(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156800
(43)【公開日】2023-10-25
(54)【発明の名称】クリーニング施設及びクリーニング方法
(51)【国際特許分類】
E04H 3/02 20060101AFI20231018BHJP
D06F 95/00 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
E04H3/02 C
D06F95/00
E04H3/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066378
(22)【出願日】2022-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000196129
【氏名又は名称】西川株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】矢萩 元重
(57)【要約】
【課題】寝具の洗濯及び乾燥を適切に行うことができるクリーニング施設及びクリーニング方法を提供する。
【解決手段】一実施形態に係るクリーニング施設1は、寝具を洗濯する洗濯乾燥機と、寝具を乾燥させる乾燥機とを有する複数の施設2からなるクリーニング施設である。複数の施設2のそれぞれは、寝具を取り扱う寝具取扱店10,20,30によって管理されている。複数の施設2は、クリーニング施設1の利用者から寝具を受け取り、洗濯乾燥機及び乾燥機を用いて寝具の洗濯及び乾燥を行う第1施設21と、利用者自らが洗濯乾燥機及び乾燥機を用いて寝具の洗濯及び乾燥を行う第2施設22とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
寝具を洗濯する洗濯機と、前記寝具を乾燥させる乾燥機とを有する複数の施設からなるクリーニング施設であって、
複数の前記施設のそれぞれは、前記寝具を取り扱う寝具取扱店によって管理されており、
複数の前記施設は、
前記クリーニング施設の利用者から前記寝具を受け取り、前記洗濯機及び前記乾燥機を用いて前記寝具の洗濯及び乾燥を行う第1施設と、
前記利用者自らが前記洗濯機及び前記乾燥機を用いて前記寝具の前記洗濯及び前記乾燥を行う第2施設とを含む、
クリーニング施設。
【請求項2】
前記寝具の種類に応じて前記洗濯及び前記乾燥の少なくともいずれかの内容が互いに異なる複数のコースから、前記利用者が1つのコースを選択可能である、
請求項1記載のクリーニング施設。
【請求項3】
前記第2施設は、前記寝具のみの前記洗濯及び前記乾燥を行う寝具専用施設を含む、
請求項1又は2記載のクリーニング施設。
【請求項4】
前記第2施設は、前記寝具及び衣類の前記洗濯及び前記乾燥を行う寝具衣類兼用施設を含む、
請求項1又は2記載のクリーニング施設。
【請求項5】
寝具を洗濯する洗濯機と、前記寝具を乾燥させる乾燥機とを有する複数の施設からなるクリーニング施設を用いたクリーニング方法であって、
複数の前記施設は、前記寝具を取り扱う寝具取扱店によって管理されている第1施設及び第2施設を含み、
前記第1施設において、前記クリーニング施設の利用者から前記寝具を受け取り、前記洗濯機及び前記乾燥機を用いて前記寝具の洗濯及び乾燥を行う第1工程と、
前記第2施設において、前記利用者自らが前記洗濯機及び前記乾燥機を用いて前記寝具の前記洗濯及び前記乾燥を行う第2工程と、
前記利用者が前記第1工程及び前記第2工程のいずれかを選択する工程とを備える、
クリーニング方法。
【請求項6】
前記寝具の種類に応じて前記洗濯及び前記乾燥の少なくともいずれかの内容が互いに異なる複数のコースから、前記利用者が1つのコースを選択する工程をさらに備える、
請求項5記載のクリーニング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、クリーニング施設及びクリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2019-176966号公報には、コインランドリーの洗濯サービスシステムが記載されている。この洗濯サービスシステムは、ランドリー機器と、被洗濯物を収容する洗濯ネットと、被洗濯物を保管するボックスとを備える。コインランドリー店舗(クリーニング施設)の利用者は、洗濯ネットに被洗濯物を入れ、希望する洗濯・乾燥コースを指定する。そして、当該店舗の店員等の第三者が指定された洗濯・乾燥コースにて洗濯ネットに入れられた被洗濯物の洗濯・乾燥又は乾燥を実施する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、クッション材と、当該クッション材を収容する側地とを備えた寝具において、そのクッション材等に空気が多く含まれていることがある。この場合、寝具を洗濯するに際し、寝具が水に浮いてしまい、寝具に水分が浸透するまでに相当の時間と水量を要することがある。寝具は、衣類等と比較して、複雑な形状を有することがあるので、衣類等と同じように洗濯及び乾燥を行うと、適切に洗濯及び乾燥を行えないということが起こりうる。よって、寝具を洗濯及び乾燥する場合には、適切な方法によって行うことが求められる。
【0005】
寝具を適切に洗濯及び乾燥するために、クリーニング施設の利用者が、寝具の洗濯又は乾燥の方法について助言を受けたい場合がある。しかし、前述のクリーニング施設では、利用者により洗濯ネットに入れられた被洗濯物の洗濯及び乾燥を洗濯代行者が代行するのみで、寝具の洗濯及び乾燥の方法について適切な助言を受けられないということが想定される。
【0006】
本開示は、寝具の洗濯及び乾燥を適切に行うことができるクリーニング施設及びクリーニング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るクリーニング施設は、寝具を洗濯する洗濯機と、寝具を乾燥させる乾燥機とを有する複数の施設からなるクリーニング施設である。複数の施設のそれぞれは、寝具を取り扱う寝具取扱店によって管理されている。複数の施設は、クリーニング施設の利用者から寝具を受け取り、洗濯機及び乾燥機を用いて寝具の洗濯及び乾燥を行う第1施設と、利用者自らが洗濯機及び乾燥機を用いて寝具の洗濯及び乾燥を行う第2施設とを含む。
【0008】
本開示に係るクリーニング施設では、複数の施設が寝具を取り扱う寝具取扱店によって管理されている。複数の施設のそれぞれが寝具取扱店によって管理されているので、当該施設において寝具の洗濯及び乾燥が行われるときに、利用者は寝具の洗濯及び乾燥の方法について寝具取扱店から助言を受けることができる。利用者は、クリーニング施設において、寝具取扱店にいる店員又はクリーニング師等、寝具の専門家から助言を受けることができるので、寝具の洗濯及び乾燥を適切に行うことができる。第1施設では、利用者自らではなく、第1施設の店員又はクリーニング師等により寝具の洗濯及び乾燥が行われる。このため、利用者は、寝具に関する助言を店員等から受けられると共に、寝具の洗濯及び乾燥を第1施設のクリーニング師等に任せることができる。また、第2施設では、利用者自らが寝具の洗濯及び乾燥を行う。このため、利用者は、寝具に関する助言を受けることができると共に、利用者自らのペースで寝具の洗濯及び乾燥を行うことができる。さらに、利用者は、第1施設及び第2施設のいずれを利用するかを選択することができる。したがって、寝具の洗濯及び乾燥を適切に行うことができる。
【0009】
本開示に係るクリーニング施設は、寝具の種類に応じて洗濯及び乾燥の少なくともいずれかの内容が互いに異なる複数のコースから、利用者が1つのコースを選択可能であってもよい。この場合、利用者は、寝具の種類に応じて洗濯及び乾燥の内容を選択できる。例えば、寝具が羽毛布団等のデリケートな素材により構成されている場合、寝具に負荷がかかりにくい洗濯及び乾燥の内容とすることができる。また、寝具の種類に応じて、例えば洗濯を行う際に用いられる助剤又は水の種類を適切なものとすることができる。以上より、寝具の洗濯及び乾燥をより適切に行うことができる。
【0010】
本開示に係るクリーニング施設では、第2施設は、寝具のみの洗濯及び乾燥を行う寝具専用施設を含んでもよい。この場合、寝具専用施設は、寝具のみの洗濯及び乾燥を行うため、寝具専用施設の敷地面積を第1施設の敷地面積よりも小さくすることができる。これにより、例えば小さい敷地面積を有する店舗等に対しても寝具専用施設を配置できる。
【0011】
