(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157023
(43)【公開日】2023-10-25
(54)【発明の名称】癌の診断および治療のための新規なFOLR1特異的結合タンパク質
(51)【国際特許分類】
C07K 14/47 20060101AFI20231018BHJP
C12P 21/02 20060101ALI20231018BHJP
A61K 38/17 20060101ALI20231018BHJP
A61K 47/60 20170101ALI20231018BHJP
A61K 47/61 20170101ALI20231018BHJP
A61K 47/62 20170101ALI20231018BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20231018BHJP
A61K 50/00 20060101ALI20231018BHJP
A61K 51/08 20060101ALI20231018BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231018BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20231018BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20231018BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20231018BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20231018BHJP
C12N 15/12 20060101ALN20231018BHJP
【FI】
C07K14/47 ZNA
C12P21/02 C
A61K38/17
A61K47/60
A61K47/61
A61K47/62
A61K47/68
A61K50/00 200
A61K51/08 200
A61K51/08 100
A61P35/00
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12N15/12
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130665
(22)【出願日】2023-08-10
(62)【分割の表示】P 2021535277の分割
【原出願日】2019-12-17
(31)【優先権主張番号】18213661.4
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】19160572.4
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】521265656
【氏名又は名称】ナフィゴ プロテインズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】フィードラー エリック
(72)【発明者】
【氏名】ハウプツ ウルリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】グローザー マニャ
(72)【発明者】
【氏名】ボッセ-ドエネケ エヴァ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】葉酸受容体α(FOLR1)に関係する癌の診断及び治療法における、FOLR1結合タンパク質、およびそれを作製する方法を提供する。
【解決手段】特定のアミノ酸配列に対して70%~83%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記特定のアミノ酸配列の9位、10位、12位、42位、44位、46位、62位、63位、64位、65位、66位、68位、および70位に対応するアミノ酸が置換されている、FOLR1結合タンパク質を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
SEQ ID NO: 46のアミノ酸配列に対して70%~83%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、SEQ ID NO: 46の9位、10位、12位、42位、44位、46位、62位、63位、64位、65位、66位、68位、および70位に対応するアミノ酸が以下のように置換されている、葉酸受容体α(FOLR1)結合タンパク質:
SEQ ID NO: 46の9位が、E、L、S、またはNより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の10位が、E、Q、Y、またはIより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の12位が、Y、E、W、またはDより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の42位が、E、K、Y、Q、またはMより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の44位が、L、Y、V、またはFより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の46位が、Y、D、またはSより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の62位が、L、R、D、またはIより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の63位が、G、F、L、またはAより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の64位が、G、D、またはYより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の65位が、A、D、Y、G、またはMより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の66位が、V、H、Y、またはTより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の68位が、K、D、P、またはTより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の70位が、Q、P、T、W、またはHより選択される。
【請求項2】
SEQ ID NO: 46に対して75%~83%の配列同一性を有するアミノ酸を含む、請求項1記載のFOLR1結合タンパク質。
【請求項3】
SEQ ID NO: 46の11位に対応するアミノ酸がKまたはRより選択され、かつSEQ ID NO: 46の45位に対応するアミノ酸がW、R、またはGより選択される、請求項1または2記載のFOLR1結合タンパク質。
【請求項4】
SEQ ID NO: 46の9位、10位、11位、および12位に対応する、EEKY、EERY、EQKY、LYKE、SYKW、またはNIKDより選択されるアミノ酸残基、ならびに
SEQ ID NO: 46の42位、43位、44位、45位、および46位に対応する、ELLWY、KLLWY、KLLRY、YLYWD、YLYGD、QLVWD、またはMLFWSより選択されるアミノ酸残基、ならびに
SEQ ID NO: 46の62位、63位、64位、65位、66位、67位、68位、69位、および70位に対応する、LGGAVLKLQ、LGDAVLKLQ、LGGAVLKLP、RFGDHLDLT、RFGYHLDLT、DLGGYLPLW、またはIAYMTLTLHより選択されるアミノ酸残基
を含む、請求項1~3のいずれか一項記載のFOLR1結合タンパク質。
【請求項5】
SEQ ID NO: 46の6位、8位、13位、14位、20位、23位、24位、25位、29位、30位、31位、32位、33位、34位、48位、49位、51位、52位、58位、59位、60位、71位、および72位に対応する位置より選択される、1個、2個、3個、4個、5個のアミノ酸位置に、好ましくは、K6V、K6Q、L8R、L8E、L8Y、I13T、T14A、T14P、S20C、S20G、I23T、I23V、E24G、E24A、N25D、K29R、K29E、K29T、I30V、I30L、Q31R、D32G、D32N、K33R、K33Q、E34A、K48E、Q49R、E51K、E51D、D52G、D58N、Y59H、N60T、N60S、L71P、R72G、R72Y、またはR72Kのいずれか1つより選択される置換をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項記載のFOLR1結合タンパク質。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項記載の複数のFOLR1結合タンパク質からなる多量体、好ましくは、請求項1~5のいずれか一項記載のFOLR1結合タンパク質の二量体、より好ましくは、請求項1~5のいずれか一項記載のFOLR1結合タンパク質のホモ二量体である、請求項1~5のいずれか一項記載のFOLR1結合タンパク質。
【請求項7】
SEQ ID NO: 1~45、69~74の群より選択されるか、もしくはそれに対して少なくとも90%の同一性をそれぞれ有するアミノ酸配列より選択される、アミノ酸配列
を含むか、またはそれからなる、請求項1~6のいずれか一項記載のFOLR1結合タンパク質。
【請求項8】
化学的部分をカップリングするための1つまたは複数のカップリング部位を含む、1~80個のアミノ酸の1つまたは複数のカップリングドメインをさらに含み、
好ましくは該化学的部分が、キレート剤、薬物、毒素、色素、および低分子のいずれかより選択される、
請求項1~7のいずれか一項記載のFOLR1結合タンパク質。
【請求項9】
放射性核種、蛍光タンパク質、光増感剤、色素、もしくは酵素、または前述したものの任意の組合せより任意で選択される少なくとも1つの診断的に有効な部分をさらに含む、請求項1~8のいずれか一項記載のFOLR1結合タンパク質。
【請求項10】
モノクローナル抗体もしくはその断片、放射性核種、細胞傷害性化合物、サイトカイン、ケモカイン、酵素、もしくはそれらの誘導体、または前述したものの任意の組合せより任意で選択される少なくとも1つの治療的に有効な部分をさらに含む、請求項1~8のいずれか一項記載のFOLR1結合タンパク質。
【請求項11】
ポリエチレングリコール、ヒト血清アルブミン、アルブミン結合ペプチド、免疫グロブリン結合ペプチド、または免疫グロブリンもしくは免疫グロブリン断片、多糖類、またはアミノ酸アラニン、グリシン、セリン、プロリンを含む構造不定のアミノ酸配列より任意で選択される少なくとも1つの薬物動態調節部分をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項記載のFOLR1結合タンパク質。
【請求項12】
FOLR1に関係する腫瘍の診断または治療において使用するための、好ましくは、FOLR1に関係する腫瘍の画像化およびFOLR1に関係する腫瘍の放射線治療のための、請求項1~11のいずれか一項記載のFOLR1結合タンパク質。
【請求項13】
医薬において使用するための、好ましくは、FOLR1に関係する腫瘍の診断または治療において使用するための、好ましくは、FOLR1に関係する腫瘍の画像化およびFOLR1に関係する腫瘍の放射線治療のための、請求項1~12のいずれか一項記載のFOLR1結合タンパク質を含む組成物。
【請求項14】
(a)FOLR1結合タンパク質を得るために適した条件下で宿主細胞を培養する段階、および
(b)産生された該FOLR1結合タンパク質を単離する段階
を含む、請求項1~13のいずれか一項記載のFOLR1結合タンパク質を作製する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、葉酸受容体α(FOLR1)に特異的である新しい結合タンパク質に関する。本発明はさらに、診断的または治療的に有効な構成要素をさらに含むFOLR1結合タンパク質にも関する。本発明のさらなる局面は、医学、例えばFOLR1に関係する癌の診断および治療法における、これらのFOLR1結合タンパク質の使用も包含する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
葉酸受容体α(FOLR1)は、活性型の葉酸に結合し細胞内部へのその輸送を調整するための高い親和性を有する、グリコシルホスファチジルイノシトールアンカー型膜タンパク質である。FOLR1は、低濃度でのみ発現され、正常なヒト組織、例えば腎臓の近位尿細管細胞における分布は限定的である。
【0003】
いくつかの固形腫瘍において、特に、上皮由来の固形癌タイプにおいて、FOLR1は大幅に過剰発現されている。FOLR1発現が最も高頻度である癌のタイプは、卵巣癌、子宮内膜癌、脳癌、肺癌、および腎癌である。さらに、頭頸部、乳房、胃、および結腸直腸の癌でのFOLR1発現も、中程度の頻度で見出された。
【0004】
卵巣癌は、女性のあらゆる癌のうちで最も死亡率が高い。FOLR1レベルの上昇が、ほぼすべての上皮性卵巣癌において報告された。FOLR1レベルの上昇は、高レベルの腫瘍侵攻性に関連しており、結果として患者の無病期間が短くなり、全生存率が悪くなる。大半の患者は、最初は化学療法に応答するものの、化学療法に対する腫瘍の耐性が原因となって疾患再発を経験する。非小細胞肺癌は肺癌の大部分を占め、患者の予後は不良であり、全ステージで5年生存率が低い。組織でのFOLR1高発現が、多くのエストロゲン受容体/プロゲステロン受容体陰性乳癌において観察された。さらに、希少かつ侵攻性の型の胸部癌および胸膜中皮腫の患者でも、FOLR1の過剰発現が検出されている。
【0005】
FOLR1レベルの高い腫瘍を対象として説明されている標的を定めた診断物質または治療物質は、ごくわずかしない。FOLR1に関係する化学療法(プラチナ)耐性卵巣癌の潜在的治療薬の一例は、現在臨床試験中である抗体-薬物コンジュゲートのミルベツキシマブソラブタンシンである。臨床試験中であるもう1つのモノクローナル抗体は、卵巣癌および肺癌に対するファーレツズマブである。
【0006】
FOLR1に関係する癌の診断および治療は、既存の選択肢によっては適切に対処されておらず、結果として、多くの患者は、現在使われている戦略の恩恵を十分に受けていない。言うまでもなく、FOLR1に関係する腫瘍を診断および治療するための新規な戦略が強く必要とされている。
【0007】
本発明の1つの目的は、FOLR1陽性腫瘍の検出を含む、標的を定めた診断および治療の選択肢を可能にするために、FOLR1を特異的に標的とするための分子を提供することである。この腫瘍関連タンパク質を標的とすることは、新規な診断経路および治療経路のニーズが満たされていない患者に恩恵を与え得る。正常組織におけるFOLR1の分布は少なく限定的であるため、FOLR1を標的とすることによって、非毒性となる可能性のある診断および治療のアプローチが示唆される。したがって、FOLR1に対する特異性を有する結合タンパク質は、癌に対して有効な医療選択肢を使用可能にし、最終的に患者の生活の質を改善し得る。
【0008】
本発明は、FOLR1に関係する癌の診断および治療における新たな改良された戦略のための、新規なFOLR1結合分子を提供する。
【0009】
前述の目的および利点は、添付した特許請求の範囲の主題によって達成される。本発明は、FOLR1結合タンパク質の例を提供することにより、上記に提示した必要を満たす。上記の概要は、本発明によって解決される問題のすべてを必ずしも説明していない。
【発明の概要】
【0010】
本開示は、以下の[1]~[15]を提供するが、特にそれらに限定されない:
[1]
SEQ ID NO: 46のアミノ酸配列に記載のユビキチンに由来するアミノ酸を含む葉酸受容体α(FOLR1)結合タンパク質であって、SEQ ID NO: 46の9位、10位、12位、42位、44位、46位、62位、63位、64位、65位、66位、68位、および70位に対応するアミノ酸が置換されている、FOLR1結合タンパク質。
[2]
SEQ ID NO: 46の9位に対応するアミノ酸が、E、L、S、またはNより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の10位に対応するアミノ酸が、E、Q、Y、またはIより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の12位に対応するアミノ酸が、Y、E、W、またはDより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の42位に対応するアミノ酸が、E、K、Y、Q、またはMより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の44位に対応するアミノ酸が、L、Y、V、またはFより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の46位に対応するアミノ酸が、Y、D、またはSより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の62位に対応するアミノ酸が、L、R、D、またはIより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の63位に対応するアミノ酸が、G、F、L、またはAより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の64位に対応するアミノ酸が、G、D、またはYより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の65位に対応するアミノ酸が、A、D、Y、G、またはMより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の66位に対応するアミノ酸が、V、H、Y、またはTより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の68位に対応するアミノ酸が、K、D、P、またはTより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の70位に対応するアミノ酸が、Q、P、T、W、またはHより選択され、かつ
任意で、SEQ ID NO: 46のさらに1つまたは複数のアミノ酸が改変されている、
[1]に記載のFOLR1結合タンパク質。
[3]
SEQ ID NO: 46に対して70%~85%、SEQ ID NO: 46に対して好ましくは75%~83%、SEQ ID NO: 46に対して好ましくは76%~83%、SEQ ID NO: 46に対して好ましくは79%~83%の配列同一性を有するアミノ酸を含む、[2]に記載のFOLR1結合タンパク質。
[4]
SEQ ID NO: 46の11位に対応するアミノ酸がKまたはRより選択され、かつSEQ ID NO: 46の45位に対応するアミノ酸がW、R、またはGより選択される、[1]~[3]のいずれか1つに記載のFOLR1結合タンパク質。
[5]
SEQ ID NO: 46の9位、10位、11位、および12位に対応する、EEKY、EERY、EQKY、LYKE、SYKW、またはNIKDより選択されるアミノ酸残基、ならびに
SEQ ID NO: 46の42位、43位、44位、45位、および46位に対応する、ELLWY、KLLWY、KLLRY、YLYWD、YLYGD、QLVWD、またはMLFWSより選択されるアミノ酸残基、ならびに
SEQ ID NO: 46の62位、63位、64位、65位、66位、67位、68位、69位、および70位に対応する、LGGAVLKLQ、LGDAVLKLQ、LGGAVLKLP、RFGDHLDLT、RFGYHLDLT、DLGGYLPLW、またはIAYMTLTLHより選択されるアミノ酸残基
を含む、[1]~[4]のいずれか1つに記載のFOLR1結合タンパク質。
[6]
SEQ ID NO: 44の6位、8位、13位、14位、20位、23位、24位、25位、29位、30位、31位、32位、33位、34位、48位、49位、51位、52位、58位、59位、60位、71位、および72位に対応する位置より選択される、1個、2個、3個、4個、5個のアミノ酸位置に、K6V、K6Q、L8R、L8E、L8Y、I13T、T14A、T14P、S20C、S20G、I23T、I23V、E24G、E24A、N25D、K29R、K29E、K29T、I30V、I30L、Q31R、D32G、D32N、K33R、K33Q、E34A、K48E、Q49R、E51K、E51D、D52G、D58N、Y59H、N60T、N60S、L71P、R72G、R72Y、またはR72Kのいずれか1つより好ましくは選択される置換をさらに含む、[1]~[5]のいずれか1つに記載のFOLR1結合タンパク質。
