IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラザー工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-治具、及び印刷装置 図1
  • 特開-治具、及び印刷装置 図2
  • 特開-治具、及び印刷装置 図3
  • 特開-治具、及び印刷装置 図4
  • 特開-治具、及び印刷装置 図5
  • 特開-治具、及び印刷装置 図6
  • 特開-治具、及び印刷装置 図7
  • 特開-治具、及び印刷装置 図8
  • 特開-治具、及び印刷装置 図9
  • 特開-治具、及び印刷装置 図10
  • 特開-治具、及び印刷装置 図11
  • 特開-治具、及び印刷装置 図12
  • 特開-治具、及び印刷装置 図13
  • 特開-治具、及び印刷装置 図14
  • 特開-治具、及び印刷装置 図15
  • 特開-治具、及び印刷装置 図16
  • 特開-治具、及び印刷装置 図17
  • 特開-治具、及び印刷装置 図18
  • 特開-治具、及び印刷装置 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023015684
(43)【公開日】2023-02-01
(54)【発明の名称】治具、及び印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 5/02 20060101AFI20230125BHJP
   B65C 11/02 20060101ALI20230125BHJP
   B41J 3/407 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
B65C5/02
B65C11/02
B41J3/407
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021119608
(22)【出願日】2021-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】古山 敏行
(72)【発明者】
【氏名】杉本 淳
(72)【発明者】
【氏名】神田 龍一
【テーマコード(参考)】
3E095
【Fターム(参考)】
3E095AA12
3E095BA02
3E095CA02
3E095FA06
(57)【要約】
【課題】第1ラベルと第2ラベルを簡単に貼り合わせることができる治具、及び印刷装置を提供する。
【解決手段】基材と粘着層と剥離紙とが順番に積層された第1ラベルの基材側に第2ラベルを貼り合わせる為の治具であって、第1ラベルの剥離紙の粘着層側の第1面とは反対側の第2面と対向し、第1ラベルの粘着層と剥離紙とが粘着する粘着力よりも弱い粘着力で、剥離紙の第2面に粘着して位置決めする対向面を有するベースと、第1ラベルが対向面に粘着して位置決めされた状態で、第1ラベルに対して第2ラベルを位置決めする第1位置決め部材とを備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と粘着層と剥離紙とが順番に積層された第1ラベルの前記基材側に第2ラベルを貼り合わせる為の治具であって、
前記第1ラベルの前記剥離紙の前記粘着層側の第1面とは反対側の第2面と対向し、前記第1ラベルの前記粘着層と前記剥離紙とが粘着する粘着力よりも弱い粘着力で、前記剥離紙の前記第2面に粘着して位置決めする対向面を有するベースと、
前記第1ラベルが前記対向面に粘着して位置決めされた状態で、前記第1ラベルに対して前記第2ラベルを位置決めする第1位置決め部材と
を備えたことを特徴とする治具。
【請求項2】
前記ベースの前記対向面には、前記剥離紙の前記第2面が剥離可能な粘着部が設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の治具。
【請求項3】
基材と粘着層と剥離紙とが順番に積層された第1ラベルの前記基材側に第2ラベルを貼り合わせる為の治具であって、
前記第1ラベルの前記剥離紙の前記粘着層側の第1面とは反対側の第2面と対向し、前記第1ラベルの前記粘着層と前記剥離紙とが粘着する粘着力よりも弱い吸着力で、前記剥離紙の前記第2面に吸着して位置決めする対向面を有するベースと、
前記第1ラベルが前記対向面に吸着して位置決めされた状態で、前記第1ラベルに対して前記第2ラベルを位置決めする第1位置決め部材と
を備えたことを特徴とする治具。
【請求項4】
前記対向面に静電気を発生させる静電気発生装置
を備え、
前記静電気発生装置により発生させた前記静電気により、前記第1ラベルの前記第2面は、前記ベースの前記対向面に吸着して位置決めされる
ことを特徴とする請求項3に記載の治具。
【請求項5】
基材と粘着層と剥離紙とが順番に積層された第1ラベルの前記基材側に第2ラベルを貼り合わせる為の治具であって、
前記第1ラベルの前記剥離紙の前記粘着層側の第1面とは反対側の第2面と対向し、前記剥離紙の前記第2面に接触させ位置決めする面である対向面を有するベースと、
前記第1ラベルが前記対向面に位置決めされ且つ接触された状態で、前記第1ラベルに対して前記第2ラベルを位置決めする第1位置決め部材と
を備え、
前記ベースの前記第2面の材質はエラストマーである
ことを特徴とする治具。
【請求項6】
前記ベースの前記対向面には、前記第1ラベルを位置決めする為の目盛りが記されている
ことを特徴とする請求項1~5の何れか一つに記載の治具。
【請求項7】
前記第1位置決め部材は、透明である
ことを特徴とする請求項1~6の何れか一つに記載の治具。
【請求項8】
前記第1位置決め部材は、前記第2ラベルの交差する2つの端部に夫々当接して位置決めするL字状の位置決め部を備えた
ことを特徴とする請求項1~7の何れか一つに記載の治具。
【請求項9】
前記第1位置決め部材は、前記第1ラベルに対して前記第2ラベルを位置決めする場合に前記ベースの一部を覆い、
前記第1ラベルに対して前記第2ラベルを位置決めする場合に、前記ベースの前記一部以外の部分を覆うことが可能な板部材を備えた
ことを特徴とする請求項8に記載の治具。
【請求項10】
前記第1位置決め部材は、前記ベースに対して折り畳み可能に設けられる
ことを特徴とする請求項1~9の何れか一つに記載の治具。
【請求項11】
前記ベースに設けられ、前記第1位置決め部材を回転可能に支持する支持部
を備え、
前記第1位置決め部材は、前記ベースに対する相対的な角度を可変可能である
ことを特徴とする請求項1~10の何れか一つに記載の治具。
【請求項12】
前記ベースに設けられ、前記第1位置決め部材を前記対向面に対してスライド可能に支持する支持機構
を備えたことを特徴とする請求項1~9の何れかに記載の治具。
【請求項13】
前記第1位置決め部材は、前記ベースに対して着脱可能に設けられ、前記ベースの前記対向面の所定位置で前記第2ラベルを前記第1ラベルに位置決めし、
前記ベースに対して着脱可能に設けられ、前記第1位置決め部材による前記第2ラベルの前記所定位置とは異なる位置に、前記第2ラベルを位置決め可能な第2位置決め部材
を備えたことを特徴とする請求項1~12の何れか一つに記載の治具。
【請求項14】
