(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157020
(43)【公開日】2023-10-25
(54)【発明の名称】自走装置
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20231018BHJP
G01S 17/931 20200101ALI20231018BHJP
B25J 5/00 20060101ALI20231018BHJP
B25J 13/00 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
G05D1/02 L
G01S17/931
B25J5/00 E
B25J13/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116874
(22)【出願日】2023-07-18
(62)【分割の表示】P 2022538685の分割
【原出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長末 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】前田 亮太
(72)【発明者】
【氏名】中川 昌昭
(72)【発明者】
【氏名】田中 秀明
(72)【発明者】
【氏名】大場 勇太
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自走装置の上方または下方にある障害物を検知できる自走装置が望まれている。
【解決手段】自走装置(100)は、車輪駆動の走行本体(10)と、レーザセンサ(105)とを備える。レーザセンサ(105)は、レーザセンサ(105)を中心としてレーザ光を回転させながら照射し、当該レーザ光の反射光を受光することで、レーザセンサ(105)の周囲にある物体までの距離をレーザセンサ(105)を中心とする角度別に表わした2次元距離データを出力するように構成されている。走行本体(10)は、レーザセンサ(105)から出力される2次元距離データに基づいて、走行本体(10)の走行を制御するための制御装置(101)を備える。レーザセンサ(105)は、レーザ光の回転中に当該レーザ光が通過する範囲である走査面が水平面に対して所定角度を有するように走行本体(10)に設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走装置であって、
車輪駆動の走行本体と、
レーザセンサとを備え、前記レーザセンサは、当該レーザセンサを中心としてレーザ光を回転させながら照射し、当該レーザ光の反射光を受光することで、当該レーザセンサの周囲にある物体までの距離を当該レーザセンサを中心とする角度別に表わした2次元距離データを出力するように構成されており、
前記レーザセンサから出力される2次元距離データに基づいて、前記走行本体の走行を制御するための制御装置を備え、
前記レーザセンサは、前記レーザ光の回転中に当該レーザ光が通過する範囲である走査面が水平面に対して所定角度を有するように前記走行本体に設けられる、自走装置。
【請求項2】
前記自走装置は、前記走行本体上に設けられているアームロボットをさらに備え、
前記レーザセンサは、前記走査面が前記アームロボットの可動範囲を含むように前記走行本体に設けられる、請求項1に記載の自走装置。
【請求項3】
前記自走装置は、さらに、前記レーザセンサを収容するためのカバーを備え、
前記レーザセンサまたは前記カバーは、前記カバーに対する前記レーザ光の入射角が0度よりも大きく90度よりも小さくなるように前記走行本体に設けられる、請求項1または2に記載の自走装置。
【請求項4】
前記レーザセンサまたは前記カバーは、当該レーザセンサと当該カバーとの間の距離が長いほど、前記レーザ光の回転中に前記カバーに入射するレーザ光の最小入射角が小さくなるように前記走行本体に設けられる、請求項3に記載の自走装置。
【請求項5】
前記制御装置は、鉛直方向の回転軸を中心として前記走行本体を回転させている最中に前記レーザセンサから前記2次元距離データを順次取得し、当該順次得られる2次元距離データに基づいて、前記走行本体の周囲の空間を表わす3次元データを生成する処理を実行する、請求項1~4のいずれか1項に記載の自走装置。
【請求項6】
前記3次元データを生成する処理は、前記自走装置が予め設定された範囲に含まれたことに基づいて実行される、請求項5に記載の自走装置。
【請求項7】
前記自走装置は、当該自走装置を操作するためのユーザ端末と通信可能に構成されており、
前記3次元データを生成する処理は、当該処理の実行操作に基づく実行指令を前記ユーザ端末から受信したことに基づいて実行される、請求項5または6に記載の自走装置。
【請求項8】
前記走行本体は、3つ以上の駆動輪を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の自走装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車輪駆動の自走装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工場などの生産システムにおいて、無人化が望まれている。無人化を実現するために、自走装置の開発が進められている。自走装置は、加工前のワークや工具などを各工作機械に搬送したり、各工作機械で加工が完了したワークや使用済の工具などを回収する。
