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特開2023-156847発注管理装置、発注管理方法、及び、発注管理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156847
(43)【公開日】2023-10-25
(54)【発明の名称】発注管理装置、発注管理方法、及び、発注管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20231018BHJP
   G06Q 40/12 20230101ALI20231018BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q40/00 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066456
(22)【出願日】2022-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 克行
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB58
5L055BB63
(57)【要約】
【課題】的確な発注管理を可能とする。
【解決手段】作業明細データ生成部が、受注した作業形態に対応する作業項目を作業項目記憶部から読み出して入力した作業明細データを生成する。発注明細データ生成部は、作業形態に対応する各作業項目の原価項目を原価項目記憶部から読み出して入力し、原価項目の支払先を支払先記憶部から読み出して入力した発注明細データを生成する。原価明細データ生成部は、原価項目記憶部から作業形態に対応する各作業項目の原価項目を読み出して入力し、支払先記憶部から原価項目の支払先を読み出して入力した原価明細データを生成する。また、入力処理部は、入力操作された作業予定日を作業明細データに入力し、入力操作された発注予定日を発注明細データに入力し、入力操作された各原価項目に対応する金額及び支払予定日を原価明細データに入力する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業形態に対応する作業項目が記憶されている作業項目記憶部から、受注した作業形態に対応する作業項目を読み出して入力した作業明細データを生成する作業明細データ生成部と、
前記作業形態に対応する各作業項目の原価項目が記憶されている原価項目記憶部から、前記作業形態に対応する各作業項目の原価項目を読み出して入力し、前記作業項目に対応する前記原価項目の支払先が記憶された支払先記憶部から、前記原価項目の支払先を読み出して入力した発注明細データを生成する発注明細データ生成部と、
前記原価項目記憶部から前記作業形態に対応する各作業項目の原価項目を読み出して入力し、前記支払先記憶部から前記原価項目の支払先を読み出して入力した原価明細データを生成する原価明細データ生成部と、
入力操作された作業予定日を前記作業明細データに入力し、入力操作された発注予定日を前記発注明細データに入力し、入力操作された各前記原価項目に対応する金額及び支払予定日を前記原価明細データに入力する入力処理部と、
を有する発注管理装置。
【請求項2】
作業項目展開ボタンを表示部に表示し、前記作業項目展開ボタンが操作された際に、受注した前記作業形態に基づいて前記作業項目記憶部から読み出した作業項目、前記支払先記憶部から読み出した、前記作業項目に対応する前記原価項目の支払先、作業予定日の入力欄、及び、作業実績日の入力欄を含む作業明細画面を前記表示部に表示する表示制御部を、さらに備え、
前記入力処理部は、前記作業明細画面を介して入力操作された作業予定日を前記作業明細データに入力すること、
を特徴とする請求項1に記載の発注管理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、原価項目展開ボタンを表示部に表示し、前記原価項目展開ボタンが操作された際に、受注した前記作業形態に基づいて前記原価項目記憶部から読み出した原価項目、前記支払先記憶部から読み出した前記原価項目の支払先、発注日の入力欄、及び、発注実績日の入力欄を含む発注明細画面を前記表示部に表示し、
前記入力処理部は、前記発注明細画面を介して入力操作された発注予定日を前記発注明細データに入力すること、
を特徴とする請求項2に記載の発注管理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記作業予定日の入力欄を備えた進捗照会画面を前記表示部に表示し、前記作業明細データから読み出した、前記作業予定日の入力欄に入力された作業予定日に対応する作業項目及び作業予定日を前記進捗照会画面に入力して表示すると共に、作業実績日の入力欄を前記進捗照会画面に表示すること、
を特徴とする請求項3に記載の発注管理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、少なくとも作業予定日及び作業実績日の更新画面を表示し、前記更新画面に入力された少なくとも前記作業予定日及び前記作業実績日に、前記進捗照会画面の前記作業予定日及び前記作業実績日を一括して更新処理し、
前記作業明細データは作業実績日を含み、
前記入力処理部は、前記作業明細データの作業予定日及び作業実績日を、前記更新画面に入力された前記作業予定日及び前記作業実績日に更新処理すること、
を特徴とする請求項4に記載の発注管理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、発注予定日の入力欄を介して指定された発注入力日に対応する支払先及び原価項目に対応する金額を含む発注書明細の一覧である発注出力画面を、前記原価明細データに基づいて表示し、
前記発注出力画面から選択された前記発注書明細の出力制御を行う出力制御部を、さらに備えること、
を特徴とする請求項2に記載の発注管理装置。
【請求項7】
少なくとも日付をカウントするタイマを、さらに備え、
前記入力処理部は、前記出力制御部により前記発注書明細の出力制御が行われた日付である発注実績日を前記タイマから取得して、前記発注明細データに入力すること、
を特徴とする請求項6に記載の発注管理装置。
【請求項8】
前記支払先記憶部には、各前記支払先に対して、下請代金支払遅延等防止法の対象となるか否かを示す下請法対象情報が関連付けされて記憶されており、
