IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カステリーニ オフィチーネ メカニケ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータの特許一覧 ▶ フィンカンティエリ エス.ピー.エー.の特許一覧

特開2023-157008溶接装置用ブランクホルダー、およびそのブランクホルダーを備える溶接装置
<>
  • 特開-溶接装置用ブランクホルダー、およびそのブランクホルダーを備える溶接装置 図1
  • 特開-溶接装置用ブランクホルダー、およびそのブランクホルダーを備える溶接装置 図2
  • 特開-溶接装置用ブランクホルダー、およびそのブランクホルダーを備える溶接装置 図3
  • 特開-溶接装置用ブランクホルダー、およびそのブランクホルダーを備える溶接装置 図4
  • 特開-溶接装置用ブランクホルダー、およびそのブランクホルダーを備える溶接装置 図5
  • 特開-溶接装置用ブランクホルダー、およびそのブランクホルダーを備える溶接装置 図6
  • 特開-溶接装置用ブランクホルダー、およびそのブランクホルダーを備える溶接装置 図7
  • 特開-溶接装置用ブランクホルダー、およびそのブランクホルダーを備える溶接装置 図8
  • 特開-溶接装置用ブランクホルダー、およびそのブランクホルダーを備える溶接装置 図9
  • 特開-溶接装置用ブランクホルダー、およびそのブランクホルダーを備える溶接装置 図10
  • 特開-溶接装置用ブランクホルダー、およびそのブランクホルダーを備える溶接装置 図11
  • 特開-溶接装置用ブランクホルダー、およびそのブランクホルダーを備える溶接装置 図12
  • 特開-溶接装置用ブランクホルダー、およびそのブランクホルダーを備える溶接装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157008
(43)【公開日】2023-10-25
(54)【発明の名称】溶接装置用ブランクホルダー、およびそのブランクホルダーを備える溶接装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 37/04 20060101AFI20231018BHJP
【FI】
B23K37/04 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023064543
(22)【出願日】2023-04-12
(31)【優先権主張番号】22425018
(32)【優先日】2022-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】523137452
【氏名又は名称】カステリーニ オフィチーネ メカニケ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ
(71)【出願人】
【識別番号】513223851
【氏名又は名称】フィンカンティエリ エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィリピーニ ピエールマルセロ
(57)【要約】
【課題】パネルの厚さが変化する場合にも容易に適応できる溶接装置用のブランクホルダーの提供。
【解決手段】方向に沿って長手方向に展開した上部把持要素および下部把持要素を備える溶接装置用のブランクホルダーであって、上部把持要素は、パネルがクランプされる閉鎖位置と、パネルがスライドできる開放位置との間で移動可能であり、下部把持要素は、上部把持要素に面する下部動作面を備え、下部把持要素は、方向に沿って配置された複数の可動プレートを備え、可動プレートは、ハンドリング手段によって、それらが、動作面に対して突出しない、または最小高さだけ突出する第1の位置と、それらが、動作面に対して所定の最大高さだけ突出する第2の位置との間で、下部動作面に対して略垂直な方向に移動されるのに適しており、可動ウェッジは、把持面を備えて配置される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方向(X)に沿って長手方向に展開した上部把持要素(14)および下部把持要素(16)を備える溶接装置用のブランクホルダー(12)であって、前記上部把持要素(14)は、パネル(18、20)が、前記上部把持要素(14)と前記下部把持要素(16)との間でクランプされる閉鎖位置と、前記パネル(18、20)が、前記上部把持要素(14)と前記下部把持要素(16)との間でスライドすることができる開放位置との間で移動可能であり、前記下部把持要素(16)は、前記上部把持要素(14)に面する下部動作面(22)を備える、前記ブランクホルダー(12)において、
