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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156956
(43)【公開日】2023-10-25
(54)【発明の名称】LED照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 3/06 20180101AFI20231018BHJP
   F21S 8/06 20060101ALI20231018BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20231018BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20231018BHJP
   F21V 29/70 20150101ALI20231018BHJP
   F21V 29/15 20150101ALI20231018BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231018BHJP
【FI】
F21V3/06 131
F21S8/06 100
F21S8/04 130
F21V3/06 110
F21V29/503
F21V29/70
F21V29/15
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022076322
(22)【出願日】2022-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】393001372
【氏名又は名称】瀧住電機工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小林 英明
(57)【要約】
【課題】LED照明器具のLED基板を保護するとともに光拡散機能を備えた透光性カバーの重量をアクリル樹脂よりも軽くするとともに経済的な材質で形成できる。
【解決手段】本発明は、透光性カバーの材質をポリスチレン樹脂に光拡散剤として粒径が0.2マイクロメートルから30マイクロメートルの微粒子で含有量が0.2重量パーセントから0.8重量パーセントの光拡散剤42を添加して射出成型加工して形成することで、アクリル樹脂製の透光性カバーに比べて光拡散性を維持すると同時に透光性カバーの重量を軽くすることができ、さらに経済的な透光性カバーを提供する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央を上方に凸状に形成した凸部を備え下方を開口し該開口端部から水平方向にフランジを延設したシャーシと、前記フランジに固定されるとともにフランジ外形と略同心円状でフランジ外周より径方向に大きい平面状の放熱板と、前記シャーシの凸部内方と前記放熱板の上側面とで囲まれて形成された収納部に収容される電源基板と、複数のLED発光素子を電気的に接続して前記放熱板の下側面に上側面を熱的に密着して取付けられた平面状のLED基板と、前記LED基板と空間を介して前記LED基板の下方を覆う透光性カバーとで構成し、前記透光性カバーをポリポリスチレン樹脂で形成するとともに光拡散剤として粒径が0.2マイクロメートルから30マイクロメートルの微粒子を0.2重量パーセントから0.8重量パーセントの間で含有させて成形加工したLED照明器具。
【請求項2】
前記透光性カバーは中央部か外周部のどちらか一方または両方に設けられた取付け部で放熱板に固定されるとともに、前記LED基板と前記取付け部の間に断熱空間を設けた構成とした請求項1に記載のLED照明器具。
【請求項3】
天井に固定された被接続部に電気的かつ機械的に接続される接続アダプタを介して着脱可能に取り付けられたベース部と、前記ベース部の下側面に略水平に配置されて下方に光を発出する複数のLED発光素子を配置したLED基板と、前記LED基板の下方に配置されて空間を介して前記LED基板を覆うLEDカバーと、前記LEDカバーに設けられ前記ベース部に前記LEDカバーを固定する取付け部と、前記取付け部を前記LED基板から断熱空間を介して配置した構成で、前記LEDカバーをポリスチレン樹脂で形成するとともに、光拡散剤として粒径が0.2マイクロメートルから30マイクロメートルの微粒子を0.2重量パーセントから0.8重量パーセントの間で含有させて成形加工したLED照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、LED照明器具の透光性カバーまたはLEDカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示されるように、段落0049にポリスチレン樹脂も可能であるが、透明性や耐衝撃性に優れることから、ポリメタクリル酸メチル樹脂を用いることがより好ましいと記載がある。この従来技術は、透光率を改善する構成であり、単位重量当たりの材料費用も高くかつ比重もポリスチレン樹脂より大きいポリメタクリル酸メチル樹脂が必要であるといった経済的な課題があった。
【0003】
