(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157055
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】基板作業装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
H05K13/02 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066711
(22)【出願日】2022-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 繁之
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC03
5E353CC21
5E353EE02
5E353EE12
5E353EE89
5E353GG01
5E353GG24
5E353HH11
5E353JJ21
5E353JJ48
5E353KK02
5E353KK03
5E353LL06
5E353QQ01
5E353QQ07
(57)【要約】
【課題】基板に対する作業を行う基板作業装置において、基板を搬送する搬送ベルトが摩耗しているか否かを検出すること。
【解決手段】基板Pに対する作業を行う表面実装機14であって、基板Pを搬送する搬送ベルト45を有する搬送コンベア30と、搬送コンベア30によって作業位置Aに搬送された基板Pに対して作業を行う作業部(ヘッドユニット32及びヘッド移動部33)と、基板Pの搬送経路上の第1の位置S1、及び、第1の位置S1から基板Pの搬送方向下流側に所定距離H離れている第2の位置S2で基板Pを検出する基板センサ34と、第1の位置S1で基板センサ34によって基板Pが検出された時から第2の位置S2で基板センサ34によって基板Pが検出された時までの時間を、基板Pが所定距離H搬送されるのに要した搬送時間Tとし、搬送ベルト45が摩耗しているか否かを搬送時間Tに基づいて判断する制御部60と、を備える、表面実装機14。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対する作業を行う基板作業装置であって、
前記基板を搬送する搬送ベルトを有するコンベアと、
前記コンベアによって所定の作業位置に搬送された前記基板に対して前記作業を行う作業部と、
前記基板の搬送経路上の第1の位置、及び、前記第1の位置から前記基板の搬送方向下流側に所定距離離れている第2の位置で前記基板を検出する基板センサと、
前記第1の位置で前記基板センサによって前記基板が検出された時から前記第2の位置で前記基板センサによって前記基板が検出された時までの時間を、前記基板が前記所定距離搬送されるのに要した搬送時間とし、前記搬送ベルトが摩耗しているか否かを前記搬送時間に基づいて判断する制御部と、
を備える、基板作業装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板作業装置であって、
前記基板が前記所定距離搬送されるときの基準時間が記憶されている記憶部を備え、
前記制御部は、前記搬送時間が前記基準時間以上である場合に、前記搬送ベルトが摩耗していると判断する、基板作業装置。
【請求項3】
請求項2に記載の基板作業装置であって、
前記記憶部には前記基板の重量区分毎に前記基準時間が記憶されており、
前記制御部は、前記搬送時間が、搬送対象の前記基板の重量が属する重量区分に対応する前記基準時間以上である場合に、前記搬送ベルトが摩耗していると判断する、基板作業装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の基板作業装置であって、
前記制御部は、2以上の前記基板について前記搬送時間が前記基準時間以上であった場合に、前記搬送ベルトが摩耗していると判断する、基板作業装置。
【請求項5】
請求項1に記載の基板作業装置であって、
前記第1の位置及び前記第2の位置は前記基板が一定速度で搬送される区間内の位置であり、
当該基板作業装置は、前記基板が前記区間を搬送されるときの基準速度が記憶されている記憶部を備え、
前記制御部は、前記所定距離と前記搬送時間とから前記基板の搬送速度を求め、求めた前記搬送速度が前記基準速度未満である場合に、前記搬送ベルトが摩耗していると判断する、基板作業装置。
【請求項6】
請求項5に記載の基板作業装置であって、
前記記憶部には前記基板が前記区間を搬送されるときの基準速度が前記基板の重量区分毎に記憶されており、
前記制御部は、前記搬送速度が、搬送対象の前記基板の重量が属する重量区分に対応する前記基準速度未満である場合に、前記搬送ベルトが摩耗していると判断する、基板作業装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の基板作業装置であって、
前記制御部は、2以上の前記基板について前記搬送速度が前記基準速度未満であった場合に、前記搬送ベルトが摩耗していると判断する、基板作業装置。
【請求項8】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項5又は請求項6に記載の基板作業装置であって、
前記作業部は前記基板の搬送方向に移動可能な移動部を有し、
