(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156772
(43)【公開日】2023-10-25
(54)【発明の名称】電磁継電器
(51)【国際特許分類】
H01H 50/38 20060101AFI20231018BHJP
H01H 50/02 20060101ALI20231018BHJP
H01H 50/00 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
H01H50/38 A
H01H50/02 B
H01H50/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066326
(22)【出願日】2022-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100206760
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 惇
(72)【発明者】
【氏名】堀江 彩太
(72)【発明者】
【氏名】箕輪 亮太
(72)【発明者】
【氏名】小川 真一
(57)【要約】
【課題】接点ケースに対して磁石が移動することを抑制できる電磁継電器を提供する。
【解決手段】電磁継電器は、第1固定端子と、可動接触片と、接点ケースと、磁石と、磁石保持部材とを備える。第1固定端子は、第1固定接点を含む。可動接触片は、第1固定接点と対向して配置される第1可動接点を含む。接点ケースは、第1固定接点と可動接触片とを収容する。磁石は、接点ケースの内部に磁界を発生させる。磁石保持部材は、樹脂製である。磁石保持部は、撓み可能な撓み部を含む。磁石保持部材は、撓み部が撓むことにより磁石を保持する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1固定接点を含む第1固定端子と、
前記第1固定接点と対向して配置される第1可動接点を含む可動接触片と、
前記第1固定接点と、前記可動接触片とを収容する接点ケースと、
前記接点ケースの内部に磁界を発生させる磁石と、
撓み可能な撓み部を含み、前記撓み部が撓むことにより前記磁石を保持する樹脂製の磁石保持部材と、
を備える、
電磁継電器。
【請求項2】
前記磁石保持部材は、前記接点ケースに固定されている、
請求項1に記載の電磁継電器。
【請求項3】
前記磁石保持部材は、前記接点ケースに一体形成されている、
請求項2に記載の電磁継電器。
【請求項4】
前記磁石保持部材の前記撓み部は、前記接点ケースの外面から延びる第1壁と、前記接点ケースの内面から延びる第2壁とを含み、
前記磁石は、前記第1壁と前記第2壁とに挟持される、
請求項1に記載の電磁継電器。
【請求項5】
前記接点ケースの外側に配置される外ケースをさらに備え、
前記磁石保持部材は、前記外ケースに固定されている、
請求項1に記載の電磁継電器。
【請求項6】
前記磁石保持部材は、前記外ケースの内面から延びる第1壁と、前記外ケースの内面から延びる第2壁とを含み、
前記磁石は、前記第1壁と前記第2壁とに挟持される、
請求項5に記載の電磁継電器。
【請求項7】
前記第1可動接点は、前記第1可動接点が前記第1固定接点に近づく接触方向と、前記第1可動接点が前記第1固定接点から離れる開離方向とを含む第1方向に前記第1固定接点と対向して配置され、
前記磁石は、前記第1方向から見て、前記第1固定端子と重なる
請求項1から6のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【請求項8】
前記第1可動接点は、前記第1可動接点が前記第1固定接点に近づく接触方向と、前記第1可動接点が前記第1固定接点から離れる開離方向とを含む第1方向に前記第1固定接点と対向して配置され、
前記磁石保持部材は、前記磁石を前記第1方向から挟持する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【請求項9】
第2固定接点を含み、前記第1固定端子から離れて配置される第2固定端子をさらに備え、
前記可動接触片は、前記第2固定接点と対向して配置される第2可動接点をさらに含む、
請求項1から6のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁継電器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、 磁石の磁力を利用して接点に生じるアークを伸長させて消弧する電磁継電器が知られている。磁石は、カバーに固定されたヨークに吸着することでヨークに保持されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電磁継電器では、磁石は、ヨークに吸着することでヨークに保持されている。すなわち、磁石は、接点ケースやカバーに固定されていない。このため、電磁継電器が衝撃を受けたときに磁石が移動して、電磁継電器の動作に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0005】