治具を用いて互いに貼り合わされることで1個の貼り合わせラベルを構成する第1ラベルと第2ラベルの夫々に所定画像を印刷する印刷装置であって、
前記治具は、
前記第1ラベルを位置決めするベースと、
前記ベース上に位置決めされた前記第1ラベルに対して、前記ベース上の予め定められた基準位置に前記第2ラベルを配置して位置決めする位置決め部材と
を備え、
前記第1ラベルに対する前記第2ラベルの相対的な貼り合わせ位置に関する情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記貼り合わせ位置に関する情報に基づき、前記第2ラベルの前記基準位置に対する前記第1ラベルの相対的な位置を示す情報である第1情報を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記第1情報を、前記第1ラベルを位置決めする為の前記ベース上の位置を示す情報である第2情報に変換する変換手段と、
前記変換手段により変換された前記第2情報を出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項15】
前記出力手段は、前記第2情報を、前記第1ラベルに印刷する
ことを特徴とする請求項14に記載の印刷装置。
【請求項16】
前記出力手段は、前記変換手段により変換された前記第2情報を、前記第1ラベルの余白に印刷する
ことを特徴とする請求項15に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治具、及び印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のラベル貼り合わせ装置は、第1ラベルに第2ラベルを重ねて貼り合わせる。ラベル貼り合わせ装置は、載置部、側面案内部、及び固定部を備える。載置部には、第1ラベルと第2ラベルが重ねられて載置される。側面案内部は、載置部に載置された第1ラベルと第2ラベルの夫々の幅方向の側面部を案内して位置決めする。固定部は、側面案内部により位置決めされた第1ラベルと2ラベルを重ねた状態で固定する。その状態で、ユーザは第1ラベルと第2ラベルの一部を互いに貼り合わせる。その後、ユーザは、第1ラベルと第2ラベルをラベル貼り合わせ装置から取り出して、第1ラベルと第2ラベルの残りの部分を貼り合わせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-66835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記ラベル貼り合わせ装置は、第1ラベルと第2ラベルとの一部を貼り合わせた後に、ラベル貼り合わせ装置から取り出す必要があり、ユーザにとって負担が生じるという問題点があった。
【0005】
本発明の目的は、第1ラベルと第2ラベルを簡単に貼り合わせることができる治具、及び印刷装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、例えば、以下の態様を開示する。
【0007】
本発明の第1態様に係る治具は、基材と粘着層と剥離紙とが順番に積層された第1ラベルの前記基材側に第2ラベルを貼り合わせる為の治具であって、前記第1ラベルの前記剥離紙の前記粘着層側の第1面とは反対側の第2面と対向し、前記第1ラベルの前記粘着層と前記剥離紙とが粘着する粘着力よりも弱い粘着力で、前記剥離紙の前記第2面に粘着して位置決めする対向面を有するベースと、前記第1ラベルが前記対向面に粘着して位置決めされた状態で、前記第1ラベルに対して前記第2ラベルを位置決めする第1位置決め部材とを備えたことを特徴とする。
【0008】
治具は、第1ラベルがベースに粘着して位置決めされた状態で、第1位置決め部材により第2ラベルを第1ラベルに対して位置決めする。この状態で、治具は、第1ラベルと第2ラベルとを貼り合わせ可能となる。治具は、第1ラベルに対する第2ラベルの位置決めする工程と、第1ラベルと第2ラベルとを貼り合わせる工程とを治具上で実行できる。故に、治具は、第1ラベルと第2ラベルを簡単に貼り合わせることができる。また、治具は、対向面がラベルに対して粘着力を有するので、例えば、カールした状態の第1ラベルを、平らな状態でベースに位置決めできる。
【0009】
本発明の第2態様に係る治具は、基材と粘着層と剥離紙とが順番に積層された第1ラベルの前記基材側に第2ラベルを貼り合わせる為の治具であって、前記第1ラベルの前記剥離紙の前記粘着層側の第1面とは反対側の第2面と対向し、前記第1ラベルの前記粘着層と前記剥離紙とが粘着する粘着力よりも弱い吸着力で、前記剥離紙の前記第2面に吸着して位置決めする対向面を有するベースと、前記第1ラベルが前記対向面に吸着して位置決めされた状態で、前記第1ラベルに対して前記第2ラベルを位置決めする第1位置決め部材とを備えたことを特徴とする。
【0010】
治具は、第1ラベルが対向面に吸着して位置決めされた状態で、第1位置決め部材により第2ラベルを第1ラベルに対して位置決めする。この状態で、治具は、第1ラベルと第2ラベルとを貼り合わせ可能となる。従って、第1ラベルに対する第2ラベルの位置決めする工程と、第1ラベルと第2ラベルとを貼り合わせる工程とを治具上で実行できる。故に、治具は、第1ラベルと第2ラベルを簡単に貼り合わせることができる。また、治具は、対向面がラベルに対して吸着するので、例えば、カールした状態の第1ラベルを、平らな状態でベースに位置決めできる。
【0011】
本発明の第3態様に係る治具は、基材と粘着層と剥離紙とが順番に積層された第1ラベルの前記基材側に第2ラベルを貼り合わせる為の治具であって、前記第1ラベルの前記剥離紙の前記粘着層側の第1面とは反対側の第2面と対向し、前記剥離紙の前記第2面に接触させ位置決めする面である対向面を有するベースと、前記第1ラベルが前記対向面に位置決めされ且つ接触された状態で、前記第1ラベルに対して前記第2ラベルを位置決めする第1位置決め部材とを備え、前記ベースの前記第2面の材質はエラストマーであることを特徴とする。
【0012】
第1ラベルが所定の摩擦力を有するエラストマーに接触するので、第1ラベルは、対向面に位置決めされた状態で、対向面上を移動し難くなる。これにより、第1ラベルは、ベースに対して位置決めされる。治具は、第1ラベルがベースに位置決めされた状態で、第1位置決め部材により第2ラベルを第1ラベルに位置決めする。この状態で、治具は、第1ラベルと第2ラベルとを貼り合わせできる。従って、第1ラベルに対する第2ラベルの位置決めする工程と、第1ラベルと第2ラベルとを貼り合わせる工程とを治具上で実行できる。故に、治具は、第1ラベルと第2ラベルを簡単に貼り合わせることができる。
【0013】
