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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156916
(43)【公開日】2023-10-25
(54)【発明の名称】端末装置及び通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/02 20090101AFI20231018BHJP
   H04W 92/16 20090101ALI20231018BHJP
   H04W 16/14 20090101ALI20231018BHJP
   H04W 72/54 20230101ALI20231018BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20231018BHJP
【FI】
H04W72/02
H04W92/16
H04W16/14
H04W72/08 110
H04W72/04 131
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066576
(22)【出願日】2022-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】示沢 寿之
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA11
5K067CC04
5K067DD11
5K067DD43
5K067EE02
5K067EE25
5K067FF05
5K067JJ03
(57)【要約】
【課題】アンライセンスバンドを使用したサイドリンク通信を実現することができる仕組みを提供する。
【解決手段】端末装置は通信部と制御部とを備える。通信部は共有スペクトラムで他の端末装置とサイドリンク通信を行う。制御部は、SL(サイドリンク)通信に関するSLセンシング、及び、共有スペクトラムにおける通信に関するLBTセンシングを行う。制御部は、第1~第3の方法のいずれか1つを用いて、他の端末装置とのSL通信のための送信リソースを選択する。制御部は、選択した送信リソースを用いて、SLデータを送信する。第1の方法は、SLセンシングの結果に基づき、LBTセンシングを行う方法である。第2の方法は、LBTセンシングの結果に基づき、SLセンシングを行う方法である。第3の方法は、SLセンシング、及び、LBTセンシングを個別に行う方法である。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共有スペクトラムで他の端末装置とサイドリンク通信を行う通信部と、
前記通信部を介して、前記サイドリンク通信に関するサイドリンクセンシング、及び、前記共有スペクトラムにおける通信に関するLBT(Listen Before Talk)センシングを行い、
第1の方法、第2の方法、及び、第3の方法のいずれか1つを用いて、前記他の端末装置とのサイドリンク通信のための送信リソースを選択し、
前記通信部を介し、選択した前記送信リソースを用いて、1つ以上のサイドリンクデータを送信する、制御部と、
を備え、
前記第1の方法は、前記サイドリンクセンシングの結果に基づき、前記LBTセンシングを行うことで前記送信リソースを選択する方法であり、
前記第2の方法は、前記LBTセンシングの結果に基づき、前記サイドリンクセンシングを行うことで前記送信リソースを選択する方法であり、
前記第3の方法は、前記サイドリンクセンシング、及び、前記LBTセンシングのそれぞれを個別に行うことで、前記送信リソースを選択する方法である、
端末装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1の方法として、
前記サイドリンクセンシングの結果に基づき、所定のサイドリンクリソース選択ウィンドウの中からサイドリンクセンシングリソースを選択し、
前記サイドリンクセンシングリソースに基づき、前記LBTセンシングを行ってCOT(Channel Occupancy Time)を取得し、
前記COT及び前記サイドリンクセンシングリソースに基づき、前記送信リソースを選択する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記サイドリンクリソース選択ウィンドウは、前記サイドリンクデータの送信に必要な時間長、前記LBTセンシングによって取得され得る前記COTの時間長、前記LBTセンシングにおける衝突窓のサイズ、及び、前記LBTセンシングにおけるチャネルアクセスタイプの少なくとも1つに基づいて決定される、請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記サイドリンクリソース選択ウィンドウの中から前記サイドリンクデータの送信に必要な時間長の前記サイドリンクセンシングリソースを選択しない場合、前記サイドリンクセンシングに関するパラメータを変更して、前記サイドリンクを再度行って前記サイドリンクセンシングリソースを選択する、請求項2に記載の端末装置。
【請求項5】
前記LBTセンシングは、衝突窓の終了時点、又は、前記COTの開始時点が、前記サイドリンクセンシングリソースの開始時点となるように行われる、請求項2に記載の端末装置。
【請求項6】
前記LBTセンシングの結果、衝突窓の終了時点、又は、前記COTの開始時点が、前記サイドリンクセンシングリソースの開始時点と同じ、又は、前記サイドリンクセンシングリソースの開始時点より前である場合、前記制御部は、前記サイドリンクセンシングリソースを前記送信リソースとして選択する、請求項2に記載の端末装置。
【請求項7】
前記LBTセンシングの結果、衝突窓の終了時点、又は、前記COTの開始時点が、前記サイドリンクセンシングリソースの開始時点より後である場合、前記制御部は、予め規定又は設定された所定の処理を実行する、請求項2に記載の端末装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第2の方法として、
前記サイドリンクセンシングの結果に基づき、所定のサイドリンクリソース選択ウィンドウの中からサイドリンクセンシングリソースを選択し、
前記サイドリンクセンシングリソースに基づき、前記LBTセンシングを行ってCOTを取得し、
前記COT及び前記サイドリンクセンシングリソースに基づき、前記送信リソースを選択する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項9】
前記サイドリンクセンシングリソースが、前記サイドリンクリソース選択ウィンドウの開始時点から選択できる場合、前記送信リソースは、前記サイドリンクリソース選択ウィンドウの前記開始時点から選択される前記サイドリンクセンシングリソースである、請求項8に記載の端末装置。
【請求項10】
前記サイドリンクセンシングリソースが、前記サイドリンクリソース選択ウィンドウの開始時点から選択できない場合、前記制御部は、予め規定又は設定された所定の処理を実行する、請求項8に記載の端末装置。
【請求項11】
前記サイドリンクリソース選択ウィンドウの開始時点は、前記COTの開始時点又は衝突窓の終了時点と同じ、又は、前記COTの前記開始時点又は前記衝突窓の前記終了時点以降になるように決定される、請求項8に記載の端末装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記第3の方法として、
前記LBTセンシングによって取得されたCOTと、前記サイドリンクセンシングに基づいて選択されたサイドリンクセンシングリソースと、がオーバーラップしたリソースの少なくとも一部を、前記送信リソースとして選択する、請求項1に記載の端末装置。
【請求項13】
前記制御部は、基地局からの制御情報、前記サイドリンクデータに関する情報、及び、前記LBTセンシングに関する情報、の少なくとも1つに基づき、前記第1の方法、前記第2の方法、又は、前記第3の方法のいずれか1つを決定する、請求項1に記載の端末装置。
【請求項14】
前記端末装置が前記LBTセンシングによって取得したCOTのうち、前記送信リソースを除くリソースは、前記他の端末装置を含む別の端末装置に共有され得る、請求項1に記載の端末装置。
【請求項15】
前記別の端末装置に共有され得る前記リソースは、前記サイドリンクセンシングによって選択されたサイドリンクセンシングリソースの一部である、請求項14に記載の端末装置。
【請求項16】
共有スペクトラムで他の端末装置とサイドリンク通信を行うことと、
前記サイドリンク通信に関するサイドリンクセンシング、及び、前記共有スペクトラムにおける通信に関するLBTセンシングを行うことと、
第1の方法、第2の方法、及び、第3の方法のいずれか1つを用いて、前記他の端末装置とのサイドリンク通信のための送信リソースを選択することと、
選択した前記送信リソースを用いて、1つ以上のサイドリンクデータを送信することと、
を含み、
前記第1の方法は、前記サイドリンクセンシングの結果に基づき、前記LBTセンシングを行うことで前記送信リソースを選択する方法であり、
前記第2の方法は、前記LBTセンシングの結果に基づき、前記サイドリンクセンシングを行うことで前記送信リソースを選択する方法であり、
前記第3の方法は、前記サイドリンクセンシング、及び、前記LBTセンシングのそれぞれを個別に行うことで、前記送信リソースを選択する方法である、
通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末装置及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3rd Generation Partnership Project(3GPP(登録商標))では、端末(UE)間で直接通信を行うD2D(Device-to-Device)通信がサイドリンク(sidelink)通信として4G LTE(Long Term Evolution)及び5G NR(New Radio)でそれぞれ規格化されている。サイドリンク通信では、V2X(Vehicle-to-Everything)通信が主なユースケースの一つである。V2X通信として、V2V(Vehicle-to-Vehicle)、V2I(Vehicle-to-Infrastructure)、V2P(Vehicle-to-Pedestrian)、V2N(Vehicle-to-Network)が想定されている。
【0003】
特に、5G NRにおけるサイドリンク通信では、Advanced V2X通信として、Platooning、Advanced driving、Extended sensor、Remote drivingが想定されている。5G NRにおけるサイドリンク通信では、4G LTEのサイドリンク通信と比べて、高速・大容量通信、及び、低遅延・高信頼性通信の少なくとも一方を実現するように規格策定が行われている。
【0004】
サイドリンク通信のユースケースとして、これまでのV2X通信に加え、家やオフィス、工場などで用いられるような商用利用(コマーシャルユースケース)への拡張・適用が期待されている。
【0005】
サイドリンク通信の商用利用を想定した場合、これまでのV2X通信と比べて、さらなる高速通信及び低コスト化が求められる。
【0006】
その1つの解決策として、所定の周波数帯の利用に対して免許(license)が不要なアンライセンスバンド(unlicensed spectrum, unlicensed band, shared spectrum)を用いることが提案されており、NR Release-18で規格化される見込みである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】”TS22.186, 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Enhancement of 3GPP support for V2X scenarios; Stage 1 (Release 16)”、[online]、[令和4年3月8日検索]、インターネット<https://www.3gpp.org/ftp//Specs/archive/22_series/22.186/22186-g20.zip>
【非特許文献2】”RP-213678, “New WID on NR sidelink evolution,” OPPO, LG Electronics, 3GPP TSG RAN Meeting #94e, Electronic Meeting, Dec. 6 - 17, 2021”、[online]、[令和4年3月8日検索]、インターネット<https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/TSG_RAN/TSGR_94e/Docs/RP-213678.zip>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、アンライセンスバンド(共有スペクトラム(Shared spectrum))を使用したサイドリンク通信が検討されている。一方、従来のサイドリンク通信は、ライセンス帯での通信を想定している。サイドリンク通信でも、通信に先立ってセンシングが行われるが、当該センシングはライセンス帯でのセンシングを前提としており、アンライセンスバンドにおけるサイドリンク通信のセンシングについては考慮されていない。
【0009】
そのため、従来のライセンスバンドでのサイドリンク通信をそのままアンライセンスバンドでのサイドリンク通信に適用することは難しい。
【0010】
そこで、本開示では、アンライセンスバンドを使用したサイドリンク通信を実現することができる仕組みを提供する。
【0011】
なお、上記課題又は目的は、本明細書に開示される複数の実施形態が解決し得、又は達成し得る複数の課題又は目的の1つに過ぎない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の端末装置は、通信部と、制御部と、を備える。通信部は、共有スペクトラムで他の端末装置とサイドリンク通信を行う。制御部は、前記通信部を介して、前記サイドリンク通信に関するサイドリンクセンシング、及び、前記共有スペクトラムにおける通信に関するLBT(Listen Before Talk)センシングを行う。制御部は、第1の方法、第2の方法、及び、第3の方法のいずれか1つを用いて、前記他の端末装置とのサイドリンク通信のための送信リソースを選択する。制御部は、前記通信部を介し、選択した前記送信リソースを用いて、1つ以上のサイドリンクデータを送信する。前記第1の方法は、前記サイドリンクセンシングの結果に基づき、前記LBTセンシングを行うことで前記送信リソースを選択する方法である。前記第2の方法は、前記LBTセンシングの結果に基づき、前記サイドリンクセンシングを行うことで前記送信リソースを選択する方法である。前記第3の方法は、前記サイドリンクセンシング、及び、前記LBTセンシングのそれぞれを個別に行うことで、前記送信リソースを選択する方法である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の実施形態に係る無線通信システムの概要を示す図である。
図2】本開示の実施形態に係るSLセンシングの一例を説明するための図である。
図3】本開示の実施形態に係るSLセンシングの他の例を説明するための図である。
図4】LBTカテゴリ1について説明するための図である。
図5】LBTカテゴリ2について説明するための図である。
図6】LBTカテゴリ3、4について説明するための図である。
図7】フレームベース装置(FBE、Frame Based Equipment)の概要を説明するための図である。
図8】本開示の実施形態に係る基地局の構成例を示す図である。
図9】本開示の実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
図10】本開示の実施形態に係る第1のCOT応答モードの一例を説明するための図である。
図11】本開示の実施形態に係る第2のCOT応答モードの一例を説明するための図である。
図12】本開示の実施形態に係る第1のCOT共有モードの一例を説明するための図である。
図13】本開示の実施形態に係る第2のCOT共有モードの一例を説明するための図である。
図14】本開示の実施形態に係るセンシング方法の概要を説明するための図である。
図15】本開示の実施形態に係る第1のセンシング方法の一例を説明するための図である。
図16】本開示の実施形態に係る第2のセンシング方法の一例を説明するための図である。
図17】本開示の実施形態に係る第2のセンシング方法の他の例を説明するための図である。
図18】本開示の実施形態に係る第2のセンシング方法の他の例を説明するための図である。
図19】本開示の実施形態に係る第3のセンシング方法の一例を説明するための図である。
図20】本開示の実施形態に係る第3のセンシング方法の一例を説明するための図である。
図21】本開示の実施形態に係るCPSに基づくSL-Uセンシング方法の一例を説明するための図である。
図22】本開示の実施形態に係るCPSに基づくSL-Uセンシング方法の他の例を説明するための図である。
図23】本開示の実施形態に係る第1のCOT共有方法の一例を説明するための図である。
図24】本開示の実施形態に係る第2のCOT共有方法の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
また、本明細書及び図面において、実施形態の類似する構成要素については、同一の符号の後に異なるアルファベット又は数字を付して区別する場合がある。ただし、類似する構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0016】
以下に説明される1又は複数の実施形態(実施例、変形例、適用例を含む)は、各々が独立に実施されることが可能である。一方で、以下に説明される複数の実施形態は少なくとも一部が他の実施形態の少なくとも一部と適宜組み合わせて実施されてもよい。これら複数の実施形態は、互いに異なる新規な特徴を含み得る。したがって、これら複数の実施形態は、互いに異なる目的又は課題を解決することに寄与し得、互いに異なる効果を奏し得る。
【0017】
<<1.はじめに>>
<1.1.無線通信システムの概要>
図1は、本開示の実施形態に係る無線通信システムの概要を示す図である。
【0018】
図1の無線通信システムは、基地局20及び端末装置40を少なくとも具備する。基地局20は複数の端末装置40を収容し得る。基地局20は、他の基地局20(図示省略)とX2インタフェースの手段によって互いに接続し得る。
【0019】
基地局20は、S1インタフェースの手段によって図示しないEPC(Evolved Packet Core)に接続し得る。基地局20は、S1-MMEインタフェースの手段によって図示しないMME(Mobility Management Entity)に接続し得る。基地局20は、S1-Uインタフェースの手段によって図示しないS-GW(Serving Gateway)に接続し得る。
【0020】
S1インタフェースは、MME及びS-GWの少なくとも一方と基地局20との間で、多対多の接続をサポートする。また、本実施形態において、基地局20及び端末装置40は、それぞれLTE及びNRの少なくとも一方をサポートする。
【0021】
図1に示す無線通信システムでは、アンライセンスバンドでサイドリンク通信が行われる。まず、サイドリンク通信の概要について説明する。
【0022】
<1.2.サイドリンク通信>
<1.2.1.サイドリンク通信の概要>
図1の例では、基地局20が構成するセル30の内部に2つ以上の端末装置40が存在する。この端末装置40がサイドリンク通信を行い得る。あるいは、2つ以上の端末装置40のうちの少なくとも1つの端末装置40がセル30の内部に存在し、残りの端末装置40がセル30の外部に存在する場合において、セル30内部の端末装置40及びセル30外部の端末装置40が、サイドリンク通信を行い得る。また、セル30の内部に存在する端末装置40は、基地局20と通信を行うことにより、基地局20とセル30の外部に存在する端末装置40との中継を行い得る。
【0023】
なお、端末装置40がセル30の内部に存在することは、端末装置40が受信する基地局20からの下りリンク信号の品質が所定の基準以上である状態であるとも言える。また、端末装置40がセル30の内部に存在することは、端末装置40が受信する基地局20からの所定の下りリンクチャネルを所定の確率以上に復号可能である状態であるとも言える。言い換えると、端末装置40がセル30の外部に存在することは、端末装置40が受信する基地局20からの下りリンク信号の品質が所定の基準以下である状態であるとも言える。また、端末装置40がセル30の外部に存在することは、端末装置40が受信する基地局20からの所定の下りリンクチャネルを所定の確率以上に復号可能ではない状態であるとも言える。
【0024】
以下、本実施形態では、サイドリンク通信によって送受信を行う2つの端末装置40を区別する場合、一方を第1の端末装置40_1と呼称し、他方を第2の端末装置40_2と呼称する。
【0025】
<1.2.2.サイドリンク通信の詳細>
サイドリンク通信は、第1の端末装置40_1と第2の端末装置40_2との直接通信である。サイドリンク通信では、リソースプールが端末装置40に設定される。リソースプールは、サイドリンク通信の送受信に用いられる時間及び周波数リソースの候補である。端末装置40は、そのリソースプールの中からサイドリンクの送受信のためのリソースを選択し、サイドリンク通信を行う。サイドリンク通信は、上りリンクのリソース(上りリンクサブフレーム、上りリンクコンポーネントキャリア)を用いて行われ得るため、リソースプールも上りリンクサブフレーム又は上りリンクコンポーネントキャリアに設定され得る。また、サイドリンク通信は、専用のリソースを用いて行われ得る。