【0003】
特開2019-8359号公報(特許文献1)は、「マップ情報を良好に作成する」ことを目的とする自走装置を開示している。当該自走装置は、投射光を出射する投光部を回転駆動させ、計測対象物により反射された反射光の受光に基づいて距離測定データを出力する距離測定装置と、距離測定データに基づいてマップ情報を作成するマップ作成部と、障害物を検知する障害物センサとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示される自走装置は、水平方向に出射された投射光に基づいて、障害物を検知する。そのため、当該自走装置は、移動装置の進行方向に存在する障害物については検知できるが、自走装置の上方または下方に存在する障害物については検知できない。そのため、自走装置の上方または下方にある障害物を検知できる自走装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一例では、自走装置は、車輪駆動の走行本体と、レーザセンサとを備える。上記レーザセンサは、当該レーザセンサを中心としてレーザ光を回転させながら照射し、当該レーザ光の反射光を受光することで、当該レーザセンサの周囲にある物体までの距離を当該レーザセンサを中心とする角度別に表わした2次元距離データを出力するように構成されている。上記自走装置は、上記レーザセンサから出力される2次元距離データに基づいて、上記走行本体の走行を制御するための制御装置を備える。上記レーザセンサは、上記レーザ光の回転中に当該レーザ光が通過する範囲である走査面が水平面に対して所定角度を有するように上記走行本体に設けられる。
【0007】
本開示の一例では、上記自走装置は、上記走行本体上に設けられているアームロボットをさらに備える。上記レーザセンサは、上記走査面が上記アームロボットの可動範囲を含むように上記走行本体に設けられる。
【0008】
本開示の一例では、上記自走装置は、さらに、上記レーザセンサを収容するためのカバーを備える。上記レーザセンサまたは上記カバーは、上記カバーに対する上記レーザ光の入射角が0度よりも大きく90度よりも小さくなるように上記走行本体に設けられる。
【0009】
本開示の一例では、上記レーザセンサまたは上記カバーは、当該レーザセンサと当該カバーとの間の距離が長いほど、上記レーザ光の回転中に上記カバーに入射するレーザ光の最小入射角が小さくなるように上記走行本体に設けられる。
【0010】
本開示の一例では、上記制御装置は、鉛直方向の回転軸を中心として上記走行本体を回転させている最中に上記レーザセンサから上記2次元距離データを順次取得し、当該順次得られる2次元距離データに基づいて、上記走行本体の周囲の空間を表わす3次元データを生成する処理を実行する。
【0011】
本開示の一例では、上記3次元データを生成する処理は、上記自走装置が予め設定された範囲に含まれたことに基づいて実行される。
【0012】
本開示の一例では、上記自走装置は、当該自走装置を操作するためのユーザ端末と通信可能に構成されている。上記3次元データを生成する処理は、当該処理の実行操作に基づく実行指令を上記ユーザ端末から受信したことに基づいて実行される。
【0013】
本開示の一例では、上記走行本体は、3つ以上の駆動輪を有する。
本発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解される本発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】レーザセンサと、レーザセンサから出力される2次元距離データとを示す図である。
【
図5】レーザセンサおよびカバーの配置関係の例を示す図である。
【
図6】自走装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図8】自走装置による回転スキャンの様子を時系列に示す図である。
【
図9】変形例1に従う自走装置を前進方向から表わした図である。
【
図10】変形例1に従う自走装置を上方向から表わした図である。
【
図11】変形例2に従う自走装置を前進方向から表わした図である。
【
図12】変形例2に従う自走装置を上方向から表わした図である。
【
図13】変形例3に従う自走装置を左面SF3側から表わした図である。
【
図14】変形例3に従う自走装置を上方向から表わした図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0016】
<A.自走装置100>
図1を参照して、自走装置100について説明する。
図1は、自走装置100の外観を示す図である。
【0017】
自走装置100は、ワークや工具などの搬送対象物を任意の場所に搬送する。自走装置100は、走行本体10と、アームロボット20とを含む。
【0018】
走行本体10は、カバー110を有する。カバー110の内部には、後述のレーザセンサ105(
図2参照)が設けられる。自走装置100は、レーザセンサ105の検知結果に基づいて、走行本体10の走行を制御する。
【0019】
走行本体10は、駆動輪WAと、非駆動輪WBとを有する。駆動輪WAおよび非駆動輪WBは、たとえば、オムニホイールである。駆動輪WAは、後述のモータM(