本発明の第4態様に係る印刷装置は、治具を用いて互いに貼り合わされることで1個の貼り合わせラベルを構成する第1ラベルと第2ラベルの夫々に所定画像を印刷する印刷装置であって、前記治具は、前記第1ラベルを位置決めするベースと、前記ベース上に位置決めされた前記第1ラベルに対して、前記ベース上の予め定められた基準位置に前記第2ラベルを配置して位置決めする位置決め部材とを備え、前記第1ラベルに対する前記第2ラベルの相対的な貼り合わせ位置に関する情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記貼り合わせ位置に関する情報に基づき、前記第2ラベルの前記基準位置に対する前記第1ラベルの相対的な位置を示す情報である第1情報を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された前記第1情報を、前記第1ラベルを位置決めする為の前記ベース上の位置を示す情報である第2情報に変換する変換手段と、前記変換手段により変換された前記第2情報を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
印刷装置は、ベースに対して第1ラベルを位置決めさせる為の第2情報を出力する。ユーザは、第2情報に基づき第1ラベルをベースに位置決めする。ユーザは、ベースに位置決めされた第1ラベルに対して、第2ラベルを予め定められた基準位置に位置決めして貼り合わせる。故に、ユーザは、第1ラベルと第2ラベルを簡単に貼り合わせできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】(a)は、第1ラベル111を示し、(b)は、第2ラベル112を示し、(c)は、貼り合わせラベル113Aを示す図である。
図2】治具100Aの正面図である。
図3】ベース200の対向面210に第1ラベル111を位置決めした状態を示す図である。
図4】ベース200に対してガイドプレート300Aを閉じた状態を示す図である。
図5】ガイドプレート300Aにより第1ラベル111に対して第2ラベル112を位置決めした状態を示す図である。
図6】ガイドプレート300Bにより第1ラベル111に対して第2ラベル112を位置決めした状態を示す図である。
図7】ガイドプレート300Cにより第1ラベル111に対して第2ラベル112を位置決めした状態を示す図である。
図8】印刷装置1の斜視図である。
図9】印刷装置1の電気的構成を示すブロック図である。
図10】メイン処理を示すフローチャートである。
図11】(a)は、ベース200とxy座標との関係を示す図であり、(b)は、第2ラベル112に対する第1ラベル111の相対的な距離を示す図であり、(c)は、変換テーブルAを示す図である。
図12】第1変形例における治具100Bの正面図である。
図13】第2変形例における治具100Cの正面図である。
図14】ガイドプレート300Aにより第2ラベル112が基準位置P1に位置決めされた状態を示す図である。
図15】ガイドプレート300Aにより第2ラベル112が基準位置P2に位置決めされた状態を示す図である。
図16】ガイドプレート300Aにより第2ラベル112が基準位置P3に位置決めされた状態を示す図である。
図17】第3変形例における治具100Dを示す図である。
図18】ガイドプレート300Dにより第2ラベル112が基準位置P1に位置決めされた状態を示す図である。
図19】第4変形例における治具100Eを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1図11を参照して、本発明の一実施形態である貼り合わせラベル113A~113C、治具100A、及び印刷装置1について説明する。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。なお、図中における貼り合わせラベル113A~113C、治具100A、及び印刷装置1の方向は、説明の便宜上、図中に矢印で示す向きで説明する。
【0017】
図1を参照して、貼り合わせラベル113Aを説明する。貼り合わせラベル113A(図1(c)参照)は、第1ラベル111(図1(a)参照)に対して第2ラベル112(図1(b)参照)を後述の治具100Aを用いて貼り合わせたものである。第1ラベル111と第2ラベル112は、後述の印刷装置1で印刷されたものである。
【0018】
図1(a)に示すように、第1ラベル111は、基材111Aと粘着層と剥離紙111Bとが順番に積層されている。図1(b)に示すように、第2ラベル112は、基材112Aと粘着層と剥離紙112Bとが順番に積層されている。
【0019】
図1(c)に示すように、貼り合わせラベル113Aの印刷画像Im3は、ユーザの意図した基礎となる画像である。該基礎の画像は、二つの所定画像(以下、「印刷画像Im1、Im2」という。)に分割される(図1(a)(b)参照)。分割された印刷画像Im1、Im2は、夫々印刷装置1で印刷される。第1ラベル111の余白には、印刷画像Im1に加えて、後述の座標情報である「B2」の文字列が印刷されている(図1(a)参照)。貼り合わせラベル113B、113Cは、後述する。
【0020】
図2図7を参照して、治具100Aを詳細に説明する。治具100Aは、樹脂製のベース200とガイドプレート300Aを備える。ベース200は、平面視矩形状の基台である。ベース200の4つの角部は、何れも略円弧のテーパ状に形成されてもよい。
【0021】
ベース200の上面には、対向面210が設けられる。対向面210には、第1ラベル111を位置決めする為の目盛りX1~X10、目盛りY1~Y8が記されている。また、目盛りX1~X10に対応して、「1」~「9」の文字がベース200の前端部に記されている。「1」~「9」の文字は、左から右に順番に並ぶ。目盛りY1~Y8に対応して「A」~「G」の文字がベース200の左端部に記されている。「A」~「G」の文字は、前から後ろに順番に並ぶ。
【0022】
対向面210は、第1ラベル111の剥離紙111Bに対して粘着性を有する。対向面210は、第1ラベル111の粘着層と剥離紙111Bとが粘着する粘着力よりも弱い粘着力で、剥離紙111Bを位置決めする。この場合、対向面210は、第1ラベル111の剥離紙111Bと対向して接触する。
【0023】
ガイドプレート300Aは、透明であり、L字状の板部材である。ガイドプレート300Aは、ベース200の対向面210の前端部に自身の後端部を寄せて配置される。ベース200の前端部は、ヒンジ部220、230により、ガイドプレート300Aの後端部に連結される。ガイドプレート300Aは、ヒンジ部220、230により、ベース200に対して開閉可能である。つまり、ガイドプレート300Aは、ベース200に対して折り畳み可能に設けられる。ガイドプレート300Aは、ベース200に対して着脱可能に設けられる。
【0024】
ガイドプレート300Aは、L字状の位置決め部311Aを備える。位置決め部311Aは、第1位置決め部310Aと第2位置決め部315Aを備える。第1位置決め部310Aは、前後方向に延びる。第2位置決め部315Aは、左右方向に延びる。第1位置決め部310Aには、第2ラベル112の左辺が当接して位置決めされる。第2位置決め部315Aには、第2ラベル112の前辺が当接して位置決めされる。つまり、位置決め部311Aには、第2ラベル112の交差する2つの端部が夫々当接して位置決めされる。
【0025】
図2図4を参照して、治具100Aの開閉動作を説明する。ガイドプレート300Aをベース200に対して閉じる方向に向けて回動させると、ガイドプレート300Aは、上方からベース200の対向面210を覆う。図4に示すように、ガイドプレート300Aを閉じた状態を平面視した場合、ガイドプレート300Aは、L字状である。ガイドプレート300Aがベース200に対して閉じた状態で、ガイドプレート300Aは、対向面210の前端側と左端側とを覆う。