前記基板センサは前記移動部に設けられており、
前記制御部は、
前記基板が前記第1の位置に到達するより前に前記基板センサが前記第1の位置の上方に位置するように前記移動部を移動させ、
前記基板が前記第1の位置に到達して前記基板センサによって検出されると、前記基板が前記第2の位置に到達するより前に前記基板センサが前記第2の位置の上方に位置するように前記移動部を移動させる、基板作業装置。
【請求項9】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項5又は請求項6に記載の基板作業装置であって、
オペレータに情報を報知する報知部を備え、
前記制御部は、前記搬送ベルトが摩耗していると判断した場合は、前記搬送ベルトが摩耗していることを前記報知部によってオペレータに報知する、基板作業装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、基板に対する作業を行う基板作業装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板を搬送する搬送ベルトの異常を検出することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、特許文献1には、基板を搬送する搬送路が設定された無端環状の搬送ベルトと、該搬送路の所定の検出位置における該基板の有無を検出する基板センサと、該搬送路が該基板を搬送していない際に、該搬送ベルトを回転させ、該基板センサの検出結果を基に該搬送ベルトの異常を判別する基板搬送装置が記載されている。特許文献1には、該搬送ベルトの異常としてヒゲ、うねり、コブなどが挙げられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第WO2016/035190号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の基板搬送装置では、搬送ベルトが摩耗しているか否かを検出することは検討されていなかった。
本明細書では、基板に対する作業を行う基板作業装置において、基板を搬送する搬送ベルトが摩耗しているか否かを検出できる技術を開始する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
基板に対する作業を行う基板作業装置であって、前記基板を搬送する搬送ベルトを有するコンベアと、前記コンベアによって所定の作業位置に搬送された前記基板に対して前記作業を行う作業部と、前記基板の搬送経路上の第1の位置、及び、前記第1の位置から前記基板の搬送方向下流側に所定距離離れている第2の位置で前記基板を検出する基板センサと、前記第1の位置で前記基板センサによって前記基板が検出された時から前記第2の位置で前記基板センサによって前記基板が検出された時までの時間を、前記基板が前記所定距離搬送されるのに要した搬送時間とし、前記搬送ベルトが摩耗しているか否かを前記搬送時間に基づいて判断する制御部と、
を備える、基板作業装置。
【発明の効果】
【0006】
上記の構成によれば、基板に対する作業を行う基板作業装置において、基板を搬送する搬送ベルトが摩耗しているか否かを検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図7】搬送ベルトの摩耗の判断処理のフローチャート
【
図8】実施形態2に係る搬送ベルト、基板及び基板センサの模式図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本実施形態の概要)
(1)実施形態に係る基板作業装置は、基板に対する作業を行う基板作業装置であって、前記基板を搬送する搬送ベルトを有するコンベアと、前記コンベアによって所定の作業位置に搬送された前記基板に対して前記作業を行う作業部と、前記基板の搬送経路上の第1の位置、及び、前記第1の位置から前記基板の搬送方向下流側に所定距離離れている第2の位置で前記基板を検出する基板センサと、前記第1の位置で前記基板センサによって前記基板が検出された時から前記第2の位置で前記基板センサによって前記基板が検出された時までの時間を、前記基板が前記所定距離搬送されるのに要した搬送時間とし、前記搬送ベルトが摩耗しているか否かを前記搬送時間に基づいて判断する制御部と、を備える、基板作業装置。
【0009】
基板を搬送するコンベアを構成している搬送ベルトは消耗部品であり、長期間使用すると摩耗する。搬送ベルトが摩耗するとコンベアの動作に不具合が生じる可能性がある。しかしながら、従来は基板を搬送するコンベアの搬送ベルトが摩耗しているか否かを検出することについて十分に検討されていなかった。
【0010】
本願発明者は、搬送ベルトが摩耗すると、基板が所定距離搬送されるのに要する搬送時間が長くなることを見出した。これには種々の理由が考えられる。例えば、搬送ベルトの外周面は繰り返し基板と接触するので、それにより搬送ベルトの外周面が摩耗する。搬送ベルトの外周面が摩耗すると、搬送ベルトと基板との摩擦が変動し、それにより搬送時間が長くなることが考えられる。
