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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156950
(43)【公開日】2023-10-25
(54)【発明の名称】移動体
(51)【国際特許分類】
   F16L 55/32 20060101AFI20231018BHJP
   B61B 13/10 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
F16L55/32
B61B13/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066638
(22)【出願日】2022-04-13
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】521195043
【氏名又は名称】株式会社弘栄ドリームワークス
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 勝義
(57)【要約】
【課題】配管の内面に接触した回転部の駆動力により移動体が配管に沿って円滑に移動できるようにする。
【解決手段】配管100に沿って配管100内を移動可能に設けられる移動体10であって、回転可能に構成され、配管100の内面110に対して接離可能な複数の回転部31~35と、複数の回転部31~35の各々を互いに接続する接続部21B~21Eと、接続部21B~21Eに設けられ、接続部21B~21Eに生じるひずみを検出する検出部61~64と、を備える移動体10である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管に沿って当該配管内を移動可能に設けられる移動体であって、
回転可能に構成され、前記配管の内面に対して接離可能な複数の回転部と、
前記複数の回転部の各々を互いに接続する接続部と、
前記接続部に設けられ、当該接続部に生じるひずみを検出する検出部と、
を備える移動体。
【請求項2】
前記検出部は、複数の前記接続部のうち少なくとも一部に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の移動体。
【請求項3】
前記複数の接続部の各々に前記検出部が設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の移動体。
【請求項4】
前記複数の接続部には、前記検出部が複数設けられている接続部が含まれる、ことを特徴とする請求項3に記載の移動体。
【請求項5】
前記複数の検出部は、前記回転部に接続の当該複数の接続部のうち一方の当該接続部及び他方の当該接続部の各々に対して当該回転部に近い位置に設けられる、
ことを特徴とする請求項4に記載の移動体。
【請求項6】
前記複数の検出部は、前記接続部に接続される前記回転部の回転中心を結んだ線に対する位置が互いに異なる面に設けられる、ことを特徴とする請求項4に記載の移動体。
【請求項7】
前記複数の接続部は、前記検出部が設けられている第1接続部と、当該第1接続部に隣り合い当該検出部が設けられていない第2接続部とを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の移動体。
【請求項8】
前記検出部は、前記接続部の一部を構成する骨格部材に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の移動体。
【請求項9】
前記骨格部材は、前記接続部に接続される前記回転部の回転中心を結んだ線で分けられた2つの領域のうち一方に偏って形成され、当該線に対して当該一方に位置する面を有し、
前記検出部は、前記接続部の前記面に設けられている、ことを特徴とする請求項8に記載の移動体。
【請求項10】
前記骨格部材の前記面は底面である、ことを特徴とする請求項9に記載の移動体。
【請求項11】
前記接続部の前記面は上面である、ことを特徴とする請求項9に記載の移動体。
【請求項12】
前記骨格部材は、前記検出部が設けられている面に対応する位置に切欠き部を有する、ことを特徴とする請求項8に記載の移動体。
【請求項13】
前記切欠き部は、当該切欠き部の周縁から延びて基板を保持する保持部を有する、ことを特徴とする請求項12に記載の移動体。
【請求項14】
前記保持部は、前記接続部に接続される前記回転部の回転中心を結んだ線に対して交差する方向に延びている、ことを特徴とする請求項13に記載の移動体。
【請求項15】
前記保持部は、複数の前記基板を互いに離して保持する、ことを特徴とする請求項13に記載の移動体。
【請求項16】
前記検出部による検出結果を取得して測定処理を行う測定処理部を備え、
前記測定処理部は、前記検出部が設けられる前記接続部に内蔵される回路に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ジグザグ状に配列される4つのリンク部とリンク部間及び開放側端部に設けられる複数の移動ユニットとを備え、配管の径方向の一方側に張り出す2つの移動ユニットは、配管の軸方向へ能動的且つ周方向へ受動的に移動可能な第1全方向移動部材であり、配管の径方向の他方側に張り出す車輪は、ロール姿勢角を変えるために、配管の周方向へ能動的且つ配管の軸方向に受動的に移動可能なロール回転用部材であり、移動ユニットの移動部材は、配管の軸方向へ移動可能、且つ、周方向へ移動可能な第2全方向移動部材であり、第1全方向移動部材を配管の内壁面に押し付けるための付勢手段を備える管内走行装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-7520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、移動体が配管の内面に接触した回転部の駆動力で配管に沿って移動する際、内面への接触が十分でないと円滑な移動ができなくなり、移動体を使用して行う作業に支障をきたすおそれがある。
本発明の目的は、配管の内面に接触した回転部の駆動力により移動体が配管に沿って円滑に移動できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が適用される移動体は、配管に沿って当該配管内を移動可能に設けられる移動体であって、回転可能に構成され、前記配管の内面に対して接離可能な複数の回転部と、前記複数の回転部の各々を互いに接続する接続部と、前記接続部に設けられ、当該接続部に生じるひずみを検出する検出部と、を備えるものである。
ここで、前記検出部は、複数の前記接続部のうち少なくとも一部に設けられているようにしてもよい。かかる場合、前記複数の接続部の各々に前記検出部が設けられているようにしてもよい。また、前記複数の接続部には、前記検出部が複数設けられている接続部が含まれるようにしてもよい。そして、前記複数の検出部は、前記回転部に接続の当該複数の接続部のうち一方の当該接続部及び他方の当該接続部の各々に対して当該回転部に近い位置に設けられるようにしてもよく、前記複数の検出部は、前記接続部に接続される前記回転部の回転中心を結んだ線に対する位置が互いに異なる面に設けられるようにしてもよい。
ここで、前記検出部は、前記接続部の一部を構成する骨格部材に設けられているようにしてもよい。かかる場合、前記骨格部材は、前記接続部に接続される前記回転部の回転中心を結んだ線で分けられた2つの領域のうち一方に偏って形成され、当該線に対して当該一方に位置する面を有し、前記検出部は、前記接続部の前記面に設けられているようにしてもよい。さらに、前記骨格部材の前記面は底面であるようにしてもよく、また、前記接続部の前記面は上面であるようにしてもよい。