【0026】
図3図5を参照して、治具100Aを用いた貼り合わせラベル113Aの作成方法の一例を説明する。図3に示すように、ユーザは、ベース200に対してガイドプレート300Aを開いた状態にする。ユーザは、第1ラベル111から座標情報「B2」が印刷された余白を切り落とす。ユーザは、余白に印刷された座標情報「B2」を確認し、対向面210におけるB2の位置、即ち目盛りX2と目盛りY2の交点に対して、第1ラベル111の左前の角部を位置決めする(図3参照)。この場合、ベース200の対向面210は、所定の粘着力を有するので、第1ラベル111は、座標情報「B2」の位置に位置決めされた状態で、対向面210に対して粘着され位置決めされる。所定の粘着力とは、第1ラベル111の粘着層の粘着力よりも弱い粘着力である。これにより、第1ラベル111を対向面210から剥がしたときに、剥離紙111Bが基材111Aから剥がれにくい。
【0027】
図4に示すように、ユーザは、第1ラベル111が位置決めされたベース200の対向面210に対して、ガイドプレート300Aを閉じる。これにより、第1ラベル111の左端部と前端部は、ガイドプレート300Aと対向面210により上下から挟まれた状態になる。ここで、ユーザは、第2ラベル112の剥離紙112Bを基材112Aから剥がす。これにより、基材112Aの粘着層が露出する。
【0028】
図5に示すように、ユーザは、第2ラベル112の左辺と前辺が交わる左前の角部を、ガイドプレート300Aの位置決め部311Aに位置決めしつつ、第2ラベル112を第1ラベル111上に重ねる。つまり、ユーザは、ガイドプレート300Aの位置決め部311Aに合わせて、第2ラベル112を第1ラベル111上に載置するだけで、第2ラベル112を第1ラベル111の所定の貼り合わせ位置に自動的に位置決め可能である。ユーザは、第2ラベル112を第1ラベル111に対して押圧する。これにより、第2ラベル112の粘着面が第1ラベル111に当接して貼り合わされる。
【0029】
位置決め部311Aに位置決めされた第2ラベル112の左前の角部の位置を基準位置P1という。基準位置P1は、対向面210上に予め定められた基準となる位置である。つまり、ガイドプレート300Aは、基準位置P1(図4参照)で第2ラベル112を第1ラベル111に位置決めする。
【0030】
次いで、ユーザは、ガイドプレート300Aをベース200に対して開いた状態にする。ユーザは、対向面210に粘着して位置決めされている第1ラベル111を対向面210から剥がす。以上により、第1ラベル111と第2ラベル112を貼り合わせて作成された1個の貼り合わせラベル113Aが作成される。
【0031】
ここで、ガイドプレート300Aは、ヒンジ部230、230から取外し可能である。この場合、ユーザは、ヒンジ部220、230を介して、ガイドプレート300B、300Cをベース200に装着可能となる。ガイドプレート300A~300Cは、互いに異なる形状を有する。
【0032】
図6に示すように、ガイドプレート300Bは、印刷画像Im3が所定角度の分だけ平面視時計回り方向に傾いた貼り合わせラベル113Bを作成する為に用いられる。ガイドプレート300Bは、透明であり、平面視略L字の板である。ガイドプレート300Bは、L字状の位置決め部311Bを備える。位置決め部311Bは、第1位置決め部310Aと第2位置決め部315Bを備える。第1位置決め部310Bは、左前から右後の方向に延びる。第2位置決め部315Bは、左後から右前の方向に延びる。つまり、位置決め部311BのL字部分は、ガイドプレート300Aの位置決め部311Aに比して、平面視時計回りに所定角度の分だけ回転している。
【0033】
ガイドプレート300Bにより第2ラベル112を第1ラベル111に位置決めする場合、第2ラベル112の左辺は、第1位置決め部310Bに当接して位置決めされ、第2ラベル112の前辺は、第2位置決め部315Bに当接して位置決めされる。第2ラベル112の左前の角部がベース200に対して配置される位置を基準位置P2という。
【0034】
位置決め部311BのL字部分が平面視時計回り方向に傾いているので、ユーザは、第2ラベル112が第1ラベル111に対して所定角度の分だけ時計回り方向に回転した状態で、第2ラベル112を第1ラベル111に位置決めして貼り合わせる。これにより、ユーザは、貼り合わせラベル113Bを作成できる。
【0035】
図7に示すように、ガイドプレート300Cは、印刷画像Im1~Im3が所定角度の分だけ平面視反時計回り方向に傾いた貼り合わせラベル113Cを作成する為に用いられる。ガイドプレート300Cは、透明であり、平面視略L字の板である。ガイドプレート300Cは、L字状の位置決め部311Cを備える。位置決め部311Cは、第1位置決め部310Cと第2位置決め部315Cを備える。第1位置決め部310Cは、右前から左後の方向に延びる。また、第2位置決め部315Cは、左前から右後の方向に延びる。つまり、位置決め部311Cは、ガイドプレート300Aの位置決め部311Aに比して、平面視反時計回りに所定角度の分だけ回転した位置に配置される。
【0036】
ガイドプレート300Cにより第2ラベル112を第1ラベル111に位置決めする場合、第2ラベル112の左端は、第1位置決め部310Cに当接して位置決めされる。第2ラベル112の前端は、第2位置決め部315Cに当接して位置決めされる。第2ラベル112の左前の角部がベース200に対して配置される位置を基準位置P3という。
【0037】
位置決め部311CのL字部分が反時計回り方向に傾いているので、ユーザは、第2ラベル112が第1ラベル111に対して所定角度の分だけ反時計回りに回転した状態で、第2ラベル112を第1ラベル111に位置決めして貼り合わせる。これにより、ユーザは、貼り合わせラベル113Cを作成できる。
【0038】
以上説明したように、ベース200の対向面210は、第1ラベル111の粘着層と剥離紙111Bとが粘着する粘着力よりも弱い粘着力で、剥離紙111Bに粘着して位置決めする。ガイドプレート300A~300Cは、第1ラベル111が対向面210に粘着して位置決めされた状態で、第1ラベル111に対して第2ラベル112を位置決めする。
【0039】
治具100Aは、第1ラベル111がベース200の対向面210に粘着して位置決めされた状態で、ガイドプレート300A~300Cにより第2ラベル112を第1ラベル111に対して位置決めする。この状態で、治具100Aは、第2ラベル112を第1ラベル111に対して貼り合わせ可能となる。従って、第1ラベル111に対する第2ラベル112の位置決めする工程と、第1ラベル111と第2ラベル112とを貼り合わせる工程とを治具100A上で実行できる。故に、治具100Aは、第1ラベル111と第2ラベル112を簡単に貼り合わせることができる。また、治具100Aは、対向面210が第1ラベル111に対して粘着力を有するので、例えば、カールした状態の第1ラベル111を、平らな状態でベース200に位置決めできる。
【0040】