【0026】
サイドリンク物理チャネルは、PSCCH(Physical Sidelink Control Channel)、PSSCH(Physical Sidelink Shared Channel)、PSFCH(Physical Sidelink Feedback Channel)などを含む。
【0027】
PSCCHは、サイドリンク制御情報(Sidelink Control Information:SCI)を送信するために用いられる。サイドリンク制御情報の情報ビットのマッピングが、SCIフォーマットとして定義される。サイドリンク制御情報は、サイドリンクグラントを含む。サイドリンクグラントは、PSSCHのスケジューリングのために用いられる。
【0028】
PSSCHは、サイドリンクデータ(Sidelink Shared Channel:SL-SCH)を送信するために用いられる。なお、PSSCHは、MAC層やPDCP層など上位層の制御情報(例えば、MAC/RRCシグナリング)を送信するためにも用いられてもよい。
【0029】
PSFCHは、PSSCH又はSL-SCHの復号結果に対するHARQ応答(ACK/NACK)を送信側の端末装置40に対して回答するために用いられる。
【0030】
リソースプールは、SIB又は専用RRCメッセージによって基地局20から端末装置40に設定される。もしくは、リソースプールは、端末装置40に予め設定されたリソースプールに関する情報によって設定される。なお、以下の説明において、基地局20により設定される情報の全てまたは一部は、端末装置40に予め設定され得る。時間のリソースプールは、周期の情報、オフセットの情報、及び、サブフレームビットマップ情報によって指示される。周波数のリソースプールは、リソースブロックの開始位置、リソースブロックの終了位置、及び、連続するリソースブロック数によって指示される。
【0031】
[サイドリンクのリソースプール]
サイドリンク通信において、PSSCHの送信、PSSCHの受信のために用いられるリソースとして、リソースプール(サイドリンクリソースプール)が設定される。周波数軸において、リソースプールは、1つ又は複数の連続するサブチャネルで構成される。サブチャネルは、1つ又は複数の連続するPRBで構成される。サブチャネルの数及びサブチャネルのサイズは、上位層パラメータによって設定される。
【0032】
リソースプールとして設定されるスロットは、ビットマップによって指示される。ビットマップの各ビットは、サイドリンク通信のリソースプールとして設定可能なスロットに対応する。例えば、ビットの値が1を示す場合、対応するスロットは、リソースプールとして設定される。ビットの値が0を示す場合、対応するスロットは、リソースプールとして設定されない。ビットマップの長さは上位層によって設定される。
【0033】
S-SS/PSBCHブロック(S-SSB)を含むスロットは、リソースプールとして設定されない。また、所定個数の上りリンクシンボルを準静的に含まないスロットは、リソースプールとして設定されない。また、予約スロットは、リソースプールとして設定されない。S-SS(Sidelink-Synchronization Signal)は、サイドリンク通信において同期をとるために用いられる信号である。PSBCH(Physical Sidelink Broadcast Channel)は、サイドリンク通信における報知情報(システム情報など)を送信するために用いられるチャネルである。
【0034】
なお、リソースプールを設定する装置は、基地局20以外であってもよい。基地局20以外の装置として、例えば、代表の端末装置40(プライマリ端末装置、マスター端末装置)、などが挙げられる。
【0035】
<1.2.3.サイドリンク通信でのセンシング方法>
サイドリンクリソース割り当てモード2が設定されると、端末装置40は、設定されたリソースプールの中から所定の手順に従ってサイドリンクリソースを選択する。所定の手順には、所定のセンシングが含まれる。例えば、端末装置40は、予め規定された所定のセンシングを行い、当該センシングの結果に基づいてサイドリンクリソースを選択する。
【0036】
このように、サイドリンクリソースを選択するために、端末装置40が行うセンシングを、サイドリンク通信に関するサイドリンクセンシング(以下、単にサイドリンク(SL)センシングとも称する)と記載する。SLセンシングの詳細は、TS38.214の8.1.4章に記載されている。
【0037】
SLセンシングとして、送信側端末装置40(以下、TxUE40Tとも記載する)は、リソースプール内で他の端末装置40から送信されるPSCCHを受信する。TxUE40Tは、受信したPSCCHで送信されるSCIに基づき、リソースプールのリソース割り当て状況(利用状況)を把握する。
【0038】
さらにTxUE40Tは、受信したPSCCHで送信されるSCIでスケジュールされるリソース(PSSCHが割り当てられるリソース)のRSRP(Reference Signal Received Power)を測定し、所定の値以上であれば、そのリソースは、リソース選択のためのリソースから除外し、残ったリソースの中からサイドリンク(SL)通信のためのリソースを選択する。
【0039】
PSRP測定は、PSCCH-PSRP及びPSSCH-RSRPが規定されており、それらのいずれかを用いることがRRCシグナリングにより設定される。PSCCH-PSRP及びPSSCH-RSRPは、それぞれPSCCHのDMRS(DeModulation Reference Signal)、及び、PSSCHのDMRSのリソース上で測定される。
【0040】
なお、センシングは、サイドリンク通信で用いられる所定の周波数・時間リソースを単位として行われる。所定の周波数リソースは、サブチャネルであり、1つ以上のリソースブロックで構成される。所定の時間リソースは、スロットである。
【0041】
(周期的にトラフィックが発生する場合のSLセンシング)
図2は、本開示の実施形態に係るSLセンシングの一例を説明するための図である。図2に示すSLセンシング方法は、特に、他の端末装置40が行うサイドリンク通信の送信データが、周期的に発生するトラフィック(Periodic transmission)である場合に好適である(用いられる)。
【0042】
この方法は、Full sensingとも呼ばれる。Full sensingでは、TxUE40Tは、時刻nでリソース選択のトリガーがあった時に、n+Tからn+Tまでの期間で構成されるSelection window(リソース選択期間)を設定する。また、TxUE40Tは、時刻nでリソース選択のトリガーがあった時に、n-Tからn-Tproc,0 SLまでの期間で構成されるSensing window(センシング期間)を設定する。このSensing windowは、時刻nよりも過去の時間であるため、TxUE40Tは、予めセンシングを行っておくものとする。
【0043】
また、この方法では、上述したように、Periodic transmissionを想定している。そのため、TxUE40Tに対して、RRCシグナリングにより、可能性のあるサイドリンク(SL)送信のperiodicityのリストが設定される。すなわち、TxUE40Tは、このperiodicityに基づき、過去のリソースの利用状況から将来のリソースの利用状況を推定できる。
【0044】
なお、前述又は後述における「RRCシグナリング」は、1又は複数のRRCパラメータ(Information Element:IE)が所定のRRCメッセージ(e.g.,RRC Reconfiguration,RRC Setup)に含められ、送信されることを意味する。
【0045】
RRCメッセージがダウンリンクで送信される場合、基地局20(e.g.,gNB)から端末装置40へ送信される。RRCメッセージがアップリンクで送信される場合、端末装置40から基地局20へ送信される。RRCメッセージがサイドリンクで送信される場合、TxUE40Tから受信側端末装置40(以下、RxUE40Rとも記載する)へ送信される。
【0046】
各パラメータの詳細は、以下の通りである。
【0047】
・T={100,1100[ms]}:Sensing windowの開始時点を示すパラメータであり、RRCシグナリング(RRC IE:sl-SensingWindow)により設定される。なお、このパラメータの単位はミリ秒であり、他のパラメータの単位はスロットである。
【0048】
・T:0以上、Tproc,1 SL以下の値で、TxUE40Tが選択する。Tproc,1 SLはTxUE40Tの処理時間に対応するパラメータであり、サブキャリア間隔(SubCarrier Spacing(SCS))に応じて規定される。例えば、Tproc,1 SLは、Tproc,1 SL=3 for 15kHz,5 for 30kHz,9 for 60kHz,17 for 120kHzである。
【0049】
・T:T2min以上、当該送信データの許容遅延の残り時間(Remaining Packet Delay Budget)以下の値で、TxUE40Tが選択する。T2minは、RRCシグナリング(RRC IE:sl-SelectionWindowList)により設定され、取りうる値は{1,5,10,20}である。
【0050】
・Tproc,0 SL=1 for 15kHz,1 for 30kHz,2 for 60kHz,4 for 120kHz:TxUE40Tの処理時間に対応するパラメータであり、サブキャリア間隔に応じて規定される。
【0051】
(サイドリンクセンシングの手順)
TxUE40Tにおいて、時刻nでリソース選択のトリガーがあった場合のFull sensingにおけるTxUE40Tの具体的な動作は以下の通りである。なお、以下の「設定」は、TxUE40T内部で行われる設定である。
【0052】
(A1)TxUE40Tは、Selection windowを定義(設定)する。より具体的には、送信のための候補シングルスロットリソースRx,yが、スロットt’ SL内のサブチャネルx+jを伴う連続なサブチャネルLsubCHのセットとして定義される。ここでjは連続なサブチャネルLsubCHの数を示す。TxUE40Tは、連続なサブチャネルLsubCHの任意のセットも次の3つのうちいずれかに対応する(correspond)ことを仮定する(assume)。
【0053】
a)タイムインターバル[n+T,n+T]内の対応するリソースプールに含まれる連続なサブチャネルLsubCHの任意のセットが、Full sensingを行うUE(端末装置40)のための1つの候補シングルスロットリソースに対応すること、
【0054】
b)周期的ベースなパーシャルセンシング(periodic-based partial sensing)を行うUEのためには、タイムインターバル[n+T,n+T]内の複数の候補スロットYのセット内の対応するリソースプールに含まれる連続なサブチャネルLsubCHの任意のセットが、該UEのための1つの候補シングルスロットリソースに対応すること(Yは、Y≧Ymin(RRC IE:minNumCandidateSlots)を満たし、UEによって選択される)、又は、
【0055】
c)Resource reservation interval Prsvp_TX=0の場合にcontiguous partial sensingを行うUEのためには、タイムインターバル[n+T,n+T]内の複数の候補スロットY’のセット内の対応するリソースプールに含まれる連続なサブチャネルLsubCHの任意のセットが、該UEのための1つの候補シングルスロットリソースに対応すること(Y’は、Y’≧Y’minを満たし、UEによって選択される)。
【0056】
なお、複数の候補シングルスロットの合計は、Mtotalで表される。
【0057】
(A2)TxUE40Tは、Sensing windowを定義(設定)する。上述の通り、Sensing windowは、[n-T,Tproc,0 SL)で表される複数スロットのレンジによって定義される(Full sensingの場合)。さらに、TxUE40Tは、そのSensing window内のリソースプールに対応する複数スロットをモニター(センシング)する。ただし、TxUE40Tは、のHalf duplex制限のため、TxUE40Tは、が送信しているスロットはモニター(センシング)しなくてもよい。UEがperiodic-based partial sensingを行う場合、UEはty-k×P_reserve SLを満たす複数スロットをモニターする。ここで、t SLは上記で選択された複数候補スロットのうちの1スロットである。また、モニター(センシング)は、これらのスロットにおける他のUEからのPSCCHの復号処理とPSRP測定に基づいて行われる。
【0058】
(A3)TxUE40Tは、RSRPスレッショルド(閾値)Th(p,p)を設定する。このRSRPスレッショルドは、基地局20から通知されるパラメータ(RRC IE:sl-Thres-RSRP-List)に基づいて決まり、送信データのプライオリティに応じた独立な値である。より具体的には、sl-Thres-RSRP-List内のi番目のフィールドによって示されるRSRP閾値に対応する値が、Th(p,p)として設定(セット)される。ここで、i=p+(p-1)*8である。
【0059】
(A4)TxUE40Tは、Selection window内のリソースの全ての候補(the set of all the candidate single-slot resources)をセットSとして初期化する。なお、リソースの候補は、サイドリンク通信で用いられる所定の周波数・時間リソース単位である。また、以下のステップにおいて、TxUE40Tは、所定の条件に対応するリソースをセットSから除外する。
【0060】
(A5)TxUE40Tは、以下の条件を全て満たすリソース(any candidate single-slot resource Rx,y)をセットSから除外する。
【0061】
a)ステップA2でセンシングしなかったスロットt’ SL
【0062】
b)サイドリンク送信のperiodicityのリストと、復号したPSSCH(スロットt’ SLで受信し、'Resource reservation periodフィールドを含むSCI format 1-A)に基づいて、サイドリンク送信に用いられ得るスロット。
【0063】
もし、セットSに残っているcandidate single-slot resource Rx,yの数がX・Mtotalよりも小さければ、セットSはステップA4に戻って初期化される。
【0064】
(A6)TxUE40Tは、以下の条件を全て満たすリソース(any candidate single-slot resource Rx,y)をセットSから除外する。
【0065】
a)他のUEからのPSSCHで送信されるSCIが示すリソース。より具体的には、TxUE40TがSCI format 1-Aをスロットt’ SLで受信し、且つ受信したSCI format 1-A 内の'Resource reservation period' フィールド(存在する場合に限る)、及び、'Priority'フィールドがそれぞれPrsvp_RX及びprioRX,を示す場合。
【0066】
b)RSRP測定により、その測定値がステップA3で設定したRSRPスレッショルドTh(prioRX,prioTX)よりも高いリソース。
【0067】
c)サイドリンク送信のperiodicityのリストと、復号したPSSCHに基づいて、サイドリンク送信に用いられ得るスロット。
【0068】
(A7)セットSに残ったリソースの数が、RRCシグナリングにより設定されるパラメータに基づいて得られる所定値X・Mtotalよりも少ない場合、TxUE40Tは、RSRPスレッショルドの値Th(p,p)を所定値(3dB)増やして、ステップA4から再度行う。
【0069】
(A8)TxUE40Tは、セットSに残ったリソースから、ランダムにサイドリンク送信のためのリソースとして選択する。
【0070】
以上の(A1)から(A8)の手順を実行することで、TxUE40Tは、SLセンシングを実行する。
【0071】
上述したFull sensingでは、TxUE40Tは、送信データが発生した時点で過去のセンシング結果を利用して、当該送信データを送信するサイドリンクリソースを決定する。そのため、TxUE40Tは、常にセンシング処理を行うことになる。
【0072】
例えば、TxUE40Tがスマートフォンのような小さなバッテリーで駆動するデバイスである場合、常にセンシング処理を行うことは、消費電力の観点で好ましくない。そのため、消費電力を低減するために、Sensing windowの一部を減らすPartial sensingが規格化されている。
【0073】
Partial sensingにおいて、TxUE40Tは、基本的には、センシングしたリソースからリソース選択を行い、それ以外のリソースからリソース選択を行わない。このセンシング方法は、Periodic Based Partial Sensing(PBPS)とも呼ばれる。
【0074】
(非周期的にトラフィックが発生する場合のSLセンシング)
図3は、本開示の実施形態に係るSLセンシングの他の例を説明するための図である。図3に示すSLセンシング方法は、特に、他の端末装置40が行うサイドリンク通信の送信データが非周期的に発生するトラフィック(Aperiodic transmission)である場合に好適である(用いられる)。
【0075】
この方法は、Contiguous Partial Sensing(CPS)とも呼ばれる。CPSでは、TxUE40Tは、基本的に、Selection windowの直前にSensing windowを定義し、センシングを行う。CPSにおけるSensing windowは、n+Tからn+Tの期間で構成される。T及びTは、ユースケースや状況に応じて、それぞれ正の値、負の値、又は、ゼロになり得る。例えば、Tは、処理時間に基づいて決まる値であり、Tproc,0 SL+Tproc,1 SLである。例えば、Tは、RRCシグナリングにより設定される。
【0076】
<1.3.アンライセンスバンドにおけるNR(NR-U:NR Unlicensed)>
5G NRのUuリンク(基地局20及び端末装置40間のダウンリンク通信及びアップリンク通信)では、アンライセンスバンドでの通信方式が規格化されている。以下では、NR-Uに関連する技術について説明する。
【0077】
(アンライセンスチャネルのチャネルアクセス)
アンライセンスチャネルにおいて、無線デバイス(基地局20又は端末装置40)は信号の送信する前にチャネルアクセス(channel access, medium access, listen before talk)を行う。なお、アンライセンスチャネルは、チャネルアクセスが行われる周波数帯域の単位である。チャネルは、キャリア、周波数キャリア、コンポーネントキャリア、セル、周波数帯、LBT(Listen Before Talk)帯域、などとも表現され得る。アンライセンスチャネルは、Sidelinkにおけるサブチャネルに対応していてもよい。
【0078】
チャネルアクセスにおいて、無線デバイスはチャネルの電力測定(キャリアセンス、センシング、Channel Clear Assessment:CCA)を行い、測定したチャネルの電力値と電力検出閾値(Energy detection Threshold)と比較する。
【0079】
測定されたチャネルの電力値が電力検出閾値よりも低い場合、チャネルはクリア(clear)と判断される。測定されたチャネルの電力値が電力検出閾値よりも高い場合、チャネルはビジー(busy)と判断される。全てのセンシングスロットにおいてチャネルがクリアと判断された場合に、無線デバイスはそのチャネルの送信権(TxOP、transmission opportunity、COT、チャネル占有時間)を取得し、信号を送信することができる。
【0080】
更に、取得したチャネルは他の無線デバイス(基地局20又は端末装置40)の送信に活用してもよい。この場合、チャネルを取得した無線デバイス(基地局20及び端末装置40の一方)から他の無線デバイス(基地局20及び端末装置40の他方)に対してグラント(grant)が送られる。
【0081】
チャネルを取得する無線デバイス(基地局20及び端末装置40の一方)は初期デバイス(initiating device)と称される。他の無線デバイス(基地局20及び端末装置40の一方)が取得したチャネルを用いる無線デバイス(基地局20及び端末装置40の他方)は応答デバイス(responding device)と称される。
【0082】
なお、3GPP(登録商標)において、キャリアセンシングの方式として4種類のLBTカテゴリが定義された。チャネルアクセスにおいて、以下の何れかのLBTカテゴリに対応するLBTが行われる。
・LBTカテゴリ1:LBT無し
・LBTカテゴリ2:ランダムバックオフを行わないLBT
・LBTカテゴリ3:固定サイズの衝突窓によるランダムバックオフを行うLBT
・LBTカテゴリ4:可変サイズの衝突窓によるランダムバックオフを行うLBT
【0083】
ここで、図4図6を用いて、各LBTカテゴリについて説明する。
【0084】
図4は、LBTカテゴリ1について説明するための図である。図4に示すように、LBTカテゴリ1(Cat1 LBT)では、無線デバイスはLBTを行わずに通信を行う。図4の例では、無線デバイスは、16マイクロ秒の送信間隔を開けて送信を行う。LBTカテゴリ1は、Type 2C channel access又はType 3 channel accessとも呼称される。
【0085】
