(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156996
(43)【公開日】2023-10-25
(54)【発明の名称】画像処理装置、データ管理装置、画像処理システム、及び画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06V 10/764 20220101AFI20231018BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20231018BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20231018BHJP
G06V 20/69 20220101ALI20231018BHJP
G01N 33/483 20060101ALI20231018BHJP
G01N 33/48 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
G06V10/764
G06T1/00 400B
G06T7/00 350B
G06T7/00 630
G06V20/69
G01N33/483 C
G01N33/48 M
G01N33/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060223
(22)【出願日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】P 2022066601
(32)【優先日】2022-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000141897
【氏名又は名称】アークレイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤本 浩司
【テーマコード(参考)】
2G045
5B047
5L096
【Fターム(参考)】
2G045AA25
2G045CB01
2G045FA19
2G045JA01
2G045JA03
5B047AA07
5B047AA17
5B047BA01
5B047BB04
5B047BC14
5B047CB13
5B047CB21
5B047DC09
5B047EA01
5L096BA06
5L096BA13
5L096GA51
5L096KA04
5L096KA15
5L096MA07
(57)【要約】
【課題】画像処理装置が所定の分類毎に適切に分類することが難しい有形成分画像を、有形成分画像を分類する分類処理に関する処理が実行されるデータ管理装置に送信する。
【解決手段】画像処理装置10は、複数の有形成分画像を取得する取得部11Aと、複数の有形成分画像を所定の分類毎に検出成分として分類し、分類結果についての適合度を算出する第1分類部11Bと、算出された適合度に基づいて、複数の有形成分画像のうち特定の有形成分画像を、ネットワーク回線を介してデータ管理装置に送信する送信部11Dと、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の有形成分画像を取得する取得部と、
前記複数の有形成分画像を所定の分類毎に検出成分として分類し、分類結果についての適合度を算出する第1分類部と、
前記第1分類部により算出された適合度に基づいて、前記複数の有形成分画像のうち特定の有形成分画像を、ネットワーク回線を介してデータ管理装置に送信する送信部と、
を備えた画像処理装置。
【請求項2】
前記送信部は、前記複数の有形成分画像のうち前記適合度が閾値以下の有形成分画像を、前記データ管理装置に前記特定の有形成分画像として送信する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第1分類部は、過去に得られた有形成分画像の各々に所定の分類毎の検出成分を対応付けて得られた学習用データを機械学習することにより生成され、かつ、有形成分画像を入力とし、所定の分類毎の検出成分を出力する第1学習済みモデルを用いて、前記複数の有形成分画像を分類する
請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記データ管理装置から、前記特定の有形成分画像を検出成分として分類して得られた分類結果を受信する受信部、を更に備えた
請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記特定の有形成分画像は、複数であり、
前記複数の特定の有形成分画像のうち類似する有形成分画像をグループ化し、グループ化した類似の有形成分画像の中から代表となる代表画像を選択する選択部を更に備え、
前記送信部は、前記選択部により選択された代表画像を前記データ管理装置に送信する
請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像処理装置とネットワーク回線を介して接続されたデータ管理装置であって、
前記画像処理装置から受信した特定の有形成分画像を検出成分として分類する第2分類部と、
前記第2分類部による分類結果を前記画像処理装置に返信する返信部と、
を備えたデータ管理装置。
【請求項7】
画像処理装置と、
前記画像処理装置とネットワーク回線を介して接続されたデータ管理装置と、
を含む画像処理システムであって、
前記画像処理装置は、
複数の有形成分画像を取得する取得部と、
前記複数の有形成分画像を所定の分類毎に検出成分として分類し、分類結果についての適合度を算出する第1分類部と、
前記第1分類部により算出された適合度に基づいて、前記複数の有形成分画像のうち特定の有形成分画像を前記データ管理装置に送信する送信部と、
を備え、
前記データ管理装置は、
前記画像処理装置から受信した前記特定の有形成分画像を検出成分として分類する第2分類部と、
前記第2分類部による分類結果を前記画像処理装置に返信する返信部と、
を備えた
画像処理システム。
【請求項8】
前記第1分類部は、過去に得られた有形成分画像の各々に所定の分類毎の検出成分を対応付けて得られた学習用データを機械学習することにより生成され、かつ、有形成分画像を入力とし、所定の分類毎の検出成分を出力する第1学習済みモデルを用いて、前記有形成分画像を分類する
請求項7に記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記第2分類部は、前記学習用データよりも多くの検出成分が対応付けられた別の学習用データを、前記機械学習のアルゴリズムと同一のアルゴリズムを用いて機械学習することにより生成された第2学習済みモデルを用いて、前記特定の有形成分画像を分類する
請求項8に記載の画像処理システム。
【請求項10】
前記第2分類部は、前記学習用データを、前記機械学習のアルゴリズムよりも分類性能が高い別のアルゴリズムを用いて機械学習することにより生成された第2学習済みモデルを用いて、前記特定の有形成分画像を分類する
請求項8に記載の画像処理システム。
【請求項11】
前記第2分類部は、前記学習用データよりも多くの検出成分が対応付けられた別の学習用データを、前記機械学習のアルゴリズムよりも分類性能が高い別のアルゴリズムを用いて機械学習することにより生成された第2学習済みモデルを用いて、前記特定の有形成分画像を分類する
請求項8に記載の画像処理システム。
【請求項12】
前記データ管理装置は、前記特定の有形成分画像を表示する表示部を更に備え、
前記第2分類部は、前記表示部に表示された前記特定の有形成分画像に対する、ユーザによる分類操作に従って、前記特定の有形成分画像を分類する
請求項7又は請求項8に記載の画像処理システム。
【請求項13】
前記特定の有形成分画像は、前記第1分類部により前記所定の分類毎に検出成分として分類できなかった有形成分画像を含む
請求項7又は請求項8に記載の画像処理システム。
【請求項14】
複数の有形成分画像を取得し、
前記複数の有形成分画像を所定の分類毎に検出成分として分類し、分類結果についての適合度を算出し、
前記算出された適合度に基づいて、前記複数の有形成分画像のうち特定の有形成分画像を、ネットワーク回線を介してデータ管理装置に送信することを、
コンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理装置、データ管理装置、画像処理システム、及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、フロー方式による画像撮影により所定の分類毎に分類された有形成分画像を再分類する場合に、分類作業における誤操作の発生を抑制する情報処理装置が記載されている。この情報処理装置は、複数種類の有形成分を含み、かつ、フローセルを流れる検体流体を撮影して得られる複数の画像から、有形成分として認識した有形成分画像を切り出し、切り出した有形成分画像を所定の分類毎に検出成分として分類する分類部と、分類部により検出成分として分類された有形成分画像を、異なる分類に再分類する場合に、検出成分の分類に含まれる有形成分画像の第1画像リストを表示部に表示させた状態で、移動先の分類の選択を受け付け、更に、第1画像リスト及び移動先の分類に含まれる有形成分画像の第2画像リストを表示部に同時に表示させた状態で、第1画像リストから選択された有形成分画像を、第2画像リストに移動させる制御を行う制御部と、を備える。
【0003】
また、特許文献2には、多種多様な尿中の沈渣成分の沈渣物を確定する時間を短縮し、分析効率を向上できる尿沈渣分析装置が記載されている。この尿沈渣分析装置は、試料中の細胞の画像を撮像する光学系と、撮像した画像中の細胞の特徴を抽出する画像処理器と、抽出された特徴から細胞を形態学的に自動分類する識別判定部を備えた分析部と、自動分類した結果および撮影した画像の表示および再分類を行うデータ操作部とを備える。この尿沈渣分析装置は、再分類結果確定権を含む分析結果の閲覧および再編集を行う機能を有する主データ操作部と、再分類結果決定権を持たない従データ操作部を複数台有し、主データ操作部、あるいは従データ操作部によって再分類された結果をもとに、主データ操作部にて分類結果を確定する。
【0004】
また、特許文献3には、臨床検査システムにおいて他の装置と通信可能な画像処理装置によって実行される画像処理方法が記載されている。この画像処理方法は、被検体について2 以上の画像を撮影するステップと、撮影した画像から前記他の装置に送信する画像
を選択するステップと、選択された画像を他の装置へ送信するステップとを備え、撮影するステップにおいて撮影された画像は、患者を特定する情報に関連付けられており、患者には、成分が関連付けられており、選択するステップは、少なくとも、撮影するステップにおいて撮影された画像に関連付けられた患者に関連付けられた成分以外の成分を含む画像を、他の装置に送信する画像として選択するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-085535号公報
【特許文献2】特開2000-258335号公報
【特許文献3】特許第6277702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、画像処理装置において有形成分画像を所定の分類毎の検出成分として分類する場合に、予め機械学習された学習済みモデルを搭載する場合がある。しかし、画像処理装置に搭載された学習済みモデルを常に最新の状態にしておくことは容易ではないため、画像処理装置に搭載された学習済みモデルのみで多種多様の有形成分画像を適切に分類することは難しい。上記特許文献1~3に記載の技術においても分類が困難な有形成分画像については考慮されていない。
【0007】
本開示は、上記の点に鑑みてなされたものであり、画像処理装置が所定の分類毎に適切に分類することが難しい有形成分画像を、有形成分画像を分類する分類処理に関する処理が実行されるデータ管理装置に送信することができる画像処理装置、データ管理装置、画像処理システム、及び画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の一態様に係る画像処理装置は、複数の有形成分画像を取得する取得部と、前記複数の有形成分画像を所定の分類毎に検出成分として分類し、分類結果についての適合度を算出する第1分類部と、前記第1分類部により算出された適合度に基づいて、前記複数の有形成分画像のうち特定の有形成分画像を、ネットワーク回線を介してデータ管理装置に送信する送信部と、を備える。
【0009】
更に、上記目的を達成するために、本開示の一態様に係るデータ管理装置は、画像処理装置とネットワーク回線を介して接続されたデータ管理装置であって、前記画像処理装置から受信した特定の有形成分画像を検出成分として分類する第2分類部と、前記第2分類部による分類結果を前記画像処理装置に返信する返信部と、を備える。
【0010】
更に、上記目的を達成するために、本開示の一態様に係る画像処理システムは、画像処理装置と、前記画像処理装置とネットワーク回線を介して接続されたデータ管理装置と、を含む画像処理システムであって、前記画像処理装置は、複数の有形成分画像を取得する取得部と、前記複数の有形成分画像を所定の分類毎に検出成分として分類し、分類結果についての適合度を算出する第1分類部と、前記第1分類部により算出された適合度に基づいて、前記複数の有形成分画像のうち特定の有形成分画像を前記データ管理装置に送信する送信部と、を備え、前記データ管理装置は、前記画像処理装置から受信した前記特定の有形成分画像を検出成分として分類する第2分類部と、前記第2分類部による分類結果を前記画像処理装置に返信する返信部と、を備える。
【0011】
更に、上記目的を達成するために、本開示の一態様に係る画像処理プログラムは、複数の有形成分画像を取得し、前記複数の有形成分画像を所定の分類毎に検出成分として分類し、分類結果についての適合度を算出し、前記算出された適合度に基づいて、前記複数の有形成分画像のうち特定の有形成分画像を、ネットワーク回線を介してデータ管理装置に送信することを、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本開示によれば、画像処理装置において分類が困難な有形成分画像を分類する分類処理が実行されるデータ管理装置に送信することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1の実施形態に係る測定システムの構成の一部を示す斜視図である。
【
図2】第1の実施形態に係る測定システムの構成の一例を示す模式図である。
【
図3】第1の実施形態に係る画像処理システムの電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施形態に係る画像処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】実施形態に係る測定結果画面の一例を示す正面図である。
【
図6】実施形態に係る有形成分画像リスト画面の一例を示す正面図である。
【
図7】実施形態に係るデータ管理装置に送信する有形成分画像の特定処理の説明に供する図である。
【
図8】第1の実施形態に係るデータ管理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】実施形態に係るデータ管理装置による有形成分画像の分類処理の説明に供する図である。
【
図10】第1の実施形態に係る画像処理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】第1の実施形態に係るデータ管理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】第2の実施形態に係る画像処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図13】第2の実施形態に係る画像処理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本開示と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0015】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る測定システム70の構成の一部を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る測定システム70は、フローセル40と、筐体72と、カメラ74と、光源76と、を備えている。なお、