また、下記特許文献2に開示されるように、段落0036にカバー部材30の形成材料としては、特に制限されず、例えば、透過性のポリカーボネート、アクリル樹脂等が挙げられると記載がある。この従来技術は、光の透過性を考慮したものである。この従来技術は、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂は経済的に高価であることやポリスチレン樹脂に比べて比重が大きく天井等に設置する場合にその重量に耐える丈夫な構造にしなければならないといった課題があった。
【0004】
さらに、下記特許文献3に開示されるように、段落0023に、シリコーン樹脂を用いた場合には、熱や温度に対して信頼度が高いメリットがあると記載されている。この従来技術は、LED発光素子の発出する光を効率的に透過させることと適度な光拡散性を持たせることにあるが、一方でLED発光素子が発する熱に耐える材料として経済的に高価でさらに比重がポリスチレン樹脂よりも大きい樹脂材料を使いその重量に耐える丈夫な構成にして信頼性を維持する必要があるといった課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6440421号公報
【特許文献2】特許第6806862号公報
【特許文献3】特開2015-148730
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、より経済的で重量の軽いポリスチレン樹脂でLED照明器具の透光性カバーを作成し、透光性と適度な光拡散性を維持しながらLED発光素子の発する熱に耐えることができるLED照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、中央を上方に凸状に形成した凸部を備え下方を開口し該開口端部から水平方向にフランジを延設したシャーシと、前記フランジに固定されるとともにフランジ外形と略同心円状でフランジ外周より径方向に大きい平面状の放熱板と、前記シャーシの凸部内方と前記放熱板の上側面とで囲まれて形成された収納部に収容される電源基板と、複数のLED発光素子を電気的に接続して前記放熱板の下側面に上側面を熱的に密着して取付けられた平面状のLED基板と、前記LED基板と空間を介して前記LED基板の下方を覆う透光性カバーとで構成し、前記透光性カバーをポリポリスチレン樹脂で形成するとともに光拡散剤として粒径が0.2マイクロメートルから30マイクロメートルの微粒子を0.2重量パーセントから0.8重量パーセントの間で含有させて成形加工したことを特徴とするLED照明器具を提供するものである。
即ち、透光性カバーをポリスチレン樹脂で形成するとともに光拡散剤として粒径が0.2マイクロメートルから30マイクロメートルの微粒子を0.2重量パーセントから0.8重量パーセントの間で含有させて成形加工して、LEDの発出する光を効率的に透光させるとともに適度に拡散させることができる。さらにLED発光素子が発する熱に対して透光性カバーの配置をLED基板との間に空間を介する構成にすることで、高温になるLED基板から透光性カバーを遠ざけて配置することで透光性カバーが高温になることを回避する構成とすることができ、経済的で比較的軽い透光性カバーを備えたLED照明器具を提供する。
【0008】
また、本発明では、前記透光性カバーは中央部か外周部のどちらか一方または両方に設けられた取付け部で放熱板に固定されるとともに、前記LED基板と前記取付け部の間に断熱空間を設けた構成とし、LED基板の発する熱に対して断熱空間をもうけることで透光性カバーの温度上昇を抑制することができ、素材を比較的耐熱温度の低いポリスチレン樹脂にすることができるLED照明器具を提供する。
【0009】
さらに、本発明では、天井に固定された被接続部に電気的かつ機械的に接続される接続アダプタを介して着脱可能に取り付けられたベース部と、前記ベース部の下側面に略水平に配置されて下方に光を発出する複数のLED発光素子を配置したLED基板と、前記LED基板の下方に配置されて空間を介して前記LED基板を覆うLEDカバーと、前記LEDカバーに設けられ前記ベース部に前記LEDカバーを固定する取付け部と、前記取付け部を前記LED基板から断熱空間を介して配置した構成で、前記LEDカバーをポリスチレン樹脂で形成するとともに、光拡散剤として粒径が0.2マイクロメートルから30マイクロメートルの微粒子を0.2重量パーセントから0.8重量パーセントの間で含有させて成形加工したことで、LEDの発出する光を効率的に透光させるとともに適度に拡散させることができる。さらにLED発光素子が発する熱に対しても断熱空間を設けることでLEDカバーの温度上昇を抑制し、比較的耐熱温度の低いポリスチレン樹脂を素材として使用することが可能な構成とすることができ、経済的で比較的軽い透光性カバーを備えたLED照明器具を提供する。
【発明の効果】
【0010】
LED照明器具の透光性カバーを比較的比重の軽いポリスチレン樹脂で形成することで、効率的な透光性と適度な光拡散性を維持しながら比較的重量の軽い透光性カバーを形成し、LED照明器具全体の重量を軽くすることに寄与できる。
また、透光性カバーとLED基板の間に断熱空間を形成することで、熱を発生するLED基板から距離を取ることで、熱の伝導を抑制して透光性カバーの温度上昇を抑えることができる。これにより比較的耐熱温度は低いが比較的比重が小さいポリスチレン樹脂で透光性カバーを形成することができ、LED照明器具全体の重量を軽くすることができる。