図5は、LBTカテゴリ2について説明するための図である。図5に示すように、LBTカテゴリ2(Cat2 LBT)では、無線デバイスはランダムバックオフを行わないLBTを行って通信を行う。図5の例では、無線デバイスは、1つのセンシングスロットでCCAを行って、チャネルがクリアと判断した場合に信号を送信する。
【0086】
1つのセンシングスロット(CCA)の長さは、25マイクロ秒又は16マイクロ秒である。図5の例では、無線デバイスは、25マイクロ秒の送信間隔を開けて送信を行う。CCAの時間長が25マイクロ秒であるLBTカテゴリ2は、Type 2A channel accessとも呼称される。CCAの時間長が16マイクロ秒であるLBTカテゴリ2は、Type 2B channel accessとも呼称される。
【0087】
図6は、LBTカテゴリ3、4について説明するための図である。図6に示すように、LBTカテゴリ3、4(Cat3 LBT、Cat4 LBT)では、無線デバイスは衝突窓(CW:contention window)の中で所定回数のCCAを行い、チャネルがクリアと判断した場合に信号を送信する。すなわち、無線デバイスは、所定回数のセンシングスロットにおいてCCAを行い、全てのセンシングスロットにおいてチャネルをクリアと判断した場合に、信号を送信する。図6では、1つのセンシングスロットの長さが9マイクロ秒であり、CCAを5回行う場合について示している。
【0088】
なお、LBTカテゴリ3及びLBTカテゴリ4は、衝突窓のサイズが固定であるか可変であるかが異なる。又は、LBTカテゴリ3及びLBTカテゴリ4は、衝突窓サイズの調整を行うか否かが異なる。
【0089】
LBTカテゴリ3は、固定サイズの衝突窓によるランダムバックオフを行う。LBTカテゴリ3は、Type 1A channel accessとも呼称される。LBTカテゴリ3は、所定の周波数(例えば、60GHz帯を含むFR2-2(Frequency Range 2-2)で定義される周波数)で用いられ、それ以外の周波数では使用されないようにされ得る。
【0090】
LBTカテゴリ4は、可変サイズの衝突窓によるランダムバックオフを行う。LBTカテゴリ4は、Type 1 channel accessとも呼称される。
【0091】
(アンライセンスチャネルのチャネルアクセスプロシージャ)
チャネルアクセス(Channel access、medium access、Listen before Talk)プロシージャは、基地局20又は端末装置40で送信を行うアンライセンスチャネルにアクセスするために行われる。
【0092】
ロードベース装置(LBE:Load-Based Equipment、動的チャネルアクセス、動的チャネル占有におけるチャネルアクセスプロシージャ)と定義されるチャネルアクセスプロシージャでは、1回又は複数回のチャネルのセンシング(sensing)が行われる。そのセンシングの結果に基づいてそのチャネルがアイドル(idle、unoccupied、available、enable)か、又はビジー(busy、occupied、unavailable、disable)かの判定(空き判定)が行われる。チャネルのセンシングでは、所定の待ち時間におけるチャネルの電力がセンス(sense)される。
【0093】
チャネルアクセスプロシージャの待ち時間の一例として、第一の待ち時間(スロット)、第二の待ち時間、及び、第三の待ち時間(延期期間)、第四の待ち時間、が挙げられる。
【0094】
スロット(slot)は、チャネルアクセスプロシージャにおける、基地局20及び端末装置40の待ち時間の単位である。スロットは、例えば、9マイクロ秒で定義される。
【0095】
第二の待ち時間には、1個のスロットが先頭に挿入されている。第二の待ち時間は、例えば、16マイクロ秒で定義される。
【0096】
延期期間(defer period)は、第二の待ち時間とその第二の待ち時間に続く複数個の連続したスロットで構成される。その第二の待ち時間に続く複数個の連続したスロットの個数は、QoSを満たすために用いられる優先クラス(priority class、チャネルアクセス優先クラス)に基づいて決定される。
【0097】
第四の待ち時間は、第二の待ち時間とその後に続く1つのスロットによって構成される。第四の待ち時間は、例えば、25マイクロ秒で定義される。
【0098】
基地局20又は端末装置40は、所定のスロットの期間に所定のチャネルをセンス(sense)する。その基地局20又は端末装置40がその所定のスロット期間内の少なくとも4マイクロ秒に対して検出した電力が所定の電力検出閾値よりも小さい場合、その所定のスロットはアイドル(idle)であるとみなされる。一方で、その電力が所定の電力検出閾値よりも大きい場合、その所定のスロットはビジー(busy)であるとみなされる。
【0099】
チャネルアクセスプロシージャには、第一のチャネルアクセスプロシージャ、第二のチャネルアクセスプロシージャ、第三のチャネルアクセスプロシージャがある。第一のチャネルアクセスプロシージャは、複数個のスロット及び延期期間を用いて行われる。第二のチャネルアクセスプロシージャは、1つの第二の待ち時間又は第四の待ち時間を用いて行われる。第三のチャネルアクセスプロシージャは、チャネルセンスが行われない。
【0100】
チャネルアクセスに関するパラメータは、優先クラスに基づいて決定される。チャネルアクセスに関するパラメータは、例えば、最小衝突窓、最大衝突窓、最大チャネル占有時間、衝突窓が取り得る値、などが挙げられる。
【0101】
優先クラスは、QoS(Quality of Service)を処理するQCI(QoS class identifier)又は5QI(5G QoS Identifier)の値によって定められる。優先クラスとチャネルアクセスに関するパラメータの対応表を表1に、優先クラスとQCIのマッピングの一例を表2に、優先クラスと5QIのマッピングの一例を表3に示す。
【0102】
【表1】
【0103】
【表2】
【0104】
【表3】
【0105】
(第一のチャネルアクセスプロシージャの詳細)
第一のチャネルアクセスプロシージャは、LBTカテゴリ3又はLBTカテゴリ4に分類される。本実施形態において第一のチャネルアクセスプロシージャは、タイプ1チャネルアクセスプロシージャ、Type 1 channel accessとも呼称される。
【0106】
第一のチャネルアクセスプロシージャにおいて、以下に記した手順が行われる。
【0107】
(B0)延期期間においてチャネルのセンシングが行われる。延期期間内のスロットにおいてチャネルがアイドルであった場合、(B1)のステップに進み、そうでなければ、(B6)のステップに進む。
【0108】
(B1)カウンタの初期値を取得する。そのカウンタの初期値が取り得る値は、0から衝突窓CWまでの間の整数である。そのカウンタの初期値は、一様分布に従ってランダムに決定される。カウンタNにカウンタの初期値がセットされ、(B2)のステップに進む。
【0109】
(B2)カウンタNが0よりも大きく、かつ、そのカウンタNの減算を行うことが選択された場合、カウンタNから1が減算される。その後、(B3)のステップに進む。
【0110】
(B3)スロットの期間を追加して待機される。また、その追加のスロットにおいて、チャネルがセンスされる。その追加のスロットがアイドルであった場合は、(B4)のステップに進み、そうでなければ、(B5)のステップに進む。
【0111】
(B4)カウンタNが0であった場合、このプロシージャを停止する。そうでなければ、(B2)のステップに進む。
【0112】
(B5)延期期間を追加して待機される。また、その追加の延期期間に含まれるいずれか1つのスロットでビジーと検出されるまで、又は、その追加の延期期間に含まれる全てのスロットがアイドルであると検出できるまで、チャネルはセンスされる。その後、(B6)のステップに進む。
【0113】
(B6)チャネルがその追加の延期期間に含まれるスロットの全てでアイドルであるとセンスされた場合、(B4)のステップに進み、そうでなければ、(B5)のステップに進む。
【0114】
上記のプロシージャにおける(B4)のステップの停止後、そのチャネルにおいて、PDSCHやPUSCHなどデータを含む送信が行われる。
【0115】
なお、上記のプロシージャにおける(B4)のステップの停止後、そのチャネルにおいて、送信が行われなくてもよい。この場合、その後、送信直前にスロット及び延期期間の全てにおいて、チャネルがアイドルであった場合に、上記のプロシージャを行わずに送信が行われてもよい。一方で、そのスロット及びその延期期間のいずれかにおいて、チャネルがアイドルでなかった場合に、追加の延期期間内のスロットの全てでチャネルがアイドルであるとセンシングされた後、上記のプロシージャの(B1)のステップに進む。
【0116】
(第二のチャネルアクセスプロシージャの詳細)
第二のチャネルアクセスプロシージャ(タイプ2チャネルアクセスプロシージャ、Type 2 channel access)は、タイプ2Aチャネルアクセスプロシージャ、タイプ2Bチャネルアクセスプロシージャ、タイプ2Cチャネルアクセスプロシージャを含む。
【0117】
タイプ2Aチャネルアクセスプロシージャ及びタイプ2Bチャネルアクセスプロシージャは、LBTカテゴリ2に分類される。タイプ2Aチャネルアクセスプロシージャでは、第四の待ち時間が用いられる。タイプ2Bチャネルアクセスプロシージャでは、第二の待ち時間が用いられる。
【0118】
タイプ2Aチャネルアクセスプロシージャ及びタイプ2Bチャネルアクセスプロシージャにおいて、少なくとも第二の待ち時間又は第四の待ち時間のセンシングの結果、チャネルがアイドルであるとみなされた直後、送信は行われてもよい。一方で、少なくとも第二の待ち時間又は第四の待ち時間のセンシングの結果、チャネルがアイドルでないとみなされた場合は、送信は行われない。第二のチャネルアクセスプロシージャは、送信間が16マイクロ秒又は25マイクロ秒である場合に、適用される。
【0119】
タイプ2Cチャネルアクセスプロシージャは、LBTカテゴリ1に分類される。タイプ2Cチャネルアクセスプロシージャは、送信間が16マイクロ秒以内であり、その間のチャネルセンスは行われない(不要である)。ただし、タイプ2Cチャネルアクセスプロシージャは、送信可能時間が最大584マイクロ秒に制限される。また、タイプ2Cチャネルアクセスプロシージャは、FR1(Frequency Range 1)で適用され得る。
【0120】
(第三のチャネルアクセスプロシージャの詳細)
第三のチャネルアクセスプロシージャ(タイプ3チャネルアクセスプロシージャ)は、前述のLBTカテゴリに分類されない。タイプ3チャネルアクセスプロシージャにおいて、送信の前にチャネルはセンスされない。タイプ3チャネルアクセスプロシージャは、タイプ2Cチャネルアクセスプロシージャのような送信タイミングや送信可能時間の制限はないが、FR2(Frequency Range 2)又はFR2-2で適用され、FR1では適用できない。
【0121】
なお、第三のチャネルアクセスプロシージャ(タイプ3チャネルアクセスプロシージャ)は、本実施形態を実施する国やエリアの法制などに基づいて、その実施が制限又は禁止され得る。タイプ3チャネルアクセスプロシージャが実施可能かどうかは、基地局20から送信される制御情報、又は、端末に事前に設定される情報に基づいて、決まる。
【0122】
[衝突窓適応プロシージャ]
LBTカテゴリ4では、衝突窓適応プロシージャが実施される。
【0123】
第一のチャネルアクセスプロシージャで用いられる衝突窓CW(contention window)は、衝突窓適応プロシージャに基づいて決定される。
【0124】
衝突窓CWの値は、優先クラスごとに保持される。また、衝突窓CWは、最小衝突窓と最大衝突窓の間の値を取る。その最小衝突窓及びその最大衝突窓は、優先クラスに基づいて決定される。
【0125】
衝突窓CWの値の調整は、第一のチャネルアクセスプロシージャの(B1)のステップの前に行われる。少なくとも衝突窓適応プロシージャにおける参照サブフレーム(参照スロット、参照区間)における参照HARQプロセスの共用チャネルに対応するHARQ応答でNACKの割合が閾値よりも高い場合、衝突窓CWの値が増加される。そうでない場合、衝突窓CWの値が最小衝突窓に設定される。
【0126】
衝突窓CWの値の増加は、例えば、CW=2・(CW+1)-1の式に基づいて行われる。
【0127】
参照区間は、占有したチャネルの先頭から、少なくとも1つのユニキャストPDSCHを含んだ最初のスロットの後尾又は少なくとも1つのユニキャストPDSCHを含んだ最初の送信バーストの後尾まで、として定義される。
【0128】
閾値は、例えば、90%が設定される。
【0129】
(下りリンクにおけるチャネルアクセスプロシージャの詳細)
アンライセンスチャネルにおいて、PDSCH、PDCCH、及び/又は、EPDCCHを含んだ下りリンク送信を行う場合、基地局20は第一のチャネルアクセスプロシージャに基づいて、そのチャネルにアクセスし、その下りリンク送信を行う。
【0130】
一方で、アンライセンスチャネルにおいて、DRSを含むがPDSCHを含まない下りリンク送信を行う場合、基地局20は第二のチャネルアクセスプロシージャに基づいて、そのチャネルにアクセスし、その下りリンク送信を行う。なお、その下りリンク送信の期間は、1ミリ秒よりも小さいことが好ましい。
【0131】
また、FR2-2では、第一のチャネルアクセスプロシージャ及び第二のチャネルアクセスプロシージャに加えて、第三のチャネルアクセスプロシージャに基づいて下りリンク送信を行うことが可能である。
【0132】
(上りリンクにおけるチャネルアクセスプロシージャの詳細)
アンライセンスチャネルにおいて、PUSCHをスケジュールする上りリンクグラントで第一のチャネルアクセスプロシージャを行うことを指示された場合、端末装置40はそのPUSCHを含んだ上りリンク送信の前に第一のチャネルアクセスプロシージャを行う。
【0133】
また、PUSCHをスケジュールする上りリンクグラントで第二のチャネルアクセスプロシージャを行うことを指示された場合、端末装置40はそのPUSCHを含んだ上りリンク送信の前に第二のチャネルアクセスプロシージャを行う。
【0134】
また、PUSCHは含まないがSRSは含む上りリンク送信に対しては、端末装置40はその上りリンク送信の前に第二のチャネルアクセスプロシージャを行う。
【0135】
また、上りリンクグラントで指示された上りリンク送信の末尾が上りリンク期間(UL duration)内であったとする。この場合、その上りリンクグラントで指示されたプロシージャタイプにかかわらず、端末装置40はその上りリンク送信の前に第二のチャネルアクセスプロシージャを行う。
【0136】
また、基地局20からの下りリンク送信終了後に第四の待ち時間を挟んで上りリンク送信が続く場合、端末装置40はその上りリンク送信の前に第二のチャネルアクセスプロシージャを行う。
【0137】
また、FR2-2では、第一のチャネルアクセスプロシージャ及び第二のチャネルアクセスプロシージャに加えて、第三のチャネルアクセスプロシージャに基づいて上りリンク送信を行うことが可能である。
【0138】
(本実施形態におけるNRのチャネルアクセスプロシージャ)
NRを用いたアンライセンスチャネルでのチャネルアクセスプロシージャでは、ビームフォームされていないチャネルセンシング、及び、ビームフォームされたチャネルセンシングを行うことができる。
【0139】
ビームフォームされていないチャネルセンシングは、指向性が制御されない受信によるチャネルセンシング、又は、方向の情報を持たないチャネルセンシングである。方向の情報を持たないチャネルセンシングとは、例えば、全方位で測定結果を平均化されたチャネルセンシングである。送信装置(基地局20又は端末装置40)は、チャネルセンシングで用いられた指向性(角度、方向)を認知しなくてもよい。
【0140】
ビームフォームされたチャネルセンシングは、指向性が制御された受信によるチャネルセンシング、又は、方向の情報を持つチャネルセンシングである。すなわち、受信ビームが所定の方向に向けられたチャネルセンシングである。ビームフォームされたチャネルセンシングを行う機能を有する送信装置(基地局20又は端末装置40)は、異なる指向性を用いた1回以上のチャネルセンシングを行うことができる。
【0141】
ビームフォームされたチャネルセンシングを行う機能を有する送信装置は、ビームフォームされたチャネルセンシングを行うことで、センシングによって検出されるエリアを狭める。これにより、送信装置(基地局20又は端末装置40)は、干渉を与えない通信リンクの検出の頻度を減らし、さらし端末問題を軽減することができる。
【0142】
(フレームベース装置(FBE)のチャネルアクセス)
図7は、フレームベース装置(FBE、Frame Based Equipment)の概要を説明するための図である。図7の上段は、横軸を時間軸としたCCA(Channel Clear Assessment)のタイミングを示している。図7の下段は、横軸を時間軸とした送信のタイミングを示している。
【0143】
フレームベース装置(FBE、Frame Based Equipment、準静的チャネルアクセス、準静的チャネル占有におけるチャネルアクセスプロシージャ)と定義されるチャネルアクセス(Channel access, Listen before Talk)プロシージャでは、送信前に1回のチャネルのセンシング(sensing)が行われる。そのセンシングの結果に基づいてそのチャネルがアイドル(idle、unoccupied、available、enable)か、又は、ビジー(busy、occupied、unavailable、disable)かの判定(空き判定)が行われる。チャネルのセンシングでは、所定の待ち時間におけるチャネルの電力がセンス(sense)される。
【0144】
フレームベース装置に用いられる送信及び/又は受信構成は、固定フレーム区間(Fixed Frame Period)と称される周期的なタイミングを有する。
【0145】
フレームベース装置のチャネルアクセスにおいて、固定フレーム区間が設定される。固定フレーム区間は、1ミリ秒から10ミリ秒の間で設定される。固定フレーム区間は、200ミリ秒間で2度以上変更してはいけない。
【0146】
フレームベース装置のチャネルアクセスでは、固定フレーム区間の先頭からの送信開始直前に、装置はチャネルのセンシングを行う。装置は、9マイクロ秒以下で構成される1スロットを用いて1度センシングを行う。チャネルのセンシングの結果、電力値が所定の電力検出閾値よりも大きい場合、チャネルはビジーであると思われる。一方、電力値が所定の電力検出閾値よりも小さい場合、チャネルはクリアであり、装置は送信することができる。装置は、チャネル占有時間(Channel Occupancy Time)の間、送信することができる。装置は、チャネル占有時間内かつ複数送信間のギャップが16マイクロ秒以下であれば、センシングを行わずに複数送信を行うことができる。一方で、複数送信間のギャップが16マイクロ秒を超える場合、装置は追加のチャネルセンシングを行う必要がある。追加のチャネルセンシングも同様に、1スロットを用いて1度センシングが行われる。
【0147】
フレームベース装置のチャネルアクセスにおけるチャネル占有時間は、固定フレーム区間の95%を超えない。フレームベース装置のチャネルアクセスにおけるアイドル区間(Idle Period)は、固定フレーム区間の5%以上である。なお、アイドル区間は、100マイクロ秒以上である。
【0148】
装置からの送信に対する応答(ACK/NACK、HARQ-ACK)の送信は、チャネル占有時間内で行われても良い。
【0149】
(COT(Channel Occupancy Time))
アンライセンスバンドのオペレーションでは、無線通信装置は信号送信前にLBTを行う。LBTの結果、チャネルがクリアだと判断した場合に、所定時間の間、そのチャネルを占有することができる。
【0150】
LBT後にチャネルを占有することが可能な所定時間は、COT(Channel Occupancy Time)と呼称される。COTは、LBEにおいては、上述した表1で定義される最大チャネル占有時間(Maximum COT)内に収まるように定義される。COTは、FBEにおいては、固定フレーム区間の95%内に収まるように定義される。
【0151】
無線通信装置が取得したCOTは、通信相手である他の無線通信装置の送信に用いられてもよい。COTを取得した無線通信装置(initiating device)とは異なる他の無線通信装置(responding device)がCOTを用いて信号を送信することを、COT共有(COT sharing)と称される。COT共有する際には、他の無線通信装置もCOT及びCOT長を認識する必要がある。
【0152】
基地局20が取得したCOT(基地局装置開始COT、基地局装置取得COT)のCOT長は、DCIフォーマット2_0を用いて端末装置40に通知される。端末装置40は、DCIフォーマット2_0に含まれるCOT長指示(COT length indicator)に基づいて、基地局装置開始COTの長さを認識する。
【0153】
また、端末装置40は、基地局20からのPDSCHスケジューリングに基づき、COTを暗示的に認識し得る。
【0154】
また、端末装置40は、基地局20からの下りリンク物理信号(SS/PBCHブロック、CSI-RS、PDCCHのDMRS)に基づき、COTを暗示的に認識し得る。
【0155】
端末装置40が取得したCOT(端末装置開始COT、端末装置取得COT)のCOT長は、CG-UCIを用いて基地局20に通知される。基地局20は、CG-UCIに含まれるCOT共有情報(COT sharing information)に基づいて、端末装置開始COTの長さを認識する。
【0156】
<1.4.実施形態の概要>
<1.4.1.課題>