また、前記骨格部材は、前記検出部が設けられている面に対応する位置に切欠き部を有するようにしてもよい。さらに、前記切欠き部は、当該切欠き部の周縁から延びて基板を保持する保持部を有するようにしてもよい。かかる場合、前記保持部は、前記接続部に接続される前記回転部の回転中心を結んだ線に対して交差する方向に延びているようにしてもよく、また、前記保持部は、複数の前記基板を互いに離して保持するようにしてもよい。
ここで、前記検出部による検出結果を取得して測定処理を行う測定処理部を備え、前記測定処理部は、前記検出部が設けられる前記接続部に内蔵される回路に設けられるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、配管の内面に接触した回転部の駆動力により移動体が配管に沿って円滑に移動可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施の形態に係る移動体制御システムの全体図である。
図2】配管内の測定ロボットの側面図である。
図3】測定ロボットのひずみ検出構成の一例を説明する概略図である。
図4】測定ロボットのひずみ検出構成の他の例を説明する概略図である。
図5】測定ロボットのひずみ検出構成の別の例を説明する概略図である。
図6】第1の実施の形態に係る第2節部の側面図である。
図7】配管のエルボー曲がり配管部を通過する場合の測定ロボットの姿勢を説明する図である。
図8】駆動部の駆動伝達系を説明する分解斜視図である。
図9】フレーム単体を部分的に示す部分側面図である。
図10】フレームに内蔵される基板の取付けを説明する分解斜視図である。
図11】測定ロボットにおける制御を説明するブロック図である。
図12】第2の実施の形態に係る第2節部の側面図である。
図13】第3の実施の形態に係る第2節部の側面図である。
図14】第4の実施の形態に係る第2節部の側面図である。
図15】第5の実施の形態に係る第2節部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<移動体制御システム1>
図1は、本実施の形態に係る移動体制御システム1の全体図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る移動体制御システム1は、配管100(図2参照)内を配管100に沿って移動する測定ロボット10と、ケーブル41を介して測定ロボット10に接続する供給装置40と、測定ロボット10を管理する端末装置50とを備える。
【0009】
移動体制御システム1において、測定ロボット10、供給装置40および端末装置50は、情報通信システム(不図示)を介して相互に情報通信が可能になっている。
なお、情報通信システムは、各装置の間のデータ通信に用いられる情報通信システムであれば特に限定されず、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等として良い。データ通信に用いられる通信回線は、有線か無線かを問わず、これらを併用しても良い。
【0010】
移動体制御システム1は、上水管や下水管などの内部を流体が流れる配管100にて移動する測定ロボット10の移動を制御するシステムである。
なお、移動体制御システム1は、上水管や下水管などに限定されず、例えばガスが流れるガス管や、プラスティックのペレット等の粉体を搬送する搬送管、電気配線等が通される電線管等における測定ロボット10の移動に対しても適用することができる。
また、本実施の形態では、測定ロボット10が、配管100についての測定のために移動するが、配管100内を移動する移動体は、配管100についての測定に限らず、配管100の清掃や修理などのために用いてもよい。
【0011】
[測定ロボット10]
図2は、配管100内の測定ロボット10の側面図である。
同図に示すように、移動体の一例としての測定ロボット10は、測定ロボット10の本体を構成する本体部11と、本体部11に設けられる車輪部12と、本体部11の姿勢を変更するための駆動力を発生する駆動部13と、配管100の内部を撮影する撮影部14とを備える。
さらに、測定ロボット10は、本体部11の移動距離を測定する距離測定部15と、本体部11の姿勢を測定する姿勢測定部16と、温度を測定する温度測定部17とを備える。
また、測定ロボット10は、外部との通信を行う通信部18と、測定ロボット10の各構成部を制御する制御部19とを備える。
本実施の形態では、センサとして、移動距離の測定のためのセンサ、姿勢の測定のためのセンサ、温度の測定のためのセンサなどを設けることになるが、これらのセンサは、必須ではなく設置しなくてもよい。例えば、供給装置40が備える後述の距離測定部43(図1参照)だけで距離移動の測定を行う場合、測定ロボット10が距離測定部15を備えない構成とすることができる。
また、測定ロボット10には、赤外線センサ、配管100内の形状を測定するLiDAR(Light Detection and Ranging)、配管100の破損を探針する超音波センサ、湿度センサ、異物を除去するドリル、異物を採取する採取機構、錆を除去するレーザなどを設けてもよい。
【0012】
(本体部11)
本体部11は、一端部11Aおよび他端部11Bを有する。また、本体部11は、複数の節部21と、節部21の間に設けられる複数のヒンジ部22と、ヒンジ部22に設けられる複数の車輪駆動部23とを有する。
ここで、節部21の各々は、可動部材として捉えることもでき、本実施の形態では、複数の可動部材が、ヒンジ部22を介して接続されている。
本実施の形態では、一の可動部材が、ヒンジ部22を介して接続された隣接する他の可動部材に対して可動(回転)可能な構成となっている。言い換えると、本実施の形態では、一の可動部材が、この一の可動部材に接続された隣接する他の可動部材に対して変位可能となっている。
本実施の形態では、複数の節部(可動部材)21として、本体部11の一端部11Aに設けられる第1節部21Aと、第1節部21Aに接続する第2節部21Bと、第2節部21Bに接続する第3節部21Cとが設けられている。
【0013】
また、本実施の形態では、第3節部21Cに接続する第4節部21Dと、第4節部21Dに接続する第5節部21Eと、第5節部21Eに接続し本体部11の他端部11Bに設けられる第6節部21Fとが設けられている。
図2に示すように、測定ロボット10の本体部11は、配管100内で屈曲する姿勢になることができ、これに伴い、測定ロボット10の屈曲制御が行われる。
【0014】
第1節部21A~第6節部21Fのうち、両端に車輪部12を持つ第2節部21B~第5節部21Eは、接続部の一例である。
本実施の形態では、第1節部21A及び第6節部21Fには一端のみに車輪部12を持つ構成を採用するが、他端にも車輪部12を持つようにしてもよく、かかる場合には、第1節部21A及び第6節部21Fも接続部の一例である。
【0015】
なお、これら第1節部21A~第6節部21Fをそれぞれ特に区別しない場合には、節部21と総称する。
節部21は、一方向に長く延びて形成される。また、節部21は、後述する駆動部13等が内蔵可能になっている。さらに、本体部11は防水構造であり、本体部11の内部に水等が浸入しないようになっている。
【0016】