図1に示す矢印UPは、測定システム70の上下方向の上側を示している。
【0016】
本実施形態に係るフローセル40は、例えば、シース流体と共に、検体流体の一例である尿検体を導入することで、尿検体中の有形成分をカメラ74により撮影し、撮影された画像の有形成分の形状等から各種の分析を行う尿中有形成分検査(尿沈渣検査)に適用するものである。このカメラ74は、撮影部の一例である。尿検体中には、複数種類の有形成分が含まれている。この有形成分の種類としては、一例として、赤血球、白血球、上皮細胞、円柱、細菌等が挙げられる。なお、本実施形態においては、検体流体の一例として、尿検体を用いて、尿中有形成分検査を行う場合について説明するが、血液、細胞、体液等を対象とした有形成分検査に使用することも可能である。
【0017】
測定システム70は、フローセル40が配置される筐体72を備えている。筐体72には、フローセル40が挿入される凹部72Aが形成されており、筐体72の凹部72Aを含む位置は、透明な部材(一例としてガラス等)で形成されている。筐体72の内部には、フローセル40と対向する位置にカメラ74が設けられている。筐体72の上側には、カメラ74とフローセル40を挟んで対向する位置に光源76が設けられている。カメラ74は、フローセル40を流れる検体流体を撮影可能な位置に配置されている。
【0018】
測定システム70は、フローセル40内の検体流路(図示省略)の検体取入口42に検
体流体を供給する第1供給装置78を備えている。第1供給装置78は、検体取入口42に一端部が接続される供給管80と、供給管80の途中に設けられたポンプ82と、供給管80の他端部に接続されると共に検体流体が貯留される検体貯留部84と、を備えている。
【0019】
測定システム70は、フローセル40内のシース流路(図示省略)のシース取入口44にシース流体を供給する第2供給装置86を備えている。第2供給装置86は、シース取入口44に一端部が接続される供給管88と、供給管88の途中に設けられたポンプ90と、供給管88の他端部に接続されると共にシース流体が貯留されるタンク92と、を備えている。
【0020】
また、フローセル40には、検体取入口42とシース取入口44との間に排出口46が設けられている。排出口46には、排出管(図示省略)の一端部が接続されており、この排出管の他端部が廃棄タンク(図示省略)に接続されている。フローセル40は、検体取入口42から導入された検体と、シース取入口44から導入されたシース液とを合流させる合流部(図示省略)を備え、合流した流体が流路内を流れる。検体流中の有形成分をカメラ74で撮影する。
【0021】
図2は、第1の実施形態に係る測定システム70の構成の一例を示す模式図である。
図2に示すように、本実施形態に係る測定システム70は、画像処理装置10を備えている。なお、
図2に示す矢印UPは、
図1と同様に、測定システム70の上下方向の上側を示している。
【0022】
画像処理装置10は、カメラ74、光源76と電気的に接続された光源作動部77、ポンプ82、及びポンプ90の動作をそれぞれ制御する制御装置としての機能を有している。画像処理装置10は、パルス信号を光源作動部77に与えることで光源76を所定の間隔で発光させる。また、画像処理装置10は、ポンプ82を駆動させて、検体流体の流量を制御すると共に、ポンプ90を駆動させて、シース流体の流量を制御する。図示は省略しているが、複数のカメラ74と、各々のカメラ74に光を導く光学系を備えていてもよい。各光学系は各カメラ74がフローセル40中において異なる位置(深さ)に焦点が合うように調整されている。言い換えると、複数のカメラ74によって、水平面では同じ位置で、異なる深さ位置に焦点があった複数の画像を同時に撮影している。同時に撮影した撮影画像は、対応付けて、後述の
図3に示す記憶部15に記憶される。ここでいう深さ方向とは、検体流体の流れる方向に対して垂直な方向であり、
図2でいう上下方向を意味する。各焦点とフローセル40のカメラ74に近い側の壁面までの距離が異なる。
【0023】
図3は、第1の実施形態に係る画像処理システム100の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
図3に示すように、本実施形態に係る画像処理システム100は、画像処理装置10と、データ管理装置20と、を備えている。画像処理装置10は、ネットワーク回線Nを介してデータ管理装置20と接続されている。画像処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Randam Access Memory)13と、入出力インタフェース(I/O)14と、記憶部15と、表示部16と、操作部17と、通信部18と、接続部19と、を備えている。なお、CPU11は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであってもよい。
【0025】
本実施形態に係る画像処理装置10には、例えば、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等の汎用的なコンピュータ装置が適用される。なお
、画像処理装置10には、スマートフォン、タブレット端末等の携帯可能なコンピュータ装置を適用してもよい。また、画像処理装置10は、複数のユニットに分かれていてもよい。例えば、カメラ74、光源76、ポンプ82、ポンプ90などの測定系を制御するユニットと、カメラ74で撮影した画像の処理及び解析を行うユニットとを含んで構成されていてもよい。また、画像処理装置10は、測定システム70に外部接続されてもよい。
【0026】
CPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14によって制御装置が構成される。制御装置は、例えば、カメラ74、光源76、ポンプ82、ポンプ90などの測定系を制御する機能と、カメラ74で撮影した画像の処理及び解析を行う機能とを有する。これらのCPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14の各部はバスを介して各々接続されている。
【0027】
I/O14には、記憶部15と、表示部16と、操作部17と、通信部18と、接続部19と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O14を介して、CPU11と相互に通信可能とされる。
【0028】
制御装置は、画像処理装置10の一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、画像処理装置10の全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。制御装置の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はIC(Integrated Circuit)チップセットが用いられる。上記各ブロックに個別の回路を用いてもよいし、一部又は全部を集積した回路を用いてもよい。上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。制御装置の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いてもよい。
【0029】
記憶部15としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部15には、本実施形態に係る画像分類処理を行うための画像処理プログラム15Aが記憶される。なお、この画像処理プログラム15Aは、ROM12に記憶されていてもよい。なお、記憶部15は、メモリが外付けされたり、後から増設されたりしてもよい。
【0030】
画像処理プログラム15Aは、例えば、画像処理装置10に予めインストールされていてもよい。画像処理プログラム15Aは、不揮発性の非一時的記憶媒体に記憶して、又はネットワーク回線Nを介して配布して、画像処理装置10に適宜インストールしたり、アップグレードしたりすることで実現してもよい。なお、不揮発性の非一時的記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memor