さらに、天井に固定された被接続部に接続する接続アダプタを備えた本体のLED基板から空間を介してLED基板の下方を覆うとともにLED基板から断熱空間を介してLEDカバーを配置し、LEDカバーをポリスチレン樹脂で成形加工することで、LED素子の発出する光を効率的に透光させるとともに適度に拡散させることができる。また、LED発光素子が発する熱に対してもLEDカバーの温度上昇を抑えることができ、比較的耐熱温度は低いが比較的比重が小さいポリスチレン樹脂でLEDカバーを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施の形態に係るLED照明器具を示す全体側面図である。
図2図1に示すLED照明器具の部分側面図である。
図3図1に示すLED照明器具の斜視図である。
図4図1に示すLED照明器具の部分拡大断面図である。
図5図1に示すLED照明器具の分解斜視図である。
図6図4に示すLED照明器具の光拡散剤添加状態を示す部分断面拡大図である。
図7】本発明の第2の実施形態に係るLED照明器具の斜視図である。
図8図7に示すLED照明器具を下方から見た平面配置図である。
図9図7に示すLED照明器具の中央断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
このLED照明器具は、主に下方に光を発出するLED基板と、前記LED基板と空間を介して前記LED基板の下方を覆う透光性カバーとで構成し、前記透光性カバーをポリスチレン樹脂で形成するとともに光拡散剤として粒径が0.2マイクロメートルから30マイクロメートルの微粒子を0.2重量パーセントから0.8重量パーセントの間で含有させて成形加工した構成である。
また、LED基板と透光性カバーまたはLEDカバーの間に断熱空間を設ける構成である。
【実施例0013】
図1から図6は、本発明の実施例1のLED照明器具を示す。図面を参照しながら詳細を説明する。なお、本実施例は実施形態の一例であり、これに限定されるものではない。
初めに構成要素の概要を説明した後にその動作や操作と作用を説明する。
【0014】
1.LED照明器具
このLED照明器具は、LED照明器具本体1を、主に和室や天井の高い部屋に天井から吊り下げて使用するものである。日本国内では被接続部である引掛けシーリング2のような接続構成が普及しているので、これに合わせる電源接続部3を備えることが互換性や設置時の利便性を各段に向上させるものとなる。そして、電源線4は電気的な接続とともに機械的にLED照明器具本体1を吊り下げる機能も併せ持つものである。LED照明器具本体1は主に下方に光を照射し、上方は電源線4で天井とつながっているのみである。
【0015】
LED照明器具本体1を上から被うように角形や円形のセード5を被せるのが一般的であり、居室に合わせてセード5を取り換えることができるように共通の取り付け形状をしていることが一般的な形態となっている。セード5自体はデザイン性が重視されるために、本発明においては角形を例示したが多種多様なデザインのものが存在し好みに合わせて選択できる場合が多い。
【0016】
2.LED照明器具本体
LED照明器具本体1は略水平に配置されたLED基板6から光を下方に照射する構成であるので、LED基板6がLED照明器具本体1の下部に位置することになる。LED基板6に電力を供給する電源基板7は、鋼鈑をプレス加工で成形したシャーシ8を上方に凸に絞って下方を開口して形成した凸部9の内側面と放熱板10上側面とで囲まれて形成された収納部11に収容されて、LED基板6が放熱板10を介して電源基板7の下方に位置する構成にしてある。電源基板7がLED基板6より上方に位置するのは、LED基板6から照射される光が下方向に照射されるので、電源基板7がこの光を遮蔽することを避けるためである。また電源基板7で発生する熱は収納部11内の空気の対流によって電源基板7から凸部9に伝わり、多くの熱は凸部9から直接室内に放熱される。
【0017】
シャーシ8の下部にはシャーシ8のフランジ12外周より大きな円形をした略平面形状を成しシャーシ8と同心円状に水平に保持されるように放熱板10が取り付けられている。放熱板10下側面にはLED基板6が熱的に密着してねじなどで固定して取り付けられている。
略円形を基本とした円盤状のLED照明器具本体1は、放熱板10下部にLED照明器具本体1の下方を覆って取り付けられた半透明で摺りガラス状の透光性カバー13が位置する。透光性カバー13は上方を水平面で円形に開口していて、放熱板10外周が透光性カバー13外周に嵌合して密閉性を維持している。
【0018】
3.電源線
電源線4は袋打ち電線やケーブル電線で形成されている。電源線4は商用電源とLED照明器具本体1を電気的に接続するとともに、LED照明器具本体1を天井等から吊り下げる機械的な強度を要求される。そのため、袋打ちコードやケーブル電線を用いることが多い。
【0019】
4.シャーシ
