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特開2023-157013車両用格納式カメラウィングアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157013
(43)【公開日】2023-10-25
(54)【発明の名称】車両用格納式カメラウィングアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/26 20220101AFI20231018BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20231018BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20231018BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20231018BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20231018BHJP
   G03B 17/08 20210101ALI20231018BHJP
   H04N 23/57 20230101ALI20231018BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20231018BHJP
【FI】
B60R1/26 200
G03B17/02
G03B30/00
G03B15/00 V
G03B17/56 A
G03B17/08
H04N23/57
H04N23/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065299
(22)【出願日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】22382354
(32)【優先日】2022-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】517089662
【氏名又は名称】フィコミロース, エセ. ア. ウ.
【氏名又は名称原語表記】Ficomirrors, S.A.U.
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100192533
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 如紘
(72)【発明者】
【氏名】デビッド・ブラボー・コルバチョ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ロペス・ガレラ
【テーマコード(参考)】
2H101
2H105
5C122
【Fターム(参考)】
2H101CC01
2H105AA03
2H105AA42
2H105EE05
5C122DA14
5C122GE05
5C122GE09
5C122GE11
5C122GE20
5C122GG01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】駐車位置(パーキング)にある車両に追加の機能的特徴(例えば、カーテシーランプ、ロゴライト、または駐車位置で動作し得る他の機能デバイス)を提供するリアビューカメラを統合した格納式ウィングアセンブリを提供する。
【解決手段】アセンブリは、車両に取り付けられるように適合されたケーシングであって、リアビュー画像をキャプチャ撮影するためのカメラが設けられるケーシングを備える。ケーシングは、旋回軸を中心に回動可能であり、延びる第1部分と第2部分を有し、かかる第1および第2の部分は、互いに分岐する。カメラは、ケーシングの第2部分に配置され、ケーシングの第1部分には、少なくとも1つの電気的および/または電子的なデバイスが取り付けられる。運転位置では、第2部分は、車両表面から外部に展開され、駐車位置では、第2部分は隠され、ケーシングの第1部分は、車両表面から外部に突出する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、前記車両の運転者のリアビュー画像をキャプチャするカメラ(8)が設けられたケーシング(2)を
備え、
前記ケーシング(2)は、旋回軸(Y)を中心に回転可能であるように構成され、
前記ケーシング(2)は、前記旋回軸(Y)から第1方向(X)に延びる第1部分(2a)と、前記旋回軸(Y)から第2方向(X')に延びる第2部分(2b)と、を有し、前記第1部分(2a)および前記第2部分(2b)は、互いに分岐し、
前記カメラ(8)は、前記ケーシング(2)の前記第2部分(2b)に配置され、前記ケーシング(2)の前記第1部分(2a)には、少なくとも1つの電気的および/または電子的なデバイス(11)が取り付けられる、
