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特開2023-156952梱包用紙製緩衝材の製造方法、梱包用紙製緩衝材製造システム及び梱包用紙製緩衝材の基材供給装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156952
(43)【公開日】2023-10-25
(54)【発明の名称】梱包用紙製緩衝材の製造方法、梱包用紙製緩衝材製造システム及び梱包用紙製緩衝材の基材供給装置
(51)【国際特許分類】
   B31D 5/00 20170101AFI20231018BHJP
【FI】
B31D5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066643
(22)【出願日】2022-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】522151422
【氏名又は名称】株式会社ネクサスエアー
(74)【代理人】
【識別番号】100139996
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 洋子
(72)【発明者】
【氏名】近藤 忠雄
(72)【発明者】
【氏名】永崎 孝彦
(72)【発明者】
【氏名】糸永 悠
【テーマコード(参考)】
3E075
【Fターム(参考)】
3E075AA05
3E075BA92
3E075BA95
3E075CA02
3E075DA03
3E075DA14
3E075DA33
3E075DC29
3E075GA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シンプル且つコンパクトな構造でフレキシビリティに富み、使用する用紙及び用紙の配置場所の自由度を上げた梱包用紙製緩衝材の基材供給装置を提供すること。
【解決手段】紙製のシート基材100を所定速度で立体的な形状に変換して紙製緩衝材200にする変換部340及び変換された紙製緩衝材200を排出する排出部360を備えた梱包用紙製緩衝材製造装置300に自在に取り付け取り外し可能な梱包用紙製緩衝材の基材供給装置400であって、シート基材100はロール状に巻かれて着脱自在に装着され下方へ指向するよう送出するシート基材装着部420と、送出されてくるシート基材100を下方へ指向するよう案内し、この後上方へ指向するよう案内することでシート機材100を所定量収容し、変換部340にシート基材100を供給する収容部440を具備することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状に巻かれた紙製のシート基材を下方へ指向するよう送出する送出工程と、
この送出されてくるシート基材に所定の引っ張り力を加えて下方へ指向するよう案内し、この後上方へ指向するよう案内することにより当該シート機材を所定量収容する収容工程と、
この収容されるシート基材の収容量を監視する監視工程と、
上記収容されるシート基材を所定の速度で立体的な形状に変換して紙製緩衝材にする変換工程と、
この紙製緩衝材を排出する排出工程を具備することを特徴とする梱包用紙製緩衝材の製造方法。
【請求項2】
上記監視工程にて収容されるシート基材が所定量以下になった場合、上記送出工程に於けるシート基材の送出量または上記変換工程に於ける変換速度を調整し、シート基材の収容量を所定量超となるよう満たすよう調整する調整工程を設けたことを特徴とする請求項1記載の梱包用紙製緩衝材の製造方法。
【請求項3】
上記監視工程にて収容されるシート基材が所定量以下になった場合、報知する報知工程を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の梱包用紙製緩衝材の製造方法。
【請求項4】
ロール状に巻かれた紙製のシート基材が着脱自在に装着され、当該シート機材を下方へ指向するよう送出するシート基材装着部と、
この装着部から送出されてくるシート基材を下方へ指向するよう案内し、この後上方へ指向するよう案内することで当該シート機材を所定量収容する収容部と、
この収容部から送出されてくるシート基材を所定の速度で立体的な形状に変換して紙製緩衝材にする変換部と、
この変換部にて変換される紙製緩衝材を排出する排出部と、
上記収容部に収容されるシート基材の収容量を監視する監視部と、
この監視部が上記収容部に収容されるシート基材が所定量以下になったことを検知すると、上記シート基材装着部からのシート基材の送出量または上記変換部による変換速度を調整する調整部とを設けたことを特徴とする梱包用紙製緩衝材製造システム。
【請求項5】
紙製のシート基材を所定の速度で立体的な形状に変換して紙製緩衝材にする変換部と、この変換部にて変換される紙製緩衝材を排出する排出部とを備えた梱包用紙製緩衝材製造装置に自在に取り付け取り外し可能なものであって、