図6参照)の駆動力を受けて回転駆動する車輪である。一方で、非駆動輪WBは、モータの駆動力を直接的に受けずに駆動輪WAに従動する車輪である。
【0020】
図1には、2つの駆動輪WAを有する走行本体10が示されているが、駆動輪WAの数は任意である。典型的には、走行本体10は、2つ以上の駆動輪WAを有する。
【0021】
また、
図1には、2つの非駆動輪WBを有する走行本体10が示されているが、非駆動輪WBの数は任意である。典型的には、走行本体10は、1つ以上の非駆動輪WBを有する。
【0022】
また、
図1には、駆動輪WAが前輪であり、非駆動輪WBが後輪である例が示されているが、駆動輪WAが後輪であり、非駆動輪WBが前輪であってもよい。
【0023】
ある局面において、走行本体10には、2つの駆動輪WAが設けられる。この場合、第1,第2の駆動輪WAが前進方向Rと後進方向Bとの走行を担う。
【0024】
他の局面において、走行本体10には、3つ以上の駆動輪WAが設けられる。この場合、第1,第2の駆動輪WAが前進方向Rと後進方向Bとの走行を担い、第3の駆動輪WAが前進方向Rの直交方向の走行を担う。典型的には、第3の駆動輪WAは、走行本体10の重心位置から前進方向Rまたは後進方向Bに所定距離離れた場所における走行本体10下部に設けられる。自走装置100は、第3の駆動輪WAを駆動することにより、走行本体10の重心位置を通る鉛直方向を回転中心として走行本体10を回転させることができる。
【0025】
アームロボット20は、走行本体10上に設けられている。また、走行本体10上には、ワークWの置き場が設けられている。アームロボット20は、ワークWを把持し、指定された場所に当該ワークWを移動する。
【0026】
なお、上述では、4~7軸駆動のアームロボット20が走行本体10上に設置されている例について説明を行ったが、ワークまたは工具などの搬送対象物を搬送することが可能な種々の搬送装置が走行本体10上に設置され得る。当該搬送装置は、2~3軸駆動のロボット(たとえば、オートローダ)であってもよい。
【0027】
<B.レーザセンサ105>
次に、
図2を参照して、自走装置100のカバー110内に設けられているレーザセンサ105に付いて説明する。
図2は、レーザセンサ105と、レーザセンサ105から出力される2次元距離データDとを示す図である。
【0028】
レーザセンサ105は、レーザセンサ105の中心軸AXを回転中心としてレーザ光LAを回転させながら照射し、当該レーザ光LAの反射光を受光するように構成される。これにより、レーザセンサ105は、周囲にある物体までの距離を中心軸AXを基準とする角度別に表わした2次元距離データDを出力する。2次元距離データDは、走査面SC内に存在する各物体までの距離を照射角度別に表わす。
【0029】
より具体的には、レーザセンサ105は、照射部と、ミラーと、受光部とで構成される。当該照射部は、当該ミラーに向けてレーザ光を照射する。当該ミラーは、モーター(図示しない)によって中心軸AXを回転中心として回転可能にされており、レーザ光LAを
各方向に反射する。これにより、レーザセンサ105は、レーザ光LAを各方向に照射する。物体がレーザセンサ105の周囲にある場合には、レーザ光LAは、当該物体に反射され、レーザセンサ105に戻る。レーザセンサ105は、当該反射光を受光部で受ける。
【0030】
レーザセンサ105は、物体からの反射光を受けて、当該物体までの距離を算出する。一例として、レーザセンサ105は、レーザ光LAを照射してから、当該レーザ光LAの反射光を受光するまでの時間に基づいて、レーザセンサ105から物体までの距離を算出する。典型的には、レーザセンサ105は、光の速度に当該時間を掛けることで物体までの距離を算出する。レーザセンサ105は、当該距離をレーザ光LAの照射角度に対応付けることで、中心軸AXを基準とする角度別に距離を表わした2次元距離データDを出力する。
【0031】
レーザセンサ105が出力する距離データの角度範囲は、任意に設定される。
図2の例では、0度~270度の角度範囲が有効に設定されている。
【0032】
<C.レーザセンサ105の向き>
次に、
図3および
図4を参照して、自走装置100に対するレーザセンサ105の向きについて説明する。
図3は、自走装置100を側面方向から表わした図である。
図4は、自走装置100を上方向から表わした図である。
【0033】
レーザセンサ105は、たとえば、走行本体10の前面に設けられる。自走装置100の前面は、走行本体10を構成する面の内、自走装置100の前進方向に当たる面である。この場合、距離測定の有効角度の範囲は、前進方向側の180度の範囲に設定される。後進方向側の180度の範囲は、無効に設定される。
【0034】
図3および
図4に示されるように、レーザセンサ105は、レーザ光LAの走査面SCが水平面H(地面)に対して所定角度θを有するように走行本体10に設けられる。すなわち、レーザセンサ105は、走査面SCが水平面Hと平行にならないように走行本体10に設けられる。
【0035】
ある局面において、角度θは、0度よりも大きく90度よりも大きい。正の角度θは、水平面Hよりも上空側の角度を表わす。角度θが0度よりも大きく90度よりも大きい場合、自走装置100は、走行本体10の上方に存在する障害物を検知できる。典型的には、角度θは、30度よりも大きく60度よりも小さい。