前記表示制御部は、請求先及び受注番号の各入力欄を含む請求入力画面を表示し、前記入力欄を介して入力された受注番号に対応する支払先を前記発注明細データから検出すると共に、前記支払先記憶部の下請法対象情報に基づいて、前記入力欄を介して入力された受注番号に対応する支払先が、下請代金支払遅延等防止法の対象となる支払先であるか否かを判別し、下請代金支払遅延等防止法の対象となる支払先である場合、前記発注明細データを参照し、入力された受注番号に対応する発注明細に、発注実績日が未入力の発注明細が存在する場合、所定のエラー処理を行うこと、
を特徴とする請求項2に記載の発注管理装置。
【請求項9】
前記支払先記憶部には、各前記支払先に対して、下請代金支払遅延等防止法の対象となるか否かを示す下請法対象情報が関連付けされて記憶されており、
前記表示制御部は、支払先の入力欄を備える支払依頼入力画面を表示し、前記入力欄に入力された支払先に基づいて前記発注明細データ及び前記原価明細データを参照し、入力された支払先に対応する原価項目、原価項目に対応する金額及び発注実績日を含む明細の一覧、及び、前記明細の一覧の中から、所望の支払先の明細を選択するための選択欄を前記支払依頼入力画面に表示し、前記明細の一覧の中から選択された明細に対応する支払先に基づいて前記支払先記憶部を参照し、選択された明細に対応する前記支払先が、下請代金支払遅延等防止法の対象となる支払先であり、かつ、前記明細中に前記発注実績日が存在しない支払先である場合に所定のエラー処理を行うこと、
を特徴する請求項2に記載の発注管理装置。
【請求項10】
前記入力処理部は、前記原価明細データの明細が入力操作された際に、作業形態毎に、対応する原価項目が関連付けされて記憶されている作業形態別原価項目記憶部を、入力操作された原価項目に基づいて参照し、入力された原価項目が、前記作業形態別原価項目記憶部に記憶されていない場合に所定のエラー処理を行うこと、
を特徴とする請求項1に記載の発注管理装置。
【請求項11】
作業明細データ生成部が、作業形態に対応する作業項目が記憶されている作業項目記憶部から、受注した作業形態に対応する作業項目を読み出して入力した作業明細データを生成する作業明細データ生成ステップと、
発注明細データ生成部が、前記作業形態に対応する各作業項目の原価項目が記憶されている原価項目記憶部から、前記作業形態に対応する各作業項目の原価項目を読み出して入力し、前記作業項目に対応する前記原価項目の支払先が記憶された支払先記憶部から、前記原価項目の支払先を読み出して入力した発注明細データを生成する発注明細データ生成ステップと、
原価明細データ生成部が、前記原価項目記憶部から前記作業形態に対応する各作業項目の原価項目を読み出して入力し、前記支払先記憶部から前記原価項目の支払先を読み出して入力した原価明細データを生成する原価明細データ生成ステップと、
入力処理部が、入力操作された作業予定日を前記作業明細データに入力し、入力操作された発注予定日を前記発注明細データに入力し、入力操作された各前記原価項目に対応する金額及び支払予定日を前記原価明細データに入力する入力処理ステップと、
を有する発注管理方法。
【請求項12】
コンピュータを、
作業形態に対応する作業項目が記憶されている作業項目記憶部から、受注した作業形態に対応する作業項目を読み出して入力した作業明細データを生成する作業明細データ生成部と、
前記作業形態に対応する各作業項目の原価項目が記憶されている原価項目記憶部から、前記作業形態に対応する各作業項目の原価項目を読み出して入力し、前記作業項目に対応する前記原価項目の支払先が記憶された支払先記憶部から、前記原価項目の支払先を読み出して入力した発注明細データを生成する発注明細データ生成部と、
前記原価項目記憶部から前記作業形態に対応する各作業項目の原価項目を読み出して入力し、前記支払先記憶部から前記原価項目の支払先を読み出して入力した原価明細データを生成する原価明細データ生成部と、
入力操作された作業予定日を前記作業明細データに入力し、入力操作された発注予定日を前記発注明細データに入力し、入力操作された各前記原価項目に対応する金額及び支払予定日を前記原価明細データに入力する入力処理部として機能させること、
を特徴とする発注管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発注管理装置、発注管理方法、及び、発注管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2010-049360号公報)に、発注業務で利用する帳票の管理を適切に行うことを目的とした発注管理装置が開示されている。この発注管理装置は、デジタル複合機が、商品の識別情報に対応付けて商品の発注先に係る情報を管理する。また、デジタル複合機は、注文書の内容を示す注文書データが入力されると、注文書データに含まれる商品の識別情報に対応する商品の発注先に係る情報を取得し、商品の発注先に係る情報及び注文書データに基づいて商品の発注書データを生成する。これにより、発注業務で利用する帳票の管理を適切に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-049360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、今日における企業等の商品又はサービス等の発注業務は多岐多様にわたる。このため、より的確な発注管理が求められている。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、的確な発注管理を行うことができるような発注管理装置、発注管理方法、及び、発注管理プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る発注管理装置は、作業形態に対応する作業項目が記憶されている作業項目記憶部から、受注した作業形態に対応する作業項目を読み出して入力した作業明細データを生成する作業明細データ生成部と、作業形態に対応する各作業項目の原価項目が記憶されている原価項目記憶部から、作業形態に対応する各作業項目の原価項目を読み出して入力し、作業項目に対応する原価項目の支払先が記憶された支払先記憶部から、原価項目の支払先を読み出して入力した発注明細データを生成する発注明細データ生成部と、原価項目記憶部から作業形態に対応する各作業項目の原価項目を読み出して入力し、支払先記憶部から原価項目の支払先を読み出して入力した原価明細データを生成する原価明細データ生成部と、入力操作された作業予定日を作業明細データに入力し、入力操作された発注予定日を発注明細データに入力し、入力操作された各原価項目に対応する金額及び支払予定日を原価明細データに入力する入力処理部と、を有する。