ベース200の対向面210は、剥離紙111Bが剥離可能な粘着性を有する。治具100Aは、第1ラベル111をベース200から剥がした後も、第1ラベル111の剥離紙111B側に粘着剤が残らない。故に、貼り合わされた第1ラベル111と第2ラベル112の外観は良好である。
【0041】
ベース200の対向面210には、第1ラベル111を位置決めする為の目盛りX1~X10、目盛りY1~Y8が記されている。ユーザは、対向面210の目盛りX1~X10、目盛りY1~Y8に併せて第1ラベル111を容易且つ正確に位置決めできる。
【0042】
ガイドプレート300A~300Cは、透明である。ガイドプレート300A~300Cが透明なので、ユーザは、ガイドプレート300A~300Cとベース200との間で挟まれた第1ラベル111を視認できる。これにより、ユーザは、第1ラベル111に対する第2ラベル112の位置を確認しながら、第2ラベル112を第1ラベル111に位置決めできる。故に、ユーザは、作業しやすい。
【0043】
ガイドプレート300A~300Cは、第2ラベル112の交差する2つの端部に夫々当接して位置決めするL字状の位置決め部311A~311Cを備える。ユーザは、位置決め部311A~311CのL字状の部分に対して、第2ラベル112の2つの端部を位置決めするので、第2ラベル112を容易且つ正確に位置決めできる。
【0044】
ガイドプレート300A~300Cは、ベース200に対して折り畳み可能に設けられる。ガイドプレート300A~300Cは、ベース200に対して折り畳み可能である。故に、ユーザは取り扱いが容易である。
【0045】
ガイドプレート300Aは、ベース200に対して着脱可能に設けられ、ベース200の対向面210の所定の基準位置P1で第2ラベル112を第1ラベル111に位置決めする。また、ガイドプレート300B、300Cは、ベース200に対して着脱可能に設けられ、ガイドプレート300Aによる第2ラベル112の所定の基準位置P1とは異なる基準位置P2、P3に、第2ラベル112を夫々位置決め可能である。治具100Aは、ガイドプレート300Aからガイドプレート300B、300Cに取り換え可能である。これにより、ユーザは、ガイドプレート300B、300Cにより第2ラベル112を基準位置P1とは異なる基準位置P2、P3に位置決めする場合に、ガイドプレート300B、300Cを着脱可能な他の治具を用意する必要がない。
【0046】
以下、図8図9を参照して、第1ラベル111及び第2ラベル112を印刷する為の印刷装置1の概要を説明する。印刷装置1は、長尺状の印刷媒体である感熱ラベルに文字列(文字、記号、図形等)を印刷するラベルプリンタである。印刷装置1は、感熱ラベルに対して印刷画像Im1、Im2を印刷することで、第1ラベル111、第2ラベル112を作成する。
【0047】
図9を参照して印刷装置1の電気的構成を説明する。印刷装置1は、CPU21、ROM22、CGROM23、RAM24、及びフラッシュメモリ25を備える。ROM22、CGROM23、RAM24、及びフラッシュメモリ25は、夫々CPU21に電気的に接続されている。ROM22には、印刷装置1の制御上必要な各種のプログラム等が記憶されている。CPU21は、これらのプログラムに基づいて各種演算を行う。
【0048】
CGROM23には、各種キャラクタを印刷する為の印刷用ドットパターンデータが、書式及びサイズ毎に分類され、コードデータに対応させて記憶されている。RAM24には、テキストメモリ、及びプリントバッファ等、複数の記憶エリアが設けられている。テキストメモリには、オブジェクトデータが対応付けて格納される。プリントバッファには、各種キャラクタ画像等の印刷用ドットパターンが格納される。その他記憶エリアには、各種演算データ等が記憶される。
【0049】
フラッシュメモリ25は、印刷装置1に装着された感熱ラベルの属性が定義されたテンプレートを記憶する。テンプレートには、例えば、テンプレート情報のIDの各々に対応づけて、感熱ラベルの寸法等が定義されている。また、フラッシュメモリ25には、ガイドプレート300A~300Cのフォーマット、変換テーブルA等が記憶されている。
【0050】
印刷装置1は更に、検出部8、操作部7、表示部31、駆動回路12~15、及びADC19を備える。検出部8、操作部7、駆動回路12~15、及びADC19は各々、CPU21に電気的に接続されている。検出部8は、印刷装置1に装着された感熱ラベルの種類を検出する公知のセンサである。操作部7は、印刷装置1(CPU21)に各種指示を入力するのに用いられる。操作部7は、例えば、ユーザがテキストデータ等の文字列を入力可能な物理ボタンである。操作部7は、各種指示を入力できればよく、スイッチ、ダイヤル、タッチパネル等の他の構成でもよい。
【0051】
表示部31は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)である。表示部31は、文字列等を表示可能である。駆動回路12は、表示部31に文字列等を出力する為の電子回路である。駆動回路13は、感熱ラベルを搬送するテープ送りモータ9を駆動する為の電子回路である。駆動回路14は、サーマルヘッド10を駆動する為の電子回路である。駆動回路15は、移動刃(図示略)を動作させるカッターモータ11を駆動する為の電子回路である。移動刃は、印刷装置1の外部に排出される印刷済みの感熱ラベルを切断する。
【0052】
図10を参照して、メイン処理について説明する。ユーザは操作部7を操作することで第1ラベル111と第2ラベル112を作成する為のラベル作成モードを選択する。ラベル作成モードが選択されると、CPU21は、フラッシュメモリ25からプログラムを読み出してメイン処理を実行する。
【0053】
CPU21は、第1ラベル111用の印刷画像Im1を受け付けたか否か判断する(S1)。印刷画像Im1を受け付けていないと判断した場合(S1:NO)、CPU21は、処理をS1に戻して待機する。例えば、ユーザにより印刷画像Im1が編集され、第1ラベル111用の印刷画像Im1を受け付けたと判断した場合(S1:YES)、CPU21は、ガイドプレート300A~300Cの何れかの選択があったか否か判断する(S3)。
【0054】
ガイドプレート300A~300Cの何れも選択されていないと判断した場合(S3:NO)、CPU21は、処理をS3に戻して待機する。例えば、ユーザは、ガイドプレート300A~300Bの中からガイドプレート300Aを選択する。この場合、ユーザによりガイドプレート300A~300Cの選択があったと判断し(S3:YES)、CPU21は、選択されたガイドプレート300A~300Cのフォーマットを特定する(S5)。
【0055】
CPU21は、例えばガイドプレート300Aのフォーマットを、フラッシュメモリ25から読み込む。なお、フォーマットは、ガイドプレート300A~300Cの形状、寸法等を、ベース200の寸法等の仕様に合わせてモデル化した情報である。なお、ベース200は、X軸、Y軸の2次元の位置情報により位置が特定されている。なお、原点Ognは、文字「B2」の位置に対応している(図11(a)参照)。
【0056】