車両用の格納式カメラウィングアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記第1部分(2a)および前記第2部分(2b)は、100°-170°の範囲内の角度(α)を規定するように配置される、
請求項1に記載の格納式カメラウィングアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記第2部分(2b)は、前記第1部分(2a)よりも長い、
請求項1に記載の格納式カメラウィングアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記電気的および/または電子的なデバイス(11)は、照明デバイス、カメラ、レーダ、ライダ(lidar)、レーザ、センサ、または、アンテナのうちの少なくとも1つである、
請求項1に記載の格納式カメラウィングアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記第2部分(2b)は、外部から見える方向指示灯デバイス(7)を有する、
請求項1に記載の格納式カメラウィングアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記カメラ(8)は、カメラモニタシステム(CMS: Camera Monitoring System)の一部となるよう適合される、
請求項1に記載の格納式カメラウィングアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記ケーシング(2)は、前記ケーシングの前記第1部分(2a)上に延びる第1領域と前記ケーシングの前記第2部分(2b)上に延びる第2領域とを有する外面を有し、前記第1領域および前記第2領域は、連続し、互いに対して傾斜する、
請求項1に記載の格納式カメラウィングアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記ケーシング(2)に収容され、前記ケーシング(2)が外部構造で動作可能に取り付けられたときに、前記旋回軸(Y)を中心とする回転運動を前記ケーシング(2)に付与するように構成された駆動機構(14)を
さらに備える請求項1に記載の格納式カメラウィングアセンブリ(1)。
【請求項9】
開口部(18)を有する車体表面(17)と、
格納式カメラウィングアセンブリ(1)と、
を備え、
前記格納式カメラウィングアセンブリ(1)は、運転位置と駐車位置との間で、回転軸(Y)を中心に前記開口部(18)を通して回転可能なケーシング(2)を含み、
前記ケーシング(2)には、車両の運転者のためのリアビュー画像をキャプチャするカメラ(8)と、少なくとも1つの電気的および/または電子的なデバイス(11)と、が取り付けられ、
前記ケーシング(2)は、前記運転位置において、前記カメラ(8)が配置されている前記ケーシング(2)の一部(2b)が、前記車体表面(17)から外部に展開されるように構成されており、前記カメラ(8)が動作可能で、前記車両の運転を支援するためのリアビュー画像をキャプチャするために配置され、
前記駐車位置において、前記カメラ(8)が配置されている前記ケーシング(2)の前記一部(2b)は、少なくとも部分的に前記開口部(18)に隠されており、前記電気的および/または電子的なデバイス(11)が配置されている前記ケーシング(2)の別の部分(2a)は、前記車体表面(17)から外側に突出する、
車両(16)。
【請求項10】
前記運転位置では、前記電気的および/または電子的なデバイス(11)が配置された前記ケーシング(2)の前記部分(2a)は、前記開口部(18)に隠される、
請求項9に記載の車両(16)。
【請求項11】
前記駐車位置において、前記電気的および/または電子的なデバイス(11)は、動作可能である、
請求項9に記載の車両(16)。
【請求項12】
前記ケーシング(2)は、前記駐車位置において、前記ケーシング(2)の外面が前記車体表面(17)の一部と面一となるように構成される、
請求項9に記載の車両(16)。
【請求項13】
前記旋回軸(Y)は、該車両(16)の内側に位置する、
請求項9に記載の車両(16)。
【請求項14】
前記ケーシング(2)は、前記運転位置および前記駐車位置において、前記開口部(18)が前記ケーシング(2)によって閉じられ、前記開口部(18)への汚れまたは水の侵入を防止するように、構成される
請求項9に記載の車両(16)。
【請求項15】
前記格納式カメラウィングアセンブリ(1)は、請求項1乃至8の何れか1項に記載の格納式カメラウィングアセンブリである、
請求項9に記載の車両(16)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、カメラモニタシステム(CMS: Camera Monitoring System)用の外部リアビューカメラアセンブリに関する。
【0002】
