(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023015685
(43)【公開日】2023-02-01
(54)【発明の名称】吹出口ユニット
(51)【国際特許分類】
B60H 3/06 20060101AFI20230125BHJP
B60H 3/00 20060101ALI20230125BHJP
B60H 1/34 20060101ALI20230125BHJP
A61L 9/01 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
B60H3/06 611Z
B60H3/00 F
B60H3/06 631
B60H1/34 651B
A61L9/01 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021119609
(22)【出願日】2021-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】坂本 秀樹
【テーマコード(参考)】
3L211
4C180
【Fターム(参考)】
3L211BA09
3L211BA10
3L211DA14
3L211DA73
3L211DA74
3L211DA75
3L211DA95
3L211DA96
4C180AA02
4C180AA07
4C180AA17
4C180BB11
4C180CC03
4C180CC17
4C180HH05
4C180HH15
4C180HH19
4C180JJ01
4C180MM07
(57)【要約】
【課題】光触媒フィルタによる空気清浄機能を備えたメンテナンス性に優れた「吹出口ユニット」を提供する。
【解決手段】光触媒フィルタ132を保持するフィルタモジュール13の前端部を、吹出口ユニット1の本体部10の前面のフィン11の下部に設けた開口部15に挿入し(b)、フィルタモジュール13をガイド16に沿って吹出口ユニット1の中空空間内に侵入させ(c)、規定の配置位置に配置する(d)。フィルタモジュール13は、後方に進むほど上に向かう湾曲した形状を有し、規定の配置位置において、おおよそ光触媒フィルタ132によって、吹出口ユニット1の中空空間を光触媒フィルタ132より後方の空間と前方の空間に区切る。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のエアコンの吹出口を形成する吹出口ユニットであって、
中空の空間である内部空間有する本体部と、
前記本体部の前面に配置された、前記内部空間と前記本体部の前方との間の空気の流路を形成するフィンと、
前記内部空間に交換可能に配置される、通気性を備えたシート状の光触媒フィルタと、
前記内部空間内の規定の配置位置に配置された光触媒フィルタを光で照射し活性化する、前記本体部に固定された光源装置とを有し、
前記本体部は、
後面に設けられた、前記エアコンから送られた空気を前記内部空間内に受け入れるための流入口と、
前面に、当該前面の一辺に沿って設けられた、前記光触媒フィルタを抜き差しするための、前記内部空間につながる開口と、
前記開口から前記内部空間内の前記規定の配置位置まで差し込まれた光触媒フィルタを、当該規定の配置位置に拘束する拘束構造とを有し、
前記光触媒フィルタは、湾曲した形状を有し、前記規定の配置位置に拘束された状態において、当該光触媒フィルタは、後方に進むほど、前後方向に見て前記前面の前記一辺と対向する辺に近づくように湾曲し、前記流入口から前記フィンに向かう空気が当該光触媒フィルタを通過することを特徴とする吹出口ユニット。
【請求項2】
請求項1記載の吹出口ユニットであって、
前記開口は、前記本体部の前面の前記フィンの下方の位置に、前記前面の下辺に沿って設けられており、
前記光触媒フィルタは、前記規定の配置位置に拘束された状態において、後方に進むほど上を向くように湾曲した形状を有することを特徴とする吹出口ユニット。
【請求項3】
請求項1記載の吹出口ユニットであって、
前記開口は、前記本体部の前面の前記フィンの上方の位置に、前記前面の上辺に沿って設けられており、
前記光触媒フィルタは、前記規定の配置位置に拘束された状態において、後方に進むほど下を向くように湾曲した形状を有することを特徴とする吹出口ユニット。
【請求項4】
請求項1、2または3記載の吹出口ユニットであって、
