(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156861
(43)【公開日】2023-10-25
(54)【発明の名称】トイレ蓋用又は便座用取手部材
(51)【国際特許分類】
A47K 13/10 20060101AFI20231018BHJP
【FI】
A47K13/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066487
(22)【出願日】2022-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000132921
【氏名又は名称】株式会社タカギ・パックス
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 保夫
【テーマコード(参考)】
2D037
【Fターム(参考)】
2D037AA02
2D037AB02
(57)【要約】
【課題】洋式タイプのトイレの蓋や便座に容易に取り付けて開け閉めするための取手として機能するとともに、容易に取り外して洗浄又は交換することができ、清潔性を維持可能なトイレ蓋用又は便座用取手部材を提供する。
【解決手段】
本発明にかかるトイレ蓋用又は便座用取手部材100は、中空の形成された組紐と、前記中空に挿入された直径1.0mm~1.8mm以下プラスチック製糸と、を備えてなる紐状部材10と、面ファスナー20と、を備えてなり、紐状部材10をリング状に湾曲形成した状態で、両側端部を面ファスナー20に接合することによって、面ファスナーの接合面と反対側にリング部を形成してなることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空の形成された組紐と、前記中空に挿入された直径1.0mm~1.8mm以下のプラスチック製糸と、を備えてなる紐状部材と、
面ファスナーと、
を備えてなり、
前記紐状部材をリング状に湾曲形成した状態で、両側端部を面ファスナーに固定することによって、前記面ファスナーの接合面と反対側にリング部を形成してなることを特徴とするトイレ蓋用又は便座用取手部材。
【請求項2】
前記紐状部材は、前記プラスチック製糸が挿入された状態で前記組紐の端部が封止されていることを特徴とする請求項1に記載のトイレ蓋用又は便座用取手部材。
【請求項3】
前記紐状部材は、リング部を固定してあることを特徴とする請求項1に記載のトイレ蓋用又は便座用取手部材。
【請求項4】
前記紐状部材の端部は、前記面ファスナーの接合面と反対側に配置され、折り返されて縫製されていることを特徴とする請求項1に記載のトイレ蓋用又は便座用取手部材。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のトイレ蓋用又は便座用取手部材において、前記面ファスナーと対になる固定用面ファスナーを備えていることを特徴とするトイレ蓋用又は便座用取手部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレの蓋又は便座に取り付けて開け閉めのための取っ手として使用されるトイレ蓋用又は便座用取手部材に関する。
【背景技術】
【0002】
洋式タイプのトイレを使用するときに、トイレの蓋や便座を開閉しなければならない場合がある。しかし、トイレの蓋や便座には、飛び跳ねた尿が付着していたり、細菌やウイルスが付着していたりする可能性があり、手で直接トイレの蓋や便座を開け閉めすることは不衛生であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、洋式タイプのトイレの蓋や便座に容易に取り付けることができ開け閉めするための取手として機能するとともに、容易に取り外して洗浄又は交換することができ、清潔性を維持可能なトイレ蓋用又は便座用取手部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0005】
本発明にかかるトイレの蓋用又は便座用取手部材は、
中空の形成された組紐と、前記中空に挿入された直径1.0mm~1.8mm以下のプラスチック製糸と、を備えてなる紐状部材と、
面ファスナーと、
を備えてなり、
前記紐状部材をリング状に湾曲形成した状態で、両側端部を面ファスナーに接合することによって、面ファスナーの接合面と反対側にリング部を形成してなることを特徴とする。
【0006】
かかるトイレの蓋用又は便座用取手部材によれば、紐状部材は外周表面が組紐で形成されており、触り心地は柔らかいものである一方、内部にはプラスチック製糸が挿入されているので、適度な剛性を有しているため、取手部材として好適に使用することができる。また、プラスチック製糸が挿入されているので形状安定性も高くリング部の形態を保持させることができる。そのため、つまみやすい取手部材とすることができる。さらに、紐状部材は、面ファスナーに取り付けられているので、トイレの蓋又は便座に対になる雄又は雌の面ファスナーを貼り付けるだけで、トイレの蓋又は便座にリング部を取り付けることができる。このように容易かつ迅速にトイレの蓋又は便座に取手部材を取り付けて使用することができる。さらに、面ファスナーで取り付けられているだけであるので、容易に取り外すことができ、洗浄及び交換を容易にすることができるので、トイレの蓋用又は便座用取手部材を清潔に保つことができる。
【0007】
また、本発明にかかるトイレ蓋用又は便座用取手部材において、
前記紐状部材は、プラスチック製糸が挿入された状態で組紐の端部が封止されていることを特徴とするものであってもよい。
【0008】
紐状部材の中空にプラスチック製糸を挿入した後に、組紐の端部を、縫製や溶着等によって封止することによって、プラスチック製糸が飛び出したりする可能性を低減することができる。
【0009】
さらに、本発明にかかるトイレ蓋用又は便座用取手部材において、
前記紐状部材は、リング部を固定してあることを特徴とするものであってもよい。
【0010】
このように、リング部を固定することによって、リング部の大きさが変更することなく、安定した形状を保持させることができる。
【0011】
さらに、本発明にかかるトイレ蓋用又は便座用取手部材において、
紐状部材の端部は、面ファスナーの接合面と反対側に配置され、折り返されて縫製されていることを特徴とするものであってもよい。
【0012】
