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特開2023-157051情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157051
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231019BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066699
(22)【出願日】2022-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】522151639
【氏名又は名称】株式会社ドラマティコ
(74)【代理人】
【識別番号】100180758
【弁理士】
【氏名又は名称】荒木 利之
(72)【発明者】
【氏名】張 惺
(72)【発明者】
【氏名】矢倉 大夢
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC16
(57)【要約】
【課題】登録対象に関わった人の記録についてその真実性を保証する情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理装置1は、登録対象情報と公開鍵を受け付ける登録対象受付手段100と、公開鍵で端末2bが作成したソルトを暗号化した暗号化済みソルトと、登録申請者の申請者情報とソルトを組み合わせたものを暗号化したハッシュを登録要求とともに受け付ける申請者情報受付手段101と、申請者情報受付手段101が受け付けた登録申請者の参加を承認し、承認の有無を記録する承認者承認手段102と、外部より取得した又は登録対象情報に設定された確定時刻に基づいて、当該確定時刻より前に受け付けた登録要求に対応する申請者情報112を出力する登録内容出力手段105とを有する。
【選択図】図2


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
登録対象情報と公開鍵を受け付ける登録対象受付手段と、
前記公開鍵で第1の文字列を暗号化した暗号化済み第1の文字列と、前記登録申請者の申請者情報と第1の文字列を組み合わせたものを暗号化したハッシュを登録要求とともに受け付ける申請者情報受付手段と、
前記申請者情報受付手段が受け付けた前記登録申請者の参加を承認し、承認の有無を記録する承認手段と、
外部より取得した又は前記登録対象情報に設定された確定時刻に基づいて、当該確定時刻より前に受け付けた前記登録要求に対応する申請者情報を出力する出力手段として機能させる情報処理プログラム。
【請求項2】
前記登録対象受付手段は、前記登録対象情報と前記公開鍵を送信した登録管理者の連絡先をさらに受け付け、
前記申請者情報受付手段は、前記登録要求を受け付けると前記登録管理者の連絡先に連絡する請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
公開用の申請者情報と第1の文字列を受け付け、これらを組み合わせて暗号化したハッシュが前記暗号化済みハッシュと一致する場合、当該公開用の申請者情報を登録する申請者名登録手段としてさらに機能させ、
前記出力手段は、前記登録要求に対応する公開用の申請者情報を表示出力する請求項1又は2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
登録対象情報と公開鍵を受け付ける登録対象受付手段と、
前記公開鍵で第1の文字列を暗号化した暗号化済み第1の文字列と、前記登録申請者の申請者情報と第1の文字列を組み合わせたものを暗号化したハッシュを登録要求とともに受け付ける申請者情報受付手段と、
前記申請者情報受付手段が受け付けた前記登録申請者の参加を承認し、承認の有無を記録する承認手段と、
外部より取得した又は前記登録対象情報に設定された確定時刻に基づいて、当該確定時刻より前に受け付けた前記登録要求に対応する申請者情報を出力する出力手段とを有する情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置と、
登録管理者による操作及び前記登録対象情報の入力を受け付け、前記公開鍵と当該公開鍵と対の秘密鍵を生成する第1の端末と、