前記下部把持要素(16)は、前記方向(X)に沿って配置された複数の可動プレート(24)を備え、前記可動プレート(24)は、ハンドリング手段(25)によって、それらが、前記動作面(24)に対して突出しない、または最小高さだけ突出する第1の位置と、それらが、前記動作面(24)に対して所定の最大高さだけ突出する第2の位置との間で、前記下部動作面(22)に対して略垂直な方向に移動されるのに適しており、前記可動ウェッジ(24)は、把持面(26)を備えて配置されることを特徴とする、ブランクホルダー(12)。
【請求項2】
前記第1の位置において、前記可動プレート(24)の前記把持面(26)は、前記把持要素(24)の前記動作面(22)と略整列されることを特徴とする、請求項1に記載のブランクホルダー(12)。
【請求項3】
前記可動プレート(24)の前記把持面(26)は、長方形であることを特徴とする、請求項1または2に記載のブランクホルダー(12)。
【請求項4】
前記複数の可動プレート(24)は、前記下部動作面(22)上で前記方向(X)に沿って等間隔に配置されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のブランクホルダー(12)。
【請求項5】
前記下部把持要素は、ロッド(34)用の複数の摺動座部(30)を備えたガイドジグ(28)を備え、前記ロッド(34)の端部には、前記可動プレート(24)が、前記下部動作面(22)で配置されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のブランクホルダー(12)。
【請求項6】
各々のロッド(34)は、前記軸(X)に対して略垂直な方向に従ってロッカーアーム(38)の第1の端部(37)で第1の端部ヒンジ(36)によって配置され、固定中央ヒンジ(40)と、第2の端部ヒンジ(44)によって前記ロッカーアーム(38)の第2の端部(39)に接続された対応するリニアアクチュエータ(42)とによって画定される、前記軸(X)に平行な固定回転軸を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のブランクホルダー(12)。
【請求項7】
前記リニアアクチュエータ(42)は、油圧式、空気圧式、または電気式のものであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のブランクホルダー(12)。
【請求項8】
前記複数の可動プレート(24)は、パネル(18、20)の形状に適合するように、互いに独立して移動されるように適合されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のブランクホルダー(12)。
【請求項9】
前記ハンドリング手段(25)に動作可能に接続され、前記ハンドリング手段(25)を作動させることで前記可動プレート(24)の高さを調整するための、プログラム可能な制御ユニット(42)を備えることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のブランクホルダー(12)。
【請求項10】
前記上部把持要素(14)は、ガイド手段(48)およびリニアアクチュエータ(50、52)を備えるブランクホルダーハンドリング手段(46)と接続されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のブランクホルダー(12)。
【請求項11】
少なくとも1つの溶接ヘッド(82)と、請求項1~10のいずれか一項に記載のブランクホルダー(12)とを備える、溶接装置(80)。
【請求項12】
前記溶接ヘッド(82)は、レーザ溶接ヘッド、MAG、TIG、または電極溶接ヘッドであることを特徴とする、請求項11に記載の溶接装置(80)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接装置用ブランクホルダー、およびそのブランクホルダーを備えた溶接装置に関するものである。特に、本発明は、厚さの異なるパネル同士を溶接するためのブランクホルダーおよび関連する溶接装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
既知のように、板金を溶接する場合、しばしば厚さの異なる縁部同士を溶接する必要がある。
【0003】
例えば、パネルの片面のみで行われるレーザ溶接では、特殊なタイプのブランクホルダーを使用して溶接装置をセットアップすることが知られている。このブランクホルダーは、固定基準(溶接すべきパネルの表面が載る基準)と可動基準とを有するので、可能なパネル厚さの所与の範囲に適合することができる。
【0004】