これまでのサイドリンク通信は、ライセンスバンドでの運用を前提としている。また、サイドリンク(SL)リソース選択のための従来のセンシング方法(サイドリンクセンシング)は、PSCCHの復号、及び、PSCCH-PSRP又はPSSCH-RSRPの測定に基づいて行われる。このように、従来のサイドリンク通信では、アンライセンスバンドにおける他の無線アクセスシステムに対するセンシングが考慮されていなかった。
【0157】
一方、本実施形態に係る無線通信システムは、アンライセンスバンドでサイドリンク通信が実施されることを想定する。なお、アンライセンスバンドは、例えば1つのオペレータにのみ使用・運用が許可された周波数バンド(i.e., ライセンスバンド)でない周波数バンドを意味してもよい。すなわち、アンライセンスバンドでは、複数のオペレータによって使用・運用が共有(Share)されてもよい。さらに又はこれに代えて、アンライセンスバンドでは複数RAT(LTE、NRだけでなく他のRAT(e.g., WiFi(登録商標))をも含んでもよい)で使用・運用が共有(Share)されてもよい。複数のオペレータ及び複数RATによって使用・運用が共有(Share)されてもよい点から、アンライセンスバンド(又は「アンライセンスチャネル」など)は、共有スペクトラム(Shared spectrum)とも呼称される。また、アンライセンスバンドでの通信は、共有スペクトラムチャネルアクセスでオペレーションすること(operation with shared spectrum channel access)である。
【0158】
アンライセンスバンドでは、上述したようにCOT取得のために、チャネルアクセス処理(LBT、又は、LBTセンシングとも記載する)が行われる。従って、アンライセンスバンドでサイドリンク通信を行う場合、TxUE40Tに対して、LBTセンシング及びSLセンシングを同時に行うことが求められるが、LBTセンシング及びSLセンシングを同時に行う方法は規定されていなかった。そのため、アンライセンスバンドを使用したサイドリンク通信を実現することが難しかった。
【0159】
<1.4.2.提案技術の概要>
そこで、本開示の実施形態では、アンライセンスバンドを使用したサイドリンク通信を実現することができる仕組みを提供する。
【0160】
本開示の実施形態に係る端末装置40(例えば、TxUE40T)は、アンライセンスバンドで他の端末装置40(例えば、RxUE40R)とサイドリンク通信を行う。
【0161】
端末装置40は、サイドリンク通信に関するSLセンシング、及び、アンライセンスバンドにおける通信に関するLBTセンシングを行う。端末装置40は、第1の方法、第2の方法、及び、第3の方法のいずれか1つを用いて、他の端末装置40とのサイドリンク通信のための送信リソースを選択する。端末装置40は、選択した送信リソースを用いて、1つ以上のサイドリンクデータを送信する。
【0162】
第1の方法は、SLセンシングの結果に基づき、LBTセンシングを行うことで送信リソースを選択する方法である。第2の方法は、LBTセンシングの結果に基づき、SLセンシングを行うことで送信リソースを選択する方法である。第2の方法は、SLセンシング、及び、LBTセンシングのそれぞれを個別に行うことで送信リソースを選択する方法である。
【0163】
これにより、端末装置40は、アンライセンスバンドを使用して他の端末装置40とサイドリンク通信を行うことができる。
【0164】
<1.4.3.定義>
なお、以下の実施形態において、サイドリンク通信を行う端末装置40のうち、PSCCH及びPSSCHの少なくとも一方を送信する端末装置40を送信側端末装置40T(TxUE40T)とも記載する。
【0165】
また、サイドリンク通信を行う端末装置40のうち、PSCCH及びPSSCHの少なくとも一方を受信する端末装置40を受信側端末装置40R(RxUE40R)とも記載する。なお、RxUE40Rは、PSFCHを介してPSSCHに関するHARQレポートをTxUE40Tに送信し得る。
【0166】
基地局20及び端末装置40を区別しない場合、基地局20又は端末装置40を単に通信装置10とも記載する。通信装置10には、上述したTxUE40T又はRxUE40Rを含み得る。
【0167】
LBT(CCA、チャネルアクセスプロシージャ(又は単にチャネルアクセス))を行い、COTを取得した装置は、COT取得装置、あるいは、Initiating deviceと呼称され得る。
【0168】
COT取得装置からCOT共有された装置は、COT応答装置、あるいは、Responding deviceと呼称され得る。COT応答装置が共有されたCOTの送信先や送信方法は、後述するCOT応答モードによって決定される。
【0169】
例えば、FR1は、450MHz~6000MHzの周波数として定義される。特に、FR1におけるアンライセンスバンドは、バンドn46(5150MHz~5925MHz)、バンドn96(5925MHz~7125MHz)、バンドn102である。
【0170】
例えば、FR2は、24.25GHz~71GHzの周波数として定義される。FR2は、FR2-1(24.25GHz~52.6GHz)及びFR2-2(52.6GHz~71GHz)を合わせた周波数である。なお、FR2は、24.25GHz以上の周波数として定義されてもよい。
【0171】
<<2.通信システムの構成>>
<2.1.基地局装置の構成例>
まず、基地局20について説明する。基地局20は、セル30(図1参照)を運用し、セル30のカバレッジの内部に位置する1つ以上の端末装置40へ無線通信サービスを提供する通信装置である。セル30は、例えばLTE又はNR等の任意の無線通信方式に従って運用される。基地局20は、コアネットワークに接続される。コアネットワークは、ゲートウェイ装置を介してパケットデータネットワークに接続される。
【0172】
なお、基地局20は、複数の物理的又は論理的装置の集合で構成されていてもよい。例えば、本開示の実施形態において基地局20は、BBU(Baseband Unit)及びRU(Radio Unit)の複数の装置に区別され、これら複数の装置の集合体として解釈されてもよい。さらに又はこれに代えて、本開示の実施形態において基地局20は、BBU及びRUのうちいずれか又は両方であってもよい。BBUとRUとは所定のインタフェース(例えば、eCPRI)で接続されていてもよい。さらに又はこれに代えて、RUはRemote Radio Unit(RRU)又はRadio DoT(RD)と称されていてもよい。さらに又はこれに代えて、RUは後述するgNB-DUに対応していてもよい。さらに又はこれに代えてBBUは、後述するgNB-CUに対応していてもよい。これに代えて、RUは後述するgNB-DUに接続していてもよい。さらに、BBUは、後述するgNB-CU及びgNB-DUの組合せに対応していてもよい。さらに又はこれに代えて、RUはアンテナと一体的に形成された装置であってもよい。基地局20が有するアンテナ(例えば、RUと一体的に形成されたアンテナ)はAdvanced Antenna Systemを採用し、MIMO(例えば、FD-MIMO)やビームフォーミングをサポートしていてもよい。Advanced Antenna Systemは、基地局20が有するアンテナ(例えば、RUと一体的に形成されたアンテナ)は、例えば、64個の送信用アンテナポート及び64個の受信用アンテナポートを備えていてもよい。
【0173】
また、基地局20は、複数が互いに接続されていてもよい。1つ又は複数の基地局20は無線アクセスネットワーク(Radio Access Network:RAN)に含まれていてもよい。すなわち、基地局20は単にRAN、RANノード、AN(Access Network)、ANノードと称されてもよい。LTEにおけるRANはEUTRAN(Enhanced Universal Terrestrial RAN)と呼ばれる。NRにおけるRANはNGRANと呼ばれる。W-CDMA(UMTS)におけるRANはUTRANと呼ばれる。LTEの基地局20は、eNodeB(Evolved Node B)又はeNBと称される。すなわち、EUTRANは1又は複数のeNodeB(eNB)を含む。また、NRの基地局20は、gNodeB又はgNBと称される。すなわち、NGRANは1又は複数のgNBを含む。さらに、EUTRANは、LTEの通信システム(EPS)におけるコアネットワーク(EPC)に接続されたgNB(en-gNB)を含んでいてもよい。同様にNGRANは5G通信システム(5GS)におけるコアネットワーク5GCに接続されたng-eNBを含んでいてもよい。さらに又はこれに代えて、基地局20がeNB、gNBなどである場合、3GPP Accessと称されてもよい。さらに又はこれに代えて、基地局20が無線アクセスポイント(Access Point)(e.g., WiFi(登録商標)のアクセスポイント)である場合、Non-3GPP Accessと称されてもよい。さらに又はこれに代えて、基地局20は、RRH(Remote Radio Head)と呼ばれる光張り出し装置であってもよい。さらに又はこれに代えて、基地局20がgNBである場合、基地局20は前述したgNB CU(Central Unit)とgNB DU(Distributed Unit)の組み合わせ又はこれらのうちいずれかと称されてもよい。gNB CU(Central Unit)は、UEとの通信のために、Access Stratumのうち、複数の上位レイヤ(例えば、RRC、SDAP、PDCP)をホストする。一方、gNB-DUは、Access Stratumのうち、複数の下位レイヤ(例えば、RLC、MAC、PHY)をホストする。すなわち、後述されるメッセージ・情報のうち、RRC signalling(例えば、MIB、SIB1を含む各種SIB、RRCSetup message、RRCReconfiguration message)はgNB CUで生成され、一方で後述されるDCIや各種Physical Channel(例えば、PDCCH、PBCH)はgNB-DUは生成されてもよい。又はこれに代えて、RRC signallingのうち、例えばIE:cellGroupConfigなど一部のconfiguration(設定情報)についてはgNB-DUで生成され、残りのconfigurationはgNB-CUで生成されてもよい。これらのconfiguration(設定情報)は、後述されるF1インタフェースで送受信されてもよい。基地局20は、他の基地局20と通信可能に構成されていてもよい。例えば、複数の基地局20がeNB同士又はeNBとen-gNBの組み合わせである場合、当該基地局20間はX2インタフェースで接続されてもよい。さらに又はこれに代えて、複数の基地局20がgNB同士又はgn-eNBとgNBの組み合わせである場合、当該装置間はXnインタフェースで接続されてもよい。さらに又はこれに代えて、複数の基地局20がgNB CU(Central Unit)とgNB DU(Distributed Unit)の組み合わせである場合、当該装置間は前述したF1インタフェースで接続されてもよい。後述されるメッセージ・情報(RRC signalling又はDCIの情報、Physical Channel)は複数の基地局20間で(例えばX2、Xn、F1インタフェースを介して)通信されてもよい。
【0174】
さらに、前述の通り、基地局20は、複数のセルを管理するように構成されていてもよい。基地局20により提供されるセルはServing cellと呼ばれる。Serving cellはPCell(Primary Cell)及びSCell(Secondary Cell)を含む。Dual Connectivity (例えば、EUTRA-EUTRA Dual Connectivity、EUTRA-NR Dual Connectivity(ENDC)、EUTRA-NR Dual Connectivity with 5GC、NR-EUTRA Dual Connectivity(NEDC)、NR-NR Dual Connectivity)がUE(例えば、端末装置40)に提供される場合、MN(Master Node)によって提供されるPCell及びゼロ又は1以上のSCell(s)はMaster Cell Groupと呼ばれる。さらに、Serving cellはPSCell(Primary Secondary Cell又はPrimary SCG Cell)を含んでもよい。すなわち、Dual ConnectivityがUEに提供される場合、SN(Secondary Node)によって提供されるPSCell及びゼロ又は1以上のSCell(s)はSecondary Cell Group(SCG)と呼ばれる。特別な設定(例えば、PUCCH on SCell)がされていない限り、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)はPCell及びPSCellで送信されるが、SCellでは送信されない。また、Radio Link FailureもPCell及びPSCellでは検出されるが、SCellでは検出されない(検出しなくてよい)。このようにPCell及びPSCellは、Serving Cell(s)の中で特別な役割を持つため、Special Cell(SpCell)とも呼ばれる。1つのセルには、1つのDownlink Component Carrierと1つのUplink Component Carrierが対応付けられてもよい。また、1つのセルに対応するシステム帯域幅は、複数の帯域幅部分(Bandwidth Part)に分割されてもよい。この場合、1又は複数のBandwidth Part(BWP)がUEに設定され、1つのBandwidth PartがActive BWPとして、UEに使用されてもよい。また、セル毎、コンポーネントキャリア毎又はBWPごとに、端末装置40が使用できる無線資源(例えば、周波数帯域、ヌメロロジー(サブキャリアスペーシング)、スロットフォーマット(Slot configuration))が異なっていてもよい。
【0175】
図8は、本開示の実施形態に係る基地局20の構成例を示す図である。基地局20は、端末装置40と無線通信する通信装置(無線システム)である。基地局20は、情報処理装置の一種である。
【0176】
基地局20は、信号処理部21と、記憶部22と、ネットワーク通信部23と、制御部24と、を備える。なお、図8に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、基地局20の機能は、複数の物理的に分離された装置に分散して実装されてもよい。
【0177】
信号処理部21は、他の通信装置(例えば、端末装置40及び他の基地局20)と無線通信する無線通信インタフェースである。信号処理部21は、制御部24の制御にしたがって動作する無線トランシーバである。信号処理部21は複数の無線アクセス方式に対応してもよい。例えば、信号処理部21は、NR及びLTEの双方に対応してもよい。信号処理部21は、W-CDMAやcdma2000等の他のセルラー通信方式に対応してもよい。また、信号処理部21は、セルラー通信方式に加えて、無線LAN通信方式に対応してもよい。勿論、信号処理部21は、1つの無線アクセス方式に対応するだけであってもよい。
【0178】
信号処理部21は、受信処理部211と、送信処理部212と、アンテナ413と、を備える。信号処理部21は、受信処理部211、送信処理部212、及びアンテナ413をそれぞれ複数備えていてもよい。なお、信号処理部21が複数の無線アクセス方式に対応する場合、信号処理部21の各部は、無線アクセス方式毎に個別に構成されうる。例えば、基地局20がNRとLTEとに対応しているのであれば、受信処理部211及び送信処理部212は、NRとLTEとで個別に構成されてもよい。
【0179】
受信処理部211は、アンテナ413を介して受信された上りリンク信号の処理を行う。受信処理部211は、無線受信部211aと、多重分離部211bと、復調部211cと、復号部211dと、を備える。
【0180】
無線受信部211aは、上りリンク信号に対して、ダウンコンバート、不要な周波数成分の除去、増幅レベルの制御、直交復調、デジタル信号への変換、ガードインターバルの除去、高速フーリエ変換による周波数領域信号の抽出等を行う。例えば、基地局20の無線アクセス方式が、LTE等のセルラー通信方式であるとする。このとき、多重分離部211bは、無線受信部211aから出力された信号から、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)等の上りリンクチャネル及び上りリンク参照信号を分離する。復調部211cは、上りリンクチャネルの変調シンボルに対して、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)等の変調方式を使って受信信号の復調を行う。復調部211cが使用する変調方式は、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM、又は256QAM等の多値QAMであってもよい。復号部211dは、復調された上りリンクチャネルの符号化ビットに対して、復号処理を行う。復号された上りリンクデータ及び上りリンク制御情報は制御部24へ出力される。
【0181】
送信処理部212は、下りリンク制御情報及び下りリンクデータの送信処理を行う。送信処理部212は、符号化部212aと、変調部212bと、多重部212cと、無線送信部212dと、を備える。
【0182】
符号化部212aは、制御部24から入力された下りリンク制御情報及び下りリンクデータを、ブロック符号化、畳み込み符号化、ターボ符号化等の符号化方式を用いて符号化を行う。変調部212bは、符号化部212aから出力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の所定の変調方式で変調する。多重部212cは、各チャネルの変調シンボルと下りリンク参照信号とを多重化し、所定のリソースエレメントに配置する。無線送信部212dは、多重部212cからの信号に対して、各種信号処理を行う。例えば、無線送信部212dは、高速フーリエ変換による時間領域への変換、ガードインターバルの付加、ベースバンドのデジタル信号の生成、アナログ信号への変換、直交変調、アップコンバート、余分な周波数成分の除去、電力の増幅等の処理を行う。送信処理部212で生成された信号は、アンテナ413から送信される。
【0183】
記憶部22は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部22は、基地局20の記憶手段として機能する。
【0184】
ネットワーク通信部23は、他の装置(例えば、他の基地局20)と通信するための通信インタフェースである。例えば、ネットワーク通信部23は、NIC(Network Interface Card)等のLAN(Local Area Network)インタフェースである。ネットワーク通信部23は、USB(Universal Serial Bus)ホストコントローラ、USBポート等により構成されるUSBインタフェースであってもよい。また、ネットワーク通信部23は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。ネットワーク通信部23は、基地局20のネットワーク通信手段として機能する。ネットワーク通信部23は、制御部24の制御にしたがって、他の装置と通信する。
【0185】
制御部24は、基地局20の各部を制御するコントローラ(Controller)である。制御部24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部24は、基地局20内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM(Random Access Memory)等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部24は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
【0186】
<2.2.端末装置の構成例>
次に、端末装置40について説明する。端末装置40は、基地局20による制御に基づいて基地局20と無線通信する通信装置である。
【0187】
端末装置40は、他の装置と無線通信する無線通信装置である。端末装置40は、例えば、通信機能を有するセンサーやカメラデバイス、携帯電話、スマートデバイス(スマートフォン、又はタブレット)、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータである。端末装置40は、無線を介してデータを送受信する機能を有するヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display)やVRゴーグル等であってもよい。端末装置40は、自動車やドローンなどの移動体であってもよい。
【0188】
例えば、端末装置40は、基地局20による制御に基づいて、又は自律的に、他の端末装置40と無線通信する。その場合、端末装置40は、PC5リンクにおいて、他の端末装置40にサイドリンク信号を送信して、他の端末装置40からサイドリンク信号を受信する。端末装置40によるサイドリンク信号の送信及び受信をまとめてサイドリンク通信と記載する。端末装置40は、サイドリンク通信を行う際、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)等の自動再送技術を使用可能であってもよい。
【0189】