シャーシ8は板厚が0.5mm程度の印刷鋼板をプレス加工して上方に天面15を備えて略円筒状に絞り、略円筒状の外壁14を形成している。外壁14の下端から水平面に沿って径方向に外に向かってフランジ12が約30mm伸設されている。シャーシ8の天面15と外壁14とで凸部9を形成している。凸部9の下方は開口している。フランジ12の外周はシャーシ8の凸部9と同心円状に形成されている。フランジ12の下面は概略水平な平面になっている。シャーシ8の天面15の外周を幅約10mm程度で段差約5mm低く天面15と円形の段差をつけた係止部16が形成されている。係止部16は、角形や丸形で素材が木製や樹脂材料などのさまざまな装飾用セード5を安定して載せるための位置決めを兼ねたセード5取り付け用の段差で、セード5の位置決めを兼ねて円形の段差を形成している。セード5は概略下方に開口して上面の略中央を略円形に貫通していて形成した穴部17を設け、シャーシ8の天面15外周に形成された係止部16に嵌める形状をしている。セード5の上面の穴部17が係止部16に係止されて位置決めと同時にLED照明器具本体1のシャーシ8の天面15に載置される。つまりシャーシ8の上部に位置する係止部16がセード5中央の穴部17に収まって位置決めしてセード5を支持する。この状態で天面15は天井側の居室空間に露出しているとともに、セード5内の空間にフランジ12と放熱板10の上側面が露出していることになる。
【0020】
また、シャーシ8内には電源基板7が配置されているので、発生する熱を放出するためにセード5上面を略円形に貫通した穴部17からシャーシ8本体の天面15が空中に露出することで、天面15が効率的に熱を排出する放熱フィンの役割を果たしている。また、穴部17がシャーシ8の係止部16に載せてあることで、フランジ12と放熱板10の上側面がセード5内方の空間に開放されているので、LED基板6で発生する熱が放熱板10を介してセード5内の空間に排出されることとなり、LED照明器具本体1で発生する熱の大部分である電源基板7とLED基板6で発生する熱が、一方でセード5の上側で電源基板7からの熱は天面15を介して放熱され、他方でセード5の内側でLED基板6の熱をフランジ12や放熱板10を介してセード5内方の空間に放熱されることとなる。
【0021】
5.電源基板
電源基板7は、略長方形に形成されてLED基板6に電力を供給するとともに、LED照明器具本体1の制御回路機能も含んでいる。電源基板7には電源線4が電気的に接続されて天井の引掛けシーリング2を介して電気が供給される。電源基板7はLED照明器具本体1内では略水平に保持され下側面に各種の電気部品が配置されている。上側面は主に銅箔により各電気部品を接続するとともに各電気部品が落下しないように半田付けによって固定している。電源基板7はシャーシ8下方から凸部9の収納部11内に収容されてシャーシ8本体および電源基板7上側面と絶縁距離を約10mm保持してネジやスペーサなどで固定されている。
電源基板7には商用電源から電力を供給されてLED基板6のLED発光素子18を発光させたり、LED基板6の制御を行ったりする。
【0022】
6.LED基板
LED基板6は八角形または略円形で、LED発光素子18が下面側に同心円状に配置されている。LED基板6下側面には銅箔(図示せず)による電気回路が形成されていて、各LED発光素子18は直列と並列の組み合わせによる様々な発光パターンを実現できる。また、LED発光素子18はLED基板6下側面に概略均一な密度で配置されている。これは発光分布を均一にすると同時に発熱をできるだけ均等に分散させるためである。LED基板6上側面は部品等を配置せずにエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の平坦な平面状態としている。
LED基板6の中央部には直径約40mmの略円形の貫通穴19が設けてある。LED基板6を下方から見ると外周と貫通穴19から放熱板10が見えることとなる。
【0023】
放熱板10は略円形状で、水平に配置された厚さが約0.5mmの亜鉛メッキ鋼板等をプレス加工して形成されている。LED基板6の上側面は平坦な面をしているので、LED基板6は放熱板10にねじ等で密着的に固定されて熱的にも結合されることとなる。LED発光素子18の発熱がLED基板6を介して放熱板10に伝わることとなる。放熱板10は略円形であり最外周は全周を下方向に約3mm絞り加工して補強壁20を形成している。補強壁20は透光性カバー13の外周に円周状に設けられた収容溝21に嵌合してほこりや虫等が透光性カバー13と放熱板10の間から侵入することを防止する。
【0024】
7.透光性カバー
LED照明器具本体1の下部には中空ドーナツ形状の軸を垂直にして配置したものを水平面で上下に切断した下側の形状をした透光性カバー13が配置されている。厚さは約2mmで材質はポリスチレン樹脂に粒径が0.2マイクロメートルから30マイクロメートルで、含有量が0.2重量パーセントから0.8重量パーセントの光拡散剤42を添加したものである。当該光拡散剤42としてはシリカ、タルク、炭酸カルシウムなどの無機微粒子の他、ポリメタクリル酸メチル、ポリアミド、メラミンなどの有機微粒子も好適に使用できる。また、要求される光線透過率などに応じて、単一の材質、粒径のものを使用してもよいし、複数のものを組み合わせてもよい。
【0025】