前記光源装置の光の照射範囲は、前記規定の配置位置に配置された光触媒フィルタによる反射によって、前方方向に向かう反射光が生じないように設定されていることを特徴とする吹出口ユニット。
【請求項5】
請求項1、2または3記載の吹出口ユニットであって、
前記光源装置の光の照射範囲は、前記規定の配置位置に配置された光触媒フィルタの前記光源装置の光によって照射される範囲内の各位置が全て、その位置から、その位置における光触媒フィルタの曲率中心に向かう方向より前方の方向のみより、前記光源装置が出射した光が到来する位置となるように設定されていることを特徴とする吹出口ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の吹出口から送風される空気を清浄する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の吹出口から送風される空気を清浄する技術としては、光触媒フィルタと光触媒フィルタを活性化するLEDを内蔵した空気清浄機を、自動車の吹出口を覆うように取付け、自動車の吹出口から送風された空気が光触媒フィルタを通過して車室内に送られるようにする技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した空気清浄機を自動車の吹出口を覆うように取付ける技術によれば、ユーザの自動車の吹出口へのアクセスが空気清浄機によって遮られ、吹出口に設けられている風向き調整や風量調整の機構を利用することが困難となる。また、この技術によれば、自動車の吹出口自体への匂いの付着を抑制することができない。
【0005】
そこで、光触媒フィルタと光触媒フィルタを活性化するLEDを、自動車の吹出口の内部に設けることが考えられるが、このようにすると、自動車の吹出口の内部は、通常、風向/風量の調整用のフィンで覆われているため、光触媒フィルタの交換などのメンテナンスに困難性が生じる。
【0006】
そこで、本発明は、光触媒フィルタを用いた空気清浄機能を備えた、メンテナンス性に優れた吹出口ユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題達成のために、本発明は、自動車のエアコンの吹出口を形成する吹出口ユニットに、中空の空間である内部空間有する本体部と、前記本体部の前面に配置された、前記内部空間と前記本体部の前方との間の空気の流路を形成するフィンと、前記内部空間に交換可能に配置される、通気性を備えたシート状の光触媒フィルタと、前記内部空間内の規定の配置位置に配置された光触媒フィルタを光で照射し活性化する、前記本体部に固定された光源装置とを設けたものである。ここで、前記本体部は、後面に設けられた、前記エアコンから送られた空気を前記内部空間内に受け入れるための流入口と、前面に、当該前面の一辺に沿って設けられた、前記光触媒フィルタを抜き差しするための、前記内部空間につながる開口と、前記開口から前記内部空間内の前記規定の配置位置まで差し込まれた光触媒フィルタを、当該規定の配置位置に拘束する拘束構造とを備えている。そして、前記光触媒フィルタは、湾曲した形状を有し、前記規定の配置位置に拘束された状態において、当該光触媒フィルタは、後方に進むほど、前後方向に見て前記前面の前記一辺と対向する辺に近づくように湾曲し、前記流入口から前記フィンに向かう空気が当該光触媒フィルタを通過する。
【0008】
より具体的には、この吹出口ユニットは、前記開口を、前記本体部の前面の前記フィンの下方の位置に、前記前面の下辺に沿って設け、前記光触媒フィルタの形状を、前記規定の配置位置に拘束された状態において、後方に進むほど上を向くように湾曲した形状してもよい。
【0009】
または、この吹出口ユニットは、前記開口を、前記本体部の前面の前記フィンの上方の位置に、前記前面の上辺に沿って設け、前記光触媒フィルタの形状を、前記規定の配置位置に拘束された状態において、後方に進むほど下を向くように湾曲した形状としてもよい。
【0010】
ここで、以上の吹出口ユニットにおいて、前記光源装置の光の照射範囲は、前記規定の配置位置に配置された光触媒フィルタによる反射によって、前方方向に向かう反射光が生じないように設定することが好ましい。
【0011】
