に装着した際、ホイールセンター孔2aに露出するホイール孔露出面1cに、外周面溝部1a2に連続し、かつ、自動車用ハブリング1の中心に対し放射状に凹むホイール孔露出面溝部1c1を設けている。
【0041】
そのため、ホイール孔露出面溝部1c1は、ホイールセンター孔2aに露出しながら放射状に凹みながらも自動車用ハブリング1の外周面1aの外周面溝部1a2に連続するので、ホイールセンター孔2aに溜まった水を効率良く外周面溝部1a2に流してホイールセンター孔2aの外へ素早く排出することができると共に、この自動車用ハブリング1をハブ2から取り外す際、ホイール孔露出面溝部1c1に引掛けることによって容易に取り外すことができ、取外し作業性を向上させることができる。
【0042】
また、本発明に係る実施形態の自動車用ハブリング1では、自動車用ハブリング1における自動車の車幅(車軸)方向の内側であるハブ対向面1dは、傾斜した内側傾斜ハブ対向面1d1および外側傾斜ハブ対向面1d2によって自動車の車幅(車軸)方向と平行に切断した際の切断面が自動車の車幅方向中心側(中心側)に向かって山形状に形成している。
【0043】
そのため、実施形態の自動車用ハブリング1によれば、自動車用ハブリング1を装着した際、内側傾斜ハブ対向面1d1と外側傾斜ハブ対向面1d2との境界部1d3がハブ3のホイール取付部3aに接触して、ハブ3のホイール取付部3aとの接触面積が小さくなり、この境界部1d3に水が溜まり難くなって速乾性が促されるので、ハブ3のホイール取付部3a等が錆び難くする効果を期待することができる。
【0044】
尚、上記実施形態では、自動車用ハブリング1における自動車の車幅方向の中心側の側面であるハブ対向面1dを自動車の車幅(車軸)方向と平行に切断した際の切断面が自動車の車幅方向中心側(中心側)に向かって山形状に形成して内側傾斜ハブ対向面1d1および外側傾斜ハブ対向面1d2を設けて説明したが、本発明では、これに限らず、ハブ対向面1dを従来の自動車用ハブリングと同様に平面で構成しても良いし、さらには、内側傾斜ハブ対向面1d1を設けずに外側傾斜ハブ対向面1d2のみの山形状に形成しても勿論良い。ハブ対向面1dにおいて内側傾斜ハブ対向面1d1を設けずに外側傾斜ハブ対向面1d2のみによって山形状に形成した場合、内側傾斜ハブ対向面1d1に水が溜まり難くなるため、ハブ3のホイール取付部3a等がより錆び難くすることができる。
【0045】
また、自動車のハブ3の中央突出部3bの外径は、自動車メーカーによって異なるため、本発明に係る実施形態の自動車用ハブリング1の内径も自動車メーカー毎に異なるハブ3の中央突出部3bの外径に応じて変更しており、上記実施形態ではA社のハブ3の中央突出部3bの外径の60mmmに対応させて実施形態の自動車用ハブリング1の内径を60.1mmにして説明したが、例えば、ハブ3の中央突出部3bの外径が67mmmのB社の場合であれば、図9(a)に示すように実施形態の自動車用ハブリング1の内径を67.1mmにし、ハブ3の中央突出部3bの外径が56mmmのC社の場合であれば、図9(b)に示すように実施形態の自動車用ハブリング1の内径を56.1mmにし、ハブ3の中央突出部3bの外径が54mmmのD社の場合であれば、図9(c)に示すように実施形態の自動車用ハブリング1の内径を54.1mmにすれば良い。
【0046】
また、上記実施形態の説明では、水抜き部として自動車用ハブリング1の外周面1aにセンター孔内周面接触部1a1よりも凹ませた外周面溝部1a2や外周面傾斜溝部1a2’を設けて説明したが、本発明ではこれに限らず、自動車用ハブリング1においてホイール孔露出面1cからハブ対向面1dまで自動車用ハブリング1内部を貫通する水抜き部を設けても良いし、さらには内周面1bに水抜き部を設けても良い。
【0047】