y)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile
Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0031】
表示部16には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal
Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部16は、タッチパネルを一体的に有していてもよい。操作部17には、例えば、キーボードやマウス等の操作入力用のデバイスが設けられている。表示部16及び操作部17は、画像処理装置10のユーザから各種の指示を受け付ける。表示部16は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果や、処理に対する通知等の各種の情報を表示する。
【0032】
通信部18は、インターネットや、LAN(Local Area Network)
、WAN(Wide Area Network)等のネットワーク回線Nに接続されており、データ管理装置20との間でネットワーク回線Nを介して通信が可能とされる。
【0033】
接続部19は、例えば、カメラ74、光源76、ポンプ82、ポンプ90などが接続される。これらのカメラ74、光源76、ポンプ82、ポンプ90などの測定系は、上記の制御装置によって制御される。接続部19は、カメラ74が出力する画像を入力する入力ポートとしても機能する。
【0034】
一方、本実施形態に係るデータ管理装置20は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、入出力インタフェース(I/O)24と、記憶部25と、表示部26と、操作部27と、通信部28と、を備えている。なお、CPU21は、例えば、GPU等のプロセッサであってもよい。
【0035】
本実施形態に係るデータ管理装置20には、例えば、サーバコンピュータ等の汎用的なコンピュータ装置が適用される。データ管理装置20は、画像処理装置10よりも多くのデータ処理を行うため、データ管理装置20が有するメモリは画像処理装置10が有するメモリよりもアクセス速度が高速であることが望ましく、データ管理装置20が有するCPUは画像処理装置10が有するCPUよりも処理速度が高速であることが望ましい。
【0036】
CPU21、ROM22、RAM23、及びI/O24によって制御部が構成される。これらのCPU21、ROM22、RAM23、及びI/O24の各部はバスを介して各々接続されている。
【0037】
I/O24には、記憶部25と、表示部26と、操作部27と、通信部28と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O24を介して、CPU21と相互に通信可能とされる。
【0038】
記憶部25としては、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部25には、本実施形態に係る画像分類処理を行うためのデータ管理プログラム25Aが記憶される。なお、このデータ管理プログラム25Aは、ROM22に記憶されていてもよい。なお、記憶部25は、メモリが外付けされたり、後から増設されたりしてもよい。
【0039】
データ管理プログラム25Aは、例えば、データ管理装置20に予めインストールされていてもよい。データ管理プログラム25Aは、不揮発性の非一時的記憶媒体に記憶して、又はネットワーク回線Nを介して配布して、データ管理装置20に適宜インストールしたり、アップグレードしたりすることで実現してもよい。なお、不揮発性の非一時的記憶媒体の例としては、CD-ROM、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0040】
表示部26には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ等が用いられる。表示部26は、タッチパネルを一体的に有していてもよい。操作部27には、例えば、キーボードやマウス等の操作入力用のデバイスが設けられている。表示部26及び操作部27は、データ管理装置20のユーザから各種の指示を受け付ける。表示部26は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果や、処理に対する通知等の各種の情報を表示する。
【0041】
通信部28は、インターネットや、LAN、WAN等のネットワーク回線Nに接続されており、画像処理装置10との間でネットワーク回線Nを介して通信が可能とされる。
【0042】
次に、
図4を参照して、第1の実施形態に係る画像処理装置10の機能的な構成について具体的に説明する。
【0043】
本実施形態に係る画像処理装置10のCPU11は、記憶部15に記憶されている画像処理プログラム15AをRAM13に書き込んで実行することにより、
図4に示す各部として機能する。
【0044】
図4は、第1の実施形態に係る画像処理装置10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0045】
図4に示すように、本実施形態に係る画像処理装置10のCPU11は、取得部11A、第1分類部11B、表示制御部11C、送信部11D、及び受信部11Eとして機能する。
【0046】
記憶部15には、画像分類処理に用いる第1学習済みモデル15Cが記憶されている。第1学習済みモデル15Cは、第1分類部11Bによる画像分類処理に用いるモデルである。
【0047】
取得部11Aは、カメラ74によりフローセル40を流れる検体流体を撮影して得られる複数の画像(一例として、300枚、1000枚)から、検体流体に含まれる複数種類の有形成分を有形成分画像として切り出し、切り出した複数の有形成分画像を取得する。
【0048】
第1分類部11Bは、取得部11Aにより取得された複数の有形成分画像を所定の分類(例えば、有形成分の種類、大きさ、形状、核の有無等)毎に検出成分として分類する。第1分類部11Bにより所定の分類毎に分類された有形成分画像群は、検体毎に分けて一時的に記憶部15に記憶される。有形成分画像を分類する方法としては、一例として、機械学習を用いた方法や、パターンマッチングを用いた方法等、各種の公知の技術が適用される。本実施形態に係る有形成分画像群は、例えば、第1学習済みモデル15Cを用いて分類される。第1学習済みモデル15Cは、過去に得られた有形成分画像の各々に所定の分類毎の検出成分を対応付けて得られた学習用データを機械学習することにより生成されたモデルである。つまり、学習用データは教師有りのデータとされる。第1学習済みモデル15Cは、有形成分画像を入力とし、所定の分類毎の検出成分を出力する。機械学習を行う学習モデルには、例えば、CNN(Convolutional Neural Network:畳み込みニューラルネットワーク)等が用いられる。機械学習の手法には、例えば、ディープラーニング等が用いられる。有形成分画像群は、個々の有形成分画像として説明する場合には、有形成分画像とも称する。
【0049】
また、第1分類部11Bは、有形成分画像を分類する際に、使用している画像分類方法(一例として、機械学習、パターンマッチング等)に基づいて適合度を算出する。ここでいう適合度とは、分類結果の画像についての分類確度を示し、所定の分類毎の画像について、正解画像又は予め定めた特徴点と一致する割合が高いほど高い値が付与される。正解画像又は特徴点と完全に一致する場合、適合度は100%となる。すなわち、適合度が比較的低い有形成分画像は、適切な分類がなされていない可能性が高いと考えられる。なお、適合度は適合率として表してもよい。
【0050】