より具体的には、前記光源装置の光の照射範囲を、前記規定の配置位置に配置された光触媒フィルタの前記光源装置の光によって照射される範囲内の各位置が全て、その位置から、その位置における光触媒フィルタの曲率中心に向かう方向より前方の方向のみより、前記光源装置が出射した光が到来する位置となるように設定してもよい。
【0012】
このような吹出口ユニットによれば、本体部の前面の一辺に沿って設けられた開口から挿抜される光触媒フィルタの形状を、規定の配置位置において、後方に進むほど、前後方向に見て前記前面の前記一辺と対向する辺に近づくように湾曲させた形状としたので、光触媒フィルタを前面から本体部に抜き差しするだけで、当該光触媒フィルタの交換が行えるようになり、メンテナンス性が向上する。
【0013】
また、光触媒フィルタの形状を湾曲した形状としたので、光触媒フィルタによる反射光がフィンを通って前方に漏れ出てしまうことを抑制しつつ、光源装置の出射光で、光触媒フィルタの広い範囲を照射して活性化することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、光触媒フィルタを用いた空気清浄機能を備えた、メンテナンス性に優れた吹出口ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係る吹出口ユニットの外観を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るフィルタモジュールを示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るフィルタモジュールの装着手順を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るLEDアレイと光触媒フィルタの関係を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るLEDアレイと光触媒フィルタの配置の定め方を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る吹出口ユニットを自動車のエアダクトに取り付けたようすを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る吹出口ユニットの実施形態について説明する。
ここで、吹出口ユニットは、自動車のエアコンのエアダクトから送風される空気を車室内に導入するように自動車に取り付けられて、自動車のエアコンの吹出口を形成するユニットである。
【0017】
図1に、本実施形態に係る吹出口ユニット1の外観を示す。
図中に示すように吹出口ユニット1の前後左右上下を定めるものとして、
図1a1は吹出口ユニット1の前面を表し、
図1a2は吹出口ユニット1の上面を表し、
図1a3は吹出口ユニット1の後面を表し、
図1a4は吹出口ユニット1の左側面を表す。ここで、吹出口ユニット1の右側面は、左側面と同様に表れる。
【0018】
また、
図1b1は、前上方より斜視した吹出口ユニット1のようすを、
図1b2は後上方より斜視した吹出口ユニット1のようすを表している。
図示するように、吹出口ユニット1は、おおよそ直方体形状の、内部が中空空間となっている本体部10を備えている。
本体部10の前面には、中空空間と本体部10の前方の空間との間の風路を形成する風向/風量の調整用のフィン11が2つ設けられている。本体部10の後面は開口である流入口12を有し、この流入口12は、自動車のエアコンのエアダクトに連結される。
【0019】
次に、本体部10の中空空間内には、フィルタモジュール13が交換可能に、前方側端部が本体部10の前面に露出した形態で配置されている。また、本体部10の上部には光源基板14が配置されている。
【0020】
次に、
図2に、フィルタモジュール13の構成を示す。
図2a1はフィルタモジュール13の前面を表し、
図2a2はフィルタモジュール13の上面を表し、
図2a3はフィルタモジュール13の後面を表し、
図2a4はフィルタモジュール13の左側面を表す。ここで、フィルタモジュール13の右側面は、左側面と同様に表れる。
【0021】
また、
図2bは、前上方より斜視したフィルタモジュール13のようすを示している。
図示するように、フィルタモジュール13は、後方部分が上方に向かって湾曲した板状の部材であり、フレーム131と光触媒フィルタ132とを有する。
