(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156757
(43)【公開日】2023-10-25
(54)【発明の名称】作業者用装着具
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20231018BHJP
A41D 1/00 20180101ALI20231018BHJP
A41F 19/00 20060101ALI20231018BHJP
A41F 15/00 20060101ALI20231018BHJP
E04G 21/32 20060101ALI20231018BHJP
A45C 11/00 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
G06F1/16 313Z
A41D1/00 C
A41D1/00 H
A41F19/00
A41F15/00
E04G21/32 Z
A45C11/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066299
(22)【出願日】2022-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】597165618
【氏名又は名称】株式会社ネクスコ東日本エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】北森 葵
(72)【発明者】
【氏名】本多 潤
【テーマコード(参考)】
3B030
3B045
【Fターム(参考)】
3B030AA02
3B030AB12
3B045AA42
3B045BA22
3B045BA26
3B045CB05
3B045CE07
3B045DA22
3B045DA23
3B045FA01
3B045GA03
(57)【要約】
【課題】情報処理装置の取り扱いに関する作業者の負担を軽減する。
【解決手段】情報処理装置(2)を使用した作業を行う作業者(3)が装着する作業者用装着具(1)は、情報処理装置を、当該情報処理装置の表示面を観察可能な状態で保持する装置保持部(100)と、装置保持部と連結され、装置保持部に対する相対位置を、装置保持部によって保持される情報処理装置の表示面を覆う位置と、表示面を観察可能な位置とに変更可能な保護部(120)と、保護部に取り付けられ、保護部を作業者の前面に位置決めするベルト部(140、145、150、155)とを含み、装置保持部と保護部とは、ベルト部により保護部を情報処理装置の利用者の前面に位置決めしたときに作業者の頭部から遠方となる端部で連結されており、装置保持部は、保持する情報処理装置における表示面とは反対側の面の一部分を覆うことと露出させることとが可能な開閉部(110)を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を使用した作業を行う作業者が装着する作業者用装着具であって、
情報処理装置を、当該情報処理装置の表示面を観察可能な状態で保持する装置保持部と、
前記装置保持部と連結され、前記装置保持部に対する相対位置を、前記装置保持部によって保持される情報処理装置の表示面を覆う位置と、前記表示面を観察可能な位置とに変更可能な保護部と、
前記保護部に取り付けられ、前記保護部を前記作業者の前面に位置決めするベルト部とを含み、
前記装置保持部と前記保護部とは、前記ベルト部により前記保護部を前記情報処理装置の利用者の前面に位置決めしたときに前記作業者の頭部から遠方となる端部で連結されており、
前記装置保持部は、保持する前記情報処理装置における前記表示面とは反対側の面の一部分を覆うことと露出させることとが可能な開閉部を有する、
ことを特徴とする作業者用装着具。
【請求項2】
前記装置保持部の前記開閉部は、前記情報処理装置における前記表示面とは反対側の面に設けられたカメラを露出させる
ことを特徴とする請求項1に記載の作業者用装着具。
【請求項3】
前記装置保持部は、前記情報処理装置を保持する面とは反対側の面に、1つ以上の物品を掛け置くことが可能なループ部が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の作業者用装着具。
【請求項4】
前記ループ部は、前記装着保持部に光反射テープを縫い付けて設けている
ことを特徴とする請求項3に記載の作業者用装着具。
【請求項5】
一端が前記装置保持部と連結し、他端が前記保護部と連結しており、前記情報処理装置の前記表示面を観察可能な状態に開かれた前記装置保持部を支持する少なくとも1つの吊り下げ部、を有する吊り下げバンドを更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の作業者用装着具。
【請求項6】
前記ベルト部は、前記作業者の右肩及び左肩に掛けられる一対の肩掛け部と、前記作業者の胴周りに延在させる胴周り部とを有し、前記一対の肩掛け部及び前記胴周り部のそれぞれが長さを調節可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の作業者用装着具。
【請求項7】
前記ベルト部は、前記作業者が装着したときに前記作業者の背面において前記一対の肩掛け部及び前記胴周り部が取り付けられるクッション部を更に有する
ことを特徴とする請求項6に記載の作業者用装着具。
【請求項8】
前記一対の肩掛け部及び前記胴周り部と前記クッション部とは、前記作業者が装着している墜落制止用器具における背面側の部材と前記クッション部とが重ならないように構成される