図3には、角度θが約45度である例が示されている。
【0036】
他の局面において、角度θは、-90度よりも大きく0度よりも小さい。負の角度θは、水平面Hよりも地中側の角度を表わす。角度θが-90度よりも大きく0度よりも小さい場合、自走装置100は、走行本体10の下方に存在する障害物を検知できる。典型的には、角度θは、-60度よりも大きく-30度よりも小さい。
【0037】
このように、レーザセンサ105が走査面SCに対して所定角度θ傾けられた状態で走行本体10に設けられることで、自走装置100は、走行本体10の上方または走行本体10の下方に存在する障害物を検知することが可能になる。また、自走装置100は、自走している最中に、レーザセンサ105から2次元距離データDを順次取得することで、周囲の形状を3次元的にスキャンすることができる。
【0038】
典型的には、レーザセンサ105は、走査面SCがアームロボット20(
図1参照)の可動範囲を含むように走行本体10に設けられる。異なる言い方をすれば、走査面SCは
、アームロボット20の可動範囲の少なくとも一部で重複する。これにより、レーザセンサ105は、アームロボット20の動きを捉えることが可能になる。
【0039】
<D.レーザセンサ105およびカバー110の配置関係>
次に、
図5を参照して、レーザセンサ105およびカバー110の配置関係について説明する。
図5は、レーザセンサ105およびカバー110の配置関係の例を示す図である。
【0040】
カバー110は、たとえば、レーザセンサ105から照射されたレーザ光L1を透過する部材で構成される。一例として、カバー110は、樹脂カバーである。
【0041】
図5(A)および
図5(B)に示されるレーザ光L1は、レーザ光の回転中にカバー110に入射するレーザ光の内、カバー110に対する入射角θが最小となるレーザ光を示す。入射角θは、レーザ光L1と、カバー面の直交方向とが成す角度を示す。カバー面とは、カバー110を構成する面の内、レーザ光L1が入射する面を示す。
【0042】
図5(A)には、レーザ光L1がカバー110に直角に入射する場合の例が示されている。入射角θが0度となる場合、レーザ光L1の一部は、カバー110によって反射され、反射光L2としてレーザセンサ105に戻る。一方で、レーザ光L1の残りは、物体OBによって反射され、反射光L3としてレーザセンサ105に戻る。この場合、レーザセンサ105は、反射光L2により、カバー110を障害物として誤検知してしまう。
【0043】
図5(B)には、レーザ光L1がカバー110に直角に入射しない場合の例が示されている。入射角θが0度よりも大きい場合、カバー110からの反射光L2は、レーザセンサ105に戻らない。一方で、物体OBからの反射光L3は、レーザセンサ105に戻る。その結果、レーザセンサ105は、カバー110を検知せずに、物体OBを検知することができる。そのため、レーザセンサ105またはカバー110は、レーザ光の回転中にカバー110に入射するレーザ光L1がカバー110に対して直角に入射しないように走行本体10に設けられる。異なる言い方をすれば、レーザセンサ105またはカバー110は、入射角θが0度よりも大きくかつ90度よりも小さくなるように走行本体10に設けられる。
【0044】
レーザ光L1に対するカバー110の傾き加減は、レーザセンサ105とカバー110との間の距離dに応じて決められる。距離dは、レーザセンサ105とカバー110との間においてレーザ光L1が通過する距離を表わす。
【0045】
より具体的には、レーザセンサ105またはカバー110は、距離dが長いほど入射角θ1が小さくなるように走行本体10に設けられる。異なる言い方をすれば、レーザセンサ105またはカバー110は、距離dが短いほど入射角θ1が大きくなるように走行本体10に設けられる。これにより、自走装置100は、カバー110を障害物として誤検知することをより確実に防止することができる。
【0046】
<E.自走装置100のハードウェア構成>
次に、
図6を参照して、自走装置100のハードウェア構成について説明する。
図6は、自走装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0047】
自走装置100は、制御装置101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、通信インターフェイス104と、上述のレーザセンサ105(
図2参照)と、モータ駆動装置106と、記憶装置120とを含む。これらのコンポーネントは、バス109に接続される。
【0048】
制御装置101は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、少なくとも1つのGPU(Graphics Processing Unit)、少なくとも1つのASIC(Application
Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable
Gate Array)、またはそれらの組み合わせなどによって構成され得る。
【0049】