上記シート基材はロール状に巻かれて着脱自在に装着されて当該シート基材を下方へ指向するよう送出するシート基材装着部と、
このシート基材装着部から送出されてくるシート基材を下方へ指向するよう案内し、この後上方へ指向するよう案内することで当該シート機材を所定量収容し、上記変換部に当該シート基材を供給する収容部を具備することを特徴とする梱包用紙製緩衝材の基材供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は梱包用紙製緩衝材の製造方法、梱包用紙製緩衝材製造システム及び梱包用紙製緩衝材の基材供給装置に関し、特にロール状に巻かれた紙製のシート基材を用いて緩衝材を製造する梱包用紙製緩衝材の製造方法、梱包用紙製緩衝材製造システム及び梱包用紙製緩衝材の基材供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、梱包用緩衝材としては、例えばエアークッションと称されるビニル製の気泡緩衝材、発泡ポリエチレンをシート状に加工した発泡シート、巻物状になった段ボール、平面視長方形状のビニル袋に空気が充填されたエアーピロー型緩衝材、合成樹脂製のまゆ型や丸型のバラ緩衝材またはクラフト紙や再生紙を立体形状に加工した緩衝材等種々のものが提供されている。
これ等の中でも環境保護や再生処理または廃棄処分のし易さの観点からは、紙製の緩衝材が注目、見直されている。特に、SDGs(Sustainnable Development Goals)の潮流を考慮すると、今後益々注目されるものである。
【0003】
さらに、紙製の緩衝材の大きな特徴は、低コストであること、保管時に嵩張らないこと、形状を自由自在に変えられ梱包用製品の大きさに合わせて容易に隙間を埋められることが挙げられる。
【0004】
特許文献1には、ロール形態で供給されるシート状ストック材料からダンネージ製品を製造するクッション製造機械が開示されている。このものにあっては、製造機械の最下部に配置させたシート状ストック材料、当該材料の上部に設けられた変換・形成アセンブリ及び当該アセンブリの上部に設けられ変換・形成されたものを上方へ排出する出口開口部が一体的に設けられている。そして、シート状ストック材料は引張力により撓ませることなく、上方へ送出するよう構成されている。
【0005】
特許文献2には、ロール状に巻かれて供給されるシート状ストック材料からダンネージ品を製造するクッション材変換機械が開示されている。このものにあっては、変換機の下方側に配置させて送出されるシート状ストック材料を撓ませることなく水平方向または上方に向けて送出するよう構成されている。
【0006】
非特許文献1には、所定間隔でミシン目が設けられた連続した専用紙を高速で立体形状の緩衝材へ変換する緩衝材製造装置が開示されている。このものにあっては、長辺部にミシン目が設けられた平面視長方形状の1層の専用紙をミシン目にて折り畳むようにして束状になったもの、所謂ファンホールド式の用紙を使用する。また、専用紙は、装置本体の下部側に一体的に設けられたストッカー内に設置され、上方へ向けて送出されるよう構成されている。
【0007】
非特許文献2には、束状に折り畳まれた平面視長方形状のファンホールド式の専用紙を下方部位から上方に向けて送出し、変換機にてペーパー空間充填材を作製するペーパー空間充填システムが開示されている。このものにあっては、システムの下部側に一体的に設けられたストッカー内に収容された平面視長方形状のファンホールド式の専用紙を下方部位から上方に向けて送出するよう構成されている。
【0008】
非特許文献3には、束状に折り畳まれた平面視長方形状のファンホールド式の専用紙を下方部位から上方に向けて送出し、変換機にて紙製緩衝材に変換する紙緩衝材自動製造機が開示されている。このものにあっても、ストッカー内に収容された平面視長方形状のファンホールド式の専用紙を下方部位から上方に向けて送出するよう構成されている。
【0009】
非特許文献4には、束状に折り畳まれた平面視長方形状のファンホールド式の専用紙を下方部位から上方に向けて送出し、変換機に紙製緩衝材に変換するクラフト紙充填機が開示されている。このものにあっても、ストッカー内に収容された平面視長方形状のファンホールド式の専用紙を下方部位から上方に位置する変換機に向けて送出するよう構成されている。
【0010】
非特許文献5には、変換機の下方側に設置されたロール状に巻かれた一層または二層の専用のクラフト紙を上方に向けて送出して、変換機にて立体形状の緩衝材に変換するペーパー緩衝材製造機が開示されている。このものにあっては、当該製造機に一体的に設けられた所定の部位にロール状に巻かれたクラフト紙を設置するよう構成されている。
【0011】