前記登録申請者による操作及び前記申請者情報の入力を受け付け、前記第1の文字列を生成する第2の端末とを有する情報処理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、コンテンツの著作権に関する情報を適切に管理する情報処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された情報処理装置は、1つのコンテンツに関連する著作権者が複数いる場合に、前記複数の著作権者がそれぞれ有する著作権の持ち分に合意したコンセンサス情報を取得する取得部と、取得部で取得したコンセンサス情報をブロックチェーンに記録するためのトランザクションを生成する生成部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開2020/203340号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した情報処理装置によると、ある作品(登録対象)に対して複数の著作者がいる場合にそれぞれの持ち分の合意をするためのチャットツールが用意され、当該チャットツールによって複数の著作者が合意した場合には合意内容をブロックチェーン上に記録するものの、そもそも著作者が真の著作者かどうかを必ずしも保証することができないし、その改ざんがないことを必ずしも保証することができない、という問題がある。
【0006】
本発明の目的は、登録対象に関わった人の記録についてその真実性を保証する情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理システムを提供する。
【0008】
[1]コンピュータを、
登録対象情報と公開鍵を受け付ける登録対象受付手段と、
前記公開鍵で第1の文字列を暗号化した暗号化済み第1の文字列と、前記登録申請者の申請者情報と第1の文字列を組み合わせたものを暗号化したハッシュを登録要求とともに受け付ける申請者情報受付手段と、
前記申請者情報受付手段が受け付けた前記登録申請者の参加を承認し、承認の有無を記録する承認手段と、
外部より取得した又は前記登録対象情報に設定された確定時刻に基づいて、当該確定時刻より前に受け付けた前記登録要求に対応する申請者情報を出力する出力手段として機能させる情報処理プログラム。
[2]前記登録対象受付手段は、前記登録対象情報と前記公開鍵を送信した登録管理者の連絡先をさらに受け付け、
前記申請者情報受付手段は、前記登録要求を受け付けると前記登録管理者の連絡先に連絡する前記[1]に記載の情報処理プログラム。
[3]公開用の申請者情報と第1の文字列を受け付け、これらを組み合わせて暗号化したハッシュが前記暗号化済みハッシュと一致する場合、当該公開用の申請者情報を登録する申請者名登録手段としてさらに機能させ、
前記出力手段は、前記登録要求に対応する公開用の申請者情報を表示出力する前記[1]又は[2]に記載の情報処理プログラム。
[4]登録対象情報と公開鍵を受け付ける登録対象受付手段と、
前記公開鍵で第1の文字列を暗号化した暗号化済み第1の文字列と、前記登録申請者の申請者情報と第1の文字列を組み合わせたものを暗号化したハッシュを登録要求とともに受け付ける申請者情報受付手段と、
前記申請者情報受付手段が受け付けた前記登録申請者の参加を承認し、承認の有無を記録する承認手段と、
外部より取得した又は前記登録対象情報に設定された確定時刻に基づいて、当該確定時刻より前に受け付けた前記登録要求に対応する申請者情報を出力する出力手段とを有する情報処理装置。
[5]前記[4]に記載の情報処理装置と、
登録管理者による操作及び前記登録対象情報の入力を受け付け、前記公開鍵と当該公開鍵と対の秘密鍵を生成する第1の端末と、
前記登録申請者による操作及び前記申請者情報の入力を受け付け、前記第1の文字列を生成する第2の端末とを有する情報処理システム。
【発明の効果】
【0009】
請求項1、4又は5に係る発明によれば、登録対象に関わった人の記録についてその真実性を保証することができる。
請求項2に係る発明によれば、登録対象情報と公開鍵を送信した登録管理者の連絡先をさらに受け付け、登録要求を受け付けると登録管理者の連絡先に連絡することができる。
請求項3に係る発明によれば、公開用の申請者情報と第1の文字列を受け付け、これらを組み合わせて暗号化したハッシュが暗号化済みハッシュと一致する場合、当該公開用の申請者情報を登録し、登録要求に対応する公開用の申請者情報を表示出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す概略図である。