[7]
FOLR1結合タンパク質が、複数の[1]~[6]のいずれか1つに記載のFOLR1結合タンパク質からなる多量体、好ましくは、[1]~[6]のいずれか1つに記載のFOLR1結合タンパク質の二量体、より好ましくは、[1]~[6]のいずれか1つに記載のFOLR1結合タンパク質のホモ二量体である、[1]~[6]のいずれか1つに記載のFOLR1。
[8]
SEQ ID NO: 1~45およびSEQ ID NO: 69~73からなる群より選択されるアミノ酸配列もしくはそれに対して少なくとも90%の同一性をそれぞれ有するアミノ酸配列より選択されるアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる、[1]~[7]のいずれか1つに記載のFOLR1結合タンパク質。
[9]
化学的部分をカップリングするための1つまたは複数のカップリング部位を含む、1~80個のアミノ酸からなる1つまたは複数のカップリングドメインをさらに含み、好ましくは該化学的部分が、キレート剤、薬物、毒素、色素、および低分子のいずれかより選択される、[1]~[8]のいずれか1つに記載のFOLR1結合タンパク質。
[10]
放射性核種、蛍光タンパク質、光増感剤、色素、もしくは酵素、または前述したものの任意の組合せより任意で選択される少なくとも1つの診断的に有効な部分をさらに含む、[1]~[9]のいずれか1つに記載のFOLR1結合タンパク質。
[11]
モノクローナル抗体もしくはその断片、放射性核種、細胞傷害性化合物、サイトカイン、ケモカイン、酵素、もしくはそれらの誘導体、または前述したものの任意の組合せより任意で選択される少なくとも1つの治療的に有効な部分をさらに含む、[1]~[9]のいずれか1つに記載のFOLR1結合タンパク質。
[12]
ポリエチレングリコール、ヒト血清アルブミン、アルブミン結合タンパク質もしくはペプチド、免疫グロブリン結合タンパク質もしくはペプチド、または免疫グロブリンもしくは免疫グロブリン断片、多糖類、またはアミノ酸アラニン、グリシン、セリン、プロリンを含む構造不定のアミノ酸配列より任意で選択される少なくとも1つの薬物動態調節部分をさらに含む、[1]~[11]のいずれか1つに記載のFOLR1結合タンパク質。
[13]
FOLR1に関係する腫瘍の診断または治療において使用するための、好ましくは、FOLR1に関係する腫瘍の腫瘍画像化および放射線治療のための、[1]~[12]のいずれか1つに記載のFOLR1結合タンパク質。
[14]
医薬において使用するための、好ましくは、FOLR1に関係する腫瘍の診断または治療において使用するための、好ましくは、FOLR1に関係する腫瘍の腫瘍画像化および放射線治療のための、[1]~[13]のいずれか1つに記載のFOLR1結合タンパク質を含む組成物。
[15]
(a)FOLR1結合タンパク質を得るために適した条件下で宿主細胞を培養する段階、および
(b)該FOLR1結合タンパク質を単離する段階
を含む、[1]~[13]のいずれか1つに記載のFOLR1結合タンパク質を作製する方法。
【0011】
[本発明1001]
SEQ ID NO: 46のアミノ酸配列に対して70%~83%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、SEQ ID NO: 46の9位、10位、12位、42位、44位、46位、62位、63位、64位、65位、66位、68位、および70位に対応するアミノ酸が以下のように置換されている、葉酸受容体α(FOLR1)結合タンパク質:
SEQ ID NO: 46の9位が、E、L、S、またはNより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の10位が、E、Q、Y、またはIより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の12位が、Y、E、W、またはDより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の42位が、E、K、Y、Q、またはMより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の44位が、L、Y、V、またはFより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の46位が、Y、D、またはSより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の62位が、L、R、D、またはIより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の63位が、G、F、L、またはAより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の64位が、G、D、またはYより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の65位が、A、D、Y、G、またはMより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の66位が、V、H、Y、またはTより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の68位が、K、D、P、またはTより選択され、かつ
SEQ ID NO: 46の70位が、Q、P、T、W、またはHより選択される。
[本発明1002]
SEQ ID NO: 46に対して75%~83%の配列同一性を有するアミノ酸を含む、本発明1001のFOLR1結合タンパク質。
[本発明1003]
SEQ ID NO: 46の11位に対応するアミノ酸がKまたはRより選択され、かつSEQ ID NO: 46の45位に対応するアミノ酸がW、R、またはGより選択される、本発明1001または1002のFOLR1結合タンパク質。
[本発明1004]
SEQ ID NO: 46の9位、10位、11位、および12位に対応する、EEKY、EERY、EQKY、LYKE、SYKW、またはNIKDより選択されるアミノ酸残基、ならびに
SEQ ID NO: 46の42位、43位、44位、45位、および46位に対応する、ELLWY、KLLWY、KLLRY、YLYWD、YLYGD、QLVWD、またはMLFWSより選択されるアミノ酸残基、ならびに
SEQ ID NO: 46の62位、63位、64位、65位、66位、67位、68位、69位、および70位に対応する、LGGAVLKLQ、LGDAVLKLQ、LGGAVLKLP、RFGDHLDLT、RFGYHLDLT、DLGGYLPLW、またはIAYMTLTLHより選択されるアミノ酸残基
を含む、本発明1001~1003のいずれかのFOLR1結合タンパク質。
[本発明1005]
SEQ ID NO: 46の6位、8位、13位、14位、20位、23位、24位、25位、29位、30位、31位、32位、33位、34位、48位、49位、51位、52位、58位、59位、60位、71位、および72位に対応する位置より選択される、1個、2個、3個、4個、5個のアミノ酸位置に、好ましくは、K6V、K6Q、L8R、L8E、L8Y、I13T、T14A、T14P、S20C、S20G、I23T、I23V、E24G、E24A、N25D、K29R、K29E、K29T、I30V、I30L、Q31R、D32G、D32N、K33R、K33Q、E34A、K48E、Q49R、E51K、E51D、D52G、D58N、Y59H、N60T、N60S、L71P、R72G、R72Y、またはR72Kのいずれか1つより選択される置換をさらに含む、本発明1001~1004のいずれかのFOLR1結合タンパク質。
[本発明1006]
本発明1001~1005のいずれかの複数のFOLR1結合タンパク質からなる多量体、好ましくは、本発明1001~1005のいずれかのFOLR1結合タンパク質の二量体、より好ましくは、本発明1001~1005のいずれかのFOLR1結合タンパク質のホモ二量体である、本発明1001~1005のいずれかのFOLR1結合タンパク質。
[本発明1007]
SEQ ID NO: 1~45、69~74の群より選択されるか、もしくはそれに対して少なくとも90%の同一性をそれぞれ有するアミノ酸配列より選択される、アミノ酸配列
を含むか、またはそれからなる、本発明1001~1006のいずれかのFOLR1結合タンパク質。
[本発明1008]
化学的部分をカップリングするための1つまたは複数のカップリング部位を含む、1~80個のアミノ酸の1つまたは複数のカップリングドメインをさらに含み、
好ましくは該化学的部分が、キレート剤、薬物、毒素、色素、および低分子のいずれかより選択される、
本発明1001~1007のいずれかのFOLR1結合タンパク質。
[本発明1009]
放射性核種、蛍光タンパク質、光増感剤、色素、もしくは酵素、または前述したものの任意の組合せより任意で選択される少なくとも1つの診断的に有効な部分をさらに含む、本発明1001~1008のいずれかのFOLR1結合タンパク質。
[本発明1010]
モノクローナル抗体もしくはその断片、放射性核種、細胞傷害性化合物、サイトカイン、ケモカイン、酵素、もしくはそれらの誘導体、または前述したものの任意の組合せより任意で選択される少なくとも1つの治療的に有効な部分をさらに含む、本発明1001~1008のいずれかのFOLR1結合タンパク質。
[本発明1011]
ポリエチレングリコール、ヒト血清アルブミン、アルブミン結合ペプチド、免疫グロブリン結合ペプチド、または免疫グロブリンもしくは免疫グロブリン断片、多糖類、またはアミノ酸アラニン、グリシン、セリン、プロリンを含む構造不定のアミノ酸配列より任意で選択される少なくとも1つの薬物動態調節部分をさらに含む、本発明1001~1010のいずれかのFOLR1結合タンパク質。
[本発明1012]
FOLR1に関係する腫瘍の診断または治療において使用するための、好ましくは、FOLR1に関係する腫瘍の画像化およびFOLR1に関係する腫瘍の放射線治療のための、本発明1001~1011のいずれかのFOLR1結合タンパク質。
[本発明1013]
医薬において使用するための、好ましくは、FOLR1に関係する腫瘍の診断または治療において使用するための、好ましくは、FOLR1に関係する腫瘍の画像化およびFOLR1に関係する腫瘍の放射線治療のための、本発明1001~1012のいずれかのFOLR1結合タンパク質を含む組成物。
[本発明1014]
(a)FOLR1結合タンパク質を得るために適した条件下で宿主細胞を培養する段階、および
(b)産生された該FOLR1結合タンパク質を単離する段階
を含む、本発明1001~1013のいずれかのFOLR1結合タンパク質を作製する方法。
この概要は、本発明のあらゆる特徴を必ずしも説明していない。以下の詳細な説明を再検討することにより、他の態様が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面は以下を示す:
【
図1】葉酸受容体α(FOLR1)結合タンパク質のアミノ酸配列を選んで示したものである。ユビキチン(SEQ ID NO: 46)との差異を灰色で示している。一番上の列の数字は、SEQ ID NO: 46における対応位置を指す。
【
図2】FOLR1に対して高親和性を有するアフィリン-199490(アフィリン-197556bのホモ二量体)の結合。SPR(Biacore)を用いる非標識相互作用アッセイ法による解析。FOLR1はCM-5チップ上に固定された。各線は様々な濃度:0nM、0.1nM、0.3nM、0.93nM、2.77nM、8.3nM、25nM、および75nMを示す。1:1ラングミュアモデルを用いてデータをフィッティングした後、アフィリン-199490について計算したK
D値は、0.5nM未満であった。
【
図3】アフィリン-199490はFOLR2(葉酸受容体β)には結合しないが、FOLR1(葉酸受容体α)には特異的に結合する。SPR(Biacore)を用いる非標識相互作用アッセイ法による解析。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の詳細な説明
本発明者らは、新規なFOLR1結合タンパク質を提供することにより、癌の診断および治療の医療選択肢を広げることに対する当技術分野での持続的な強いニーズを満たすための解決法を作り出した。本明細書において定義されるFOLR1特異的タンパク質の機能的な特徴は、高い特異的親和性をFOLR1に対して有するがFOLR2に対しては有さないことである。特に、本発明は、ユビキチンムテイン(アフィリン(登録商標)分子としても公知)をベースとするFOLR1結合タンパク質を提供する。本明細書において説明されるFOLR1結合タンパク質は、好都合な物理化学的特性を有する分子形態、細菌における高レベルの発現を提供し、容易な作製方法を可能にする。この新規なFOLR1結合タンパク質は、FOLR1に関係する癌の診断および治療法のためのこれまでに対処されていない医療戦略を広げることができる。特に、FOLR1結合タンパク質は、例えばFOLR1を発現する腫瘍細胞の存在についての、画像化目的のため、およびFOLR1を発現する腫瘍の放射線治療のために、使用され得る。
【0014】
本発明を下記により詳細に説明する前に、本発明は、本明細書において説明される特定の方法論、プロトコール、および試薬に限定されず、これらは様々であり得ることを理解すべきである。また、本明細書において使用される専門用語は、特定の局面および態様のみを説明することを目的とし、添付の特許請求の範囲によって反映される本発明の範囲を限定することは意図しないことも理解すべきである。他に規定されない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語はすべて、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。これは、タンパク質の操作および精製の分野で働く当業者を含むが、技術的応用ならびに治療法および診断法において使用するための新しい標的特異的な結合分子を開発する分野で働く当業者もまた含む。
【0015】
好ましくは、本明細書において使用される用語は、"A multilingual glossary of biotechnological terms: (IUPAC Recommendations)", Leuenberger, H.G.W, Nagel, B. and Kolbl, H. eds. (1995), Helvetica Chimica Acta, CH-4010 Basel, Switzerland)に説明されているように定義される。
【0016】
本明細書およびそれに続く特許請求の範囲全体を通して、文脈において特に指示がない限り、「含む(comprise)」という単語ならびに「含む(comprises)」および「含むこと(comprising)」などの変形は、記載した整数もしくは段階、または整数もしくは段階の群を包含するが、他の整数および段階ならびに整数および段階の群のどれも除外しないことを意味するものと理解された。用語「含む(comprise(s))」または「含むこと(comprising)」は、「からなる(consists of)」または「からなること(consisting of)」に対する限定を、そのような限定が何らかの理由で何らかの程度まで必要である場合には、含み得る。
【0017】
いくつかの文献(例えば、特許、特許出願、科学論文、製造業者の仕様書、取扱説明書、GenBankアクセッション番号配列提出など)が、本明細書の全体を通して引用されてよい。本明細書における何事も、以前の発明によるそのような開示に本発明が先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。本明細書に引用される文献の一部は、「参照により組み入れられる」として特徴付けられてよい。このような組み入れられた参照文献の定義または教示と本明細書において挙げられる定義または教示の間に矛盾が生じた場合、本明細書の本文が優先される。
【0018】
本明細書において言及されるすべての配列は、添付の配列表において開示され、該配列表は、その内容全体および開示と共に、本明細書の開示内容の一部分を形成する。
【0019】
本出願で使用される重要な用語の一般的定義
本明細書において使用される用語「FOLR1」または「葉酸受容体α」は、Uniprotアクセッション番号P15328、特に残基25~234を意味する。用語「FOLR1」は、Uniprotアクセッション番号P15328(ヒト)のFOLR1、特に残基25~234、またはUniprotアクセッション番号P35846(マウス)のFOLR1に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、もしくは97%またはそれより多いか、あるいは100%の配列同一性を示す、あらゆるポリペプチドを含む。
【0020】
本明細書において使用される用語「FOLR2」または「葉酸受容体β」は、Uniprotアクセッション番号P14207または他の種の対応するタンパク質を意味する。
【0021】
用語「FOLR1結合タンパク質」は、FOLR1に高い親和性で結合するタンパク質を意味する。
【0022】
用語「タンパク質」および「ポリペプチド」は、ペプチド結合によって連結されている2つまたはそれより多いアミノ酸からなる任意の鎖を意味し、特定の長さの生成物を意味しない。したがって、2つまたはそれより多いアミノ酸からなる鎖を意味するために使用される「ペプチド」、「タンパク質」、「アミノ酸鎖」、または他の任意の用語は、「ポリペプチド」の定義に含まれ、用語「ポリペプチド」は、これらの用語のいずれかの代わりに、またはそれと同義的に使用されてよい。用語「ポリペプチド」はまた、当技術分野において周知である、ポリペプチドの翻訳後修飾による産物も意味することが意図される。
【0023】
用語「改変」または「アミノ酸改変」は、親ポリペプチド配列の特定の位置における、別のアミノ酸による参照アミノ酸の置換、欠失、または挿入を意味する。公知の遺伝コードならびに組換えおよび合成DNA技術が与えられれば、熟練した科学者は、アミノ酸変異体をコードするDNAを容易に構築することができる。
【0024】
本明細書において使用される用語「ムテイン」は、例えば、SEQ ID NO: 46に示されるユビキチンまたは同様のタンパク質の派生物であって、アミノ酸の交換、挿入、欠失、またはそれらの任意の組合せによって該アミノ酸配列とは異なる、派生物を意味し、ただし該ムテインはFOLR1に対する特異的結合親和性を有することを条件とする。
【0025】
用語「アフィリン(登録商標)」(Navigo Proteins GmbHの登録商標)は、免疫グロブリンに由来しない結合タンパク質を意味する。
【0026】
用語「置換」は、あるアミノ酸が別のアミノ酸によって交換されることと理解される。用語「挿入」は、元のアミノ酸配列へのアミノ酸の付加を含む。
【0027】
用語「ユビキチン」は、SEQ ID NO: 46に記載のユビキチンおよび少なくとも95%の同一性を有するタンパク質、例えば、標的(FOLR1)への結合に影響しない45位、75位、76位に点変異を有するものを意味する。
【0028】
用語「結合親和性」および「結合活性」は本明細書において同義的に使用されてよく、これらは、あるポリペプチドが別のタンパク質、ペプチド、またはその断片もしくはドメインに結合する能力を意味する。典型的には、結合親和性は平衡解離定数(KD)に基づいて測定および報告され、平衡解離定数は、二分子の相互作用の強さを評価し順位を付けるために使用される。
【0029】
用語「融合タンパク質」は、少なくとも1つの第2のタンパク質に遺伝学的に連結された少なくとも1つの第1のタンパク質を含むタンパク質を意味する。融合タンパク質は、異なるタンパク質をもともとはコードしていた2つまたはそれより多い遺伝子を連結することによって作り出される。融合タンパク質は、標的の結合に関与していない付加的なドメイン、例えば、限定されるわけではないが、多量体化部分、ポリペプチドタグ、ポリペプチドリンカー、またはFOLR1ではない標的に結合する部分をさらに含んでもよい。
【0030】
用語「アミノ酸配列同一性」は、2種またはそれより多いタンパク質についてのアミノ酸配列の同一性(または差異)の定量的比較を意味する。参照ポリペプチド配列に対する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」とは、配列を位置合わせし、かつ必要な場合にはギャップを導入して最大の配列同一性パーセントを実現した後の、参照ポリペプチド配列中のアミノ酸残基と同一である、ある配列中のアミノ酸残基の比率と定義される。配列同一性を明らかにするには、問い合わせタンパク質の配列を、参照タンパク質または参照ポリペプチドの配列に対して位置合わせする。配列アラインメントのための方法は、当技術分野において周知である。例えば、SEQ ID NO: 46のアミノ酸配列と比べた任意のポリペプチドのアミノ酸配列同一性の程度を明らかにするには、当技術分野において公知のSIM Local類似性プログラムが好ましくは使用される。マルチプルアラインメント解析の場合、当業者に公知であるように、Clustal Omegaが好ましくは使用される。