図6はポリスチレン樹脂22に粒径が0.2マイクロメートルから30マイクロメートルの光拡散剤42を添加して拡散させた状態で成形加工した透光性カバー13の部分断面拡大図であり、屈折率の異なるポリスチレン樹脂22と光拡散剤42の間で光が屈折を繰り返し、結果としてLED基板6から発出された光が透光性カバー13を透過して居室の空間に発出される間に、透光性カバー13内で散乱されることとなる。
【0026】
透光性カバー13の外周または中央部と放熱板10をネジで締結することで透光性カバー13が放熱板10を介してLED照明器具本体1に一体化されることとなる。固定方法はネジで締結すること以外でも良いが、経済的にも組立性や分解しやすさを考慮するとネジ止めが良い。
透光性カバー13下側面はシボ加工や凹凸に加工してあり上側から下側へ透過する光を適度に拡散させる。その目的はLED発光素子18から発出された光をより散乱させて居室全体をより均一に照明することにある。透光性カバー13の内側面(上側面)は円滑な鏡面に近い表面状態である。これはLED発光素子18からの光を反射させることで光を減衰することなく乱反射により散乱させるためである。前述のように透光性カバー13は外周または中心近くの部位を放熱板10に当接してネジ等で放熱板10を介してLED照明器具本体1と一体的に固定される。
【0027】
透光性カバー13の中央部にはネジが貫通する形状に切り抜いた第1の取付け部23が下方から放熱板10に向かって伸設さている。第1の取付け部23を介して下方からネジを放熱板10に締結することで透光性カバー13の取付けは、放熱板10を介してLED照明器具本体1と一体的に固定できることとなる。
また、透光性カバー13外周には複数の第2の取付け部24が設けてある。第2の取付け部24は透光性カバー13の外周から上方向に向かって伸設されたネジボスであり、放熱板10の外周付近に設けた貫通孔25を介して透光性カバー13に向かって上方からネジで締結する構造である。LED発光素子18から発出した光は直接見ると眩しいので、透光性カバー13はLED発光素子18が発出した光を拡散する必要がある。LED発光素子18から発出した光は、透光性カバー13との距離が大きいほど拡散性が大きくなる特性がある。よって透光性カバー13とLED基板6との距離を20mmから50mm程度離して配置すると、より光拡散性の良い透光性カバー13を得ることができる。また、LED発光素子18は光とともに熱を発生するので、LED発光素子18およびLED基板6は比較的高温に達する。そのため透光性カバー13は、透光性カバー13とLED発光素子18またはLED基板6を直接接触させることなく断熱空間26を設けて配置する形状にしてある。つまり、透光性カバー13の第1の取付け部23と第2の取付け部24を含むすべての部位と、LED発光素子18またはLED基板6との間に断熱空間26を設けて配置する構成にしてある。
透光性カバー13はLED発光素子18からの光を減衰することを抑えて透過させるとともに居室全体に散乱させることが主な機能である。さらにはLED基板6を下方から直接触れられることが無いように保護する役割もある。
【0028】
8.放熱板
放熱板10は、水平方向に平坦な平板で外径は略円形をしており外周に高さ約3mmの補強壁20が下方に伸設されている。透光性カバー13の外周に下方に凹んだ断面形状をした収容溝21が全周にわたって設けてあり、補強壁20が収容溝21に収容されて嵌合することで放熱板10と透光性カバー13の外周が気密的に密着する。放熱板10の外周に設けられた貫通孔25と前記第2の取付け部24をネジ止めすることで、気密的な固定が保持される。
また、透光性カバー13中央部の第1の取付け部23を放熱板10にネジ止めすることでも、透光性カバー13と放熱板10の気密性は維持できる。第1の取付け部23と放熱板10の間に約2mmの締め代を設けた設計にしてあるので、ネジ締めによって第1の取付け部23が放熱板10に密着するとともに、締め代がゼロになることで、透光性カバー13の外周が放熱板10に押し付けられて、透光性カバー13の外周に設けた収容溝21に放熱板10の補強壁20が収容されると同時に、さらに放熱板10の下面が収容溝21の内周上端に押し付けられることで透光性カバー13と放熱板10の外周が気密的に押し付けられた状態で工程されることとなる。
【0029】
以上のように、第1の取付け部23を放熱板10にネジ固定するか、または第2の取付け部24に貫通孔25を介して放熱板10をネジ固定することで、透光性カバー13と放熱板10の外周を気密的に密閉することができる。これにより、放熱板10と透光性カバー13に挟まれて形成される空間は気密的に保持されることとなり、放熱板10の下側面に固定されたLED基板6はこの気密的な空間内に位置することとなる。従って、LED基板6は略密閉空間に内包さる構成となる。
【0030】
LED基板6を放熱板10に固定ネジなどで固定することで密着性をよくしている。そしてLED基板6のLED発光素子18の発熱を、一方で放熱板10からフランジ12を介してシャーシ8に伝導させるとともに、他方で放熱板10上側面のフランジ12より外周側部分から直接空中に放熱する構成としてある。放熱板10と透光性カバー13でLED基板6を略密封する構成となるので、ホコリや虫がLED基板6に付着または透光性カバー13内に入り込んでLED発光素子18からの光を遮ることにより光が減衰することを防止するとともに、透光性カバー13を居室から見たときに、透光性カバー13内方に侵入したホコリや虫が透光性カバー13を介して見えることがないようにできる。