本開示に係るクリーニング施設では、第2施設は、寝具及び衣類の洗濯及び乾燥を行う寝具衣類兼用施設を含んでもよい。この場合、利用者は、寝具衣類兼用施設を利用することで、寝具と共に衣類の洗濯及び乾燥を行うことができる。衣類の洗濯及び乾燥は、寝具の洗濯及び乾燥よりも容易であるため、利用者が一層気軽にクリーニング施設を利用することができる。
【0012】
本開示に係るクリーニング方法は、寝具を洗濯する洗濯機と、寝具を乾燥させる乾燥機とを有する複数の施設からなるクリーニング施設を用いたクリーニング方法である。複数の施設は、寝具を取り扱う寝具取扱店によって管理されている第1施設及び第2施設を含む。クリーニング方法は、第1施設において、クリーニング施設の利用者から寝具を受け取り、洗濯機及び乾燥機を用いて寝具の洗濯及び乾燥を行う第1工程と、第2施設において、利用者自らが洗濯機及び乾燥機を用いて寝具の洗濯及び乾燥を行う第2工程と、利用者が第1工程及び第2工程のいずれかを選択する工程とを備える。
【0013】
本開示に係るクリーニング方法では、寝具を取り扱う寝具取扱店によって管理されている複数の施設が用いられる。複数の施設のそれぞれが寝具取扱店によって管理されていることにより、当該施設において寝具の洗濯及び乾燥が行われるときに、利用者が寝具の洗濯及び乾燥の方法について店員又はクリーニング師等から助言を受けることができる。前述したクリーニング施設と同様、クリーニング師等の専門家から助言を受けることができるので、寝具の洗濯及び乾燥を適切に行うことができる。第1工程では、利用者は、寝具に関する助言を第1施設の店員等から受けられると共に、寝具の洗濯及び乾燥を第1施設のクリーニング師等に任せることができる。また、第2工程では、第2施設において、利用者自らが寝具の洗濯及び乾燥を行う。このため、利用者は、寝具に関する助言を受けることができると共に、利用者自らのペースで寝具の洗濯及び乾燥を行うことができる。さらに、利用者は、第1工程及び第2工程のいずれかを選択する。したがって、寝具の洗濯及び乾燥を適切に行うことができる。
【0014】
本開示に係るクリーニング方法は、寝具の種類に応じて洗濯及び乾燥の少なくともいずれかの内容が互いに異なる複数のコースから、利用者が1つのコースを選択する工程をさらに備えてもよい。この場合、利用者は、寝具の種類に応じて洗濯及び乾燥の内容を選択できる。したがって、前述したクリーニング施設と同様、寝具の種類に応じて、例えば洗濯を行う際に用いられる助剤又は水の種類を適切なものとすることができる。以上より、寝具の洗濯及び乾燥をより適切に行うことができる。
【0015】
すなわち、本開示の要旨は以下の[1]~[6]に存する。
[1]寝具を洗濯する洗濯機と、寝具を乾燥させる乾燥機とを有する複数の施設からなるクリーニング施設であって、複数の施設のそれぞれは、寝具を取り扱う寝具取扱店によって管理されており、複数の施設は、クリーニング施設の利用者から寝具を受け取り、洗濯機及び乾燥機を用いて寝具の洗濯及び乾燥を行う第1施設と、利用者自らが洗濯機及び乾燥機を用いて寝具の洗濯及び乾燥を行う第2施設とを含む、クリーニング施設。
[2]寝具の種類に応じて洗濯及び乾燥の少なくともいずれかの内容が互いに異なる複数のコースから、利用者が1つのコースを選択可能である、[1]記載のクリーニング施設。
[3]第2施設は、寝具のみの洗濯及び乾燥を行う寝具専用施設を含む、[1]又は[2]記載のクリーニング施設。
[4]第2施設は、寝具及び衣類の洗濯及び乾燥を行う寝具衣類兼用施設を含む、[1]~[3]のいずれかに記載のクリーニング施設。
[5]寝具を洗濯する洗濯機と、寝具を乾燥させる乾燥機とを有する複数の施設からなるクリーニング施設を用いたクリーニング方法であって、複数の施設は、寝具を取り扱う寝具取扱店によって管理されている第1施設及び第2施設を含み、第1施設において、クリーニング施設の利用者から寝具を受け取り、洗濯機及び乾燥機を用いて寝具の洗濯及び乾燥を行う第1工程と、第2施設において、利用者自らが洗濯機及び乾燥機を用いて寝具の洗濯及び乾燥を行う第2工程と、利用者が第1工程及び第2工程のいずれかを選択する工程とを備える、クリーニング方法。
[6]寝具の種類に応じて洗濯及び乾燥の少なくともいずれかの内容が互いに異なる複数のコースから、利用者が1つのコースを選択する工程をさらに備える、[5]記載のクリーニング方法。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、寝具の洗濯及び乾燥を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るクリーニング施設を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係るクリーニング施設の第1施設を示す平面図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係るクリーニング施設の寝具専用施設を示す平面図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係るクリーニング施設の寝具衣類兼用施設を示す平面図である。
【
図6】
図6は、
図5(a)に示される洗濯乾燥機の操作部の拡大図である。
【
図7】
図7は、洗濯及び乾燥のコースの例を示す図表である。
【
図8】
図8は、本実施形態に係るクリーニング方法の工程の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、図面を参照しながら本開示に係るクリーニング施設及びクリーニング方法の実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0019】
まず、本開示に係る「クリーニング施設」について説明する。「クリーニング施設」とは、寝具等を洗濯する洗濯機と、寝具等を乾燥させる乾燥機とを用いて寝具等の洗濯及び乾燥を行う施設である。「クリーニング施設」は、寝具又は衣類等の洗濯及び乾燥を行うコインランドリーを含んでもよい。
【0020】
「寝具取扱店」は、寝具を取り扱う店である。例えば、「寝具取扱店」は、寝具の情報をクリーニング施設の利用者に提示する店舗、又は寝具の販売を促す店舗を示している。「寝具取扱店」は、特定の種類の寝具を販売する専門店であってもよい。「寝具取扱店」は、例えば、特定の種類の商品を販売する専門店、企業に所属する加盟店(フランチャイズ)、企業と業務提携を行っているチェーン店、百貨店又はショッピングセンター等の商業施設にあるテナント店舗、及び、寝具を仕入れて寝具を販売する量販店を含む。
【0021】
「利用者」とは、クリーニング施設を利用する者である。「利用者」は、クリーニング施設に対して、自らが所有する寝具又は衣類等を持ち込む。「利用者」は、例えば、クリーニング施設の顧客である。「利用者」は、寝具等をクリーニング施設の店員等に渡し、店員等に寝具等の洗濯及び乾燥を委託する者を含む。また、「利用者」は、洗濯機及び乾燥機に金銭(硬貨等)を投入したり、電子決済をしたりして、自ら寝具又は衣類の洗濯及び乾燥を行う者を含む。
【0022】
「洗濯機」は、寝具又は衣類の洗濯を行う機械であり、「乾燥機」は、寝具又は衣類の乾燥を行う機械である。「洗濯機」は、例えば、コインランドリーに設置されるコイン投入式の洗濯機、電子マネー方式の洗濯機、及びクリーニング施設の店員等により操作される業務用の洗濯機を含む。「洗濯機」は、例えば、寝具等の洗濯及び乾燥の双方を行う洗濯乾燥機を含む。「乾燥機」は、例えば、コインランドリーに設置されるコイン投入式の乾燥機、電子マネー方式の乾燥機、及びクリーニング施設の店員等により操作される業務用の乾燥機を含む。
【0023】
まず、本実施形態に係るクリーニング施設1について説明する。
図1は、本実施形態に係るクリーニング施設1を示すブロック図である。
図1に示されるように、クリーニング施設1は、複数の施設2からなる。
【0024】
複数の施設2のそれぞれは、寝具を洗濯する洗濯機と、寝具を乾燥させる乾燥機とを有する。複数の施設2のそれぞれは、寝具を取り扱う複数の寝具取扱店のそれぞれによって管理されている。複数の寝具取扱店は、例えば、寝具取扱店10,20,30である。複数の施設2は、第1施設21と、第2施設22とを含む。第2施設22は、寝具専用施設23と、寝具衣類兼用施設24とを含む。本実施形態では、第1施設21は、寝具取扱店10によって管理されている。第2施設22の寝具専用施設23は、寝具取扱店20によって管理されている。第2施設22の寝具衣類兼用施設24は、寝具取扱店30によって管理されている。
【0025】