また、本願では、本発明に係る自動車用ハブリングを、その実施形態等と共にその外観構成および効果等を発明(特許)として捉えて説明したが、以上説明した自動車用ハブリングはその外観のデザイン面、つまり意匠的な特徴も有しているため、本願から自動車用ハブリングの全体形状について意匠へ変更出願してもよく、または意匠的な特徴部分である外周面溝部1a2、外周面傾斜溝部1a2’、ホイール孔露出面溝部1c1、ハブ対向面1dのいずれかの部分の外観のみを実線にし、それ以外の部分を破線にして外周面溝部1a2、外周面傾斜溝部1a2’、ホイール孔露出面溝部1c1、ハブ対向面1dのいずれかの部分の形状(外観)のみを部分意匠として出願しても良いし、さらには外周面溝部1a2と外周面傾斜溝部1a2’のみを実線で描いて部分意匠出願としても良いし、あるいは外周面溝部1a2と外周面傾斜溝部1a2’とホイール孔露出面溝部1c1の形状を実線で描いて部分意匠出願としても良いし、さらには外周面溝部1a2と外周面傾斜溝部1a2’とハブ対向面1dの形状のみを実線で描いて部分意匠出願としても良い。尚、本願の説明では、自動車用ハブリング1に90度毎に外周面溝部1a2、外周面傾斜溝部1a2’、ホイール孔露出面溝部1c1を4つ設けて説明しているが、本発明ではそれらの数や設ける角度は任意であるため、外周面溝部1a2や外周面傾斜溝部1a2’、ホイール孔露出面溝部1c1のいずれか、またはそれらの組合せを部分意匠に出願変更する際、それぞれ4つ設けた部分意匠でも勿論良いし、それぞれ1つのみ設けた部分意匠でも勿論良い。
【符号の説明】
【0048】
1 自動車用ハブリング
1a 外周面
1a1 センター孔内周面接触部
1a1’ センター孔傾斜内周面接触部
1a2 外周面溝部
1a2’ 外周面傾斜溝部
1b 内周面
1c ホイール孔露出面
1c1 ホイール孔露出面溝部
1d ハブ対向面
1d1 内側傾斜ハブ対向面
1d2 外側傾斜ハブ対向面
2 タイヤホイール
2a ホイールセンター孔
2a1 筒状内周面
2a2 傾斜筒状内周面
2b ハブ当接部
2c ハブ非接触隙間形成部
2d ボルト孔
2e 肉削ぎ部
2f ホイール側水抜き溝部
2c センターキャップ
3 ハブ
3a ホイール取付部
3a1 ハブボルト
3b 突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤホイールの中央に開口するホイールセンター孔の内周面と自動車のハブのホイール取付部から突出する突出部の外周面との間に介在する自動車用ハブリングであって
前記ホイールセンター孔の内周面に接触するセンター孔内周面接触部および前記センター孔内周面接触部よりも凹み、前記ホイールセンター孔の内側と外側とを連通して前記ホイールセンター孔に溜まった水を前記ホイールセンター孔の外へ排出する外周面溝部が設けられたハブリング外周面と、
前記突出部の外周面に接触するハブリング内周面と、
前記ホイールセンター孔に露出するホイール孔露出面と、
前記ハブのホイール取付部に対向するハブ対向面とを有し、
前記ハブ対向面は、
自動車の車幅方向と平行に切断した際の切断面が自動車の車幅方向中心側に向かって突出した山形状であり、少なくとも前記ハブリング外周面との境界から自動車の車幅方向中心側に向かって内側へ傾斜しながら延びる外側傾斜ハブ対向面と、その外側傾斜ハブ対向面の先端で当該ハブ対向面よりも面積が小さく前記ハブのホイール取付部に接触する小面積接触部とを有することを特徴とする自動車用ハブリング。
【請求項2】
請求項1記載の自動車用ハブリングにおいて、
前記ハブ対向面は、さらに、前記ハブリング内周面との境界から自動車の車幅方向中心側に向かって外側へ傾斜しながら延びる内側傾斜ハブ対向面を有し、前記外側傾斜ハブ対向面と前記内側傾斜ハブ対向面との境界が前記小面積接触部であることを特徴とする自動車用ハブリング。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の自動車用ハブリングにおいて、