適合度は、有形成分画像における有形成分の画像の写り方によって値が変わり得る。具体的には、有形成分に焦点が合った画像では、機械学習等を用いた分類により判定しやすいため、正確な分類に対する適合度は高く、不正確な分類に対する適合度は低くなる。しかし、有形成分に焦点が合っていない画像、すなわち、有形成分がぼやけた画像では、正確な分類に対する適合度は低くなり、かつ、正確な分類に対する適合度と不正確な分類に対する適合度の差も小さくなる。また、複数の有形成分が重なった画像では、適合度は低い値となり得る。また、正確には未分類と判定されるべき学習済みモデルで学習をしていない希少な検体中の項目は、学習済みの項目と判定することがあるが、この場合の適合度は低い値となる。
【0051】
表示制御部11Cは、第1分類部11Bにより検出成分として分類された有形成分画像を、有形成分個別画像として表示部16に表示させる制御を行う。これにより、検査技師等のユーザが有形成分個別画像を目視でチェックすることができる。
【0052】
ここで、
図5及び
図6を参照して、本実施形態に係る画像分類処理における具体的な画面例について説明する。
【0053】
図5は、本実施形態に係る測定結果画面50の一例を示す正面図である。測定結果画面50は、表示制御部11Cにより表示部16に表示される。
【0054】
図5に示すように、本実施形態に係る測定結果画面50は、項目毎の測定結果の一覧を表示している。測定結果としては、有形成分名と、その成分の含有量又は含有個数や、含有量の指標となる定性表示等が示される。また、測定結果画面50には、有形成分名50A及び有形成分ボタン50Bが設けられている。
【0055】
図5に有形成分として示す項目のうち、主要な項目として、例えば、RBCは赤血球、WBCは白血球、NSEは非扁平上皮細胞、SQECは扁平上皮細胞、NHCはその他円柱、BACTは細菌を各々示している。また、CRYSは結晶、YSTは酵母、HYSTは硝子円柱、MUCSは粘液糸、SPRMは精子、WBCCは白血球塊を各々示している。また、UNCLは、赤血球、白血球、非扁平上皮細胞、扁平上皮細胞、その他円柱、細菌、結晶、酵母、硝子円柱、粘液糸、精子、白血球塊以外の有形成分 、あるいは、例えば髪の毛や埃のような尿検体に由来しない夾雑物(以下、未分類とも言う。)を示している。すなわち、第1分類部11Bが分類する所定の分類毎の検出成分とは、これらの各々の有形成分として示す項目、および、未分類を示す項目として定義した分類に対応する。
【0056】
ここで、表示制御部11Cは、測定結果画面50において、分類項目の中から選択した分類の画像リスト(例えば、後述の
図6参照)を表示させて有形成分画像の確認を行った分類に対して、確認済みを示すマークを付与する制御を行う。
図5に示す測定結果画面50では、分類項目のうち、画像リストの確認を行った項目に対して、確認済みを示すマーク50Cが付与されている。なお、再分類(分類変更)が行われた場合には、その結果が反映された測定結果が表示される。
【0057】
図5に示す測定結果画面50において、有形成分名50A又は有形成分ボタン50Bがクリック操作等により選択されると、選択された分類項目の有形成分個別画像が、一例として、
図6に示す有形成分画像リスト画面51として表示部16に表示される。
【0058】
図6は、本実施形態に係る有形成分画像リスト画面51の一例を示す正面図である。
【0059】
図6に示すように、本実施形態に係る有形成分画像リスト画面51は、画像を確認したい有形成分として選択された有形成分画像リスト51Aを表示している。この有形成分画像リスト画面51は、表示部16に表示される。
【0060】
図6に示す有形成分画像リスト画面51は、検出成分の第1項目ボタン群52と、移動先の第2項目ボタン群53と、を含んでいる。検出成分の第1項目ボタン群52は、検出成分の種類毎に設けられている。同様に、移動先の第2項目ボタン群53は、移動先の分類項目毎に設けられている。一例として、上述したように、「RBC」は赤血球を示し、「WBC」は白血球を示し、「SQEC」は扁平上皮細胞を示し、「UNCL」は未分類を示している。なお、
図6に示す例では、検出成分の第1項目ボタン群52の「SQEC」が選択された状態であるため、有形成分画像リスト画面51には、扁平上皮細胞の画像のリストが表示されている。
【0061】
また、
図6に示す有形成分画像リスト画面51は、複数の操作ボタンB1~B6を操作可能に表示している。操作ボタンB1は、有形成分画像を拡大表示すると共に、画像の拡大に合わせてスケール(長さ)を表示するためのボタンである。
図6に示す例では、スケールが10μm/画素として表示されている。また、操作ボタンB2は、焦点位置の異なる有形成分画像を切り替えて表示させるためのボタンである。
図6に示す例では、フローセル40中の深さ方向における焦点位置を上層、中層、及び下層の3つの層に対応して切り替え可能とされている。また、操作ボタンB3は、検出成分の有形成分画像を移動先に移動させるためのボタンである。また、操作ボタンB4は、画像分類の編集作業を1つ前
に戻すためのボタンである。また、操作ボタンB5は、後述する「見本」となる有形成分画像を表示させるためのボタンである。また、操作ボタンB6は、有形成分画像の拡大率を設定したり、有形成分画像の輝度やコントラスト比等を設定したりするウィンドウを表示させるためのボタンである。
【0062】
図6に示す複数の操作ボタンB1~B6を操作することにより、有形成分画像の表示態様を変更することができるため、有形成分の判別が行いやすくなる。なお、各操作ボタンは、タッチパネルである表示部16に表示されていてもよいし、操作部17として設けられていてもよい。
【0063】
図6に示す有形成分画像リスト画面51において、移動先の第2項目ボタン群53のうちのいずれかの項目ボタンがクリック操作等により選択されると、再分類作業画面(図示省略)が表示される。この再分類作業画面では、検出成分の第1画像リストと、移動先の第2画像リストとが1つの画面に表示される。
【0064】
なお、
図6に示す有形成分画像リスト51Aには、第1分類部11Bにより算出された適合度を有形成分画像と共に表示するようにしてもよい。
【0065】
図4に戻り、送信部11Dは、通信部18を制御して、第1分類部11Bにより算出された適合度に基づいて、複数の有形成分画像の中から特定の有形成分画像を特定し、特定した特定の有形成分画像をネットワーク回線Nを介してデータ管理装置20に送信する。つまり、特定の有形成分画像は、第1分類部11Bにより算出された適合度に基づいて特定された有形成分画像であると言える。特定の有形成分画像には、例えば、第1分類部11Bにより所定の分類毎に検出成分として分類できなかった未分類の(換言すると、第1分類部11Bにより所定のいずれの分類にも属さないと分類された)有形成分画像が含まれる。
【0066】
なお、適合度が所定の範囲内の複数の有形成分画像をデータ管理装置20に送信するようにしてもよい。例えば、適合度が上限未満の複数の有形成分画像、あるいは、適合度が上限未満下限以上の複数の有形成分画像をデータ管理装置20に送信するようにしてもよい。一例として、適合度が70%未満の複数の有形成分画像をデータ管理装置20に送信するようにしてもよいし、適合度が70%未満30%以上の複数の有形成分画像をデータ管理装置20に送信するようにしてもよい。適合度に上限を設けることで、第1分類部11Bが正確に判定できなかった画像だけを送信することができ、適合度に下限を設けることで、ぼやけた画像を排除することができる。また、
図5に示す項目のうち、「未分類」の項目で、適合度が高い(例えば80%以上)複数の有形成分画像だけをデータ管理装置20に送信するようにしてもよく、この場合は、
図5に示されない希少な項目をデータ管理装置20に送信することができる。また、データ管理装置20に送信する画像の枚数に上限または下限を設定しても良く、例えば、適合度が70%未満で適合度が高い画像から100枚の画像をデータ管理装置20に送信するようにしてもよい。
図5に示す項目ごとに送信する画像の枚数の上限または下限を設定してもよい。特に上限を設けることで、送信するデータ量を抑制することができる。
【0067】
図7は、本実施形態に係るデータ管理装置20に送信する有形成分画像の特定処理の説明に供する図である。
【0068】