端末装置40は、基地局20とNOMA(Non Orthogonal Multiple Access)通信が可能であってもよい。なお、端末装置40は、他の端末装置40との通信(サイドリンク)においてもNOMA通信が可能であってもよい。また、端末装置40は、他の通信装置(例えば、基地局20、及び他の端末装置40)とLPWA(Low Power Wide Area)通信が可能であってもよい。その他、端末装置40が使用する無線通信は、ミリ波又はテラヘルツ波を使った無線通信であってもよい。なお、端末装置40が使用する無線通信(サイドリンク通信を含む)は、電波を使った無線通信であってもよいし、赤外線や可視光を使った無線通信(光無線)であってもよい。
【0190】
図9は、本開示の実施形態に係る端末装置40の構成例を示す図である。端末装置40は、基地局20と無線通信する通信装置(無線システム)である。端末装置40は、情報処理装置の一種である。
【0191】
端末装置40は、信号処理部41と、記憶部42と、入出力部44と、制御部45と、を備える。なお、図9に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、端末装置40の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。
【0192】
信号処理部41は、他の通信装置(例えば、基地局20及び他の端末装置40)と無線通信する無線通信インタフェースである。信号処理部41は、制御部45の制御にしたがって動作する無線トランシーバである。信号処理部41は1又は複数の無線アクセス方式に対応する。例えば、信号処理部41は、NR及びLTEの双方に対応する。信号処理部41は、W-CDMAやcdma2000等、他の無線アクセス方式に対応していてもよい。
【0193】
信号処理部41は、受信処理部411と、送信処理部412と、アンテナ413と、を備える。信号処理部41は、受信処理部411、送信処理部412、及びアンテナ413をそれぞれ複数備えていてもよい。なお、信号処理部41が複数の無線アクセス方式に対応する場合、信号処理部41の各部は、無線アクセス方式毎に個別に構成されうる。例えば、受信処理部411及び送信処理部412は、LTEとNRとで個別に構成されてもよい。受信処理部411、及び送信処理部412の構成は、基地局20の受信処理部211、及び送信処理部212と同様である。
【0194】
記憶部42は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部42は、端末装置40の記憶手段として機能する。
【0195】
入出力部44は、ユーザと情報をやりとりするためのユーザインタフェースである。例えば、入出力部44は、キーボード、マウス、操作キー、タッチパネル等、ユーザが各種操作を行うための操作装置である。又は、入出力部44は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display)等の表示装置である。入出力部44は、スピーカー、ブザー等の音響装置であってもよい。また、入出力部44は、LED(Light Emitting Diode)ランプ等の点灯装置であってもよい。入出力部44は、端末装置40の入出力手段(入力手段、出力手段、操作手段又は通知手段)として機能する。
【0196】
制御部45は、端末装置40の各部を制御するコントローラである。制御部45は、例えば、CPU、MPU等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部45は、端末装置40内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部45は、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
【0197】
<<3.技術的特徴>>
<3.1.COT応答モード>
本開示の実施形態では、複数のCOT応答モードが定義される。COT応答モードによって、COT応答装置が共有されたCOTを用いて送信する方法や送信する際の制限などが定義される。
【0198】
COT応答モードは、例えば、以下の条件などに応じて基地局20によって設定される。あるいは、COT応答モードは、以下の条件に応じて事前に設定(pre-configuration)される。
・送受信に用いられる周波数
・送受信されるエリアや国が制定する法制
・システムを運用するネットワークオペレータの運用ポリシー
【0199】
なお、送受信に使用される周波数として、例えば、FR1又はFR2、5/6GHz帯又は60GHz帯が挙げられる。
【0200】
COT応答モードの設定は、セル30共通の制御情報として複数の端末装置40に報知され得る。あるいは、COT応答モードの設定は、端末装置40又は端末グループ固有の制御情報として個別に通知され得る。
【0201】
COT応答モードの設定は、RRCレイヤーのシグナリング又はMACレイヤーのシグナリングにより準静的に行われ得る。あるいは、COT応答モードの設定は、L1レイヤーのシグナリング(PDCCH、PUCCH、PSCCHなど)により動的に行われてもよい。
【0202】
<3.1.1.第1のCOT応答モード>
図10は、本開示の実施形態に係る第1のCOT応答モードの一例を説明するための図である。図10では、通信装置10AがCOT取得装置である。通信装置10Aは、通信装置10BにCOT共有(COT sharing)を行う。すなわち、通信装置10BがCOT応答装置である。
【0203】
図10に示すように、通信装置10Bは、共有されたCOT(Shared COT)を用いて、COT取得装置である通信装置10Aに送信を行い得る。一方、通信装置10Bは、共有されたCOTを用いて、COT取得装置以外の通信装置10Cに送信を行うことはできない。
【0204】
このように、COTを共有されたCOT応答装置は、COTを共有したCOT取得装置に対して、共有されたCOTを用いた送信を行うことができる。一方、COT応答装置は、COTを共有したCOT取得装置以外の装置に、共有されたCOTを用いた送信を行うことができない。
【0205】
なお、COT取得装置が基地局20及び端末装置40の一方であり、COT応答装置が基地局20及び端末装置40の他方である場合、第1のCOT応答モードは、上述したNR-UのUuリンクで用いられるCOT共有の方法と同じである。
【0206】
一方、本開示の実施形態では、COT取得装置が第1の端末装置40_1であってよく、COT応答装置が第2の端末装置40_2であってよい点で、上述したNR-UのUuリンクで用いられる方法と異なる。
【0207】
本実施形態では、端末装置40がCOTを共有してサイドリンク通信を行う。本実施形態に係る第1のCOT応答モードは、COTがCOT取得装置とCOT応答装置との間で共有され、COT応答装置がCOT取得装置と、Uuリンク通信、又は、サイドリンク通信を行うモードである。ここで行われるサイドリンク通信は、COT内のサイドリンクリソースを用いた通信である。
【0208】
<3.1.2.第2のCOT応答モード>
図11は、本開示の実施形態に係る第2のCOT応答モードの一例を説明するための図である。図11では、通信装置10AがCOT取得装置である。通信装置10Aは、通信装置10BにCOT共有を行う。すなわち、通信装置10BがCOT応答装置である。
【0209】
図11に示すように、通信装置10Bは、共有されたCOTを用いて、COT取得装置である通信装置10Aに送信を行い得る。さらに、通信装置10Bは、共有されたCOTを用いて、COT取得装置以外の通信装置10Cに送信を行い得る。すなわち、COTを共有された通信装置10Bは、そのCOTを取得した通信装置10Aを含む任意の通信装置10に、そのCOTを用いた送信を行うことができる。
【0210】
このように、COTを共有されたCOT応答装置は、COTを共有したCOT取得装置を含む任意の通信装置10に共有されたCOTを用いた送信を行うことができる。
【0211】
第2のCOT応答モードは、COT応答装置がCOTを共有したCOT取得装置以外の通信装置10に対して信号を送信することができる点で、第1のCOT応答モードと異なる。
【0212】
本開示の実施形態では、第2のCOT応答モードは、COTがCOT取得装置とCOT応答装置との間で共有され、COT応答装置がCOT取得装置及び他の装置と、Uuリンク通信、又は、サイドリンク通信を行うモードである。ここで行われるサイドリンク通信は、COT内のサイドリンクリソースを用いた通信である。
【0213】
なお、第2の応答モードとして、通信装置10Bの送信先が通信装置10Aであるか通信装置10Cであるかに応じて送信方法(送信の制限)が定義(規定、設定)され得る。すなわち、COT応答装置の送信先がCOT取得装置であるか否かに応じた送信方法(送信の制限)が規定され得る。
【0214】
一例として、送信の制限が、設定されるLBTカテゴリ(CAT:Channel access type)であり得る。
【0215】
例えば、通信装置10Bの送信先が通信装置10Aである場合、第2のCOT応答モードで使用されるLBTカテゴリは、第1のCOT応答モードで使用されるLBTカテゴリと同じとする。
【0216】
例えば、通信装置10Bの送信先が通信装置10A以外(例えば、通信装置10C)である場合、第2のCOT応答モードで使用されるLBTカテゴリは、第1のCOT応答モードよりもCCAの長さや回数などの観点で厳しい(例えば、CCAの長さ(CCAを行うDuration)や回数(所定期間におけるCCAの回数)が多い)LBTカテゴリである。
【0217】
具体的に、通信装置10Bの送信先が通信装置10Aである場合、第2のCOT応答モードではType 2C channel accessが用いられ得る。一方、通信装置10Bの送信先が通信装置10A以外(例えば、通信装置10C)である場合、第2のCOT応答モードではType 2C channel accessが用いられない。この場合、例えば、第2のCOT応答モードではType 2A又はType 2B channel accessが用いられ、これら以外のCATは用いられない。
【0218】
他の例として、送信の制限が、送信可能な時間長であり得る。
【0219】
例えば、通信装置10Bの送信先が通信装置10Aである場合、第2のCOT応答モードの送信可能な時間長は、第1のCOT応答モードの送信可能な時間長(最大COT、最大チャネル占有時間)と同じである。
【0220】
例えば、通信装置10Bの送信先が通信装置10A以外(例えば、通信装置10C)である場合、第2のCOT応答モードの送信可能な時間長は、第1のCOT応答モードの送信可能な時間長よりも短い。
【0221】
他の例として、送信の制限が、送信電力であり得る。
【0222】
例えば、通信装置10Bの送信先が通信装置10Aである場合、第2のCOT応答モードでの送信電力は、第1のCOT応答モードでの送信電力と同じである。
【0223】
例えば、通信装置10Bの送信先が通信装置10A以外(例えば、通信装置10C)である場合、第2のCOT応答モードで送信可能な送信電力は、第1のCOT応答モードで送信可能な送信電力よりも低い。
【0224】
<3.2.COT共有モード>
本開示の実施形態では、複数のCOT共有モードが定義される。COT共有モードによって、取得されたCOTの共有方法や共有する際の制限などが定義される。
【0225】
COT共有モードは、例えば、以下の条件などに応じて基地局20によって設定される。あるいは、COT共有モードは、以下の条件に応じて事前に設定(pre-configuration)される。
・送受信に用いられる周波数
・送受信されるエリアや国が制定する法制
・システムを運用するネットワークオペレータの運用ポリシー
【0226】
なお、送受信に使用される周波数として、例えば、FR1又はFR2、5/6GHz帯又は60GHz帯が挙げられる。
【0227】
なお、COT共有モードは、上述したCOT応答モードと個別に設定されてもよく、組み合わせて設定されてもよい。また、COT共有モードとCOT応答モードがそれぞれ設定される場合、それらの設定されうるモードは制限され得る。例えば、COT共有モード2が設定される場合、COT応答モード2が設定される(すなわち、COT応答モード1に設定されない)。換言すると、COT応答モード1が設定される場合、COT共有モード2は設定できない。言い換えると、複数のCOT共有モードのうち1つは複数のCOT応答モードのうち所定の1つと関連付けられていてもよい。
【0228】
COT共有モードの設定は、セル30共通の制御情報として複数の端末装置40に報知され得る。あるいは、COT共有モードの設定は、端末装置40又は端末グループ固有の制御情報として個別に通知され得る。
【0229】
COT共有モードの設定は、RRCレイヤーのシグナリング又はMACレイヤーのシグナリングにより準静的に行われ得る。あるいは、COT応答モードの設定は、L1レイヤーのシグナリング(PDCCH、PUCCH、PSCCHなど)により動的に行われてもよい。
【0230】
<3.2.1.第1のCOT共有モード>
図12は、本開示の実施形態に係る第1のCOT共有モードの一例を説明するための図である。図12では、通信装置10AがCOT取得装置である。通信装置10Aは、通信装置10BにCOT共有を行う。すなわち、通信装置10BがCOT応答装置である。
【0231】
図12に示すように、通信装置10Aは、COTをCOT応答装置である通信装置10Bと共有し得る。一方、通信装置10Bは、共有されたCOTの一部又は全部を、COT取得装置以外の通信装置10Cにさらに共有することができない。すなわち、COTを共有することができる通信装置10は、COT取得装置である通信装置10Aに制限される。
【0232】
このように、COTを取得したCOT取得装置は、COT応答装置にCOT共有することができる。一方、COT応答装置は、そのCOTの少なくとも一部をCOT取得装置以外の装置にCOT共有することはできない。このように、第1のCOT共有モードでは、COT応答装置及びCOT取得装置以外の装置との間でのCOTの共有が制限される。
【0233】
なお、COT取得装置が基地局20及び端末装置40の一方であり、COT応答装置が基地局20及び端末装置40の他方である場合、第1のCOT共有モードは、上述したNR-UのUuリンクで行われるCOT共有と同じである。
【0234】
一方、本開示の実施形態では、COT取得装置が第1の端末装置40_1であってよく、COT応答装置が第2の端末装置40_2であってよい点で、上述したNR-UのUuリンクで行われるCOT共有と異なる。
【0235】
このように、本実施形態に係る第1のCOT共有モードは、Uuリンク通信に限定されず、サイドリンク通信においても、COT取得装置とCOT応答装置との間でCOTが共有されるモードである。
【0236】
<3.2.2.第2のCOT共有モード>
図13は、本開示の実施形態に係る第2のCOT共有モードの一例を説明するための図である。図13では、通信装置10AがCOT取得装置である。通信装置10Aは、通信装置10BにCOT共有を行う。すなわち、通信装置10BがCOT応答装置である。
【0237】
このように、第2のCOT共有モードにおいても第1のCOT共有モードと同様に、COT取得装置である通信装置10Aは、COT応答装置である通信装置10Bに対してCOT共有を行い得る。さらに、第2のCOT共有モードでは、通信装置10Bが、通信装置10Aから共有されたCOTを、他の通信装置10Cにさらに共有し得る。換言すると、COT取得装置に取得されたCOTは、複数の通信装置10間でリレーされることができる。
【0238】
第2のCOT共有モードは、COT応答装置がCOT取得装置によって共有されたCOTを他の通信装置10にCOT共有することができる点で、第1のCOT共有モードと異なる。第2のCOT共有モードでは、COT取得装置、及び、COT応答装置のいずれもCOT共有を行い得る。
【0239】
本開示の実施形態では、第2のCOT応答モードは、COTがCOT取得装置とCOT応答装置との間で共有され、さらに、当該COTがCOT応答装置と他の装置(例えば、通信装置10C)との間で共有されるモードである。
【0240】
なお、第2のCOT共有モードにおいて、COTのリレー回数(ホップ回数)は、所定の回数に制限され得る。COTのリレー回数とは、例えば、他の装置がCOT応答装置としてCOT共有を行う回数である。例えば、COTのリレー回数は、最大1回とされ得る。
【0241】
例えば、図13において、通信装置10Aが取得したCOTは、通信装置10BにCOT共有され得る。これにより、通信装置10Bは、COT応答装置(以下、第1のCOT応答装置とも記載する)となる。
【0242】
通信装置10Bは、COT取得装置である通信装置10Aとは異なる通信装置10BにCOT共有し得る。これにより、通信装置10Cは、COT応答装置(以下、第2のCOT応答装置とも記載する)となる。
【0243】
しかしながら、COTのリレー回数が最大1回の場合、第2のCOT応答装置である通信装置10Cは、その他の装置に対して、そのCOTの共有を行えない。このように、COTの共有回数(リレー回数)は制限され得る。
【0244】
なお、COT共有を通知する装置(例えば、通信装置10A、10B)は、COTを共有する場合、COT共有の通知を受ける装置(例えば、通信装置10B、10C)に対して、そのCOTのリレー回数を通知するようにしてもよい。例えば、COT共有を通知する装置は、COT共有を通知する際に、共有するCOTのリレー回数(ホップ回数)を示す情報を通知する。これにより、COT共有の通知を受ける装置は、そのCOTをさらに共有することができるか否かを認識することができる。
【0245】
なお、COTのリレー回数は1回に限定されず、2回以上であってもよい。
【0246】
また、第2の共有モードとして、COTがリレーされた回数に応じて送信方法(送信の制限)が定義(規定、設定)され得る。すなわち、COT取得装置(リレー回数:0)であるか、第1のCOT応答装置(リレー回数:0)であるか、及び、第2のCOT応答装置(リレー回数:1)であるかに応じて、送信方法(制限)が規定され得る。
【0247】
一例として、送信の制限が、設定されるLBTカテゴリ(CAT:Channel access type)であり得る。
【0248】
例えば、リレー回数が0回である装置、すなわち、COT取得装置で使用されるLBTカテゴリは、第1のCOT応答モードのCOT取得装置で使用されるLBTカテゴリと同じである。同様に、リレー回数が0回である装置、すなわち、第1のCOT応答装置で使用されるLBTカテゴリは、第1のCOT応答モードのCOT応答装置で使用されるLBTカテゴリと同じである。
【0249】
例えば、リレー回数が1回である装置、すなわち、第2のCOT応答装置で使用されるLBTカテゴリは、リレー回数が0回である装置、すなわち、COT取得装置及び第1の応答装置よりもCCAの長さや回数などの観点で厳しいLBTカテゴリである。
【0250】
具体的に、第1のCOT応答装置ではType 2C channel accessが用いられ得る。一方、第2のCOT応答装置ではType 2C channel accessが用いられない。この場合、例えば、第2のCOT応答装置ではType 2A又はType 2B channel accessが用いられ、これら以外のCATは用いられない。
【0251】
このように、第2の共有モードでは、COTのリレー回数に応じて、送信方法(制限)としてLBTカテゴリが規定され得る。例えば、COTのリレー回数が増加するほど、例えばCCAの長さや回数などの観点で厳しいLBTカテゴリが適用され得る。
【0252】
他の例として、送信の制限が、送信可能な時間長であり得る。
【0253】
例えば、リレー回数が0回である装置、すなわち、COT取得装置の送信可能な時間長は、第1のCOT応答モードのCOT取得装置の送信可能な時間長と同じである。同様に、リレー回数が0回である装置、すなわち、第1のCOT応答装置の送信可能な時間長は、第1のCOT応答モードのCOT応答装置の送信可能な時間長と同じである。
【0254】
例えば、リレー回数が1回である装置、すなわち、第2のCOT応答装置の送信可能な時間長は、リレー回数が0回である装置、すなわち、COT取得装置及び第1の応答装置の送信可能な時間長よりも短い。
【0255】
このように、第2の共有モードでは、COTのリレー回数に応じて、送信方法(制限)として送信可能な時間長が規定され得る。例えば、COTのリレー回数が増加するほどより短い時間長が、送信可能な時間長として適用され得る。
【0256】
他の例として、送信の制限が、送信電力であり得る。
【0257】
例えば、リレー回数が0回である装置、すなわち、COT取得装置の送信可能な送信電力は、第1のCOT応答モードのCOT取得装置の送信可能な送信電力と同じである。同様に、リレー回数が0回である装置、すなわち、第1のCOT応答装置の送信可能な送信電力は、第1のCOT応答モードのCOT応答装置の送信可能な送信電力と同じである。
【0258】
例えば、リレー回数が1回である装置、すなわち、第2のCOT応答装置の送信可能な送信電力は、リレー回数が0回である装置、すなわち、COT取得装置及び第1の応答装置の送信可能な送信電力よりも低い。
【0259】
このように、第2の共有モードでは、COTのリレー回数に応じて、送信方法(制限)として送信電力が規定され得る。例えば、COTのリレー回数が増加するほどより低い送信電力が適用され得る。
【0260】
<3.3.アンライセンスバンドでのSL通信のためのセンシング方法>
アンライセンスバンドでのサイドリンク通信のためのセンシング方法(以下、SL-Uセンシング方法とも記載する)として、以下の1つ以上の方法が規定され得る。
【0261】
なお、本実施形態において、SLリソース選択のためのSLセンシングは、上述した従来のSLセンシングと同じ、または、その従来のSLセンシングをベースに変更された方法を含む。また、本実施形態において、COT取得のためのChannel access procedure(LBT)は、上述した従来のChannel access procedureと同じ、または、その従来のChannel access procedureをベースに変更された方法を含む。