前記ホイール孔露出面には、さらに、前記外周面溝部に連続して凹むホイール孔露出面溝部が設けられていることを特徴とする自動車用ハブリング。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係る自動車用ハブリングは、タイヤホイールの中央に開口するホイールセンター孔の内周面と自動車のハブのホイール取付部から突出する突出部の外周面との間に介在する自動車用ハブリングであって前記ホイールセンター孔の内周面に接触するセンター孔内周面接触部および前記センター孔内周面接触部よりも凹み、前記ホイールセンター孔の内側と外側とを連通して前記ホイールセンター孔に溜まった水を前記ホイールセンター孔の外へ排出する外周面溝部が設けられたハブリング外周面と、前記突出部の外周面に接触するハブリング内周面と、前記ホイールセンター孔に露出するホイール孔露出面と、前記ハブのホイール取付部に対向するハブ対向面とを有し、前記ハブ対向面は、自動車の車幅方向と平行に切断した際の切断面が自動車の車幅方向中心側に向かって突出した山形状であり、少なくとも前記ハブリング外周面との境界から自動車の車幅方向中心側に向かって内側へ傾斜しながら延びる外側傾斜ハブ対向面と、その外側傾斜ハブ対向面の先端で当該ハブ対向面よりも面積が小さく前記ハブのホイール取付部に接触する小面積接触部とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る自動車用ハブリングでは、前記ハブ対向面は、さらに、前記ハブリング内周面との境界から自動車の車幅方向中心側に向かって外側へ傾斜しながら延びる内側傾斜ハブ対向面を有し、前記外側傾斜ハブ対向面と前記内側傾斜ハブ対向面との境界が前記小面積接触部であることも特徴とする。
また、本発明に係る自動車用ハブリングでは、前記ホイール孔露出面には、さらに、前記外周面溝部に連続して凹むホイール孔露出面溝部が設けられていることも特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明に係る自動車用ハブリングでは、自動車用ハブリングを装着した場合でもホイールセンター孔に溜まった水を外周面溝部によってホイールセンター孔の外へ排出することができるため、ハブ(車軸)やホイール等が錆びる等して腐食することを極力防止することができる。
また、自動車用ハブリングのハブ対向面が山形状に形成され、外側傾斜ハブ対向面の先端で当該ハブ対向面よりも面積が小さくハブのホイール取付部に接触する小面積接触部がハブのホイール取付部に接触するので、この接触部分に水が溜まり難くなり、水の速乾性を促し、ハブのホイール取付部等が錆び難くする効果を期待することができると共に、自動車用ハブリングをハブから取り外す際、容易に取り外すことができ、取外し作業性を向上させることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
つまり、本発明に係る実施形態の自動車用ハブリング1は、図1図4に示すようにタイヤホイール2のホイールセンター孔2aの筒状内周面2a1(図5図6等参照。)に接触するホイールセンター孔2aの筒状内周面2a1の内径R2(図6参照。)にほぼ等しい外径r2(図3(b)参照。)を有するハブリング外周面1aと、ハブ3のホイール取付部3a(中央から突出する中央突出部3b図5図6等参照。)の外径R1(図6参照。)にほぼ等しい内径r1(図3(b)参照。)を有し、中央突出部3bの外周面に接触するハブリング内周面1bと、自動車の車幅方向において外側を向きセンターキャップ2cに対向するホイール孔露出面1cと、自動車の車幅方向において中心側を向きハブ3のホイール取付部3aに対向して当接ないしは近接するハブ対向面1dとを有して構成される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
ハブリング外周面1aには、タイヤホイール2のホイールセンター孔2aの内径R2(図6参照。)に等しい外径r2(図3(b)参照。)を有し、タイヤホイール2のホイールセンター孔2aの筒状内周面2a1に接触するセンター孔内周面接触部1a1と、自動車用ハブリング1の中心に対し90度間隔でそのセンター孔内周面接触部1a1に4箇所、例えば、10mmの幅で設けられ、センター孔内周面接触部1a1よりも例えば0.75mm~2.0mm程度凹み、自動車用ハブリング1をホイールセンター孔2aと中央突出部3bとの間の隙間に装着した際、ホイールセンター孔2aの内側と外側とを連通してホイールセンター孔2aに溜まった水をホイールセンター孔2aの外へ排出する外周面溝部1a2とが設けられている。尚、センター孔内周面接触部1a1に対する外周面溝部1a2の深さの0.75mm~2.0mmは、一例である、この範囲以外でも勿論良く、ホイールセンター孔2aに溜まった水をホイールセンター孔2aの外へ排出可能な深さであれば良い。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