あるいは、搬送ベルトの内周面の摩耗が理由であることも考えられる。具体的には、搬送ベルトの内側には複数のローラが配されている。複数のローラのうち少なくとも1つは搬送ベルトを回転駆動する駆動ローラである。搬送ベルトが長期間使用されると搬送ベルトの内周面が繰り返しローラに接触することによって摩耗する。搬送ベルトの内周面が摩耗すると搬送ベルトの内周面と駆動ローラとの摩擦が小さくなって滑りが生じ、搬送ベルトが1周するのに要する時間が長くなる。搬送ベルトが1周するのに要する時間が長くなると、基板が所定距離搬送されるのに要する搬送時間が長くなる。
あるいは、搬送ベルトの内周面が摩耗して搬送ベルトの内周長が長くなることが理由であることも考えられる。搬送ベルトの内周長が長くなると搬送ベルトが1周するのに要する時間が長くなる。搬送ベルトが1周するのに要する時間が長くなると、基板が所定距離搬送されるのに要する搬送時間が長くなる。
【0011】
上記(1)の基板作業装置によると、第1の位置で基板センサによって基板が検出された時から第2の位置で基板センサによって基板が検出された時までの時間を、基板が所定距離搬送されるのに要した搬送時間とし、搬送ベルトが摩耗しているか否かを搬送時間に基づいて判断する。このため上記(1)の基板作業装置によると、基板に対する作業を行う基板作業装置において、基板を搬送する搬送ベルトが摩耗しているか否かを検出できる。
【0012】
(2)前記基板が前記所定距離搬送されるときの基準時間が記憶されている記憶部を備え、前記制御部は、前記搬送時間が前記基準時間以上である場合に、前記搬送ベルトが摩耗していると判断してもよい。
【0013】
搬送ベルトが摩耗していると基板が所定距離搬送されるのに要する搬送時間が長くなる。言い換えると、搬送ベルトが摩耗していると基板の搬送速度が遅くなる。このため、基板の搬送速度が基準速度未満である場合は搬送ベルトが摩耗していると判断することもできる。しかしながら、基板の搬送速度は必ずしも一定ではないため、搬送速度を計測することが難しいこともある。例えば、基板の搬送が開始された直後は搬送速度が遅く、その後に搬送速度が徐々に早くなり、作業位置の手前で減速されて徐々に遅くなることもある。この場合、搬送速度が一定でないため基板の搬送速度を一意に決定することが難しい。
これに対し、基板が所定距離搬送されるのに要する搬送時間は、基板の搬送経路上の2つの位置(第1の位置及び第2の位置)で基板を検出することによって計測できるので、搬送速度が一定でなくても容易に計測できる。
上記(2)の基板作業装置によると、基板が所定距離搬送されるときの搬送時間が基準時間以上である場合に搬送ベルトが摩耗していると判断するので、基板の搬送速度が一定でなくても搬送ベルトが摩耗しているか否かを検出できる。
【0014】
(3)前記記憶部には前記基板の重量区分毎に前記基準時間が記憶されており、前記制御部は、前記搬送時間が、搬送対象の前記基板の重量が属する重量区分に対応する前記基準時間以上である場合に、前記搬送ベルトが摩耗していると判断してもよい。
【0015】
基板が所定距離搬送されるのに要する搬送時間は基板の重量によって異なり、基板の重量が重いほど長くなる。この場合、基板の重量によらず基準時間を1つだけ設定すると、搬送ベルトが摩耗していなくても基板の重量が重いことによって搬送時間が基準時間以上となり、搬送ベルトが摩耗していると誤判定される虞がある。あるいは、搬送ベルトが摩耗していても基板の重量が軽いことよって搬送時間が基準時間未満となり、搬送ベルトが摩耗していないと誤判定される虞がある。
上記(3)の基板作業装置によると、基板が所定距離搬送されるときの基準時間が基板の重量区分毎に記憶されているので、基板の重量によらず基準時間を1つだけ設定する場合に比べ、搬送ベルトが摩耗しているか否かが誤判定される虞を低減できる。
【0016】
(4)前記制御部は、2以上の前記基板について前記搬送時間が前記基準時間以上であった場合に、前記搬送ベルトが摩耗していると判断してもよい。
【0017】
搬送ベルトが摩耗していなくても、何らかの原因によって基板の搬送時間が一時的に基準時間以上になることも考えられる。このため、搬送ベルトが摩耗しているか否かを1つの基板だけで判断すると誤判断する虞がある。
上記(4)の基板作業装置によると、2以上の基板について搬送時間が基準時間以上であった場合に搬送ベルトが摩耗していると判断するので、搬送ベルトが摩耗しているか否かを誤判断する虞を低減できる。
【0018】
(5)前記第1の位置及び前記第2の位置は前記基板が一定速度で搬送される区間内の位置であり、当該基板作業装置は、前記基板が前記区間を搬送されるときの基準速度が記憶されている記憶部を備え、前記制御部は、前記所定距離と前記搬送時間とから前記基板の搬送速度を求め、求めた前記搬送速度が前記基準速度未満である場合に、前記搬送ベルトが摩耗していると判断してもよい。
【0019】
基板の搬送速度が一定の区間がある場合は、その区間を搬送されるときの基板の搬送速度と基準速度とを比較することにより、搬送ベルトが摩耗しているか否かを検出できる。
【0020】
(6)前記記憶部には前記基板が前記区間を搬送されるときの基準速度が前記基板の重量区分毎に記憶されており、前記制御部は、前記搬送速度が、搬送対象の前記基板の重量が属する重量区分に対応する前記基準速度未満である場合に、前記搬送ベルトが摩耗していると判断してもよい。
【0021】