本発明の目的は、駐車位置(パーキング)にある車両に追加の機能的特徴(例えば、カーテシーランプ、ロゴライト、または駐車位置で動作し得る他の機能デバイス)を提供するリアビューカメラを統合した格納式ウィングアセンブリを提供することである。
【0003】
また、本発明は、格納式カメラウィングアセンブリを組み込んだ車両にも言及する。
【背景技術】
【0004】
(技術水準)
カメラモニタシステム(CMS)は、従来のリアビューミラーに代わるもので、道路を通常走行する際に、運転者にリアビューミラー画像をディスプレイに表示する。このシステムでは、従来のリアビューミラーの代わりに、車両の両側に設置された外部カメラに置き換えられ、各カメラは、いわゆるカメラウィングまたはカメラウィングレットに配置される。
【0005】
これらの製品にさらなる機能性を持たせるための改良にも継続的な関心が寄せられる。
【発明の概要】
【0006】
(発明の詳細)
本発明は、添付の独立請求項に定義される。
【0007】
本発明の一態様は、車両用の格納式カメラウィングアセンブリであって、アセンブリは、車両に取り付けられるように適合されたケーシングを含み、また、車両の運転中にリアビュー画像をキャプチャするための展開位置または運転位置(ドライブ)とケーシングの一部が車両内に隠される車両駐車時の駐車位置(パーキング)との間を移動するように操作される。
【0008】
ケーシングは、ケーシングが車両に作動的に取り付けられたときに、運転位置と駐車位置との間を通過するために、ケーシングが回転可能である旋回軸を中心に枢動可能であるように構成される。好ましくは、アセンブリは、駐車位置から運転位置へ移行するために、ケーシングの回転角度が20°と45°との間の範囲内にあるように構成される。
【0009】
ケーシングは、旋回軸から第1方向(又は第1軸)に延びる第1部分と、旋回軸から第1方向とは異なる第2方向(又は第2軸)に延びる第2部分と、を有し、かかる第1および第2の部分は、互いに異なる方向に分岐する。第1方向及び第2方向は、概ね同一平面上にあるため、ケーシングの一般的な形状は、「L」または角張った本体に似ている。
【0010】
第1および第2の部分を含むケーシングは、単一部品として、または一緒に組み立てられた幾つかの部品で、実施することができる。
【0011】
好ましくは、第1および第2の部分は、100°-170°の範囲内の角度(α)を規定するように、すなわち、第1および第2の部分が延びる第1および第2の軸が、前記範囲内の角度を規定するように配置される。
【0012】
アセンブリは、ケーシングの第2部分に配置されたカメラを備え、アセンブリが運転位置に展開されたときにリアビュー画像を捕捉することができるる。好ましくは、カメラは、旋回軸に対して第2部分の最も遠い表面に設置され、外部から見える。
【0013】
アセンブリは、運転位置にある第2部分が車体から最大250mm突出するように、構成することができる。
【0014】
さらに、アセンブリには、少なくとも1つの電気的および/または電子的なデバイス、例えば、照明デバイス、カメラ、レーダ、ライダ(lidar)、レーザ、センサ、車両と脆弱な道路利用者との間の事故を回避するための支援システム、または、アンテナが取り付けられており、ケーシングの第1部分、車両に取り付けられたときに地面に近いアセンブリの表面で、好ましくは可視的に配置される。
【0015】
上記のアセンブリの構成部品では、アセンブリが車両に動作可能に取り付けられると、運転位置において、カメラが配置されたケーシングの第2部分の一部が車両の表面から外部に展開され、カメラが動作可能になり、車両の運転を支援するためのリアビュー画像を取り込むための位置に配置されるようになる。
【0016】
駐車位置では、カメラが配置されたケーシングの第2部分は、少なくとも部分的に開口部に隠されており、カメラは動作しないが、電気的および/または電子的なデバイスが配置されたケーシングの第1部分は、車両の表面から外部に突出し、電気的および/または電子的なデバイスが動作する。運転位置では、好ましくは、電気的および/または電子的なデバイスの動作は無効にされる。
【0017】
したがって、駐車位置では、カーテシーランプのような照明デバイスとしての機能デバイスは、車両へのアクセスエリアを照らし、または、ロゴを照らし、または、駐車位置で作動し得るその他の機能を提供することができる。
【0018】
好ましくは、第2部分は、第1部分よりも長く、運転位置において、カメラは、車両の車体から適切に離間して広い視野に到達するようにされる。好ましくは、第2部分は第1部分より「n」倍長く、「n」は(1.2-4)の範囲内、より好ましくは(1.5-3)の範囲内であり、第1および第2の部分の長さは、旋回軸から各部分の自由端まで取られたものである。
【0019】
本発明の好ましい実施態様では、アセンブリは、ケーシングの第2部分に対応して配置されたウインカ照明デバイスのような第1光源を組み込む。より好ましくは、第1光源が外部に見える位置にある。好ましくは、ウインカは、ケーシングの側方表面、例えばその最も外側の表面上に延在することができ、また、カメラが配置されるピボット旋回軸から最も遠いケーシングの表面上に延在することもできる。