図2は、本実施形態に係るクリーニング施設1の例示的な第1施設21を示す平面図である。第1施設21は、寝具の洗濯及び乾燥を代行する。第1施設21は、クリーニング施設1の利用者Cから寝具を受け取る。第1施設21は、洗濯乾燥機31(洗濯機)及び乾燥機32を用いて利用者Cから受け取った寝具の洗濯及び乾燥を行う。
【0026】
図2に示されるように、例えば、第1施設21は平面視において矩形状を呈する。しかし、第1施設21の形状は、特に限定されない。以下では、第1施設21の長辺が延びる方向を第1方向D1と称する。また、第1施設21の短辺が延びる方向を第2方向D2と称する。
【0027】
第1施設21は、第1施設21の利用者Cが立ち入るカスタマーエリアA1と、第1施設21の店員Sが立ち入るスタッフエリアA2とを有する。本実施形態において、店員Sは、施設において勤務する職員を示している。店員Sは、利用者に対して接客を行う店員、並びに、洗濯及び乾燥を行うクリーニング師を含む。カスタマーエリアA1は、例えば、寝具のショースペースを含む。カスタマーエリアA1には、例えば、寝具及び家具が展示されている。寝具は、例えば、ベッド、枕、布団(一例として羽毛布団)、カバー(一例としてピローケース)、又はシーツである。家具は、例えば、ソファである。
【0028】
本実施形態では、カスタマーエリアA1は、ベッドスペースA11と、枕スペースA12と、布団スペースA13と、カバースペースA14とを含む。さらに、カスタマーエリアA1は、ソファ体験スペースA15と、模擬スペースA16と、相談スペースA17とを含む。
【0029】
ベッドスペースA11は、ベッド41を展示するスペースである。ベッド41には、一例として、マットレス、布団、及び枕が配置されている。例えば、ベッド41はシングルベッドである。ベッドスペースA11では、利用者Cがベッド41に横たわる(或いは座る)ことでベッド41を体験することができる。ベッドスペースA11には、例えば、複数のベッド41が配置されている。ベッドスペースA11には、一例として、4つのベッド41が配置されている。複数のベッド41は、第1方向D1に沿って配列されている。
【0030】
枕スペースA12は、枕を展示するスペースである。枕は、一例として、オーダーメイド枕である。枕スペースA12は、ベッドスペースA11に隣接している。これにより、利用者Cは、互いに関連する商品であるベッド41及び枕を一見して閲覧できる。枕スペースA12は、ベッドスペースA11の第1方向D1の一方側(
図2では右側)に位置しており、且つ、ベッドスペースA11の第2方向D2の一方側(
図2では上側)に位置している。枕スペースA12には、オーダーメイド枕に加え、例えば寝具と共に用いられる芳香剤等が展示されていてもよい。また、枕スペースA12には、枕の側地に詰められる複数種類の詰め物(例えば、パイプ材又はわた)が展示されていてもよい。
【0031】
布団スペースA13は、羽毛布団を展示するスペースである。布団スペースA13は、枕スペースA12に隣接している。布団スペースA13は、平面視においてL字状を呈する。布団スペースA13は、枕スペースA12の第1方向D1の一方側に位置すると共に第2方向D2に延びる部分を含む。また、布団スペースA13は、枕スペースA12の第2方向D2の一方側に位置すると共に第1方向D1に延びる部分を含む。
【0032】
カバースペースA14は、寝具カバーを展示するスペースである。寝具カバーは、例えば、ピローケース又はシーツである。カバースペースA14は、ベッドスペースA11及び枕スペースA12に隣接している。カバースペースA14は、平面視において円形状を呈する。カバースペースA14は、枕スペースA12の第1方向D1の他方側(
図2では左側)に位置している。また、カバースペースA14は、ベッドスペースA11の第2方向D2の一方側に位置している。
【0033】
ソファ体験スペースA15は、ソファ42の使用体験が可能なスペースである。ソファ体験スペースA15では、利用者Cがソファ42に座ることでソファ42を体験することができる。ソファ体験スペースA15は、枕スペースA12及びカバースペースA14に隣接している。ソファ体験スペースA15は、枕スペースA12の第1方向D1の他方側に位置している。また、ソファ体験スペースA15は、カバースペースA14の第2方向D2の一方側に位置している。
【0034】
模擬スペースA16は、人が居住する部屋の一部(或いは全部)を模したスペースである。模擬スペースA16には、ベッド43と、椅子44と、机45とが配置されている。ベッド43には、一例として、凹凸を有するクッション体を含むマットレスが配置されている。模擬スペースA16では、人の居住スペースを模した空間を用いて、店員Sが寝具の利用方法について利用者Cに提案する。模擬スペースA16では、一例として、テレワークを行う際の寝具の利用方法についての提案が行われる。模擬スペースA16は、ベッドスペースA11に隣接している。模擬スペースA16は、ベッドスペースA11の第1方向D1の他方側に位置している。
【0035】
相談スペースA17は、利用者C及び店員Sが相談を行うスペースである。相談スペースA17では、利用者Cが寝具取扱店10の店員Sから寝具に関する助言を受けることができる。相談スペースA17では、例えば、店員Sが利用者Cに対して寝具の説明をしたり、利用者Cに相応しい寝具について説明したり、寝具の洗濯及び乾燥の方法について説明する。相談スペースA17では、一例として、寝具のメンテナンスに関する相談を受け付ける。相談スペースA17には、机46と、複数(例えば4つ)の椅子47が配置されている。相談スペースA17は、模擬スペースA16に隣接している。相談スペースA17は、模擬スペースA16の第1方向D1の他方側に位置している。
【0036】
カスタマーエリアA1には、モニタMが配置されている。モニタMは、ベッドスペースA11の第2方向D2の他方側(
図2では下側)の壁部に設けられている。モニタMは、例えば、寝具等の商品に関する情報を利用者Cに対して提供する。
【0037】
スタッフエリアA2は、第1施設21の店員S等が寝具に関する作業を行うエリアである。スタッフエリアA2は、カウンタースペースA21と、作業スペースA22と、バックヤードスペースA23とを含む。
【0038】
カウンタースペースA21は、第1施設21の店員S等が利用者Cに対して接客を行うスペースである。カウンタースペースA21では、店員Sは、利用者Cから寝具を受け取る。カウンタースペースA21では、店員Sは、洗濯及び乾燥を終えた寝具を利用者Cに返却する。カウンタースペースA21には、店員Sによって用いられるカウンター48が配置されている。カウンター48は、カスタマーエリアA1と対面する位置に配置されている。利用者C及び店員Sは、カウンター48を挟んで金銭及び商品等の受け渡しを行う。カウンタースペースA21では、寝姿勢を判定するためのアプリ―ケーションを用いたサービスの提供、又は寝具の除菌が行われてもよい。
【0039】
作業スペースA22は、店員Sが寝具の洗濯及び乾燥を行うスペースである。作業スペースA22は、カウンタースペースA21に隣接している。作業スペースA22は、カウンタースペースA21の第2方向D2の一方側に位置している。作業スペースA22には、寝具の洗濯及び乾燥を行う洗濯乾燥機31と、寝具の乾燥を行う乾燥機32と、布団の乾燥を行う布団乾燥機33とが配置されている。洗濯乾燥機31、乾燥機32、及び布団乾燥機33のそれぞれは、作業スペースA22の第1方向D1の他方側に配置されている。
【0040】
第1施設21に配置された洗濯乾燥機31、乾燥機32、及び布団乾燥機33のそれぞれは、第1施設21の店員Sにより操作される。洗濯乾燥機31、乾燥機32、及び布団乾燥機33のそれぞれは、例えば、業務用の機器である。
【0041】
また、作業スペースA22には、店員Sが洗濯対象物の整理を行うための整理台34と、寝具の運搬を行うカート35とが配置されている。一例として、複数(例えば2つ)のカート35が配置されている。さらに、作業スペースA22には、仕上品を収納するための仕上品棚36,37と、流し台38とが配置されている。整理台34、カート35、仕上品棚36,37、及び流し台38のそれぞれは、作業スペースA22の第1方向D1の一方側に配置されている。
【0042】
バックヤードスペースA23は、例えば商品及び備品の保管を行うスペースである。バックヤードスペースA23は、布団スペースA13に隣接している。バックヤードスペースA23は、布団スペースA13の第2方向D2の一方側に位置している。バックヤードスペースA23は、カーテン39を挟んでカスタマーエリアA1に通じている。バックヤードスペースA23には、商品等を収納する棚が配置されている。