基板の搬送速度は基板の重量によって異なり、基板の重量が重いほど遅くなる。この場合、基板の重量によらず基準速度を1つだけ設定すると、搬送ベルトが摩耗していなくても基板の重量が重いことによって搬送速度が基準速度未満となり、搬送ベルトが摩耗していると誤判定される虞がある。あるいは、搬送ベルトが摩耗していても基板の重量が軽いことよって搬送速度が基準速度以上となり、搬送ベルトが摩耗していないと誤判定される虞がある。
上記(6)の基板作業装置によると、基板が一定速度で搬送されるときの基準速度が基板の重量区分毎に記憶されているので、基板の重量によらず基準速度を1つだけ設定する場合に比べ、搬送ベルトが摩耗しているか否かが誤判定される虞を低減できる。
【0022】
(7)前記制御部は、2以上の前記基板について前記搬送速度が前記基準速度未満であった場合に、前記搬送ベルトが摩耗していると判断してもよい。
【0023】
搬送ベルトが摩耗していなくても、何らかの原因によって基板の搬送速度が一時的に基準速度未満になることも考えられる。このため、搬送ベルトが摩耗しているか否かを1つの基板だけで判断すると誤判断する虞がある。
上記(7)の基板作業装置によると、2以上の基板について搬送速度が基準速度未満であった場合に搬送ベルトが摩耗していると判断するので、搬送ベルトが摩耗しているか否かを誤判断する虞を低減できる。
【0024】
(8)前記作業部は前記基板の搬送方向に移動可能な移動部を有し、前記基板センサは前記移動部に設けられており、前記制御部は、前記基板が前記第1の位置に到達するより前に前記基板センサが前記第1の位置の上方に位置するように前記移動部を移動させ、前記基板が前記第1の位置に到達して前記基板センサによって検出されると、前記基板が前記第2の位置に到達するより前に前記基板センサが前記第2の位置の上方に位置するように前記移動部を移動させてもよい。
【0025】
第1の位置及び第2の位置で基板を検出する方法としては、第1の位置及び第2の位置のそれぞれに基板センサを固定で配する方法が考えられる。しかしながら、その場合は基板センサが2つ必要になるので部品点数が増加する。
上記(8)の基板作業装置によると、移動部に設けられている基板センサを移動させて第1の位置及び第2の位置で基板を検出するので、基板センサの数が1つだけでよい。このため、第1の位置及び第2の位置のそれぞれに基板センサを固定で配する場合に比べて基板センサの数を減らすことができる。
【0026】
(9)オペレータに情報を報知する報知部を備え、前記制御部は、前記搬送ベルトが摩耗していると判断した場合は、前記搬送ベルトが摩耗していることを前記報知部によってオペレータに報知してもよい。
【0027】
上記(9)の基板作業装置によると、搬送ベルトが摩耗していることをオペレータに報知するので、報知されたオペレータが搬送ベルトを点検あるいは交換することにより、搬送ベルトの摩耗によって基板作業装置の動作に不具合が生じることを抑制できる。
【0028】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本開示の実施形態は、装置、方法、これらの装置または方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現できる。
【0029】
<実施形態1>
実施形態1を
図1ないし
図7に基づいて説明する。以降の説明では同一の構成要素には一部を除いて図面の符号を省略している場合がある。
【0030】
(1)生産ライン
図1を参照して、実施形態1に係る生産ライン1について説明する。生産ライン1は部品が実装された基板を生産するラインである。生産ライン1は基板に対する作業を行う複数の基板作業装置(ローダー10、スクリーン印刷機11、印刷検査機12、ディスペンサ13、3台の表面実装機14、実装後外観検査機15、リフロー装置16、硬化後外観検査機17、及び、アンローダー18)を備えており、これらが複数のコンベア19を介して1列に並んでいる。以降の説明では基板作業装置として表面実装機14を例に説明する。
【0031】
(2)表面実装機
図2を参照して、表面実装機14について説明する。表面実装機14は回路パターンが印刷された基板Pに部品Eを実装する作業を行う基板作業装置である。
表面実装機14は、架台29、搬送コンベア30(コンベアの一例)、4つの部品供給装置31、ヘッドユニット32、ヘッド移動部33、基板センサ34、2つの部品撮像カメラ35、基板撮像カメラ36、制御部60(
図5参照)、及び、操作部61(
図5参照、報知部の一例)を備えている。ヘッドユニット32及びヘッド移動部33は作業部の一例である。ヘッドユニット32は、作業部が有している移動部の一例である。
【0032】
架台29は平面視長方形状をなすとともに上面が平坦とされている。
図2において二点破線で示す領域Aは、基板Pに部品Eを実装するときに基板Pが固定される作業位置(以下、作業位置Aという)である。
搬送コンベア30は基板Pを搬送する装置である。搬送コンベア30はX軸方向に循環移動する一対の搬送ベルト45(前側搬送ベルト45A及び後側搬送ベルト45B)、搬送ベルト45が掛け回されている複数のローラ46(
図6参照)、搬送ベルト45を駆動するコンベア駆動モータ75(