【0007】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る発注管理方法は、作業明細データ生成部が、作業形態に対応する作業項目が記憶されている作業項目記憶部から、受注した作業形態に対応する作業項目を読み出して入力した作業明細データを生成する作業明細データ生成ステップと、発注明細データ生成部が、作業形態に対応する各作業項目の原価項目が記憶されている原価項目記憶部から、作業形態に対応する各作業項目の原価項目を読み出して入力し、作業項目に対応する原価項目の支払先が記憶された支払先記憶部から、原価項目の支払先を読み出して入力した発注明細データを生成する発注明細データ生成ステップと、原価明細データ生成部が、原価項目記憶部から作業形態に対応する各作業項目の原価項目を読み出して入力し、支払先記憶部から原価項目の支払先を読み出して入力した原価明細データを生成する原価明細データ生成ステップと、入力処理部が、入力操作された作業予定日を作業明細データに入力し、入力操作された発注予定日を発注明細データに入力し、入力操作された各原価項目に対応する金額及び支払予定日を原価明細データに入力する入力処理ステップと、を有する。
【0008】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る発注管理プログラムは、コンピュータを、作業形態に対応する作業項目が記憶されている作業項目記憶部から、受注した作業形態に対応する作業項目を読み出して入力した作業明細データを生成する作業明細データ生成部と、作業形態に対応する各作業項目の原価項目が記憶されている原価項目記憶部から、作業形態に対応する各作業項目の原価項目を読み出して入力し、作業項目に対応する原価項目の支払先が記憶された支払先記憶部から、原価項目の支払先を読み出して入力した発注明細データを生成する発注明細データ生成部と、原価項目記憶部から作業形態に対応する各作業項目の原価項目を読み出して入力し、支払先記憶部から原価項目の支払先を読み出して入力した原価明細データを生成する原価明細データ生成部と、入力操作された作業予定日を作業明細データに入力し、入力操作された発注予定日を発注明細データに入力し、入力操作された各原価項目に対応する金額及び支払予定日を原価明細データに入力する入力処理部として機能させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、的確な発注管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態の発注管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2図2は、作業形態マスタの一例を示す図である。
図3図3は、作業形態別作業項目マスタの一例を示す図である。
図4図4は、作業項目マスタの一例を示す図である。
図5図5は、作業項目別原価項目マスタの一例を示す図である。
図6図6は、支払先マスタの一例を示す図である。
図7図7は、原価項目マスタの一例を示す図である。
図8図8は、作業形態別原価項目マスタの一例を示す図である。
図9図9は、実施の形態の発注管理装置の動作概要を示す図である。
図10図10は、受注データの一例を示す図である。
図11図11は、作業明細画面の一例を示す図である。
図12図12は、作業明細データの一例を示す図である。
図13図13は、発注明細画面の一例を示す図である。
図14図14は、発注明細データの一例を示す図である。
図15図15は、原価明細データの一例を示す図である。
図16図16は、業務工程進捗照会画面及び更新画面の一例を示す図である。
図17図17は、更新画面を介して一括更新処理された業務工程進捗照会画面の一例を示す図である。
図18図18は、一括更新処理の処理内容が反映された作業明細画面の一例を示す図である。
図19図19は、発注書出力画面の一例を示す図である。
図20図20は、発注書出力履歴データの一例を示す図である。
図21図21は、発注書の出力が行われることで、発注実績日が更新された発注明細画面の一例を示す図である。
図22図22は、請求入力画面の一例を示す図である。
図23図23は、支払依頼処理画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した実施の形態となる発注管理装置を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、このような実施の形態に本発明が限定されるものではない。
【0012】
(ハードウェア構成)
図1は、実施の形態の発注管理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。一例ではあるが、この実施の形態の発注管理装置1は、通関業者又は配送業者に対してサービスの提供委託を行う国際物流業者の端末装置となっている。この発注管理装置1は、図1に示すように記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5及びタイマ8を備えている。
【0013】
入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等の表示部を用いることができる。入力装置6としては、キーボード装置、マウス装置及びマイクロホン装置等の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置等を用いることができる。タイマ8は、現在の日時をカウントする。
【0014】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、それぞれ記憶領域である作業形態マスタ11、作業形態別作業項目マスタ12、作業項目マスタ13、作業項目別原価項目マスタ14、支払先マスタ15、原価項目マスタ16、及び、作業形態別原価項目マスタ17が設けられている。
【0015】
また、記憶部2には、発注業務を管理するための発注管理プログラムが記憶されている。また、記憶部2には、発注管理プログラムを実行することで生成される受注データ、作業明細データ、発注明細データ、原価明細データ及び発注書出力履歴データ等が記憶される。
【0016】