【0031】
発明の態様の詳細な説明
FOLR1結合タンパク質の構造的特徴付け
本明細書において定義されるFOLR1結合タンパク質は、ユビキチンのムテインを含む。FOLR1結合タンパク質は、少なくとも9位、10位、12位、42位、44位、46位、62位、63位、64位、65位、66位、68位、および70位に置換を有する、SEQ ID NO: 46に記載のユビキチンをベースとするアミノ酸を含む。
【0032】
いくつかの態様において、本明細書において開示されるFOLR1結合タンパク質は、SEQ ID NO: 46のアミノ酸配列に対して少なくとも71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、または79%の配列同一性を有する。
【0033】
様々な態様において、本明細書において開示されるFOLR1結合タンパク質は、SEQ ID NO: 46のアミノ酸配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有する。本明細書において開示されるFOLR1結合タンパク質は、SEQ ID NO: 46のアミノ酸配列に対して少なくとも81%、82%、83%、84%、または85%の配列同一性を有する。
【0034】
好ましい態様において、本明細書において開示されるFOLR1結合タンパク質は、SEQ ID NO: 46のアミノ酸配列に対して70%同一性~85%同一性の任意のアミノ酸同一性を有し得る。さらにより好ましい態様において、本明細書において開示されるFOLR1結合タンパク質は、SEQ ID NO: 46のアミノ酸配列に対して73%同一性~83%同一性の任意のアミノ酸同一性を有し得る。さらにより好ましい態様において、本明細書において開示されるFOLR1結合タンパク質は、SEQ ID NO: 46のアミノ酸配列に対して75%同一性~83%同一性の任意のアミノ酸同一性を有し得る。さらにより好ましい態様において、本明細書において開示されるFOLR1結合タンパク質は、SEQ ID NO: 46のアミノ酸配列に対して76%同一性~83%同一性の任意のアミノ酸同一性を有し得る。さらにより好ましい態様において、本明細書において開示されるFOLR1結合タンパク質は、SEQ ID NO: 46のアミノ酸配列に対して79%同一性~83%同一性の任意のアミノ酸同一性を有し得る。
【0035】
本明細書において定義されるFOLR1結合タンパク質は、SEQ ID NO: 46のムテインを含む、すなわち、ユビキチンのムテインを含む。FOLR1結合タンパク質は、少なくとも9位、10位、12位、42位、44位、46位、62位、63位、64位、65位、66位、68位、および70位に置換を有する、SEQ ID NO: 46をベースとするアミノ酸を含む。本明細書において定義されるFOLR1結合タンパク質において、SEQ ID NO: 46の9位に対応するアミノ酸はE、L、S、またはNであり、SEQ ID NO: 46の10位に対応するアミノ酸はE、Q、Y、またはIであり、SEQ ID NO: 46の12位に対応するアミノ酸はY、E、W、またはDであり、SEQ ID NO: 46の42位に対応するアミノ酸はE、K、Y、Q、またはMであり、SEQ ID NO: 46の44位に対応するアミノ酸はL、Y、V、またはFであり、SEQ ID NO: 46の46位に対応するアミノ酸はY、D、またはSであり、SEQ ID NO: 46の62位に対応するアミノ酸はL、R、D、またはIであり、SEQ ID NO: 46の63位に対応するアミノ酸はG、F、L、またはAであり、SEQ ID NO: 46の64位に対応するアミノ酸はG、D、またはYであり、SEQ ID NO: 46の65位に対応するアミノ酸はA、D、Y、G、またはMであり、SEQ ID NO: 46の66位に対応するアミノ酸はV、H、Y、またはTであり、SEQ ID NO: 46の68位に対応するアミノ酸はK、D、P、またはTであり、SEQ ID NO: 46の70位に対応するアミノ酸はQ、P、T、W、またはHであり、かつ任意で、SEQ ID NO: 46のさらに1つまたは複数、好ましくは1個、2個、3個、4個、または5個のアミノ酸が置換されている。いくつかの態様において、SEQ ID NO: 46の11位に対応するアミノ酸はKまたはRであり、SEQ ID NO: 46の45位に対応するアミノ酸はW、R、またはGである。
【0036】
アミノ酸モチーフに基づく構造的特徴付け
1つの態様において、FOLR1結合タンパク質は、SEQ ID NO: 46に定義されるユビキチンの9位、10位、11位、および12位に対応する位置にアミノ酸残基モチーフを含み、該アミノ酸残基モチーフは、EEKY、EERY、EQKY、LYKE、SYKW、またはNIKD(SEQ ID NO: 61~66)からなる群より選択される。
【0037】
1つの態様において、FOLR1結合タンパク質は、SEQ ID NO: 46の42位、43位、44位、45位、および46位に対応する位置にアミノ酸残基モチーフを含み、該アミノ酸残基モチーフは、ELLWY、KLLWY、KLLRY、YLYWD、YLYGD、QLVWD、またはMLFWS(SEQ ID NO: 54~60)からなる群より選択される。
【0038】
1つの態様において、FOLR1結合タンパク質は、SEQ ID NO: 46の62位、63位、64位、65位、66位、67位、68位、69位、および70位に対応する位置にアミノ酸残基モチーフを含み、該アミノ酸残基モチーフは、LGGAVLKLQ、LGDAVLKLQ、LGGAVLKLP、RFGDHLDLT、RFGYHLDLT、DLGGYLPLW、またはIAYMTLTLH(SEQ ID NO: 47~53)より選択される。
【0039】
1つの態様において、FOLR1結合タンパク質は、EEKY、EERY、EQKY、LYKE、SYKW、またはNIKDからなる群より選択される、SEQ ID NO: 46に定義されるユビキチンの9位、10位、11位、および12位に対応する位置のアミノ酸残基モチーフ;ならびにELLWY、KLLWY、KLLRY、YLYWD、YLYGD、QLVWD、またはMLFWSからなる群より選択される、SEQ ID NO: 46の42位、43位、44位、45位、および46位に対応する位置のアミノ酸残基モチーフ;ならびにLGGAVLKLQ、LGDAVLKLQ、LGGAVLKLP、RFGDHLDLT、RFGYHLDLT、DLGGYLPLW、またはIAYMTLTLHより選択される、SEQ ID NO: 46の62位、63位、64位、65位、66位、67位、68位、69位、および70位に対応する位置のアミノ酸残基モチーフを含む。
【0040】
1つの態様において、FOLR1結合タンパク質は、表1に示すように、SEQ ID NO: 46に定義されるユビキチンの9~12位、42~46位、および62~70位に対応する位置に、EEKY、ELLWY、およびLGGAVLKLQ;EEKY、KLLWY、およびLGGAVLKLQもしくはLGGAVLKLPもしくはLGDAVLKLQ;EERY、KLLWY、およびLGGAVLKLQもしくはLGDAVLKLQ;EEKY、KLLRY、およびLGGAVLKLQ;RLYKE、YLYWD、およびRFGDHLDLTもしくはRFGYHLDLT;RLYKE、YLYGD、およびRFGYHLDLT;ESYKW、QLVWD、およびDLGGYLPLW;またはYNIKD、MLFWS、およびIAYMTLTLHより選択されるアミノ酸モチーフを含む。
【0041】
(表1)FOLR1結合タンパク質の選択位置のアミノ酸
一番上の列の数字は、SEQ ID NO: 46における対応位置を指す。
【0042】
1つの態様において、FOLR1結合タンパク質は、SEQ ID NO: 46の6位、8位、13位、14位、20位、23位、24位、25位、29位、30位、31位、32位、33位、34位、48位、49位、51位、52位、58位、59位、60位、71位、および72位に対応する位置より選択される1個、2個、3個、4個、5個のアミノ酸位置に、さらなる置換を含む。いくつかの態様において、これらの置換は、K6V、K6Q、L8R、L8E、L8Y、I13T、T14A、T14P、S20C、S20G、I23T、I23V、E24G、E24A、N25D、K29R、K29E、K29T、I30V、I30L、Q31R、D32G、D32N、K33R、K33Q、E34A、K48E、Q49R、E51K、E51D、D52G、D58N、Y59H、N60T、N60S、L71P、R72G、R72Y、およびR72Kからなる群のいずれか1つより選択され、好ましくは、該FOLR1結合タンパク質は、SEQ ID NO: 46に対して70%~85%、SEQ ID NO: 46に対して好ましくは75%~83%、SEQ ID NO: 46に対して好ましくは76%~83%の配列同一性を有するアミノ酸を含む。いくつかの態様において、さらなる置換は、Y59Hより選択される(例えばSEQ ID NO: 7を参照されたい)。いくつかの態様において、さらなる置換は、E24Aより選択される(例えばSEQ ID NO: 1を参照されたい;SEQ ID NO: 46に対して81.6%の配列同一性;76個のアミノ酸のうち14個のアミノ酸が改変されている)。いくつかの態様において、さらなる置換は、K29RおよびK48Eからなる群のいずれか1つより選択される(例えば、SEQ ID NO: 4を参照されたい;SEQ ID NO: 46に対して80.3%の配列同一性;76個のアミノ酸のうち15個のアミノ酸が改変されている)。いくつかの態様において、さらなる置換は、T14A、I30V、およびK48Eからなる群のいずれか1つより選択される(例えばSEQ ID NO: 2を参照されたい)(SEQ ID NO: 46に対して78.9%の配列同一性;16個のアミノ酸が改変されている;例えば、SEQ ID NO: 30に示す、SEQ ID NO: 2の二量体を参照されたい)。いくつかの態様において、さらなる置換は、K6V、L8R、およびR72Gからなる群のいずれか1つより選択される(例えばSEQ ID NO: 24を参照されたい;SEQ ID NO: 46に対して78.9%の配列同一性;16個のアミノ酸が改変されている)。いくつかの態様において、さらなる置換は、K6V、L8R、W45G、R72Gからなる群のいずれか1つより選択される(例えばSEQ ID NO: 25を参照されたい;SEQ ID NO: 46に対して77.6%の配列同一性;17個のアミノ酸が改変されている)。いくつかの態様において、さらなる置換は、K6V、L8R、I13T、T14A、R72Gからなる群のいずれか1つより選択される(例えばSEQ ID NO: 27を参照されたい;SEQ ID NO: 46に対して76.3%の配列同一性;18個のアミノ酸が改変されている)。
【0043】
【0044】
SEQ ID NO: 46中の置換されていない位置に基づく構造的特徴付け
様々な態様において、本明細書において開示されるFOLR1結合タンパク質は、特定の残基が変異の対象とならないという点でさらに構造的に特徴付けられ、該特定の残基は、例えば、SEQ ID NO: 46(ユビキチン)の1位、2位、3位、4位、5位、7位、15位、16位、17位、18位、19位、21位、22位、26位、27位、28位、35位、36位、37位、38位、39位、40位、41位、43位、47位、50位、53位、54位、55位、56位、57位、61位、67位、69位、73位、74位、75位、76位に対応するアミノ酸残基である。したがって、様々な態様において、1~5位、7位、15~19位、21位、22位、26~28位、35~41位、43位、47位、50位、53~57位、61位、67位、69位、71位、73~76位のアミノ酸残基は、SEQ ID NO: 46に示すアミノ酸に対応する。
【0045】
多量体
好ましい態様において、FOLR1結合タンパク質は、複数の本明細書において定義されるFOLR1結合タンパク質からなる、多量体である。多量体は、2個、3個、4個またはそれより多いFOLR1結合タンパク質を含み得る。1つの態様において、FOLR1結合タンパク質は、互いに連結された、2個、3個、4個またはそれより多いFOLR1結合タンパク質を含む。すなわち、FOLR1結合タンパク質は、二量体、三量体、または四量体などであることができる。いくつかの態様において、多量体は、上記に定義したFOLR1結合タンパク質の二量体である。様々な態様において、FOLR1結合タンパク質は、ホモ二量体である。ホモ二量体のFOLR1結合タンパク質とは、同一のアミノ酸配列を有する2個のFOLR1結合タンパク質が互いに連結されているタンパク質である。ホモ二量体は、SEQ ID NO: 1~29からなる群のいずれか1つの同一タンパク質2個または少なくとも90%の同一性をそれに対して有するアミノ酸配列のいずれかを有する同一タンパク質2個を融合することにより作製することができる。例えば、SEQ ID NO: 33のFOLR1結合タンパク質は、SEQ ID NO: 4の同一アミノ酸配列2個からなるホモ二量体である。ホモ二量体の例を選んでSEQ ID NO: 30~43および表2に示している。
【0046】
【0047】
他の態様において、多量体はヘテロ二量体であり、例えば、FOLR1に特異的なアフィリンタンパク質の2つのアミノ酸配列は、互いに異なるアミノ酸配列を有する。
【0048】
いくつかの態様において、2個またはそれより多いFOLR1結合タンパク質は、直接連結されている。いくつかの態様において、2個またはそれより多いFOLR1結合タンパク質は、ペプチドリンカーによって連結されている。様々な態様において、2個またはそれより多いFOLR1結合タンパク質は、最大30個のアミノ酸からなるペプチドリンカーによって連結されている。他の態様において、2個またはそれより多いFOLR1結合タンパク質は、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個のアミノ酸からなるペプチドリンカーによって連結されている。1つの態様において、2個のFOLR1結合タンパク質は、16個のアミノ酸によって連結されており、好ましくは、2個の同一のFOLR1結合タンパク質が16個のアミノ酸によって連結されている。
【0049】
1つの態様は、グリシン、セリン、アラニン、またはプロリンなどのアミノ酸から構成されるリンカーに関する。リンカーは、グリシンおよびセリンからなってよく、グリシンが豊富であってよい(例えば、リンカー中の残基の50%超がグリシン残基であることができる)。いくつかの態様において、2個またはそれより多いFOLR1結合タンパク質は、SEQ ID NO: 67のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を有するペプチドリンカーまたはそれに対して90%の同一性を有するペプチドリンカーによって連結されている。タンパク質を融合するための他のリンカーが当技術分野において公知であり、使用することができる。
【0050】
本明細書において説明されるFOLR1結合タンパク質は、SEQ ID NO: 1~45およびSEQ ID NO: 69~74からなる群より選択されるかもしくはそれに対して少なくとも90%の同一性をそれぞれ有するアミノ酸配列より選択されるアミノ酸配列を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる。いくつかの態様において、FOLR1結合タンパク質は、SEQ ID NO: 2(アフィリン-197556b)のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を示すアミノ酸配列を含む。例えば、SEQ ID NO: 1~23ならびにSEQ ID NO: 30~43およびSEQ ID NO: 69~74は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を示すアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、FOLR1結合タンパク質は、SEQ ID NO: 24(アフィリン-189864)のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を示すアミノ酸配列を含む。例えば、SEQ ID NO: 25~27は、SEQ ID NO: 2と少なくとも90%同一である。いくつかの別の態様において、FOLR1結合タンパク質は、SEQ ID NO: 29(アフィリン-187803)またはSEQ ID NO: 28(アフィリン-187770)のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を示すアミノ酸配列を含む。例えば、非限定的に、FOLR1結合タンパク質の例を選んで
図1に示している。
【0051】
機能的特徴付け
いくつかの態様において、本明細書において説明されるFOLR1結合タンパク質は、FACSによって測定されるように、細胞表面で発現されるFOLR1に結合し、かつ/または表面プラズモン共鳴アッセイ法によって測定されるように、FOLR1に対する結合親和性が500nMもしくはそれより小さい。
【0052】
いくつかの態様において、本明細書において説明されるFOLR1結合タンパク質は、FOLR1に対して500nM未満の結合親和性(KD)を有する。FOLR1結合タンパク質は、500nM未満、200nM未満、100nM未満、50nM未満、20nM未満、10nM未満、5nM未満、およびより好ましくは1nM未満の測定可能な結合親和性でFOLR1に結合する。適切な方法が当業者に公知であるか、または文献で説明されている。結合親和性を測定するための方法はそれ自体が公知であり、例えば、当技術分野において公知の以下の方法より選択することができる:酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、表面プラズモン共鳴(SPR)、動力学的除外解析(KinExAアッセイ法)、バイオレイヤー干渉法(BLI)、フローサイトメトリー、蛍光分光学技術、等温滴定熱量測定(ITC)、解析的超遠心分離、ラジオイムノアッセイ法(RIAまたはIRMA)、および高感度ケミルミネッセンス法(ECL)。これらの方法の一部を、下記の実施例で説明する。典型的には、解離定数KDは、20℃、25℃、または30℃で測定される。特に具体的な指示がない限り、本明細書において説明されるKD値は、25℃でSPRによって測定される。KD値が小さいほど、結合相手に対する生体分子の結合親和性は大きい。KD値が大きいほど、結合相手が互いに結合する力は弱い。FOLR1に対するFOLR1結合タンパク質の結合親和性の例を表4に示している(実施例5を参照されたい)。
【0053】
いくつかの態様において、本明細書において説明されるFOLR1結合タンパク質は、FOLR1に対して500nM未満の特異的結合親和性(K
D)を有するがFOLR2に対しては有していない。いくつかの態様において、本明細書において説明されるFOLR1(葉酸受容体α)結合タンパク質は、FOLR1には特異的に結合するがFOLR2(葉酸受容体β)には検出可能な程度に結合せず、このことは、表面プラズモン共鳴アッセイ法によって測定され(
図3を参照されたい)、FOLR2発現細胞株において試験され、かつ実施例においてさらに説明される(実施例6を参照されたい)。したがって、本明細書において説明されるFOLR1結合タンパク質の結合は、著しく特異的である。FOLR1とFOLR2とは、相同性の程度が低く(80%未満)発現パターンが異なる葉酸受容体アイソフォームである。FOLR1は悪性癌細胞の表面で主に発現されるのに対し、FOLR2は炎症部位の活性化マクロファージの表面で発現される。FOLR1に対する高度に選択的な結合は、炎症に対してではなくFOLR1に関係する癌に対する、標的を定めた医学的適用のために重要である可能性があり、潜在的な毒性副作用を減らしている可能性がある。
【0054】
いくつかの態様において、本明細書において説明されるFOLR1結合タンパク質は、表面プラズモン共鳴アッセイ法によって測定されるように、FOLR1には結合するがヒト免疫グロブリンIgG1のFcドメインには検出可能な程度に結合しない。
【0055】