非特許文献6には、下端部に設置されたロール状に巻かれた2層または3層の専用紙が上方に向けて引っ張り上げられるようにして送出されて、変換機にて立体形状の緩衝材に変換する緩衝材製造装置が開示されている。このものにあっては、出来上がった緩衝剤は上方へ排出するよう構成され、ロール状に巻かれた専用紙は、製造機の下端部に一体的に設けられたローラーに取り付けるよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特表平10-501752号公報
【特許文献2】特許第3947563号公報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】https://www.ranpak.com/jp/products/padpak-guardian/
【非特許文献2】http://www.sealedair-japan.com/product_package/fasfil.html
【非特許文献3】http://www.packwell.co.jp/product/product2.html#pro_6
【非特許文献4】https://www.lockedair.com/products/locked-paper-f1-kraft-paper-void-fill-machine.html
【非特許文献5】http://www.toyotec-intl.co.jp/archives/4084
【非特許文献6】https://www.ranpak.com/jp/products/padpak-sr/
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述したように種々の紙製の緩衝材製造機が提供されている。しかし、利用に際しては、殆どの場合、その製造機専用の紙を使用することを前提としている。特に、現在、最も利用されているものの一つとしては、ファンホールド式の専用紙である。
【0015】
非特許文献1乃至非特許文献4に開示されたたものにあっては、ファンホールド式の専用紙を使用するものであるため、特定の事業者から専用紙を入手する必要あり、原価低減が難しいものである。他の類似品を使用することも考えられるが、変換機への悪影響や故障を誘発しかねない虞もある。
【0016】
また、非特許文献1乃至非特許文献4に開示されたたものにあっては、専用紙を下方部位から上方に向けて変換機へ送出するよう構成されているので、必然的に専用紙が収容されるストッカーは変換機の下方部位に配置されることになる。
【0017】
特許文献1及び特許文献2並びに非特許文献5及び非特許文献6に開示されたたものにあっては、変換機の下方側にシート状ストック材料を配置させて、撓ませることなく水平方向または上方に向けて送出するよう構成しているが、その仕組みが固定されており複雑なものである。
【0018】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、シンプル且つコンパクトな構造でフレキシビリティに富み、使用する用紙及び用紙の配置場所の自由度を上げた梱包用紙製緩衝材の製造方法、梱包用紙製緩衝材製造システム及び梱包用紙製緩衝材の基材供給装置を提供することを目的とする。
【0019】
また、本発明は、使い勝手が良く、実用的に有用で生産性及び経済性に優れた梱包用紙製緩衝材の製造方法、梱包用紙製緩衝材製造システム及び梱包用紙製緩衝材の基材供給装置を提供することを目的とする。
【0020】
さらに、本発明は、耐久性にも優れ環境にも優しい梱包用紙製緩衝材の製造方法、梱包用紙製緩衝材製造システム及び梱包用紙製緩衝材の基材供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、上記目的を達成するために以下の通りの構成とすることを特徴とする。
【0022】
(1) 梱包用紙製緩衝材の製造方法であって、ロール状に巻かれた紙製のシート基材を下方へ指向するよう送出する送出工程と、この送出されてくるシート基材に所定の引っ張り力を加えて下方へ指向するよう案内しこの後上方へ指向するよう案内することにより当該シート機材を所定量収容する収容工程と、この収容されるシート基材の収容量を監視する監視工程と、上記収容されるシート基材を所定の速度で立体的な形状に変換して紙製緩衝材にする変換工程と、この紙製緩衝材を排出する排出工程とから成ることを特徴とする。
【0023】
(2) 梱包用紙製緩衝材の製造方法であって、上記(1)の構成にあって、上記監視工程にて収容されるシート基材が所定量以下になった場合、上記送出工程に於けるシート基材の送出量または上記変換工程に於ける変換速度を調整し、シート基材の収容量を所定量超となるよう満たすよう調整する調整工程を設けたことを特徴とする。
【0024】