CPU21は、第2ラベル112の印刷画像Im2を受け付けたか否か判断する(S7)。第2ラベル112への印刷画像Im2が受け付けていないと判断した場合(S7:NO)、CPU21は、処理をS7に戻して待機する。ユーザによりテンプレートの選択がなされ、第2ラベル112用の印刷画像Im2を受け付けたと判断した場合(S7:YES)、CPU21は、第1ラベル111に対する第2ラベル112の相対的な貼り合わせ位置が決定されたか否か判断する(S9)。
【0057】
第2ラベル112の第1ラベル111に対する貼り合わせ位置が決定されていないと判断した場合(S9:NO)、CPU21は、処理をS9に戻して待機する。ユーザは、表示部31に表示された印刷画像Im1と印刷画像Im2の相対的な位置を、表示部31を確認しながら操作部7により調節する。第2ラベル112の第1ラベル111に対する貼り合わせ位置が決定されたと判断した場合(S9:YES)、CPU21は、第2ラベル112の第1ラベル111に対する貼り合わせ位置に関する情報を取得する(S11)。
【0058】
CPU21は、取得された貼り合わせ位置に関する情報に持づき、特定された第2ラベル112と第1ラベル111との相対的な距離を算出する(S13)。図11(b)に示すように、第1ラベル111と第2ラベル112の貼り合わせ位置が決定されている場合、CPU21は、第2ラベル112の左前の角部(基準位置P1に対応)を原点Ognとして特定する。ここで、CPU21は、第1ラベル111の左前の角部の位置である相対位置Refを特定する。CPU21は、第2ラベル112の原点Ognと、第1ラベル111の相対位置Refとの距離を特定する。例えば、第1ラベル111の相対位置Refと、原点Ognとの距離は、(x、y)=(-5、-5)に特定される。つまり、距離(x、y)=(-5、-5)は、第2ラベル112の基準位置P1~P3に対する第1ラベル111の相対的な位置を示す情報である。
【0059】
CPU21は、フラッシュメモリ25に記憶された変換テーブルAを参照して、特定した距離(x、y)=(-5、-5)に対応するベース200の座標情報に変換する(S15)。ここで、図11(c)に示す変換テーブルAは、相対位置Refと原点Ognとの距離と、治具100Aのベース200の座標情報との関係を示すテーブルである。CPU21は、第1ラベル111と第2ラベル112とがX軸方向に対して「-5」離れているので、ベース200の座標を「2」と特定する。また、CPU21は、第1ラベル111と第2ラベル112とがY軸方向に対して、「-5」離れているので、ベース200の座標を「B」と特定する。特定された座標情報は、「B2」である。
【0060】
CPU21は、第1ラベル111の印刷指示を受け付けたか否か判断する(S17)。第1ラベル111の印刷指示を受け付けていないと判断した場合(S17:NO)、CPU21は、処理をS17に戻して、印刷指示を受け付けるまで待機する。例えばユーザにより印刷画像Im1を印刷可能な感熱ラベルが装着され、且つ印刷指示を受け付けたと判断した場合(S17:YES)、CPU21は、感熱ラベルに印刷画像Im1を印刷する(S19)。この場合、CPU21は、印刷画像Im1と共に、変換された座標情報「B2」を、第1ラベル111の余白に印刷する。これにより、第1ラベル111が作成される。
【0061】
CPU21は、第2ラベル112の印刷指示を受け付けたか否か判断する(S21)。第2ラベル112の印刷指示を受け付けていないと判断した場合(S21:NO)、CPU21は、処理をS21に戻して、印刷指示を受け付けるまで待機する。例えば、ユーザにより第2ラベル112の印刷画像Im2を印刷する為の感熱ラベルが装着され、印刷指示を受け付けたと判断された場合(S21:YES)、CPU21は、感熱ラベルに印刷画像Im2を印刷する(S23)。これにより、例えば、第2ラベル112が印刷される。CPU21は、処理をS1に戻す。
【0062】
以上説明したように、CPU21は、第1ラベル111に対する第2ラベル112の相対的な貼り合わせ位置に関する情報を取得する。CPU21は、取得された貼り合わせ位置に関する情報に基づき、第2ラベル112の基準位置P1~P3に対する第1ラベル111の相対的な位置を示す情報である距離(x、y)=(-5、-5)を算出する。CPU21は、算出された距離(x、y)=(-5、-5)を、第1ラベル111を位置決めする為のベース200上の位置を示す情報である座標情報「B2」に変換する。CPU21は、変換された座標情報「B2」を感熱ラベルに印刷する。
【0063】
印刷装置1は、ベース200に対して第1ラベル111を位置決めさせる為の座標情報「B2」を感熱ラベルに印刷する。ユーザは、座標情報「B2」に基づき第1ラベル111をベース200に位置決めする。ユーザは、ベース200に位置決めされた第1ラベル111に対して、第2ラベル112を予め定められた基準位置P1~P3に位置決めして貼り合わせる。故に、ユーザは、第1ラベル111と第2ラベル112を簡単に貼り合わせできる。
【0064】
CPU21は、座標情報「B2」を、第1ラベル111に印刷する。印刷装置1は、ベース200に対して第1ラベル111を位置決めさせる為の座標情報を第1ラベル111に対して印刷する。ユーザは、第1ラベル111と第2ラベル112を簡単に貼り合わせできる。
【0065】
CPU21は、変換された座標情報「B2」を、第1ラベル111の余白に印刷する。印刷装置1は、第1ラベル111の余白に対して座標情報「B2」を印刷できる。ユーザは、第1ラベル111と第2ラベル112を貼り合わせた後、余白の部分を切り落として使用できる。
【0066】
図12を参照して、第1変形例である治具100Bについて説明する。第1変形では、上記実施形態と同様の機能を有する構成には同じ符号を付して説明を省略又は簡略化する。治具100Bは、上記実施形態とは、静電気発生装置115により発生される静電気により第1ラベル111を対向面210に吸着させる点で異なる。
【0067】
静電気発生装置115は、ベース200内部に設けられる。静電気発生装置115は、スイッチSWを備える。スイッチSWは、ベース200の左側の上面に設けられる。スイッチSWがOFFされた場合、静電気発生装置115は、対向面210には静電気が発生しない。スイッチSWがONされた場合、静電気発生装置115は、対向面210に静電気を発生させる。
【0068】
ユーザは、第1ラベル111を対向面210の所定位置に位置決めした状態で、スイッチSWをONする。これにより静電気発生装置115は、対向面210に静電気を発生させる。第1ラベル111の剥離紙111Bは、発生させた静電気によりベース200の対向面210に吸着して位置決めされる。この場合、対向面210は、第1ラベル111の粘着層と剥離紙111Bとが粘着する粘着力よりも弱い吸着力で、剥離紙111Bに吸着して位置決めする。
【0069】
第1ラベル111が対向面210に吸着して位置決めされた状態で、ユーザは、上記実施形態と同様に、ガイドプレート300Aにより、第1ラベル111に対して第2ラベル112を位置決めして貼り合わせる。これにより、貼り合わせラベル113Aが作成される。第1ラベル111に第2ラベル112を貼り合わせた後に、静電気発生装置115による静電気をオフすることで、ユーザは、第1ラベル111を対向面210から容易に剥がすことができる。故に、治具100Bは、貼り合わせラベル113Aの外観は、良好である。特に、第1ラベル111の剥離紙111Bには、傷、汚れ等がつきにくい。