最大半量有効濃度EC50とは、ベースラインと指定の曝露時間後の最大値の中間の応答を誘導するFOLR1結合タンパク質濃度を意味し、したがって、その最大効果の50%が観察される、この場合、フローサイトメトリーによる細胞結合実験において最大半量蛍光強度シグナルが観察される、FOLR1結合タンパク質濃度を表す。いくつかの態様において、本明細書において説明されるFOLR1結合タンパク質は、FOLR1発現細胞に対して100nM未満、50nM未満、20nM未満、10nM未満、5nM未満、およびより好ましくは1nM未満のEC50を有する。いくつかの態様において、本明細書において説明されるFOLR1結合タンパク質は、37℃、マウス血清の存在下で少なくとも24時間のインキュベーション後にFOLR1に対して1nM未満のEC50を有する。適切な方法が当業者に公知である。EC50値が小さいほど、FOLR1に対するFOLR1結合タンパク質の結合は強い。血清の存在下でさえ安定であるFOLR1結合タンパク質の例を、表5(実施例9を参照されたい)および表6(実施例10を参照されたい)に示している。
【0056】
いくつかの態様において、本明細書において説明されるFOLR1結合タンパク質は、高温、好ましくは62℃~87℃で安定である。安定性解析については、例えば、化学的または物理的アンフォールディングに関連する分光学的方法または蛍光を利用する方法が、当業者に公知である。例えば、ある分子の安定性は、標準的方法を用いて熱融解(Tm)温度、すなわち分子の半数がアンフォールドされる摂氏温度(℃)を測定することにより明らかにすることができる。典型的には、Tmが高いほど、分子は安定である。より詳細に実施例4および表3で説明するように、示差走査蛍光測定法(DSF)によって温度安定性を測定した。
【0057】
カップリング部位
いくつかの態様において、本明細書において説明されるFOLR1結合タンパク質は、化学的部分をカップリングするための1つまたは複数のカップリング部位をさらに含む。カップリング部位は、他の化学基と反応してFOLR1結合タンパク質を化学的部分にカップリングすることができる。カップリング部位の数を定め、位置を定めることによって、本明細書において説明されるFOLR1結合タンパク質に化学的部分を部位特異的にカップリングすることが可能になる。したがって、多数の化学的部分を必要に応じてFOLR1結合タンパク質に結合させることができる。カップリング部位の数を、当業者による特定の応用にとって最適な数に調整し、したがって化学的部分の量を調整することができる。特定の態様において、カップリング部位は、特定の化学的部分で標識できる1つまたは複数のアミノ酸、例えば、1つもしくは複数のシステイン残基、1つもしくは複数のリジン残基、1つもしくは複数のチロシン残基、1つもしくは複数のトリプトファン残基、または1つもしくは複数のヒスチジン残基からなる群より選択されてよい。FOLR1結合タンパク質は、1~20個のカップリング部位、好ましくは1~6個のカップリング部位、好ましくは2個のカップリング部位、または好ましくは1個のカップリング部位を含んでよい。
【0058】
カップリングリングドメイン
1つの態様は、1つまたは複数のカップリング部位を含む、1~80個のアミノ酸からなる少なくとも1つのカップリングドメインを含む、FOLR1結合タンパク質を提供する。いくつかの態様において、1~80個のアミノ酸からなるカップリングドメインは、アラニン、プロリン、またはセリン、およびカップリング部位としてのシステインを含み得る。カップリングドメインを有するFOLR1結合タンパク質の例が、SEQ ID NO: 44およびSEQ ID NO: 45において提供される(3つのアミノ酸「SAC」からなるカップリングドメイン、カップリング部位はシステインである)。他の態様において、5~80個のアミノ酸からなるカップリングドメインは、アラニン、プロリン、セリン、およびカップリング部位としてのシステインからなり得る。1つの態様において、カップリングドメインは、20~60%のアラニン、20~40%のプロリン、10~60%のセリン、および本明細書において説明されるFOLR1結合タンパク質のC末端またはN末端におけるカップリング部位としての1つまたは複数のシステインからなっている。いくつかの態様において、アミノ酸のアラニン、プロリン、およびセリンは、隣接する同一アミノ酸残基が最大で2個、3個、4個、または5個以下、好ましくは最大で3個のアミノ酸であるように、カップリングドメインのアミノ酸配列の全体にランダムに分布している。1~20個のカップリングドメインの組成は、様々であっても同一であってもよい。
【0059】
いくつかの態様において、化学的部分は、キレート剤、薬物、毒素、色素、および低分子のいずれかより選択される。いくつかの態様において、化学的部分のうちの少なくとも1つは、本明細書において開示されるFOLR1結合タンパク質に対する標的を定めた化合物に1つまたは複数の別の部分をカップリングするための錯化剤として設計されたキレート剤である。1つの態様は、実施例(実施例7~10)で説明するように、キレート剤が、1つまたは複数の放射性同位体または他の検出可能な標識をカップリングするための錯化剤である、FOLR1結合タンパク質に関する。
【0060】
診断的部分
様々な態様において、FOLR1結合タンパク質は、診断的部分をさらに含む。他の態様において、FOLR1結合タンパク質は、複数の診断的部分をさらに含む。いくつかの態様において、このような診断的部分は、放射性核種、蛍光タンパク質、光増感剤、色素、もしくは酵素、または前述したものの任意の組合せより選択されてよい。いくつかの態様において、少なくとも1つの診断的部分を含むFOLR1結合タンパク質は、例えば、腫瘍細胞もしくは転移の存在、腫瘍分布、および/または腫瘍の再発を評価するために、例えば画像化剤として使用することができる。癌細胞を検出またはモニターするための方法は、画像化方法を含む。このような方法は、例えば、放射線画像化または光ルミネセンスもしくは蛍光を用いてFOLR1に関係する癌細胞を画像化することを含む。
【0061】
治療的部分
様々な態様において、FOLR1結合タンパク質は、治療的に有効な部分をさらに含む。他の態様において、FOLR1結合タンパク質は、複数の治療的に有効な部分をさらに含む。いくつかの態様において、このような治療的に有効な部分は、モノクローナル抗体もしくはその断片、受容体の細胞外ドメインもしくはその断片、放射性核種、細胞傷害性化合物、サイトカイン、ケモカイン、酵素、もしくはそれらの誘導体、または前述したものの任意の組合せより選択され得る。いくつかの態様において、治療的に有効な構成要素を含むFOLR1結合タンパク質は、上記に挙げた構成要素のうちのいずれかをFOLR1発現腫瘍細胞に標的を定めて送達する際に使用され、腫瘍細胞中で蓄積し、それによって正常細胞には低レベルの毒性をもたらし得る。
【0062】
放射性核種
インビボもしくはインビトロでの画像化への適用または放射線療法のために適切な放射性核種には、例えば、γ放射同位体の群、ポジトロン放射体の群、β放射体の群、およびα放射体の群が含まれるが、それらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、適切なコンジュゲーション相手には、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)もしくはジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)またはそれらの活性化誘導体などのキレート剤、ナノ粒子、およびリポソームが含まれる。実施例においてさらに詳細に説明するように、様々な態様において、DOTAは、放射性同位体および画像化を目的とする他の作用物質のための錯化剤として適切であり得る。
【0063】
薬物動態調節部分
いくつかの態様において、FOLR1結合タンパク質は、少なくとも1つの薬物動態調節部分をさらに含み、該部分は、ポリエチレングリコール、ヒト血清アルブミン、アルブミン結合ペプチド、免疫グロブリン結合ペプチドまたは免疫グロブリンもしくは免疫グロブリン断片、または多糖類(例えばヒドロキシルエチルデンプン)、あるいは流体力学半径を大きくする不定形のアミノ酸配列、例えば、アミノ酸アラニン、グリシン、セリン、プロリンを含む多量体より任意で選択される。様々な態様において、前記部分は、FOLR1結合タンパク質の半減期を少なくとも1.5倍に伸ばす。半減期が長いFOLR1結合タンパク質を作製するためのいくつかの技術が当技術分野において公知であり、例えば、薬物動態調節部分と前述のFOLR1結合タンパク質との直接的融合または化学的カップリング法である。薬物動態調節部分は、ペプチドリンカー配列を介して、または前述のカップリング部位を介して、例えばFOLR1結合タンパク質の1つまたはいくつかの部位に結合することができる。
【0064】
FOLR1結合タンパク質へのタンパク質性部分または非タンパク質性部分のコンジュゲーションは、当技術分野において周知の化学的方法を適用して実施することができる。いくつかの態様において、システイン残基またはリジン残基の誘導体化に特異的なカップリング化学反応を適用できる場合がある。化学的カップリングは、置換、付加もしくは環状付加、または酸化化学反応(例えばジスルフィド形成)を非限定的に含む、当業者に周知の化学反応を用いて実施することができる。
【0065】
精製/検出のための分子
いくつかの態様において、付加的なアミノ酸が、FOLR1結合タンパク質のN末端もしくはC末端のいずれかまたは両端から伸びてよい。例えば、付加的な配列には、精製または検出などのために導入される配列が含まれてよい。1つの態様において、付加的なアミノ酸配列には、ある種のクロマトグラフィーカラム材料に対する親和性を与える1つまたは複数のペプチド配列が含まれる。このような配列の典型的な例には、非限定的に、Strepタグ、オリゴヒスチジンタグ、グルタチオンS-トランスフェラーゼ、マルトース結合タンパク質、インテイン、インテイン断片、またはプロテインGのアルブミン結合ドメインが含まれる。Strepタグを有するFOLR1結合タンパク質の例は、SEQ ID NO: 45において提供される。
【0066】
医薬における使用
様々な態様が、医薬において使用するための、本明細書において開示されるFOLR1結合タンパク質に関する。1つの態様において、FOLR1結合タンパク質は、FOLR1発現に関連する癌を診断または治療するための医薬において使用される。本明細書において開示されるFOLR1結合タンパク質によって、FOLR1に関係する癌細胞または癌組織の選択的診断および治療が可能になる。FOLR1は腫瘍細胞において上方調節されており、おそらくはその結果、腫瘍細胞が制御不能に増殖し、転移が起こることが公知である。FOLR1に関係する腫瘍の例は、卵巣癌、子宮内膜癌、脳癌、肺癌、腎臓癌、頭頸部癌、乳癌、胃癌、および結腸-直腸癌である。
【0067】
1つの態様は、FOLR1に関係する癌に罹患している対象を診断(モニタリングを含む)する方法であって、任意で放射性分子にコンジュゲートされた前述のFOLR1結合タンパク質を該対象に投与する段階を含む、診断(モニタリング)の方法である。様々な態様において、本明細書において開示されるFOLR1結合タンパク質は、FOLR1に関係する癌の診断のために使用されてよく、その際、任意で、該FOLR1結合タンパク質は放射性分子にコンジュゲートされている。いくつかの態様において、本明細書において開示されるFOLR1結合タンパク質は、バイオマーカーとして使用され得る。いくつかの態様において、放射活性標識または蛍光性標識などを有するFOLR1結合タンパク質を用いる画像化方法を用いて、特定の組織または細胞上のFOLR1を可視化して、例えば、FOLR1に関係する腫瘍細胞の存在、FOLR1に関係する腫瘍の分布、FOLR1に関係する腫瘍の再発について評価、および/または治療的処置に対する患者の応答について評価することができる。
【0068】
1つの態様は、FOLR1に関係する癌に罹患している対象を治療する方法であって、任意で放射性分子および/または細胞傷害性物質にコンジュゲートされた前述のFOLR1特異的結合タンパク質を該対象に投与する段階を含む、治療の方法である。様々な態様において、本明細書において開示されるFOLR1結合タンパク質は、FOLR1に関係する癌の治療のために使用されてよく、その際、任意で、該FOLR1結合タンパク質は細胞傷害性物質および/もしくは放射性分子にコンジュゲートされ、かつ/または標的特異的なCarT細胞の表面で発現させられる。いくつかの態様は、適切な放射性同位体もしくは細胞傷害性化合物で標識されたFOLR1結合タンパク質の使用またはFOLR1に関係する腫瘍細胞の治療、特に、FOLR1に関係する腫瘍細胞、例えば悪性細胞を制御するかまたは死滅させることに関する。1つの態様において、治癒線量の放射線は、FOLR1に関係する腫瘍細胞に選択的に送達されるが、正常細胞には選択的に送達されない。
【0069】
本明細書において開示されるFOLR1特異的結合タンパク質は、炎症組織を認識しない、腫瘍を標的とする治療法または診断のために使用され得る。FOLR1に特異的に結合する(FOLR2には特異的に結合しない)ため、FOLR1腫瘍を標的とする治療法は、例えば、自己免疫患者または炎症を有する患者において有益である可能性がある。
【0070】
組成物
様々な態様が、本明細書において開示されるFOLR1結合タンパク質を含む組成物に関する。医薬において使用するための、好ましくは、卵巣癌、子宮内膜癌、脳癌、肺癌、腎臓癌、頭頸部癌、乳癌、胃癌、結腸-直腸癌などのFOLR1に関係する様々な癌腫瘍、好ましくは卵巣癌、乳癌、および肺癌の診断または治療において使用するための、上記に定義したFOLR1結合タンパク質を含む組成物。前述のFOLR1結合タンパク質を含む組成物は、診断および治療の両方を目的とする臨床応用のために使用され得る。特に、前述のFOLR1結合タンパク質を含む組成物は、FOLR1を発現する病的細胞を画像化、モニタリング、および排除または不活性化するための臨床応用のために使用され得る。
【0071】
様々な態様は、本明細書において定義されるFOLR1結合タンパク質ならびに診断的に許容される担体および/または希釈剤を含む、FOLR1に関係する癌を診断するための診断的組成物に関する。これらには、例えば、安定剤、界面活性剤、塩類、緩衝剤、着色剤などが含まれるが、それらに限定されるわけではない。これらの組成物は、液体製剤、凍結乾燥物、顆粒剤の形態、乳剤またはリポソーム製剤の形態であることができる。
【0072】
本明細書において説明されるFOLR1結合タンパク質を含む診断的組成物は、前述のように、FOLR1に関係する癌の診断のために使用することができる。
【0073】
様々な態様が、本明細書において開示されるFOLR1結合タンパク質ならびに薬学的に(例えば治療的に)許容される担体および/または希釈剤を含む、疾患を治療するための薬学的(例えば治療的)組成物に関する。薬学的(例えば治療的)組成物は、それ自体が公知であるさらなる補助剤および賦形剤を任意で含んでよい。これらには、例えば、安定剤、界面活性剤、塩類、緩衝剤、着色剤などが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0074】
本明細書において定義されるFOLR1結合タンパク質を含む薬学的組成物は、前述のように、疾患の治療のために使用することができる。
【0075】
組成物は、本明細書において定義されるFOLR1結合タンパク質の有効量を含む。タンパク質の投与量は、生物、疾患のタイプ、患者の年齢および体重、ならびにそれ自体が公知である他の因子に応じて変わる。各ガレノス製剤に応じて、これらの組成物は、注射もしくは輸注により親として、全身的に、腹腔内に、筋肉内に、皮下に、経皮的に、または従来使用される他の適用方法によって、投与することができる。
【0076】
これらの組成物は、液体製剤、凍結乾燥物、クリーム剤、局所適用向けのローション剤、噴霧剤の形態;散剤、顆粒剤の形態;乳濁剤またはリポソーム製剤の形態であることができる。製剤の種類は、疾患のタイプ、投与経路、疾患の重症度、患者、および医学分野の熟練者に公知である他の因子に応じて変わる。
【0077】
組成物の様々な構成要素は、取扱説明書と共にキットとして容器に入れられてよい。
【0078】
FOLR1結合タンパク質の調製
本明細書において説明されるFOLR1結合タンパク質は、従来から使用され周知である多くの技術、例えば、単純な有機合成戦略、固相支援合成技術、断片連結技術のいずれかによって、または市販の自動合成装置によって調製することができる。他方で、これらはまた、従来の組換え技術のみによって、または従来の合成技術と組み合わせた従来の組換え技術によって調製することもできる。さらに、これらは、無細胞のインビトロ転写/翻訳によって調製することもできる。
【0079】
様々な態様が、本明細書において開示されるFOLR1結合タンパク質をコードするポリヌクレオチドに関する。1つの態様は、該ポリヌクレオチドを含む発現ベクター、および単離された該ポリヌクレオチドまたは該発現ベクターを含む宿主細胞もさらに提供する。
【0080】
様々な態様が、FOLR1結合タンパク質の発現を可能にする適切な条件下で宿主細胞を培養する段階、および任意で該FOLR1結合タンパク質を単離する段階を含む、本明細書において開示されるFOLR1結合タンパク質の作製のための方法に関する。
【0081】
例えば、FOLR1結合タンパク質をコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを適切な宿主において発現させてよく、産生されたFOLR1結合タンパク質を単離することができる。宿主細胞は、前記核酸分子またはベクターを含む。適切な宿主細胞には原核生物または真核生物が含まれる。ベクターとは、タンパク質のコード情報を宿主細胞中に移すために使用できる任意の分子または実体(例えば、核酸、プラスミド、バクテリオファージ、またはウイルス)を意味する。様々な細胞培養系、例えば、非限定的に哺乳動物、酵母、植物、または昆虫もまた、組換えタンパク質を発現させるために使用できる。原核宿主細胞または真核宿主細胞を培養するための適切な条件は、当業者に周知である。タンパク質作製を目的とする細胞培養およびタンパク質発現は、当業者に周知の技術を適用して、容積の小さな振盪フラスコから始まって大型の発酵槽まで、任意の規模で実施することができる。
【0082】
1つの態様は、上で詳述した結合タンパク質を調製するための方法を対象としており、該方法は以下の段階を含む:(a)本明細書において定義されるFOLR1結合タンパク質をコードする核酸を調製する段階;(b)該核酸を発現ベクターに導入する段階;(c)該発現ベクターを宿主細胞に導入する段階;(d)該宿主細胞を培養する段階;(e)該宿主細胞を、FOLR1結合タンパク質が発現される培養条件に供し、それによって本明細書において定義されるFOLR1結合タンパク質を産生させる段階;(f)任意で、段階(e)で産生されたFOLR1結合タンパク質を単離する段階、および(g)任意で、該FOLR1結合タンパク質を本明細書において定義される他の機能的部分とコンジュゲートする段階。
【0083】
通常、培養混合物からの精製されたFOLR1結合タンパク質の単離は、当技術分野において周知である従来の方法および技術、例えば、遠心分離、沈殿、凝析、様々な態様のクロマトグラフィー、ろ過、透析、濃縮、およびそれらの組合せなど適用して実施することができる。クロマトグラフィー方法は当技術分野において周知であり、非限定的に、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー(サイズ排除クロマトグラフィー)、疎水性相互作用クロマトグラフィー、またはアフィニティークロマトグラフィーが含まれる。
【0084】
精製を平易にするために、FOLR1結合タンパク質を、分離材料に対する親和性を高めた他のペプチド配列に融合することができる。好ましくは、このような融合物は、FOLR1結合タンパク質の機能性に不利益な影響を与えないか、または特異的なプロテアーゼ切断部位の導入によって精製後に分離できるように選択される。このような方法もまた、当業者に公知である。
【実施例0085】
以下の実施例は、本発明をさらに例証するために提供される。本発明の具体的な例は、FOLR1への結合をもたらす、ユビキチン(SEQ ID NO: 46)の特定の改変である。しかし、本発明はこれに限定されず、下記の実施例は、上記の説明に基づいて本発明の実現可能性を示すにすぎない。
【0086】
実施例1.FOLR1結合タンパク質の同定
ライブラリー構築およびライブラリークローニング。
合成トリヌクレオチドホスホラミダイト(ELLA Biotech)を用いて生成したランダム化オリゴヌクレオチドによって、ランダム化されたアミノ酸位置を含むライブラリーを施設内で合成して、システインの排除と並行してランダム化位置に他のアミノ酸残基を有するバランスの良いアミノ酸分布を実現した。ユビキチンの配列(SEQ ID NO: 46):
。
【0087】