制御装置101は、制御プログラム122やオペレーティングシステムなどの各種プログラムを実行することで自走装置100の動作を制御する。制御装置101は、制御プログラム122の実行命令を受け付けたことに基づいて、記憶装置120またはROM102からRAM103に制御プログラム122を読み出す。RAM103は、ワーキングメモリとして機能し、制御プログラム122の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
【0050】
通信インターフェイス104には、LAN(Local Area Network)やアンテナなどが接続される。自走装置100は、通信インターフェイス104を介して外部機器との無線通信または有線通信を実現する。当該外部機器は、たとえば、サーバー(図示しない)、自走装置100を操作するためのユーザ端末(図示しない)などを含む。当該ユーザ端末は、たとえば、タブレット端末やスマートフォンなどである。ユーザは、当該ユーザ端末を介して自走装置100の走行を制御することができる。
【0051】
モータ駆動装置106は、制御装置101からの制御指令に従って、モータMの回転を制御する。当該制御指令は、たとえば、モータMの正転指令、モータMの逆転指令、モータMの回転速度などを含む。モータMには、たとえば、ステッピングモータまたはサーボモータなどが採用される。モータMには、上述の駆動輪WA(
図1参照)が接続される。モータMの数は、駆動輪WAの数と同数である。
【0052】
記憶装置120は、たとえば、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体である。記憶装置120は、制御プログラム122および3次元マップ124などを格納する。3次元マップ124の詳細については後述する。制御プログラム122および3次元マップ124の格納場所は、記憶装置120に限定されず、制御装置101の記憶領域(たとえば、キャッシュメモリなど)、ROM102、RAM103、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
【0053】
また、制御プログラム122は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、制御プログラム122による自走装置100の走行制御処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う制御プログラム122の趣旨を逸脱するものではない。さらに、制御プログラム122によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーが制御プログラム122の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態で自走装置100が構成されてもよい。
【0054】
<F.自走装置100の機能構成>
図7を参照して、自走装置100の機能について説明する。
図7は、自走装置100の機能構成の一例を示す図である。
【0055】
図7に示されるように、自走装置100の制御装置101は、機能構成の一例として、マップ生成部152と、走行制御部154と、回転スキャン部156とを含む。以下では、これらの構成について順に説明する。
【0056】
(F1.マップ生成部152)
マップ生成部152は、自走装置100の駆動中にレーザセンサ105から順次取得される2次元距離データDに基づいて、自走装置100の周囲の空間を表わす3次元マップ124(3次元データ)を生成する。
【0057】
3次元マップ124は、たとえば、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術により生成される。3次元マップ124は、自走装置100の位置を特定するために生成される情報であり、かつ、自走装置100の走行場所における静止物の位置を示す情報である。当該静止物は、たとえば、壁、棚などである。
【0058】
3次元マップ124は、たとえば、ユーザがユーザ端末を用いて自走装置100を手動で操作することにより生成される。この場合、ユーザ操作に応じた操作信号が通信インターフェイス104を介して制御装置101に送信されることで、制御装置101は、操作信号に応じてモータ駆動装置106に指令を出力し、自走装置100の走行を制御する。このとき、制御装置101は、レーザセンサ105から入力される2次元距離データDと、自走装置100の位置とに基づいて、自走装置100の周囲にある物体の位置を3次元マップ124にマッピングする。自走装置100の位置は、たとえば、モータ駆動装置106の駆動情報に基づいて特定される。これにより、3次元マップ124において、物体の有無を示す情報が3次元の座標値(x,y,z)の各々に関連付けられる。
【0059】
仮に、レーザセンサ105の走査面SC(
図3参照)が水平面と平行である場合には、レーザセンサ105は、高さ方向における物体の情報を取得できず2次元マップしか生成することができない。これに対して、実施の形態に従う自走装置100においては、レーザセンサ105の走査面SC(
図3参照)は、水平面に対して傾いている。そのため、自走装置100は、移動することで周囲を3次元的にスキャンすることができる。
【0060】
また、マップ生成部152は、3次元マップ124を生成する際に、3次元形状を計測できるレーザセンサ(以下、「3次元レーザセンサ」ともいう。)を用いる必要も無い。3次元レーザセンサは非常に高価であるので、3次元レーザセンサを用いないことで自走装置100にかかる費用は大幅に削減され得る。