【0070】
図13図16を参照して、第2変形例である治具100Cについて説明する。第2変形例でも、第1変形例と同様に、上記実施形態と同様の機能を有する構成には同じ符号を付して説明を省略又は簡略化する。治具100Cは、上記実施形態とは、拡張ベース215、及び回転支持部290を備え、ガイドプレート300Aが回転する点で異なる。
【0071】
拡張ベース215は、ベース200の前端部に設けられる。拡張ベース215は、左右方向に延びる平面視矩形状の板状部である。回転支持部290は、第1軸支部291、アーム部292、第2軸支部293を備える。第1軸支部291は、拡張ベース215の前端部の左側に設けられ、左右方向に延びる軸心(図示略)を中心にアーム部292を回動可能に支持する。アーム部292は軸心に直交する方向に延びる。第2軸支部293はアーム部292の先端部に設けられると共に、ガイドプレート300Aを回転可能に支持する。
【0072】
図14に示すように、第1軸支部291を中心としてガイドプレート300Aをベース200に対して閉じた場合、第2軸支部293は、ベース200の座標情報「B2」に対応する位置に配置される。この状態で、ガイドプレート300Aは、第2軸支部293を中心として、第1位置~第3位置との間を回転する。つまり、ガイドプレート300Aは、回転支持部290によりベース200に対する相対的な角度を可変可能である。
【0073】
図14に示すように、ガイドプレート300Aの第1位置では、位置決め部311Aの第1位置決め部310Aは前後方向に延び、且つ第2位置決め部315Aは左右方向に延びる。この場合、ガイドプレート300Aは、位置決め部311Aにより、第2ラベル112の左前の角部を基準位置P1に位置決めしつつ、第2ラベル112を第1ラベル111に対して貼り合わせできる。これにより、治具100Cは、治具100Aと同様に、貼り合わせラベル113Aを作成できる。
【0074】
図15に示すように、ガイドプレート300Aの第2位置は、第2軸支部293の軸心を中心として、ガイドプレート300Aを第1位置の状態から所定角度の分だけ平面視時計回りに回転した位置である。この場合、ガイドプレート300Aの位置決め部311Aも、所定角度の分だけ平面視時計回りに回転する。例えば、第2位置では、位置決め部311Aの位置は、ガイドプレート300Bの位置決め部311Bの位置と同じ位置となる。
【0075】
ユーザは、第1ラベル111を対向面210に位置決めした状態で、ガイドプレート300Aをベース200に対して閉じる。この状態で、ユーザは、ガイドプレート300Aを第2位置に回転させる。ユーザは、ガイドプレート300Aにより、第2ラベル112の左前の角部を基準位置P2に位置決めしつつ、第1ラベル111に対して貼り合わせできる。これにより、治具100Cは、治具100Aと同様に、貼り合わせラベル113Bを作成できる。
【0076】
図16に示すように、ガイドプレート300Aの第3位置は、第2軸支部293の軸心を中心として、ガイドプレート300Aを、第1位置の状態から所定角度の分だけ平面視反時計回りに回転した位置である。この場合、ガイドプレート300Aの位置決め部311Aも、所定角度の分だけ平面視反時計回りに回転する。例えば、第2位置では、位置決め部311Aの位置は、ガイドプレート300Cの位置決め部311Cの位置と同じ位置となる。
【0077】
ユーザは、第1ラベル111を対向面210に対して位置決めした状態で、ガイドプレート300Aをベース200に対して閉じる。この状態で、ユーザは、ガイドプレート300Aを第3位置に回転させる。ユーザは、ガイドプレート300Aにより、第2ラベル112の左前の角部を基準位置P3に位置決めしつつ、第1ラベル111に対して貼り合わせできる。これにより、治具100Cは、治具100Aと同様に、貼り合わせラベル113Cを作成できる。
【0078】
以上により、治具100Cは、ガイドプレート300Aがベース200に対する相対的な角度が可変可能なので、第1ラベル111に対して第2ラベル112を傾けた状態で位置決めできる。
【0079】
図17図18を参照して、第3変形例である治具100Dについて説明する。第3変形例でも、第1変形例及び第2変形例と同様に、上記実施形態と同様の機能を有する構成には同じ符号を付して説明を省略又は簡略化する。治具100Dは、上記実施形態とは、ガイドプレート300Dをスライド可能な点で異なる。
【0080】
図17に示すように、治具100Dは、ベース200とガイドプレート300Dを備える。ベース200の後端側には、支持板部380が設けられる。支持板部380の左端側と中央には、2つのピン380Aが左右に並んで夫々固定される。ガイドプレート300Dは、本体部301とガイド部302を備える。本体部301は上記実施形態のガイドプレート300Aと同一形状である。ガイド部302は、本体部301の後端部に連結され、平面視左右方向に延びる矩形状である。ガイド部302は、本体部301の右端部よりも右方に突出する。ガイド部302には、ガイド孔319が設けられる。ガイド孔319は平面視左右方向に延びる略長円状である。
【0081】
ガイドプレート300Dは、ベース200の上面に重ねて配置されると共に、ガイド孔319に対して2つのピン380Aが下側から挿入されて係止する。これにより、ガイドプレート300Dは、ガイド孔319の長さの範囲内で、ベース200の上面を左右方向にスライド可能に支持される。第1ラベル111を配置するときは、ユーザは、ガイドプレート300Dを図17の位置に配置すればよい。第2ラベル112を配置するときは、ユーザは、第1ラベル111が位置決めされた対向面210に対してガイドプレート300Dをスライドさせて、ガイドプレート300Dを図18の位置に配置すればよい。これにより、治具100Dは、治具100Aと同様に、貼り合わせラベル113Aを作成できる。
【0082】
図19を参照して、第4変形例の治具100Eについて説明する。第4変形例でも、第1変形例~第3変形例と同様に、上記実施形態と同様の機能を有する構成には同じ符号を付して説明を省略又は簡略化する。治具100Eでは、上記実施形態とは、ガイドプレート300Eにより、対向面210の全ての領域が覆われる点で異なる。
【0083】
ガイドプレート300Eは、本体部301とカバー板390を備える。本体部301は上記実施形態のガイドプレート300Aと同一形状である。カバー板390は、平面視矩形状の板である。カバー板390の一端は、ガイドプレート300Eの第1位置決め部310Aの右端に開閉可能に接続している。カバー板390が対向面210に対して閉じた状態で、ベース200の目盛りX3~X10と目盛りY3~Y8の領域が覆われる。
【0084】
貼り合わせラベル113Aの作成時、ユーザは、第1ラベル111を対向面210に位置決めする。次いで、ユーザは、ガイドプレート300Eを閉じた状態とし、且つカバー板390を開いた状態とする。この状態で、ユーザは、上記実施形態と同様に、第2ラベル112を第1ラベル111に対して位置決めして貼り合わせる。この場合、ユーザは、カバー板390を閉じる。ユーザは、カバー板390を上方から押し付ける。これにより、ユーザは、第1ラベル111に対して、第2ラベル112を均等な力で押圧できる。故に、第1ラベル111と第2ラベル112とは、確実に接着される。