図5参照)などを備えている。搬送コンベア30は上流側から搬入された基板Pを作業位置Aに搬送し、作業位置Aで部品Eが実装された基板Pを下流側に搬出する。
【0033】
4つの部品供給装置31は搬送コンベア30の前後両側においてX軸方向に並んで2箇所ずつ、計4箇所に配されている。部品供給装置31には複数のテープフィーダ38がX軸方向に横並び状に整列して取り付けられている。各テープフィーダ38は複数の部品Eが収容された部品テープ(不図示)が巻回されたリール(不図示)、及び、リールから部品テープを引き出す電動式の送出装置(不図示)等を備えており、搬送コンベア30側の端部に設けられた部品供給位置から部品Eを1つずつ供給する。
【0034】
ヘッドユニット32は部品Eを吸着及び解放する複数の実装ヘッド37を備えている。ヘッドユニット32についての説明は後述する。
ヘッド移動部33はヘッドユニット32を所定の可動範囲内でX軸方向及びY軸方向に移動させる機構である。ヘッド移動部33はヘッドユニット32をX軸方向に往復移動可能に支持しているビーム33A、ビーム33AをY軸方向に往復移動可能に支持している一対のY軸ガイドレール33B、ヘッドユニット32をX軸方向に往復移動させるX軸サーボモータ71、ビーム33AをY軸方向に往復移動させるY軸サーボモータ72などを備えている。
【0035】
基板センサ34はヘッドユニット32に配されている。基板センサ34は搬送コンベア30によって搬送されている基板Pを検出するセンサである。基板センサ34についての説明は後述する。
2つの部品撮像カメラ35はそれぞれX軸方向に並んだ2つの部品供給装置31の間に設けられている。部品撮像カメラ35は架台29の上面に設けられており、実装ヘッド37に吸着されている部品Eを下から撮像する。
基板撮像カメラ36はヘッドユニット32に設けられている。基板撮像カメラ36は基板Pに付されている図示しないフィデューシャルマークを上方から撮像する。
【0036】
図3を参照して、ヘッドユニット32について説明する。ヘッドユニット32は所謂インライン型であり、複数の実装ヘッド37がX軸方向に並んで設けられている。ヘッドユニット32にはこれらの実装ヘッド37を個別に昇降させるZ軸サーボモータ73(
図5参照)、及び、これらの実装ヘッド37を一斉に軸周りに回転させるR軸サーボモータ74(
図5参照)が設けられている。
【0037】
各実装ヘッド37は部品Eを吸着及び解放するものであり、ノズルシャフト37Aと、ノズルシャフト37Aの下端部に着脱可能に取り付けられている吸着ノズル37Bとを有している。吸着ノズル37Bにはノズルシャフト37Aを介して図示しない空気供給装置から負圧及び正圧が供給される。吸着ノズル37Bは負圧が供給されることによって部品Eを吸着し、正圧が供給されることによってその部品Eを解放する。
ここではインライン型のヘッドユニット32を例に説明したが、ヘッドユニット32は例えば複数の実装ヘッド37が円周上に配列された所謂ロータリーヘッドであってもよい。
【0038】
図4を参照して、基板センサ34について説明する。実施形態1に係る基板センサ34は光電センサであり、レーザー光40を斜め下に向かって投光する投光部34Aと、基板Pで反射されたレーザー光40を受光する受光部34Bとを備えている。
図4に示すように、基板センサ34の下方に基板Pが有る場合はレーザー光40が基板Pで反射されるので、反射されたレーザー光40が受光部34Bによって受光される。
【0039】
図4において点線41は基板センサ34の下方に基板Pが無い場合のレーザー光40の進路を示している。基板Pが無い場合はレーザー光40が基板Pに反射されず、2つの搬送ベルト45の間を通過する。このためレーザー光40は受光部34Bに受光されない。このため、受光部34Bがレーザー光40を受光したか否かによって基板Pを検出できる。
【0040】
図5を参照して、表面実装機14の電気的構成について説明する。表面実装機14は制御部60及び操作部61を備えている。制御部60は演算処理部62、モータ制御部63、記憶部64、画像処理部65、外部入出力部66、フィーダ通信部67などを備えている。
【0041】
演算処理部62はCPU、RAMなどを備えており、記憶部64に記憶されている制御プログラムを実行することによって表面実装機14の各部を制御する。
モータ制御部63は演算処理部62の制御の下でX軸サーボモータ71、Y軸サーボモータ72などの各モータの回転を制御する。
記憶部64には演算処理部62によって実行される各種のプログラムやデータが記憶されている。
【0042】
画像処理部65は部品撮像カメラ35や基板撮像カメラ36から出力される画像信号が取り込まれるように構成されている。
外部入出力部66はいわゆるインターフェースであり、表面実装機14の本体に設けられている各種センサ類68(基板センサ34を含む)から出力される検出信号が取り込まれるように構成されている。また、外部入出力部66は演算処理部62から出力される制御信号に基づいて各種アクチュエータ類69(空気供給装置など)に対する動作制御を行うように構成されている。
【0043】
フィーダ通信部67はテープフィーダ38に接続されており、テープフィーダ38を統括して制御する。
操作部61は液晶ディスプレイなどの表示装置や、タッチパネル、キーボード、マウスなどの入力装置を備えている。オペレータは操作部61を操作して各種の設定などを行うことができる。