本実施の形態では、ヒンジ部22として、第1節部21Aと第2節部21Bとを接続する第1ヒンジ部22aと、第2節部21Bと第3節部21Cとを接続する第2ヒンジ部22bと、第3節部21Cと第4節部21Dとを接続する第3ヒンジ部22cとが設けられている。
また、本実施の形態では、ヒンジ部22として、第4節部21Dと第5節部21Eとを接続する第4ヒンジ部22dと、第5節部21Eと第6節部21Fとを接続する第5ヒンジ部22eとが設けられている。
なお、これら第1ヒンジ部22a~第5ヒンジ部22eをそれぞれ特に区別しない場合には、ヒンジ部22と総称する。
【0017】
図2に示すように、ヒンジ部22に設けられる車輪駆動部23は、車輪部12の各々に対応して設けられている。詳細は後述するが、車輪部12として、第1車輪部31~第5車輪部35が設けられている。
ヒンジ部22aに設けられた車輪駆動部23は、第1車輪部31を回転駆動させる。また、ヒンジ部22bに設けられた車輪駆動部23は、第2車輪部32を回転駆動させ、ヒンジ部22cに設けられた車輪駆動部23は、第3車輪部33を回転駆動させ、ヒンジ部22dに設けられた車輪駆動部23は、第4車輪部34を回転駆動させ、ヒンジ部22eに設けられた車輪駆動部23は、第5車輪部35を回転駆動させる。
【0018】
付言すると、本実施の形態では、車輪部12は、図2の紙面垂直方向を左右方向とした場合の左右一対で構成されており、一対の車輪部12の各々が車輪駆動部23を備えることで左右両方の車輪部12が回転駆動する。これに限られず、一対の車輪部12のうちいずれか一方の車輪部12が車輪駆動部23により駆動回転され、他方の車輪部12が従動回転するようにしてもよい。
また、車輪部12の第1車輪部31~第5車輪部35のすべてに車輪駆動部23を設ける構成のほか、第1車輪部31~第5車輪部35の一部に車輪駆動部23を設け、残部には車輪駆動部23を設けない構成も考えられる。
なお、車輪駆動部23として電動モータを用いることができ、供給装置40(図1参照)のケーブル41から電力の供給を受け、制御部19による制御により動作する。
【0019】
(車輪部12)
図2に示すように、本実施の形態では、車輪部12として、複数の部分の一例である第1車輪部31~第5車輪部35が設けられている。
本実施の形態では、本体部11において、一端部11A側に第1車輪部31が設けられ、他端部11B側に第5車輪部35が設けられている。
また、本実施の形態では、本体部11の一端部11A側から他端部11B側に向かって、第1車輪部31、第2車輪部32、第3車輪部33、第4車輪部34、第5車輪部35の順に、複数の車輪部12が設けられている。
【0020】
第1車輪部31は、第1ヒンジ部22aと同軸上に配置され、第2車輪部32は、第2ヒンジ部22bと同軸上に配置され、第3車輪部33は、第3ヒンジ部22cと同軸上に配置されている。
また、第4車輪部34は、第4ヒンジ部22dと同軸上に配置され、第5車輪部35は、第5ヒンジ部22eと同軸上に配置されている。
【0021】
ここで、第1車輪部31~第5車輪部35は、本体部11に対して回転可能に保持されており、配管100の内面の一例としての内周面110に接触ないし押圧することで駆動部13の駆動力により本体部11を移動させる。なお、第1車輪部31~第5車輪部35の各々は、進行方向に対して左右方向(図2の紙面垂直方向)に一対に構成されている左右一対である。
【0022】
(駆動部13)
駆動部13としては、例えば、電動モータを用いることができる。駆動部13は、制御部19による制御により動作する。また、駆動部13は、供給装置40(図1参照)のケーブル41から電力の供給を受ける。
なお、その他に、例えば本体部11にバッテリを搭載し、このバッテリから駆動部13へ電力が供給されるようにしてもよい。この場合、本体部11は、ケーブル41から電力供給を受けなくても動作する。
【0023】
図2に示すように、駆動部13は、第2節部21B、第3節部21C、第4節部21D、第5節部21Eおよび第6節部21Fに設けられる。すなわち、第2節部21Bに設けられた駆動部13は、第1節部21Aと第2節部21Bとの相対的な回転位置を変更する。
また、第3節部21Cに設けられた駆動部13は、第2節部21Bと第3節部21Cとの相対的な回転位置を変更し、第4節部21Dに設けられた駆動部13は、第3節部21Cと第4節部21Dとの相対的な回転位置を変更する。
さらに、第5節部21Eに設けられた駆動部13は、第4節部21Dと第5節部21Eとの相対的な回転位置を変更し、第6節部21Fに設けられた駆動部13は、第5節部21Eと第6節部21Fとの相対的な回転位置を変更する。
なお、本実施の形態における駆動部13のうち、第4節部21Dに設けられた駆動部13を省略してもよい。
【0024】
(撮影部14)
撮影部14は、本体部11の端部に設けられる。また、撮影部14は、本体部11における進行方向の前側と後側とにそれぞれ設けられる。本実施の形態では、撮影部14は、第1節部21Aおよび第6節部21Fに設けられる。
また、撮影部14は、例えばユーザの操作に応じて、撮影方向など撮影条件を変更可能になっている。また、撮影部14は、配管100の内部を照らすLED光源を有する。撮影部14は、撮影した配管100内部の撮影画像を、通信部18を介して端末装置50に送る。
なお、撮影部14としては、赤外線、紫外線などの可視光以外の波長の光を検出する撮影部を用いてもよい。また、撮影部14と投光器とを併用して使用してもよい。
【0025】
(距離測定部15)
距離測定部15(図2参照)は、本実施の形態では第4節部21Dに設けられる。
距離測定部15には、例えば、ロータリエンコーダを設ける。第3車輪部33には、回転の基準となる格子円盤が設けられ、距離測定部15は、この格子円盤を読取部によって読み取る。
【0026】
距離測定部15は、第3車輪部33の外周の長さについての情報を予め保持している。距離測定部15は、読取部から得られた第3車輪部33の回転量と、第3車輪部33の外周の長さについての情報とに基づいて、本体部11の移動距離を測定する。
距離測定部15は、測定した本体部11の移動距離に関する移動距離情報を、通信部18を介して端末装置50に送信する。
なお、距離測定部15が送信する移動距離情報は、エンコーダの読取値であり、編集などを施していない所謂ローデータと呼ばれる情報である。上述したように、供給装置40が距離測定部43(図1参照)を備えることから、測定ロボット10において距離測定部15を省略する構成を採用してもよい。
【0027】
(姿勢測定部16)
姿勢測定部16(図2参照)は、本実施の形態では第4節部21Dに設けられる。
姿勢測定部16には、例えば、モーションセンサを用いることができる。具体的には、姿勢測定部16は、本体部11の角速度(回転速度)を検出する3軸ジャイロセンサを有する。
姿勢測定部16は、3軸ジャイロセンサにより得られた検出結果に基づいて、本体部11の姿勢を測定する。なお、3軸ジャイロセンサと共に、本体部11の加速度を検出する3軸加速度センサ、および地磁気を検出して本体部11の絶対方向を検出する3軸地磁気センサを備えてもよい。
【0028】
そして、姿勢測定部16は、測定した本体部11の姿勢に関する姿勢情報を、通信部18を介して端末装置50に送信する。
なお、姿勢測定部16が送信する姿勢情報は、3軸ジャイロセンサによる検出結果であり、編集などを施していない所謂ローデータと呼ばれる情報である。また、3軸ジャイロセンサのデータに、3軸加速度センサおよび3軸地磁気センサのデータを加えても良い。本実施の形態に係る測定ロボット10では、姿勢測定部16を備える構成を採用するが、これに限られず、姿勢測定部16を省略する構成を採用してもよい。