(3) 梱包用紙製緩衝材の製造方法であって、上記(1)または(2)の構成にあって、上記監視工程にて収容されるシート基材が所定量以下になった場合、報知する報知工程を設けたことを特徴とする。
【0025】
(4) ロール状に巻かれた紙製のシート基材が着脱自在に装着され当該シート機材を下方へ指向するよう送出するシート基材装着部と、この装着部から送出されてくるシート基材を下方へ指向するよう案内しこの後上方へ指向するよう案内することで当該シート機材を所定量収容する収容部と、この収容部から送出されてくるシート基材を所定の速度で立体的な形状に変換して紙製緩衝材にする変換部と、この変換部にて変換される紙製緩衝材を排出する排出部と、上記収容部に収容されるシート基材の収容量を監視する監視部と、この監視部が上記収容部に収容されるシート基材が所定量以下になったことを検知すると上記基材装着部からのシート基材の送出量または上記変換部による変換速度を調整する調整部とを設けたことを特徴とする。
【0026】
(5) 紙製のシート基材を所定の速度で立体的な形状に変換して紙製緩衝材にする変換部と、この変換部にて変換される紙製緩衝材を排出する排出部とを備えた梱包用紙製緩衝材製造装置に自在に取り付け取り外し可能なものであって、上記シート基材はロール状に巻かれて着脱自在に装着されて当該シート基材を下方へ指向するよう送出するシート基材装着部と、このシート基材装着部から送出されてくるシート基材を下方へ指向するよう案内しこの後上方へ指向するよう案内することで当該シート機材を所定量収容し上記変換部に当該シート基材を供給する収容部を具備することを特徴とする。
【0027】
上記構成によれば、シンプル且つコンパクトな構造で、使用する用紙及び用紙の配置場所の自由度向上を図れ、フレキシビリティに富み、使い勝手が良く、実用的に有用で生産性及び経済性に優れるものである。
【0028】
また、上記構成によれば、耐久性にも優れ環境にも優しいという有用な効果を奏するものである。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、構造がシンプルでコンパクトであり、使用する用紙及び用紙の配置場所の自由度を上げられ、フレキシビリティに富むという有用な効果を奏するものである。
また、本発明は、使い勝手が良く、実用的に有用で生産性及び経済性の面で優れた効果を期待できるものである。
さらに、本発明は、耐久性にも優れ環境にも優しく社会貢献に寄与できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1の実施形態に係わる梱包用紙製緩衝材製造システムの全体の概略構成を一部を破断して模式的に示す図である。
図2】同実施形態及び本発明の第2の実施形態に係わり、システム全体の監視・制御の概略構成を示す図である。
図3】本発明の第1及び第2の実施形態に係わり、緩衝材製造の流れを示す図である。
図4】同両実施形態に係わり、監視・調整処理の流れを示す図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係わる梱包用紙製緩衝材製造システムの全体の概略構成を一部を破断して模式的に示す図である。
図6】同実施形態に係わり、基材供給装置のテンションバー側からの斜視図である。
図7】同実施形態の変形例に係わる梱包用紙製緩衝材製造システムの稼働状態を模式的に示す図であり、(a)はシート基材の収容量が所定量を満たす状態を示す図であり、(b)は収容量が所定量以下になった状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。
【0032】
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。
本実施形態に係わる梱包用紙製緩衝材製造システム10は、ロール状に巻かれた紙製のシート基材100を所定の速度で立体的な形状に変換して紙製緩衝材200に形成する変換部340及び変換部340にて変換される紙製緩衝材200を排出する排出部360を備えた梱包用紙製緩衝材製造装置(以下、「製造装置」)300と、この製造装置300に取り付け取り外しが自在であって、ロール状に巻かれたシート基材100を着脱自在に装着してシート基材100を下方へ指向するよう送出するシート基材装着部420及びシート基材装着部420から送出されてくるシート基材100を下方(図1中、矢印D1方向)へ指向するよう案内し、この後上方(矢印U1方向)へ指向するよう案内することでシート機材100を所定量収容するとともに、変換機340にシート基材100を送出・供給する収容部440を備えた基材供給装置400とから構成されるものである。
【0033】
また、梱包用紙製緩衝材製造システム10には、収容部440に収容されるシート基材100の収容量を監視する監視機能及びこの監視機能により収容部440に収容されるシート基材100が所定量以下になったことを検知するとシート基材装着部420からのシート基材100の送出量または変換部340による変換速度を調整する調整機能を有する監視調整装置500が設けられている。