【0020】
カメラは、カメラモニタシステム(CMS)で動作するように適合されており、カメラは、ディスプレイ、コントローラ、およびそれらの間の必要な接続をさらに含むカメラモニタシステムの一部である。
【0021】
好ましくは、360°視野カメラのような第2カメラもケーシングの第2部分、好ましくは車両に設置された場合に地面に最も近いアセンブリの表面に設置され、外部から見えるようにする。
【0022】
ケーシングは、ケーシングの第1部分上に延びる第1領域とケーシングの第2部分上に延びる第2領域とを有する外面を有する。第1領域および第2領域は、連続し、かつ、互いに対して傾斜する。
【0023】
アセンブリは、ケーシング内に収容され、ケーシングが車両の外部構造物に動作可能に取り付けられたときに、旋回軸を中心ケーシングに回転運動を付与するように構成された駆動機構を有する。
【0024】
本発明の別の態様は、好ましくは、上記で定義されたような格納式カメラウィングアセンブリを組み込んだ、車両に関する。車両の車体表面は、アセンブリのケーシングを受け入れるための開口部を有する。
【0025】
アセンブリは、車両の運転者のためにリアビュー画像後をキャプチャするカメラと少なくとも1つの電気的および/または電子的なデバイスとを備えたケーシングを備える。ケーシングは、開口部から旋回軸を中心に、運転位置と駐車位置との間で回動可能である。旋回軸は、車両の内部、すなわち車両の車体の後方に配置される。旋回軸と車体との間の距離は、第1部分の長さよりも短い。
【0026】
ケーシングは、運転位置では、カメラが配置されたケーシングの第2部分の一部が車両表面から外部に展開され、運転者の運転を支援するためのリアビュー画像をキャプチャするためにカメラが適切に配置されるように構成され、駐車位置では、カメラが配置されたケーシングのその一部が少なくとも部分的に開口部に隠され、電気的および/または電子的なデバイスが配置されたケーシングの第1部分の一部は、車両表面から外部に突出する。
【0027】
好ましくは、運転位置では、電気的および/または電子的なデバイスが配置される第1部分の一部が開口部に隠される。
【0028】
好ましくは、ケーシングは、駐車位置において、ケーシングの第2部分の外面が車両の車体表面と面一になり、開口部を少なくとも部分的に覆い、より好ましくは、開口部を完全に覆うように構成される。
【0029】
好ましくは、ケーシングは、運転位置において、ケーシングの第1部分の外面が、少なくとも部分的に開口部を覆い、より好ましくは、完全に開口部を覆って、車両の表面と面一になるように構成される。
【0030】
より好ましくは、ケーシングは、運転位置、駐車位置、および回転中に、開口部をゴミや水が通過しないように、ケーシングによって開口部が閉じられるように、構成される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
(図面の簡単な説明)
本明細書を完成させ、本発明をより良く理解するために、図面一式を提供する。これらの図面は、本説明の不可欠な部分を形成し、本発明の実施形態を示すものであり、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではなく、単に本発明を実施することができる例として解釈されるべきであり、本発明の実施態様を示す。図面は、以下の図から構成される。
【0032】
図1図1Aは、完全に組み立てられた状態であり、図1Bは、外側カバーが取り外された状態の、本発明による格納式カメラウィングアセンブリの例示的な実施形態の2つの斜視図を示す。
図2図2は、図1Aおよび図1Bのアセンブリの分解図を示す。
図3A図3Aは、車両に取り付けられたアセンブリの斜視図であって、運転位置または展開位置にあるアセンブリを示す。
図3B図3Bは、車両に取り付けられたアセンブリの斜視図であって、運転位置または展開位置にあるアセンブリを示す。
図3C図3Cは、車両に取り付けられたアセンブリの斜視図であって、駐車位置にあるアセンブリを示す。
図3D図3Dは、車両に取り付けられたアセンブリの斜視図であって、駐車位置にあるアセンブリを示す。
図4図4は、運転位置(4A)および駐車位置(4B)にあるアセンブリを異なる角度から見た2つの追加斜視図を示す。
図5図5は、運転位置(5A)および駐車位置(5B)にあるアセンブリの2つの底面図を示す。これらの図において、それぞれの上部は、自動車の内部に対応する。点線は、ケーシングの第1部分および第2部分の回転運動を表す。
図6図6は、運転位置(6A)および駐車位置(6B)にあるアセンブリの上面図における2つの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(発明を実施するための手段の説明)