【0043】
図3は、本実施形態に係るクリーニング施設1の例示的な寝具専用施設23を示す平面図である。第2施設22は、利用者C自らが洗濯乾燥機51(洗濯機)及び乾燥機52を用いて寝具の洗濯及び乾燥を行う。第2施設22の寝具専用施設23は、寝具のみの洗濯及び乾燥を行う。寝具専用施設23の敷地面積は、第1施設21の敷地面積よりも小さい。第2施設22の一部の構成及び機能は、第1施設21の一部の構成及び機能と同一である。したがって、以下では、前述した第1施設21の構成及び機能に関する説明と重複する説明を適宜省略する。
【0044】
図3に示されるように、寝具専用施設23は、例えば、平面視において矩形状を呈する。しかし、寝具専用施設23の形状は、特に限定されない。以下では、寝具専用施設23の長辺が延びる方向を第3方向D3と称する。また、寝具専用施設23の短辺が延びる方向を第4方向D4と称する。
【0045】
寝具専用施設23は、寝具専用施設23の利用者Cが立ち入るカスタマーエリアB1と、寝具専用施設23の店員S等が立ち入るスタッフエリアB2とを有する。カスタマーエリアB1は、前述したカスタマーエリアA1と同様に、寝具のショースペースを構成する。カスタマーエリアB1では、寝具及び家具が利用者Cに向けて展示されている。
【0046】
カスタマーエリアB1は、ベッドスペースB11と、枕スペースB12,B13と、カバースペースB14とを含む。さらに、カスタマーエリアB1は、ソファ体験スペースB15と、模擬スペースB16と、マットレススペースB17と、作業スペースB18とを含む。
【0047】
ベッドスペースB11において、2つのベッド61が第3方向D3に沿って配列され、且つ、2つのベッド61が第4方向D4に沿って配列されている。枕スペースB12,B13は、ベッドスペースB11に隣接している。枕スペースB12は、ベッドスペースB11の第4方向D4の他方側(
図3では下側)、及び、ベッドスペースB11の第3方向D3の他方側(
図3では左側)に位置している。枕スペースB13は、第3方向D3に延びている。枕スペースB13は、ベッドスペースB11の第4方向D4の一方側(
図3では上側)に位置している。
【0048】
カバースペースB14は、ベッドスペースB11の第3方向D3の他方側に位置している。ソファ体験スペースB15は、カバースペースB14に隣接している。ソファ体験スペースB15は、カバースペースB14の第4方向D4の一方側に位置している。
【0049】
模擬スペースB16には、模擬スペースA16と同様に、ベッド57と、椅子58と、机59とが配置されている。模擬スペースB16は、ベッドスペースB11、枕スペースB12,B13、カバースペースB14、ソファ体験スペースB15、及びマットレススペースB17に囲まれている。模擬スペースB16は、ベッドスペースB11の第3方向D3の他方側に位置している。また、模擬スペースB16は、カバースペースB14及びソファ体験スペースB15の第3方向D3の一方側(
図3では右側)に位置している。
【0050】
マットレススペースB17は、マットレスを展示するスペースである。マットレスは、一例として、凹凸を有するクッション体を含むマットレスである。マットレススペースB17は、第4方向D4に延びている。マットレススペースB17は、枕スペースB12及びカバースペースB14に隣接している。マットレススペースB17は、枕スペースB12の第3方向D3の他方側に位置している。また、マットレススペースB17は、カバースペースB14の第4方向D4の他方側に位置している。
【0051】
作業スペースB18は、利用者C自らが寝具の洗濯及び乾燥を行うスペースである。作業スペースB18は、枕スペースB12の第3方向D3の一方側に位置している。作業スペースB18には、作業スペースA22と同様に、洗濯乾燥機51、乾燥機52及び布団乾燥機53が配置されている。
【0052】
寝具専用施設23に配置された洗濯乾燥機51、乾燥機52及び布団乾燥機53のそれぞれは、寝具専用施設23の利用者Cにより操作される。洗濯乾燥機51、乾燥機52及び布団乾燥機53のそれぞれは、例えば、コイン投入式の機器である。
【0053】
作業スペースB18には、利用者Cが寝具を畳む畳み台54と、利用者Cが料金の支払いを行う端末55と、利用者Cが手を洗浄する手洗い台56とが配置されている。洗濯乾燥機51、乾燥機52、布団乾燥機53、端末55及び手洗い台56は、作業スペースB18の第4方向D4の一方側に配置されている。畳み台54は、作業スペースB18の第4方向D4の他方側に配置されている。
【0054】
カスタマーエリアB1には、カスタマーエリアA1と同様にモニタMが配置されている。モニタMは、枕スペースB12の第4方向D4の他方側(
図3では下側)の壁部に設けられている。
【0055】
スタッフエリアB2は、寝具専用施設23の店員Sが作業を行うエリアである。スタッフエリアB2は、カウンタースペースB21と、バックヤードスペースB23とを含む。
【0056】
カウンタースペースB21は、寝具専用施設23の店員Sが利用者Cに対して接客を行うスペースである。カウンタースペースB21の機能及び配置態様は、前述したカウンタースペースA21の機能及び配置態様と同様である。カウンター68には、利用者Cが座る椅子69が配置されている。カウンタースペースB21には、複数(一例として3つ)の椅子69が配置されている。
【0057】
バックヤードスペースB23は、カウンタースペースB21に隣接している。バックヤードスペースB23は、カウンタースペースB21の第3方向D3の一方側に位置している。バックヤードスペースB23には、商品等を収納する棚と、流し台70が配置されている。
【0058】
図4は、本実施形態に係るクリーニング施設1の寝具衣類兼用施設24を示す平面図である。第2施設22の寝具衣類兼用施設24は、寝具及び衣類の洗濯及び乾燥を行う。寝具衣類兼用施設24の敷地面積は、寝具専用施設23の敷地面積よりも大きい。
【0059】
図4に示されるように、寝具衣類兼用施設24は、例えば、平面視において矩形状を呈する。しかしながら、寝具衣類兼用施設24の形状は、特に限定されない。以下では、寝具衣類兼用施設24の長辺が延びる方向を第5方向D5と称する。また、寝具衣類兼用施設24の短辺が延びる方向を第6方向D6と称する。寝具衣類兼用施設24の一部の構成及び機能は、寝具専用施設23の一部の構成及び機能と同一である。以下では、寝具専用施設23の一部の構成及び機能と重複する説明を適宜省略する。
【0060】
寝具衣類兼用施設24は、寝具衣類兼用施設24の利用者Cが立ち入るカスタマーエリアC1と、寝具衣類兼用施設24の店員S等が立ち入るスタッフエリアC2とを有する。カスタマーエリアC1では、前述したカスタマーエリアA1と同様に、寝具及び家具が利用者Cに向けて展示されている。例えば、寝具衣類兼用施設24は、平面視における第5方向D5の中央付近において第6方向D6に延在する仕切壁を有し、当該仕切壁から見て第5方向D5の片側且つ第6方向D6の端部(
図4では左上の部分)のみにスタッフエリアC2が設けられる。
【0061】
カスタマーエリアC1は、ベッドスペースC11と、枕スペースC12,C13と、カバースペースC14と、マットレス展示スペースC15と、マットレススペースC16と、作業スペースC18とを含む。
【0062】
ベッドスペースC11には、3つのベッド71が配置されている。3つのベッド71は、第5方向D5に沿って配列されている。枕スペースC12,C13は、ベッドスペースC11に隣接している。枕スペースC12は、第6方向D6に延びている。枕スペースC12は、ベッドスペースC11の第5方向D5の一方側(
図4では右側)に位置している。枕スペースC13は、ベッドスペースC11の第6方向D6の他方側(
図4では下側)に位置している。
【0063】
カバースペースC14は、ベッドスペースC11及び枕スペースC12に隣接している。カバースペースC14は、ベッドスペースC11の第6方向D6の他方側に位置している。カバースペースC14は、枕スペースC12の第5方向D5の他方側(
図4では左側)に位置している。
【0064】