図2図2は、実施の形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、登録対象情報の構成例を示す概略図である。
図4図4は、申請者情報の構成例を示す概略図である。
図5図5は、確定時刻情報の構成例を示す概略図である。
図6A図6Aは、情報処理システムの動作例を説明するためのフローチャートである。
図6B図6Bは、情報処理システムの動作例を説明するためのフローチャートである。
図7図7(a)及び(b)は、端末に表示される画面の構成例を示す概略図である。
図8図8(a)及び(b)は、端末に表示される画面の構成例を示す概略図である。
図9図9(a)及び(b)は、端末に表示される画面の構成例を示す概略図である。
図10図10(a)及び(b)は、端末に表示される画面の構成例を示す概略図である。
図11図11(a)及び(b)は、それぞれコードの構成例を示す概略図、及び端末に表示される画面の構成例を示す概略図である。
図12図12(a)及び(b)は、端末に表示される画面の構成例を示す概略図である。
図13図13は、端末に表示される画面の構成例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施の形態]
(情報処理システムの構成)
図1は、実施の形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す概略図である。
【0012】
この情報処理システムは、作品等の登録対象に対し、当該作品等に関わった人物である申請者の情報を登録し、登録された申請者が登録対象に関わったことの真実性を証明するためのシステムであって、真実性の証明のために各種情報を処理するブロックチェーン1000と、ブロックチェーン1000にアクセスして各種情報の登録、編集及び参照等を行う端末2a、2b、2c…とをネットワーク4によってそれぞれ通信可能に接続することにより構成される。端末2a、2b、2c…は、それぞれ登録管理者3a、登録申請者3b、第三者3cにより操作される。登録管理者3aは登録対象の情報を管理する者である。登録申請者3bは登録対象に情報の登録を希望する者である。第三者3cは登録対象の情報を参照する者であって、登録対象への登録を希望することがあったとしても真の申請者ではないものとする。
【0013】
上記において登録対象は、例えば、映画等の作品であり、登録管理者3aは映画制作会社の管理者である。また、登録申請者3bは、例えば、映画の制作に関わったカメラマン、映像編集者、出演者等のクリエイターであり、第三者3cは、映画の視聴者である。なお、登録対象は、わかりやすくするために映画を挙げたが、もちろん映画に限らず音楽、演劇等その種別は問わない。また、登録対象は、著作物に限らず、書類であってもよいし、政治結社のような団体であってもよい。また、登録申請の対象は人に限らず、物、情報等であってもよい。また、後述する登録管理者3aの申請受付、承認等の作業をブロックチェーンのスマートコントラクトで実行するようにして登録管理者3aを含めない構成にしてもよい。
【0014】
ブロックチェーン1000は、ブロックチェーン技術を用いたプラットフォームであり、一例として、イーサリアム、ビットコイン、NEM等があるが、取引履歴(トランザクション)が分散管理されるものであれば、ブロックチェーンに限らず分散型台帳技術を用いたプラットフォームを用いてもよい。
【0015】
本願の実施の形態は、ブロックチェーン1000上のスマートコントラクトにより実装される機能を説明するが、情報の改ざんが不可能又は非常に困難で確実性が担保できればサーバ型の装置において実行されるものであってもよく、これらの機能について、説明の便宜上、図2以降はサーバ型の装置に実装された場合で説明する。
【0016】
端末2a、2b、2c…は、PC(Personal Computer)、スマートフォン等の情報処理装置であって、本体内に情報を処理するための機能を有するCPUやフラッシュメモリ等の電子部品を備える。また、端末2a、2b、2c…は、予めアプリケーションがインストールされており、当該アプリケーションによりブロックチェーン1000上のトランザクションの参照、スマートコントラクトへの要求、端末2a、2b、2c…上での情報の保存、読み出し等が可能に構成されている。