図2は、作業形態マスタ11の一例を示す図である。この図2に示すように、作業形態マスタ11には、受注した作業形態の作業形態コード及び作業形態名が関連付けされて記憶されている。この図2は、「2000」の作業形態コードに対して、「輸出倉通関(コンテナ)」の作業形態名が関連付けされて記憶された例である。
【0017】
図3は、作業形態別作業項目マスタ12の一例を示す図である。この図3に示すように、作業形態別作業項目マスタ12には、作業形態コード、及び、作業項目コードが関連付けされて記憶されている。この図3の例は、「2000」の作業形態コードの「輸出倉通関(コンテナ)」の作業形態は、「S001」、「S002」及び「S003」の作業項目コードの作業項目が含まれていることを示している。
【0018】
図4は、作業項目マスタ13の一例を示す図である。この図4に示すように、作業項目マスタ13には、作業項目コード及び作業項目名が関連付けされて記憶されている。この図4の例は、「2000」の作業形態コードの「輸出倉通関(コンテナ)」の作業形態における、「S001」、「S002」及び「S003」の作業項目コードは、それぞれ「配送手配」、「通関手配」及び「Booking手配」の作業項目名であることを示している。
【0019】
図5は、作業項目別原価項目マスタ14の一例を示す図である。この図5に示すように作業項目別原価項目マスタ14には、作業項目コード及び原価項目コードが関連付けされて記憶されている。この図5の例は、「S001」、「S002」、「S003」及び「S004」の作業項目コードは、それぞれ「G001」、「G002」、「G003」及び「G004」の原価項目コードに対応することを示している。
【0020】
図6は、支払先マスタ15の一例を示す図である。この図6に示すように、支払先マスタ15には、原価項目コード、支払先コード、及び、下請法対象情報が、それぞれ関連付けされて記憶されている。また、支払先マスタ15には、各支払先コードに対応する支払先の支払先名が関連付けされて記憶されている。
【0021】
図6の例は、「G001」の原価項目コードは「SIH001」の支払先コードに対応し、この支払先コードの支払先は、下請法の対象であることを示している(1:対象)。また、この図6の例は、「G002」の原価項目コードは「SIH002」の支払先コードに対応し、この支払先コードの支払先は、下請法の対象であることを示している(1:対象)。さらに、図6の例は、「G003」の原価項目コードは「SIH003」の支払先コードに対応し、この支払先コードの支払先は、下請法の非対象であることを示している(0:非対象)。
【0022】
図7は、原価項目マスタ16の一例を示す図である。この原価項目マスタ16には、原価項目コード及び原価項目名が関連付けされて記憶されている。この図7の例は、「G001」の原価項目コードは、「ドレージ料」の原価項目コードであり、「G002」の原価項目コードは、「通関料(大額)」の原価項目コードであることを示している。また、図7の例は、「G003」の原価項目コードは、「通関料(少額)」の原価項目コードであり、「G004」の原価項目コードは、「海上運賃」の原価項目コードであることを示している。
【0023】
図8は、作業形態別原価項目マスタ17の一例を示す図である。この図8に示すように、作業形態別原価項目マスタ17には、作業形態コード、原価項目コード及び原価項目名が関連付けされて記憶されている。この図8の例は、「2000」の作業形態コードの作業形態の原価項目には、ドレージ料(G001)、通関料(大額)(G002)、通関料(少額)(G003)、海上運賃(G004)、及び、THC(Terminal Handling Charge)の各原価項目が含まれることを示している。
【0024】
(発注管理装置の機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている発注管理プログラムを実行することで、作業明細データ生成部21、発注明細データ生成部22、原価明細データ生成部23、入力処理部24、表示制御部25及び出力制御部26として機能する。
【0025】
作業明細データ生成部21は、受注した作業形態に対応する作業項目を、作業形態別作業項目マスタ12及び作業項目マスタ13から読み出して展開(入力)した作業明細データを生成する。なお、作業形態別作業項目マスタ12及び作業項目マスタ13は、作業項目記憶部の一例である。
【0026】
発注明細データ生成部22は、作業項目別原価マスタ14及び原価項目マスタ16に記憶されている作業形態に対応する各作業項目の原価項目を読み出して入力し、また、支払先マスタ15に記憶されている原価項目の支払先を読み出して入力した発注明細データを生成する。なお、作業項目別原価マスタ14及び原価項目マスタ16は、原価項目記憶部の一例であり、支払先マスタ15は、支払先記憶部の一例である。
【0027】
原価明細データ生成部23は、作業項目別原価マスタ14及び原価項目マスタ16から、作業形態に対応する各作業項目の原価項目を読み出して入力し、支払先マスタ15から原価項目の支払先を読み出して入力した原価明細データを生成する。
【0028】
入力処理部24は、入力装置6を介して業務オペレータにより入力操作された作業予定日を作業明細データに入力し、入力操作された発注予定日を発注明細データに入力し、入力操作された各原価項目に対応する金額(原価金額)及び支払予定日を原価明細データに入力する。
【0029】
表示制御部25は、作業項目展開ボタン(図11の符号50)を表示部の一例である出力装置7に表示する。そして、表示制御部25は、作業項目展開ボタン50が操作された際に、受注した作業形態に基づいて作業項目マスタ13から読み出した作業項目、支払先マスタ15から読み出した、作業項目に対応する原価項目の支払先、作業予定日の入力欄、及び、作業実績日の入力欄を含む作業明細画面(図11参照)を出力装置7に表示する。この他、表示制御部25は、発注明細画面(図13参照)、業務工程進捗照会画面(図16参照)、更新画面(図16の符号60)、発注書出力画面(発注出力画面の一例:図19参照)、請求入力画面(図22参照)、及び、支払依頼処理画面(図23参照)等を表示する。詳しくは、後述する。
【0030】
出力制御部26は、上述の発注書出力画面(図19参照)の発注書明細の一覧から選択された発注書明細を、プリンタ装置の一例である出力装置7に出力制御して、発注書を印刷制御する。なお、この例では、出力制御部26は、発注書を印刷制御することとしたが、一覧から選択された発注書明細のデータを、半導体メモリ又は円盤状記憶媒体等の記憶メディアに出力して記憶してもよい。