【0029】
(温度測定部17)
温度測定部17は、本実施の形態では第4節部21Dに設けられる。温度測定部17は、本体部11の温度を測定する。温度測定部17は、測定した温度の温度情報を端末装置50に送信する。本実施の形態に係る測定ロボット10では、温度測定部17を備える構成を採用するが、これに限られず、温度測定部17を省略する構成を採用してもよく、温度測定部17と共に又はこれに代えて、湿度センサ等の他のセンサを備えてもよい。
【0030】
(通信部18)
通信部18は、供給装置40および端末装置50との間における情報通信を行う。例えば、通信部18は、端末装置50から駆動部13の駆動に関する情報を受信する。
また、通信部18は、撮影部14が得た撮影画像、距離測定部15が得た移動距離情報、姿勢測定部16が得た姿勢情報、温度測定部17が得た温度情報を端末装置50に送信する。
【0031】
(制御部19)
制御部19は、駆動部13及び車輪駆動部23の駆動制御、撮影部14の撮影に関する撮影制御、距離測定部15や姿勢測定部16の測定に関する測定制御、および通信部18の通信に関する通信制御を行う。
なお、制御部19による制御は、測定ロボット10に予め格納されたプログラムを基に行ってもよい。また、その他に、制御部19による制御は、例えば、端末装置50(図1参照)から送信されてきた制御情報を基に行ってもよい。
端末装置50には、ユーザ(オペレータ)からの操作を受け付ける操作部51(図1参照)が設けられている。制御部19は、この操作部51にて受け付けられ端末装置50を経由して送信されてきた制御情報を基に、測定ロボット10の制御を行ってもよい。
また、制御部19は、測定ロボット10とは別の箇所に設け、測定ロボット10とは別の箇所に設けられたこの制御部19から、測定ロボット10へ制御信号が送信される構成としてもよい。
【0032】
以上のように構成される測定ロボット10では、第1車輪部31~第5車輪部35の回転駆動が行われる。本実施の形態では、制御部19による制御によって、第1車輪部31~第5車輪部35の回転駆動が行われる。これにより、測定ロボット10が、配管100に沿って移動したり、配管100の周方向へ移動したりする。
また、測定ロボット10では、制御部19による制御によって、第1節部21A~第6節部21Fの相対的な姿勢制御が行われる。かかる姿勢制御では、後述するひずみゲージ60の検出結果を基に行われる。これにより、測定ロボット10が配管100の内周面110に確実に接触するようになる。
【0033】
測定ロボット10は、例えば建築物において、配管100のうちの略水平方向に沿っている水平部分、略鉛直方向に沿っている鉛直部分、さらには、例えば略直角に屈曲する屈曲部分などを通る。特に、本実施形態の測定ロボット10は、鉛直部分や屈曲部分において、下降および上昇のいずれの移動も可能になっている。
【0034】
また、本実施の形態では、測定ロボット10が配管100の周方向へ移動することで、測定ロボット10の姿勢の変更を行える。
言い換えると、本実施の形態では、測定ロボット10の表裏の反転を行える。言い換えると、本実施形態では、配管100の周方向における、測定ロボット10の位相を変更できる。
【0035】
配管100の屈曲部分を測定ロボット10が通過しようとする際、配管100の周方向における、測定ロボット10の位相によっては、この屈曲部分を測定ロボット10が通過できない。
また、撮影部14を用いた撮影にあたり、配管100の周方向へ測定ロボット10を移動させて、撮影部14の向きを変更したい場合もある。
本実施の形態では、配管100の周方向への測定ロボット10の移動が可能となっており、これにより、配管100の屈曲部分を測定ロボット10が通過させることができ、また、撮影部14の向きの変更を行える。
【0036】
[供給装置40]
図1に示すように、供給装置40は、各種の配線が束ねられたケーブル41と、ケーブル41を供給するケーブル供給部42と、ケーブル供給部42に設けられる距離測定部43とを備える。
【0037】
ケーブル41として、測定ロボット10に対して電力を供給する電力線、および測定ロボット10に対してコマンドや測定情報等を送受信するための信号線が設けられている。ケーブル41は、端末装置50および図示しない電源に接続している。
ケーブル41は、測定ロボット10と端末装置50との間における情報等の送受信や、電力の供給を行う。
【0038】
また、ケーブル41は、測定ロボット10の走行能力に何らかの不具合が生じた場合に、ケーブル41によって、測定ロボット10を配管100の内部から引き出せるように構成されている。
本実施の形態では、ケーブル41は、第1節部21A(図2参照)の略中央部に強固に接続されている。また、ケーブル41の引張強度は、配管100から測定ロボット10を引き出す際の張力に耐え得るように設定されている。
【0039】
ケーブル供給部42は、回転可能に支持され、ケーブル41の巻き取りや繰り出しを行うドラム42dを有する。
ケーブル供給部42は、測定ロボット10が配管100に沿って配管100の奥側方向へと移動する際には、ケーブル41を繰り出す。一方、ケーブル供給部42は、測定ロボット10が配管100の入口部側方向へ移動する際には、ケーブル41を巻き取る。
また、本実施の形態では、供給装置40のケーブル供給部42は、測定ロボット10の移動に際して、ケーブル41に弛みが生じないように、ケーブル41に対して一定のテンション(張力)が常にかかるようにドラム42dを制御する。
【0040】
距離測定部43は、例えば、ロータリエンコーダを用いることができる。本実施形態では、回転の基準となる格子円盤がドラム42dに設けられ、距離測定部43は、この格子円盤を読取部によって読み取る。ここで、距離測定部43は、ドラム42dから繰り出されるケーブル41の長さと、ドラム42dの回転量との関係についての情報を予め保持している。
【0041】
距離測定部43は、読取部から得られたドラム42dの回転量に基づいて、ドラム42dから繰り出されたケーブル41の長さを特定する。さらに、距離測定部43は、特定したケーブル41の長さに基づいて、測定ロボット10の移動距離を特定する。
測定ロボット10の移動距離の特定の方法は特に限定されず、上記のように、測定ロボット10に距離測定部15を設けることで、移動距離の特定を行ってもよいし、また、供給装置40に、距離測定部43を設け、この距離測定部43を用いて、測定ロボット10の移動距離を特定してもよい。
【0042】
また、測定ロボット10に設けた距離測定部15、供給装置40に設けた距離測定部43の両者を用いて、測定ロボット10の移動距離を特定してもよい。より具体的には、例えば、測定ロボット10に設けた距離測定部15により特定された移動距離と、供給装置40に設けた距離測定部43により特定された移動距離を基に、例えば、移動距離の平均を求め、この移動距離の平均を、測定ロボット10の移動距離としてもよい。
【0043】
[端末装置50]
図1に示すように、端末装置50は、測定ロボット10の移動を操作する操作部51と、画像を表示する画像表示部52と、測定ロボット10から取得した情報に基づいて配管100の構造の特定に関する処理を行う特定処理部53と、後述のひずみゲージ60による検出結果を基に測定処理を行う測定処理部54とを備えている。
【0044】
ここで、本実施の形態では、測定処理部54を端末装置50に設けているが、これに限られず、測定ロボット10側、例えば制御部19に設けてもよく、後述するフレーム70内蔵の基板(図10の例えば基板93)に設けてもよい。詳細は後述する。