ことを特徴とする請求項7に記載の作業者用装着具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者用装着具に関し、具体的には、携帯型情報処理装置を利用した作業を行う作業者が装着する装着具に関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路等の構造物を点検する作業では、近年、作業の効率化、情報共有等の観点から、スマートフォンやタブレット型コンピュータ等の携帯型情報処理装置を利用することが増えている。例えば、特許文献1には、道路、トンネル、橋梁、ビルやマンション等の施設における設備の点検作業を行う作業者が点検結果をスマートフォン等の携帯端末に入力し、入力された点検結果を携帯端末からセンターサーバに転送して蓄積することにより、施設の設備を点検する点検作業や保守作業を支援する作業支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した道路、トンネル、橋梁等の点検作業を行う作業者は、タブレット型コンピュータ等の携帯型情報処理装置を使用した作業を行う際に、落下等による作業の停止、携帯型情報処理装置の破損等を防ぐため、取扱いに注意する必要がある。また、例えば、作業を行う場所等への移動中、工具又は器具等を使用した作業中等の、携帯型情報処理装置を使用していないときにも、落下や構造物等にぶつけてしまうことによる作業の停止、携帯型情報処理装置の破損等を防ぐため、取扱いに注意する必要がある。
【0005】
1つの側面において、本発明は、携帯型情報処理装置の取り扱いに関する作業者の負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様に係る作業者用装着具は、情報処理装置を使用した作業を行う作業者が装着する作業者用装着具であって、情報処理装置を、当該情報処理装置の表示面を観察可能な状態で保持する装置保持部と、前記装置保持部と連結され、前記装置保持部に対する相対位置を、前記装置保持部によって保持される情報処理装置の表示面を覆う位置と、前記表示面を観察可能な位置とに変更可能な保護部と、前記保護部に取り付けられ、前記保護部を前記作業者の前面に位置決めするベルト部とを含み、前記装置保持部と前記保護部とは、前記ベルト部により前記保護部を前記情報処理装置の利用者の前面に位置決めしたときに前記作業者の頭部から遠方となる端部で連結されており、前記装置保持部は、保持する前記情報処理装置における前記表示面とは反対側の面の一部分を覆うことと露出させることとが可能な開閉部を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上述の態様によれば、携帯型情報処理装置の取り扱いに関する作業者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る作業者用装着具の外観構成の一例を示す正面図である。
【
図2】一実施形態に係る作業者用装着具の外観構成の一例を示す背面図である。
【
図3】一実施形態に係る作業者用装着具の使用例を説明する側面図である。
【
図4】一実施形態に係る作業者用装着具における装置保持部の構成例を説明する斜視図である。
【
図5】一実施形態に係る作業者用装着具における開閉部の構成例を説明する部分拡大正面図である。
【
図6】装置保持部の作成方法の一例を説明する分解斜視図である。
【
図7】一実施形態に係る作業者用装着具における物品掛留部の構成例を説明する部分拡大斜視図である。
【
図8】一実施形態に係る作業者用装着具の別の使用例を説明する背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明される実施形態は、本発明に係る作業者用装着具の例示に過ぎない。また、参照する
図1~
図7に例示した作業者用装着具は、本発明に係る作業者用装着具の特徴をわかりやすくするため、その全体又は一部分を模式的に示しており、詳細な構成は省略されている。また、参照する各図に示された「前」、「後」、「上」、「下」、「右」、「左」の各方向は、作業者用装着具を装着して正立する作業者から見た概略的な方向である。
【0010】
図1は、一実施形態に係る作業者用装着具の外観構成の一例を示す正面図である。
図2は、一実施形態に係る作業者用装着具の外観構成の一例を示す背面図である。
図3は、一実施形態に係る作業者用装着具の使用例を説明する側面図である。
【0011】
図1及び
図2に例示した作業者用装着具1(以下「装着具1」と記載する)は、タブレット型コンピュータ等と呼ばれる携帯型情報処理装置2(以下「タブレット端末2」と記載する)を使用した作業を行う作業者が装着するものである。タブレット端末2を使用した作業の例は、道路、トンネル、橋梁等の点検作業であり得る。タブレット端末2は、液晶ディスプレイ等の表示面に入力部としての位置検出器(デジタイザ)を重ねて配置したタッチパネルディスプレイと、無線又は有線による外部装置との通信を可能にする通信インタフェースを有する汎用コンピュータである。また、タブレット端末2は、例えば、デジタルカメラ等の撮影機能を備えたものであり得る。
【0012】
装着具1は、
図1~
図3に例示したように、タブレット端末2を載置して保持する装置保持部100と、装置保持部100に連結された保護部120とを有する。装置保持部100は、タブレット端末2のタッチパネルディスプレイ200が開放された状態(言い換えると、作業者3がタッチパネルディスプレイ200の観察や操作をすることができる状態)でタブレット端末2を載置して保持することが可能なように構成されている(
図3参照)。また、本実施形態の装着具1における装置保持部100には、保持しているタブレット端末2における装置保持部100と向かい合う面に設けられたデジタルカメラを、そのタブレット端末2を装置保持部100で保持した状態のまま使用できるようにする開閉部110が設けられている。装置保持部100における開閉部110及びその周囲の構成については、