図1A及び図1Bは、格納式カメラウィングアセンブリ(1)の例示的な実施形態を示し、センブリ(1)は、一緒に結合された外側カバー(6)および裏側カバー(3)によって形成されたケーシング(2)を備える。図2に示すように、ケーシング(2)の内部には、ブラケット(10)と、ブラケット(10)上に置かれたプリント回路基板(4)と、カメラモニタシステム(CMS)のカメラ(8)と、360°カメラ(22)と、第1光源、この場合にはウインカ光源(12)と、この例ではロゴ付きランプ、パドルランプなどとして第2の光源(11)を構成する電気構成部品と、が配置される。プリント回路基板(4)はまた、プリント回路基板(4)上に実装された1つまたは複数の上記の構成部品の動作を制御するために適合された制御手段、例えばマイクロコントローラを含む。制御手段は、アセンブリの別の構成部品から、および/または、アセンブリに対する外部の構成部品またはデバイスから、信号を受信するように、適合され得る。
【0034】
アセンブリ(1)はまた、ウインカ光源(12)用のウィンカレンズ(7)を含み、このウインカレンズは、外側カバー(6)のノッチ(9)を通して外部から見える。
【0035】
上記のすべての構成部品が一緒に組み立てられると、図1Aに示されるアセンブリが構成される。この図に示されるように、ケーシング(2)は、ケーシング(2)が車両に動作可に取り付けられたときに、ケーシング(2)が旋回軸(Y)を中心に回動可能であるように、ピボット軸(Y)を規定し、例えば、ケーシングの回転角度は、20°-45°の範囲内である。この目的のために、ケーシング(2)を車両に取り付けるための支持体(5)が設けられ、支持体(5)が車両に取り付けられ、ケーシング(2)が支持体(5)に枢動可能に結合される。
【0036】
また、図1Aに示すように、ケーシング(2)は、旋回軸(Y)から第1方向に、特に第1軸(X)に沿って延びる第1部分(2a)と、旋回軸(Y)から第2方向に、特に第2軸(X’)に沿って延びる第2部分(2b)と、を有し、第1および第2の部分(2a,2b)が互いに分岐する。第2部分(2b)は、第1部分(2a)よりも長い。
【0037】
カメラ(8)と、実施例ではウインカ光源(12)からなる第1光源とは、ケーシング(2)の第2部分(2b)に配置され、カメラモニタシステム(CMS)カメラ(8)は、第2部分(2b)の旋回軸(Y)から最も遠い表面の自由端に位置し、そこに形成された開口部を通して画像を取り込むことができる。第2光源(11)は、ケーシング(2)の第1部分(2a)に位置し、第1部分(2a)に形成された別の開口部(図5Aおよび図5B)を通して、またはその透明領域を通して、好ましくは車両に取り付けられたときにケーシング(2)の底面で、見える。
【0038】
図6Aおよび図6Bによりよく示されているように、第1および第2の部分(2a,2b)は、一般に、同一平面図上にあり、それらは、それらの間の角度(α)が100°-170°の範囲内、すなわち、軸(X,X’)間の角度(α)が前記範囲内にあるように配置される。
【0039】
軸(Y)に対するアセンブリの全ての構成部品の配置は、図2によく示される。図1Aおよび図1Bに関連して上述した構成部品に加えて、アセンブリ(1)は、軸(Y)と同軸のスリーブ(13)を含み、アセンブリ(1)が支持体(5)に取り付けられる。アセンブリ(1)は、カバー(15)と、支持体(5)に取り付けられた駆動機構(14)と、図5Aおよび図5Bに示すような、運転位置と駐車位置との間で支持体(5)に対するアセンブリの回転を引き起こすブラケット(10)と、をさらに含む。
【0040】
駆動機構(14)は、電気式、機械式、電気機械式のいずれのタイプのアクチュエータで構成されてもよく、あるいは代替的に、手動式のアクチュエータで構成されてもよい。
【0041】
制御手段は、例えば、運転者が車両内にいるとき、運転位置から駐車位置に移行する命令を受け取ると、制御手段は、一定期間、好ましくは30秒より長く、より好ましくは60秒より長く、駆動機構(14)の動作を遅らせて、駐車位置に移行するよう駆動機構(14)に命令し、その期間、例えば車両が停止している間カメラを動作可能に保つように、駐車位置に移行する命令の優先度に応じて、駆動機構(14)の動作を制御するようにも適合されてよい。他の場合、例えば、運転者が外部から車両を閉じたとき、制御手段は、はるかに短い期間、好ましくは30秒未満、より好ましくは10秒未満で、駐車位置への移行を駆動機構(14)に命令する。
【0042】
スリーブ(13)は、ブラケット(10)を支持体(5)に取り付け、駆動機構(14)は、ブラケット(10)のキャビティ(23)内に受け入れられ、同じスリーブ(13)および/または1以上のネジ(24)のような他の要素によって、ブラケット(10)および支持体(5)に取り付けられる。
【0043】
プリント回路基板(4)には360°カメラ(22)も含まれており、アセンブリ(1)が車両に搭載された際に、アセンブリ(1)全周の画像をキャプチャできるように配置される。