【0045】
(操作部51)
操作部51は、測定ロボット10を前進させたり後退させたりする操作スティック等を有している。
操作部51は、測定ロボット10の移動の操作をユーザ(オペレータ)から受け付ける。また、操作部51は、撮影部14の撮影方向やLED光源などに対する操作もユーザから受け付ける。
【0046】
(画像表示部52)
画像表示部52は、端末装置50の表示画面50Dに、測定ロボット10に関する各種の情報を表示する。
画像表示部52は、表示画面50Dに、操作部51の操作に関する操作画面、測定ロボット10の撮影部14により得られた撮影画像、特定処理部53により特定された配管100の構造に関する構造情報などを表示する。
【0047】
(特定処理部53)
特定処理部53は、移動距離情報を取得する距離情報取得部と、姿勢情報を取得する姿勢情報取得部と、配管100の規格に関する情報を記憶する配管規格データベース(DB)部とを有する。
さらに、特定処理部53は、配管100の全体構造を特定する構造特定部と、特定された配管100の全体構造の図面を作成するマップ作成部と、配管100の全体構造の情報を記憶する構造情報記憶部とを有する。
【0048】
(測定処理部54)
測定処理部54は、ひずみゲージ61~64(図3参照)の検出結果を取得する検出結果取得部と、検出結果取得部により取得された検出結果を基に配管100の内周面110(図2参照)に車輪部12が接触しているか否か及び接触力が予め定められている範囲内にあるか否かの測定処理を行う測定処理部と、測定処理部による処理結果を出力する出力部とを有する。かかる出力部により出力された処理結果は、駆動部13の駆動制御に用いられ、これにより、測定ロボット10の本体部11に対する屈曲制御が行われる。
【0049】
ここで、本実施の形態に係る測定ロボット10、供給装置40および端末装置50が有する情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
測定ロボット10、供給装置40および端末装置50は、それぞれ、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)、主記憶手段であるメモリ、磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)、ネットワークインターフェイス、ディスプレイ装置を含む表示機構、音声機構、および、キーボードやマウス等の入力デバイス等を備える。
【0050】
磁気ディスク装置には、OSのプログラムやアプリケーション・プログラムが格納されている。そして、これらのプログラムがメモリに読み込まれてCPUに実行されることにより、測定ロボット10、供給装置40および端末装置50における各構成部の機能が実現される。
本実施の形態に係る移動体制御システム1における一連の機能を測定ロボット10、供給装置40および端末装置50にてそれぞれ実現させるプログラムは、例えば通信手段により提供することはもちろん、各種の記録媒体に格納して提供しても良い。
【0051】
図3は、測定ロボット10のひずみ検出構成の一例を説明する概略図である。
同図に示す一例では、測定ロボット10に、検出部の一例としてのひずみゲージ61、62、63、64が設けられている。かかるひずみゲージ61~64は、本体部11に対する外力に比例する伸びや縮みにより電気抵抗が変化することを利用したものであり、ひずみを電気信号として検出するセンサである。このため、ひずみゲージ61~64は、本体部11の面に固定される。
【0052】
ひずみゲージ61~64は、不図示のブリッジボックス及びアンプに接続され、A/D変換された信号が測定処理部54に送信される。上述したように、測定処理部54は、制御部19に設けてもよい。
なお、ひずみゲージ61~64等をそれぞれ特に区別しない場合には、本書ではひずみゲージ60と総称することがある。
【0053】
ひずみゲージ61は、第1車輪部31及び第2車輪部32を持つ第2節部21Bに設けられている。また、ひずみゲージ62は、第2車輪部32及び第3車輪部33を持つ第3節部21Cに設けられ、ひずみゲージ63は、第3車輪部33及び第4車輪部34を持つ第4節部21Dに設けられ、ひずみゲージ64は、第4車輪部34及び第5車輪部35を持つ第5節部21Eに設けられている。
すなわち、ひずみゲージ61は、第2節部21Bに生じるひずみを検出するためのものであり、また、ひずみゲージ62~64はそれぞれ、第3節部21C~第5節部21Eに生じるひずみを検出するためのものである。図3に示す一例では、第2節部21B~第5節部21Eの各々にひずみゲージ60を設けていることから、移動時に管内の付着物が削れたり潰れたりして状況が変わった際に柔軟に対応できる。
【0054】
このため、第2車輪部32が配管100の内周面110に接触ないし押圧したことにより生じた第2節部21B及び第3節部21Cのひずみを、ひずみゲージ61、62により検出することができる。また、第4車輪部34が内周面110に接触等したことに起因する第4節部21D及び第5節部21Eのひずみをひずみゲージ63、64により検出することができる。このため、ひずみゲージ61~64の検出結果で車輪部12を予め定められている圧力範囲内で内周面110に接触させることで、配管100に沿う円滑な移動を実現することができる。
【0055】
また、例えば配管100の内周面110の内径が変化する部分である内径変化部分がある場合、ひずみゲージ63、64を用いることで、内径変化部分においても車輪部12を予め定められている圧力範囲内で内周面110に接触させることができる。
【0056】
本実施の形態では、第2節部21B~第5節部21Eのそれぞれに、ひずみゲージ61~64が設けられている。言い換えると、本体部11の第1節部21A~第6節部21Fのうち、両端に車輪部を持つ節部の各々に、ひずみゲージが設けられている。
なお、本実施の形態では、両端に車輪部を持たない節部すなわち第1節部21A及び第6節部21Fには、ひずみゲージは設けられていないが、いずれか一方又は両方にひずみゲージを設けてもよい。
【0057】
本実施の形態では、ひずみゲージ61~64は、第2節部21B~第5節部21Eの長手方向の略中央に位置するが、これに限られず、例えば他の部材を避ける等の理由で、いずれか一方に寄せた位置でもよい。
また、本実施の形態では、第2節部21B~第5節部21Eの各々に一つのひずみゲージを設けているが、これに限られない。すなわち、一つの節部に複数例えば2つのひずみゲージを設け、節部の長手方向の各端部にひずみゲージを一つずつ設けてもよい。
【0058】
なお、本実施の形態では、ひずみゲージにより本体部11のひずみを検出するが、これに限られず、他の検出方式によるひずみセンサを用いてもよい。ここにいう他の検出方式としては、例えばレーザを用いて検出する方式を挙げることができる。
【0059】
図4は、測定ロボット10のひずみ検出構成の他の例を説明する概略図であり、一例を示す図3に対応するものである。なお、図4に示す他の例は、上述した図3と共通する構成を有することから、同じ符号を用い、その説明を省略することがある。
図4に示す他の例では、測定ロボット10に、検出部の一例としてのひずみゲージ61、63が設けられている。すなわち、他の例では、2つのひずみゲージ61、63を設ける点で、4つのひずみゲージ61~64を設ける一例とは異なる。
【0060】