尚、上述したようにタイヤホイール2のホイールセンター孔2aは、内径R2が変わらない筒状内周面2a1と、筒状内周面2a1におけるハブ3側(自動車の車幅方向中心側)には、内径R2から徐々に径が大きくって最終的には内径R2’(>R2)になる傾斜筒状内周面2a2とを有するため、筒状内周面2a1に接触する自動車用ハブリング1のハブリング外周面1aのセンター孔内周面接触部1a1も外径R1から徐々に大きくなって傾斜筒状内周面2a2に接触するセンター孔傾斜内周面接触部1a1’を有し、外周面溝部1a2もセンター孔傾斜内周面接触部1a1’より凹んだ状態で徐々に拡がる外周面傾斜溝部1a2’を有する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
ハブリング内周面1bは、上述したようにハブ3のホイール取付部3a中央から突出する中央突出部3bの外周面に接触するため、その中央突出部3bの外径R1に等しい内径r1(図3(b)参照。)を有して構成される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
そのため、ホイール孔露出面1cには、その空間に溜まった水をタイヤホイール2の外へ排出できるようホイール孔露出面1cよりも0.75mm~2.0mm程度凹んだ状態で放射状に延び自動車用ハブリング1のハブリング外周面1aに設けた外周面溝部1a2に連続して、ホイールセンター孔2aの空間に溜まった水を外周面溝部1a2へ流すホイール孔露出面溝部1c1を設けている。つまり、ホイール孔露出面溝部1c1は、ホイールセンター孔2aに露出するホイール孔露出面1cにおいて自動車用ハブリング1の中心に対し90度間隔で外周面溝部1a2に連続するよう放射状に4箇所設けている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
ハブ対向面1dは、自動車用ハブリング1における自動車の車幅方向の中心側の側面であってハブ3のホイール取付部3aに接触する側面であり、ハブ3のホイール取付部3aとの接触面積を減らすため、傾斜した内側傾斜ハブ対向面1d1および外側傾斜ハブ対向面1d2で形成され、自動車の車幅(車軸)方向と平行に切断した際の切断面が自動車の車幅方向中心側(中心側)に向かって山形状に形成し、内側傾斜ハブ対向面1d1と外側傾斜ハブ対向面1d2との境界でハブ対向面11dよりも面積が小さい小面積接触部1d3がハブ3のホイール取付部3aに接触するように構成している。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
ホイールセンター孔2aに溜まった雨水等の水がハブ非接触隙間形成部2cを通る際、ハブ3のホイール取付部3aに対する自動車用ハブリング1の接触が面接触等で接触面積が大きいと、浸透圧等によってハブ3のホイール取付部3aと自動車用ハブリング1との接触部分に水が残り易いが、実施形態の自動車用ハブリング1では、ハブ3のホイール取付部3aに自動車用ハブリング1のハブ対向面1dは、内側傾斜ハブ対向面1d1と外側傾斜ハブ対向面1d2で山形状に形成され、内側傾斜ハブ対向面1d1と外側傾斜ハブ対向面1d2との境界でハブ対向面11dよりも面積が小さい小面積接触部1d3がハブ3のホイール取付部3aに接触する。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
そのため、実施形態の自動車用ハブリング1によれば、自動車用ハブリング1を装着した際、内側傾斜ハブ対向面1d1と外側傾斜ハブ対向面1d2との境界でハブ対向面11dよりも面積が小さい小面積接触部1d3がハブ3のホイール取付部3aに接触して、ハブ3のホイール取付部3aとの接触面積が小さくなり、この小面積接触部1d3に水が溜まり難くなって速乾性が促されるので、ハブ3のホイール取付部3a等が錆び難くする効果を期待することができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