SEQ ID NO: 46のアミノ酸6位、8位、9位、10位、12位、42位、44位、46位、62位、63位、64位、65位、66位、68位、70位、72位をランダム化した。対応するcDNAライブラリーをPCRによって増幅し、当業者に公知の標準的方法を用いて、改変型pCD87SAファージミド(本明細書においてpCD12と呼ばれる)とライゲーションした。pCD12ファージミドは、N末端に付加的なアミノ酸を伴わないタンパク質プロセシングを実現するために、改変されたtorAリーダー配列(アミノ酸配列QPAMAの欠失)を含む。ライゲーション混合物の分取物を大腸菌(E. coli)ER2738(Lucigen)のエレクトロポレーションのために使用した。別段の定めがない限り、確立されている組換え遺伝子方法を使用した。
【0088】
実施例2.FOLR1結合タンパク質の同定
標的。ヒトFOLR1(Uniprotアクセッション番号P15328;残基25~234)をコードするDNA配列を、ヒトIgG1のFc断片とそれに続くC末端のHisタグまたはAviタグとそれに続くC末端のHisタグのいずれかと遺伝子融合させた。ヒトのコドン使用頻度を有する全長cDNAが、OriGene Technologiesによって提供され、これを哺乳動物発現ベクターpCEP4中にクローニングし、振盪フラスコにおいて400mlから最大2lに及ぶ様々な規模で、哺乳動物Expi293F細胞中で発現させた。pCEP4-FOLR1-Avi-His構築物を含む発現培養物にpCEP4-BirAをさらに同時トランスフェクトして、標的タンパク質の部位特異的ビオチン標識を導いた。発現培養物をSDS-PAGEによって、およびFOLR1、ヒトIgG1のFc部分、またはビオチンに対する抗体を用いるイムノブロット解析によって、解析した。
【0089】
FOLR1-Fc-His発現の細胞培養上清を、1mL容のHisTrap excelカラム(GE Healthcare)を用いるアフィニティークロマトグラフィーに適用するために、遠心分離し、ろ過した。イミダゾール含有緩衝液を注入することによって標的タンパク質を溶出させ、Superdex 200 XK 16/600ゲルろ過カラムに添加した。FOLR1-Avi-His発現の細胞培養上清を、ストレプトアビジンムテインマトリックス(Roche)を用いるアフィニティークロマトグラフィーに適用するために、遠心分離し、ろ過し、脱塩した。ビオチン含有緩衝液を注入することによって標的タンパク質を溶出させ、Superdex 200 10/300ゲルろ過カラムに添加した。回収された標的タンパク質の純度を解析し、SDS-PAGEおよびSE-HPLCによって確認した。基質である葉酸に対する標的タンパク質の生物活性は、濃度依存的ELISAによって確認した。
【0090】
TATファージディスプレイ法による一次選択
選択系としてファージディスプレイを用いて、FOLR1に対してナイーブライブラリーを濃縮した。ライブラリーを有するファージミドpCD12を用いてコンピテント細菌細胞ER2738(Lucigene)を形質転換した後、当業者に公知の標準的方法を用いてファージの増幅および精製を行った。選択のために、標的タンパク質を磁性ビーズに固定した。それに関して、IgG1-Fcに融合された標的タンパク質はプロテインAまたはプロテインG Dynabeads(登録商標)に固定された。Aviタグに融合された部位特異的ビオチン標識標的タンパク質、またはIgG1-Fcに融合された標的タンパク質を追加的にランダムにビオチン標識したものは、ストレプトアビジンまたはニュートラアビジンSpeedBeads(商標)に固定された。ファージインキュベーション期間中のFOLR1濃度は、200nM(1回目)から100nM(2回目)に、50nM(3回目)に、および25nM(4回目)に下げた。第1の選択では、IgG1のビオチン標識Fc断片を用いる予備選択を行い、2回目に開始した。第2の選択では、最後の3回の間、マウス血清と共にファージ粒子をプレインキュベーションし(それぞれ、2回目は3時間、3回目および4回目は23時間)、かつIgG1のビオチン標識Fc断片を用いる予備選択も実施した。FOLR1ファージ複合体を上清から磁気分離し、数回洗浄した。FOLR1が結合したファージをトリプシンによって溶出させた。標的特異的なファージプールを同定するために、各回の選択で溶出され再増幅されたファージをファージプールELISAによって解析した。中結合能マイクロタイタープレート(Greiner Bio-One)のウェルをFOLR1(2.5μg/ml)で被覆した。α-M13 HRPコンジュゲート抗体(GE Healthcare)を用いて、結合したファージを検出した。
【0091】
発現ベクターへの標的結合ファージプールのクローニング
ファージプールELISAにおいてFOLR1に対する特異的結合を示している選抜プールを、当技術分野において公知の方法に従ってPCRによって増幅し、適切な制限ヌクレアーゼを用いて切断し、Strep-Tag II(IBA GmbH)を含む発現ベクターpET-28a(Merck, Germany)の派生物にライゲーションした。
【0092】
単一コロニーヒット解析
BL21(DE3)細胞(Merck, Germany)を形質転換した後、カナマイシン耐性の単一コロニーを増殖させた。自己誘導培地を用いて(Studier, 2005, Protein Expr. Purif. 41(1):207-234)、384ウェルプレート(Greiner Bio-One)中で培養することにより、FOLR1結合タンパク質の発現を実現した。細胞を回収し、続いて、化学的またはBugBuster試薬(Novagen)によって酵素的に、および凍結/解凍サイクルによって機械的に、それぞれ溶解した。遠心分離後、High Bind 384 ELISAマイクロタイタープレート(Greiner Bio-One)上に固定した標的を用いるELISAによって、得られた上清をスクリーニングした。FOLR1に結合したタンパク質の検出は、Strep-Tactin(登録商標)HRPコンジュゲート(IBA GmbH)をTMB-Plus基質(Biotrend, Germany)と組み合わせて用いて、実現した。0.2M H2SO4溶液を添加することによって反応を停止させ、プレートリーダーを用いて450nmおよび参照としての620nmにおいて測定した。
【0093】
成熟ライブラリーの構築
選択した変異体を成熟させるために、dNTP類似体であるdPTPおよび8-オキソ-dGTP(Jena Bioscience)を用いて、誤りがちなPCRを行った。得られた成熟ライブラリーcDNAを前述のようにしてpCD12とライゲーションし、大腸菌SS320における試験的形質転換を実施した。
【0094】
成熟選択および解析
親和性成熟のために、2回のパニングを実施した。第1の成熟選択は、IgG1-Fcに融合させたランダムビオチン標識標的タンパク質を1回目および2回目にそれぞれ80nMおよび8nMの濃度で用いて、実施した。両方の回において、それぞれ、1回目は3時間、2回目は23時間、マウス血清と共にファージ粒子をプレインキュベーションし、かつIgG1のビオチン標識Fc断片を用いた予備選択も実施した。第2の成熟選択は、Aviタグに融合させた部位特異的ビオチン標識標的タンパク質を1回目および2回目にそれぞれ50nMおよび1nMの濃度で用いて、実施した。両方の回において、1回目および2回目に23時間、マウス血清と共にファージ粒子をプレインキュベーションした。特異的標的結合について成熟させ選択したプールを解析するために、ファージプールELISAを実施し、続いて、前述したように発現ベクターpET-28aへの陽性プールのクローニングおよびヒットELISAを実施した。
【0095】
実施例3.FOLR1結合タンパク質の発現および精製
FOLR1結合タンパク質を、当業者に公知の標準的方法を用いて発現ベクターにクローニングし、後述するように精製し解析した。FOLR1特異的タンパク質すべてを発現させ、アフィニティークロマトグラフィーおよびゲルろ過によって高純度に精製した。アフィニティークロマトグラフィー精製後、AktaシステムおよびSuperdex(商標)200 HiLoad 16/600カラム(GE Healthcare)を用いてサイズ排除クロマトグラフィー(SE HPLCまたはSEC)を実施した。このカラムは、容積が120mlであり、2カラム容量(CV)で平衡化した。精製緩衝液1ml/分の流速で、試料を添加した。シグナル強度が10mAUに達したら、画分採取を開始した。SDS-PAGE解析後、陽性画分を集め、それらのタンパク質濃度を測定した。
【0096】
さらなる解析には、SDS-PAGE、SE-HPLC、およびRP-HPLCが含まれた。モル吸光係数を用いて、280nmでの吸光度測定値に基づいてタンパク質濃度を決定した。Dionex HPLCシステムおよびVydac 214MS54 C4(4.6×250mm、5μm、300Å)カラム(GE Healthcare)を用いてRPクロマトグラフィー(RP HPLC)を実施した。例えば、アフィリン202521(C末端のカップリング配列「SAC」を有するSEQ ID NO: 30)は、SE-HPLCおよびRP-HLCPそれぞれによって約100%の純度を有している。
【0097】
実施例4.FOLR1結合タンパク質は高温で安定である
FOLR1特異的タンパク質の熱安定性を示差走査蛍光測定法(DSF)によって測定した。濃度0.1μg/μLの各プローブをMicroAmp Optical 384ウェルプレートに移し、SYPRO Orange色素を適切に希釈して添加した。1℃/分の加熱速度で、25℃から95℃への温度勾配をプログラムした(V2A-7 Applied Biosystems)。励起波長520nmおよび発光波長623nmで、蛍光を常に測定した(V2A-7, Applied Biosystems)。熱的アンフォールディングへの転移の中間点(Tm、融点)を測定し、選択したFOLR1結合タンパク質について表3に示している。
【0098】
【0099】
実施例5.FOLR1結合タンパク質の解析(表面プラズモン共鳴、SPR)
CM5センサーチップ(GE Healthcare)をSPRランニング緩衝液を用いて平衡化した。EDCおよびNHSの混合物を通過させることにより、表面に露出したカルボキシル基を活性化して反応性エステル基を生じさせた。700~1500RUのFOLR1(リガンド結合)をフローセルに固定した。リガンドなしのフローセルを参照として使用した。リガンド固定化後のエタノールアミンの注入を用いて、未反応のNHS基をブロックした。リガンドが結合すると、タンパク質分析物が表面に蓄積されて屈折率が大きくなった。この屈折率変化をリアルタイムに測定し、時間に対する応答単位またはレゾナンスユニット(RU)としてプロットした。分析物を段階希釈したものを、流速30μl/分でチップに添加した。結合を30秒間、解離を60秒間行った。1回流すたびに、30μlの再生緩衝液を用いてチップ表面を再生し、ランニング緩衝液を用いて平衡化した。対照試料を流速30μl/分でマトリックスに添加した。ただし、これらは60秒間結合し、120秒間解離する。再生および再平衡化は前述したようにして実施した。結合試験は、Biacore 3000(GE Healthcare)を用いて行い、データ評価は、ラングミュア1:1モデルを用いて(RI=0)、製造業者によって提供されるソフトウェアBIAevaluation 3.0によって処理した。
【0100】
図2、
図3、および表4は、FOLR1-Fcに対するFOLR1結合タンパク質の結合親和性を示している。
【0101】
(表4)SPRアッセイ法(Biacore)によって測定された、FOLR1-Fcに対するFOLR1結合タンパク質の結合親和性(K
D)
【0102】
実施例6.機能的特徴付け:細胞表面で発現されたFOLR1には特異的に結合するがFOLR2には特異的に結合しない(フローサイトメトリー)
フローサイトメトリーを用いて、FOLR2との間には認められない、FOLR1結合タンパク質と表面に露出したFOLR1との特異的相互作用を解析する。トランスフェクトしたHEK293-FOLR1細胞、HEK293-FOLR2細胞、および対照の空ベクターHEK293-pEntry細胞をトリプシン処理し、FCSを含む培地に再懸濁し、洗浄し、予冷したFACSブロッキング緩衝液中で染色した。細胞染色のために1×106細胞/mlの細胞濃度で調製し、各細胞株について3つ1組で、100μl/ウェルを96ウェルプレート(Greiner)に入れた。50nMのアフィリンタンパク質、もしくは陽性対照としての抗ヒトFOLR1モノクローナル抗体(クローンLK26;Biolegend、908301)、または抗ヒトFOLR2抗体(クローンEM35;Sysmex、BD029864)を、FOLR過剰発現細胞および対照細胞に添加した。45分後に上清を除去し、FACSブロッキング緩衝液で1:300希釈した100μl/ウェルのウサギ抗Strepタグ抗体(GenScript;A00626)を添加した。抗FOLR1抗体および抗FOLR2抗体を、希釈率1:1000の抗マウスIgG-Alexa488(Invitrogen;A-10680)を用いて検出した。一次抗体を除去した後、ヤギ抗ウサギIgG Alexa Fluor 488抗体(Invitrogen; A11008)を希釈率1:1000で添加した。Guava easyCyte 5HT装置(Merck-Millipore)を用いて、励起波長488nmおよび発光波長520nmでフローサイトメトリーを行った。
【0103】
いずれのFOLR1結合タンパク質も、HEK293-FOLR1過剰発現細胞に対して特異的結合を示したが、FOLR1陰性細胞株(例えばHEK293-pEntry)への結合は示さなかった。FOLR2への結合について試験したFOLR1結合タンパク質はいずれも、FOLR2への結合を示さなかった。対照:陽性対照として抗FOLR1抗体;陰性対照としてユビキチン(HEK293-FOLR1細胞)。
【0104】
実施例7.DOTAによる融合タンパク質の標識
FOLR1結合タンパク質を、50mM HEPES、150mM塩化ナトリウム、5mM EDTA、pH 7.0に溶かした20倍過剰のマレイミド-DOTA(2,2',2''-(10-(2-((2-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エチル)アミノ)-2-オキソエチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリイル)三酢酸、CheMatech)と共に室温で3時間インキュベーションした。DOTA分子と相互作用する可能性がある金属イオンを減らすために、すべてのカラムおよびAKTA装置(GE Healthcare)を0.1M EDTA溶液と共に30分間インキュベーションした。溶液を調製する際、金属を含まない成分または金属を減少させた成分のみを使用した。インキュベーション後、100mM酢酸ナトリウム、pH5.0~5.8でのゲルろ過(Superdex S200, GE Healthcare)によって、未結合DOTA分子から試料を分離した。タンパク質試料をまた、5mM塩化鉄(II)と共に室温で1時間インキュベーションして、放射性同位体とのカップリングにDOTA分子が利用可能であることを証明した。インキュベーション後、HiTrap脱塩カラム(GE Healthcare)を用いて、未結合の鉄を除去した。MALDI-TOF解析を用いて、標識の程度を測定した。別の実験では、FOLR1タンパク質をDOTAとカップリングさせてLu3+で標識した。Lu3+添加は、pH5.8、100nM酢酸Naに溶かしてc=0.2mg/mlで、最高70℃の標識温度にて行った。CD分光法により、207nmで分子を解析した。
【0105】
実施例8.マトリックス支援レーザー脱離/イオン化質量分析法(MALDI-TOF)
マトリックス支援レーザー脱離/イオン化質量分析法(MALDI-TOF MS)を次のようにして行った:FOLR1結合タンパク質を精製し、C18-P10-ZipTips(Millipore;カタログ番号ZTC18S096)を用いて濃縮した。チップを0.1%(v/v)トリフルオロ酢酸(TFA)水溶液で洗浄し、50%(v/v)アセトニトリル/0.1%TFAを用いて溶出させた。試料を2%(v/v)TFA水溶液で処理し、2,5-ジヒドロキシアセトフェノン(DHAP)マトリックス(Bruker、カタログ番号8231829)に埋め込んだ。FOLR1結合タンパク質の質量をautoflex(商標)speed質量分析計(Bruker)によって測定した。autoflex speed質量分析計の調整のために、タンパク質較正用標準物質(Bruker、部品番号8206355および部品番号8207234)を使用した。
【0106】
DOTA標識ありのFOLR1結合タンパク質およびDOTA標識なしのFOLR1結合タンパク質をMALDI-TOF質量スペクトルに基づいて解析し、ピークを比較した。MALDI-TOF解析により、FOLR1結合タンパク質に標識として付けられたDOTA分子が塩化鉄(II)分子とのカップリングに利用可能であることが示された。
【0107】
FOLR1結合タンパク質の標識後、KDは若干変化していたが、標的に対するFOLR1結合タンパク質の親和性に標識が有意に影響を与えてはいなかった。結果を表5および表6に要約している。
【0108】
実施例9.FOLR1結合タンパク質の血清安定性(フローサイトメトリー)
血清存在下でのFOLR1結合タンパク質の安定性を解析した。結合タンパク質を、100%マウス血清に溶かした1μM(アフィリン-199479、アフィリン-199487、アフィリン-197556a、アフィリン-199488、アフィリン-199488-Dota、アフィリン-199490、およびアフィリン-199490-Dota)ならびに200nM(アフィリン-199489)の希釈系列と共に、37℃で0時間または24時間インキュベーションした。100μlのアフィリン-血清溶液を用いて、前述したように(実施例6)FACSによってHEK293-FOLR1細胞における血清安定性を解析した。FACS解析により、マウス血清中で24時間インキュベーションした後でさえアフィリンタンパク質がFOLR1に結合していることが確認された(表5を参照されたい)。別のFOLR1タンパク質を試験した(結果は示さず)ところ、血清の存在下でさえ、FOLR1への結合が確認された。
【0109】
(表5)血清の存在下でのFOLR1結合タンパク質の結合(フローサイトメトリー)
【0110】
実施例10.FOLR1結合タンパク質の血清安定性(ELISA)
高結合能プレート(Greiner、781061)を0.1~2.5μg/mlのFOLR1-Fcによって4℃で一晩固定した。197556a (C末端配列SAWSHPQFEKを有するSEQ ID NO: 1)、202521(C末端のカップリング配列「SAC」を有するSEQ ID NO: 30;SEQ ID NO: 44を参照されたい)、および202521-Dota-Lu(C末端のカップリング配列「SAC」およびルテチウムLu3+で標識されたDotaを有するSEQ ID NO: 30)の希釈系列を、37℃で一晩、100%マウス血清中でインキュベーションした。ELISAプレートを1×PBSで洗浄し、室温で2時間、3%BSA/0.5%Tween/PBSによってブロックした。血清存在下での0時間および24時間のインキュベーション後の希釈系列を、室温で1時間、ELISAプレート上でインキュベーションした。PBSTで洗浄後、室温で1時間、ビオチン標識抗ユビキチン抗体(1:1000)と共にウェルをインキュベーションした。ストレプトアビジン-HRP(1:10,000)を用いて結合を可視化した。FOLR1結合タンパク質は、24時間の血清中インキュベーション後でもKDの変化を示さない。したがって、ELISA解析により、マウス血清中で24時間インキュベーションした後でさえアフィリンタンパク質が元のままの高い親和性でFOLR1に結合していることが確認された(表6を参照されたい)。
【0111】
(表6)血清存在下でのFOLR1結合タンパク質の結合(ELISA)
【0112】
配列情報
SEQUENCE LISTING
<110> Navigo Proteins GmbH
<120> Novel FOLR1 specific binding proteins for cancer diagnosis and
treatment
<150> EP 18213661.4
<151> 2018-12-18
<150> EP 19160572.4
<151> 2019-03-04
<160> 73
<170> PatentIn version 3.5
<210> 1
<211> 76
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
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<400> 14