図5を参照して後述する。
【0013】
装置保持部100は、特定の機種に限定されない外形寸法が類似した複数種類のタブレット端末2のそれぞれを載置して保持することが可能なように構成することが好ましい。また、装置保持部100は、例えば、
図4を参照して後述するように、ケース4が取り付けられた状態のタブレット端末2を保持することも可能なように構成されていることが好ましい。ケース4は、例えば、耐衝撃、防塵、防水等の、タブレット端末2を保護する機能のうちの1つ以上の機能を提供するハードケースであり得る。装置保持部100は、ケース4が取り付けられていないタブレット端末2を保持する場合に、そのタブレット端末2を保護するための付加的な機能を有していてもよい。
【0014】
保護部120は、装置保持部100に対する相対位置を、装置保持部100により保持しているタブレット端末2のタッチパネルディスプレイ200を覆って保護する位置と、作業者3がタブレット端末2のタッチパネルディスプレイ200を観察、操作することが可能な位置とに変更可能な態様で、装置保持部100と連結している。装置保持部100と保護部120との連結部の構成は、特定の構成に限定されない。装置保持部100と保護部120とは、例えば、装置保持部100の作成に用いる布(生地)の一辺と、保護部120の作成に用いる別の布の一辺とを縫い合わせることにより連結される。また、装置保持部100と保護部120とは、装置保持部100の材料として使用される部分と、保護部120の材料として使用される部分とを有する1枚の布により連結されていてもよい。
【0015】
装置保持部100における保護部120との連結部と、装置保持部100により保持されるタブレット端末2の向きとの関係は、特定の関係に限定されない。例えば、作業者3がタブレット端末2を操作するときにタッチパネルディスプレイ200に表示される画面が横長での表示に適した画面である場合、タブレット端末2を載置した装置保持部100におけるタブレット端末2の長辺に沿った端辺の一方が保護部120と連結されるようにする。
【0016】
また、装置保持部100と保護部120とは、保護部120における装置保持部100との連結部とは反対側の辺(上端)に設けられたフラップ121を装置保持部100に留めることで、装置保持部100により保持しているタブレット端末2が保護部120により保護された状態を維持することができる。フラップ121を装置保持部100に留める方法は、特定の方法に限定されない。フラップ121は、例えば、面ファスナー又はスナップボタン等の留め具により装置保持部100に留めることができる。また、フラップ121の代わりに、例えば、サイドリリースバックル等の連結具を利用して装置保持部100側のベルトと保護部120側のベルトとを連結することにより、タブレット端末2のタッチパネルディスプレイ200が保護部120により保護された状態を維持するように構成されていてもよい。
【0017】
本実施形態の装着具1を装着するときには、
図3に例示したように、作業者3が装着具1を装着したままタブレット端末2を操作できるように装着する。すなわち、保護部120における装置保持部100と向かい合わせになる面(言い換えると、タブレット端末2のタッチパネルディスプレイ200と向かい合って保護する面)とは反対側の面が、作業者3の前面(例えば、胸部や腹部)と向かい合うように装着する。このため、保護部120には、装着時に装置保持部100との連結部が下辺になる向きで保護部120を作業者3の前面で位置決めするためのベルト部が取り付けられている。
図1~
図3に例示した装着具1におけるベルト部は、一対の肩掛け部140、145と、一対の胴回し部150、155と、クッション部160とを含む。
【0018】
一対の肩掛け部140、145は、それぞれ、図示しないテープアジャスタ等により長さを調節可能なベルト状の部品である。肩掛け部140、145は、それぞれ、一端が保護部120における装置保持部100が連結された辺とは反対側の辺に取り付けられ、他端がクッション部160に取り付けられている。装着具1を装着するときには、保護部120の右端側に取り付けられた肩掛け部140を作業者3の右肩に掛け、保護部120の左端側に取り付けられた肩掛け部145を作業者3の左肩に掛ける。肩掛け部140、145の長さを調節することにより、例えば、作業者3がタブレット端末2を操作しやすい位置になるように、作業者3の前面における保護部120の上下の位置(高さ)を調節することができる。
【0019】
一対の胴回し部150、155は、それぞれ、図示しないテープアジャスタ等により長さを調節可能なベルト状の部品であり、図示しないサイドリリースバックル等の連結具により連結された2本のベルトからなる。胴回し部150の連結された2本のベルトは、一方のベルトの一端が保護部120の右辺の下方側(装置保持部100との連結部に近接した位置)に取り付けられ、他方のベルトの一端がクッション部160に取り付けられている。胴回し部155の連結された2本のベルトは、一方のベルトの一端が保護部120の左辺の下方側(装置保持部100との連結部に近接した位置)に取り付けられ、他方のベルトの一端がクッション部160に取り付けられている。装着具1を装着する時には、例えば、まず、胴回し部150及び胴回し部155のいずれか一方又は両方の連結具による2本のベルトの連結を解除した状態で、一対の肩掛け部140、145のそれぞれを肩に掛ける。その後、胴回し部150及び胴回し部155のいずれか一方又は両方の連結が解除されている2本のベルトを連結する。このとき、胴回し部150、155の長さを調節して保護部120の左右方向の位置決めを行うことにより、作業者3の前面における保護部120の左右の位置(高さ)を調節することができる。また、例えば、胴回し部150、155の長さを作業者3の胴周りの寸法に合わせることで、作業者3の前面における保護部120の位置を安定させ、作業者3が動作したときの保護部120及び装置保持部100の揺れ等を防ぐことができる。