【0085】
一方、治具100Eの未使用時、ユーザは、カバー板390を閉じた状態で保管するとよい。これにより、治具100Eは、本体部301と、カバー板390とにより対向面210を保護できる。
【0086】
上記実施形態は、更に、以下のように種々変更可能である。上記実施形態の治具100Aでは、ベース200の対向面210は、粘着性を有していたがこれに限らない。例えば、ベース200の対向面210の材質は、所定の摩擦力を有するエラストマーであってもよい。第1ラベル111が所定の摩擦力を有する対向面210に接触するので、第1ラベル111は、対向面210に位置決めされた状態で、対向面210上を移動し難くなる。これにより、第1ラベル111は、ベース200に対して位置決めされる。従って、治具は、対向面210の材質がエラストマーであっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0087】
治具100Aは、対向面210に目盛りX1~X10、目盛りY1~Y8が設けられたがこれに限らない。例えば、対向面210は、更に細かく目盛りを区切られていてもよい。この場合、細かく区切られた目盛りに対応した変換テーブルがフラッシュメモリ25に記憶されているとよい。
【0088】
治具100Aは、ガイドプレート300A~300Cが着脱可能であったがこれに限らない。例えば、ガイドプレート300A~300Cよりも更に角度を傾斜させたガイドプレートであってもよい。ガイドプレート300A~300Cの形状は、適宜変更してよい。
【0089】
ガイドプレート300A~300Cは、透明であったがこれに限らない。例えば、ガイドプレート300A~300Cは、黒色であり、透過性を有してもよいし、透過性を有さなくてもよい。
【0090】
ガイドプレート300A~300Cとベース200とは、ヒンジ部220、230により折り畳み可能に構成されたが、ヒンジ部の構成は他の構成でもよい。
【0091】
上記実施形態では、印刷装置1がメイン処理を実行したがこれに限らない。メイン処理が実行されるコンピュータは、印刷装置1に限定されず、ユーザインタフェイス機能を備えたコンピュータ(例えば、PC、タブレット等)であればよい。
【0092】
上記実施形態の印刷装置1は、第2ラベル112の左後の角部を基準位置P1~P3として、座標情報を計算したがこれに限らない。例えば、第2ラベル112の他の角部を基準位置として座標情報を計算してもよい。
【0093】
上記実施形態では、第2ラベル112と第1ラベル111の左後の角部との相対的な距離を算出したがこれに限らない。例えば、第2ラベル112の右前の角部と第1ラベル111の右前の角部との距離を算出してもよい。この場合、変換テーブルAの代わりに、他の変換テーブルを備えるとよい。
【0094】
上記実施形態では、CPU21は、座標情報「B2」を余白に印刷したがこれに限らない。例えば、CPU21は、座標情報「B2」を、文字列で表示部31に表示してもよい。この場合、ユーザは、対向面210上の座標情報を認識できる。更に、ユーザは、第1ラベル111の余白を切り落とす必要がない。なお、CPU21は、例えば、音声によりユーザに対して座標情報「B2」を報知してもよい。
【0095】
上記実施形態では、印刷装置1は、感熱ラベルにより第1ラベル111と第2ラベル112を印刷したがこれに限らない。例えば、印刷装置1は、熱転写型のラミネートタイプのラベルにより、第1ラベル111と第2ラベル112を作成してもよい。
【0096】
上記実施形態の治具100Bは、静電気発生装置115が設けられたがこれに限らない。例えば、治具100Bは、真空引き装置を備えてもよい。この場合、治具100Bは、第1ラベル111と対向面210との間を真空引きすることで吸着させて位置決めしてもよい。
【0097】
上記実施形態の治具100Cは、ガイドプレート300Aが第1位置、第2位置、第3位置に移動したがこれに限らない。ガイドプレート300Aは、第1位置、第2位置、第3位置以外の角度で第2ラベル112を第1ラベル111に対して位置決めしてもよい。
【0098】
上記実施形態の治具100D、100Eでは、ガイドプレート300D、300Eの本体部301が第2ラベル112を基準位置P1に位置決めしたがこれに限らない。例えば、治具100D、100Eの本体部301は、ガイドプレート300B、300Cと同様の形状であり、基準位置P2、P3の位置で第2ラベル112を第1ラベル111に対して位置決めしてもよい。この場合、治具100Eのカバー板390は、ガイドプレートの形状に合わせて形状が決定されるとよい。
【0099】
CPU21の代わりにマイクロコンピュータ、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等がプロセッサとして用いられてもよい。メイン処理は複数のプロセッサによって分散処理されてもよい。非一時的な記憶媒体は情報を記憶する期間に関わらず、情報を留めておくことが可能な記憶媒体であればよい。非一時的な記憶媒体は一時的な記憶媒体(例えば、伝送される信号)を含まなくてもよい。プログラムは例えばネットワークに接続されたサーバからダウンロードされて(すなわち、伝送信号として送信され)、フラッシュメモリ25に記憶されてもよい。この場合、プログラムはサーバに備えられたハードディスクドライブ等の非一時的な記憶媒体に保存されていればよい。なお、上記した変形例は矛盾が生じない限り、互いに組み合わされてもよい。
【0100】
上記実施形態において、ガイドプレート300A~300Eが本発明の「第1位置決め部材」に相当する。ガイドプレート300A~300Eが本発明の「第2位置決め部材」に相当する。距離(x、y)=(-5、-5)が本発明の「第1情報」に相当する。座標情報「B2」が本発明の「第2情報」に相当する。回転支持部290が本発明の「支持部」に相当する。支持板部380、ピン380Aが本発明の「支持機構」に相当する。カバー板390が本発明の「板部材」に相当する。
【0101】
S11の処理を実行するCPU21が本発明の「取得手段」に相当する。S13の処理を実行するCPU21が本発明の「算出手段」に相当する。S15の処理を実行するCPU21が本発明の「変換手段」に相当する。S19の処理を実行するCPU21が本発明の「出力手段」に相当する。
【符号の説明】
【0102】
1 印刷装置
21 CPU
100A~100E 治具
111 第1ラベル
111A 基材
111B 剥離紙
112 第2ラベル
112A 基材
112B 剥離紙
113A~113C 貼り合わせラベル
115 静電気発生装置
200 ベース
220、230 ヒンジ部
210 対向面
290 回転支持部
300A~300E ガイドプレート
311 位置決め部
380 支持板部
390 カバー板
Im1~Im3 印刷画像
X1~X10 目盛り
Y1~Y8 目盛り
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19