【0034】
さて、シート基材100は、ロール状に巻かれた例えば一般に流通するクラフト紙や再生紙である。シート基材100は、加工・変換前は平面状を呈しており、製造装置300にて立体的な形状に変換されて紙製緩衝材200となる。
【0035】
製造装置300は、下端部に移動自在となるようキャスターが設けられたスタンド320の上部にて回動自在(矢印A方向及び反矢印A方向)となるよう平面状のシート基材100を立体的な形状に変換する機能を有する変換部340を設けている。そして、製造装置300は、送出されてくるシート基材100を変換部340の一端部340a側から受け入れて所定の速度または所定の時間間隔にて平面形状を立体的な形状に変換し、他端部340b側の排出部360から排出する(矢印E方向)よう機能構成されている。
【0036】
基材供給装置400は、下端部に移動自在となるようキャスターが設けられた中空状の直方体状を呈し、その上部にシート基材装着部420が設けられており、着脱自在にシート基材100を装着可能としている。
【0037】
また、基材供給装置400は、シート基材装着部420から送出されてくるシート基材100を下方(矢印D1方向)へ指向するよう案内し、この後上方(矢印U1方向)へ指向するよう案内することでシート機材100を基材供給装置400内に所定量収容する収容部440を設けている。この収容部440は、上方へ指向するシート基材100を製造装置300に向けて送出する(矢印M方向)よう機能構成されている。
【0038】
ここで、シート基材装着部420及び収容部440について、詳述する。
【0039】
シート基材装着部420は、シート基材100の芯部位を回転自在となるようホールドするホルダー422、シート基材100を収容部440内へ送出するよう回転させる駆動ローラ424及び駆動ローラ424に併設された回転ローラ426から構成される。なお、駆動ローラ424によるシート基材100の送出速度は、通常運転では変換部340による変換速度と略同期するよう機能構成してあるが、これに限らず適宜変更可能である。
【0040】
次に、収容部440は、収容されるシート基材100の最下端部、即ちシート基材100を下方(矢印D1方向)へ指向するよう案内し、この後上方(矢印U1方向)へ指向するよう案内する部位に方向転換用の回転ローラ442を有する。この回転ローラ442は、収容部440内を所定の範囲内で上下方向(垂直方向)に移動可能となるよう設けられており、その自重によりシート基材100に対して引っ張り力としての負荷をかけるよう機能するものである。
なお、本実施形態では、回転ローラ442を用いているが、これに限らず他に例えば上下に移動可能なテンションバーを用いてもよいことは勿論である。
【0041】
監視調整装置500は、図2に示すように制御処理部510、入力部520、出力部530及びリード/ライト可能なメモリ540を内設し、夫々が信号線550を介して接続されている。
【0042】
制御処理部510は、メモリ540に格納された所定のプログラム情報を参照して、収容部440に収容されるシート基材100の収容量を参照して、シート基材100の送出量または変換部340による変換速度の調整等を司る機能を有する。
【0043】
入力部520は、制御処理部510の管理下で、外部から送出されてくる情報を受信しメモリ540の所定の記憶領域に格納する機能を有する。例えば、センサー600から送出されてくるシート基材100の収容量や送出速度等の情報を受信し、メモリ540の所定の記憶領域(即ち監視情報憶領域540c)に格納するよう機能構成されている。
【0044】
また、入力部520は、制御処理部510の管理下で、キーパッド等からのキー入力による入力情報をメモリ540の所定の記憶領域に格納する機能を有する。
【0045】
出力部530は、制御処理部510の管理下で、各種情報を出力し外部へ送出する機能を有する。例えば、シート基材100の送出量や変換部340による変換速度の調整するための指令情報を出力し、或いは収容部440に収容されるシート基材100が所定量以下になった場合にその旨を報知情報として報知する機能を有する。
【0046】
メモリ540は、各種作業を行うための作業領域540a及び制御処理部510が各種制御処理・管理をするために参照するプログラム情報を格納するプログラム情報記憶領域540bの記憶領域を有する。
【0047】
さらに、メモリ540は、入力部520を介して送出されてくるシート基材100の送出量情報及び変換部340による変換速度情報並びに予め設定された当該送出量情報及び速度情報に関する閾値情報を格納する監視情報記憶領域540c、閾値から外れた場合にシート基材の送出量や変換速度を調整するためのプログラム情報が格納される調整情報等記憶領域540d及び収容されるシート基材が所定量以下になった場合に参照される報知情報が格納される報知情報記憶領域540e等の記憶領域を有する。