また、図5図8に示すようにタイヤホイール2のハブ3側におけるホイールセンター孔2aの周囲には、ハブ当接部2bよりもセンターキャップ2c側に凹む(引っ込む)ことによりホイール取付部3aに当接せずに雨水等の水が通る隙間を形成するハブ非接触隙間形成部2cが設けられている一方、本発明に係る実施形態の自動車用ハブリング1のハブリング外周面1aには、タイヤホイール2のホイールセンター孔2aの筒状内周面2a1と傾斜筒状内周面2a2にそれぞれ接触するセンター孔内周面接触部1a1とセンター孔傾斜内周面接触部1a1’よりも例えば、0.75mm~2.0mm」程度凹む(引っ込む)ことによりホイールセンター孔2aの筒状内周面2a1と傾斜筒状内周面2a2に接触しない外周面溝部1a2と外周面傾斜溝部1a2’を設けている。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
そのため、ホイールセンター孔2aに溜まった雨水等の水は、図8に示すように、ホイール孔露出面溝部1c1を通ってハブリング外周面1aの外周面溝部1a2に効率良く流れるので、ホイールセンター孔2aに溜まった水を外周面溝部1a2に効率良く流してホイールセンター孔2aの外へ素早く排出することができるので、ハブ(車軸)3やホイール2等が錆びる等して腐食することを極力防止することができる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
<本発明に係る実施形態の自動車用ハブリング1のまとめ>
以上説明したように、本発明に係る実施形態の自動車用ハブリング1では、ホイールセンター孔2aに溜まった水をホイールセンター孔2aの外へ排出する水抜き部としてタイヤホイール2のホイールセンター孔2aの筒状内周面2a1に接触するハブリング外周面1aに外周面溝部1a2や外周面傾斜溝部1a2’を設けている。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
そのため、ホイール孔露出面溝部1c1は、ホイールセンター孔2aに露出しながら放射状に凹みながらも自動車用ハブリング1のハブリング外周面1aの外周面溝部1a2に連続するので、ホイールセンター孔2aに溜まった水を効率良く外周面溝部1a2に流してホイールセンター孔2aの外へ素早く排出することができると共に、この自動車用ハブリング1をハブ2から取り外す際、ホイール孔露出面溝部1c1に引掛けることによって容易に取り外すことができ、取外し作業性を向上させることができる。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
また、上記実施形態の説明では、水抜き部として自動車用ハブリング1のハブリング外周面1aにセンター孔内周面接触部1a1よりも凹ませた外周面溝部1a2や外周面傾斜溝部1a2’を設けて説明したが、本発明ではこれに限らず、自動車用ハブリング1においてホイール孔露出面1cからハブ対向面1dまで自動車用ハブリング1内部を貫通する水抜き部を設けても良いし、さらにはハブリング内周面1bに水抜き部を設けても良い。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
1 自動車用ハブリング
1a ハブリング外周面
1a1 センター孔内周面接触部
1a1’ センター孔傾斜内周面接触部
1a2 外周面溝部
1a2’ 外周面傾斜溝部
1b ハブリング内周面
1c ホイール孔露出面
1c1 ホイール孔露出面溝部
1d ハブ対向面
1d1 内側傾斜ハブ対向面
1d2 外側傾斜ハブ対向面
1d3 小面積接触部
2 タイヤホイール
2a ホイールセンター孔
2a1 筒状内周面
2a2 傾斜筒状内周面
2b ハブ当接部
2c ハブ非接触隙間形成部
2d ボルト孔
2e 肉削ぎ部
2f ホイール側水抜き溝部
2c センターキャップ
3 ハブ
3a ホイール取付部
3a1 ハブボルト
3b 突出部