【0017】
ネットワーク4は、高速通信が可能な通信ネットワークであり、例えば、インターネット、イントラネットやLAN(Local Area Network)等の有線又は無線の通信網である。
【0018】
(情報処理装置の構成)
図2は、実施の形態に係る情報処理装置1の構成例を示すブロック図である。
【0019】
情報処理装置1は、ブロックチェーンのスマートコントラクトに実装される機能をサーバ装置に実装された場合の構成を表したものであり、CPU等から構成され、各部を制御するとともに、各種のプログラムを実行する制御部10と、フラッシュメモリ等の記憶媒体から構成され情報を記憶する記憶部11と、ネットワーク4を介して外部と通信する通信部12とを備える。
【0020】
制御部10は、後述する情報処理プログラム110を実行することで、登録対象受付手段100、申請者情報受付手段101、申請者承認手段102、確定時刻受付手段103、申請者名登録手段104、登録内容出力手段105等として機能する。ブロックチェーンの場合はスマートコントラクト上で実行される。
【0021】
登録対象受付手段100は、登録管理者3aの操作する端末2aから登録対象に関する情報及び公開鍵を受け付けて登録対象情報111として記憶部11に格納する。ブロックチェーンの場合、記憶部11に記録される情報はトランザクションとして記録される。
【0022】
申請者情報受付手段101は、登録申請者3bの操作する端末2bから登録申請者3bに関する情報を受け付けて申請者情報112として記憶部11に格納する。なお、申請者情報112には申請者3bの名前そのものは含まれておらず、名前を暗号化したものが登録される。
【0023】
申請者承認手段102は、申請者情報112の内容を端末2aに表示処理して、登録管理者3aの承認動作により該当する申請者情報112の内容を承認する。
【0024】
確定時刻受付手段103は、登録管理者3aの操作する端末2aから登録対象に対する申請者情報112の登録を確定させる確定時刻を受け付けて確定時刻情報113として記憶部11に格納する。なお、確定時刻は、端末2aから受け付けずに外部(後述するコードに記録されている確定時刻)から取得するものであってもよい。
【0025】
申請者名登録手段104は、登録申請者3bの操作する端末2bから承認済みの申請者情報112の名前及び名前を暗号化した情報を受け付けて、名前を暗号化した情報が予め登録した内容と一致した場合、名前を公開可能なものとして登録する。
【0026】
登録内容出力手段105は、外部からの要求に応じて、指定された確定時刻より前に登録された申請者情報112の内容を出力する。
【0027】
記憶部11は、制御部10を上述した各手段100-105として動作させる情報処理プログラム110、登録対象情報111、申請者情報112、確定時刻情報113等を記憶する。
【0028】
図3は、登録対象情報111の構成例を示す概略図である。
【0029】
登録対象情報111は、登録対象を識別するための登録対象IDと、登録対象が登録された日時である登録日時と、登録対象の名称である登録対象名と、登録管理者3aのメールアドレス等の連絡先と、登録対象に関連付けて作成された秘密鍵と公開鍵のペアのうち公開鍵の内容を示す公開鍵とを有する。
【0030】
図4は、申請者情報112の構成例を示す概略図である。
【0031】
申請者情報112は、申請者を識別するための申請者名IDと、登録対象IDと、申請がされた申請日時と、申請者名と後述するソルト(第1の文字列)とを組み合わせて暗号化した結果の文字列であるハッシュと、登録管理者3aによる承認の有無を示す承認と、申請者により登録された申請者の公開用の名称である公開名とを有する。
【0032】
図5は、確定時刻情報113の構成例を示す概略図である。
【0033】
確定時刻情報113は、登録対象IDと、1又は複数の確定日時とを有する。
【0034】
(情報処理装置の動作)
次に、本実施の形態の作用を、(1)登録動作、(2)確定動作、(3)名前公開動作に分けて説明する。図6A及び図6Bは、情報処理システムの動作例を説明するためのフローチャートである。
【0035】
(1)登録動作
まず、登録管理者3aは、一例として、映画制作会社の管理者であり、登録対象として映画作品を登録すべく端末2aを操作する。
【0036】
端末2aは、インストールされたアプリケーションを動作させ、入力操作内容に応じて登録対象の登録のための画面を図7(a)及び(b)のように表示処理する。