【0262】
図14は、本開示の実施形態に係るセンシング方法の概要を説明するための図である。図14では、SLリソース選択のためのSLセンシング(上図参照)、及び、COT取得のための(Shared Channelでの)Channel access procedure(LBT)(下図参照)が、それぞれ示される。SLリソース選択のためのSLセンシング(以下、SLセンシングとも記載する)及びCOT取得のためのChannel access procedure(以下、LBTセンシングとも記載する)は、TxUE40Tにより実行される。
【0263】
本実施形態では、TxUE40Tは、時刻nの後、SLセンシング結果に基づくSelection windowに対するSLリソースの選択、及び、COT取得のチャネルアクセスの両方を行い、SL送信のためのリソースを決定する。ここで、時刻nは、SLリソース選択がトリガーされた時点(SL通信のトラフィックが発生した時点)である。
【0264】
なお、図14では、一例として、センシング方法がFull sensingの場合が示されているが、上述のPartial sensing、あるいは、Periodic based partial sensing、Contiguous partial sensingなど他のセンシング結果(方法)を用いてもよい。
【0265】
なお、本実施形態において、時間領域におけるリソースとして、例えば、以下のリソースなどが挙げられる。
・スロット(14OFDMシンボルで構成される時間リソース)
・サブフレーム(1ミリ秒で構成される時間リソース)
・OFDMシンボル
・所定数のOFDMシンボルで構成されるリソース(例えば、14より小さいシンボル数で構成されるサブスロット)
【0266】
周波数領域におけるリソースとして、例えば、以下のリソースなどが挙げられる。
・リソースブロック
・サブチャネル(所定数のリソースブロックで構成されるSL送信の周波数リソース)
・Bandwidth part(BWP)
・Component carrier
【0267】
なお、本実施形態において、周波数領域におけるリソースは、所定の周波数帯域幅のリソースとしてもよく、例えば、20MHzが用いられ得る。
【0268】
以下、本実施形態のSLセンシングの例として、第1~第3のセンシング方法について説明する。それぞれの方法の詳細は後述するが、概要を以下に説明する。
【0269】
第1、第2のセンシング方法では、SLセンシングによるSLリソース選択、及び、COT取得のためのChannel access procedure(LBTセンシング)の一方の動作が、他方のパラメータやセンシング結果に基づいて行われる。
【0270】
第1のセンシング方法、及び、第2のセンシング方法では、SLリソース選択がトリガーされた後の動作が、SLセンシングであるか、LBTセンシングであるか、が異なる。すなわち、第1のセンシング方法、及び、第2のセンシング方法では、SLセンシング及びLBTセンシングの順序が異なる。
【0271】
第3のセンシング方法では、第1、第2のセンシング方法と異なり、SLセンシング、及び、LBTセンシングがそれぞれ個別に行われる。第3のセンシング方法では、個別に行われた各センシング結果に基づき、SL送信に用いられるSLリソースが選択される。
【0272】
(第1のセンシング方法)
TxUE40Tは、SLリソース選択がトリガーされた後、まず、SLセンシングに基づき、SL送信(SL transmission burst)のためのSLリソースを選択する。
【0273】
次に、TxUE40Tは、選択したSLリソースに対してLBTセンシング(Channel access procedure)によりCOTを取得する。TxUE40Tは、取得したCOTを用いてSLデータを送信する。
【0274】
(第2のセンシング方法)
TxUE40Tは、SLリソース選択がトリガーされた後、まず、LBTセンシング(Channel access procedure)によりCOTを取得する。
【0275】
次に、TxUE40Tは、取得したCOT内のリソースに対して、SLセンシングに基づくSLリソース選択を行う。最後に、TxUE40Tは、選択したSLリソースを用いてSLデータを送信する。
【0276】
(第3のセンシング方法)
TxUE40Tは、SLリソース選択がトリガーされた後、SLセンシング、及び、LBTセンシング(Channel access procedure)を個別に(独立に)行う。
【0277】
TxUE40Tは、SLセンシングに基づいて選択したSLリソース、及び、LBTセンシング(Channel access procedure)により取得したCOTに基づき、SL送信に使用するSLリソースを決定する。TxUE40Tは、決定したSLリソースを用いてSLデータを送信する。
【0278】
なお、以下で説明される第1~第3のセンシング方法において、全てのステップの実行が必須ではなく、少なくとも一部のステップが実行されてもよい。あるいは、第1~第3のセンシング方法のそれぞれが、少なくとも一部のステップの複数による組合せによって実現されてもよい。
【0279】
<3.3.1.第1のセンシング方法の詳細>
図15は、本開示の実施形態に係る第1のセンシング方法の一例を説明するための図である。図15では、SLリソース選択のためのSLセンシング(上図参照)、COT取得のための(Shared Channelでの)Channel access procedure(LBT)(中図参照)、及び、実際の送信(下図参照)が、それぞれ示される。
【0280】
TxUE40Tは、第1のセンシング方法として以下の手順(ステップ)を実行する。
【0281】
(C1) 時刻n(図15上図参照)において、SLリソース選択のトリガーが発生する。すなわち、SL送信のトラフィック(SL-SCH)が発生する(slot n)。
【0282】
(C2) TxUE40Tは、Selection window(SLリソース選択ウィンドウ)[n+T,n+T]を決定する。TxUE40Tは、例えば、上述した従来のSLセンシング方法におけるステップ(A1)と同様にしてSelection window(タイムインターバル)[n+T,n+T]を決定し得る。例えば、図15では、TxUE40Tは、時刻n以降のn+Tからn+TのタイムインターバルをSelection windowとして決定する。
【0283】
(C3) TxUE40Tは、決定したSelection windowにおいてSLセンシングを行う。TxUE40Tは、SLセンシング結果により、Selection window内のセットSを決定する。例えば、TxUE40Tは、上述した従来のSLセンシング方法におけるステップ(A2)~ステップ(A7)と同様にしてany candidate single-slot resource Rx,yをセットSから除去する。
【0284】
(C4) TxUE40Tは、any candidate single-slot resource Rx,yを除去したセットSに基づき、リソース(Selected resource)を選択する。例えば、TxUE40Tは、上述した従来のSLセンシング方法におけるステップ(A8)と同様にしてリソースを選択する。例えば、図15では、TxUE40Tは、リソースRA01~RA03をany candidate single-slot resource Rx,yとしてセットSから除去し、リソースRA11をSelected resourceとして決定する。
【0285】
(C5) TxUE40Tは、Selected resourceに基づいてLBTセンシング(Channel access procedure)を行い、COTを取得する。図15の例では、TxUE40Tは、LBTセンシングを行い、Selected resourceを含むCOTを取得する。
【0286】
(C6) TxUE40Tは、取得したCOT内で、そのSL transmission burst(1つ以上のPSCCH/PSSCHなど)を送信する。
【0287】
以下、各手順の詳細について説明する。
【0288】
[ステップ(C2)]
まず、ステップ(C2)の詳細について説明する。
【0289】
Selection windowの設定(T及び/又はTの決定)は、例えば、以下のChannel access procedureに関するパラメータに基づいて行われ得る。
・SL transmission burstの時間長(スロット数)
・Channel occupancy time(COT)
・Contention window(CW、衝突窓)
・Channel access type
【0290】
(SL transmission burstの時間長)
Selection windowの設定(T及び/又はTの決定)は、例えば、SL transmission burst(当該SL送信に要求されるリソース)の時間長(スロット数)に基づいて行われ得る。
【0291】
例えば、Selection windowの時間長(すなわち、T-T)は、SL transmission burstの時間長と同じになるように設定され得る。
【0292】
例えば、Selection windowの時間長(すなわち、T-T)は、SL transmission burstの時間長よりも長くなるように設定され得る。この場合、TxUE40Tは、例えば、Selection window の開始時点(すなわち、T)を変更せずに、Selection window の終了時点(すなわち、T)を延ばす(その値を大きくする)。
【0293】
ここで、例えば、LBTセンシングの結果、COTの開始時点がSelection windowの開始時点と同じにならない場合(又は、同じにならない可能性がある場合)がある。すなわち、実際にSL送信を行える期間の開始時点がSelection windowの開始時点より後ろにずれる可能性がある。
【0294】
このように、実際にSL送信を行える期間の開始時点がSelection windowの開始時点より後ろにずれても、実際にSL送信を行える期間の終了時点(Selection windowの終了時点)はずれない。
【0295】
そのため、Selection windowの時間長がSL transmission burstの時間長と同じである場合、TxUE40TがSL transmission burstの時間長を確保できない恐れがある。一方、このような場合でも、Selection windowの時間長がSL transmission burstの時間長よりも長くなるように設定されることで、TxUE40TがSL transmission burstの時間長を確保できる可能性が高くなる。
【0296】
例えば、TはRemaining Packet Delay Budgetと同じ、又は、Remaining Packet Delay Budgetに基づいて決定され得る。
【0297】
(Channel occupancy time)
例えば、Selection windowの時間長(すなわち、T-T)、又は、Selection windowの終了時点(すなわち、T)は、Channel access procedureにより取得され得るCOTの長さと同じ、または、それ以上になるように設定され得る。
【0298】
上述したように、COTの長さは、Channel access type及び/又はChannel access priority classによって異なる。そのため、Selection windowの時間長(すなわち、T-T)、又は、Selection windowの終了時点(すなわち、T)は、当該SL送信の種類やプライオリティなどに応じて設定され得る。
【0299】
具体的には、Type 1 channel accessにおいて、Channel access priority classが1,2,3,4の場合、Selection windowは、それぞれ2ms,3ms,8 or 10ms,8 or 10msと同じか、それ以上となるように設定され得る。
【0300】
(Contention window)
例えば、Selection windowの開始時点(すなわち、T)は、CWサイズ(CWの時間長)に応じて決まる。例えば、Tは、所定のCW以降となるように設定される。すなわち、Tは、所定のCWの時間長と同じかそれよりも大きい値となるように設定され得る。なお、T1の決定には、さらにUE(端末装置40)の処理時間(Tproc,1 SL)も含まれて考慮されてもよい。
【0301】
所定のCWは、以下のいずれかを含む。
・当該Channel access procedureで用いられるCW(つまり、ランダムで選択されたCW)
・当該SL送信に対するChannel access priority classによって取り得るCWの所定値(最大値、最小値、平均値、中央値)
【0302】
(Channel access type)
例えば、T及び/又Tは、Channel access typeに応じて規定又は設定される所定値に基づいて決まる。
【0303】
[ステップ(C3)]
ステップ(C3)の詳細について説明する。
【0304】
アンライセンス帯では、連続したリソースを用いてTransmission burstを送信する必要がある。そのため、決定されたセットSにおいて、当該SL送信のSL transmission burstに対応する連続する時間長のリソースが選択できない(しない)場合(または、選択できる数(候補数)が少ない場合)がある。この場合、TxUE40Tは、サイドリンクセンシングに関するパラメータを変更してSLセンシングを再度行ってSelected resource(SLセンシングリソース)を選択する。TxUE40Tは、例えば、RSRP測定のスレッショルド値を変更して、セットSを変更し得る。
【0305】
例えば、TxUE40Tは、上述した従来のSLセンシング方法におけるステップ(A7)に追加又は置き換えて、以下のいずれかの動作例を実行する。すなわち、セットSに残ったリソースにおいて、連続するリソース(スロット数又はその候補の数)が、RRCシグナリングにより設定されるパラメータに基づいて得られる所定値、又は、所定のSL送信に要求されるリソースよりも少ない場合がある。この場合、TxUE40Tは、以下のいずれかの動作を行う。
【0306】
動作例1:TxUE40Tは、RSRPスレッショルドの値を所定値(例えば、3dB)増やして、ステップ(A4)から従来のSLセンシング方法を再度実行する。
【0307】
動作例2:TxUE40Tは、周波数チャネルを変更して、ステップ(C2)から第1のセンシング方法を再度実行する。なお、同じSelection window(つまり、T及びT)を用いてもよい。
【0308】
動作例3:TxUE40Tは、ステップ(C2)に戻って、Selection windowの再設定を行う。
【0309】
なお、上述した従来のSLセンシング方法において、周波数リソースの単位として所定数のリソースブロックからなるサブチャネルが用いられる。一方、第1のセンシング方法で実行されるSLセンシング(SL-Uセンシング方法)では、そのサブチャネルサイズが周波数バンド(FR)に応じて規定されるようにしてもよい。
【0310】
例えば、FR1において、第1のセンシング方法で実行されるSLセンシング(SL-Uセンシング方法)で用いられるサブチャネルサイズは、20MHzである。
【0311】
第1のセンシング方法で実行されるSLセンシング(SL-Uセンシング方法)では、TxUE40Tは、上述した従来のSLセンシング方法に加えて(又は変更して)、RSSIを測定し得る。TxUE40Tは、例えば、測定したRSSIがスレッショルドよりも高いか否かに応じて、S any candidate single-slot resource Rx,yをセットSから除外する。
【0312】
より具体的に、TxUE40Tは、例えば、20MHz幅と1msのスロットを単位として、従来のSLセンシング方法と同様にPSCCHの復号とRSRP測定を実施する。また、TxUE40Tは、他の無線アクセスシステムとのCollisionを低減させるために、そのリソース(PSCCHの復号とRSRP測定を実施したリソース)の全部又は一部のRSSIを測定する。
【0313】
[ステップ(C5)]
ステップ(C5)の詳細について説明する。
【0314】
TxUE40Tは、COTの開始時点又はCWの終了時点が、Selected resourceの開始時点となるように、Channel access procedureを行う(図15の時刻t01参照)。
【0315】
ただし、LBTの結果によって、COTの開始時点又はCWの終了時点は、Selected resourceの開始時点と同じか、それ以前、それ以降になり得る。
【0316】
なお、Selected resource(Sensing window)において、COTに含まれない(オーバーラップしない)リソースは、Excluded resourceとしてもよい。すなわち、当該リソースは、セットSから除外され得る。
【0317】
また、Selected resourceの開始時点が、COTの開始時点又はCWの終了時点より早くスタートしないように(start no earlier than)Channel access procedureを行う、という表現でSelected resourceの開始時点や、Channel access procedureの実施タイミングが規定されてもよい。
【0318】
もし、LBTセンシングの結果、Selected resourceの開始時点でCOTが取得できなかった場合(すなわち、COTの開始時点又はCWの終了時点が、Selected resourceの開始時点よりも後になる場合)、TxUE40Tは、以下のいずれかの動作を行う。
【0319】
換言すると、TxUE40Tは、CWの終了時点、又は、COTの開始時点が、Selected resourceの開始時点の開始時点と同じ、又は、Selected resourceの開始時点より前である場合、Selected resourceを送信リソースとして選択する。それ以外の場合、TxUE40Tは、以下のいずれかの動作を行う。
【0320】
なお、この動作は、第1のセンシング方法だけでなく、本実施形態において、このような状況が発生した場合、同様に実施されるものとする。
【0321】
動作例1:TxUE40Tは、リソースの再選択を行う。リソースの再選択において、TxUE40Tは、既に決定したセットSを再利用してもよいし、新たにステップ(C2)から第1のセンシング方法を実行し、再度セットSを決定するようにしてもよい。
【0322】
動作例2:TxUE40Tは、SL送信をキャンセルする。
【0323】
動作例3:TxUE40Tは、COT取得時点からSelected resourceの終了時点までのリソースを用いてSL送信を行う。すなわち、Selected resourceよりも少ないリソースを用いてSL送信が行われる。
【0324】
動作例4:TxUE40Tは、COT取得時点からSelected resourceの時間長のリソースを用いてSL送信を行う。すなわち、Selected resource以降のリソースも用いてSL送信が行われる。この場合、TxUE40Tは、セットSに基づいてSelected resource以降のリソースの利用できるか否かに応じて当該SL送信を行い得る。あるいは、TxUE40Tは、当該セットS関わらずに、Selected resource以降のリソースも用いたSL送信を行ってもよい。なお、Selected resource以降のリソースを用いる場合、Selected resource以降のリソース長が所定の時間長を超えないようにSL送信が制限され得る。
【0325】
[ステップ(C6)]
ステップ(C6)の詳細について説明する。
【0326】
もし、COTの開始時点又はCWの終了時点が、スロットの区切り(Slot boundary)ではない場合、Selected resourceが設定され得る所定のスロットの区切りまで、ダミー信号が送信され得る。
【0327】
もし、COTの開始時点又はCWの終了時点が、Selected resourceの開始時点よりも前になる場合(すなわち、COTの開始時点又はCWの終了時点と、Selected resourceの開始時点との間に時間がある場合)、その間の時間、ダミー信号が送信され得る。
【0328】
<3.3.2.第2のセンシング方法の詳細>
図16は、本開示の実施形態に係る第2のセンシング方法の一例を説明するための図である。図16では、COT取得のための(Shared Channelでの)Channel access procedure(LBT)(上図参照)、SLリソース選択のためのSLセンシング(中図参照)、及び、実際の送信(下図参照)が、それぞれ示される。
【0329】
TxUE40Tは、第2のセンシング方法として以下の手順(ステップ)を実行する。
【0330】
(D1) 時刻n(図16中図参照)において、SLリソース選択のトリガーが発生する。すなわち、SL送信のトラフィック(SL-SCH)が発生する。
【0331】
(D2) TxUE40Tは、SL-SCHのpriorityに基づいてChannel access procedureを行い、COTを取得する。例えば、図16では、TxUE40Tは、時刻t02から時刻t03の期間でCOTを取得する。
【0332】
(D3) TxUE40Tは、取得したCOTをSelection window(SLリソース選択ウィンドウ)[n+T,n+T]として決定する。例えば、図16では、TxUE40Tは、時刻t02をSelection windowの開始時点とし、時刻t03をSelection windowの終了時点とする。