本発明の課題は、接点ケースに対して磁石が移動することを抑制できる電磁継電器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る電磁継電器は、第1固定端子と、可動接触片と、接点ケースと、磁石と、磁石保持部材とを備える。第1固定端子は、第1固定接点を含む。可動接触片は、第1固定接点と対向して配置される第1可動接点を含む。接点ケースは、第1固定接点と可動接触片とを収容する。磁石は、接点ケースの内部に磁界を発生させる。磁石保持部材は、樹脂製である。磁石保持部は、撓み可能な撓み部を含む。磁石保持部材は、撓み部が撓むことにより磁石を保持する。
【0007】
この電磁継電器では、磁石は、磁石保持部材の撓み部が撓むことにより保持される。すなわち、磁石は、撓み部を撓ませて弾性変形させることで発生する弾性力によって保持される。これにより、接点ケースに対して磁石が移動することを抑制できる。その結果、電磁継電器が衝撃を受けたときに磁石が移動して電磁継電器の動作に悪影響を及ぼすことを抑制できる。また、例えば、磁石をシール部材で固定する場合に比べて、磁石が移動することを簡単な構成で抑制できるので、電磁継電器の製造コストが増大することを抑制できる。
【0008】
磁石保持部材は、接点ケースに固定されてもよい。この場合は、磁石を接点ケースの近傍に配置することができる。
【0009】
磁石保持部材は、接点ケースに一体形成されてもよい。この場合は、部品点数を削減できる。
【0010】
磁石保持部材の撓み部は、接点ケースの外面から延びる第1壁と、接点ケースの内面から延びる第2壁とを含んでもよい。磁石は、第1壁と第2壁とに挟持されてもよい。この場合は、簡単な構成で磁石を保持することができる。
【0011】
電磁継電器は、接点ケースの外側に配置される外ケースをさらに備えてもよい。磁石保持部材は、外ケースに固定されてもよい。この場合は、外ケースを利用して磁石を保持することができる。
【0012】
磁石保持部材は、外ケースの内面から延びる第1壁と、外ケースの内面から延びる第2壁とを含んでもよい。磁石は、第1壁と第2壁とに挟持されてもよい。この場合は、簡単な構成で磁石を保持することができる。
【0013】
第1可動接点は、第1可動接点が第1固定接点に近づく接触方向と、第1可動接点が第1固定接点から離れる開離方向とを含む第1方向に第1固定接点と対向して配置されてもよい。磁石は、第1方向から見て、第1固定端子と重なってもよい。この場合は、第1方向から見て、磁石と第1固定端子とが重なる電磁継電器において、接点ケースに対して磁石が移動することを抑制できる。
【0014】
第1可動接点は、第1可動接点が第1固定接点に近づく接触方向と、第1可動接点が第1固定接点から離れる開離方向とを含む第1方向に第1固定接点と対向して配置されてもよい。磁石保持部材は、磁石を第1方向から挟持してもよい。この場合は、磁石が第1方向に移動することを磁石保持部材によって抑制できる。
【0015】
電磁継電器は、第2固定端子をさらに備えてもよい。第2固定端子は、第1固定端子から離れて配置されてもよい。第2固定端子は、第2固定接点を含んでもよい。可動接触片は、第2固定接点と対向して配置される第2可動接点をさらに含んでもよい。
【0016】
本発明によれば、接点ケースに対して磁石が移動することを抑制できる電磁継電器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一態様に係る電磁継電器100の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面を参照するときにおいて、X1方向を左方向、X2方向を右方向、Y1方向を前方向、Y2方向を後方向、Z1方向を上方向、Z2方向を下方向として説明する。また、X1,X2方向を左右方向、Y1,Y2方向を前後方向、Z1,Z2方向を上下方向として説明する。これらの方向は、説明の便宜上、定義されるものであって、電磁継電器100の配置方向を限定するものではない。
【0019】
図1に示すように、電磁継電器100は、ケース2と、接点ケース3と、接点装置4と、駆動装置5と、を備えている。
【0020】
ケース2は、略四角形の箱型であり、例えば樹脂などの絶縁材で形成されている。ケース2は、接点ケース3、接点装置4及び駆動装置5を収容する。ケース2は、外ケースの一例である。
【0021】