【0037】
図7(a)及び(b)は、端末2aに表示される画面の構成例を示す概略図である。
【0038】
図7(a)に示すように、画面20aは、公開鍵の内容及び秘密鍵の内容を示す表示欄200aと、次の画面に進むためのOKボタン201aとを有する。
【0039】
図7(b)に示すように、画面21aは、登録対象の名称としての作品名入力欄210aと、登録管理者3aの連絡先入力欄211aと、入力された作品名と連絡先の登録を要求するためのOKボタン212aとを有する。
【0040】
まず、端末2aは、図7(a)に示す画面20aのように、公開鍵と秘密鍵を作成する(S200a)。登録管理者3aによりOKボタン201aが操作されると、端末2aは、図7(b)に示す画面21aを表示処理し、作品名と連絡先の入力を受け付ける(S201a)。
【0041】
なお、仮にこの秘密鍵が漏洩しても、登録申請者3bが送付する後述するソルトを第三者が閲覧可能となるだけで、情報を改ざんすることはできない。
【0042】
次に、登録管理者3aは、画面21aにおいて作品名及び連絡先を入力し、OKボタン212aを押下操作する。端末2aは、登録管理者3aの操作内容に応じて作品名、連絡先及び公開鍵の情報とともに情報処理装置1に対して登録を要求する(S202a)。
【0043】
情報処理装置1の登録対象受付手段100は、端末2aから登録要求を受け付け(S100)、作品名、連絡先及び公開鍵を受け付けた日時とともに登録対象情報111に登録する(S101)。
【0044】
なお、連絡先の登録は、後述する登録申請者3bの申請内容の連絡を円滑にするものであり省略してもよく、省略した場合は、登録申請者3bから直接連絡してもよいし、登録管理者3aが自ら申請を確認してもよい。連絡先が登録された場合、登録申請者3bが登録管理者3aに連絡することで登録管理者3aの存在性を確認できる上に、第三者の連絡先を騙った場合であっても、その連絡先の本来の所有者に連絡がいき、偽りの連絡先を登録したことが明るみに出る。
【0045】
一方、登録申請者3bは、一例として、映画の制作に関わったカメラマン、映像編集者、出演者等のクリエイターであり、自己が関わった映画作品を検索して、自己の情報を当該映画作品に登録すべく端末2bを操作する。
【0046】
端末2bは、インストールされたアプリケーションを動作させ、入力操作内容に応じて登録対象の検索のための画面を図8(a)及び(b)のように表示処理する。
【0047】
図8(a)及び(b)は、端末2bに表示される画面の構成例を示す概略図である。
【0048】
図8(a)に示すように、画面20bは、登録対象の名称等を検索キーワードとして入力するための検索キーワード入力欄200bと、検索キーワードによる登録対象の検索結果表示欄201bとを有する。
【0049】
まず、端末2bは、図8(a)に示す画面20bのように、検索キーワードを受け付け、登録申請者3bによりキーワードが操作されると、情報処理装置1に対して情報参照を要求する(S200b)。
【0050】
情報処理装置1の登録内容出力手段105は、情報参照要求を受け付け(S102)、登録対象情報111から検索キーワードでヒットした情報を端末2bに対して提供する(S103)。
【0051】
端末2bは、情報処理装置1から受信した情報を表示欄201bに表示する(S201b)。登録申請者3bが、表示欄201bに表示された情報から自己が関わった作品、例えば、「HonorChain」を選択操作すると、端末2bは図8に示す画面21bを表示する。
【0052】
ここで、登録対象を検索可能な状態とすることで、悪意のある登録管理者3aが登録申請者3bに登録可能な旨を連絡しなかったとしても、登録申請者3bが自ら気づけるようになる。
【0053】
図8(b)に示すように、画面21bは、検索結果表示欄201bで選択された登録対象の情報を表示する表示欄210bと、当該登録対象に登録申請者3bの情報を入力するための自身の情報を登録ボタン211bとを有する。
【0054】
登録申請者3bは、画面21bの表示欄210bの内容を確認し、内容に間違いがなければ自身の情報を登録すべく、登録ボタン211bを押下操作する。
【0055】
端末2bは、入力操作内容に応じて登録対象の登録のための画面を図9(a)及び(b)のように表示処理する。
【0056】