このタイプの加工では、共に溶接され得るパネルの厚さは、広範囲にわたる可能性があり、例えば、パネルの厚さは、5mm~25mmで変えることができる。しかしながら、溶接は、例えば、上記の範囲よりも薄いかまたは厚い、様々な厚さで行うこともできる。
【0005】
従来技術のシステムは、広く使用され評価されているが、欠点がないわけではない。
【0006】
第1に、従来技術のブランクホルダーでは、縁部の厚さが変化するパネルを効果的にクランプすることができない。例えば、パネルは、厚さの異なる2枚のパネル間で既に溶接されたものである可能性がある。この場合、ブランクホルダーでクランプする必要がある、溶接されるべき縁部の厚さは一定ではないため、ブランクホルダーはパネルにおける最大の厚さしかクランプすることができない。
【0007】
従来の技術では、ブランクホルダーと、パネルの厚さが薄い表面との間に、一時的な支持構造を挿入することによって、この欠点を改善しようと試みてきた。
【0008】
また、下部把持要素を固定し、一方、上部把持要素を移動可能にしてパネルの実際の厚さに適合させる方法も知られている。しかしながら、この方法では、実際に溶接が行われる2つのパネル間において同一平面となる表面は、パネルの底面になる。したがって、上記方法では、溶接をボトムアップで行う必要があるため、設備の配置および作業自体の管理が特に複雑となる。
【0009】
いずれにせよ、これまで説明した従来技術の技術的解決策では、パネルの上面を同一平面に保つ必要がある場合には、2つ以上の異なる厚さで溶接される縁部を有するパネルの溶接に関し、上記問題の解決策を提供することはできない。
【0010】
したがって、従来技術によって提案された技術的解決策では、技術的および経済的に満足な手順を得ることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、従来技術に関して言及した欠点および制限を解決する必要性がある。
【0012】
したがって、パネルの厚さが変化する場合にも容易に適応できる溶接装置用のブランクホルダーを提供する必要がある。
【0013】
また、従来技術の装置の場合のように、パネルの表面を、下面ではなく上面側で揃えることを可能にするブランクホルダーが必要である。
【0014】
また、例えば、上面を同一平面に保ちながら、別のパネルと溶接される縁部で2つ以上の異なる厚さを有する、様々な厚さのパネルに自動的に適応できる溶接装置用のブランクホルダーを提供する必要もある。
【0015】
また、上述の構成を備えたブランクホルダーを備えたパネル溶接装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
これらの必要性は、請求項1に記載の溶接装置用ブランクホルダーおよび請求項11に記載の溶接装置によって少なくとも部分的に満たされる。
【0017】
本発明の他の構成および利点は、以下の実施形態による好ましい非限定的な例の説明から、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】異なる厚さを有する2つのパネルを溶接することによって得られる第1のパネルの正面図を概略的に示す。
図2】一定の厚さを有する第2のパネルの正面図を概略的に示す。
図3図1のパネルおよび図2のパネルを上から見た平面図を示す。
図4図2のパネルを上から見た平面図を示す。
図5】本発明に係るブランクホルダーの下部の斜視図を概略的に示す。
図6】本発明に係るブランクホルダーの下部を上から見た平面図を概略的に示す。
図7】本発明に係るブランクホルダーの下部の側面断面図を概略的に示す。
図8図7の拡大部分を概略的に示す。
図9】本発明に係るブランクホルダーの上部の側面断面図を概略的に示す。
図10】本発明に係るブランクホルダーの側面断面図を概略的に示す。
図11】本発明に係る、互いに対向する第1のブランクホルダーと第2のブランクホルダーの側面断面図を概略的に示す。
図12】本発明の可能な一実施形態に係るブランクホルダーを備える溶接装置の拡大側面図を概略的に示す。
図13】本発明の可能な一実施形態に係る溶接装置の側面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に説明する実施形態において共通する要素または要素の一部には、同一の符号を付す。
【0020】
図5では、本発明に係る溶接装置用のブランクホルダーが全体の符号12で示されている。
【0021】
ブランクホルダー12は、上部把持要素14(例えば、図9に示される)と、x方向に沿って長手方向に展開した下部把持要素16とを備える。特定の技術用語では、上部把持要素14および下部把持要素16は、それぞれ上部クロスバーおよび下部クロスバーとも呼ばれる。長手方向xは、それに沿って上側把持要素14および下側把持要素16が実質的に延在する方向である。
【0022】