【0061】
(F2.走行制御部154)
次に、
図7に示される走行制御部154の機能について説明する。走行制御部154は、自走装置100の走行を制御するための機能構成である。
【0062】
走行制御部154は、レーザセンサ105から入力される2次元距離データDと、3次元マップ124とを比較することにより、自走装置100の現在位置を特定する。制御装置101は、現在位置を特定することで、3次元マップ124上の予め定められた経路に沿って自走装置100を走行させる。
【0063】
さらに、走行制御部154は、自走装置100の駆動中にレーザセンサ105から順次取得される2次元距離データDに基づいて、自走装置100の周囲にある障害物を検知し、当該障害物との衝突を避けるように自走装置100の走行を制御する。当該障害物は、たとえば、人物や他の自走装置100などの移動体と、壁や棚などの静止体とを含む。
【0064】
走行制御部154は、障害物が検知されていない間、3次元マップ124上の予め定められた経路を走行するように自走装置100の走行を制御する。一方で、走行制御部154は、障害物が検知された場合には、当該障害物との衝突を避けるように自走装置100の走行を制御する。
【0065】
ある局面において、障害物までの距離が所定距離以上である場合には、走行制御部154は、当該障害物を避けるように自走装置100の走行を制御する。一方で、障害物までの距離が所定距離未満である場合には、走行制御部154は、自走装置100の走行を停止する。
【0066】
他の局面において、走行制御部154は、障害物が検知された場合には、後述の回転スキャン処理を実行する。
【0067】
(F3.回転スキャン部156)
次に、
図8を参照して、
図7に示される回転スキャン部156の機能について説明する。
図8は、自走装置100による回転スキャンの様子を時系列に示す図である。
【0068】
なお、
図8の例では、3次元マップ124内に自走装置100が描かれているが、自走装置100は、説明の便宜のために描かれているものである。
【0069】
回転スキャン部156は、回転スキャン指示を受けたことに基づいて、停止指令および回転指令を走行制御部154に出力する。このことに基づいて、自走装置100は、鉛直方向の回転軸を中心として走行本体10の回転を開始する(ステップS1)。典型的には、当該回転軸は、自走装置100の重心を通る。
【0070】
マップ生成部152は、自走装置100を回転させている最中にレーザセンサ105から2次元距離データDを順次取得し、当該順次得られる2次元距離データDに基づいて、走行本体10の周囲にある物体の情報を3次元マップ124にマッピングする(ステップS2,S3)。これにより、自走装置100の周囲の空間を表わす3次元データが生成される。
【0071】
上述のように、実施の形態に従う自走装置100においては、レーザセンサ105の走査面SC(
図3参照)が水平面に対して傾いている。そのため、自走装置100は、その場で回転することで周囲を3次元的に詳細にスキャンすることができる。また、3次元スキャンのために、3次元形状を計測できるレーザセンサが(3次元レーザセンサ)を用いられる必要も無い。
【0072】
なお、回転スキャン処理の実行タイミングは、任意である。ある局面において、回転スキャン処理は、自走装置100が予め設定された範囲(以下、「危険領域」ともいう。)に含まれたことに基づいて実行される。
【0073】
より具体的には、3次元マップ124がユーザ端末に表示され、ユーザは、マウスなどの入力デバイスを用いて3次元マップ124上に危険領域を設定する。一例として、当該危険領域は、袋小路などの複雑な経路や人通りが多い場所などに設定される。ユーザ端末は、当該設定された危険領域を自走装置100に送信する。自走装置100は、ユーザ端末から受信した危険領域の設定を記憶する。その後、自走装置100は、走行中において、自身の位置が危険領域に到達したか否かを監視する。自走装置100の位置が危険領域に到達した場合には、回転スキャン指示が回転スキャン部156に発せられる。これにより、回転スキャン処理が実行され、自走装置100は、危険領域における周囲の状況をより詳細に確認することができる。
【0074】
他の局面において、回転スキャン処理は、当該処理の実行操作に基づく実行指令をユーザ端末から受信したことに基づいて実行される。すなわち、ユーザは、3次元マップ124の生成時や、搬送対象物の搬送中などの任意のタイミングに回転スキャン処理の実行操
作をユーザ端末を介して行うができる。これにより、ユーザは、任意の場所において自走装置100に回転スキャン処理を実行させることができ、複雑な経路や人通りが多い危険箇所の空間情報を自走装置100に認識させることができる。
【0075】
<G.変形例1>
次に、
図9および
図10を参照して、自走装置100の変形例1について説明する。
図9は、変形例1に従う自走装置100を前進方向から表わした図である。
図10は、変形例1に従う自走装置100を上方向から表わした図である。
【0076】
上述の
図3および
図4に示される自走装置100は、1つのレーザセンサ105を備えていた。これに対して、本変形例に従う自走装置100は、2つのレーザセンサ105A,105Bを備える。
【0077】
レーザセンサ105A,105Bの機能および構造については、上述のレーザセンサ105と同じであるので、その説明については繰り返さない。