より詳細には、第2節部21B~第5節部21Eのうち第2節部21Bにひずみゲージ61を設け、第4節部21Dにひずみゲージ63を設けている。第2節部21Bに隣り合う第3節部21Cには、ひずみゲージを設けておらず、また、第4節部21Dに隣り合う第5節部21Eにもひずみゲージを設けていない。
図4に示す他の例では、図3に示す一例に比べて、用いるひずみゲージの数を少なくしている。検出精度よりもコスト抑制を優先した構成である。
【0061】
このため、図4に示す他の例では、第2車輪部32の内周面110への接触等による第2節部21Bのひずみを、ひずみゲージ61により検出し、また、第4車輪部34の内周面110への接触等による第4節部21Dのひずみをひずみゲージ63により検出する。
第2節部21B及び第4節部21Dは、検出部が設けられている第1接続部の一例であり、第3節部21C及び第5節部21Eは、検出部が設けられていない第2接続部の一例である。
【0062】
図3に示す一例では、ひずみゲージ60は、両端に車輪部を持つ第2節部21B~第5節部21Eの各々に設けられている。また、図4に示す他の例では、ひずみゲージ60は、両端に車輪部を持つ第2節部21B~第5節部21Eのうち第2節部21B及び第4節部21Dに設けられており、第2節部21Bに隣り合う第3節部21Cと第4節部21Dに隣り合う第5節部21Eには設けられていない。言い換えると、第2節部21B~第5節部21Eは、ひずみゲージ60が設けられている第2節部21B及び第4節部21Dと、第2節部21B及び第4節部21Dに隣り合いひずみゲージ60が設けられていない第3節部21C及び第5節部21Eとを含む。
このように、本実施の形態では、ひずみゲージ60が、複数の第2節部21B~第5節部21Eのうち少なくとも一部に設けられている。
【0063】
図5は、測定ロボット10のひずみ検出構成の別の例を説明する概略図であり、上述の図3図4に対応するものである。なお、図5に示す別の例は、上述した図3図4と共通する構成を有することから、同じ符号を用い、その説明を省略することがある。
図5に示す別の例では、第2車輪部32~第4車輪部34の各々に対して、一対の検出部の一例としての一対のひずみゲージ60が配置されている。
【0064】
具体的には、第1車輪部31に接続する第2節部21Bにひずみゲージ61bが設けられている。ひずみゲージ61bは、第1車輪部31に近い位置に設けられており、ひずみゲージ61bは、第1ヒンジ部22aと第2ヒンジ部22bとを結ぶ軸上に位置する。
【0065】
また、第2車輪部32に近い位置にある第2節部21B、第3節部21Cの部分にそれぞれ、ひずみゲージ61c、61dが設けられている。ひずみゲージ61cは、第1ヒンジ部22aと第2ヒンジ部22bとを結ぶ軸上であり、ひずみゲージ61dは、第2ヒンジ部22bと第3ヒンジ部22cとを結ぶ軸上である。
ここにいう「近い位置」は、ひずみゲージと2つの車輪部が設けられる節部において、ひずみゲージによる接触/非接触ないし接触状態の検知対象である一方の車輪部との距離が他方の車輪部との距離よりも近い位置をいい、長手方向の長さの中央よりも一方の車輪部側の位置である。例えば、ひずみゲージ61bの場合、第1車輪部31及び第2車輪部32と接続する第2節部21Bにおいて、ひずみゲージ61bの検知対象である第1車輪部31との距離が第2車輪部32との距離よりも近い位置である。なお、車輪部が1つ設けられる節部(例えば第1節部21A、第6節部21F)の場合には、「他方の車輪部」が「他方の端部」に読み替えられる。
【0066】
同様に、第3車輪部33に近い位置にある第3節部21C、第4節部21Dの軸上の部分にそれぞれ、ひずみゲージ61e、61fが設けられ、また、第4車輪部34に近い第4節部21D、第5節部21Eの軸上の部分にそれぞれ、ひずみゲージ61g、61hが設けられ、さらに、第5車輪部35に近い第5節部21Eの軸上の部分にひずみゲージ61iが設けられている。
なお、第1車輪部31に第1節部21A及び第2節部21Bが接続されている場合、ひずみゲージ61aが設けられる第1節部21Aは、一方の接続部の一例であり、ひずみゲージ61bが設けられる第2節部21Bは、他方の接続部の一例である。
【0067】
言い換えると、別の例では、第1車輪部31に対するひずみゲージ61bと、第2車輪部32に対する一対のひずみゲージ61c、61dと、第3車輪部33に対する一対のひずみゲージ61e、61fと、第4車輪部34に対する一対のひずみゲージ61g、61hと、第5車輪部35に対するひずみゲージ61iと、を備える構成を採用する。このように、一つの車輪部に近い位置に一対のひずみゲージ60を設ける構成を採用することで、その出力を比較処理することにより、ドリフト量などの外乱をキャンセルすることが可能になる。
【0068】
なお、他の例では、第1車輪部31~第5車輪部35の各々に一対のひずみゲージ60を設けているが、これに限られず、複数対のひずみゲージ60を設けてもよく、また、対という概念ではなく複数個のひずみゲージ60を設けてもよい。
また、ひずみゲージ60を軸上に設ける場合を説明したが、これに限られず、キャンセル対象に応じて、軸上に設けたり軸上から軸方向に対して横方向に外れた位置に設けたりしてもよい。
【0069】
さらには、他の例では、図5に示すように、本体部11の第1節部21A~第6節部21Fの右側面に一対のひずみゲージ60を設けているが、これに限られず、本体部11を一方向から見た場合に視認できる各面に設けてもよい。例えば、第1節部21A~第6節部21Fの各上面にひずみゲージ60を設けてもよい。また、各下面にひずみゲージ60を設けてもよく、各左側面にひずみゲージ60を設けてもよい。
また、後述するように、ひずみゲージ60を上下配置とする場合(図15参照)や裏表配置とする場合でもよい。
【0070】
なお、図5では、測定処理部54の図示及び、測定処理部54とひずみゲージ61a~61jとを接続する線の図示はないが、これは図面の見やすさに鑑みて省略したものであり、上述した図3ないし図4と同じものとすることができる。
【0071】
ここで、第1節部21Aにひずみゲージ61aを設けると共に、第6節部21Fにひずみゲージ61jを設けることで、撮影部14(図2参照)が配管100の内周面110(同図参照)に当たらないように制御してもよい。
【0072】
付言すると、図3図5の各々に示す本体部11は、第1節部21A~第6節部21Fと第1車輪部31~第5車輪部35を備えているが、本体部11の最小構成単位としては、2つの節部(例えば第2節部21B及び第3節部21C)と、3つの車輪部(例えば第1車輪部31、第2車輪部32及び第3車輪部33)と、を備える構成である。その場合において、少なくとも一つのひずみゲージ(例えばひずみゲージ61)を持つことで、3つの車輪部のいずれかが内周面110に接触等したことに起因するひずみの検出を行うことが可能である。
以下、本実施の形態を適用する種々の実施の形態を説明する。
【0073】
<第1の実施の形態>
次に、第1の実施の形態について説明する。
図6は、第1の実施の形態に係る第2節部21Bの側面図である。第1の実施の形態では、第2節部21B~第5節部21Eを同じ構成とすることから、その代表として、第2節部21Bを説明する。なお、上述した本実施の形態と同じ構成については同じ符号を用い、その説明を省略することがある。
【0074】
図6に示すように、第2節部21Bは、第2節部21Bの基本構造をなすボディであるフレーム70と、フレーム70の側面を覆うカバー部材70aと、を含んで構成されている。