紐状部材の内部には、プラスチック製糸が挿入されているので、面ファスナーを折り返した状態にしてミシン等で縫製することができる。このように、面ファスナーを折り返した状態で縫い付けるだけでリング部を面ファスナーに固定することができ、容易にトイレ蓋用又は便座用取手部材を作製することができる。
【0013】
さらに、本発明にかかるトイレ蓋用又は便座用取手部材において、前記面ファスナーと対になる固定用面ファスナーを備えていることを特徴とするものであってもよい。
【0014】
かかる構成を採用することで、トイレ蓋又は便座の側面に対になる固定用面ファスナーを貼着することによって、容易にトイレの蓋又は便座にトイレ蓋用又は便座用取手部材の取り付け部位を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、実施形態にかかるトイレ蓋用又は便座用取手部材100を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態にかかるトイレ蓋用又は便座用取手部材100の紐状部材20を説明するための説明図である。
【
図3】
図3は、実施形態にかかるトイレ蓋用又は便座用取手部材100の紐状部材20を説明するための説明図である。
【
図4】
図4は、実施形態にかかるトイレ蓋用又は便座用取手部材100が洋式トイレ200のトイレ蓋又は便座に取り付けられている状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明にかかるトイレ蓋用又は便座用取手部材100の実施形態について、図を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
【0017】
図1には、実施形態にかかるトイレ蓋用又は便座用取手部材100の斜視図が示されている。本実施形態にかかるトイレ蓋用又は便座用取手部材100は、
図1に示すように、主として、紐状部材10と、面ファスナー20と、を備えている。
【0018】
紐状部材10は、
図2に示すように、内部が中空に形成される組紐11と、この中空に挿入されるプラスチック製糸12とからなる。組紐11は、その組み上げ方法は特に限定するものではなく、プラスチック製糸12が挿入可能なように内部が中空に形成されていればよい。また、組紐11は、内部にプラスチック製糸12を挿入可能であれば、角打ち紐、平打紐及び丸打ち紐等いずれであってもよい。プラスチック製糸12は、釣り糸のように、モノフィラメントからなる糸であり、組紐11の中空に挿入して紐状部材10に剛性を付与するためのものである。そのため、好ましくは、太さ(直径)が1.0mm~1.8mm以下のプラスチック製糸12が使用される。より好ましくは、太さが1.2mm~1.6mmのナイロン製又はポリエステル製のモノフィラメントを使用するとよい。このようなプラスチック製糸12を使用することによって、適度な剛性が紐状部材10に付与されるとともに、面ファスナー20に紐状部材10を取り付ける際にミシンを利用して縫い付けることができる。この紐状部材10は、中空にプラスチック製糸12を挿入した状態で、組紐11の端部を縫製や溶着等によって封止することが好ましい。端部を封止しておくことで、プラスチック製糸12が端部から飛び出してしまう可能性を低減することができる。こうして作製された紐状部材10は、
図3に示すように、真ん中にリング部14を形成した状態で保持できるように、結束バンド等のような結束部材15で固定されている。リング部は、指で把持又は引っ掛けやすいように、35mm~40mmの直径のリングにすることが好ましい。
【0019】
こうしてリング部14が設けられた紐状部材10は、
図1に示すように、面ファスナー20のファスナー面21に対して反対側の面に載置した状態で両側を折り返し、紐状部材10の端部17を挟み込むようにする。この状態で面ファスナー20と紐状部材10を縫製することによって、紐状部材10と面ファスナー20を固定することができ、面ファスナー20の接合面と反対側にリング部14が設けられた状態の紐状部材10が完成する。縫製は、
図1に示すように、両側の端部を長手方向に縫製するとともに、折り曲げた状態で対角線となるように縫製するとよい。このような縫製を行うことによって紐状部材10も縫製されるため、確実に紐状部材10と面ファスナー20を固定することができる。なお、この際に、紐状部材10内に金属線を挿入した場合には、紐状部材10と面ファスナー20を同時にミシン等で縫製することはできないが、プラスチック製糸12を使用することによって、ミシンの針でプラスチック製糸12ごと縫製することができる。
【0020】
以上のようにして作製されたトイレ蓋用又は便座用取手部材100は
図4に示すように、洋式トイレ200のトイレ蓋201又は便座202の側面に紐状部材10とトイレ蓋用又は便座用取手部材100の面ファスナー20と対になる固定用面ファスナー、すなわち、トイレ蓋用又は便座用取手部材100に雌の面ファスナー20を使用した場合には、雄の面ファスナーを、トイレ蓋用又は便座用取手部材100に雄の面ファスナー20を使用した場合には、雌の面ファスナーを貼着する。これにより、トイレ蓋用又は便座用取手部材100は、面ファスナー20を押し付けることでトイレ蓋又は便座の側面にトイレ蓋用又は便座用取手部材100を取り付けることができる。
【0021】
こうして取り付けられたトイレ蓋用又は便座用取手部材100を把持することによって、トイレ蓋又は便座に直接触れることなく、トイレ蓋又は便座を開閉することが可能となる。また、トイレ蓋用又は便座用取手部材100が汚れた場合であっても、面ファスナー20で取り付けてあるだけなので容易に取り外すことができ、洗浄したり、交換したりすることができる。そのため、清潔なトイレ蓋用又は便座用取手部材100を保持することができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
上述した実施の形態で示すようにトイレ蓋又は便座を開け閉めする際の取手として、産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0023】
10…紐状部材、11…組紐、12…プラスチック製糸、14…リング部、15…結束部材、17…端部、20…面ファスナー、21…ファスナー面、100…トイレの蓋用又は便座用取手部材、200…洋式トイレ、201…トイレ蓋、202…便座