図9(a)及び(b)は、端末2aに表示される画面の構成例を示す概略図である。
【0057】
図9(a)に示すように、画面22bは、検索結果表示欄201bで選択された登録対象の情報を表示する表示欄220bと、登録申請者3bの名前を入力するための入力欄221bと、登録申請者3bのウォレットアドレスを表示する表示欄222bとを有する。
【0058】
端末2bは、図9(a)に示す画面22bのように、名前の入力を受け付け(S202b)、登録申請者3bにより名前が操作されると、ウォレットアドレスを自動入力し、登録ボタン223bが押下操作されると、第1の文字列としてランダムな文字列であるソルトを生成し(S203b)、当該ソルトを公開鍵により暗号化した暗号化済ソルトと、ソルトに名前を連結して暗号化したハッシュを生成して(S204b)、当該暗号化済ソルト、ハッシュの登録を情報処理装置1に要求する(S205b)。
【0059】
なお、ここで上記のウォレットアドレスのウォレットは端末2bのアプリケーションが新規に作成するが、新たなウォレットの作成は必須ではなく、既存のウォレットを使い回してもよい。既存のウォレットを使い回す場合、後述する公開用の名前の登録の際に、公開用の名前とウォレットが紐付いてしまうため、複数の登録対象に名前を登録する可能性がある場合は新たにウォレットを作成することが望ましい。
【0060】
また、登録する名前は、登録申請者3b本人が望むのであればペンネーム等、本名でない文字列としてもよい。なお、偽名は次に説明する登録管理者3aの承認動作において偽名であることに気づかれる可能性が高く、仮に気づかれなかったとしても後述する名前の公開において偽名が公開されるだけなので、実質的な意味を持たないものとなる。なお、この時点では名前そのものは登録されておらず、第三者に秘匿されている。
【0061】
また、端末2bは、登録の際に用いたソルトを図9(b)に示すように表示し、登録申請者3bに保管を要求する。
【0062】
図9(b)に示すように、画面23bは、検索結果表示欄201bで選択された登録対象の情報と生成されたソルトを表示する表示欄230bと、当該処理を完了するためのOKボタン231bとを有する。
【0063】
登録申請者3bは、画面23bを確認した後、OKボタン231bを押下操作する。また、登録申請者3bは、ソルトを別途保存するが、端末2bにインストールされたアプリケーションが自動で保存するようにしてもよい。
【0064】
また、登録申請者3bは、登録した名前を端末2bから端末2aに通知する(S206b)。なお、通知の手段は、端末2bにインストールされたアプリケーションを用いるものであってもよいし、メールやチャット、電話等の他の通信手段を用いるものであってもよい。
【0065】
端末2bの登録管理者3aは、上記したいずれかの手段で登録申請者3bの名前を受信する(S203a)。
【0066】
また、情報処理装置1の申請者情報受付手段101は、端末2bから暗号化済ソルト、ハッシュを受け付け、申請者情報112として記憶部11に格納する(S104)。
【0067】
次に、ステップS203aにおいて名前を受信した登録管理者3aは、名前に該当する暗号化済みソルトを情報処理装置1に要求すべく、端末2aを操作する。端末2aは、操作のために図10(a)に示す画面22aを表示する。
【0068】
図10(a)及び(b)は、端末2bに表示される画面の構成例を示す概略図である。
【0069】
図10(a)に示すように、画面22aは、登録対象の内容、公開鍵の内容及び秘密鍵の内容を示す表示欄220aと、登録申請者の名前の入力を受け付ける入力欄221aと、入力欄221aに入力した申請者の表示を要求するための表示するボタン222aとを有する。
【0070】
端末2aは、当該画面の名前入力欄221aに入力された名前について、表示するボタン222aが押下操作されると、情報処理装置1に暗号化済みソルトを要求する(S204a)。
【0071】
情報処理装置1の申請者承認手段102は、名前に該当する暗号化済みソルトの要求を受け付け(S105)、該当する暗号化済みソルトを端末2aに送信する(S106)。
【0072】
端末2aは、暗号化済みソルトを受信し(S205a)、暗号化済ソルトをステップS200aで生成した秘密鍵で復号し(S206a)、復号結果を一時的に保存する。
【0073】
また、端末2aは、ソルトと名前を連結したものを暗号化したハッシュを生成し、情報処理装置1の申請者承認手段102と通信して生成結果が一致するかを確認する(S207a)。