【0031】
(発注管理装置の動作)
次に、図9は、実施の形態の発注管理装置1の動作概要を示す図である。この図9に示す発注管理装置1の動作は、記憶部2に記憶されている発注管理プログラムに基づいて、制御部3により実行される。
【0032】
(受注入力処理)
まず、図9に示す受注入力処理において、作業明細データ生成部21により作業明細データが生成される。具体的には、業務オペレータは、まず、入力装置6を操作して、受注内容に応じた作業形態を指定操作する。これにより、作業明細データ生成部21は、図10に例示する受注データを生成する。図10に示すように、受注データは、自動採番される受注番号(受注No)、作業形態コード及び作業形態名を含んで構成される。この図10の例は、「SI202209001」との受注番号が自動採番され、業務オペレータにより、作業形態コードが「2000」の「輸出倉通関(コンテナ)」の作業形態が指定された例である。
【0033】
次に、作業明細データ生成部21は、指定された作業形態の作業形態コードに基づいて、図3に例示した作業形態別作業項目マスタ12を参照し、作業形態コードに対応する作業項目コードを検出する。また、作業明細データ生成部21は、図4に例示した作業項目マスタ13を参照し、作業形態別作業項目マスタ12から検出した作業項目コードに対応する作業項目名を検出する。そして、検出した作業項目コード及び作業項目名を入力(展開)した、図12に例示する作業明細データを生成する。
【0034】
図12に示すように、作業明細データは、受注番号、受注行番号、作業項目コード、作業項目名、作業予定日、及び、作業実績日の各入力欄を含んで構成される。この図12の例は、「輸出倉通関(コンテナ)」の作業形態に対する作業項目として、作業項目コードが「S001」の「配送手配」、作業項目コードが「S002」の「通関手配」及び作業項目コードが「S003」の「Booking手配」が含まれる例である。
【0035】
このような作業明細データが生成されると、表示制御部25は、図11に例示するように、支払先、作業項目、当初作業予定日、作業予定日、作業実績日、作業予実差、フリータイム、作業担当、及び、作業備考の各表示欄を備えた作業明細画面を出力装置7に表示する。また、表示制御部25は、この作業明細画面と共に、作業項目展開ボタン50を出力装置7に表示する。
【0036】
表示制御部25は、作業項目展開ボタン50が操作されると、作業明細データから「S001」等の作業項目コード及び「配送手配」等の作業項目名を読み出し、明細として、各行に並べて作業明細画面に表示する。また、表示制御部25は、図5に示した作業項目別原価項目マスタ14及び図6に示した支払先マスタ15を参照して検出した支払先コード及び支払先名を、作業明細画面の支払先の入力欄に入力して表示する。
【0037】
業務オペレータは、このような作業明細画面に対して、各作業項目に対する当初作業予定日、及び、作業予定日を、入力装置6を介して入力操作する。図11の例は、配送手配の作業項目の当初作業予定日及び作業予定日として「2022年2月9日」が入力され、通関手配の作業項目の当初作業予定日及び作業予定日として「2022年2月10日」が入力され、Booking手配の作業項目の当初作業予定日及び作業予定日として「2022年2月8日」が入力された例である。
【0038】
入力処理部24は、このように入力された各作業項目の作業予定日を、図12に示すように作業明細データに入力して反映する。
【0039】
次に、図9に示す受注入力処理において、発注明細データ生成部22により発注明細データが生成される。すなわち、発注明細データ生成部22は、受注した作業形態の作業形態コードに基づいて、図8に示した作業形態原価項目マスタ18を参照し、受注した作業形態に対応する原価項目コード及び原価項目名を検出する。そして、発注明細データ生成部22は、検出した原価項目コード及び原価項目名を、図14に示すように発注明細データに入力する。
【0040】
この図14に例示するように、発注明細データは、受注された作業形態の受注番号(受注No)、受注No行番、支払先コード、原価項目コード、原価項目名、発注予定日及び発注実績日の各入力欄を含んで構成される。支払先の入力欄には、発注明細データ生成部22が、原価項目コードに基づいて図6に示した支払先マスタ15を参照して検出した支払先コードが入力される。
【0041】
このような発注明細データが生成されると、表示制御部25は、図13に例示するように、支払先、原価項目、発注予定日、発注実績日、発注予実差、発注担当、及び、発注番号の各表示欄を備えた発注明細画面を出力装置7に表示する。また、表示制御部25は、この発注明細画面と共に、原価項目展開ボタン51を出力装置7に表示する。
【0042】
表示制御部25は、原価項目展開ボタン51が操作されると、発注明細データから「G001」等の原価項目コード及び「ドレージ料」等の原価項目名を読み出し、明細として各行に並べて発注明細画面に表示する。また、表示制御部25は、各原価項目コードに基づいて、図6に示した支払先マスタ15を参照して検出した支払先コード及び支払先名を、発注明細画面の支払先の入力欄に入力して表示する。
【0043】
業務オペレータは、このような発注明細画面に対して、各原価項目に対する発注予定日を、入力装置6を介して入力操作する。図13の例は、トレージ料の原価項目の発注予定日として「2022年2月9日」が入力され、通関料(大額)の原価項目の発注予定日として「2022年2月8日」が入力され、通関料(少額)の原価項目の発注予定日として「2022年2月8日」が入力された例である。
【0044】
入力処理部24は、このように入力された各原価項目の発注予定日を、図14に示すように発注明細データに入力して反映する。
【0045】
次に、原価明細データ生成部23は、このような発注明細データに基づいて、図15(a)に例示する原価明細データを生成する。この原価明細データは、受注No、受注No行番、支払先コード、原価項目コード、原価項目名、金額(原価金額)及び支払予定日を含んで構成される。
【0046】
このうち、原価金額は、業務オペレータにより入力された金額が反映される。すなわち、業務オペレータは、表示制御部25を介して、図15(a)に示す原価明細データの明細を一覧表示し(原価明細画面)、各原価項目の原価金額の入力欄に所望の金額を入力操作する。これにより、原価明細データ生成部23が、業務オペレータにより入力された原価金額を、図15(a)に示す金額の入力欄に入力して反映させる。