【0333】
(D4) TxUE40Tは、決定したSelection windowにおいてSLセンシングを行う。TxUE40Tは、SLセンシング結果により、Selection window内のセットSを決定する。例えば、TxUE40Tは、上述した従来のSLセンシング方法におけるステップ(A2)~ステップ(A7)と同様にしてany candidate single-slot resource Rx,yをセットSから除去する。
【0334】
(D5) Selection window内にexcluded resource(ステップ(D4)で除外したリソース)がない、又は、Selection window内の先頭からSL transmission burstに相当する時間までにexcluded resourceがないとする。この場合、TxUE40Tは、ステップ(D4)で決定したセットSに基づいて、SLリソース(Selected resource)を選択する。
【0335】
Selected resourceが、Selection windowの開始時点から選択できる場合、TxUE40Tは、例えば、SL transmission burstとして、Selection windowの開始時点からのSelected resourceを選択する。
【0336】
図16の例では、Selection window内にexcluded resource(リソースRB01)があるが、当該excluded resource(リソースRB01)は、Selection window内の先頭からSL transmission burstに相当する時間より後ろにある。そのため、TxUE40Tは、ステップ(D4)で決定したセットSに基づいて、リソースRB11をSelected resourceとして選択する。
【0337】
なお、Selection window内にexcluded resourceがある場合のTxUE40Tの動作については後述する。
【0338】
(D6) TxUE40Tは、Selected resource を用いて、SL transmission burst(1つ以上のPSCCH/PSSCHなど)を送信する。
【0339】
以下、各手順の詳細について説明する。
【0340】
[ステップ(D3)]
まず、ステップ(D3)の詳細について説明する。
【0341】
Selection windowの開始時点(すなわち、T)は、COTの開始時点又はCWの終了時点と同じ(図16の時刻t02参照)、又は、それ以降である。また、Selection windowの開始時点(すなわち、T)と、COTの開始時点またはCWの終了時点と、の間に所定の時間長(例えば、UE(端末装置40)の処理時間)が含まれるようにしてもよい。
【0342】
ここで、図17は、本開示の実施形態に係る第2のセンシング方法の他の例を説明するための図である。図17では、COT取得のための(Shared Channelでの)Channel access procedure(LBT)(上図参照)、SLリソース選択のためのSLセンシング(中図参照)、及び、実際の送信(下図参照)が、それぞれ示される。
【0343】
図17の例では、TxUE40Tは、取得したCOTの先頭からSL transmission burstに相当する時間を、Selection windowとして決定する。この場合、TxUE40Tは、Selection window内にexcluded resourceがない場合、Selection window全てをSLリソースとして選択する。
【0344】
このように、TxUE40Tは、取得したCOTの先頭からSL transmission burstに相当する時間を、Selection windowとして決定してもよい。
【0345】
[ステップ(D5)]
ステップ(D5)の詳細について説明する。
【0346】
もし、COTの開始時点又はCWの終了時点が、スロットの区切り(Slot boundary)ではない場合、Selected resourceが設定され得る所定のスロットの区切りまで、ダミー信号が送信され得る。
【0347】
もし、Selection window内にexcluded resourceがある場合、TxUE40Tは、以下のいずれかの動作を行う。例えば、TxUE40Tは、Selected resourceをSelection windowの開始時点から選択できない場合、以下のいずれかの動作を行う。
【0348】
動作例1:TxUE40Tは、そのselection windowを使用しない。つまり、TxUE40Tは、excluded resourceがないselection windowが出てくるまで、他のリソースで第2のセンシング方法を実行し続ける。
【0349】
動作例2:TxUE40Tは、excluded resource以外のリソースで、1つまたは複数のSL transmission burstを決定する。TxUE40Tは、以下の動作のいずれかを実行する。
【0350】
動作例2-1:TxUE40Tは、そのSL transmission burstの開始時点までCCAを継続(pending)する。
【0351】
動作例2-2:TxUE40Tは、そのSL transmission burstの開始時点まで所定のバースト信号を送信する。また、そのバースト信号は、Excluded resource以外のリソースで送信するようにしてもよい。すなわち、そのバースト信号は、Excluded resourceでは送信されない。また、そのバースト信号は、所定の低送信電力で送信してもよい。
【0352】
動作例2-3:TxUE40Tは、そのSL transmission burstの開始時点までPendingし、SL transmission burstの開始に合わせて、所定のChannel access (例えば、type 2など)を行う。
【0353】
図18は、本開示の実施形態に係る第2のセンシング方法の他の例を説明するための図である。図18では、COT取得のための(Shared Channelでの)Channel access procedure(LBT)(上図参照)、SLリソース選択のためのSLセンシング(中図参照)、及び、実際の送信(下図参照)が、それぞれ示される。
【0354】
図18に示す例では、TxUE40Tは、取得したCOTをSelection window(SLリソース選択ウィンドウ)[n+T,n+T]として決定する。
【0355】
TxUE40Tは、Selection window内にexcluded resourceがあるため、上述した動作例2を実行し、excluded resource以外のリソースで、1つまたは複数のSL transmission burstを決定する。図18の例では、TxUE40Tは、リソースRB02、RB03をexcluded resourceとし、リソースRB12をSelected resourceとする。
【0356】
TxUE40Tは、リソースRB12でSLデータを送信するが、このとき、動作例2-3を実行する。より具体的には、図18に示すように、TxUE40Tは、所定のChannel accessを実行し、SL transmission burstを開始する。
【0357】
<3.3.3.第3のセンシング方法の詳細>
TxUE40Tは、第3のセンシング方法として以下の手順(ステップ)を実行する。
【0358】
(E1) 時刻n(図16中図参照)において、SLリソース選択のトリガーが発生する。すなわち、SL送信のトラフィック(SL-SCH)が発生する。
【0359】
(E2) TxUE40Tは、LBTセンシング(Channel access procedure)、及び、SLセンシングをそれぞれ個別に(独立に)行う。
【0360】
(E3) TxUE40Tは、LBTセンシングにより取得したCOTと、SLセンシングに基づいて選択したリソースとに基づいて、SL transmission burst(1つ以上のPSCCH/PSSCHなど)を決定し、SL送信を実行する。
【0361】
以下、各手順の詳細について説明する。
【0362】
[ステップ(E2)]
まず、ステップ(E2)の詳細について説明する。
【0363】
LBTセンシング(Channel access procedure)に用いられるパラメータ(例えば、CWの開始タイミングやCOTの開始タイミングなど)の決定は、TxUE40Tの実装依存(up to UE implementation)として行われ得る。同様に、SLセンシングに用いられるパラメータ(例えば、Selection windowなど)の決定は、TxUE40Tの実装依存(up to UE implementation)として行われ得る。この場合、上述した第1のセンシング方法及び/又は第2のセンシング方法と同様にして各パラメータが決定され得る。
【0364】
[ステップ(E3)]
ステップ(E3)の詳細について説明する。
【0365】
Sensing windowにおいて、COTに含まれない(オーバーラップしない)リソースは、Excluded resourceとしてもよい。
【0366】
具体的には、以下の手順(ステップ)が、上述した従来のSLセンシングの1つの手順(ステップ)として追加、又は、置き換えられる。
【0367】
TxUE40Tは、以下の条件を全て満たすリソース(any candidate single-slot resource Rx,y)をセットSから除外する。
・LBTセンシング(Channel access procedure)により取得されたCOTに含まれないスロットt’ SL
【0368】
TxUE40Tは、以下のいずれかの方法、又は、各方法の組み合わせによってSL transmission burstを決定する。
【0369】
(SL transmission burstの決定方法1)
図19は、本開示の実施形態に係る第3のセンシング方法の一例を説明するための図である。図19では、COT取得のための(Shared Channelでの)Channel access procedure(LBT)(上図参照)、SLリソース選択のためのSLセンシング(中図参照)、及び、実際の送信(下図参照)が、それぞれ示される。
【0370】
図19に示すように、COTの最初のタイミング(スロット)がSelected resourceに含まれる(オーバーラップする)とする。この場合、COTとSelected resourceとのオーバーラップした(共通の)リソースの少なくとも一部が、SL transmission burstとして決定される。
【0371】
あるいは、そのCOT全てが、Selected resourceの長さに関わらず、SL transmission burstとして決定されてもよい。
【0372】
(SL transmission burstの決定方法2)
図20は、本開示の実施形態に係る第3のセンシング方法の一例を説明するための図である。図20では、COT取得のための(Shared Channelでの)Channel access procedure(LBT)(上図参照)、SLリソース選択のためのSLセンシング(中図参照)、及び、実際の送信(下図参照)が、それぞれ示される。
【0373】
図20に示すように、COTの最初のタイミング(スロット)がSelected resourceに含まれない(オーバーラップしない)とする。この場合、COTとSelected resourceとのオーバーラップした(共通の)リソースの少なくとも一部が、SL transmission burstとして決定される。
【0374】
ただし、図20に示すように、TxUE40Tが、COT内のSL transmission burstの直前にtype 2A/B/C channel accessを行うようにしてもよい。あるいは、TxUE40Tは、そのSL transmission burstの開始時点までCCAを継続(pending)するようにしてもよい。
【0375】
あるいは、COTの最初のタイミング(スロット)がSelected resourceに含まれない(オーバーラップしない)場合、TxUE40Tは、そのCOTを使用しないようにしてもよい。この場合、TxUE40Tは、SL-Uセンシング方法をやり直す。
【0376】
<3.3.4.各センシング方法の切り替え>
上述したSL-Uセンシング方法(例えば、第1~第3のセンシング方法)は、複数定義され、所定の条件や基地局20などからのシグナリングに応じて、選択して用いられ得る。TxUE40Tは、例えば、基地局20からの制御情報、SLデータに関する情報、及び、LBTセンシングに関する情報の少なくとも1つに基づき、SL-Uセンシング方法を選択する。
【0377】
例えば、用いられるSL-Uセンシング方法は、基地局20からのPHY、MAC、RRCレイヤーのシグナリングにより、UE固有またはセル共通に設定され得る。より具体的には、基地局20からRRCレイヤーのシグナリングにより、SL-Uセンシング方法が通知されるとする。この場合、TxUE40Tに適用されるSL-Uセンシング方法を示すIEがRRCメッセージに含められて、基地局20からTxUE40Tへ送信され得る。
【0378】
さらに又はこれに代えて、基地局20からMACレイヤーのシグナリングにより、SL-Uセンシング方法が通知されるとする。この場合、TxUE40Tに適用されるSL-Uセンシング方法を示すフィールドがMAC CEに含められて、基地局20からTxUE40Tへ送信され得る。
【0379】
さらに又はこれに代えて、基地局20からPHYレイヤーのシグナリングにより、SL-Uセンシング方法が通知されるとする。この場合、TxUE40Tに適用されるSL-Uセンシング方法を示すフィールドがDCIに含められて送信され得る。
【0380】
さらに又はこれに代えて、基地局20からのPHY、MAC、RRCレイヤーのうち少なくとも複数によるシグナリングによってSL-Uセンシング方法が通知されてもよい。例えば基地局20は、TxUE40Tへ適用され得る複数のSL-Uセンシング方法をRRC Config(又はIEのリスト)としてRRCメッセージに含めてTxUE40Tへ送信してもよい。
【0381】
さらに、基地局20はある任意のタイミングでTxUE40Tが適用すべきSL-Uセンシング方法を、RRCで設定された複数のSL-Uセンシング方法の中から指定するための情報をMAC CE又はDCIで指定してもよい。
【0382】
また、例えば、用いられるSL-Uセンシング方法は、以下の条件、状況などに応じて、黙示的(implicit)に選択され得る。
・SL送信の種類(信号、チャネル)
・SL送信のpriority
・SL送信の要求遅延(remaining packet delay budget)
・Channel access procedure type
【0383】
(SL送信の種類)
SL送信の種類(信号、チャネル)に応じてSL-Uセンシング方法が選択される場合において、PSCCH及び/又はPSSCHの送信の場合、上述した第1~第3のセンシング方法のうちのいずれかが用いられ得る。
【0384】
また、同期信号及び報知チャネル(SL-SSB:SideLink-Synchronization Signal and PBCH Block)の送信の場合、残りの2つのSL-Uセンシング方法のうち1つが用いられ得る。すなわち、同期信号及び報知チャネルの送信の場合、第1~第3のセンシング方法のうち、PSCCH及び/又はPSSCHの送信で選択されなかった方法の一方が用いられ得る。
【0385】
例えば、PSCCH及び/又はPSSCHの送信の場合、第1のセンシング方法が用いられ、同期信号及び報知チャネルの送信の場合、第2のセンシング方法が用いられる。あるいはその逆であってもよい。
【0386】
他の例として、PSCCH送信の場合、第1~第3のセンシング方法のうちいずれかが用いられ、PSSCH送信の場合、残りの2つのセンシング方法のうち1つが用いられ得る。例えば、PSCCH送信の場合、第1のセンシング方法が用いられ、PSSCH送信の場合、第2のセンシング方法が用いられる。あるいはその逆であってもよい。
【0387】
他の例として、PSCCH及び/又はPSSCHの送信の場合、第1~第3のセンシング方法のうちいずれかが用いられ、PSFCH送信の場合、残りの2つのセンシング方法のうち1つが用いられ得る。例えば、PSCCH及び/又はPSSCHの送信の場合、第1のセンシング方法が用いられ、PSFCH送信の場合、第2のセンシング方法が用いられる。あるいはその逆であってもよい。
【0388】
(SL送信のpriority)
SL送信のpriorityに応じてSL-Uセンシング方法が選択される場合において、priorityが所定値よりも高いSL送信では、第1~第3のセンシング方法のうちいずれかが用いられ得る。
【0389】
また、priorityが所定値よりも低いSL送信の場合、残りの2つのSL-Uセンシング方法のうち1つが用いられ得る。すなわち、priorityが所定値よりも低いSL送信の場合、第1~第3のセンシング方法のうち、priorityが所定値よりも高いSL送信で選択されなかった方法の一方が用いられ得る。
【0390】
例えば、priorityが所定値よりも高いSL送信の場合、第2のセンシング方法が用いられ、priorityが所定値よりも低いSL送信の場合、第1のセンシング方法が用いられる。あるいはその逆であってもよい。
【0391】
(SL送信の要求遅延)
SL送信の要求遅延(remaining packet delay budget)に応じてSL-Uセンシング方法が選択される場合において、要求遅延が所定値よりも小さいSL送信では、第1~第3のセンシング方法のうちいずれかが用いられ得る。
【0392】
また、要求遅延が所定値よりも大きいSL送信の場合、残りの2つのSL-Uセンシング方法のうち1つが用いられ得る。すなわち、要求遅延が所定値よりも大きいSL送信の場合、第1~第3のセンシング方法のうち、要求遅延が所定値よりも小さいSL送信で選択されなかった方法の一方が用いられ得る。
【0393】
例えば、要求遅延が所定値よりも小さいSL送信の場合、第2のセンシング方法が用いられ、要求遅延が所定値よりも大きい送信の場合、第1のセンシング方法が用いられる。あるいはその逆であってもよい。
【0394】
(Channel access procedure type)
Channel access procedure type及びカテゴリの少なくとも一方に応じてSL-Uセンシング方法が選択される。Channel access procedure typeに応じてSL-Uセンシング方法が選択される場合において、Type 2または3のChannel accessの場合、第1~第3のセンシング方法のうちいずれかが用いられ得る。
【0395】
また、Type 1のChannel accessの場合、残りの2つのSL-Uセンシング方法のうち1つが用いられ得る。すなわち、Type 1のChannel accessの場合、第1~第3のセンシング方法のうち、Type 2または3のChannel accessで選択されなかった方法の一方が用いられ得る。
【0396】
例えば、Type 2または3のChannel accessの場合、第2のセンシング方法が用いられ、Type 1のChannel accessの場合、第1のセンシング方法が用いられる。あるいはその逆であってもよい。
【0397】
<3.4.CPSに基づくSL-Uセンシング方法>
CPS(Contiguous partial sensing)に基づくSL-Uセンシング方法においても、上述した第1、第2のセンシング方法が適用され得る。CPSでは、Sensing windowが時刻n以降に設定され得る。以下では、そのSensing windowの設定などについて説明する。
【0398】
(第1のセンシング方法)
図21は、本開示の実施形態に係るCPSに基づくSL-Uセンシング方法の一例を説明するための図である。図21では、SLリソース選択のためのSLセンシング(上図参照)、COT取得のための(Shared Channelでの)Channel access procedure(LBT)(中図参照)、及び、実際の送信(下図参照)が、それぞれ示される。
【0399】
図21では、CPSに基づくSL-Uセンシング方法に、第1のセンシング方法が適用される場合が示される。Sensing windowの設定は、以下のいずれかにより行われる。
【0400】
Sensing windowは、例えばCWに基づいて設定される。例えば、Sensing windowの終了時点(T)は、CWの開始時点に基づいて決まる(図21の時刻t04参照)。例えば、CWは、Sensing windowの後に行われる。
【0401】
(第2のセンシング方法)
図22は、本開示の実施形態に係るCPSに基づくSL-Uセンシング方法の他の例を説明するための図である。図22では、COT取得のための(Shared Channelでの)Channel access procedure(LBT)(上図参照)、SLリソース選択のためのSLセンシング(中図参照)、及び、実際の送信(下図参照)が、それぞれ示される。
【0402】
図22では、CPSに基づくSL-Uセンシング方法に、第2のセンシング方法が適用される場合が示される。Sensing windowの設定は、以下のいずれかにより行われる。
【0403】
Sensing windowの開始時点(T)は、CWの開始時点及び/又はCWの終了時点(COTの開始時点)に基づいて決まる。
【0404】
あるいは、Sensing windowの終了時点(T)は、CWの開始時点及び/又はCWの終了時点(COTの開始時点)に基づいて決まる。
【0405】
(第3のセンシング方法)