上部把持要素14と下部把持要素16は、パネル18、20が上部把持要素14と下部把持要素16との間にクランプされる閉鎖位置と、パネル18、20が上部把持要素14と下部把持要素16との間でスライドされ得る開放位置との間で互いに対して移動可能である。
【0023】
下部把持要素16は、前記上部把持要素14に面する下部動作面22を備える。さらに、下部把持要素16は、複数の可動プレート24を備え、複数の可動プレート24は、Xに沿って把持面26を備えて配置され、下部動作面22に対して略垂直な方向にハンドリング手段25によって、各々が、第1の位置と第2の位置との間で互いに独立して移動されるのに適しており、
第1の位置では、それらは下部動作面22から突出していないか、または下部動作面22から最小限の高さだけ突出し、
第2の位置では、それらは下部動作面22から所定の最大高さだけ突出している。
【0024】
換言すれば、下部把持要素16は、下部把持要素16の実際の把持面を調整するのに適した可動プレート24のアレイを備えて配置される。
【0025】
したがって、この技術的解決策によって、上部把持要素14と下部把持要素16の可動プレート24との間の把持距離は、上部把持要素14によって調整可能である。閉位置では、上部把持要素14は、溶接される第2のパネルを把持する第2のブランクホルダーの対応する上部把持要素14と常に同じ高さにある。
【0026】
可能な一実施形態によれば、上部把持要素14は、パネルがスライドできるように、下部把持要素16に近づいたり離れたりすることができる。
【0027】
代替実施形態では、上部把持要素14を固定して、パネルをクランプするのを下部把持要素16および/または可動プレート24に割り当ててもよい。
【0028】
可能な一実施形態によれば、第1の位置では、可動プレート24の把持面26は、把持要素16の動作面22と略整列させることができる。
【0029】
代替実施形態では、可動プレート24の把持面26は、把持要素24の動作面22に対して後退位置にあるか、そこから所定の高さだけ突出することができる。
【0030】
例えば図5および図6に示されるように、可動プレート24の把持面26は、長方形とすることができる。代替の実施形態によれば、把持面26は、正方形、円形、楕円形、または、例えば直線部分および/または曲線部分の任意の組み合わせであってもよい。
【0031】
複数の可動プレート24は、下部動作面22上にX方向に沿って等間隔に配置することができる。例えば、可動プレート24は、1メートル当たり4枚の数で配置されてもよいし、前記可動プレート24の構成形状に応じて異なる数で配置されてもよい。
【0032】
可能な一実施形態によれば、可動プレートは、約200mmの長手方向寸法および約250mmの横方向寸法を有する略長方形とすることができる。有利には、可動プレート24同士を50mm離間させることができる。これらの測定値は、可動プレート24の構造的形状およびx方向に沿ったそれらの間隔の可能な寸法の組み合わせのうちの1つだけを表す。設計要件に応じて、他の組み合わせも可能である。
【0033】
可能な一実施形態によれば、下部把持要素は、ロッド34用の複数の摺動座部30(例えば、ブッシュ)を備えるガイドジグ28を備え、その端部には可動プレート24が下部動作面22で配置される。
【0034】
図8に示されるように、可動プレート24は、ボルト接続35によってそのロッド34に接続することができる。
【0035】
可能な一実施形態によれば、各々のロッド34は、第1の端部ヒンジ36によって、前記X軸に略垂直な方向に従ってロッカーアーム38の第1の端部37に配置され、かつ固定中央ヒンジ40によって画定されるX軸に平行な固定回転軸と、第2の端部ヒンジ44によってロッカーアーム38の第2の端部39に接続された(図7の例に示される)対応するリニアアクチュエータ42とを有することができる。
【0036】
ロッカーアーム38を介してリニアアクチュエータ42に接続された可動プレート24の位置を画定するリニアアクチュエータ42は、例えば、油圧式、空気圧式、または電気式とすることができる。
【0037】
図7に示されるように、リニアアクチュエータ42は、ブランクホルダー12の支持フレーム13に固定されてもよい。可能な一実施形態によれば、リニアアクチュエータ42は、その作動中にアクチュエータがアクチュエータヒンジ27の周りを回転できるように、アクチュエータヒンジ27によって前記フレーム上に配置することができる。
【0038】
上記の技術的解決策、すなわちロッカーアーム38による可動プレート24の作動により、作動機構を、下部把持要素16の下から、他の機構から離れた他の機構が無い領域に移動させることが可能になる。
【0039】
第1の利点は、パネルのクランプが行われる場所から離れた安全な領域にリニアアクチュエータを移動することである。