【0020】
一対の肩掛け部140、145、及び一対の胴回し部150、155が取り付けられているクッション部160は、装着具1を装着した作業者3の背中にかかる荷重を分散する。
【0021】
作業者3が装着具1を装着すると、
図3に例示したように、作業者3の前面に位置決めされた保護部120と装置保持部100との連結部を支点として、装置保持部100を前方に開くことができる。前方に開かれた装置保持部100は、第1の吊り下げ部132と第2の吊り下げ部134とを有する吊り下げバンド130により、保護部120に対して所定の角度(例えば、80度~90度)で支持される。例えば、装置保持部100は、装着具1を装着した作業者3から見て、左端が第1の吊り下げ部132により支持され、右端が第2の吊り下げ部134により支持される。このため、作業者3は、例えば、作業者3自身が装置保持部100を持たなくても、前方に開かれた装置保持部100によって保持されたタブレット端末2のタッチパネルディスプレイ200を観察し、操作することができる。吊り下げバンド130の取り付け方法等の具体例については、
図4~
図6を参照して後述する。
【0022】
一方、タブレット端末2を使用しないときには、装置保持部100によって保持されたタブレット端末2のタッチパネルディスプレイ200が保護部120と向かい合うように装置保持部100を閉じ、例えば、保護部120の上端に設けられたフラップ121(
図1参照)を装置保持部100に留めることができる。フラップ121と装置保持部100とは、例えば、面ファスナー等の留め具を使用して留めることができ、タブレット端末2を使用しないときには装置保持部100が閉じた状態を維持することができる。また、保護部120は、上述した一対の肩掛け部140、145、及び一対の胴回し部150、155の長さを調節することにより、作業者3の前面に、作業中の位置ずれが生じにくいように位置決め(配置)することができる。このため、本実施形態の装着具1を装着した作業者3は、タブレット端末2を使用していないときにタブレット端末2が作業者3の作業等の妨げにならない状態で、タブレット端末2を携帯することができる。また、装置保持部100を閉じた状態にすると、タブレット端末2のタッチパネルディスプレイ200は、タブレット端末2と作業者3の前面との間にある保護部120によって保護される。従って、タブレット端末2を使用していないときのタブレット端末2の取扱いに関する作業者3の負担を軽減することができる。
【0023】
図4は、一実施形態に係る作業者用装着具における装置保持部の構成例を説明する斜視図である。
図5は、装置保持部における開閉部及びその周辺の構成例を説明する部分拡大正面図である。
図5の(a)には、カメラ非使用時の装置保持部100の状態を例示しており、
図5の(b)には、カメラ使用時の装置保持部100の状態を例示している。
図6は、装置保持部の作成方法の一例を説明する分解斜視図である。
【0024】
図4に例示したように、本実施形態の装着具1における装置保持部100のうちの、閉じたときに保護部120と向かい合う面101には、タブレット端末2を保持する一対の保持部材102、103と、留め部材104~107とが設けられている。
【0025】
一対の保持部材102、103は、装置保持部100の面101に置かれたタブレット端末2における作業者3から見て上端及び下端となる辺に沿って延伸し、タブレット端末2の使用時における前後方向(非使用時における上下方向)のタブレット端末2の位置ずれ及び装置保持部100からの脱落(落下)を防ぐ部材である。一対の保持部材102、103は、それぞれ、
図6に例示したように、装置保持部100の面101に取り付ける(例えば、縫い付ける)第1の部分と、第1の部分から続くタブレット端末2の側面と向かい合わせになる第2の部分と、第2の部分から続くタブレット端末2の上面(タッチパネルディスプレイ200が設けられた面)における縁端部と向かい合わせになる第3の部分とを有する。保持部材102、103の第3の部分は、それぞれ、装着具1を装着した作業者3からみて左右方向の端部のそれぞれに、タブレット端末2の左端に沿って延伸する部位と右端に沿って延伸する部位とを有する。保持部材102、103の第2の部分は、例えば、厚さが異なる複数種類のタブレット端末2のそれぞれを保持することができるように、容易に変形させることができるように作られている。保持部材102、103の第3の部分は、例えば、タブレット端末2が脱落することを防ぐために、芯材などを入れて変形しにくいように作られている。なお、保持部材102、103の構成及び作り方は、特定の構成及び作り方に限定されない。例えば、保持部材102、103は、それぞれ、タブレット端末2を保持する機能を阻害しない範囲で、横断面の断面形状(
図3の前後方向及び上下方向を含む面での断面形状)を変形可能な弾性体材料を使用して作られたものであってもよい。
【0026】
留め部材104~107は、装置保持部100の面101に置かれたタブレット端末2における作業者3から見て左端及び右端となる辺のそれぞれに沿って設けられたフラップ状の部材であり、保持部材102又は保持部材103に留めることにより、装置保持部100の面101に置かれたタブレット端末2の左右方向のずれを防ぐ部材である。保持部材102と留め部材104及び105のそれぞれとを留める方法、保持部材103と留め部材106及び107のそれぞれとを留める方法は、特定の方法に限定されない。保持部材102と留め部材104及び105のそれぞれ、並びに保持部材103と留め部材106及び107のそれぞれは、例えば、面ファスナーにより留められる。