【0074】
端末2aは、生成結果が一致していれば図10(b)に示すように、承認するボタン231aを表示処理する。
【0075】
図10(b)に示すように、画面23aは、登録対象及び登録申請者の内容を示す表示欄230aと、当該登録申請者の登録を承認するための承認するボタン231aとを有する。
【0076】
登録管理者3aは、登録の承認を行う場合、画面23aにおいて承認するボタン231aを押下操作する。端末2aは、押下操作に応じて承認要求を情報処理装置1に送信する(S208a)。
【0077】
情報処理装置1の申請者承認手段102は、承認を受信し(S107)、申請者情報112の承認欄を「Yes」に書き換える。
【0078】
(2)確定/公開動作
次に、登録管理者3aは、例えば、作品の公開日時を確定時刻とし、公開する(S209a)。具体的には、確定日時と、登録対象情報111及び申請者情報112にアクセスするためのURLを2次元コード化した画像50を、例えば、作品のパッケージ、エンドロール、パンフレット等に印刷する。
【0079】
図11(a)及び(b)は、それぞれコードの構成例を示す概略図、及び端末2c(2a、2b)に表示される画面の構成例を示す概略図である。
【0080】
図11(a)は、登録対象情報111及び申請者情報112の内容を表示するためのURL及び確定時刻情報をコード化した画像50である。当該画像50は、例えば、登録対象の一例としての作品のジャケットやタイトル又はエンドロール内等に表示される。
【0081】
なお、端末2aから情報処理装置1に対して直接確定時刻を送信してもよい。確定時刻が送信された場合は、情報処理装置1の確定時刻受付手段103により確定時刻情報113として記憶部11に格納して確定時刻を登録する(S108)。
【0082】
その後、第三者3cは、端末2cを用いて画像50を読み込み、端末2cから情報処理装置1に対して登録対象情報111及び申請者情報112の表示要求を送信する。
【0083】
情報処理装置1の登録内容出力手段105は、表示要求に応じて登録対象情報111及び申請者情報112の内容を端末2cに対して表示処理する。端末2cは、図11(b)に示すように画面20cを表示する。
【0084】
図11(b)に示すように、画面20cは、登録対象の内容を示す表示欄200cと、確定時刻までに登録された登録申請者の情報を示す表示欄201cと、確定時刻以降に登録された登録申請者の情報を示す表示欄202cとを有する。
【0085】
上記画面20cの表示欄201c及び表示欄202cの登録申請者3bの名前は次に説明する公開動作が未実施のため「???????????」で表示され、実際の名前が表示されていない。なお、上記画面20cは、端末2a、2bの表示画面にも同様の操作で同様の構成にて表示される。
【0086】
(3)名前公開動作
次に、登録申請者3bは、自己の名前の公開を希望する場合、公開準備のために端末2bを操作し、端末2bは図12(a)に示す画面24bを表示する。
【0087】
図12(a)及び(b)は、端末2bに表示される画面の構成例を示す概略図である。
【0088】
図12(a)に示すように、画面24bは、検索結果表示欄201bで選択された登録対象の情報を表示する表示欄240bと、公開を希望する登録申請者3bの名前を入力するための入力欄241bと、ソルトを入力するための入力欄242bと、名前を公開するための公開するボタン243bとを有する。
【0089】
上記画面24bにおいて、登録申請者3bは、公開する名前を入力欄241bに、ステップS203bにおいて作成したソルトを入力欄242bに入力し、表示するボタン243bを押下操作する。
【0090】
端末2bは、公開用の名前、ソルトの入力を受け付け(S207b)、公開用の名前、ソルトを情報処理装置1に送信する(S208b)。
【0091】
情報処理装置1の申請者名登録手段104は、公開用の名前、ソルトを受信して公開用の名前を申請者情報112の公開名に登録する(S109)。
【0092】
また、申請者名登録手段104は、公開用の名前、ソルトから、ステップS204bと同様の方法で、ハッシュを生成し(S110)、申請者情報112のハッシュ欄に登録済みのハッシュと照合し、照合結果がOKであれば名前を公開する(S111)。公開が完了すると、情報処理装置1は図12(b)に示す画面25bを端末2bに表示制御する。