【0047】
同様に、業務オペレータは、原価明細画面に対して、各原価項目の原価金額の支払予定としている年月日を入力操作する。これにより、原価明細データ生成部23が、業務オペレータにより入力された原価金額の支払予定日を、図15(a)に示す支払予定日の入力欄に入力して反映させる。
【0048】
また、原価明細データに対しては、業務オペレータが、所望の明細を手動で入力可能となっている。図15(b)は、最下段の明細である「DOC FEE(Documentation Fee)」の原価項目の明細を手動で入力した例である。
【0049】
ここで、このような手動入力を行った際に、業務オペレータが、誤った情報の入力を行ったとする。すなわち、図15(b)の例において、例えば「G006」の原価項目コードを誤って入力したとする。この場合、表示制御部25は、入力された「G006」の原価項目コードが、図8に示した作業別原価項目マスタ18に存在するか否か(記憶されているか否か)を判別する。図8の例の場合、作業別原価項目マスタ18に、「G006」の原価項目コードは記憶されていない。このため、表示制御部21は、所定のエラー処理の一例として、図15(b)に示すように、エラー入力された明細の行をグレー表示する。これにより、業務オペレータは、エラー入力を認識でき、正しい原価項目コードを入力し直す等の措置を取ることができる。なお、エラー入力の明細は、原価明細データに反映されない(入力拒否)。
【0050】
また、エラー処理は、どのようなエラー処理でもよく、エラー入力を示す電子音又はメッセージを出力してもよいし、例えば「原価項目コードに誤りがあります」等のエラーメッセージを表示してもよい。
【0051】
(作業状況照会処理)
次に、図9に示す作業状況照会処理の動作を説明する。実施の形態の発注管理装置1は、この作業状況照会処理により、各種案件の作業予定データに基づいて、作業手配予定等を確認可能となっている。これにより、作業手配遅れ及び作業手配漏れを防止可能となっている。また、作業予定日の一括更新処理等も可能となっている。
【0052】
具体的には、業務オペレータにより作業状況の照会操作が行われると、表示制御部25は、図16に例示する業務工程進捗照会画面を表示する。この業務工程進捗照会画面は、作業予定の入力欄及び作業担当者コードの入力欄を備えている。業務オペレータは、作業状況の照会を行う作業予定日又は作業担当者の作業担当者コードを入力する。図16の例は、作業予定日として「2022年2月8日~2022年2月10日」が入力された例である。
【0053】
表示制御部25は、入力された作業予定日に基づいて、図11及び図12を用いて説明した作業明細データを参照することで、入力された作業予定日に対応する作業の明細を読み出し、図16に示すように業務工程進捗照会画面に一覧表示する。業務オペレータは、この業務工程進捗照会画面に一覧表示される各作業項目の当初作業予定日及び作業予定日を見ることで、各作業項目の作業の進捗状況を確認することができる。
【0054】
ここで、このような業務工程進捗照会画面において、作業の明細の一覧の中から選択した所望の作業の作業予定日等を、一括更新可能となっている。図16に示すように、各作業に対しては、「更新」のチェックボックスが設けられている。業務オペレータは、一括更新を行う作業のチェックボックスにチェックを入れる操作を行うことで、一括更新を行う作業を選択する。そして、業務オペレータは、図16に示す業務工程進捗照会画面の下辺近傍に表示されている一括更新ボタン55(F8:一括更新)を操作する。
【0055】
一括更新ボタン55が操作されると、表示制御部25は、図16に示すように、チェックボックスにチェックを入れることで選択した作業の更新内容を指定するための一括更新画面60を表示する。この一括更新画面60は、更新項目の選択欄及び更新内容の入力欄を有している。図16の例は、一括更新画面60に、「更新項目」の選択欄として「作業予定日」、「作業実績日」、「備考」及び「作業担当者コード」の選択欄が設けられている例である。
【0056】
業務オペレータは、このような一括更新画面60に基づいて、所望の更新項目を選択し、選択した更新項目の更新内容を入力する。図16の例は、更新項目として「作業予定日」、「作業実績日」及び「備考」が選択され、「作業予定日」及び「作業実績日」の更新内容としてそれぞれ「2022年2月15日」が入力され、「備考」の更新内容として「本船遅延(抜港)の為、2月9日→2月15日」の入力が行われた例である。業務オペレータは、このような入力操作を行った後、一括更新画面60の登録ボタン(F10:登録)を操作する。
【0057】
一括更新画面60の登録ボタンの操作を検出すると、表示制御部25は、図17に示すように、業務工程進捗照会画面上で選択されていた作業の明細の内容を、一括更新画面60で指定された内容に一括更新処理して表示する。すなわち、図16に示した例は、「作業予定日」、「作業実績日」及び「備考」の一括更新が指定された例である。このため、表示制御部25は、図17に示すように業務工程進捗照会画面において、作業予定日及び作業実績日を、それぞれ「2022年2月15日」に更新すると共に、各作業の備考欄に「本船遅延(抜港)の為、2月9日→2月15日」との付記事項を入力して表示する。
【0058】
また、このような一括更新操作が行われると、作業明細データ生成部21は、図12に示す作業明細データを、更新内容に従って一括更新処理する。この例の場合、作業明細データ生成部21は、作業明細データの作業予定日及び作業実績日を、それぞれ「2022年2月15日」に更新すると共に、作業備考の欄に「本船遅延(抜港)の為、2月9日→2月15日」との付記事項を入力して更新する。これにより、作業明細画面を表示した際に、図18に示すように、表示制御部25により作業予定日、作業実績日及び作業備考が更新された状態で表示される。
【0059】
実施の形態の発注管理装置1は、このように所望の作業の作業予定、作業内容及び進捗状況等を一括して更新できるため、このような更新業務を行う業務オペレータの手間を大幅に軽減できる。
【0060】
(発注書出力処理)