接点ケース3は、ケース2内に配置されている。接点ケース3は、駆動装置5の上部に配置されている。接点ケース3は、略四角形の箱型であり、樹脂などの絶縁材で形成されている。接点ケース3は、例えば樹脂などの絶縁材で形成されている。
【0022】
接点ケース3は、上ケース31と、下ケース32と、第1端子支持部33と、第2端子支持部34とを含む。上ケース31は、下方に向かって開口している。上ケース31は、下ケース32の上部に配置されている。上ケース31は、下ケース32と別体である。上ケース31は、例えば、スナップフィット結合により下ケース32に固定される。下ケース32は、上方に向かって開口している。下ケース32は、上方が上ケース31によって覆われている。
【0023】
第1端子支持部33及び第2端子支持部34は、上ケース31に形成されている。第1端子支持部33は、上ケース31から右方に突出している。第1端子支持部33は、右方に向かって開口している。第2端子支持部34は、上ケース31から左方に突出している。第2端子支持部34は、左方に向かって開口している。
【0024】
接点装置4は、第1固定端子6と、第2固定端子7と、可動接触片8とを含む。
【0025】
第1固定端子6及び第2固定端子7は、板状の端子であり、導電性を有する材料で形成されている。第1固定端子6及び第2固定端子7は、左右方向に延びている。第1固定端子6及び第2固定端子7は、接点ケース3の内部と外部とに亘って延びている。第1固定端子6及び第2固定端子7は、左右方向に互いに離れて配置されている。第1固定端子6及び第2固定端子7は、接点ケース3の上ケース31に保持されている。
【0026】
第1固定端子6は、第1端子支持部33に圧入固定されている。第1固定端子6は、ケース2の右壁2aから外部に突出している。第1固定端子6は、第1固定端子6は、ケース2の右壁2aに対して隙間を有しており、ケース2に固定されていない。なお、第1固定端子6は、ケース2に保持される構成であってもよい。
【0027】
第1固定端子6は、第1固定接点6aと、第1外部接続部6bとを含む。第1固定接点6aは、接点ケース3に収容されている。第1固定接点6aは、第1固定端子6の下面に配置されている。第1外部接続部6bは、ケース2の外部に配置されている。第1外部接続部6bは、バスバーなどの図示しない外部端子に接続される。
【0028】
第2固定端子7は、第1固定端子6と左右対称な形状を有している。第2固定端子7は、第1固定端子6の左方に配置されている。第2固定端子7は、第2端子支持部34に圧入固定されている。第2固定端子7は、ケース2の左壁2bから外部に突出している。第2固定端子7は、ケース2の左壁2bに対して隙間を有しており、ケース2に固定されていない。なお、第2固定端子7は、ケース2に保持される構成であってもよい。
【0029】
第2固定端子7は、第2固定接点7aと、第2外部接続部7bとを含む。第2固定接点7aは、接点ケース3に収容されている。第2固定接点7aは、第2固定端子7の下面に配置されている。第2外部接続部7bは、ケース2の外部に配置されている。第2外部接続部7bは、バスバーなどの図示しない外部端子に接続される。
【0030】
可動接触片8は、接点ケース3に収容されている。可動接触片8は、一方向に長い板状の端子であり、導電性を有する材料で形成されている。可動接触片8は、左右方向に延びている。可動接触片8は、上下方向に移動可能である。
【0031】
可動接触片8は、第1可動接点8aと、第2可動接点8bと、を含む。第1可動接点8a及び第2可動接点8bは、可動接触片8の上面に配置されている。第1可動接点8aは、第1可動接点8aが第1固定接点6aに近づく接触方向と、第1可動接点8aが第1固定接点6aから離れる開離方向とを含む第1方向に第1固定接点6aと対向して配置されている。本実施形態において、上下方向は、第1方向の一例であり、上方向は、接触方向の一例であり、下方向は、開離方向の一例である。第2可動接点8bは、第2固定接点7aと上下方向に対向して配置されている。
【0032】
駆動装置5は、ケース2の内部に配置されている。駆動装置5は、可動接触片8を上下方向に移動させる。駆動装置5は、可動機構11と、コイル12と、可動鉄心13と、固定鉄心14と、ヨーク15,16と、復帰バネ17とを含む。
【0033】
可動機構11は、可動接触片8に連結されている。可動機構11は、ホルダ11aと、駆動軸11bと、接点バネ11cとを含む。ホルダ11aは、可動接触片8を保持している。ホルダ11aは、可動接触片8と一体移動する。駆動軸11bは、上下方向に延びている。駆動軸11bは、ホルダ11aに対して上下方向に相対移動可能にホルダ11aに接続されている。接点バネ11cは、ホルダ11aと駆動軸11bとの間に配置されている。接点バネ11cは、ホルダ11aを介して可動接触片8を上方に付勢する。
【0034】