【0078】
以下では、自走装置100の前進方向から見た走行本体10の面を「前面SF1」と称する。また、自走装置100の前進方向から見た走行本体10の右面を「右面SF2」と称する。また、自走装置100の前進方向から見た走行本体10の左面を「左面SF3」と称する。また、自走装置100の後進方向から見た場合の自走装置100の面を「後面SF4」と称する。
【0079】
レーザセンサ105Aは、前面SF1と右面SF2とが成す右前角部に設けられる。これにより、レーザセンサ105Aは、前面SF1側にある障害物と、右面SF2側にある障害物とを検知することができる。
【0080】
レーザセンサ105Aは、レーザ光の走査面SC1が水平面Hと所定角度θAを成すように走行本体10に設けられる。異なる言い方をすれば、レーザセンサ105Aは、走査面SC1が水平面Hと平行にならないように走行本体10に設けられる。典型的には、角度θAは、-90度よりも大きく0度よりも小さい、または、0度よりも大きく90度よりも小さい。正の角度θAは、水平面Hよりも上空側の角度を表わす。負の角度θAは、水平面Hよりも地中側の角度を表わす。
図9には、角度θAが約45度である例が示されている。
【0081】
レーザセンサ105Bは、前面SF1と左面SF3とが成す左前角部に設けられる。これにより、レーザセンサ105Bは、前面SF1側にある障害物と、左面SF3側にある障害物とを検知することができる。
【0082】
レーザセンサ105Bは、レーザ光の走査面SC2が水平面Hと所定角度θBを成すように走行本体10に設けられる。異なる言い方をすれば、レーザセンサ105Bは、走査面SC2が水平面Hと平行にならないように走行本体10に設けられる。典型的には、角度θBは、-90度よりも大きく0度よりも小さい、または、0度よりも大きく90度よりも小さい。正の角度θBは、水平面Hよりも上空側の角度を表わす。負の角度θBは、水平面Hよりも地中側の角度を表わす。
図9には、角度θBが約45度である例が示されている。
【0083】
レーザセンサ105Aおよびレーザセンサ105Bは、走査面SC1と走査面SC2とが交わるように配置される。一例として、走査面SC1と走査面SC2とは、互いに直交する。
【0084】
<H.変形例2>
次に、
図11および
図12を参照して、自走装置100の変形例2について説明する。
図11は、変形例2に従う自走装置100を前進方向から表わした図である。
図12は、変形例2に従う自走装置100を上方向から表わした図である。
【0085】
上述の
図9および
図10に示される自走装置100は、2つのレーザセンサ105A,105Bを備えていた。これに対して、本変形例に従う自走装置100は、4つのレーザセンサ105A~105Dを備える。
【0086】
レーザセンサ105A~105Dの機能および構造については、上述のレーザセンサ105と同じであるので、その説明については繰り返さない。また、レーザセンサ105A,105Bの配置については「G.変形例1」で説明した通りであるので、その説明についても繰り返さない。
【0087】
レーザセンサ105Cは、右面SF2と後面SF4とが成す右後角部に設けられる。これにより、レーザセンサ105Cは、右面SF2側にある障害物と、後面SF4側にある障害物とを検知することができる。
【0088】
レーザセンサ105Cは、レーザ光の走査面SC3が水平面Hと所定角度θCを成すように走行本体10に設けられる。異なる言い方をすれば、レーザセンサ105Cは、走査面SC3が水平面Hと平行にならないように走行本体10に設けられる。典型的には、角度θCは、-90度よりも大きく0度よりも小さい、または、0度よりも大きく90度よりも小さい。正の角度θCは、水平面Hよりも上空側の角度を表わす。負の角度θCは、水平面Hよりも地中側の角度を表わす。
図11には、角度θCが約45度である例が示されている。
【0089】
レーザセンサ105Dは、左面SF3と後面SF4とが成す左後角部に設けられる。これにより、レーザセンサ105Dは、左面SF3側にある障害物と、後面SF4側にある障害物とを検知することができる。
【0090】
レーザセンサ105Dは、レーザ光の走査面SC4が水平面Hと所定角度θDを成すように走行本体10に設けられる。異なる言い方をすれば、レーザセンサ105Dは、走査面SC4が水平面Hと平行にならないように走行本体10に設けられる。典型的には、角度θDは、-90度よりも大きく0度よりも小さい、または、0度よりも大きく90度よりも小さい。正の角度θDは、水平面Hよりも上空側の角度を表わす。負の角度θDは、水平面Hよりも地中側の角度を表わす。
図11には、角度θDが約45度である例が示されている。
【0091】
レーザセンサ105Aおよびレーザセンサ105Cは、走査面SC1と走査面SC3とが交わるように配置される。一例として、走査面SC1と走査面SC3とは、互いに直交する。
【0092】
レーザセンサ105Bおよびレーザセンサ105Dは、走査面SC2と走査面SC4とが交わるように配置される。一例として、走査面SC2と走査面SC4とは、互いに直交する。
【0093】
レーザセンサ105Cおよびレーザセンサ105Dは、走査面SC3と走査面SC4とが交わるように配置される。一例として、走査面SC3と走査面SC4とは、互いに直交する。