第3のセンシング方法が、CPSに基づくSL-Uセンシング方法に適用され得る。この場合、Sensing windowはCWとは独立に(CWの設定に用いられるパラメータと関連することなく)設定される。その後の動作は、Full sensingの場合と同様である。
【0406】
<3.5.SL-Uセンシングで取得したCOTの共有>
TxUE40Tは、SL-Uセンシング方法を用いて取得したCOTを他の端末装置40に共有し得る。SL-Uセンシングによって取得されたCOTのCOT共有は、第1、第2のCOT共有方法として、いずれか一方、又は、両方が以下のように定義される。
【0407】
なお、第1、第2のCOT共有方法は、上述したCOT応答モード、及び、COT共有モードとは異なる。すなわち、上述したCOT応答モード及び/又はCOT共有モードが設定された状態で、TxUE40Tは、第1、第2のCOT共有方法の少なくとも一方を実行し得る。
【0408】
<3.5.1.第1のCOT共有方法>
図23は、本開示の実施形態に係る第1のCOT共有方法の一例を説明するための図である。図23では、TxUE40Tが図15に示す第1のセンシング方法でCOTを取得した場合の第1のCOT共有方法が示される。
【0409】
TxUE40Tは、取得したCOTの少なくとも一部を使用してSL transmission burstを行う。より具体的に、TxUE40Tは、Selection window内のSelected resourceでSL transmission burstを行う。
【0410】
TxUE40Tは、取得したCOT内の、SL transmission burst以外のリソースを他の装置(他の端末装置40)に共有し得る。このとき、図23に示すように、TxUE40Tは、Excluded resourceを含めてCOT共有し得る。また、このとき、図23に示すように、TxUE40Tは、Selection window外のリソースを含めてCOT共有し得る。
【0411】
あるいは、TxUE40Tは、Excluded resourceを除外してCOT共有するようにしてもよい。また、TxUE40Tは、Selection window内に制限してCOT共有するようにしてもよい。
【0412】
なお、図23では、TxUE40TがSelected resource全てでSL transmission burstを行うとしたが、TxUE40Tは、Selected resourceの一部でSL transmission burstを行うようにしてもよい。この場合、TxUE40Tは、SL transmission burstで使用しなかったSelected resourceの残りを他の端末装置40にCOT共有し得る。
【0413】
また、ここでは、TxUE40Tが第1のセンシング方法に基づいて取得したCOTを共有する場合について示した。TxUE40Tは、他のセンシング方法(例えば、第2、第3のセンシング方法)に基づいて取得したCOTについても同様に第1のCOT共有方法で他の端末装置40とCOT共有し得る。
【0414】
<3.5.2.第2のCOT共有方法>
図24は、本開示の実施形態に係る第2のCOT共有方法の一例を説明するための図である。図24では、TxUE40Tが第1のセンシング方法でCOTを取得した場合の第2のCOT共有方法が示される。図24では、SLリソース選択のためのSLセンシング(上図参照)、COT取得のための(Shared Channelでの)Channel access procedure(LBT)(中図参照)、及び、実際の送信(下図参照)が、それぞれ示される。
【0415】
図24の例では、TxUE40Tは、Selected resourceと同じ時間長のCOTを取得する。TxUE40Tは、Selected resourceの一部でSL transmission burstを行う。
【0416】
TxUE40Tは、SL transmission burstで使用しなかったSelected resourceの残りを他の装置(他の端末装置40)にCOT共有する。すなわち、Selected resourceは、SL transmission burstと共有COTの両方を含む。換言すると、COT共有において、Selected resource以外のリソースは、他の端末装置40に共有されない。
【0417】
なお、図24では、TxUE40Tが取得したCOTがSelected resourceと同じであるとしたが、取得したCOTは、Selected resourceよりも長くてもよい。すなわち、COTの終了時点が、Selected resourceの終了時点以降であってもよい。また、COTの終了時点が、Selection windowの終了時点(n+T)以降であってもよい。
【0418】
この場合であっても、TxUE40Tは、SL transmission burstで使用しなかったSelected resourceの残りを他の端末装置40にCOT共有する。すなわち、Selected resourceに含まれないCOTは、他の端末装置40にCOT共有されない。
【0419】
また、ここでは、TxUE40Tが第1のセンシング方法に基づいて取得したCOTを共有する場合について示した。TxUE40Tは、他のセンシング方法(例えば、第2、第3のセンシング方法)に基づいて取得したCOTについても同様に第2のCOT共有方法で他の端末装置40とCOT共有し得る。
【0420】
<3.6.サイドリンクリソース割り当てモード1におけるセンシング方法>
サイドリンクリソース割り当てモード1において、基地局20は、TxUE40Tに対して、サイドリンク送信リソースを割り当てる。サイドリンク送信リソースは、PDCCHを通じて送信されるDCI(下りリンク制御情報、サイドリンクグラント)により、動的(ダイナミック)に割り当てられる方法、または、RRCシグナリングにより、準静的(セミスタティック)に割り当てられる方法を用いて、割り当てられる。
【0421】
ライセンス帯では、TxUE40Tは、その割り当てられた送信リソースを用いて、サイドリンク送信を行うことが可能である。しかし、アンライセンス帯では、TxUE40Tは、その割り当てられた送信リソースの前に、LBTセンシングを行う必要がある。そのため、LBTセンシングの結果、TxUE40Tは、その割り当てられた送信リソースを用いて、サイドリンク送信を行うことができない場合が生じる。
【0422】
なお、サイドリンクリソース割り当てモード1では、TxUE40Tは、LBTセンシングを行い、サイドリンクセンシングを行わないようにしてもよい。あるいは、TxUE40Tが、上述のセンシング方法と同様に、LBTセンシング及びサイドリンクセンシングの両方を行うようにしてもよい。
【0423】
<3.6.1.LBTセンシングにより送信できなかった場合の動作>
TxUE40TがLBTセンシングを行った結果、割り当てられた送信リソースを用いてサイドリンク送信が行えなかったとする。その場合、TxUE40Tは、基地局20に、割り当てられた送信リソースを用いて送信できなかったことを示す情報、または、送信できなかったことに基づいて生成される情報を送信する。この情報(以下、未送信情報とも記載する)の送信は、PUCCHまたはPUSCHを通じて行われる。
【0424】
また、この未送信情報は、HARQ-ACKレポートと同様の方法を用いることができる。例えば、TxUE40Tは、基地局20に、サイドリンクグラントに対するNackを示す情報を通知する。
【0425】
なお、LBTセンシングの結果、TxUE40Tがその割り当てられた送信リソースを用いて、サイドリンク送信を行うことができたとする。この場合、TxUE40Tは、基地局20に、サイドリンクグラントに対するAckを示す情報を通知してもよいし、何も通知しなくてもよい。
【0426】
また、この未送信情報は、サイドリンク送信リソースの割り当て要求(SR:Scheduling Request)の送信と同様の方法を用いることができる。例えば、TxUE40Tは、基地局20に、SRと同時に、割り当てられた送信リソースを用いて送信できなかったことを示す情報も通知する。なお、通常のSRと区別するために、異なるPUCCHリソースが設定され得る。
【0427】
<3.6.2.サイドリンクリソース割り当てモード1において割り当てられるサイドリンク送信リソース>
サイドリンクリソース割り当てモード1において、TxUE40Tは、基地局20から、サイドリンク送信が可能なリソースが通知される。すなわち、ライセンス帯では、基地局20は、TxUE40Tがサイドリンク送信する送信リソースを通知する。一方、アンライセンス帯では、基地局20は、TxUE40Tがサイドリンク送信に利用可能なリソース(以下、サイドリンク送信可能リソースとも記載する)を通知し得る。なお、サイドリンク送信可能リソースは、周波数領域又は/及び時間領域において、ライセンス帯で基地局20が通知する送信リソースより広いリソースであり得る。また、サイドリンク送信可能リソースは、PDCCHを用いて動的に割り当てられるリソースプールと見なすことができる。
【0428】
TxUE40Tは、通知されたサイドリンク送信可能リソースの中から、所定のセンシング方法により送信リソースを決定し、送信する。所定のセンシング方法は、LBTセンシング、サイドリンクセンシング、または、上述のセンシング方法を含む。換言すると、TxUE40Tは、基地局20からPDCCHを用いて割り当てられたリソースプールの中から所定のセンシング方法により送信リソースを選択し、サイドリンク送信を行う。これにより、LBTセンシングの結果によって、TxUE40Tがサイドリンク送信できない確率を低減することができる。なお、この方法は、サイドリンクリソース割り当てモード1または2とは異なるモード(例えば、サイドリンクリソース割り当てモード3)として新たに定義されうる。
【0429】
<<4.その他の実施形態>>
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0430】
例えば、上述の実施形態の基地局20、端末装置40を制御する制御装置は、専用のコンピュータシステムにより実現してもよいし、汎用のコンピュータシステムによって実現してもよい。
【0431】
例えば、上述の動作を実行するための通信プログラムを、光ディスク、半導体メモリ、磁気テープ、フレキシブルディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布する。そして、例えば、該プログラムをコンピュータにインストールし、上述の処理を実行することによって制御装置を構成する。このとき、制御装置は、基地局20、端末装置40の外部の装置(例えば、パーソナルコンピュータ)であってもよい。また、制御装置は、基地局20、端末装置40の内部の装置(例えば、制御部24、45)であってもよい。
【0432】
また、上記通信プログラムをインターネット等のネットワーク上のサーバ装置が備えるディスク装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。また、上述の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションソフトとの協働により実現してもよい。この場合には、OS以外の部分を媒体に格納して配布してもよいし、OS以外の部分をサーバ装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。
【0433】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0434】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。なお、この分散・統合による構成は動的に行われてもよい。
【0435】
また、上述の実施形態は、処理内容を矛盾させない領域で適宜組み合わせることが可能である。また、上述の実施形態のシーケンス図に示された各ステップは、適宜順序を変更することが可能である。
【0436】
また、例えば、本実施形態は、装置又はシステムを構成するあらゆる構成、例えば、システムLSI(Large Scale Integration)等としてのプロセッサ、複数のプロセッサ等を用いるモジュール、複数のモジュール等を用いるユニット、ユニットにさらにその他の機能を付加したセット等(すなわち、装置の一部の構成)として実施することもできる。
【0437】
なお、本実施形態において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、全ての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0438】
また、例えば、本実施形態は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0439】
<<5.むすび>>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述の各実施形態そのままに限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、異なる実施形態及び変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0440】
また、本明細書に記載された各実施形態における効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
【0441】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
共有スペクトラムで他の端末装置とサイドリンク通信を行う通信部と、
前記通信部を介して、前記サイドリンク通信に関するサイドリンクセンシング、及び、前記共有スペクトラムにおける通信に関するLBT(Listen Before Talk)センシングを行い、
第1の方法、第2の方法、及び、第3の方法のいずれか1つを用いて、前記他の端末装置とのサイドリンク通信のための送信リソースを選択し、
前記通信部を介し、選択した前記送信リソースを用いて、1つ以上のサイドリンクデータを送信する、制御部と、
を備え、
前記第1の方法は、前記サイドリンクセンシングの結果に基づき、前記LBTセンシングを行うことで前記送信リソースを選択する方法であり、
前記第2の方法は、前記LBTセンシングの結果に基づき、前記サイドリンクセンシングを行うことで前記送信リソースを選択する方法であり、
前記第3の方法は、前記サイドリンクセンシング、及び、前記LBTセンシングのそれぞれを個別に行うことで、前記送信リソースを選択する方法である、
端末装置。
(2)
前記制御部は、前記第1の方法として、
前記サイドリンクセンシングの結果に基づき、所定のサイドリンクリソース選択ウィンドウの中からサイドリンクセンシングリソースを選択し、
前記サイドリンクセンシングリソースに基づき、前記LBTセンシングを行ってCOT(Channel Occupancy Time)を取得し、
前記COT及び前記サイドリンクセンシングリソースに基づき、前記送信リソースを選択する、
(1)に記載の端末装置。
(3)
前記サイドリンクリソース選択ウィンドウは、前記サイドリンクデータの送信に必要な時間長、前記LBTセンシングによって取得され得る前記COTの時間長、前記LBTセンシングにおける衝突窓のサイズ、及び、前記LBTセンシングにおけるチャネルアクセスタイプの少なくとも1つに基づいて決定される、(2)に記載の端末装置。
(4)
前記制御部は、前記サイドリンクリソース選択ウィンドウの中から前記サイドリンクデータの送信に必要な時間長の前記サイドリンクセンシングリソースを選択しない場合、前記サイドリンクセンシングに関するパラメータを変更して、前記サイドリンクセンシングを再度行って前記サイドリンクセンシングリソースを選択する、(2)又は(3)に記載の端末装置。
(5)
前記LBTセンシングは、衝突窓の終了時点、又は、前記COTの開始時点が、前記サイドリンクセンシングリソースの開始時点となるように行われる、(2)~(4)のいずれか1つに記載の端末装置。
(6)
前記LBTセンシングの結果、衝突窓の終了時点、又は、前記COTの開始時点が、前記サイドリンクセンシングリソースの開始時点と同じ、又は、前記サイドリンクセンシングリソースの開始時点より前である場合、前記制御部は、前記サイドリンクセンシングリソースを前記送信リソースとして選択する、(2)~(5)のいずれか1つに記載の端末装置。
(7)
前記LBTセンシングの結果、衝突窓の終了時点、又は、前記COTの開始時点が、前記サイドリンクセンシングリソースの開始時点より後である場合、前記制御部は、予め規定又は設定された所定の処理を実行する、(2)~(6)のいずれか1つに記載の端末装置。
(8)
前記所定の処理は、前記送信リソースの再選択を行う第1処理、前記サイドリンクデータの送信をキャンセルする第2処理、前記COTを取得した時点から前記サイドリンクセンシングリソースの終了時点までのリソースから前記送信リソースを選択する第3処理、及び、前記COTを取得した時点から前記サイドリンクセンシングリソースと同じ時間長までのリソースから前記送信リソースを選択する第4処理のいずれか1つを含む、(7)に記載の端末装置。
(9)
前記制御部は、前記第2の方法として、
前記サイドリンクセンシングの結果に基づき、所定のサイドリンクリソース選択ウィンドウの中からサイドリンクセンシングリソースを選択し、
前記サイドリンクセンシングリソースに基づき、前記LBTセンシングを行ってCOTを取得し、
前記COT及び前記サイドリンクセンシングリソースに基づき、前記送信リソースを選択する、
(1)~(8)のいずれか1つに記載の端末装置。
(10)
前記サイドリンクセンシングリソースが、前記サイドリンクリソース選択ウィンドウの開始時点から選択できる場合、前記送信リソースは、前記サイドリンクリソース選択ウィンドウの前記開始時点から選択される前記サイドリンクセンシングリソースである、(9)に記載の端末装置。
(11)
前記サイドリンクセンシングリソースが、前記サイドリンクリソース選択ウィンドウの開始時点から選択できない場合、前記制御部は、予め規定又は設定された所定の処理を実行する、(9)又は(10)に記載の端末装置。
(12)
前記所定の処理は、前記送信リソースの再選択を行う第5処理、前記サイドリンクデータの送信をキャンセルする第6処理、及び、前記サイドリンクリソース選択ウィンドウの中から1又は複数の前記送信リソースを選択する第7処理のいずれか1つを含む、(11)に記載の端末装置。
(13)
前記第7処理を実行する場合、前記制御部は、前記送信リソースの開始時点まで前記LBTセンシングを継続する第8処理、前記送信リソースの開始時点までバースト信号を送信する第9処理、及び、前記送信リソースの開始時点に合わせて所定の前記LBTセンシングを実行する第10処理のいずれか1つを実行する、(12)に記載の端末装置。
(14)
前記サイドリンクリソース選択ウィンドウの開始時点は、前記COTの開始時点又は衝突窓の終了時点と同じ、又は、前記COTの前記開始時点又は前記衝突窓の前記終了時点より以降になるように決定される、(8)~(13)のいずれか1つに記載の端末装置。
(15)
前記制御部は、前記第3の方法として、
前記LBTセンシングによって取得されたCOTと、前記サイドリンクセンシングに基づいて選択されたサイドリンクセンシングリソースと、がオーバーラップしたリソースの少なくとも一部を、前記送信リソースとして選択する、(1)~(14)のいずれか1つに記載の端末装置。
(16)
前記制御部は、基地局からの制御情報、前記サイドリンクデータに関する情報、及び、前記LBTセンシングに関する情報、の少なくとも1つに基づき、前記第1の方法、前記第2の方法、又は、前記第3の方法のいずれか1つを決定する、(1)~(15)のいずれか1つに記載の端末装置。
(17)
前記サイドリンクデータに関する情報は、前記サイドリンクデータの種類、プライオリティ情報、及び、要求遅延時間の少なくとも1つを含む、(16)に記載の端末装置。
(18)
前記LBTセンシングに関する情報は、前記LBTセンシングのチャネルアクセスプロシージャータイプ、及び、カテゴリの少なくとも一方を含む、(16)又は(17)に記載の端末装置。
(19)
前記端末装置が前記LBTセンシングによって取得したCOTのうち、前記送信リソースを除くリソースは、前記他の端末装置を含む別の端末装置に共有され得る、(1)~(18)のいずれか1つに記載の端末装置。
(20)
前記別の端末装置に共有される前記リソースは、前記サイドリンクセンシングによって選択されたサイドリンクセンシングリソースの一部である、(19)に記載の端末装置。
(21)
共有スペクトラムで他の端末装置とサイドリンク通信を行うことと、
前記サイドリンク通信に関するサイドリンクセンシング、及び、前記共有スペクトラムにおける通信に関するLBTセンシングを行うことと、
第1の方法、第2の方法、及び、第3の方法のいずれか1つを用いて、前記他の端末装置とのサイドリンク通信のための送信リソースを選択することと、
選択した前記送信リソースを用いて、1つ以上のサイドリンクデータを送信することと、
を含み、
前記第1の方法は、前記サイドリンクセンシングの結果に基づき、前記LBTセンシングを行うことで前記送信リソースを選択する方法であり、
前記第2の方法は、前記LBTセンシングの結果に基づき、前記サイドリンクセンシングを行うことで前記送信リソースを選択する方法であり、
前記第3の方法は、前記サイドリンクセンシング、及び、前記LBTセンシングのそれぞれを個別に行うことで、前記送信リソースを選択する方法である、
通信方法。
【符号の説明】
【0442】
10 通信装置
20 基地局
21,41 信号処理部
22,42 記憶部
23 ネットワーク通信部
24,45 制御部
40 端末装置
44 入出力部
図1
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