【0031】
以上の構成要素の動作や操作およびその作用を以下に説明する。
このLED照明器具本体1は天井面に予め設置されている引掛けシーリング2などの配線器具に電気的接続と機械的に吊り下げるための機構的接続が可能な電源接続部3を介して着脱自在に装着される。
【0032】
一端を電源接続部3に接続し、他端をLED照明器具本体1上部中央に接続された電源線4は、引掛けシーリング2などの配線器具とLED照明器具本体1を電気的に接続するとともに機械的にLED照明器具本体1を天井から吊り下げる。電源線4の長さは通常は約1mであるが、天井の高さや居室の条件また趣向により調整できるようにしてある。
透光性カバー13の材質を比重は1立方センチメートル当たり約1.05gのポリスチレン樹脂にすることで、比重が1立方センチメートル当たり1.19gのポリメタクリル酸メチル樹脂よりも約15%も軽く作ることができる。同じ形状であれば重量を軽く形成することができるとともに、ポリスチレン樹脂は汎用プラスチックの代表的な材料であるので、単位重量当たりの価格がポリメタクリル酸メチル樹脂より半分近い価格で入手することが可能である。従って同じ形状のLED照明器具本体1をより軽くより安価に生産することが可能となる。
【0033】
LED照明器具本体1は天井の引掛けシーリング2に電源接続部3によって電源線4を介して吊り下げられる。透光性カバー13はLED照明装置本体の一部であるので、電源線4を介して引掛けシーリング2に機械的に接続されるが、透光性カバー13が比較的軽量であれば、軽減された重量分だけ引掛けシーリング2に機械的に掛かる負荷も低減されることになる。さらに、LED照明器具本体1の着脱時に脚立などの上に立ってLED照明器具本体1の着脱作業をすることが多いので、LED照明器具本体1の重量が軽減されていることで非力な作業者でも着脱作業が容易に行えることとなる。また、誤ってLED照明器具本体1を落下させてしまった場合に、その重量がすこしでも軽いことでケガや器物の破損が軽減される効果もある。
【0034】
放熱板10の中心には透光性カバー13の第1の取付け部23が放熱板10に密着して固定されている。第1の取付け部23の放熱板10との接触部である第1の取付け部23の端部の外周には、約5mmの断熱空間26を設けてLED基板6の貫通穴19の内側端面が位置している。この断熱空間26があることで、LED基板6に配置されたLED発光素子18から発生する熱がLED基板6を伝わって来ても、貫通穴19付近で放熱板10に熱伝導する。従って断熱空間26を介して位置する第1の取付け部23まで熱が到達しないので、透光性カバー13の第1取付け部の温度は、透光性カバー13の材質であるポリスチレン樹脂の耐熱温度以下に保持される。また、LED基板6からの熱が断熱空間26で遮断されるので、第1の取付け部23以外の透光性カバー13の温度は、温度の高いLED基板6に近い第1の取付け部23よりも低いこととなる。また、LED基板6のLED発光素子18直下に位置する透光性カバー13の下方へのふくらみ部分はLED基板6からの断熱空間26の距離が一番大きいので、LED基板6からの輻射や対流による熱伝達が少なく、従って透光性カバー13の温度上昇はその材質であるポリスチレン樹脂の耐熱温度以下になる。
【0035】
以上のように、本実施例では、透光性カバー13をポリメタクリル酸メチル樹脂と同じ形状のポリスチレン樹脂と比較して比重差による軽量化が図れる旨を記述したが、部分的に薄肉化することでより軽量化するとともに、透光率を改善してポリメタクリル酸メチル樹脂に近い透光率としても良い。
【0036】
また、シャーシ8を印刷鋼板でプレス加工して形成したが、プラスチック等を射出成型などの加工方法で形成しても良い。
【0037】
以上、本発明の一実施例を説明したが、本発明はこれらの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なし得る各種変形や修正もまた本発明に含まれる。
【実施例0038】
図7から図9は、本発明の実施例2のLED照明器具を示す。図面を参照しながら詳細を説明する。
なお、本実施例は実施形態の一例であり、これに限定されるものではない。実施例1で用いた名称と符号が同一のものは実施例1と同じ形状や材質や機能である。
初めに構成要素の概要を説明した後にその動作や操作と作用を説明する。
【0039】
1. LEDシーリング照明器具
一般的に、日本国内の居室の天井に被接続部である引掛けシーリング2が標準的に備えられている。これに係合する互換性のある標準的な接続アダプタ30を回転して着脱自在に接続することで、電気的にも機械的にも任意のLEDシーリング照明器具31を着脱自在に取り付けることができる。つまり所望のデザインや仕様のLEDシーリング照明器具31を選んで取り付けることができることとなる。
LEDシーリング照明器具31の多くは、お手入れ可能にするために、LEDシーリング照明器具31の下面を着脱自在に覆う照明カバー32が取り付けてある。お手入れを所望の場合は下から照明カバー32を90度程度回転して着脱することができるものが主流である。
【0040】