フレーム131は、前方部分より肉薄に形成された後方部分に開口を有し、この後方部分が上に向かって湾曲している。また、フレーム131の前方部分の前端部は、少し肉厚に形成されている。
【0022】
そして、このフレーム131の後方部分の開口を覆うように、光触媒フィルタ132がフレーム131によって支持されている。光触媒フィルタ132は薄いシート状の部材であり通気性を備えている。
【0023】
次に、
図3aに、
図1a2のA-Aによる、フィルタモジュール13を装着していない状態の吹出口ユニット1の断面を示す。
図示するように、本体部10の前面の下部には、フィルタモジュール13を、本体部10の中空空間内に導入するための開口部15が設けられている。また、本体部10の中空空間の左右の内壁には、中空空間内に向けて左右方向に少し突出した、開口部15から挿入されたフィルタモジュール13の左右側部を規定の配置位置に案内すると共に、規定の配置位置で支持するガイド16が形成されている、また、本体部10の中空空間の上の内壁には、規定の配置位置でフィルタモジュール13の前方端部が嵌まり込む溝17が形成されている。また、開口部15の少し後ろの位置に、マグネットプッシュラッチなどの、本体部10の中空空間内の規定の配置位置に配置されたフィルタモジュール13を、その位置に拘束するラッチ18が配置されている。
【0024】
このような構成において、フィルタモジュール13の初回装着時や交換時などにおける、フィルタモジュール13の吹出口ユニット1への取付けは、次のように行う。
すなわち、
図3bに示すように、フィルタモジュール13の前端部を、本体部10の前面下部の開口部15に挿入し、
図3b、cに示すように、フィルタモジュール13を回転しながら本体部10の中空空間内に侵入させる、そして、フィルタモジュール13が、
図3dに示す規定の配置位置まで侵入すると、フィルタモジュール13の前方端部が溝17に嵌まり込むと共に、フィルタモジュール13の前方部分の肉厚部分がラッチ18にロックする。なお、ラッチ18として、マグネットプッシュラッチを用いる場合には、フィルタモジュール13の前方部分の肉厚部分の後端に磁石もしくは強磁性体を設けるようにする。
【0025】
そして、ラッチ18がロックすると、フィルタモジュール13は、ガイド16、溝17、ラッチ18の作用により、フィルタモジュール13は、この
図3dの規定の配置位置に拘束されるようになる。
【0026】
ここで、
図3dに示すフィルタモジュール13の規定の配置位置は、フィルタモジュール13の前端から後端に向かって、本体部10の中空空間の下の内壁から上の内壁近くまで上方に湾曲し、おおよそ光触媒フィルタ132によって、本体部10の中空空間を光触媒フィルタ132より後方の空間と前方の空間に区切る配置位置となっている。したがって、本体部10の流入口12から流入し、フィン11を通って本体部10の前方に送られる空気のおおよそは、光触媒フィルタ132を通過することとなる。
【0027】
なお、フィルタモジュール13の交換時などにおける、フィルタモジュール13の吹出口ユニット1からの取り出しは、取付けと逆の手順で行うことができる。なお、ラッチ18として、マグネットプッシュラッチ等のプッシュラッチを用いた場合には、フィルタモジュール13を少し後方に押しやることにより、ラッチ18によるフィルタモジュール13の拘束は解除される。
【0028】
このように本実施形態によれば、フィルタモジュール13の形状を左右方向に見て上下に湾曲した形状としたので、フィルタモジュール13を前面から本体部10に抜き差しするだけで、フィルタモジュール13の交換が行えるようになり、そのメンテナンス性が向上する。
【0029】
次に、
図1a2のA-Aによる吹出口ユニット1の断面端を表す
図4aに示されるように、本体部10の上部に設けられた光源基板14の下面には、本体部10の中空空間内の光触媒フィルタ132に光を照射し活性化するLEDアレイ141が設けられている。
【0030】
LEDアレイ141は、
図4bに示すように、左右方向に配列された複数のLED1411から構成される。LED1411の一部は白色光を出射し、残りのLED1411は波長460nm前後の青色光を出射する。
また、本体部10の中空空間内の上部の内壁には、LEDアレイ141の照射範囲を限定する絞部材19が設けられている。
ここで、絞部材19は、LEDアレイ141の照射範囲を次のように限定するよう設ける。