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Ile Thr Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Lys
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Thr Ile Leu Gly Gly
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala
65 70 75
<210> 15
<211> 76
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 197044
<400> 15
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Ile Thr Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Gly Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Glu Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Lys
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Gln Pro Arg Leu Arg Ala Ala
65 70 75
<210> 16
<211> 76
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 197230
<400> 16
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Ile Thr Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Glu Ile Gln Gly
20 25 30
Arg Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Lys
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala
65 70 75
<210> 17
<211> 76
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 197383
<400> 17
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1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asn
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Glu
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Asp
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala
65 70 75
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<211> 76
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 196934
<400> 18
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1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Gly Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Glu
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Asp
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala
65 70 75
<210> 19
<211> 76
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 197126
<400> 19
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1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Ala Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Lys
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Pro Leu Arg Leu Arg Ala Ala
65 70 75
<210> 20
<211> 76
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 197014
<400> 20
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1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Lys
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50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Pro Leu Arg Leu Arg Ala Ala
65 70 75
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<211> 76
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 196888
<400> 21
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1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
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50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Pro Leu Arg Leu Arg Ala Ala
65 70 75
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<211> 76
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 197106
<400> 22
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1 5 10 15
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Gln Ala Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Lys
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Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Pro Leu Arg Leu Arg Ala Ala
65 70 75
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<211> 76
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 197252
<400> 23
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Ile Thr Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Val Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Arg Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Lys
35 40 45
Gln Leu Glu Gly Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Gln Leu Gly Leu Arg Ala Ala
65 70 75
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<211> 76
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
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<400> 24
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1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
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Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Tyr Leu Tyr Trp Asp Gly Lys
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Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Arg Phe Gly
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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 189872
<400> 25
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1 5 10 15
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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
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<400> 26
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1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
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Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Tyr Leu Tyr Trp Asp Gly Lys
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Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Arg Phe Gly
50 55 60
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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
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<400> 27
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1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
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Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Tyr Leu Tyr Trp Asp Gly Lys
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Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Arg Phe Gly
50 55 60
Tyr His Leu Asp Leu Thr Leu Gly Leu Arg Ala Ala
65 70 75
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<211> 76
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 187770
<400> 28
Met Gln Ile Phe Val Val Thr Glu Ser Tyr Lys Trp Ile Thr Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Gln Leu Val Trp Asp Gly Lys
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Asp Leu Gly
50 55 60
Gly Tyr Leu Pro Leu Trp Leu Tyr Leu Arg Ala Ala
65 70 75
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<211> 76
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 187803
<400> 29
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1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Met Leu Phe Trp Ser Gly Lys
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Ile Ala Tyr
50 55 60
Met Thr Leu Thr Leu His Leu Lys Leu Arg Ala Ala
65 70 75
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<211> 168
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 199490
<400> 30
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Ile Ala Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Val Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Glu Leu Leu Trp Tyr Gly Glu
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala Gly Gly Ser Gly
65 70 75 80
Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Met Gln Ile Phe
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Pro Pro Asp Gln Gln Glu Leu Leu Trp Tyr Gly Glu Gln Leu Glu Asp
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Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly Ala Val Leu Lys
145 150 155 160
Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala
165
<210> 31
<211> 152
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 199489 dimer of SEQ ID NO: 2
<400> 31
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Ile Ala Leu Glu
1 5 10 15
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20 25 30
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Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly
50 55 60
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65 70 75 80
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85 90 95
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100 105 110
Pro Pro Asp Gln Gln Glu Leu Leu Trp Tyr Gly Glu Gln Leu Glu Asp
115 120 125
Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly Ala Val Leu Lys
130 135 140
Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala
145 150
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<211> 168
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 199484 homodimer of SEQ ID NO 4
<400> 32
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1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Arg Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Glu
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Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala Gly Gly Ser Gly
65 70 75 80
Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Met Gln Ile Phe
85 90 95
Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Thr Thr Leu Glu Val Glu Pro Ser
100 105 110
Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Arg Ile Gln Asp Lys Glu Gly Ile
115 120 125
Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Glu Gln Leu Glu Asp
130 135 140
Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly Ala Val Leu Lys
145 150 155 160
Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala
165
<210> 33
<211> 152
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 199483 homodimer of SEQ ID NO: 4
<400> 33
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Thr Thr Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Arg Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Glu