マットレス展示スペースC15は、ベッドに配置されたマットレスを展示するスペースである。マットレス展示スペースC15では、利用者Cは、ベッドに配置されたマットレスの状態を目で見て確認することができる。マットレス展示スペースC15は、枕スペースC13及びカバースペースC14に隣接している。マットレス展示スペースC15は、枕スペースC13の第6方向D6の他方側に位置している。また、マットレス展示スペースC15は、カバースペースC14の第5方向D5の他方側に位置している。
【0065】
マットレススペースC16は、第6方向D6に延びている。マットレススペースC16は、ベッドスペースC11、枕スペースC13及びマットレス展示スペースC15に隣接している。マットレススペースC16は、ベッドスペースC11、枕スペースC13及びマットレス展示スペースC15の第5方向D5の他方側に位置している。
【0066】
作業スペースC18は、利用者C自らが寝具及び衣類の洗濯及び乾燥を行うスペースである。寝具衣類兼用施設24の作業スペースC18は、第1施設21の作業スペースA22、及び寝具専用施設23の作業スペースB18よりも広い。例えば、平面視において、作業スペースC18は、寝具衣類兼用施設24全体の面積の半分以上を占めている。従って、寝具衣類兼用施設24の作業スペースC18には、より多くの利用者Cを収容することが可能である。
【0067】
作業スペースC18は、枕スペースC12に隣接している。作業スペースC18は、枕スペースC12の第5方向D5の一方側に位置している。作業スペースC18には、作業スペースB18と同様に、洗濯乾燥機81(洗濯機)、乾燥機82、布団乾燥機83、端末84及び手洗い台86が配置されている。本実施形態では、作業スペースC18には、4つの洗濯乾燥機81と、5つの乾燥機82とが配置されている。寝具衣類兼用施設24の作業スペースC18に配置された洗濯乾燥機81の数は、第1施設21の洗濯乾燥機31の数、及び寝具専用施設23の洗濯乾燥機51の数よりも多い。寝具衣類兼用施設24の作業スペースC18に配置された乾燥機82の数についても同様である。
【0068】
2つの洗濯乾燥機81、1つの乾燥機82、布団乾燥機83及び端末84は、作業スペースC18の第6方向D6の一方側に配置されている。2つの洗濯乾燥機81、4つの乾燥機82及び手洗い台86は、作業スペースC18の第5方向D5の一方側に配置されている。
【0069】
作業スペースC18には、さらに、履物の洗濯及び乾燥を行うための履物用洗濯乾燥機85が配置されている。履物は、一例として、スニーカーである。履物用洗濯乾燥機85は、作業スペースC18の第5方向D5の一方側、且つ、作業スペースC18の第6方向D6の他方側に配置されている。
【0070】
寝具衣類兼用施設24に配置された洗濯乾燥機81、乾燥機82、布団乾燥機83及び履物用洗濯乾燥機85のそれぞれは、寝具衣類兼用施設24の利用者Cにより操作される。洗濯乾燥機81、乾燥機82、布団乾燥機83及び履物用洗濯乾燥機85のそれぞれは、例えば、コイン投入式の機器である。例えば、洗濯乾燥機81は洗濯乾燥機51と同一の機器であってもよいし、異なる機器であってもよい。乾燥機82と乾燥機52の関係、布団乾燥機83と布団乾燥機53の関係、及び端末84と端末55との関係、についても同様である。
【0071】
作業スペースC18には、利用者Cが寝具及び衣類を畳む複数の畳み台87と、利用者Cが寝具及び衣類を運搬する複数のカート88とが配置されている。本実施形態では、作業スペースC18には、4つの畳み台87と、8つのカート88とが配置されている。2つの畳み台87は、第5方向D5に沿って配列されている。また、2つの畳み台87のそれぞれの周囲には、2つのカート88のそれぞれが配置されている。2つの畳み台87及び4つのカート88からなる2つの組が、第6方向D6に沿って配列されている。
【0072】
作業スペースC18には、(例えば複数の)椅子89が配置されている。本実施形態では、作業スペースC18には、5つの椅子89が配置されている。椅子89は、作業スペースC18の第5方向D5の他方側に位置している。複数の椅子89は、第6方向D6に沿って配列されている。また、椅子89の第6方向D6の他方側には、忘れ物が収納される忘れ物棚90が配置されている。
【0073】
また、作業スペースC18には、流し台98が配置されている。流し台98は、作業スペースC18の第5方向D5の一方側、且つ、作業スペースC18の第6方向D6の一方側に配置されている。
【0074】
カスタマーエリアC1には、サイネージNが配置されている。サイネージNは、ベッドスペースC11の第5方向D5の他方側の壁部に設けられている。サイネージNは、モニタMと同様に、例えば寝具等の商品に関する情報を利用者Cに対して提供する。
【0075】
スタッフエリアC2は、寝具衣類兼用施設24の店員Sが作業を行うエリアである。スタッフエリアC2は、カウンタースペースC21と、バックヤードスペースC23とを含む。
【0076】
カウンタースペースC21は、寝具衣類兼用施設24の店員Sが利用者Cに対して接客を行うスペースである。カウンタースペースC21の機能及び配置態様は、前述したカウンタースペースA21の機能及び配置態様と同様である。カウンター91には、利用者Cが座る椅子92が配置されている。カウンタースペースC21には、複数(例えば3つ)の椅子92が配置されている。カウンタースペースC21は、カーテン99を挟んでカスタマーエリアC1に通じている。
【0077】
バックヤードスペースC23は、カウンタースペースC21に隣接している。バックヤードスペースC23は、カウンタースペースC21の第6方向D6の一方側に位置している。
【0078】
図5(a)は、
図2、
図3及び
図4に示される一例としての洗濯乾燥機を示す正面図である。
図5(a)では、洗濯乾燥機の一例として、第2施設22の洗濯乾燥機51が図示されている。
図5(b)は、
図2、
図3及び
図4に示される一例としての乾燥機を示す正面図である。
図5(b)では、乾燥機の一例として、第2施設22の乾燥機52が図示されている。
【0079】
図5(a)に示されるように、洗濯乾燥機51は、例えば、正面視において矩形状を呈する。洗濯乾燥機51では、寝具の種類に応じて洗濯及び乾燥の少なくともいずれかの内容が互いに異なる複数のコースから、利用者Cが1つのコースを選択可能である。また、前述した第1施設21の洗濯乾燥機31は、例えば、洗濯乾燥機51と同様の機能を有する。洗濯乾燥機31では、寝具の種類に応じて洗濯及び乾燥の少なくともいずれかの内容が互いに異なる複数のコースから、店員Sが1つのコースを選択可能である。例えば、洗濯乾燥機31の構成は、洗濯乾燥機51の構成と同様である。よって、以下では、洗濯乾燥機の例として、洗濯乾燥機51について説明する。洗濯乾燥機51は、寝具を収容する収容部62と、洗濯乾燥機51を制御する制御部63とを有する。
【0080】
収容部62は、洗濯乾燥機51が設置される設置面(例えば床面)と接する。収容部62には、洗濯及び乾燥を行うときに洗濯対象物を回転させるドラム(不図示)が収容されている。収容部62は、利用者Cにより開閉される開閉扉64を有する。寝具の洗濯及び乾燥を行うに際し、利用者Cは、開閉扉64を開放した状態で収容部62のドラム内に寝具を投入する。続いて、利用者Cは、開閉扉64を閉塞した状態とする。
【0081】
制御部63は、収容部62の上方に設けられている。制御部63は、利用者Cにより操作される操作部65と、利用者Cにより端末55に投入された金銭の金額を表示する金額表示部66とを有する。寝具の洗濯及び乾燥を行うに際し、利用者Cは、投入した金額を金額表示部66を見て確認する。利用者Cは、操作部65を操作することにより、複数のコースから1つのコースを選択する。操作部65は、利用者Cにより押下されるボタン65aと、前述したコースに関する情報を表示するコース表示部65bとを有する。
【0082】
ボタン65aは、操作部65における収容部62側(
図5(a)では下側)に設けられている。ボタン65aの数は複数である。一例として、4つのボタン65aが設けられている。複数のボタン65aは、洗濯乾燥機51の幅方向(
図5(a)では左右方向)に配列されている。
【0083】
コース表示部65bは、操作部65における収容部62と反対側(
図5(a)では上側)に設けられている。コース表示部65bの数は複数である。一例として、4つのコース表示部65bが設けられている。複数のコース表示部65bのそれぞれは、複数のボタン65aのそれぞれに対応して設けられている。
【0084】
図5(b)に示されるように、乾燥機52は、例えば、正面視において矩形状を呈する。乾燥機52では、利用者Cが寝具を乾燥させる時間である乾燥時間を選択可能である。また、乾燥機52では、乾燥の内容(例えば乾燥時間)が互いに異なる複数のコースを選択可能であってもよい。乾燥機52は、洗濯対象物を収容する収容部72と、乾燥機52を制御する制御部73とを有する。収容部72は、開閉扉74を有する。