図7に示すように、複数の有形成分画像は、第1学習済みモデル15Cを用いて、所定の分類毎に検出成分として分類される。このとき、各有形成分画像には適合度が算出されている。なお、第1学習済みモデル15Cでは、所定の分類毎に検出成分として分類可能な有形成分画像が機械学習されると共に、所定の分類毎に検出成分として分類できない未分類の有形成分画像(換言すると、所定のいずれの分類にも属さない有形成分が写った有形成分画像)が「未分類」という分類で機械学習されている。上述の
図5の例では、分類可能な有形成分画像は、「RBC」、「WBC」、「SQEC」等の項目に分類され、「未分類」に分類された有形成分画像は、「UNCL」という項目に分類されている。なお、この「UNCL」に分類された有形成分画像のうち、適合度が高いものほど、その有形成分画像に写る有形成分は所定のいずれの分類にも属さない可能性が高くなる。データ管理装置20に送信する特定の有形成分画像は、ユーザが手動で特定してもよいし、画像処理装置10が自動的に特定してもよい。
【0069】
ユーザが手動で特定する場合、例えば、ユーザが各有形成分画像の適合度を見て、適合度が比較的低い有形成分画像を特定する。なお、「未分類」の有形成分画像については全て特定するようにしてもよい。また、ユーザが分類結果について特に気になる有形成分画像を特定するようにしてもよい。
【0070】
一方、画像処理装置10で自動的に特定する場合、例えば、適合度が閾値以下の有形成分画像を特定する。なお、「未分類」の有形成分画像については全て特定するようにしてもよい。なお、ここでいう閾値は、ユーザにより適切な値が適宜設定可能とされ、所定の分類毎に異なる閾値を設定してもよい。
【0071】
上記により特定された有形成分画像は、1つのフォルダにまとめられて、ユーザよる操作に従って、データ管理装置20に送信される。データ管理装置20では、後述する画像分類処理が実行され、分類結果が画像処理装置10に返信される。
【0072】
受信部11Eは、通信部18を制御して、データ管理装置20から、特定の有形成分画像を検出成分として分類して得られた分類結果を受信する。
【0073】
また、適合度が閾値を超える有形成分画像をデータ管理装置20に送信してもよいし、送信しなくてもよい。適合度が閾値を超える有形成分画像をデータ管理装置20に送信しないことで、データ管理装置20に送信するデータ量を少なくすることができる。
【0074】
次に、
図8を参照して、第1の実施形態に係るデータ管理装置20の機能的な構成について具体的に説明する。
【0075】
本実施形態に係るデータ管理装置20のCPU21は、記憶部25に記憶されているデータ管理プログラム25AをRAM23に書き込んで実行することにより、
図8に示す各部として機能する。
【0076】
図8は、第1の実施形態に係るデータ管理装置20の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0077】
図8に示すように、本実施形態に係るデータ管理装置20のCPU21は、取得部21A、第2分類部21B、表示制御部21C、返信部21D、及び受信部21Eとして機能する。
【0078】
記憶部25には、画像分類処理に用いる第2学習済みモデル25Cが記憶されている。第2学習済みモデル25Cは、第2分類部21Bによる画像分類処理に用いるモデルである。
【0079】
受信部21Eは、通信部28を制御して、画像処理装置10から特定の有形成分画像を受信する。画像処理装置10から受信した特定の有形成分画像は分類対象画像群として一時的に記憶部25に記憶される。
【0080】
取得部21Aは、記憶部25に記憶された分類対象画像群から分類対象とする有形成分画像を取得する。
【0081】
第2分類部21Bは、取得部21Aにより取得された有形成分画像を所定の分類(例えば、有形成分の種類、大きさ、形状、核の有無等)毎に検出成分として分類する。第2分類部21Bにより所定の分類毎に分類された有形成分画像は、返信部21Dに送られる。有形成分画像を分類する方法としては、一例として、機械学習を用いた方法が適用される。この場合、有形成分画像は、例えば、第2学習済みモデル25Cを用いて分類される。第2学習済みモデル25Cは、例えば、第1学習済みモデル15Cの学習用データよりも多くの検出成分が対応付けられた別の学習用データを、第1学習済みモデル15Cの機械学習のアルゴリズムと同一のアルゴリズムを用いて機械学習することにより生成されたモデルである。第2学習済みモデル25Cで学習された学習用データの量は、第1学習済みモデル15Cで学習された学習用データの量よりも多い。つまり、第2学習済みモデル25Cは、分類性能が第1学習済みモデル15Cよりも高くなるように学習されている。
【0082】
また、第2学習済みモデル25Cは、第1学習済みモデル15Cの学習用データを、第1学習済みモデル15Cの機械学習のアルゴリズムよりも分類性能が高い別のアルゴリズムを用いて機械学習することにより生成されたモデルとしてもよい。機械学習のアルゴリズムには、上述のCNN以外にも、例えば、線形回帰、正則化(Regularizat
ion)、決定木、ランダムフォレスト、k近傍法(k-NN)、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン(SVM)等、各種の手法がある。学習済みモデルの分類性能が例えばCNNよりもSVMのほうが高い場合には、第1学習済みモデル15CにはCNNが採用され、第2学習済みモデル25CにはSVMが採用される。逆に、学習済みモデルの分類性能がSVMよりもCNNのほうが高い場合には、第1学習済みモデル15CにはSVMが採用され、第2学習済みモデル25CにはCNNが採用される。なお、学習済みモデルの分類性能の比較には、予め準備したテストデータを用いて、モデル性能を表す指標値(例えば、正解率、適合率等)を算出して比較する方法を用いるようにしてもよい。
【0083】
また、第2学習済みモデル25Cは、第1学習済みモデル15Cの学習用データよりも多くの検出成分が対応付けられた別の学習用データを、第1学習済みモデル15Cの機械学習のアルゴリズムよりも分類性能が高い別のアルゴリズムを用いて機械学習することにより生成されたモデルとしてもよい。
【0084】
また、第2学習済みモデル25Cのバージョンが管理されている場合には、第2学習済みモデル25Cのバージョンが常に最新となるように管理されることが望ましい。
【0085】
ここで、第2分類部21Bは、ユーザの分類操作に従って、有形成分画像を分類するようにしてもよい。つまり、第2分類部21Bは分類処理に関する処理を行う。ここでいうユーザとは、有形成分画像の分類に精通した検査技師等であることが望ましい。
【0086】
具体的に、表示制御部21Cは、分類対象とする特定の有形成分画像を表示部26に表示する制御を行う。この場合、第2分類部21Bは、表示部26に表示された特定の有形成分画像に対する、ユーザによる分類操作に従って、特定の有形成分画像を分類する。
【0087】
図9は、本実施形態に係るデータ管理装置20による有形成分画像の分類処理の説明に供する図である。
【0088】
図9に示すように、データ管理装置20により分類対象とする有形成分画像は、第1学習済みモデル15Cよりも分類性能が高い第2学習済みモデル25Cを用いて、あるいは、検査技師等のユーザによる分類操作に従って、例えば、検出成分Pの分類3及び検出成分Qの分類4の各々に分類される。分類3及び分類4の各々に分類される有形成分画像は、例えば、画像処理装置10では分類できなかった画像であり、あるいは、画像処理装置10では正確に分類できていない可能性が高い画像である。そして、この分類結果は、返信部21Dに送られる。
【0089】
なお、第2学習済みモデル25C、あるいは、検査技師等のユーザによる分類は、第1学習済みモデル15C(第1分類部11B)による画像分類処理によって分類可能な検出成分以外の検出成分に分類してもよい。すなわち、第2学習済みモデル25C、あるいは、検査技師等のユーザによって、
図5に示す項目以外の項目(例えば、マルベリー小体や異形細胞)に分類してもよい。また、分類結果に基づき、検出成分の分類結果に付随して、または、分類結果の代わりに、コメントや総括を返信してもよい。
【0090】
図8に戻り、返信部21Dは、通信部28を制御して、第2分類部21Bによる分類結果を、ネットワーク回線Nを介して画像処理装置10に返信する。