【0048】
なお、センサー600は、少なくとも収容部440に収容されるシート基材100の収容量を検知し、入力部600に検知情報として送出する機能を有する。またこの他に基材供給装置400から製造装置300に送出されるシート基材100の送出速度を検知し、入力部600に検知情報として送出する機能をも有する。
【0049】
センサー600によるシート基材100の収容量検知方法は、収容部440の内壁の所定位置に設置された赤外線センサーによる検知である。シート基材100に対して下方への引っ張り力を負荷する回転ローラ442が下方から上方へ移動してセンサー600を通過すると、収容部440内のシート基材100の収容量が所定量以下として検知することになる。他方、センサー600が回転ローラ442の下方から上方への通過を検知しない場合は、収容部440内のシート基材100の収容量は所定量超の状態である。
【0050】
上記構成につき、シート基材100が紙製緩衝材200に加工・変換される処理の流れを説明する。
【0051】
ロール状のシート基材100をシート基材装着部420に装着し、収容部440を介して製造装置300に送出されるようセットして梱包用紙製緩衝材製造システム10を稼働させる。すると、シート基材100が駆動ローラ424によりシート基材装着部420から収容部440内に向けて送出されてくる(図3のプロセスP100参照)。
【0052】
シート基材装着部420から送出されてくるシート基材100は、収容部440内の下方(矢印D1方向)へ指向するよう案内された後、上方(矢印U1方向)へ指向するよう案内される。このとき、シート機材100は、収容部440に所定量収容されることになる(プロセスP200、図4のステップS200参照)。そして、収容部440に所定量収容されたシート基材100は、製造装置300に向けて(矢印М方向)送出される。
【0053】
なお、収容部440への収容に際しては、回転ローラ442が送出されてくるシート基材100に所定の引っ張り力を加えてシート基材100を下方へ指向するよう案内し、この後上方へ指向するよう案内することになる。
【0054】
また、収容部440に収容されるシート機材100の収容量は、センサー600に常時監視されることになる(プロセスP300、ステップS300)。
【0055】
ここで、収容量が所定量以下と監視調整装置500が判断した場合(ステップS300のY)、即ちセンサー600が回転ローラ442の下方側から上方側に向けて通過を検知したと判断すると、その旨が報知されるとともに調整処理が行われる(プロセスP400、S400)。調整処理としては、例えば収容量を満たすまでは変換部340による変換動作を一時停止するか変換速度を遅くする。または、シート基材装着部420からのシート基材100の供給速度を上げることで調整することになる。この後、収容量を満たす状態になると、次工程へ移行する。
【0056】
他方、所定量超と判断した場合は(ステップS300のN)、即ちセンサー600が回転ローラ442の下方側から上方側に向けて通過を検知しないと判断すると、調整・報知処理を経ることなく、次工程へ移行する。
【0057】
基材供給装置400から製造装置300に送出されてくるシート基材100は、変換部340にて所定の速度または所定の時間間隔で平面状から立体的な形状に加工され、紙製緩衝材200へと変換される(プロセスP500、S500)。
【0058】
而して、紙製緩衝材200は、排出部360を介して外部へ排出される(プロセスP600)。
【0059】
上記実施形態によれば、基材供給装置400は製造装置300に従来のように一体型ではなく、取り付け取り外しが自在に行えるので、梱包用紙製緩衝材製造システム10の設置・格納の自由度が向上する。また、従来のように破れ難い特定の専用紙のみに依存することなく、使用する用紙の選択肢の幅が大幅に向上するとともに、用紙の配置場所の自由度も向上するので、フレキシビリティに富み使い勝手が良く実用的に有用で生産性及び経済性に優れるものである。
【0060】
また、上記実施形態によれば、シンプル且つコンパクトな構造であるので、メンテナンスも容易で、耐久性にも優れるという効果を奏するものである。
【0061】
さらに、上記実施形態によれば、シート基材100として引っ張り強度の面で劣る再生紙を用いることをも可能としたので、環境にも優しくSDGsに貢献できるという有用なものである。
【0062】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図2乃至図4並びに図5乃至図7を参照して説明する。第1の実施形態と同一部分、同一機能については、同一符号を付して説明し、詳細な説明は省略する。