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala Met Gln Ile Phe
65 70 75 80
Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Thr Thr Leu Glu Val Glu Pro Ser
85 90 95
Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Arg Ile Gln Asp Lys Glu Gly Ile
100 105 110
Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Glu Gln Leu Glu Asp
115 120 125
Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly Ala Val Leu Lys
130 135 140
Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala
145 150
<210> 34
<211> 168
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 199488 homo-dimer of SEQ ID NO: 5
<400> 34
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Ile Thr Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Arg Val Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Glu
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala Gly Gly Ser Gly
65 70 75 80
Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Met Gln Ile Phe
85 90 95
Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Ile Thr Leu Glu Val Glu Pro Ser
100 105 110
Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Arg Val Gln Asp Lys Glu Gly Ile
115 120 125
Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Glu Gln Leu Glu Asp
130 135 140
Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly Ala Val Leu Lys
145 150 155 160
Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala
165
<210> 35
<211> 152
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 199487 homo-dimer of SEQ ID NO: 5
<400> 35
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Ile Thr Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Arg Val Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Glu
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala Met Gln Ile Phe
65 70 75 80
Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Ile Thr Leu Glu Val Glu Pro Ser
85 90 95
Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Arg Val Gln Asp Lys Glu Gly Ile
100 105 110
Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Glu Gln Leu Glu Asp
115 120 125
Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly Ala Val Leu Lys
130 135 140
Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala
145 150
<210> 36
<211> 168
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 199478 homodimer of SEQ ID NO: 6
<400> 36
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Ile Thr Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Lys
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala Gly Gly Ser Gly
65 70 75 80
Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Met Gln Ile Phe
85 90 95
Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Ile Thr Leu Glu Val Glu Pro Ser
100 105 110
Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp Lys Glu Gly Ile
115 120 125
Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Lys Gln Leu Glu Asp
130 135 140
Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly Ala Val Leu Lys
145 150 155 160
Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala
165
<210> 37
<211> 152
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 199477 homodimer of SEQ ID NO: 6
<400> 37
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Ile Thr Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Lys
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala Met Gln Ile Phe
65 70 75 80
Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Ile Thr Leu Glu Val Glu Pro Ser
85 90 95
Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp Lys Glu Gly Ile
100 105 110
Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Lys Gln Leu Glu Asp
115 120 125
Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly Ala Val Leu Lys
130 135 140
Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala
145 150
<210> 38
<211> 152
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 199479 homodimer of SEQ ID NO 18
<400> 38
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Glu Arg Tyr Ile Thr Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Gly Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Glu
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Asp
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala Met Gln Ile Phe
65 70 75 80
Val Lys Thr Leu Glu Glu Arg Tyr Ile Thr Leu Glu Val Glu Pro Ser
85 90 95
Asp Thr Ile Gly Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp Lys Glu Gly Ile
100 105 110
Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Glu Gln Leu Glu Asp
115 120 125
Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Asp Ala Val Leu Lys
130 135 140
Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala
145 150
<210> 39
<211> 162
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 199480 homodimer of SEQ ID NO. 18
<400> 39
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Glu Arg Tyr Ile Thr Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Gly Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Glu
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Asp
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala Gly Gly Ser Gly
65 70 75 80
Gly Gly Ser Gly Gly Gly Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Glu
85 90 95
Arg Tyr Ile Thr Leu Glu Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Gly Asn Val
100 105 110
Lys Ala Lys Ile Gln Asp Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys
115 120 125
Leu Leu Trp Tyr Gly Glu Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp
130 135 140
Tyr Asn Ile Leu Gly Asp Ala Val Leu Lys Leu Gln Leu Arg Leu Arg
145 150 155 160
Ala Ala
<210> 40
<211> 168
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 199481 homodimer of SEQ ID NO 18
<400> 40
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Glu Arg Tyr Ile Thr Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Gly Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Glu
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Asp
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala Gly Gly Ser Gly
65 70 75 80
Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Met Gln Ile Phe
85 90 95
Val Lys Thr Leu Glu Glu Arg Tyr Ile Thr Leu Glu Val Glu Pro Ser
100 105 110
Asp Thr Ile Gly Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp Lys Glu Gly Ile
115 120 125
Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Glu Gln Leu Glu Asp
130 135 140
Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Asp Ala Val Leu Lys
145 150 155 160
Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala
165
<210> 41
<211> 172
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 199482 homodimer of SEQ ID NO 18
<400> 41
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Glu Arg Tyr Ile Thr Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Gly Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Glu
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Asp
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala Gly Gly Ser Gly
65 70 75 80
Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly
85 90 95
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Glu Arg Tyr Ile Thr Leu Glu
100 105 110
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Gly Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
115 120 125
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Glu
130 135 140
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Asp
145 150 155 160
Ala Val Leu Lys Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala
165 170
<210> 42
<211> 168
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 199486 homodimer of SEQ ID NO 20
<400> 42
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Ile Pro Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Lys
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Pro Leu Arg Leu Arg Ala Ala Gly Gly Ser Gly
65 70 75 80
Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Met Gln Ile Phe
85 90 95
Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Ile Pro Leu Glu Val Glu Pro Ser
100 105 110
Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp Lys Glu Gly Ile
115 120 125
Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Lys Gln Leu Glu Asp
130 135 140
Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly Ala Val Leu Lys
145 150 155 160
Leu Pro Leu Arg Leu Arg Ala Ala
165
<210> 43
<211> 152
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 199485 homodimer of SEQ ID NO: 20
<400> 43
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Ile Pro Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Lys
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Pro Leu Arg Leu Arg Ala Ala Met Gln Ile Phe
65 70 75 80
Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Ile Pro Leu Glu Val Glu Pro Ser
85 90 95
Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp Lys Glu Gly Ile
100 105 110
Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Lys Gln Leu Glu Asp
115 120 125
Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly Ala Val Leu Lys
130 135 140
Leu Pro Leu Arg Leu Arg Ala Ala
145 150
<210> 44
<211> 171
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 202521 (199490) homodimer of SEQ ID NO 2 with C-terminal SAC but
no Streptag
<400> 44
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Ile Ala Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Val Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Glu Leu Leu Trp Tyr Gly Glu