【0044】
(3)搬送ベルトの摩耗の判断
図6を参照して、搬送ベルト45の摩耗の判断について説明する。
図6において第1の位置S1は基板Pの搬送経路上の位置である。第1の位置S1は基板Pの搬送経路上において作業位置Aより上流側に設定されている。第2の位置S2は第1の位置S1から基板Pの搬送方向下流側に所定距離H離れた位置である。第2の位置S2も作業位置Aより上流側に設定されている。所定距離Hは適宜に決定できる。
【0045】
搬送ベルト45が摩耗すると基板Pの搬送に要する時間が長くなる。このため、制御部60は、搬送ベルト45によって基板Pが第1の位置S1から第2の位置S2まで搬送されるのに要した搬送時間T(言い換えると、基板Pが所定距離H搬送されるのに要した搬送時間T)を、基板センサ34を用いて計測する。基板センサ34を用いた搬送時間Tの計測についての説明は後述する。
【0046】
記憶部64には、基板Pが所定距離H搬送されるのに要する基準時間が記憶されている。制御部60は、計測した搬送時間Tが基準時間以上である場合は、搬送ベルト45が摩耗していると判断する。
ここで、重い基板Pほど搬送に時間を要する。このため、記憶部64には基板Pが所定距離H搬送されるときの基準時間が基板Pの重量区分毎に記憶されている。以下に基板Pの重量区分、及び、各重量区分に対応する基準時間の一例を示す。以下の表1ではA<B<C、X<Y<Zであるとする。
【表1】
【0047】
例えば、搬送対象の基板Pの重量がAグラム未満である場合、制御部60は、計測した搬送時間TがX秒未満であるか否かを判断する。制御部60は、搬送時間TがX秒未満のときは搬送ベルト45が摩耗していないと判断し、X秒以上のときは摩耗していると判断する。
【0048】
図6を参照して、基板センサ34を用いた搬送時間Tの計測について説明する。制御部60は、ヘッドユニット32に設けられている1つの基板センサ34を用いて搬送時間Tを計測する。
具体的には、制御部60は、基板Pが第1の位置S1に到達するより前に基板センサ34が第1の位置S1の上方に位置するようにヘッド移動部33によってヘッドユニット32を移動させる。そして、制御部60は、基板Pが第1の位置S1に到達して基板センサ34によって検出されると、基板Pが第2の位置S2に到達するより前に基板センサ34が第2の位置S2の上方に位置するようにヘッド移動部33によってヘッドユニット32を移動させる。すなわち、制御部60は基板Pが搬送される速度よりも早い速度でヘッドユニット32を移動させる。
【0049】
そして、制御部60は、基板Pが第2の位置S2に到達して基板センサ34によって検出されると、第1の位置S1で基板センサ34によって基板Pが検出された時から第2の位置S2で基板センサ34によって基板Pが検出された時までの時間を搬送時間Tとする。
【0050】
図7を参照して、制御部60によって実行される搬送ベルトの摩耗の判断処理のフローについて説明する。
本処理は搬送ベルト45の摩耗を判断すべき所定の条件が成立した場合に実行される。搬送ベルト45の摩耗を判断すべき所定の条件は、搬送した基板Pの枚数が所定枚数に達したとき、その日の最初の基板Pを搬送するとき、前回搬送ベルト45の摩耗を判断した時から一定時間経過したとき、予め設定されている日時に至った時、オペレータによって搬送ベルト45の摩耗の判断が指示されたときなどである。所定の条件は適宜に決定できる。
【0051】
制御部60は、所定の条件が成立すると、その後に最初に搬送される基板Pについて本処理を実行する。制御部60は、その基板Pについて搬送時間Tが基準時間以上であると判断した場合は、次に搬送される基板Pについても本処理を実行する。そして、次に搬送される基板Pでも搬送時間Tが基準時間以上であった場合に、搬送ベルト45が摩耗していると判断する。
【0052】
以下のフローにおいて変数Nは、搬送時間Tが基準時間以上であった基板Pの枚数をカウントする変数である。最初に搬送される基板Pについて本処理を実行するときは、変数Nの初期値は0であるとする。変数Nの値は次回の本処理の実行に引き継がれるものとする。このため、次に搬送される基板Pについて本処理を実行するときは、変数Nの初期値は1であるとする。
【0053】
S101では、制御部60は、基板Pの搬送が開始される前に、基板センサ34が第1の位置S1の上方に位置するようにヘッド移動部33によってヘッドユニット32を移動させる。あるいは、制御部60は、基板Pの搬送が開始された後、基板Pが第1の位置S1に到達するより前に基板センサ34が第1の位置S1の上方に位置するようにヘッド移動部33によってヘッドユニット32を移動させる。
【0054】
S102では、制御部60は第1の位置S1の上方に位置する基板センサ34によって基板Pが検出された時刻をRAMに記憶する。具体的には、基板Pが搬送されて第1の位置S1に到達すると、基板センサ34の検出信号がオフ(基板無し)からオン(基板有り)に変化する。制御部60は、基板センサ34の検出信号がオフからオンに変化した時の時刻をRAMに記憶する。時刻は制御部60のシステムクロック(演算処理部62のCPUによって時が刻まれるクロック)から取得される。
【0055】