【0063】
本実施形態に係わる梱包用紙製緩衝材製造システム20は、ロール状に巻かれた紙製のシート基材100を所定の速度で立体的な形状に変換して紙製緩衝材200に形成する変換部340及び変換部340にて変換される紙製緩衝材200を排出する排出部360を備えた梱包用紙製緩衝材製造装置(以下、「製造装置」)300と、この製造装置300に取り付け取り外しが自在であって、ロール状に巻かれたシート基材100を着脱自在に装着してシート基材100を下方へ指向するよう送出するシート基材装着部420及びシート基材装着部420から送出されてくるシート基材100を下方(図5中、矢印D2方向)へ指向するよう案内し、この後上方(矢印U2方向)へ指向するよう案内することでシート機材100を所定量収容するとともに、変換機340にシート基材100を送出・供給する収容部たる収容領域460を備えた基材供給装置400とから構成されるものである。
【0064】
また、梱包用紙製緩衝材製造システム10には、収容領域460に収容されるシート基材100の収容量を監視する監視機能及びこの監視機能により収容領域460に収容されるシート基材100が所定量以下になったことを検知するとシート基材装着部420からのシート基材100の送出量または変換部340による変換速度を調整する調整機能を有する監視調整装置500が設けられている。
【0065】
基材供給装置400は、その底部400aが製造装置300のスタンド320の底部320aに取り付け取り外しが自在となるよう載置されるものである。また、基材供給装置400は、その上部側にシート基材装着部420が設けられており、着脱自在にシート基材100を装着可能としている。
【0066】
さらに、基材供給装置400は、シート基材装着部420から送出されてくるシート基材100を下方(矢印D2方向)へ指向するよう案内し、この後上方(矢印U2方向)へ指向するよう案内することでシート機材100を基材供給装置400内に所定量収容する収容領域460を設けている。この収容領域460は、上方へ指向するシート基材100を製造装置300に向けて送出する(矢印M方向)よう機能構成されている。
【0067】
ここで、シート基材装着部420及び収容領域460について、詳述する。
シート基材装着部420は、シート基材100を収容領域460に向けて送出するよう回転させる駆動ローラ424及び駆動ローラ424に併設された回転ローラ426から構成される。なお、駆動ローラ424によるシート基材100の送出速度は、通常運転では変換部340による変換速度と略同期するよう機能構成してあるが、これに限らず適宜変更可能である。
【0068】
次に、収容領域460には、収容されるシート基材100の最下端部、即ちシート基材100を下方(矢印D2方向)へ指向するよう案内し、この後上方(矢印U2方向)へ指向するよう案内する部位に方向転換用のテンションバー444が設けられている。このテンションバー444は、収容領域460の外縁部に設けられたスライド用支柱446に所定の範囲内で上下方向(垂直方向)に移動可能となるよう設けられている。そして、その自重によりシート基材100に対して引っ張り力としての負荷をかけるよう機能するものである。
【0069】
監視調整装置500は、第1の実施形態同様、制御処理部510、入力部520、出力部530及びリード/ライト可能なメモリ540を内設し、夫々が信号線550を介して接続されている(図2参照)。
【0070】
ここで、出力部530は、制御処理部510の管理下で、各種情報を出力し外部へ送出する機能を有する。例えば、シート基材100の送出量や変換部340による変換速度の調整するための指令情報を出力し、或いは収容領域460に収容されるシート基材100が所定量以下になった場合にその旨を報知情報として報知する機能を有する。
【0071】
また、センサー600は、少なくとも収容領域460に収容されるシート基材100の収容量を検知し、入力部600に検知情報として送出する機能を有する。またこの他に基材供給装置400から製造装置300に送出されるシート基材100の送出速度を検知し、入力部600に検知情報として送出する機能をも有する。
【0072】
センサー600によるシート基材100の収容量検知方法は、収容領域460の所定位置に向けて設置された赤外線センサーによる検知である。シート基材100に対して下方への引っ張り力を負荷するテンションバー444が下方から上方へ移動してセンサー600を通過すると、収容領域460内のシート基材100の収容量が所定量以下として検知することになる。他方、センサー600がテンションバー444の下方から上方への通過を検知しない場合は、収容領域460のシート基材100の収容量は所定量超の状態である。
【0073】