2. ベース部
【0041】
ベース部33は厚さ0.6mmの塗装鋼鈑をプレス加工等で円板状に加工し、中央に直径が約75mmの係合穴34を設け、外周は円形をしたドーナツ状をしている。ベース部33の係合穴34を接続アダプタ30に係合することでベース部33を水平に保持する。接続アダプタ30を操作することでベース部33を接続アダプタ30から着脱することができる。
【0042】
ベース部33の床面側の面は白色などに塗装されていて光の反射率が大きくなるようにしてある。これにより、同じ光源を用いても室内に届く光束が比較的大きくなる。ベース部33下側面には、同心円状に1枚または複数枚に分割されたLED基板35が配置されている。各LED基板35にはLED光源素子が配置されている。LED基板35はベース部33に密着するようにネジ止めなどで固定されている。
LED基板35の上側面は平面でありベース部33と密着することにより、LED基板35で発生する熱をベース部33に伝える。LED基板35下側面にはエッチング加工により銅箔で形成された電気回路が設けられ、LED発光素子36が半田付けされている。
LED基板35の下方を覆う形状のLEDカバー37がベース部33に固定されている。
【0043】
ベース部33下側面に同心円状に配置されたLED基板35の外周外側に、LED基板35を制御する電源基板38が取り付けられている。電源基板38は接続アダプタ30から交流の商用電力を供給され、LED基板35に直流電源を供給するとともに点灯や光の強弱などの制御を行う。電源基板38の下面全体を覆うように電源カバー39がベース部33に固定されていて、直接手指で電源基板38に触れることができないようにしてある。電源カバー39は乳白色のポリカーボネート樹脂などの難燃性樹脂を射出成型して形成してある。
ベース部33と、LED基板35と、LEDカバー37と、電源基板38と、電源カバー39とでLEDシーリング照明器具31本体が構成されている。
ベース部33の上側面には、中心から角度を三等分した方向にスポンジ40が3個貼り付けてある。
3.LEDカバー
【0044】
LED基板35の下方全体を覆うように透明な樹脂を射出成型したLEDカバー37が放熱板にネジ止などの方法で取り付けてある。LEDカバー37はLED基板35下面を覆うので、LED基板35に類似した略ドーナツ状をしている。ドーナツ状をしたLEDカバー37の内周はLED基板35の内周に対応する位置よりも約5mm内側に位置することで、断熱空間41を形成している。LEDカバー37の外周はLED基板35の外周に対応する位置よりも約5mm外側に位置することで、断熱空間41を形成している。LEDカバー37全体はLED基板35から5mmから30mm程度の距離に位置する。これにより、LED基板35とLED基板35下方のLEDカバー37との間に断熱空間41を形成している。これらの断熱空間41の効果は、LEDカバー37がLED基板35に密着または接近することで、LED発光素子36から発生する熱によりLEDカバー37が変形 することや、長時間の後に樹脂劣化することを避けることができることである。
つまり、LEDカバー37の内周と外周がLED基板35から約5mm離れて断熱空間41を形成していることで、LED発光素子36で発生した熱がLED基板35を介してLEDカバー37に伝わることを防いでいる。
【0045】
LEDカバー37は基材が透明なポリスチレン樹脂を射出成型して形成されていて、平均厚さは約2mmであり、透過する光を散乱させるために、光拡散剤42を添加したものである。
光拡散剤42の説明は実施例1の図5と同じであり、段落0024から段落0025の説明の通りである。
【0046】
LEDカバー37の上面(内面)は鏡面加工されていて光が反射しやすい表面状態にしてある。一方LEDカバー37の下面(外面)は鏡面ではなく、シボ加工または凹凸加工されていてLED発光素子36からの光が透過するときに乱反射するようにしてある。
【0047】
ベース部33に固定された略ドーナツ状のLEDカバー37の内周と外周はベース部33の下面に密着していて、LED基板35を下方から覆うこととなる。LEDカバー37の内周と外周がベース部33に密着することで、手指がLED基板35に直接触れることを防いでいる。
LEDカバー37の外周から概略均等に3方向に取付け部43を水平方向に伸設し、ベース部33にネジ止めすることでLEDカバー37をベース部33に固定する。
4.照明カバー
【0048】
ベース部33の外周近くの下面を中心からの角度を約三等分した角度の位置に、3個の係合部材44が取り付けられている。LEDシーリング照明器具31本体の下面全体を覆うと同時に3個の各係合部材44に係合する突起部45を水平方向の外方に向けて伸設して、下方に丸みを帯びた凸形状に膨らんで形成された照明カバー32が、前記係合部材44に水平方向に約90度回転させて突起部45を係合部材44に係合させることで照明カバー32をベース部33に係合する。
【0049】
一般に、照明カバー32は透明樹脂に光拡散剤42を添加したシート材を圧空成形して膨らませて形成することが多い。照明カバー32の基材の材料としては、アクリル(ポリメタクリル酸メチル)、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの樹脂を多く用いる。また、光拡散剤42を添加することで、LEDカバー37で一度拡散させた光をさらに拡散させて居室全体に均等に照射することができる。