S103では、制御部60は基板Pが第2の位置S2に到達するより前に基板センサ34が第2の位置S2の上方に位置するようにヘッド移動部33によってヘッドユニット32を移動させる。
S104では、制御部60は第2の位置S2の上方に位置する基板センサ34によって基板Pが検出された時刻をRAMに記憶する。
【0056】
S105では、制御部60は、前述した表1を参照して、基板Pが第1の位置S1から第2の位置S2まで搬送されるのに要した搬送時間Tが、搬送対象の基板Pの重量が属する重量区分に対応する基準時間以上であるか否かを判断する。制御部60は、搬送時間Tが基準時間以上である場合はS106に進み、基準時間未満である場合は処理を終了する。
【0057】
S106では、制御部60は搬送時間Tが基準時間以上であった基板Pの枚数をカウントする変数Nに1を加算する。
S107では、制御部60は変数Nが2であるか否かを判断し、2である場合はS108に進む。制御部60は、変数Nが2でない場合(すなわち1である場合)は本処理を終了する。
【0058】
S108では、制御部60は搬送ベルト45が摩耗していることをオペレータに報知する。具体的には例えば、制御部60は操作部61の表示装置に「搬送ベルトが摩耗している可能性があります」というメッセージを表示させる。
報知はメッセージの表示に限定されず、音声によって報知してもよい。あるいは、操作部61に搬送ベルト45が摩耗していることを示す警告灯を設け、その警告灯を点灯させることによって報知してもよい。あるいは、搬送ベルト45が摩耗していることを電子メールによってオペレータに通知してもよい。報知の方法は適宜に決定できる。
【0059】
(4)実施形態の効果
実施形態1に係る表面実装機14によると、第1の位置S1で基板センサ34によって基板Pが検出された時から第2の位置S2で基板センサ34によって基板Pが検出された時までの時間を、基板Pが所定距離H搬送されるのに要した搬送時間Tとし、搬送ベルト45が摩耗しているか否かを搬送時間Tに基づいて判断するので、基板Pに対する作業を行う表面実装機14において、基板Pを搬送する搬送ベルト45が摩耗しているか否かを検出できる。
【0060】
表面実装機14によると、基板Pが所定距離H搬送されるときの搬送時間Tが基準時間以上である場合に搬送ベルト45が摩耗していると判断するので、基板Pの搬送速度が一定でなくても搬送ベルト45が摩耗しているか否かを検出できる。
【0061】
表面実装機14によると、基板Pが所定距離H搬送されるときの基準時間が基板Pの重量区分毎に記憶されているので、基板Pの重量によらず基準時間を1つだけ設定する場合に比べ、搬送ベルト45が摩耗しているか否かが誤判定される虞を低減できる。
【0062】
表面実装機14によると、2以上の基板Pについて搬送時間Tが基準時間以上であった場合に搬送ベルト45が摩耗していると判断するので、搬送ベルト45が摩耗しているか否かを誤判断する虞を低減できる。
【0063】
表面実装機14によると、ヘッドユニット32に設けられている基板センサ34を移動させて第1の位置S1及び第2の位置S2で基板Pを検出するので、基板センサ34の数が1つだけでよい。このため、第1の位置S1及び第2の位置S2のそれぞれに基板センサ34を固定で配する場合に比べて基板センサ34の数を減らすことができる。
【0064】
表面実装機14によると、搬送ベルト45が摩耗していることをオペレータに報知するので、報知されたオペレータが搬送ベルト45を点検あるいは交換することにより、搬送ベルト45の摩耗によって表面実装機14の動作に不具合が生じることを抑制できる。
【0065】
<実施形態2>
実施形態2を
図8によって説明する。
図8に示すように、実施形態2に係る表面実装機14は、搬送コンベア30によって基板Pが搬送される搬送経路上に、基板Pが一定速度で搬送される区間Jがある。実施形態2に係る制御部60は、搬送ベルト45が摩耗しているか否かを、基板Pが区間Jを搬送されるときの搬送速度に基づいて判断する。以下、具体的に説明する。
【0066】
図8に示すように、実施形態2に係る第1の位置S1及び第2の位置S2は区間J内に設定されている。実施形態2でもヘッドユニット32に設けられている1つの基板センサ34を用いて搬送時間Tが計測される。
実施形態2に係る制御部60は、所定距離Hと、搬送ベルト45によって基板Pが第1の位置S1から第2の位置S2まで搬送されるのに要した搬送時間T(言い換えると、基板Pが所定距離H搬送されるのに要した搬送時間T)とに基づいて基板Pの搬送速度V(メートル/秒)を求める。具体的には、制御部60は以下の式1によって搬送速度Vを求める。
【0067】
搬送速度V=所定距離H/搬送時間T ・・・ 式1
そして、制御部60は、求めた搬送速度Vが、記憶部64に記憶されている基準速度未満である場合は、搬送ベルト45が摩耗していると判断する。
ここで、重い基板Pほど搬送に時間を要する。言い換えると、重い基板Pほど搬送速度が遅くなる。このため、記憶部64には基板Pが区間Jを搬送されるときの基準速度が基板Pの重量区分毎に記憶されている。以下に基板Pの重量区分、及び、各重量区分に対応する基準速度の一例を示す。以下の表2ではA<B<C、X<Y<Zであるとする。
【表2】
【0068】