次に、図9に示す発注書出力処理を説明する。この発注書出力処理は、作業を依頼する所望の発注先に対する発注書を出力する処理である。具体的には、業務オペレータにより発注書の出力が指定操作されると、表示制御部25は、図19に示すように発注予定日、発注担当者コード及び支払先コードの各入力欄を含む発注書出力画面を表示する。業務オペレータは、この発注書出力画面の発注予定日の入力欄に対して、発注する作業の予定日を入力する。また、業務オペレータは、この発注書出力画面の発注担当者コードの入力欄に対して、発注を行う担当者の担当者コードを入力する。また、業務オペレータは、作業の発注を行う業者(支払先)の支払先コードを入力する。図19の例は、発注予定日として「2022年2月8日~2022年2月8日」が入力され、「SIH002」の支払先コードが入力された例である。
【0061】
上述のように、図6に示した支払先マスタ15には、支払先コード及び支払先名が関連付けされて記憶されている。表示制御部25は、「SIH002」の支払先コードに基づいて支払先マスタ15を参照し、例えば「B:通関業者」との、「SIH002」の支払先コードの支払先の支払先名を読み出して、支払先コードの入力欄に表示する。
【0062】
また、表示制御部25は、入力された発注予定日に基づいて、図14に示す発注明細データ及び図15(a)に示す原価明細データを参照し、入力された発注予定日に対応する明細を、図19に示すように一覧表示する。この図19の例は、「2022年2月8日」に、「B:通関業者」に対して発注予定の明細の一覧を表示した例である。この図19に示すように、表示制御部25は、受注No、支払先コード、支払先名、発注予定日、発注実績日、発注予実差、備考、原価項目名、及び、原価金額を含む明細の一覧を表示する。
【0063】
このように、指定した発注予定日及び支払先の明細の一覧が表示されると、業務オペレータは、発注書の出力を行う明細を選択操作し、出力ボタン57(F7:出力)を操作する。出力ボタン57が操作されると、出力制御部26は、選択された明細のデータを発注書データとしてプリンタ装置である出力装置7に供給する。これにより、出力装置7を介して発注書が印刷される。なお、発注書データは、半導体メモリ又は円盤状記憶媒体等の記憶メディアに出力して記憶してもよい。
【0064】
また、このように発注書データの出力が行われると、発注明細データ生成部22は、図20に例示する発注書出力履歴データを生成する。発注書出力履歴データは、この図20に例示するように、受注No、支払先コード、支払予定日、原価項目コード、原価項目名、原価数量、原価単価、原価金額(円)、原価消費税(円)、発注書保存パス、出力ユーザ識別番号(出力ユーザID)、出力日時を含んで構成される。このうち、出力日時は、出力ボタン57が操作された際の日時を、発注明細データ生成部22がタイマ8から取得して入力する。
【0065】
また、発注明細データ生成部22は、図14に示す発注明細データにおける、発注データの出力が行われた作業の発注実績日に、出力ボタン57が操作された際にタイマ8から取得した日時を入力する。表示制御部25は、図21に示すように発注明細画面を表示した際に、発注済となった作業の発注実績日を、発注明細データに基づいて入力して表示する。業務オペレータは、この発注明細画面の発注実績日の日付の有無により、その作業に対する発注が行われているか否かを判別することができ、発注漏れを防止することができる。
【0066】
(請求入力処理)
次に、図9に示す請求入力処理を説明する。この請求入力処理は、請求書の作成時における入力処理である。業務オペレータにより、請求書の作成指定操作が行われると、表示制御部25は、図22に例示するように受注No、受付日、受注店、作業店、担当者、請求項の各入力欄を含む請求入力画面を表示する。業務オペレータは、請求書の作成する作業の受注Noを入力操作する。
【0067】
表示制御部25は、入力された受注Noに対応する支払先を、図14に示す発注明細データから検出すると共に、図6に示す支払先マスタ15に記憶されている下請法対象情報に基づいて、入力された受注Noに対応する支払先が、下請法(下請代金支払遅延等防止法)の対象となる支払先であるか否かを判別する。そして、表示制御部25は、入力された受注Noに対応する支払先が、下請法の対象となる支払先である場合、図14に示す発注明細データを参照し、入力された受注Noに対応する発注明細に、発注実績日が未入力の発注明細が存在する場合、所定のエラー処理の一例として、受注No以外の入力欄に対する入力を拒否するエラー処理を行う。
【0068】
すなわち、この場合、表示制御部25は、受注No以外の入力欄に対する入力内容を、請求入力画面上に表示しないエラー処理(反映しないエラー処理)を行う。なお、エラー処理は、どのようなエラー処理でもよく、エラー入力を示す電子音又はメッセージを出力してもよいし、例えば「発注されていない作業があります」等のエラーメッセージを表示してもよい。
【0069】
これにより、発注を行っていない作業に対する請求書が作成される不都合を防止することができ、発注済の作業に対する請求書のみを作成することができる。
【0070】
(支払依頼処理)
次に、図9に示す支払依頼処理を説明する。この支払依頼処理は、作業を行った業者に対する支払を依頼するための支払依頼書の作成を行う処理である。業務オペレータにより、支払依頼書の作成指定操作が行われると、表示制御部25は、図23に例示するように支払先、及び、支払予定日の入力欄を備えた支払依頼処理画面(支払依頼入力画面の一例)を表示する。業務オペレータは、所望の支払先の支払先コード及び支払予定日を入力する。図23の例は、業務オペレータにより、「SIH001」の支払先コード及び「2022年3月31日」の支払予定日が入力された例である。表示制御部25は、「SIH001」の支払先コードも基づいて、図6に示す支払先マスタ15を参照し、支払先コードに対応する支払先名を読み出して、例えば「A:配送業者」等のように、支払先コードに隣接させて表示する。
【0071】
また、表示制御部25は、入力された支払先コード及び支払予定日に基づいて、図14に示す発注明細データ、及び、図15(a)に示す原価明細データを参照し、入力された支払先に対応する原価項目、原価項目に対応する金額及び発注実績日を含む明細の一覧、及び、この明細の一覧の中から、所望の支払先の明細を選択するための選択欄を支払依頼処理画面に表示する。
【0072】
具体的には、表示制御部25は、受注No、支払先コード、支払先名、原価項目、原価金額、発注実績日、支払予定日、及び、備考の各入力欄を含む明細を一覧表示する。業務オペレータは、支払対象となる支払先の選択欄にチェックを入れる操作を行う。表示制御部25は、明細の一覧の中から選択された明細に対応する支払先に基づいて、図6に示す支払先マスタ15を参照し、選択された明細に対応する支払先が、下請代金支払遅延等防止法の対象となる支払先であるか否かを判別する。また、表示制御部25は、これと共に、図14に示す発注明細データを参照し、選択された明細に対応する支払先に対する作業の発注は済んでいるか否か(発注済であるか否か)を判別する。