【0027】
なお、本実施形態の装着具1における装置保持部100には、上述したように、保持しているタブレット端末2における装置保持部100と向かい合う面101に設けられたデジタルカメラを、そのタブレット端末2を装置保持部100で保持した状態のまま使用できるようにする開閉部110が設けられている。ここで、
図5を参照して、装置保持部100における開閉部110及びその周囲の構成例を説明する。
【0028】
本実施形態の装着具1の装置保持部100で保持するタブレット端末2には、タッチパネルディスプレイ200が設けられた面とは反対側の面にカメラ210が設けられているものがある。この種のタブレット端末2を携帯する場合、例えば、タブレット端末2のカメラ210で撮影した点検箇所の画像を、点検結果と合わせて記録・保持すること、及び画像を利用した診断等に利用することができる。
【0029】
しかしながら、装置保持部100で保持するタブレット端末2のカメラ210が常に露出した状態であると、作業中にレンズに傷や汚れが付いて適切な撮影をすることができなくなる恐れがある。このため、本実施形態の装着具1では、タブレット端末2のカメラ210を使用しないときには、
図5の(a)に例示したように、開閉部110を折り返さずにカメラ210が覆われた状態にしておくことで、作業中にカメラ210のレンズに傷や汚れが付くことを防ぐ。一方、タブレット端末2のカメラ210で撮影するときには、
図5の(b)に例示したように、開閉部110を折り返してカメラ210を露出させる。これにより、例えば、カメラ210と同等の機能を有するタブレット端末2とは別体のカメラを使用することなく、またタブレット端末2を装置保持部100から取り外すことなく、点検箇所等の画像を撮影することができる。
【0030】
装置保持部100における開閉部110の構成は、特定の構成に限定されない。例えば、タブレット端末2を支持するための樹脂板を分割し、それらの樹脂板を布で挟んで縫い合わせて装置保持部100を作成することにより、可逆的に折り返し可能な開閉部110を設けてもよい。また、例えば、板厚を薄くした線状の折り返し部を有する1枚の樹脂板を布で挟んで縫い合わせて装置保持部100を作成することにより、可逆的に折り返し可能な開閉部110を設けてもよい。
【0031】
なお、装置保持部100に開閉部110を設ける場合、保持部材102の第1の部位のうちの開閉部110と重なる部分、留め部材105等を装置保持部100に取り付けることができず、タブレット端末2を安定して保持することができなくなる恐れがある。このため、本実施形態の装着具1では、
図5の(b)に例示したように、開閉部110を折り返すことにより開放される装置保持部100の左上角部に、保持部材102の第1の部位、留め部材105等を縫い付けることが可能な補強部材111を設ける。補強部材111は、例えば、
図6に例示するように、開かれた装置保持部100における装着具1を装着した作業者3から見て左上角部から上端の辺に沿って延びる第1の部分111aと、左上角部から左端の辺に沿って延びる第2の部分111bとを有する。補強部材111の第1の部分111aと第2の部分111bとは、別個のベルト状の布(生地)をL字形に縫い合わせて作成したものであってもよいし、1本のベルト状の布(生地)をL字形に折り曲げて作成したものであってもよい。
【0032】
補強部材111の第1の部分111aは、開閉部110の境界(折り返し線110a)を越えて、装置保持部100におけるタブレット端末2を保持する部位まで延伸しており、装置保持部100と重なる部位111cが装置保持部100に縫い付けられる。また、補強部材111の第1の部分111aにおける開閉部110と重なる部位には、保持部材102の第1の部位が縫い付けられる。
【0033】
補強部材111の第2の部分111bは、開閉部110の境界(折り返し線110a)を越えて装置保持部100におけるタブレット端末2を保持する部位まで延伸しており、装置保持部100と重なる部位111dが装置保持部100に縫い付けられる。また、補強部材111の第2の部分111bには、留め部材105及び107が縫い付けられる。なお、
図6では、装置保持部100におけるタブレット端末2を保持する部位に取り付けられる留め部材107も補強部材111に縫い付けているが、留め部材107は、装置保持部100に直接縫い付けられていてもよい。
【0034】
このような補強部材111を有する装着具1では、
図3を参照して上述した保持部材102の第1の部位及び留め部材105は、補強部材111に縫い付ける等の方法により、補強部材111を介して装置保持部100に取り付けられる。これにより、装置保持部100の面101により保持するタブレット端末2における作業者3から見て左上角部(背面にカメラ210が配置された部分)も安定して保持することができる。
【0035】
なお、開閉部110の位置は、
図1及び
図5に例示したような装置保持部100の左上角部に限定されない。例えば、装置保持部100で保持するタブレット端末2のカメラの位置が
図1における右上角部にある場合には、装置保持部100の右上角部に折り返し可能な開閉部110が設けられていてもよい。また、開閉部110として折り返す部分の形状は、例えば、
図5の(a)及び(b)に例示したような三角形状に限らず、装置保持部100の左端の全体又は一部、右端の全体又は一部、或いは上端の全体又は一部を含む略四角形状であってもよい。
【0036】
また、本実施形態の装着具1は、
図3を参照して上述したように、開かれた装置保持部100を支持する吊り下げバンド130が設けられている。本実施形態の装着具1における吊り下げバンド130は、