フレーム70は、カバー部材70aよりも高い剛性を持つ骨格部材の一例としての構造部材である。フレーム70は、第2節部21Bの一部を構成する部材であり、紙面垂直方向に幅寸法を有する。
カバー部材70aは、シーリング等の防水部材を用いてフレーム70に取り付けられるものであり、フレーム70と共に第2節部21Bの外面の一部を構成する。
【0075】
フレーム70は、上述の第1車輪部31及び第2車輪部32を回転可能に保持し、また、第1車輪部31を駆動する車輪駆動部23と第2車輪部32を駆動する車輪駆動部23を保持する。また、フレーム70は、本体部11の姿勢を変更するための駆動部13を保持する。
【0076】
さらに説明すると、フレーム70は、上部形状として、平たんに形成された上面の一例としての上面部71と、上面部71から第1車輪部31に向けて傾斜して延びる第1斜面部72と、上面部71から第2車輪部32に向けて傾斜して延びる第2斜面部73と、を持つ。また、フレーム70は、下部形状として、平たんに形成された底面の一例としての下面部74と、下面部74から第1車輪部31に向けて延びる第1延長部75と、下面部74から第2車輪部32に向けて延びる第2延長部76とを持つ。
【0077】
第2節部21Bのフレーム70は、第1車輪部31の回転中心と第2車輪部32の回転中心とを互いに結んだ線の一例としての中心線CLに対して非対称であり、中心線CLに対し一方向に偏っている。すなわち、フレーム70は、中心線CLで分けられた紙面における上側領域と下側領域という2つの領域のうち上側領域に偏って形成されている偏り形状である。そして、上述の上面部71及び下面部74は、中心線CLに対して上側領域に位置する。上面部71及び下面部74は、線に対して当該一方に位置する面の一例である。
【0078】
また、図6に示すように、フレーム70の第1延長部75及び第2延長部76は、中心線CLに対して下側領域に位置する部分を有する一方で、下面部74は、中心線CLに対して上側領域に位置し、下側領域に位置する部分を有しない。このように、フレーム70の下部形状は、中央が両端よりも上側に位置する所謂弓なり形状であり、しかも、下面部74は、中心線CLよりも上側に位置する。
第1の実施の形態に係るフレーム70において、弓なり形状の中央にある下面部74には、ひずみゲージ61が接着されている。
【0079】
このため、下面部74は、フレーム70に圧縮力が作用した場合に変形し易い部分であり、かかる下面部74にひずみゲージ61を設けることで、ひずみ検出の精度を向上させることができる。また、下面部74は、フレーム70において上面部71に比べて中心線CLに近い側に位置することから、フレーム70に圧縮と共にねじれが作用した場合のねじれの影響を抑制し、検知精度を向上させることが可能になる。
【0080】
図7は、配管100のエルボー曲がり配管部120を通過する場合の測定ロボット10の姿勢を説明する図である。なお、説明の便宜上、図7では、第2節部21B~第4節部21D及び第1車輪部31~第4車輪部34を図示する。
【0081】
図7に示すように、エルボー曲がり配管部120は、配管100の屈曲部分であり、配管方向を変更するための継手である。本実施の形態では、エルボー曲がり配管部120により90度の向きが変更される。
かかるエルボー曲がり配管部120を通過する場合、偏り形状の第2節部21B~第4節部21Dは、下面部74がエルボー曲がり配管部120の内周面110と干渉する事態を回避するために大回りする必要がなく、また、小回りすることにより測定ロボット10の移動軌跡が短くなり、効率的に配管100の移動を行うことができる。
【0082】
ここで、駆動部13により本体部11の姿勢を変更するための駆動伝達を説明する。
図8は、駆動部13の駆動伝達系を説明する分解斜視図である。なお、同図では、本体部11の第2節部21Bが第3節部21Cの駆動部13により姿勢を変更する場合を示す。
同図に示すように、第3節部21Cにおいて、駆動部13はフレーム70に保持されており、駆動軸131を持つ。駆動軸131の先端には、歯車132が設けられている。第3節部21Cのフレーム70は、かかる歯車132に歯車133が噛み合うように歯車132を保持する。
【0083】
第2節部21Bのフレーム70には、歯車133に噛み合う歯車134が設けられている。このため、第2節部21Bの駆動部13が作動すると、その駆動力は駆動軸131に出力され、歯車132及び歯車133から、第3節部21Cのフレーム70の歯車134に伝達される。これにより、第2節部21Bのフレーム70が第3節部21Cのフレーム70に対して相対回転し、その姿勢が変更される。
【0084】
なお、第3節部21Cのフレーム70は、第4節部21Dの駆動部13(例えば図2参照)により第2節部21Bのフレーム70に対して相対回転し、姿勢が変更される。このように、自身が備える駆動部13により自身のフレーム70が回転するのではなく、隣り合う他のフレーム70が回転する。
【0085】
図9は、フレーム70単体を部分的に示す部分側面図である。
同図に示すように、フレーム70は、上面部71等を形成する枠部に囲まれた補強板81と、補強板81の一部を切り欠いて形成された切欠き部82とを備えている。また、フレーム70は、切欠き部82の周縁82aから延びる延長部83と、延長部83の先端部に形成された取付け部84とを備えている。
延長部83及び取付け部84は、保持部の一例である。
【0086】
フレーム70の切欠き部82は、上面部71と下面部74に挟まれた領域に形成されている。すなわち、フレーム70は、ひずみゲージ61が設けられている下面部74に対応する位置に矩形形状の切欠き部82を有する。
【0087】
延長部83は、切欠き部82の中央に向けて延びている。より詳細には、延長部83が延びる方向に沿う線分83aは、中心線CL(図6参照)に対して交差している。すなわち、延長部83は、中心線CLと平行ではなく、中心線CLに対して交差する方向に延びている。
【0088】
さらに説明すると、フレーム70は、駆動部13を保持して駆動軸131(図8参照)を貫通させるための孔85を補強板81に有する。なお、フレーム70には、カバー部材70a(図6参照)を取り付けるための取付け穴70bも形成されている。
【0089】
図10は、フレーム70に内蔵される基板91、93の取付けを説明する分解斜視図である。
同図に示すように、フレーム70には、2枚の基板91、93が延長部83の取付け部84に取付け部材92、94を用いて取り付けられる。
【0090】
より詳細には、図10に示すように、基板91に取付け穴91aが形成され、基板93に取付穴93aが形成されている。また、取付け部材92、94の各々には、取付け部84のめねじに対応するおねじが形成されている。そして、フレーム70の一方側(図10において駆動部13が位置する側)から基板91が取付け部材92を介して取付け部84に取り付けられる。また、フレーム70の他方側(図10の奥側)から基板93が取付け部材94を介して取付け部84に取り付けられる。
【0091】
さらに説明すると、取付け部84に取り付けられた2枚の基板91、93は、取付け部84の厚さ分、互いに離れて位置する。また、基板91、93の間には、切欠き部82が位置することから、基板91、93のいずれか一方または両方に高さのある部品が実装される場合、部品実装面を切欠き部82側とする取付けとすることにより、内部空間の効率利用を図ることができる。また、補強板81に切欠き部82が設けられていない場合に比べて、基板91、93における放熱効果を高めることができる。