すなわち、
図5a1、a2に示すように上下前後を定めるものとして、
図5a1、a2の曲面上の凹側の面上の位置Pに、位置Pにおける曲面の曲率中心CPに向かう方向VP、すなわち、位置Pにおける曲面の凹側の法線方向VPより前方の方向より位置Pに到来した光は、必ず後方に向かって反射する。
【0031】
なお、平面の場合も同様であり、
図5b1、abの平面上の位置Pに、位置Pにおける法線方向VPより前方の方向より位置Pに到来した光は、必ず後方に向かって反射する。
そこで、規定の配置位置にあるフィルタモジュール13の光触媒フィルタ132の、LEDアレイ141が出射した光により照射される範囲が、その範囲内の各位置が全て、その位置から光触媒フィルタ132の、その位置における曲率中心CPに向かう方向より前方の方向のみより、LEDアレイ141が出射した光が到来する位置となるように、LEDアレイ141の照射範囲を限定するように絞部材19は設ける。
【0032】
たとえば、
図5cに示すように、光触媒フィルタ132の曲率が一定であれば、その範囲内の各位置が全て、光触媒フィルタ132の曲率中心CPに向かう方向より前方の方向のみより、LEDアレイ141が出射した光が到来する位置となるように、LEDアレイ141の照射範囲を限定するように絞部材19は設ける。
なお、
図5cに示した光触媒フィルタ132の形状は一例であり、光触媒フィルタ132の曲率は一定でなくて良く、光触媒フィルタ132の、LEDアレイ141が出射した光により照射される範囲が、その範囲内の各位置が全て、その位置から光触媒フィルタ132の、その位置における曲率中心CPに向かう方向より前方の方向のみより、LEDアレイ141が出射した光が到来する位置となればよい。
【0033】
このようにすることにより、LEDアレイ141の出射光の光触媒フィルタ132による反射光が、フィン11を通って吹出口ユニット1の前方に漏れ出てしまうことを抑止することができる。
【0034】
なお、たとえば、
図5dに示すように光触媒フィルタ132を垂直に配置した場合には、LEDアレイ141の出射光で照射される光触媒フィルタ132の範囲が、空気のおおよそが通る範囲となるようにしつつ、光触媒フィルタ132による一次反射光がフィン11を通って吹出口ユニット1の前方に漏れ出てしまうことを抑止することは困難である。
【0035】
さて、以上説明してきた吹出口ユニット1は、
図6aに示すように自動車のエアコンのエアダクト60に連結され、
図6bに示すように、自動車のエアコンの吹出口を形成する。
【0036】
図6aに示すように、自動車のエアコンのエアダクト60から吹出口ユニット1に送られた空気は、光触媒フィルタ132を通過し、フィン11を通って自動車の車室内に送風される。光触媒フィルタ132は、LEDアレイ141の出射光で活性化されており、エアダクト60から自動車の車室内に送られる空気は光触媒フィルタ132を通過する際に清浄化される。
【0037】
以上、本発明の実施形態について説明した。
ここで、吹出口ユニット1の構造としては、以上で示した吹出口ユニット1の構造の上下を反転した構造を用いるようにしてもよい。すなわち、本体部10の、フィルタモジュール13の挿入用の開口部15をフィン11の上方の位置に設け、フィルタモジュール13の形状を、後方に進むほど下を向くように湾曲した形状としてもよい。
また、吹出口ユニット1の構造としては、以上で示した吹出口ユニット1のフィン11の配置を除く構造の上下と左右の入れ替えた構造を用いるようにしてもよい。すなわち、フィルタモジュール13の挿入用の開口部15をフィン11の左方の位置に設け、フィルタモジュール13の形状を、後方に進むほど右を向くように湾曲した形状としてもよいし、フィルタモジュール13の挿入用の開口部15をフィン11の右方の位置に設け、フィルタモジュール13の形状を、後方に進むほど左を向くように湾曲した形状としてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1…吹出口ユニット、10…本体部、11…フィン、12…流入口、13…フィルタモジュール、14…光源基板、15…開口部、16…ガイド、17…溝、18…ラッチ、19…絞部材、60…エアダクト、131…フレーム、132…光触媒フィルタ、141…LEDアレイ、1411…LED。