例えば、搬送対象の基板Pの重量がAグラム未満である場合、制御部60は、求めた搬送速度がX(メートル/秒)以上のときは搬送ベルト45が摩耗していないと判断し、X(メートル/秒)未満のときは摩耗していると判断する。
【0069】
実施形態2に係る搬送ベルト45の摩耗の判断処理のフローは、所定距離Hと搬送時間Tとから基板Pの搬送速度Vを求める点を除いて実施形態1と実質的に同一であるので説明は省略する。
【0070】
実施形態2に係る表面実装機14によると、基板Pの搬送速度が一定の区間がある場合は、その区間を搬送されるときの基板Pの搬送速度Vと基準速度とを比較することにより、搬送ベルト45が摩耗しているか否かを検出できる。
【0071】
表面実装機14によると、基板Pが一定速度で搬送されるときの基準速度が基板Pの重量区分毎に記憶されているので、基板Pの重量によらず基準速度を1つだけ設定する場合に比べ、搬送ベルト45が摩耗しているか否かが誤判定される虞を低減できる。
【0072】
表面実装機14によると、2以上の基板Pについて搬送速度が基準速度未満であった場合に搬送ベルト45が摩耗していると判断するので、搬送ベルト45が摩耗しているか否かを誤判断する虞を低減できる。
【0073】
<他の実施形態>
本明細書によって開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書によって開示される技術的範囲に含まれる。
【0074】
(1)上記実施形態では基板センサ34を1つだけ備えている場合を例示したが、第1の位置S1及び第2の位置S2のそれぞれに基板センサ34が固定で配されてもよい。
【0075】
(2)上記実施形態では基板センサ34として光電センサを例示したが、基板センサ34はこれに限られない。例えば、基板センサ34は超音波センサであってもよい。
【0076】
(3)上記実施形態では基板作業装置として表面実装機14を例示したが、基板作業装置は表面実装機14に限られない。例えば、基板作業装置はスクリーン印刷機11、印刷検査機12、ディスペンサ13、実装後外観検査機15、リフロー装置16、硬化後外観検査機17、コンベア19などであってもよい。
例えば、印刷検査機12、実装後外観検査機15及び硬化後外観検査機17は、検査用のカメラ(移動部の一例)と、検査用のカメラをXY方向に移動させる移動機構とを備えている。検査用のカメラ及び移動機構は作業部の一例である。この場合、基板センサ34は検査用のカメラに設けられてもよい。スクリーン印刷機12も、検査用のカメラ(移動部の一例)と、検査用のカメラをXY方向に移動させる移動機構とを備えている場合がある。このため、スクリーン印刷機12においても、検査用のカメラに基板センサ34が設けられてもよい。ディスペンサ13は、基板Pに接着剤を塗布する塗布ヘッドを有するヘッドユニット(移動部の一例)と、ヘッドユニットをXY方向に移動させる移動機構とを備えている。この場合、基板センサ34はヘッドユニットに設けられてもよい。
移動機構を備えない基板作業装置の場合は、第1の位置S1及び第2の位置S2のそれぞれに基板センサ34が固定で配されることになる。
【0077】
(4)上記実施形態1では基板Pの重量区分毎に基準時間が記憶部64に記憶されている場合を例示したが、基板Pの種類によらず重量がほぼ同じである場合は、記憶部64に記憶される基準時間は1つだけでもよい。
【0078】
(5)上記実施形態2では基板Pの重量区分毎に基準速度が記憶部64に記憶されている場合を例示したが、基板Pの種類によらず重量がほぼ同じである場合は、記憶部64に記憶される基準速度は1つだけでもよい。
【0079】
(6)上記実施形態1では2つの基板Pについて搬送時間Tが基準時間以上であった場合に搬送ベルト45が摩耗していると判断するが、1つの基板P、あるいは3つ以上の基板Pについて搬送時間Tが基準時間以上であった場合に搬送ベルト45が摩耗していると判断してもよい。実施形態2についても同様である。
【0080】
(7)上記実施形態では第1の位置S1及び第2の位置S2が作業位置Aより上流側に設定されている場合を例示したが、これらの位置は作業位置Aより下流側に設定されてもよい。
【0081】
(8)上記実施形態では第1の位置S1の上方に位置する基板センサ34によって基板Pが検出された時刻から、第2の位置S2の上方に位置する基板センサ34によって基板Pが検出された時刻までの時間を搬送時間Tとして計測する場合を例に説明したが、搬送時間Tを計測する方法はこれに限定されない。例えば、第1の位置S1の上方に位置する基板センサ34によって基板Pが検出された時にソフトウェアタイマーをスタートさせ、第2の位置S2の上方に位置する基板センサ34によって基板Pが検出された時にソフトウェアタイマーをストップさせることによって計測してもよい。あるいは、CPUに内蔵されたタイマーを用いて計測してもよい。
【符号の説明】
【0082】
14:表面実装機(基板作業装置の一例)
30:搬送コンベア(コンベアの一例)
32:ヘッドユニット(作業部及び移動部の一例)
33:ヘッド移動部(作業部及び移動部の一例)
34:基板センサ
45:搬送ベルト
60:制御部
61:操作部(報知部の一例)
64:記憶部
A:作業位置
E:部品
H:所定距離
J:区間(基板が一定速度で搬送される区間の一例)
P:基板
S1:第1の位置
S2:第2の位置