【0085】
制御部73は、収容部72の上方に設けられている。制御部73は、利用者Cにより操作される操作部75と、利用者Cにより端末55に投入された金銭の金額を表示する金額表示部76とを有する。寝具の乾燥を行うに際し、利用者Cは、投入した金額を金額表示部76を見て確認する。利用者Cは、操作部75を操作することで、前述した乾燥時間を選択する。操作部75は、利用者Cにより押下されるボタン75aと、前述した乾燥時間に関する情報を表示する乾燥時間表示部75bとを有する。
【0086】
ボタン75aは、操作部75における収容部72側(
図5(b)では下側)に設けられている。ボタン75aの数は複数であり、一例として、3つのボタン75aが設けられている。複数のボタン75aは、乾燥機52の幅方向(
図5(b)では左右方向)に配列されている。乾燥時間表示部75bは、操作部75における収容部72と反対側(
図5(b)では上側)に設けられている。一例として、1つの乾燥時間表示部75bが設けられている。乾燥時間表示部75bは、一例として、7セグメントディスプレイによって構成されている。
【0087】
図6は、
図5(a)に示される洗濯乾燥機51の操作部65の拡大図である。
図6に示されるように、操作部65のコース表示部65bには、寝具の種類に関する情報が表示されている。コース表示部65bは、例えば、透明性を有する部材により構成されている。コース表示部65bは、一例として、一部が開放されたポケット状に形成されている。
【0088】
コース表示部65bには、寝具の種類に関する情報が記載されたカードが収容されている。このカードは、例えば、紙によって構成されている。しかしながら、カードの材料は、紙に限られず、樹脂又は金属であってもよい。
図6の例では、「寝具」、「羽毛ふとん」、「枕(標準)」及び「枕(デリケート)」とそれぞれ記載されたカードがコース表示部65bに収容されている。これにより、利用者Cは、洗濯乾燥機51を用いて寝具の洗濯及び乾燥を行うに際し、複数(本実施形態では4つ)のコースから1つのコースを選択することができる。コース表示部65bに収容されるカードに記載される内容及び色は、特に限定されず、適宜変更され得る。
【0089】
「枕(デリケート)」とは、デリケートな材料(例えば羽毛)を含む枕を言う。「枕(標準)」とは、デリケートな材料で構成されていない枕を言う。「寝具」とは、前述した「羽毛ふとん」、「枕(デリケート)」及び「枕(標準)」のいずれにも該当しない寝具を言う。これらの寝具の種類は特に限定されず、適宜変更され得る。
【0090】
図7は、洗濯及び乾燥のコースの例を示す図表である。以下では、前述した「寝具」、「羽毛ふとん」、「枕(標準)」及び「枕(デリケート)」のコースのそれぞれの内容を説明する。また、一般的な衣類等の洗濯及び乾燥を行う際に用いられる「標準コース」の内容について説明する。以下では、「寝具」のコースを寝具コースと称し、「羽毛ふとん」のコースを羽毛ふとんコースと称する。「枕(標準)」のコースを枕(標準)コースと称し、「枕(デリケート)」のコースを枕(デリケート)コースと称する。
【0091】
まず、標準コースの内容について説明する。標準コースでは、洗濯及び乾燥を行うに際し、全体として60分を要する。標準コースでは、洗剤Dが用いられると共に柔軟剤Eが用いられる。洗剤Dは、例えば、界面活性剤、純石けん分、蛍光増白剤及び抗菌剤を含む。洗剤Dは、例えば、水50Lに対して50ml~80ml添加される。柔軟剤Eは、例えば、界面活性剤及び抗菌剤を含む。柔軟剤Eは、例えば、水50Lに対して30ml~50ml添加される。また、標準コースでは、助剤として酵素剤が添加されない。酵素剤とは、寝具等の汚れを一層効率的に落とすために用いられる助剤である。
【0092】
標準コースでは、予洗いが行われず、洗い(例えば本洗い)が行われる(
図7の「洗い」の欄参照)。洗いを行う工程に要する時間は、8分である。この工程では、洗濯乾燥機51のドラムを標準回転パターンで回転させる。標準回転パターンは、洗濯対象物を洗濯するために一般的に用いられるドラムの回転パターンである。
【0093】
続いて、標準コースでは、すすぎが行われる(
図7の「すすぎ1」の欄参照)。すすぎを行う工程に要する時間は、8分である。この工程では、水を用いてすすぎが行われる。続いて、標準コースでは、最終すすぎが行われる(
図7の「最終すすぎ」の欄参照)。最終すすぎを行う工程に要する時間は、2分である。この工程では、水を用いて最終すすぎが行われる。
【0094】
続いて、標準コースでは、脱水が行われる(
図7の「脱水」の欄参照)。脱水を行う工程に要する時間は、11分である。標準コースでは、乾燥が行われる(
図7の「乾燥」の欄参照)。乾燥を行う工程に要する時間は、35分である。以上の工程を経て、標準コースによる洗濯対象物の洗濯及び乾燥が終了する。
【0095】
続いて、寝具コースの内容について説明する。寝具コースでは、洗濯及び乾燥を行うに際し、全体として76分を要する。寝具コースでは、例えば、掛け布団等の寝具、及びシーツ等の寝具カバーの洗濯及び乾燥が行うことが可能である。寝具コースでは、洗剤Aが用いられると共に柔軟剤Bが用いられる。
【0096】
洗剤Aは、例えば、界面活性剤及び純石けん分を含む。洗剤Aは、例えば、水100Lに対して70ml~80ml添加される。柔軟剤Bは、例えば、カチオン性界面活性剤、抗菌剤及び脱臭剤を含む。柔軟剤Bは、例えば、水100Lに対して100ml~120ml添加される。また、寝具コースでは、助剤として酵素剤が添加される。酵素剤は、界面活性剤及びタンパク質分解酵素を含む。酵素剤は、ドラムに投入された寝具1kgに対して2ml~4ml添加される。
【0097】
洗剤Aでは、洗剤Dよりも石けん分の配合量が多い。このため、洗剤Aは、寝具を構成する素材に対する加脂効果に優れる。これにより、寝具の洗濯及び乾燥を行うに際し、洗浄によって失われがちな寝具の中綿へのしっとりした風合いを維持することができる。また、洗浄による寝具のへたりを抑制できる。以上より、洗剤Aは、洗剤Dに比べて寝具の洗浄に適した洗剤である。
【0098】
柔軟剤Bは、柔軟剤Eとは異なり、脱臭剤を含む。このため、柔軟剤Bは、寝具特有の臭いを抑制する効果に優れる。したがって、柔軟剤Bは、柔軟剤Eに比べて寝具の洗浄に適した柔軟剤である。前述したように、柔軟剤Bの酵素剤は、タンパク質分解酵素を含む。よって、洗剤を添加するだけでは落としにくい汚れを分解することができるため、酵素剤を添加することで洗浄効果を向上させることができる。
【0099】
寝具コースでは、予洗いが行われず、洗いが行われる。洗いを行う工程に要する時間は、11分である。この工程では、ドラムを標準回転パターンで回転させる。また、この工程では、酵素剤が添加される。
【0100】
続いて、寝具コースでは、すすぎが行われる。すすぎを行う工程に要する時間は、8分である。この工程では、水を用いてすすぎが行われる。続いて、寝具コースでは、最終すすぎが行われる。最終すすぎを行う工程に要する時間は、11分である。この工程では、除菌すすぎが行われる。
【0101】
除菌すすぎとは、オゾン水を含む水を用いて行うすすぎを言う。オゾン水は、純水に比べて殺菌効果に優れる。よって、純水を用いて行われるすすぎに比べて、除菌すすぎでは、一層清潔な条件で寝具のすすぎを行うことができる。
【0102】
続いて、寝具コースでは、脱水が行われる。脱水を行う工程に要する時間は、11分である。寝具コースでは、乾燥が行われる。乾燥を行う工程に要する時間は、35分である。寝具コースでは、乾燥機52による追加乾燥が必要に応じて行われる。当該追加乾燥を行うか否かは、一例として、利用者C又は店員Sにより判断される。以上の工程を経て、寝具コースによる寝具の洗濯及び乾燥が終了する。
【0103】
続いて、羽毛ふとんコースの内容について説明する。羽毛ふとんコースでは、洗濯及び乾燥を行うに際し、全体として58分を要する。羽毛ふとんコースでは、例えば、羽毛布団の洗濯及び乾燥が行われる。羽毛ふとんコースにおいて洗濯乾燥機51が洗濯及び乾燥を行う時間は、羽毛ふとんコース以外のコースにおいて洗濯乾燥機51が洗濯及び乾燥行う時間より短い。羽毛ふとんコースでは、洗剤Aが用いられると共に柔軟剤Bが用いられる。また、羽毛ふとんコースでは、酵素剤を添加しない。
【0104】