図4及び
図6に例示したように、装置保持部100の左端部において装置保持部100を支持する第1の吊り下げ部132と、装置保持部100の右端部において装置保持部100を支持する第2の吊り下げ部134とを含む1本のバンド(ベルト)からなる。
【0037】
1本のバンドからなる吊り下げバンド130は、その一端131が保護部120における装着具1を装着した作業者3から見て左上角部となる位置に取り付けられ、他端133が保護部120における装着具1を装着した作業者3から見て右上角部となる位置に取り付けられる。吊り下げバンド130の一端131及び他端133は、例えば、保護部120に縫い付けられている。
【0038】
吊り下げバンド130における、一端131から続く第1の吊り下げ部132は、装置保持部100における装着具1を装着した作業者3から見た左辺における、保護部120との連結部側の端とその反対側の端との間で装置保持部100を支持するように、装置保持部100に取り付けられる。具体的には、第1の吊り下げ部132は、
図6に例示したように、補強部材111の第2の部分111bに縫い付けられ、補強部材111を介して装置保持部100に取り付けられることにより、開かれた装置保持部100を支持する。このとき、第1の吊り下げ部132は、補強部材111の第2の部分111bにおける留め部材105が縫い付けられた部分と留め部材107が縫い付けられた部分との間で第2の部分111bに縫い付けられる。
【0039】
また、本実施形態の装着具1における吊り下げバンド130の第1の吊り下げ部132と第2の吊り下げ部134とは、1本のバンドにおける異なる部位である。吊り下げバンド130は、
図6に例示したように、第1の吊り下げ部132と第2の吊り下げ部134との間に、補強部材111の第2の部分111bに沿って延伸する第1の中間部位135と、保持部材102の第1の部位に沿って延伸する第2の中間部位136とを有する。第1の中間部位135は、補強部材111の第2の部分111bに縫い付けられる。第2の中間部位136のうちの、保持部材102の第1の部位における装置保持部100の面101に縫い付けられる区間102aと重なる区間136aは、保持部材102の第1の部位とともに装置保持部100に縫い付けられる。第2の中間部位136のうちの、保持部材102の第1の部位における補強部材111の第2の部分111bに縫い付けられる区間102bと重なる区間136bは、保持部材102の第1の部位とともに補強部材111に縫い付けられる。
【0040】
吊り下げバンド130における、他端133から続く第2の吊り下げ部134は、装置保持部100における装着具1を装着した作業者3から見た右辺における、保護部120との連結部側の端とは反対側の端の近傍で装置保持部100を支持するように、装置保持部100に取り付けられる。具体的には、第2の吊り下げ部134は、
図4及び
図6に例示したように、装置保持部100の上端と保持部材102の第1の部位が縫い付けられた部分との間となる位置で、保持部材102の第1の部位が縫い付けられた部分の方向に折り返されて上述した第2の中間部位136に続いている。すなわち、第2の吊り下げ部134における他端133とは反対側の端部は、保持部材102の第1の部位とともに装置保持部100の面101に縫い付けられ、これにより第2の吊り下げ部134は開かれた装置保持部100を支持することができる。
【0041】
このように、作業者3から見てタブレット端末2の左方側の第1の吊り下げ部132と右方側の第2の吊り下げ部134とにより開かれた装置保持部100を支持することにより、装置保持部100の左右の傾き(ねじれ)を抑制し、装置保持部100を安定して支持することができる。また、吊り下げバンド130を1本のベルトから作成し、第1の吊り下げ部132と第2の吊り下げ部134との間の第1の中間部位135及び第2の中間部位136とを補強部材111を介して装置保持部100に取り付けることにより、装置保持部100の上端部の強度を高くすることができる。このため、例えば、開かれた装置保持部100の傾きによるタブレット端末2の落下に注意すること等の作業者3の負担が軽減される。また、装置保持部100を安定して支持することができるため、装置保持部100の揺れ等によりタブレット端末2のタッチパネルディスプレイ200の視認性や操作性が低下することを抑制できる。なお、吊り下げバンド130における第1の中間部位135及び第2の中間部位136の構成及び取付方法は、
図6を参照して上述した構成及び取付方法に限定されない。
【0042】
また、開かれた装置保持部100を支持する第1の吊り下げ部132と第2の吊り下げ部134とは、例えば、
図4及び
図6に例示したように、装置保持部100の上端から装置保持部100を支持する位置までの距離が異なっていてもよい。このとき、例えば、装置保持部100における開閉部110が設けられた左端とは反対側(すなわち右端)の第2の吊り下げ部134と装置保持部100との取付位置を上端側に近づけることで、例えば、タブレット端末2を保持させる作業の作業性、タブレット端末2の操作性等の低下を抑制することができる。
【0043】
図4には、ケース4を装着したタブレット端末2を装置保持部100の面101に載置して保持する方法の一例が示されている。タブレット端末2を装置保持部100の面101に載置するときには、装置保持部100における左端の留め部材104、106のそれぞれを保持部材102、103から外し、装置保持部100の面101と保持部材102、103の第2の部位及び第3の部位との間に、ケース4を装着したタブレット端末2を差し込む。その後、例えば、保持部材102、103の第2の部位及び第3の部位によってケース4を装着したタブレット端末2が適切に保持されるように調節して留め部材104、106のそれぞれを保持部材102、103に留める。このときの調節は、例えば、装置保持部100における右端の留め部材105、107と保持部材102、103との留め位置の調整を含んでもよい。保持部材102、103と留め部材104~107との留め位置を調節することにより、装置保持部100の面101に載置したタブレット端末2を脱落しないよう適切に保持することができる。