【0091】
次に、
図10を参照して、第1の実施形態に係る画像処理装置10の作用を説明する。
【0092】
図10は、第1の実施形態に係る画像処理プログラム15Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0093】
画像処理プログラム15Aによる画像分類処理は、画像処理装置10のCPU11が、ROM12又は記憶部15に記憶されている画像処理プログラム15AをRAM13に書き込むことで実行される。
【0094】
図10のステップS101では、CPU11が、カメラ74によりフローセル40を流れる検体流体を撮影して得られる複数の画像(一例として、300枚、1000枚)から
、検体流体に含まれる複数種類の有形成分を有形成分画像として切り出し、切り出した複数の有形成分画像を取得する。
【0095】
ステップS102では、CPU11が、ステップS101で取得した複数の有形成分画像を、例えば、第1学習済みモデル15Cを用いて、所定の分類(例えば、有形成分の種類、大きさ、形状、核の有無等)毎に検出成分として分類する。所定の分類毎に分類された有形成分画像は、検体毎に分けて一時的に記憶部15に記憶される。有形成分画像を分類する方法としては、一例として、機械学習を用いた方法や、パターンマッチングを用いた方法等、各種の公知の技術が適用される。
【0096】
ステップS103では、CPU11が、ステップS102で所定の分類毎に検出成分として分類した有形成分画像の各々について適合度を算出する。
【0097】
ステップS104では、CPU11が、通信部18を制御して、ステップS103で算出した適合度に基づいて、複数の有形成分画像のうち特定の有形成分画像をデータ管理装置20に送信する。データ管理装置20に送信する特定の有形成分画像は、上述したように、ユーザが手動で特定してもよいし、画像処理装置10が自動的に特定してもよい。
【0098】
ステップS105では、CPU11が、ステップS104でデータ管理装置20に送信した特定の有形成分画像に対して、データ管理装置20から分類結果の返信が有ったか否かを判定する。データ管理装置20から分類結果の返信が有ったと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS106に移行し、データ管理装置20から分類結果の返信がないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS105で待機となる。
【0099】
ステップS106では、CPU11が、データ管理装置20から返信された分類結果を例えば記憶部15に記憶し、本画像処理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。なお、第1分類部11Bにより特定の検出成分として分類され、記憶部15に記憶されている有形成分画像の当該特定の検出成分の分類結果を、返信された分類結果に基づき上書き、つまり、変更してもよい。
【0100】
なお、ステップS105、S106のように、データ管理装置20に特定の有形成分画像を送信した画像処理装置10が、当該特定の有形成分画像の分類結果を受信することに限らず、別のCPUを備えた装置が、データ管理装置20から当該特定の有形成分画像の分類結果を受信するようにしてもよい。
【0101】
次に、
図11を参照して、第1の実施形態に係るデータ管理装置20の作用を説明する。
【0102】
図11は、第1の実施形態に係るデータ管理プログラム25Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0103】
データ管理プログラム25Aによる画像分類処理は、データ管理装置20のCPU21が、ROM22又は記憶部25に記憶されているデータ管理プログラム25AをRAM23に書き込むことで実行される。
【0104】
図11のステップS111では、CPU21が、画像処理装置10から送信された特定の有形成分画像を受信したか否かを判定する。特定の有形成分画像を受信したと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS112に移行し、特定の有形成分画像を受信していないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS111で待機となる。
【0105】
ステップS112では、CPU11が、ステップS111で受信した特定の有形成分画像を分類対象画像群として一時的に記憶部25に記憶する。
【0106】
ステップS113では、CPU11が、ステップS112で分類対象画像群として記憶した特定の有形成分画像を、例えば、第2学習済みモデル25Cを用いて、検出成分として分類する。ここで、第2学習済みモデル25Cは、上述したように、第1学習済みモデル15Cよりも分類性能が高いモデルとされる。また、特定の有形成分画像は、検査技師等のユーザによる分類操作によって分類されてもよい。
【0107】
ステップS114では、CPU11が、ステップS113で分類した分類結果を画像処理装置10に返信し、本データ管理プログラム25Aによる一連の処理を終了する。
【0108】
このように本実施形態によれば、各有形成分画像について算出した適合度を用いて、未分類の有形成分画像、分類結果が気になる有形成分画像等、画像処理装置による分類が困難な有形成分画像がデータ管理装置に送信され、データ管理装置から分類結果が得られる。このため、画像処理装置で分類が困難な有形成分画像であっても適切な分類を行うことができる。
【0109】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、データ管理装置に特定の有形成分画像を送信する形態について説明した。第2の実施形態では、特定の有形成分画像の中に類似する有形成分画像が複数ある場合に、代表画像をデータ管理装置に送信する形態について説明する。
【0110】
図12は、第2の実施形態に係る画像処理装置10Aの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0111】
図12に示すように、本実施形態に係る画像処理装置10AのCPU11は、取得部11A、第1分類部11B、表示制御部11C、送信部11D、受信部11E、及び選択部11Fとして機能する。なお、上記第1の実施形態で説明した画像処理装置10が有する構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付与し、その繰り返しの説明は省略する。
【0112】
本実施形態では、特定の有形成分画像が複数である場合を想定する。この場合、選択部11Fは、複数の特定の有形成分画像のうち類似する有形成分画像をグループ化し、グループ化した類似の有形成分画像の中から代表となる代表画像を選択する。送信部11Dは、通信部18を制御して、選択部11Fにより選択された代表画像をデータ管理装置20に送信する。なお、代表画像のみを送信してもよいし、代表画像及び代表画像以外の特定の画像を送信してもよい。データ管理装置20では、上述の画像分類処理が実行され、分類結果が画像処理装置10Aに返信される。
【0113】
受信部11Eは、通信部18を制御して、データ管理装置20から、上記代表画像を検出成分として分類して得られた分類結果を受信する。この場合、第1分類部11Bでは、データ管理装置20から得られた代表画像の分類結果を、当該代表画像を含むグループの他の有形成分画像の分類結果とする。具体的には、類似の有形成分画像を含むグループを識別可能な情報と、代表画像を識別可能な情報とを対応付けた対応付けテーブル(図示省略)を記憶部15に記憶しておき、代表画像の分類結果に含まれる、当該代表画像を識別可能な情報から対応するグループを識別できるようにしておけばよい。
【0114】
上記により、特定の有形成分画像を全て送信する場合と比較して、送信するデータ量が低減される。一般的に有形成分画像はデータ量が多く、専用回線を使用しても特にアップロードに時間がかかることが知られている。このため、送信するデータ量を低減することにより、アップロードの時間が短縮され、データ管理装置20との間の通信負荷を低減することが可能となる。