照明カバー32に光拡散剤42を添加するのは、LEDカバー37によりLED発光素子36が発出する光を一度乱反射させて拡散させているが、さらに居室全体に拡散させることと同時に、電源カバー39や係合部材44が見えないようにするためのデザイン的な意味がある。つまり、居室からLEDシーリング照明器具31を見上げたときに目視できるのは、照明カバー32とベース部33の外周の一部のみとなる。
【0050】
以上の構成要素の動作や操作およびその作用を以下に説明する。
引掛けシーリング2に接続アダプタ30を取り付けて、LEDシーリング照明器具31本体を水平に保持した状態のまま、中央に設けた係合穴34を接続アダプタ30に対して下から押し上げて、LEDシーリング照明器具31本体を接続アダプタ30の係合爪46に係止する。このとき、ベース部33が接続アダプタ30の係合爪46に係合することで、ベース部33の上側面に貼り付けてあるスポンジ40が天井とベース部33の上側面の間で圧縮されることに反発してベース部33を下方に押し下げようとする。結果としてベース部33を介して係合穴34が接続アダプタ30の係合爪46を下方に常時押すこととなり、接続アダプタ30とベース部33の係合ガタツキを抑止することになる。
【0051】
この時点で照明カバー32はまだ取り付けられていない。次にコネクタ(図示せず)で接続アダプタ30と電源基板38を電気的に接続する。商用電源に電源基板38が接続されているので電源基板38とLED基板35の充電部には電気を供給することが可能になる。しかし、LEDカバー37および電源カバー39が取り付けられているので手指がLED発光素子18や電源基板38などの充電部に触れることはない。
居室から天井方向を目視すると、電源カバー39、LEDカバー37および接続アダプタ30が直視できる状態である。照明カバー32の突起部45を係合部材44に係止することでLEDシーリング照明器具31としての取付けが完成する。
【0052】
LEDシーリング照明器具31を点灯させると、電源基板38からLED基板35に電気が供給されてLED発光素子36が光を発出する。発出された光はLEDカバー37上側面を透過するとともに一部は反射されるがベース部33下側面の白色塗装に反射されて再びLEDカバー37上側面に到達しLEDカバー37を通過する。LEDカバー37内部を通過するときに、LEDカバー37に含有される光拡散剤42によりLEDカバー37内部で乱反射される。LEDカバー37を通過した光はLEDカバー37下側面を通過して、更に下方に向かう。LEDカバー37下側面を透過するときにLEDカバー37下側面のシボ面または凹凸面で再び乱反射される。
【0053】
LEDカバー37と通過した光は乱反射により、居室下方向から見るとすでにLED発光素子36が見えない程度に乱反射されている。この光がさらに照明カバー32に達すると照明カバー32に含まれる光拡散剤42によりさらに乱反射されて、照明カバー32を通過した光は居室を均等に照射することとなる。
【0054】
以上のように、本実施例ではLEDカバー37に添加した光拡散剤42を照明カバー32に用いたが、照明カバー32の温度上昇がLEDカバー37よりも小さいので、同じ光拡散剤42を用いなくてもよい。
【0055】
また、LEDカバー37は射出成型としたが、圧空加工や樹脂シートの熱プレス加工などでも良い。材質がポリスチレン樹脂を主成分とする材質であれば良い。主成分とは重量比率で70%以上を意味する。
【0056】
さらに、照明カバー32で光を拡散させるのに光拡散剤42を用いたが、さらなる効果として、照明カバー32の上側面を鏡面加工して光の反射率を改善することや、下側面にシボ加工などの凹凸加工を施して光が透過するときに乱反射する構成にすることで、居室にさらに均一な光を発出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、リビングや和室や洋室、更には寝室やこども部屋当の各居室や廊下や玄関等の天井面や壁面等に沿って設置されるLED照明器具として、広く適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 LED照明器具本体
2 引掛けシーリング
3 電源接続部
4 電源線
5 セード
6 LED基板
7 電源基板
8 シャーシ
9 凸部
10 放熱板
11 収納部
12 フランジ
13 透光性カバー
14 外壁
15 天面
16 係止部
17 穴部
18 LED発光素子
19 貫通穴
20 補強壁
21 収容溝
22 ポリスチレン樹脂
23 第1の取付け部
24 第2の取付け部
25 貫通孔
26 断熱空間
30 接続アダプタ
31 LEDシーリング照明器具
32 照明カバー
33 ベース部
34 係合穴
35 LED基板
36 LED発光素子
37 LEDカバー
38 電源基板
39 電源カバー
40 スポンジ
41 断熱空間
42 光拡散剤
43 取付け部
44 係合部材
45 突起部
46 係合爪
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9