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala Gly Gly Ser Gly
65 70 75 80
Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Met Gln Ile Phe
85 90 95
Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Ile Ala Leu Glu Val Glu Pro Ser
100 105 110
Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Val Gln Asp Lys Glu Gly Ile
115 120 125
Pro Pro Asp Gln Gln Glu Leu Leu Trp Tyr Gly Glu Gln Leu Glu Asp
130 135 140
Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly Ala Val Leu Lys
145 150 155 160
Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala Ser Ala Cys
165 170
<210> 45
<211> 181
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> 199490 (homodimer of SEQ ID NO 2) with c-terminal SAC and
Streptag
<400> 45
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Ile Ala Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Val Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Glu Leu Leu Trp Tyr Gly Glu
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala Gly Gly Ser Gly
65 70 75 80
Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Met Gln Ile Phe
85 90 95
Val Lys Thr Leu Glu Glu Lys Tyr Ile Ala Leu Glu Val Glu Pro Ser
100 105 110
Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Val Gln Asp Lys Glu Gly Ile
115 120 125
Pro Pro Asp Gln Gln Glu Leu Leu Trp Tyr Gly Glu Gln Leu Glu Asp
130 135 140
Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly Ala Val Leu Lys
145 150 155 160
Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala Ser Ala Cys Ala Ser Trp Ser His
165 170 175
Pro Gln Phe Glu Lys
180
<210> 46
<211> 76
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> ubiquitin
<400> 46
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Thr Gly Lys Thr Ile Thr Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Arg Leu Ile Trp Ala Gly Lys
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Gln Lys Glu
50 55 60
Ser Thr Leu His Leu Val Leu Arg Leu Arg Ala Ala
65 70 75
<210> 47
<211> 9
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> motif 62-70
<400> 47
Leu Gly Gly Ala Val Leu Lys Leu Gln
1 5
<210> 48
<211> 9
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> motif 62-70
<400> 48
Leu Gly Asp Ala Val Leu Lys Leu Gln
1 5
<210> 49
<211> 9
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> motif 62-70
<400> 49
Leu Gly Gly Ala Val Leu Lys Leu Pro
1 5
<210> 50
<211> 9
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> motif 62-70
<400> 50
Arg Phe Gly Asp His Leu Asp Leu Thr
1 5
<210> 51
<211> 9
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> motif 62-70
<400> 51
Arg Phe Gly Tyr His Leu Asp Leu Thr
1 5
<210> 52
<211> 9
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> motif 62-70
<400> 52
Asp Leu Gly Gly Tyr Leu Pro Leu Trp
1 5
<210> 53
<211> 9
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> motif 62-70
<400> 53
Ile Ala Tyr Met Thr Leu Thr Leu His
1 5
<210> 54
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> motif 42-46
<400> 54
Glu Leu Leu Trp Tyr
1 5
<210> 55
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> motif 42-46
<400> 55
Lys Leu Leu Trp Tyr
1 5
<210> 56
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> motif 42-46
<400> 56
Lys Leu Leu Arg Tyr
1 5
<210> 57
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> motif 42-46
<400> 57
Tyr Leu Tyr Trp Asp
1 5
<210> 58
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> motif 42-46
<400> 58
Tyr Leu Tyr Gly Asp
1 5
<210> 59
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> motif 42-46
<400> 59
Gln Leu Val Trp Asp
1 5
<210> 60
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> motif 42-46
<400> 60
Met Leu Phe Trp Ser
1 5
<210> 61
<211> 4
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> motif 9-12
<400> 61
Glu Glu Lys Tyr
1
<210> 62
<211> 4
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> motif 9-12
<400> 62
Glu Glu Arg Tyr
1
<210> 63
<211> 4
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> motif 9-12
<400> 63
Glu Gln Lys Tyr
1
<210> 64
<211> 4
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> motif 9-12
<400> 64
Leu Tyr Lys Glu
1
<210> 65
<211> 4
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> motif 9-12
<400> 65
Ser Tyr Lys Trp
1
<210> 66
<211> 4
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> motif 9-12
<400> 66
Asn Ile Lys Asp
1
<210> 67
<211> 16
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> linker
<400> 67
Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly
1 5 10 15
<210> 68
<211> 10
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> c-terminal sequence (StrepTaq)
<400> 68
Ala Ser Trp Ser His Pro Gln Phe Glu Lys
1 5 10
<210> 69
<211> 76
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Affilin 197103 E10Q
<400> 69
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Gln Lys Tyr Ile Thr Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Thr Glu Asp Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Glu
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Gln Pro Arg Leu Arg Ala Ala
65 70 75
<210> 70
<211> 76
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Affilin 197312 E10Q
<400> 70
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Gln Lys Tyr Ile Pro Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Thr Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Lys
35 40 45
Gln Leu Asp Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Gln Leu Arg Leu Arg Ala Ala
65 70 75
<210> 71
<211> 76
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Affilin 197014 E10Q
<400> 71
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Gln Lys Tyr Ile Pro Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Lys
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Pro Leu Arg Leu Arg Ala Ala
65 70 75
<210> 72
<211> 168
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Affilin 199486 E10Q
<400> 72
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Gln Lys Tyr Ile Pro Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Lys
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Pro Leu Arg Leu Arg Ala Ala Gly Gly Ser Gly
65 70 75 80
Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Met Gln Ile Phe
85 90 95
Val Lys Thr Leu Glu Gln Lys Tyr Ile Pro Leu Glu Val Glu Pro Ser
100 105 110
Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp Lys Glu Gly Ile
115 120 125
Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Lys Gln Leu Glu Asp
130 135 140
Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly Ala Val Leu Lys
145 150 155 160
Leu Pro Leu Arg Leu Arg Ala Ala
165
<210> 73
<211> 152
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Affilin 199485 E10Q
<400> 73
Met Gln Ile Phe Val Lys Thr Leu Glu Gln Lys Tyr Ile Pro Leu Glu
1 5 10 15
Val Glu Pro Ser Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp
20 25 30
Lys Glu Gly Ile Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Lys
35 40 45
Gln Leu Glu Asp Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly
50 55 60
Ala Val Leu Lys Leu Pro Leu Arg Leu Arg Ala Ala Met Gln Ile Phe
65 70 75 80
Val Lys Thr Leu Glu Gln Lys Tyr Ile Pro Leu Glu Val Glu Pro Ser
85 90 95
Asp Thr Ile Glu Asn Val Lys Ala Lys Ile Gln Asp Lys Glu Gly Ile
100 105 110
Pro Pro Asp Gln Gln Lys Leu Leu Trp Tyr Gly Lys Gln Leu Glu Asp
115 120 125
Gly Arg Thr Leu Ser Asp Tyr Asn Ile Leu Gly Gly Ala Val Leu Lys
130 135 140
Leu Pro Leu Arg Leu Arg Ala Ala
145 150
SEQ ID NO: 2、26、28、29の群から選択されるアミノ酸配列、またはそれぞれSEQ ID NO: 2、26、28、もしくは29に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、葉酸受容体α(FOLR1)結合タンパク質であって、FOLR1に対して500 nM未満の特異的結合親和性を有するが、FOLR2(葉酸受容体β)に対しては結合を有しておらず、以下である:
・SEQ ID NO: 2に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列では、9位、10位、11位、および12位に対応するアミノ酸残基がEEKY、EERY、またはEQKYであり、42位、43位、44位、45位、および46位に対応するアミノ酸残基がELLWY、KLLWY、またはKLLRYであり、かつ62位、63位、64位、65位、66位、67位、68位、69位、および70位に対応するアミノ酸残基がLGGAVLKLQ、LGDAVLKLQ、またはLGGAVLKLPであり;
・SEQ ID NO: 26に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列では、9位、10位、11位、および12位に対応するアミノ酸残基がLYKEであり、42位、43位、44位、45位、および46位に対応するアミノ酸残基がYLYWDまたはYLYGDであり、かつ62位、63位、64位、65位、66位、67位、68位、69位、および70位に対応するアミノ酸残基がRFGDHLDLTまたはRFGYHLDLTであり;
・SEQ ID NO: 28に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列では、9位、10位、11位、および12位に対応するアミノ酸残基がSYKWであり、42位、43位、44位、45位、および46位に対応するアミノ酸残基がQLVWDであり、かつ62位、63位、64位、65位、66位、67位、68位、69位、および70位に対応するアミノ酸残基がDLGGYLPLWであり;かつ
・SEQ ID NO: 29に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列では、9位、10位、11位、および12位に対応するアミノ酸残基がNIKDであり、42位、43位、44位、45位、および46位に対応するアミノ酸残基がMLFWSであり、かつ62位、63位、64位、65位、66位、67位、68位、69位、および70位に対応するアミノ酸残基がIAYMTLTLHである、
前記FOLR1結合タンパク質。
化学的部分をカップリングするための1つまたは複数のカップリング部位を含む、1~80個のアミノ酸の1つまたは複数のカップリングドメインをさらに含み、該化学的部分が、キレート剤、薬物、毒素、色素、および低分子のいずれかより選択される、請求項1~3のいずれか一項記載のFOLR1結合タンパク質。
放射性核種、蛍光タンパク質、光増感剤、色素、もしくは酵素、または前述したものの任意の組合せより任意で選択される、少なくとも1つの診断的に有効な部分をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項記載のFOLR1結合タンパク質。
モノクローナル抗体もしくはその断片、放射性核種、細胞傷害性化合物、サイトカイン、ケモカイン、酵素、もしくはそれらの誘導体、または前述したものの任意の組合せより任意で選択される、少なくとも1つの治療的に有効な部分をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項記載のFOLR1結合タンパク質。
ポリエチレングリコール、ヒト血清アルブミン、アルブミン結合ペプチド、免疫グロブリン結合ペプチド、または免疫グロブリンもしくは免疫グロブリン断片、多糖類、またはアミノ酸アラニン、グリシン、セリン、プロリンを含む構造不定のアミノ酸配列より任意で選択される少なくとも1つの薬物動態調節部分をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項記載のFOLR1結合タンパク質。
SEQ ID NO: 2もしくは30のアミノ酸配列、またはSEQ ID NO: 2もしくは30に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む葉酸受容体α(FOLR1)結合タンパク質を含む組成物。