なお、基板を2枚構成とすることでフレーム70を小型化することが可能になり、また、高密度実装に伴う発熱対策も実現することができる。
【0092】
図11は、測定ロボット10における制御を説明するブロック図である。
測定ロボット10において、制御部19(図2参照)は、内蔵の基板91、93(図10参照)と通信可能であり、基板91、93に対して動作指令を送信する。なお、制御部19は、端末装置50と通信可能であり、端末装置50からの指示に応じた動作指令を基板91、93に送信する。
【0093】
図11に示すように、基板91は、モータ制御部91bを備え、また、基板93は、測定処理部54及びモータ制御部93bを備えている。
基板91のモータ制御部91bは、制御部19からの制御信号に従って、車輪部12(図2参照)を回転駆動する走行用の車輪駆動部23を制御する。
基板93の測定処理部54は、上述したように、ひずみゲージ60による検出結果を基に測定処理を行い、また、モータ制御部93bは、制御部19からの制御信号に従い、測定処理部54の測定処理の結果を用いて本体部11(図2参照)の姿勢を変更する屈曲用の駆動部13を制御する。
基板93は、接続部に内蔵される回路の一例である。なお、本実施の形態では、内蔵の基板93に測定処理部54を設けているが、フレーム70に内蔵される装置(不図示)に設けてもよい。
【0094】
さらに説明すると、制御部19は、ひずみゲージ値の予め定められている範囲を基板93に指定した後、ひずみ制御の動作/停止を指示することで、基板93にて駆動部13を制御する。基板93でのひずみ制御に関する信号は、制御部19や端末装置50には送信されない。
このように、測定処理部54を移動体の一例としての測定ロボット10に設ける場合、測定ロボット10における自立的な制御が行われることで、ひずみゲージ60の検出結果に対する反応が早くなり、円滑な移動が可能になる。
【0095】
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。
図12は、第2の実施の形態に係る第2節部21Bの側面図であり、第1の実施の形態を説明する図6に対応する。なお、第1の実施の形態と同じ構成については同じ符号を用い、その説明を省略することがある。
【0096】
図12に示すように、第2の実施の形態において破線で示すひずみゲージ61は、フレーム70の下面部74に設けられている点で、第1の実施の形態と同じである。しかしながら、第2の実施の形態は、ひずみゲージ61が下面部74の内面に設けられている点で、ひずみゲージ61が下面部74の外面に設けられている第1の実施の形態と異なる。
【0097】
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。
図13は、第3の実施の形態に係る第2節部21Bの側面図であり、第1の実施の形態を説明する図5に対応する。なお、第1の実施の形態と同じ構成については同じ符号を用い、その説明を省略することがある。
【0098】
図13に示すように、第2節部21Bに設けられるひずみゲージ61は、中心線CLに対して下面部74よりも離れている上面部71に配置される。上面部71は、下面部74よりも広い領域であることから、ひずみゲージ61の設置面を広く確保することができ、ひずみゲージの選択の自由度が高まる。
【0099】
<第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。
図14は、第4の実施の形態に係る第2節部21Bの側面図であり、第3の実施の形態を説明する図13に対応する。なお、第3の実施の形態と同じ構成については同じ符号を用い、その説明を省略することがある。
【0100】
図14に示すように、第4の実施の形態におけるひずみゲージ61は、上面部71に設けられている点で第3の実施の形態と同じであるが、ひずみゲージ61が上面部71の内面に設けられている点で、ひずみゲージ61が上面部71の外面に設けられている第3の実施の形態と異なる。
【0101】
<第5の実施の形態>
次に、第5の実施の形態について説明する。
図15は、第5の実施の形態に係る第2節部21Bの側面図であり、図5に示すひずみ検出構成の別の例(一対のひずみゲージ)に応用した場合を示す。図15は、例えば第4の実施の形態を説明する図14に対応するものであり、第4の実施の形態等と同じ構成については同じ符号を用い、その説明を省略することがある。
【0102】
図15に示すように、第5の実施の形態では、第2節部21Bに複数のひずみゲージ具体的には、ひずみゲージ61b、61cが設けられている。より詳細には、ひずみゲージ61bは下面部74に設けられ、ひずみゲージ61cは上面部71に設けられている。言い換えると、ひずみゲージ61b、61cは、中心線CLに対する位置が互いに異なる面に設けられている。
上面部71と下面部74は、回転部の回転中心を結んだ線に対する位置が互いに異なる面の一例である。
【0103】
このように、第5の実施の形態では、第2節部21Bの同一の面に設けられる態様(例えば図5参照)ではなく、第2節部21Bにおける互いに異なる面に設けられる態様を採用し、上下配置としている。かかる上下配置により、第2節部21Bの最大変形位置にひずみゲージ61b、61cを配置することができ、外乱キャンセルが可能になる。
【0104】
またさらに説明すると、第5の実施の形態では、ひずみゲージ61bを下面部74の外面に設け、ひずみゲージ61cを上面部71の外面に設けており、いずれも外面に設ける態様を採用し、ひずみゲージ61b、61cの感度を高めているが、これに限られない。例えば、ひずみゲージ61bを下面部74の内面、ひずみゲージ61cを上面部71の内面に設けていずれも内面に設ける態様を採用してもよい。
また、ひずみゲージ61b、61cの一方を外面、他方を内面に設ける態様(裏表の配置)を採用してもよい。すなわち、ひずみゲージ61bを下面部74の外面、ひずみゲージ61cを上面部71の内面に設ける態様や、ひずみゲージ61bを下面部74の内面、ひずみゲージ61cを上面部71の外面に設ける態様である。
【0105】
ここで、本実施の形態では、上面部71の部分(例えば図8も参照)がねじれにくい形状である一方で下面部74が変形し易いような構造のフレーム70であることから、上面部71の変形が下面部74に比べて抑制される。そのため、第1の実施の形態や第2の実施の形態のように下面部74にひずみゲージ61を設ける場合の外力による変形量は、第3の実施の形態や第4の実施の形態のように上面部71に設ける場合に比べて大きくなることから、外力検出精度を向上させることができる。
さらに説明すると、フレーム70が、下面部74よりも上面部71の方が変形し易い構造であり上面部71にひずみゲージ61を設ける場合には、下面部74に設ける場合に比べて、外力検出精度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0106】
10…測定ロボット、13…駆動部、21A…第1節部、21B…第2節部、21C…第3節部、21D…第4節部、21E…第5節部、21F…第6節部、31…第1車輪部、32…第2車輪部、33…第3車輪部、34…第4車輪部、35…第5車輪部、54…測定処理部、61~64、61b~61i…ひずみゲージ、70…フレーム、71…上面部、74…下面部、82…切欠き部、82a…周縁、83…延長部、84…取付け部、91,93…基板、100…配管、110…内周面、CL…中心線
図1
図2
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図15