コイル12は、電圧が印加されて励磁されると、可動鉄心13を上方に移動させる電磁力を発生させる。可動鉄心13は、駆動軸11bに一体移動可能に固定されている。固定鉄心14は、可動鉄心13の上方で可動鉄心13と対向して配置されている。ヨーク15,16は、コイル12を囲むように配置されている。ヨーク15は、略U字状の形状を有しており、固定鉄心14に接続されている。ヨーク16は、コイル12の下方に配置され、ヨーク15に接続されている。復帰バネ17は、可動鉄心13を下方に付勢する。
【0035】
電磁継電器100の動作は、従来と同様であるため簡略に説明する。
図1は、コイル12が励磁されていない状態を示している。この状態では、第1可動接点8aが第1固定接点6aから離れており、第2可動接点8bが第2固定接点7aから離れている。コイル12が励磁されると、可動鉄心13が固定鉄心14に吸着されて駆動軸11bとともに上方に移動する。駆動軸11bの移動に伴い、可動接触片8が接点バネ11cを介して上方に移動することで、第1可動接点8aが第1固定接点6aに接触し、第2可動接点8bが第2固定接点7aに接触する。コイル12への電圧の印加が停止されると、復帰バネ17の付勢力によって可動鉄心13とともに駆動軸11bが下方に移動する。これにより、可動接触片8が下方に移動し、第1可動接点8aが第1固定接点6aから離れ、第2可動接点8bが第2固定接点7aから離れる。
【0036】
電磁継電器100は、第1磁石40と、第2磁石50と、第1磁石保持部材60と、図示しない第2磁石保持部材とをさらに備えている。第1磁石40は、磁石の一例である。第1磁石保持部材60は、磁石保持部材の一例である。
【0037】
第1磁石40及び第2磁石50は、接点ケース3の内部に磁界を発生させる。第1磁石40及び第2磁石50は、永久磁石である。第1磁石40及び第2磁石50は、直方体形状を有している。
【0038】
第1磁石40は、ケース2の内部に配置されている。第1磁石40は、第1磁石40は、接点ケース3の右側方に配置されている。第1磁石40は、接点ケース3に接触して配置されている。第1磁石40は、第1固定端子6の下方に配置されており、上下方向から見て第1固定端子6と重なる。第1磁石40は、第1端子支持部33の下方に配置されており、上下方向から見て第1端子支持部33と重なる。第1磁石40は、第1磁石保持部材60に保持される。第1磁石40は、第1磁石保持部材60に圧入固定される。
【0039】
第2磁石50は、ケース2の内部に配置されている。第2磁石50は、接点ケース3の左側方に配置されている。第2磁石50は、接点ケース3に接触して配置されている。第2磁石50は、第1磁石40と左右方向に対向するように配置されている。第2磁石50は、第2固定端子7の下方に配置されており、上下方向から見て第2固定端子7と重なる。第2磁石50は、第2端子支持部34の下方に配置されており、上下方向から見て第2端子支持部34と重なる。
【0040】
第1磁石保持部材60は、樹脂製である。第1磁石保持部材60は、接点ケース3に固定されている。本実施形態では、第1磁石保持部材60は、接点ケース3に一体形成されている。第1磁石保持部材60は、接点ケース3の右側部に配置されている。
【0041】
第1磁石保持部材60は、撓み可能な撓み部61と、支持部62,63とを含む。第1磁石保持部材60は、撓み部61が撓むことにより第1磁石40を保持する。本実施形態では、撓み部61は、前後方向に撓むことが可能であり、第1磁石40を前後方向から挟持して第1磁石40を保持する。
【0042】
撓み部61は、第1壁61aと、第2壁61bとを含む。第1壁61a及び第2壁61bは、接点ケース3の外面から延びている。第1壁61a及び第2壁61bは、接点ケース3の下ケース32の右壁から右方に延びている。 第1壁61a及び第2壁61bは、前後方向と直交する方向に延びている。
【0043】
第1壁61a及び第2壁61bは、前後方向に撓むことが可能である。第1壁61aと第2壁61bとは、前後方向に互いに対向して配置されている。第1壁61aの後面から第2壁61bの前面までの寸法は、前後方向における第1磁石40の寸法よりも小さい。
【0044】
第1磁石40は、例えば、上方から第1壁61aと第2壁61bとの間に挿入される。第1磁石40は、撓み部61の第1壁61a及び第2壁61bが弾性変形することで発生する弾性力によって保持される。詳細には、第1磁石40が第1磁石保持部材60に保持された状態では、第1壁61aは、前方に撓み、第2壁61bは後方に撓んだ状態にある。すなわち、第1磁石40が第1磁石保持部材60に保持された状態では、第1壁61aと第2壁61bとは、互いに離れる方向に撓んだ状態にある。これにより、第1磁石40は、第1壁61aと第2壁61bとによって前後方向に挟持されて、第1磁石40が接点ケース3に対して固定される。