【0073】
そして、表示制御部25は、選択された明細に対応する支払先が、下請法の対象となる支払先であり、かつ、明細中に発注実績日が存在しない支払先である場合に、所定のエラー処理の一例として、明細の一覧の表示領域をグレー表示するエラー処理を行う。
【0074】
なお、エラー処理は、どのようなエラー処理でもよく、エラー入力を示す電子音又はメッセージを出力してもよいし、例えば「発注されていない支払先が選択されています」等のエラーメッセージを表示してもよい。
【0075】
これにより、業務オペレータに対して支払依頼書の作成が拒否されたことを認識させることができ、発注を行っていない支払先に対して支払を依頼する支払依頼書が作成される不都合を防止できる。
【0076】
また、明細の一覧の表示領域をグレー表示された場合、業務オペレータは、発注実績日が未入力の明細の選択欄の選択を解除操作する(選択欄のチェックボックスのチェックを外す)。これにより、選択された支払先に対する支払依頼書の作成が可能となり、例えば図示しない出力ボタンを操作されたタイミングで、出力制御部26が、発注実績日が入力済の支払先の明細のデータのみを記憶部2に出力して記憶し、又は、外部の記憶メディアに出力して記憶する。この明細のデータに基づいて、発注実績日が入力済の支払先に対する支払依頼書のみが作成される。
【0077】
(実施の形態の効果)
例えば、国際物流業界では、通関業者や配送業者に対して役務の提供委託をすることが多く、下請代金支払遅延等防止法(下請法)における「発注書面の交付義務」、「下請代金の支払期日を定める義務」、「書類作成・保存義務」及び「下請代金の遅延利息の支払義務」の遵守が求められる。
【0078】
また、発注書の内容及びレイアウトは、委託する役務の内容により多種多様化しているため、作業手配及び発注書作成が俗人化しており、手配漏れ及び発注書作成漏れは、人的チェックにより対応していた。
【0079】
しかし、実施の形態の発注管理装置1は、受注する作業内容に応じて、発生する作業内容、支払内容をマスタ管理し、委託作業の手配予定、手配状況及び、発注書の作成と、発注書作成及び未作成のステータスをシステム管理する。これにより、各委託業者に対する手配漏れ及び発注書作成漏れを未然に防止でき、適格な発注管理を行うことができる。
【0080】
また、受注時の業務範囲をマスタ管理することで、業務範囲に関連する詳細な作業内容及び発生する支払内容の関連付けをマスタ管理することができる。
【0081】
また、業務工程進捗照会画面を表示することで、作業予定の進捗管理及び発注状況の管理を視覚化できる。
【0082】
また、支払先が、下請法の対象か否かを管理するステータスを保持しているため、下請法対象の支払先において、未発注状態の作業内容がある受注に対しては、請求及び支払業務を不可とするエラー制御を行う。これにより、下請法の遵守を可能とすることができる。
【0083】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0084】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0085】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0086】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0087】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0088】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0089】
また、発注管理装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0090】
例えば、発注管理装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて発注管理装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0091】
また、この発注管理装置1の発注管理プログラムは、発注管理装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0092】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための発注管理プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0093】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した発注管理装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0094】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0095】
また、発注管理装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0096】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能付加に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、例えば物流業界の発注管理等に適用して好適である。
【符号の説明】
【0098】
1 発注管理装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
8 タイマ
11 作業形態マスタ
12 作業形態別作業項目マスタ
13 作業項目マスタ
14 作業項目別原価項目マスタ
15 支払先マスタ
16 原価項目マスタ
17 作業形態別原価項目マスタ
21 作業明細データ生成部
22 発注明細データ生成部
23 原価明細データ生成部
24 入力処理部
25 表示制御部
26 出力制御部
50 作業項目展開ボタン
51 原価項目展開ボタン
57 出力ボタン
60 更新画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23