上記構成につき、シート基材100が紙製緩衝材200に加工・変換される処理の流れを説明する。
【0074】
ロール状のシート基材100をシート基材装着部420に装着し、収容領域部460を介して製造装置300に送出されるようセットして梱包用紙製緩衝材製造システム20を稼働させる。すると、シート基材100が駆動ローラ424によりシート基材装着部420から収容領域460内に向けて送出されてくる(図3のプロセスP100参照)。
【0075】
シート基材装着部420から送出されてくるシート基材100は、収容領域部460内の下方(矢印D2方向)へ指向するよう案内された後、上方(矢印U2方向)へ指向するよう案内される。このとき、シート機材100は、収容領域460に所定量収容されることになる(プロセスP200、図4のステップS200参照)。そして、収容領域460に所定量収容されたシート基材100は、製造装置300に向けて(矢印М方向)送出される。
【0076】
なお、収容領域460への収容に際しては、テンションバー444が送出されてくるシート基材100に所定の引っ張り力を加えてシート基材100を下方へ指向するよう案内し、この後上方へ指向するよう案内することになる。
【0077】
また、収容領域460に収容されるシート機材100の収容量は、センサー600に常時監視されることになる(プロセスP300、ステップS300)。
【0078】
ここで、収容量が所定量以下と監視調整装置500が判断した場合(ステップS300のY)、即ちセンサー600がテンションバー444の下方側から上方側への通過を検知したと判断すると、その旨が報知されるとともに調整処理が行われる(プロセスP400、S400)。調整処理としては、例えば収容量を満たすまでは変換部340による変換動作を一時停止するか変換速度を遅くする。または、シート基材装着部420からのシート基材100の供給速度を上げることで調整することになる。この後、収容量を満たす状態になると、次工程へ移行する。
【0079】
他方、所定量超と判断した場合は(ステップS300のN)、即ちセンサー600がテンションバー444の下方側から上方側への通過を検知しないと判断すると、調整・報知処理を経ることなく、次工程へ移行する。
【0080】
基材供給装置400から製造装置300に送出されてくるシート基材100は、変換部340にて所定の速度または所定の時間間隔で平面状から立体的な形状に加工され、紙製緩衝材200へと変換される(プロセスP500、S500)。
【0081】
而して、紙製緩衝材200は、排出部360を介して外部へ排出される(プロセスP600)。
【0082】
上記実施形態によれば、基材供給装置400は製造装置300に従来のように一体型ではなく、製造装置400の底部400aに載置することで取り付け取り外しが自在に行えるので、梱包用紙製緩衝材製造システム20の設置・格納の自由度が向上する。また、従来のように破れ難い特定の専用紙のみに依存することなく、使用する用紙の選択肢の幅が大幅に向上するとともに、用紙の配置場所の自由度も向上するので、フレキシビリティに富み使い勝手が良く実用的に有用で生産性及び経済性に優れるものである。
【0083】
また、上記実施形態によれば、シンプル且つコンパクトな構造であるので、メンテナンスも容易で、耐久性にも優れるという効果を奏するものである。
【0084】
さらに、上記実施形態によれば、シート基材100として引っ張り強度の面で劣る再生紙を用いることをも可能としたので、環境にも優しくSDGsに貢献できるという有用なものである。
【0085】
さて、図7は、上記実施形態の変形例である。
同実施形態と同一部分、同一機能については、同一符号を付して説明は省略する。
【0086】
本変形例では、基材供給装置400の下端部に移動自在となるようキャスターが着脱自在に設けている。また、スライド用支柱446、このスライド用支柱446に所定の範囲内で上下方向(垂直方向)に移動可能となるテンションバー444及び収容領域460は、同実施形態とは反対側の製造装置300側に設けている。
【0087】
斯様な構成にあっても、同実施形態と同様の作用効果を奏するものである。
【0088】
なお、本発明は上述した実施形態及び変形例に限定されることなく、要旨を逸脱しない限り種々の変形が可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0089】
10、20 …梱包用紙製緩衝材製造システム
100 …シート基材
200 …紙製緩衝材
300 …梱包用紙製緩衝材製造装置
340 …変換部
360 …排出部
400 …基材供給装置
420 …シート基材装着部
440 …収容部
460 …収容領域
500 …監視調整装置
600 …センサー

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7