【0045】
支持部62,63は、第1磁石40の下面を支持する。支持部62は、第1壁61aに接続されている。支持部63は、第2壁61bに接続されている。支持部62と支持部63とは、前後方向に離れている。支持部62は、第1壁61aから離れていてもよい。支持部63は、第2壁61bから離れていてもよい。支持部62,63は、第1磁石40の右面を支持する形状を有してもよい。
【0046】
第2磁石保持部は、第1磁石保持部材60と左右対称な形状を有している。第2磁石保持部は、接点ケース3の左側部に配置されている。第2磁石保持部は、第2磁石50を保持する。第2磁石保持部材は、第1磁石保持部材60と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0047】
この電磁継電器100では、第1磁石40は、第1磁石保持部材60の撓み部61が撓むことにより保持される。すなわち、第1磁石40は、撓み部61を撓ませて弾性変形させることで発生する弾性力によって保持される。これにより、接点ケース3に対して第1磁石40が移動することを抑制できる。その結果、電磁継電器100が衝撃を受けたときに第1磁石40が移動して、電磁継電器100の動作に悪影響を及ぼすことを抑制できる。また、例えば、第1磁石40をシール部材で固定する場合に比べて、第1磁石40が移動することを簡単な構成で抑制できるので、電磁継電器100の製造コストが増大することを抑制できる。
【0048】
以上、本発明の一態様に係る電磁継電器の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0049】
接点ケース3の構成は変更されてもよい。接点ケース3は、単一の部材で構成されてもよい。接点装置4の構成が変更されてもよい。例えば、第1固定端子6及び第2固定端子7は、円柱状の端子であってもよい。駆動装置5の構成は変更されてもよい。駆動装置5は、可動鉄心13を下方向に押し下げる構成であってもよい。この場合、可動接触片8は、第1固定端子6及び第2固定端子7の上方に配置される。
【0050】
電磁継電器100は、第1磁石40と第2磁石50とに接続されるヨークをさらに備えてもよい。
【0051】
第1磁石保持部材60は、接点ケース3と別部材で構成されてもよい。支持部62,63は、省略されてもよい。第1磁石保持部材60は、前後方向における第1磁石40の中央下面を支持する支持部を含んでもよい。
【0052】
前記実施形態では、撓み部61が前後方向に撓むことで第1磁石40を保持していた。しかしながら、撓み部61の撓む方向は特に限定されない。例えば、撓み部61は、上下方向或いは左右方向に撓むことで第1磁石40を保持する構成であってもよい。また、第1磁石40は、2つの部材で挟持される構成であってもよい。例えば、第1磁石40は、上ケース31と下ケース32とによって上下方向から挟持される構成であってもよい。この場合、撓み部61の第1壁61aを上ケース31に配置して、撓み部61の第2壁61bを下ケース32に配置して、第1壁61aと第2壁61bとによって第1磁石40を上下方向から挟持する構成であってもよい。
【0053】
第1磁石保持部材60は、第1磁石40をガイドする形状を有してもよい。例えば、前記実施形態において、撓み部61の第1壁61a及び第2壁61bの少なくとも一方は、左右方向に対して第1磁石40をガイドする形状を有してもよい。また、第1壁61aの先端内面及び/又は第2壁61bの先端内面は、テーパ状に形成されてもよい。この場合は、第1磁石40を第1磁石保持部材60に配置するときに、第1壁61aと第2壁61bとの間に磁石を挿入し易くなる。
【0054】
第1磁石保持部材60は、接点ケース3とは異なる部材に固定されてもよい。例えば、
図4に示すように、第1磁石保持部材60は、ケース2(外ケースの一例)に固定されてもよい。第1磁石保持部材60は、ケース2に一体形成されてもよい。
図4に示す実施例では、第1壁61a及び第2壁61bは、ケース2の内面から左方に延びており、第1磁石40は、第1壁61a及び第2壁61bによって上下方向から挟持されている。
【0055】
第1磁石40の配置は変更されてもよい。第1磁石40は、接点ケース3に対して前方又は後方に配置される電磁継電器に本発明を適用してもよい。例えば、第1磁石40が接点ケース3に対して前方に配置される場合、第1磁石保持部材60は、接点ケース3の前壁に配置されてもよい。
【符号の説明】
【0056】
2 ケース(外ケースの一例)
3 接点ケース
6 第1固定端子
6a 第1固定接点
7 第2固定端子
7a 第2固定接点
40 第1磁石(磁石の一例)
60 第1磁石保持部材(磁石保持部材の一例)
60a 第1壁
60b 第2壁
100 電磁継電器