羽毛ふとんコースでは、まず、予洗い(羽毛洗い)が行われる。予洗いを行う工程に要する時間は、5分である。この工程では、洗濯乾燥機51のドラムを羽毛洗い回転パターンで回転させる。
【0105】
予洗いとは、洗いを行う前に寝具に水及び洗剤溶液を浸透させることを言う。例えば、羽毛布団のような寝具では、クッション材である羽毛等に多くの空気が含まれていることがある。よって、衣類等と同様に洗濯を行う場合、寝具を洗濯するに際し、寝具が水に浮いてしまい、寝具に水分が浸透するまでに相当の時間と水量を要することがある。このため、洗いを行う前に予洗いを行うことで、洗いを行う工程の際に寝具を水に沈ませることができ、寝具の攪拌を十分に行うことができる。
【0106】
羽毛洗い回転パターンでは、標準回転パターンに比べて、ドラムを停止させるために要する時間が短い。よって、羽毛洗い回転パターンは、標準回転パターンに比べてドラムを回転させる時間が相対的に長いため、一層入念な寝具の洗浄に適した回転パターンである。
【0107】
続いて、羽毛ふとんコースでは、洗いが行われる。洗いを行う工程に要する時間は、12分である。この工程では、ドラムを羽毛洗い回転パターンで回転させる。続いて、羽毛ふとんコースでは、すすぎが行われる。すすぎを行う工程に要する時間は、8分である。この工程では、ドラムを羽毛洗い回転パターンで回転させる。続いて、羽毛ふとんコースでは、最終すすぎが行われる。最終すすぎを行う工程に要する時間は、12分である。この工程では、除菌すすぎが行われる。
【0108】
続いて、羽毛ふとんコースでは、脱水が行われる。脱水を行う工程に要する時間は、11分である。羽毛ふとんコースでは、乾燥が行われる。乾燥を行う工程に要する時間は、10分である。羽毛ふとんコースでは、乾燥機52による追加乾燥が行われる。追加乾燥を行う工程に要する時間は、例えば、40分~50分である。しかし、当該追加乾燥を行う時間は、利用者C又は店員Sにより決定されてもよい。以上の工程を経て、羽毛ふとんコースによる寝具の洗濯及び乾燥が終了する。
【0109】
続いて、枕(標準)コースの内容について説明する。枕(標準)コースでは、洗濯及び乾燥を行うに際し、全体として61分を要する。枕(標準)コースでは、例えば、一般的な枕の洗濯及び乾燥が行われる。枕(標準)コースでは、枕の洗濯及び乾燥を行うに際し、洗濯ネットが使用され得る。枕(標準)コースでは、洗剤Aが用いられると共に柔軟剤Bが用いられる。また、枕(標準)コースでは、酵素剤が添加される。
【0110】
枕(標準)コースでは、まず予洗いが行われる。予洗いを行う工程に要する時間は、5分である。この工程では、ドラムを標準回転パターンで回転させる。また、この工程では、酵素剤が添加される。
【0111】
続いて、枕(標準)コースでは、洗いが行われる。洗いを行う工程に要する時間は、8分である。この工程では、ドラムを弱洗い回転パターンで回転させる。
【0112】
弱洗い回転パターンでは、標準回転パターンに比べて、ドラムを正転又は逆転させる時間が短い。また、弱洗い回転パターンでは、標準回転パターンに比べて、ドラムを停止させる時間が長い。よって、弱洗い回転パターンは、標準回転パターンに比べてドラムを回転させる時間が相対的に短いため、デリケートな材料で構成された寝具の洗浄に適した回転パターンである。
【0113】
続いて、枕(標準)コースでは、すすぎが行われる。すすぎを行う工程に要する時間は、8分である。この工程では、ドラムを弱洗い回転パターンで回転させる。続いて、枕(標準)コースでは、最終すすぎが行われる。最終すすぎを行う工程に要する時間は、11分である。この工程では、除菌すすぎが行われる。
【0114】
続いて、枕(標準)コースでは、脱水が行われる。脱水を行う工程に要する時間は、11分である。枕(標準)コースでは、乾燥が行われる。乾燥を行う工程に要する時間は、15分である。
【0115】
標準コースにおいて乾燥を行う場合に比べ、枕(標準)コースにおいて乾燥を行う場合、乾燥を行う際の温度である乾燥温度は、低い温度とされる。これにより、枕に加わる負荷が小さくなるため、枕を洗うために適した方法で乾燥を行うことができる。
【0116】
続いて、枕(標準)コースでは、乾燥機52による追加乾燥が行われる。追加乾燥を行う工程に要する時間は、20分である。この工程では、頭圧シートを除いた状態で枕の乾燥が行われる。頭圧シートは、枕の高さ及び硬さを調整するために枕に敷いて用いられるシートである。以上の工程を経て、枕(標準)コースによる寝具の洗濯及び乾燥が終了する。
【0117】
続いて、枕(デリケート)コースの内容について説明する。枕(デリケート)コースでは、洗濯及び乾燥を行うに際し、全体として66分を要する。枕(デリケート)コースでは、例えば、真綿又は羽毛等のデリケートな材料を含む枕、又は整圧枕の洗濯及び乾燥が行われる。枕(デリケート)コースでは、枕の洗濯及び乾燥を行うに際し、洗濯ネットが使用され得る。枕(デリケート)コースでは、洗剤Aが用いられると共に柔軟剤Bが用いられる。枕(デリケート)コースでは、酵素剤が添加されない。
【0118】
枕(デリケート)コースでは、まず予洗いが行われる。予洗いを行う工程に要する時間は、5分である。この工程では、ドラムを弱洗い回転パターンで回転させる。続いて、枕(デリケート)コースでは、洗いが行われる。洗いを行う工程に要する時間は、11分である。この工程では、ドラムを弱洗い回転パターンで回転させる。
【0119】
続いて、枕(デリケート)コースでは、すすぎが行われる。すすぎを行う工程に要する時間は、8分である。この工程では、ドラムを弱洗い回転パターンで回転させる。続いて、枕(デリケート)コースでは、最終すすぎが行われる。最終すすぎを行う工程に要する時間は、11分である。この工程では、除菌すすぎが行われる。
【0120】
続いて、枕(デリケート)コースでは、脱水が行われる。脱水を行う工程に要する時間は、11分である。
【0121】
標準コースにおいて脱水を行う場合に比べ、枕(デリケート)コースにおいて脱水を行う場合、ドラムは、より遅い回転速度で回転する。これにより、枕に加わる負荷が小さくなるため、デリケートな材料で構成された枕を洗うために適した方法で脱水を行うことができる。
【0122】
続いて、枕(デリケート)コースでは、乾燥が行われる。乾燥を行う工程に要する時間は、20分である。続いて、枕(デリケート)コースでは、乾燥機52による追加乾燥が行われる。追加乾燥を行う工程に要する時間は、20分である。この工程では、頭圧シートを除いた状態で枕の乾燥が行われる。以上の工程を経て、枕(デリケート)コースによる寝具の洗濯及び乾燥が終了する。
【0123】
図8は、本実施形態に係るクリーニング方法の工程の例を示すフローチャートである。本実施形態に係るクリーニング方法は、前述のクリーニング施設1を用いた方法である。
【0124】
図8に示されるように、まず、利用者Cは、第1工程及び第2工程のいずれかを選択する(工程S01)。この工程では、利用者Cは、第1施設21及び第2施設22のいずれを利用するかを選択する。
【0125】
工程S01において、利用者Cが第1工程を選択した場合(工程S02:YES)、利用者Cは、第1施設21に寝具を持ち込む。そして、利用者Cは、第1施設21において第1工程を開始する(工程S03)。工程S01において、利用者Cが第2工程を選択した場合(工程S02:NO)、利用者Cは、第2施設22に寝具を持ち込む。このとき、寝具のみの洗濯及び乾燥を行う場合、利用者Cは、寝具を寝具専用施設23に持ち込む。また、寝具及び衣類の洗濯及び乾燥を行う場合、利用者Cは、寝具を寝具衣類兼用施設24に持ち込む。そして、利用者Cは、第2施設22において第2工程を開始する(工程S07)。以下では、まず、利用者Cが工程S01において第1工程を選択した場合のクリーニング方法について説明する。
【0126】
工程S03では、第1施設21の店員Sは、第1施設21においてクリーニング施設1の利用者Cから寝具を受け取る。続いて、利用者Cは、寝具の種類に応じて洗濯及び乾燥の少なくともいずれかの内容が互いに異なる複数のコースから、1つのコースを選択する(工程S04)。より具体的には、利用者Cは、寝具の種類に応じて、前述の寝具コース、羽毛ふとんコース、枕(標準)コース及び枕(デリケート)コースのいずれかを選択する。また、工程S04では、寝具を受け取った店員Sが当該複数のコースから1つのコースを選択してもよい。
【0127】