【0115】
ここで、具体的に、選択部11Fは、有形成分画像に対して画像解析を行い、画像間の類似性を判定する。画像間の類似性を判定するための指標値は、例えば、以下の(a1)~(a3)が考えられる。
【0116】
(a1)有形成分画像の縦横の画素数、周波数(画像としての複雑性を表す)、コントラ
スト、色(RGB)、明度、及び、2値化による面積の少なくとも1つの値。
(a2)有形成分画像に対してフーリエ変換等の周波数解析を実行して得られる値。
(a3)有形成分画像に対してマッチング分析処理等の空間解析(画像に含まれる特徴点の位置、座標等の一致性の解析)を実行して得られる値。
【0117】
画像間の類似性を判定する方法としては、例えば、2つの画像間において、上記(a1)~(a3)から得られる少なくとも1つの値の差が所定の範囲内であれば、当該2つの画像は類似すると判定することができる。
【0118】
また、代表画像を選択する方法としては、例えば、選択部11Fがグループ化した画像の中で最初に受け付けた画像としてもよいし、グループ化した画像の中の任意の画像としてもよい。
【0119】
また、選択部11Fは、送信する代表画像の総データ量、または、使用する回線の混雑状況(例えば、通信速度等により特定可能)に応じて、送信する代表画像の数及びデータ量の少なくとも一方を選択してもよい。この場合、画像間の類似性を判定するための指標値を適宜変更することで、送信する代表画像の数及びデータ量の少なくとも一方を調整することができる。
【0120】
次に、
図13を参照して、第2の実施形態に係る画像処理装置10Aの作用を説明する。
【0121】
図13は、第2の実施形態に係る画像処理プログラム15Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0122】
画像処理プログラム15Aによる画像分類処理は、画像処理装置10AのCPU11が、ROM12又は記憶部15に記憶されている画像処理プログラム15AをRAM13に書き込むことで実行される。
【0123】
図13のステップS121では、CPU11が、カメラ74によりフローセル40を流れる検体流体を撮影して得られる複数の画像(一例として、300枚、1000枚)から、検体流体に含まれる複数種類の有形成分を有形成分画像として切り出し、切り出した複数の有形成分画像を取得する。
【0124】
ステップS122では、CPU11が、ステップS121で取得した複数の有形成分画像を、例えば、第1学習済みモデル15Cを用いて、所定の分類(例えば、有形成分の種類、大きさ、形状、核の有無等)毎に検出成分として分類する。所定の分類毎に分類された有形成分画像は、検体毎に分けて一時的に記憶部15に記憶される。有形成分画像を分類する方法としては、一例として、機械学習を用いた方法や、パターンマッチングを用いた方法等、各種の公知の技術が適用される。
【0125】
ステップS123では、CPU11が、ステップS122で所定の分類毎に検出成分として分類した有形成分画像の各々について適合度を算出する。
【0126】
ステップS124では、CPU11が、ステップS123で算出した適合度に基づいて、複数の有形成分画像のうち、データ管理装置20へ送信する候補となる複数の有形成分画像を特定する。そして、CPU11は、複数の特定の有形成分画像の類似性を判定する。具体的には、上述したように、2つの画像間において、上記(a1)~(a3)から得られる少なくとも1つの値の差が所定の範囲内であれば、当該2つの画像は類似すると判定することができる。
【0127】
ステップS125では、CPU11が、ステップS124で類似性を有すると判定した類似の有形成分画像をグループ化する。
【0128】
ステップS126では、CPU11が、ステップS125でグループ化した類似の有形成分画像の中から代表画像を選択する。このとき、CPU11は、上述したように、類似の有形成分画像を含むグループを識別可能な情報と、代表画像を識別可能な情報とを対応付けた対応付けテーブルを記憶部15に記憶しておく。
【0129】
ステップS127では、CPU11が、通信部18を制御して、ステップS126で選択した代表画像をデータ管理装置20に送信する。
【0130】
ステップS128では、CPU11が、ステップS127でデータ管理装置20に送信した代表画像に対して、データ管理装置20から分類結果の返信が有ったか否かを判定する。データ管理装置20から分類結果の返信が有ったと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS129に移行し、データ管理装置20から分類結果の返信がないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS128で待機となる。
【0131】
ステップS129では、CPU11が、データ管理装置20から返信された分類結果を例えば記憶部15に記憶し、本画像処理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。このとき、CPU11は、データ管理装置20からの代表画像の分類結果に含まれる、当該代表画像を識別可能な情報に基づき、ステップS126で記憶した対応付けテーブルを参照することにより、対応するグループを識別し、当該代表画像の分類結果を、識別したグループの他の有形成分画像の分類結果とする。
【0132】
このように本実施形態によれば、特定の有形成分画像の中に類似する有形成分画像が複数ある場合に、代表画像のみがデータ管理装置に送信される。このため、特定の有形成分画像を全て送信する場合と比較して、送信するデータ量が低減され、データ管理装置との間の通信負荷を低減することが可能となる。
【0133】
なお、上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU:Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrate
d Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0134】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0135】
以上、実施形態に係る画像処理装置を例示して説明した。実施形態は、画像処理装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、このプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体の形態としてもよい。
【0136】
その他、上記実施形態で説明した画像処理装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。有形成分画像の表示は、上記の実施形態には限定されず、例えば左右に横並びで表示してもよい。各ボタンの表示位置も適宜変更
可能である。
【0137】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0138】
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0139】
10、10A 画像処理装置
11、21 CPU
11A、21A 取得部
11B 第1分類部
11C、21C 表示制御部
11D 送信部
11E、21E 受信部
11F 選択部
12、22 ROM
13、23 RAM
14、24 I/O
15、25 記憶部
15A 画像処理プログラム
15C 第1学習済みモデル
16、26 表示部
17、27 操作部
18、28 通信部
19 接続部
20 データ管理装置
21B 第2分類部
21D 返信部
25A データ管理プログラム
25C 第2学習済みモデル
40 フローセル
42 検体取入口
44 シース取入口
46 排出口
50 測定結果画面
50A 有形成分名
50B 有形成分ボタン
50C マーク
51 有形成分画像リスト画面
52 第1項目ボタン群
53 第2項目ボタン群
70 測定システム
72 筐体
74 カメラ
76 光源
78 第1供給装置
86 第2供給装置
100 画像処理システム