【0044】
ケーシング(2)の外面は、外側カバー(6)および裏側カバー(3)によって形成される。さらに、カバー(15)は、ブラケット(10)と共に、プリント回路基板(4)全体またはその一部の防水区画を構成し、その区画内への水や塵の侵入を防止する。
【0045】
裏側カバー(3)は、ブラケット(10)、360°カメラ(22)用の開口部(図示せず)を収容するための概ね平坦な表面(25)と、カメラ(8)用の開口部(27)を有する端面(26)と、を有する。裏側カバー(3)はまた、内側に壁(28)を有する概ね「V」字形状を有する背面(19)を有する。
【0046】
外側カバー(6)は、2面、すなわち、裏側カバー(3)の端面(26)と一致する側面(6a)および上面(6b)を有して、ブラケット(10)、プリント回路基板(4)、上部カバー(15)、スリーブ(13)および駆動機構(14)によって形成されるアセンブリを囲むためのケーシングを構成する。
【0047】
好ましい実施態様では、外側カバー(6)は、裏側カバー(3)を図1Aに示すように完全に覆うように延び、または、図1Bに示すように部分的に覆うように延びる。
【0048】
図3および図4は、開口部(18)を有する車体表面(17)と、格納式カメラウィングアセンブリ、好ましくは先に説明した格納式カメラウィングアセンブリ(1)と、を有する車両(16)に関する、本発明の別の態様を示す。
【0049】
アセンブリ(1)は、開口部(18)に回動可能に設置され、カメラ(8)がリアビュー画像をキャプチャできるようにアセンブリ(1)が車両表面から外部に展開される運転位置(図3A図3B図4A図5A図6A)に移行し、駐車位置(図3C図3D図4B図5B図6B)において、ケーシング(2)の第2部分(2b)は、開口部(18)に隠され、したがって、カメラ(8)は、隠されて、車体表面(17)の背後に保護されて動作不可能であり、ケーシング(2)の第1部分(2a)またはその一部は、車体表面(17)の外に突出する。好ましくは、駆動位置において、ケーシング(2)の第1部分(2a)は、開口部(18)内に隠されており、好ましくは、動作不可能である。
【0050】
図3Bでは、ケーシング(2)の軸「Y」回りの回転角度が、駐車位置から運転位置に進むために20°から45°の間の範囲内にあるように、アセンブリが構成されていることが示される。
【0051】
図3Dでは、第2部分(2b)が第1部分(2a)よりも長いこと、すなわち、距離(d2)が距離(d1)よりも大きいことが示されており、ここで、距離は、旋回軸から各部分(2a,2b)の自由端までとされる。また、この図において、旋回軸(Y)は、車体表面(17)から距離(D)で車両の車体表面(17)の内部に位置し、この距離(D)は、第1部分(2a)の距離(d1)よりも短い。
【0052】
第2光源(11)は、ケーシング(2)の第1部分(2a)に配置され、ケーシング(2)は、駐車位置において車体表面(17)から外部に突出する。したがって、第2光源(11)は、例えば、(図4Bに示されるように)車両へのアクセスドアの近くの地面領域を照らすため、および/または、ロゴを照らすために、使用することができ、あるいは、そこに取り付けられた電気的または電子的なデバイスのタイプに応じた他の所望の機能性を有する。
【0053】
図4Aに示すように、運転位置では、第1部分(2a)の外面は、車体表面(17)と面一であり、図4Bに示すように、駐車位置では、第2部分(2b)の外面は、車体表面(17)と面一である。第1および第2の部分(2a,2b)の外面は、連続しており、互いに対して傾斜する。
【0054】
いずれにしても、ケーシング(2)は、運転位置および駐車位置において、開口部(8)がケーシング(2)によって常に閉じられるように構成され、開口部から車室内に汚れや水が侵入することを防止する。
【0055】
この特徴は、図5Aおよび図5Bにおいてよりよく表されており、そこでは、ケーシング(2)、好ましくは裏側カバー(3)および裏面(19)が、特に図4Aおよび図5Aによりよく示されているように、運転位置において第1部分(2a)に対応する開口(18)の一部を閉じるように形状および寸法が決められていることが示されている。第1部分(2a)に対応する開口部(18)の一部は、外側カバー(6)によって閉鎖される。
【0056】
図6Aおよび図6Bは、旋回軸(Y)を中心とする、運転位置(図6A)と駐車位置(図6B)との間のケーシング(2)の旋回運動を模式的に示す。第1部分(2a)および第2部分(2b)の全容積は、中心が軸(Y)である円形領域(点線で区切られている)内に含まれており、第1および第2の部分(2a,2b)のそれぞれの自由端(20,21)は、好ましくは、開口部(18)を適切に閉じるために、丸みを帯びており、中心が軸(Y)である円周の曲率に少なくとも部分的に追従する。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6