続いて、第1施設21の店員Sは、洗濯乾燥機31及び乾燥機32を用いて寝具の洗濯及び乾燥を行う(工程S05)。店員Sは、利用者Cにより選択されたコースに基づいて、寝具の洗濯及び乾燥を行う。また、店員Sは、自ら選択したコースに基づいて寝具の洗濯及び乾燥を行ってもよい。寝具の洗濯及び乾燥を終えた後(例えば、洗濯及び乾燥が依頼されてから数時間後又は数日後)に、第1施設21の店員Sは、利用者Cへ寝具を返却する(工程S06)。このとき、店員Sは、利用者Cからクリーニングの料金を受け取ってもよい。なお、店員Sは利用者Cから洗濯及び乾燥が依頼されたときにクリーニングの料金を受け取ってもよく、クリーニングの決済のタイミング及び当該決済の方法は特に限定されない。
【0128】
続いて、利用者Cが工程S01において第2工程を選択した場合のクリーニング方法について説明する。以下では、利用者Cが寝具専用施設23に寝具を持ち込む場合(寝具のみの洗濯及び乾燥を行う場合)のクリーニング方法の例について説明する。
【0129】
工程S07では、利用者Cは、第2施設22の端末55を操作することで料金の支払い等を行う。利用者Cは、寝具を洗濯乾燥機51に投入する。利用者Cは、工程S04と同様、寝具の種類に応じて洗濯及び乾燥の少なくともいずれかの内容が互いに異なる複数のコースから、1つのコースを選択する(工程S08)。続いて、利用者Cは、自ら洗濯乾燥機51及び乾燥機52を用いて寝具の洗濯及び乾燥を行う(工程S09)。
【0130】
なお、利用者Cが寝具衣類兼用施設24に寝具を持ち込む場合(寝具及び衣類の洗濯及び乾燥を行う場合)も、上記と同様の工程S07~工程S09により寝具及び衣類の洗濯及び乾燥を行うことができる。以上の工程を経て、本実施形態に係るクリーニング方法の一連の工程が終了する。
【0131】
以上、本実施形態に係るクリーニング方法について説明した。しかし、本実施形態に係るクリーニング方法の各工程の内容及び順序は、前述の実施形態に限られず、適宜変更可能である。
【0132】
続いて、本実施形態に係るクリーニング施設1及びクリーニング方法の作用効果について説明する。本実施形態に係るクリーニング施設1及びクリーニング方法では、複数の施設2が寝具を取り扱う寝具取扱店10,20,30によって管理されている。複数の施設2のそれぞれが寝具取扱店10,20,30によって管理されているので、当該施設2において寝具の洗濯及び乾燥が行われるときに、利用者Cは寝具の洗濯及び乾燥の方法について寝具取扱店10,20,30から助言を受けることができる。利用者Cは、クリーニング施設1において、寝具取扱店10,20,30にいる店員S又はクリーニング師等、寝具の専門家から助言を受けることができるので、寝具の洗濯及び乾燥を適切に行うことができる。
【0133】
第1施設21では、利用者C自らではなく、第1施設21の店員S又はクリーニング師等により寝具の洗濯及び乾燥が行われる。このため、利用者Cは、寝具に関する助言を店員S等から受けられると共に、寝具の洗濯及び乾燥を第1施設21のクリーニング師等に任せることができる。また、第2施設22では、利用者C自らが寝具の洗濯及び乾燥を行う。このため、利用者Cは、寝具に関する助言を寝具取扱店20,30から受けることができると共に、利用者C自らのペースで寝具の洗濯及び乾燥を行うことができる。さらに、利用者Cは、第1施設21及び第2施設22のいずれを利用するかを選択することができる。したがって、寝具の洗濯及び乾燥を適切に行うことができる。
【0134】
本実施形態に係るクリーニング施設1及びクリーニング方法では、寝具の種類に応じて洗濯及び乾燥の少なくともいずれかの内容が互いに異なる複数のコースから、利用者Cが1つのコースを選択可能である。この場合、利用者Cは、寝具の種類に応じて洗濯及び乾燥の内容を選択できる。例えば、寝具が羽毛布団等のデリケートな素材により構成されている場合、寝具に負荷がかかりにくい洗濯及び乾燥の内容とすることができる。また、寝具の種類に応じて、例えば洗濯を行う際に用いられる助剤又は水の種類を適切なものとすることができる。以上より、寝具の洗濯及び乾燥をより適切に行うことができる。
【0135】
本実施形態に係るクリーニング施設1では、第2施設22は、寝具のみの洗濯及び乾燥を行う寝具専用施設23を含む。この場合、寝具専用施設23は、寝具のみの洗濯及び乾燥を行うため、寝具専用施設23の敷地面積を第1施設21の敷地面積よりも小さくすることができる。これにより、例えば小さい敷地面積を有する店舗等に対しても寝具専用施設23を配置できる。
【0136】
本実施形態に係るクリーニング施設1では、第2施設22は、寝具及び衣類の洗濯及び乾燥を行う寝具衣類兼用施設24を含む。この場合、利用者Cは、寝具衣類兼用施設24を利用することで、寝具と共に衣類の洗濯及び乾燥を行うことができる。衣類の洗濯及び乾燥は、寝具の洗濯及び乾燥よりも容易であるため、利用者Cが一層気軽にクリーニング施設1を利用することができる。
【0137】
以上、本開示に係るクリーニング施設及びクリーニング方法の実施形態について説明した。しかし、本開示に係るクリーニング施設及びクリーニング方法は、前述の実施形態等に限られず、適宜変更可能である。
【0138】
前述の実施形態では、第1施設21がカスタマーエリアA1を含む例について説明した。しかし、第1施設21は、カスタマーエリアA1を含んでおらず、スタッフエリアA2のみを含んでいてもよい。
【0139】
第2施設22では、利用者C自らが洗濯乾燥機51(或いは、洗濯乾燥機81)及び乾燥機52(或いは、乾燥機82)を用いて寝具の洗濯及び乾燥を行うことができればよい。よって、寝具専用施設23は、作業スペースB18を含んでいればよく、他のスペースを含んでいなくてもよい。また、寝具衣類兼用施設24は、作業スペースC18を含んでいればよく、他のスペースを含んでいなくてもよい。しかし、前述したカスタマーエリアA1,B1,C1が施設2に含まれる場合、洗濯及び乾燥を行って利用者Cが待っているときに、カスタマーエリアA1,B1,C1において寝具を見たり寝具の相談をしたりすることが可能である。したがって、利用者Cは、洗濯及び乾燥を行っている間の待ち時間をカスタマーエリアA1,B1,C1で有効に利用することができる。
【0140】
前述の実施形態では、寝具の種類に応じて洗濯及び乾燥の内容が互いに異なる複数のコースの一例を説明した。しかし、これらのコースの内容は、適宜変更され得る。より具体的には、各工程に要する時間、ドラムの回転速度、ドラムの回転時間、洗剤、柔軟剤及び助剤の種類、並びに、乾燥時間及び乾燥温度は、適宜変更され得る。
【0141】
寝具取扱店10,20,30が企業に所属する加盟店(フランチャイズ)、或いは、業務提携を行っているチェーン店等である場合、寝具取扱店10,20,30は、当該企業から対価を受け取ってもよい。寝具取扱店10,20,30は、例えば、各施設2を利用した利用者Cの人数に応じて企業から対価を受け取る。当該対価は、例えば、当該企業から商品の仕入れを行う際に利用可能なポイントであってもよく、又は現金であってもよく、対価の種類は特に限定されない。
【符号の説明】
【0142】
1…クリーニング施設、2…施設、10,20,30…寝具取扱店、21…第1施設、22…第2施設、23…寝具専用施設、24…寝具衣類兼用施設、31,51,81…洗濯乾燥機(洗濯機)、32,52,82…乾燥機、33,53,83…布団乾燥機、34…整理台、35,88…カート、36,37…仕上品棚、38,70,98…流し台、39,99…カーテン、41,43,57,61,71…ベッド、42…ソファ、48,68,91…カウンター、44,47,58,69,89,92…椅子、45,46,59…机、54,87…畳み台、55,84…端末、56,86…手洗い台、62,72…収容部、63,73…制御部、64,74…開閉扉、65,75…操作部、65a,75a…ボタン、65b…コース表示部、66,76…金額表示部、75b…乾燥時間表示部、85…履物用洗濯乾燥機、90…忘れ物棚、A,D…洗剤、B,E…柔軟剤、A1,B1,C1…カスタマーエリア、A11,B11,C11…ベッドスペース、A12,B12,B13,C12,C13…枕スペース、A13…布団スペース、A14,B14,C14…カバースペース、A15,B15…ソファ体験スペース、A16,B16…模擬スペース、A17…相談スペース、A2,B2,C2…スタッフエリア、A21,B21,C21…カウンタースペース、A22,B18,C18…作業スペース、A23,B23,C23…バックヤードスペース、B17,C16…マットレススペース、C…利用者、C15…マットレス展示スペース、D1…第1方向、D2…第2方向、D3…第3方向、D4…第4方向、D5…第5方向、D6…第6方向、M…モニタ、S…店員。