【0040】
第2の利点は、ハンドリング手段に対する通常または臨時の保守作業の実行が容易であることに関する。実際、リニアアクチュエータは、実際にパネルをピックアップする領域から離れているため、容易にアクセス可能な位置に配置されている。
【0041】
上述したように、可動プレート24は、独立したハンドリング手段25の配置により、パネル18の例のように、方向xで可変する厚さを示すパネルの形状に適合するように、互いに独立して移動するのに適している。前記の可変の厚さは、シート182および184を有するパネル18の構成によって与えられる。
【0042】
したがって、2枚の異なるシート182、184を溶接して得られる図1に示すパネルを参照すると、ブランクホルダー12は、2つの異なる厚さを有するパネル18の縁部を把持するように、それ自体が適切な形状とされる。
【0043】
この場合、使用時にはシート184の厚さとなる可動プレート24は、より薄いシート182の厚さでの可動プレート24よりも高い高さで突出する。
【0044】
言い換えれば、例えば図12に示されるように、下部把持要素での可動プレートの配置により、溶接されるパネルの上面を互いに整列させることが可能になる。
【0045】
本明細書では主に2つの厚さを有するパネルについて言及するが、同ブランクホルダーは、2つを超える異なる厚さ(例えば、3つまたは4つ以上の異なる厚さ)を有するパネルにも好適に使用することができる。
【0046】
可能な一実施形態によれば、ブランクホルダー12は、プログラム可能な制御ユニット42を備えることができる。この制御ユニット42は、前記ハンドリング手段25に動作可能に接続され、前記ハンドリング手段25を作動させることで、可動プレート24の高さを自動的に調整する。
【0047】
換言すれば、入力パネル18、20の幾何学的形状が与えられると、それに応じて可動プレート24の高さを自動的に調整することができる。
【0048】
上部把持要素14の移動に関しては、ガイド手段48およびリニアアクチュエータ50、52を備えるブランクホルダーハンドリング手段46と関連付けることができる。
【0049】
図10および図11に示されるように、ブランクホルダーハンドリング手段46は、上部プレス要素14の2つの端部のそれぞれに接続され、対応する摺動座部484内で摺動するのに適したガイドピン482を備えるガイド手段48を備えることができる。
【0050】
本発明の可能な一実施形態によれば、摺動ピン482は、下部プレス要素16と一体であってもよく、摺動座部は、上部プレス要素14と接続されてもよい。
【0051】
可能な一実施形態によれば、ブランクホルダーハンドリング手段46は、上部プレス要素14および下部プレス要素16の端部に位置する一対のリニアアクチュエータ50、52を備えることができる。
【0052】
有利には、ガイド手段48自体がリニアアクチュエータ50、52の中心となるように、一対のリニアアクチュエータ50、52をガイド手段48の両側に配置することができる。
【0053】
本発明はさらに、少なくとも1つの溶接ヘッド82と、前述の少なくとも1つのブランクホルダー12とを備える溶接装置80に関するものである。
【0054】
本発明に係る溶接装置の可能な一実施形態が、例えば図12および図13に示されている。
【0055】
溶接ヘッドは、レーザ溶接ヘッド、従来から用いられている溶接ヘッド、MAG、TIG、または電極などの、既知のタイプのものとすることができる。
【0056】
例えば図13に示される可能な一実施形態によれば、溶接ヘッドは、2つのブランクホルダーのうちの1つの構造に配置された、それぞれのガイド86上を摺動するのに適した可動トロリー84上に配置することができる。
【0057】
したがって、本発明に係る溶接装置用のブランクホルダーによって達成することができる利点は明らかである。
【0058】
まず、追加の支持構造を必要とせずに、様々な厚さのパネルを所定の位置にクランプできるブランクホルダーが提供される。
【0059】
また、上部把持要素は固定されたままで、ブランクホルダーの開閉動作が下部把持要素のみで維持されることを可能にし得るブランクホルダーが提供される。
【0060】
また、本発明に係るブランクホルダーは、異なる厚さを有するパネルの場合でも、溶接プロセスを自動化することを可能にする。
【0061】
当業者であれば、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、特定の要件を満たすために、上記の実施形態に修正を加える、および/または、記載された要素を均等の要素で置き換えることができるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【外国語明細書】