【0044】
ケース4は、タブレット端末2の種類(機種や外形寸法等)と対応したものであればよく、特定の構成のものに限定されない。ケース4は、タブレット端末2に対する耐衝撃、防水、防塵等の機能のうちの1つ以上の機能を提供する、硬質の材料によって形成された部品を含むハードケースであり得る。ケース4は、タブレット端末2とは別体(着脱自在)のものであってもよいし、タブレット端末2の筐体と一体化されたものであってもよい。なお、装置保持部100により保持するタブレット端末2は、ケース4が装着されていない状態であってもよい。
【0045】
なお、装置保持部100の面101にタブレット端末2を保持するために使用する部材の構成は、
図4を参照して上述した保持部材102、103、及び留め部材104~107の組み合わせに限定されない。例えば、タブレット端末2を保持する部材は、装置保持部100の面101に置かれたタブレット端末2における作業者3から見て左端、下端、及び右端となる辺に沿って延伸する保持部材と、上端となる辺に設けられた留め部材との組み合わせであってもよい。
【0046】
このように、第2の吊り下げ部134が取り付けられた装置保持部100の右方からタブレット端末2を差し込む場合、差込口と対応する位置に第2の吊り下げ部134が取り付けられていると、例えば、タブレット端末2を差し込むときに第2の吊り下げ部134が引っ掛かってスムーズに差し込めない場合がある。また、例えば、作業者3がタブレット端末2を右手で操作する場合、差込口と対応する位置に第2の吊り下げ部134が取り付けられていると、第2の吊り下げ部134が右手にあたって操作しづらいことがある。このため、例えば、
図4及び
図6に例示したように、第2の吊り下げ部134を装置保持部100の上端に近い位置で装置保持部100に取り付けることにより、タブレット端末2を差し込むときに第2の吊り下げ部134が引っ掛かることや、第2の吊り下げ部134があることによりタブレット端末2を操作しづらくなることを抑制することができる。
【0047】
なお、本実施形態の装着具1では、吊り下げバンド130における第1の吊り下げ部132及び第2の吊り下げ部134のいずれか一方が省略されていてもよい。例えば、作業者3が右手でタブレット端末2を操作する場合、右端部の第2の吊り下げ部134を省略することにより、例えば、第2の吊り下げ部134があることによる操作性の低下を抑制することができる。更に、吊り下げバンド130は、例えば、第1の中間部位135及び第2の中間部位136の一部又は全部が省略され、第1の吊り下げ部132を有する第1のバンドと、第2の吊り下げ部134を有する第2のバンドに分離されていてもよい。
【0048】
更に、本実施形態の装着具1は、タブレット端末2を使用した作業を含む一連の作業の全体を安全に、かつ効率よく行うことを可能にするように構成されている。すなわち、本実施形態の装着具1は、タブレット端末2を携帯することがタブレット端末2を使用しない作業の妨げにならないような工夫がなされている。
【0049】
図7は、一実施形態に係る作業者用装着具における物品掛留部の構成例を説明する部分拡大斜視図である。
図8は、一実施形態に係る作業者用装着具の別の使用例を説明する背面図である。
【0050】
本実施形態の装着具1を装着した作業者3が行う作業は、タブレット端末2を使用した作業を含むものであればよく、特定の作業に限定されない。装着具1を装着した作業者3が行う作業は、上述したような道路、トンネル、橋梁等の点検作業であり得る。また、作業の内容によっては作業者3が着用する衣服や各種装着具に対する規格(例えば、色等)が定められているため、装着具1は、そのような規格を満たすものであることが好ましい。例えば、高速道路等で作業を行う作業者3は、走行している車両等からも明確に視認することが可能なように視認性の高い色(例えば、蛍光オレンジレッド等)の生地や再帰性反射材を使用した作業服を着用することが義務づけられている。このような作業者3が装着具1を装着する場合、装着具1による視認性の低下を抑制するように、装着具1の材料の色等を選択することが好ましい。
【0051】
例えば、
図1に例示した装着具1は、装置保持部100におけるタブレット端末2を保持する面101とは反対側の面、言い換えると、装置保持部100を閉じた状態にしたときに作業者3の前面と重なって見える面に、作業者3が着用する作業服の色(例えば、蛍光オレンジレッド等)と同一の又は類似した色の布を用いることが好ましい。これにより、装着具1と重なって見えなくなる作業服の部分の色を装着具1の装置保持部100の色で補うことができ、視認性の低下を抑制することができる。また、装置保持部100を閉じた状態にしたときに作業者3の前面と重なって見える面の色を、視認性の高い色(例えば、蛍光オレンジレッド等)にすることにより、例えば、作業者3が着用する作業服の色に視認性の高さが要求されない場合(例えば、灰色や紺色等の作業服でもよい場合)等に、視認性の高い色を付加することができる。なお、視認性の高い色は、例示した蛍光オレンジレッドに限らず、他の色であってもよい。
【0052】
また、