【0093】
図12(b)に示すように、画面25bは、登録対象の情報、公開鍵の情報、公開する名前及びウォレットの情報を表示する表示欄250bを有する。
【0094】
登録申請者3bは、画面25bの内容を確認し、自己の名前が公開されたことを確認する。
【0095】
その後、第三者3cは、端末2cを用いて画像50を読み込み、端末2cから情報処理装置1に対して登録対象情報111及び申請者情報112の表示要求を送信する。
【0096】
情報処理装置1の登録内容出力手段105は、表示要求に応じて登録対象情報111及び申請者情報112の内容を端末2cに対して表示処理する。端末2cは、図13に示すように画面21cを表示する。
【0097】
図13は、端末2c(2a、2b)に表示される画面の構成例を示す概略図である。
【0098】
図13に示すように、画面21cは、登録対象の内容を示す表示欄210cと、確定時刻までに登録された登録申請者の情報を示す表示欄211cと、確定時刻以降に登録された登録申請者の情報を示す表示欄202cとを有し、表示欄211cのうち申請者の情報2110cは名前が公開されている。
【0099】
(実施の形態の効果)
上記した実施の形態によれば、登録対象に対する申請者の情報を登録申請者2b側で暗号化して登録し、登録管理者3a側で複合化して内容確認して承認するようにしたため、情報の登録の際に、ある対象に関わった人の記録についてその真実性を保証することができる。また、第三者であっても自由に主張できる事項についてその真実性を保証することができる。
【0100】
また、登録対象に登録される申請者の情報を暗号化したまま公開し、事後的に登録申請者2bの手続きにより公開するように変更できるようにしたため、登録申請者2bの意図により公開の有無を変更できる。
【0101】
また、例えば、実施の形態において説明した映画の制作過程を例に取ると、制作に携わるクリエイターと制作会社の双方の合意に基づいてブロックチェーン上に「制作に携わった記録」を作成することができ、後に制作会社がそのクリエイターをエンドロールから排除したとしても、ブロックチェーン上には記録を残すことができる。また、制作に携わっていない人物が勝手に「クレジットには載っていないけど関わった」と主張することができなくなる。
【0102】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々な変形が可能である。
【0103】
例えば、登録管理者3aの申請受付、承認等の作業をブロックチェーンのスマートコントラクトで実行するようにして登録管理者3aを含めない構成にすることで、公証の手続きを、公証人を必要とせずに実施することができる。また、登録申請者3aを承認者として含める場合は登録申請者3aが公証人となる。
【0104】
上記実施の形態では制御部10の各手段100~105の機能をプログラムで実現したが、各手段の全て又は一部をASIC等のハードウエアによって実現してもよい。また、上記実施の形態で用いたプログラムをCD-ROM等の記録媒体に記憶して提供することもできる。また、各手段100~105の機能の一部を端末2a、2b、2cで動作するように構成してもよいし、端末2a、2b、2cの機能の一部を情報処理装置1で動作するよう構成してもよい。また、情報処理装置1は複数の装置で各機能を分散して動作させるように構成されていてもよいし、クラウド上に配置されるものであってもよい。また、上記実施の形態で説明した上記ステップの入れ替え、削除、追加等は本発明の要旨を変更しない範囲内で可能である。
【符号の説明】
【0105】
1 :情報処理装置
2a、2b、2c:端末
3a :登録管理者
3b :登録申請者
3c :第三者
4 :ネットワーク
10 :制御部
11 :記憶部
12 :通信部
100 :登録対象受付手段
101 :申請者情報受付手段
102 :申請者承認手段
103 :確定時刻受付手段
104 :申請者名登録手段
105 :登録内容出力手段
110 :情報処理プログラム
111 :登録対象情報
112 :申請者情報
113 :確定時刻情報
1000 :ブロックチェーン

図1
図2
図3
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図6A
図6B
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