【0094】
<I.変形例3>
次に、
図13および
図14を参照して、自走装置100の変形例3について説明する。
図13は、変形例3に従う自走装置100を左面SF3側から表わした図である。
図14は、変形例3に従う自走装置100を上方向から表わした図である。
【0095】
上述の
図11および
図12に示される自走装置100においては、レーザセンサ105A~105Dの各々は、走行本体10の角部に設けられていた。これに対して、本変形例に従う自走装置100においては、2つのレーザセンサ105F,105Gが前面SF1に設けられ、2つのレーザセンサ105H,105Iが後面SF4に設けられる。
【0096】
レーザセンサ105F~105Iの機能および構造については、上述のレーザセンサ105と同じであるので、その説明については繰り返さない。
【0097】
レーザセンサ105Fは、前面SF1に設けられる。典型的には、レーザセンサ105Fは、水平方向における前面SF1の中心位置に設けられる。
【0098】
レーザセンサ105Fは、レーザ光の走査面SC6が水平面Hと所定角度θF(図示しない)を成すように走行本体10に設けられる。異なる言い方をすれば、レーザセンサ105Fは、走査面SC6が水平面Hと平行にならないように走行本体10に設けられる。典型的には、角度θFは、0度よりも大きく90度よりも小さい。正の角度θFは、水平面Hよりも上空側の角度を表わす。
図13には、角度θFが約45度である例が示されている。
【0099】
レーザセンサ105Gは、前面SF1に設けられる。典型的には、レーザセンサ105Gは、水平方向における前面SF1の中心位置に設けられる。また、レーザセンサ105Fおよびレーザセンサ105Gは、鉛直方向において同軸上に設けられる。典型的には、レーザセンサ105Gは、レーザセンサ105Fよりも上側に配置される。
【0100】
レーザセンサ105Gは、レーザ光の走査面SC7が水平面Hと所定角度θG(図示しない)を成すように走行本体10に設けられる。異なる言い方をすれば、レーザセンサ105Gは、走査面SC7が水平面Hと平行にならないように走行本体10に設けられる。典型的には、角度θGは、-90度よりも大きく0度よりも小さい。負の角度θGは、水平面Hよりも地中側の角度を表わす。
図13には、角度θGが約-45度である例が示されている。
【0101】
レーザセンサ105Fおよびレーザセンサ105Gは、走査面SC6と走査面SC7とが交わるように配置される。一例として、走査面SC6と走査面SC7とは、互いに直交する。
【0102】
レーザセンサ105Hは、後面SF4に設けられる。典型的には、レーザセンサ105Hは、水平方向における後面SF4の中心位置に設けられる。
【0103】
レーザセンサ105Hは、レーザ光の走査面SC8が水平面Hと所定角度θH(図示しない)を成すように走行本体10に設けられる。異なる言い方をすれば、レーザセンサ105Hは、走査面SC8が水平面Hと平行にならないように走行本体10に設けられる。典型的には、角度θHは、0度よりも大きく90度よりも小さい。正の角度θHは、水平面Hよりも上空側の角度を表わす。
図13には、角度θHが約45度である例が示されている。
【0104】
レーザセンサ105Iは、後面SF4に設けられる。典型的には、レーザセンサ105
Iは、水平方向における後面SF4の中心位置に設けられる。また、レーザセンサ105Hおよびレーザセンサ105Iは、鉛直方向において同軸上に設けられる。典型的には、レーザセンサ105Iは、レーザセンサ105Hよりも上側に配置される。
【0105】
レーザセンサ105Iは、レーザ光の走査面SC9が水平面Hと所定角度θI(図示しない)を成すように走行本体10に設けられる。異なる言い方をすれば、レーザセンサ105Iは、走査面SC9が水平面Hと平行にならないように走行本体10に設けられる。典型的には、角度θIは、-90度よりも大きく0度よりも小さい。負の角度θIは、水平面Hよりも地中側の角度を表わす。
図13には、角度θIが約-45度である例が示されている。
【0106】
レーザセンサ105Hおよびレーザセンサ105Iは、走査面SC8と走査面SC9とが交わるように配置される。一例として、走査面SC8と走査面SC9とは、互いに直交する。
【0107】
<J.まとめ>
以上のように、レーザセンサ105は、レーザ光LAの走査面SCが水平面Hに対して所定角度θを有するように走行本体10に設けられる。これにより、自走装置100は、走行本体10の上方または走行本体10の下方に存在する障害物を検知することが可能になる。また、自走装置100は、自走している最中に、レーザセンサ105から2次元距離データDを順次取得することで、周囲の形状を3次元的にスキャンすることができる。
【0108】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0109】
10 走行本体、20 アームロボット、100 自走装置、101 制御装置、102 ROM、103 RAM、104 通信インターフェイス、105,105A,105B,105C,105D,105F,105G,105H,105I レーザセンサ、106 モータ駆動装置、109 バス、110 カバー、120 記憶装置、122 制御プログラム、124 3次元マップ、152 マップ生成部、154 走行制御部、156 回転スキャン部。