図1に例示した装着具1は、装置保持部100を閉じた状態にしたときに作業者3の前面と重なって見える面に、それぞれが左右方向に延伸する4本の反射テープ112~115が設けられている。反射テープ112~115のそれぞれは、外側を向いた面に再帰性反射材が使用された布テープであり、装置保持部100に縫い付けられている。4本の反射テープ112~115のうちの3本の反射テープ112~114は、それぞれ、延伸する左右方向で分割された5個のループ部を有する。例えば、反射テープ112は、左右方向における両端を含む6カ所が、
図7に示したように装置保持部100におけるタブレット端末2を保持する面101とは反対側の面108に縫い付けられており、隣り合う2カ所の縫い付けられた部分の間にある反射テープ112の部分と装置保持部100の面108によってループ部112a、112b、・・・が設けられる。また、図示は省略するが、反射テープ113及び114にも、同様のループ部が設けられる。
【0053】
反射テープ112~114のループ部には、作業時に携帯するペン5、チョーク、工具、検査器具、ホイッスル等の物品をカラビナ6等のフック部材を使用して掛け留めておくことができる。ペン5等の物品は、例えば、伸縮自在なカールコード7、又はワイヤーリール等を利用して、カラビナ6等のフック部材と連結されており、フック部材をループ部に掛け留めることにより、作業中に使用し得る様々な物品を効率よく持ち運ぶことができ、かつ物品の落下を防ぐことができる。なお、反射テープ112~114のループ部は、上述したペン5等の物品に限らず、例えば、ペン5等の物品を入れるポーチやバッグ等の小物入れを掛けて持ち運ぶことに利用してもよい。
【0054】
また、反射テープ112~115を設けることにより、例えば、装着具1と重なって見えなくなる作業服の再帰性反射材を使用した部分を装着具1の装置保持部100に設けた反射テープ112~115で補うことができ、視認性の低下を抑制することができる。また、反射テープ112~115を設けることにより、例えば、作業者3が着用する作業服の色に視認性の高さが要求されない場合等に、視認性を高くすることができる。なお、
図1に例示した装着具1には、4本の反射テープ112~115が設けられているが、反射テープの数は4本に限定されない。また、上述したループ部を設ける反射テープの数、及び1個の反射テープに設けるループ部の数も、特定の数に限定されない。
【0055】
また、装着具1は、上述した反射テープ112~114を利用したループ部に限らず、反射テープとは別の布(生地)を利用したループ部が設けられていてもよい。例えば、
図1に例示した装置保持部100における右上端部のループ部116は、タブレット端末2とは別体のカメラを取り付けることに利用可能なものであり、黒色の布を利用して設けられていてもよい。
【0056】
更に、タブレット端末2を使用する作業は、例えば、フルハーネス等と呼ばれることがある墜落制止用器具(安全帯)を装着した作業者3が行うこともある。このため、本実施形態の装着具1における上述した一対の肩掛け部140、145、一対の胴回し部150、155、及びクッション部160は、墜落制止用器具を装着した作業者3でも装着具1を容易に装着でき、かつ作業を安全に行うことができるようにすることが好ましい。
【0057】
例えば、
図8に示したように、墜落制止用器具9を装着した作業者3の背面には、ランヤード(命綱)の一端が取り付けられるランヤード取付部900があり、墜落制止用器具9のランヤード取付部900と装着具1のクッション部160とが重なると、例えば、ランヤード取付部900が作業者3の背面に押し付けられて違和感や痛みが生じる恐れがある。このため、本実施形態の装着具1における一対の肩掛け部140、145、一対の胴回し部150、155、及びクッション部160は、
図8に例示したように、墜落制止用器具9のランヤード取付部900と干渉しないように、装着具1を装着できるようにすることが好ましい。
【0058】
また、墜落制止用器具9を装着した作業者3が装着具1を装着した場合、ランヤードのフックを作業現場に架設した親綱や足場等に掛けて行う作業の前後、又は合間に、フックを親綱や足場から外して移動や別の作業を行うことがある。このため、本実施形態の装着具1では、例えば、
図1、
図2、及び
図4等に例示したように、親綱や足場から外したランヤードのフックを掛けておくDリング等の掛置部122、123を保護部120に設けることが好ましい。このようにすることで、親綱や足場から外したランヤードのフックを掛置部122、123に掛けて両手が自由な状態で、タブレット端末2の操作やその他の作業をすることができる。
【0059】
図1~
図8を参照して説明した装着具1は、上記のように、本発明に係る装着具1の一例(一実施形態)に過ぎない。本発明に係る装着具1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成を変更すること、一部の構成を省略すること、又は例示していない他の構成を追加することが可能である。例えば、装着具1における装置保持部100と保護部120とは、無段階ヒンジ等により、保護部120に対する装置保持部100の角度を調節可能であり、かつ一定の角度に保持可能に連結されていてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 作業者用装着具(装着具)
100 装置保持部
102、103 保持部材
104~107 留め部材
110 カメラ開放部
111 補助部材
112~115 反射テープ
120 保護部
121 フラップ
122、123 掛置部
130 吊り下げバンド
132、134 吊り下げ部
135、136 中間部位
140、145 肩掛け部
150、155 胴回し部
160 クッション部
2 携帯型情報処理装置(タブレット端末)
200 タッチパネルディスプレイ
210 カメラ
3 作業者
4 ケース
5 ペン
6 カラビナ
7 カールコード
9 墜落制止用器具
900 ランヤード取付部